(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119316
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】機器、情報処理装置、機器システム、プログラム、表示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240827BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240827BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240827BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240827BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G06F3/12 335
G06F3/12 317
G06F3/12 310
G06F3/12 338
G06F3/12 378
G06F3/01 510
B41J29/42 F
B41J29/38 204
B41J29/38 203
G03G21/00 386
G03G21/00 512
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026123
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】窪田 健
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ27
2C061CQ34
2C061CQ40
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ06
2H270KA60
2H270LA75
2H270LA87
2H270NA01
2H270NA05
2H270QA46
2H270QB03
2H270RA08
2H270RA10
2H270RC05
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
5E555AA26
5E555AA58
5E555AA71
5E555BA09
5E555BB09
5E555BC03
5E555BC16
5E555CA42
5E555DB41
5E555DD08
5E555EA09
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】機器のダウンタイムの発生を効果的に抑制する技術を提供すること。
【解決手段】本発明は、表示手段を有し、操作者の操作を受け付ける機器20であって、機器で使用される消耗材の状態を検知する検知部と、前記操作者の属性を判断する属性判断部と、前記属性判断部が判断した前記操作者の属性に応じた前記消耗材の状態に関する通知内容を変更して前記表示手段に表示する表示制御部と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段を有し、操作者の操作を受け付ける機器であって、
前記機器で使用される消耗材の状態を検知する検知部と、
前記操作者の属性を判断する属性判断部と、
前記属性判断部が判断した前記操作者の属性に応じた前記消耗材の状態に関する通知内容を、前記表示手段に表示する表示制御部と、
を有する機器。
【請求項2】
前記操作者の属性は、前記機器の管理者又は一般ユーザーのいずれかであり、
前記表示制御部は、前記操作者が、管理者か、一般ユーザーかに応じた前記通知内容を前記表示手段に表示する請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記消耗材の状態は、前記消耗材の残量が閾値未満であることであり、
前記表示制御部は、前記操作者が管理者である場合、前記消耗材を発注すべき旨の通知内容を表示手段に表示し、
前記操作者が一般ユーザーである場合、前記消耗材の発注を管理者に依頼すべき旨の通知内容を表示手段に表示する請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記操作者が一般ユーザーの場合、
前記表示制御部は、同じ前記消耗材について、所定回数のみ、前記消耗材の状態に関する通知を表示手段に表示する請求項2又は3に記載の機器。
【請求項5】
前記表示制御部が、一般ユーザーに前記消耗材の状態に関する通知を表示手段に表示し、確認した旨を受け付けた場合、
前記消耗材と前記一般ユーザーに対応付けて前記消耗材の状態に関する通知を行った旨を通知管理情報に記録する制御部を有し、
前記制御部は、前記操作者が一般ユーザーの場合、前記通知管理情報に基づいて、所定回数、前記消耗材の状態に関する通知を表示手段に表示したか否か判断する請求項4に記載の機器。
【請求項6】
前記操作者が管理者の場合、
前記管理者がログインするごとに、前記表示制御部は、前記消耗材の状態に関する通知を表示手段に表示する請求項2に記載の機器。
【請求項7】
前記操作者から取得した生体認証情報に基づいて前記操作者を認証する請求項1に記載の機器。
【請求項8】
撮像手段を有し、
前記機器を操作する前記操作者の顔を前記撮像手段が撮像した画像に基づいて前記操作者を認識する顔認識部を有する請求項1に記載の機器。
【請求項9】
前記属性判断部は、前記操作者に前記操作者の属性が対応付けられた属性情報に基づいて、前記認証処理部による認証が成功した前記操作者の属性を判断する請求項7に記載の機器。
【請求項10】
前記機器は、画像形成装置である請求項1に記載の機器。
【請求項11】
消耗材を使用する機器と通信し、前記機器に対する操作者の操作を受け付ける情報処理装置であって、
前記機器は、使用される消耗材の状態を検知する検知部と
前記操作者の属性を判断する属性判断部と、を有し、
表示手段と、
前記操作者の属性に応じて異なる前記消耗材の状態に関する通知内容を受信する通信部と、
前記操作者の属性に応じて異なる前記消耗材の状態に関する通知内容を前記表示手段に表示させる表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項12】
消耗材を使用する機器と、前記機器に対する操作者の操作を受け付ける情報処理装置とが通信する機器システムであって、
