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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011995
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ヘルメット
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/28 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
A42B3/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114393
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500272347
【氏名又は名称】DICプラスチック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141601
【弁理士】
【氏名又は名称】貴志 浩充
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】バンジャマン ダブー
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】古川 知行
(72)【発明者】
【氏名】三枝 哲夫
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107AA01
3B107BA07
3B107BA08
3B107DA02
3B107DA04
3B107DA17
3B107DA18
3B107EA04
3B107EA18
(57)【要約】
【課題】収容部とヘルメットの外部との間で空気の流れを効果的に形成することが可能なヘルメットを提供する。
【解決手段】本開示に係るヘルメット1は、開口11aを有し、外形を形成する帽体10と、帽体10の背面部12bに取り付けられ、帽体10の内部と外部との間で空気を流す送風部30と、帽体10の内面に沿って配置されている仕切部20と、帽体10の開口11aと連続して帽体10の内部に形成されている収容部11bと、送風部30によって流れる空気を収容部11bと帽体10の外部との間で導く流路Fと、を備え、仕切部20は、帽体10の内部で収容部11bと流路Fとを区画し、収容部11bと流路Fとを連通する貫通孔(28a、28b)を有する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、外形を形成する帽体と、
前記帽体の背面部に取り付けられ、前記帽体の内部と外部との間で空気を流す送風部と、
前記帽体の内面に沿って配置されている仕切部と、
前記帽体の前記開口と連続して前記帽体の内部に形成されている収容部と、
前記送風部によって流れる空気を前記収容部と前記帽体の外部との間で導く流路と、
を備え、
前記仕切部は、前記帽体の内部で前記収容部と前記流路とを区画し、前記収容部と前記流路とを連通する貫通孔を有する、
ヘルメット。
【請求項2】
請求項1に記載のヘルメットであって、
前記仕切部は、前記ヘルメットの背面部に沿って配置されている基部と、前記基部から前記ヘルメットの両側面部に沿って二股状に延出する一対の延出部と、を有し、
前記流路は、前記仕切部と前記帽体の前記内面との間に形成され、前記背面部から前記両側面部に沿って広がる内部空間を含む、
ヘルメット。
【請求項3】
請求項2に記載のヘルメットであって、
前記基部は、前記送風部の通風口の全体を前記帽体の内側から覆う、
ヘルメット。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のヘルメットであって、
前記基部は、前記貫通孔を複数有する、
ヘルメット。
【請求項5】
請求項2又は3に記載のヘルメットであって、
前記延出部は、前記貫通孔を複数有する、
ヘルメット。
【請求項6】
請求項5に記載のヘルメットであって、
前記延出部において、前記背面部に最も近い前記貫通孔の孔径は、前記背面部から最も遠い前記貫通孔の孔径よりも小さい、
ヘルメット。
【請求項7】
請求項6に記載のヘルメットであって、
前記延出部は、前記背面部側から前記延出部の先端に向けて配列され、前記背面部から前記先端に向かうほど孔径が次第に大きくなる複数の前記貫通孔を有する、
ヘルメット。
【請求項8】
請求項2又は3に記載のヘルメットであって、
前記側面部の外面において、該外面の反対側に位置する前記流路に沿って隆起する隆起部をさらに備える、
ヘルメット。
【請求項9】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘルメットであって、
前記仕切部は、前記帽体と着脱可能に構成される仕切部材を含む、
ヘルメット。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘルメットであって、
前記流路に配置されている吸音材をさらに備える、
ヘルメット。
