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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119263
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/12 20060101AFI20240827BHJP
   B06B 3/04 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B08B3/12 B
B06B3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026041
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】邱 暁明
(72)【発明者】
【氏名】孫 暁征
(72)【発明者】
【氏名】田篠 文照
【テーマコード(参考)】
3B201
5D107
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB03
3B201BB02
3B201BB85
3B201BB92
5D107AA02
5D107CC04
5D107EE04
(57)【要約】
【課題】被洗浄物の一部を集中的に洗浄する。
【解決手段】複数の超音波振動子13から発振される超音波振動SVを、第1洗浄槽12における洗浄水W内の集中部125に集中させている。このため、集中部125における洗浄力を良好に高めることが可能である。したがって、この集中部125に被洗浄物であるフレーム100の切断面101を位置付けることにより、切断面101を集中的に洗浄することができる。これにより、切断面101に付着しているバリおよび汚れを、容易に除去することが可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に超音波振動を伝播させ、被洗浄物を洗浄する洗浄装置であって、
該水を溜めるための洗浄槽と、
該水中の集中部に超音波振動が集中するように配置された複数の超音波振動子と、を備える、
洗浄装置。
【請求項2】
該集中部が該水の水面に平行な方向に延在するように、該複数の超音波振動子が配置されている、
請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
該洗浄槽に該複数の超音波振動子が配置されている、
請求項1または請求項2記載の洗浄装置。
【請求項4】
該洗浄槽の上方から、該洗浄槽の該水に該複数の超音波振動子を着水させる昇降機構を備え、
着水した該複数の超音波振動子によって該集中部に超音波振動を集中させ、被洗浄物を洗浄する、
請求項1または請求項2記載の洗浄装置。
【請求項5】
該洗浄槽内の水面に平行に2つの該集中部が配置されるように、該複数の超音波振動子が配置されている、
請求項1または請求項2記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および2に開示のように、超音波振動を集中させる超音波振動発振器がある。このような構成の超音波振動発振器は、出力が小さいため、例えば、アルミフレームの切断面に形成されたバリを除去することが困難である。
【0003】
大きなエネルギー密度を必要とする場合には、ランジュバン型の超音波振動子が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-000995号公報
【特許文献2】特開2020-009988号公報
【特許文献3】特開2003-024886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、特許文献3に開示のように、ランジュバン型の超音波振動子を複数配置する洗浄装置がある。このような洗浄装置は、水槽の水の深さ方向に、複数の超音波振動の集中点が並ぶように構成されている。そのため、汚れの大きい部分を集中的に洗浄することが困難である。
【0006】
したがって、本発明の目的は、被洗浄物の一部を集中的に洗浄することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の洗浄装置(本洗浄装置)は、水に超音波振動を伝播させ、被洗浄物を洗浄する洗浄装置であって、該水を溜めるための洗浄槽と、該水中の集中部に超音波振動が集中するように配置された複数の超音波振動子と、を備える。
【0008】
本洗浄装置では、該集中部が該水の水面に平行な方向に延在するように、該複数の超音波振動子が配置されていてもよい。
【0009】
また、本洗浄装置では、該洗浄槽に該複数の超音波振動子が配置されていてもよい。
