(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119138
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】処理システム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240827BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240827BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20240827BHJP
B23Q 41/08 20060101ALI20240827BHJP
B23K 26/53 20140101ALN20240827BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
H01L21/304 631
H01L21/304 611Z
B24B49/10
B23Q41/08 B
B23K26/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025820
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】布垣 俊武
【テーマコード(参考)】
3C034
3C042
3C100
4E168
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034BB73
3C034CA30
3C034DD10
3C034DD18
3C042RA11
3C042RB11
3C042RB32
3C042RH07
3C042RJ12
3C042RL11
3C100AA03
3C100AA22
3C100AA63
3C100BB03
3C100BB13
3C100EE06
4E168CA02
4E168CB07
4E168DA43
4E168EA05
4E168EA20
4E168JA13
5F057AA34
5F057BA01
5F057CA02
5F057DA11
5F057GA02
5F057GA03
5F057GB02
5F057GB12
5F057GB21
(57)【要約】
【課題】複数の処理装置を備える処理システムにおける生産性の低下の度合いを低減する。
【解決手段】複数の処理装置が被処理物を順次処理する処理システムであって、被処理物を順次処理する複数の処理装置と、メモリと、プロセッサと、を有し、複数の処理装置を制御するコントローラと、を備え、複数の処理装置の各々は、被処理物に対して処理を行う処理ユニットと、処理装置自身が正常に動作するか否かを診断するために所定の診断項目について診断を行う診断ユニットと、を有し、コントローラは、複数の処理装置のうち少なくとも一の処理装置における被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間に、少なくとも一の処理装置の診断ユニットを動作させて一の処理装置が正常に動作するか否かを診断する処理システムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理装置が被処理物を順次処理する処理システムであって、
該被処理物を順次処理する該複数の処理装置と、
メモリと、プロセッサと、を有し、該複数の処理装置を制御するコントローラと、
を備え、
該複数の処理装置の各々は、
該被処理物に対して処理を行う処理ユニットと、
処理装置自身が正常に動作するか否かを診断するために所定の診断項目について診断を行う診断ユニットと、
を有し、
該コントローラは、
該複数の処理装置のうち少なくとも一の処理装置における該被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間に、該少なくとも一の処理装置の該診断ユニットを動作させて該一の処理装置が正常に動作するか否かを診断することを特徴とする処理システム。
【請求項2】
該少なくとも一の処理装置は、それぞれ所定の診断項目について診断を行う1以上の診断ユニットを更に含み、
該コントローラは、
該少なくとも一の処理装置における該被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間を計算する空き時間計算部と、
各診断ユニットが診断を行うのに必要とする所要時間を各診断項目について記憶する所要時間記憶部と、
各診断ユニットにおいて最も直近に行われた診断のタイミングから現在に至るまでの経過時間を記憶する経過時間記憶部と、
を有し、
該空き時間計算部で計算された空き時間内に実行可能な1以上の診断項目のうち、前回実行してから現在に至るまでの経過時間が最も長い診断項目について診断を行うことを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
該コントローラは、
該少なくとも一の処理装置における該被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間を計算する空き時間計算部と、
各診断ユニットが診断を行うのに必要とする所要時間を各診断項目について記憶する所要時間記憶部と、
各診断ユニットにおいて最も直近に行われた診断のタイミングから現在に至るまでの経過時間を記憶する経過時間記憶部と、
各診断ユニットにおいて前回診断を行ったタイミングから次に診断を行うことが推奨されるタイミングまでの時間間隔である推奨実行間隔を、各診断項目について記憶する推奨実行間隔記憶部と、を有し、
該空き時間計算部が計算した空き時間内に実行可能な1以上の診断項目のうち、前回診断を行ってからの経過時間を推奨実行間隔で割った値が最も大きい診断項目について診断を行うことを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項4】
該診断ユニットが診断を行う診断項目は、複数の診断工程に分割可能であり、
該コントローラは、
該少なくとも一つの処理装置における該被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間を計算する空き時間計算部を有し、
分割された該複数の診断工程のうち、該空き時間計算部が計算した空き時間内に収まる1以上の診断工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項5】
該複数の処理装置間で該被処理物を搬送する搬送ユニットを更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造工程において複数の処理装置がインゴット等の被処理物を順次処理する処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程では、半導体材料のインゴットから複数の処理装置での処理工程を順次経ることにより、IC(Integrated Circuit)チップ、光デバイスチップ、パワー半導体デバイスチップ等のデバイスチップが製造される。
【0003】
半導体製造工程では、例えば、まず、炭化珪素(以下、SiC)インゴットからSiCウェーハを製造する。具体的には、SiCインゴットを透過する波長を有するレーザービームを使用して、機械的強度が脆弱な剥離層をSiCインゴットの所定深さ位置に形成した後、この剥離層を境にSiCインゴットからSiCウェーハを剥離する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この場合、剥離層を形成するレーザー加工装置と、剥離層形成後のSiCインゴットからSiCウェーハを剥離する剥離装置と、SiCウェーハ剥離後のSiCインゴットの頂面に残存する凹凸を研削により除去して当該頂面を平坦化する研削装置と、を順次用いて、SiCインゴットを順次処理する(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、特許文献2では、レーザー加工装置と、剥離装置と、研削装置と、の間でSiCインゴットを搬送するベルトコンベア式の搬送ユニットを含む処理システムが提案されている。レーザー加工装置と、剥離装置と、研削装置と、搬送ユニットと、を例えばコンピュータが制御することにより、SiCインゴットから自動的に複数のSiCウェーハが次々に製造される。
【0006】
この様にして製造されたウェーハに複数のデバイスを形成した後、例えば切削装置を用いて、ウェーハをデバイスチップに分割する。複数の切削装置の各々にウェーハを搬送して並列的に切削ブレードでウェーハを切削すれば、効率よくウェーハの切削を行うことができる。
【0007】
これを実現するために、複数の切削装置と、各切削装置にウェーハを搬送するベルトコンベア式の搬送ユニットと、各切削装置及び搬送ユニットを制御するコンピュータと、を備える処理システムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
ところで、処理システムを構成する各処理装置は、処理装置自身が正常に動作するか否かを診断するための診断ユニットを備える場合がある。例えば、レーザー加工装置(処理装置)は、レーザービームの周波数ごとの出力が正常か否かを確認するための出力診断ユニットを備える(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
また、例えば、切削装置(処理装置)は、円環状の切削ブレードの外周部に破損が無いか否かを確認するための破損検出診断ユニットを備える(例えば、特許文献5参照)。処理装置の不良を早期に発見するためには、これら診断ユニットによる診断を定期的に実施する必要がある。
【0010】
