(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119654
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】アライメント方法及び加工装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/301 20060101AFI20240827BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20240827BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20240827BHJP
B23Q 17/24 20060101ALI20240827BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20240827BHJP
【FI】
H01L21/78 C
B24B27/06 M
B24B49/12
B23Q17/24 C
B23K26/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026709
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】包 家亘
(72)【発明者】
【氏名】張 淑淵
【テーマコード(参考)】
3C029
3C034
3C158
4E168
5F063
【Fターム(参考)】
3C029AA04
3C029AA40
3C034AA07
3C034BB73
3C034BB83
3C034BB93
3C034CA13
3C034CA22
3C034CB08
3C034DD07
3C034DD10
3C158AA03
3C158AB03
3C158AB04
3C158AC02
3C158BA07
3C158CB01
3C158DA17
4E168CA06
4E168CA13
5F063AA02
5F063AA28
5F063AA41
5F063BA43
5F063BA45
5F063BA47
5F063CA01
5F063CA04
5F063DD06
5F063DD25
5F063DE02
5F063DE05
5F063DE06
5F063DE33
5F063EE21
5F063FF01
5F063FF05
5F063FF33
5F063FF42
5F063FF43
(57)【要約】
【課題】アライメントエラーを抑制することができること。
【解決手段】アライメント方法は、キーパターンをターゲットパターンとして登録しキーパターンから加工予定ラインまでの距離を登録しておく事前登録ステップと、被加工物の一方側を撮像した一方側撮像画像とターゲットパターンとをパターンマッチングさせてキーパターンを検出し、被加工物の他方側を撮像した他方側撮像画像とターゲットパターンとをパターンマッチングさせてキーパターンを検出するキーパターン検出ステップ1020と、キーパターン検出ステップ1020で検出した一方側と他方側のキーパターンの位置をもとに加工予定ラインと切削ユニットとを整列させる整列ステップとを備え、キーパターン検出ステップ1020では、キーパターンが検出されない場合に照明ユニットの光量を変えて撮像し、撮像画像とターゲットパターンをパターンマッチングさせる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーパターンが形成されるとともに加工予定ラインが設定された被加工物を保持する保持ユニットと該保持ユニットで保持された被加工物を加工する加工ユニットと該保持ユニットで保持された被加工物を撮像する撮像カメラと該撮像カメラで被加工物を撮像する際に被加工物に光を照射する光照射ユニットとを備えた加工装置において、該保持ユニットで保持された被加工物の該加工予定ラインを該加工送り方向に整列させるアライメント方法であって、
被加工物の加工前にキーパターンをターゲットパターンとして該加工装置に登録するとともに該キーパターンから加工予定ラインまでの距離を該加工装置に登録しておく事前登録ステップと、
該保持ユニットで保持された加工すべき被加工物の一方側を撮像した一方側撮像画像と該ターゲットパターンとをパターンマッチングさせて該キーパターンを検出するとともに、被加工物の他方側を撮像した他方側撮像画像と該ターゲットパターンとをパターンマッチングさせて該キーパターンを検出するキーパターン検出ステップと、
該キーパターン検出ステップで検出した該一方側と該他方側のキーパターンの位置をもとに該加工予定ラインと該加工ユニットとを整列させる整列ステップと、を備え、
該キーパターン検出ステップでは、該キーパターンが検出されない場合に該光照射ユニットの光量を変えて撮像し、撮像画像と該ターゲットパターンをパターンマッチングさせる、アライメント方法。
【請求項2】
該事前登録ステップでは、第1のキーパターンを第1のターゲットパターンとして登録するとともに、該第1のキーパターンと異なる第2のキーパターンを第2のターゲットパターンとして登録し、該第1のキーパターンから加工予定ラインまでの距離と、該第2のキーパターンから加工予定ラインまでの距離と、をそれぞれ登録し、
該キーパターン検出ステップでは、撮像画像と該第1のターゲットパターンをパターンマッチングさせ、該第1のキーパターンが検出されない場合に撮像画像と該第2のターゲットパターンをパターンマッチングさせる、請求項1に記載のアライメント方法。
【請求項3】
加工装置であって、
複数のキーパターンが形成されるとともに加工予定ラインが設定された被加工物を保持する保持ユニットと、
該保持ユニットで保持された被加工物を加工する加工ユニットと、
該保持ユニットで保持された被加工物を撮像する撮像カメラと、
該撮像カメラで被加工物を撮像する際に被加工物に光を照射する光照射ユニットと、
該保持ユニットを該加工ユニットに対して相対移動させる移動ユニットと、
少なくとも該保持ユニットと該撮像カメラと該光照射ユニットとを制御するコントローラと、を備え、
該コントローラは、
キーパターンがターゲットパターンとして登録されるキーパターン登録部と、
該保持ユニットで保持された加工すべき被加工物の一方側を撮像した一方側撮像画像と該ターゲットパターンをパターンマッチングさせるとともに、被加工物の他方側を撮像した他方側撮像画像と該ターゲットパターンをパターンマッチングさせて該一方側と該他方側とでそれぞれキーパターンを検出するキーパターン検出部と、
該キーパターン検出部で検出した該一方側と該他方側のキーパターンの位置をもとに該加工予定ラインと該加工ユニットとを整列させる整列部と、
該キーパターンが検出されない場合に該光照射ユニットの光量を変えて撮像する光量変更部と、を有し、
該キーパターン検出部は、形成された光量違いの撮像画像と該ターゲットパターンをパターンマッチングさせる、加工装置。
【請求項4】
該キーパターン登録部は、第1のキーパターンが第1のターゲットパターンとして登録されるとともに該第1のキーパターンから加工予定ラインまでの距離が登録される第1キーパターン登録部と、
該第1のキーパターンと異なる第2のキーパターンが第2のターゲットパターンとして登録されるとともに該第2のキーパターンから加工予定ラインまでの距離が登録される第2キーパターン登録部と、を含み、
該キーパターン検出部は、該一方側撮像画像と該第1のターゲットパターンをパターンマッチングさせて該第1のキーパターンを検出するとともに、該他方側撮像画像と該第1のターゲットパターンをパターンマッチングさせて該第1のキーパターンを検出し、該第1のキーパターンが検出されない場合に撮像画像と該第2のターゲットパターンをパターンマッチングさせる、請求項3に記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アライメント方法及び加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削装置やレーザ加工装置等の加工装置ではパターンマッチングを利用したアライメントを行い、被加工物の加工予定ラインと加工ユニットとを整列させている。加工装置が自動でアライメントをして被加工物を自動的に加工する所謂フルオートメーションが広く利用されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-068777号公報
【特許文献2】特開平7-106405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載された加工装置は、被加工物の個体毎に表面状態が異なると、アライメント実施時にアライメントを遂行できないエラー(以下、アライメントエラーと記す)が多発する。アライメントエラーが発生すると作業者が手作業で被加工物の加工予定ラインと加工ユニットを整列させて加工を開始せねばならず、改善が切望されている。
【0005】
本発明の目的は、アライメントエラーを抑制することができるアライメント方法及び加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のアライメント方法は、複数のキーパターンが形成されるとともに加工予定ラインが設定された被加工物を保持する保持ユニットと該保持ユニットで保持された被加工物を加工する加工ユニットと該保持ユニットで保持された被加工物を撮像する撮像カメラと該撮像カメラで被加工物を撮像する際に被加工物に光を照射する光照射ユニットとを備えた加工装置において、該保持ユニットで保持された被加工物の該加工予定ラインを該加工送り方向に整列させるアライメント方法であって、被加工物の加工前にキーパターンをターゲットパターンとして該加工装置に登録するとともに該キーパターンから加工予定ラインまでの距離を該加工装置に登録しておく事前登録ステップと、該保持ユニットで保持された加工すべき被加工物の一方側を撮像した一方側撮像画像と該ターゲットパターンとをパターンマッチングさせて該キーパターンを検出するとともに、被加工物の他方側を撮像した他方側撮像画像と該ターゲットパターンとをパターンマッチングさせて該キーパターンを検出するキーパターン検出ステップと、該キーパターン検出ステップで検出した該一方側と該他方側のキーパターンの位置をもとに該加工予定ラインと該加工ユニットとを整列させる整列ステップと、を備え、該キーパターン検出ステップでは、該キーパターンが検出されない場合に該光照射ユニットの光量を変えて撮像し、撮像画像と該ターゲットパターンをパターンマッチングさせることを特徴とする。
【0007】
前記アライメント方法では、該事前登録ステップでは、第1のキーパターンを第1のターゲットパターンとして登録するとともに、該第1のキーパターンと異なる第2のキーパターンを第2のターゲットパターンとして登録し、該第1のキーパターンから加工予定ラインまでの距離と、該第2のキーパターンから加工予定ラインまでの距離と、をそれぞれ登録し、該キーパターン検出ステップでは、撮像画像と該第1のターゲットパターンをパターンマッチングさせ、該第1のキーパターンが検出されない場合に撮像画像と該第2のターゲットパターンをパターンマッチングさせても良い。
【0008】
本発明の加工装置は、加工装置であって、複数のキーパターンが形成されるとともに加工予定ラインが設定された被加工物を保持する保持ユニットと、該保持ユニットで保持された被加工物を加工する加工ユニットと、該保持ユニットで保持された被加工物を撮像する撮像カメラと、該撮像カメラで被加工物を撮像する際に被加工物に光を照射する光照射ユニットと、該保持ユニットを該加工ユニットに対して相対移動させる移動ユニットと、少なくとも該保持ユニットと該撮像カメラと該光照射ユニットとを制御するコントローラと、を備え、該コントローラは、キーパターンがターゲットパターンとして登録されるキーパターン登録部と、該保持ユニットで保持された加工すべき被加工物の一方側を撮像した一方側撮像画像と該ターゲットパターンをパターンマッチングさせるとともに、被加工物の他方側を撮像した他方側撮像画像と該ターゲットパターンをパターンマッチングさせて該一方側と該他方側とでそれぞれキーパターンを検出するキーパターン検出部と、該キーパターン検出部で検出した該一方側と該他方側のキーパターンの位置をもとに該加工予定ラインと該加工ユニットとを整列させる整列部と、該キーパターンが検出されない場合に該光照射ユニットの光量を変えて撮像する光量変更部と、を有し、該キーパターン検出部は、形成された光量違いの撮像画像と該ターゲットパターンをパターンマッチングさせることを特徴とする。
【0009】
