(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119243
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置、電源システム、及びプラズマ処理方法
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240827BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
H01L21/302 105Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026007
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】玉虫 元
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084BB05
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC15
2G084CC16
2G084CC17
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD24
2G084DD38
2G084DD53
2G084DD55
2G084FF15
2G084HH05
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH23
2G084HH25
2G084HH28
2G084HH29
2G084HH56
5F004AA01
5F004BA09
5F004BA14
5F004BA20
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BC02
5F004BC03
5F004BC08
5F004CA03
5F004CA06
5F004CB05
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA28
(57)【要約】
【課題】電気バイアスの波形周期内でロードパワーレベルを変更する技術を提供する。
【解決手段】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持部、高周波電源、及びバイアス電源を含む。基板支持部は、チャンバ内に設けられている。高周波電源は、チャンバ内でガスからプラズマを生成するためにソース高周波電力を供給するように構成されている。バイアス電源は、基板支持部に電気的に結合されており、波形周期を有する電気バイアスを周期的に基板支持部に供給するように構成されている。高周波電源は、電気バイアスの波形周期内でソース高周波電力のソース周波数を調整してソース高周波電力のロードパワーレベルを変化させるように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバと、
前記チャンバ内に設けられた基板支持部と、
前記チャンバ内でガスからプラズマを生成するためにソース高周波電力を供給するように構成された高周波電源と、
前記基板支持部に電気的に結合されており、波形周期を有する電気バイアスを周期的に前記基板支持部に供給するように構成されたバイアス電源と、
を備え、
前記高周波電源は、前記電気バイアスの前記波形周期内で前記ソース高周波電力のソース周波数を調整して前記ソース高周波電力のロードパワーレベルを変化させるように構成されている、プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記高周波電源は、前記ソース周波数を調整して前記波形周期内で前記ロードパワーレベルをパルス状に変化させるように構成されている、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記高周波電源は、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整するように構成されている、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記高周波電源は、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整するように構成されている、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記高周波電源は、
第1の期間内で、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くなり、
前記第1の期間とは別の第2の期間内で、前記波形周期内の前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、該波形周期内の前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも低くなる、
ように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整するように構成されている、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記高周波電源は、
前記ソース周波数を有する高周波信号を発生するように構成された信号発生器と、
前記高周波信号を増幅して前記ソース高周波電力を発生するように構成された増幅器と、
を含み、
前記信号発生器は、指定されたパワーレベルを有する前記ソース高周波電力を該高周波電源において発生するよう前記ソース周波数に応じて前記高周波信号のパワーレベルを調整するように構成されている、請求項1~5の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記電気バイアスは、前記波形周期の時間長と同じ長さの時間間隔で周期的に発生される電圧パルスであるか、前記波形周期の時間長の逆数であるバイアス周波数を有するバイアス高周波電力である、請求項1~5の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
