(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024117817
(43)【公開日】2024-08-29
(54)【発明の名称】樹脂組成物、成形品、樹脂組成物の製造方法、合成樹脂の結晶化促進方法および合成樹脂の透明性向上方法
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20240822BHJP
C08K 5/3477 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K5/3477
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024100927
(22)【出願日】2024-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】竹中 浩貴
(72)【発明者】
【氏名】上田 直人
(72)【発明者】
【氏名】武藤 崇史
(72)【発明者】
【氏名】軽部 楓花
(57)【要約】
【課題】優れた結晶性を備える樹脂組成物、成形品、樹脂組成物の製造方法、合成樹脂の結晶化促進方法および合成樹脂の透明性向上方法を提供すること。
【解決手段】合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を含む樹脂組成物。
【化1】
(一般式(1)中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を含む樹脂組成物。
【化1】
(一般式(1)中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)で表される基を含む化合物が下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1記載の樹脂組成物。
【化2】
(一般式(2)中、W
1~W
3はそれぞれ独立に、下記一般式(3)で表される基を表す。)
【化3】
(一般式(3)中、Ar
1は無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、R
1は水素原子または一価の置換基を表し、L
1およびL
2はそれぞれ独立に、下記一般式(4)で表される基を表し、mは0または1以上の整数を表し、****は酸素原子と結合する部位を表す。)
【化4】
(一般式(4)中、X
4およびX
5はそれぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、A
1は直接結合または炭素原子数1~30のアルカンジイル基を表し、nは0または1を表す。)
【請求項3】
充填剤を含む、請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項4】
着色剤を含む、請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項記載の樹脂組成物を成形して得られる成形品。
【請求項6】
合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む、樹脂組成物の製造方法。
【化5】
(一般式(1)中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【請求項7】
合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む、合成樹脂の結晶化促進方法。
【化6】
(一般式(1)中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【請求項8】
合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む、合成樹脂の透明性向上方法。
【化7】
(一般式(1)中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、成形品、樹脂組成物の製造方法、合成樹脂の結晶化促進方法および合成樹脂の透明性向上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂の結晶化を促進するための添加剤として、種々の化合物が使用されている。例えば下記特許文献1には、合成樹脂用の核剤として、芳香族アミド化合物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の化合物からなる核剤は、結晶化促進性能について更なる改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、優れた結晶性を備える樹脂組成物、成形品、樹脂組成物の製造方法、合成樹脂の結晶化促進方法および合成樹脂の透明性向上方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の光安定剤を組み合わせることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を含む樹脂組成物である。
【0008】
【0009】
(一般式(1)中、X1、X2およびX3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【0010】
また、本発明は、上記の樹脂組成物を成形して得られる成形品である。
【0011】
また、本発明は、合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む、樹脂組成物の製造方法である。
【0012】
【0013】
(一般式(1)中、X1、X2およびX3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【0014】
また、本発明は、合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む、合成樹脂の結晶化促進方法である。
【0015】
【0016】
(一般式(1)中、X1、X2およびX3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【0017】
さらに、本発明は、合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む、合成樹脂の透明性向上方法である。
【0018】
【0019】
(一般式(1)中、X1、X2およびX3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、優れた結晶性を備える樹脂組成物、成形品、樹脂組成物の製造方法、合成樹脂の結晶化促進方法および合成樹脂の透明性向上方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を含む。
【0022】
【0023】
ここで、一般式(1)中、X1、X2およびX3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。
【0024】
本実施形態の樹脂組成物は、優れた結晶性を備える。
【0025】
(合成樹脂)
本実施形態の樹脂組成物に含まれる合成樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。
【0026】
ここで、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸、ポリフェニレンサルファイドなどの結晶性樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、含ハロゲン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキサイドなどの非晶性樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0027】
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、合成ゴムなどが挙げられる。
【0028】
なお、合成樹脂は、1種が単独で含まれていても、2種以上が組み合わせて含まれていてもよい。また、合成樹脂は共重合体であってもよく、ポリマーアロイであってもよい。
【0029】
合成樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、結晶性樹脂を含むことがさらに好ましい。ここで、結晶性樹脂は特に限定されるものではなく、結晶性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられる。
【0030】
さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、本実施形態の樹脂組成物においては、合成樹脂がポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、ブロックコポリマーポリプロピレン、インパクトコポリマーポリプロピレン、ハイインパクトコポリマーポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリブテン-1、シクロオレフィンポリマー、ポリ-3-メチル-1-ブテン、ポリ-3-メチル-1-ペンテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のα-オレフィン共重合体等が挙げられる。ここで、ポリオレフィン系樹脂の分子量、重合度、密度、軟化点、溶媒への不溶分の割合、立体規則性の程度、触媒残渣の有無、原料となるモノマーの種類や配合比率、重合に使用される触媒の種類(例えば、チーグラー触媒、メタロセン触媒等)等は特に限定されるものではなく、適宜選択される。