前記加工装置では、該キーパターン登録部は、第1のキーパターンが第1のターゲットパターンとして登録されるとともに該第1のキーパターンから加工予定ラインまでの距離が登録される第1キーパターン登録部と、該第1のキーパターンと異なる第2のキーパターンが第2のターゲットパターンとして登録されるとともに該第2のキーパターンから加工予定ラインまでの距離が登録される第2キーパターン登録部と、を含み、該キーパターン検出部は、該一方側撮像画像と該第1のターゲットパターンをパターンマッチングさせて該第1のキーパターンを検出するとともに、該他方側撮像画像と該第1のターゲットパターンをパターンマッチングさせて該第1のキーパターンを検出し、該第1のキーパターンが検出されない場合に撮像画像と該第2のターゲットパターンをパターンマッチングさせても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、アライメントエラーを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された加工装置の加工対象の被加工物を模式的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示された被加工物の要部を拡大して模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示された加工装置の撮像ユニットの構成例を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係るアライメント方法の事前登録ステップの流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図6に示された事前登録ステップの保持ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。
【
図8】
図8は、
図6に示された事前登録ステップの低倍率用キーパターン登録ステップにおいて登録される低倍率用ターゲットパターンを模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、
図6に示された事前登録ステップの第1のキーパターン登録ステップにおいて登録される第1のターゲットパターンを模式的に示す図である。
【
図10】
図10は、
図6に示された事前登録ステップの第2のキーパターン登録ステップにおいて登録される第2のターゲットパターンを模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、
図6に示された事前登録ステップの第3のキーパターン登録ステップにおいて登録される第3のターゲットパターンを模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態1に係るアライメント方法のキーパターン検出ステップの流れを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態1に係るアライメント方法の整列ステップを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、
図12に示されたキーパターン検出ステップの撮像ユニットで被加工物を撮像する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。
【
図15】
図15は、
図14に示されたキーパターン検出ステップで被加工物の撮像される第1分割予定ラインの両端部の位置を模式的に示す平面図である。
【
図16】
図16は、
図12に示されたキーパターン検出ステップの第1のキーパターン検出ステップにおいて撮像画像の第1のターゲットパターンとパターンマッチされる領域を模式的に示す図である。
【
図17】
図17は、
図12に示されたキーパターン検出ステップで保持ユニットを軸心回りに90度回転した状態を模式的に示す平面図である。
【
図18】
図18は、
図1に示された加工装置が被加工物を切削加工する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0013】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る加工装置を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係る加工装置の構成例を示す斜視図である。
図2は、
図1に示された加工装置の他の斜視図である。
図3は、
図1に示された加工装置の加工対象の被加工物を模式的に示す斜視図である。
図4は、
図3に示された被加工物の要部を拡大して模式的に示す平面図である。
図5は、
図1に示された加工装置の撮像ユニットの構成例を模式的に示す断面図である。
【0014】
(被加工物)
実施形態1に係る
図1及び
図2に示す加工装置1は、
図2及び
図3に示す被加工物200を切削加工する切削装置である。実施形態1では、加工装置1の加工対象の被加工物200は、シリコン、サファイア、ガリウムヒ素、又はSiC(炭化ケイ素)等などを基板とする円板状の半導体ウェーハ等のウェーハである。被加工物200は、表面201に互いに格子状に形成された複数の分割予定ライン202によって格子状に区画された領域にデバイス203が形成されている。
【0015】
また、実施形態1において、被加工物200は、分割予定ライン202として、第1方向211と平行な複数の第1分割予定ライン202-1と、第1方向211に対して直交する第2方向212と平行な複数の第2分割予定ライン202-2とが設定されている。また、各分割予定ライン202-1,202-2には、
図4に示すように、加工予定ライン204が設定されている。即ち、被加工物200は、加工予定ライン204が設定されている。加工予定ライン204は、分割予定ライン202-1,202-2の加工装置1が切削加工を施す位置を示すものであって、実施形態1では、分割予定ライン202-1,202-2の幅方向の中央に設定されている。
【0016】
デバイス203は、例えば、IC(Integrated Circuit)、又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、又はメモリ(半導体記憶装置)である。
【0017】
また、デバイス203は、
図4に示すように、低倍率用キーパターン205と、第1のキーパターン206と、第2のキーパターン207と、第3のキーパターン208とが形成されている。これらのキーパターン205,206,207,208は、加工装置1が分割予定ライン202-1,202-2の加工予定ライン204を検出する所謂アライメントを実施する際に用いられるものであって、アライメント用に形成されたアライメントマーク又はデバイス203の特徴的な模様である。
【0018】
本発明では、アライメントとは、加工装置1が、分割予定ライン202-1,202-2の長手方向の両端部を後述する撮像ユニット30-1,30-2で撮像して、各分割予定ライン202-1,202-2の加工予定ライン204を検出することをいう。なお、実施形態では、キーパターン205,206,207,208は、デバイス203の角部に形成されているが、形成されるのは角部に限定されない。また、実施形態1では、キーパターン205,206,207,208は、互いに形状が異なる。
【0019】
被加工物200は、表面201の裏側の裏面209に被加工物200よりも大径な円板状の粘着テープ213が貼着され、粘着テープ213の外縁部に円環状の環状フレーム214が貼着されて、環状フレーム214に支持される。
【0020】
(加工装置)
図1及び
図2に示された加工装置1は、被加工物200を保持ユニット10で保持し分割予定ライン202に沿って切削ブレード21で切削加工(加工に相当)する切削装置である。加工装置1は、
図2に示すように、被加工物200を保持面11で吸引保持する保持ユニット10と、保持ユニット10で保持された被加工物200を切削ブレード21で切削加工する加工ユニットである切削ユニット20と、保持ユニット10に保持された被加工物200を撮像する撮像ユニット30(
図5に示す)と、コントローラである制御ユニット100とを備える。
【0021】
また、加工装置1は、
図1及び
図2に示すように、保持ユニット10を切削ユニット20に対して相対的に移動させる移動ユニット40を備える。移動ユニット40は、保持ユニット10を水平方向と平行なX軸方向に加工送りするX軸移動ユニット41と、切削ユニット20を水平方向と平行でかつX軸方向に直交するY軸方向に割り出し送りするY軸移動ユニット42と、切削ユニット20をX軸方向とY軸方向との双方と直交する鉛直方向に平行なZ軸方向に切り込み送りするZ軸移動ユニット43と、保持ユニット10をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する回転移動ユニット44とを備える。加工装置1は、
図1に示すように、切削ユニット20を2つ備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの切削装置である。
【0022】
X軸移動ユニット41は、保持ユニット10を加工送り方向であるX軸方向に移動させることで、保持ユニット10と切削ユニット20とを相対的にX軸方向に沿って加工送りするものである。Y軸移動ユニット42は、切削ユニット20を割り出し送り方向であるY軸方向に移動させることで、保持ユニット10と切削ユニット20とを相対的にY軸方向に沿って割り出し送りするものである。Z軸移動ユニット43は、切削ユニット20を切り込み送り方向であるZ軸方向に移動させることで、保持ユニット10と切削ユニット20とを相対的にZ軸方向に沿って切り込み送りするものである。回転移動ユニット44はX軸移動ユニット41により保持ユニット10とともにX軸方向に移動される。
【0023】
X軸移動ユニット41、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじと、ボールねじを軸心回りに回転させて保持ユニット10又は切削ユニット20をX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動させる周知のモータと、保持ユニット10又は切削ユニット20をX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールとを備える。回転移動ユニット44は、保持ユニット10を軸心回りに回転する周知のモータ等を備える。
【0024】
保持ユニット10は、円盤形状であり、被加工物200を保持する保持面11がポーラスセラミック等から形成されている。また、保持ユニット10は、X軸移動ユニット41により切削ユニット20の下方の加工領域と、切削ユニット20の下方から離間して被加工物200が搬入出される搬入出領域とに亘ってX軸方向に移動自在に設けられ、かつ回転移動ユニット44によりZ軸方向と平行な軸心回りに回転自在に設けられている。
【0025】
保持ユニット10は、保持面11が図示しない真空吸引源と接続され、真空吸引源により吸引されることで、保持面11に載置された被加工物200を吸引保持する。実施形態1では、保持ユニット10は、粘着テープ213を介して被加工物200の裏面209側を吸引保持する。また、保持ユニット10の周囲には、
図2に示すように、環状フレーム214をクランプするクランプ部12が複数設けられている。
【0026】
切削ユニット20は、保持ユニット10で保持された被加工物200を切削加工する切削ブレード21を着脱自在に装着した加工ユニットである。切削ユニット20は、それぞれ、保持ユニット10に保持された被加工物200に対して、Y軸移動ユニット42によりY軸方向に移動自在に設けられ、かつ、Z軸移動ユニット43によりZ軸方向に移動自在に設けられている。切削ユニット20は、X軸移動ユニット41、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43により、保持ユニット10の保持面11の任意の位置に切削ブレード21を位置付け可能となっている。
【0027】
切削ユニット20は、
図1及び
図2に示すように、切削ブレード21と、Y軸移動ユニット42及びZ軸移動ユニット43によりY軸方向及びZ軸方向に移動自在に設けられたスピンドルハウジング22と、スピンドルハウジング22に軸心回りに回転自在に設けられた回転軸となるスピンドル23と、スピンドル23を軸心回りに回転する図示しないスピンドルモータとを有する。
【0028】
切削ブレード21は、略リング形状を有する極薄の切削砥石である。実施形態1において、切削ブレード21は、被加工物200を切削する円環状の切り刃と、切り刃を外縁に支持しかつスピンドル23に着脱自在に装着される円環状の環状基台とを備えている。切り刃は、ダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等の砥粒と、金属や樹脂等のボンド材(結合材)とからなり所定厚みに形成されている。なお、本発明では、切削ブレード21は、切り刃のみからなる所謂ワッシャーブレードでも良い。
