(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118401
(43)【公開日】2024-08-30
(54)【発明の名称】イメージセンサ、イメージ撮影装置、イメージセンサを用いた乱数生成システム
(51)【国際特許分類】
H04N 25/70 20230101AFI20240823BHJP
H04N 25/771 20230101ALI20240823BHJP
【FI】
H04N25/70
H04N25/771
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133059
(22)【出願日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0022321
(32)【優先日】2023-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ナムヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ソ カンボン
(72)【発明者】
【氏名】チョ クァンジュン
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024AX02
5C024AX07
5C024EX12
5C024GX02
5C024GX16
5C024GX18
5C024HX35
5C024HX51
(57)【要約】
【課題】イメージセンサを用いて乱数を生成するための乱数生成システムを提供する。
【解決手段】イメージセンサ100は、光に対応して電荷を生成する光電変換素子PDと、光電変換素子PDにより生成された電荷中の第1電荷量が蓄積される第1タップTP1と、光電変換素子PDにより生成された電荷中の第2電荷量が蓄積される第2タップTP2と、を含み、オブジェクト20に照射される照射光と反射光の位相差に対応して第1電荷量と第2電荷量の比が調整され、第1電荷量と第2電荷量にそれぞれ対応するピクセル信号が乱数を生成するためのシード値として提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光に対応して電荷を生成する光電変換素子と、
前記光電変換素子により生成された電荷中の第1電荷量が蓄積される第1タップと、
前記光電変換素子により生成された電荷中の第2電荷量が蓄積される第2タップと、
を含み、
オブジェクトに照射される照射光と反射光の位相差に対応して前記第1電荷量と前記第2電荷量の比が調整され、前記第1電荷量と前記第2電荷量にそれぞれ対応するピクセル信号が乱数を生成するためのシード値として提供される、イメージセンサ。
【請求項2】
前記第1電荷量と前記第2電荷量の比がランダムであり、ランダムな前記第1電荷量と前記第2電荷量の比が前記シード値として提供される、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記光電変換素子は、
前記第1タップと前記第2タップにより共有され、
前記第1タップと前記第2タップが共通連結されるノードとカソードが連結され、アノードが接地電圧端に連結されるフォトダイオードを含む、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第1タップは、
前記光電変換素子と第1フローティング拡散ノードとの間に連結され、ゲート端子を介して第1転送信号が印加される第1転送トランジスタと、
前記第1フローティング拡散ノードと接地電圧端との間に連結され、前記第1電荷量を蓄積する第1キャパシタと、を含む、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第2タップは、
前記光電変換素子と第2フローティング拡散ノードとの間に連結され、ゲート端子を介して前記第1転送信号とは位相が逆の第2転送信号が印加される第2転送トランジスタと、
前記第2フローティング拡散ノードと接地電圧端との間に連結され、前記第2電荷量を蓄積する第2キャパシタと、を含む、請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記光電変換素子から発生した総電荷は、前記第1キャパシタと前記第2キャパシタに分散して蓄積される、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記光電変換素子から発生する総電荷量は、前記第1電荷量と前記第2電荷量を合わせた値と同一である、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記第1電荷量と前記第2電荷量がそれぞれノイズを含み、前記第1電荷量に含まれたノイズと前記第2電荷量に含まれたノイズの比が前記乱数を生成するための前記シード値として提供される、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
複数の単位ピクセルを含み、照射光をオブジェクトに照射し、前記オブジェクトから反射される反射光の位相差に対応して、前記複数の単位ピクセルそれぞれのフローティング拡散ノードに分配される電荷量の比が調整され、前記電荷量の比に対応するデジタルデータを処理してシードデータを生成するイメージセンサと、
前記イメージセンサから印加される前記シードデータに対応して乱数を生成する乱数発生器と、
を含む、乱数生成システム。
【請求項10】
前記イメージセンサは、