【0031】
さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、本実施形態の樹脂組成物においては、合成樹脂がポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことがより好ましく、ポリプロピレン系樹脂を含むことがさらに好ましい。
【0032】
本実施形態の樹脂組成物においては、合成樹脂がエラストマーを含むものであってもよい。この場合、樹脂組成物からなる成形品は、優れた耐衝撃性を備えるものとなる。ここで、エラストマーとしては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴム、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中では、樹脂組成物の加工性をより優れたものとし、かつ、樹脂組成物からなる成形品をより軽量化する観点から、熱可塑性エラストマーが好ましい。また、熱可塑性エラストマーの中では、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。本実施形態の樹脂組成物がエラストマーを含む場合、樹脂組成物に含まれる樹脂成分全体に対するエラストマーの含有割合は特に限定されず、例えば1~50質量%とすることができ、樹脂組成物からなる成形品の耐衝撃性と剛性とを両立させる観点から5~30質量%であることが好ましく、10~25質量%であることがより好ましい。
【0033】
なお、合成樹脂は、化石燃料由来の原料モノマーから得られるものであっても、バイオマス由来の原料モノマーから得られるものであってもよく、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルなどの方法で得られるリサイクル樹脂であってもよい。
【0034】
(一般式(1)で表される化合物)
上述したように、本実施形態の樹脂組成物は、上記一般式(1)で表される基を含む化合物を含む。
【0035】
X1、X2およびX3が置換基を有するフェニレン基である場合の置換基としては、例えば、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数2~11のアルキルカルボニル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、炭素原子数7~21のアリールカルボニル基、炭素原子数2~20の複素環基、アミノ基、アミノカルボニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシ基、スルホ基、スルホンアミド基などが挙げられる。ここで、カルボキシ基、スルホ基は塩を形成していてもよい。X1、X2およびX3が置換基を有するフェニレン基である場合の置換基は、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがより好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基であることがさらに好ましい。なお、X1、X2およびX3が置換基を有するフェニレン基である場合の置換基の個数は特に限定されず、1~4個とすることができ、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、1~2個であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
【0036】
炭素原子数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基などの直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert
-アミル基、2-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、イソデシル基などの分岐を有するアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基などの環状アルキル基などが挙げられる。さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、これらの中では、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基がより好ましく、メチル基、シクロヘキシル基がさらに好ましく、シクロヘキシル基が特に好ましい。
【0037】
炭素原子数1~10のアルコキシ基としては、上記炭素原子数1~10のアルキル基が酸素原子に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0038】
炭素原子数2~11のアルキルカルボニル基としては、上記炭素原子数1~10のアルキル基がカルボニル基に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0039】
炭素原子数6~20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル基などの無置換のアリール基、p-メチルフェニル基、o-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-クロロフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-シアノフェニル基などの置換基を有するアリール基などが挙げられる。さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、これらの中では無置換のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
【0040】
炭素原子数6~20のアリールオキシ基としては、上記炭素原子数6~20のアリール基が酸素原子に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0041】
炭素原子数7~21のアリールカルボニル基としては、上記炭素原子数6~20のアリール基がカルボニル基に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0042】
炭素原子数2~20の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、チエニル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、ベンゾオキサゾール-2-イル基、テトラヒドロピラニル基、ピロリジル基、イミダゾリジル基、ピラゾリジル基、チアゾリジル基、イソチアゾリジル基、オキサゾリジル基、イソオキサゾリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリニル基などが挙げられる。
【0043】
アミノ基は、-NY1Y2の構造を有する基である。ここで、Nは窒素原子であり、Y1およびY2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基などを表す。また、Y1およびY2は連結して環を形成してもよい。炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基としては、上記例示と同じものが挙げられる。
【0044】
アミノカルボニル基としては、上記アミノ基がカルボニル基に結合した構造を有する基などが挙げられる。
【0045】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
【0046】
なお、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、X1、X2およびX3は無置換のフェニレン基であることが好ましい。
【0047】
本実施形態の樹脂組成物においては、一般式(1)で表される基を含む化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
【0048】
【0049】
ここで、一般式(2)中、W1~W3はそれぞれ独立に、下記一般式(3)で表される基を表す。
【0050】
【0051】
ここで、一般式(3)中、Ar1は無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、R1は水素原子または一価の置換基を表し、L1およびL2はそれぞれ独立に、下記一般式(4)で表される基を表し、mは0または1以上の整数を表し、****は酸素原子と結合する部位を表す。
【0052】
【0053】
ここで、一般式(4)中、X4およびX5はそれぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、A1は直接結合または炭素原子数1~30のアルカンジイル基を表し、nは0または1を表す。
【0054】
Ar1が置換基を有するフェニル基である場合の置換基、R1が表す一価の置換基、X4およびX5が置換基を有するフェニレン基である場合の置換基としては、X1、X2およびX3が置換基を有するフェニレン基である場合の置換基として上述したものと同じものが挙げられる。
【0055】
さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、Ar1が置換基を有するフェニル基である場合の置換基は、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがより好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基であることがさらに好ましい。また、Ar1が置換基を有するフェニル基である場合、置換基の個数は特に限定されず、1~5個とすることができ、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、置換基の個数は1~3個であることが好ましく、1~2個であることがより好ましく、1個であることがさらに好ましい。さらに、置換基の個数が1個である場合、置換基の位置は特に限定されず、o-位、m-位、p-位のいずれの位置とすることができるが、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、置換基の位置はp-位であることが好ましい。
【0056】
また、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、R1は水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがより好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがさらに好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基であることがさらに一層好ましい。
【0057】
さらに、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、X4およびX5が置換基を有するフェニレン基である場合の置換基は、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがより好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基であることがさらに好ましい。なお、X4およびX5が置換基を有するフェニレン基である場合、置換基の個数は特に限定されず、1~4個とすることができ、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、1~2個であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
【0058】
なお、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、X4およびX5は無置換のフェニレン基であることが好ましい。
【0059】
A1が表すアルカンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアルキレン基、エチリデン基、プロパン-1-イリデン基、プロパン-2-イリデン基、ブタン-1-イリデン基、ブタン-2-イリデン基、シクロヘキシリデン基などのアルキリデン基などが挙げられる。ここで、アルカンジイル基の炭素原子数は、例えば1~10とすることができ、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、1~6であることが好ましく、1~3であることがより好ましい。また、同様の観点から、A1が表すアルカンジイル基は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチリデン基、プロパン-1-イリデン基、プロパン-2-イリデン基、ブタン-1-イリデン基、ブタン-2-イリデン基またはシクロヘキシリデン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、エチリデン基、プロパン-1-イリデン基またはプロパン-2-イリデン基であることがより好ましく、メチレン基またはプロパン-2-イリデン基であることがさらに好ましい。なお、アルカンジイル基が置換基を有する場合の置換基としては、X1、X2およびX3が置換基を有するフェニレン基である場合の置換基として上述したものと同じものが挙げられる。
【0060】
なお、本実施形態の樹脂組成物においては、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、A1は直接結合であることが好ましい。
【0061】
mの値は例えば0または1~100の整数とすることができ、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、mの値は0または1~5の整数であることが好ましく、0または1~2の整数であることがより好ましく、0または1であることがさらに好ましい。
【0062】
本実施形態の樹脂組成物においては、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、W1が一般式(3)においてmが1である基であり、かつW2およびW3がそれぞれ独立に一般式(3)においてmが0である基であることが好ましい。すなわち、本実施形態の樹脂組成物においては、一般式(1)で表される基を含む化合物が下記一般式(2’)で表される化合物であることが好ましい。
【0063】
【0064】
ここで、一般式(2’)中、L11、L12、L13およびL21はそれぞれ独立に上記一般式(4)で表される基を表し、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表し、Ar11は無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
【0065】
なお、R11、R12およびR13が表す一価の置換基およびAr11が置換基を有するフェニル基である場合の置換基としては、X1、X2およびX3が置換基を有するフェニレン基である場合の置換基として上述したものと同じものが挙げられる。
【0066】
さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、Ar11が置換基を有するフェニル基である場合の置換基は、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがより好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基であることがさらに好ましい。なお、Ar1が置換基を有するフェニル基である場合、置換基の個数は特に限定されず、1~5個とすることができ、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、置換基の個数は1~3個であることが好ましく、1~2個であることがより好ましく、1個であることがさらに好ましい。また、置換基の個数が1個である場合、置換基の位置は特に限定されず、o-位、m-位、p-位のいずれの位置とすることができるが、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、置換基の位置はp-位であることが好ましい。
【0067】
また、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、R11、R12およびR13は水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがより好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがさらに好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基であることがさらに一層好ましい。
【0068】
また、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、L11、L12、L13およびL21が表す上記一般式(5)で表される基において、X4およびX5は無置換のフェニレン基であることが好ましい。また、同様の観点から、L11、L12、L13およびL21が表す上記一般式(5)で表される基において、A1は直接結合であることが好ましい。
【0069】
また、本実施形態の樹脂組成物においては、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、W1が一般式(3)においてmが1である基であり、かつW2およびW3がそれぞれ独立に一般式(3)においてmが0である基であることも好ましい。すなわち、本実施形態の樹脂組成物においては、一般式(1)で表される基を含む化合物が下記一般式(2’’)で表される化合物であることも好ましい。
【0070】
【0071】
ここで、一般式(2’’)中、L11、L12、L13、L21およびL22はそれぞれ独立に上記一般式(4)で表される基を表し、R11、R12およびR13はそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表し、Ar11およびAr12はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表す。
【0072】
なお、R11、R12およびR13が表す一価の置換基およびAr11およびAr12が置換基を有するフェニル基である場合の置換基としては、X1、X2およびX3が置換基を有するフェニレン基である場合の置換基として上述したものと同じものが挙げられる。
【0073】
さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、Ar11およびAr12が置換基を有するフェニル基である場合の置換基は、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがより好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基であることがさらに好ましい。なお、Ar11およびAr12が置換基を有するフェニル基である場合、置換基の個数は特に限定されず、1~5個とすることができ、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、置換基の個数は1~3個であることが好ましく、1~2個であることがより好ましく、1個であることがさらに好ましい。また、置換基の個数が1個である場合、置換基の位置は特に限定されず、o-位、m-位、p-位のいずれの位置とすることができるが、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、置換基の位置はp-位であることが好ましい。
【0074】
また、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、R11、R12およびR13は水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、水素原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがより好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基、ハロゲン原子であることがさらに好ましく、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数6~20のアリール基であることがさらに一層好ましい。
【0075】
また、さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点から、L11、L12、L13、L21およびL22が表す上記一般式(4)で表される基において、X1およびX2は無置換のフェニレン基であることが好ましい。また、同様の観点から、L11、L12、L13、L21およびL22が表す上記一般式(4)で表される基において、A1は直接結合であることが好ましい。
【0076】
一般式(1)で表される基を含む化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物No.1~No.89などが挙げられるが、一般式(1)で表される基を含む化合物は下記の化合物に限定されるものではない。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
なお、一般式(1)で表される基を含む化合物は、例えば国際公開第2020/067144号、国際公開第2022/039224号に記載の方法などの公知の方法によって製造することができる。
【0096】
本実施形態の樹脂組成物において、一般式(1)で表される基を含む化合物の含有量は、例えば合成樹脂100質量部に対して0.001~10質量部とすることができる。さらに優れた結晶性を備える樹脂組成物を得る観点およびブルームの発生を十分に抑制する観点から、一般式(1)で表される基を含む化合物の含有量は、合成樹脂100質量部に対して0.002~5質量部であることが好ましく、0.003~3質量部であることがより好ましく、0.005~1質量部であることがさらに好ましく、0.01~0.5質量部であることがさらに好ましく、0.02~0.2質量部であることがさらに一層好ましく、0.03~0.1質量部であることが特に好ましい。
【0097】
本実施形態の樹脂組成物は、さらに充填剤を含むことが好ましい。この場合、樹脂組成物を成形して得られる成形品の力学的特性が優れたものとなる。
【0098】
(充填剤)
充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス粉末、ガラス繊維、クレー、ドロマイト、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラステナイト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート等を挙げることができ、粒子径(繊維状においては繊維径や繊維長およびアスペクト比)を適宜選択して用いることができる。これら充填剤の中では、剛性を付与する効果に優れ、かつ入手が容易であることから、タルクが特に好ましく用いられる。また、充填剤は、必要に応じて表面処理したものを用いることができる。本実施形態の樹脂組成物が充填剤を含む場合、充填剤の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、例えば0.1~500とすることができる。合成樹脂の力学的特性をさらに優れたものとする観点から、充填剤の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましく、10~50質量部であることがより好ましく、15~30質量部であることがさらに好ましい。
【0099】
本実施形態の樹脂組成物は、さらに着色剤を含むことが好ましい。この場合、樹脂組成物を成形して得られる成形品の色調が優れたものとなる。
【0100】
着色剤としては、例えばピグメントレッド1、2、3、9、10、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリーン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、29、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、15、19、23、27、29、30、32、37、40、50などの顔料、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料などの染料などが挙げられる。本実施形態の樹脂組成物が着色剤を含む場合、着色剤の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、例えば0.00001~10質量部とすることができる。合成樹脂の色調をさらに優れたものとする観点から、着色剤の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、0.0001~5質量部質量部であることが好ましく、0.001~3質量部であることがより好ましい。
【0101】
本実施形態の樹脂組成物には、さらに、核剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、その他の酸化防止剤、ヒンダードアミン化合物、紫外線吸収剤、脂肪酸金属塩、難燃剤、難燃助剤、滑剤、ハイドロタルサイト類、帯電防止剤、蛍光増白剤などの添加剤であって、上記一般式(1)で表される基を含む化合物以外のもの(以下、「その他の添加剤」と称する)のうち一種または二種以上が含まれていてもよい。なお、本実施形態の樹脂組成物中における上記その他の添加剤の含有量は、例えば本実施形態の樹脂組成物の効果を損なわない範囲とすることができる。
【0102】
核剤としては、例えば、ナトリウム 2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム 2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、ジヒドロキシアルミニウム 2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシアルミニウム ビス[2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェート]などの芳香族リン酸エステル金属塩、安息香酸ナトリウム、4-tert-ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム、2ナトリウム ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボキシレート、カルシウム シクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレートなどのカルボン酸金属塩、N,N’,N”-トリス[2-メチルシクロヘキシル]-1,2,3-プロパントリカルボキサミド、N,N’,N”-トリシクロヘキシル-1,3,5-ベンゼントリカルボキサミド、N,N’-ジシクロヘキシルナフタレンジカルボキサミド、1,3,5-トリス[(2,2-ジメチルプロパノイルアミノ)]ベンゼンなどのアミド化合物、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,2,3-トリデオキシ-4,6:5,7-o-ビス(4-プロピルベンジリデン)ノニトールなどのジアセタール化合物などが挙げられる。
