(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118680
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】リユース可否判断システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20240826BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B41J29/393 101
G03G21/00 396
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025097
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207181
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 朋
(72)【発明者】
【氏名】山本 真
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061KK06
2H270KA59
2H270KA62
2H270LA98
2H270LD03
2H270MB27
2H270NC07
2H270ND13
2H270ND22
2H270ND25
2H270RA03
2H270RA27
2H270RC01
2H270RC18
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】効率の良いリユースを可能とするリユース可否判断システムを提供することを課題とする。
【解決手段】画像形成装置10内に設けられ、画像形成装置10内のトナーの付着度合いを検知するための光学センサ14と、画像形成装置10外へデータを送信するネットワークインターフェース制御部12と、を有し、ネットワークインターフェース制御部12により送信されたデータによりリユースの可否を判断することを特徴とするリユース可否判断システム1である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置内に設けられ、画像形成装置内の付着物の付着度合いを検知するための検知部材と、
前記画像形成装置外へデータを送信する送信機構と、を有し、
前記送信機構によって送信されたデータによりリユースの可否を判断することを特徴とするリユース可否判断システム。
【請求項2】
前記検知部材は光学式の透過型センサである請求項1記載のリユース可否判断システム。
【請求項3】
前記検知部材は前記画像形成装置内を撮像する撮像機構である請求項1記載のリユース可否判断システム。
【請求項4】
複数の前記画像形成装置の前記送信機構によって送信されたデータにより、リユースの可否を判断する請求項1記載のリユース可否判断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リユース可否判断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客から回収した画像形成装置に対して保守メンテナンス作業を施し、再び別の顧客に提供するというリユースシステムが従来から存在する。
【0003】
また画像形成装置の使用により、画像形成装置内にはトナーが飛散して画像形成装置内の部品が汚染され、その機能が低下したり不具合が生じたりする。
【0004】
例えば特許文献1(特開2007-322450号公報)では、画像形成装置に設けられた濃度センサの電流値により、濃度センサの汚れ具合を判定する。濃度センサの汚れが検出された場合には、サービスマンにより濃度センサのメンテナンスや交換が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
付着物としてのトナーが画像形成装置内に多く飛散して付着している状態だと、保守メンテナンスが必要な箇所が多岐にわたり、画像形成装置をリユースできる状態まで回復させることが困難であった。そしてこのような場合には、画像形成装置を回収する費用や時間などが無駄になってしまうという問題があった。
【0006】
本発明では、効率の良いリユースを可能とするリユース可否判断システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、画像形成装置内に設けられ、画像形成装置内の付着物の付着度合いを検知するための検知部材と、前記画像形成装置外へデータを送信する送信機構と、を有し、前記送信機構によって送信されたデータによりリユースの可否を判断するリユース可否判断システムを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、効率の良いリユースを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るリユース可否判断システムの概略全体構成図である。
【
図4】光学センサを感光体付近に配置した図である。
【
図5】光学センサを開閉カバーに配置した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
図1は本実施形態のリユース可否判断システムの全体構図である。
図1に示すように、リユース可否判断システム1は、情報端末2と、サーバ3と、画像形成装置10内に設けられた、送信機構としてのネットワークインターフェース制御部12などからなる。
【0012】
情報端末2は、例えばリユースや回収の指示を行う拠点に設けられる。サーバ3は、各地に配置された画像形成装置10のネットワークインターフェース制御部12と通信可能に設けられる。
【0013】