表示手段と、
使用される消耗材の状態を検知する検知部と、
前記操作者の属性を判断する属性判断部と、
前記属性判断部が判断した前記操作者の属性に応じた前記消耗材の状態に関する通知内容を前記表示手段に表示する表示制御部と、
を有する機器システム。
【請求項13】
前記機器システムは、立体物形成システムであり、
前記機器は、立体物の表面に画像を印刷する立体物画像形成装置である請求項12に記載の機器システム。
【請求項14】
表示手段を有し、操作者の操作を受け付ける機器を、
機器で使用される消耗材の状態を検知する検知部と、
前記操作者の属性を判断する属性判断部と、
前記属性判断部が判断した前記操作者の属性に応じた前記消耗材の状態に関する通知内容を前記表示手段に表示する表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
使用される消耗材の状態を検知する検知部と、
機器の操作者の属性を判断する属性判断部と、を有する機器と通信し、
前記機器に対する操作者の操作を受け付ける、表示手段を有する情報処理装置を、
前記操作者の属性に応じて異なる前記消耗材の状態に関する通知内容を受信する通信部と、
前記操作者の属性に応じて異なる前記消耗材の状態に関する通知内容を表示手段に表示させる表示制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
表示手段を有し、操作者の操作を受け付ける機器が行う表示方法であって、
機器で使用される消耗材の状態を検知する処理と、
前記操作者の属性を判断する処理と、
判断した前記操作者の属性に応じた前記消耗材の状態に関する通知内容を前記表示手段に表示する処理と、
を実行する表示方法。
【請求項17】
消耗材を使用する機器と通信し、前記機器に対する操作者の操作を受け付ける、表示手段を有する情報処理装置が行う表示方法であって、
前記機器は、使用される消耗材の状態を検知する検知部と
前記操作者の属性を判断する属性判断部と、を有し、
前記操作者の属性に応じて異なる前記消耗材の状態に関する通知内容を受信する処理と、
前記操作者の属性に応じて異なる前記消耗材の状態に関する通知内容を前記表示手段に表示させる処理と、
を実行する表示方法。
【請求項18】
消耗材を使用する機器と、前記機器に対する操作者の操作を受け付ける、表示手段を有する情報処理装置とが通信する機器システムが行う表示方法であって、
使用される消耗材の状態を検知する処理と、
前記操作者の属性を判断する処理と、
判断した前記操作者の属性に応じた前記消耗材の状態に関する通知内容を前記表示手段に表示する処理と、
を実行する表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器、情報処理装置、機器システム、プログラム、及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の機器の機能が損なわれないように機器は適宜、保守される。保守の1つに、機器で使用される消耗材の補充や交換などがある。消耗材は、トナー、インク、部品の潤滑剤、及び、経時的にすり減る部品(ローラーなど)、機器によって様々であるが、管理者は、器機が使用できない期間であるダウンタイムが発生しないように事前に消耗材を発注することが好ましい。
【0003】
消耗材が適切に用意されないことによる機器のダウンタイムを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、消耗材残量検知機構が消耗材のニアエンドを検知した後に消耗材消費抑制モードに制御する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、消耗材が適切なタイミングで発注されずにダウンタイムが発生するおそれがあった。機器には消耗材のニアエンドを検知してその旨を表示する機能がある。しかし、管理者又は一般ユーザーがこの表示に気づかない場合、例えば消耗材が完全になくなるエンド状態になって初めて消耗材の発注を行う場合があった。例えば、消耗材がニアエンドであることが表示されても管理者又は一般ユーザーが気づかずに、消耗材がなくなってから気づき発注しても大きなダウンタイムが発生してしまう。しかし、管理者と一般ユーザーに対し機器が同じようにニアエンドを表示しても、一般ユーザーは適切な対処が困難であった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、機器の操作者に応じた消耗材の状態に関する通知内容を表示することで、機器のダウンタイムの発生を効果的に抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、表示手段を有し、操作者の操作を受け付ける機器であって、機器で使用される消耗材の状態を検知する検知部と、前記操作者の属性を判断する属性判断部と、前記属性判断部が判断した前記操作者の属性に応じた前記消耗材の状態に関する通知内容を変更して前記表示手段に表示する表示制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、機器のダウンタイムの発生を効果的に抑制する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】トナーのニアエンドを知らせる1行の警告の一例を示す図である。
【
図2】消耗材のニアエンドを機器が通知する処理を模式的に説明する図である。
【
図3】機器及び機器システムの構成例を示す図である。
【
図5】機器の一例である画像形成装置のハードウェア構成図である。
【
図6】端末装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図8】属性情報記憶部に記憶されている属性情報の一例を示す図である。
【
図9】通知管理情報記憶部に記憶されている通知管理情報の一例を示す図である。
【
図10】操作パネルに配置されたカメラが有するカメラレンズの位置の一例を示す図である。
【
図11】検知部が消耗材のニアエンドを判断する処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図12】制御部が機器の消耗材のニアエンドに関する表示を行う処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図13】管理者に対し表示される、消耗材のニアエンドの通知画面の一例を示す図である。