しかし、診断ユニットを動作させて処理装置の診断を行っている間は、処理装置におけるインゴット、ウェーハ等の処理を停止又は中断する必要があるので、処理システムにおける生産性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2016-111143号公報
【特許文献2】特開2020-72098号公報
【特許文献3】特開平6-177244号公報
【特許文献4】特開2020-142289号公報
【特許文献5】特開2022-133682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、複数の処理装置を備える処理システムにおける生産性の低下の度合いを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、複数の処理装置が被処理物を順次処理する処理システムであって、該被処理物を順次処理する該複数の処理装置と、メモリと、プロセッサと、を有し、該複数の処理装置を制御するコントローラと、を備え、該複数の処理装置の各々は、該被処理物に対して処理を行う処理ユニットと、処理装置自身が正常に動作するか否かを診断するために所定の診断項目について診断を行う診断ユニットと、を有し、該コントローラは、該複数の処理装置のうち少なくとも一の処理装置における該被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間に、該少なくとも一の処理装置の該診断ユニットを動作させて該一の処理装置が正常に動作するか否かを診断する処理システムが提供される。
【0014】
好ましくは、該少なくとも一の処理装置は、それぞれ所定の診断項目について診断を行う1以上の診断ユニットを更に含み、該コントローラは、該少なくとも一の処理装置における該被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間を計算する空き時間計算部と、各診断ユニットが診断を行うのに必要とする所要時間を各診断項目について記憶する所要時間記憶部と、各診断ユニットにおいて最も直近に行われた診断のタイミングから現在に至るまでの経過時間を記憶する経過時間記憶部と、を有し、該空き時間計算部で計算された空き時間内に実行可能な1以上の診断項目のうち、前回実行してから現在に至るまでの経過時間が最も長い診断項目について診断を行う。
【0015】
また、好ましくは、該コントローラは、該少なくとも一の処理装置における該被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間を計算する空き時間計算部と、各診断ユニットが診断を行うのに必要とする所要時間を各診断項目について記憶する所要時間記憶部と、各診断ユニットにおいて最も直近に行われた診断のタイミングから現在に至るまでの経過時間を記憶する経過時間記憶部と、各診断ユニットにおいて前回診断を行ったタイミングから次に診断を行うことが推奨されるタイミングまでの時間間隔である推奨実行間隔を、各診断項目について記憶する推奨実行間隔記憶部と、を有し、該空き時間計算部が計算した空き時間内に実行可能な1以上の診断項目のうち、前回診断を行ってからの経過時間を推奨実行間隔で割った値が最も大きい診断項目について診断を行う。
【0016】
また、好ましくは、該診断ユニットが診断を行う診断項目は、複数の診断工程に分割可能であり、該コントローラは、該少なくとも一つの処理装置における該被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間を計算する空き時間計算部を有し、分割された該複数の診断工程のうち、該空き時間計算部が計算した空き時間内に収まる1以上の診断工程を行う。
【0017】
また、好ましくは、該複数の処理装置間で該被処理物を搬送する搬送ユニットを更に備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様に係る処理システムでは、複数の処理装置のうち少なくとも一の処理装置における被処理物の処理終了から次の処理開始までの空き時間に、少なくとも一の処理装置の診断ユニットを動作させて一の処理装置が正常に動作するか否かを診断する。
【0019】
それゆえ、処理装置において被処理物に対する処理を開始できる状態であるにも関わらず処理装置の動作が正常か否かを診断するために処理装置での被処理物の処理を停止又は中断させる場合に比べて、処理システムにおける生産性の低下の度合いを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施形態に係る処理システムのブロック図である。
【
図2】ホストコンピュータの機能を示すブロック図である。
【
図7】インゴットからウェーハを剥離する様子を示す図である。
【
図8】
図8(A)は開状態の開閉装置を示す図であり、
図8(B)は閉状態の開閉装置を示す図である。
【
図9】研削装置の空き時間の例を説明する図である。
【
図10】剥離装置の空き時間の例を説明する図である。
【
図11】第2の実施形態に係る処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る処理システム2のブロック図である。処理システム2は、研削装置4A、レーザー加工装置4B、及び、剥離装置4C(即ち、複数の処理装置4)を有する。
【0022】
なお、本明細書において、研削装置4A、レーザー加工装置4B、剥離装置4Cの処理装置4のうち任意の装置を指す場合には、単に処理装置4と記載する。複数の処理装置4の近傍には、ベルトコンベア式の1つの搬送ユニット6が設けられている。
【0023】
搬送ユニット6は、複数の処理装置4間でインゴット(被処理物)11を搬送する。搬送ユニット6は、研削装置4A、レーザー加工装置4B及び剥離装置4Cをこの順で循環する様に、複数のインゴット11を搬送する。
【0024】
ところで、搬送ユニット6を使用しない場合、作業者が手作業で各インゴット11を搬送することになるが、搬送ユニット6を用いることで作業者の負担を低減できることに加えて、誤った場所への搬送、不注意による落下、衝突等の人為的ミスを低減できる。
【0025】
インゴット11は、SiC、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)等で形成された単結晶であり、インゴット11の厚さは、後述するウェーハ15(
図7参照)よりも厚い。
【0026】
本実施形態の処理システム2で取り扱うインゴット11の数は、3つである。即ち、インゴット11の数は、第1のインゴット11A、第2のインゴット11B及び第3のインゴット11Cの3つであるが、3つには限定されず、4つ以上であってもよい。
【0027】
搬送ユニット6と、研削装置4Aと、の間には、水平多関節側の第1搬送ロボット(不図示)が配置されている。更に、第1搬送ロボットと、研削装置4Aと、の間には、研削装置4Aの一部である開閉装置8Aが設けられている。
【0028】
搬送ユニット6と、レーザー加工装置4Bと、の間には、水平多関節側の第2搬送ロボット(不図示)が配置されている。更に、第2搬送ロボットと、レーザー加工装置4Bと、の間には、レーザー加工装置4Bの一部である開閉装置8Bが設けられている。
【0029】
搬送ユニット6と、剥離装置4Cと、の間には、水平多関節側の第3搬送ロボット(不図示)が配置されている。更に、第3搬送ロボットと、剥離装置4Cと、の間には、剥離装置4Cの一部である開閉装置8Cが設けられている。
【0030】
なお、本明細書において、開閉装置8A、開閉装置8B、開閉装置8Cの開閉装置8のうち任意の装置を指す場合には、単に開閉装置8と記載する。ここで、第2のインゴット11Bに着目して、処理システム2での処理の流れの概要を説明する。
【0031】
第2のインゴット11Bは、まず、第2の搬送ロボットにより搬送ユニット6から開閉装置8Bを介してレーザー加工装置4Bへ搬送される(
図1の矢印7a参照)。
【0032】
第2のインゴット11Bは、レーザー加工装置4Bで剥離層13(
図6参照)が形成された後、第2の搬送ロボットによりレーザー加工装置4Bから開閉装置8Bを介して搬送ユニット6へ戻される(
図1の矢印7a参照)。
【0033】
その後、第2のインゴット11Bは、搬送ユニット6により剥離装置4Cの近傍に搬送される(
図1の矢印7b参照)。次に、第2のインゴット11Bは、第3の搬送ロボットにより搬送ユニット6から開閉装置8Cを介して剥離装置4Cへ搬送される(
図1の矢印7c参照)。
【0034】
第2のインゴット11Bは、剥離装置4Cにおいてウェーハ15が剥離された後、第2の搬送ロボットにより剥離装置4Cから開閉装置8Cを介して搬送ユニット6へ戻される(
図1の矢印7c参照)。
【0035】
次に、第2のインゴット11Bは、搬送ユニット6により研削装置4Aの近傍に搬送される(
図1の矢印7d参照)。そして、第2のインゴット11Bは、第1の搬送ロボットにより搬送ユニット6から開閉装置8Aを介して研削装置4Aへ搬送される(
図1の矢印7e参照)。
【0036】
第2のインゴット11Bは、研削装置4Aにおいて、ウェーハ15が剥離された後に露出する頂面(即ち、剥離層13に対応する面)が研削される。その後、第2のインゴット11Bは、第1の搬送ロボットにより研削装置4Aから開閉装置8Aを介して搬送ユニット6へ戻される(
図1の矢印7e参照)。
【0037】
次いで、第2のインゴット11Bは、搬送ユニット6により研削装置4Aの近傍からレーザー加工装置4Bの近傍に搬送される(
図1の矢印7f参照)。この様にして、第2のインゴット11Bは、複数の処理装置4により順次処理される。第1のインゴット11A及び第3のインゴット11Cも同様に、複数の処理装置4により順次処理される。
【0038】
搬送ユニット6、第1搬送ロボットから第3搬送ロボット、研削装置4A、レーザー加工装置4B、剥離装置4C、開閉装置8A,8B,8C等の動作は、ホストコンピュータ(コントローラ)10により制御される。