画像形成装置10は、全体制御部11と、ネットワークインターフェース制御部12と、センサ制御部13とを有する。画像形成装置10内には、検知部材としての光学センサ14が設けられる。本実施形態の光学センサ14は、透過型の光学センサであるが、反射型の光学センサであってもよい。透過型の光学センサの方が安価であるというメリットがある。本実施形態の画像形成装置は、付着物としてのトナーを用いた電子写真方式の画像形成装置であるが、付着物としてのインクを用いたインクジェット方式の画像形成装置であってもよい。
【0014】
次に、光学センサ14について、
図2を用いてより詳細に説明する。
【0015】
図2に示すように、光学センサ14は、発光部141と、受光部142と、ASIC143と、を有する。受光部142は、ASIC143に接続されている。
【0016】
受光部142とASIC143とは、従来のデジタルポートに代えて、アナログ入力ポートにより接続されている。このアナログ入力ポートによる接続により、ONOFFではない中間値を受光部142側からASIC143に入力することが可能になる。
【0017】
発光部141から照射された光を受光部142が受け取ることにより、受光部142からASIC143に5Vの電圧が入力される。一方、発光部141からの光が遮断されると、コレクタ―エミッタ間がOFFし、ASIC143に0Vが入力される。例えば、光学センサ14が後述の
図5の画像形成装置の開閉カバーの開閉を検知する場合には、開閉カバーを閉じることにより、開閉カバーが発光部141と受光部142との間に配置され、受光部142への光の入力が遮断される。これにより、開閉カバーを開いた時と閉じた時とで、ASIC143に入力される電圧を変化させることができる。
【0018】
また
図2のように、受光部142(あるいは発光部141)にトナーTが飛散すると、発光部141から受光部142へ光の入力が部分的に遮断される。この際、本実施形態の光学センサ14では、ASIC143にアナログ値を入力する構成とすることで、ASIC143に0Vと5Vとの間の中間値が入力される。つまり、受光部142に入力される光量が少ないほどASIC143に入力される電圧値が小さくなる。これにより、ASIC143に入力される電圧値の大小から、受光部142あるいは発光部141に対するトナーなどの付着物の付着度合い、ひいては画像形成装置内におけるトナーの付着度合いを判断できる。本実施形態では、後述するように、2.5Vを閾値に設定し、ASIC143に入力される値がそれ以上か未満かにより、リユースの可否を判断している。
【0019】
次に、本実施形態のリユース可否判断システムによりリユースの可否を判断する手順を、
図3のフロー図を用いて説明する。
【0020】
図3に示すように、まず、センサ制御部13が光学センサ14の出力電圧を入手する(ステップS1)。この出力電圧の情報は、全体制御部11からネットワークインターフェース制御部12へ送信される。そして、出力電圧のデータが、ネットワークインターフェース制御部12から画像形成装置10外のサーバ3,そして情報端末2へ送信される(S2)。
【0021】
情報端末2により、リユースの可否が判断される。具体的には、送信された出力電圧が所定の電圧以上であれば、該当の画像形成装置10内のトナーの飛散状態が軽度であるとしてリユース可の判断をする。この所定の電圧が、本実施形態では2.5Vに設定される。ただし、2.5Vに限らず適宜の値を設定できる。2.5V以上であった場合、状端端末2から、該当の画像形成装置10のリユースのための回収の指示を出す。一方、送信された出力電圧が所定の電圧を下回る場合、該当の画像形成装置10内のトナーの飛散状態が進んでいてメンテナンスが困難であるとして、リユース不可の判断をする(S3~S5)。
【0022】
以上のように本実施形態では、画像形成装置10内の光学センサ14の検知状態から画像形成装置10内のトナーの飛散状態を判断し、リユースの可否を判断できる。これにより、トナーが過度に飛散した画像形成装置10を回収した後でリユースできないことが判明し、画像形成装置の回収費用や時間が無駄になることを抑制できる。また、画像形成装置10内のトナーの飛散状態を推測して交換部品を事前に手配することが可能になり、画像形成装置10のリユースをより迅速・計画的に行うことができる。またトナーの飛散状態から画像形成装置内の部品を部分的に再利用可能かどうかといった判断も可能である。
【0023】
また、光学センサ14の出力電圧の情報を定期的に取得することができる。これにより、画像形成装置10内のトナーの飛散度合いの進行をより正確に把握することができ、より迅速・計画的な画像形成装置10のリユースが可能になる。また、画像形成装置10内の部品等の交換のタイミングを判断することに利用できる。
【0024】
以上の説明では、情報端末2がリユースの判断をする判断機構である場合を示したが、サーバ3や画像形成装置10を判断機構としてもよい。上流の情報端末2やサーバ3を判断機構とすることにより、複数の画像形成装置の情報を総合した判断をすることもできる。例えば、同じ機種の在庫やリユース状況、時期的なリユースの多さなどの情報からリユースの可否を判断できる。また、例えばリユース可と判断して回収した同機種あるいは同時期の画像形成装置が、実際にはメンテナンスが困難であった場合には、該当機種に対して、あるいは所定期間内で、上記のリユース可否判断の閾値を大きくすることも可能である。あるいは、これとは逆に、同機種の在庫が不足している場合には、閾値を下げて回収する割合を多くすることも可能である。一方、画像形成装置10を判断機構とすることにより、画像形成装置10からサーバ3などを介さずに直接回収の指示を出すことができるため、より迅速な画像形成装置10の回収およびリユースが可能になる。また、例えばある地域で取得される出力電圧の平均値が急に大きくなった場合に、複数の画像形成装置の情報を比較することで、個体数が減少したかあるいは新規の画像形成装置が同時期に生産されたかといった判断が可能になる。
【0025】
