(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118930
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】ケーブルコネクタ組立体、ケーブルコネクタ組立体を用いた回転コネクタ装置及びケーブルコネクタ組立体の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 35/04 20060101AFI20240826BHJP
H02G 11/00 20060101ALI20240826BHJP
B60R 16/027 20060101ALN20240826BHJP
【FI】
H01R35/04 P
H02G11/00
B60R16/027 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025538
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】角道 貴久
【テーマコード(参考)】
5G371
【Fターム(参考)】
5G371AA01
5G371BA05
5G371CA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡易な構造にて、第1フラットケーブルと第2フラットケーブル間で短絡を防止することができるケーブルコネクタ組立体を提供する。
【解決手段】ケーブルコネクタ10と、第1接続部13に電気的に接続された第1導体露出部32を有し、前記第1導体露出部32が第1ケーブル端部33から伸延している第1フラットケーブル31と、前記第2接続部14に電気的に接続された第2導体露出部42を有し、前記第2導体露出部42が第2ケーブル端部43から伸延している第2フラットケーブル41と、を備えたケーブルコネクタ組立体1であり、前記第1接続部13と前記第2接続部14が、前記第1導体露出部32と前記第2導体露出部42の幅方向に所定間隔をあけて配置され、前記第1ケーブル端部33と前記第2ケーブル端部43が、前記第1接続部13と前記第2接続部14を介して対向配置されているケーブルコネクタ組立体1。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する第1バスバーと、前記第1バスバーとは異なる、導電性を有する第2バスバーと、電気絶縁性を有し、前記第1バスバーと前記第2バスバーを部分的に覆うコネクタ本体と、を有し、前記第1バスバーが、前記コネクタ本体からの前記第1バスバーの露出部である第1接続部を有し、前記第2バスバーが、前記コネクタ本体からの前記第2バスバーの露出部である第2接続部を有する、ケーブルコネクタと、
前記第1接続部に電気的に接続された第1導体露出部を有し、前記第1導体露出部が第1ケーブル端部から伸延している第1フラットケーブルと、
前記第2接続部に電気的に接続された第2導体露出部を有し、前記第2導体露出部が第2ケーブル端部から伸延している第2フラットケーブルと、
を備えたケーブルコネクタ組立体であり、
前記第1接続部と前記第2接続部が、前記第1導体露出部と前記第2導体露出部の幅方向に所定間隔をあけて配置され、
前記第1ケーブル端部と前記第2ケーブル端部が、前記第1接続部と前記第2接続部を介して対向配置されているケーブルコネクタ組立体。
【請求項2】
前記第1導体露出部が、前記第1フラットケーブルの幅方向に幅狭に形成された幅狭部である請求項1に記載のケーブルコネクタ組立体。
【請求項3】
前記第2導体露出部が、前記第2フラットケーブルの幅方向に幅狭に形成された幅狭部である請求項1または2に記載のケーブルコネクタ組立体。
【請求項4】
前記第1導体露出部が、前記第1フラットケーブルの幅方向に所定間隔をあけて、前記第2導体露出部と並列に配置されている請求項1または2に記載のケーブルコネクタ組立体。
【請求項5】
前記第1接続部と前記第2接続部が、並列に配置されている請求項1または2に記載のケーブルコネクタ組立体。
【請求項6】
前記第1フラットケーブルは、第1導体が第1絶縁被覆で被覆された第1絶縁部を有し、前記第1絶縁部が、前記第1ケーブル端部から、前記第1導体露出部から離れる方向へ向かって伸延しており、
前記第2フラットケーブルは、第2導体が第2絶縁被覆で被覆された第2絶縁部を有し、前記第2絶縁部が、前記第2ケーブル端部から、前記第2導体露出部から離れる方向へ向かって伸延している請求項1または2に記載のケーブルコネクタ組立体。
【請求項7】
前記第1絶縁部と前記第2絶縁部の一方が、折り曲げ部にて前記第1接続部と前記第2接続部の方向へ折り曲げられて、前記第1絶縁部が前記第2絶縁部と重ね合わされた絶縁部重ね合わせ部を有する請求項6に記載のケーブルコネクタ組立体。
【請求項8】
前記第1導体露出部が、抵抗溶接にて前記第1接続部に電気的に接続され、前記第2導体露出部が、抵抗溶接にて前記第2接続部に電気的に接続されている請求項1または2に記載のケーブルコネクタ組立体。
【請求項9】
請求項1または2に記載のケーブルコネクタ組立体を用いた回転コネクタ装置。
【請求項10】
導電性を有する第1バスバーと、前記第1バスバーとは異なる、導電性を有する第2バスバーと、電気絶縁性を有し、前記第1バスバーと前記第2バスバーを部分的に覆うコネクタ本体と、を有し、前記第1バスバーが、前記コネクタ本体からの前記第1バスバーの露出部である第1接続部を有し、前記第2バスバーが、前記コネクタ本体からの前記第2バスバーの露出部である第2接続部を有する、ケーブルコネクタを準備する、ケーブルコネクタ準備工程と、
前記ケーブルコネクタの前記第1接続部に、第1フラットケーブルの第1ケーブル端部から伸延している第1導体露出部を電気的に接続する、第1フラットケーブル接続工程と、
前記ケーブルコネクタの前記第2接続部に、第2フラットケーブルの第2ケーブル端部から伸延している第2導体露出部を電気的に接続する、第2フラットケーブル接続工程と、
を有し、
前記第1接続部と前記第2接続部が、前記第1導体露出部と前記第2導体露出部の幅方向に所定間隔をあけて配置され、
前記第1ケーブル端部が、前記第1接続部と前記第2接続部を介して、前記第2ケーブル端部と対向するように、前記第1接続部に第1導体露出部を電気的に接続し、前記第2接続部に第2導体露出部を電気的に接続する、ケーブルコネクタ組立体の製造方法。
【請求項11】
前記第1フラットケーブルは、第1導体が第1絶縁被覆で被覆された第1絶縁部を有し、前記第1絶縁部が、前記第1ケーブル端部から、前記第1導体露出部から離れる方向へ向かって伸延しており、
前記第2フラットケーブルは、第2導体が第2絶縁被覆で被覆された第2絶縁部を有し、前記第2絶縁部が、前記第2ケーブル端部から、前記第2導体露出部から離れる方向へ向かって伸延している請求項10に記載のケーブルコネクタ組立体の製造方法。
