(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119592
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】感熱記録媒体、感熱記録媒体の製造方法及び医療用物品
(51)【国際特許分類】
B41M 5/333 20060101AFI20240827BHJP
B41M 5/40 20060101ALI20240827BHJP
B41M 5/42 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B41M5/333 220
B41M5/40 220
B41M5/42 210
B41M5/42 211
B41M5/42 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026601
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 沙依
(72)【発明者】
【氏名】植竹 和幸
【テーマコード(参考)】
2H026
【Fターム(参考)】
2H026AA07
2H026BB02
2H026BB24
2H026BB39
2H026DD02
2H026DD07
2H026DD48
2H026DD57
2H026FF11
2H026FF15
2H026FF17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】皮膚保護剤、油及び熱に対して優れた印字部の画像保存性を有する感熱記録媒体を提供する。
【解決手段】支持体と、前記支持体上に感熱記録層とを有し、前記感熱記録層が、以下の一般式(I)で表される化合物と、1,3-ジフェニル尿素とを含有する。
(但し、式中、R
1~R
3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6のアルキル基、C1~C6のアルコキシ基、C1~C6のフルオロアルキル基を表す。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、前記支持体上に感熱記録層とを有する感熱記録媒体であって、
前記感熱記録層が、以下の一般式(I)で表される化合物と、1,3-ジフェニル尿素とを含有する感熱記録媒体。
【化1】
(但し、式中、R
1~R
3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6のアルキル基、C1~C6のアルコキシ基、C1~C6のフルオロアルキル基を表す。)
【請求項2】
前記感熱記録層に非フェノール顕色剤として、以下の一般式(II)で表される顕色剤をさらに含有する請求項1に記載の感熱記録媒体。
【化2】
【請求項3】
前記一般式(I)で表される化合物1質量部に対し、1,3-ジフェニル尿素を0.01質量部~3.00質量部含有する請求項1に記載の感熱記録媒体。
【請求項4】
前記感熱記録層に対して前記支持体の反対側にバック層が設けられる請求項1に記載の感熱記録媒体。
【請求項5】
前記支持体と前記感熱記録層との間にアンダーコート層を有する請求項1に記載の感熱記録媒体。
【請求項6】
前記アンダーコート層は、中空粒子を含む請求項5に記載の感熱記録媒体。
【請求項7】
前記感熱記録層上に保護層を有する請求項1に記載の感熱記録媒体。
【請求項8】
支持体上に、以下の一般式(I)で表される化合物と、1,3-ジフェニル尿素とを含有する感熱記録層を形成する工程を含む感熱記録媒体の製造方法。
【請求項9】
前記支持体の前記感熱記録層を有する面とは反対側の面上にバック層を形成する工程を含む請求項8に記載の感熱記録媒体の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の感熱記録媒体を有する医療用物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱記録媒体、感熱記録媒体の製造方法及び医療用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱記録媒体は、比較的簡単な装置で、短時間で簡易に低コストで記録できることから、例えば、生鮮食料品、弁当、惣菜用等のPOS分野、図書、文書等の複写分野;ファクシミリ等の通信分野;券売機、レシート、領収書等の発券分野;空港用手荷物タグ等の航空分野;ピルケース、ピルボトル等の医療分野等の多方面において広く使用されている。
【0003】
感熱記録媒体は、電子供与性染料(以下、ロイコ染料と称することもある)と、電子受容性顕色剤(以下、顕色剤と称することもある)とを含有している。顕色剤として、4,4'-イソプロピリデンジフェノール等のように、フェノール骨格を有するフェノール系顕色剤、フェノール骨格を有しない顕色剤(以下、「非フェノール系顕色剤」と称することがある)等がある。中でも、フェノール系顕色剤は、内分泌攪乱物質に該当する可能性があるとして使用が懸念されている。そこで、環境及び健康への配慮を図る観点から、非フェノール系顕色剤を用いた感熱記録媒体が検討されている。
【0004】
非フェノール系顕色剤を用いた感熱記録媒体として、例えば、N-フェニルウレイド-フェニル-ベンゼンスルホンアミド類を非フェノール系顕色剤として用いることで、発色性能等を良好とした感熱記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
また、顕色剤に、N-フェニルウレイド-フェニル-ベンゼンスルホンアミド類の他に、特定の構造を有するジフェニルスルホン架橋型化合物及び特定の構造を有するウレアウレタン化合物を併用した感熱記録媒体が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、病院等の医療分野で働く従業員等は、手をアルコールで消毒した後、一般に、ハンドクリーム、ハンドローション及びハンドサニタイザー等のような皮膚保護剤で皮膚を保護して作業していることが多い。病院等で使用されるピルボトル等の医療用容器のラベルに、従来の感熱記録媒体のように、N-フェニルウレイド-フェニル-ベンゼンスルホンアミド類を感熱記録層に含む感熱記録媒体を使用した場合、発色感度は良好であるものの、従業員等の手に塗布した皮膚保護剤が感熱記録媒体に接触することで、ラベルの印字画像が退色する、という問題があった。
【0007】
本発明の一態様は、皮膚保護剤、油及び熱に対して優れた印字部の画像保存性を有すると共に、優れた発色感度を有する感熱記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
支持体と、前記支持体上に感熱記録層とを有する感熱記録媒体であって、
前記感熱記録層が、以下の一般式(I)で表される化合物と、1,3-ジフェニル尿素とを含有する感熱記録媒体である。
【0009】
【化1】
(但し、式中、R
1~R
3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6のアルキル基、C1~C6のアルコキシ基、C1~C6のフルオロアルキル基を表す。)
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、皮膚保護剤、油及び熱に対して優れた印字部の画像保存性を有すると共に、優れた発色感度を有する感熱記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、実施形態は以下の記述によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、本明細書において数値範囲を示す「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
【0012】
<感熱記録媒体>
一実施形態に係る感熱記録媒体は、支持体と、支持体上に感熱記録層とを有し、必要に応じて、その他の層を有してよい。
【0013】
本願発明者らは、支持体と感熱記録層とを有する感熱記録媒体では、感熱記録層が非フェノール系顕色剤としてN-フェニルウレイド-フェニル-ベンゼンスルホンアミド類を用いると、皮膚保護剤に対する耐久性及び耐油性が低いため、医療分野等では使用し難いことに着目した。本願発明者らは、鋭意検討した結果、感熱記録層に非フェノール系顕色剤としてN-フェニルウレイド-フェニル-ベンゼンスルホンアミド類と1,3-ジフェニル尿素とを併用することを検討した。これにより、本願発明者らは、感熱記録層が、内分泌攪乱物質に該当する可能性があるフェノール系顕色剤を含まず、皮膚保護剤に耐久性、耐油性及び耐熱性を高められることを発見した。この結果、本願発明者らは、感熱記録媒体が、フェノール系顕色剤を用いず、皮膚保護剤、油及び熱に対して優れた印字部の画像保存性を有すると共に、優れた発色感度を有することを見出した。
【0014】