【0029】
スピンドルハウジング22は、Z軸移動ユニット43によりZ軸方向に移動自在に支持され、Z軸移動ユニット43を介してY軸移動ユニット42によりY軸方向に移動自在に支持されている。スピンドルハウジング22は、スピンドル23の先端部を除く部分及び図示しないスピンドルモータ等を収容し、スピンドル23を軸心回りに回転可能に支持する。
【0030】
スピンドル23は、切削ブレード21が先端部に装着されるものである。スピンドル23は、図示しないスピンドルモータにより回転されるとともに、先端部がスピンドルハウジング22の先端面より突出している。スピンドル23の先端部は、先端に向かうにしたがって徐々に細く形成されており、切削ブレード21が装着される。切削ユニット20のスピンドル23及び切削ブレード21の軸心は、Y軸方向と平行である。
【0031】
撮像ユニット30は、保持ユニット10で保持された被加工物200を撮像し、撮像画像を取得するものである。撮像ユニット30は、切削ユニット20と一体的に移動するように、切削ユニット20に固定されている。撮像ユニット30として、低倍率で拡大した被加工物200の撮像画像を取得する低倍率用撮像ユニット30-1(
図5に示す)と、低倍率用撮像ユニット30-1よりも高倍率で拡大した被加工物200の撮像画像を取得する高倍率用撮像ユニット30-2(
図5に示す)とを備えている。
【0032】
撮像ユニット30-1,30-2は、
図5に示すように、保持ユニット10に保持された切削加工前の被加工物200の分割すべき領域を撮像する撮像素子31を含む撮像カメラ37と、落射照明ユニット32と、斜光照明ユニット33とを備える。撮像カメラ37は、保持ユニット10で保持された被加工物200を撮像するものである。
【0033】
撮像素子31は、例えば、複数の画素を有するCCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像カメラ37は、保持ユニット10に保持された被加工物200の表面201を対物レンズ34を通して撮像素子31で撮像する。
【0034】
照明ユニット32,33は、撮像カメラ37で被加工物200を撮像する際に、被加工物200に光である照明光35,36を照射する光照射ユニットである。落射照明ユニット32は、対物レンズ34を通して、保持ユニット10に保持された被加工物200の表面201に照明光35を照射する。照明光35の光軸は、撮像素子31の光軸と同軸である。斜光照明ユニット33は、対物レンズ34を通すことなく、保持ユニット10に保持された被加工物200の表面201に照明光36を照射する。照明光36の光軸は、撮像素子31の光軸に対して交差している。落射照明ユニット32及び斜光照明ユニット33は、例えば、ハロゲン光源やLED(Light Emitting Diode)を含み、光量が制御ユニット100によって調整される。
【0035】
撮像ユニット30-1,30-2は、保持ユニット10に保持された被加工物200に照明ユニット32,33から照明光35,36を照射しながら撮像カメラ37で撮像して、被加工物200と切削ブレード21との位置合わせを行なうアライメントを遂行するため等の撮像画像を取得し、取得した撮像画像を制御ユニット100に出力する。なお、落射照明ユニット32及び斜光照明ユニット33の光量は、アライメントを遂行する際に、分割予定ライン202を検出することが可能な光量に制御ユニット100により設定されている。
【0036】
また、撮像ユニット30が撮像して得た撮像画像は、撮像素子31の各画素が受光した光の強さを複数段階(例えば256段階)の階調で規定している。即ち、撮像ユニット30が撮像して取得する撮像画像は、各画素の受光した光の強さに応じた段階で光の強弱が示された撮像画像、即ち、濃淡を有するグレースケール画像となっている。
【0037】
また、加工装置1は、保持ユニット10のX軸方向の位置を検出するため図示しないX軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット20のY軸方向の位置を検出するための図示しないY軸方向位置検出ユニットと、切削ユニット20のZ軸方向の位置を検出するためのZ軸方向位置検出ユニットと、保持ユニット10の軸心回りに角度を検出する角度検出ユニット45とを備える。X軸方向位置検出ユニット及びY軸方向位置検出ユニットは、X軸方向、又はY軸方向と平行なリニアスケールと、読み取りヘッドとにより構成することができる。Z軸方向位置検出ユニットは、モータのパルスで切削ユニット20のZ軸方向の位置を検出する。角度検出ユニット45は、周知のロータリエンコーダ等により構成される。
【0038】
X軸方向位置検出ユニット、Y軸方向位置検出ユニット及びZ軸方向位置検出ユニットは、保持ユニット10のX軸方向、切削ユニット20のY軸方向又はZ軸方向の位置を制御ユニット100に出力する。角度検出ユニット45は、保持ユニット10の軸心回りの基準位置からの角度を制御ユニット100に出力する。なお、実施形態1では、加工装置1の各構成要素のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置は、予め定められた図示しない基準位置を基準とした位置で定められる。
【0039】
また、加工装置1は、切削前後の被加工物200を収容するカセット51が載置されかつカセット51をZ軸方向に移動させるカセットエレベータ50と、切削加工後の被加工物200を洗浄する洗浄ユニット60と、搬送機構70とを備える。カセット51は、被加工物200をZ軸方向に間隔をあけて複数収容可能な収容容器であり、被加工物200を出し入れ可能とする出し入れ口52を備えている。カセットエレベータ50は、搬入出領域に位置付けられた保持ユニット10のY軸方向の一方側の隣に配置され、搬入出領域に位置付けられた保持ユニット10側に出し入れ口52を位置付けて、カセット51が載置される。
【0040】
洗浄ユニット60は、搬入出領域に位置付けられた保持ユニット10のY軸方向の他方側の隣に配置され、カセット51及び搬入出領域に位置付けられた保持ユニット10とY軸方向に並ぶ位置に配置されている。洗浄ユニット60は、
図2に示すように、加工装置1の装置本体2の上面に開口した開口孔3内に設けられている。洗浄ユニット60は、開口孔3内に設けられたスピンナテーブル61と、洗浄液供給ノズルと、スピンナテーブル61をZ軸方向に昇降させる図示しない昇降ユニットと、スピンナテーブル61をZ軸方向と平行な軸心回りに回転する図示しない回転モータとを備える。
【0041】
スピンナテーブル61は、切削ユニット20で切削加工された被加工物200を保持するものである。スピンナテーブル61は、円盤形状であり、被加工物200を保持する水平方向と平行な保持面62がポーラスセラミック等から形成されている。スピンナテーブル61は、保持面62が図示しない真空吸引源と接続され、真空吸引源により吸引されることで、保持面62に載置された被加工物200を吸引保持する。実施形態1では、スピンナテーブル61は、粘着テープ213を介して被加工物200の裏面209側を吸引保持する。
【0042】
スピンナテーブル61は、昇降ユニットにより保持面62が装置本体2の上面と同等の高さに位置する上昇位置と、保持面62が上昇位置よりも開口孔3の底側に位置する下降位置とに亘って昇降される。また、スピンナテーブル61は、下降位置において回転モータにより軸心回りに回転される。また、スピンナテーブル61の周囲には、回転モータによりスピンナテーブル61が軸心回りに回転する際に生じる遠心力により環状フレーム214をクランプするクランプ部63が複数設けられている。
【0043】
洗浄液供給ノズルは、スピンナテーブル61で保持された被加工物200に純水等の洗浄液を供給して洗浄するものである。洗浄液供給ノズルは、水平方向に沿って延在した管状に形成され、基端部を中心に揺動自在に配置されているとともに、先端部から洗浄液をスピンナテーブル61で保持された被加工物200の表面201に供給する。
【0044】
また、加工装置1は、一対のガイドレール46を備える。一対のガイドレール46は、搬入出領域の位置付けられた保持ユニット10の上方に配置され、被加工物200を支持するものである。一対のガイドレール46は、互いにX軸方向に間隔をあけて配置されている。また、一対のガイドレール46は、
図2に示すように、Y軸方向と平行な直線状に形成され、図示しない移動ユニットによりX軸方向に移動されて、互いに近づけられたり互いに離れる。一対のガイドレール46は、環状フレーム214が載置されて、被加工物200を支持する支持壁と、支持壁の互いに離れた側の縁から立設した側壁とを有している。
【0045】
支持壁は、上面が水平方向に沿って平坦に形成されているとともに、環状フレーム214が載置されて支持する。支持壁は、環状フレーム214を支持することで、被加工物200を支持する。一対のガイドレール46の支持壁は、環状フレーム214のX軸方向の両端にそれぞれ配置されて、環状フレーム214のX軸方向の両端を支持し、環状フレーム214を支持することで被加工物200を支持する。側壁は、支持壁上に支持されたガイドレール46が互いに近づけられることで、環状フレーム214の外縁に当接して、環状フレーム214即ち被加工物200をX軸方向に位置決めする。
【0046】
搬送機構70は、カセット51内と一対のガイドレール46上と保持ユニット10上と洗浄ユニット60のスピンナテーブル61上に亘って被加工物200を搬送するものである。搬送機構70は、第1搬送ユニット71と、第2搬送ユニット72とを備える。
【0047】
第1搬送ユニット71は、被加工物200を、カセット51内とガイドレール46上とに亘って搬送し、ガイドレール46上から保持ユニット10上に搬送するとともに、洗浄ユニット60のスピンナテーブル61上からガイドレール46上に搬送するものである。
【0048】
第1搬送ユニット71は、装置本体2から立設して搬入出領域と加工領域との間を仕切る隔壁8に設置された移動ユニット711によりガイドレール46及び搬入出領域に位置付けられた保持ユニット10上と洗浄ユニット60のスピンナテーブル61上とに亘ってY軸方向に移動される。また、第1搬送ユニット71は、移動ユニット711によりY軸方向に移動される昇降ユニット712によりZ軸方向に昇降される。
【0049】
第1搬送ユニット71は、Y軸方向のカセット51寄りの端部に設けられかつ環状フレーム214を挟持する挟持部713と、下面側に複数設けられかつ環状フレーム214を吸引保持するバキュームパッド714とを備える。第1搬送ユニット71は、挟持部713で環状フレーム214を挟持して、移動ユニット711によりY軸方向に移動されることで、カセット51に被加工物200を出し入れする。第1搬送ユニット71は、バキュームパッド714に環状フレーム214を吸引保持し、昇降ユニット712により昇降され移動ユニット711によりY軸方向に移動されることで、被加工物200を、ガイドレール46上から保持ユニット10上に搬送し、洗浄ユニット60のスピンナテーブル61上からガイドレール46上に搬送する。
【0050】
第2搬送ユニット72は、被加工物200を、保持ユニット10上から洗浄ユニット60のスピンナテーブル61上に搬送するものである。第2搬送ユニット72は、隔壁8に設置された移動ユニット721により搬入出領域に位置付けられた保持ユニット10上と洗浄ユニット60のスピンナテーブル61上とに亘ってY軸方向に移動される。また、第2搬送ユニット72は、移動ユニット721によりY軸方向に移動される昇降ユニット722によりZ軸方向に昇降される。
【0051】
第2搬送ユニット72は、下面側に複数設けられかつ環状フレーム214を吸引保持するバキュームパッド724を備える。第2搬送ユニット72は、バキュームパッド724に環状フレーム214を吸引保持し、昇降ユニット722により昇降され移動ユニット721によりY軸方向に移動されることで、被加工物200を、保持ユニット10上から洗浄ユニット60のスピンナテーブル61上に搬送する。
【0052】
なお、移動ユニット711,721は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじと、ボールねじを軸心回りに回転させて昇降ユニット712,722をY軸方向に移動させる周知のモータと、昇降ユニット712,722をY軸方向に移動自在に支持する周知のガイドレールとを備える。昇降ユニット712,722は、搬送ユニット71,72を昇降させるエアシリンダ等を備える。
【0053】
