(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011925
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240118BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240118BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240118BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 303
G06F3/12 373
H04N1/00 E
B41J29/42 F
B41J29/38 801
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114279
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】吉川 尚貴
(72)【発明者】
【氏名】納谷 航
(72)【発明者】
【氏名】吉村 耕司
(72)【発明者】
【氏名】南 広一郎
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AR01
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】ユーザに推奨する印刷設定を決定する際に、過去に推奨した印刷設定が使用されたか否かに関する履歴を利用すること。
【解決手段】ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶する記憶部と、前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定する判断部と、前記ユーザに前記推奨設定を通知する通知部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶する記憶部と、
前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定する判断部と、
前記ユーザに前記推奨設定を通知する通知部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記推奨設定が使用されなかった回数から、前記推奨設定が使用された回数を減算した値を用いて、前記推奨設定を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判断部は、前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴における、予め定めた件数の最新の履歴のみ、又は予め定めた期間の最新の履歴のみを用いて、前記推奨設定を決定する、請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記ユーザが属するユーザグループごとに前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を記憶し、
前記判断部は、前記ユーザが属する前記ユーザグループに対応する前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記推奨設定を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに推奨した前記設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶する記憶部と、
前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する推奨設定を決定する判断部と、
前記ユーザに前記推奨設定を通知する通知部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
ユーザが操作する端末装置と、前記端末装置と通信が可能な画像形成装置を有する情報処理システムであって、
前記画像形成装置は、
ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶する記憶部と、
前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定する判断部と、
前記ユーザに前記推奨設定を前記端末装置に送信する通知部と、
を有し、
前記端末装置は、
前記画像形成装置から受信した前記推奨設定を表示する表示制御部と、
前記ユーザによる前記機能に関する設定を行うための操作と、前記機能を実行するための操作を受け付ける操作受付部と、
前記機能の実行を要求するメッセージを前記画像形成装置に送信する通信部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶するステップと、
前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定するステップと、
前記ユーザに前記推奨設定を通知するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項8】
ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶するステップ、
前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定するステップ、
前記ユーザに前記推奨設定を通知するステップ、