なお、皮膚保護剤とは、アルコール、石鹸、表面活性剤等の刺激物質が皮膚に刺激を与える成分から皮膚を保護又は緩和する物質であり、物質を含む組成物であってよい。皮膚保護剤は、例えば、皮膚に脂肪を与えることによりアルコール、石鹸、表面活性剤等により脂肪が除去され過ぎないようにする物質、皮膚を脂肪溶解物質から保護する皮膚保護物質、皮膚の乾燥を防ぐ湿潤保持剤等を含有してよい。皮膚保護剤としては、例えば、グリセリン、グルコマンナン、マルトデキストリン、カオリン、脂肪酸エステル、脂肪酸アルキルオールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ココヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、ウンデシル酸モノエタノールアミド、ココヤシ油脂、パームヤシ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ実油、獣脂、カミレ抽出物、松柏抽出物、海草抽出物、乳酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキシレングリコール、蜂蜜、転化糖溶液、ソルビット溶液、シリコーン、2-ピロリドン-5-カルボン酸アルカリ塩、多糖類、ポリエチレングリコール、低分子量のポリグリセライド等が挙げられる。皮膚保護剤として、具体的には、ハンドクリーム、ハンドローション及びハンドサニタイザー等が挙げられる。皮膚保護剤の形態は、特に限定されず、粉状、液体、ゲル状、固形物等であってよい。
【0015】
[感熱記録層]
一実施形態に係る感熱記録媒体が備える感熱記録層は、ロイコ染料と、顕色剤とを含有し、顕色剤として、少なくとも1種の特有のウレア化合物と、1,3-ジフェニル尿素を含む非フェノール系顕色剤を含有する。
【0016】
(ロイコ染料)
ロイコ染料としては、特に制限はなく、感熱記録媒体に使用されているものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好適に挙げられる。
【0017】
ロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-フタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジエチルアミノフタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-クロルフタリド、3,3-ビス(p-ジブチルアミノフェニル)フタリド、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロルフルオラン、3-ジメチルアミノ-5,7-ジメチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-ベンズフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロルフルオラン、3-(N-p-トリル-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、2-{N-(3'-トリフルオルメチルフェニル)アミノ}-6-ジエチルアミノフルオラン、2-{3,6-ビス(ジエチルアミノ)-9-(o-クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(m-トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-7-o-クロルアニリノ)フルオラン、3-N-メチル-N,n-アミルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-5-メチル-7-(N,N-ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6'-クロロ-8'-メトキシ-ベンゾインドリノ-スピロピラン、6'-ブロモ-3'-メトキシ-ベンゾインドリノ-スピロピラン、3-(2'-ヒドロキシ-4'-ジメチルアミノフェニル)-3-(2'-メトキシ-5'クロルフェニル)フタリド、3-(2'-ヒドロキシ-4'-ジメチルアミノフェニル)-3-(2'-メトキシ-5'-ニトロフェニル)フタリド、3-(2'-ヒドロキシ-4'-ジエチルアミノフェニル)-3-(2'-メトキシ-5'-メチルフェニル)フタリド、3-(2'-メトキシ-4'-ジメチルアミノフェニル)-3-(2'-ヒドロキシ-4'-クロル-5'-メチルフェニル)フタリド、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-(2-エトキシプロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-メチル-N-イソブチル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-モルホリノ-7-(N-プロピル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロ-7-(N-ベンジル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-(ジ-p-クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-5-メチル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ピペリジノフルオラン、2-クロロ-3-(N-メチルトルイジノ)-7-(p-n-ブチルアニリノ)フルオラン、3-ジ-n-ブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3')-6'-ジメチルアミノフタリド、3-(N-ベンジル-N-シクロヘキシルアミノ)-5,6-ベンゾ-7-α-ナフチルアミノ-4'-プロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-メシチジノ-4',5'-ベンゾフルオラン、3-N-メチル-N-イソプロピル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-イソアミル-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-(2',4'-ジメチルアニリノ)フルオラン、3-モルホリノ-7-(N-プロピル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロロ-7-(N-ベンジル-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ピロリジノ-7-(ジ-p-クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-5-クロル-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-5-メチル-7-(α-フェニルエチルアミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ピベリジノフルオラン、2-クロロ-3-(N-メチルトルイジノ)-7-(p-N-ブチルアニリノ)フルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3')-6'-ジメチルアミノフタリド、3-(N-ベンジル-N-シクロヘキシルアミノ)-5,6-ベンゾ-7-α-ナフチルアミノ-4'-ブロモフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-(-2-エトキシプロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-メシチジノ-4',5'-ベンゾフルオラン、3-p-ジメチルアミノフェニル)-3-{1,1-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル}フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-{1,1-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル}-6-ジメチルアミノフタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-フェニルエチレン-2-イル)フタリド、3-(p-ジメチルアミノフェニル)-3-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1-p-クロロフェニルエチレン-2-イル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4'-ジメチルアミノ-2'-メトキシ)-3-(1''-p-ジメチルアミノフェニル-1''-p-クロロフェニル-1'',3''-ブタジエン-4''-イル)ベンゾフタリド、3-(4'-ジメチルアミノ-2'-ベンジルオキシ)-3-(1''-p-ジメチルアミノフェニル-1''-フェニル-1'',3''-ブタジエン-4''-イル)ベンゾフタリド、3-ジメチルアミノ-6-ジメチルアミノ-フルオレン-9-スピロ-3'-(6'-ジメチルアミノ)フタリド、3,3-ビス(2-(p-ジメチルアミノフェニル)-2-p-メトキシフェニル)エテニル)-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3-ビス{1,1-ビス(4-ピロリジノフェニル)エチレン-2-イル}-5,6-ジクロロ-4,7-ジプロモフタリド、ビス(p-ジメチルアミノスチリル)-1-ナフタレンスルホニルメタン、ビス(p-ジメチルアミノスチリル)-1-p-トリルスルホニルメタン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0018】