次に、上記の光学センサ14の画像形成装置10内の配置の例について説明する。
【0026】
図4の実施形態では、感光体101付近の感光体101に対向する位置に光学センサ14が配置される。感光体101は、現像ローラ105からトナーを供給されるため、感光体101や現像ローラ105付近では特にトナー飛散が生じやすい。このため、本実施形態の光学センサ14の配置により、画像形成装置10内のトナーの飛散状態をより正確に検知できる。
【0027】
また
図5の実施形態では、光学センサ14が開閉カバー15の開閉を検知する位置に設けられる。開閉カバー15は、画像形成装置10内を開放してジャム処理などを行うための開閉部材である。本実施形態では、開閉カバー15の開閉を検知するために従来から設けられていた光学センサ14をトナー飛散の検知に利用することができ、画像形成装置10がコストアップしないというメリットがある。
【0028】
以上の配置は一例であり、画像形成装置10内の適宜の位置に配置できる。また、画像形成装置内に設けられた適宜の検知部材を利用できる。検知部材としては、粉塵センサや埃センサを用いてもよいし、カメラなどの撮像機構であってもよい。撮像機構を検知部材とする場合、撮像機構により撮像された画像をネットワークインターフェース制御部12からサーバ3や情報端末2に送信し、その画像を作業者が目視により確認してリユースの可否を判断する。
【0029】
次に、
図6を用いて画像形成装置の一例について説明する。
図6は、タンデム型中間転写方式を採用した画像形成装置の概略構成図である。
図6の画像形成装置は、プリンタ部100と、給紙部200と、スキャナ部300と、原稿搬送部400とを備えている。スキャナ部300はプリンタ部100上に取り付けられ、スキャナ部300の上に原稿自動搬送装置(ADF)からなる原稿搬送部400が取り付けられている。
【0030】
スキャナ部300は、コンタクトガラス32上に載置された原稿の画像情報を読取センサ36で読み取り、読み取った画像情報を制御部に送る。制御部は、スキャナ部300から受け取った画像情報に基づき、プリンタ部100の露光装置21内に配置されたレーザーや発光ダイオード(LED)等を制御してドラム状の4つの感光体101、102、103、104に向けてレーザー書込光Lを照射させる。この照射により、感光体の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。
【0031】
プリンタ部100は、露光装置21の他、1次転写ローラ(501、502、503、504)、2次転写装置600、定着装置25、排紙装置、トナー供給装置、トナー供給装置等を備えている。
【0032】
像担持体として並列配置された4つのドラム状の感光体(101、102、103、104)は、それぞれ、図中反時計方向に回転可能に構成されている。各感光体(101、102、103、104)の回りには、各感光体上に各色トナー像を形成するトナー像形成手段が配置されている。なお、各トナー像形成手段は、扱うトナー(色材:例えば、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラック)の色が異なる以外は、同じ構成である。
【0033】
感光体の周囲には、その表面を除電する除電装置、感光体の表面を一様に帯電する帯電装置(201、202、203、204)、形成された静電潜像を現像する現像装置(401、402、403、404)が順に配置される。また、トナー像転写後の感光体表面をクリーニングする感光体クリーニング手段(301、302、303、304)が配置される。
【0034】
感光体(101、102、103、104)の下方には、中間転写ユニット500が配置されている。中間転写ユニット500では、トナー像担持体としてのベルト状の中間転写体22が、駆動ローラと複数の支持ローラとに張架されて、図中時計回りに回転駆動される。
【0035】
中間転写体22を挟んで感光体(101、102、103、104)に対向する位置には、各感光体上に形成されたトナー像を中間転写体22に転写する1次転写ローラ(501、502、503、504)が配設される。また、中間転写体22上に残留する残留トナーを除去するクリーニング装置520が配設されている。
【0036】
1次転写ローラ(501、502、503、504)よりも下流で、中間転写体22を挟んで2次転写対向ローラ512に対向する位置には、2次転写装置600が配設されている。なお、2次転写装置600は、
図2に示すように2次転写ローラからなるが、数本の支持ローラと駆動ローラにより掛け渡される2次転写ベルトからなるものであってもよい。
【0037】
給紙部200は、プリンタ部100の下方に配置された自動給紙部と、プリンタ部100の側面に配置された手差し部とを有している。そして、自動給紙部は、ペーパーバンク43内に多段に配置された2つの給紙カセット44、給紙カセットから記録媒体である用紙を繰り出す給紙ローラ42、繰り出した転写紙を分離して給紙路46に送り出す分離ローラ45等を有している。また、プリンタ部100の給紙路48に転写紙を搬送する搬送ローラ47等も有している。
【0038】
一方、手差し部は、手差しトレイ51、手差しトレイ51上の転写紙を手差し給紙路53に向けて一枚ずつ分離する分離ローラ52等を有している。プリンタ部100の給紙路48の末端付近には、レジストローラ対49が配置されている。このレジストローラ対49は、給紙カセット44や手差しトレイ51から送られてくる転写紙を受け入れた後、所定のタイミングで中間転写体22と2次転写装置600との間に形成される2次転写ニップに送る。
【0039】