を情報処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置などを用いて印刷を行う場合、ユーザは、両面印刷、カラー印刷、集約印刷、印刷用紙などの設定項目について予め設定を行う必要がある。特許文献1には、ユーザの印刷実行履歴に基づいて、推奨する印刷設定を通知する技術が公開されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、ユーザに推奨する印刷設定を決定する際に、過去に推奨した印刷設定が使用されたか否かに関する履歴を利用することができなかった。このため、推奨した印刷設定が使用されなかった場合、次回以降に印刷を実行する時に、ユーザに適した別の印刷設定を推奨することが困難であった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、ユーザに推奨する印刷設定を決定する際に、過去に推奨した印刷設定が使用されたか否かに関する履歴を利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶する記憶部と、前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定する判断部と、前記ユーザに前記推奨設定を通知する通知部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、過去に推奨した印刷設定が使用されたか否かに関する履歴を利用してユーザに推奨する印刷設定を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る情報処理装置及び端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る推奨印刷設定の通知処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る推奨印刷設定の決定処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る印刷履歴の一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る設定IDを用いた印刷履歴の一例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る設定項目ごとに集計した印刷履歴の一例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る推奨印刷設定の通知画面の一例を示す図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略図の一例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、企業内におけるローカルエリアネットワーク等の通信ネットワーク2に接続する画像形成装置9、端末装置5、及び情報処理装置4を有する。画像形成装置9は、ユーザによるログイン要求を受け付け、ログイン後に、過去にユーザが印刷を実行した履歴とユーザに推奨した印刷設定の履歴に基づいて、推奨する印刷設定を決定し、決定した推奨印刷設定を端末装置5に送信する。端末装置5は、画像形成装置9から受信した推奨印刷設定を画面に表示し、ユーザによる印刷実行の操作を受け付ける。ユーザは、推奨された印刷設定を用いて印刷するか、別の印刷設定を用いて印刷するかを決定した後、印刷の実行を要求する。画像形成装置9は、ユーザの要求に基づいて印刷を実行し、ユーザに推奨した印刷設定とユーザが設定した印刷設定を履歴として記憶する。ここで、画像形成装置9が実行する一部の処理(推奨印刷設定を決定する処理等)を情報処理装置4が実行するようにしてもよい。以上により、情報処理システム1は、過去に推奨した印刷設定が使用されたか否かに関する情報を利用して、ユーザに推奨する印刷設定を決定することが可能である。これにより、推奨した印刷設定をユーザが使用しなかった場合、次回以降における印刷実行時において、ユーザに適した別の印刷設定を推奨することも可能である。また、情報処理システム1は、印刷に関する設定だけでなく、ファックス、スキャナ等の印刷以外の機能における設定に対しても同様に、ユーザに推奨する設定を決定することが可能である。ここで、ユーザが使用した機能に関する設定を含む履歴を機能実行履歴、推奨した機能に関する設定の履歴を推奨設定履歴と呼んでもよい。
【0010】
なお、
図1に示す情報処理システム1のシステム構成は一例である。例えば、情報処理装置4は、通信ネットワーク2でなく、画像形成装置9に接続されていてもよい。また、画像形成装置9、端末装置5、及び情報処理装置4は、1台に限らず、任意の台数であってよい。さらに、通信ネットワーク2には、例えば、移動体通信、又は無線LAN等の無線通信による接続区間が含まれていても良い。
【0011】
<ハードウェア構成例(画像形成装置)>
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されているように、画像形成装置9(あるいは、MFP、Multifunction Peripheral/Product/Printerと呼ばれる)は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0012】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0013】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置9の全体を制御する。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0014】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0015】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0016】