【請求項11】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘルメットであって、
前記帽体に取り付けられているセンサ部をさらに備え、
前記送風部は、前記センサ部により検出された外気温度が閾値を超えるとオンになり、前記閾値以下になるとオフになる、
ヘルメット。
【請求項12】
請求項11に記載のヘルメットであって、
前記送風部は、前記外気温度が高いほど出力を上げる、
ヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、暑さ対策などの観点から送風機が取り付けられたヘルメットに関連する技術が知られている。例えば、特許文献1には、帽体の強度及び送風効率の両方を改善することができる送風機内蔵ヘルメットが開示されている。このようなヘルメットは、後方上部に開口部を有する帽体と、衝撃吸収用のライナーと、開口部に配置された正逆転自在の送風機と、を有する。ライナーは、その内面に、下方に開口した凹所を有する。凹所は、帽体の頂部下方を通り前後に長く後端が開口部に臨む第1凹所と、帽体2の頂部周辺に位置し第1凹所に連通して左右に開口する第2凹所とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-150661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来技術では、空気が流れる流路と例えば作業者の頭頂部を収容する収容部とをヘルメットの内部において明確に区画し、当該収容部とヘルメットの外部との間で空気の流れを効果的に形成することについて十分に考慮されていなかった。
【0005】
本開示は、収容部とヘルメットの外部との間で空気の流れを効果的に形成することが可能なヘルメットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
(1)
開口を有し、外形を形成する帽体と、
前記帽体の背面部に取り付けられ、前記帽体の内部と外部との間で空気を流す送風部と、
前記帽体の内面に沿って配置されている仕切部と、
前記帽体の前記開口と連続して前記帽体の内部に形成されている収容部と、
前記送風部によって流れる空気を前記収容部と前記帽体の外部との間で導く流路と、
を備え、
前記仕切部は、前記帽体の内部で前記収容部と前記流路とを区画し、前記収容部と前記流路とを連通する貫通孔を有する、
ヘルメット、
である。
【0007】
(2)
上記(1)に記載のヘルメットでは、
前記仕切部は、前記ヘルメットの背面部に沿って配置されている基部と、前記基部から前記ヘルメットの両側面部に沿って二股状に延出する一対の延出部と、を有し、
前記流路は、前記仕切部と前記帽体の前記内面との間に形成され、前記背面部から前記両側面部に沿って広がる内部空間を含んでもよい。
【0008】
(3)
上記(2)に記載のヘルメットでは、
前記基部は、前記送風部の通風口の全体を前記帽体の内側から覆ってもよい。
【0009】
(4)
上記(2)又は(3)に記載のヘルメットでは、
前記基部は、前記貫通孔を複数有してもよい。
【0010】
(5)
上記(2)乃至(4)のいずれか1つに記載のヘルメットでは、
前記延出部は、前記貫通孔を複数有してもよい。
【0011】
(6)
上記(5)に記載のヘルメットでは、
前記延出部において、前記背面部に最も近い前記貫通孔の孔径は、前記背面部から最も遠い前記貫通孔の孔径よりも小さくてもよい。
【0012】
(7)
上記(6)に記載のヘルメットでは、
前記延出部は、前記背面部側から前記延出部の先端に向けて配列され、前記背面部から前記先端に向かうほど孔径が次第に大きくなる複数の前記貫通孔を有してもよい。
【0013】
(8)
上記(2)乃至(7)のいずれか1つに記載のヘルメットは、
前記側面部の外面において、該外面の反対側に位置する前記流路に沿って隆起する隆起部をさらに備えてもよい。
【0014】
(9)
上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載のヘルメットでは、
前記仕切部は、前記帽体と着脱可能に構成される仕切部材を含んでもよい。
【0015】
(10)
上記(1)乃至(9)のいずれか1つに記載のヘルメットは、
前記流路に配置されている吸音材をさらに備えてもよい。
【0016】
(11)
上記(1)乃至(10)のいずれか1つに記載のヘルメットは、
前記帽体に取り付けられているセンサ部をさらに備え、
前記送風部は、前記センサ部により検出された外気温度が閾値を超えるとオンになり、前記閾値以下になるとオフになってもよい。
【0017】
(12)
上記(11)に記載のヘルメットでは、
前記送風部は、前記外気温度が高いほど出力を上げてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、収容部とヘルメットの外部との間で空気の流れを効果的に形成することが可能なヘルメットを提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本開示の一実施形態に係るヘルメットの外観を示す斜視図である。
