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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119948
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】即席めん
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/08 20060101AFI20240827BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20240827BHJP
   A23L 7/113 20160101ALN20240827BHJP
【FI】
B65D77/08 A
B65D81/32 B
A23L7/113
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095452
(22)【出願日】2024-06-12
(62)【分割の表示】P 2020124026の分割
【原出願日】2020-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 徹
(57)【要約】      (修正有)
【課題】即席めんにおいて、需要者が添付スープの使用量を減らし、減塩することができように補助する新たな方法を開発する。
【解決手段】粉末又は液体スープパック3が添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示するとともに、添付粉末又は液体スープパック3に対して調理時において当該スープ使用量を調整するため、収納された一食分の粉末又は液体スープがパック包装材料内において複数の区画された領域100、101に分離して収納されるように構成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
添付粉末又は液体スープパックにおいて、調理時に当該スープ使用量を調整するため、収納された粉末又は液体スープが前記パックの内部において複数の区画された領域に分離して収納されていることを特徴とする即席袋めん又は即席カップめん。
【請求項2】
粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
前記添付粉末又は液体スープパックが、開封後にそのスープの一部を使用した後において当該開口部付近を折り曲げることが可能な添付粉末又は液体スープパックである即席袋めん又は即席カップめん。
【請求項3】
粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
粉末又は液体スープパックとして、通常の一食分の粉末又は液体スープを複数の粉末又は液体スープパックに分けて収納した即席袋めん又は即席カップめん。
【請求項4】
粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
前記添付粉末又は液体スープパックが当該スープ使用量を調整するための目盛部を設けた即席袋めん又は即席カップめん。
【請求項5】
粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
前記添付粉末又は液体スープパックが当該スープ使用量を調整するための折り目線を設けた即席袋めん又は即席カップめん。
【請求項6】
粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
前記明示を商品パッケージの調理欄に記載した即席袋めん又は即席カップめん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、即席めんの分野において需要者の選択に応じて減塩を可能とした即席めんに関するものである。
【背景技術】
【0002】
即席めんはその美味性及び簡便性から多くの人に利用されている。
しかし、即席麺は塩分が比較的高い含有量であるという点が指摘される場合がある。即席めんは一般には大きくは、麺と添付スープからなるが、当該即席めんにおいてはスープ側に塩分が比較的多く含まれているという現状がある。
このようなスープ成分の塩分を減塩する方法として例えば、以下の先行技術が開示されている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-158532
【0004】
上述の先行技術は、アミノ酸のL-プロリンを利用する代替塩の方法であり、このような代替塩の優れた技術がある。また、このほかにも様々な代替塩又は塩味増強の方法が開示されている。その一方、さらに減塩のための種々の方法が存在することが予測される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明者らは代替塩や塩味増強以外の他の方向から即席めんにおいて減塩に結び付ける方法を開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らの鋭意研究の結果、即席めんの調理の際、需要者の好みに応じて、減塩を目的として使用するスープの量をコントロールできる点を消費者に喚起できる方法が有力であることを見出した。
【0007】