近距離通信回路920は、ICカードなどに記憶された利用者の認証情報などを読込むためのカードリーダ920aを有する。
【0017】
操作パネル940は、利用者による入力を受け付けるタッチパネル940aとテンキー940bを有する。また、タッチパネル940aは、画像形成装置9が実行するアプリケーション画面などを表示する。
【0018】
<ハードウェア構成例(情報処理装置4、端末装置5)>
図3は、本発明の実施形態に係る情報処理装置4及び端末装置5のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置4及び端末装置5はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0019】
これらのうち、CPU501は、情報処理装置4及び端末装置5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0020】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWドライブ514は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0021】
<機能について>
図4は、本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。画像形成装置9は、通信部10、認証部11、判断部12、通知部13、及び印刷部14を有する。これら各部は、画像形成装置9にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。また、記憶部15は、例えば、画像形成装置9が有するHD909などの記憶装置によって実現可能である。
【0022】
通信部10は、画像形成装置9が有する通信機能であり、通信ネットワーク2を介して端末装置5と情報の送受信を行う。
【0023】
認証部11は、ユーザ認証を実行する。ユーザ認証は、例えば、ユーザが入力した認証情報(ログインIDとパスワード)と認証部11が保持する認証情報を照合することにより行なう。
【0024】
判断部12は、過去にユーザが印刷を実行した履歴(印刷履歴)とユーザに推奨した印刷設定(推奨印刷設定)の履歴に基づいて、推奨する印刷設定を決定する。印刷履歴及び決定方法の詳細については後述する。
【0025】
通知部13は、判断部12が決定した推奨印刷設定をユーザが操作する端末装置5に送信することにより通知する。或いは、通知部13は、判断部12が決定した推奨印刷設定をユーザが操作する端末装置5に表示するための画面情報を生成して、生成した画面情報を端末装置5に送信することにより通知する。
【0026】
印刷部14は、ユーザによる印刷実行の要求に応じて、ユーザにより指定された印刷設定を用いて印刷を実行する。
【0027】
記憶部15は、過去にユーザが印刷を実行した印刷設定を含む履歴(印刷履歴)、及びユーザに推奨した印刷設定(推奨印刷設定)の履歴を記憶する。また、記憶部15は、判断部12からの要求に応じて、記憶した印刷履歴及び推奨印刷設定の履歴を判断部12に送信する。
【0028】
端末装置5は、通信部20、表示制御部21、および操作受付部22を有する。これら各部は、端末装置5にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。また、記憶部23は、例えば、端末装置5が有するHD504などの記憶装置によって実現可能である。
【0029】
通信部20は、端末装置5が有する通信機能であり、通信ネットワーク2を介して画像形成装置9と情報の送受信を行う。
【0030】
表示制御部21は、受信した画面情報を用いて、推奨印刷設定の通知画面などを端末装置5に表示する。
【0031】
操作受付部22は、端末装置5のキーボードやポインティングデバイスを介して、ユーザによる、印刷などの機能に関する設定、及び印刷などの機能を実行するための、文字入力やボタンの押下などの操作を受け付ける。
【0032】
記憶部23は、ユーザに通知された推奨印刷設定を通常使用する印刷設定(デフォルト設定)として記憶する。
【0033】
<推奨印刷設定通知処理>
図5は、本発明の実施形態に係る推奨印刷設定の通知処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスにおいて、ユーザは、印刷を実行するために、端末装置5を操作して、画像形成装置9にログインする。画像形成装置9は、過去にユーザが印刷を実行した履歴とユーザに推奨した印刷設定の履歴に基づいて、推奨する印刷設定を決定し、決定した推奨設定を端末装置5に通知する。以下、
図5の各ステップの処理について説明する。
【0034】
ステップS40:端末装置5の操作受付部22は、ユーザによる画像形成装置9にログインするための、ログインIDとパスワードを入力する操作等を受け付ける。端末装置5の通信部20は、ログインを要求するメッセージを画像形成装置9の通信部10に送信する。メッセージは、ログインIDとパスワードを含む。
【0035】
ステップS41:画像形成装置9の通信部10は、ユーザ認証の実行を要求するメッセージを画像形成装置9の認証部11に送信する。メッセージは、ログインIDとパスワードを含む。
【0036】