前記位相差に対応する電荷量を前記複数の単位ピクセルそれぞれに蓄積し、前記複数の単位ピクセルそれぞれに蓄積された前記電荷量の比に対応するピクセル信号を出力するピクセルアレイと、
前記単位ピクセルの駆動を制御して前記デジタルデータを出力する制御ブロックと、
前記デジタルデータから特定のビット値を抽出して乱数データを生成するデータ処理部と、
選択信号に対応して、前記デジタルデータを選択してイメージデータとして出力するか、または前記乱数データを選択して前記シードデータとして出力するデータ出力部と、を含む、請求項9に記載の乱数生成システム。
【請求項11】
前記複数の単位ピクセルそれぞれは、
前記反射光に対応して電荷を生成する光電変換素子と、
前記光電変換素子により生成された電荷が分散して蓄積される複数のタップと、を含む、請求項10に記載の乱数生成システム。
【請求項12】
前記電荷量がノイズを含み、前記複数のタップそれぞれに分散する電荷のノイズの比が前記ピクセル信号に提供される、請求項11に記載の乱数生成システム。
【請求項13】
前記複数の単位ピクセルそれぞれは、
前記光電変換素子から発生する総電荷量が同一である、請求項11に記載の乱数生成システム。
【請求項14】
前記総電荷量の分布は、ポアソン分布に対応する、請求項13に記載の乱数生成システム。
【請求項15】
前記イメージセンサは、
ノーマルモードの場合、前記選択信号のうち前記イメージデータを選択するための第1選択信号を活性化させ、乱数生成モードの場合、前記選択信号のうち前記乱数データを選択するための第2選択信号を活性化させる選択部をさらに含む、請求項10に記載の乱数生成システム。
【請求項16】
前記選択部は、
前記ノーマルモードおよび前記乱数生成モードが設定されるモードレジスタを含む、請求項15に記載の乱数生成システム。
【請求項17】
前記データ処理部は、
前記デジタルデータにおいてノイズサンプリングを行い、前記サンプリングされたデータにおいて特定の桁数のビット値をフィルタリングして前記乱数データを生成する、請求項10に記載の乱数生成システム。
【請求項18】
前記乱数発生器は、アプリケーションプロセッサ内に含まれる、請求項9に記載の乱数生成システム。
【請求項19】
光に対応して電荷を生成する光電変換素子と、
前記光電変換素子により生成された電荷中の第1電荷量が蓄積される第1タップと、
前記光電変換素子により生成された電荷中の第2電荷量が蓄積される第2タップと、
を含み、
前記第1タップと前記第2タップに蓄積される総電荷量は、前記第1電荷量と前記第2電荷量を合わせた値と同一であり、
オブジェクトに照射される照射光と反射光の位相差に対応して前記第1電荷量と前記第2電荷量の比が調整され、
前記第1電荷量に含まれたノイズと前記第2電荷量に含まれたノイズの比が乱数を生成するためのシード値として提供される、イメージ撮影装置。
【請求項20】
前記総電荷量の分布は、ポアソン分布に対応する、請求項19に記載のイメージ撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサを用いて乱数を生成するための乱数生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、データの通信時にデータの露出を防止するための様々なセキュリティ技術に関する研究が行われている。このようなセキュリティ技術の中でも最も広く用いられているものが暗号化キーを用いてデータを暗号化する方式であるが、通常、暗号化キーは、他の人が容易に類推できないように構成される必要がある。このように暗号化キーを生成するためには、互いに異なり、予測できない任意の数、すなわち乱数(Random Number)が必要である。このような乱数を生成する乱数生成器において、乱数が有すべき根本的な特性の1つである予測不可能性が高く、優れた乱数性を確保することが重要である。
【0003】
一方、イメージセンサは、主にカメラモジュールに用いられているため、スマート機器のようなカメラモジュールが内蔵されたデバイスにおいて、既に内蔵されたイメージセンサを用いて乱数の生成が可能であれば、装置実現の面で効率的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、イメージセンサのピクセル特性を用いて乱数を生成するための乱数生成システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態に係るイメージセンサは、光に対応して電荷を生成する光電変換素子と、光電変換素子により生成された電荷中の第1電荷量が蓄積される第1タップと、光電変換素子により生成された電荷中の第2電荷量が蓄積される第2タップと、を含み、オブジェクトに照射される照射光と反射光の位相差に対応して第1電荷量と第2電荷量の比が調整され、第1電荷量と第2電荷量にそれぞれ対応するピクセル信号が乱数を生成するためのシード値として提供される。
【0006】
本発明の他の実施形態に係る乱数生成システムは、複数の単位ピクセルを含み、照射光をオブジェクトに照射し、オブジェクトから反射される反射光の位相差に対応して、複数の単位ピクセルそれぞれのフローティング拡散ノードに分配される電荷量の比が調整され、電荷量の比に対応するデジタルデータを処理してシードデータを生成するイメージセンサと、イメージセンサから印加されるシードデータに対応して乱数を生成する乱数発生器と、を含むことができる。
【0007】