ロイコ染料の質量比率は、感熱記録層の総質量を100質量%とした時、3質量%~30質量%としてよい。
【0019】
(顕色剤)
一実施形態に係る感熱記録媒体の感熱記録層に含まれる顕色剤は、非フェノール系顕色剤である。非フェノール系とは、フェノール骨格を有しないことを意味する。一実施形態に係る感熱記録媒体は、非フェノール系顕色剤を含有することで、内分泌攪乱物質に該当する可能性があるフェノール系顕色剤を含有する必要がないため、環境への影響の点で優れる。
【0020】
顕色剤は、非フェノール系顕色剤として、下記一般式(I)で表される化合物であるウレア化合物を少なくとも1種、且つ、1,3-ジフェニル尿素を含有する。
【0021】
【化2】
(式中、R
1~R
3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖のC1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシ基、C1~C6フルオロアルキル基を表す。)
【0022】
一実施形態では、上記一般式(I)で表されるウレア化合物は、以下の式(1)で表される化合物を含むことが好ましい。なお、以下の式(1)は、上記の一般式(I)の式中の、R1、R2及びR3を全て水素原子とした化合物である。
【0023】
【0024】
一実施形態では、感熱記録層に更なる非フェノール顕色剤としては、以下の一般式(II)で表される顕色剤を含有することが好ましい。
【0025】
【化4】
(式中、R
1~R
5は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6アルキル基、直鎖のC1~C6アルコキシ基、直鎖のC1~C6フルオロアルキル基を表す。)
【0026】
上記の一般式(II)で表されるウレア化合物としては、以下の式(2)で表されるウレア化合物を含有してよい。
【0027】
【0028】
感熱記録層中の、1,3-ジフェニル尿素の含有比率は、ウレア化合物(NKK)1質量部に対し、好ましくは0.01質量部~3.00質量部であり、より好ましくは0.05質量部~2.50質量部であり、さらに好ましくは0.05質量部~1.50質量部、最も好ましくは0.25質量部~0.50質量部である。
【0029】
感熱記録層では、ロイコ染料に対する顕色剤の含有比率は、ロイコ染料1質量部に対して、1質量部~20質量部が好ましく、2質量部~10質量部がより好ましい。
【0030】
感熱記録層は、一実施形態に係る感熱記録媒体の効果を阻害しない範囲で、他の非フェノール系顕色剤を含有してよい。非フェノール系顕色剤は、フェノール系顕色剤よりも種類が少ない。他の非フェノール系顕色剤としては、例えば、下記一般式(III)で表される化合物、下記一般式(IV)で表される化合物、下記一般式(V)で表される化合物、下記一般式(VI)で表される化合物、下記一般式(VII)で表される化合物、下記一般式(VIII)で表される化合物、下記一般式(IX)で表される化合物、下記一般式(X)で表される化合物等が挙げられる。
【0031】
【化6】
(式中、R
1は、非置換又は置換のフェニル、ナフチル若しくはC
1-C
20アルキルである。Xは、-C=NH-、-CS-、-CO-の基である。Aは、非置換又は置換のフェニレン、ナフチレン若しくはC
1-C
12アルキレン、或いは非置換又は置換の複素環基である。Bは、-O-SO
2-、-SO
2-O-、-NH-SO
2-、-SO
2-NH-、-S-SO
2-、-O-CO-、-O-CO-NH-、-NH-CO-、-NH-CO-O-、-S-CO-NH-、-S-CS-NH-、-CO-NH-SO
2-、-O-CO-NH-SO
2-、-NH=CH-、-CO-NH-CO-、-S-、-CO-、-O-、-SO
2-NH-CO-、-O-CO-O-又は-O-PO-(OR
2)
2の結合基である。R
2は、非置換又は置換のアリール若しくはベンジル又はC
1-C
20アルキルであり、Bが-O-SO
2-の結合基ではない場合、R
2は、非置換又は置換のフェニル、ナフチル若しくはC
1-C
8アルキルである。)
【0032】
【化7】
(式中、X及びZは、各々独立して芳香族化合物残基、複素環化合物残基又は脂肪族化合物残基を表し、各残基は置換基を有していてもよく、Y
0は、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ヘキサメチレン基及び-φ-CH
2-φ-基からなる群から選ばれる一つを表す。なお、-φ-はフェニレン基を示す。)
【0033】
【化8】
(式中、X及びYは、各々独立して芳香族化合物残基、複素環化合物残基又は脂肪族化合物残基を表し、各残基は、置換基を有していてもよい。)
【0034】
【化9】
(式中、X及びYは、各々独立して芳香族化合物残基、複素環化合物残基又は脂肪族化合物残基を表し、αは、2価以上の価数を有する残基を表し、nは、2以上の整数を表し、各残基は、置換基を有していてもよい。)
【0035】
【化10】
(式中、Z及びYは、各々独立して芳香族化合物残基、複素環化合物残基又は脂肪族化合物残基を表し、βは、2価以上の価数を有する残基を表し、nは、2以上の整数を表し、各残基は、置換基を有していてもよい。)
【0036】
【化11】
(式中、ベンゼン環の水素原子は、芳香族化合物残基、脂肪族化合物残基又は複素環化合物残基により置換されていてもよく、各残基は、置換基を有していてもよい。γは、-SO
2-、-O-、-(S)
n-、-(CH
2)
n-、-CO-、-CONH-、-O-φ-C(CH
3)
2-φ-O-、-C(CH
3)
2-φ-C(CH
3)
2-、-O-φ-O-、-O-φ-φ-O-、-O-φ-SO
2-φ-O-の何れかからなる群から選ばれる一つ、又は存在しない場合を示し、nは、1又は2である。)
【0037】
【化12】
(式中、ベンゼン環の水素原子は、芳香族化合物残基、脂肪族化合物残基又は複素環化合物残基により置換されていてもよく、各残基は、置換基を有していてもよい。δは、-SO
2-、-O-、-(S)
n-、-(CH
2)
n-、-CO-、-CONH-、-NH-、-CH(COOR
1)-、-C(CF
3)
2-及び-CR
2R
3-からなる群から選ばれる一つ、又は存在しない場合を示し、R
1、R
2及びR
3は各々アルキル基を表し、nは、1又は2である。)
【0038】
【化13】
(式中、Rは、アルキル基を表し、nは、0~3の整数を表す。)
【0039】
非フェノール系顕色剤としては、適宜合成してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、UU(ケミプロ化成株式会社製、商品名:ウレアウレタン、下記の式(2))、Pergafast201(4-メチル-N-[[[3-[[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ]フェニル]アミノ]カルボニル]ベンゼンスルホンアミド、BASF社製)、NKK-1304(N-[2-[[(フェニルアミノ)カルボニル]アミノ]フェニル]ベンゼンスルホンアミド、日本曹達株式会社製)等が挙げられる。
【0040】
【0041】
顕色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ロイコ染料1質量部に対して、非フェノール系顕色剤全体としての含有質量部は、1質量部~20質量部が好ましく、2質量部~10質量部がより好ましい。
【0042】
追加の顕色剤の含有比率は、一実施形態に係る感熱記録媒体の効果が損なわれない限り、意図された目的に応じて、適宜任意の割合を選択してよい。式(I)又は式(II)、及び1,3-ジフェニル尿素ではない他の顕色剤を組み合わせた質量は、感熱着色層中のロイコ染料の1質量部に対して、2質量部未満であることが好ましく、0.5質量部未満であることがより好ましい。一実施形態では、式(I)又は式(II)、及び1,3-ジフェニル尿素以外の感熱記録層中に実質的に他の顕色剤が存在しなくてよい。
【0043】
(その他の成分)
感熱記録層は、更に必要に応じて、その他の成分として、例えば、熱可融性物質、結着樹脂、補助添加剤、界面活性剤、滑剤、填料等を含んでよい。
【0044】
-熱可融性物質-