【0039】
ホストコンピュータ10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ10aと、メモリ10bと、を有する。メモリ10bは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の主記憶装置と、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置と、を含む。
【0040】
補助記憶装置には、所定のプログラムを含むソフトウェアが記憶されている。このソフトウェアに従いプロセッサ10aを動作させることによって、ホストコンピュータ10の機能が実現される。
図2は、ホストコンピュータ10の機能を示すブロック図である。
【0041】
補助記憶装置には、第1のプログラムが記憶されている。第1のプログラムは、プロセッサ10aで実行されることにより、空き時間計算部10cとして機能する。空き時間計算部10cは、少なくとも一の処理装置4におけるインゴット11の処理終了から次の処理開始までの空き時間を計算する。なお、空き時間については後述する。
【0042】
補助記憶装置の所定の領域は、所要時間記憶部10dとして割り当てられている。所要時間記憶部10dには、処理装置4に設けられている後述の各診断ユニット34,94,118が診断を行うのに必要とする各診断項目についての所要時間が予め記憶されている。なお、診断ユニット34,94,118については後述する。
【0043】
また、補助記憶装置には、第2のプログラムが記憶されている。第2のプログラムは、プロセッサ10aで実行されることにより、経過時間記憶部10eとして機能する。経過時間記憶部10eは、各診断ユニット34,94,118において最も直近に行われた診断のタイミングから現在に至るまでの経過時間を記憶する。
【0044】
更に、補助記憶装置の所定の領域は、推奨実行間隔記憶部10fとして割り当てられている。推奨実行間隔記憶部10fには、各診断ユニット34,94,118において前回診断を行ったタイミングから次に診断を行うことが推奨されるタイミングまでの時間間隔である推奨実行間隔TBが、各診断項目について予め記憶されている。
【0045】
次に、
図3から
図7を参照し、各処理装置4について説明する。
図3は、研削装置4A(処理装置4)の概要図である。
図3では、構成要素の一部をブロックで示す。
図3に示されるX軸方向と、Z軸方向とは、互いに直交する。
【0046】
研削装置4Aは、円盤状のチャックテーブル12を有する。チャックテーブル12は、互いに接続した複数の細孔を有さない緻密な(即ち、非多孔質の)セラミックスで形成された円盤状の枠体を有する。
【0047】
枠体の上面側には、枠体よりも小径である円盤状の凹部が形成されている。凹部には、多孔質セラミックスで形成された円盤状の多孔質板が嵌め込まれ、接着剤等により枠体に対して固定されている。
【0048】
枠体には流路(不図示)が形成されており、枠体の流路には真空ポンプ等の吸引源14が接続されている。吸引源14で発生させた負圧は多孔質板へ伝達可能である。枠体及び多孔質板の上面は、略面一になっており、インゴット11を吸引保持する保持面として機能する。
【0049】
チャックテーブル12の底面には円柱状の回転軸12aの上部が固定されている。なお、
図3では、回転軸12aを一点鎖線で簡略化している。回転軸12aの下部には、従動プーリ(不図示)が固定されている。
【0050】
従動プーリは、サーボモータ等の回転駆動源16により回転する駆動プーリ(不図示)と、ベルト(不図示)を介して連結されている。駆動プーリを動作させると、ベルトを介して従動プーリに動力が伝達する(
図3の矢印参照)。回転駆動源16は、移動板18で支持されている。
【0051】
また、チャックテーブル12は、ベアリングを介して円盤状のテーブルベースにより回転可能に支持されている。テーブルベースは、傾き調整機構(不図示)で支持されており、更に、この傾き調整機構は、移動板18で支持されている。
【0052】
傾き調整機構がテーブルベースの傾きを調整することにより、チャックテーブル12の回転軸12aの傾きが調整される。移動板18は、X軸方向に沿って配置された一対のガイドレール(不図示)により、X軸方向に沿ってスライド可能に支持されている。
【0053】
移動板18の底部には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、ねじ軸(不図示)が回転可能に連結されている。ねじ軸の一端部には、ステッピングモータ等の駆動源(不図示)が連結されている。
【0054】
移動板18、一対のガイドレール、ねじ軸等は、ボールねじ式のX軸方向移動機構20を構成する。ねじ軸を駆動源で回転させれば、チャックテーブル12、回転駆動源16等は、移動板18と共に、X軸方向に沿って移動する。
【0055】
チャックテーブル12の上方には、インゴット11を研削するための研削ユニット22(即ち、被処理物に対して処理を行う処理ユニット)が設けられている。研削ユニット22は、Z軸方向に沿って配置された円筒状のスピンドルハウジング(不図示)を有する。
【0056】
スピンドルハウジングには、長手方向がZ軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル24の一部が回転可能に収容されている。スピンドル24の上端部の近傍には、サーボモータ等の回転駆動源24aが設けられている。
【0057】
スピンドル24の下端部には、円盤状のホイールマウント26の上面の中心部が固定されている。このホイールマウント26の下面側には、円環状の研削ホイール28がボルト等の固定部材(不図示)により固定されている。
【0058】
研削ホイール28は、アルミニウム合金等の金属で形成された円環状の基台28aを有する。基台28aの下面側には、各々ブロック形状の複数の研削砥石28bが、基台28aの周方向に沿って略等間隔で配置されている。
【0059】
回転駆動源24aでスピンドル24を回転させると、研削ホイール28がスピンドル24を回転中心として回転する。スピンドルハウジングは、不図示の支持部材により支持されており、この支持部材は、ボールねじ式のZ軸方向移動機構30により、Z軸方向に沿って移動可能に支持されている。
【0060】
Z軸方向移動機構30も、X軸方向移動機構20と同様に、移動板、一対のガイドレール、ねじ軸、ステッピングモータ等の駆動源を有する。インゴット11に対する研削ホイール28の研削送り量は、Z軸方向移動機構30により調整される。
【0061】
インゴット11の研削時には、まず、チャックテーブル12の保持面でインゴット11の底面を吸引保持する。次いで、X軸方向移動機構20でチャックテーブル12を研削ユニット22の直下に配置すると共に、回転駆動源16でチャックテーブル12を所定の速度で回転させる。
【0062】
更に、回転駆動源24aでスピンドル24を所定の速度で回転させると共に、Z軸方向移動機構30により研削ユニット22をZ軸方向に沿って下方へ移動させる(即ち、研削送りする)。これにより、インゴット11の頂面側が研削される(研削工程)。
【0063】
吸引源14、回転駆動源16,24a、傾き調整機構、X軸方向移動機構20、Z軸方向移動機構30等の動作は、研削装置4Aの制御部32により制御される。制御部32は、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ(不図示)と、メモリ(不図示)と、を有し、研削装置4Aのコントローラとして機能する。
【0064】
メモリは、主記憶装置と、補助記憶装置と、を含む。補助記憶装置には、所定のプログラムを含むソフトウェアが記憶されている。このソフトウェアに従いプロセッサを動作させることによって、制御部32の機能が実現される。
【0065】
制御部32は、チャックテーブル12、回転駆動源24a、X軸方向移動機構20、Z軸方向移動機構30等(即ち、研削装置4A自身)が正常に動作するか否かを診断するために所定の診断項目について診断を行う1以上の診断ユニット34を備える。
【0066】
制御部32は、ホストコンピュータ10からの指令に従い、1以上の診断ユニット34により研削装置4Aの構成要素を診断する。1以上の診断ユニット34は、X軸用変位測定器34aを含む。
【0067】
X軸用変位測定器34aは、移動板18の下面側に固定された光学式のリニアエンコーダであり、ヘッド部(不図示)を含む。ヘッド部は、LED(Light Emitting Diode)等の光源と、スケールから反射された光源からの光を受光するCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子と、を有する。
【0068】
移動板18の下方且つ1つのガイドレールの近傍には、X軸方向に沿って不図示のスケール(目盛り)が設けられている。ヘッド部は、スケールへ光を照射し、スケールからの反射光を受光することで、移動板18の移動量や位置が特定される。
【0069】
制御部32は、X軸方向移動機構20の駆動源へ電流を供給するための回路等を含むX軸用ドライバ(不図示)を有し、X軸用ドライバで指示した移動量が実現されているか否かを、X軸用変位測定器34aで診断する。
【0070】
1以上の診断ユニット34は、Z軸用変位測定器34bを含む。Z軸用変位測定器34bは、X軸用変位測定器34aと略同じ構成を有する光学式のリニアエンコーダであるので、詳細な説明は省略する。
【0071】
制御部32は、Z軸方向移動機構30の駆動源へ電流を供給するための回路等を含むZ軸用ドライバ(不図示)を有し、Z軸用ドライバで指示したスピンドルハウジングの移動量が実現されているか否かを、Z軸用変位測定器34bで診断する。
【0072】
