(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118775
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ゴム組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 9/00 20060101AFI20240826BHJP
C08K 3/06 20060101ALI20240826BHJP
C08K 3/36 20060101ALI20240826BHJP
C08K 5/09 20060101ALI20240826BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20240826BHJP
C08K 3/26 20060101ALI20240826BHJP
C08K 5/098 20060101ALI20240826BHJP
C08L 7/00 20060101ALI20240826BHJP
C08L 57/02 20060101ALI20240826BHJP
B60C 1/00 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
C08L9/00
C08K3/06
C08K3/36
C08K5/09
C08K3/22
C08K3/26
C08K5/098
C08L7/00
C08L57/02
B60C1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025254
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】由里 貴史
【テーマコード(参考)】
3D131
4J002
【Fターム(参考)】
3D131AA01
3D131AA02
3D131BA05
3D131BA07
3D131BA08
3D131BA20
3D131BC12
3D131BC15
3D131BC19
4J002AC012
4J002AC081
4J002BA013
4J002DA049
4J002DE106
4J002DE246
4J002DJ017
4J002EF058
4J002EG046
4J002FD017
4J002FD149
4J002GC00
4J002GN01
(57)【要約】
【課題】 特に耐破壊特性およびウェットグリップ性、そのバランスに優れ、タイヤのトレッド用や靴底用として適した特性を有する新規なゴム組成物及びそれを構成材とするタイヤ、靴底、靴等を提供するものである。
【解決手段】 ジエン系ゴム100重量部に対し、少なくとも亜鉛化合物を亜鉛換算含有量Zとして2~10重量部、及び、臭素価Yが亜鉛換算含有量Zとの関係において60≦Z×Y≦300を満足する炭化水素樹脂5~50重量部を含むゴム組成物。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴム100重量部に対し、少なくとも亜鉛化合物を亜鉛換算含有量Zとして2~10重量部、及び、JIS K2605に準拠して測定した臭素価Y(gBr2/100g)が亜鉛換算含有量Zとの関係において60≦Z×Y≦300を満足する炭化水素樹脂5~50重量部を含むことを特徴とするゴム組成物。
【請求項2】
亜鉛化合物が、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛及びカルボン酸亜鉛塩からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
炭化水素樹脂が、脂肪族石油樹脂、脂肪族-脂環族石油樹脂、芳香族石油樹脂、脂肪族-芳香族石油樹脂、芳香族-脂環族石油樹脂及び脂肪族-脂環族-芳香族石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
炭化水素樹脂が、臭素価10~80gBr2/100gの炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項5】
ジエン系ゴム100重量部に対し、更にシリカ20~150重量部、ステアリン酸0.5~8重量部、硫黄0.1~5重量部を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項6】
タイヤ用であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項7】