ステップS42:画像形成装置9の認証部11は、ユーザ認証を実行する。ユーザ認証は、例えば、受信した認証情報(ログインIDとパスワード)と認証部11が保持する認証情報を照合することにより行なう。認証部11が保持する認証情報は、ユーザIDに対応するパスワード、及びユーザが所属するグループに関する情報(即ち、ユーザIDに対応するグループID)を含む。ここで、ユーザ認証は成功したとして以降の処理を進める。
【0037】
ステップS43:画像形成装置9の認証部11は、ユーザ情報として、ユーザIDとユーザが所属するグループのグループIDの記憶を要求するメッセージを記憶部15に送信する。メッセージは、ユーザIDとグループIDを含む。
【0038】
ステップS44:画像形成装置9の通信部10は、ユーザに推奨する印刷設定の決定を要求するメッセージを画像形成装置9の判断部12に送信する。
【0039】
ステップS45:画像形成装置9の判断部12は、印刷履歴と推奨設定履歴を要求するメッセージを画像形成装置9の記憶部15に送信する。
【0040】
ステップS46:画像形成装置9の記憶部15は、印刷履歴と推奨設定履歴を画像形成装置9の判断部12に送信する。或いは、画像形成装置9の記憶部15は、印刷履歴と推奨設定履歴が記憶されている場所を特定できる情報(ファイル名等)を画像形成装置9の判断部12に送信するようにしてもよい。
【0041】
ステップS47:画像形成装置9の判断部12は、受信した印刷履歴と推奨設定履歴に基づいて、ユーザに推奨する印刷設定を決定する。ここで、判断部12が行うユーザに推奨する印刷設定の決定方法について詳細に説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る推奨設定の決定処理に関するフローチャートの一例を示す図である。以下、
図6の各ステップの処理について説明する。
【0042】
ステップS60:画像形成装置9の判断部12は、
図5のステップS46で受信した印刷履歴に基づいて、過去にユーザが最も多く使用した印刷設定を取得する。取得方法の詳細については、後述する。
【0043】
ステップS61:画像形成装置9の判断部12は、ステップS60で取得した印刷設定を過去にユーザに推奨した際に、ユーザが推奨した印刷設定を使用しなかった回数(N1)がX回以上ある場合は、処理をステップS62に遷移させ、そうでない場合は、処理をステップS63に遷移させる。ここで、Xの値は、予め定めた所定の値であり、ユーザにより値を設定する(例えば、記憶部15がユーザごとにXの値を記憶する)ことを可能としてもよい。N1の算出方法については後述する。
【0044】
ステップS62:画像形成装置9の判断部12は、次にユーザが最も多く使用した印刷設定を取得した後、取得した印刷設定に対して、ステップS61の処理を実行する。
【0045】
ステップS63:画像形成装置9の判断部12は、ステップS61における条件を満たさなかった印刷設定をユーザに推奨する印刷設定と決定する。
【0046】
<印刷設定使用回数の取得方法>
図6のステップS60とステップS62において、印刷履歴に基づいて使用回数が多い印刷設定を取得する方法について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る印刷履歴の一例を示す図である。
図7の印刷履歴70は、履歴番号71、ユーザID72、グループID73、印刷日時74の項目に加え、印刷設定の項目として、両面印刷75、カラー印刷76、集約印刷77、ステープル78、用紙種類79の5つの項目、及び推奨設定使用有無80の項目を有する。
【0047】
履歴番号71は、印刷を実行するごとに割当てられる番号である。
【0048】
ユーザID72は、印刷を実行したユーザのユーザIDである。
【0049】
グループID73は、印刷を実行したユーザが所属するグループ(ユーザグループ)のグループIDである。
【0050】
印刷日時74は、印刷が実行された日時である。
【0051】
両面印刷75は、印刷用紙の両面に印刷するか否かに関する設定項目であり、両面に印刷する場合は「する」、片面のみに印刷する場合は「しない」と表示する。
【0052】
カラー印刷76は、カラー印刷をするか否かに関する設定項目であり、カラー印刷をする場合は「カラー」、カラー印刷をしない場合は「モノクロ」と表示する。
【0053】
集約印刷77は、集約印刷をするか否かに関する設定項目であり、集約しない場合は「なし」、2ページ又は4ページを1ページに集約する場合はそれぞれ「2in1」「4in1」と表示する。
【0054】
ステープル78は、金属製の針で複数の用紙を結合する(ホチキス留めとも呼ぶ)機能に関する設定項目であり、機能を使用する場合は「あり」、使用しない場合は「なし」と表示する。
【0055】
用紙種類79は、印刷で使用する用紙の種類に関する設定項目であり、使用される用紙の種類に応じて「普通紙」「薄紙」「厚紙」等を表示する。
【0056】
推奨設定使用有無80は、ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かを示す項目であり、使用された場合は「有」、使用されなかった場合は「無」と表示する。更に、「無」の場合は、印刷実行前にユーザに推奨された印刷設定に関する情報(両面印刷75、カラー印刷76、集約印刷77、ステープル78、用紙種類79)が含まれる。
【0057】