図2図1のヘルメットの正面図である。
図3図1のヘルメットの背面図である。
図4図1のヘルメットの右側面図である。
図5図1のヘルメットの左側面図である。
図6図1のヘルメットの上面図である。
図7図1のヘルメットの底面図である。
図8図1のヘルメットの構成の一部を示す機能ブロック図である。
図9図1のヘルメットの内部に取り付けられている仕切部材の外観を示す斜視図である。
図10図1のX-X矢線に沿う断面図である。
図11図1のXI-XI矢線に沿う断面図である。
図12図1のヘルメットの送風方法の一例を示すフローチャートである。
図13】第1変形例に係るヘルメットの外観を示す斜視図である。
図14】第2変形例に係るヘルメットの外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態に係るヘルメット1の外観を示す斜視図である。図2は、図1のヘルメット1の正面図である。図3は、図1のヘルメット1の背面図である。図4は、図1のヘルメット1の右側面図である。図5は、図1のヘルメット1の左側面図である。図6は、図1のヘルメット1の上面図である。図7は、図1のヘルメット1の底面図である。図8は、図1のヘルメット1の構成の一部を示す機能ブロック図である。
【0022】
本開示において、「上面側」は、例えばヘルメット1の頂点部側に対応する。「底面側」は、例えば上面側と反対側に対応し、後述する開口11a側に対応する。「上下方向」は、例えば開口11aと頂点部とを結ぶ方向に対応する。「左右方向」は、例えば後述する一対の側面部12cを結ぶ方向に対応する。「前後方向」は、例えば後述する正面部12aと背面部12bとを結ぶ方向に対応する。
【0023】
図7に示されるように、一実施形態に係るヘルメット1は、大きく分けて帽体10及び仕切部材20の2つの構成部を有する。仕切部材20は、特許請求の範囲に記載の「仕切部」に対応する。図8に示されるように、ヘルメット1は、帽体10及び仕切部材20に加えて、送風部30、電源部40、センサ部50、コネクタ部60、切替部70、及び制御部80を有する。
【0024】
帽体10は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル樹脂をガラス樹脂で強化したFRP、ポリ乳酸(PLA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などのポリアリーレンスルフィド(PAS)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの任意の樹脂材料によって形成されている。帽体10は、図1乃至図7に示されるようにドーム状に形成されている。帽体10は、ヘルメット1の外形を形成する。
【0025】
図7に示されるように、帽体10は、ヘルメット1の底面側に形成されている開口11aを有する。帽体10は、開口11aと連続して帽体10の内部に形成されている第1収容部11bを有する。第1収容部11bは、特許請求の範囲に記載の「収容部」に対応する。第1収容部11bは、例えば作業者としてのユーザの頭頂部を収容する。
【0026】
図1乃至図6に示されるように、帽体10は、開口11aから連続して形成され、第1収容部11bを含む帽体10の内部の空間を外部から囲む本体部12を有する。本体部12は、ヘルメット1の正面に位置する正面部12aと、ヘルメット1の背面に位置する背面部12bと、を有する。本体部12は、正面部12a及び背面部12bを左右方向の両側でそれぞれ接続する一対の側面部12cを有する。本体部12は、正面部12a、背面部12b、及び一対の側面部12cをヘルメット1の上面側で接続する上面部12dを有する。
【0027】
帽体10は、側面部12cの外面から一段外側に向けて隆起する第1隆起部13を有する。第1隆起部13は、背面部12bから側面部12cの上面側の部分を介して正面部12aに至るまで連続して延在する。
【0028】
図4及び図5に示されるように、第1隆起部13の底面側の縁E1は、背面部12bにおける底面側の端部から上面側に向けて放物線を描きながら正面部12aにおける上面側の部分にまで至る。第1隆起部13の上面側の縁E2は、背面部12bにおける上面側の端部から上面部12dの縁に沿って曲線を描きながら正面部12aにおける上下方向の中央部にまで至る。
【0029】
第1隆起部13は、流線状に形成されており、背面部12b側で最も幅広であり、正面部12a側に向かうほど幅狭となる。例えば、第1隆起部13における幅は、縁E1と縁E2との間の上下幅に対応する。
【0030】
図1及び図6に示すとおり、帽体10は、上面部12dの左右方向の中央部において、上面部12dの外面から一段外側に向けて隆起する第2隆起部14を有する。第2隆起部14は、背面部12bから正面部12aに至るまで連続して延在する。
【0031】
第2隆起部14の左右方向の両側に位置する一対の縁E3の各々は、背面部12bにおける上面側の端部から上下方向に沿った波線のような形状を描きながら正面部12aにおける上面側の端部にまで至る。第2隆起部14の一対の縁E3は、左右方向において線対称となるように形成されている。