【0010】
また、本洗浄装置は、該洗浄槽の上方から、該洗浄槽の該水に該複数の超音波振動子を着水させる昇降機構を備えてもよく、着水した該複数の超音波振動子によって該集中部に超音波振動を集中させ、被洗浄物を洗浄してもよい。
【0011】
また、本洗浄装置では、該洗浄槽内の水面に平行に2つの該集中部が配置されるように、該複数の超音波振動子が配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本洗浄装置では、複数の超音波振動子から発振される超音波振動を、洗浄槽における洗浄水内の集中部に集中させている。このため、集中部における洗浄力を良好に高めることが可能である。したがって、この集中部に被洗浄物の一部を位置付けることにより、被洗浄物の一部を集中的に洗浄することができる。これにより、被洗浄物に付着しているバリおよび汚れを、容易に除去することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】洗浄装置の構成を示す説明図である。
図2】第1洗浄機構の構成を示す説明図である。
図3】第1洗浄機構の他の構成を示す説明図である。
図4】第2洗浄機構を有する洗浄装置の構成を示す説明図である。
図5】洗浄装置の他の構成を示す説明図である。
図6】第1洗浄槽の他の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示す本実施形態にかかる洗浄装置1は、洗浄水(水)に超音波振動を伝播させ、被洗浄物を洗浄する洗浄装置である。図1に示すように、洗浄装置1は、第1洗浄機構10、被洗浄物を把持する把持部40、把持部40を旋回させるための旋回機構50、および、把持部40を昇降させるための昇降機構60を備えている。図1に示す例では、被洗浄物は、フレーム100である。フレーム100は、基材から切断されることで形成されたアルミフレームであり、バリを含む切断面101を有している。
【0015】
第1洗浄機構10は、略直方体形状の筐体11、洗浄水を溜めるための第1洗浄槽12、および、第1洗浄槽12に配置されている複数の超音波振動子13を有している。
第1洗浄槽12は、図1および図2に示すように、上方に開口された開口部120を有するとともに、略半円筒面形状の下面121を有しており、筐体11の上面から下方に突出するように設けられている。第1洗浄槽12内には、洗浄水Wが溜められている。洗浄水Wは、たとえば純水である。
【0016】
複数の超音波振動子13は、超音波振動を発振するものである。本実施形態では、超音波振動子13は、たとえば比較的に強い超音波振動SVを出力することの可能なランジュバン型超音波振動子であり、第1洗浄槽12の振動子設置面である下面121に配置されている。
【0017】
また、複数の超音波振動子13は、図1および図2に示すように、第1洗浄槽12内に設定されている洗浄水Wの中の集中部125に超音波振動SVが集中するように、第1洗浄槽12の略半円筒面形状の下面121に、一列の円弧状に並んで配置されている。本実施形態では、この集中部(集中点)125は、洗浄水Wの水面W1のやや下方であって、第1洗浄槽12におけるX軸方向の略中央に設定されている。
【0018】
図1に示す把持部40は、被洗浄物であるフレーム100を把持するものであり、フレーム100を把持した状態で、旋回機構50および昇降機構60によって、水平方向および上下方向に移動されることが可能である。
【0019】
また、洗浄装置1は、洗浄装置1の制御のための制御部7を有している。制御部7は、制御プログラムに従って演算処理を行うCPU、および、メモリ等の記憶媒体等を備えている。制御部7は、各種の処理を実行し、洗浄装置1の各構成要素を統括制御する。たとえば、制御部7は、洗浄装置1の上述した各構成要素を制御して、フレーム100の洗浄処理を実行する。
【0020】
以下に、制御部7によって制御される洗浄装置1におけるフレーム100の洗浄処理について説明する。
【0021】
まず、制御部7は、把持部40によってフレーム100を把持するとともに、旋回機構50および昇降機構60を制御して、フレーム100を把持している把持部40を、第1洗浄槽12の上方に配置する。
【0022】
その後、制御部7は、複数の超音波振動子13を制御して、これらの超音波振動子13から、第1洗浄槽12の洗浄水W内の集中部125に向けて超音波振動SVを発振する。これにより、各超音波振動子13からの超音波振動SVが、集中部125に集中する。
【0023】