本発明のまた他の実施形態に係るイメージ撮影装置は、光に対応して電荷を生成する光電変換素子と、光電変換素子により生成された電荷中の第1電荷量が蓄積される第1タップと、光電変換素子により生成された電荷中の第2電荷量が蓄積される第2タップと、を含み、第1タップと第2タップに蓄積される総電荷量は、第1電荷量と第2電荷量を合わせた値と同一であり、オブジェクトに照射される照射光と反射光の位相差に対応して第1電荷量と第2電荷量の比が調整され、第1電荷量に含まれたノイズと第2電荷量に含まれたノイズの比が乱数を生成するためのシード値として提供されることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態は、イメージセンサのピクセル特性を用いて乱数を生成することで、予測不可能性が高く、装置実現が容易な効果を提供する。
【0009】
さらに、本発明の実施形態は例示のためのものであり、当業者であれば、添付の特許請求の範囲の技術的思想および範囲を通じて様々な修正、変更、代替、および付加が可能であり、このような修正、変更などは以下の特許請求の範囲に属するものと見なされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るイメージセンサを用いた乱数生成システムの構成図である。
【
図2】
図1のイメージセンサに関する構成図である。
【
図3】
図2に示されたイメージセンサの単位ピクセルに関する例示的な回路図である。
【
図4】
図3に示された単位ピクセルが動作する例を説明するためのタイミング図である。
【
図5】
図3に示された単位ピクセルのポテンシャルエネルギーを例示的に示した図である。
【
図6】
図3に示された単位ピクセルのポアソン分布を例示的に示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るイメージセンサを用いた乱数生成方法を説明するためのフローチャートである。
【
図8】本発明の他の実施形態に係るイメージセンサを用いた乱数生成システムの構成図である。
【
図9】
図8のイメージセンサに関する構成図である。
【
図10】
図9のデータ処理部を説明するための図である。
【
図11】
図9のデータ処理部を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して様々な実施形態が説明される。ただし、本開示は、特定の実施形態に限定されず、実施形態の様々な変更(modification)、等価物(equivalent)、および/または代替物(alternative)を含むものと理解しなければならない。本開示の実施形態は、本開示により直間接的に認識可能な様々な効果を提供することができる。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るイメージセンサを用いた乱数生成システムの構成図である。
図1を参照すると、乱数生成システム10は、イメージセンサ100および乱数発生器200を含むことができる。
【0013】
ここで、イメージセンサ100は、既に設定された周波数の光をオブジェクト(例えば、測定対象物)20に照射し、オブジェクト20から反射して戻ってくる反射光の位相差を検出してオブジェクト20との距離を測定することができる。
【0014】
そして、本発明の実施形態に係るイメージセンサ100は、ピクセルのフローティング拡散ノード(Floating Difussion node)(後述する)に分配される電荷の成分を用いてデジタルデータを生成することができる。すなわち、イメージセンサ100は、上述した位相差に対応して、ピクセルのフローティング拡散ノードに分配される電荷量の比が調整され、デジタルデータを生成することができる。イメージセンサ100により生成されたデジタルデータは、乱数発生器200に伝達されることができる。
【0015】
本発明の実施形態において、イメージセンサ100は、タイムオブフライト(Time of flight、以下、「TOF」と称する)ベースのセンサを含むことができる。TOF方式を用いてオブジェクトとの距離を測定する方式は、活用範囲が広く、処理速度が速く、費用面でも有利である。
【0016】
TOF方式は、大きく直接(direct)方式と間接(in-direct)方式に分けられ、照射された光と反射して戻ってくる光を用いて距離を求める原理は共通するが、測定方式により分けられることができる。
【0017】
直接方式の場合は、往復時間を計算して距離を測定し、間接方式の場合は、位相差を用いて距離を測定することができる。ここで、直接方式の場合は、長距離測定時に有利であり、自動車などに利用することができる。そして、間接方式の場合は、距離がより近く、速い処理速度が求められるゲーム機およびモバイルカメラなどに利用することができる。間接方式は、直接方式に比べて、回路が簡単であり、相対的に安価であるという利点がある。
【0018】
本発明の実施形態では、間接方式のTOFセンサで実現されたイメージセンサ100を用いることを一例として説明し、イメージセンサ100の詳細構成については後述の
図2で詳細に説明する。
【0019】
乱数発生器200は、イメージセンサ100により生成されたデジタルデータを受信して乱数を生成することができる。ここで、乱数とは、互いに異なり、予測できない任意の数、すなわちランダムに生成された数を意味し得る。本発明の実施形態によると、乱数発生器200は、ランダム抽出プログラムを用いて、イメージセンサ100から提供されたデジタルデータを用いて乱数を生成することができる。実施形態によると、乱数発生器200は、DRBG(deterministic random bit generator)であってもよい。
【0020】
