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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011827
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】転写装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20240118BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G21/16 147
G03G21/16 171
G03G21/16 180
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114093
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207181
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 朋
(72)【発明者】
【氏名】高木 広彰
【テーマコード(参考)】
2H171
2H200
【Fターム(参考)】
2H171FA03
2H171FA09
2H171FA10
2H171GA12
2H171JA02
2H171JA03
2H171JA49
2H171KA06
2H171KA25
2H171KA26
2H171KA27
2H171KA29
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC37
2H171SA11
2H171SA12
2H171SA15
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA28
2H171SA31
2H200FA12
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA47
2H200GB22
2H200GB26
2H200JA02
2H200JB10
2H200JC04
2H200LA24
(57)【要約】
【課題】潜像担持体ユニットの転写装置に対する干渉を防止するとともに、簡易な方法により潜像担持体ユニットを取り外し可能とする転写装置を提供することを課題とする。
【解決手段】PCDU10に対して接離可能に設けられた検知センサ22と、検知センサ22をPCDU10に対して接離させる接離機構と、規制部材72と、解除レバー71と、を備えた転写装置20であって、PCDU10は画像形成装置1に対して着脱可能に設けられ、規制部材72は、PCDU10の画像形成装置1本体に対する取り外しを規制し、解除レバー71の操作により、接離機構が検知センサ22をPCDU10に対して離間させるとともに、規制部材72によるPCDU10の画像形成装置1に対する取り外しの規制を解除することを特徴とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像担持体ユニットに対して接離可能に設けられた接離部と、
前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して接離させる接離機構と、
規制部材と、
操作部材と、を備えた転写装置であって、
前記規制部材は、前記潜像担持体ユニットの画像形成装置に対する取り外しを規制し、
前記操作部材の操作により、前記接離機構が前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して離間させるとともに、前記規制部材による前記潜像担持体ユニットの画像形成装置に対する取り外しの規制を解除することを特徴とする転写装置。
【請求項2】
前記操作部材は、互いに反対方向である第1方向および第2方向へ操作可能な操作部を有し、
前記操作部を前記第1方向の所定の固定位置で固定する固定機構と、前記操作部を前記第2方向に付勢する付勢部材とを有する請求項1記載の転写装置。
【請求項3】
前記操作部材の操作力により回転する回転軸と、
前記回転軸の回転力を伝達されて移動するリンク部材とを有し、
前記規制部材は、前記リンク部材に取り付けられる請求項1記載の転写装置。
【請求項4】
前記規制部材は、前記リンク部材に取り付けられる弾性変形部を有する請求項3記載の転写装置。
【請求項5】
前記弾性変形部は板バネである請求項4記載の転写装置。
【請求項6】
前記弾性変形部は厚さ0.5mm以下の板状部材である請求項4記載の転写装置。
【請求項7】
前記弾性変形部は挿入孔を有し、
前記リンク部材は前記挿入孔に挿入される挿入部を有し、
前記挿入部は、前記挿入孔からの脱落を防止する抜け止めピンを有する請求項4記載の転写装置。
【請求項8】
前記抜け止めピンは、前記挿入部の周方向の1方向へ延在する請求項7記載の転写装置。
【請求項9】
第1部分を有する転写フレームを備えた請求項2記載の転写装置であって
前記操作部の前記第1方向の下流側に前記第1部分が設けられ、
前記固定位置は、前記第1部分よりも前記操作部の前記第1方向の上流側に設けられる転写装置。
【請求項10】
少なくとも潜像担持体を有する前記潜像担持体ユニットと、
請求項1から9いずれか1項に記載の転写装置とを備えた画像形成装置。
【請求項11】
少なくとも潜像担持体を有する潜像担持体ユニットと、
前記潜像担持体ユニットに対して接離可能に設けられた接離部と、前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して接離させる接離機構と、規制部材と、を有する転写装置と、
操作部材と、を備えた画像形成装置であって、
前記潜像担持体ユニットは画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられ、
前記規制部材は、前記潜像担持体ユニットの画像形成装置本体に対する取り外しを規制し、
前記操作部材の操作により、前記接離機構が前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して離間させるとともに、前記規制部材による前記潜像担持体ユニットの画像形成装置本体に対する取り外しの規制を解除することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写装置および転写装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
感光体などを備えた潜像担持体ユニットを、画像形成装置に対して着脱可能に設けた構成の画像形成装置が知られている。
【0003】
潜像担持体ユニットと中間転写ベルト等を含む転写装置とは、画像形成装置内で近接して配置されている。このため、潜像担持体ユニットを画像形成装置に対して着脱する際に、転写装置に設けられた部材が潜像担持体ユニットに干渉しないように、その部材を潜像担持体ユニットに対して接離させる機構を設けた構成のものが存在する。
【0004】
例えば特許文献1(特開2018-13503号公報)の画像形成装置では、固定解除操作部を操作することにより、中間転写ベルトを二次転写ローラおよび感光体から離間する方向へ移動させることができる。また固定解除操作部の押し下げにより作像ユニットを引き出すための第二操作部が現れる。第二操作部により作像ユニットを途中まで引き出すと、第三操作部が現れる。またこの画像形成装置には、作像ユニットの引き抜きを途中で中断させる脱落防止爪が設けられる。第三操作部には、脱落防止爪の規制を解除する解除機構が設けられる。
【0005】
特許文献1の構成では、作像ユニットを引き出す動作の前に中間転写ベルトを離間させることができ、作像ユニット引き出し時の作像ユニットと転写装置との干渉を防止できる。しかし、作像ユニットを引き出すまでに複数の手順を要し、その作業が煩雑になるという課題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