次に、制御部7は、昇降機構60を制御して把持部40を下降させることにより、把持部40に把持されているフレーム100を、第1洗浄槽12の洗浄水W内に進入させる。そして、制御部7は、たとえば所定時間にわたって、フレーム100の切断面101を、洗浄水W内の集中部125に位置付ける。これにより、集中部125にて、フレーム100の切断面101に複数の超音波振動子13からの超音波振動SVが集中的に伝播され、切断面101が洗浄されて、切断面101からバリおよび汚れが除去される。
【0024】
その後、制御部7は、旋回機構50および昇降機構60を制御して、把持部40に把持されているフレーム100を第1洗浄槽12から取り出して、洗浄処理を終了する。
【0025】
以上のように、本実施形態では、複数の超音波振動子13から発振される超音波振動SVを、第1洗浄槽12における洗浄水W内の集中部125に集中させている。このため、集中部125における洗浄力を良好に高めることが可能である。したがって、この集中部125に被洗浄物であるフレーム100の切断面101を位置付けることにより、切断面101を集中的に洗浄することができる。これにより、切断面101に形成されているバリを、容易に除去(洗浄)することが可能である。また、切断面101に頑固な汚れが付着している場合にも、この汚れを容易に除去することができる。
【0026】
なお、本実施形態にかかる第1洗浄機構10では、図1および図2に示すように、複数の超音波振動子13は、第1洗浄槽12の略半円筒面形状の下面121に、一列の円弧状に並ぶように、かつ、各超音波振動子13から発振される超音波振動SVが集中部125に集中するように、配置されている。
これに関し、第1洗浄機構10では、図3に示すように、第1洗浄槽12が、Y軸方向に長く延びた形状を有しており、第1洗浄槽12の略半円筒面形状の下面121に、複数の超音波振動子13からなる群(振動子群)が、複数、Y軸方向に沿って設けられていてもよい。図3では、4つの振動子群131~134が示されている。
【0027】
これらの振動子群131~134は、それぞれ、複数の超音波振動子13および1つの集中部125を含んでおり、複数の超音波振動子13は、発振される超音波振動SVが1つの集中部125に集中するように、円弧状に並んでいる。すなわち、各振動子群131~134に含まれる複数の超音波振動子13は、振動子群131~134ごとに設定された集中部125に超音波振動SVを集中させるように配置されている。
【0028】
これにより、図3に示す構成では、複数の集中部125が、第1洗浄槽12内の洗浄水Wの水面W1に平行な方向(図3におけるY軸方向)に延在する。すなわち、この構成では、集中部125が第1洗浄槽12内の水面W1に平行な方向に延在するように、複数の該超音波振動子13が配置されている。
【0029】
この構成では、図3に示すように、フレーム100がY軸方向に延びる長い切断面101を有している場合に、この切断面101を良好に洗浄することができる。すなわち、このような長い切断面101を複数の集中部125に同時に位置付けることにより、切断面101のバリおよび汚れを除去することが可能である。
【0030】
また、図4に示すように、洗浄装置1は、筐体11および第1洗浄槽12を含む第1洗浄機構10に代えて、洗浄水を溜めるための第2洗浄槽14および複数の超音波振動子13を含む第2洗浄機構20を有していてもよい。
【0031】
第2洗浄槽14は、上部が膨らんだ略直方体形状を有しており、内部に洗浄水Wを溜められるように構成されている。そして、第2洗浄槽14の膨らんだ上部には、上方に開口された開口部140と、互いに対向する第1振動子設置面141(+X方向側)および第2振動子設置面142(-X方向側)とが備えられている。
【0032】
第1振動子設置面141および第2振動子設置面142は、略円筒面の一部からなる形状を有しており、水平方向の外側(+X方向あるいは-X方向)に向けて突出するように設けられている。
【0033】
第2洗浄槽14では、複数の超音波振動子13は、これら第1振動子設置面141および第2振動子設置面142に配置されている。
【0034】
第1振動子設置面141に配置されている複数の超音波振動子13は、第1振動子設置面141に、第2洗浄槽14内に設定されている洗浄水W中の第1集中部145に超音波振動SVが集中するように、一列の円弧状に並んで配置されている。第1集中部145は、洗浄水Wの水面W1のやや下方であって、X軸方向における第2洗浄槽14の中央よりも第1振動子設置面141に近い側(+X方向側)に設定されている。
【0035】
また、第2振動子設置面142に配置されている複数の超音波振動子13も、第2振動子設置面142に、第2洗浄槽14内に設定されている洗浄水W中の第2集中部146に超音波振動SVが集中するように、一列の円弧状に並んで配置されている。第2集中部146は、洗浄水Wの水面W1のやや下方であって、X軸方向における第2洗浄槽14の中央よりも第2振動子設置面142に近い側(-X方向側)に設定されている。