熱可融性物質としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p-ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β-ベンジルオキシナフタレン、β-ナフトエ酸フェニルエステル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸フェニルエステル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、1,4-ジメトキシナフタレン、1,4-ジエトキシナフタレン、1,4-ジベンジルオキシナフタレン、1,2-ビス(フェノキシ)エタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(4-メチルフェノキシ)エタン、1,4-ビス(フェノキシ)ブタン、1,4-ビス(フェノキシ)-2-ブテン、1,2-ビス(4-メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4-ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4-ビス(フェニルチオ)-2-ブテン、1,2-ビス(4-メトキシフェニルチオ)エタン、1,3-ビス(2-ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p-(2-ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p-アリールオキシビフェニル、p-プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3-ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1-ジフェニルエタノール、1,1-ジフェニルプロパノール、p-(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3-ジフェノキシ-2-プロパノール、N-オクタデシルカルバモイル-p-メトキシカルボニルベンゼン、N-オクタデシルカルバモイルベンゼン、蓚酸ジベンジルエステル、1,5-ビス(p-メトキシフェニルオキシ)-3-オキサペンタン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
-結着樹脂-
結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド-アクリル酸エステル-メタクリル酸三元共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエマルション;スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル共重合体等のラテックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
-補助添加剤-
補助添加剤としては、例えば、電子受容性であるが発色能力の比較的少ない種々のヒンダードフェノール化合物又はヒンダードアミン化合物を用いてよい。これらの具体例としては、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(6-ターシャリーブチル-2-メチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-ターシャリーブチルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4'-チオビス(6-ターシャリーブチル-2-メチルフェノール)、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4」チオビス(2-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(2-クロロフェノール)、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
【0047】
-界面活性剤-
界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0048】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0050】
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-ジオール、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール等が挙げられる。 これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0051】
-滑剤-
滑剤としては、例えば、高級脂肪酸又はその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックス等が挙げられる。
【0052】
-填料-
填料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウム、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末;尿素-ホルマリン樹脂、スチレン-メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の有機系微粉末等が挙げられる。
【0053】
[感熱記録層の製造方法]
感熱記録層の製造方法は、特に制限されず、感熱記録層は、一般に知られている方法により形成できる。感熱記録層の製造方法は、例えば、ロイコ染料、顕色剤、その他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒径が0.1μm~3μmになるまで粉砕分散した後、増感剤と、必要に応じて填料等と共に、混合して感熱記録層塗布液を調製する。感熱記録層塗布液を支持体上に塗布し、乾燥させることによって、感熱記録層を形成できる。
【0054】
塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、単層カーテンコート法、多層同時カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法等が挙げられる。
【0055】
一実施形態に係る感熱記録媒体の製造では、経済性の要求、塗工層の均一性向上の観点から、感熱記録層と後述する保護層等のその他の層とを多層同時カーテン法により塗布する方法、又は感熱記録層とその他の層の間に少なくとも1層の中間層を設け、それらを多層同時カーテン法により塗布する方法が適用されることが好ましい。
【0056】
感熱記録層の乾燥後の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5g/m2~20.0g/m2が好ましく、1.0g/m2~10.0g/m2がより好ましい。
【0057】
[その他の層]
一実施形態に係る感熱記録媒体が備える、その他の層は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その他の層としては、例えば、保護層、バック層、アンダーコート層、中間層、粘着剤層等を用いることができる。
【0058】
(保護層)
保護層は、感熱記録層の上に設けてよい。保護層は、結着樹脂及び架橋剤を含有し、必要に応じて、その他の成分を含有してよい。
【0059】
-結着樹脂-
保護層に含まれる結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂、水溶性樹脂エマルジョン、疎水性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化樹脂等が挙げられる。
【0060】
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド-アクリル酸エステル-メタアクリル酸三元共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体のアリカリ塩、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体のアリカリ塩、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチルビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、ポリビニルアルコール-アクリルアミドブロック共重合体、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、変性ポリビニルアルコールが好ましい。
【0061】
変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、ジアセトン変性ポリビニルアルコール;アセトアセチル変性ポリビニルアルコール;イタコン酸変性ポリビニルアルコール、マレイン酸変性ポリビニルアルコール等のカルボン酸変性ポリビニルアルコール;等が挙げられる。
【0062】
-架橋剤-
架橋剤としては、水溶性樹脂と反応することで、水溶性樹脂の水への溶解性を低下させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。架橋剤としては、例えば、グリオキザール誘導体、メチロール誘導体、エピクロルヒドリン、ポリアミドエピクロルヒドリン、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン、ヒドラジド誘導体、オキサゾリン誘導体、カルボジイミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、取り扱い上の安全性が高いこと、耐水化に必要な硬化時間が短いことから、ポリアミドエピクロルヒドリンが特に好ましい。
【0063】