靴底用であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムに特定量の亜鉛化合物および炭化水素樹脂を含む新規なゴム組成物に関するものであり、特に耐破壊特性およびウェットグリップ性に優れ、タイヤのトレッド用や靴底用として適した特性を有する新規なゴム組成物及びそれを構成材とするタイヤ、靴底、靴等の提供に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の高性能化、高機能化に伴い、タイヤ性能への要求が高まっている。例えば、相反関係にあるウェットグリップ性、転がり抵抗性を向上したタイヤが求められている。また、駆動用バッテリーを搭載した電気自動車やプラグインハイブリッド車等は、車両重量の増加に伴い、タイヤに掛かる負荷が増加するため、耐久性を向上したタイヤが求められている。従来より、タイヤのウェットグリップ性および転がり抵抗性を改善するため、ゴムにシリカを配合する技術や、転がり抵抗および耐摩耗性を改善するため、末端にシリカと親和性の高い、または化学結合し得る官能基を導入した末端変性ゴムを使用する技術が利用されている。
【0003】
また、靴においても、快適性や耐久性に加えて、乾燥した地面、雨天により水で濡れた地面等の様々な環境下において、高いグリップ性を発現することが求められている。
【0004】
タイヤの機械特性の向上や未加硫のゴム組成物の良好な粘着性を付与することを目的に、ゴムに脂肪族/芳香族共重合樹脂を配合すること(例えば特許文献1参照)が提案されている。
【0005】
また、乾燥路面、湿潤路面の両方で高い制御性能を有することを目的に、天然ゴムを70質量%以上含むゴム成分に対して、C5系樹脂、C5/C9系樹脂、C9系樹脂などの熱可塑性樹脂を配合すること(例えば特許文献2参照)が提案されている。
【0006】
一方、靴のグリップ性を向上させる方法として、例えば、天然ゴム及び臭素化ブチルゴムに対し、テルペン樹脂を配合すること(例えば特許文献3参照)、さらに、ニトリル-ブタジエンゴムに対し、Tgが20℃より高い炭化水素樹脂、及びTgが-20℃より低いオイルを特定量配合することで、液体(水、油、脂肪、血液、石鹸等)で濡れた床上でのグリップ性を担保すること(例えば、特許文献4参照)、等の提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5309529号
【特許文献2】特許第6346325号
【特許文献3】特開2019-166317号公報
【特許文献4】特許第6102008号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に提案の方法においては、機械特性の改良効果が十分ではなく、特許文献2~4に提案の方法においては、ゴム成分にC5系樹脂、C5/C9系樹脂、C9系樹脂、テルペン樹脂などの炭化水素樹脂を用いることで、グリップ性は改善するものの、ゴムの強度や伸び(耐破壊特性)の効果については検討されていない。
【0009】
そこで、本発明は、従来技術の課題を解決し、ウェットグリップ性と耐破壊特性を同時に改善する新規なゴム組成物及びそれを構成材とするタイヤ、靴底、靴等を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、ゴム成分に対し、少なくとも亜鉛化合物および特定の炭化水素樹脂を特定の割合で含むゴム組成物が、特に優れたグリップ性および耐破壊特性を発揮することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
即ち、本発明は、ジエン系ゴム100重量部に対し、少なくとも亜鉛化合物を亜鉛換算含有量Zとして2~10重量部、及び、JIS K2605に準拠して測定した臭素価Y(gBr2/100g)が亜鉛換算含有量Zとの関係において60≦Z×Y≦300を満足する炭化水素樹脂5~50重量部を含むことを特徴とするゴム組成物に関するものである。
【0012】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明のゴム組成物を構成するジエン系ゴムとしては、一般にジエン系ゴムと称される範疇に属するものであればよく、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン系エラストマー(RB)等が挙げられる。中でも、特に引張強度や耐久性にも優れるものとなることから、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴムであることが好ましく、更にタイヤや靴底等のグリップ性と耐久性を要求されるものに適したものとなることから、これらを2種以上で組み合わせて用いたものが好ましく、特に天然ゴム、スチレン-ブタジエンゴムの組み合わせであることが好ましい。