DRBGとは、決定論的アルゴリズムにより乱数を生成する装置またはアルゴリズムを意味し得る。ここで、決定論的アルゴリズムとは、同一の入力に対して常に同一の出力が生成される特徴を有するアルゴリズムを意味し得る。DRBGとしては、代表的にブロック暗号ベースの乱数発生器、ハッシュ関数ベースの乱数発生器、およびHMACベースの乱数発生器が挙げられる。ここで、ブロック暗号ベースの乱数発生器は、ブロック暗号のカウンタモードを用いた乱数発生器(CTR_DRBG)である。ハッシュ関数ベースの乱数発生器は、ハッシュ関数を用いた乱数発生器(Hash_DRBG)である。HMACベースの乱数発生器は、HMACアルゴリズムを用いた乱数発生器(HMAC_DRBG)である。
【0021】
上記で乱数発生器200の例を説明したが、本発明の実施形態における乱数発生器200の種類は限定されず、十分に変更が可能である。
本発明の実施形態は、イメージセンサ100から出力されるデジタルデータに対応してランダムな特定を有するデジタルデータが乱数発生器200のシード値として用いられるため、別のハードウェアの変更なしに乱数発生システムを実現することができる。
【0022】
図2は、
図1のイメージセンサに関する構成図である。
図2を参照すると、イメージセンサ100は、光源110、レンズモジュール120、ピクセルアレイ130、および制御ブロック140を含むことができる。
【0023】
ここで、光源110は、制御ブロック140から印加される光変調信号(MLS)に応答してオブジェクト20に光を照射することができる。
図2では説明の便宜のために1つの光源110のみを示したが、複数の光源がレンズモジュール120の周辺に配列されてもよい。
【0024】
光源110は、発光素子を含むことができる。一例として、光源110は、特定の波長帯域の光(例えば、近赤外線、赤外線、または可視光)を発光するレーザダイオード(LD;Laser Diode)や発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)、近赤外線レーザ(NIR;Near Infrared Laser)、点光源、白色ランプ、およびモノクロメータ(monochromator)が組み合わせられた単色(monochromatic)照明源、または他のレーザ光源の組み合わせであってもよい。光源110から照射される光は、予め定められた周波数で変調された変調光であってもよい。
【0025】
本発明の実施形態において、イメージセンサ100は、光源110から照射された照射光と反射光を用いて位相差情報を求めるため、オブジェクト20に光を照射するための光源110を必須に含むことができる。これにより、本発明の実施形態は、イメージセンサ100内に光源110が存在しており、乱数発生器200のシードとなる値を自然光の有無に関係なく抽出することができる。
【0026】
レンズモジュール120は、オブジェクト20から反射された光を収集し、ピクセルアレイ130の単位ピクセル(PX)にフォーカシングすることができる。例えば、レンズモジュール120は、ガラスまたはプラスチック表面の集中レンズまたは他の円筒状の光学素子を含むことができる。レンズモジュール120は、光軸を中心に整列した複数のレンズを含むことができる。
【0027】
ピクセルアレイ130は、外部から検知された光を電気信号であるアナログ信号に変換することができる。ここで、外部から検知された光は、光源110から出力された光がオブジェクト20に反射された反射光を含むことができる。
【0028】
ピクセルアレイ130は、二次元マトリクス(matrix)構造で連続的に配列された(例えば、列(COLUMN)方向および行(ROW)方向に連続的に配列された)複数の単位ピクセル(PX)を含むことができる。単位ピクセル(PX)は、ピクセルアレイ130上で同一形態が繰り返し配列される最小単位であってもよい。実施形態によると、ピクセルアレイ130は、2タップ構造の単位ピクセル(PX)(一例として、後述の
図3に示された単位ピクセル構造)を含む場合、ピクセル信号を伝達するための列ラインがピクセルアレイ130の1列当たり2つずつ設けられ、各列ラインから出力されるピクセル信号を処理するための構成も各列ラインに対応して設けられることができる。
【0029】
単位ピクセル(PX)は、半導体基板に形成されることができ、各単位ピクセル(PX)は、レンズモジュール120を介して入射する光を光の強度に対応する電気信号に変換してピクセル信号を出力することができる。この際、ピクセル信号は、オブジェクト20との距離を示す信号であってもよい。本発明の実施形態において、ピクセル信号は、単位ピクセル(PX)のフローティング拡散ノードに分配される電荷量の比を示す信号であってもよい。
【0030】
単位ピクセル(PX)それぞれは、センシング時間の間、外部からの光を検知してピクセル信号を生成することができる。イメージセンサ100とオブジェクト20との間の距離により、単位ピクセル(PX)それぞれに入射する反射光は、光源110から出力された光より時間的に遅れることがある。これにより、光源110から出力される光と、単位ピクセル(PX)それぞれに入射する反射光との間に時間差が存在し得る。このような時間差は、イメージセンサ100が生成する信号と、光源110を制御する光変調信号(MLS)との間の位相差(phase difference)として示される。このような位相差を用いて、イメージ信号プロセッサ(図示せず)は、オブジェクト20とイメージセンサ100との間の距離を計算することができる。本発明の実施形態では、このような位相差に対応して、単位ピクセル(PX)のフローティング拡散ノードに分配される電荷量の比がランダムに調整されることができる。