プラズマ処理装置のチャンバ内でガスからプラズマを生成するためにソース高周波電力を供給するように構成された高周波電源と、
前記チャンバ内に設けられた基板支持部に電気的に結合されており、波形周期を有する電気バイアスを周期的に前記基板支持部に供給するように構成されたバイアス電源と、
を備え、
前記高周波電源は、前記電気バイアスの前記波形周期内で前記ソース高周波電力のソース周波数を調整して前記ソース高周波電力のロードパワーレベルを変化させるように構成されている、電源システム。
【請求項9】
(a)プラズマ処理装置のチャンバ内でプラズマを生成するために高周波電源からソース高周波電力を供給する工程と、
(b)前記チャンバ内に設けられた基板支持部上の基板に前記プラズマからイオンを引き込むために、バイアス電源から前記基板支持部に波形周期を有する電気バイアスを供給する工程と、
を含み、
前記(a)は、前記電気バイアスの前記波形周期内で前記ソース高周波電力のソース周波数を調整して前記ソース高周波電力のロードパワーレベルを変化させることを含む、プラズマ処理方法。
【請求項10】
前記(a)は、前記ソース周波数を調整して前記波形周期内で前記ロードパワーレベルをパルス状に変化させることを含む、請求項9に記載のプラズマ処理方法。
【請求項11】
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記(a)は、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整することを含む、
請求項9に記載のプラズマ処理方法。
【請求項12】
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記(a)は、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも低くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整することを含む、
請求項9に記載のプラズマ処理方法。
【請求項13】
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記(a)は、
(a1)第1の期間内で、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整ことと、
(a2)前記第1の期間とは別の第2の期間内で、前記波形周期内の前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、該波形周期内の前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも低くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整することと、
を含む、
請求項9に記載のプラズマ処理方法。
【請求項14】
前記基板は、第1の膜及び第2の膜を含み、前記第1の膜は、前記第2の膜上に設けられており、
前記(a1)において、前記第1の膜がエッチングされ、
前記(a2)において、前記第2の膜がエッチングされる、
請求項13に記載のプラズマ処理方法。
【請求項15】
前記第1の膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2の膜は、シリコン酸化膜である、
請求項14に記載のプラズマ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、プラズマ処理装置、電源システム、及びプラズマ処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置が、基板に対するプラズマ処理において用いられている。プラズマ処理装置では、チャンバ内で生成されたプラズマからイオンを基板に引き込むために、バイアス高周波電力が用いられる。下記の特許文献1は、バイアス高周波電力のパワーレベル及び周波数を変調するプラズマ処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、電気バイアスの波形周期内でロードパワーレベルを変更する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持部、高周波電源、及びバイアス電源を含む。基板支持部は、チャンバ内に設けられている。高周波電源は、チャンバ内でガスからプラズマを生成するためにソース高周波電力を供給するように構成されている。バイアス電源は、基板支持部に電気的に結合されており、波形周期を有する電気バイアスを周期的に基板支持部に供給するように構成されている。高周波電源は、電気バイアスの波形周期内でソース高周波電力のソース周波数を調整してソース高周波電力のロードパワーレベルを変化させるように構成されている。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態によれば、波形周期内でのソース周波数の調整により電気バイアスの波形周期内でロードパワーレベルが変更される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。
【
図2】容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3の(b)の各々は、電気バイアスの波形の例を示す図である。
【
図4】一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置に関連するタイミングチャートである。
【
図5】一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置に関連するタイミングチャートである。
【