【請求項12】
前記第1フラットケーブル接続工程と前記第2フラットケーブル接続工程の後に、さらに、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部の一方を、折り曲げ部にて前記第1接続部と前記第2接続部の方向へ折り曲げて、前記第1絶縁部が前記第2絶縁部と重なり合う絶縁部重ね合わせ部を形成する、絶縁部重ね合わせ部形成工程を有する請求項11に記載のケーブルコネクタ組立体の製造方法。
【請求項13】
前記第1導体露出部と前記第1接続部を抵抗溶接して前記第1接続部に前記第1導体露出部を電気的に接続し、前記第2導体露出部と前記第2接続部を抵抗溶接して前記第2接続部に前記第2導体露出部を電気的に接続する請求項10に記載のケーブルコネクタ組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材間で電気信号、電力等を電送するケーブルコネクタ組立体、ケーブルコネクタ組立体を用いた回転コネクタ装置及びケーブルコネクタ組立体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットケーブルは、大電流を流すことができるものの、幅広なケーブルであるため、特に、複数のフラットケーブルを使用すると、フラットケーブルを接続する接続部が大型化してしまうという問題がある。
【0003】
そこで、第1フラットケーブル及び第2フラットケーブルが、その長手方向の端部を幅方向の片側が切除されて残余の幅狭部に帯状導体を露出させた形状であり、第1フラットケーブルの帯状導体及び第2フラットケーブルの帯状導体が絶縁性基体に設けられた一対の接続端子に個別に接続され、第1フラットケーブル及び第2フラットケーブル同士がいずれか一方の幅狭部を他方の切除部に配置させた位置関係で上下に重ね合わせ、かつ、下側となるフラットケーブルの切除部に隣接する箇所に折り返し端部が形成され、この折り返し端部が絶縁性基体に設けたスリット部に挿入されているケーブルコネクタ組立体が提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかし、特許文献1では、第1フラットケーブルの帯状導体と第2フラットケーブルの帯状導体が重なり合わないように配置されているものの、第1フラットケーブルの切除部には第1フラットケーブルの帯状導体の端面が露出し、第2フラットケーブルの切除部には第2フラットケーブルの帯状導体の端面が露出している。従って、第1フラットケーブル及び第2フラットケーブル同士がいずれか一方の幅狭部を他方の切除部に配置させた位置関係で上下に重ね合わせた特許文献1の構造では、例えば、下側に配置される第1フラットケーブルの帯状導体と上側に配置される第2フラットケーブルの切除部にて露出した帯状導体の端面とが、第2フラットケーブルの絶縁被覆を介して上下方向に重なり合うこととなる。
【0005】
このように、第1フラットケーブルの帯状導体と第2フラットケーブルの切除部にて露出した第2フラットケーブルの帯状導体の端面とがフラットケーブルの厚み方向に重なり合うと、第1フラットケーブルの帯状導体と第2フラットケーブルの帯状導体の端面とが近接することになるので、水滴の付着等によって、第1フラットケーブルと第2フラットケーブル間で短絡する可能性がある。
【0006】
また、特許文献1では、第1フラットケーブルと第2フラットケーブル間で短絡を防止するために、下側に配置される第1フラットケーブルに折り返し端部を設け、絶縁性基体に設けたスリット部に折り返し端部を挿入する必要があるので、ケーブルコネクタ組立体の構造が複雑化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、簡易な構造にて、幅広な導体を有する第1フラットケーブルと幅広な導体を有する第2フラットケーブル間で短絡を防止することができるケーブルコネクタ組立体、前記ケーブルコネクタ組立体を用いた回転コネクタ装置、及び、簡易な工程にて、第1フラットケーブルと第2フラットケーブル間での短絡を防止することができるケーブルコネクタ組立体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]導電性を有する第1バスバーと、前記第1バスバーとは異なる、導電性を有する第2バスバーと、電気絶縁性を有し、前記第1バスバーと前記第2バスバーを部分的に覆うコネクタ本体と、を有し、前記第1バスバーが、前記コネクタ本体からの前記第1バスバーの露出部である第1接続部を有し、前記第2バスバーが、前記コネクタ本体からの前記第2バスバーの露出部である第2接続部を有する、ケーブルコネクタと、
前記第1接続部に電気的に接続された第1導体露出部を有し、前記第1導体露出部が第1ケーブル端部から伸延している第1フラットケーブルと、
前記第2接続部に電気的に接続された第2導体露出部を有し、前記第2導体露出部が第2ケーブル端部から伸延している第2フラットケーブルと、
を備えたケーブルコネクタ組立体であり、
前記第1接続部と前記第2接続部が、前記第1導体露出部と前記第2導体露出部の幅方向に所定間隔をあけて配置され、
前記第1ケーブル端部と前記第2ケーブル端部が、前記第1接続部と前記第2接続部を介して対向配置されているケーブルコネクタ組立体。
[2]前記第1導体露出部が、前記第1フラットケーブルの幅方向に幅狭に形成された幅狭部である[1]に記載のケーブルコネクタ組立体。
[3]前記第2導体露出部が、前記第2フラットケーブルの幅方向に幅狭に形成された幅狭部である[1]または[2]に記載のケーブルコネクタ組立体。
[4]前記第1導体露出部が、前記第1フラットケーブルの幅方向に所定間隔をあけて、前記第2導体露出部と並列に配置されている[1]または[2]に記載のケーブルコネクタ組立体。
[5]前記第1接続部と前記第2接続部が、並列に配置されている[1]または[2]に記載のケーブルコネクタ組立体。
[6]前記第1フラットケーブルは、第1導体が第1絶縁被覆で被覆された第1絶縁部を有し、前記第1絶縁部が、前記第1ケーブル端部から、前記第1導体露出部から離れる方向へ向かって伸延しており、
前記第2フラットケーブルは、第2導体が第2絶縁被覆で被覆された第2絶縁部を有し、前記第2絶縁部が、前記第2ケーブル端部から、前記第2導体露出部から離れる方向へ向かって伸延している[1]または[2]に記載のケーブルコネクタ組立体。
[7]前記第1絶縁部と前記第2絶縁部の一方が、折り曲げ部にて前記第1接続部と前記第2接続部の方向へ折り曲げられて、前記第1絶縁部が前記第2絶縁部と重ね合わされた絶縁部重ね合わせ部を有する[6]に記載のケーブルコネクタ組立体。