すなわち、従来までの即席めんの調理方法の記載欄には、添付液体又は濃縮スープ(添付調味料)を“麺がほぐれたら火を止め、スープを入れ、かきまぜて下さい”等の調理方法の記載によって明示している場合が多いが、特に添付の一食分の粉末スープ又は液体スープの添加量について需要者自身で調整できる点を言及するタイプの即席めんは存在せず、暗黙上、添付の液体又は粉末スープの全量入れることが前提となっている部分が大きかった。
【0008】
一方、近年の健康志向に伴い、塩分が少なく味の薄いタイプを利用することを望む需要者も増えている。また、需要者が販売されている即席めんについて独自のレシピでアレンジ調理する傾向も大きくなっている。
そこで、本発明らはこのような背景に鑑み、需要者が即席袋めんや即席カップめんに使用するスープ量を自由に選択できることに気づくように、積極的に商品パッケージに表記する方法を見出した。
【0009】
さらに、当該表記をするとともに、添付する一食分の液体又は粉末スープパックについて種々の工夫を施すことによって消費者が使用するスープ量を選択できることを一層促すようにする方法を開発したものである。
すなわち、本発明者らの鋭意研究の結果、商品パッケージにおいて、明示的に需要者の好みに応じて当該即席袋めん又は即席カップめんの添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を積極的に記載する方法を開発した。
【0010】
これによって、需要者の好みに応じて、塩分の摂取を気にする需要者においてもその増減をコントロールできる。また、スープの濃淡を自由に決定できる点を意識させることができる。さらに、当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を記載することに加えて、他の構成を加えることで、喫食者が添付するスープの使用量をより簡単に制限できるようにすることができることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明者らは、添付粉末又は液体スープパックに対して調理時において喫食者が当該スープ使用量を調整するため、収納された粉末又は液体スープが前記パックの内部において複数の区画された領域に分離して収納されていることが有効であることを見出した。
【0012】
このようにすることで喫食者は、使用するスープの量を減らしたい場合には、一部の領域のみを開封し、調理に使用し他の領域について残しておくことができる。当該残したスープは賞味期限内において他の食品の味付けに利用することも可能である。
【0013】
すなわち、本願第一の発明は、
“粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
添付粉末又は液体スープパックにおいて、調理時に当該スープ使用量を調整するため、収納された粉末又は液体スープが前記パックの内部において複数の区画された領域に分離して収納されていることを特徴とする即席袋めん又は即席カップめん。“、である。
【0014】
次に、本発明者らは、当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんにおいて、添付液体又は粉末スープの使用後において、開封口を折り曲げることが可能であると、一部を使用した残りのスープを別の用途等に利用しやすく便利であることを見出した。
【0015】
すなわち、本願第二の発明は、
“粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
前記添付粉末又は液体スープパックが、開封後にそのスープの一部を使用した後において当該開口部付近を折り曲げることが可能な添付粉末又は液体スープパックである即席袋めん又は即席カップめん。“、である。
【0016】
次に、本発明者らは、当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんにおいて、粉末又は液体スープパックとして、通常の一食分の粉末又は液体スープを複数の粉末又は液体スープパックに分けて収納することを見出した。このようにすることで喫食者は、好みに応じて全量を開封して調理することもできるし、一部のみで調理することも可能である。
【0017】
すなわち、本願第三の発明は、
“粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
粉末又は液体スープパックとして、通常の一食分の粉末又は液体スープを複数の粉末又は液体スープパックに分けて収納した即席袋めん又は即席カップめん。“、である。
【0018】
次に、本発明者らは、当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんにおいて、前記添付粉末又は液体スープパックに対して、喫食者が当該スープ使用量を調整することができるように、スープパックの表面に概ねの割合等を示す目盛部を設けることが有効であることを見出した。
【0019】
すなわち、本願第四の発明は、
“粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
前記添付粉末又は液体スープパックが当該スープ使用量を調整するための目盛部を設けた即席袋めん又は即席カップめん。“、である。
【0020】
次に、本発明者らは、添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんにおいて、前記添付粉末又は液体スープパックが当該スープ使用量を調整するための折り目線を設ける方法を見出した。すなわち、添付粉末又は液体スープについて予め折り曲げておくことで、開封後の添加量を制限することができる。