図6】一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置に関連するタイミングチャートである。
【
図7】一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置に関連するタイミングチャートである。
【
図8】一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の流れ図である。
【
図9】
図9の(a)~
図9の(c)の各々は、一例の基板の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0009】
図1は、プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。一実施形態において、プラズマ処理システムは、プラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理システムは、基板処理システムの一例であり、プラズマ処理装置1は、基板処理装置の一例である。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
【0010】
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP:CapacitivelyCoupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-Resonance Plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。
【0011】
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラム可能なロジックデバイスであってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
【0012】
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての容量結合型のプラズマ処理装置の構成例について説明する。
図2は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【0013】
容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源システム30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
【0014】
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
【0015】
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。
【0016】
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
【0017】
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
【0018】
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
【0019】
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する少なくとも1つの流量変調デバイスを含んでもよい。
【0020】
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0021】
電源システム30は、高周波電源31及びバイアス電源32を含む。高周波電源31は、一実施形態のプラズマ生成部12を構成する。高周波電源31は、ソース高周波電力HFを発生するように構成されている。ソース高周波電力HFは、ソース周波数fSを有する。即ち、ソース高周波電力HFは、その周波数がソース周波数fSである正弦波状の波形を有する。ソース周波数fSは、10MHz~150MHzの範囲内の周波数であり得る。
【0022】
高周波電源31は、整合器33を介して高周波電極に電気的に接続されており、ソース高周波電力HFを高周波電極に供給するように構成されている。高周波電極は、基板支持部11内に設けられていてもよい。高周波電極は、基台1110の導電性部材又はセラミック部材1111a内に設けられた少なくとも一つの電極であってもよい。或いは、高周波電極は、上部電極であってもよい。ソース高周波電力HFが高周波電極に供給されると、チャンバ10内のガスからプラズマが生成される。
【0023】
整合器33は、可変インピーダンスを有する。整合器33の可変インピーダンスは、ソース高周波電力HFの負荷からの反射を低減するよう、設定される。整合器33は、例えば制御部2によって制御され得る。
【0024】
一実施形態において、高周波電源31は、信号発生器31g、D/A変換器31c、及び増幅器31aを含んでいてもよい。信号発生器31gは、ソース周波数fSを有する高周波信号を発生する。信号発生器31gは、プログラム可能なプロセッサ又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラム可能なロジックデバイスから構成されていてもよい。
【0025】
信号発生器31gの出力は、D/A変換器31cの入力に接続されている。D/A変換器31cは、信号発生器31gからの高周波信号をアナログ信号に変換する。D/A変換器31cの出力は、増幅器31aの入力に接続されている。増幅器31aは、D/A変換器31cからのアナログ信号を増幅して、ソース高周波電力HFを生成する。増幅器31aの増幅率は、制御部2から高周波電源31に指定される。なお、高周波電源31は、D/A変換器31cを含んでいなくてもよい。この場合には、信号発生器31gの出力は、増幅器31aの入力に接続され、増幅器31aは、信号発生器31gからの高周波信号を増幅して、ソース高周波電力HFを生成する。