制御ユニット100は、加工装置1の各構成要素をそれぞれ制御して、被加工物200に対する加工動作を加工装置1に実施させるものでもある。即ち、制御ユニット100は、少なくとも保持ユニット10と、撮像カメラ37と、照明ユニット32,33とを制御する。なお、制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、加工装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して加工装置1の各構成要素に出力する。
【0054】
制御ユニット100は、加工動作の状態や撮像画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニット101と、オペレータが加工条件などを登録する際に用いる入力ユニット102と、報知ユニット103とに接続されている。入力ユニット102は、表示ユニット101に設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。報知ユニット103は、音と光の少なくとも一方を発して、オペレータに報知するものである。
【0055】
また、制御ユニット100は、
図1及び
図2に示すように、加工制御部110と、キーパターン登録部111と、加工条件登録部112と、キーパターン検出部113と、整列部114と、光量変更部115とを備える。加工制御部110は、加工装置1の各構成要素をそれぞれ制御して、被加工物200に対する加工動作を加工装置1に実施させるものでもある。
【0056】
キーパターン登録部111は、キーパターン205,206,207,208がターゲットパターン215,216,217,218(
図8、
図9、
図10及び
図11に示す)として登録されるものである。キーパターン登録部111は、キーパターン205,206,207,208を、アライメントを実施する際に撮像ユニット30-1,30-2が撮像した撮像画像と照合するターゲットパターン215,216,217,218として登録されるものである。キーパターン登録部111は、キーパターン205,206,207,208を撮像ユニット30-1,30-2で撮像することによりターゲットパターン215,216,217,218として登録される。実施形態1では、キーパターン登録部111は、低倍率用キーパターン登録部120と、第1キーパターン登録部121と、第2キーパターン登録部122と、第3キーパターン登録部123とを含む。
【0057】
低倍率用キーパターン登録部120は、低倍率用キーパターン205が低倍率用ターゲットパターン215として登録されるとともに、低倍率用キーパターン205から当該低倍率用キーパターン205が形成されたデバイス203に隣接する分割予定ライン202の加工予定ライン204までの距離130(
図4に示す)が登録されるものである。低倍率用キーパターン登録部120は、低倍率用キーパターン205を、アライメントを実施する際に低倍率用撮像ユニット30-1が撮像した撮像画像と照合する低倍率用ターゲットパターン215として登録されるものである。低倍率用キーパターン登録部120は、低倍率用キーパターン205を低倍率用撮像ユニット30-1の撮像カメラ37で撮像することにより低倍率用ターゲットパターン215として登録される。
【0058】
第1キーパターン登録部121は、第1のキーパターン206が第1のターゲットパターン216として登録されるとともに、第1のキーパターン206から当該第1のキーパターン206が形成されたデバイス203に隣接する分割予定ライン202の加工予定ライン204までの距離131(
図4に示す)が登録されるものである。第1キーパターン登録部121は、第1のキーパターン206を、アライメントを実施する際に高倍率用撮像ユニット30-2が撮像した撮像画像と照合する第1のターゲットパターン216として登録されるものである。第1キーパターン登録部121は、第1のキーパターン206を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像することにより第1のターゲットパターン216として登録される。
【0059】
第2キーパターン登録部122は、第1のキーパターン206と異なる第2のキーパターン207が第2のターゲットパターン217として登録されるとともに、第2のキーパターン207から当該第2のキーパターン207が形成されたデバイス203に隣接する分割予定ライン202の加工予定ライン204までの距離132(
図4に示す)が登録されるものである。第2キーパターン登録部122は、第2のキーパターン207を、アライメントを実施する際に高倍率用撮像ユニット30-2が撮像した撮像画像と照合する第2のターゲットパターン217として登録されるものである。第2キーパターン登録部122は、第2のキーパターン207を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像することにより第2のターゲットパターン217として登録される。
【0060】
第3キーパターン登録部123は、第1のキーパターン206及び第2のキーパターン207と異なる第3のキーパターン208が第3のターゲットパターン218として登録されるとともに、第3のキーパターン208から当該第3のキーパターン208が形成されたデバイス203に隣接する分割予定ライン202の加工予定ライン204までの距離133(
図4に示す)が登録されるものである。第3キーパターン登録部123は、第3のキーパターン208を、アライメントを実施する際に高倍率用撮像ユニット30-2が撮像した撮像画像と照合する第3のターゲットパターン218として登録されるものである。第3キーパターン登録部123は、第3のキーパターン208を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像することにより第3のターゲットパターン218として登録される。
【0061】
なお、実施形態1では、キーパターン登録部120,121,122,123は、分割予定ライン202の両端部それぞれを撮像してアライメントを実施する際に照合するターゲットパターン215,216,217,218として両端部間で同じ形状のターゲットパターンを登録するが、本発明では、分割予定ライン202の両端部それぞれを撮像してアライメントを実施する際に照合するターゲットパターン215,216,217,218として両端部間で異なる形状のターゲットパターンを登録しても良い。
【0062】
加工条件登録部112は、加工装置1の加工条件が登録されるものである。加工条件登録部112に登録される加工条件は、アライメントを実施する際の条件(以下、アライメント条件と記す)を含む。実施形態1では、加工条件登録部112は、アライメント条件として、アライメント時に撮像ユニット30-1,30-2が各キーパターン205,206,207,208を撮像する際の各照明ユニット32,33の光量が登録される。実施形態1では、アライメント条件としての各照明ユニット32,33の光量は、ターゲットパターン215,216,217,218を登録する際に撮像ユニット30-1,30-2が各キーパターン205,206,207,208を撮像した際の光量に設定される。
【0063】
実施形態1では、加工条件登録部112は、アライメント条件として、アライメント時に撮像ユニット30-1,30-2が撮像する分割予定ライン202-1,202-2の両端部の位置が登録される。実施形態1では、アライメント条件としての分割予定ライン202-1,202-2の両端部の位置は、ターゲットパターン215,216,217,218を登録する際に撮像ユニット30-1,30-2が撮像した分割予定ライン202の両端部に設定される。
【0064】
また、加工条件登録部112は、アライメント条件として、アライメント時に高倍率用撮像ユニット30-2が各キーパターン206,207,208を撮像しても、キーパターン206,207,208を検出できない場合に変化させて再度高倍率用撮像ユニット30-2で撮像する際の各照明ユニット32,33の光量の変更量、変更回数が登録される。
【0065】
また、実施形態1では、加工条件登録部112は、加工条件として、第1方向211及び第2方向212それぞれにおける互いに隣り合う加工予定ライン204間の距離(以下、インデックス量と記す)と、被加工物200のサイズも登録される。
【0066】
キーパターン検出部113は、保持ユニット10で保持された加工すべき被加工物200の分割予定ライン202の長手方向の一方側である一端部を撮像した一方側撮像画像とキーパターン登録部111に登録されたターゲットパターン215,216,217,218をパターンマッチングさせるとともに、被加工物200の分割予定ライン202の長手方向の他方側である他端部を撮像した他方側撮像画像とキーパターン登録部111に登録されたターゲットパターン215,216,217,218をパターンマッチングさせて一端部と他端部とでそれぞれキーパターン205,206,207,208を検出するものである。
【0067】
キーパターン検出部113は、高倍率用撮像ユニット30-2で撮像した撮像画像とターゲットパターン216,217,218とをパターンマッチングしても撮像画像からキーパターン206,207,208を検出できない場合に、光量変更部115によって照明ユニット32,33の照明光35,36の光量が変更されて高倍率用撮像ユニット30-2で撮像した撮像画像とターゲットパターン216,217,218とをパターンマッチングして撮像画像からキーパターン206,207,208を検出する。こうして、キーパターン検出部113は、高倍率用撮像ユニット30-2で撮像することで形成された光量違いの撮像画像とターゲットパターン216,217,218をパターンマッチングさせて、撮像画像からキーパターン206,207,208を検出する。
【0068】
なお、本発明では、撮像画像からキーパターン206,207,208を検出できるとは、撮像画像とターゲットパターン216,217,218とをパターンマッチングを用いて照合した際に算出される一致度を示すQ値が、予め定められた所定値以上であることをいう。また、本発明では、撮像画像からキーパターン206,207,208を検出できないとは、撮像画像とターゲットパターン216,217,218とをパターンマッチングを用いて照合した際に算出される一致度を示すQ値が、所定値未満であることをいう。
【0069】
また、キーパターン検出部113は、一方側撮像画像と第1のターゲットパターン216をパターンマッチングさせて第1のキーパターン206を検出するとともに、他方側撮像画像と第1のターゲットパターン216をパターンマッチングさせて第1のキーパターン206を検出し、第1のキーパターン206が検出されない場合に一方側撮像画像及び他方側撮像画像と第2のターゲットパターン217をパターンマッチングさせる。また、キーパターン検出部113は、第2のキーパターン207が検出されない場合に一方側撮像画像及び他方側撮像画像と第3のターゲットパターン218をパターンマッチングさせる。
【0070】
整列部114は、キーパターン検出部113で検出した一端部側と他端部側のキーパターン205,206,207,208の位置等をもとに加工予定ライン204と切削ユニット20とを整列させるものである。実施形態1では、整列部114は、撮像画像を取得した際の各位置検出ユニットの検出結果、キーパターン検出部113で検出した一端部側と他端部側のキーパターン205,206,207,208の撮像画像内の位置及びキーパターン登録部111に登録した各キーパターン205,206,207,208から加工予定ライン204までの距離130,131,132,133をもとに加工予定ライン204をX軸方向と平行に位置付けるとともに、角度検出ユニット45の検出結果等に基づいて、保持ユニット10の被加工物200を吸引保持した位置からの加工予定ライン204をX軸方向と平行に位置付けられた位置の軸心回りの角度を算出して、記憶するものである。
【0071】
光量変更部115は、キーパターン検出部113が撮像画像からキーパターン206,207,208が検出されない場合に、照明ユニット32,33の照明光35,36の光量を変えて、再度高倍率用撮像ユニット30-2で撮像するものである。実施形態1において、光量変更部115は、キーパターン検出部113が撮像画像からキーパターン206,207,208が検出されない場合に、再度高倍率用撮像ユニット30-2でキーパターン206,207,208を撮像する際に、加工条件登録部112で登録されたアライメント条件とおりに照明ユニット32,33の照明光35,36の光量を変えて、高倍率用撮像ユニット30-2で撮像するものである。
【0072】