潜像担持体ユニットの転写装置に対する干渉を防止するとともに、簡易な方法により潜像担持体ユニットを取り外し可能とする転写装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、潜像担持体ユニットに対して接離可能に設けられた接離部と、前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して接離させる接離機構と、規制部材と、操作部材と、を備えた転写装置であって、前記規制部材は、前記潜像担持体ユニットの画像形成装置に対する取り外しを規制し、前記操作部材の操作により、前記接離機構が前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して離間させるとともに、前記規制部材による前記潜像担持体ユニットの画像形成装置に対する取り外しの規制を解除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、潜像担持体ユニットの転写装置に対する干渉を防止するとともに、簡易な方法により潜像担持体ユニットを取り外しできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像形成装置の概略構成図である。
図2】解除レバー周辺の構成を示す図で、レバー部が規制位置に配置された状態の正面図である。
図3】解除レバー周辺の構成を示す図で、レバー部が解除位置に配置された状態の正面図である。
図4】インナーカバーを取り外した状態の解除レバー周辺の斜視図で、レバー部が規制位置に配置された状態の図である。
図5】インナーカバーを取り外した状態の解除レバー周辺の斜視図で、レバー部が解除位置に配置された状態の図である。
図6】解除レバーを取り外した状態の規制状態における正面図である。
図7】解除レバーを取り外した状態の解除状態における正面図である。
図8】レバー固定軸および第1~第4リンク部材を示す斜視図である。
図9】第1~第4リンク部材の分解斜視図である。
図10】第1~第5リンク部材の動作を示す規制状態の正面図である。
図11】第1~第5リンク部材の動作を示す正面図で、規制状態から解除状態に移行する途中の図である。
図12】第1~第5リンク部材の動作を示す解除状態の正面図である。
図13】規制状態の最下流一次転写部周辺の構成を示す背面図で、「当接」の状態を示す図でもある。
図14】解除状態の最下流一次転写部周辺の構成を示す背面図である。
図15】第5リンク部材の回転範囲を規制する構成を示す図である。
図16】規制部材を正面側から見た斜視図である。
図17】規制部材を背面側から見た斜視図である。
図18】規制部材の分解斜視図である。
図19】転写装置の概略構成図で、(a)図が各一次転写部が当接状態の図、(b)図が最下流一次転写部が離間状態の図である。
図20】カム部材を示す斜視図である。
図21】カム部材およびその周辺の構成を背面側から見た斜視図である。
図22】最下流一次転写部の中間転写ベルトに対する接離構成を画像形成装置の背面側から見た図で、「離間」の状態を示す図である。
図23】第1アームおよび第2アーム周辺の構成を示す平面図である。
図24】第2アームおよびその周辺の構成を示す斜視図である。
図25】第2アームおよびその周辺の構成を背面側から見た斜視図である。
図26】検知センサおよびセンサブラケットの接離構成を示す平面図である。
図27】「離間」の状態における第2センサブラケットの位置決めの様子を示す平面図である。
図28】中央一次転写ユニットおよび最上流一次転写部の中間転写ベルトに対する接離構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、潜像担持体としての感光体を複数並置したタンデム方式の構成のカラープリンタである。各感光体は、現像装置から供給された現像剤としてのトナーにより、色分解に対応した色のトナー画像を形成できる。各感光体上で形成されたトナー像を中間転写体に重畳転写した後、その重畳画像を記録媒体としての用紙に対して一括転写することで、用紙に多色画像を形成できる。本発明では、画像形成装置として、カラープリンタに限らず、カラー複写機、ファクシミリ装置および印刷機なども含まれること勿論である。
【0012】
図1において、画像形成装置1には、画像形成部1Aが上下方向の中央付近に配置され、その下方に給紙部1Bが、さらに画像形成部1Aの上方に原稿載置台1C1を備えた原稿走査部1Cがそれぞれ配置されている。画像形成部1Aには、中間転写体あるいはベルト部材としての中間転写ベルト2が配置されている。中間転写ベルト2は水平方向に展張面を有する。中間転写ベルト2の上方には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。
【0013】
画像形成部1Aには、潜像担持体ユニットである複数のPCDU10(Photo Conductor Development Unit)が設けられる。各PCDU10K、10C、10M、10Y、10Tは、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による画像および透明トナーによる光沢画像を形成できる。各PCDU10K、10C、10M、10Y、10Tには画像を担持可能な感光体3K、3C、3M、3Y、3T(透明トナー)が中間転写ベルト2の展張面に沿って並置されている。なお、以下の説明において、全ての感光体に共通する内容の場合には感光体を符号3により示す。またPCDU10K、10C、10M、10Y、10TをPCDU10とも呼ぶ。PCDU10は少なくとも感光体3を備え、本実施形態では現像装置などを備える。
【0014】
各感光体3K、3C、3M、3Y、3Tは、それぞれ同じ方向(図1では、反時計方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周辺には、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置,書き込み装置5,現像装置6,転写部材としての一次転写ローラ7,およびクリーニング装置が配置されている(便宜上、感光体3Tを対象として、各装置の符号にTを付して示してある)。
【0015】
転写装置20は、中間転写ベルト2と、転写部材としての複数の一次転写ローラ7(便宜上、一次転写ローラ7Tのみに符号を付して示してある)、複数のローラ2A~2Cを備える。
【0016】
中間転写ベルト2は、各感光体3を備えたPCDU10からのトナー像を順次転写される。中間転写ベルト2は複数のローラ2A~2C、および、図1に符号をつけていない複数のローラに掛け回されて図1の矢印方向へ周回走行できる。ローラ2A、2Bは、中間転写ベルト2の各感光体3に対向する対向位置の中間転写ベルト2の走行方向外側の両側で中間転写ベルト2を張架する。二次転写対向ローラ2Cは、中間転写ベルト2を挟んで二次転写装置9に対峙している。
【0017】
二次転写装置9は二次転写ローラ9Aを有する。二次転写ローラ9Aは中間転写ベルト2を挟んで二次転写対向ローラ2Cとの間に二次転写ニップを形成する。二次転写対向ローラ2Cにはトナーと同極性の二次転写バイアスが印加されているのに対し、二次転写ローラ9Aは接地されている。これにより、二次転写ニップには中間転写ベルト2上の多色トナー像をベルト側から二次転写ローラ9A側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。この二次転写ニップにより、二次転写ニップに搬送されてきた用紙に多色トナー画像が転写される。
【0018】