1以上の診断ユニット34は、チャックテーブル12を構成する枠体の流路に接続された空間に設けられた圧力センサ34cを含む。圧力センサ34cとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、圧電素子方式等の種々の方式を採用できる。
【0073】
制御部32は、チャックテーブル12の多孔質板の目詰まりの程度を、圧力センサ34cで診断する。例えば、使用に伴い多孔質板にごみがつまった状態で吸引源14からの負圧を多孔質板へ作用させると、チャックテーブル12でインゴット11を吸引保持していなくても、圧力センサ34cで測定される圧力は未使用時に比べて真空に近くなる(即ち、負圧の絶対値が大きくなる)。
【0074】
1以上の診断ユニット34は、回転駆動源24aに流れる駆動電流を測定する電流センサ34dを含む。電流センサ34dは、通常、研削時に発生する異常電流を検知するために利用されるが、本実施形態では、研削砥石28bがインゴット11に接触しない非研削時に回転駆動源24aを動作させ、異常電流が生じるか否かを診断する。
【0075】
例えば、スピンドル24は、その一部がスピンドルハウジング内において薄い空気の層を利用したエアベアリング(即ち、静圧空気軸受)により支持されているが、スピンドル24の軸受け面に噴射される圧縮エアの圧力が十分でない場合、回転するスピンドル24の軸受け面がスピンドルハウジングに接触することがある。
【0076】
スピンドル24の軸受け面とスピンドルハウジングとが接触すると、回転駆動源24aを構成するモータの負荷が増大すると共に、回転駆動源24aに流れる駆動電流も増大する。そこで、非研削時にスピンドル24を回転させて、回転駆動源24aに異常電流が生じるか否かを診断する。
【0077】
電流センサ34dは、例えば、磁場検出型であるが、抵抗検出型であってもよい。磁場検出型の電流センサ34dでは、1本の電流線の周りを囲む金属製で環状のコアと、このコアに発生する磁場を測定するホール素子と、を有する。
【0078】
なお、磁場検出型の電流センサ34dは、コアレス型であってもよい。いずれにしても、駆動電流に起因して発生する磁場の大きさをホール素子で測定し、磁場の大きさを電流値に変換することで、駆動電流が測定される。
【0079】
制御部32は、インゴット11を加工していない空き時間に、X軸方向移動機構20、回転駆動源24a、Z軸方向移動機構30等が正常に動作するか、チャックテーブル12の多孔質板が異常に目詰まりしていないか、を診断する。
【0080】
図4は、レーザー加工装置4Bの斜視図である。
図4では、構成要素の一部をブロックで示す。
図4にそれぞれ示される、X軸方向(加工送り方向)と、Y軸方向(割り出し送り方向)と、Z軸方向(鉛直方向)とは、互いに直交する。
【0081】
レーザー加工装置4Bは、各構成要素を支持する基台40を有する。基台40の上面には、Y軸方向に沿って配置された一対のY軸ガイドレール44が固定されている。一対のY軸ガイドレール44の上面側には、一対のY軸ガイドレール44に沿ってスライド可能な態様でY軸方向移動板46が取り付けられている。
【0082】
Y軸方向移動板46の下面側には、ナット部(不図示)が設けられている。ナット部には、ねじ軸48が回転可能に連結されている。ねじ軸48は、一対のY軸ガイドレール44の間においてY軸方向に沿って配置されている。
【0083】
ねじ軸48の一端部には、ねじ軸48を回転させるためのステッピングモータ等の駆動源50が連結されている。駆動源50を動作させると、Y軸方向移動板46は、Y軸方向に沿って移動する。
【0084】
一対のY軸ガイドレール44、Y軸方向移動板46、ねじ軸48、ナット部、駆動源50等は、Y軸方向移動機構52を構成する。Y軸方向移動板46の下面側には光学式のリニアエンコーダであるY軸用変位測定器94aが設けられている。
【0085】
Y軸用変位測定器94aは、Y軸方向移動板46の下面側に固定されたヘッド部(不図示)を含む。このヘッド部は、基台40の上面且つ1つのY軸ガイドレール44の近傍においてY軸方向に沿って設けられた不図示のスケール(目盛り)からの反射光を受光する。
【0086】
Y軸方向移動板46の上面には、X軸方向に沿って配置された一対のX軸ガイドレール54が固定されている。一対のX軸ガイドレール54の上面側には、一対のX軸ガイドレール54に沿ってスライド可能な態様でX軸方向移動板56が取り付けられている。
【0087】
X軸方向移動板56の下面側には、ナット部(不図示)が設けられている。ナット部には、ねじ軸58が回転可能に連結されている。ねじ軸58は、一対のX軸ガイドレール54の間においてX軸方向に沿って配置されている。
【0088】
ねじ軸58の一端部には、ねじ軸58を回転させるためのステッピングモータ等の駆動源60が連結されている。駆動源60を動作させると、X軸方向移動板56は、X軸方向に沿って移動する。
【0089】
一対のX軸ガイドレール54、X軸方向移動板56、ねじ軸58、ナット部、駆動源60等は、X軸方向移動機構62を構成する。X軸方向移動板56の下面側には光学式のリニアエンコーダであるX軸用変位測定器94bが設けられている。
【0090】
X軸用変位測定器94bは、X軸方向移動板56の下面側に固定されたヘッド部(不図示)を含む。このヘッド部は、Y軸方向移動板46の上面且つ1つのX軸ガイドレール54の近傍においてX軸方向に沿って設けられた不図示のスケール(目盛り)からの反射光を受光する。
【0091】
X軸方向移動板56の上面側には、円柱状のテーブル基台64が設けられており、テーブル基台64の頂部には、円盤状のチャックテーブル66が設けられている。チャックテーブル66は、テーブル基台64の内部に設けられた回転駆動源(不図示)によりZ軸方向に平行な所定の回転軸の周りで回転可能である。
【0092】
チャックテーブル66は、非多孔質の金属で形成された円盤状の枠体を有する。枠体の上面側には円盤状の凹部が形成されている。凹部には、多孔質セラミックスで形成された円盤状の多孔質板が嵌め込まれ、接着剤等により枠体に対して固定されている。
【0093】
枠体には流路(不図示)が形成されており、枠体の流路には真空ポンプ等の吸引源68が接続されている。吸引源68で発生させた負圧は、多孔質板へ伝達可能である。枠体及び多孔質板の上面は、略面一になっており、インゴット11を吸引保持する保持面66aとして機能する。
【0094】
チャックテーブル66を構成する枠体の流路に接続された空間には、流路の圧力を測定するための圧力センサ94cが設けられている。圧力センサ94cは、上述の圧力センサ34cと略同じであるので、説明を省略する。
【0095】
基台40の後方(Y軸方向の一方)の所定の領域には、支持構造70が設けられている。支持構造70の一側面には、Z軸方向移動機構72が設けられている。Z軸方向移動機構72は、Z軸方向に沿って配置された一対のZ軸ガイドレール74を有する。なお、
図4では、1つのZ軸ガイドレール74のみが示されている。
【0096】
一対のZ軸ガイドレール74には、Z軸方向に沿ってスライド可能な態様でZ軸方向移動板76が取り付けられている。Z軸方向移動板76の裏面側には、ナット部(不図示)が設けられている。
【0097】
ナット部には、ねじ軸(不図示)が回転可能に連結されている。ねじ軸は、Z軸方向に沿って、一対のZ軸ガイドレール74の間に配置されている。ねじ軸の上端部には、ステッピングモータ等の駆動源78が連結されている。
【0098】
駆動源78を動作させると、Z軸方向移動板76は、Z軸方向に沿って移動する。Z軸方向移動板76の裏面側には光学式のリニアエンコーダであるZ軸用変位測定器94dが設けられている。
【0099】
Z軸用変位測定器94dは、Z軸方向移動板76の裏面側に固定されたヘッド部(不図示)を含む。このヘッド部は、支持構造70の一側面且つ1つのZ軸ガイドレール74の近傍においてZ軸方向に沿って設けられた不図示のスケール(目盛り)からの反射光を受光する。
【0100】
Z軸方向移動板76の表面側には、支持具80が固定されている。支持具80は、レーザービーム照射ユニット(即ち、被処理物に対して処理を行う処理ユニット)82の一部を支持する。レーザービーム照射ユニット82は、基台40に対して固定されたレーザー発振器82a(
図5参照)を有する。
【0101】
レーザー発振器82aは、Nd:YVO4結晶等のレーザー媒質を有する。レーザー媒質には、半導体レーザー(不図示)から励起光が照射される。レーザー媒質は、レーザー発振器82a内において一対のミラー(不図示)で挟まれている。
【0102】
一方のミラーとレーザー媒質との間には、電気光学素子、音響光学素子、シャッタ等で構成されるQスイッチ(不図示)が設けられている。後述する制御部92でQスイッチの動作を制御することで、レーザー発振器82aから出射するレーザービームの有無が制御される。
【0103】
つまり、Qスイッチの制御により、レーザー発振器82aから出射されるパルス状のレーザービームの周期(即ち、繰り返し周波数)が制御される。なお、レーザービーム照射ユニット82では、レーザービームの繰り返し周波数が高くなるに従い、レーザービームLの出力(即ち、平均出力)が低くなる。
【0104】
レーザー発振器82aから出射されるレーザービームは、必要に応じて、アッテネータ等の出力調整部(不図示)、LCOS-SLM(Liquid Crystal on Silicon - Spatial Light Modulator)等の空間光位相変調器(不図示)、音響光学変調器(AOM:Acousto-Optic Modulator)(不図示)等を経て、後述するヘッド部88から出射してもよい。
【0105】
レーザー発振器82aは、長手部がY軸方向に沿って配置された円筒状のハウジング84に配置されている。ハウジング84には、上述の繰り返し周波数と、インゴット11を透過する波長(例えば、1064nm又は1342nm)と、を有するレーザービームLの出力を測定する出力診断ユニット86(