【0103】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-チオビス-(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2-メチル-4,6-ビス(オクチルスルファニルメチル)フェノール、2,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチルフェノール)、イソオクチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、2,2’-オキサミド-ビス[エチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2-エチルヘキシル-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-エチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸およびC13-15アルキルのエステル、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、ヒンダードフェノールの重合物(ADEKA POLYMER ADDITIVES EUROPE SAS社製 商品名「AO.OH.98」)、2,2’-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾール]、2-tert-ブチル-6-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート、6-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルベンズ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフォビン、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[モノエチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート]カルシウム塩、5,7-ビス(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2(3H)-ベンゾフラノンとo-キシレンとの反応生成物、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、DL-a-トコフェノール(ビタミンE)、2,6-ビス(α-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、ビス[3,3-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-フェニル)ブタン酸]グリコールエステル、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジフェニル-4-オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル-3,5-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、2-オクチルチオ-4,6-ジ(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-s-トリアジン、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、ビス[3,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’-ブチリデンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、ビス[2-tert-ブ
チル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-tert-ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-アクリロイルオキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、3,9-ビス[2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルヒドロシンナモイルオキシ)-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]、ステアリル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、パルミチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ミリスチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ラウリル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド等の3-(3,5-ジアルキル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸誘導体等が挙げられる。
【0104】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジフェニルホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト、ジオレイルヒドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジノニルフェニルビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチル-5-メチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2-tert-ブチル-4-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル〕ホスファイト、トリ(デシル)ホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールとステアリン酸カルシウム塩との混合物、アルキル(C10)ビスフェノールAホスファイト、テトラフェニル-テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4’-n-ブチリデンビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、(1-メチル-1-プロペニル-3-イリデン)トリス(1,1-ジメチルエチル)-5-メチル-4,1-フェニレン)ヘキサトリデシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-2-エチルヘキシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-オクタデシルホスファイト、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フルオロホスファイト、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、トリス(
2-〔(2,4,8,10-テトラキス-tert-ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ〕エチル)アミン、3,9-ビス(4-ノニルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスフェススピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル-2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールホスファイト、ポリ4,4’-イソプロピリデンジフェノールC12-15アルコールホスファイト、ビス(ジイソデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(オクタデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0105】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス[メチレン-3-(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、ビス(メチル-4-[3-n-アルキル(C12/C14)チオプロピオニルオキシ]5-tert-ブチルフェニル)スルファイド、ジトリデシル-3,3’-チオジプロピオネート、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ラウリル/ステアリルチオジプロピオネート、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)、ジステアリル-ジサルファイドが挙げられる。
【0106】
その他の酸化防止剤としては、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-エチル-α-メチルニトロン、N-オクチル-α-ヘプチルニトロン、N-ラウリル-α-ウンデシルニトロン、N-テトラデシル-α-トリデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-オクチル-α-ヘプタデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-ヘプタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘプタデシルニトロン等のニトロン化合物、3-アリールベンゾフラン-2(3H)-オン、3-(アルコキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(アシルオキシフェニル)ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(3,4-ジメチルフェニル)-ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-{4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル}-ベンゾフラン-2(3H)-オン、6-(2-(4-(5,7-ジ-tert-2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)フェノキシ)エトキシ)-6-オキソヘキシル-6-((6-ヒドロキシヘキサノイル)オキシ)ヘキサノエート、5-ジ-tert-ブチル-3-(4-((15-ヒドロキシ-3,6,9,13-テトラオキサペンタデシル)オキシ)フェニル)ベンゾフラン-2(3H)オン等のベンゾフラン化合物等が挙げられる。