二次転写位置には給紙部1Bから、記録媒体としての用紙が給送される。給紙部1Bは、複数の給紙カセット1B1と、複数の搬送ローラ1B2とを備えている。複数の搬送ローラ1B2は、給紙カセット1B1から繰り出される用紙の搬送路に配置される。
【0019】
書き込み装置5は書き込み光を感光体3K、3C、3M、3Y、3Tに照射し、感光体3K、3C、3M、3Y、3Tに対して画像情報に応じた静電潜像を形成する。この画像情報は原稿走査部1Cに有する原稿載置台1C1上の原稿を走査することにより、あるいは、コンピュータから出力される画像情報により得られる。
【0020】
原稿走査部1Cには、スキャナ1C2および自動原稿給送装置1C3が備えられている。スキャナ1C2は原稿載置台1C1上の原稿を露光走査する。自動原稿給送装置1C3は原稿載置台1C1の上面に配置される。自動原稿給送装置1C3は、原稿載置台1C1上に繰り出される原稿を反転可能な構成を備え、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
【0021】
書き込み装置5により形成された感光体3上の静電潜像は、現像装置6(図1では、便宜上、符号6Tで示してある)によって可視像処理され、中間転写ベルト2に一次転写される。中間転写ベルト2に対して各色のトナー像が重畳転写されると、二次転写装置9により用紙に対して一括して二次転写される。
【0022】
二次転写された用紙は、表面に担持している未定着画像が定着装置11によって定着される。定着装置11は、加熱ローラにより加熱される定着ベルトと定着ベルトに対向当接する加圧ローラとを備えたベルト定着構造を備える。定着ベルトと加圧ローラとの当接領域、つまりニップ領域を設けることにより熱ローラ定着方式の構造に比べて用紙への加熱領域を広げることができる。
【0023】
定着装置11を通過した用紙は、定着装置11の後方に配置されている搬送路切り換え爪によって搬送方向が切り換えられるようになっている。具体的には、搬送路切り換え爪により、排紙部13に向けた搬送路と、反転搬送路RPとに搬送方向が選択される。
【0024】
以上のような構成を備えた画像形成装置1では、原稿載置台1C1上に載置された原稿を露光走査することにより、あるいはコンピュータからの画像情報により、一様帯電された感光体3に対して静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置6によって可視像処理された後、トナー像が中間転写ベルト2に一次転写される。上記のPCDU、書き込み装置5、転写装置20、二次転写装置9、定着装置11などは画像を形成する画像形成部を構成する。
【0025】
中間転写ベルト2に転写されたトナー像は、単一色画像の場合にはそのまま給紙部1Bから繰り出された用紙に対して転写され、多色画像の場合には一次転写が繰り返されることで重畳された上で用紙に対して一括して二次転写される。二次転写後の用紙は定着装置11により未定着画像を定着された後、排紙部13あるいは、反転されて再度二次転写位置に向けて給送される。
【0026】
図1において、中間転写ベルト2は、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させて構成される。中間転写ベルト2の体積抵抗率を10~1012Ωcm、かつ表面抵抗率を10~1013Ωcmの範囲となるよう調整されている。なお、必要に応じ中間転写ベルト2の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パ-フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。中間転写ベルト2の製造方法は注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。中間転写ベルト2の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト2の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本実施形態における中間転写ベルト2の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内が好ましい。なお、体積抵抗率および表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm,リング電極内径11mm)を接続し、中間転写ベルト2の表裏に100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
【0027】
中間転写ベルト2は、少なくとも一対のローラであるローラ2A、2B、二次転写位置に設けられている二次転写対向ローラ2Cにそれぞれ掛け回されて駆動ローラ2Aが時計方向に回転設定されることで図1において中間転写ベルト2の内部に示す矢印方向に移動することができるようになっている。ローラ2Aおよび2B間で移動するベルトの転写面が各作像ユニットの感光体3K、3Y、3C、3M、3Tに対向している。中間転写ベルト2を挟んで各感光体と対向する位置には、感光体上の可視像を静電転写するための転写部材に相当する一次転写ローラ7(図1では、特殊トナーを対象として符号7Tで示してある)がそれぞれ配置されている。
【0028】
本実施形態に用いられる一次転写ローラ7は、発泡樹脂剤を金属製(鉄、SUS、AI等)の芯金に塗布したものである。発泡樹脂剤の肉厚は2mm~10mmである。なお、転写部材としては、公知であるブレード状やブラシ状のものも用いることができる。
【0029】
本実施例では、フルカラー画像形成に用いられるトナーに加えて、画像に白色の下地を形成する目的で白トナーが用いられる。この他、画像の光沢性、転写性を向上させる目的で透明トナーを用いてもよいし、色域を増やすためにライトシアントナー、ライトマゼンタトナーなどが選択される場合もある。赤銅色、青銅色などの色のついた金属色を作成する目的で、金トナー、銀トナーなどの金属色のトナーを下地に用いる場合もある。
【0030】
図2に示すように、転写装置20の上方にはPCDU10が配置される。PCDU10を図2の紙面垂直方向に移動させることで、PCDU10を画像形成装置本体に対して着脱することができる。
【0031】
転写装置20に設けられた検知センサ22は、PCDU10の取り外し動作時にPCDU10に干渉する位置に配置されている。このため、PCDU10を着脱する際には、検知センサ22をPCDU10から離間させる。このように検知センサ22は、転写装置20に設けられ、PCDU10に対して接離方向に移動する接離部である。なお、PCDU10に対して離間する方向は図2の矢印C1方向であり、PCDU10に対して接近する方向は図2の矢印C2方向である。
【0032】
転写装置20は規制部材72を有する。図2の規制部材72は、PCDU10の取り外し動作時にPCDU10に干渉する位置に設けられる。つまり、PCDU10の取り外し方向に垂直な面である図2の紙面上において、PCDU10と重なる位置に配置されている。規制部材72がPCDU10に干渉することにより、PCDU10の画像形成装置に対する取り外し方向である図2の紙面手前方向への移動を規制する。
【0033】
転写フレームの一部であるインナーカバー20Aには解除レバー71が設けられる。解除レバー71は、検知センサ22をPCDU10に対して接離する方向へ移動させるとともに、規制部材72のPCDU10に対する規制状態の有無を切り換える操作をするための操作部材である。
【0034】