【
図14】一般ユーザーに対し表示される、消耗材のニアエンドの通知画面の一例を示す図である。
【
図15】制御部が、同じ一般ユーザーに対して消耗材のニアエンドの通知を制限する処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図16】機器が表示する画面の画面遷移図の一例である。
【
図17】同じ一般ユーザーに対する消耗材のニアエンドの通知が制限される場合の画面遷移図の一例である。
【
図18】機器と端末装置の一例の機能構成を示す図である。
【
図19】端末装置が機器から通知された消耗材のニアエンド通知を表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図20】ログインした操作者が管理者である場合に、端末装置が表示するプリンタドライバに重畳してポップアップ表示された通知画面の一例を示す図である。
【
図21】ログインした操作者が一般ユーザーである場合に、端末装置が表示するプリンタドライバに重畳してポップアップ表示された通知画面の一例を示す図である。
【
図23】
図22の機器システムにおける機能ブロック図の一例である。
【
図24】端末装置がロボット制御装置から通知された消耗材のニアエンド通知を表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図25】3Dプリンタを採用した場合の機器システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、機器と機器が行う情報表示方法について説明する。
【実施例0010】
<消耗材のニアエンドの表示の概略>
機器を使用できないダウンタイムが発生しないように、管理者は適切なタイミングで消耗材を発注する。ネットワークに接続されている機器に関しては、機器が検知したニアエンドがネットワーク上のサーバーに通知され、サーバーがカスタマーセンターなどに自動で消耗材を発注する。
【0011】
しかし、ネットワークに接続されていない機器の場合、機器が消耗材のニアエンドを検知しても、消耗材の自動発注は行われない。仮に、ネットワークに接続されている機器であっても、消耗材の自動発注を契約していない顧客の場合、消耗材の自動発注は行われない。
【0012】
自動発注が行われない場合、機器が検知したニアエンドを管理者が把握し、消耗材の在庫状態を確認し、発注を行う。機器には消耗材のニアエンドを操作パネルや電子メールで送信する機能がある。例えば操作パネルの上部に消耗材のニアエンドを知らせる1行の警告を機器が表示することでユーザーに通知する機能を有している。
【0013】
図1は、トナーのニアエンドを知らせる1行の警告201の一例を示す。
図1に示すように、「シアンのトナーがニアエンドです」のような警告201が表示されても、画面に対し小さいため、管理者によっては警告201を見落としたり、重要性に気づかなかったりすることがある。このため、機器を利用できなくなる状態(トナーのエンド状態)になってから管理者が必要なパーツの発注を行う場合があった。この場合、ダウンタイムが発生する。
【0014】
トナーがニアエンドである状態で、エンド状態と同様に画面に大きくその旨を機器がポップアップ表示することも検討される。しかし、画面がポップアップで見えなくなるので、ユーザビリティが低下するおそれがある。
【0015】
そこで、本実施形態では、機器が、カメラ等でログインしている管理者の顔画像を撮像し、管理者かどうかを判断する。管理者は機器を保守する責務があるため、機器は、必ずポップアップ表示等にてニアエンドを管理者に通知する。操作者が管理者以外の場合、機器は、管理者にニアエンドを知らせるように指示するポップアップを表示する。
【0016】
図2は、消耗材のニアエンドを機器20が通知する処理を模式的に説明する図である。
図2(a)は機器20が行う処理を示し、
図2(b)は、機器20が表示する通知画面(メッセージ)を示す。機器20は
図2(a)の処理を実行する。なお、機器20は、予め管理者の顔画像を学習しているものとする。
(1) 操作者が機器20にログイン操作を行う。機器20は操作者を撮像し、顔画像を認識することで認証する(S101)。認証することで操作者の属性(例えば、管理者か一般ユーザーか)が判明する。
(2) 機器20は操作者が管理者か否か判断する(S102)。管理者8が機器20を操作する場合、機器20は例えば「機器管理者は潤滑油を発注してください。エンド状態になると印刷動作が出来なくなります」というメッセージを操作パネル(表示手段の一例)表示する(S103)。
(3) 操作者が一般ユーザー9の場合、機器20はこの一般ユーザーに対し初めて消耗材のニアエンドを通知するか判断する(S104)。初めての通知の場合、機器20は例えば「エンド状態になると印刷動作が出来なくなります。機器管理者に発注を依頼してください」というメッセージを操作パネルに表示する(S105)。
【0017】
なお、操作者が管理者でなく、一般ユーザーだが初めての表示でない場合、機器20は消耗材のニアエンドを表示しない(S106)。
【0018】
管理者又は一般ユーザーが1行の警告では気が付けなかった消耗材のニアエンドをポップアップ表示することにより、消耗材がエンド状態になりダウンタイムが発生することを抑制できる。また、消耗材のニアエンドを一般ユーザーにポップアップ表示することはユーザビリティの低下につながるが、機器20は、一般ユーザーに対し一度のみ、消耗材のニアエンドをポップアップ表示することで、ユーザビリティの低下を抑制できる。したがって、本実施形態の機器20は、ユーザビリティの低下とダウンタイム削減を両面で達成することが可能である。
【0019】
<用語について>
消耗材とは、使用に際して消費又は摩耗するために、やがては無くなったり使用できない状態に変化したりするものをいう。消耗材には、トナー、インクなど物の生産に直接使用されるものと、潤滑剤や構成部品など、物の生産に間接的に使用されるものがある。
【0020】