図5参照)が設けられている。
【0106】
図5は、出力診断ユニット86の斜視図である。出力診断ユニット86は、矩形板状の出力測定素子86aを有する。なお、出力測定素子86aの形状は、特に限定されず、円盤状でもよい。出力測定素子86aは、所謂パワーメータを構成しており、レーザービームLの出力(W)を測定する。
【0107】
出力測定素子86aは、例えば、レーザービームLが照射される領域の熱を測定するためのサーモパイルセンサ、パイロエレクトリックセンサ等を有するが、これに代えて、レーザービームLの光量を測定するためのフォトダイオードセンサを有してもよい。
【0108】
出力測定素子86aの外周部の一側面には、X軸方向に沿って配置されたロッド86bが接続されている。ロッド86bは、アクチュエータ86cによりX軸方向に沿って進退可能である。アクチュエータ86cは、例えば、エアシリンダ又は電動シリンダであるが、これに限定されない。
【0109】
ロッド86bが突出すると、出力測定素子86aはレーザービームLの光路上に位置する測定位置A1に配置される。このとき、出力測定素子86aは、レーザービームLの出力を測定し、レーザービーム照射ユニット82のヘッド部88からのレーザービームLは出力測定素子86aで遮られる。出力測定素子86aは、レーザービームLの出力に応じて生成される測定信号を、後述する制御部92に出力する。
【0110】
これに対して、ロッド86bが後退すると、出力測定素子86aはレーザービームLの光路から外れた非測定位置A2に退避する。このとき、出力測定素子86aによるレーザービームLの出力の測定は行われず、ヘッド部88から下方に向かってレーザービームLが照射される。
【0111】
ヘッド部88は、ハウジング84の先端部に固定されている。ヘッド部88は、レーザービームLの進行方向を下向きに変えるためのミラー88aを有する。ミラー88aにより進行方向が変えられたレーザービームLは、集光レンズ88bに入射する。集光レンズ88bは、レーザービームLを保持面66a近傍に集光させる。
【0112】
図4に戻って、ヘッド部88の近傍に位置するハウジング84の側面には、顕微鏡カメラユニット90が固定されている。顕微鏡カメラユニット90は、例えば、保持面66aで保持されたインゴット11のXY平面内での向きを調整するときに利用される。
【0113】
ハウジング84、ヘッド部88、顕微鏡カメラユニット90等は、Z軸方向移動機構72により、一体的にZ軸方向に沿って移動可能である。基台40上には、外装カバー(不図示)が設けられている。カバーの一側面には、ユーザーインターフェースとして機能するタッチパネル(不図示)が設けられている。
【0114】
タッチパネルは、レーザー加工装置4Bに対して作業者の指示を入力するための入力装置と、顕微鏡カメラユニット90により得られた画像等を表示する表示装置と、として機能する。
【0115】
インゴット11に対してレーザー加工を施す際には、まず、保持面66aでインゴット11の底面を吸引保持する。次いで、Z軸方向移動機構72でレーザービームLの集光点の深さをインゴット11の内部の所定深さに配置すると共に、X軸方向移動機構62でチャックテーブル66をX軸方向に沿って移動させる。
【0116】
この様にして、インゴット11の平面視において、X軸方向の一端部から他端部までレーザービームLの集光点を走査させた後、Y軸方向移動機構52を用いて所定のインデックス量だけ割り出し送りを行い、今度は、インゴット11の平面視において、X軸方向の他端部から一端部までレーザービームLの集光点を同様に走査する。
【0117】
レーザービームLの集光点のX軸方向に沿う加工送りと、Y軸方向に沿う割り出し送りと、を繰り返すことにより、インゴット11の内部の所定深さの全体に剥離層13が形成される(レーザー加工工程)。
【0118】
なお、本実施形態での剥離層13とは、集光点により走査された方向に沿って直線状に形成されインゴット11の機械的強度が低減された改質領域と、改質領域を起点に延伸するクラックと、を含む。
【0119】
Y軸方向移動機構52、X軸方向移動機構62、吸引源68、Z軸方向移動機構72、レーザービーム照射ユニット82、顕微鏡カメラユニット90、タッチパネル等の動作は、レーザー加工装置4Bの制御部92により制御される。
【0120】
制御部92は、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ(不図示)と、メモリ(不図示)と、を有し、レーザー加工装置4Bのコントローラとして機能する。
【0121】
メモリは、主記憶装置と、補助記憶装置と、を含む。補助記憶装置には、所定のプログラムを含むソフトウェアが記憶されている。このソフトウェアに従いプロセッサを動作させることによって、制御部92の機能が実現される。
【0122】
制御部92は、Y軸方向移動機構52、X軸方向移動機構62、チャックテーブル66、Z軸方向移動機構72、レーザービーム照射ユニット82等(即ち、レーザー加工装置4B自身)が正常に動作するか否かを診断するために所定の診断項目について診断を行う1以上の診断ユニット94を備える。
【0123】
1以上の診断ユニット94は、ホストコンピュータ10からの指令に従い、レーザー加工装置4Bの構成要素を診断する。1以上の診断ユニット94は、Y軸用変位測定器94a、X軸用変位測定器94b、Z軸用変位測定器94d、圧力センサ94c、ビーム径測定ユニット94e、及び、出力診断ユニット86を含む。
【0124】
Y軸用変位測定器94a、X軸用変位測定器94b、及び、Z軸用変位測定器94dは、上述のX軸用変位測定器34aと同様の光学式のリニアエンコーダであるので、詳細な説明は省略する。
【0125】
制御部92は、Y軸方向移動機構52の駆動源へ電流を供給するための回路等を含むY軸用ドライバ(不図示)を有し、Y軸用ドライバで指示したY軸方向移動板46の移動量が実現されているか否かを、Y軸用変位測定器94aで診断する。
【0126】
また、制御部92は、X軸方向移動機構62の駆動源へ電流を供給するための回路等を含むX軸用ドライバ(不図示)を有し、X軸用ドライバで指示したX軸方向移動板56の移動量が実現されているか否かを、X軸用変位測定器94bで診断する。
【0127】
同様に、制御部92は、Z軸方向移動機構72の駆動源へ電流を供給するための回路等を含むZ軸用ドライバ(不図示)を有し、Z軸用ドライバで指示したZ軸方向移動板76の移動量が実現されているか否かを、Z軸用変位測定器94dで診断する。
【0128】
圧力センサ94cは、圧力センサ34cと同様であり、チャックテーブル66を構成する枠体の流路に接続された空間に設けられている。制御部92は、チャックテーブル66の多孔質板の目詰まりの程度を、圧力センサ94cで診断する。
【0129】
制御部92は、インゴット11を加工していない空き時間に、X軸方向移動機構62、Y軸方向移動機構52、Z軸方向移動機構72等が正常に動作するか、チャックテーブル66の多孔質板が異常に目詰まりしていないか、を診断する。
【0130】
制御部92は、レーザービームLの繰り返し周波数を変更する周波数変更部92aを有する。周波数変更部92aは、例えば、制御部92の補助記憶装置に記憶される第1のプログラムである。周波数変更部92aは、レーザービームLの繰り返し周波数を段階的に変更する様に、Qスイッチの動作を制御する。
【0131】
レーザービームLの径を測定する場合には、ビーム径測定ユニット94eを用いて、繰り返し周波数ごとにレーザービームLの出力を測定し、数式又はテーブルに基づいて、出力を径に換算することで、レーザービームLの径を測定する。
【0132】
また、レーザービームLの出力を測定する場合には、出力測定素子86aを用いて、繰り返し周波数ごとにレーザービームLの出力を測定する。繰り返し周波数と、測定された出力と、は1対1に対応付けられて補助記憶装置に記憶される。
【0133】
補助記憶装置には、繰り返し周波数ごとにレーザービームLの出力の規定値が予め記憶されている。出力の規定値は、例えば、レーザー加工装置4Bにおいて順守されるべき出力の下限値である。
【0134】
例えば、繰り返し周波数50kHzでの規定値は10.0Wとされ、繰り返し周波数100kHzでの規定値は8.0Wとされ、繰り返し周波数150kHzでの規定値は7.0Wとされ、繰り返し周波数200kHzでの規定値は4.0Wとされる。
【0135】
出力診断ユニット86により繰り返し周波数ごとに測定されたレーザービームLの出力は、合否判定部92bにより対応する繰り返し周波数での規定値以上あるか否かが判定される。合否判定部92bは、例えば、制御部92の補助記憶装置に記憶される第2のプログラムである。
【0136】
合否判定部92bは、繰り返し周波数ごとに測定されたレーザービームLの出力が、対応する繰り返し周波数での規定値以上である場合に合格(即ち、正常である)と判定し、対応する繰り返し周波数での規定値未満である場合に不合格(即ち、異常である)と判定する。
【0137】
上述のビーム径測定ユニット94eは、X軸方向移動板56の四隅のうち例えば一箇所に設けられている。ビーム径測定ユニット94eは、直方体状の筐体を有し、この筐体の頂部にはスリット状及び/又は円形の開口が形成されている。
【0138】
筐体の内部には、不図示のパワーメータが配置されている。パワーメータは、頂部の開口を通過したレーザービームLのパワー(W)を測定する。制御部92の補助記憶装置には、レーザービームLが開口で遮られずに当該パワーメータに入射する場合の出力が繰り返し周波数ごとに予め記憶されている。
【0139】
ビーム径測定ユニット94eに入射するレーザービームLは、その径が大きいと筐体の頂部で一部が遮られる。それゆえ、レーザービームLの径が大きいほどパワーメータで測定される出力が小さくなり、レーザービームLの径が小さいほどパワーメータで測定される出力が大きくなる。