ポリアミドエピクロルヒドリンの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結着樹脂100質量部に対して、10質量部~60質量部が好ましく、20質量部~50質量部以下がより好ましい。
【0064】
結着樹脂及び架橋剤以外に含まれるその他の成分として、顔料(フィラー)、補助添加成分等を含んでよい。
【0065】
保護層に用いられる顔料としては、例えば、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、リトポン、タルク、ロウ石、カオリン、水酸化アルミニウム、焼成カオリン等の無機顔料や架橋ポリスチレン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリメタクリル酸メチル樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂等の有機顔料が挙げられる。
【0066】
保護層に用いられる補助添加成分としては、例えば、界面活性剤、熱可融性物質、滑剤、圧力発色防止剤等の、従来から一般的に用いられている補助添加成分等が挙げられる。
【0067】
保護層の製造方法は、特に制限されず、一般に知られている方法を用いてよい。
【0068】
保護層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm~5μmが好ましく、1μm~3μmがより好ましい。
【0069】
(バック層)
バック層は、必要に応じて支持体の感熱記録層を設けない側の面上に設けることができる。バック層は、フィラー及び結着樹脂を含有し、更に必要に応じて、滑剤、着色顔料等のその他の成分を含有してよい。
【0070】
フィラーとしては、例えば、無機フィラー又は有機フィラーを用いることができる。
【0071】
無機フィラーとしては、例えば、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物等が挙げられる。
【0072】
有機フィラーとしては、例えば、シリコーン樹脂、セルロース、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。
【0073】
結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感熱記録層の結着樹脂と同様なものを用いることができる。
【0074】
バック層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm~20μmが好ましく、0.3μm~10μmがより好ましい。
【0075】
(アンダーコート層)
アンダーコート層は、支持体と感熱記録層との間に設けることができる。アンダーコート層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、接着樹脂、熱可塑性中空樹脂粒子等を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有することが好ましい。
【0076】
熱可塑性中空樹脂粒子は、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有するもので、既に発泡状態となっている微小中空粒子である。
【0077】
熱可塑性中空樹脂粒子の平均粒径(平均粒子径)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2μm~20μmが好ましく、2μm~5μmがより好ましい。平均粒径が0.2μm以上であれば、技術的に中空構造を有する熱可塑性中空樹脂粒子を形成できるので、アンダーコート層としての機能が発揮できる。平均粒径が20μm以下であれば、塗布乾燥後の表面の平滑性の低下が抑えられるため、感熱記録層の塗布を均一にでき、均一にするために必要量以上の感熱記録層用塗布液を塗布することが抑えられる。よって、熱可塑性中空樹脂粒子の平均粒径は、上記範囲内にあると同時に、バラツキの少ない均一な分布ピークを有していることが好ましい。
【0078】
なお、熱可塑性中空樹脂粒子の平均粒径とは、熱可塑性中空樹脂粒子の粒子外形の平均値である。平均粒径とは、有効径による体積平均粒径をいう。平均粒径は、例えば、レーザ回折・散乱法又は動的光散乱法等によって熱可塑性中空樹脂粒子の粒度分布を測定して求めた粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して体積基準で50%を占める時の粒子径(メディアン径)である。
【0079】
熱可塑性中空樹脂粒子の中空率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50%~95%が好ましく、80%~95%がより好ましい。中空率が30%以上であれば、断熱性が十分であるため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて感熱記録媒体の外へ放出されることが抑えられ、感度向上効果が十分である。なお、中空率とは、中空粒子の外径と内径(中空部の直径)の比であり、下記式で表わされる。
中空率[%]=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100
【0080】
なお、熱可塑性中空樹脂粒子は、上述のように、熱可塑性樹脂を殻とするものである。熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン-アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂等が挙げられる。これらの中でも、スチレン-アクリル樹脂、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主体とする共重合体樹脂が、中空率が高く、粒子径のバラツキが小さくなり、ブレード塗工に適している点で、好ましい。
【0081】
また、熱可塑性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂類、尿素-ホルムアルデヒド樹脂類、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂類、フラン樹脂類等や付加重合によって生成する不飽和ポリエステル樹脂や架橋MMA樹脂等が挙げられる。
【0082】
プラスチック中空粒子の塗布量は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択できるが、感度及び塗布均一性を保つ点から、支持体1m2当り1g~3gであることが好ましい。塗布量が支持体1m2当り1g以上であると、十分な感度が得られ、また、塗布量が支持体1m2当り3g以下であると、層の結着性を維持できる。
【0083】
(中間層)
中間層は、例えば、保護層と感熱記録層との間に設けることができる。中間層は、通常、少なくともバインダーを含み、各々、無機充填剤及び界面活性剤を含んでもよい。
【0084】
中間層(単数又は複数)のバインダーは、目的に応じて制限なく適当に選択され、各中間層において同一のバインダー又は別々の層において異なるバインダーを用いることができる。中間層に用いることができるバインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン及びそれらの誘導体;セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、アルギン酸ソーダ、ゼラチン及びカゼイン;アクリルバインダー等が挙げられる。
【0085】
また、中間層のバインダーとして疎水性樹脂を用いてよい。中間層のバインダーとして用いられ得る疎水性樹脂は、エマルジョンとして提供されるもの及び水溶性として提供されるものを含んでよい。中間層のバインダーとして用いられ得る疎水性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル(共)重合体、塩化ビニリデン(共)重合体、塩化ビニル(共)重合体、及びスチレン-ブタジエン共重合体等が挙げられる。中間層に用いる特に好ましいバインダーとしては、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0086】
中間層の厚さは、好ましくは0.2μm~10μmであり、より好ましくは0.5μm~5μmである。複数の中間層が適用される場合には、全ての中間層の乾燥後の厚みの合計は、5μm以下であること好ましい。
【0087】
(粘着剤層)
粘着剤層は、例えば、感熱記録層の保護層が形成される表面と反対側の支持体の表面上に設けることができる。
【0088】
粘着剤層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。粘着剤層としては、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル-アクリル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
【0089】
粘着剤層は、例えば、一実施形態に係る感熱記録媒体の通常の用途において、感熱記録媒体を食品パッケージに取り付けるのに役立つ。そのため、一実施形態に係る感熱記録媒体は、支持体又はバック層に取り付けられた接着面を備えることができるので、接着剤層を有するラベルを提供するのに有用な感熱記録媒体として用いられる。なお、粘着剤層は、剥離可能なライナを接着層に取り付けて、標識が付された製品への最終的な取り付けの前に除去してよい。また、粘着剤層は、帯電防止特性を有してよい。