なお、キーパターン登録部120,121,122,123、加工条件登録部112の機能は、記憶装置により実現される。また、加工制御部110、キーパターン検出部113及び光量変更部115の機能は、演算処理装置が、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施することにより実現される。整列部114の機能は、演算処理装置が、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施し、角度を記憶装置に記憶することにより実現される。
【0073】
(アライメント方法)
次に、実施形態1に係るアライメント方法を図面に基づいて説明する。実施形態1に係るアライメント方法は、複数のキーパターン205,206,207,208が形成されるとともに加工予定ライン204が設定された被加工物200を保持する保持ユニット10と保持ユニット10で保持された被加工物200を切削加工する切削ユニット20と保持ユニット10で保持された被加工物200を撮像する撮像カメラ37と撮像カメラ37で被加工物200を撮像する際に被加工物200に照明光35,36を照射する照明ユニット32,33とを備えた加工装置1において、保持ユニット10で保持された被加工物200の加工予定ライン204を加工送り方向であるX軸方向に整列させる方法である。
【0074】
(事前登録ステップ)
実施形態1に係るアライメント方法は、
図6に示す事前登録ステップ1010を備える。
図6は、実施形態1に係るアライメント方法の事前登録ステップの流れを示すフローチャートである。
図7は、
図6に示された事前登録ステップの保持ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。
図8は、
図6に示された事前登録ステップの低倍率用キーパターン登録ステップにおいて登録される低倍率用ターゲットパターンを模式的に示す図である。
図9は、
図6に示された事前登録ステップの第1のキーパターン登録ステップにおいて登録される第1のターゲットパターンを模式的に示す図である。
図10は、
図6に示された事前登録ステップの第2のキーパターン登録ステップにおいて登録される第2のターゲットパターンを模式的に示す図である。
図11は、
図6に示された事前登録ステップの第3のキーパターン登録ステップにおいて登録される第3のターゲットパターンを模式的に示す図である。
【0075】
事前登録ステップ1010は、被加工物200の切削加工前にキーパターン205,206,207,208をターゲットパターン215,216,217,218として加工装置1に登録するとともにキーパターン205,206,207,208から加工予定ライン204までの距離130,131,132,133を加工装置1に登録しておくステップである。実施形態1において、事前登録ステップ1010は、
図6に示すように、保持ステップ1011と、低倍率用キーパターン登録ステップ1012と、第1のキーパターン登録ステップ1013と、第2のキーパターン登録ステップ1014と、第3のキーパターン登録ステップ1015と、加工条件登録ステップ1017と、を備える。
【0076】
実施形態1において、事前登録ステップ1010では、オペレータ等が切削加工の加工対象と同一の品種の被加工物200をカセット51内に収容し、カセット51をカセットエレベータ50に設置する。事前登録ステップ1010では、加工装置1は、オペレータからの事前登録ステップ実施指示を受け付けると、保持ステップ1011に進む。実施形態1において、事前登録ステップ1010の保持ステップ1011では、加工装置1は、制御ユニット100の加工制御部110が、第1搬送ユニット71を制御して、カセット51から切削加工の加工対象と同一の品種の被加工物200をガイドレール46上に取り出させる。
【0077】
実施形態1において、事前登録ステップ1010の保持ステップ1011では、加工装置1は、制御ユニット100の加工制御部110が、ガイドレール46で被加工物200を位置決めした後、第1搬送ユニット71でガイドレール46上の被加工物200を搬入出領域の保持ユニット10の保持面11に載置させる。実施形態1において、事前登録ステップ1010の保持ステップ1011では、加工装置1は、
図7に示すように、制御ユニット100の加工制御部110が、被加工物200を粘着テープ213を介して搬入出領域の保持ユニット10の保持面11に吸引保持し、クランプ部12で環状フレーム214をクランプさせて、移動ユニット40を制御して被加工物200を保持した保持ユニット10を加工領域に位置付けて、低倍率用キーパターン登録ステップ1012に進む。
【0078】
低倍率用キーパターン登録ステップ1012は、キーパターン登録部111の低倍率用キーパターン登録部120に保持ユニット10に保持された加工対象の被加工物200と同一の品種の被加工物200の低倍率用キーパターン205を低倍率用ターゲットパターン215として登録するステップである。実施形態1において、低倍率用キーパターン登録ステップ1012では、加工装置1は、入力ユニット102から入力されたオペレータの指示通りに、保持ユニット10で保持された被加工物200の第1分割予定ライン202-1をX軸方向と平行に位置付ける。
【0079】
実施形態1において、低倍率用キーパターン登録ステップ1012では、加工装置1は、入力ユニット102から入力されたオペレータの指示通りに、いずれかの第1分割予定ライン202-1の一端部上に低倍率用撮像ユニット30-1が位置付けられ、オペレータにより照明ユニット32,33が照射する照明光35,36の光量が調整されながら低倍率用撮像ユニット30-1で被加工物200の低倍率用キーパターン205を含む領域を撮像する。実施形態1において、低倍率用キーパターン登録ステップ1012では、加工装置1は、撮像して取得した低倍率用キーパターン205を含んだ撮像画像を低倍率用ターゲットパターン215(
図8に示す)として低倍率用キーパターン登録部120に登録する。
【0080】
なお、低倍率用キーパターン登録ステップ1012では、加工装置1が、低倍率用キーパターン登録部120に登録した低倍率用ターゲットパターン215を取得した各照明ユニット32,33の照明光35,36の光量をアライメント条件として加工条件登録部112に登録する。また、実施形態1において、低倍率用キーパターン登録ステップ1012では、加工装置1は、入力ユニット102からオペレータにより入力された低倍率用キーパターン205から加工予定ライン204までの距離130を低倍率用キーパターン登録部120に登録する。
【0081】
第1のキーパターン登録ステップ1013は、キーパターン登録部111の第1キーパターン登録部121に保持ユニット10に保持された加工対象の被加工物200と同一の品種の被加工物200の第1のキーパターン206を第1のターゲットパターン216として登録するステップである。実施形態1において、第1のキーパターン登録ステップ1013では、加工装置1は、入力ユニット102から入力されたオペレータの指示通りに、いずれかの第1分割予定ライン202-1の一端部上に高倍率用撮像ユニット30-2が位置付けられ、オペレータにより照明ユニット32,33が照射する照明光35,36の光量が調整されながら高倍率用撮像ユニット30-2で被加工物200の第1のキーパターン206を含む領域を撮像する。
【0082】
実施形態1において、第1のキーパターン登録ステップ1013では、加工装置1は、撮像して取得した第1のキーパターン206を含んだ撮像画像を第1のターゲットパターン216(
図9に示す)として第1キーパターン登録部121に登録する。なお、第1のキーパターン登録ステップ1013では、加工装置1が、第1キーパターン登録部121に登録した第1のターゲットパターン216を取得した各照明ユニット32,33の照明光35,36の光量を加工条件登録部112に登録する。また、実施形態1において、第1のキーパターン登録ステップ1013では、加工装置1は、入力ユニット102からオペレータにより入力された第1のキーパターン206から加工予定ライン204までの距離131を第1キーパターン登録部121に登録する。
【0083】
また、実施形態1において、第1のキーパターン登録ステップ1013では、加工装置1は、入力ユニット102からオペレータにより入力された、第1のキーパターン206を検出できなかった際に、再度高倍率用撮像ユニット30-2で撮像する際の各照明ユニット32,33の光量の変更量、変更回数を加工条件登録部112に登録する。
【0084】
第2のキーパターン登録ステップ1014は、キーパターン登録部111の第2キーパターン登録部122に保持ユニット10に保持された加工対象の被加工物200と同一の品種の被加工物200の第2のキーパターン207を第2のターゲットパターン217として登録するステップである。実施形態1において、第2のキーパターン登録ステップ1014では、加工装置1は、入力ユニット102から入力されたオペレータの指示通りに、いずれかの第1分割予定ライン202-1の一端部上に高倍率用撮像ユニット30-2が位置付けられ、オペレータにより照明ユニット32,33が照射する照明光35,36の光量が調整されながら高倍率用撮像ユニット30-2で被加工物200の第2のキーパターン207を含む領域を撮像する。
【0085】
実施形態1において、第2のキーパターン登録ステップ1014では、加工装置1は、撮像して取得した第2のキーパターン207を含んだ撮像画像を第2のターゲットパターン217(
図10に示す)として第2キーパターン登録部122に登録する。なお、第2のキーパターン登録ステップ1014では、加工装置1が、第2キーパターン登録部122に登録した第2のターゲットパターン217を取得した各照明ユニット32,33の照明光35,36の光量を加工条件登録部112に登録する。また、実施形態1において、第2のキーパターン登録ステップ1014では、加工装置1は、入力ユニット102からオペレータにより入力された第2のキーパターン207から加工予定ライン204までの距離132を第2キーパターン登録部122に登録する。
【0086】
また、実施形態1において、第2のキーパターン登録ステップ1014では、加工装置1は、入力ユニット102からオペレータにより入力された、第2のキーパターン207を検出できなかった際に、再度高倍率用撮像ユニット30-2で撮像する際の各照明ユニット32,33の光量の変更量、変更回数を加工条件登録部112に登録する。
【0087】
第3のキーパターン登録ステップ1015は、キーパターン登録部111の第3キーパターン登録部123に保持ユニット10に保持された加工対象の被加工物200と同一の品種の被加工物200の第3のキーパターン208を第3のターゲットパターン218として登録するステップである。実施形態1において、第3のキーパターン登録ステップ1015では、加工装置1は、入力ユニット102から入力されたオペレータの指示通りに、いずれかの第1分割予定ライン202-1の一端部上に高倍率用撮像ユニット30-2が位置付けられ、オペレータにより照明ユニット32,33が照射する照明光35,36の光量が調整されながら高倍率用撮像ユニット30-2で被加工物200の第3のキーパターン208を含む領域を撮像する。
【0088】
実施形態1において、第3のキーパターン登録ステップ1015では、加工装置1は、撮像して取得した第3のキーパターン208を含んだ撮像画像を第3のターゲットパターン218(
図11に示す)として第1キーパターン登録部121に登録する。なお、第3のキーパターン登録ステップ1015では、加工装置1が、第3キーパターン登録部123に登録した第1のターゲットパターン216を取得した各照明ユニット32,33の照明光35,36の光量を加工条件登録部112に登録する。また、実施形態1において、第3のキーパターン登録ステップ1015では、加工装置1は、入力ユニット102からオペレータにより入力された第3のキーパターン208から加工予定ライン204までの距離133を第3キーパターン登録部123に登録する。
【0089】
また、実施形態1において、第3のキーパターン登録ステップ1015では、加工装置1は、入力ユニット102からオペレータにより入力された、第3のキーパターン208を検出できなかった際に、再度高倍率用撮像ユニット30-2で撮像する際の各照明ユニット32,33の光量の変更量、変更回数を加工条件登録部112に登録する。
【0090】