【0140】
レーザービームLの径と、パワーメータで測定される出力と、の関係を規定する数式又はテーブルは、制御部92の補助記憶装置に予め記憶されている。制御部92は、Qスイッチを制御することで繰り返し周波数を段階的に変更して、レーザービームLの径を繰り返し周波数ごとにビーム径測定ユニット94eで診断する。
【0141】
この様に、制御部92は、インゴット11を加工していない空き時間に、繰り返し周波数ごとにレーザービームLの径や出力を診断し、レーザービーム照射ユニット82が正常に動作するか否かを診断する。
【0142】
図6は、剥離装置4Cの側面図である。
図6では、構成要素の一部をブロックで示す。
図6にそれぞれ示される、X軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向(鉛直方向)とは、互いに直交する。
【0143】
剥離装置4Cは、インゴット11を負圧で吸引保持する円盤状のチャックテーブル102を有する。チャックテーブル102は、上述のチャックテーブル66と略同じであり、金属製の枠体と、多孔質セラミックス製の多孔質板と、を有する。
【0144】
枠体の流路には真空ポンプ等の吸引源104が接続されている。吸引源104で発生させた負圧は多孔質板へ伝達可能である。枠体及び多孔質板の上面は、略面一になっており、インゴット11の底面を吸引保持する保持面102aとして機能する。
【0145】
チャックテーブル102は、X軸方向移動機構20と同様のボールねじ式のX軸方向移動機構106でX軸方向に沿って移動可能に構成されている。チャックテーブル102の上方には、剥離ユニット(即ち、被処理物に対して処理を行う処理ユニット)108が設けられている。
【0146】
剥離ユニット108は、円柱状の支持部材110を有する。支持部材110には、Z軸方向移動機構30と同様のボールねじ式のZ軸方向移動機構112が連結されている。支持部材110の下端部には、円盤状の吸引ヘッド114が固定されている。
【0147】
吸引ヘッド114は、金属製で円盤状の枠体を有する。枠体の下面側には、枠体よりも小径である円盤状の凹部が形成されている。凹部には、多孔質セラミックスで形成された円盤状の多孔質板が嵌め込まれ、接着剤等により枠体に対して固定されている。
【0148】
枠体の下面と、多孔質板の下面とは、略面一であり、インゴット11の頂面を吸引保持する吸引面114aとして機能する。吸引面114aは、保持面102aと略平行に配置されている。
【0149】
剥離層13を境にインゴット11からウェーハ15(
図7参照)を剥離する際には、インゴット11の底面を保持面102aで吸引保持すると共に、吸引ヘッド114の吸引面114aでインゴット11の頂面を吸引保持する。
【0150】
次いで、インゴット11に外力を付与する。外力の付与は、例えば、インゴット11の側面に対して剥離層13の高さ位置に楔(不図示)を打ち込むことで行われる。楔はインゴット11の側面の一箇所だけでなく、インゴット11の周方向に沿って複数箇所打ち込む方が好ましい。
【0151】
外力を付与することで、剥離層13が形成されている所定の深さ位置において、インゴット11の頂面と略平行に更にクラックが延伸する。なお、楔の打ち込みに代えて、インゴット11に対して超音波(即ち、20kHzを超える周波数帯域の弾性振動波)を印加することで外力を付与してもよい。
【0152】
外力を付与した後、
図7に示す様に、吸引ヘッド114を上昇させる。これにより、剥離層13を起点にインゴット11からウェーハ15が剥離される(剥離工程)。
図7は、インゴット11からウェーハ15を剥離する様子を示す図である。
【0153】
吸引源104、X軸方向移動機構106、Z軸方向移動機構112等の動作は、剥離装置4Cの制御部116により制御される。制御部116は、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ(不図示)と、メモリ(不図示)と、を有し、剥離装置4Cのコントローラとして機能する。
【0154】
メモリは、主記憶装置と、補助記憶装置と、を含む。補助記憶装置には、所定のプログラムを含むソフトウェアが記憶されている。このソフトウェアに従いプロセッサを動作させることによって、制御部116の機能が実現される。
【0155】
制御部116は、吸引源104、X軸方向移動機構106、Z軸方向移動機構112等等(即ち、剥離装置4C自身)が正常に動作するか否かを診断するために所定の診断項目について診断を行う1以上の診断ユニット118を備える。
【0156】
1以上の診断ユニット118は、ホストコンピュータ10からの指令に従い、剥離装置4Cの構成要素を診断する。1以上の診断ユニット118は、X軸用変位測定器118aを含む。X軸用変位測定器118aは、X軸用変位測定器34aと略同じ構成を有する光学式のリニアエンコーダであるので、詳細な説明を省略する。
【0157】
制御部116は、X軸方向移動機構106の駆動源へ電流を供給するための回路等を含むX軸用ドライバ(不図示)を有し、X軸用ドライバで指示したチャックテーブル102の移動量が実現されているか否かを、X軸用変位測定器118aで診断する。
【0158】
1以上の診断ユニット118は、Z軸用変位測定器118bを含む。Z軸用変位測定器118bは、Z軸用変位測定器34bと略同じ構成を有する光学式のリニアエンコーダであるので、詳細な説明を省略する。
【0159】
制御部116は、Z軸方向移動機構112の駆動源へ電流を供給するための回路等を含むZ軸用ドライバ(不図示)を有し、Z軸用ドライバで指示した支持部材110の移動量が実現されているか否かを、Z軸用変位測定器118bで診断する。
【0160】
1以上の診断ユニット118は、チャックテーブル102を構成する枠体の流路に接続された空間に設けられた圧力センサ118cを含む。圧力センサ118cは、圧力センサ34cと略同じ構成を有するので、詳細な説明を省略する。
【0161】
また、1以上の診断ユニット118は、吸引ヘッド114を構成する枠体の流路に接続された空間に設けられた圧力センサ118dを含む。圧力センサ118dは、圧力センサ34cと略同じ構成を有するので、詳細な説明を省略する。
【0162】
制御部116は、チャックテーブル102の多孔質板の目詰まりの程度を、圧力センサ34cと同様に、圧力センサ118cで診断する。同様に、制御部116は、吸引ヘッド114の多孔質板の目詰まりの程度を、圧力センサ118dで診断する。
【0163】
制御部116は、インゴット11を加工していない空き時間に、X軸方向移動機構106、Z軸方向移動機構112等が正常に動作するか、チャックテーブル102の多孔質板や吸引ヘッド114の多孔質板が異常に目詰まりしていないか、を診断する。
【0164】
次に、搬送ユニット6と、各処理装置4と、の間に設けられる開閉装置8について
図8(A)及び
図8(B)を参照して説明する。
図8(A)及び
図8(B)は、処理装置4から搬送ユニット6に向かう方向で開閉装置8を見た場合の開閉装置8の背面図である。
【0165】
図8(A)は、開状態の開閉装置8Aを示す図である。開閉装置8Aは、第1の搬送ロボット(不図示)が研削装置4Aへインゴット11を搬入する際、及び、研削装置4Aからインゴット11を搬出する際に開状態となる。
【0166】
開閉装置8Aは、金属製で門型の支持機構120を有する。支持機構120は、Z軸方向に沿って配置された一対の脚部120a,120bを有する。一対の脚部120a,120bの上端部の近傍には、Y軸方向に沿う水平支持部120cが固定されている。
【0167】
水平支持部120c上には、水平板122が固定されている。水平板122上にはそれぞれ円筒状の一対のリニアブッシュ124が固定されている。リニアブッシュ124は、円筒の高さ方向がZ軸方向に沿って配置されている。
【0168】
各リニアブッシュ124の貫通孔(不図示)には、円柱状のシャフト126が移動可能に挿入されている。各シャフト126は、その長手方向がZ軸方向に沿って配置されており、水平板122に形成されている貫通孔(不図示)に挿入されている。各シャフト126の上端部は、ブラケット126a及びボルトによりシャッタ128に固定されている。
【0169】
また、一方のシャフト126の下端部は、ブラケット126b及びボルトによりシャッタ128に固定されているが、他方のシャフト126の下端部は、ブラケット126bよりも横長のブラケット126c及びボルトによりシャッタ128に固定されている。
【0170】
水平板122上には円筒状のシリンダを有するアクチュエータ130が設けられている。アクチュエータ130は、円筒の高さ方向がZ軸方向に沿って配置されている。
【0171】
アクチュエータ130は、例えば、ロッド132をステッピングモータ等の駆動源(不図示)で進退させることができるボールねじ式の電動シリンダである。アクチュエータ130の動作は、研削装置4Aの制御部32により制御される。
【0172】
ロッド132の下端部は、ブラケット126cに係合している。ロッド132の下端部を下方に移動させれば、シャッタ128が降下し、研削装置4Aの基台とシャッタ128との間に位置する矩形状の開口128aは徐々に閉じられる。
【0173】
図8(B)は、開口128aがシャッタ128で閉じられた閉状態の開閉装置8Aを示す図である。開口128aを開く場合には、ロッド132の下端部を上方に移動させる。上述した研削装置4Aにおける1以上の診断ユニット34は、アクチュエータ130用の変位測定器134を含む。
【0174】
変位測定器134は、光学式のリニアエンコーダであり、ブラケット126cに設けられたヘッド部134aを有する。Z軸方向に沿って脚部120bに設けられた不図示のスケールからの反射光をヘッド部134aが受光することで、ブラケット126cの移動量やシャッタ128の下端の位置が特定される。
【0175】