印刷履歴70に基づいてユーザが最も多く使用した印刷設定を取得するには、ユーザID72の項目でユーザを特定した後、各印刷設定(設定項目の組合せで定まる)に対して、印刷が実行された回数(履歴が存在する数)を算出すればよい。また、推奨した印刷設定をユーザが使用しなかった回数(N1)を取得するには、ユーザID72の項目でユーザを特定した後、推奨設定使用有無80が「無」である履歴に対して、推奨設定使用有無80に記録されている印刷設定の数を算出すればよい。また、
図6のステップS61において、推奨した印刷設定をユーザが使用しなかった回数(N1)ではなく、ユーザに推奨された際に、ユーザがその印刷設定を使用しなかった回数をN1から減算した値(N2)、或いは、更に、推奨されなかった(別の印刷設定が推奨された)が、ユーザに選択されることで使用された回数をN2から減算した値(N3)を用いてもよい。N1と同様に、N2及びN3の値についても、推奨設定使用有無80に含まれる情報を用いることにより算出することが可能である。
【0058】
また、印刷設定の取得及び回数の算出において、予め定めた直近の件数(例えば最新の10件の履歴)、或いは、予め定めた期間(例えば、現在の日時から10日以内等の直近の日時)の履歴のみを用いるようにしてもよい。
【0059】
また、印刷設定の取得及び回数の算出において、該当するユーザが所属するグループ単位の履歴を用いてもよい。即ち、該当するユーザのユーザID72を用いて特定される履歴を用いるではなく、ユーザが所属するグループ(ユーザグループ)のグループID73で特定される履歴を用いる。
【0060】
また、印刷履歴70において、推奨設定使用有無80に関する情報は、それ以外の情報と別に記憶するようにしてもよい。即ち、実行された印刷設定に関する情報とユーザに推奨した印刷設定に関する情報を別々に記憶してもよい。例えば、印刷履歴70から推奨設定使用有無80を除いた履歴情報(印刷実行履歴)と、履歴番号71(又は印刷日時74)と推奨設定使用有無80を含む履歴情報(推奨設定履歴)を別々に記憶する。また、ユーザ又はユーザグループごと(ユーザID72又はグループIDごと)に履歴情報を別々に記憶するようにしてもよい。
【0061】
<設定IDを用いた印刷履歴>
図7の印刷履歴70を用いて、
図6の推奨設定の決定処理を実行する場合、印刷が実行されるごとに、毎回、各印刷設定の使用回数を算出する必要がある。そこで、印刷履歴を記憶する別の方法として、印刷設定を特定するIDを用いて、印刷設定ごとの使用回数を集計して記憶してもよい。
図8は、本発明の実施形態に係る設定IDを用いた印刷履歴の一例を示す図である。
図8の印刷履歴90は、設定ID91、設定内容92、設定使用回数93、推奨設定不使用回数94、及び印刷実行履歴95の項目を有する。
【0062】
設定ID91は、印刷設定に関する項目の組合せごとに定まる印刷設定を特定するために割り当てられる識別子(ID、Identification)である。予め全ての印刷設定の組合せに対して識別子を割り当てておいてもよいし、ある印刷設定が初めて使用された際に、その印刷設定に対して識別子を割り当てるようにしてもよい。
【0063】
設定内容92は、設定ID91で特定される印刷設定の内容である。例えば、
図7の印刷履歴70における印刷設定に関する5つの項目(両面印刷75、カラー印刷76、集約印刷77、ステープル78、用紙種類79)の内容を示す。
【0064】
設定使用回数93は、設定ID91で特定される印刷設定が過去に使用された回数である。
【0065】
推奨設定不使用回数94は、設定ID91で特定される印刷設定が、ユーザに推奨された際に、ユーザがその印刷設定を使用しなかった回数(N1)、即ち、前述の
図6のステップS61で使用される回数(N1)である。前述の
図7の印刷履歴70等と同様に、ユーザに推奨された際に、ユーザがその印刷設定を使用しなかった回数をN1から減算した値(N2)、或いは、更に、推奨されなかった(別の印刷設定が推奨された)が、ユーザに選択されることで使用された回数をN2から減算した値(N3)を用いてもよい。
【0066】
印刷実行履歴95は、設定ID91で特定される印刷設定に関する印刷実行履歴であり、印刷が実行された日時に加えて、設定ID91で特定される印刷設定がどのように利用されたかについての情報を含む。「推奨設定使用」は、設定ID91で特定される印刷設定が、印刷実行前に推奨印刷設定としてユーザに通知され、ユーザが通知された推奨印刷設定を使用して印刷を実行したことを示す。「設定使用(非推奨)」は、設定ID91で特定される印刷設定が推奨された印刷設定ではなかったが、ユーザに選択されることで使用された場合を示す。「推奨設定不使用」は、設定ID91で特定される印刷設定が印刷実行前に推奨されたが、使用されなかった、即ちユーザは別の印刷設定を用いて印刷を実行したことを示す。
【0067】
図8の印刷履歴90は、ユーザ単位、又はユーザが所属するグループ(ユーザグループ)単位で作成する。従って、
図5のシーケンス図のステップS45、S48、S54等において、印刷履歴90の情報を記憶部15に要求する(読み出す)場合、又は記憶する場合は、ユーザID又はグループIDを用いて、該当するユーザが用いる印刷履歴90を指定する。ユーザグループ単位で印刷履歴を作成する場合、例えば、同一のグループ内で印刷する文書の種類が同じであり、印刷設定が類似する傾向があるならば、新たにグループ加入した新規ユーザに対して推奨する印刷設定を共有する効果がある。また、グループ単位で印刷履歴を作成することにより、ユーザ単位で作成するよりも、印刷履歴を記憶するために使用するデータ量を削減することが可能である。
【0068】
図8の印刷履歴90を用いて、
図6の推奨設定の決定処理を実行するには、設定使用回数93と推奨設定不使用回数94を用いればよい。また、