解除レバー71は、操作部としてのレバー部71aを有する。レバー部71aは、図2の反時計回りの方向である第1方向B1と、時計回りの方向である第2方向B2とに回転させることができる。レバー部71aの回転範囲は所定の範囲内に規制されており、図2が時計回り方向に限界まで回転させた状態であるレバー部71aを規制位置に配置した状態の図、図3がレバー部71aを反時計回りに限界まで回転させた状態であるレバー部71aを解除位置(固定位置)に配置した状態の図である。図2の規制位置の状態は、画像形成装置により用紙に対して画像を形成可能な状態でもある。なお、以下の説明では、図2のレバー部71aが規制位置に配置される状態を規制状態、図3のレバー部71aが解除位置に配置される状態を解除状態とも呼ぶ。また以下の説明における規制位置や解除位置は、レバー部71aのそれぞれ位置を意味するだけでなく、レバー部71aに連動して移動するその他の部材の規制状態や解除状態における位置という意味としても用いる。
【0035】
インナーカバー20Aの第1部分20A1は、レバー部71aの反時計回り方向の下流側に設けられる。このようにレバー部71aの回転範囲を解除位置までに規制することで、操作者がレバー部71aを操作時に、インナーカバー20Aの第1部分20A1とレバー部71aとの間で指を挟むことを防止できる。
【0036】
解除レバー71が図2の規制位置にある状態では、規制部材72がPCDU10の取り外しを規制する。一方、解除レバー71が図3の解除位置にある状態では、規制部材72がPCDU10の着脱動作範囲から退避し、PCDU10の画像形成装置に対する着脱動作が可能になる。
【0037】
規制部材72はPCDU10が検知センサ22に当接する位置よりも取り外し方向の手前の位置でPCDU10に当接し、PCDU10の取り外しを規制する。なお、図2ではPCDU10T、10Cに規制部材72が設けられる場合を示しているが、前述した5つのPCDU10の任意の位置に規制部材72を設けることができる。
【0038】
次に、解除レバー71の操作に連動する機構について、図4図7を用いて説明する。図4および図5図2からインナーカバー20Aを取り外した状態の斜視図、図6および図7はさらに解除レバー71を取り外した状態の正面図である。また図4および図6は規制状態の図、図5および図7は解除状態の図である。
【0039】
図4および図5に示すように、解除レバー71の操作に伴って、第4リンク部材76が左右へ移動する。第5リンク部材77はその一端77bが第4リンク部材76の孔部に挿入されることで、第4リンク部材76に連結されている。第5リンク部材77の他端には回転軸102が挿入されており、第5リンク部材77は回転軸102を中心に回転する。第4リンク部材76の左右の移動により、第5リンク部材77が回転軸102を中心に回転する。別の言い方をすると、第5リンク部材77の移動方向が回転軸102を中心とした回転方向に規制されることにより、第4リンク部材76の移動方向が規制されている。
【0040】
図6に示すように、第1リンク部材73は、レバー固定軸71bを介して転写フレームに取り付けられている。レバー固定軸71bは解除レバー71のレバー部71a(図5参照)の回転支点であり、第1リンク部材73の回転支点を兼ねている。レバー固定軸71bは、操作者のレバー部71aに対する操作力により回転する回転軸である。
【0041】
第1リンク部材73は、連結部73aで後述する第2リンク部材および第3リンク部材と連結されている。また第1リンク部材73は、取付部73bにスプリング78の一端が取り付けられている。スプリング78の他端は転写フレームに固定されている。
【0042】
スプリング78の引張力により、第1リンク部材73は、レバー固定軸71bを中心に図6の時計回り方向に回転する力を受けている。この引張力により、レバー部71aが図4に示す規制位置に配置される。一方、操作者が解除レバー71のレバー部71aを図4図5の方向へ回転させると、第1リンク部材73がスプリング78の引張力に抗して反時計回りに回転し、図6の位置から図7の位置へ移動する。このように、スプリング78は、レバー部71aを第2方向である図6の時計回りの方向へ付勢する付勢部材である。
【0043】
この第1リンク部材73の回転力は、後述の第2リンク部材および第3リンク部材を介して第4リンク部材76へ伝達され、第4リンク部材76が図7の左方向へ移動する。これにより、第4リンク部材76に取り付けられた規制部材72C、72Tが図7の位置である解除位置へ移動する。つまり、図4および図6に示すように、規制部材72C、72Tには長孔72aが設けられる。長孔72a内には、転写フレームに固定された軸84,85がそれぞれ挿入されている。軸84あるいは軸85が長孔72a内を相対移動可能な範囲で、規制部材72C、72Tの姿勢が規制されている。この規制により、規制部材72C、72Tは、第4リンク部材76の移動に伴って図6の規制位置あるいは図7の解除位置へ移動する。規制部材72の正面側から見える孔部分は、長孔72aの一部であり、図7の位置では軸84,85が長孔72aの隠れた部分に配置されている(図17参照)。
【0044】
次に、第2リンク部材および第3リンク部材、そして、これらと連結される第1リンク部材73および第4リンク部材76について、図8および図9を用いて説明する。図8図7から規制部材72Tを取り外した状態の斜視図、図9は各リンク部材の分解斜視図である。
【0045】
図8および図9に示すように、第1リンク部材73の連結部73aが、第2リンク部材74の一端74aおよび第3リンク部材75の一端75aにそれぞれ設けられた孔部に挿入される。これにより、第1リンク部材73と、第2リンク部材74および第3リンク部材75とが連結されている。第2リンク部材74の一端74aと第3リンク部材75の一端75aとの間にはEリングが介在しており、一端74aと一端75aとの接触面積を小さくしている。
【0046】
第2リンク部材74の他端である挿入部74bが第4リンク部材76の孔部76aに挿入され、第2リンク部材74が第4リンク部材76に連結されている。また第3リンク部材75の他端である挿入部75bが第4リンク部材76の長孔76bに挿入されており、挿入部75bは長孔76b内を相対移動可能に設けられる。第1リンク部材73はレバー固定軸71bが挿入される挿入孔73cを有する。図8に示すように、第1リンク部材73とレバー固定軸71bとの間、連結部73aと第3リンク部材75との間、挿入部75bと第4リンク部材76との間、挿入部74bと第4リンク部材76との間にもそれぞれEリングを介在させている。
【0047】
第4リンク部材76には挿入部76cが設けられる。挿入部76cは規制部材72(図6参照)に設けられた孔部に挿入される部分であり、規制部材72を取り付ける部分である。
【0048】
次に、第1リンク部材73のレバー固定軸71bを中心にした回転により、第2リンク部材74および第3リンク部材75を介して第4リンク部材76に回転力が伝達され、第4リンク部材76が図6に示す左右方向へ移動する様子について、図10図12を用いて説明する。図10は規制状態の図、図11は規制状態から解除状態へ移行する途中の図、図12は解除状態の図である。なお、図11および図12では、便宜上、挿入部75bと第4リンク部材76との間に介在するEリングの記載を省略している。
【0049】
図10図12で、レバー固定軸71bおよび第5リンク部材77の回転軸102は転写フレームに回転可能に支持されており、その位置が変化しない。
【0050】
図10図11のように、第1リンク部材73がレバー固定軸71bを中心に反時計回りに回転すると、連結部73aで第1リンク部材73に連結された第2リンク部材74および第3リンク部材75が第1リンク部材73に連動してその位置が変化する。この第2リンク部材74および第3リンク部材75の移動に伴って、第2リンク部材74に挿入部74bの位置で連結された第4リンク部材76が図10の左右方向へ移動し、第5リンク部材77が回転軸102を中心に回転する。
【0051】