【0107】
ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテト
ラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-ブチル-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-モルホリノ-s-トリアジン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-tert-オクチルアミノ-s-トリアジン重縮合物、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8,12-テトラアザドデカン、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8-12-テトラアザドデカン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-s-トリアジン-6-イルアミノ]ウンデカン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ-s-トリアジン-6-イルアミノ]ウンデカン、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ビス(1-ウンデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルヘキサデカノエート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオクタデカノエート等が挙げられる。
【0108】
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等の2-ヒドロキシベンゾフェノン類;2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4-tert-オクチル-6-ベンゾトリアゾリルフェノール)、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類
;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2-エチル-2’-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4’-ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノール、2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、トリオクチル-2,2’,2”-((1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス(3-ヒドロキシベンゼン-4-,1-ジイル)トリプロピオネート)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、1,12-ビス[2-[4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-3-ヒドロキシフェノキシ]エチル]ドデカンジオエート等のトリアジン類;各種の金属塩、または金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、またはキレート類等が挙げられる。
【0109】
脂肪酸金属塩としては、例えば、直鎖または分岐状の脂肪酸残基を含む炭素原子数12~30の脂肪酸の金属塩等が挙げられる。脂肪酸金属塩を構成する金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、ジヒドロキシアルミニウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン、ヒドロキシアルミニウムイオン等が挙げられ、これらの中ではナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、カルシウムイオンが好ましい。脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられ、これらの中ではミリスチン酸、ステアリン酸が好ましい。脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸は、脂肪酸残基の水素原子のうち一または二以上が水酸基で置換されたものであってもよい。このような脂肪酸としては、例えば、12-ヒドロキシステアリン酸、12-ヒドロキシオレイン酸等が挙げられる。
【0110】
難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル-2,6-ジキシレニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、(1-メチルエチリデン)-4,1-フェニレンテトラフェニルジホスフェート、1,3-フェニレンテトラキス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフェート、株式会社ADEKA製の商品名「アデカスタブFP-500」、「アデカスタブFP-600」、「アデカスタブFP-800」の芳香族リン酸エステル、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル、フェニルホスホン酸(1-ブテニル)等のホスホン酸エステル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド誘導体等のホスフィン酸エステル、ビス(2-アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン、リン含有ビニルベンジル化合物および赤リン等のリン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2-ジブロモ-4-(1,2-ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレンおよび2,4,6-トリス(トリブロモフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、トリブロモフェニルマレイミド、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、テトラブロモビスフェノールA型ジメタクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、および、臭素化スチレン等の臭素系難燃剤等が挙げられる。これら難燃剤は、フッ素樹脂等のドリップ防止剤や多価アルコール、ハイドロタルサイト等の難燃助剤と併用することが好ましい。
【0111】
滑剤としては、例えば脂肪酸メチル、脂肪酸エチル、エチレングリコール脂肪酸モノエステル、プロピレングリコール脂肪酸モノエステル、エチレングリコール脂肪酸ジエステル、プロピレングリコール脂肪酸ジエステル、グリセロール脂肪酸モノエステル、グリセロール脂肪酸ジエステル、グリセロール脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸テトラエステルなどの脂肪酸エステル、脂肪酸モノアミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、アルキロール脂肪酸アミド、N-アルキル脂肪酸アミドなどの脂肪酸アミド、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸などの脂肪酸、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、マンニトールなどの糖アルコールなどが挙げられる。
【0112】
ハイドロタルサイト類としては、例えばマグネシウム、アルミニウム、水酸基、炭酸基および任意の結晶水を含む複合塩化合物が挙げられ、天然物であっても合成物であってもよい。また、ハイドロタルサイト類の結晶構造、粒子形状および粒子サイズは特に限定されるものではない。さらに、ハイドロタルサイト類は、マグネシウムまたはアルミニウムの少なくとも一部がアルカリ金属や亜鉛等の他の金属で置換されたものであってもよく、水酸基や炭酸基の少なくとも一部が他のアニオン基で置換されたものであってもよい。さらにまた、ハイドロタルサイト類は、結晶水が脱水されたものであってもよく、表面がステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩等の高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックス等で被覆されたものであってもよい。
【0113】