【0032】
第2隆起部14は、前後方向の中央部で最も幅広であり、当該中央部から正面部12a側に向かうほど幅狭となる。例えば、第2隆起部14における幅は、一対の縁E3の間の左右幅に対応する。
【0033】
図3乃至図6に示されるように、帽体10は、背面部12bにおいて外側に大きく突出する第2収容部15を有する。第2収容部15は、第2収容部15の上半部に形成されている通気用のルーバー15aを有する。第2収容部15は、ルーバー15aの内側に送風部30を収容する。
【0034】
図4に示されるように、第2収容部15は、第2収容部15における右側の下端部にコネクタ部60を収容する。第2収容部15は、第2収容部15の内部に収容されているコネクタ部60の端子部分を外側に露出させる。第2収容部15は、コネクタ部60に対して外部から対応する相手側コネクタを接続することが可能なように、コネクタ部60を収容する。
【0035】
図5に示されるように、第2収容部15は、第2収容部15における左側の下端部に切替部70を収容する。第2収容部15は、第2収容部15の内部に収容されている切替部70の操作部分を外側に露出させる。第2収容部15は、切替部70に対してユーザがスイッチ操作を行うことが可能なように、切替部70を収容する。
【0036】
第2収容部15は、電源部40を、ルーバー15aの内側に位置する送風部30の直下に位置させた状態で収容する。第2収容部15は、電源部40を、外側から完全に隠した状態で第2収容部15の内部に収容する。第2収容部15は、制御部80を、電源部40の直下に位置させた状態で収容する。第2収容部15は、制御部80を、外側から完全に隠した状態で第2収容部15の内部に収容する。第2収容部15は、センサ部50を、ルーバー15aの内側に位置する送風部30に対して左側に位置させた状態で収容する。第2収容部15は、センサ部50を、外側から完全に隠した状態で第2収容部15の内部に収容する。
【0037】
第2収容部15に収容される送風部30は、任意の送風機構を含む。例えば、送風部30は、モータと、当該モータによって所定の軸周りに回転する回転翼と、を有するファンを含む。送風部30は、一例として静音性の高いファンを含む。送風部30は、帽体10の背面部12bに取り付けられ、帽体10の内部と外部との間で空気を流す。例えば、送風部30は、帽体10の外部から空気を取り込んで帽体10の内部へと空気を送る。すなわち、送風部30は、帽体10の内部に向けて風を発生させる。
【0038】
第2収容部15に収容される電源部40は、ヘルメット1における送風部30を用いた送風動作を実現するための電力を供給する任意のバッテリを含む。電源部40は、例えば二次電池を含む。電源部40は、例えばコネクタ部60を介して充電可能なリチウムイオンバッテリを含んでもよいし、非接触充電が可能な任意のバッテリを含んでもよい。
【0039】
第2収容部15に収容されるセンサ部50は、ヘルメット1における送風部30を用いた送風制御を実現するための任意のセンサ素子を含む。センサ部50は、例えば温度センサを含む。センサ部50は、例えば帽体10に取り付けられている温度センサによってヘルメット1の周囲の外気温度を検出する。センサ部50は、検出した外気温度を検出信号として制御部80へ出力する。
【0040】
第2収容部15に収容されるコネクタ部60は、ヘルメット1における送風部30を用いた送風動作を実現するために必要となる任意のコネクタを含む。コネクタ部60は、例えばUSB(Universal Serial Bus)コネクタを含む。コネクタ部60は、例えばUSBケーブルなどのケーブルを介して外部電源と接続され、必要な電力を受けて電源部40を充電するために用いられる。
【0041】
第2収容部15に収容される切替部70は、ヘルメット1における送風部30を用いた送風動作の状態を切り替えるための任意のスイッチを含む。切替部70は、例えば送風部30を用いた送風動作のオンオフを切り替える。加えて、切替部70は、後述するとおりセンサ部50を用いて送風が制御された状態と、センサ部50を用いた送風制御を受けない状態と、の間で送風動作を切り替える。すなわち、切替部70に含まれるスイッチは、送風部30を定常的に動作させる第1切替位置と、センサ部50からの検出信号に基づいて送風部30を制御させる第2切替位置と、送風部30の動作を停止させる第3切替位置と、を有する。
【0042】
第2収容部15に収容される制御部80は、ヘルメット1における送風部30を用いた送風制御を実現するための任意の制御回路を含む。例えば、制御部80は、当該制御回路に実装されている1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部80は、ヘルメット1を構成する図8に示す各構成部と通信可能に接続され、ヘルメット1全体の動作を制御する。
【0043】
図9は、図1のヘルメット1の内部に取り付けられている仕切部材20の外観を示す斜視図である。図10は、図1のX-X矢線に沿う断面図である。図11は、図1のXI-XI矢線に沿う断面図である。図9及び図10では、図面における簡便な図示を目的として、上述した送風部30、電源部40、センサ部50、コネクタ部60、切替部70、及び制御部80の図示を省略する。