【0021】
すなわち、本願第五の発明は、
「粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
前記添付粉末又は液体スープパックが当該スープ使用量を調整するための折り目線を設けた即席袋めん又は即席カップめん。」、である。
【0022】
次に、本発明者らは、添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんにおいて、当該明示を商品パッケージの調理欄に記載することが有効であることを見出した。
【0023】
すなわち、本願第六の発明は、
「粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめんであって、
前記明示を商品パッケージの調理欄に記載した即席袋めん又は即席カップめん。」、である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】粉末又は液体スープパックのシール態様の種類を示した模式図である。
図2】袋めんの商品パッケージの調理方法の記載欄にスープの一部を残して調理することができる旨を記載した正面模式図である。
図3】カップめんのカップ状容器の調理方法の記載欄にスープの一部を残して調理することができる旨を記載した正面模式図である。
図4】本発明の第一の実施態様のスープパックの種々の形態を示した模式図である。
図5】本発明の第一の実施態様のスープパックの他の種々の形態を示した模式図である。
図6】本発明の第二の実施態様のスープパックの形態を示した模式図である。
図7】本発明の第三の実施態様のスープパックの形態を示した模式図である。
図8】本発明の第四の実施態様のスープパックの形態を示した模式図である。
図9】本発明の第五の実施態様のスープパックの形態を示した模式図である。
図10】本発明の第六の実施態様の商品パッケージの形態を示した模式図である。
図11】本発明の第六の実施態様のカップ状容器の形態を示した模式図である。
図12】実施例1に利用した商品パッケージの態様を示した模式図である。
図13】実施例2に利用したスープパックの態様を示した模式図である。
図14】実施例3に利用したスープパックの態様を示した模式図である。
図15】実施例4に利用したスープパックの態様を示した模式図である。
図16】実施例5で使用した5食パックの即席袋めんの斜視模式図である。
【符号の説明】
【0025】
3 三方シールタイプの粉末又は液体スープパック
5 四方シールタイプの粉末又は液体スープパック
7 ヒートシール部
9 袋めんの商品パッケージ
11 カップめんのカップ状容器
13 ノッチ部
15 区画境界部(ヒートシールによる)
17 開封方向(開封ライン)
19 マジックカット
21 内容量の目盛部
23 折り目線
25 即席袋めんの5食パック
100 大区画
101 小区画
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施態様を説明する。但し、本願発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
まず、“粉末又は液体スープパックが添付された即席袋めん又は即席カップめんにおいて、調理時に喫食者の好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示した即席袋めん又は即席カップめん”の部分について以下に説明する。
【0027】
─即席袋めん又は即席カップめん─
本発明にいう即席袋めんとは、生麺線を蒸煮や茹で等によってα化してから所定長さにカットした後、熱風や油熱で乾燥することによって麺塊を調製し、当該麺塊を軟包材に収納するとともに、粉末又は液体スープパック等も収納し、また、必要に応じて調味オイルや乾燥具材のパック等も収納する。そして、シール等によって密封することによって製造するタイプの即席めんをいう。
【0028】
また、本発明にいう即席カップめんとは、カップ状容器に収納可能なように麺塊を調製し、紙・プラスチック等のカップ状容器に収納した後、粉末又は液体スープパックを収納し、また、必要に応じて調味オイルや乾燥具材等のパック等を収納する。そして、開口部を蓋によって封鎖することによって製造するタイプの即席めんをいう。
【0029】
─添付液体又は粉末スープパック─
本発明にいう、添付の粉末スープ又は液体スープパックとは、即席めんにおける添付調味料であり、一般には軟包材を利用してシール等によって袋状にするとともに、当該袋内に粉末スープ又は液体スープを収納した後、シール等によって密封することで完成するものをいう。具体的には、軟包材としてPET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、OPP(延伸ポリプロピレン)、CPP(未延伸ポリプロピレン)、ONY(延伸ナイロン)、AL(アルミニウム)、アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム等の素材が利用され、これらの多層構造のフィルムを利用することが多い。
【0030】