【0031】
制御ブロック140は、光源110を制御してオブジェクト20に光を照射し、ピクセルアレイ130の単位ピクセル(PX)を駆動させ、オブジェクト20から反射された光に対応するピクセル信号を処理することができる。
【0032】
このような制御ブロック140は、行ドライバ(Row driver)141、光源ドライバ(light source driver)142、タイミングコントローラ(timing controller)143、および読み出し回路(readout circuit)144を含むことができる。
【0033】
ここで、行ドライバ141は、タイミングコントローラ143から出力されたタイミング信号に応答し、ピクセルアレイ130の単位ピクセル(PX)を駆動させることができる。例えば、行ドライバ141は、複数の行ライン(row lines)のうち少なくとも1つの行ラインを選択および制御可能な制御信号を生成することができる。このような制御信号は、検出領域に蓄積された光電荷の伝達を制御する転送信号(transfer signal、TRG)などを含むことができる。
【0034】
光源ドライバ142は、タイミングコントローラ143の制御に応じて、光源110を駆動可能な光変調信号(MLS)を生成することができる。光変調信号(MLS)は、予め定められた周波数で変調された信号であってもよい。一例として、光変調信号(MLS)は、矩形波(光パルス)の形態または正弦波の形態を有することができる。
【0035】
タイミングコントローラ143は、行ドライバ141、光源ドライバ142、および読み出し回路144の動作を制御するための制御信号を生成することができる。一例として、タイミングコントローラ143は、行ドライバ141、光源ドライバ142、および読み出し回路144の動作のためのクロック信号およびタイミング制御信号を生成することができる。
【0036】
読み出し回路144は、タイミングコントローラ143の制御に応じて、ピクセルアレイ130から出力されるアナログ信号を処理してデジタル信号形態のデータを生成することができる。このために、読み出し回路144は、アナログ-デジタルコンバータを含むことができる。読み出し回路144から出力されたデジタルデータは、乱数発生器200に伝達されることができる。
【0037】
実施形態によると、読み出し回路144は、デジタルデータを一時的に格納するバッファを含むことができる。実施形態によると、読み出し回路144は、タイミングコントローラ143の制御に応じて、距離情報を含むデジタルデータを外部(例えば、プロセッサ)に出力することができる。
【0038】
図3は、
図2に示されたイメージセンサの単位ピクセルに関する例示的な回路図である。
図3を参照すると、単位ピクセル(PX)は、光電変換素子(PD)、第1タップ(TP1)、および第2タップ(TP2)を含むことができる。
【0039】
ここで、光電変換素子(PD)は、外部から検知された光に基づいて電荷を生成することができる。光電変換素子(PD)により生成された電荷は、第1タップ(TP1)および第2タップ(TP2)に分散することができる。1つの光電変換素子(PD)は、第1タップ(TP1)および第2タップ(TP2)により共有されることができる。すなわち、光電変換素子(PD)は、第1タップ(TP1)および第2タップ(TP2)に電気的に連結されることができる。一例として、光電変換素子(PD)は、光信号を電気信号に変換するためのフォトダイオードを含むことができる。フォトダイオードは、アノードが接地電圧端と連結され、カソードがノード(ND)に連結されることができる。
【0040】
第1タップ(TP1)は、第1転送トランジスタ(TX1)および第1キャパシタ(C1)を含むことができる。第1転送トランジスタ(TX1)は、フローティング拡散ノード(FD1)とノード(ND)との間に連結され、ゲート端子を介して第1転送信号(TRG1)の印加を受けることができる。第1転送トランジスタ(TX1)は、ゲート端子に供給される第1転送信号(TRG1)に応答してアクティブ状態になることで、ノード(ND)とフローティング拡散ノード(FD1)との間を電気的に連結させることができる。第1転送トランジスタ(TX1)は、第1転送信号(TRG1)に基づいて、センシング時間の間にターンオンされ、センシング時間以外の時間の間にターンオフされることができる。第1転送信号(TRG1)は、行ドライバ141から提供されることができる。そして、第1キャパシタ(C1)は、フローティング拡散ノード(FD1)と接地電圧端との間に連結されることができる。
【0041】
そして、第2タップ(TP2)は、第2転送トランジスタ(TX2)および第2キャパシタ(C2)を含むことができる。第2転送トランジスタ(TX2)は、フローティング拡散ノード(FD2)とノード(ND)との間に連結され、ゲート端子を介して第2転送信号(TRG2)の印加を受けることができる。第2転送トランジスタ(TX2)は、ゲート端子に供給される第2転送信号(TRG2)に応答してアクティブ状態になることで、ノード(ND)とフローティング拡散ノード(FD2)との間を電気的に連結させることができる。第2転送トランジスタ(TX2)は、第2転送信号(TRG2)に基づいて、センシング時間の間にターンオンされ、センシング時間以外の時間の間にターンオフされることができる。第2転送信号(TRG2)は、行ドライバ141から提供されることができる。そして、第2キャパシタ(C2)は、フローティング拡散ノード(FD2)と接地電圧端との間に連結されることができる。
【0042】