【0044】
仕切部材20は、ABS、PE、PC、FRP、PLA、PPSなどのPAS、及びPEEKなどの任意の樹脂材料を用いて図9乃至図11に示す形状に成形加工したものである。仕切部材20は、帽体10と同一の材料により形成されていてもよいし、帽体10と異なる材料により形成されていてもよい。仕切部材20は、帽体10の内面に沿って配置されており、帽体10の内部に取り付けられている。仕切部材20は、帽体10と着脱可能に構成される。
【0045】
仕切部材20は、ヘルメット1の背面部12bに沿って配置されている基部21を有する。仕切部材20は、基部21からヘルメット1の両側面部12cに沿って二股状に延出する一対の延出部22を有する。仕切部材20は、仕切部材20において帽体10の内面と対向する表面から帽体10の内面に向けて突設されている複数の第1取付部23aを有する。第1取付部23aは、各延出部22の上半部に2つ、及び基部21においてその上端部に近接する部分に1つ、合計で5つ設けられている。仕切部材20は、基部21の上下方向の中央部において左右両側に凹設されている第2取付部23bを有する。
【0046】
仕切部材20は、複数の第1取付部23aが帽体10の内面から突設されている対応する孔部に嵌合し、複数の第2取付部23bが帽体10の内面から突設されている対応する突起と嵌合することで、帽体10に対して着脱可能に取り付けられている。
【0047】
仕切部材20は、基部21の上半部に位置し、基部21の表面から突設されている第1保持部24を有する。第1保持部24には、送風部30が取り付けられる。第1保持部24は、送風部30を保持する。仕切部材20は、第1保持部24の直下に形成されている第2保持部25を有する。第2保持部25には、電源部40が取り付けられる。第2保持部25は、電源部40を保持する。仕切部材20は、第2保持部25の直下に形成されている第3保持部26を有する。第3保持部26には、制御部80が取り付けられる。第3保持部26は、制御部80を保持する。
【0048】
仕切部材20は、基部21の上半部において第1保持部24に対し左側の側面部12c側に位置する第4保持部27を有する。第4保持部27には、センサ部50が取り付けられる。第4保持部27は、センサ部50を保持する。
【0049】
仕切部材20は、基部21の上端部で左右方向に沿って配列されている2つの第1貫通孔28aを有する。基部21は、第1貫通孔28aを複数有する。仕切部材20は、延出部22において前後方向に沿って配列されている10個の第2貫通孔28bを有する。延出部22は、第2貫通孔28bを複数有する。延出部22において、背面部12bに最も近い第2貫通孔28bの孔径は、背面部12bから最も遠い正面部12a側の第2貫通孔28bの孔径よりも小さい。より具体的には、延出部22において、複数の第2貫通孔28bは、背面部12b側から延出部22の正面部12a側の先端に向けて配列され、背面部12bから当該先端に向かうほど孔径が次第に大きくなる。
【0050】
帽体10と仕切部材20との間には、空間Sが形成されている。空間Sは、第2収容部15の内側に位置する収容空間S1を含む。収容空間S1は、送風部30及びセンサ部50を収容する第1収容空間S11を含む。収容空間S1は、第1収容空間S11の直下に形成され、電源部40を収容する第2収容空間S12を含む。収容空間S1は、第2収容空間S12の直下に形成され、コネクタ部60、切替部70、及び制御部80を収容する第3収容空間S13を含む。
【0051】
基部21は、第1収容空間S11に配置されている送風部30の通風口の全体を帽体10の内側から覆う。基部21は、第1収容空間S11に配置されている送風部30の通風口が第1収容部11bに露出しないように送風部30の全体を第1収容部11b側から覆う。
【0052】
空間Sは、空間Sにおいて上半部に位置する内部空間S2を含む。内部空間S2は、第1収容空間S11に配置されている送風部30の通風口と基部21との間の空間と、帽体10の側面部12cの内面と延出部22との間の空間と、を含む。ヘルメット1は、送風部30によって流れる空気を第1収容部11bと帽体10の外部との間で導く流路Fをさらに有する。流路Fは、仕切部材20と帽体10の内面との間に形成され、背面部12bから両側面部12cに沿って広がる内部空間S2を含む。
【0053】
仕切部材20は、帽体10の内部で第1収容部11bと流路Fとを区画する。仕切部材20の第1貫通孔28a及び第2貫通孔28bを含む貫通孔は、第1収容部11bと流路Fとを連通する。図11に示すとおり、第1隆起部13は、側面部12cの外面において、当該外面の反対側に位置する流路Fに沿って隆起する。
【0054】
送風部30が動作することで、空気は、流路Fを介して第1収容部11bと帽体10の外部との間で流れる。例えば、空気は、送風部30によって帽体10の外部から内部へと導かれ、流路Fを流れる。流路Fを流れる空気は、第1貫通孔28a及び第2貫通孔28bを含む貫通孔の各々から第1収容部11bへと流れる。したがって、帽体10の外部から第1収容部11bに向けて風が流れる。第1収容部11bには、背面部12b及び両側面部12cの上端部の3方向から、送風部30によって送られてきた風が流れ込む。