すなわち、本発明にいう液体又は粉末スープパックはシート状の軟包材を素材とし、その端部をシール又は、必要に応じて折り返すことに略偏平状の袋体を形成する。使用できる材質はポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アルミニウム等の種々の素材を用いることができるが、一般的には、液漏れ等を回避するために、ポリエステル、ポリエチレン、延伸ナイロンなどで構成に含む素材を使用することが好ましい。
通常、バリアー性、ヒートシール性を考慮して複数の層からなる構成を採用する。例えば、具体的な構成としてONY/LDPE、KONY/LDPE、PET/Al/LDPE、PET/HDPE/Al/CPP、PET/Al/CPP、PET/VMPET/PE等の種々の構成が挙げられる。
【0031】
本発明においては、アルミニウム層(Al)又はアルミ蒸着(VM)フィルムを材質構成に
加えることが好ましい。アルミニウム層又はアルミ蒸着フィルムは効果的に光や酸素をブ
ロックすることができる。本発明の液体又は粉末スープパックにおいてアルミニウムを利用した層を用いることで効率的にバリアー性を向上することができる。さらに、デッドホールド性も付与し易い。
【0032】
尚、本発明にいう液体又は粉末スープパックは、略扁平状であり、形状としては長方形、正方形等の方形が可能である。また、方形のサイズについては特に限定されないが、概ね、10cm×10cm以下のサイズの液体又は粉末スープパックが一般的である。
また、即席めんにおいては、添付液体又は粉末スープパック以外に調味オイル等の調味料や乾燥具材のパックが添付される場合もあるが、本発明における即席めんにおいては、当該調味オイルや乾燥具材パック等を含んでいてもよいことは勿論である。
【0033】
─シール形態─
本発明の即席めんにおける添付調味料としての粉末又は液体スープパックは、シート状の軟包材を素材とし、その端部を熱によってヒートシール又は、必要に応じて折り返すことで略偏平状の袋体を形成するのが一般的である。種々の形態が可能であるが、最終的には端部がヒートシールされ密閉されて本発明の液体又は粉末スープパックが完成する。
【0034】
ここで、ヒートシールの形態は特に限定されないが、例えば、図1(a)に示すような三方シールパック3がある。当該三方シールパック3はいわゆる縦ピローと称される成型方法であると、一枚の帯状のフィルム(軟包材)を垂直下向きに搬送しつつ円筒状に端部をシールするためにいわゆる縦方向に重なり部分ヒートシールし筒状とした後に、下部の横方向をシールして、袋体を形成し、内容物を充填して横方向をシールすることによって封入状態を完成させ、カットして製造するのが一般的である。
【0035】
次に、横ピロー包装であると、一枚の帯状のフィルム(軟包材)を横方向(水平方向)に搬送させながら、帯の中央部が下方部となるように折り曲げながら縦方向にヒートシールし、連帯パックの境界部についてヒートシールを行うことによって上部開口の袋体を形成し、上方から内容物を充填して横方向をヒートシールすることによって封入状態を完成させ、カットして製造するのが一般的である。
【0036】
次に、図1(b)に示すような四方シールパック5がある。当該四方シールパック5は2枚のフィルムの3辺をヒートシールして袋体を形成させて、内容物を充填してから最後の辺をヒートシールして封入するのが一般的な製造方法として知られている。これらいずれの方法又は他の方法を利用することができる。
【0037】
─需要者の好みに応じて当該即席袋めん又は即席カップめんの添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨─
本発明においては、需要者が一食分の即席袋めんや即席カップめんに使用するスープ量を適宜、選択できることに気づくように、積極的に商品パッケージに表記することを特徴とする。
すなわち、近年の健康志向に伴い、塩分が少なく味の薄いタイプを利用することを望む需要者も増えている。また、需要者が市販されている即席めん商品について独自のレシピでアレンジ調理する傾向も大きくなっている。このように需要者(喫食者)に好みに応じてスープの使用量を加減できる点を注意喚起するものである。
【0038】
本発明にいう“需要者の好みに応じて当該即席袋めん又は即席カップめんの添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を明示”の具体的な記載例としては、“お好みに応じて当該添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能です。”や“お好みにより添付液体スープ又は粉末スープは全量入れる必要はございません。”
等がある。但し、これと同趣旨に解釈される記載であれば、上記に限定されるものではない。すなわち、「添付の粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨」を明示する内容であればその文言は種々が可能である。
【0039】
また、後述するように当該粉末又は液体スープパックを区画して収納することで需要者が段階的にスープの使用量を減らすことができる場合には、当該旨を記載することができる。例えば、図4(a)の形態の場合であれば、“開封口側の収納スープのみを使用することも可能です”や、減塩の場合の開封方向を矢印等で示すことで、“矢印方向に開封頂き、スープ使用量を減らすことができます”等の記載例が挙げられる。
いずれにおいても、需要者の好みに応じて当該即席袋めん又は即席カップめんの添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨を示すものであれば、特に限定されない。