[8]前記第1導体露出部が、抵抗溶接にて前記第1接続部に電気的に接続され、前記第2導体露出部が、抵抗溶接にて前記第2接続部に電気的に接続されている[1]または[2]に記載のケーブルコネクタ組立体。
[9][1]または[2]に記載のケーブルコネクタ組立体を用いた回転コネクタ装置。
[10]導電性を有する第1バスバーと、前記第1バスバーとは異なる、導電性を有する第2バスバーと、電気絶縁性を有し、前記第1バスバーと前記第2バスバーを部分的に覆うコネクタ本体と、を有し、前記第1バスバーが、前記コネクタ本体からの前記第1バスバーの露出部である第1接続部を有し、前記第2バスバーが、前記コネクタ本体からの前記第2バスバーの露出部である第2接続部を有する、ケーブルコネクタを準備する、ケーブルコネクタ準備工程と、
前記ケーブルコネクタの前記第1接続部に、第1フラットケーブルの第1ケーブル端部から伸延している第1導体露出部を電気的に接続する、第1フラットケーブル接続工程と、
前記ケーブルコネクタの前記第2接続部に、第2フラットケーブルの第2ケーブル端部から伸延している第2導体露出部を電気的に接続する、第2フラットケーブル接続工程と、
を有し、
前記第1接続部と前記第2接続部が、前記第1導体露出部と前記第2導体露出部の幅方向に所定間隔をあけて配置され、
前記第1ケーブル端部が、前記第1接続部と前記第2接続部を介して、前記第2ケーブル端部と対向するように、前記第1接続部に第1導体露出部を電気的に接続し、前記第2接続部に第2導体露出部を電気的に接続する、ケーブルコネクタ組立体の製造方法。
[11]前記第1フラットケーブルは、第1導体が第1絶縁被覆で被覆された第1絶縁部を有し、前記第1絶縁部が、前記第1ケーブル端部から、前記第1導体露出部から離れる方向へ向かって伸延しており、
前記第2フラットケーブルは、第2導体が第2絶縁被覆で被覆された第2絶縁部を有し、前記第2絶縁部が、前記第2ケーブル端部から、前記第2導体露出部から離れる方向へ向かって伸延している[10]に記載のケーブルコネクタ組立体の製造方法。
[12]前記第1フラットケーブル接続工程と前記第2フラットケーブル接続工程の後に、さらに、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部の一方を、折り曲げ部にて前記第1接続部と前記第2接続部の方向へ折り曲げて、前記第1絶縁部が前記第2絶縁部と重なり合う絶縁部重ね合わせ部を形成する、絶縁部重ね合わせ部形成工程を有する[11]に記載のケーブルコネクタ組立体の製造方法。
[13]前記第1導体露出部と前記第1接続部を抵抗溶接して前記第1接続部に前記第1導体露出部を電気的に接続し、前記第2導体露出部と前記第2接続部を抵抗溶接して前記第2接続部に前記第2導体露出部を電気的に接続する[10]に記載のケーブルコネクタ組立体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のケーブルコネクタ組立体の態様によれば、ケーブルコネクタの第1接続部と第2接続部が第1導体露出部と第2導体露出部の幅方向に所定間隔をあけて配置され、第1接続部へ向かって伸延している第1導体露出部と連続している第1ケーブル端部と第2接続部へ向かって伸延している第2導体露出部と連続している第2ケーブル端部が、第1接続部と第2接続部を介して対向配置されていることにより、第1フラットケーブルと第2フラットケーブル間での短絡を防止することができる。また、本発明のケーブルコネクタ組立体の態様によれば、第1接続部に電気的に接続された第1導体露出部と第2接続部に電気的に接続された第2導体露出部の近接を防止するにあたり、スリット等の特別な構造を必要としないので、簡易な構造にて第1フラットケーブルと第2フラットケーブル間での短絡を防止することができる。
【0011】
本発明のケーブルコネクタ組立体の態様によれば、第1導体露出部が第1フラットケーブルの幅方向に幅狭に形成された幅狭部であることにより、第1接続部を省スペース化することができ、ひいては、複数のフラットケーブルを備えたケーブルコネクタ組立体であっても省スペース化することができる。
【0012】
本発明のケーブルコネクタ組立体の態様によれば、第2導体露出部が第2フラットケーブルの幅方向に幅狭に形成された幅狭部であることにより、第2接続部を省スペース化することができ、ひいては、複数のフラットケーブルを備えたケーブルコネクタ組立体であっても省スペース化することができる。
【0013】
本発明のケーブルコネクタ組立体の態様によれば、第1導体露出部が、第2導体露出部と第1フラットケーブルの幅方向に所定間隔をあけて並列に配置されていることにより、第1導体露出部と第2導体露出部の近接をさらに確実に防止できるので、第1フラットケーブルと第2フラットケーブル間での短絡をさらに確実に防止することができる。また、本発明のケーブルコネクタ組立体の態様によれば、第1導体露出部が、第2導体露出部と第1フラットケーブルの幅方向に所定間隔をあけて並列に配置されていることにより、複数のフラットケーブルを備えたケーブルコネクタ組立体であっても省スペース化することができる。
【0014】
本発明のケーブルコネクタ組立体の態様によれば、第1接続部と第2接続部が並列に配置されていることにより、ケーブルコネクタへの第1フラットケーブルと第2フラットケーブルの電気的接続の作業を簡易化することができる。
【0015】
本発明のケーブルコネクタ組立体の態様によれば、第1フラットケーブルの第1絶縁被覆で被覆された第1絶縁部と第2フラットケーブルの第2絶縁被覆で被覆された第2絶縁部の一方が、折り曲げ部にて第1接続部と第2接続部の方向へ折り曲げられて、第1絶縁部が第2絶縁部と重ね合わされた絶縁部重ね合わせ部を有することにより、第1導体露出部と第2導体露出部の表面部が第1絶縁被覆または第2絶縁被覆によって覆われるので、第1導体露出部と第2導体露出部に対する防水性と防塵性が向上する。
【0016】
本発明のケーブルコネクタ組立体の態様によれば、第1導体露出部が抵抗溶接にて第1接続部に電気的に接続され、第2導体露出部が抵抗溶接にて第2接続部に電気的に接続されていることにより、一工程での、ケーブルコネクタへの第1フラットケーブルと第2フラットケーブルの電気的接続が可能となる。
【0017】
本発明のケーブルコネクタ組立体の製造方法によれば、第1接続部と第2接続部は第1導体露出部と第2導体露出部の幅方向に並列に配置され、第1ケーブル端部が第1接続部と第2接続部を介して第2ケーブル端部と対向するように、第1接続部に第1導体露出部を電気的に接続し、第2接続部に第2導体露出部を電気的に接続することにより、第1導体露出部と第2導体露出部の近接を防止できので、第1フラットケーブルと第2フラットケーブル間での短絡を防止できるケーブルコネクタ組立体を得ることができる。また、本発明のケーブルコネクタ組立体の製造方法によれば、第1接続部に電気的に接続される第1導体露出部と第2接続部に電気的に接続される第2導体露出部の近接を防止するにあたり、スリット等への導体の挿入作業といった特別な工程を必要としないので、第1フラットケーブルと第2フラットケーブル間での短絡を簡易な工程で防止できる。