消耗材の状態とは、消耗材がどの程度、使用できない状態に近いかをいう。本実施形態では、使用できない状態に近いことをニアエンド、使用できない状態をエンド状態と称する。たとえば、消耗材の残量が所定量に達したとき、または、消耗材の使用期間が所定期間に達したときにニアエンドの状態に達したとすることができる。
【0021】
操作者の属性とは、消耗材の状態について責務を負うか否か、又はその程度に関するユーザーの種類である。本実施形態では、属性には、管理者と一般ユーザーがある。これ以外の属性があってもよい。
【0022】
管理者とは、支障なく機器を利用できるように機器を管理する者である。管理者は、例えば消耗材の発注を行う責務がある。管理者は、責任者、アドミニストレータ、補充者などと呼ばれてもよい。また、一般ユーザーは管理者でない者をいう。ただし、管理者が一般ユーザーとして機器を使用する場合があってよい。
【0023】
<機器の構成例>
図3は、機器20及び機器システム100の構成例を示す。
図3(a)は、機器20の外観図の一例である。
図3(a)に示すように、機器20は、本体部110と、操作パネル940と、スキャナ装置120と、印刷部130と、給紙部140と、を有している。
【0024】
本体部110は、原稿を読み取った画像データや、PC(Personal Computer)などから受信した印刷ジョブを、用紙などの記録媒体に印刷するものである。機器20は、PCとネットワークを介して通信し、PCから印刷ジョブを受信する。本体部110は電子写真方式又はインクジェット方式等どのような印刷方式で印刷してもよい。
【0025】
操作パネル940は、操作者が操作入力を行ったり、機器20の操作画面、各種のジョブの進行状態、警告等を表示したりする。詳細は
図4にて説明する。なお、図示する操作パネル940の位置やサイズは一例であって、操作パネル940は機器20のどこに配置されていてもよい。また、操作パネル940は本体部110に着脱可能でもよい。また、機器20がスマートフォンやタブレット端末と通信し、スマートフォンやタブレット端末が操作パネル940として使用されてもよい。
【0026】
スキャナ装置120は、ADF(Auto Document Feeder)等でガラス面に送り込まれた原稿用紙を一次元光学素子で読み取り、画像データを生成する。
【0027】
印刷部130は、例えば、画像データに応じたCMYKのトナー画像を生成、トナー画像を用紙に転写し、トナーを熱と圧力で用紙に定着させる。また、印刷部130はインクジェットヘッドで構成し、インクにより用紙に画像を印刷するものでもよい。
【0028】
給紙部140は、画像データを印刷する対象となる用紙をサイズ別に保存する複数の用紙トレイを有している。給紙部140は、本体部110からの制御で用紙トレイの用紙を上から1枚ずつ取り出し、本体部110の印刷部130まで搬送する。
【0029】
図3(b)は、機器20と端末装置40がネットワークNを介して通信可能に接続された機器システム100の構成例を示す。
【0030】
端末装置40は、例えば、管理者又は一般ユーザーが機器の操作ために使用する情報処理装置である。端末装置40は、デスクトップPC、ノート型PC、スマートフォン、タブレット端末等、汎用的なOSが動作すればよい。管理者又は一般ユーザーは、プリンタドライバなどをアプリケーションから呼び出して、機器20に印刷ジョブなどを送信する。
【0031】
機器20が消耗材のニアエンドを検知した場合、端末装置40が機器20と通信すると、又は、機器20からプッシュ通信で、機器20は、消耗材のニアエンドを端末装置40に送信する。端末装置40は、消耗材のニアエンドを表示できる。
【0032】
なお、機器20がトナー残量などの機器情報を端末装置40に送信し、端末装置40が機器情報に基づいて消耗材のニアエンドを判断してもよい。消耗材がニアエンドであると判断した場合、端末装置40は消耗材のニアエンドを表示する。
【0033】
図3(c)は、機器20とサーバー装置90とがネットワークNを介して通信可能に接続された機器システム100の構成例を示す。本実施形態では、機器20単体で消耗材のニアエンドを判断して、ポップアップ表示できるが、機器20とサーバー装置90との通信自体は制限されない。
【0034】
機器20がネットワークNを介してサーバー装置90と通信可能に接続されている場合、機器20が消耗材の残量をサーバー装置に送信する。サーバー装置は消耗材の残量に基づいてニアエンドか否か判断する。消耗材がニアエンドであると判断した場合、サーバー装置は機器20に消耗材のニアエンドを通知する。
【0035】
仮に、顧客が消耗材の自動発注の契約を消耗材の販売会社と結んでいる場合、機器20は消耗材がニアエンドである旨を表示しなくてもよいことになる。したがって、機器20は、サーバー装置から自動発注の契約を消耗材の販売会社と結んでいるか否かをサーバー装置から取得して、消耗材のニアエンドを表示するか否かを切り替える。すなわち、顧客が契約を結んでいる場合、機器20は、消耗材のニアエンドを表示せず、契約を結んでいない場合、消耗材のニアエンドを表示する。
【0036】
本実施形態では、特に言及しない場合、
図3(a)の形態(機器20単体)を用いて説明する。端末装置40と機器20が通信する
図3(b)の形態については実施例2にて説明する。
【0037】
図4は、操作パネル940の拡大図である。
図4に示すように、操作パネル940には、タッチパネルによる操作が可能なLCD(Liquid Crystal Display)である操作パネル940と、操作パネル940がオフ状態の場合であっても操作が可能なハードキー940bが配置されている。消耗材のニアエンドは一例としてこの操作パネル940に表示される。
【0038】
ハードキー940bは、表示される各画面で共通に利用される「戻る」や「ホーム画面表示」、「ストップ」等のキーが割り当てられている。なお、このハードキー940bの機能は、カスタマイズにより割り当て変更することも可能である。
【0039】
<ハードウェア構成例>
図5は、機器20の一例である画像形成装置のハードウェア構成図である。