【0090】
粘性層の形成方法は、特に限定されない。粘性層の形成方法としては、一般的なコーティング方法及びラミネート方法等を用いてよい。
【0091】
粘着剤層の平均厚さは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択されてよく、0.1μm~20μmとしてよい。
【0092】
一実施形態に係る感熱記録媒体の製造方法は、特に制限されず、一般に知られている方法により製造できる。一実施形態に係る感熱記録媒体の製造方法は、経済性の要求、塗工層の均一性向上の観点から、感熱記録層と保護層等のその他の層とを多層同時カーテン法により塗布する方法、又は感熱記録層とその他の層の間に少なくとも1層の中間層を設け、それらを多層同時カーテン法により塗布する方法等を用いることが好ましい。
【0093】
このように、一実施形態に係る感熱記録媒体は、支持体と感熱記録層とを有し、感熱記録層に、上記の一般式(I)で表されるウレア化合物と、1,3-ジフェニル尿素とを含んでいる。これにより、一実施形態に係る感熱記録媒体は、感熱記録層を、皮膚保護剤、油及び熱に対する耐久性を高められることできる。よって一実施形態に係る感熱記録媒体は、皮膚保護剤、油及び熱に対して優れた印字部の画像保存性を有すると共に、優れた発色感度を有することができる。
【0094】
一実施形態に係る感熱記録媒体は、感熱記録層に非フェノール顕色剤として、上記の一般式(II)で表される顕色剤をさらに含有することができる。これにより、一実施形態に係る感熱記録媒体は、感熱記録層を、皮膚保護剤と油に対する耐久性をさらに高められることでき、皮膚保護剤、油に対する印字部の画像保存性をより高めることができる。
【0095】
一実施形態に係る感熱記録媒体は、一般式(I)で表される化合物1質量部に対する1,3-ジフェニル尿素の含有量を0.01質量部~3.00質量部とすることができる。これにより、一実施形態に係る感熱記録媒体は、感熱記録層を、皮膚保護剤と油に対する耐久性をさらに高められることでき、皮膚保護剤、油に対する印字部の画像保存性をより高めることができる。
【0096】
一実施形態に係る感熱記録媒体は、感熱記録層の支持体の反対側にバック層を設けることができる。これにより、一実施形態に係る感熱記録媒体は、強度を高めることができると共に、形状の安定性を高めることができる。
【0097】
一実施形態に係る感熱記録媒体は、支持体と感熱記録層との間にアンダーコート層を有することができる。これにより、一実施形態に係る感熱記録媒体は、断熱性を発揮できるため、支持体に伝わった熱エネルギーが支持体を通じて感熱記録媒体の外へ放出されることが抑え、感度を向上させることができる。
【0098】
一実施形態に係る感熱記録媒体は、アンダーコート層に中空粒子を含むことができる。これにより、一実施形態に係る感熱記録媒体は、断熱性を確実に発揮させ易くすることができるため、支持体に伝わった熱エネルギーが支持体を通じて感熱記録媒体の外へ放出されることをより抑え、感度をより向上させることができる。
【0099】
一実施形態に係る感熱記録媒体は、感熱記録層上に保護層を有することができる。これにより、一実施形態に係る感熱記録媒体は、感熱記録層を外部から保護することができるため、感熱記録層の耐久性を高めることができる。
【0100】
一実施形態に係る感熱記録媒体の態様は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。例えば、一実施形態に係る感熱記録媒体は、このままラベルとして用いてもよいし、保護層上又は支持体上に、文字、マーク、絵、バーコード又はQRコード(登録商標)等の二次元コード等の情報をプリントする層を設けた態様としてよい。また、一実施形態に係る感熱記録媒体は、支持体上の感熱記録層が設けられている側と反対側に粘着剤層を設けた態様としてもよい。
【0101】
一実施形態に係る感熱記録媒体の形状は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。一実施形態に係る感熱記録媒体の形状としては、例えば、ラベル状、シート状、ロール状等が挙げられる。
【0102】
以下、一実施形態に係る感熱記録媒体の態様の具体例について説明する。
【0103】
[感熱記録ラベル]
一態様の感熱記録媒体は、支持体が、感熱記録層を有する面とは反対側の面上に設けられた粘着剤層と、粘着剤層上に設けられた剥離紙とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる感熱記録ラベルである。なお、粘着剤層は、ラベル全体に塗布されていてもよいし、一部のみに塗布されてもよい。
【0104】
[ライナーレス型感熱記録媒体]
ライナーレス型感熱記録媒体は、離型層を有する態様(離型層有りタイプ)、又は離型層を有しない態様(離型層無しタイプ)として使用できる。
【0105】
(離型層有りタイプ)
一態様の感熱記録媒体は、支持体が、感熱記録層を有する面(表面側)の最上層に離型層を有し、感熱記録層を有する面とは反対側(裏面側)の面上に粘着剤層を更に有するライナーレス型感熱記録媒体である。なお、必要に応じてその他の層を設けてもよい。
【0106】
離型層は、粘着剤層との剥離性が良好な材料を用いて形成された層であることが好ましく、シリコーンを含む層であることが特に好ましい。
【0107】
一態様のライナーレス型感熱記録媒体は、剥離層の上に粘着剤層が重なるように巻かれたロール状の形態として取り扱うことができる。
【0108】
(離型層無しタイプ)
一態様の感熱記録媒体は、支持体が、感熱記録層を有する面とは反対側の面上に粘着剤層を更に有し、粘着剤層が加熱によって粘着性を発現する感熱粘着剤層であり、更に必要に応じてその他の層を有するライナーレス型感熱記録媒体である。
【0109】
感熱粘着剤層は、熱可塑性樹脂及び熱溶融性物質を含有し、更に必要に応じて、粘着付与剤を含有してよい。
【0110】
熱可塑性樹脂は、粘着力及び接着力を付与する。熱溶融性物質は、常温では固体であるため、樹脂に可塑性は与えないが、加熱により溶融して樹脂を膨潤乃至軟化させて粘着性を発現させる。粘着付与剤は、粘着性を向上させる働きを有する。熱可塑性樹脂、熱溶融性物質及び粘着付与剤は、一般的に用いられる熱可塑性樹脂、熱溶融性物質及び粘着付与剤を用いてよい。
【0111】
[感熱磁気記録紙]
一態様の感熱記録媒体は、支持体が感熱記録層を有する面とは反対側の面上に磁気記録層を有し、更に必要に応じてその他の層を有してなる感熱磁気記録紙である。
【0112】
磁気記録層は、酸化鉄及びバリウムフェライト等と、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びナイロン樹脂等とを用い、支持体上に塗工する方法、又は蒸着若しくはスパッタリング等の方法により、樹脂を用いずに形成してよい。磁気記録層は、支持体における感熱記録層を有する面とは反対側の面上に設けることが好ましいが、支持体と感熱記録層との間に設けてもよい。磁気記録層は、感熱記録層上の少なくとも一部に設けてもよい。
【0113】
[記録方法]
一実施形態に係る感熱記録媒体を用いた記録方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サーマルヘッド、レーザー等が挙げられる。
【0114】
サーマルヘッドの、形状、構造、大きさ等は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択してよい。
【0115】
レーザーの種類は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、9.3μm~10.6μmの波長を有するCO2レーザー、半導体レーザー等が挙げられる。
【0116】
(用途)
一実施形態に係る感熱記録媒体は、高い発色感度及び画像濃度を有すると共に、フェノール系顕色剤を用いず、ハンドクリーム等の皮膚保護剤、油及び熱に対して優れた耐久性を有しているため、例えば、生鮮食料品、弁当、惣菜用等のPOS分野;図書、文書等の複写分野;ファクシミリ等の通信分野;券売機、レシート、領収書等の発券分野;空港用手荷物タグ等の航空分野;ピルケース、ピルボトル等のような医療用容器等の医療分野等の多方面に用いることができる。特に、一実施形態に係る感熱記録媒体は、優れた皮膚保護剤を有するため、医療分野において好適に用いることができる。
【0117】
(物品)
一実施形態に係る物品は、一実施形態に係る感熱記録媒体を有する。感熱記録媒体としては、一実施形態に係る感熱記録媒体を好適に用いることができる。なお、一実施形態に係る感熱記録媒体を有するとは、一実施形態に係る感熱記録媒体を貼付、装着等をしている状態を意味する。
【0118】
一実施形態に係る物品は、一実施形態に係る感熱記録媒体を有していれば、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。一実施形態に係る物品としては、例えば、梱包材、包装資材、包装紙等が挙げられる。より具体的には、生鮮食料品、弁当、惣菜、図書、文書等の包装資材、ピルケース、ピルボトル等の医療用物品等が挙げられる。中でも、一実施形態に係る感熱記録媒体は、皮膚保護剤に対して優れた耐久性を有するため、医療分野において使用される医療用物品に好適に用いることができる。