【0040】
─前記旨を明示する─
本発明いう明示とは、前記のスープの使用量を減らすことが可能な旨を喫食者が認識できるように商品中の何れかの場所に示すことをいう。具体的には、即席袋めんであると、商品パッケージの表面の何れかに記載することができる。通常商品パッケージにおいては表面が商品名及び各種写真が記載されているが、当該表面に記載してもよいことは勿論である。
【0041】
また、通常裏面には、原材料表示や調理方法の記載欄が設けられているが、当該裏面に記載してもよいことは勿論である。また、即席カップめんであると、カップ状容器に印刷することも可能であるし、表面のキャップ部分の上面に記載することもできる。これらのうち、好ましくは調理方法の記載欄であることが好ましい。
【0042】
すなわち、袋めん又はカップめんにおいて、調理方法の記載欄が設けられている。ここで、通常、袋めんの調理においては、例として以下のような内容の記載が調理方法の欄に記載されることがある。
(1) 水を沸騰させて、めんを入れ、ほぐしながら2~4分程度茹でる。
(2) めんが茹で上がったら火を止めて、粉末スープ(又は液体スープ)を加える。
(3) 丼等の器に移し、調味オイル等を加える。
(4) 尚、お好みにより、焼き豚、メンマ、ネギ等をのせることができる。
当該記載中に“お好みに応じて当該即席袋めんの添付粉末スープ(又は液体スープ)の一部を残して調理することが可能である旨”を加えることができる(図2)。尚、当該記載は商品パッケージのいずれかの部分であれば調理方法の記載欄以外に記載してもよいことは勿論である。
【0043】
次に、カップめんの場合、カップめんの調理においては、以下のような記載が調理方法の欄に記載されていることが多い。まず、粉末スープの場合には、例として以下のような記載となる場合がある。
(1) フタを半分まではがし、粉末スープを取り出す。
(2) 粉末スープを入れ、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタをする。
(3) フタをして3~5分後めんをほぐしてできあがり。
また、液体スープの場合には、(3)´フタをして3~5分後に麺をほぐす前に入れる旨の記載となる場合もある。
これらのいずれの場合においても、当該記載中に“お好みに応じて当該即席袋めん又は即席カップめんの添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨”を加えることができる(図3)。尚、当該記載は商品パッケージのいずれかの部分であれば調理方法の記載欄以外に記載してもよいことは勿論である。
【0044】
さらに、別の記載場所として粉末又は液体スープパック自体に記載してもよいことは勿論である。
【0045】
─添加しなかった粉末又は液体スープ─
一食分の粉末又は液体スープのうち、添加しなかった(残した)粉末又は液体スープは、必要に応じて保管し、他の料理に利用することができる。
例えば、具体的には、即席めんの調理後において、当日又は翌日に別のメニューの味付けに利用する方法が挙げられる。具体的には、本発明によって、減らした粉末又は液体スープについては、チャーハン、他の中華そば、スープ、中華料理の味付け等の種々の料理に利用することができる。また、当該他の料理に使用することができる旨を商品パッケージに明示することも可能である。
【0046】
尚、後述するように当該粉末又は液体スープパックを区画することで需要者が段階的にスープの使用量を減らすことができる場合には、添加しなかった(残した)粉末又は液体スープは完全な密閉状態のまま、保存することができるため、開封前の粉末又は液体スープであると吸湿等の問題が緩和され、長期間保存できるという利点を有する。
また、本発明においてスープの使用量を減じた場合であっても、他の調味料を加えることもできることは勿論である。すなわち、アレンジレシピ等の目的で添付スープの一部のみを利用したり、味が薄くなる分を他の調味料を添加して味の調整を行うことは当然に可能である。
【0047】
〇粉末又は液体スープパックに対する区画、折り曲げ可能等の各種加工について
次に、本発明において、粉末又は液体スープパックに対して、需要者が一食分の粉末スープ又は液体スープの使用量を減らして使用することを実施し易い種々の構成を以下に示す。
─添付粉末又は液体スープパックにおいて、調理時に当該スープ使用量を調整するため、収納された粉末又は液体スープが前記パックの内部において複数の区画された領域に分離して収納されている(本願第一の発明の内容)─
【0048】
図4は、本発明の第一の実施態様であって、収納された粉末又は液体スープがパック包装材料内において複数の区画された領域に分離して収納されている場合を示している。
尚、複数の領域に区画するための区画境界部15はスープを入れる前のパックをヒートシール等によって付与することができる。
これは、包装材料内において区画されるために、喫食者は区画された複数の区画部分の一部のみを開封して調理に使用することができる。例えば、図4(a)に示すように、2つの区画部を設ける場合であれば、開封口の近く区画部分を大きく(大区画100)、遠い方の部分の区画を小さめ(小区画101)に設定することができる。図4(a)の例であると、通常の一食分の液体又は粉末スープ量について2:1の重量割合となるように区画している。
【0049】