【0026】
バイアス電源32は、基板支持部11に電気的に結合されている。バイアス電源32は、基板支持部11内のバイアス電極に電気的に接続されており、電気バイアスEBをバイアス電極に供給するように構成されている。バイアス電極は、基台1110の導電性部材又はセラミック部材1111a内に設けられた少なくとも一つの電極であってもよい。バイアス電極は、高周波電極と共通であってもよい。電気バイアスEBがバイアス電極に供給されると、プラズマからのイオンが基板Wに引き付けられる。
【0027】
以下、
図2と共に
図3(a)及び
図3の(b)を参照する。
図3(a)及び
図3の(b)の各々は、電気バイアスの波形の例を示す図である。バイアス電源32は、波形周期CYを有する電気バイアスEBをバイアス電極に周期的に与えるように構成されている。即ち、電気バイアスEBは、波形周期CYの繰り返しである複数の波形周期CYの各々においてバイアス電極に与えられる。波形周期CYは、バイアス周波数で規定される。バイアス周波数は、例えば50kHz以上、27MHz以下の周波数である。波形周期CYの時間長は、バイアス周波数の逆数である。
【0028】
図3の(a)に示すように、電気バイアスEBは、バイアス周波数を有するバイアス高周波電力LFであってもよい。即ち、電気バイアスEBは、その周波数がバイアス周波数である正弦波状の波形を有していてもよい。この場合には、バイアス電源32は、整合器34を介して、バイアス電極に電気的に接続される。整合器34の可変インピーダンスは、バイアス高周波電力LFの負荷からの反射を低減するよう、設定される。
【0029】
或いは、
図3の(b)に示すように、電気バイアスEBは、電圧パルスVPを含んでいてもよい。電圧パルスVPは、波形周期CY内においてバイアス電極に印加される。電圧パルスVPは、波形周期CYの時間長と同じ長さの時間間隔で周期的にバイアス電極に印加される。電圧パルスVPの波形は、矩形波、三角波、又は任意の波形であり得る。電圧パルスVPの電圧の極性は、基板Wとプラズマとの間に電位差を生じさせてプラズマからのイオンを基板Wに引き込むことができるように設定される。電圧パルスVPは、基板Wの電位が負電位である期間を波形周期CYが含むようにバイアス電極に印加される。バイアス電極に印加される電圧パルスVPは、負電位を有してもよく、正電位を有してもよく、或いは、正の電位と負の電位との間で変化する電位を有していてもよい。電圧パルスVPは、負の電圧のパルス又は負の直流電圧のパルスであってもよい。なお、電気バイアスEBが電圧パルスVPである場合には、プラズマ処理装置1は整合器34を備えていなくてもよい。
【0030】
図2に示すように、プラズマ処理装置1は、センサ35及び/又はセンサ36を更に備えていてもよい。センサ35は、ソース高周波電力HFの負荷からの反射波のパワーレベルPrを測定するように構成されている。センサ35は、例えば方向性結合器を含む。方向性結合器は、高周波電源31と整合器33との間に設けられていてもよい。センサ35は、ソース高周波電力HFの進行波のパワーレベルPfを更に測定するように構成されていてもよい。センサ35によって測定された反射波のパワーレベルPrは、高周波電源31に通知される。加えて、進行波のパワーレベルPfが、センサ35から高周波電源31に通知されてもよい。センサ35は、反射率、即ち、Pr/Pfを高周波電源31に通知してもよい。反射率は、高周波電源31においてパワーレベルPf及びパワーレベルPrから特定されてもよい。センサ35は、ロードパワーレベルP
L、即ち、(Pf-Pr)を高周波電源31に通知してもよい。ロードパワーレベルP
Lは、パワーレベルPf及びパワーレベルPrから高周波電源31において特定されてもよい。
【0031】
センサ36は、電圧センサ及び電流センサを含む。センサ36は、高周波電源31と高周波電極とを互いに接続する給電路における電圧VS及び電流ISを測定するように構成されている。ソース高周波電力HFは、この給電路を経由して高周波電極に供給される。センサ36は、高周波電源31と整合器33との間に設けられていてもよい。電圧VS及び電流ISは、高周波電源31に通知される。センサ36は、電圧VS及び電流ISから特定した高周波電源31の負荷のインピーダンスZLを高周波電源31に通知してもよい。インピーダンスZLは、高周波電源31において電圧VS及び電流ISから特定されてもよい。センサ36は、電圧VS及び電流ISから特定した位相差θを高周波電源31に通知してもよい。位相差θは、高周波電源31において電圧VS及び電流ISから特定されてもよい。センサ36は、電圧VS及び電流ISから特定した反射係数Γを高周波電源31に通知してもよい。反射係数Γは、高周波電源31において電圧VS及び電流ISから特定されてもよい。
【0032】
以下、
図2と共に
図4~
図7を参照する。
図4~
図7の各々は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置に関連するタイミングチャートである。
図4~
図7の各々は、電気バイアスEB、ソース周波スf
S、反射波のパワーレベルPr、及びロードパワーレベルP
Lの時間変化の例を示している。
【0033】
図4~
図7に示すように、高周波電源31は、波形周期CY内の各位相でのソース周波数f
Sを調整するように構成されている。ソース周波数f
Sは、高周波電源31において決定され得る。ソース周波数f
Sは、高周波電源31の信号発生器31gにおいて決定されてもよい。以下の説明では、ソース周波数f
Sの決定に関連する処理が、高周波電源31において行われる例について説明する。しかしながら、当該処理は、信号発生器31gとは別の電源制御部において決定されてもよい。電源制御部は、高周波電源31内に設けられていてもよく、高周波電源31の外部に設けられていてもよい。電源制御部は、制御部2であってもよい。
【0034】
図4~
図7に示すように、波形周期CYは、第1の位相期間P
N及び第2の位相期間P
Pを含む。第1の位相期間P