第3リンク部材75の挿入部75bが第4リンク部材76の長孔76bに挿入されることで、第4リンク部材76が移動する位置が定められている。つまり、レバー固定軸71bおよび回転軸102は転写フレームに固定されており、この2点間に配置された第2リンク部材74および第4リンク部材76の位置はそれぞれ可変である。このため、第2リンク部材74と第4リンク部材76を連結させるだけでは、第1リンク部材73の回転による第1リンク部材73の位置変化に対して、第4リンク部材76の位置が定まらない。しかし、第3リンク部材75の他端である挿入部75bの移動範囲が第4リンク部材76の長孔76b内に規制されることで、第3リンク部材75と第4リンク部材76との相対位置が規制される。これにより、第1リンク部材73と第4リンク部材76との位置を1対1で対応させることができ、第1リンク部材73の回転に対して第4リンク部材76を所定の位置へ移動させることができる。これにより、第4リンク部材76の挿入部76cに取り付けられた規制部材72(図7参照)を、図10に示す規制位置と図12に示す解除位置との間で移動させることができる。なお図10に示す規制位置では、第3リンク部材75の挿入部75bが、第4リンク部材76の長孔76bの一端に配置されており、第4リンク部材76が図10の左方向へそれ以上移動できないように規制されている。また図12に示す解除位置では、挿入部75bが長孔76bの他端に配置されており、第4リンク部材76が図12の右方向へそれ以上移動できないように規制されている。
【0052】
第1リンク部材73は、操作者が解除レバー71のレバー部71a(図2参照)を回転させる操作力により、反時計回りに回転して図12に示す解除位置まで移動する。一方で、第1リンク部材73はスプリング78により時計回り方向の力が加えられているため、解除位置以外に配置される状態で操作力が解除されると、図10に示す規制位置に自動で復帰する。
【0053】
一方、第1リンク部材73が図12に示す解除位置に配置される場合には、第1リンク部材73がその位置で固定される。このため、操作者が解除状態でレバー部71aに対する操作力を解除しても、レバー部71aおよび第1リンク部材73は規制位置に戻らない。この、レバー部71aおよび第1リンク部材73を解除位置に固定する固定機構について、図13および図14を用いて説明する。図13および図14は画像形成装置の背面側から転写装置を見た図で、図13が規制状態、図14が解除状態の図である。
【0054】
図13に示すように、一次転写ローラ7Tを接離させるための機構である前スライダ32に、スプリング79の一端が接続されている。スプリング79の他端は転写フレームに固定されており、前スライダ32を図13の左方向へ付勢している。前スライダ32にはカムフォロワ81が取り付けられる。
【0055】
解除レバーの回転軸であるレバー固定軸71bには、カム80が取り付けられる。図13の規制状態では、カム80がカムフォロワ81と非接触になっている。一方で図14に示す解除状態では、解除レバーの操作によりレバー固定軸71bが回転してカム80が回転することで、カム80がカムフォロワ81に当接する。前スライダ32に設けられたカムフォロワ81は、図14の左方向へ付勢されている。カムフォロワ81がカム80に当接することで、カム80の位置、つまり、レバー固定軸71bの回転位相が固定される。これにより、解除レバー71のレバー部71aが解除位置に固定される。
【0056】
以上のように、レバー部71aが、解除位置以外では規制位置に自動復帰する構成とすることで、レバー部71aを解除位置と規制位置の間の中途半端な位置に保持されたままになることを防止できる。レバー部71aが上記の中途半端な位置で保持された状態で、操作者がPCDU10を引き抜く動作をすると、後述の検知センサ22などが十分にPCDU10から退避していない状態でPCDUが引き抜かれて検知センサや中間転写ベルトの傷つき、破損を生じてしまう。本実施形態では、このような検知センサや中間転写ベルトの傷つき、破損を防止できる。カム80、カムフォロワ81、前スライダ32、スプリング78などは、解除レバー71のレバー部71aを解除位置に固定する固定機構を構成する。
【0057】
次に、解除レバー71の回転範囲を、図2の規制位置から図3の解除位置までの範囲に限定する機構について説明する。解除レバー71の回転範囲は、前述した挿入部76cの移動範囲が長孔75b内に規制されること、および、図10に示す第5リンク部材77の回転範囲が規制されることにより限定されている。この第5リンク部材77の回転範囲の規制について、図15を用いて説明する。
【0058】
図4に示す回転軸102には、図15(a)に示すカム82が設けられる。このカム82は回転軸102を中心に図15(a)の両矢印の方向へ回転する。カム82は、カムフォロワ83の一方側の壁面83aおよび他方側の壁面83bに当接することによりその回転範囲が規制される。つまり、カム82が図15(a)に示す時計回りに限界まで回転した位置から、カム82が図15(b)に示す反時計回りに限界まで回転した位置までの範囲で回転する。これと挿入部76cの移動範囲が長孔75b内に規制されることにより、解除レバー71の回転範囲が図2図3の範囲に限定されている。
【0059】
次に、規制部材72の詳細な構成について、図16図18を用いて説明する。図16は規制部材72の正面側斜視図、図17は背面斜視図、図18は規制部材72の分解斜視図である。
【0060】
規制部材72は、前カバー721と、後カバー722と、取付部723と、固定ネジ724とを有する。固定ネジ724により、前カバー721、後カバー722、取付部723が組み付けられる。前カバー721および後カバー722は、PCDUに当接し、PCDUの抜き出し方向の移動を規制する規制部である。取付部723は弾性変形部であり、本実施形態では板バネにより構成される。取付部723は第4リンク部材76の挿入部76c(図8参照)が挿入される挿入孔723aを有する。
【0061】
図8に示すように、挿入部76cには、挿入部76cの挿入孔723aからの抜けを防止するための抜け止めピン76c1が設けられる。抜け止めピン76c1はスプリングピンである。図16に示すように、挿入孔723aは挿入部76cおよび抜け止めピン76c1に対応した形状をなしている。挿入部76cを挿入孔723aに挿入する際には、抜け止めピン76c1が挿入孔723aの位置に合うように挿入部76cを挿入する。また挿入後の規制部材72の動作範囲内では、抜け止めピン76c1が挿入孔723aの位置に合わないようになっている。以上の簡易な構成により、挿入部76cの挿入孔723aに対する抜け止めが実現できる。抜け止めピン76c1は、挿入部76cの周方向に一つだけ設けられ、挿入部76cの一方向にのみ突出して設けられる。例えば抜け止めピン76c1を挿入部76cの周方向の2箇所に設ける構成と比較すると、本実施形態では挿入孔723aの面積を小さくすることができ、取付部723の強度を向上させることができる。
【0062】
規制部材72が、弾性変形部である取付部723により転写装置に取り付けられることで、第4リンク部材76などのリンク部材が破損することを抑制できる。つまり、規制部材72が図2のように規制位置に配置された状態で、操作者が強い力でPCDU10を引き出そうとすると、PCDU10が規制部材72に強く衝突する。この際に、取付部723の弾性変形により、両者の衝突による衝撃を取付部723が吸収して第4リンク部材76などのリンク部材に加えられる圧力を低減できる。取付部723は、ゴム部材などにより構成してもよい。ただし、軸84,85(図4参照)との摺動性を考慮すると、本実施形態の板バネのような板金、あるいは、厚みが0.5mm以下の板状の部材であることが好ましい。
【0063】
また本実施形態では、転写装置に設けられた検知センサなどがPCDUから離間する方向へ移動できるように構成されている。そして、解除レバー71のレバー部71aを規制位置から解除位置へ移動させる動作に連動して、検知センサ等がPCDUから離間する方向へ移動する。