喫食者は、使用するスープを減らして調理する場合であれば、図4(a)の“減塩”の矢印に示す開封方向17によって大区画のみを開封して調理に使用する。
一方、未開封の状態にある小区画101については、調理に使用せずに残しておくことができるので、後日において他の料理の味付けに利用するこが可能である。
また、喫食者が通常通り1食分のスープを使用する場合には、図4(a)の“通常”の矢印に示す開封方向17に示すように、大区画100及び小区画101の両方を開封状態となるように開封して使用することができ、通常の一食分の全量を調理に利用することができる。
【0050】
尚、図4(a)においては開封のためのノッチ部13を付加した場合を示しているが、ノッチ部13を付加しない場合であっても、ギザ部をたよりに開封することもできるし、シール部をマジックカットとすることもあり得ることは勿論である。次に、図4(b)同様のタイプでシールの方向が異なる場合を示している。
次に、図4(c)の場合については、大区画100の方のみを積極的に開封するタイプを示している。一食分全部のスープを使用したい場合には、開封のための開封方向について区画境界部15を横断するように行えばよい。又は、開封のため二度カットしてもよい。
【0051】
次に、図4(d)の場合については、大区画100と小区画101が概ね分離している状態(完全には分離されていない状態)を示している状態を示している。このような図4(d)のような不完全な分離状態も含むものとする。この場合においても開封後に生じた開封口の一部を軽く折り曲げる等することによって需要者は、特定の区画部のスープのみを利用することができる。
次に、図4(e)の場合については、図4(d)の場合とシールの方向が異なる場合を示している。
【0052】
さらに、図5は他のバリエーションを示している。図5(a)は3つの区画される部分を設けた場合である。この場合においては、需要者は開封方向17を選択することで二段階に減塩の程度を選択することができる。このように区画される部分の数は3以上であってもよいことは勿論である。
【0053】
図5(b)は図4(a)におけるノッチ部13を特に設けない場合である。図5(c)は上部をマジックカット19として、当該マジックカット部19より開封する場合である。図5(d)はヒートシール部を工夫することで幅方向の横断カットで通常又は減塩にすることができる場合である。
図5(d)では、大区画100及び小区画101のみに粉末又は液体スープが分離して収納されており、減塩のための開封方向では、小区画101はカットされないこととなっている。尚、上記の各例は例示であり、これら以外にも様々な態様が可能である。
【0054】
─前記添付粉末又は液体スープパックが、開封後にそのスープの一部を使用した後において当該開口部付近を折り曲げることが可能(本願第二の発明の内容)─
次の図6の態様は、本発明の第二の実施態様であって、添付液体又は粉末スープの使用後において、開封口を折り曲げることが可能である態様を示している。当該開封後に該開口部付近を折り曲げることが可能であると、一部を使用した残りのスープを保管し易く、別の用途等に利用しやすく便利である。
尚、このように折り曲げる場合においては、当該包装材において、アルミニウムを積層又は蒸着等した層を利用することが好ましい。当該層を含むことでいわゆるデッドホールド性を付与しやすくすることができる。
【0055】
─粉末又は液体スープパックとして、通常の一食分の粉末又は液体スープを複数の粉末又は液体スープパックに分けて収納する(本願第三の発明の内容)─
次に、図7は本発明の第三の実施態様であって、粉末又は液体スープパックとして、通常の一食分の粉末又は液体スープを複数の粉末又は液体スープパックに分けて収納する態様を示している。全量を使用する喫食者は、スープパック3の両方ともを開封すればよいし、減塩の場合は一方のみを使用してもよい。このようにすることで喫食者は、好みに応じて全量を開封して調理することもできるし、一部のみで調理することも可能である。
【0056】
─前記添付粉末又は液体スープパックが当該スープ使用量を調整するための目盛部を設ける(本願第四の発明の内容)─
図8は本発明の第四の実施態様であって、当該スープ使用量を調整するための目盛部21を設けられている。当該目盛部21を参考にして、需要者は添加するスープの量を選択することができる。
【0057】
当該目盛部21を示すことによって、概ねの添加したスープ量の目安にすることができる。例えば、図8は、概ね一食分のスープを1/4ごとに示したものである。すなわち、喫食者は、当該目盛りを頼りに添加した後に自ら添加した量の概ねを把握することができる。すなわち、喫食者は自分で添加する量をある程度まで調整することができる。尚、目盛の間隔や単位は適宜設定することができることは勿論である。
【0058】
─前記添付粉末又は液体スープパックが当該スープ使用量を調整するための折り目線を設けた即席袋めん又は即席カップめん(本願第五の発明の内容)─
次に図9は、本発明の第五の実施態様であって、添付粉末又は液体スープパックにおいて当該スープ使用量を調整するための折り目23を予め設けた構成である。すなわち、本構成においては、添付粉末又は液体スープについて予め折り目23を付けておくことで、需要者が使用量を少なくできる旨を判断し易く、開封後の添加量を制限することができる。尚、この旨を商品パッケージに表記しておくことが好ましい。
【0059】