このような構成により、転送トランジスタ(TG1、TG2)を介して1つの光電変換素子(PD)(フォトダイオード)から発生した電荷が2つのフローティング拡散ノード(FD1、FD2)に伝達され、2つのキャパシタ(C1、C2)に分散して蓄積されることができる。第1タップ(TP1)と第2タップ(TP2)は、2つのキャパシタ(C1、C2)に蓄積された電荷量に応じた電圧を生成し、第1ピクセル信号と第2ピクセル信号を出力することができる。
【0043】
図4は、
図3に示された単位ピクセルが動作する例を説明するためのタイミング図である。
図4を参照すると、イメージセンサ100は、光源110を用いて、任意の周波数の照射光を外部オブジェクト20に任意の周期(P1)の照射時間(T1)の間に照射することができる。イメージセンサ100は、任意の周期(P1)の非照射時間(T2)の間には照射光が照射されないことができる。イメージセンサ100は、レンズモジュール120を用いて、外部オブジェクト20からの反射光を照射時間(T1)に対応する間隔の時間の間に受信することができる。イメージセンサ100は、非照射時間(T2)に対応する間隔の時間の間には反射光が受信されないことができる。照射時間(T1)と非照射時間(T2)は同一であってもよい。照射光の照射時点と反射光の受信時点は、外部オブジェクト20との距離に対応する時間(Δt)だけの差が存在することができる。
【0044】
イメージセンサ100に含まれた単位ピクセル(PX)それぞれは、少なくとも2つの転送トランジスタ(TX1、TX2)を含むことができる。2つの転送トランジスタ(TX1、TX2)は、転送信号(TRG1、TRG2)によりターンオンまたはターンオフされることができる。転送信号(TRG1)は、転送信号(TRG2)とは位相が逆の信号であってもよい。
【0045】
一例として、第1転送トランジスタ(TX1)は、任意の周期(P1)の照射時間(T1)の間にターンオンされ、非照射時間(T2)の間にターンオフされることができる。そして、第2転送トランジスタ(TX2)は、任意の周期(P1)の照射時間(T1)の間にターンオフされ、非照射時間(T2)の間にターンオンされることができる。
【0046】
これにより、少なくとも2つのキャパシタ(C1、C2)は、転送トランジスタ(TX1、TX2)がターンオン状態で存在するの間に入射する反射光の光量に対応する電荷量(Q1、Q2)を蓄積することができる。ここで、2つのキャパシタ(C1、C2)に蓄積される電荷は、光電変換素子(PD)が受信する光に対応して生成する電荷であってもよい。
【0047】
それぞれの単位ピクセル(PX)は、2つのキャパシタ(C1、C2)に蓄積される電荷、すなわちフローティング拡散ノード(FD)に伝達された電子に対応するピクセル信号(例えば、第1ピクセル信号および第2ピクセル信号)を出力することができる。そして、イメージセンサ100の読み出し回路144は、ピクセル信号をデジタルデータに変換し、外部(例えば、プロセッサ)にイメージセンサ100と外部オブジェクト20との間の距離を示す距離データを伝達するか、または時間差(Δt)を示す距離情報を伝達することができる。
【0048】
本発明の実施形態において、イメージセンサ100の読み出し回路144は、電荷量(Q1、Q2)の比に対応するピクセル信号をデジタルデータに変換し、乱数発生器200のシード値として提供することができる。
【0049】
イメージセンサ100の単位ピクセル(PX)における反射光の光量に対応する総電荷量(QT)は、キャパシタ(C1)に蓄積された電荷量(Q1)とキャパシタ(C2)に蓄積された電荷量(Q2)を合わせた値であってもよい。
【0050】
電荷量(Q1)と電荷量(Q2)を合わせた総電荷量(QT)は、照射光と反射光により設定されることができるが、照射光の照射時点と反射光の受信時点との時間差(Δt)に対応して、電荷量(Q1)と電荷量(Q2)の比は、各単位ピクセル(PX)ごとにランダムな値を有することができる。すなわち、総電荷量(QT)は、各単位ピクセル(PX)では同一であるが、電荷量(Q1)と電荷量(Q2)の比は、TOF時間に応じてランダムに変化することができる。このようにランダム性を有する電荷量(Q1)と電荷量(Q2)の比が各単位ピクセル(PX)のピクセルデータとして生成され、デジタルデータに変換され、乱数発生器200に伝達されることができる。
【0051】
また、キャパシタ(C1)に蓄積された電荷量(Q1)とキャパシタ(C2)に蓄積された電荷量(Q2)、すなわちフローティング拡散ノード(FD1、FD2)に伝達された電子に対応するピクセル信号は、ノイズを含むことができる。
【0052】
一例として、光源が有する光が粒子的特定により示される光子数の不確定性により、各単位ピクセル(PX)で量子ショットノイズ(quantum shot noise)が発生し得る。
【0053】
他の例として、単位ピクセル(PX)は、P-N結合構造のフォトダイオードを用いた光電変換素子(PD)(
図3に図示)を含むことができ、フォトダイオードは、逆バイアス(reverse bias)で動作するように設計されることができる。フォトダイオードのP-N結合の間には、空乏領域(depletion region)が形成されることができる。このような空乏領域で劣化現象などが発生し、ノイズが発生し得る。
【0054】
フローティング拡散ノード(FD1、FD2)に伝達された電子に対応するピクセル信号は、上述した量子ショットノイズ、劣化によるノイズの他に、様々な理由でノイズが発生し得る。このようにノイズを含む電荷量(Q1、Q2)がフローティング拡散ノード(FD1、FD2)に伝達され、ランダムなノイズを含むピクセル信号が生成されることができる。