制御部32は、アクチュエータ130の駆動源へ電流を供給するための回路を含むドライバ(不図示)を有し、ドライバで指示した移動量が実現されているか否かを、変位測定器134で診断する。
【0176】
なお、開閉装置8Aと同様の構造を有する開閉装置8B,8Cについては、説明を省略する。レーザー加工装置4Bも剥離装置4Cも、変位測定器(不図示)を有する。各変位測定器により、開閉装置8B,8Cの動作の適否が診断される。
【0177】
次に、
図9及び
図10を参照して、処理装置4の空き時間の一例を説明する。
図9及び
図10では、説明の便宜上、処理システム2を簡略化し、且つ、3つのインゴット11をそれぞれ丸で示す。また、丸の中に、インゴット11を区別するための符号を示す。
【0178】
図9は、研削装置4Aの空き時間の例を説明する図である。
図9に示す縦軸は時間tであり、各時間tにおける各処理装置4の状況が時間tの右側に示されている。
【0179】
図9に示す例では、説明の便宜上、時間t=0において、研削装置4Aでは剥離工程後の第1のインゴット11Aの研削加工(処理)が開始され、レーザー加工装置4Bでは研削工程後の第2のインゴット11Bのレーザー加工(処理)が開始され、剥離装置4Cではレーザー加工後の第3のインゴット11Cの剥離加工(処理)が開始されるとする。
【0180】
その後、時間t=aにおいて、研削装置4Aでの第1のインゴット11Aの研削加工が完了するが、レーザー加工装置4Bでの第2のインゴット11Bのレーザー加工と、剥離装置4Cでの第3のインゴット11Cの剥離加工とは、継続している。
【0181】
その後、時間t=a+d1において、研削装置4Aから搬送ユニット6への第1のインゴット11Aの搬送が完了する。時間t=aから時間t=a+d1の間、レーザー加工装置4Bでの第2のインゴット11Bのレーザー加工と、剥離装置4Cでの第3のインゴット11Cの剥離加工とは、継続している。
【0182】
その後、時間t=c(>a+d1)において(不図示)、剥離装置4Cでの第3のインゴット11Cの剥離加工が完了する。そして、時間t=c+d2において、剥離装置4Cから搬送ユニット6への第3のインゴット11Cの搬送が完了する。
【0183】
その後、時間t=c+d3(d3>d2)において、搬送ユニット6による剥離装置4Cの近傍から研削装置4Aの近傍への第3のインゴット11Cの搬送が完了する。
【0184】
更にその後、時間t=c+d3+d1において、搬送ユニット6から研削装置4Aへの第3のインゴット11Cの搬送が完了する。
【0185】
時間t=cから時間t=c+d3+d1の間、第1のインゴット11Aは搬送ユニット6で待機し、レーザー加工装置4Bでの第2のインゴット11Bのレーザー加工は継続している。
【0186】
この状況において、時間t=a+d1(被処理物の処理終了のタイミング)から時間t=c+d3+d1(次の処理開始のタイミング)までのT1(=c+d3-a)が、研削装置4Aの空き時間となる。
【0187】
図10は、剥離装置4Cの空き時間の例を説明する図である。
図10に示す時間t=c+d
2、及び、時間t=c+d
3+d
1は、
図9と重複している。また、この間の時間t=c+d
3の図示を省略している。
【0188】
図9と同様に、
図10に示す縦軸は時間tであり、各時間tにおける各処理装置4の状況が時間tの右側に示されている。時間t=c+d
3+d
1後の時間t=bにおいて(不図示)、レーザー加工装置4Bでの第2のインゴット11Bのレーザー加工が完了する。
【0189】
そして、時間t=b+d4において、レーザー加工装置4Bから搬送ユニット6への第2のインゴット11Bの搬送が完了する。時間t=bから時間t=b+d4の間、第1のインゴット11Aの待機は継続し、研削装置4Aでの第3のインゴット11Cの研削加工は継続している。
【0190】
その後、時間t=b+d4+d5において、搬送ユニット6による研削装置4Aの近傍からレーザー加工装置4Bの近傍への第1のインゴット11Aの搬送が完了し、搬送ユニット6によるレーザー加工装置4Bの近傍から剥離装置4Cの近傍への第2のインゴット11Bの搬送が完了する。時間t=b+d4から時間t=b+d4+d5の間、研削装置4Aでの第3のインゴット11Cの研削加工は継続している。
【0191】
その後、時間t=b+d4+d5+d2において、搬送ユニット6からレーザー加工装置4Bへの第1のインゴット11Aの搬送が完了し、搬送ユニット6から剥離装置4Cへの第2のインゴット11Bの搬送が完了する。
【0192】
なお、搬送ユニット6からレーザー加工装置4Bへの第1のインゴット11Aの搬送に要する時間d5は、説明の便宜上、搬送ユニット6から剥離装置4Cへの第2のインゴット11Bの搬送に要する時間d2よりも小さい(即ち、d5<d2)としている。
【0193】
この状況において、剥離装置4Cの空き時間は、時間t=c+d2(被処理物の処理終了のタイミング)から時間t=b+d4+d5+d2(次の処理開始のタイミング)までのT2(=b+d4+d5-c)となる。
【0194】
本実施形態の処理システム2では、ホストコンピュータ10が、各処理装置4の空き時間に診断ユニット34,94,118を動作させて、各処理装置4が正常に動作するか否かを診断する。
【0195】
それゆえ、処理装置4においてインゴット11に対する処理を開始できる状態であるにも関わらず処理装置4の動作が正常か否かを診断するために処理装置4でのインゴット11の処理を停止又は中断させる場合に比べて、処理システム2における生産性の低下の度合いを低減できる。
【0196】
上述の例では、研削装置4Aの空き時間T1と、剥離装置4Cの空き時間T2と、について述べたが、レーザー加工装置4Bの空き時間(不図示)があってもよい。レーザー加工装置4Bの空き時間には、1以上の診断ユニット94(出力診断ユニット86を含む)を動作させてレーザー加工装置4Bが正常に動作するか否を診断する。
【0197】
ところで、全ての処理装置4に空き時間が生じなくてもよい。少なくとも1つの処理装置4に空き時間が生じるのであれば、空き時間に処理装置4の診断を行うことで、処理システム2における生産性の低下の度合いを低減できる。
【0198】
なお、処理システム2では、研削装置4Aのみに空き時間が生じてもよく、レーザー加工装置4Bのみに空き時間が生じてもよく、剥離装置4Cのみに空き時間が生じてもよく、2つの処理装置4には空き時間が生じるが1つの処理装置4には常に空き時間が生じなくてもよい。
【0199】
次に、診断の実行態様について更に詳しく説明する。上述の様に、研削装置4Aは、空き時間に、表1に示す第1から第4の診断項目の1つ以上について診断を行うことができる。
【0200】
【0201】
なお、研削装置4Aにおける第1から第4の診断項目の各々は、更に細分化されることもある。例えば、第4の診断項目については、電流値を段階的に上昇させることで、複数の診断工程に分割可能である。
【0202】
レーザー加工装置4Bは、空き時間に、表2に示す第1から第6の診断項目の1つ以上について診断を行うことができる。
【0203】
【0204】
なお、レーザー加工装置4Bにおける第1から第6の診断項目の各々は、更に細分化されることもある。例えば、第5及び第6の診断項目については、レーザービームLの繰り返し周波数を段階的に上昇させることで、複数の診断工程に分割可能である。
【0205】
剥離装置4Cは、空き時間に、表3に示す第1から第4の診断項目の1つ以上について診断を行うことができる。なお、剥離装置4Cにおける第1から第4の診断項目の各々は、更に細分化されることもある。
【0206】
【0207】
各処理装置4の空き時間に上述の診断を行うためには、まず、ホストコンピュータ10の空き時間計算部10cが(
図2参照)、
図9及び
図10に示すスケジュールに基づいて、少なくとも一の処理装置4におけるインゴット11の処理終了から次の処理開始までの空き時間を計算する。
【0208】
次に、ホストコンピュータ10は、所要時間記憶部10dに記憶されている各診断項目の所要時間と、空き時間と、を比較して、実行可能な診断項目を選定する。表4は、所要時間の一例を示す。なお、表1において、所要時間の長さは、a’<b’<c’<d’<e’である。
【0209】
【0210】
例えば、研削装置4Aの空き時間T1は、d’よりも長く、e’よりも短い(即ち、d’<T1<e’)。この場合、診断項目εを除く、診断項目α、β、γ及びδが、実行可能な診断項目として選定される。
【0211】
そして、ホストコンピュータ10は、この空き時間T1内に実行可能な1以上の診断項目のうち、前回実行してから現在に至るまでの経過時間TAが最も長い診断項目について診断を行う。これにより、処理装置4の1以上の構成要素がいつまでも診断されずに放置されるという事態を防止できる。
【0212】
表5では、表4に経過時間TAを併せて示す。なお、診断項目εについては、空き時間T1内では実行不可能なので除外される(表5では、この除外を横線で示す)。
【0213】
表5において、経過時間TAの長さは、C’が最も長い(なお、D’<B’<A’<C’である)。この場合、最長の経過時間TAであるC’に対応する診断項目γについて、診断が行われる。
【0214】
【0215】
ところで、ホストコンピュータ10は、空き時間内に実行可能な1以上の診断項目のうち前回診断を行ってからの経過時間TAを推奨実行間隔TBで割った値(=TA/TB)が最も大きい診断項目が、経過時間TAが最も長い診断項目と異なる場合には、経過時間TAが最も長い診断項目に代えて、TA/TBの値が最も大きい診断項目について診断を行ってもよい。
【0216】
TA/TBの値が最も大きい診断項目を優先することで、経過時間TAが長く(即ち、診断がしばらく行われず放置されている)、且つ、推奨実行間隔TBが短い(即ち、頻繁に診断を行うことが好ましい)診断項目の診断を優先して行うことができる。
【0217】