例えば、図9(a)であると、予め折り目線23で折っておき、その後に開封することによって、開封口に近い側の領域のスープのみを添加することができる。そして、残りのスープについて開封口を折り曲げた状態のまま保存することができる。
また、図9(b)の場合であると、開封口の切り方を矢印で示すように調整することで、(a)と同様に開封口に近い側の領域のスープのみを添加することができる。
尚、このようなタイプの場合、前述のようにアルミニウムを積層又は蒸着等した層を利用することが好ましい。当該層を含むことでいわゆるデッドホールド性を担保することができる。また、本態様のように折り目線23の利用は特に粉末スープにおいて好適に利用することができる。
【0060】
─スープの使用量を減らすことができる旨を商品パッケージの調理欄に記載に記載した場合の例(本願第六の発明の内容)─
次に、本発明の第六の実施態様は、調理時に喫食者の好みに応じて添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能である旨の明示を商品パッケージの”調理方法の記載欄”に示したものである。
本発明の第六の実施態様においては、添付の粉末又は液体スープパックに需要者が使用量を加減できるような構成を有していなくてもよい。すなわち、注意喚起を商品パッケージの調理方法の記載欄に示すことによって、需要者の注意をより引くことができる。
【0061】
具体的には、袋めんの場合、図10の模式図に示すように、商品パッケージの調理欄に記載することができる。
また、カップめんの場合、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の素材を利用したカップ状容器にフライ麺塊や熱風乾燥麺塊を収納する態様が一般的であるが、当該カップ状容器の胴部の調理方法の記載欄や、又はカップ状容器の開口部を封鎖する蓋部の調理方法の記載欄の欄において、図11の模式図のように“お好みに応じて添付粉末又は液体スープの一部を残して調理することが可能です”等の記載をすることができる。
【実施例0062】
以下に本発明の実施例を記載する。但し、本願発明の実施例はこれに限定されるものではない。
【実施例0063】
○商品パッケージに記載の実施例
・袋めんの場合
フライ麺塊を収納し、醤油系の粉末スープパックを収納した袋めんを利用して以下の記載を行った。商品パッケージ裏面の調理方法の記載に対して、図12の模式図に示すように通常の調理欄に“※ お好みに応じて添付粉末スープの一部を残して調理することが可能です。”の記載を施した。このように商品パッケージに当該旨の記載を施した場合の需要者の心証について試験した。
【0064】
当該商品について、20代から50代の10人の需要者のパネラーに本記載の印象について調べたところ、いずれのパネラーも当該即席めんについても、10人ともについてスープを減量して喫食できる点を意識的に認識したとの回答を得た。特に、40代、50代のパネラーからはスープの使用量を減らすことができ、減塩できることについて意識させるとの回答を得た。
【実施例0065】
軟包材として、ON/PE/AL/PEの多層フィルムを用いて、横方向(水平方向)に搬送させながら、中央部で下方部となるように折り曲げながら縦方向にシールし(横ピロー包装)、連帯パックの境界部シールを行うと共に、当該パックの内部領域が概ね2:1の容量割合となるようにシールして、上部開口の袋体を調製した。
当該袋体の大区画100及び小区画101のそれぞれに醤油系の粉末スープ8g(1食分)を5.3g:2.7g(=2:1)の重量割合となるように充填した後、上部をシールした。その後、境界部シールをギザカットするとともにノッチ部13を付加し、一食分の粉末スープを分離した。このようにして図13に示すような内部が区画された1食分の粉末スープが収納された粉末スープパックを製造した。
【0066】
さらに、実施例1に示したようにポリプロピレン製の商品パッケージの調理欄に添付スープの一部を残して調理することが可能な旨の記載を行うとともに、さらに、当該スープパックを開封する際に、減塩する(スープの使用量を減らす)のであれば、図13(b)の減塩の矢印に示すような方向で、通常であれば通常の矢印に示すような方向で開封する旨も明記した。当該商品パッケージ内に油熱乾燥した即席麺塊及び前記スープパックを封入し、袋めんを完成させた。
【0067】
(実際の調理例)
当該袋めんについて調理時に図13(b)の減塩側のカットを行い、味噌系の粉末スープパックの大区画のみを使用して即席めんを調理した。通常であれば水450mlを沸騰させて調理するところ、350mlとして調理した。得られた調理後のラーメンは、多少濃度が薄く感じられたが、おいしく喫食することができた。
また、残った小区画の粉末スープは後日、お湯に溶解してスープとして利用した。
【実施例0068】
軟包材として、ON/PE/AL/PEの多層フィルムを用いて、縦方向(垂直方向)に当該フィルムを搬送させながら、側面部を折り曲げながら他方の側面部を縦方向にシールした(縦ピロー包装)。さらに、横方向にシールし、連帯パックの境界部シールを行うと共に、上方より一食分の粉末スープを添加した後、さらに横シールすることにより粉末スープを密閉した。連続的に本操作を行うことによって粉末スープパックの連帯袋を調製した。
次に、前記横シール部において、ギザカットを行うことによって1食分の味噌系の粉末スープが収納された粉末スープパックを製造した。尚、当該スープパックは図14に示すように開封後に折り曲げ可能な状態であった。