【0014】
本発明のゴム組成物を構成する亜鉛化合物は、ゴムに充填剤として一般的に配合されるものを挙げることが出来、例えば酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛及びギ酸亜鉛,酢酸亜鉛,プロピオン酸亜鉛,ヘキサン酸亜鉛,2-エチルヘキサン酸亜鉛,安息香酸亜鉛,メチル安息香酸亜鉛,ブチル安息香酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛塩等を挙げることができ、中でも、ゴム組成物の架橋密度を高めることができることから、酸化亜鉛、カルボン酸亜鉛塩であることが好ましい。その際の亜鉛化合物の含有量としては、配合における亜鉛含有量として表される亜鉛換算含有量Z(=亜鉛化合物中の亜鉛割合×亜鉛化合物配合量)として、ジエン系ゴム100重量部に対し、2~8重量部であり、特に耐破壊特性およびウェットグリップ性のバランスに優れるものとなることから2~6重量部であることが好ましい。ここで、亜鉛化合物の亜鉛換算含有量Zが2重量部未満である場合、耐破壊特性が劣るものとなる。一方、8重量部を越える場合、ジエン系ゴムへの分散が劣るものとなる。
【0015】
本発明のゴム組成物を構成する炭化水素樹脂は、その臭素価であるY(単位;gBr2/100g)が前記亜鉛換算含有量Zとの関係において60≦Z×Y≦300との関係を満足する炭化水素樹脂である。ここで、Z×Yが60未満の炭化水素樹脂である場合、ウェットグリップ性に劣るものとなる。一方、Z×Yが300を越える炭化水素樹脂である場合、耐破壊特性に劣るものとなる。ここで、Yは、JIS K2605に準拠し測定することができる。
【0016】
該炭化水素樹脂としては、60≦Z×Y≦300との関係を満足するものであればよく、例えば脂肪族(脂環族)及び/または芳香族をその成分として含む炭化水素樹脂を挙げることができ、脂肪族成分を構成する成分としては、石油類の熱分解により得られる沸点範囲が20~110℃の範囲にある留分(C5留分と称される場合もある。)に基づく成分を挙げることができ、例えばイソプレン,ピペリレン等の鎖状脂肪族、シクロペンタジエン,メチルシクロペンタジエン,ジシクロペンタジエン,メチルジシクロペンタジエン,ジメチルジシクロペンタジエン等の環状脂肪族が挙げられ、これらは単独でも複数、更にはC5成分として構成していてもよい。また、芳香族成分を構成する成分としては、石油類の熱分解により得られる沸点範囲が140~280℃の範囲にある留分(C9留分と称される場合もある。)に基づく成分を挙げることができ、例えばスチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、インデン、メチルインデン等が挙げられ、これらは単独でも複数、更にはC9成分として構成していてもよい。更に、共重合体である場合の共重合成分としては、脂肪族(脂環族)成分または芳香族成分との共重合が可能であれば如何なるものであってもよく、例えばオレフィン類、ジエン類、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等が挙げられる。
【0017】
そして、該炭化水素樹脂の具体的例示としては、芳香族成分留分の重合物である芳香族石油樹脂、脂肪族成分留分の重合物である脂肪族石油樹脂、脂肪族成分留分と芳香族成分留分の共重合物である脂肪族-芳香族石油樹脂、脂肪族成分留分とジシクロペンタジエン類(脂環族成分)との共重合物である脂肪族-ジシクロペンタジエン類(脂環族)石油樹脂、芳香族成分留分とジシクロペンタジエン類(脂環族成分)との共重合物である芳香族-ジシクロペンタジエン類(脂環族)石油樹脂、芳香族成分留分とジシクロペンタジエン類(脂環族成分)と脂肪族成分留分の共重合物である芳香族-ジシクロペンタジエン類(脂環族)-脂肪族石油樹脂、リモネンやピネン類の重合物であるテルペン樹脂、芳香族成分留分とリモネンやピネン類の共重合物である芳香族-テルペン樹脂等を挙げることができ、特にジエン系ゴムとの相溶性に優れ、その改質効果に優れたものとなることから脂肪族石油樹脂、脂肪族-脂環族石油樹脂、芳香族石油樹脂、脂肪族-芳香族石油樹脂、脂環族-芳香族石油樹脂、脂肪族-脂環族-芳香族石油樹脂であることが好ましい。
【0018】