【0064】
以下の説明では、転写装置に設けられた一次転写ローラや検知センサについて説明した上で、上記の検知センサ等をPCDUから離間させる離間機構について説明する。
【0065】
図19(a)に示すように、一次転写ローラ7Tが、中間転写ベルト2を介して感光体3Tとの間に特別色転写ニップNTを形成する。一次転写ローラ7Cが、中間転写ベルト2を介して感光体3Cとの間にシアン転写ニップNCを形成する。一次転写ローラ7Mが、中間転写ベルト2を介して感光体3Mとの間にマゼンタ転写ニップNMを形成する。一次転写ローラ7Yが、中間転写ベルト2を介して感光体3Yとの間にイエロー転写ニップNYを形成する。一次転写ローラ7Kが、中間転写ベルト2を介して感光体3Kとの間にブラック転写ニップNKを形成する。
【0066】
転写装置20は、中間転写ベルト2の走行方向の最も上流側に配置された最上流一次転写部201と、最も下流側に配置された最下流一次転写部203と、最上流一次転写部201と最下流一次転写部203との間に配置された複数の一次転写部からなる中央一次転写ユニット202とを有する。本実施形態では、最上流一次転写部201はブラック転写ニップNKによりブラックトナー像を、中央一次転写ユニット202は、シアン転写ニップNC、マゼンタ転写ニップNM、イエロー転写ニップNYにより、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像を、最下流一次転写部203は特別色転写ニップNTにより特別色トナー像を、それぞれ中間転写ベルト2に転写する。また以下の説明では、中間転写ベルト2の走行方向の上流側あるいは下流側を単に上流側あるいは下流側とも称する。
【0067】
中間転写ベルト2の走行方向において、一次転写ローラ7Cと一次転写ローラ7Tとの間には、張架部材としての従動ローラ21Aおよび検知機構としての検知センサ22が設けられる。従動ローラ21Aは中間転写ベルト2を張架する。検知センサ22は中間転写ベルト2上のスケールを検知し、中間転写ベルト2の走行速度を検知する。この検知結果に基づいて中間転写ベルト2の速度を制御することにより、中間転写ベルト2に転写する各色のトナー像の位置ズレを抑制できる。
【0068】
図19(a)において、最上流一次転写部201に設けられた一次転写ローラ7Kが最上流一次転写部材、中央一次転写ユニット202に設けられた一次転写ローラ7Y,7M,7Cが中央側一次転写部材、最下流一次転写部203に設けられた一次転写ローラ7Tが最下流一次転写部材である。中間転写ベルト2の走行方向は図19(a)に矢印Aで示す方向である。また一次転写ローラ7Tよりも上流側の各一次転写ローラ7K,7Y,7M,7Cは上流側一次転写部材でもある。
【0069】
本実施形態では、最上流一次転写部201で特別色を転写することも、最下流一次転写部203で特別色を転写することもできる。これにより、必要な順番で特別色のトナーを転写することが可能になる。
【0070】
中間転写ベルト2の走行方向において、一次転写ローラ7Cと一次転写ローラ7Tとの間には、第2張架ローラとしての従動ローラ21Aおよび検知機構としての検知センサ22が設けられる。従動ローラ21Aは中間転写ベルト2を張架する。検知センサ22は中間転写ベルト2上のスケールを検知し、中間転写ベルト2の走行速度を検知する。この検知結果に基づいて中間転写ベルト2の速度を制御することにより、中間転写ベルト2に転写する各色のトナー像の位置ズレを抑制できる。
【0071】
本実施形態の転写装置20では、画像形成時のモードに合わせて、各一次転写ローラ7が感光体3に対して中間転写ベルト2を介して当接あるいは離間する。例えば図19(b)に示すように、最下流一次転写部203の一次転写ローラ7Tを感光体3Tから離間させ、その他の一次転写ローラ7を中間転写ベルト2を介して各感光体3に当接させることができる。図19(b)は一例であり、最上流一次転写部201、中央一次転写ユニット202、最下流一次転写部203の各一次転写ローラ7の当接および離間状態を切り替えることができる。
【0072】
最下流の一次転写ローラ7Tの感光体3Tに対する接離動作に連動して、中間転写ベルト2を張架する張架部材としての従動ローラ21Aおよび従動ローラ33A、検知センサ22も図19の上下方向である感光体3に接離する方向へ移動する。以下、これらの部材を接離させる第1接離機構について、図13および図20図22を用いて説明する。図13は前述の規制状態の図であるが、スライダ32が「当接」状態の図でもある。なお、以下の説明では最下流一次転写部203で特殊色トナー像が転写される場合を示しているが、ブラックトナー像が転写されてもよい。
【0073】
図13に示すように、一次転写ローラ7Tが、回転部材34の一端に設けられる。回転部材34は、回転支点34aを中心に回転可能に設けられる。回転部材34は、一次転写ローラ7Tが設けられる側とは反対側の端部に孔部34bを有する。孔部34bには前スライダ32に設けられたピン32bが挿入されている。スプリング35は画像形成装置の筐体に固定され、回転部材34を、回転支点34aを中心に図13の時計回りに回転する方向へ付勢している。このスプリング35の付勢力により、一次転写ローラ7Tが中間転写ベルト2に当接している。また中間転写ベルト2を張架する張架部材の一つである従動ローラ33Aが、回転部材33の一端に設けられる。回転部材33は、回転支点33aを中心に回転可能に設けられる。回転部材33は、従動ローラ33Aが設けられる側とは反対側の端部に孔部33bを有する。孔部33bには前スライダ32に設けられる挿入部32aが挿入されている。挿入部32aは前スライダ32に固定された軸部に玉軸受が圧入されて構成される。さらに、従動ローラ21Aは、回転部材21の一端に設けられる。回転部材21は、回転支点21aを中心に回転可能に設けられる。回転部材21は、スプリング39により回転支点21aを中心に時計回りに回転する方向の力を受けている。
【0074】
第1接離機構91には、モータの駆動力を伝達されるカム部材31が設けられる。図20に示すように、カム部材31は第1カム31Aと第2カム31Bとを有し、回転軸31aを中心に回転可能に設けられる。第2カム31Bは外輪を有する玉軸受であり、回転軸31aに対して偏心したカムである。
【0075】
第1カム31Aは、それぞれの径の異なる小径部、中径部、大径部を120度ずつ有する。図21に示すように、第1カム31Aは、玉軸受からなるカムフォロワ36に当接する。第1カム31Aの回転によって第1カム31Aがカムフォロワ36に当接する面を変えることで、前スライダ32を図13の左右方向へ移動させることができる。
【0076】
図22は、一次転写ローラ7Tが感光体から離間した「離間」状態の図である。
第1カム31Aの回転により、前スライダ32を図13よりも右方向へ移動させることにより、一次転写ローラ7Tが感光体から離間した「離間」状態になる。つまり、図13図22のように前スライダ32が右方向へ移動することにより、前スライダ32に設けられた挿入部32a、ピン32b、ピン32c(図24参照)がそれぞれ回転部材33,34,21を押圧し、回転部材33,34,21がそれぞれ反時計回りに回転する。これにより、従動ローラ33A、一次転写ローラ7T、従動ローラ21Aが、感光体から離れる方向である図22の下方向へ移動する。従動ローラ33A、21Aの移動により、これらのローラに張架される中間転写ベルト2の張架位置が図22の下方向へ移動する。
【0077】
また図13図22のように前スライダ32が移動することにより、検知センサ22が図22の下方向へ移動する。これにより、中間転写ベルト2の張架位置に合わせて検知センサ22を移動させることができる。以下、この検知センサ22を移動させるための機構について説明する。