【0069】
さらに、実施例1に示したようにポリプロピレン製の商品パッケージの調理欄に添付スープの一部を残して調理することが可能な旨の記載を行うとともに、開封後においては一部の粉末スープを残して、開封口を折り曲げることができる点の記載も付した。
当該商品パッケージ内に油熱乾燥した即席めん塊及び前記スープパックを封入し、袋めんを完成させた。
【0070】
(実際の調理例)
当該袋めんについて調理時に粉末スープパックについて図14の開封ラインに示すようにカットを行い、当該一食分の粉末スープうち約7割程度のスープを使用して即席めんを調理した。また、通常であれば水450mlを沸騰させて調理するところ、350mlとして調理した。得られた調理後のラーメンは、多少濃度が薄く感じられたが、十分においしく喫食することができた。
開封後の粉末スープパックは図14に示すようにその開口部を折り曲げて保存し、当日の別の料理(チャーハン)に調味料として添加して使用した。当該チャーハンは良好な味付けであった。
【実施例0071】
軟包材として、ON/PE/AL/PEの多層フィルムを用いて、縦方向(垂直方向)に当該フィルムを搬送させながら、側面部を折り曲げながら他方の側面部を縦方向にシールした(縦ピロー包装)。さらに、横方向にシールし、連帯パックの境界部シールを行うと共に、上方より一食分の醤油系の液体スープ(12g)のうちの半量(6g)を添加した後、さらに横シールすることにより液体スープを密閉した。連続的に本操作を行うことによって一食分の半量を含む液体スープパックの連帯袋を調製した。
【0072】
次に、前記横シール部において、2パックごとにギザカットを行うことによって1食分の液体スープが収納された液体スープパック(通常の一食分の液体スープを2つの液体スープパックに分けて収納したもの)を調製した。すなわち、液体スープの1食分の液体スープを連帯スープパックの2パックに分けて収納したものを調製した(図15)。
さらに、実施例1に示したようにポリプロピレン製の商品パッケージの調理欄に2パックある添付液体スープの一方を残して調理することも可能な旨の記載を行うとともに、さらに、2パックのうち、一方のパックのみを使用することができる旨も記載した。
当該商品パッケージ内に油熱乾燥した即席めん塊及び前記スープパックを封入し、袋めんを完成させた。
【0073】
(実際の調理例)
当該袋めんについての調理は以下のように行った。すなわち、乾燥麺塊を450mlの沸騰させた水で湯戻しながら、別途、丼に2パックのうち、一方のパック(半量)のみの液体スープを入れておき、乾燥麺塊の湯戻しに使用したゆで汁のうち、300mlで当該液体スープを攪拌・希釈しスープを準備した。その後、湯戻し後の麺のみに準備しておいたスープの中に入れてラーメンを完成した。出来上がったラーメンはスープの量が多少、少なめでやや薄味ではあったが、おいしく喫食することができた。
2パックのうち残したスープパック(一食のうちの半量分)については、数日保存しておき、後日チャーハンの味付けに利用して使用した。当該チャーハンの風味は良好であった。
【実施例0074】
軟包材として、ON/PE/AL/PEの多層フィルムを用いて、縦方向(垂直方向)に当該フィルムを搬送させながら、側面部を折り曲げながら他方の側面部を縦方向にシールした(縦ピロー包装)。さらに、横方向にシールし、連帯パックの境界部シールを行うとともに、上方より一食分の味噌系の粉末スープを添加した後、さらに横シールすることにより粉末スープを密閉した。連続的に本操作を行うことによって粉末スープパックの連帯袋を調製した。
【0075】
次に、前記横シール部において、ギザカットを行うことによって1食分の粉末スープが収納された粉末スープパックを製造した。
さらに、実施例1に示したようにポリプロピレン製の商品パッケージの調理欄に“お好みに応じて当該添付粉末スープの一部を残して調理することが可能です。”の記載を施したポリプロピレン商品パッケージを調製し、当該当該商品パッケージ内に油熱乾燥した即席めん塊及び前記スープパックを封入し、袋めん(個食)を完成させた。
さらに、当該袋めん(個食)の5食づつポリプロピレン製の包装袋に収納することによって図16に示すような即席袋めんの5食パック25を調製した。
【0076】
(実際の調理例)
当該袋めんについての調理は5人分の調理として以下のように行った。すなわち、5食分の袋めん(個食)を開封して、乾燥麺塊の5食分を2.25リットル(450ml×5食分)の沸騰させた水で湯戻ししながら湯戻し、湯戻し終了後に前記粉末スープパック(4パック、4食分)のみ開封して粉末スープを投入して溶解させた。すなわち、1食分のスープパックは使用しなかった。スープを投入して攪拌後、麺とスープを5つの丼に分けて喫食した。
【0077】
当該得られた調理後のラーメンは、多少スープ濃度が薄く感じられたが、おいしく喫食することができた。
残した1食分の粉末スープパックは、後日、同一の麺塊2食分を茹でた後によくお湯を切った後、ゴマ油を5g加えて麺線群をよくほぐした後に当該残っていた粉末スープ1食分を添加し、良く攪拌することで汁無しの油そば風に2食分を調製した。当該油そばは味・風味が良好であり、おいしく喫食することができた。
このように汁なしタイプの油そばにする場合であれば、通常の添付スープの半分程度のスープ量で良好な風味を得ることができた。
図1
図2
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図16