実施形態1において、事前登録ステップ1010では、第3のキーパターン登録ステップ1015後、オペレータ等が第2分割予定ライン202-2においてターゲットパターン216,217,218と、キーパターン206,207,208から第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204までの距離131,132,133をキーパターン登録部121,122,123に登録済みか否かを判定する(ステップ1016)。オペレータ等が第2分割予定ライン202-2においてターゲットパターン216,217,218と、キーパターン206,207,208から第2分割予定ライン202―1の加工予定ライン204までの距離131,132,133をキーパターン登録部121,122,123に登録済みではないと判定する(ステップ1016:No)と、第1のキーパターン登録ステップ1013に戻る。
【0091】
実施形態1において、戻った第1のキーパターン登録ステップ1013では、加工装置1は、入力ユニット102から入力されたオペレータの指示通りに、保持ユニット10を軸心回りに90度回転させて、保持ユニット10で保持された被加工物200の第2分割予定ライン202-2をX軸方向と平行に位置付ける。実施形態1において、戻った第1のキーパターン登録ステップ1013では、加工装置1は、第1分割予定ライン202-1と同様に、第2分割予定ライン202-2の第1のキーパターン206を撮像して、第1のターゲットパターン216と第1のキーパターン206から第2分割予定ライン101-2の加工予定ライン204までの距離131を第1キーパターン登録部121に登録する。
【0092】
実施形態1において、第2のキーパターン登録ステップ1014では、加工装置1は、第1分割予定ライン202-1と同様に、第2分割予定ライン202-2の第2のキーパターン207を撮像して、第2のターゲットパターン217と第2のキーパターン207から第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204までの距離132を第2キーパターン登録部122に登録する。実施形態1において、第3のキーパターン登録ステップ1015では、加工装置1は、第1分割予定ライン202-1と同様に、第2分割予定ライン202-2の第3のキーパターン208を撮像して、第3のターゲットパターン218と第3のキーパターン208から第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204までの距離133を第3キーパターン登録部123に登録する。
【0093】
なお、実施形態1では、キーパターン登録ステップ1012,1013,1014,1015においてキーパターン登録部120,121,122,123に分割予定ライン202-1,202-2の両端部間で同じ形状のターゲットパターンを登録するために、分割予定ライン202-1,202-2の一端部を撮像している。しかしながら、本発明では、キーパターン登録ステップ1012,1013,1014,1015においてキーパターン登録部120,121,122,123に分割予定ライン202-1,202-2の両端部間で異なる形状のターゲットパターンを登録する場合には、分割予定ライン202-1,202-2の両端部それぞれを撮像する。オペレータ等が第2分割予定ライン202-2においてターゲットパターン216,217,218と、キーパターン206,207,208から第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204までの距離131,132,133をキーパターン登録部121,122,123に登録済みであると判定する(ステップ1016:Yes)と、加工条件登録ステップ1017に進む。
【0094】
加工条件登録ステップ1017は、加工条件を加工条件登録部112に登録するステップである。実施形態1において、加工条件登録ステップ1017では、加工装置1は、入力ユニット102からオペレータにより入力された加工条件として、少なくともインデックス量、被加工物200のサイズ、アライメントを実施する際に撮像ユニット30-1,30-2で撮像する分割予定ライン202-1,202-2の両端部の位置が加工条件登録部112に登録されて、事前登録ステップ1010を終了する。事前登録ステップ1010を終了すると、加工装置1は、保持ユニット10から被加工物200をカセット51まで搬送し、カセット51内に収容する。
【0095】
(キーパターン検出ステップ、整列ステップ)
実施形態1に係るアライメント方法は、
図12に示すキーパターン検出ステップ1020と、
図13に示す整列ステップ1080,1082とを備える。
図12は、実施形態1に係るアライメント方法のキーパターン検出ステップの流れを示すフローチャートである。
図13は、実施形態1に係るアライメント方法の整列ステップを示すフローチャートである。
図14は、
図12に示されたキーパターン検出ステップの撮像ユニットで被加工物を撮像する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。
図15は、
図14に示されたキーパターン検出ステップで被加工物の撮像される第1分割予定ラインの両端部の位置を模式的に示す平面図である。
図16は、
図12に示されたキーパターン検出ステップの第1のキーパターン検出ステップにおいて撮像画像の第1のターゲットパターンとパターンマッチされる領域を模式的に示す図である。
図17は、
図12に示されたキーパターン検出ステップで保持ユニットを軸心回りに90度回転した状態を模式的に示す平面図である。
【0096】
キーパターン検出ステップ1020と整列ステップ1080,1082は、加工装置1の加工動作において、カセット51内の各被加工物200の切削加工前に実施される。即ち、キーパターン検出ステップ1020と整列ステップ1080,1082は、加工装置1の加工動作を構成する。
【0097】
キーパターン検出ステップ1020は、保持ユニット10で保持された加工すべき被加工物200の分割予定ライン202の一端部側を撮像した一方側撮像画像とターゲットパターン215,216,217,218とをパターンマッチングさせてキーパターン205,206,207,208を検出するとともに、被加工物200の分割予定ライン202の他端部側を撮像した他方側撮像画像とターゲットパターン215,216,217,218とをパターンマッチングさせてキーパターン205,206,207,208を検出するステップである。実施形態1において、キーパターン検出ステップ1020は、
図12に示すように、保持ステップ1021と、低倍率用キーパターン検出ステップ1030と、第1のキーパターン検出ステップ1040と、第2のキーパターン検出ステップ1050と、第3のキーパターン検出ステップ1060とを備える。
【0098】
実施形態1において、オペレータ等が切削加工の加工対象の被加工物200をカセット51内に収容し、カセット51をカセットエレベータ50に設置する。加工装置1は、オペレータからの加工動作の開始指示を受け付けると、キーパターン検出ステップ1020を開始する。実施形態1において、事前登録ステップ1010では、まず保持ステップ1021において、加工装置1は、制御ユニット100の加工制御部110が、事前登録ステップ1010と同様に、被加工物200を粘着テープ213を介して搬入出領域の保持ユニット10の保持面11に吸引保持し、クランプ部12で環状フレーム214をクランプさせて、移動ユニット40を制御して被加工物200を加工領域に位置付けて、低倍率用キーパターン検出ステップ1030に進む。
【0099】
低倍率用キーパターン検出ステップ1030は、保持ユニット10で保持された被加工物200の低倍率用キーパターン205を検出して、第1分割予定ライン202-1とX軸方向とを平行に位置付けるステップである。実施形態1において、低倍率用キーパターン検出ステップ1030では、加工装置1は、
図14に示すように、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件とおりに低倍率用撮像ユニット30-1を第1分割予定ライン202-1の一端部の上方に位置付けて、第1分割予定ライン202-1の一端部を含む領域221(
図15に示す)を低倍率用撮像ユニット30-1の撮像カメラ37で撮像する。
【0100】
実施形態1において、低倍率用キーパターン検出ステップ1030では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、撮像カメラ37が撮像して取得した撮像画像と、低倍率用ターゲットパターン215とをパターンマッチングさせて、第1分割予定ライン202-1の一端部の低倍率用キーパターン205を検出する(ステップ1031)。実施形態1において、低倍率用キーパターン検出ステップ1030のステップ1031では、加工装置1は、X軸移動ユニット41で保持ユニット10をX軸方向に移動させて、低倍率用撮像ユニット30-1を第1分割予定ライン202-1の他端部の上方に位置付けて、第1分割予定ライン202-1の他端部を含む領域222(
図15に示す)を低倍率用撮像ユニット30-1の撮像カメラ37で撮像する。
【0101】
実施形態1において、低倍率用キーパターン検出ステップ1030のステップ1031では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、低倍率用撮像ユニット30-1の撮像カメラ37が撮像して取得した撮像画像と、低倍率用ターゲットパターン215とをパターンマッチングさせて、第1分割予定ライン202-1の他端部の低倍率用キーパターン205を検出する。実施形態1において、低倍率用キーパターン検出ステップ1030のステップ1031では、加工装置1は、制御ユニット100の整列部114が、撮像画像を取得した際の各位置検出ユニットの検出結果、キーパターン検出部113が検出した一端部側と他端部側の低倍率用キーパターン205の撮像画像内の位置及びキーパターン登録部111に登録した低倍率用キーパターン205から加工予定ライン204までの距離130をもとに、回転移動ユニット44を制御して第1分割予定ライン202-1の加工予定ライン204をX軸方向と平行に位置付ける。
【0102】
実施形態1において、低倍率用キーパターン検出ステップ1030のステップ1031では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件で定められた第1分割予定ライン202-1の両端部を撮像して、低倍率用キーパターン205を検出するが、加工条件のアライメント条件で定められた第1分割予定ライン202-1の両端部を撮像して、低倍率用キーパターン205を検出できなかった場合、加工条件のアライメント条件で定められた第1分割予定ライン202-1の両端部から所定の範囲を撮像して、低倍率用キーパターン205を検出する。実施形態1において、低倍率用キーパターン検出ステップ1030では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1分割予定ライン202-1の両端部の低倍率用キーパターン205を検出できた否かを判定する(ステップ1032)。実施形態1において、低倍率用キーパターン検出ステップ1030では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1分割予定ライン202-1の両端部の低倍率用キーパターン205を検出できたと判定する(ステップ1032:Yes)と、第1のキーパターン検出ステップ1040に進む。
【0103】
第1のキーパターン検出ステップ1040は、保持ユニット10で保持された被加工物200を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像して、第1のキーパターン206を検出するステップである。実施形態1において、第1のキーパターン検出ステップ1040では、加工装置1は、
図14に示すように、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件とおりに高倍率用撮像ユニット30-2を第1分割予定ライン202-1の一端部の上方に位置付けて、第1分割予定ライン202-1の一端部を含む領域221(
図15に示す)を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像する。
【0104】
実施形態1において、第1のキーパターン検出ステップ1040では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37が撮像して得た撮像画像の第1のキーパターン206を含む領域223(
図16に示す)と、第1のターゲットパターン216とをパターンマッチングさせて、第1分割予定ライン202-1の一端部の第1のキーパターン206を検出する(ステップ1041)。実施形態1において、第1のキーパターン検出ステップ1040では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1分割予定ライン202-1の一端部の第1のキーパターン206を検出できた否かを判定する(ステップ1042)。