表6では、表5に、推奨実行間隔TBと、TA/TBの値と、を併せて示す。表6の例では、TA/TBの値が最大(B’/β’=80%)の診断項目βについて、診断が行われる。
【0218】
【0219】
ところで、ホストコンピュータ10は、空き時間内に実行可能な1以上の診断項目であっても、空き時間内には実行可能ではない1以上の診断項目であっても、診断項目を細分化することで、この診断項目の診断を部分的に実行してもよい。
【0220】
具体的には、ホストコンピュータ10は、1つの診断項目を複数の診断工程に分割した上で、分割された複数の診断工程のうち、空き時間計算部10cが計算した空き時間内に収まる1以上の診断工程を行う。
【0221】
表7は、レーザー加工装置4Bにおいて、レーザービームLの出力が規定値以上か否かを診断する出力診断を、繰り返し周波数ごと第1から第4の診断工程に分割した例を示す。
【0222】
【0223】
合否判定部92bは、繰り返し周波数ごとに測定されたレーザービームLの出力が、対応する繰り返し周波数での規定値以上である場合に合格と判定し、同規定値未満である場合に不合格と判定する。
【0224】
例えば、第1から第4の診断工程の各々を行うに当たり、1つの診断工程では、周波数の設定と、出力の測定と、で10分の時間を要する場合、空き時間が15分であれば、出力診断を行うことができない。そこで、空き時間が15分である場合には、第1から第4の診断工程のうち1つの診断工程を行い、残りの3つの診断工程は、後続する空き時間に行う。
【0225】
これにより、1つの診断項目の全体を行うには空き時間が足りない場合であっても、1つの診断項目の一部を実行できるので、1つの診断項目を複数の診断工程に分割しない場合に比べて、空き時間を有効利用できる。
【0226】
なお、制御部92は、ビーム径測定ユニット94eを用いたビーム径を診断するビーム径診断を、繰り返し周波数ごとに複数の診断工程に分割した上で、空き時間内に収まる1以上の診断工程を行ってもよい。
【0227】
(第2の実施形態)次に、
図11を参照し、第2の実施形態について説明する。
図11は、第2の実施形態に係る処理システム142のブロック図である。第2の実施形態の処理システム142は、搬送ユニット6を有さず、作業者144が各インゴット11の搬送を行う。係る点が第1の実施形態と異なる。なお、
図11では、作業者144によるインゴット11の搬送を破線矢印で示す。
【0228】
その他、上述の実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。例えば、被処理物は、インゴット11に限定されず、ウェーハ15よりも厚い所定厚さを有する単結晶基板であってもよい。
【0229】
また、診断に要する所要時間が空き時間に収まる限り、上述の様に、1つの診断項目のみの診断を行ってもよく、異なる複数の診断項目の診断を並列的に行ってもよい。更に、複数の診断項目のそれぞれを複数の診断工程に分割した上で、上述の様に、1つの診断項目における1以上の診断工程を行ってもよく、異なる診断項目における1以上の診断工程を並列的に行ってもよい。
【0230】
ところで、複数の処理装置4として、研削装置4A、レーザー加工装置4B及び剥離装置4Cに代えて、テープマウンタ、切削装置等(いずれも不図示)でウェーハ15を順次処理する際に、処理システム2,142を構成してもよい。
【0231】
この場合、まず、複数のウェーハ15が収容されている第1のカセット(不図示)から、1つのウェーハ15が搬出され、テープマウンタ(処理装置)へ搬入される。
【0232】
テープマウンタは、ウェーハ15の径よりも大きい内径を有する金属製の環状フレーム(不図示)の開口部にウェーハ15を配置した状態で、ウェーハ15の一面と、環状フレームの一面、に樹脂製のダイシングテープを貼り付けて、フレームユニットを形成する。
【0233】
テープマウンタは、ウェーハ15及び環状フレームを保持する円盤状の保持テーブルを有する。保持テーブルの上面には、多孔質板が露出しており、保持テーブルの上面は負圧を伝達可能に構成されている。
【0234】
また、保持テーブルは、ボールねじ式の移動機構により所定方向に移動可能に構成されている。保持テーブルの上方には、長尺のダイシングテープをウェーハ15及び環状フレームに押し当てるための円柱状のローラ(処理ユニット)が設けられている。
【0235】
また、ウェーハ15及び環状フレームに貼り付けられたダイシングテープを円形に切り取るための切り刃を含む切取ユニット(処理ユニット)が、ローラと干渉しない態様で設けられている。
【0236】
テープマウンタは、移動機構により移動させられる保持テーブルの移動量がドライバで指示された通りに実現されているか否かを変位測定器(診断ユニット)で診断する。テープマウンタは、ローラや切取ユニットが適切に動作するか否かを診断する診断ユニットや開閉装置が適切に動作するか否かを診断する診断ユニットを更に有してもよい。
【0237】
ダイシングテープを介してウェーハ15が環状フレームと一体化されたフレームユニットを形成した後、次いで、テープマウンタから切削装(処理装置)置へ搬送され、ウェーハ15に設定されている切削予定ラインに沿ってウェーハ15の切削が行われる。
【0238】
切削装置は、円盤状のチャックテーブルを有する。チャックテーブルの上面には、多孔質板が露出しており、チャックテーブルの上面は負圧を伝達可能に構成されている。また、チャックテーブルは、ボールねじ式の移動機構により所定方向(加工送り方向)に移動可能に構成されている。
【0239】
チャックテーブルよりも上方には、切削ユニット(処理ユニット)が設けられている。切削ユニットは、円柱状のスピンドルを有する。スピンドルの長手方向は、加工送り方向と直交する割り出し送り方向に沿って配置されている。スピンドルの基端部の近傍にはサーボモータ等の回転駆動源が設けられている。
【0240】
スピンドルの先端部には、円環状の切り刃を含む切削ブレードが装着されている。切削ユニットは、ボールねじ式の高さ方向移動機構により高さ方向(加工送り方向及び割り出し送り方向に直交する方向)に沿って移動可能に構成されている。
【0241】
この高さ方向移動機構は、ボールねじ式の割り出し送り方向移動機構により、割り出し送り方向に沿って移動可能に構成されている。高さ方向移動機構は、回転する切削ブレードの下端の高さ位置(即ち、ウェーハ15に対する切り込み深さ)を調節する。
【0242】
切削装置は、加工送り方向の移動機構、高さ方向移動機構及び割り出し送り方向移動機構により実現される移動量がドライバで指示された通りに実現されているか否かを変位測定器(診断ユニット)で診断する。
【0243】
また、切削装置は、切削ブレードの外周部に破損(欠け)が無いか否かを診断するための光学式の破損検出診断ユニットや開閉装置が適切に動作するか否かを診断する診断ユニットを更に有してもよい。切削装置で切削されたウェーハ15は、フレームユニットの状態で切削装置から搬出され、後続する加工工程を担う他の処理装置へと搬送される。
【符号の説明】
【0244】
2,142:処理システム
4:処理装置、4A:研削装置、4B:レーザー加工装置、4C:剥離装置
6:搬送ユニット、7a,7b,7c,7d,7e,7f:矢印
8,8A,8B,8C:開閉装置
10:ホストコンピュータ(コントローラ)、10a:プロセッサ、10b:メモリ
10c:空き時間計算部、10d:所要時間記憶部
10e:経過時間記憶部、10f:推奨実行間隔記憶部
11:インゴット(被処理物)
11A:第1のインゴット、11B:第2のインゴット、11C:第3のインゴット
12:チャックテーブル、12a:回転軸、14:吸引源、16:回転駆動源
13:剥離層、15:ウェーハ
18:移動板、20:X軸方向移動機構
22:研削ユニット(処理ユニット)、24:スピンドル、24a:回転駆動源
26:ホイールマウント、28:研削ホイール、28a:基台、28b:研削砥石
30:Z軸方向移動機構
32:制御部
34:診断ユニット
34a:X軸用変位測定器、34b:Z軸用変位測定器
34c:圧力センサ、34d:電流センサ
40:基台、44:Y軸ガイドレール、46:Y軸方向移動板
48:ねじ軸、50:駆動源、52:Y軸方向移動機構
54:X軸ガイドレール、56:X軸方向移動板、58:ねじ軸、60:駆動源
62:X軸方向移動機構
64:テーブル基台、66:チャックテーブル、66a:保持面、68:吸引源
70:支持構造、72:Z軸方向移動機構、74:Z軸ガイドレール
76:Z軸方向移動板、78:駆動源、80:支持具
82:レーザービーム照射ユニット(処理ユニット)、82a:レーザー発振器
84:ハウジング、86:出力診断ユニット
86a:出力測定素子(診断ユニット)、86b:ロッド、86c:アクチュエータ
88:ヘッド部、88a:ミラー、88b:集光レンズ、90:顕微鏡カメラユニット
92:制御部
92a:周波数変更部、92b:合否判定部、94:診断ユニット
94a:Y軸用変位測定器、94b:X軸用変位測定器、94c:圧力センサ
94d:Z軸用変位測定器、94e:ビーム径測定ユニット
102:チャックテーブル、102a:保持面、104:吸引源
106:X軸方向移動機構
108:剥離ユニット(処理ユニット)、110:支持部材、112:Z軸方向移動機構
114:吸引ヘッド、114a:吸引面
116:制御部
118:診断ユニット、118a:X軸用変位測定器、118b:Z軸用変位測定器
118c,118d:圧力センサ
120:支持機構、120a,120b:脚部、120c:水平支持部、122:水平板
124:リニアブッシュ、126:シャフト
126a,126b,126c:ブラケット
128:シャッタ、128a:開口、130:アクチュエータ、132:ロッド
134:変位測定器、134a:ヘッド部
144:作業者
A1:測定位置、A2:非測定位置、L:レーザービーム、T1,T2:空き時間