【0036】
このように、図4に示した構成では、X軸方向に沿って、水面W1に平行に、2つの集中部である第1集中部145および第2集中部146が配置されるように、複数の超音波振動子13が配置されている。
【0037】
したがって、この構成では、制御部7は、昇降機構60を制御して、第2洗浄槽14の上方に配置されたフレーム100を把持している把持部40を下降させることにより、フレーム100の第1面102を第1集中部145に位置付けるとともに、第1面102に対向する第2面103に第2集中部146を位置付けることができる。そして、制御部7は、フレーム100を水面W1に直交する方向(Z軸方向)に移動させることにより、フレーム100の第1面102および第2面103を同時に洗浄して、第1面102および第2面103のバリや汚れを同時に除去することが可能である。
【0038】
なお、図4に示した構成でも、第1振動子設置面141および第2振動子設置面142がY軸方向に沿って長く延びていてもよい。この場合、これらの面に、図3に示したように、複数の超音波振動子13からなる群(振動子群)が、複数、Y軸方向に沿って設けられていてもよい。この場合、複数の第1集中部145および複数の第2集中部146が、第2洗浄槽14内の洗浄水Wの水面W1に平行な方向(Y軸方向)に延在するように設定される。
【0039】
このように、図4に示した構成においても、複数の第1集中部145および第2集中部146が水面W1に平行な方向に延在するように、複数の該超音波振動子13が配置されていてもよい。この場合、Y軸方向に延びる長い第1面102および第2面103を有するフレーム100を、良好に洗浄することができる。
【0040】
また、図1および図4に示した構成では、把持部40によって把持したフレーム100を、第1洗浄槽12あるいは第2洗浄槽14に進入させて、フレーム100を洗浄している。これに対し、図5に示す洗浄装置2は、フレーム100を予め洗浄槽内に配置しておく構成である。
【0041】
図5に示すように、洗浄装置2は、洗浄水Wを溜めるための第3洗浄槽15、超音波振動子13を保持する保持台16、および、保持台16を昇降させる昇降機構30を備えている。
【0042】
第3洗浄槽15は、上方に開口された開口部150を有する略直方体形状を有しており、内部に洗浄水Wを溜められるように構成されている。また、第3洗浄槽15の底部151は、被洗浄物であるフレーム100が設置されることが可能なように構成されている。
【0043】
保持台16は、中央に凹部160を有するように屈曲された板状の部材である。凹部160の両端部は、保持台16を支持するための支持部167となっている。
【0044】
凹部160には、振動子設置面161が形成されている。振動子設置面161は、略円筒面の一部からなる形状を有しており、上方に向けて突出するように設けられている。そして、この振動子設置面161に、複数の超音波振動子13が配置されている。
【0045】
複数の超音波振動子13は、振動子設置面161に、一列の円弧状に並ぶように配置されている。詳細には、これら超音波振動子13は、これらの超音波振動子13が保持台16とともに洗浄水Wが溜められている第3洗浄槽15内に下降されたときに、各超音波振動子13から発振される超音波振動SVが洗浄水W中の集中部165に集中するように、振動子設置面161に一列の円弧状に並んで配置されている。なお、この構成では、保持台16とともに変動する超音波振動子13の高さに応じて、洗浄水W内における集中部165の高さ(Z軸方向における位置)も変動する。
【0046】
また、振動子設置面161には、2つの超音波振動子13の隙間に、振動子設置面161を貫通するエア抜き筒162が設けられている。
【0047】
昇降機構30は、保持台16を下降させることにより、第3洗浄槽15の上方から、第3洗浄槽15の洗浄水Wに複数の超音波振動子13を着水させるものである。昇降機構30は、Z軸方向に平行な一対のガイドレール31、このガイドレール31と平行なボールネジ32、および、ボールネジ32の一端部に連結されているモータ33を備えている。
【0048】
ガイドレール31は、保持台16の両端の支持部167を貫通するように設けられており、保持台16におけるZ軸方向に沿う移動をガイドする。また、保持台16における+X方向側の支持部167には、ナット部(図示せず)が設けられている。このナット部には、ボールネジ32が螺合されている。
昇降機構30では、モータ33がボールネジ32を回転させることにより、保持台16が、ガイドレール31に沿ってZ軸方向に移動する。
【0049】
また、洗浄装置2は、洗浄装置1と同様に、洗浄装置2の制御のための制御部7を有している。