そして、該炭化水素樹脂としては、特にウェットグリップ性と耐破壊特性のバランスに優れるゴム組成物を効率的に得ることができることから、JIS K2605に準拠して測定した臭素価が10~80gBr2/100gの範囲のものであることが好ましく、特に20~60gBr2/100gの範囲のものであることが好ましい。また、特に加工性に優れるゴム組成物となることから、軟化点80~130℃の範囲のものが好ましく、特に85~125℃の範囲のものが好ましい。更に、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPCと記す場合もある。)を用い、標準ポリスチレン換算値として測定した際の重量平均分子量(Mwと記す場合もある。)が500~6000の範囲のものが好ましく、特に600~4000の範囲のものが好ましい。
【0019】
該炭化水素樹脂の含有量は、ジエン系ゴム100重量部に対して、5~50重量部であり、特にグリップ性と耐破壊特性のバランスに優れるゴム組成物となることから5~20重量部であることが好ましい。ここで、5重量部未満である場合、得られる組成物は、グリップ性に劣るものとなる。一方、50重量部を超える場合、得られる組成物は引張強度に劣るものとなる。
【0020】
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、該亜鉛化合物および該炭化水素樹脂に加えて、さらにシリカ、ステアリン酸、硫黄を含有していてもよい。その際のシリカの含有量としては、ジエン系ゴム100重量部に対し、20~150重量部であることが好ましく、特に40~120重量部であることが好ましい。ステアリン酸の含有量としては、ジエン系ゴム100重量部に対し、0.5~8重量部であることが好ましく、特に1~6重量部であることが好ましい。更に硫黄の含有量としては、ジエン系ゴム100重量部に対し、0.1~5重量部であることが好ましく、特に0.5~3重量部であることが好ましい。
【0021】
さらに、本発明のゴム組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、スルフィド系、メルカプト系、エポキシ系、ビニル系、アクリロイル系、メタクリロイル系、アミノ系のそれぞれのシランカップリング剤等が挙げられる。また、これらは単独で使用しても、混合して使用しても良い。なかでも引張強度の優れるゴム組成物となることから、スルフィド系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤が好ましい。
【0022】
本発明のゴム組成物は、硫黄以外にも架橋剤を含有してもよく、この際の架橋剤としては、特に限定されるものではなく、例えば有機過酸化物、チウラム系のそれぞれの架橋剤などが挙げられる。また、架橋剤とともに架橋促進剤を配合することができ、架橋促進剤としては、特に限定されるものではなく、例えばチアゾール系、チウラム系、チオウレア系、スルフェンアミド系、ジチオカルバミン酸系、グアニジン系および、これらの混合系などの架橋促進剤が挙げられる。
【0023】
本発明のゴム組成物には、さらに、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、可塑剤、難燃剤、老化防止剤、酸化マグネシウムなどを適宜選択して、通常の配合量の範囲内で使用することができる。
【0024】
そして、本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム、亜鉛化合物、炭化水素樹脂、更には必要に応じ、シリカ、ステアリン酸、硫黄、適宜選択した各種配合剤等を配合して、例えばバンバリー型ミキサー、加圧ニーダー、オープンロールなどの混合方法を用いて混合し得ることができる。さらに、未加硫配合物として得た際には、例えば、カレンダー、ロール、押し出し機等を利用して、シート状に成型した後、熱媒体中で架橋することにより加硫ゴム組成物として製造することもできる。
【0025】
本発明のゴム組成物は、優れたグリップ性、耐破壊特性を発現することから、タイヤ、靴底、ロール、敷物、チューブ、グリップ、ハンドル等の各種ゴム用途に適用することができ、中でも優れた耐久性に加えて、安全性として高いグリップ性の要求されるタイヤ、靴底、それを有する靴を提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、亜鉛化合物、炭化水素樹脂を特定の割合で配合することで、特に優れたグリップ性および耐破壊特性を発揮するゴム組成物を提供することができ、更にはタイヤ、靴底、靴を提供することが可能となる。
【実施例0027】
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において用いた原料、分析、試験法は下記の通りである。