Nは、波形周期CY内の一部期間である。一実施形態において、第1の位相期間P
Nは、基板支持部11上に載置された基板Wの電位が負の電位である期間であってもよい。別の実施形態において、第1の位相期間P
Nは、基板Wの電位が波形周期CY内の基板Wの平均電位より低い期間であってもよい。第2の位相期間P
Pは、波形周期CY内の第1の位相期間P
N以外の期間である。第1の位相期間P
N及び第2の位相期間P
Pの各々は、波形周期CY内で予め定められていてもよい。或いは、第1の位相期間P
N及び第2の位相期間P
Pは、センサによって取得される下部電極の電位から高周波電源31において特定されてもよい。
【0035】
図4の例において、高周波電源31は、波形周期CY内の各位相でのソース高周波電力HFの反射の度合いを低く保つように、波形周期CY内の各位相でのソース周波数f
Sを調整することができる。即ち、
図4の例において、高周波電源31は、波形周期CY内の各位相でのソース周波数f
Sを整合周波数に設定している。
図4の例において、高周波電源31は、波形周期CY内の各位相でのパワーレベルPr、反射率、インピーダンスZ
L、位相差θ、又は反射係数Γとして特定される反射の度合いを低減させるように、波形周期CYの繰り返しにおいて各位相でのソース周波数f
Sを最適化してもよい。なお、
図4の例では、第1の位相期間P
N及び第2の位相期間P
Pの各々において、ソース周波数f
S、即ち整合周波数は一定である。しかしながら、第1の位相期間P
N及び第2の位相期間P
Pの各々において、整合周波数は、変化してもよい。
【0036】
一実施形態において、高周波電源31は、波形周期CY内のソース周波数f
Sを調整して、ソース高周波電力HFのロードパワーレベルP
Lを変化させるように構成されている。
図5~
図7に示すように、高周波電源31は、波形周期CY内のソース周波数f
Sを調整して、ロードパワーレベルP
Lをパルス状に変化させるように構成されていてもよい。
【0037】
図5の例において、高周波電源31は、第1の位相期間P
NにおけるロードパワーレベルP
Lが、第2の位相期間P
PにおけるロードパワーレベルP
Lよりも高くなるように、波形周期CY内でソース周波数f
Sを調整するように構成されている。このため、第2の位相期間P
Pにおけるソース周波数f
Sは、第2の位相期間P
Pにおける反射波のパワーレベルPrが第1の位相期間P
NにおけるパワーレベルPrよりも高くなるよう、整合周波数とは異なる周波数に設定される。
図5の例において、第1の位相期間P
Nにおけるソース周波数f
Sは、整合周波数に設定されてもよい。
【0038】
図5の例では、第1の位相期間P
Nは、基板支持部11上でのシース(プラズマシース)が厚い期間である。
図5の例では、第1の位相期間P
Nにおいて、ロードパワーレベルP
Lが比較的高くなる。したがって、プラズマ密度分布の均一性が改善され、プラズマ処理の面内均一性が改善される。
【0039】
図6の例において、高周波電源31は、第2の位相期間P
PにおけるロードパワーレベルP
Lが、第1の位相期間P
NにおけるロードパワーレベルP
Lよりも高くなるように、波形周期CY内でソース周波数f
Sを調整するように構成されている。このため、第1の位相期間P
Nにおけるソース周波数f
Sは、第1の位相期間P
Nにおける反射波のパワーレベルPrが第2の位相期間P
PにおけるパワーレベルPrよりも高くなるよう、整合周波数とは異なる周波数に設定される。
図6の例において、第2の位相期間P
Pにおけるソース周波数f
Sは、整合周波数に設定されてもよい。
【0040】
図6の例では、第2の位相期間P
Pは、基板支持部11上でのシース(プラズマシース)が薄い期間である。
図6の例では、第2の位相期間P
Pにおいて、ロードパワーレベルP
Lが比較的高くなる。したがって、プラズマ生成効率が改善されて、高いプラズマ処理レート(例えば、エッチングレート)が得られる。
【0041】
図7の例において、高周波電源31は、第1の期間P1内の波形周期CYにおいては、
図5の例と同様にソース周波数f
Sを調整する。また、高周波電源31は、第2の期間P2内の波形周期CYにおいては、
図6の例と同様にソース周波数f
Sを調整する。第2の期間P2は、第1の期間P1の後の期間である。
【0042】
別の例においては、高周波電源31は、第1の期間P1内の波形周期CYにおいては、
図6の例と同様にソース周波数f
Sを調整し、第2の期間P2内の波形周期CYにおいては、
図5の例と同様にソース周波数f
Sを調整してもよい。
【0043】
図5~
図7の各例及び上記の別の例の各々において、第1の位相期間P
N及び第2の位相期間P
Pの各々におけるソース周波数f
Sは、予め定められていてもよい。或いは、高周波電源31は、第1の位相期間P
N及び第2の位相期間P
Pの各々における各位相でのロードパワーレベルP
Lを指定されたパワーレベルに調整するよう、波形周期CYの繰り返しにおいて各位相でのソース周波数f
Sを調整してもよい。なお、
図5~
図7の各例では、第1の位相期間P
N及び第2の位相期間P
Pの各々において、ソース周波数f
Sは一定である。しかしながら、第1の位相期間P
N及び第2の位相期間P
Pの各々において、ソース周波数f
Sは変化してもよい。
【0044】
以上説明したように、プラズマ処理装置1は、波形周期CY内でのソース周波数fSの調整により、電気バイアスEBの波形周期CY内でロードパワーレベルPLを変更することが可能である。また、プラズマ処理装置1は、ソース周波数fSの調整によりロードパワーレベルPLを変更することが可能であるので、低コストの増幅器31aを用いることが可能である。
【0045】