【0078】
図21および図23に示すように、第1アーム37は第2カム31Bを把持部37c1,37c2の2箇所で把持する。第2カム31Bの回転により、第1アーム37は回転支点37aを中心に回転する。図13図22のように前スライダ32が移動することにより、第1アーム37は回転支点37aを中心に図23の時計回りに回転する。
【0079】
図21に示すように、第1アーム37には、規制部材および抜け止め部材としてのスラスト止め部材60が取り付けられる。スラスト止め部材60は、規制部60bが第2カム31Bの外周面の位置を規制することで、第1アーム37の第2カム31Bに対する相対移動方向を規制できる。つまり、第1アーム37が第2カム31Bの外周面に沿った方向ではない、例えば第2カム31Bに対して滑り方向へ移動することを規制できる。
【0080】
図24は第1アーム37および第2アーム38の周辺の正面側の斜視図である。図25は第1アーム37および第2アーム38の背面側の斜視図である。
【0081】
図24に示すように、第2リンク部材としての第2アーム38は、その両端にそれぞれ他の長孔38aと長孔38bとを有する。第1アーム37の一端37bが他の長孔38aに挿入されている。図25に示すように、第1アーム37の一端37bは軸受40を有する。軸受40は他の長孔38a内を相対移動可能に設けられる。軸受40は他の長孔38aに対する他の挿入部である。
【0082】
図24に示すように、長孔38bには軸受41が挿入される。軸受41は、段ネジ42により、保持部材としての第1センサブラケット43に固定される。軸受41は長孔38b内を移動可能に設けられる。軸受41は長孔38bに対する挿入部である。
【0083】
カム部材31の回転により、図13の状態から前スライダ32を図13の右側へ移動させて最下流一次転写部203を「離間」の状態にすることで、第2カム31Bが回転し、第1アーム37は回転支点37aを中心にして時計回りに回転する。これにより、第1アーム37の一端37bが図13の下方向へ移動する。これにより、図22に示すように、一端37bが他の長孔38aの一端まで移動して他の長孔38aを形成する壁面部に当接し、第2アーム38を図22の左下方向へ引き込む。これにより、軸受41が長孔38bの一端まで相対移動して長孔38bを形成する壁面部に当接する。そして、第2アーム38が第1センサブラケット43を図22の左下方向へ引き込む。
【0084】
図26は第1センサブラケット43および検知センサ22周辺の構成を示す図で、図13などから回転部材21を取り外した状態の図である。図26では便宜上、検知センサ22および第2センサブラケット44を簡略化して記載している。
【0085】
図26に示すように、第1センサブラケット43は回転支点43aを中心に回転可能に設けられる。第1センサブラケット43は、画像形成装置の筐体に固定されたスプリング45により、回転支点43aを中心に図26の反時計回りに回転する方向の力を受けている。また第1センサブラケット43には規制ブラケット63が固定されている。規制ブラケット63の孔部63aに、前スライダ32のピン32dが挿入されている。図13の「当接」状態では、ピン32dが孔部63aを形成する壁面部に当接することで、前スライダ32が第1センサブラケット43に、回転支点43aを中心に図26の時計回りに回転する力を加えている。
【0086】
第1センサブラケット43に設けられたスタッド43bを介して、第2センサブラケット44が第1センサブラケット43に固定されている。第2センサブラケット44は検知センサ22を保持する。第2センサブラケット44は、スプリング62(図13参照)の一端が取り付けられるフック44aと、第1当接部44bと、第2当接部44cとを有する。
【0087】
第2センサブラケット44は、図13の「当接」状態では、スプリング62により付勢されて、回転支点43aを中心に時計回りに回転する方向へ移動し、第1当接部44bが、画像形成装置の筐体に設けられたスタッド64に当接する位置で位置決めされている。
【0088】
また図22の「離間」状態では、ピン32dが右方向へ移動することにより、図26に示すように、ピン32dが規制ブラケット63を図26の左方向へ押圧する力が解除されるとともに、前述のように第2アーム38が第1センサブラケット43を図26の左下の方向へ引き込むことにより、第1センサブラケット43が回転支点43aを中心に図26の時計回りに回転する。これにより、スタッド43bを介して第1センサブラケット43に固定された第2センサブラケット44が図26の上方向へ移動し、検知センサ22も図26の上方向へ移動する。この際、図27に示すように、第2センサブラケット44の第2当接部44cが、回転部材21の位置決め部21bに当接する位置で、第2センサブラケット44が位置決めされる。つまり、第2センサブラケット44および検知センサ22の図26などの上方向への移動が規制され、検知センサ22が位置決めされる。
【0089】
以上のように本実施形態では、前スライダ32が図13図22のように図22の右方向へ移動することにより、一次転写ローラ7T、従動ローラ21A、従動ローラ33A、検知センサ22がそれぞれ感光体から離間する方向へ移動する。上記の説明では、モータの駆動力により前スライダ32が図22の右方向へ移動する場合を示したが、レバー部71aに対する操作力によっても前スライダ32を右方向へ移動させることができる。このレバー部71aの操作による前スライダ32の移動について説明する。
【0090】
前述の図2図3のようにレバー部71aを規制位置から解除位置へ移動させることで、レバー部71aの回転支点であるレバー固定軸71bおよびカム80が図13図14のように回転する。この途中で、カム80が前スライダ32に取り付けられたカムフォロワ81に当接し、カムフォロワ81を介して前スライダ32を図13図14のように右側へ移動させる。これにより、モータによってカム部材31を回転させて図13図22のように「当接」状態から「離間」状態へ移動させた場合と同様、図13図14のように、一次転写ローラ7T、従動ローラ21A、従動ローラ33A、検知センサ22をそれぞれ感光体から離間する方向へ移動させることができる。
【0091】
以上のように、前スライダ32、第1アーム37、第2アーム38、第1センサブラケット43、第2センサブラケット44、規制ブラケット63、スプリング45、スプリング62などは、検知センサ22をPCDU10(あるいは感光体)に対して接離させる接離機構を構成する。
【0092】
以上のように本実施形態によれば、レバー部71aの操作により、図2図3のように、PCDU10の取り外し方向の移動を規制する規制部材72をPCDU10から退避させ、規制部材72によるPCDU10の取り外しの規制を解除できる。またこれに伴って、PCDU10の取り外し動作時にPCDU10に干渉する検知センサ22を、PCDU10から退避する方向へ移動させることができる。つまり、レバー部71aの操作だけで、PCDU10を画像形成装置から取り外し可能な状態にし、PCDU10の取り外しによる他部材との干渉も防止できる。従って、PCDU10の取り外し動作時の手順を少なくすることができ、PCDU10の取り外しや画像形成装置のメンテナンスなどの作業の利便性を向上させることができる。またPCDU10の取り外し動作時に検知センサ22を退避させることを忘れて、検知センサ22やPCDU10を破損させてしまうといった不具合も防止できる。
【0093】
また本実施形態のように、検知センサ22だけでなく、一次転写ローラ7Tや従動ローラ21Aなどの中間転写ベルト2を張架する張架部材も、レバー部71aの操作によりPCDU10(あるいは感光体)に対して離間する方向へ移動する接離部に含むことができる。これにより、PCDU10の画像形成装置に対する取り外し動作により、中間転写ベルトや一次転写ローラがPCDU10に干渉する場合でも、これらの部材を退避させることができる。ただし、これらすべてを必ずしもレバー部71aの操作力により退避させる構成とする必要はない。またPCDU10から退避させる部材はこれに限らず、転写装置20に設けられた部材を適宜PCDU10から離間する構成とすることができる。