図5に示されているように、画像形成装置は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0040】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0041】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置の全体制御を行う制御部21である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0042】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0043】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931、プリンタ部932、及びファクシミリ部との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906は、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを有していてよい。
【0044】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0045】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路のアンテナ920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0046】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931、プリンタ部932及びファクシミリ部933を有している。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなるハードキー940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0047】
操作パネル940にはカメラ(撮像手段の一例)が配置されており、カメラレンズ941の前方にいる操作者を撮像する。カメラは操作パネル940に内蔵されていてもよいし、USBケーブル等で外付けされていてもよい。このほか、コントローラ910にICカードリーダー、及び、指紋検出器、掌紋検出部、虹彩検出部、等の生体認証装置が接続されていてもよい。
【0048】
なお、画像形成装置は、操作パネル940のアプリ切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。画像形成装置は、ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0049】
また、ネットワークI/F950は、ネットワークNを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0050】
<<端末装置>>
図6は、端末装置40のハードウェア構成図である。
図5に示されているように、端末装置40は、コンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0051】
これらのうち、CPU501は、端末装置40全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506(表示手段の一例)は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、ネットワークNを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図6に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0052】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWは、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0053】
<機能について>
図7は、本実施形態に係る機器20の一例の機能構成を示す図である。機器20は、制御部21、撮像部22、顔認識部23、認証処理部24、属性判断部25、検知部26、表示制御部27、及び操作受付部28を有する。機器20が有するこれら各機能部は、機器20にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。あるいは、機器20が有する機能のうち、一部又は全部がIC回路、ASIC、FPGAなどのハードウェアで実現されてもよい。また、
図7に示す機能は、主に本実施形態の機器20の主要な機能を示すものであり、機器20は、図示するほか、印刷機能、スキャン機能、及びファクス機能等を有していてよい。
【0054】
制御部21は、機器20全体の動作を制御する。制御部21は、省エネルギー状態への移行と省エネルギー状態からの復帰、機器20が有する機能の呼び出し、及び、電源のオン/オフ等を行う。制御部21は、消耗材のニアエンドの表示に関して各機能を呼び出し、各機能の処理結果に応じた制御を行う。
【0055】
撮像部22は、被写体からの光線をレンズなどの光学系によってCCDやCMOSなどの固体撮像素子に結像させ、その像の光による明暗を電荷の量に光電変換する。撮像部22は、画素ごとに光電変換された電圧値を順次読み出して一枚の画像データを生成する。撮像部22は少なくとも管理者(又は一般ユーザー)が操作パネル940を操作する際に顔が含まれるように所定の画角を撮像する。撮像部22は起動中(電源オンで省エネルギー状態でない)、常に所定の画角を撮像してもよいし、管理者又は一般ユーザーが接近した場合に撮像してもよいし、管理者又は一般ユーザーがログインした場合に撮像してもよい。
【0056】
顔認識部23は、撮像部22が撮像することで生成した画像データから顔認識を行う。顔認識部23には、少なくとも管理者の顔画像の特徴が登録されており、画像データからその特徴を検出することで管理者か否か判断する。顔認識部23に一般ユーザーの顔画像の特徴が登録されている場合、顔認識部23は、画像データからその特徴を検出することで一般ユーザーを個別に識別できる。したがって、顔認識も生体認証の1つである。
【0057】
顔画像の特徴には両目、鼻、口角、など顔パーツ同士の間隔がある。従来、機器20にログインするためにはユーザーIDとパスワードの入力、指紋などの生体認証情報の入力、又は、ICカードのタッチ等の操作が必要だったが、その手間を省くことが可能となる。ただし、本実施形態において認証方法は問わない。