図7の印刷履歴70を用いる場合と同様に、予め定めた直近の件数(例えば最新の10件の履歴)、或いは、予め定めた期間(例えば、現在の日時から10日以内等の直近の日時)の履歴のみを用いるようにしてもよい。この場合における設定使用回数93と推奨設定不使用回数94は、印刷実行履歴95を用いて算出することが可能である。
【0069】
<設定項目ごとに集計した印刷履歴>
図8の印刷履歴90を用いる場合、設定項目の種類が多くなると、印刷設定(設定ID)の数が非常に多くなってしまう。そこで、印刷履歴を記憶する更に別の方法として、設定項目ごとに使用回数を集計して記憶するようにしてもよい。
図9は、本発明の実施形態に係る設定項目ごとに集計した印刷履歴の一例を示す図である。
図9の印刷履歴100は、印刷設定項目101、選択肢102、使用回数103、及び推奨設定不使用回数104の項目を有する。
【0070】
印刷設定項目101は、印刷設定の項目であり、例えば、
図7の印刷履歴70における印刷設定に関する5つの項目(両面印刷75、カラー印刷76、集約印刷77、ステープル78、用紙種類79)の内容である。
【0071】
選択肢102は、印刷設定項目101で選択される選択肢である。
【0072】
使用回数103は、印刷設定項目101の選択肢102が使用された回数である。
【0073】
推奨設定不使用回数104は、印刷設定項目101の選択肢102が、ユーザに推奨された際に、ユーザがその印刷設定を使用しなかった回数(N1)である。前述の
図7の印刷履歴70等と同様に、ユーザに推奨された際に、ユーザがその印刷設定を使用しなかった回数をN1から減算した値(N2)、或いは、更に、推奨されなかった(別の印刷設定が推奨された)が、ユーザに選択されることで使用された回数をN2から減算した値(N3)を用いてもよい。
【0074】
図9の印刷履歴100は、
図8の印刷履歴90と同様に、ユーザ単位、又はユーザが所属するグループ(ユーザグループ)単位で作成する。従って、
図5のシーケンス図のステップS45、S48、S54等において、印刷履歴100の情報を記憶部15に要求する(読み出す)場合、又は記憶する場合は、ユーザID又はグループIDを用いて、該当するユーザが用いる印刷履歴100を指定する。
【0075】
図9の印刷履歴100を用いて、
図6の推奨設定判断処理を実行するには、使用回数103と推奨設定不使用回数104を用いて、印刷設定項目101ごとに、ステップS60~ステップS63を繰り返して実行して、推奨する印刷設定項目101の選択肢102を決定すればよい。また、
図7の印刷履歴70を用いる場合と同様に、予め定めた直近の件数(例えば最新の10件の履歴)、或いは、予め定めた期間(例えば、現在の日時から10日以内等の直近の日時)の履歴のみを用いるようにしてもよい。この場合における使用回数103と推奨設定不使用回数104は、印刷履歴100を更新する際に、予め定めた直近の件数又は予め定めた期間における値となるように、例えば、
図7の印刷履歴70の情報を用いて更新すればよい。
【0076】
【0077】
ステップS48:画像形成装置9の判断部12は、ステップS47で決定した推奨する印刷設定(推奨印刷設定)の記憶を要求するメッセージを画像形成装置9の記憶部15に送信する。画像形成装置9の記憶部15は、受信した推奨印刷設定を記憶する。メッセージは、推奨印刷設定に関する情報を含む。
【0078】
ステップS49:画像形成装置9の判断部12は、推奨印刷設定の通知を要求するメッセージを画像形成装置9の通知部13に送信する。メッセージは、推奨印刷設定に関する情報を含む。
【0079】
ステップS50:画像形成装置9の通知部13は、推奨印刷設定の通知を要求するメッセージを画像形成装置9の通信部10に送信する。メッセージは、推奨印刷設定に関する情報、又は推奨印刷設定を表示するための画面情報を含む。
【0080】
ステップS51:画像形成装置9の通信部10は、推奨印刷設定を通知するメッセージを端末装置5の通信部20に送信する。メッセージは、推奨印刷設定に関する情報、又は推奨印刷設定を表示するための画面情報を含む。端末装置5の表示制御部21は、受信した情報を用いて、推奨印刷設定の通知画面を端末装置5に表示する。
図10は、本発明の実施形態に係る推奨印刷設定の通知画面の一例を示す図である。
図10の通知画面110における推奨印刷設定表示領域111には、ステップS47で決定された推奨する印刷設定(推奨印刷設定)の内容が表示されている。ユーザは、表示された推奨印刷設定の内容を確認して、推奨印刷設定を用いて印刷を実行するならば、印刷実行ボタン112を押下し、印刷設定を変更するならば、設定変更ボタン113を押下する。
図5に戻って説明する。
【0081】
ステップS52:端末装置5の操作受付部22は、ユーザによる印刷を実行するための操作を受け付ける。端末装置5の通信部20は、印刷の実行を要求するメッセージを画像形成装置9の通信部10に送信する。メッセージは、ユーザにより選択された印刷設定に関する情報を含む。端末装置5の記憶部23は、推奨印刷設定を通常使用する印刷設定(デフォルト設定)として記憶してもよい。或いは、記憶部23は、ユーザによる指定があった場合に、推奨印刷設定をデフォルト設定として記憶するようにしてもよい。或いは、記憶部23は、ユーザが初めて使用する端末装置5である等により、デフォルト設定が設定されていない場合に、推奨印刷設定をデフォルト設定として記憶するようにしてもよい。
【0082】
ステップS53:画像形成装置9の通信部10は、端末装置5から受信した印刷設定による印刷の実行を画像形成装置9の印刷部14に要求する。画像形成装置9の印刷部14は、要求された印刷を実行する。
【0083】