一実施形態において、信号発生器31gは、指定されたパワーレベルを有するソース高周波電力HFを高周波電源31において発生するよう、ソース周波数fSに応じて高周波信号のパワーレベル(又は信号レベル)を調整するように構成されていてもよい。増幅器31aの増幅率は周波数特性を有することがある。この場合には、信号発生器31gは、波形周期CY内の各位相でのソース周波数fSに応じた増幅器31aの増幅率の下で、指定されたパワーレベルを有するソース高周波電力HFを高周波電源31において発生するよう、高周波信号のパワーレベルを調整する。
【0046】
以下、
図8を参照して、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法について説明する。
図8は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の流れ図である。以下では、プラズマ処理装置1を用いる場合を例にとって、
図8に示すプラズマ処理方法(以下、「方法MT」という)について説明する。方法MTは、プラズマ処理装置1における各部に対する制御部2による制御により行われ得る。なお、方法MTは、他のプラズマ処理装置において行われてもよい。
【0047】
図8に示すように、方法MTは、工程STa及び工程STbを含んでいる。工程STaでは、プラズマ処理装置1のチャンバ10内でプラズマを生成するために、高周波電源31からソース高周波電力HFが供給される。工程STaが行われているときには、ガス供給部20から処理ガスがチャンバ10内に供給される。また、チャンバ10内の圧力が、指定された圧力に排気システム40によって調整される。
【0048】
工程STbでは、基板支持部11上の基板Wにプラズマからイオンを引き込むために、電気バイアスEBがバイアス電源32から基板支持部11に周期的に供給される。
【0049】
工程STaは、波形周期CY内でソース周波数fSを調整してソース高周波電力HFのロードパワーレベルPLを変化させることを含む。一実施形態において、工程STaは、ソース周波数fSを調整して波形周期CY内でロードパワーレベルPLをパルス状に変化させることを含んでいてもよい。
【0050】
一実施形態において、工程STaは、
図5に示すように、第1の位相期間P
NにおけるロードパワーレベルP
Lが第2の位相期間P
PにおけるロードパワーレベルP
Lよりも高くなるように、波形周期CY内でソース周波数f
Sを調整することを含んでいてもよい。
【0051】
別の実施形態において、工程STaは、
図6に示すように、第2の位相期間P
PにおけるロードパワーレベルP
Lが、第1の位相期間P
NにおけるロードパワーレベルP
Lよりも高くなるように、波形周期CY内でソース周波数f
Sを調整することを含んでいてもよい。
【0052】
更に別の実施形態において、工程STaは、
図7に示すように、第1の期間P1内の波形周期CYでは、
図5の例と同様にソース周波数f
Sを調整し、第2の期間P2内の波形周期CYでは、
図6の例と同様にソース周波数f
Sを調整することを含んでいてもよい。更に別の実施形態において、工程STaは、第1の期間P1内の波形周期CYでは、
図6の例と同様にソース周波数f
Sを調整し、第2の期間P2内の波形周期CYでは、
図5の例と同様にソース周波数f
Sを調整することを含んでいてもよい。
【0053】
図9の(a)~
図9の(c)の各々は、一例の基板の部分拡大断面図である。方法MTは、
図9の(a)に示す基板Wに適用されてもよい。
図9の(a)に示す基板Wは、第1の膜F1及び第2の膜F2を含んでいる。基板Wは、マスクMK及び下地領域URを更に含んでいてもよい。第2の膜F2は、下地領域UR上に設けられている。第1の膜F1は、第2の膜F2上に設けられている。マスクMKは、第1の膜F1上に設けられている。マスクMKは、第1の膜F1に転写されるパターンを有している。即ち、マスクMKは、開口を提供している。
【0054】
第1の膜F1及び第2の膜F2は、互いに異なる材料から形成されていてもよい。第1の膜F1及び第2の膜F2は、互いに異なるシリコン含有膜であってもよい。第1の膜F1及び第2の膜F2は、互いに異なる誘電体膜であってもよい。一例では、第1の膜F1はシリコン窒化膜であり、第2の膜F2はシリコン酸化膜である。
【0055】
方法MTでは、
図9の(b)に示すように、第1の期間P1において第1の膜F1がエッチングされてもよい。第1の期間P1においては、
図5に示すように波形周期CY内でロードパワーレベルP
Lが調整されるので、第1の膜F1が高い面内均一性でエッチングされ得る。また、
図9の(c)に示すように、第2の期間P2において第2の膜F2がエッチングされてもよい。第2の期間P2においては、
図6に示すように波形周期CY内でロードパワーレベルP
Lが調整されるので、第2の膜F2が高いエッチングレートでエッチングされ得る。
【0056】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0057】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E15]に記載する。
【0058】
[E1]
チャンバと、
前記チャンバ内に設けられた基板支持部と、
前記チャンバ内でガスからプラズマを生成するためにソース高周波電力を供給するように構成された高周波電源と、
前記基板支持部に電気的に結合されており、波形周期を有する電気バイアスを周期的に前記基板支持部に供給するように構成されたバイアス電源と、
を備え、
前記高周波電源は、前記電気バイアスの前記波形周期内で前記ソース高周波電力のソース周波数を調整して前記ソース高周波電力のロードパワーレベルを変化させるように構成されている、プラズマ処理装置。
【0059】
[E2]
前記高周波電源は、前記ソース周波数を調整して前記波形周期内で前記ロードパワーレベルをパルス状に変化させるように構成されている、E1に記載のプラズマ処理装置。
【0060】
[E3]
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記高周波電源は、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整するように構成されている、