【0018】
本発明のケーブルコネクタ組立体の製造方法によれば、第1フラットケーブル接続工程と第2フラットケーブル接続工程の後に、上記した絶縁部重ね合わせ部形成工程を、さらに有することにより、第1導体露出部と第2導体露出部の表面部を第1絶縁被覆または第2絶縁被覆にて覆うことができるので、第1導体露出部と第2導体露出部に対する防水性と防塵性が向上したケーブルコネクタ組立体を得ることができる。
【0019】
本発明のケーブルコネクタ組立体の製造方法によれば、第1導体露出部と第1接続部を抵抗溶接にて電気的に接続し、第2導体露出部と第2接続部を抵抗溶接にて電気的に接続することにより、ケーブルコネクタと第1フラットケーブル及び第2フラットケーブルとの電気的接続が、一度の溶接作業にて可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態例に係るケーブルコネクタ組立体が用いられる回転コネクタ装置の概要を説明する斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態例に係るケーブルコネクタ組立体のケーブルコネクタの概要を説明する平面図である。
【
図3】本発明の実施形態例に係るケーブルコネクタ組立体のフラットケーブルが折り曲げられる前の状態を説明する平面図である。
【
図4】本発明の実施形態例に係るケーブルコネクタ組立体のフラットケーブルが折り曲げられた後の状態を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態に係るケーブルコネクタ組立体の詳細について、図面を用いながら説明する。なお、
図1は、本発明の実施形態例に係るケーブルコネクタ組立体が用いられる回転コネクタ装置の概要を説明する斜視図である。
図2は、本発明の実施形態例に係るケーブルコネクタ組立体のケーブルコネクタの概要を説明する平面図である。
図3は、本発明の実施形態例に係るケーブルコネクタ組立体のフラットケーブルが折り曲げられる前の状態を説明する平面図である。
図4は、本発明の実施形態例に係るケーブルコネクタ組立体のフラットケーブルが折り曲げられた後の状態を説明する平面図である。
【0022】
本発明の実施形態に係るケーブルコネクタ組立体1は、例えば、回転コネクタ装置用である。
図1に示すように、ケーブルコネクタ組立体1は、回転コネクタ装置100のコネクタ組立体装着部111に取り付けられている。従って、回転コネクタ装置100は、ケーブルコネクタ組立体1を用いている。なお、ケーブルコネクタ組立体1は、回転コネクタ装置用に限定されず、フラットケーブルが電気的に接続されるコネクタ装置であれば、他のコネクタ装置に取り付けられてもよい。
【0023】
回転コネクタ装置100は、ロテータ(回転体)110とステータ(固定体)120を含む。ステータ(固定体)120は、車体に取り付けられるように構成される。ロテータ(回転体)110は、ステアリングホイルに連結されるように構成される。ロテータ(回転体)110とステータ(固定体)120は、互いに相対回転自在に組み合わされている。
【0024】
ロテータ110とステータ120は組み合わされて、内部に環状の空間(図示せず)が形成されている。前記環状の空間には、幅広なフラットケーブル(図示せず)が巻回されて収容されている。フラットケーブルは、電気信号を伝送する伝送線、光信号を伝送する伝送線、電力等を伝送する伝送線等、複数の伝送線で構成されたケーブルである。フラットケーブルによって、ロテータ110とステータ120との間で、電気信号、光信号、電力等が伝送される。
【0025】
図1に示すように、ケーブルコネクタ組立体1は、ロテータ110に設けられているコネクタ組立体装着部111に取り付けられている。フラットケーブルの一端が、ロテータ110に取り付けられているケーブルコネクタ組立体1のケーブルコネクタ10に電気的に接続されている。また、フラットケーブルの他端が、ステータ120に取り付けられているケーブルコネクタ(図示せず)に電気的に接続されている。
【0026】
ロテータ110がステータ120に対して回転してもケーブルコネクタの間の電気的接続が切れないように、フラットケーブルは、ステータ120の外側筒状部122及びロテータ110の内側筒状部112に沿って巻かれている。
【0027】
以下、説明の便宜上、
図2、
図3、
図4におけるケーブルコネクタ組立体1におけるフラットケーブルの長手方向(伸び方向)を第1方向(D1方向)とする。D1方向は上下方向である。下方向を-D1方向、上方向を+D1方向とする。ケーブルコネクタ組立体1のD1方向に直交する方向のうち一方である第2方向(D2方向)を短手方向(幅方向)とする。D2方向はフラットケーブルの左右方向でもある。左方向を-D2方向、右方向を+D2方向とする。また、ケーブルコネクタ組立体1のD1方向に直交する方向のうち他方である第3方向(D3方向)を厚み方向とする。
【0028】
図2に示すように、ケーブルコネクタ組立体1は、ケーブルコネクタ10を有する。ケーブルコネクタ10は、第1バスバー11と、第1バスバー11とは異なる第2バスバー12と、第1バスバー11と第2バスバー12を部分的に覆うコネクタ本体20と、を有する。
【0029】
第1バスバー11は、導電材料を含み、導電性を有している。第2バスバー12は、導電材料を含み、導電性を有している。コネクタ本体20は、電気絶縁材料を含み、電気絶縁性を有している。
【0030】
第1バスバー11は、コネクタ本体20から部分的に露出している。コネクタ本体20から部分的に露出している第1バスバー11の部位が、第1接続部13となっている。第1バスバー11は、コネクタ本体20からの第1バスバー11の露出部である第1接続部13を有している。
【0031】
第2バスバー12は、コネクタ本体20から部分的に露出している。コネクタ本体20から部分的に露出している第2バスバー12の部位が、第2接続部14となっている。第2バスバー12が、コネクタ本体20からの第2バスバー12の露出部である第2接続部14を有している。
【0032】
第1接続部13と第2接続部14は、D2方向に所定間隔をあけて配置されている。また、第1接続部13と第2接続部14は、並列に配置されている。第1接続部13が+D2方向に位置し、第2接続部14が-D2方向に位置している。
【0033】