【0105】
実施形態1において、第1のキーパターン検出ステップ1040では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1のキーパターン206を検出できなかったと判定する(ステップ1042:No)と、加工条件のアライメント条件に基づいて照明光35,36の光量を変更できるか否かを判定する(ステップ1043)。具体的には、実施形態1において、第1のキーパターン検出ステップ1040のステップ1043では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件に定められた回数、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で被加工物200を撮像して、第1のキーパターン206を検出したかを判定する。
【0106】
実施形態1において、第1のキーパターン検出ステップ1040では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件に定められた回数、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で被加工物200を撮像して、第1のキーパターン206を検出していないと判定すると、加工条件のアライメント条件に基づいて光量が変更できる(ステップ1043:Yes)と判定して、照明光35,36の光量を加工条件のアライメント条件に定められた光量に光量変更部115が変更(ステップ1044)して、ステップ1041に戻って、第1のキーパターン206を検出する。実施形態1において、第1のキーパターン検出ステップ1040では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件に定められた回数、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で被加工物200を撮像しても、第1のキーパターン206を検出できなかった場合、加工条件のアライメント条件に基づいて光量が変更できない(ステップ1043:No)と判定すると、第2のキーパターン検出ステップ1050に進む。
【0107】
第2のキーパターン検出ステップ1050は、保持ユニット10で保持された被加工物200を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像して、第2のキーパターン207を検出するステップである。実施形態1において、第2のキーパターン検出ステップ1050では、加工装置1は、
図14に示すように、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件とおりに高倍率用撮像ユニット30-2を第1分割予定ライン202-1の一端部の上方に位置付けて、第1分割予定ライン202-1の一端部を含む領域221(
図15に示す)を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像する。
【0108】
実施形態1において、第2のキーパターン検出ステップ1050では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37が撮像して得た撮像画像の第2のキーパターン207を含む領域と、第2のターゲットパターン217とをパターンマッチングさせて、第1分割予定ライン202-1の一端部の第2のキーパターン207を検出する(ステップ1051)。実施形態1において、第2のキーパターン検出ステップ1050では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1分割予定ライン202-1の一端部の第2のキーパターン207を検出できた否かを判定する(ステップ1052)。
【0109】
実施形態1において、第2のキーパターン検出ステップ1050では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第2のキーパターン207を検出できなかったと判定する(ステップ1052:No)と、加工条件のアライメント条件に基づいて照明光35,36の光量を変更できるか否かを判定する(ステップ1053)。具体的には、実施形態1において、第2のキーパターン検出ステップ1050のステップ1053では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件に定められた回数、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で被加工物200を撮像して、第2のキーパターン207を検出したかを判定する。
【0110】
実施形態1において、第2のキーパターン検出ステップ1050では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件に定められた回数、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で被加工物200を撮像して、第2のキーパターン207を検出していないと判定すると、加工条件のアライメント条件に基づいて光量が変更できる(ステップ1053:Yes)と判定して、照明光35,36の光量を加工条件のアライメント条件に定められた光量に光量変更部115が変更(ステップ1054)して、ステップ1051に戻って、第2のキーパターン207を検出する。実施形態1において、第2のキーパターン検出ステップ1050では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件に定められた回数、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で被加工物200を撮像しても、第2のキーパターン207を検出できなかった場合、加工条件のアライメント条件に基づいて光量が変更できない(ステップ1053:No)と判定すると、第3のキーパターン検出ステップ1060に進む。
【0111】
第3のキーパターン検出ステップ1060は、保持ユニット10で保持された被加工物200を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像して、第3のキーパターン208を検出するステップである。実施形態1において、第3のキーパターン検出ステップ1060では、加工装置1は、
図14に示すように、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件とおりに高倍率用撮像ユニット30-2を第1分割予定ライン202-1の一端部の上方に位置付けて、第1分割予定ライン202-1の一端部を含む領域221(
図15に示す)を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像する。
【0112】
実施形態1において、第3のキーパターン検出ステップ1060では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37が撮像して得た撮像画像の第3のキーパターン208を含む領域と、第3のターゲットパターン218とをパターンマッチングさせて、第1分割予定ライン202-1の一端部の第3のキーパターン208を検出する(ステップ1061)。実施形態1において、第3のキーパターン検出ステップ1060では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1分割予定ライン202-1の一端部の第3のキーパターン208を検出できた否かを判定する(ステップ1062)。
【0113】
実施形態1において、第3のキーパターン検出ステップ1060では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第3のキーパターン208を検出できなかったと判定する(ステップ1062:No)と、加工条件のアライメント条件に基づいて照明光35,36の光量を変更できるか否かを判定する(ステップ1063)。具体的には、実施形態1において、第3のキーパターン検出ステップ1060のステップ1063では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件に定められた回数、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で被加工物200を撮像して、第3のキーパターン208を検出したかを判定する。
【0114】
実施形態1において、第3のキーパターン検出ステップ1060では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件に定められた回数、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で被加工物200を撮像して、第3のキーパターン208を検出していないと判定すると、加工条件のアライメント条件に基づいて光量が変更できる(ステップ1063:Yes)と判定して、照明光35,36の光量を加工条件のアライメント条件に定められた光量に光量変更部115が変更(ステップ1064)して、ステップ1061に戻って、第3のキーパターン208を検出する。
【0115】
実施形態1において、第3のキーパターン検出ステップ1060では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、加工条件のアライメント条件に定められた回数、高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で被加工物200を撮像しても、第3のキーパターン208を検出できなかった場合、加工条件のアライメント条件に基づいて光量が変更できない(ステップ1063:No)と判定すると、報知ユニット103を動作させて、オペレータに報知して(
図13に示すステップ1070)、アライメント方法を終了し、加工動作を停止する。また、実施形態1において、低倍率用キーパターン検出ステップ1030では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1分割予定ライン202-1の両端部の低倍率用キーパターン205を検出できなかったと判定する(ステップ1032:No)と、報知ユニット103を動作させて、オペレータに報知して(ステップ1070)、アライメント方法を終了し、加工動作を停止する。
【0116】
このように、実施形態1において、キーパターン検出ステップ1020では、第1のキーパターン検出ステップ1040と第2のキーパターン検出ステップ1050と第3のキーパターン検出ステップ1060において、キーパターン206,207,208が検出されない場合に照明ユニット32,33の照明光35,36の光量を変えて高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像し、撮像画像とターゲットパターン216,217,218をパターンマッチングさせる。また、実施形態1において、キーパターン検出ステップ1020では、第1のキーパターン検出ステップ1040において撮像画像と第1のターゲットパターン216をパターンマッチングさせ、第1のキーパターン206が検出されない場合に、第2のキーパターン検出ステップ1050において撮像画像と第2のターゲットパターン217をパターンマッチングさせる。また、実施形態1において、キーパターン検出ステップ1020では、第2のキーパターン検出ステップ1050において撮像画像と第2のターゲットパターン217をパターンマッチングさせ、第2のキーパターン207が検出されない場合に、第3のキーパターン検出ステップ1060において撮像画像と第3のターゲットパターン218をパターンマッチングさせる。
【0117】
実施形態1において、キーパターン検出ステップ1020では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1分割予定ライン202-1の一端部の第1のキーパターン206を検出できたと判定した(ステップ1042:Yes)場合、第1分割予定ライン202-1の一端部の第2のキーパターン207を検出できたと判定した(ステップ1052:Yes)場合、又は第1分割予定ライン202-1の一端部の第3のキーパターン208を検出できたと判定した(ステップ1053:Yes)場合には、第1分割予定ライン201-1の他端部の第1のキーパターン206、第2のキーパターン207又は第3のキーパターン208を検出したか否かを判定する(
図13に示すステップ1071)。
【0118】