【0055】
図12は、図1のヘルメット1の送風方法の一例を示すフローチャートである。図12を参照しながら、図1のヘルメット1の送風方法の一例において制御部80が送風部30を主に用いて実行する処理の流れについて説明する。
【0056】
図12に示すフローチャートは、例えばユーザが、涼しい場所でヘルメット1を着用して切替部70に含まれるスイッチを第3切替位置から第2切替位置へと切り替えたときから開始する。図12に示すフローチャートは、ユーザが、その後涼しい場所から暑い場所へと移動し、再度涼しい場所に戻ってきて切替部70に含まれるスイッチを第2切替位置から第3切替位置へと切り替えたときに終了する。図12に記載の送風方法は、以上のような場面を想定したときにヘルメット1により実行されるものであり、あくまでも一例である。
【0057】
ステップS100では、ユーザは、ヘルメット1の切替部70に含まれるスイッチを操作して、送風部30がオフとなっている第3切替位置から、センサ部50からの検出信号に基づいて送風部30を制御させる第2切替位置へとスイッチを切り替える。
【0058】
ステップS101では、ヘルメット1の制御部80は、センサ部50を用いてヘルメット1の周囲の外気温度を検出する。
【0059】
ステップS102では、ヘルメット1の制御部80は、ステップS101においてセンサ部50により検出された外気温度が第1閾値を超えるか否かを判定する。制御部80は、外気温度が第1閾値を超えると判定すると、ステップS104の処理を実行する。制御部80は、外気温度が第1閾値を超えないと判定すると、ステップS103の処理を実行する。判定の基準となる第1閾値は、例えばヘルメット1の製造者又はユーザにより予め所定の温度に固定されていてもよいし、ユーザの使用状況に応じてユーザにより適宜設定されていてもよい。
【0060】
ステップS103では、ヘルメット1の制御部80は、ステップ102において外気温度が第1閾値を超えないと判定すると、送風部30の動作がオフになっている状態を維持させる。すなわち、制御部80は、送風部30に含まれるファンの回転翼を回転させない。
【0061】
ステップS104では、ヘルメット1の制御部80は、ステップS102において外気温度が第1閾値を超えると判定すると、送風部30をオンにする。すなわち、制御部80は、送風部30の動作を開始させて、送風部30に含まれるファンの回転翼を回転させる。送風部30は、センサ部50に含まれる温度センサにより検出された外気温度が第1閾値を超えるとオンになる。
【0062】
ステップS105では、ヘルメット1の制御部80は、センサ部50を用いてヘルメット1の周囲の外気温度を適宜検出し、センサ部50により検出された外気温度に応じて送風部30の出力を調整する。例えば、制御部80は、外気温度が高いほど送風部30の出力を上げさせる。すなわち、送風部30は、センサ部50により検出された外気温度が高いほど出力を上げる。例えば、制御部80は、外気温度が低いほど送風部30の出力を下げさせる。すなわち、送風部30は、センサ部50により検出された外気温度が低いほど出力を下げる。
【0063】
ステップS106では、ヘルメット1の制御部80は、センサ部50を用いてヘルメット1の周囲の外気温度を適宜検出し、センサ部50により検出された外気温度が第2閾値以下となったか否かを判定する。制御部80は、外気温度が第2閾値以下となったと判定すると、ステップS108の処理を実行する。制御部80は、外気温度が第2閾値を超えたままであると判定すると、ステップS107の処理を実行する。判定の基準となる第2閾値は、例えばヘルメット1の製造者又はユーザによりあらかじめ所定の温度に固定されていてもよいし、ユーザの使用状況に応じてユーザにより適宜設定されていてもよい。
【0064】
ステップS107では、ヘルメット1の制御部80は、ステップS106において外気温度が第2閾値を超えたままであると判定すると、送風部30のオン状態を維持させる。すなわち、制御部80は、送風部30に含まれるファンの回転翼の回転を停止させない。
【0065】
ステップS108では、ヘルメット1の制御部80は、ステップS106において外気温度が第2閾値以下となったと判定すると、送風部30をオフにする。すなわち、制御部80は、送風部30の動作を停止させて、送風部30に含まれるファンの回転翼の回転を停止させる。送風部30は、センサ部50に含まれる温度センサにより検出された外気温度が第2閾値以下になるとオフになる。
【0066】
第2閾値は、例えば第1閾値以下となる任意の値である。第2閾値が第1閾値と同一の値であるとき、送風部30は、センサ部50により検出された外気温度が同一の閾値を超えるとオンになり、当該閾値以下になるとオフになる。
【0067】