帯電防止剤としては、例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤等による低分子型帯電防止剤、高分子化合物による高分子型帯電防止剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリオレフィングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤;ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビット若しくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中ではアニオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩が好ましい。
【0114】
高分子型帯電防止剤としては、アイオノマーやポリエチレングリコールを親水部とするブロックポリマー等が挙げられる。アイオノマーとしては、特開2010-132927号公報に記載のアイオノマーが挙げられる。ポリエチレングリコールを親水部とするポリマーとしては、例えば、特開平7-10989号公報に記載のポリエーテルエステルアミド、米国特許第6552131号公報に記載のポリオレフィンとポリエチレングリコールからなるポリマー、特開2016-023254号公報に記載のポリエステルとポリエチレングリコールからなるポリマー等が挙げられる。
【0115】
蛍光増白剤とは、太陽光や人工光の紫外線を吸収し、これを紫~青色の可視光線に変えて輻射する蛍光作用によって、成形体の白色度や青味を助長させる化合物である。蛍光増白剤としては、ベンゾオキサゾール系化合物C.I.Fluorescent Brightener184;クマリン系化合物C.I.Fluorescent Brightener52;ジアミノスチルベンジスルフォン酸系化合物C.I.Fluorescent Brightener24、85、71等が挙げられる。
【0116】
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、合成樹脂と、上記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む。
【0117】
本実施形態の樹脂組成物の製造方法によれば、優れた結晶性を備える樹脂組成物を製造できる。
【0118】
上記混合工程において、合成樹脂および一般式(1)で表される基を含む化合物を混合する方法としては特に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂に一般式(1)で表される基を含む化合物および必要に応じて上述したその他の添加剤を添加した後、FMミキサー、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー等の混合装置を用いて混合する方法などが挙げられる。また、本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、上記の混合工程に加え、混合工程で得られた混合物を単軸押出機、二軸押出機などの溶融混練装置を用いて溶融混練する溶融混練工程をさらに含む方法であってもよい。ここで、溶融混練工程における溶融混練の温度は、例えば、100~280℃とすることができる。また、本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、溶融混練工程で得られた混練物を造粒する造粒工程をさらに含む方法であってもよい。ここで、造粒の方法としては特に限定されるものではなく、例えば、ペレタイザー等の造粒装置を用いる方法等が挙げられる。また、造粒して得られる樹脂組成物の形状は特に限定されず、例えば、ペレット状とすることができる。さらに、本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、一般式(1)で表される基を含む化合物および必要に応じて上述したその他の添加剤のうち少なくとも一つを、合成樹脂モノマーまたはオリゴマーの重合前または重合中に添加し、残りの成分を得られた重合体に添加する方法であってもよい。
【0119】
<合成樹脂の結晶化促進方法>
本実施形態の合成樹脂の結晶化促進方法は、合成樹脂と、上記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む。
【0120】
本実施形態の合成樹脂の結晶化促進方法によれば、合成樹脂の結晶化を促進することができる。
<合成樹脂の透明性向上方法>
本実施形態の合成樹脂の透明性向上方法は、合成樹脂と、上記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む。
【0121】
本実施形態の合成樹脂の透明性向上方法によれば、合成樹脂の透明性を向上させることができる。
【0122】
<成形品>
【0123】
本実施形態の成形品は、優れた結晶性を備える樹脂組成物からなるため、例えば透明性などの特性が優れたものとなる。
【0124】
成形品としては、例えば、射出成形品、繊維、フラットヤーン、二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、シート、サーモフォーミング成形品、押出ブロー成形品、射出ブロー成形品、射出延伸ブロー成形品、異形押出成形品、回転成形品などが挙げられる。成形品の好ましい具体例としては、ボトル、ジャー、カップ、バケツ、箱、缶、タンクなどの容器が挙げられる。
【0125】
成形品を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、射出成形法、薄肉射出成形(TWIM)法、押出成形法、ブロー成形法、インジェクションブロー成形(IBM)法、回転成形法、真空成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、スラッシュ成形法、ディップ成形法、サーモフォーミング成形(TF)法などの方法が挙げられる。
【0126】
本発明のさらなる実施形態として、例えば以下のものが挙げられる。
[1]
合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を含む樹脂組成物。
【化29】
(一般式(1)中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
[2]
一般式(1)で表される基を含む化合物が下記一般式(2)で表される化合物である、[1]に記載の樹脂組成物。
【化30】
(一般式(2)中、W
1~W
3はそれぞれ独立に、下記一般式(3)で表される基を表す。)
【化31】
(一般式(3)中、Ar
1は無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を表し、R
1は水素原子または一価の置換基を表し、L
1およびL
2はそれぞれ独立に、下記一般式(4)で表される基を表し、mは0または1以上の整数を表し、****は酸素原子と結合する部位を表す。)
【化32】
(一般式(4)中、X
4およびX
5はそれぞれ独立に、無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、A
1は直接結合または炭素原子数1~30のアルカンジイル基を表し、nは0または1を表す。)
[3]
充填剤を含む、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
着色剤を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]
[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られる成形品。
[6]
合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む、樹脂組成物の製造方法。
【化33】
(一般式(1)中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
[7]
合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む、合成樹脂の結晶化促進方法。
【化34】
(一般式(1)中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
[8]
合成樹脂と、下記一般式(1)で表される基を含む化合物と、を混合する混合工程を含む、合成樹脂の透明性向上方法。
【化35】
(一般式(1)中、X
1、X
2およびX
3はそれぞれ独立に無置換の若しくは置換基を有するフェニレン基を表し、*、**および***は他の原子と結合する部位を表す。)
【0127】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例0128】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら制限を受けるものではない。
【0129】
本実施例において使用した原料は以下の通りである。
(合成樹脂)
合成樹脂-1:ポリプロピレンランダムコポリマー、プライムポリマー社製R-720(MFR(230℃、2.16kg)=12g/10min)
合成樹脂-2:ポリプロピレンランダムコポリマー、プライムポリマー社製R-720を過酸化物処理したもの(MFR(230℃、2.16kg)=40g/10min)
合成樹脂-3:ポリプロピレンランダムコポリマー、プライムポリマー社製R-720を過酸化物処理したもの(MFR(230℃、2.16kg)=90g/10min)
合成樹脂-4:ポリプロピレンランダムコポリマー、サンアロマー社製PZA20A(MFR(230℃、2.16kg)=40g/10min)
合成樹脂-5:ホモポリプロピレン(MFR(230℃、2.16kg)=8g/10min)