【0058】
顔認識部23により管理者又は一般ユーザーであると特定されることは認証処理部24による認証が成功したものと同じようにログインが許可される。なお、顔認識部23が管理者のみの顔画像を認識できる場合、ログインまでは許可されなくてもよい。顔認識部23は管理者か否かのみを属性判断部25に通知する。
【0059】
また、1つの方法として、顔認識部23は、予め登録されている管理者や一般ユーザーの顔画像でパターンマッチングを行ってよい。あるいは、顔認識部23は、ディープラーニングにより管理者や一般ユーザーの顔画像を認識してもよい。ディープラーニングは、入力されたデータに基づいてニューラルネットワーク等で出力値を予測した後に、出力値と教師データとの誤差を減らすために誤差逆伝播法でニューラルネットワーク間の重みを調整するアルゴリズムである。ディープラーニングを用いた顔認識では、学習装置が、複数の管理者の顔画像とそうでない顔画像をトレーニングデータとして、顔画像の各画素値を入力、管理者か否かを教師データとして、管理者という教師データと顔画像との対応を学習する。
【0060】
また、ブースティング決定木というアルゴリズムがある。ブースティング決定木は、「Boosting(アンサンブル)」と「決定木」を組み合わせた教師あり学習の1つである。ブースティング決定木の詳細については公知であるが、ブースティング決定木は、複数の弱識別機を独立に学習させ、複数の弱識別機による予測結果を重み付けした多数決などを用いて統合し、全体(強識別機)の予測結果として出力するアルゴリズムである。また、機械学習の手法には、パーセプトロン、サポートベクターマシン、ロジスティック回帰、ナイーブベイズ、ランダムフォレストなどがあり、学習方法は限られない。
【0061】
認証処理部24は、上記のユーザーIDとパスワードの入力、ICカードによるユーザー認証、又は、生体認証情報によるユーザー認証を行う。認証処理部24は機器20が有するのでなく、ネットワークを介して接続された認証サーバーが有していてもよい。
【0062】
属性判断部25は、ユーザーごとに属性(例えば管理者か一般ユーザーか)を管理しており、顔認識部23が認識した操作者、又は、認証処理部24が認証成功と判断した操作者が管理者か一般ユーザーか(属性)を判断する。
【0063】
検知部26は、消耗材の残量を検知する。本実施形態では、消耗材としてトナーを例にするが、その他の消耗材についても同様である。検知部26は、トナーカートリッジ内部のトナー残量と印刷時のトナー使用量を元にして、例えば1%刻みでトナー残量を検知する。検知部26は、トナーの他、潤滑剤等の消耗材の残量、ローラーなどの摩耗度なども検知できる。
【0064】
表示制御部27は、制御部21からの制御に応じて、消耗材などがニアエンドの際に管理者又は一般ユーザーとで異なる画面をポップアップ表示する。操作受付部28は、操作パネル940が有するソフトキーやハードキーに対する管理者又は一般ユーザーの操作を受け付ける。
【0065】
図8は、属性情報記憶部31に記憶されている属性情報を示す。
図8に示すように、属性情報記憶部31には、ユーザーごとに管理者か一般ユーザーかの属性が設定されている。したがって、顔認識部23又は認証処理部24により操作者が特定されれば、属性判断部25は、ログインした操作者が管理者か否か判断できる。
【0066】
図9に示すように、制御部21は、消耗材のニアエンドを通知したことをユーザーごとに通知管理情報記憶部32に記録する。このユーザーには管理者と一般ユーザーが含まれてよい。
図9は、通知管理情報記憶部32に記憶されている通知管理情報の一例である。通知管理情報は、消耗材ごとに、操作者に消耗材のニアエンドを通知したか否かを示す情報である。「1」は通知したことを、「0」は通知していないことを示す。通知したことを示す「1」は、消耗材の補充や交換により「0」にリセットされる。消耗材の補充や交換は、カートリッジなどの脱着をセンサーが検出することで、検知部26が検知できる。
【0067】
したがって、制御部21は、なんらかの消耗材がニアエンドになると、通知したか否かを示す情報が「0」である一般ユーザーにだけ、消耗材のニアエンドを一般ユーザーに通知すると判断する。制御部21は、通知したか否かを示す情報が管理者について「1」であっても、再度、消耗材のニアエンドを通知してよい。こうすることで、機器20は、管理者に確実に消耗材のニアエンドを通知できる。ただし、表示制御部27は、管理者を一般ユーザーと同等に扱ってもよい。
【0068】
<カメラレンズの設置位置>
図10は、操作パネル940に配置されたカメラが有するカメラレンズ941の位置を示す。
図10に示すように、カメラレンズ941は、操作パネル940の周囲(
図10では上部)に設置される。こうすることで、管理者又は一般ユーザーが操作パネル940を操作する場合、管理者又は一般ユーザーの顔がカメラレンズの光軸と垂直に近い関係になるの。撮像部22は、カメラにより管理者又は一般ユーザーの顔を正面から撮像しやすい。
【0069】
なお、顔認識部23が管理者又は一般ユーザーの顔を認識できないために、認証失敗と判断する場合、制御部21は、従来のログイン方法によるログイン画面(後述する)を表示制御部27に表示要求する。表示制御部27は、ユーザーIDとパスワードの入力欄を表示したり、生体認証を要求したり、又は、ICカードでログインする旨の少なくとも一方を操作パネルに表示する。
【0070】
<動作又は処理>
図11は、検知部26が消耗材のニアエンドを判断する処理を説明するフローチャート図である。
【0071】
まず、管理者又は一般ユーザーは、省エネ状態もしくは電源OFF状態の機器20を待機状態にする(S1)。待機状態とは、機器20が印刷可能な状態である。待機状態にする方法としては、電源ONの他、管理者又は一般ユーザーが操作パネル940に触れたり、機器20が端末装置40から印刷ジョブを受信したりする方法がある。
【0072】
待機状態に復帰することで、コントローラ910及びエンジン制御部930が起動する(S2)。
【0073】
検知部26は、消耗材の残量を算出する(S3)。消耗材は、例えばトナー、潤滑剤、及び、ローラーベルトのすり減り量等である。ローラーベルトのすり減り量は、例えば、ローラーベルトの累積回転量から推定されてもよいし、センサー等で実測されてもよい。検知部26は消耗材の残量を制御部21に通知する。