ステップS54:画像形成装置9の通信部10は、端末装置5から受信した印刷設定の記憶を要求するメッセージを画像形成装置9の記憶部15に送信する。画像形成装置9の記憶部15は、受信した印刷設定を印刷履歴として、印刷実行時刻等とともに記憶する。或いは、画像形成装置9の記憶部15は、受信した印刷設定が、ステップS48で記憶した推奨印刷設定と同じであるならば、推奨印刷設定を用いて印刷が実行されたことを記憶するようにしてもよい。
【0084】
以上により、情報処理システム1は、過去に推奨した印刷設定が使用されたか否かに関する情報を利用して、ユーザに推奨する印刷設定を決定し、ユーザに通知することが可能である。これにより、推奨した印刷設定をユーザが使用しなかった場合、次回以降における印刷実行時において、ユーザに適した別の印刷設定を推奨することも可能である。
【0085】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について、第1の実施形態とは異なる点を中心に説明する。第2の実施形態では、推奨する印刷設定の決定を画像形成装置9で実行するのではなく、通信ネットワーク2又は画像形成装置9に接続されたサーバ装置などの情報処理装置4において実行する。
【0086】
<機能について>
図11は、本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムにおける機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
図4に示した第1の実施形態における機能ブロック図との違いは、情報処理システム1が、画像形成装置9と端末装置5に加えて、情報処理装置4を有すること、及び画像形成装置9が判断部12を有しないことである。端末装置5の構成は、第1の実施形態と同じである。情報処理装置4は、通信部30と判断部31を有する。これら各部は、情報処理装置4にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。また、記憶部32は、例えば、情報処理装置4が有するHD504などの記憶装置によって実現可能である。
【0087】
通信部30は、情報処理装置4が有する通信機能であり、通信ネットワーク2を介して画像形成装置9などと情報の送受信を行う。
【0088】
判断部31は、
図4の画像形成装置9の判断部12と同様の手順により、ユーザに推奨する印刷設定を決定する。
【0089】
記憶部32は、過去にユーザが印刷を実行した印刷設定を含む履歴(印刷履歴)、及びユーザに推奨した印刷設定(推奨印刷設定)の履歴を記憶する。また、記憶部32は、判断部31からの要求に応じて、記憶した印刷履歴及び推奨印刷設定の履歴を判断部31に送信する。
【0090】
<推奨印刷設定通知処理>
図5のシーケンス図で説明した推奨印刷設定通知処理において、第1の実施形態と異なる処理について説明する。ステップS40からステップS43までの処理は、第1の実施形態と同じ処理である。
【0091】
ステップS44:画像形成装置9の通信部10は、ユーザに推奨する印刷設定の決定を要求するメッセージを情報処理装置4の通信部30に送信する。
【0092】
ステップS45:情報処理装置4の判断部31は、印刷履歴と推奨設定履歴を要求するメッセージを情報処理装置4の記憶部32に送信する。
【0093】
ステップS46:情報処理装置4の記憶部32は、印刷履歴と推奨設定履歴を情報処理装置4の判断部31に送信する。
【0094】
ステップS47:情報処理装置4の判断部31は、受信した印刷履歴と推奨設定履歴に基づいて、ユーザに推奨する印刷設定を決定する。決定方法は、
図6のフローチャート等で示した第1の実施形態における方法と同じである。
【0095】
ステップS48:情報処理装置4の判断部31は、ステップS47で決定した推奨する印刷設定(推奨印刷設定)の記憶を要求するメッセージを情報処理装置4の記憶部32に送信する。情報処理装置4の記憶部32は、受信した推奨印刷設定を記憶する。メッセージは、推奨印刷設定に関する情報を含む。
【0096】
ステップS49:情報処理装置4の判断部31は、推奨印刷設定の通知を要求するメッセージを情報処理装置4の通信部30に送信する。情報処理装置4の通信部30は、受信したメッセージを画像形成装置9の通信部10に送信する。画像形成装置9の通信部10は、受信したメッセージを画像形成装置9の通知部13に送信する。メッセージは、推奨印刷設定に関する情報を含む。
【0097】
ステップS50からステップS53までの処理は、第1の実施形態と同じ処理である。
【0098】
ステップS54:画像形成装置9の通信部10は、端末装置5から受信した印刷設定の記憶を要求するメッセージを情報処理装置4の通信部30に送信する。情報処理装置4の通信部30は、受信したメッセージを情報処理装置4の記憶部32に送信する。情報処理装置4の記憶部32は、受信した印刷設定を印刷履歴として、印刷実行時刻等とともに記憶する。或いは、情報処理装置4の記憶部32は、受信した印刷設定が、ステップS48で記憶した推奨印刷設定と同じであるならば、推奨印刷設定を用いて印刷が実行されたことを記憶するようにしてもよい。
【0099】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、ユーザは端末装置5を操作して画像形成装置9にログインするのではなく、ログイン情報が記録されたICカードを用いる等により、直接、画像形成装置9にログインする。また、ユーザによる操作、及び推奨印刷設定通知画面等の表示は、画像形成装置9の操作パネル940等を介して実行される。従って、
図4又は