【0055】
図5は、
図3に示された単位ピクセルのポテンシャルエネルギーを例示的に示した図である。そして、
図6は、
図3に示された単位ピクセルのポアソン(poisson)分布を例示的に示した図である。ここで、ポアソン分布は、与えられた時間または領域におけるある事象の発生回数に対する確率モデルを表すことができる。本発明の実施形態において、ポアソン分布は、イメージセンサの出力(デジタルデータ)に対する総電荷量の分布値を表すことができる。
【0056】
図5を参照すると、横軸は、イメージセンサに光が照射される期間を示し、縦軸は、単位ピクセルのポテンシャルエネルギーを示すことができる。P3時点での総電荷量(QT)のポテンシャルエネルギーは、P1時点での電荷量(Q1)とP2時点での電荷量(Q2)のポテンシャルエネルギーを合わせた値であってもよい。すなわち、フローティング拡散ノード(FD1)に蓄積される電子とフローティング拡散ノード(FD2)に蓄積される電子との合計が、ノード(ND)に蓄積される総電子の数と同一であってもよい。ただし、フローティング拡散ノード(FD1)とフローティング拡散ノード(FD2)に分配される電子の量は、受光条件に応じてランダムに変化することができる。
【0057】
図6を参照すると、横軸は、イメージセンサの出力(デジタルデータ)を示し、縦軸は、総電荷量の分布値を示すことができる。イメージセンサ100の各単位ピクセル(PX)において、特定の時間の間にキャパシタ(C1)とキャパシタ(C2)に蓄積された電荷量(Q1)と電荷量(Q2)の比が乱数発生器200のシード値として用いられることができる。すなわち、電荷量(Q1)と電荷量(Q2)の比が乱数性(randomness)の根源となることができる。
【0058】
特に、各単位ピクセル(PX)における電荷量(Q1)と電荷量(Q2)の比は異なるが、総電荷量(QT)はいずれも同一であってもよい。しかし、各単位ピクセル(PX)で光子数の不確定性により量子ショットノイズが発生するか、または劣化によるノイズが発生し得、このようにノイズと総電荷量(QT)がフローティング拡散ノード(FD1、FD2)に伝達され、ランダムなノイズを含むピクセル信号が生成されることができる。すなわち、ピクセル信号の値は、総電荷量(QT)とノイズを合わせた値であってもよく、各単位ピクセル(PX)に応じてノイズの量が異なるため、各ピクセル信号が異なる値を有することができる。
【0059】
このように、互いに異なるノイズを含むピクセル信号の値(すなわち、デジタルデータ)は、ポアソン分布(Poisson distribution)に従うことができる。
図6において、横軸は、イメージセンサ100の出力、すなわちデジタルデータを示し、縦軸は、頻度確率を正規化した数値であってもよい。本発明の実施形態は、イメージセンサ100から抽出されたノイズを含む総電荷量(QT)の値、すなわち各単位ピクセル(PX)別に異なるピクセル信号(デジタルデータ)が乱数発生器200のシード値として用いられることができる。
【0060】
図7は、本発明の一実施形態に係るイメージセンサを用いた乱数生成方法を説明するためのフローチャートである。
図7を参照すると、イメージセンサ100は、光源110を介してオブジェクト20に光を照射することができる。その後、イメージセンサ100は、照射光とオブジェクト20から反射して戻ってくる反射光の位相差を検出することができる(ステップS1)。
【0061】
イメージセンサ100は、照射光と反射光の位相差が検出されると、位相差に対応して、単位ピクセル(PX)のキャパシタ(C1、C2)、すなわちフローティング拡散ノード(FD1、FD2)に分配されて蓄積される電荷量(Q1、Q2)の比がランダムに調整されることができる(ステップS2)。さらに、このような電荷量(Q1、Q2)の比には、ノイズの比もランダムに含まれることができる。
【0062】
次に、イメージセンサ100の読み出し回路144は、アナログデジタルコンバータにより、電荷量(Q1、Q2)の比に対応するアナログ信号をデジタルデータに変換することができる(ステップS3)。次に、乱数発生器200は、イメージセンサ100から印加されたデジタルデータに対応して複数の乱数を生成することができる(ステップS4)。
【0063】
図8は、本発明の他の実施形態に係るイメージセンサを用いた乱数生成システムの構成図である。
図8を参照すると、乱数生成システム10_1は、イメージセンサ100_1および乱数発生器200_1を含むことができる。
【0064】
図8の実施形態に係るイメージセンサ100_1は、選択部(後述する)に設定されたモードに対応してイメージデータ(IDA)を出力するかまたはシードデータ(SDA)を出力することができる。
図1と対比した
図8のイメージセンサ100_1の構成および動作は、後述の
図9でより詳細に説明する。
【0065】
また、
図8の実施形態に係る乱数発生器200_1は、アプリケーションプロセッサ(AP;Application Processor)内に含まれることができる。アプリケーションプロセッサとは、移動通信端末で各種アプリケーションプログラムを駆動し、グラフィック処理を行う処理装置を意味する。選択部(後述の
図9で説明する)に設定されたモードが乱数発生モードである場合、乱数発生器200_1は、イメージセンサ100_1からシードデータ(SDA)が印加されて乱数を生成することができる。
【0066】
図9は、
図8のイメージセンサ100_1に関する構成図である。