【0074】
制御部21は、消耗材の残量が閾値未満(例えば10%)か否か判断する(S4)。この閾値は、消耗材が近いうちにエンド状態になるニアエンド状態を判断するための値である。
【0075】
ステップS4の判断がYesの場合、制御部21は、消耗材がニアエンドである旨を通知すると判断する(S5)。したがって、制御部21は、管理者又は一般ユーザーが機器20にログインすると、表示制御部27に対し、消耗材のニアエンドの通知を行わせる。
【0076】
ステップS4の判断がNoの場合、制御部21は、消耗材のニアエンドを通知しないと判断する(S6)。
【0077】
消耗材の残量の検知は、機器20の起動時、又は、省エネ状態から復帰する際に必ず実施され、機器20が消耗材を消費すると、消費の都度(例えば1ページの印刷ごと)に消耗材の残量が検知される。そして、消耗材がニアエンドであることは、操作者が機器20にログインした場合に通知される。
【0078】
図12は、制御部21が機器20の消耗材のニアエンドに関する表示を行う処理を説明するフローチャート図である。
【0079】
管理者又は一般ユーザーは機器20を待機状態にさせる(S11)。待機状態にさせる方法は、
図11と同様でよい。
【0080】
ここでは、待機状態になることで、操作パネル940と操作パネル940に配置されたカメラも起動する(S12)。撮像部22が撮像を開始し、繰り返し画角の範囲を撮像する。
【0081】
顔認識部23は、撮像部22が撮像した画像データに対し顔認識を行う(S13)。顔認識部23は顔認識の結果として管理者又は一般ユーザーを特定できたか否か判断し、特定できた場合はユーザーIDなどを属性判断部25に出力する。なお、顔認識部23に操作者の顔が登録されていない場合、操作者はユーザーIDとパスワードでログインする。顔認識部23は、撮像部22が撮像した複数の顔画像と操作者が入力したユーザーIDの対応を学習することで、次回のログイン時に顔認識することが可能になる。また、顔認識部23による認識が成功しない場合(ユーザーを特定できない場合)、認証処理部24がユーザーIDとパスワード、生体認証、又は、ICカード等によりユーザーを認証してよい。
【0082】
制御部21は、
図11の判断結果に応じてニアエンド状態か否か判断する(S14)。
【0083】
ニアエンド状態である場合(S14のYes)、属性判断部25は顔認識部23から取得したユーザーIDの属性を属性情報記憶部31に基づいて判断する(S15)。属性判断部25は、操作者の属性を制御部21に出力する。ニアエンド状態でない場合(S14のNo)、
図12の処理は終了する。
【0084】
カメラで撮像された操作者が管理者である場合(S15のYes)、制御部21は管理者向けに、消耗材のニアエンドを操作パネル940に表示する(S16)。ステップS16の通知の表示例を
図13に示す。
【0085】
カメラで撮像された者が一般ユーザーである場合(S15のNo)、制御部21は一般ユーザー向けに、消耗材のニアエンドを操作パネル940に表示する(S17)。ステップS17の通知の表示例を
図14に示す。
【0086】
<消耗材のニアエンドの表示例>
図13は、管理者に対し表示される、消耗材のニアエンドの通知画面210の一例である。この通知画面210は、消耗材名211、「機器管理者はABCパーツを発注してください。エンド状態になると印刷動作が出来なくなります」というメッセージ212、連絡先213、参考になるホームページのURL214、及び、確認ボタン215を表示する。管理者は、メッセージ212を確認することで、消耗材を発注すべきことを把握できる。
【0087】
管理者が確認ボタン215を押下することで、管理者のスケジュール(予定表)に消耗材の発注の期限やToDoが自動で登録されてもよい。機器20はネットワーク上のサーバーに接続し、管理者のアカウント(IDとパスワード)でスケジュール機能にログインし、これらの情報を登録する。
【0088】
図14は、一般ユーザーに対し表示される、消耗材のニアエンドの通知画面220の一例である。この通知画面220は、消耗材名221、「エンド状態になると印刷動作が出来なくなります。機器管理者に発注を依頼してください。」というメッセージ222、及び、確認ボタン223を表示する。一般ユーザーは、メッセージ222を確認することで、管理者に消耗材の発注を依頼すべきことを把握できる。
【0089】
図13、
図14から明らかなように、機器20は、操作者が管理者か一般ユーザーかによって、消耗材のニアエンドの通知内容を変更できる。管理者向けの通知内容は発注すべき旨なので、管理者は発注すべきことに気づきやすい。一般ユーザー向けの通知内容は管理者に通知すべき旨なので、一般ユーザーは管理者に消耗材のニアエンドを通知すべきことに気づきやすい。
【0090】
このように、本実施形態の機器20は、管理者又は一般ユーザーが1行の警告201では気付けなかった消耗材のニアエンドの通知をポップアップ表示することにより、機器20が使用困難となりダウンタイムが発生することを抑制できる。
【0091】
なお、
図13,
図14の通知内容は一例であり、メッセージ212、222は
図13、
図14に示すものに限られない。メッセージ212は、例えば「消耗材の在庫を管理者に確認して下さい」でもよいし、メッセージ222は、例えば「在庫を一定数確保して下さい」でもよい。
【0092】
また、機器20は、管理者向けに大きな通知画面210で消耗材のニアエンドを表示し、一般ユーザー向けに小さな通知画面220で消耗材のニアエンドを表示してもよい。本実施形態は、一般ユーザーのユーザビリティの低下を抑制できる。
【0093】
<同じ一般ユーザーに対する消耗材のニアエンドの通知制限>
次に、
図15を参照して、同じ一般ユーザーに対する消耗材のニアエンドの通知制限について説明する。一般ユーザーとしては、何度も同じ消耗材についてニアエンドがポップアップ表示されるとユーザビリティが低下する。そこで、制御部21は、同じ一般ユーザーに対しては消耗材のニアエンドの通知を所定回数(例えば1回)に制限する。
【0094】
図15は、制御部21が、同じ一般ユーザーに対して消耗材のニアエンドの通知を制限する処理を説明するフローチャート図である。