例えば、第1バスバー11と第2バスバー12は、インサート成形により、コネクタ本体20から部分的に露出している態様でコネクタ本体20内に埋め込まれている。なお、第1バスバー11と第2バスバー12をコネクタ本体20内に埋め込む方法は、特に限定されず、インサート成形以外の方法で、コネクタ本体20内に埋め込まれていてもよい。
【0034】
図3に示すように、ケーブルコネクタ組立体は、第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41と、を有する。第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41は、ケーブルコネクタ10に電気的に接続される。
【0035】
第1フラットケーブル31は、可撓性を有し、平坦な形状を有する。第1フラットケーブル31は、導電材料で形成された第1導体34が、電気絶縁材料で形成された第1絶縁被覆35で被覆されている。また、第1フラットケーブル31は、D1方向のうち-D1方向の一端である、第1ケーブル端部33を有している。第1ケーブル端部33は、第1導体34が第1絶縁被覆35で被覆されている態様となっている。
【0036】
第1フラットケーブル31は、第1導体露出部32を有している。第1導体露出部32は、第1導体34が第1絶縁被覆35で被覆されていない部位、すなわち、第1導体34の露出部である。第1導体露出部32は、第1ケーブル端部33から-D1方向へ伸延している。第1導体露出部32は、D1方向のうち-D1方向の第1導体34の一端である。上記から、第1絶縁被覆35はD1方向に第1ケーブル端部33まで伸延し、第1導体露出部32へは伸延していない。従って、第1導体露出部32のD3方向の寸法は、第1ケーブル端部33のD3方向の寸法よりも小さい態様となっている。
【0037】
第1導体露出部32は、第1導体34上に第1絶縁被覆35を形成しないことで、または、第1導体34上に形成された第1絶縁被覆35の一部が剥がされることで形成される。
【0038】
第1導体露出部32は、第1バスバー11の第1接続部13と電気的に接続されている。上記から、第1導体露出部32は、-D1方向に沿って、第1ケーブル端部33から第1接続部13へ伸延している。第1導体露出部32が第1接続部13と電気的に接続されていることで、第1フラットケーブル31がケーブルコネクタ10に電気的に接続される。第1導体露出部32は、例えば、抵抗溶接にて第1接続部13に電気的に接続されている。なお、第1導体露出部32が第1接続部13に電気的に接続されている方法は、特に限定されず、抵抗溶接以外の接続方法であってもよい。
【0039】
第2フラットケーブル41は、可撓性を有し、平坦な形状を有する。第2フラットケーブル41は、導電材料で形成された第2導体44が、電気絶縁材料で形成された第2絶縁被覆45で被覆されている。また、第2フラットケーブル41は、D1方向のうち+D1方向の一端である、第2ケーブル端部43を有している。第2ケーブル端部43は、第2導体44が第2絶縁被覆45で被覆されている態様となっている。
【0040】
第2フラットケーブル41は、第2導体露出部42を有している。第2導体露出部42は、第2導体44が第2絶縁被覆45で被覆されていない部位、すなわち、第2導体44の露出部である。第2導体露出部42は、第2ケーブル端部43から+D1方向へ伸延している。第2導体露出部42は、D1方向のうち+D1方向の第2導体34の一端である。上記から、第2絶縁被覆45はD1方向に第2ケーブル端部43まで伸延し、第2導体露出部42へは伸延していない。従って、第2導体露出部42のD3方向の寸法は、第2ケーブル端部43のD3方向の寸法よりも小さい態様となっている。
【0041】
第2導体露出部42は、第2導体44上に第2絶縁被覆45を形成しないことで、または、第2導体44上に形成された第2絶縁被覆45の一部が剥がされることで形成される。
【0042】
第2導体露出部42は、第2バスバー11の第2接続部14と電気的に接続されている。上記から、第2導体露出部42は、+D1方向に沿って、第2ケーブル端部43から第2接続部14へ伸延している。第2導体露出部42が第2接続部14と電気的に接続されていることで、第2フラットケーブル41がケーブルコネクタ10に電気的に接続される。第2導体露出部42は、例えば、抵抗溶接にて第2接続部14に電気的に接続されている。なお、第2導体露出部42が第2接続部14に電気的に接続されている方法は、特に限定されず、抵抗溶接以外の接続方法であってもよい。
【0043】
図2、3に示すように、第1接続部13と第2接続部14は、第1導体露出部32と第2導体露出部42の幅方向であるD2方向に沿って所定間隔をあけて配置されている。また、第1導体露出部32と第2導体露出部42は、並列に配置されている。具体的には、第1導体露出部32が、第1フラットケーブル31の幅方向であるD2方向に沿って所定間隔をあけて、第2導体露出部42と並列に配置されている。第1導体露出部32が+D2方向に位置し、第2導体露出部42が-D2方向に位置している。
【0044】
図3に示すように、ケーブルコネクタ組立体1は、第1ケーブル端部33と第2ケーブル端部43が、第1接続部13と第2接続部14を介して対向配置されている。第1ケーブル端部33と第2ケーブル端部43が、D1方向に沿って、D1方向に所定間隔をあけて対向配置されている。
【0045】
また、第1導体露出部32の-D1方向の先端部32Aは、D1方向に沿って、D1方向に所定間隔をあけて第2ケーブル端部43と対向配置されている。また、第2導体露出部42の+D1方向の先端部42Aは、D1方向に沿って、D1方向に所定間隔をあけて第1ケーブル端部33と対向配置されている。
【0046】
ケーブルコネクタ組立体1では、第1導体露出部32は、第1フラットケーブル31の幅方向であるD2方向に沿って、第1導体34が幅狭に形成された幅狭部である。上記から、第1導体露出部32のD2方向の寸法は、第1フラットケーブル31のD2方向の寸法及び第1ケーブル端部33のD2方向の寸法よりも小さい態様となっている。
【0047】
図3では、第1導体露出部32は、第1導体34のD2方向のうち、左側の-D2方向の部位がない、例えば、左側の-D2方向の部位が切除された幅狭部である。上記から、第1導体露出部32は、第1フラットケーブル31のD2方向のうち、中央部から+D2方向の部位にわたって形成され、中央部から-D2方向の部位にわたっては形成されていない。
【0048】
ケーブルコネクタ組立体1では、第2導体露出部42は、第2フラットケーブル41の幅方向であるD2方向に沿って、第2導体44が幅狭に形成された幅狭部である。上記から、第2導体露出部42のD2方向の寸法は、第2フラットケーブル41のD2方向の寸法及び第2ケーブル端部43のD2方向の寸法よりも小さい態様となっている。