図9を参照すると、イメージセンサ100_1は、光源110_1、レンズモジュール120_1、ピクセルアレイ130_1、制御ブロック140_1、データ処理部150、選択部160、およびデータ出力部170を含むことができる。
【0067】
図9の実施形態において、光源110_1、レンズモジュール120_1、ピクセルアレイ130_1、および制御ブロック140_1の構成は、
図2と同一または類似するため、同一または類似の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0068】
データ処理部150は、制御ブロック140_1から印加されるデジタルデータを処理し、データ出力部170に出力することができる。例えば、データ処理部150は、デジタルデータに含まれたノイズをサンプリングするノイズサンプリング動作を行うことができる。データ処理部150は、サンプリングされたデータから特定のビット値を抽出し、データ出力部170に出力することができる。データ処理部150の動作は、後述の
図10および
図11でより詳細に説明する。
【0069】
選択部160は、既に設定されたモードに対応して、データ出力部170の出力を制御するための選択信号(SEL1、SEL2)を生成することができる。すなわち、選択部160は、ノーマルモードの場合、イメージデータを選択するための選択信号(SEL1)を出力することができる。そして、選択部160は、乱数生成モードの場合、乱数データ(RDA)を選択するための選択信号(SEL2)を出力することができる。例えば、選択部160は、設定されたモードに応じてその出力が制御されるモードレジスタを含むことができる。
【0070】
図9の実施形態において、選択部160は、タイミングコントローラ143_1により制御されることを一例として説明したが、これに限定されず、別の入力信号またはロジック値によりレジスタ値が設定されてもよい。
【0071】
また、データ出力部170は、選択部160から印加される選択信号(SEL1、SEL2)に対応してイメージデータ(IDA)を出力するかまたはシードデータ(SDA)を出力することができる。
【0072】
すなわち、データ出力部170は、ノーマルモードで選択信号(SEL1)が活性化された場合、制御ブロック140_1から印加されるデジタルデータを選択してイメージデータ(IDA)として出力することができる。データ出力部170から出力されたイメージデータ(IDA)は、オブジェクト20_1とイメージセンサ100_1tpとの間の距離を示す情報を含むことができる。
【0073】
一方、データ出力部170は、乱数生成モードで選択信号(SEL2)が活性化された場合、データ処理部150から印加される乱数データ(RDA)を選択してシードデータ(SDA)として出力することができる。データ出力部170から出力されたシードデータ(SDA)は、乱数発生器200_1に提供され、エントロピーソースとして用いられることができる。
【0074】
図10および
図11は、
図9のデータ処理部を説明するための図である。
図10および
図11を参照すると、データ処理部150は、制御ブロック140_1から印加されるデジタルデータに含まれたノイズをサンプリングすることができる。そして、データ処理部150は、サンプリングされたデータから特定のビット値を抽出してフィルタリングし、データ出力部170に乱数データ(RDA)を出力することができる。
【0075】
データ処理部150は、上記の
図6で説明したポアソン分布に従うそれぞれのデジタルデータのビット値のうち、特定の桁数のビット値を抽出してフィルタリングすることができる。データ処理部150により処理された乱数データ(RDA)は、データ出力部170を介して乱数発生器200_1に伝達され、乱数生成のためのシードデータ(SDA)として用いられることができる。
【0076】
例えば、
図10のように、制御ブロック140_1から印加されるデジタルデータをサンプリングした値が総16ビットを有すると仮定することができる。総16ビットのうち4ビットは、パディング(padding)ビットに該当することができる。ここで、パディングビットとは、実際に転送しようとするデータの大きさを合わせるために任意に付加されるビットを意味し得る。
【0077】
仮に、
図3のように、ピクセルアレイ130が列(COLUMN)方向および行(ROW)方向に100×100の単位ピクセル(PX)を含む場合、単位ピクセル(PX)それぞれが2タップ構造であるため、デジタルデータは、200×100の形態で抽出されることができる。
図10において、「A」は、上述の
図3で説明した第1タップ(TP1)から抽出されたデータを示し、「B」は、上述の
図3で説明した第2タップ(TP2)から抽出されたデータを示すことができる。
【0078】
図11を参照すると、横軸と縦(左)軸は、デジタルデータのフレームを示し、縦(右)軸は、照度などの様々な条件を示すことができる。データ処理部150は、それぞれのデジタルデータのビット値のうち、Nビット(例えば、ビット4)およびN+1ビット(例えば、ビット5)を抽出してフィルタリングすることができる。NビットおよびN+1ビットをフィルタリングすると、ランダムに発生する100×100の行列データが生成されることができる。すなわち、抽出された特定のビットをフィルタリングすると、初期のイメージパターン(左側のパターン)が除去され、規則性のないランダムなパターン(右側に示されたパターン)を有する乱数データ(RDA)を生成することができ、この乱数データ(RDA)は、エントロピーソースとして用いられることができる。