E1又はE2に記載のプラズマ処理装置。
【0061】
[E4]
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記高周波電源は、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整するように構成されている、
E1又はE2に記載のプラズマ処理装置。
【0062】
[E5]
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記高周波電源は、
第1の期間内で、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くなり、
前記第1の期間とは別の第2の期間内で、前記波形周期内の前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、該波形周期内の前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも低くなる、
ように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整するように構成されている、
E1又はE2に記載のプラズマ処理装置。
【0063】
[E6]
前記高周波電源は、
前記ソース周波数を有する高周波信号を発生するように構成された信号発生器と、
前記高周波信号を増幅して前記ソース高周波電力を発生するように構成された増幅器と、
を含み、
前記信号発生器は、指定されたパワーレベルを有する前記ソース高周波電力を該高周波電源において発生するよう前記ソース周波数に応じて前記高周波信号のパワーレベルを調整するように構成されている、E1~E5の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0064】
[E7]
前記電気バイアスは、前記波形周期の時間長と同じ長さの時間間隔で周期的に発生される電圧パルスであるか、前記波形周期の時間長の逆数であるバイアス周波数を有するバイアス高周波電力である、E1~E6の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
【0065】
[E8]
プラズマ処理装置のチャンバ内でガスからプラズマを生成するためにソース高周波電力を供給するように構成された高周波電源と、
前記チャンバ内に設けられた基板支持部に電気的に結合されており、波形周期を有する電気バイアスを周期的に前記基板支持部に供給するように構成されたバイアス電源と、
を備え、
前記高周波電源は、前記電気バイアスの前記波形周期内で前記ソース高周波電力のソース周波数を調整して前記ソース高周波電力のロードパワーレベルを変化させるように構成されている、電源システム。
【0066】
[E9]
(a)プラズマ処理装置のチャンバ内でプラズマを生成するために高周波電源からソース高周波電力を供給する工程と、
(b)前記チャンバ内に設けられた基板支持部上の基板に前記プラズマからイオンを引き込むために、バイアス電源から前記基板支持部に波形周期を有する電気バイアスを供給する工程と、
を含み、
前記(a)は、前記電気バイアスの前記波形周期内で前記ソース高周波電力のソース周波数を調整して前記ソース高周波電力のロードパワーレベルを変化させることを含む、プラズマ処理方法。
【0067】
[E10]
前記(a)は、前記ソース周波数を調整して前記波形周期内で前記ロードパワーレベルをパルス状に変化させることを含む、E9に記載のプラズマ処理方法。
【0068】
[E11]
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記(a)は、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整することを含む、
E9又はE10に記載のプラズマ処理方法。
【0069】
[E12]
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記(a)は、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも低くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整することを含む、
E9又はE10に記載のプラズマ処理方法。
【0070】
[E13]
前記波形周期は、第1の位相期間と該第1の位相期間に対して残り期間である第2の位相期間を含み、
前記(a)は、
(a1)第1の期間内で、前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも高くるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整ことと、
(a2)前記第1の期間とは別の第2の期間内で、前記波形周期内の前記第1の位相期間における前記ロードパワーレベルが、該波形周期内の前記第2の位相期間における前記ロードパワーレベルよりも低くなるように、前記波形周期内で前記ソース周波数を調整することと、
を含む、
E9又はE10に記載のプラズマ処理方法。
【0071】
[E14]
前記基板は、第1の膜及び第2の膜を含み、前記第1の膜は、前記第2の膜上に設けられており、
前記(a1)において、前記第1の膜がエッチングされ、
前記(a2)において、前記第2の膜がエッチングされる、
E13に記載のプラズマ処理方法。
【0072】
[E15]
前記第1の膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2の膜は、シリコン酸化膜である、
E14に記載のプラズマ処理方法。
【0073】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0074】
1…プラズマ処理装置、10…チャンバ、11…基板支持部、31…高周波電源、32…バイアス電源。