【0049】
図3では、第2導体露出部42は、第2導体44のD2方向のうち、右側の+D2方向の部位がない、例えば、右側の+D2方向の部位が切除された幅狭部である。上記から、第2導体露出部42は、第2フラットケーブル41のD2方向のうち、中央部から-D2方向の部位にわたって形成され、中央部から+D2方向の部位にわたっては形成されていない。
【0050】
第1導体34のうち左側の-D2方向の部位がない、例えば、左側の-D2方向の部位が切除された切除部に、第2導体露出部42が配置されている。第2導体44のうち右側の+D2方向の部位がない、例えば、右側の+D2方向の部位が切除された切除部に、第1導体露出部32が配置されている。
【0051】
図4に示すように、第1フラットケーブル31は、第1導体34が第1絶縁被覆35で被覆された第1絶縁部36を有している。ケーブルコネクタ10上において、第1絶縁部36は、第1ケーブル端部33から、D1方向に沿って第1導体露出部32から離れる方向へ向かって伸延している。具体的には、ケーブルコネクタ10上において、第1絶縁部36は、第1ケーブル端部33から、+D1方向に沿って第1フラットケーブル31の他端へ向かって伸延している。
【0052】
第2フラットケーブル41は、第2導体44が第2絶縁被覆45で被覆された第2絶縁部46を有している。ケーブルコネクタ10上において、第2絶縁部46は、第2ケーブル端部43から、D1方向に沿って第2導体露出部42から離れる方向へ向かって伸延している。具体的には、ケーブルコネクタ10上において、第2絶縁部46は、第2ケーブル端部43から、-D1方向に沿って第2フラットケーブル41の他端へ向かって伸延している。
【0053】
図4に示すように、第1絶縁部36と第2絶縁部46の一方が、D2方向に沿って形成された折り曲げ部にて、第1接続部13と第2接続部14の方向へ折り曲げられている。すなわち、第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41の一方が、D2方向に沿って形成された折り曲げ部にて、第1接続部13と第2接続部14の方向へ折り曲げられている。ケーブルコネクタ組立体1では、説明の便宜上、第1絶縁部36にD2方向に沿った折り曲げ部37が形成されている。すなわち、第1フラットケーブル31にD2方向に沿った折り曲げ部37が形成されて、折り曲げ部37にて、第1フラットケーブル31が第1接続部13と第2接続部14の方向へ折り曲げられている。
【0054】
第1絶縁部36の折り曲げ部37は、第1導体露出部32の近傍に形成されている。また、第1絶縁部36の折り曲げ部37は、ケーブルコネクタ10上の位置に形成されている。
【0055】
ケーブルコネクタ10上において、第1絶縁部36の折り曲げ部37を境に、第1フラットケーブル31のD1方向における伸延方向が相違している。第1フラットケーブル31のうち、第1導体露出部32から第1ケーブル端部33は、+D1方向へ伸延している。また、第1ケーブル端部33から折り曲げ部37は、+D1方向へ伸延している。一方で、ケーブルコネクタ10上において、第1フラットケーブル31のうち、折り曲げ部37から他端側は、-D1方向へ伸延している。
【0056】
なお、第1フラットケーブル31にD2方向に沿った折り曲げ部37が形成されることに代えて、第2フラットケーブル41にD2方向に沿った折り曲げ部が形成されてもよい。
【0057】
第1フラットケーブル31が、D2方向に沿って形成された折り曲げ部37にて、第1接続部13と第2接続部14の方向へ折り曲げられていることで、ケーブルコネクタ組立体1は、第1絶縁部36が第2絶縁部46と重ね合わされた絶縁部重ね合わせ部56を有する。絶縁部重ね合わせ部56は、平坦な第1絶縁部36の表面が、平坦な第2絶縁部46の表面に重ね合わされた部位である。従って、絶縁部重ね合わせ部56の厚みであるD3方向の寸法は、おおよそ、第1フラットケーブル31の厚みであるD3方向の寸法と第2フラットケーブル41の厚みであるD3方向の寸法とを合算した寸法を有している。
【0058】
絶縁部重ね合わせ部56が形成されていることにより、第1接続部13と第2接続部14、第1導体露出部32と第2導体露出部42、及び第1ケーブル端部33と第2ケーブル端部43は、第1絶縁部36によって覆われている構成となっている。
【0059】
第1フラットケーブル31の他端は、ステータ120に取り付けられているケーブルコネクタ(図示せず)に電気的に接続されている。
【0060】
第1フラットケーブル31の他端には、第1絶縁部に第1フラットケーブル31のD2方向に沿った折り曲げ部が形成されていてもよく、前記折り曲げ部が形成されていなくてもよい。第1フラットケーブル31の他端に形成されている第1導体露出部は、第1フラットケーブル31の幅方向であるD2方向に沿って第1導体が幅狭に形成された幅狭部でもよく、D2方向に沿って第1導体が幅狭に形成されていない第1導体露出部でもよい。
【0061】
第2フラットケーブル41の他端は、ステータ120に取り付けられているケーブルコネクタ(図示せず)に電気的に接続されている。
【0062】
第2フラットケーブル41の他端には、第2絶縁部に第2フラットケーブル41のD2方向に沿った折り曲げ部が形成されていてもよく、前記折り曲げ部が形成されていなくてもよい。第2フラットケーブル41の他端に形成されている第2導体露出部は、第2フラットケーブル41の幅方向であるD2方向に沿って第2導体が幅狭に形成された幅狭部でもよく、D2方向に沿って第2導体が幅狭に形成されていない第2導体露出部でもよい。
【0063】
ケーブルコネクタ組立体1では、ケーブルコネクタ10の第1接続部13と第2接続部14が第1導体露出部32と第2導体露出部42の幅方向であるD2方向に所定間隔をあけて配置されている。また、第1接続部13へ向かって伸延している第1導体露出部32と連続している第1ケーブル端部33及び第2接続部14へ向かって伸延している第2導体露出部42と連続している第2ケーブル端部43が、第1接続部13と第2接続部14を介して対向配置されている。上記から、ケーブルコネクタ組立体1では、第1接続部13に電気的に接続された第1導体露出部32と第2接続部14に電気的に接続された第2導体露出部42の近接を防止できる。従って、ケーブルコネクタ組立体1では、第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41間での短絡を防止することができる。また、ケーブルコネクタ組立体1では、第1接続部13に電気的に接続された第1導体露出部32と第2接続部14に電気的に接続された第2導体露出部42の近接を防止するにあたり、スリット等の特別な構造を必要としないので、簡易な構造にて、第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41との間での短絡を防止することができる。