【0119】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【実施例0120】
以下、実施例及び比較例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
【0121】
<各塗布液の調整>
[アンダーコート層塗布液の調製]
下記組成を混合攪拌して、アンダーコート層塗布液を調製した。
・中空粒子(アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びイソボニルメタクリレートの共重合体、中空率90%、体積平均粒径4.4μm、固形分濃度33質量%):20質量部
・スチレン/ブタジエン共重合ラテックス(固形分濃度47.5質量%):20質量部
・ポリビニルアルコール10質量%水溶液(株式会社クラレ製、PVA117):20質量部
・イオン交換水:40質量部
【0122】
[感熱記録層塗布液の調製]
下記組成を有するロイコ染料分散液[A液]、主顕色剤分散液[B液]、補助顕色剤分散液[C1液]~[C4液]及び増感剤分散液[D液]を、サンドグラインダーを用いて、体積平均粒径が[A液]:0.5μm、[B液]:1.0μm、[C1液]~[C4液]:1.0μm、[D液]:1.0μmとなるように分散し、調製した。
【0123】
次に、[A液]、[B液]、[C1液]~[C4液]、[D液]、イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液を、それぞれの所定量混合攪拌して、感熱記録層塗布液を調製した。各実施例及び比較例における、[A液]、[B液]、[C1液]~[C4液]、[D液]、イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液の含有量を表1に示す。
【0124】
([A液](ロイコ染料分散液)の組成)
・ロイコ染料(3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン):20質量部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(株式会社クラレ製、25-88KL):40質量部
・界面活性剤(日本乳化剤株式会社製、Newcol290、固形分濃度100質量%):0.2質量部
・イオン交換水:40質量部
【0125】
([B液](主顕色剤分散液)の組成)
・N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド(日本曹達株式会社製、NKK-1304):20質量部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(株式会社クラレ製、25-88KL):20質量部
・非晶質シリカ(水澤化学工業株式会社製、ミズカシルP527):15質量部
・界面活性剤(日信化学工業株式会社製、PD-001、固形分濃度100質量%):0.2質量部
・イオン交換水:65質量部
【0126】
([C1液](補助顕色剤分散液)の組成)
・1,3-ジフェニル尿素:20質量部
・スルホン変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(日本合成化学工業社製、ゴーセランL-3266):20質量部
・界面活性剤(日信化学工業株式会社製、PD-001、固形分濃度100質量%):0.2質量部
・イオン交換水:35質量部
【0127】
([C2液](補助顕色剤分散液)の組成)
・化学式(II)で表されるウレア化合物(株式会社日本化薬製、TG-MD):20質量部
・スルホン変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(ゴーセランL-3266、日本合成化学工業社製):20質量部
・界面活性剤(日信化学工業株式会社製、PD-001、固形分濃度100質量%):0.2質量部
・イオン交換水:35質量部
【0128】
([C3液](補助顕色剤分散液)の組成)
・化学式(II)で表されるウレア化合物(株式会社日本化薬製、TG-MD):20質量部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(株式会社クラレ製、25-88KL):20質量部
・非晶質シリカ(水澤化学工業株式会社製、ミズカシルP527):15質量部
・界面活性剤(日信化学工業株式会社製、PD-001、固形分濃度100質量%):0.2質量部
・イオン交換水:65質量部
【0129】
([C4液](補助顕色剤分散液)の組成)
・ウレアウレタン系化合物(株式会社ケミプロ化成製、UU):20質量部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(株式会社クラレ製、25-88KL):20質量部
・非晶質シリカ(水澤化学工業株式会社製、ミズカシルP527):15質量部
・界面活性剤(日信化学工業株式会社製、PD-001、固形分濃度100質量%):0.2質量部
・イオン交換水:65質量部
【0130】
([D液](増感剤分散液)の組成)
・1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン(三光株式会社製、KS-232):10質量部
・スルホン変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(日本合成化学工業社製、ゴーセランL-3266):10質量部
・界面活性剤(日信化学工業株式会社製、PD-001、固形分濃度100質量%):0.1質量部
・イオン交換水:25質量部
【0131】
[[F液](保護層塗布液)の調製]
水酸化アルミニウム30質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(株式会社クラレ製、25-88KL)30質量部、及びイオン交換水40質量部を、サンドグラインダーを用いて、体積平均粒径が0.5μmとなるように撹拌分散し、[E液]を得た。
【0132】
以下に示すように、下記の組成を混合攪拌して、保護層塗布液[F液]を調製した。
([F液](保護層塗布液)の組成)
・[E液]:30質量部
・イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液(株式会社クラレ製、25-88KL):50質量部
・架橋剤液(ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、固形分濃度25質量%):8質量部
・モンタン酸エステルワックス分散液(固形分濃度30質量%):5質量部
・イオン交換水:15質量部
【0133】
<感熱記録材料の作製>
[実施例1]
(感熱記録層塗布液に含まれる各成分の含有量)
感熱記録層塗布液に含まれる、[A液]は20質量部、[B液]は35質量部、[C1液]は22質量部、[D液]は10質量部、イタコン酸変性ポリビニルアルコール10質量%水溶液は20質量部とした。
【0134】
(感熱記録材料の作製)
支持体として坪量60g/m2の紙表面に、アンダーコート層塗布液を乾燥後の付着量が3.0g/m2となるように塗布し、乾燥させてアンダーコート層を形成した。アンダーコート層上に、感熱記録層塗布液を乾燥後の付着量が3.0g/m2となるように塗布し、乾燥させて感熱記録層を形成した。感熱記録層上に、保護層塗布液を乾燥後の付着量が2.5g/m2となるように塗布し、乾燥させて保護層を形成した。
【0135】
感熱記録層に含まれる、1,3-ジフェニル尿素のN-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対する含有量を算出した。なお、この含有量は、感熱記録層塗布液に含まれる[C1液]の1,3-ジフェニル尿素の含有量と、[B液]のN-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドの含有量とから算出した。
【0136】
次に、表面平滑度が1,500秒間~2,500秒間になるように、スーパーカレンダーにより表面処理を行い、高密度ポリエチレン袋の中に密閉して40℃環境下にて所定の期間キュアを実施した。
【0137】
[実施例2]
実施例1の感熱記録層塗布液に用いた[C1液]の含有量を22質量部から1質量部に変更し、さらに[C2液]22質量部を追加したこと以外は、実施例1と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0138】
[実施例3]
実施例2の感熱記録層塗布液の[C1液]の含有量を1質量部から5.5質量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0139】
[実施例4]
実施例2の感熱記録層塗布液の[C1液]の含有量を1質量部から11質量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0140】
[実施例5]
実施例2の感熱記録層塗布液の[C1液]の含有量を1質量部から22質量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0141】