【0094】
また以上の説明では、検知センサ22および規制部材72に連動して最下流一次転写部の一次転写ローラ7Tが感光体から離間する構成を示したが、本発明はこれに限らず、その他の任意の一次転写ローラが感光体から離間してもよい。また検知センサ22の配置も本発明のような最下流一次転写部と中央一次転写ユニットとの間の位置に限るものではない。
【0095】
次に、中央一次転写ユニット202に設けられる各一次転写ローラ7C,7M,7Yを中間転写ベルト2に対して接離させる、第2移動機構としての第2接離機構92、および、最上流一次転写部201に設けられる一次転写ローラ7Kを接離させる、第3移動機構としての第3接離機構93について、図28を用いて説明する。
【0096】
図28に示すように、第2接離機構92は、回転部材46~48、カム51およびカムフォロワ52を有する。第3接離機構93は、回転部材49,カム53およびカムフォロワ54を有する。第2接離機構92はカム51を回転させる駆動源としてのモータを、第3接離機構93はカム53を回転させる駆動源としてのモータをそれぞれ備える。
【0097】
回転部材46,47,48,49が、回転支点46a、47a、48a、49aを中心に回転可能に設けられる。回転部材46の一端には一次転写ローラ7Cが設けられる。回転部材47の一端には一次転写ローラ7Mが設けられる。回転部材48の一端には一次転写ローラ7Yが設けられる。回転部材49の一端には一次転写ローラ7Kが設けられる。各回転部材46~49はスプリングにより図28の時計回りに回転する方向へ付勢され、各一次転写ローラ7を中間転写ベルト2を介して感光体に当接させている。
【0098】
カム51の回転によりカムフォロワ52が回転し、最上流一次転写部201の前スライダ50が図28の右方向へ移動する。これにより、回転部材46~48の各一次転写ローラ7を設ける側と反対側の端部が押圧され、各回転部材46~48はスプリングの付勢力に抗して図28の反時計回りに回転する。これにより、各一次転写ローラ7C,7M,7Yが各感光体から離間する。またカム53の回転により、カムフォロワ54が回転し、回転部材49の一次転写ローラ7Kを設ける側と反対側の端部が押圧される。これにより、回転部材49はスプリングの付勢力に抗して図28の反時計回りに回転し、一次転写ローラ7Kが感光体から離間する。以上のようにして、最上流一次転写部201の一次転写ローラ7Kと中央一次転写ユニット202の各一次転写ローラ7C,7M,7Yとが独立して各感光体に対する接離動作を行う。
【0099】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0100】
以上の説明では、操作部材が転写装置に設けられる場合を示したが、画像形成装置の筐体など、画像形成装置内の適宜の位置に設けられていてもよい。
【0101】
以上の説明では、本発明に係る転写装置として中間転写ベルトを有する二次転写装置を示したが、本発明はこれに限らない。例えば、記録媒体を搬送し、感光体との間で転写ニップを形成する搬送ベルトを有する転写装置であってもよい。
【0102】
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
【0103】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1>
潜像担持体ユニットに対して接離可能に設けられた接離部と、
前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して接離させる接離機構と、
規制部材と、
操作部材と、を備えた転写装置であって、
前記規制部材は、前記潜像担持体ユニットの画像形成装置に対する取り外しを規制し、
前記操作部材の操作により、前記接離機構が前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して離間させるとともに、前記規制部材による前記潜像担持体ユニットの画像形成装置に対する取り外しの規制を解除することを特徴とする転写装置である。
<2>
前記操作部材は、互いに反対方向である第1方向および第2方向へ操作可能な操作部を有し、
前記操作部を前記第1方向の所定の固定位置で固定する固定機構と、前記操作部を前記第2方向に付勢する付勢部材とを有する<1>記載の転写装置である。
<3>
前記操作部材の操作力により回転する回転軸と、
前記回転軸の回転力を伝達されて移動するリンク部材とを有し、
前記規制部材は、前記リンク部材に取り付けられる<1>または<2>記載の転写装置である。
<4>
前記規制部材は、前記リンク部材に取り付けられる弾性変形部を有する<3>記載の転写装置である。
<5>
前記弾性変形部は板バネである<4>記載の転写装置である。
<6>
前記弾性変形部は厚さ0.5mm以下の板状部材である<4>記載の転写装置である。
<7>
前記弾性変形部は挿入孔を有し、
前記リンク部材は前記挿入孔に挿入される挿入部を有し、
前記挿入部は、前記挿入孔からの脱落を防止する抜け止めピンを有する<4>から<6>いずれか記載の転写装置である。
<8>
前記抜け止めピンは、前記挿入部の周方向の1方向へ延在する<7>記載の転写装置である。
<9>
第1部分を有する転写フレームを備えた<2>または<2>に係る<3>から<8>いずれか記載の転写装置であって、
前記操作部の前記第1方向の下流側に前記第1部分が設けられ、
前記固定位置は、前記第1部分よりも前記操作部の前記第1方向の上流側に設けられる転写装置である。
<10>
前記潜像担持体ユニットと、
<1>から<9>いずれか記載の転写装置とを備えた画像形成装置である。
<11>
少なくとも潜像担持体を有する潜像担持体ユニットと、
前記潜像担持体ユニットに対して接離可能に設けられた接離部と、前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して接離させる接離機構と、規制部材と、を有する転写装置と、
操作部材と、を備えた画像形成装置であって、
前記潜像担持体ユニットは画像形成装置本体に対して着脱可能に設けられ、
前記規制部材は、前記潜像担持体ユニットの画像形成装置本体に対する取り外しを規制し、
前記操作部材の操作により、前記接離機構が前記接離部を前記潜像担持体ユニットに対して離間させるとともに、前記規制部材による前記潜像担持体ユニットの画像形成装置本体に対する取り外しの規制を解除することを特徴とする画像形成装置である。
【符号の説明】
【0104】
1 画像形成装置
2 中間転写ベルト(ベルト部材あるいは中間転写体)
7 一次転写ローラ(転写部材)
10 PCDU(潜像担持体ユニット)
20 転写装置
20A インナーカバー(転写フレーム)
20A1 第1部分
22 検知センサ(接離部)
71 解除レバー(操作部材)
71a レバー部(操作部)
71b レバー固定軸(回転軸)
72 規制部材
723 取付部(弾性変形部)
723a 挿入孔
73 第1リンク部材
74 第2リンク部材
75 第3リンク部材
76 第4リンク部材(リンク部材)
76c 挿入部
76c1 抜け止めピン
77 第5リンク部材
78 スプリング(付勢部材)
B1 第1方向
B2 第2方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0105】
【特許文献1】特開2018-13503号公報
図1
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