【0064】
また、ケーブルコネクタ組立体1では、第1導体露出部32が第1フラットケーブル31の幅方向であるD2方向に幅狭に形成された幅狭部であるので、第1接続部13を省スペース化、特に、D2方向に省スペース化することができ、ひいては、複数のフラットケーブル(第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41)を備えたケーブルコネクタ組立体1であっても、省スペース化することができる。
【0065】
また、ケーブルコネクタ組立体1では、第2導体露出部42が第2フラットケーブル41の幅方向であるD2方向に幅狭に形成された幅狭部であるので、第2接続部14を省スペース化、特に、D2方向に省スペース化することができ、ひいては、複数のフラットケーブル(第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41)を備えたケーブルコネクタ組立体1であっても省スペース化することができる。
【0066】
また、ケーブルコネクタ組立体1では、第1導体露出部32が、第2導体露出部42と第1フラットケーブル31の幅方向であるD2方向に所定間隔をあけて並列に配置されているので、第1導体露出部32と第2導体露出部42の近接をさらに確実に防止でき、ひいては、第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41との間での短絡をさらに確実に防止することができる。また、ケーブルコネクタ組立体1では、第1導体露出部32が、第2導体露出部42と第1フラットケーブル31の幅方向であるD2方向に所定間隔をあけて並列に配置されているので、複数のフラットケーブル(第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41)を備えたケーブルコネクタ組立体1であっても、D2方向だけではなく長手方向であるD1方向にも省スペース化することができる。
【0067】
また、ケーブルコネクタ組立体1では、第1接続部13と第2接続部14が幅方向であるD2方向に並列に配置されていることにより、ケーブルコネクタ10への第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41の電気的接続の作業を簡易化することができる。
【0068】
また、ケーブルコネクタ組立体1では、第1フラットケーブル31が折り曲げ部37にて第1接続部13と第2接続部14の方向へ折り曲げられて、第1絶縁部36が第2絶縁部46と重ね合わされた絶縁部重ね合わせ部56を有するので、第1導体露出部32と第2導体露出部42の表面部が第1絶縁被覆35によって覆われるので、第1導体露出部32と第2導体露出部42に対する防水性と防塵性が向上する。従って、ケーブルコネクタ組立体1では、第1導体露出部32と第1接続部13及び第2導体露出部42と第2接続部14の電気的な接続信頼性が向上する。
【0069】
また、ケーブルコネクタ組立体1では、第1接続部13と第2接続部14が幅方向であるD2方向に並列に配置され、第1導体露出部32が抵抗溶接にて第1接続部13に電気的に接続され、第2導体露出部42が抵抗溶接にて第2接続部14に電気的に接続されているので、一工程での、ケーブルコネクタ10への第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41の電気的接続が可能となる。
【0070】
次に、本発明の実施形態に係るケーブルコネクタ組立体1の製造方法について、
図2~4を用いて説明する。
【0071】
ケーブルコネクタ組立体1の製造方法は、ケーブルコネクタ準備工程と、第1フラットケーブル接続工程と、第2フラットケーブル接続工程と、を有する。また、必要に応じて、第1フラットケーブル接続工程と第2フラットケーブル接続工程との後に、さらに、絶縁部重ね合わせ部形成工程を有する。上記した各工程について、以下に説明する。
【0072】
ケーブルコネクタ準備工程
ケーブルコネクタ準備工程では、上記したケーブルコネクタ10を準備する工程である。すなわち、導電性を有する第1バスバー11と、第1バスバー11とは異なる、導電性を有する第2バスバー12と、電気絶縁性を有し、第1バスバー11と第2バスバー12を部分的に覆うコネクタ本体20と、を有し、第1バスバー11が、コネクタ本体20からの第1バスバー11の露出部である第1接続部13を有し、第2バスバー12が、コネクタ本体20からの第2バスバー12の露出部である第2接続部14を有する、ケーブルコネクタ10を準備する。第1接続部13と第2接続部14は、第1導体露出部32と第2導体露出部42の幅方向であるD2方向に所定間隔をあけて配置されている。
【0073】
ケーブルコネクタ10の構造の詳細は、既に説明したので、ここでは省略する。
【0074】
第1フラットケーブル接続工程
第1フラットケーブル接続工程では、ケーブルコネクタ10の第1接続部13に、第1フラットケーブル31の第1ケーブル端部33から-D1方向へ伸延している第1導体露出部32を電気的に接続する。
【0075】
第1フラットケーブル31の構造の詳細は、既に説明したので、ここでは省略する。
【0076】
第2フラットケーブル接続工程
第2フラットケーブル接続工程では、ケーブルコネクタ10の第2接続部14に、第2フラットケーブル41の第2ケーブル端部43から+D1方向へ伸延している第2導体露出部42を電気的に接続する。
【0077】
第2フラットケーブル41の構造の詳細は、既に説明したので、ここでは省略する。
【0078】
ケーブルコネクタ組立体1の製造方法では、第1フラットケーブル接続工程と第2フラットケーブル接続工程において、第1ケーブル端部33が、第1接続部13と第2接続部14を介して、第2ケーブル端部43と対向するように、第1接続部13に第1導体露出部32を電気的に接続し、第2接続部14に第2導体露出部42を電気的に接続する。上記から、第1ケーブル端部33と第2ケーブル端部43が、第1接続部13と第2接続部14を介して対向配置となるように、第1接続部13に第1導体露出部32を電気的に接続し、第2接続部14に第2導体露出部42を電気的に接続する。具体的には、第1ケーブル端部33と第2ケーブル端部43が、D1方向に沿って、D1方向に所定間隔をあけて対向配置となるように、第1接続部13に第1導体露出部32を電気的に接続し、第2接続部14に第2導体露出部42を電気的に接続する。
【0079】