ステップS109では、切替部70に含まれるスイッチの切替位置が切り替わったか否かによってその後のフローが変化する。例えば、切替部70に含まれるスイッチの切替位置が第2切替位置から第3切替位置へと切り替わると、ヘルメット1の制御部80は、処理を終了する。切替部70に含まれるスイッチの切替位置が第2切替位置のままであると、ヘルメット1の制御部80は、ステップS101の処理を再度実行する。
【0068】
例えば、ユーザは、ヘルメット1の切替部70に含まれるスイッチを操作して、センサ部50からの検出信号に基づいて送風部30を制御させる第2切替位置から、送風部30がオフとなる第3切替位置へとスイッチを切り替える。これにより、ヘルメット1の制御部80は、処理を終了する。
【0069】
以上のようなフローチャートは、例えばユーザが、暑い場所でヘルメット1を着用して切替部70に含まれるスイッチを第3切替位置から第2切替位置へと切り替えたときにも同様に当てはまる。
【0070】
以上のような一実施形態に係るヘルメット1によれば、第1収容部11bとヘルメット1の外部との間で空気の流れを効果的に形成することが可能である。ヘルメット1は、仕切部材20が帽体10の内部で第1収容部11bと流路Fとを区画することで、ユーザの頭頂部などが収容される第1収容部11bと流路Fとを明確に区分けすることができる。ヘルメット1は、明確に区分けされた流路Fに空気を流して、第1収容部11bの周囲における所定の領域全体にわたり空気の流れを形成可能である。これにより、ヘルメット1は、第1収容部11bの周囲における所定の領域全体にわたり流れてきた空気を仕切部材20の貫通孔を介して第1収容部11bへと送ることができる。すなわち、ヘルメット1は、通気性を向上させて、帽体10の外部から第1収容部11bの内部に均一的に風を送ることができる。以上により、ヘルメット1を着用したユーザは、送風部30からの風をその頭頂部で効果的に受けることができ、送風部30による冷却効果を受けることが可能である。
【0071】
ヘルメット1は、流路Fが、背面部12bから両側面部12cに沿って広がる内部空間S2を含むことで、第1収容部11bの周囲における背面部12b及び両側面部12cに沿った領域全体にわたり空気の流れを形成可能である。これにより、ヘルメット1は、第1収容部11bの周囲における当該領域全体にわたり流れてきた空気を仕切部材20の貫通孔を介して第1収容部11bへと送ることができる。すなわち、ヘルメット1は、通気性を向上させて、帽体10の外部から第1収容部11bの内部に3方向から均一的に風を送ることができる。したがって、上述した送風部30による冷却効果がさらに顕著となる。
【0072】
ヘルメット1は、基部21が送風部30の通風口の全体を帽体10の内側から覆うことで、送風部30に含まれるファンなどの動作音を遮断してヘルメット1を着用したユーザが感じる静音性を向上させることができる。ヘルメット1は、ユーザの頭頂部が収容されている第1収容部11bに送風部30の通風口が露出しないので、ユーザの耳に到達するファンなどの動作音を基部21により低減可能である。ヘルメット1は、送風部30が静音性の高いファンを含む場合、このような静音性をさらに向上させることができる。
【0073】
ヘルメット1は、基部21が第1貫通孔28aを複数有することで、ユーザの頭頂部などが収容される第1収容部11bの内部に背面部12b側からより多くの風を送ることができる。したがって、上述した送風部30による冷却効果がさらに顕著となる。
【0074】
ヘルメット1は、延出部22が第2貫通孔28bを複数有することで、ユーザの頭頂部などが収容される第1収容部11bの内部に側面部12c側からより多くの風を送ることができる。したがって、上述した送風部30による冷却効果がさらに顕著となる。
【0075】
ヘルメット1は、延出部22において、背面部12bに最も近い第2貫通孔28bの孔径が背面部12bから最も遠い第2貫通孔28bの孔径よりも小さいことで、背面部12b側で流路Fから第1収容部11bの内部に流れる空気の量を抑制可能である。これにより、ヘルメット1は、背面部12bから最も遠い第2貫通孔28bの位置まで空気の量を維持可能である。したがって、ヘルメット1は、第1収容部11bの周囲における所定の領域全体にわたり流路F上で空気の流れを形成可能である。以上により、ヘルメット1は、通気性を向上させて、帽体10の外部から第1収容部11bの内部により均一的に風を送ることができる。結果として、上述した送風部30による冷却効果がさらに顕著となる。
【0076】
ヘルメット1は、延出部22において、複数の第2貫通孔28bが背面部12b側からその先端に向けて配列され、背面部12bから当該先端に向かうほど孔径が次第に大きくなることで、当該先端側で空気の量を維持可能である。したがって、ヘルメット1は、第1収容部11bの周囲における所定の領域全体にわたり流路F上で空気の流れをより効果的に形成可能である。以上により、ヘルメット1は、通気性を向上させて、帽体10の外部から第1収容部11bの内部により均一的に風を送ることができる。結果として、上述した送風部30による冷却効果がさらに顕著となる。
【0077】