操作者は、カラー画像のコピーをとるときに、原稿搬送部400の原稿台30上に原稿をセットする。あるいは、原稿搬送部400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス32上に原稿をセットした後、原稿搬送部400を閉じて原稿を押さえる。そして、スタートスイッチを押す。すると、原稿搬送部400に原稿がセットされている場合には原稿がコンタクトガラス32上に搬送された後に、コンタクトガラス32上に原稿がセットされている場合には直ちに、スキャナ部300が駆動を開始する。そして、第1走行体33および第2走行体34が走行し、第1走行体33の光源から発せられる光が原稿面で反射した後、第2走行体34に向かう。さらに、第2走行体34のミラーで反射してから結像レンズ35を経由して読取センサ36に至り、画像情報として読み取られる。
【0040】
このようにして画像情報が読み取られると、プリンタ部100は、駆動モータで支持ローラの1つを回転駆動させながら他の支持ローラを従動回転させる。そして、これらローラに張架される中間転写体22を無端移動させる。さらに、上述のようなレーザー書き込みや、後述する現像プロセスを実施する。そして、感光体を回転させながら画像を形成する。これらは、感光体と中間転写体22とが当接する1次転写ニップで順次重ね合わせて静電転写されて4色重ね合わせトナー像になる。
【0041】
一方、給紙部200は、画像情報に応じたサイズの転写紙を給紙すべく、3つの給紙ローラのうちのいずれか1つを作動させて、転写紙をプリンタ部100の給紙路48に導く。給紙路48内に進入した転写紙は、レジストローラ対49に挟み込まれて一時停止した後、タイミングを合わせて、中間転写体22と2次転写装置600との接触部である2次転写ニップに送り込まれる。すると、2次転写ニップにおいて、中間転写体22上のトナー像と転写紙Pとが同期して密着する。そして、ニップに形成されている転写用電界やニップ圧などの影響によってトナー像が転写紙P上に2次転写される。
【0042】
2次転写ニップを通過した転写紙は定着装置25に送り込まれる。そして、定着装置25の加圧ローラ27による加圧力と、加熱ベルトによる加熱との作用によって画像が定着せしめられた後、排出ローラ56を経てプリンタ部100の側面に設けられた排紙トレイ57上に排出される。なお、2次転写装置および定着装置25の下には、転写紙Pの両面に画像を記録すべく転写紙Pを反転する反転装置を備える態様とすることもできる。
【0043】
中間転写体22としては、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等の材料を単層又は複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させたものを用いることができる。中間転写体22の製造方法としては注型法、遠心成形法等が挙げられ、必要に応じてその表面を研磨しても良い。なお、必要に応じて中間転写体22の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
【0044】
中間転写体22は、体積抵抗率が108~1012Ωcm、かつ表面抵抗率が109~1013Ωcmの範囲となるように調整されていることが好ましい。中間転写体22の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写体22の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。一方、中間転写体22の体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。なお、上述の体積抵抗率および表面抵抗率は、高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm,リング電極内径11mm)を接続し、中間転写体22の表裏に100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して10秒後の測定値である。
【0045】
1次転写ローラ(501、502、503、504)は、例えば、発泡樹脂材を金属(鉄、SUS、AI等)製の芯金に塗布したものが挙げられる。発泡樹脂材の肉厚としては2mm~10mmが挙げられるが、これに限定されない。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0047】
本発明に係る画像形成装置は、
図6に示すモノクロ画像形成装置に限らず、カラー画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。またインクジェット式の画像形成装置であってもよい。
【0048】
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
【0049】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1>
画像形成装置内に設けられ、画像形成装置内の付着物の付着度合いを検知するための検知部材と、
前記画像形成装置外へデータを送信する送信機構と、を有し、
前記送信機構によって送信されたデータによりリユースの可否を判断することを特徴とするリユース可否判断システムである。
<2>
前記検知部材は光学式の透過型センサである<1>記載のリユース可否判断システムである。
<3>
前記検知部材は前記画像形成装置内を撮像する撮像機構である<1>記載のリユース可否判断システムである。
<4>
複数の前記画像形成装置の前記送信機構により送信されたデータにより、リユースの可否を判断する<1>から<3>いずれか記載のリユース可否判断システムである。
【符号の説明】
【0050】
1 リユース可否判断システム
2 情報端末(判断機構)
3 サーバ
10 画像形成装置
12 ネットワークインターフェース制御部(送信機構)
14 光学センサ(検知部材)
T トナー(付着物)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】