実施形態1において、キーパターン検出ステップ1020では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1分割予定ライン202-1の他端部の第1のキーパターン206、第2のキーパターン207又は第3のキーパターン208を検出していないと判定する(ステップ1071:No)と、第1のキーパターン検出ステップ1040に戻り、第1分割予定ライン202-1の他端部を含む領域222(
図15に示す)を高倍率用撮像ユニット30-2の撮像カメラ37で撮像して、先程と同様に、キーパターン検出ステップ1040,1050,1060を実施する。
【0119】
実施形態1において、キーパターン検出ステップ1020では、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第1分割予定ライン202-1の他端部の第1のキーパターン206、第2のキーパターン207又は第3のキーパターン208を検出したと判定する(ステップ1071:Yes)と、第1整列ステップ1080に進む。
【0120】
(第1整列ステップ)
第1整列ステップ1080は、キーパターン検出ステップ1020で検出した第1分割予定ライン202-1の一端部側と他端部側のキーパターン206,207,208の位置をもとに第1分割予定ライン202-1の加工予定ライン204と切削ユニット20とを整列させるステップである。実施形態1において、第1整列ステップ1080では、加工装置1は、制御ユニット100の整列部114が、撮像画像を取得した際の各位置検出ユニットの検出結果、キーパターン検出部113で検出した第1分割予定ライン202-1の一端部側と他端部側のキーパターン206,207,208のいずれかの撮像画像内の位置及びキーパターン登録部111に登録した各キーパターン206,207,208から第1分割予定ライン202-1の加工予定ライン204までの距離131,132,133をもとに回転移動ユニット44を制御して第1分割予定ライン202-1の加工予定ライン204をX軸方向と平行に位置付ける。実施形態1において、第1整列ステップ1080では、加工装置1は、制御ユニット100の整列部114が、角度検出ユニット45の検出結果等に基づいて、保持ユニット10の被加工物200を吸引保持した位置からの第1整列ステップ1080において第1分割予定ライン202-1の加工予定ライン204をX軸方向と平行に位置付けられた位置の軸心回りの角度を算出して、記憶する。
【0121】
その後、実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第2分割予定ライン202-2の両端部のキーパターン206,207,208を検出したか否かを判定する(ステップ1081)。実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第2分割予定ライン202-2の両端部のキーパターン206,207,208を検出していないと判定する(ステップ1081:No)と、保持ユニット10を
図17に示すように軸心回りに90度回転させて、キーパターン検出ステップ1020の第1のキーパターン検出ステップ1040に戻って、先程と同様に、第2方向212と平行な第2分割予定ライン202-2の両端部のキーパターン206,207,208のいずれかを検出する。
【0122】
実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100のキーパターン検出部113が、第2分割予定ライン202-2の両端部のキーパターン206,207,208を検出したと判定する(ステップ1081:Yes)と、第2整列ステップ1082に進む。
【0123】
(第2整列ステップ)
第2整列ステップ1082は、キーパターン検出ステップ1020で検出した第2分割予定ライン202-2の一端部側と他端部側のキーパターン206,207,208の位置をもとに第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204と切削ユニット20とを整列させるステップである。実施形態1において、第2整列ステップ1082では、加工装置1は、制御ユニット100の整列部114が、撮像画像を取得した際の各位置検出ユニットの検出結果、キーパターン検出部113で検出した第2分割予定ライン202-2の一端部側と他端部側のキーパターン206,207,208のいずれかの撮像画像内の位置及びキーパターン登録部111に登録した各キーパターン206,207,208から第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204までの距離131,132,133をもとに回転移動ユニット44を制御して、第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204をX軸方向と平行に位置付けて、アライメント方法を終了する。
【0124】
なお、実施形態1では、加工装置1は、キーパターン検出ステップ1020において分割予定ライン202-1,202-2の両端部で検出したキーパターン206,207,208が同一でも良く、異なっても良い。また、実施形態1では、加工装置1は、整列ステップ1080,1082において、キーパターン検出ステップ1020において分割予定ライン202-1,202-2の両端部で検出したキーパターン206,207,208が同一でも異なっても、検出したキーパターン206,207,208の撮像画像の位置等をもとに分割予定ライン202-1,202-2の加工予定ライン204をX軸方向と平行に位置付ける。
【0125】
(加工動作)
次に、加工装置1が被加工物200を切削加工する加工動作を説明する。
図18は、
図1に示された加工装置が被加工物を切削加工する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100の加工制御部110が、
図18に示すように、第2分割予定ライン202-2をX軸方向と平行な状態のまま加工条件とおりに移動ユニット40を制御して切削ユニット20と保持ユニット10に保持された被加工物200とを第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204に沿って相対的に移動させながら、切削ブレード21を粘着テープ213に到達するまで第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204に切り込ませる。
【0126】
実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100の加工制御部110が、加工条件とおりに移動ユニット40を制御して切削ユニット20の切削ブレード21を粘着テープ213に到達するまで第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204に切り込ませて、第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204を切削加工する。実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100の加工制御部110が、全ての第2分割予定ライン202-2の加工予定ライン204を切削加工すると、第1整列ステップ1080で記憶した角度等に基づいて、第1分割予定ライン202-1の加工予定ライン204をX軸方向と平行に位置付けて、第2分割予定ライン202-2と同様に、第1分割予定ライン202-1の加工予定ライン204を切削加工する。
【0127】
実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100の加工制御部110が、全ての分割予定ライン202-1,202-2の加工予定ライン204を切削加工すると、保持ユニット10を搬入出領域まで移動させて、第2搬送ユニット72で切削加工された被加工物200を洗浄ユニット60のスピンナテーブル61に搬送する。実施形態1において、加工装置1は、制御ユニット100の加工制御部110が、切削加工された被加工物200を洗浄ユニット60で洗浄し、第1搬送ユニット71でガイドレール46を介してカセット51内に搬入する。実施形態1に係る加工装置1は、カセット51内の被加工物200に順にアライメント方法及び切削加工を施す。
【0128】
以上説明したように、実施形態1に係るアライメント方法及び加工装置1は、キーパターン検出ステップ1020では、キーパターン検出部113がキーパターン206,207,208を検出できない場合に、照明ユニット32,33の照明光35,36の光量を変更して、撮像カメラ37で撮像して再度パターンマッチングを行う。このために、実施形態1に係るアライメント方法及び加工装置1は、キーパターン検出ステップ1020では、キーパターン206,207,208を検出できる可能性を向上することができる。
【0129】
その結果、実施形態1に係るアライメント方法及び加工装置1は、アライメントエラーを抑制することができるという効果を奏する。
【0130】
また、実施形態1に係るアライメント方法及び加工装置1は、事前登録ステップ1010において複数のキーパターン206,207,208をターゲットパターン216,217,218として登録し、キーパターン検出ステップ1020では、キーパターン検出部113が第1のキーパターン206を検出できない場合に、第2のキーパターン207を検出し、第2のキーパターン207を検出できない場合に、第3のキーパターン208を検出する。その結果、実施形態1に係るアライメント方法及び加工装置1は、キーパターン検出ステップ1020では、キーパターン206,207,208を検出できる可能性を向上でき、アライメントエラーを抑制することができるという効果を奏する。
【0131】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、前述した実施形態では、加工装置1は、被加工物200を切削加工する切削装置であってが、本発明では、
図19に示すように、加工ユニットであるレーザービーム照射ユニット20-1を備えた所謂レーザー加工装置であっても良い。なお、
図19は、
図1に示された加工装置の変形例を示す斜視図である。レーザービーム照射ユニット20-1は、被加工物200に対して透過性又は吸収性を有する波長のレーザービームを照射して、被加工物200をレーザー加工するものである。
図19は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0132】
また、本発明では、アライメント方法及び加工装置1は、低倍率用キーパターン検出ステップ1030において、低倍率用キーパターン205を検出できなかった場合、照明ユニット32,33の照明光35,36の光量を変更して、撮像カメラ37で撮像して撮像画像と低倍率用ターゲットパターン215との再度パターンマッチングを行っても良い。また、本発明では、アライメント方法及び加工装置1は、低倍率用キーパターン検出ステップ1030において、特に、照明ユニット32,33の照明光35,36の光量を変更しても低倍率用キーパターン205を検出できなった場合、キーパターン検出部113が第1のキーパターン206を検出し、第1のキーパターン206を検出できない場合に、第2のキーパターン207を検出し、第2のキーパターン207を検出できない場合に、第3のキーパターン208を検出しても良い。
【符号の説明】
【0133】
1 加工装置
10 保持ユニット
20 切削ユニット(加工ユニット)
20-1 レーザービーム照射ユニット(加工ユニット)
32 落射照明ユニット(光照射ユニット)
33 斜光照明ユニット(光照射ユニット)
35 照明光(光)
36 照明光(光)
37 撮像カメラ
40 移動ユニット
100 制御ユニット(コントローラ)
111 キーパターン登録部
113 キーパターン検出部
114 整列部
115 光量変更部
121 第1キーパターン登録部
122 第2キーパターン登録部
130,131,132,133 距離
200 被加工物
204 加工予定ライン
205 低倍率用キーパターン(キーパターン)
206 第1のキーパターン(キーパターン)
207 第2のキーパターン(キーパターン)
208 第3のキーパターン(キーパターン)
215 低倍率用ターゲットパターン(ターゲットパターン)
216 第1のターゲットパターン(ターゲットパターン)
217 第2のターゲットパターン(ターゲットパターン)
218 第3のターゲットパターン(ターゲットパターン)
1010 事前登録ステップ
1020 キーパターン検出ステップ
1080 第1整列ステップ(整列ステップ)
1082 第2整列ステップ(整列ステップ)
X 加工送り方向