【0028】
1.原料
1)亜鉛化合物
酸化亜鉛:堺化学工業(株)製、(商品名)酸化亜鉛1種。
炭酸亜鉛:富士フイルム和光純薬(株)製 、塩基性炭酸亜鉛。
水酸化亜鉛:純正化学(株)製、水酸化亜鉛。
カルボン酸亜鉛塩1:ナカライテスク(株)製、2-エチルヘキサン酸亜鉛。
カルボン酸亜鉛塩2:富士フイルム和光純薬(株)製、p-t-ブチル安息香酸亜鉛。
【0029】
2)炭化水素樹脂(それぞれの性状等を表1に示す。)
炭化水素樹脂1:東ソー(株)製 (商品名)ペトロタック90。
炭化水素樹脂2:東ソー(株)製 (商品名)ペトロタック100V。
炭化水素樹脂3:東ソー(株)製 (商品名)ペトロタック90HS。
炭化水素樹脂4:東ソー(株)製 (商品名)ペトコールLX。
炭化水素樹脂5:クレイトン製 (商品名)SYLVALES SA100。
炭化水素樹脂6:エネオス製 (商品名)T-REZ RA100。
炭化水素樹脂7:ヤスハラケミカル製 (商品名)YSレジン PX1150。
炭化水素樹脂8:エネオス製 (商品名)ネオレジン EP-140。
【0030】
【0031】
3)ゴム
天然ゴム(NR):伸工貿易製 (商品名)RSS3号。
スチレン-ブタジエンゴム(以下SBRと記す場合もある。):ZSエラストマー(株)製 (商品名)Nipol NS612。
【0032】
4)その他添加剤
シリカ:東ソー・シリカ製 (商品名)Nipsil AQ。
カーボンブラック:旭カーボン製 (商品名)旭#70。
シランカップリング剤:エボニック製 (商品名)Si69。
オイル:スターリーオイル製 (商品名)VivaTech500。
ステアリン酸:日油製 (商品名)NAA-180。
老化防止剤:大内新興化学工業製 (商品名)ノクラック6C。
硫黄:鶴見化学工業製 (商品名)サルファックス5。
加硫促進剤(CBS):大内新興化学工業製 (商品名)ノクセラーCZ-G。
加硫促進剤(DPG):大内新興化学工業製 (商品名)ノクセラーD。
【0033】
2.分析方法
<臭素価>
JIS K2605を準拠して測定した。その結果を表1に示す。
【0034】
<軟化点>
JIS K-2207を準拠して測定した。
【0035】
<重量平均分子量>
標準ポリスチレンを標準物質としてゲル浸透クロマトグラフィーにより、重量平均分子量(Mw)を測定した。
【0036】
<ウェットグリップ性の測定>
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度0℃、歪み5%、周波数50Hzでtanδを測定し、0℃の値をウェットグリップ性とした。
【0037】
<耐破壊性の測定>
JIS K 6251の試験法に準じて、引張試験機(島津製作所社製)を使用し、破断強度、破断伸張を測定した。
【0038】
実施例1
SBR70重量部、BR30重量部に対し、酸化亜鉛を4.5重量部、炭化水素樹脂1を15重量部、シリカ70重量部、カーボンブラック10重量部、さらにゴム配合剤としてシランカップリング剤を7重量部、オイル5重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤1重量部を、バンバリーミキサー(東洋精機製、(商品名)BR600)にて、混練りした。続いて硫黄1.5重量部、加硫促進剤(CBS)2重量部、加硫促進剤(DPG)1.8重量部を添加し、仕上げ練りを行った後、8インチロールを用いてシーティングして未加硫状態のゴム組成物を得た。
【0039】
更に蒸気加熱プレスを用い、加硫温度150℃、加硫時間30分で加硫し加硫したゴム組成物を得た、そのウェットグリップ性、耐破壊特性の測定を行った。結果を表2に示す。得られたゴム組成物は、タイヤ用、靴底用として適したウェットグリップ性、耐破壊特性を有するものであった。
【0040】
実施例2~12
ゴム組成物の配合剤及び配合量を表2,3に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法にて、未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物を製造し、その評価を行った。その結果を表2,3に示す。得られたゴム組成物は、タイヤ用、靴底用として適したウェットグリップ性、耐破壊特性を有するものであった。
【0041】
【0042】
【0043】
比較例1~5
ゴム組成物の配合剤及び配合量を表4に示す通りとした以外は、実施例1と同様の方法により組成物を得た。得られた組成物は、ウェットグリップ性、耐破壊特性に劣るものであった。その結果を表4に示す。
【0044】