図15の処理は、操作者が一般ユーザーであると判断された、
図12のステップS17にて実施される。
【0095】
制御部21は、ログインした一般ユーザーに対する通知状況を通知管理情報記憶部32から取得する(S31)。
【0096】
制御部21は通知管理情報に基づいて、ログインした一般ユーザーに対し消耗材のニアエンドを通知済みか否か判断する(S32)。
【0097】
ステップS32の判断がYesの場合、制御部21は消耗材のニアエンドを通知しないと判断する(S33)。
【0098】
ステップS32の判断がNoの場合、制御部21は消耗材のニアエンドを通知すると判断する(S34)。制御部21は表示制御部27に対し消耗材のニアエンドを表示するよう要求し、表示制御部27が消耗材のニアエンドをポップアップ表示する(
図14)。
【0099】
また、一般ユーザーが確認ボタン223を押下すると、制御部21は、ログインした一般ユーザーの通知状況を通知管理情報記憶部32において更新する(S35)。すなわち、制御部21は、ログインした一般ユーザーに対応付けられているフラグを「1」にする。
【0100】
こうすることで、ユーザビリティとダウンタイム削減を両面で達成することが可能である。
【0101】
なお、
図15では所定回数を1回として説明したが、所定回数を複数回とする場合、制御部21は通知管理情報に通知回数を記録する。制御部21はステップS32で通知回数が所定回数以上か判断する。
【0102】
また、操作者が管理者の場合、
図12の処理から明らかなように、制御部21は、何度でも消耗材のニアエンドを表示することができる。
【0103】
<画面遷移図>
図16は、機器20が表示する画面の画面遷移図を示す。
図16(a)は、ログイン画面230である。ログイン画面230は、ユーザーID欄231とパスワード欄232を有している。撮像部22は、ログイン画面230の表示中に操作者の顔画像を撮像するので、顔画像が登録済みの操作者であれば操作者がユーザーIDとパスワードを入力しなくてもログインできる。顔画像が登録済みでない操作者であれば操作者がユーザーIDとパスワードを入力することでログインする。ログインによりログイン画面230は
図16(b)の通知画面210又は
図16(c)の通知画面220に遷移する。
【0104】
管理者がログインした場合、
図16(b)の通知画面210が表示される。この通知画面210については
図13と同様である。一般ユーザーがログインした場合、
図16(c)の通知画面220が表示される。この通知画面220については
図14と同様である。管理者が確認ボタン215を押下すると、通知画面210は
図16(d)の初期画面240に遷移する。一般ユーザーが確認ボタン223を押下すると、通知画面220は
図16(d)の初期画面240に遷移する。
【0105】
初期画面240は、ユーザー設定によって様々である。初期画面240は、例えば、コピーアプリやスキャナアプリなど特定のアプリの画面でも良いし、アプリのアイコンのリストが表示されたホーム画面等でもよい。
【0106】
図17は、同じ一般ユーザーに対する消耗材のニアエンドの通知が制限される場合の画面遷移図を示す。なお、
図17の説明では、一般ユーザーがログインした場合を説明する。
【0107】
図17(a)(c)は、ログイン画面230である。このログイン画面230は
図16(a)と同様である。
図17(b)は、ログインした一般ユーザーに対し消耗材のニアエンドが通知済みでない場合に、表示される通知画面220である。
図17(b)の通知画面220は
図14と同じでよい。
【0108】
図17(d)は、ログインした一般ユーザーに対し消耗材のニアエンドが通知済みである場合に、ログイン画面230から遷移した初期画面240である。
図17(d)の初期画面240は
図16(d)と同じでよい。
【0109】
このように、同じ一般ユーザーには一度しか通知画面220が表示されないので、ユーザビリティの低下を抑制できる。
【0110】
<主な効果>
本実施形態によれば、管理者又は一般ユーザーが1行の警告では気が付けなかった消耗材のニアエンドをポップアップ表示することにより、消耗材がエンド状態になりダウンタイムが発生することを抑制できる。また、消耗材のニアエンドを一般ユーザーにポップアップ表示することはユーザビリティの低下につながるが、機器20は、一般ユーザーに対し一度のみ、消耗材のニアエンドをポップアップ表示することで、ユーザビリティの低下を抑制できる。したがって、本実施形態の機器20は、ユーザビリティの低下とダウンタイム削減を両面で達成することが可能である。
通信部35は、ネットワークを介して端末装置40と通信する。通信部35は、端末装置40からユーザーIDとパスワードを受信したり、印刷ジョブを受信したりする。また、通信部35は、ログインした操作者か管理者である場合に管理者向けの消耗材のニアエンド通知を送信し、一般ユーザーである場合に一般ユーザー向けの消耗材のニアエンド通知を送信する。
通信部34は、ネットワークを介して機器20と通信する。通信部34は、機器20にユーザーIDとパスワードを送信したり、印刷ジョブを送信したりする。また、通信部34は、ログインした操作者か管理者である場合に管理者向けの消耗材のニアエンド通知を受信し、一般ユーザーである場合に一般ユーザー向けの消耗材のニアエンド通知を受信する。
表示制御部27は、例えば、プリンタドライバの画面に重畳して、消耗材のニアエンド通知をポップアップ表示したり、デスクトップ通知機能を利用して消耗材のニアエンド通知を表示したりする。
S41:操作者が端末装置40に対し機器20へのログイン操作を行う。端末装置40の通信部34はログイン要求(ユーザーIDとパスワード)を機器20に送信する。端末装置40においても、ユーザー認証の方法は、顔認識、生体認証又はICカードのいずれが使用されてもよい。なお、操作者が端末装置40にログインしたことで端末装置40がユーザーIDを機器20に送信してもよい。つまり、機器20では認証処理を省略してもよい。
S42:機器20の通信部35はログイン要求を受信する。制御部21は、実施例1と同様に、ユーザー認証、及び、ログインした操作者が管理者か否かで消耗材のニアエンド通知を変更する処理を行う。また、制御部21は、同じ一般ユーザーに対する消耗材のニアエンドの通知を制限する。