また、第1導体露出部32の-D1方向の先端部32Aは、D1方向に沿って、D1方向に所定間隔をあけて第2ケーブル端部43と対向配置となるように、第1接続部13に第1導体露出部32を電気的に接続し、第2接続部14に第2導体露出部42を電気的に接続する。また、第2導体露出部42の+D1方向の先端部42Aは、D1方向に沿って、D1方向に所定間隔をあけて第1ケーブル端部33と対向配置となるように、第1接続部13に第1導体露出部32を電気的に接続し、第2接続部14に第2導体露出部42を電気的に接続する。
【0080】
ケーブルコネクタ組立体1の製造方法では、第1導体露出部32と第1接続部13を抵抗溶接して第1接続部13に第1導体露出部32を電気的に接続しする。なお、第1導体露出部32を第1接続部13に電気的に接続する方法は、特に限定されず、抵抗溶接以外の接続方法であってもよい。
【0081】
また、第2導体露出部42と第2接続部14を抵抗溶接して第2接続部14に第2導体露出部42を電気的に接続する。なお、第2導体露出部42を第2接続部14に電気的に接続する方法は、特に限定されず、抵抗溶接以外の接続方法であってもよい。
【0082】
また、上記の通り、第1フラットケーブル31は、第1導体34が第1絶縁被覆35で被覆された第1絶縁部36を有している。第1フラットケーブル接続工程にて、ケーブルコネクタ10上において、第1絶縁部36は、第1ケーブル端部33から、D1方向に沿って第1導体露出部32から離れる方向へ向かって伸延する。具体的には、ケーブルコネクタ10上において、第1絶縁部36は、第1ケーブル端部33から、+D1方向に沿って第1フラットケーブル31の他端へ向かって伸延する。
【0083】
また、上記の通り、第2フラットケーブル41は、第2導体44が第2絶縁被覆45で被覆された第2絶縁部46を有している。第2フラットケーブル接続工程にて、ケーブルコネクタ10上において、第2絶縁部46は、第2ケーブル端部43から、D1方向に沿って第2導体露出部42から離れる方向へ向かって伸延する。具体的には、ケーブルコネクタ10上において、第2絶縁部46は、第2ケーブル端部43から、-D1方向に沿って第2フラットケーブル41の他端へ向かって伸延する。
【0084】
絶縁部重ね合わせ部形成工程
絶縁部重ね合わせ部形成工程は、必要に応じて、第1フラットケーブル接続工程と第2フラットケーブル接続工程の後に実施される工程である。絶縁部重ね合わせ部形成工程では、第1絶縁部36と第2絶縁部46の一方(ケーブルコネクタ組立体1では第1絶縁部36)を、折り曲げ部37にて第1接続部13と第2接続部14の方向へ折り曲げて、第1絶縁部36が第2絶縁部46と重なり合う絶縁部重ね合わせ部56を形成する。
【0085】
ケーブルコネクタ組立体1の製造方法では、第1フラットケーブル31を折り曲げ部37にて-D1方向へ折り曲げて絶縁部重ね合わせ部56を形成する。
【0086】
ケーブルコネクタ組立体1の製造方法では、第1接続部13と第2接続部14は第1導体露出部32と第2導体露出部42の幅方向であるD2方向に並列に配置され、第1ケーブル端部33が第1接続部13と第2接続部14を介して第2ケーブル端部43と対向するように、第1接続部13に第1導体露出部32を電気的に接続し、第2接続部14に第2導体露出部42を電気的に接続するので、第1導体露出部32と第2導体露出部42の近接を防止できる。従って、第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41との間での短絡を防止できるケーブルコネクタ組立体1を得ることができる。また、ケーブルコネクタ組立体1の製造方法では、第1接続部13に電気的に接続される第1導体露出部32と第2接続部14に電気的に接続される第2導体露出部42の近接を防止するにあたり、スリット等への導体の挿入作業といった特別な工程を必要としないので、第1フラットケーブル31と第2フラットケーブル41との間での短絡を簡易な工程で防止できる。
【0087】
ケーブルコネクタ組立体1の製造方法では、第1フラットケーブル接続工程と第2フラットケーブル接続工程の後に、絶縁部重ね合わせ部形成工程を、さらに有することで、第1導体露出部32と第2導体露出部42の表面部を第1絶縁被覆35にて覆うことができるので、第1導体露出部32と第2導体露出部42に対する防水性と防塵性が向上したケーブルコネクタ組立体1を得ることができる。
【0088】
ケーブルコネクタ組立体1の製造方法では、第1導体露出部32と第1接続部13を抵抗溶接にて電気的に接続し、第2導体露出部42と第2接続部14を抵抗溶接にて電気的に接続することで、ケーブルコネクタ10と第1フラットケーブル31及び第2フラットケーブル41との電気的接続を、一度の溶接作業にて行うことが可能となる。従って、ケーブルコネクタ組立体1の生産効率が向上する。
【0089】
次に、本発明のケーブルコネクタ組立体の他の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係るケーブルコネクタ組立体1では、第1導体露出部32は、第1フラットケーブル31の幅方向であるD2方向に沿って、第1導体34が幅狭に形成された幅狭部であったが、これに代えて、第1導体露出部は、第1導体が幅狭に形成された幅狭部でなくてもよい。また、本発明の実施形態に係るケーブルコネクタ組立体1では、第2導体露出部42は、第2フラットケーブル41の幅方向であるD2方向に沿って、第2導体44が幅狭に形成された幅狭部であったが、これに代えて、第2導体露出部は、第2導体が幅狭に形成された幅狭部でなくてもよい。
【0090】
また、本発明の実施形態に係るケーブルコネクタ組立体1では、ケーブルコネクタ組立体1は、ロテータ110に設けられているコネクタ組立体装着部111に取り付けられていた、すなわち、ケーブルコネクタ組立体1は、ステアリング側であるロテータ110に取り付けられていたが、これに代えて、ケーブルコネクタ組立体1は、ステータ(固定体)120に取り付けられていてもよい。すなわち、ケーブルコネクタ組立体1は、コラム側に取り付けられていてもよい。また、ケーブルコネクタ組立体1の構造は、ロテータ110とステータ120のいずれか一方だけではなく、ロテータ110とステータ120の両方に使用されていてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 ケーブルコネクタ組立体
10 ケーブルコネクタ
11 第1バスバー
12 第2バスバー
13 第1接続部
14 第2接続部
20 コネクタ本体
31 第1フラットケーブル
32 第1導体露出部
33 第1ケーブル端部
41 第2フラットケーブル
42 第2導体露出部
43 第2ケーブル端部
56 絶縁部重ね合わせ部