[実施例6]
実施例2の感熱記録層塗布液の[C1液]の含有量を1質量部から33質量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0142】
[実施例7]
実施例2の感熱記録層塗布液の[C1液]の含有量を1質量部から44質量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0143】
[実施例8]
実施例2の感熱記録層塗布液の[C1液]の含有量を1質量部から55質量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0144】
[実施例9]
実施例2の感熱記録層塗布液の[C1液]の含有量を1質量部から66質量部に変更したこと以外は、実施例2と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0145】
[比較例1]
実施例1の感熱記録層塗布液に用いた[C1液]を除いたこと以外は、実施例1と同様にして行い、の感熱記録材料を作製した。
【0146】
[比較例2]
実施例1の感熱記録層塗布液に用いた[B液]35質量部の代わりに、[C3液]35質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0147】
[比較例3]
実施例1の感熱記録層塗布液に用いた[B液]35質量部の代わりに、[C4液]35質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして行い、感熱記録材料を作製した。
【0148】
各実施例及び比較例において、感熱記録層塗布液の調製に用いた分散液の種類及び含有量と、1,3-ジフェニル尿素のN-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド1質量部に対する含有量を表1に示す。なお、表1では、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミドを「NKK」と示す。
【0149】
<特性の評価>
次に、作製した各感熱記録材料の特性を評価した。感熱記録材料の特性として、ハンドローションに対する耐久性(耐ハンドローション性)、耐油性及び耐熱性を評価した。各特性の評価結果を表1に示す。
【0150】
[耐ハンドローション性]
東洋精機製熱傾斜試験機を用い各サンプルが飽和濃度を示す温度の熱ブロックで2kg/cm2、2.0秒の条件で印字して試験前画像サンプルを作製し、印字濃度をマクベス濃度計RD-914で測定した。その後、ハンドローション(3M Cavilon ハンドモイスチャーローション:3M製)をしみ込ませた脱脂綿を、試験前画像サンプルの画像部と非画像部で濃度測定ができる範囲にわたり1度塗布した後、ハンドローションをしみ込ませた試験前画像サンプルを40℃90RH%の恒温槽に入れ、24時間放置した。24時間放置後の画像濃度をマクベス濃度計で測定し、試験前の濃度値に対する試験後の画像濃度残存率を測定した。得られた画像濃度残存率に基づいて、耐ハンドローション性を、下記評価基準により評価した。
画像濃度残存率[%]=(試験後の画像濃度)/(試験前の画像濃度)×100
(評価基準)
S:濃度残存率が、98%以上である
A:濃度残存率が、90%~98%未満である
B:濃度残存率が、80%~90%未満である
C:濃度残存率が、70%~80%未満である
D:濃度残存率が、70%未満である
【0151】
[耐油性]
東洋精機製熱傾斜試験機を用い各サンプルが飽和濃度を示す温度の熱ブロックで2kg/cm2、2.0秒の条件で印字して試験前画像サンプルを作製し、印字濃度をマクベス濃度計RD-914で測定した。更に、綿実油をしみ込ませた脱脂綿を、試験前画像サンプルの画像部と非画像部で濃度測定ができる範囲にわたり1度塗布した後、80℃の恒温槽に入れ24時間放置した。24時間放置後の画像濃度をマクベス濃度計で測定し、試験前の濃度値に対する試験後の画像濃度残存率を測定した。得られた画像濃度残存率に基づいて、耐油性を、下記評価基準により評価した。
画像濃度残存率[%]=(試験後の画像濃度)/(試験前の画像濃度)×100
(評価基準)
S:濃度残存率が、95%以上である
A:濃度残存率が、80%~95%未満である
B:濃度残存率が、50%~85%未満である
C:濃度残存率が、20%~50%未満である
D:濃度残存率が、20%未満である
【0152】
[耐熱性]
東洋精機製熱傾斜試験機を用い各サンプルが飽和濃度を示す温度の熱ブロックで2kg/cm2、2.0秒の条件で印字して試験前画像サンプルを作製し、印字濃度をマクベス濃度計RD-914で測定した。更に試験前画像サンプルを、100℃の恒温槽に入れ1時間放置した後の画像濃度をマクベス濃度計で測定した。試験前の濃度値に対する試験後の画像濃度残存率を測定した。得られた画像濃度残存率に基づいて、耐熱性を、下記評価基準により評価した。
画像濃度残存率[%]=(試験後の画像濃度)/(試験前の画像濃度)×100
(評価基準)
S:濃度残存率が、95%以上である
A:濃度残存率が、90%~95%未満である
B:濃度残存率が、80%~90%未満である
C:濃度残存率が、70%~80%未満である
D:濃度残存率が、70%未満である
【0153】
[発色感度]
作製した感熱記録媒体を、サーマルプリンター(機種名:MP-104T、MARKPOINT社製)を用い、印字速度を100mm/sとし、印字エネルギーを0.96mJ/mm2~13.00mJ/mm2で可変させて印字し、画像濃度をマクベス反射濃度計(マクベス社製、機種名RD-914)にて測定し、画像濃度が1.0になる印字エネルギーを求め、実施例1の印字エネルギーを基準として、下記式に当てはめて、感度倍率を求めた。なお、前記感度倍率の値が大きいほど感度(熱応答性)が良好である。
感度倍率=(比較例1の印字エネルギー)/(各感熱記録材料の印字エネルギー)
評価基準
S:感度倍率が、1.05以上である
A:感度倍率が、1.00~1.05未満である
B:感度倍率が、0.95~1.00未満である
C:感度倍率が、0.90~0.95未満である
D:感度倍率が、0.9以下である
【0154】
[総合評価]
総合評価は、下記評価基準により評価した。耐ハンドローション性、耐油性、耐熱性及び感度が全てSであるものを「S」、評価項目がSとAであるものを「A」、評価項目がAとBであるものを「B」、少なくとも1つの評価項目がCであるものを「C」、評価項目Cが2つ以上あるものを「D」、少なくとも1つの評価項目がDであるものを「E」、として判定した。
(評価基準)
S:最も優れている
A:非常に優れている
B:優れている
C:従来より若干優れている
D:従来より劣っている
E:実用に耐えない
【0155】
【0156】
表1より、実施例1~9の感熱記録材料では、耐ハンドローション性、耐油性及び耐熱性が何れも使用上の条件を満たし、従来よりも優れていることが確認された。これに対して、比較例1~3の感熱記録材料では、少なくとも耐ハンドローション性及び耐油性が使用上の条件を満たしておらず、従来よりも劣っていることが確認された。
【0157】
よって、実施例1~4の感熱記録材料は、比較例1~3の感熱記録材料と異なり、非フェノール系顕色剤として、特定のベンゼンスルホンアミド及び1,3-ジフェニル尿素を含むことで、耐ハンドローション性、耐油性及び耐熱性着色度及び帯電安定性に優れる。したがって、実施例1~4の感熱記録材料は、皮膚保護剤、油及び熱に対する印字部の画像保存性が高く、かつ優れた発色感度を有する感熱記録媒体として提供できるといえる。
【0158】
なお、本発明の実施形態の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 支持体と、前記支持体上に感熱記録層とを有する感熱記録媒体であって、
前記感熱記録層が、以下の一般式(I)で表される化合物と、1,3-ジフェニル尿素とを含有する感熱記録媒体。
【化15】
(但し、式中、R
1~R
3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1~C6のアルキル基、C1~C6のアルコキシ基、C1~C6のフルオロアルキル基を表す。)
<2> 前記感熱記録層に非フェノール顕色剤として、以下の一般式(II)で表される顕色剤をさらに含有する<1>に記載の感熱記録媒体。
【化16】
<3> 前記一般式(I)で表される化合物1質量部に対し、1,3-ジフェニル尿素を0.01質量部~3.00質量部含有する<1>又は<2>に記載の感熱記録媒体。
<4> 前記感熱記録層に対して前記支持体の反対側にバック層が設けられる<1>~<3>の何れか一つに記載の感熱記録媒体。
<5> 前記支持体と前記感熱記録層との間にアンダーコート層を有する<1>~<4>の何れか一つに記載の感熱記録媒体。
<6> 前記アンダーコート層は、中空粒子を含む<5>に記載の感熱記録媒体。
<7> 前記保護層は、最上部保護層であり、
前記感熱記録層と前記最上部保護層との間に、1層以上の下部保護層を有する<1>~<6>の何れか一つに記載の感熱記録媒体。
<8> 前記感熱記録層と前記保護層は、カーテン塗工法による同時塗工で形成された層である<1>~<7>の何れか一つに記載の感熱記録媒体。