図11のブロック図において、端末装置5の表示制御部21、操作受付部22、及び記憶部23は、画像形成装置9において実行される機能となる。それ以外の処理については、第1及び第2の実施形態において説明した処理と同じである。
【0100】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0101】
例えば、
図4及び
図11の機能ブロックの構成図の一例は、情報処理システム1を構成する画像形成装置9、端末装置5、及び情報処理装置4による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。画像形成装置9、端末装置5、及び情報処理装置4における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0102】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0103】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、画像形成装置9、端末装置5、及び情報処理装置4は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0104】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶する記憶部と、前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定する判断部と、前記ユーザに前記推奨設定を通知する通知部と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
<2>前記判断部は、前記推奨設定が使用されなかった回数から、前記推奨設定が使用された回数を減算した値を用いて、前記推奨設定を決定する、前記<1>に記載の画像形成装置である。
<3>前記判断部は、前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴における、予め定めた件数の最新の履歴のみ、又は予め定めた期間の最新の履歴のみを用いて、前記推奨設定を決定する、前記<1>又は前記<2>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<4>前記記憶部は、前記ユーザが属するユーザグループごとに前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を記憶し、前記判断部は、前記ユーザが属する前記ユーザグループに対応する前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記推奨設定を決定する、前記<1>乃至前記<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5>ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに推奨した前記設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶する記憶部と、前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する推奨設定を決定する判断部と、前記ユーザに前記推奨設定を通知する通知部と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
<6>ユーザが操作する端末装置と、前記端末装置と通信が可能な画像形成装置を有する情報処理システムであって、前記画像形成装置は、ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶する記憶部と、前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定する判断部と、前記ユーザに前記推奨設定を前記端末装置に送信する通知部と、を有し、前記端末装置は、前記画像形成装置から受信した前記推奨設定を表示する表示制御部と、前記ユーザによる前記機能に関する設定を行うための操作と、前記機能を実行するための操作を受け付ける操作受付部と、前記機能の実行を要求するメッセージを前記画像形成装置に送信する通信部と、を有することを特徴とする情報処理システムである。
<7>ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶するステップと、前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定するステップと、前記ユーザに前記推奨設定を通知するステップと、を有する情報処理方法である。
<8>ユーザが使用した機能に関する設定を含む機能実行履歴と過去に前記ユーザに通知した推奨設定が使用されたか否かに関する情報を含む推奨設定履歴を記憶するステップ、前記機能実行履歴と前記推奨設定履歴を用いて、前記機能実行履歴に含まれる前記設定の中から、前記ユーザに通知する前記推奨設定を決定するステップ、前記ユーザに前記推奨設定を通知するステップ、を情報処理装置に実行させるプログラムである。
【符号の説明】
【0105】
1 情報処理システム
2 通信ネットワーク
4 情報処理装置
5 端末装置
9 画像形成装置
10、20、30 通信部
11 認証部
12 31 判断部
13 通知部
14 印刷部
15、23、32 記憶部
21 表示制御部
22 操作受付部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】