合成樹脂-6:ホモポリプロピレン(MFR(230℃、2.16kg)=60g/10min)
合成樹脂-7:ポリプロピレンランダムコポリマー、日本ポリプロ社製ウィンテックWSX03(MFR(230℃、2.16kg)=25g/10min)
合成樹脂-8:ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、三井化学社製ミラストマー6030NS(MFR(230℃、2.16kg)=40g/10min)
合成樹脂-9:インパクトコポリマーポリプロピレン、プライムポリマー社製J707G(MFR(230℃、2.16kg)=30g/10min)
合成樹脂-10:ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ダウケミカル社製エンゲージ8842
合成樹脂-11:ポリプロピレンランダムコポリマー(MFR(230℃、2.16kg)=39g/10min)
合成樹脂-12:ポリプロピレンランダムコポリマー、サンアロマー社製PB222A(MFR(230℃、2.16kg)=0.75g/10min)
合成樹脂-13:ホモポリプロピレン(MFR(230℃、2.16kg)=3g/10min)
(一般式(1)で表される基を含む化合物)
化合物-1:化合物No.32
化合物-2:化合物No.35
化合物-3:化合物No.39
化合物-4:化合物No.49
化合物-5:化合物No.50
化合物-6:化合物No.58
化合物-7:化合物No.59
化合物-8:化合物No.60
化合物-9:化合物No.61
化合物-10:化合物No.62
化合物-11:化合物No.64
化合物-12:化合物No.65
化合物-13:化合物No.67
化合物-14:化合物No.71
化合物-15:化合物No.72
化合物-16:化合物No.73
化合物-17:化合物No.74
化合物-18:化合物No.75
化合物-19:化合物No.78
化合物-20:化合物No.80
化合物-21:化合物No.81
化合物-22:化合物No.82
化合物-23:化合物No.87
化合物-24:化合物No.88
化合物-25:化合物No.89
(充填剤)
充填剤-1:タルク(松村産業社製クラウンタルクPP)
(着色剤)
着色剤-1:カーボンブラック系顔料(NP化成社製ОM250)
着色剤-2:カーボンブラック系顔料(トーヨーカラー社製TET01337)
着色剤-3:グレー顔料(トーヨーカラー社製PPM6KC858)
【0130】
<樹脂組成物の調製>
(実施例1~500、比較例1~20)
表1~40に示す合成樹脂、一般式(1)で表される基を含む化合物、充填剤および着色剤を表1~40に示す配合割合、フェノール系酸化防止剤(テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)を0.05質量部、リン系酸化防止剤(トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト)を0.10質量部、脂肪酸金属塩(ステアリン酸カルシウム)を0.05質量部配合し、均一に混合して混合物を得た。こうして得られた混合物を二軸押出機(東洋精機製作所社製 小型二軸セグメント2D15Wを接続したラボプラストミルマイクロ)に投入し、溶融温度230℃、スクリュー速度150rpmの条件で溶融混練した後、造粒してペレットを得た。得られたペレットを60℃で8時間乾燥させたものを、実施例1~500および比較例1~20の樹脂組成物とした。なお、なお、表1~40において、各成分の配合量の単位は質量部である。
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
<特性評価>
(結晶性)
(実施例1~500、比較例1~20)
実施例1~500および比較例1~20の樹脂組成物の結晶化温度を示差熱分析によって測定し、樹脂組成物の結晶性の指標とした。具体的には、樹脂組成物のペレットを示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製 ダイアモンド)に導入し、窒素雰囲気下、室温から50℃/minの速度で230℃まで昇温し、20分間保持後、-10℃/minで50℃まで冷却する測定を行い、冷却過程における発熱ピークのピークトップ温度を結晶化温度(℃)とした。その結果、実施例1~500の樹脂組成物の結晶化温度は、一般式(1)で表される基を含む化合物を含まない以外は同一の配合にて調製した比較例の樹脂組成物の結晶化温度より高くなった。この結果に基づき、実施例1~500の樹脂組成物は結晶性が向上されたものであると判断し、表1~40の結晶性の欄に「〇」と記載した。
【0172】
(透明性)
(実施例1~125、実施例151~200、比較例1~5および比較例7~8)
実施例1~125、実施例151~200、比較例1~5および比較例7~8の樹脂組成物からなる成形品のHaze値を測定し、成形品の透明性の指標とした。具体的には、実施例1~200および比較例1~8の樹脂組成物のペレットを、射出成形機(東芝機械社製 EC100-2A)を用いて、樹脂温度230℃、金型温度50℃の条件で射出成形し、60mm×60mm×2mmの正方形シート状試験片を作製した。得られた試験片を温度23℃、湿度60%RHの恒温恒湿機中で7日間静置した後、恒温恒湿機から試験片を取り出し、ヘイズメーター(東洋精機製作所社製 ヘイズ・ガード2)にて試験片のHaze値を測定した。その結果、実施例1~200の樹脂組成物のHaze値は、一般式(1)で表される基を含む化合物を含まない以外は同一の配合にて調製した比較例の樹脂組成物のHaze値より小さくなった。この結果に基づき、実施例1~125および実施例151~200の樹脂組成物は透明性が向上されたものであると判断し、表1~10および表13~16の透明性の欄に「〇」と記載した。
【0173】
(実施例426~450および比較例18)
実施例426~450および比較例18の樹脂組成物からなる成形品のHaze値を測定し、成形品の透明性の指標とした。具体的には、実施例426~450および比較例18の樹脂組成物のペレットを樹脂温度230℃、金型温度40℃の条件で薄肉射出成形(TWIM)し、試験片を作製した。得られた試験片を温度23℃、湿度60%RHの恒温恒湿機中で7日間静置した後、恒温恒湿機から試験片を取り出し、ヘイズメーター(東洋精機製作所社製 ヘイズ・ガード2)にて試験片のHaze値を測定した。その結果、実施例426~450の樹脂組成物のHaze値は、比較例18の樹脂組成物のHaze値より小さくなった。この結果に基づき、実施例426~450の樹脂組成物は透明性が向上されたものであると判断し、表35~36の透明性の欄に「〇」と記載した。
【0174】
(実施例451~475および比較例19)
実施例451~475および比較例19の樹脂組成物からなる成形品のHaze値を測定し、成形品の透明性の指標とした。具体的には、実施例451~475および比較例19の樹脂組成物のペレットを樹脂温度275℃、金型温度100℃の条件でインジェクションブロー成形(IBM)し、試験片を作製した。得られた試験片を温度23℃、湿度60%RHの恒温恒湿機中で7日間静置した後、恒温恒湿機から試験片を取り出し、ヘイズメーター(東洋精機製作所社製 ヘイズ・ガード2)にて試験片のHaze値を測定した。その結果、実施例451~475の樹脂組成物のHaze値は、比較例19の樹脂組成物のHaze値より小さくなった。この結果に基づき、実施例451~475の樹脂組成物は透明性が向上されたものであると判断し、表37~38の透明性の欄に「〇」と記載した。
【0175】
(実施例476~500および比較例20)
実施例451~475および比較例19の樹脂組成物からなる成形品のHaze値を測定し、成形品の透明性の指標とした。具体的には、実施例451~475および比較例19の樹脂組成物のペレットを樹脂温度230℃、ロール温度40℃の条件にて厚み1.3mmのシートに成形し、このシートをヒーター温度300℃、金型温度40℃の条件でサーモフォーミング成形(TF)し、カップを作製した。こうして得られたカップの側面を切り出して試験片とした。この試験片を温度23℃、湿度60%RHの恒温恒湿機中で7日間静置した後、恒温恒湿機から試験片を取り出し、ヘイズメーター(東洋精機製作所社製 ヘイズ・ガード2)にて試験片のHaze値を測定した。その結果、実施例476~500の樹脂組成物のHaze値は、比較例20の樹脂組成物のHaze値より小さくなった。この結果に基づき、実施例475~500の樹脂組成物は透明性が向上されたものであると判断し、表39~40の透明性の欄に「〇」と記載した。
【0176】
(力学的特性)
(実施例426~450および比較例18)
実施例426~450および比較例18の樹脂組成物からなる成形品の引張強度を測定し、成形品の力学的特性の指標とした。具体的には、実施例426~450および比較例18の樹脂組成物のペレットを樹脂温度230℃、金型温度40℃の条件で薄肉射出成形(TWIM)し、試験片を作製した。得られた試験片を温度23℃、湿度60%RHの恒温恒湿機中で7日間静置した後、恒温恒湿機から試験片を取り出し、島津製作所社製AG-Xplusを用いて、JIS K7161-1に準じて、試験速度500mm/minで試験片の引張強度を測定した。その結果、実施例426~450の樹脂組成物の引張強度は、比較例18の樹脂組成物の引張強度より大きくなった。この結果に基づき、実施例426~450の樹脂組成物は力学的特性が向上されたものであると判断し、表35~36の力学的特性の欄に「〇」と記載した。
【0177】
以上より、本発明の樹脂組成物が優れた結晶性を備えることが確認された。