【0050】
このような構成を有する洗浄装置2における洗浄処理では、まず、作業者が、第3洗浄槽15の底部151に、被洗浄物であるフレーム100を、その切断面101が上面となるように配置する。その後、作業者あるいは制御部7が、第3洗浄槽15内に洗浄水Wを溜める。
【0051】
次に、制御部7が、昇降機構30を制御して、複数の超音波振動子13を保持している保持台16を下降させて、その振動子設置面161を洗浄水W内に進入させることにより、複数の超音波振動子13を、振動子設置面161を介して洗浄水Wに着水させる。そして、制御部7は、超音波振動子13における超音波振動SVの集中部165を、第3洗浄槽15の底部151に配置されているフレーム100の切断面101に位置付ける。
【0052】
これにより、集中部165にて、フレーム100の切断面101に複数の超音波振動子13からの超音波振動SVが集中的に伝播され、切断面101が洗浄されて、切断面101から、バリおよび汚れが除去される。この際、振動子設置面161の下方に溜まったエアが、随時、エア抜き筒162から排出される。
【0053】
このように、図5に示した構成では、着水した複数の超音波振動子13によって集中部165に超音波振動SVを集中させて、フレーム100の切断面101を洗浄することができる。この構成では、フレーム100を把持して洗浄水Wに進入させる必要がないため、たとえばフレーム100が把持しにくい構造を有している場合にも、フレーム100を良好に洗浄することが可能である。
【0054】
なお、図5に示した構成でも、振動子設置面161がY軸方向に沿って長く延びていてもよい。この場合、振動子設置面161に、図3に示したように、複数の超音波振動子13からなる群(振動子群)が、複数、Y軸方向に沿って設けられていてもよい。この場合、複数の集中部165が、第3洗浄槽15内の洗浄水Wの水面W1に平行な方向(Y軸方向)に延在するように設定される。
【0055】
このように、図5に示した構成においても、複数の集中部165が水面W1に平行な方向に延在するように、複数の該超音波振動子13が配置されていてもよい。この場合、Y軸方向に延びる長い切断面101を有するフレーム100を、良好に洗浄することができる。
【0056】
また、図1に示した第1洗浄機構10の第1洗浄槽12の下面121は、略半円筒面形状に形成されている。これに関し、第1洗浄槽12の下面121は、図6に示すように、略球面の一部からなる形状を有するように形成されていてもよい。この場合にも、複数の超音波振動子13は、第1洗浄槽12の下面121に、各超音波振動子13から発振される超音波振動SVが集中部125に集中するように、配置される。
【0057】
なお、第1洗浄槽12の下面121の下面の形状によらず、各超音波振動子13からの超音波振動SVが集中部125に集中するのであれば、第1洗浄槽12の下面121における複数の超音波振動子13の配置形態は、円弧状に限定されず、どのような形態であってもよい。
【0058】
また、図4に示した第2洗浄槽14の第1振動子設置面141および第2振動子設置面142、および、図5に示した保持台16の振動子設置面161も、第1洗浄槽12の下面121と同様に、略球面の一部からなる形状を有していてもよい。また、これらの面における超音波振動子13の配置形態も、円弧状に限定されず、どのような形態であってもよい。
【0059】
また、本実施形態では、被洗浄物として、アルミフレームであるフレーム100を示している。これに関し、被洗浄物は、アルミフレームに限られず、他の金属からなるフレームおよびシリコン等からなる半導体ウェーハなど、他の材料からなるいずれの物品であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1:洗浄装置、2:洗浄装置、7:制御部、10:第1洗浄機構、11:筐体、
12:第1洗浄槽、13:超音波振動子、14:第2洗浄槽、15:第3洗浄槽、
16:保持台、20:第2洗浄機構、30:昇降機構、31:ガイドレール、
32:ボールネジ、33:モータ、40:把持部、50:旋回機構、60:昇降機構、
100:フレーム、101:切断面、102:第1面、103:第2面、
120:開口部、121:下面、125:集中部、131:振動子群、
132:振動子群、133:振動子群、134:振動子群、140:開口部、
141:第1振動子設置面、142:第2振動子設置面、145:第1集中部、
146:第2集中部、150:開口部、151:底部、160:凹部、
161:振動子設置面、162:エア抜き筒、165:集中部、167:支持部、
SV:超音波振動、W:洗浄水、W1:水面
図1
図2
図3
図4
図5
図6