ヘルメット1は、側面部12cの外面において、当該外面の反対側に位置する流路Fに沿って隆起する第1隆起部13を有することで、ユーザの頭頂部などが収容される第1収容部11bの内部の空間を狭めることなく流路Fを形成可能である。加えて、ヘルメット1は、第1隆起部13により外側からの衝撃を吸収して第1収容部11bの内部に位置する頭頂部を保護可能である。ヘルメット1は、第1収容部11bによる安全な保護空間の大きさを維持しながら、流路Fを第1収容部11bの外側に形成することが可能である。ヘルメット1は、安全性及び通気性を両立させることができる。
【0078】
ヘルメット1は、仕切部材20が帽体10と着脱可能に構成されることで、仕切部材20を帽体10から取り外して容易に交換可能である。例えば、ヘルメット1は、仕切部材20が何らかの原因によって破損した場合であっても、仕切部材20を帽体10から取り外して容易に交換可能である。すなわち、ヘルメット1は、メンテナンス性を向上させることができる。
【0079】
ヘルメット1は、センサ部50により検出された外気温度が閾値を超えると送風部30がオンになり、閾値以下になるとオフになることで、ヘルメット1を着用しているユーザにとって必要なときに限定して送風部30を動作させることができる。これにより、ヘルメット1は、省電力化を実現可能であり、電源部40に含まれるバッテリの使用可能時間を長くすることが可能である。したがって、ヘルメット1は、電源部40に含まれるバッテリの1回の充電でヘルメット1を使用可能な時間を長くすることが可能である。結果として、ヘルメット1を使用するユーザの利便性が向上する。
【0080】
ヘルメット1は、外気温度が高いほど送風部30が出力を上げることで、送風部30に含まれるファンの出力を温度ごとに変えることができる。例えば、ヘルメット1は、ヘルメット1を着用したユーザが涼しい屋内から炎天下の屋外へと移動したときに、送風部30の出力を急激に上げることができる。ヘルメット1は、単位時間あたりの温度差に依存して送風部30の出力の変化量を大きくすることができる。したがって、ヘルメット1は、ヘルメット1を着用しているユーザにとって必要なときに限定して送風部30の出力を急激に上げることもできる。これにより、ヘルメット1は、省電力化を実現可能であり、ヘルメット1を使用するユーザの利便性に関する上述の効果をさらに顕著に奏する。
【0081】
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0082】
例えば、上述した各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数などは、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数などは、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0083】
上記実施形態では、流路Fは、仕切部材20の形状に従って、背面部12bから両側面部12cに沿って広がる内部空間S2を含むと説明したが、これに限定されない。流路Fは、第1収容部11bの周囲に位置する任意の領域に形成されていてもよい。例えば、流路Fは、背面部12bから両側面部12cを介して正面部12aに至るまで連続して形成されていていてもよい。すなわち、流路Fは、背面部12b、一対の両側面部12c、及び正面部12aの内面と仕切部材20との間の空間により、第1収容部11bの上面部12d側で環状に形成されて第1収容部11bの周囲全体を前後左右の四方向から囲んでいてもよい。
【0084】
図13は、第1変形例に係るヘルメット1の外観を示す斜視図である。図14は、第2変形例に係るヘルメット1の外観を示す斜視図である。図13及び図14に示すとおり、流路Fは、一対の両側面部12cに代えて、背面部12bから上面部12dに沿って広がる内部空間を含んでもよい。このとき、ヘルメット1は、側面部12cに形成されている第1隆起部13を有さずに、上面部12dに形成されている第2隆起部14のみを有してもよい。流路Fは、第2隆起部14に沿って前後方向に延在するように、第2隆起部14の内側に形成されていてもよい。
【0085】
図13に示すとおり、第2隆起部14は、背面部12bから正面部12aの上下方向の中央部に至るまで連続して延在してもよい。第2隆起部14の左右方向の両側に位置する一対の縁E3の各々は、背面部12bにおける上面側の端部から放物線のような形状を描きながら正面部12aの上下方向の中央部にまで至ってもよい。第2隆起部14の一対の縁E3は、左右方向において線対称となるように形成されていてもよい。第2隆起部14は、前後方向に沿って略均一の左右幅で形成されていてもよい。
【0086】
図14に示すとおり、第2隆起部14は、背面部12bから正面部12aの上下方向の中央部に至るまで連続して延在してもよい。第2隆起部14の左右方向の両側に位置する一対の縁E3の各々は、背面部12bにおける上面側の端部から波線のような形状を描きながら正面部12aの上下方向の中央部にまで至ってもよい。第2隆起部14の一対の縁E3は、左右方向において線対称となるように形成されていてもよい。第2隆起部14は、背面部12bから正面部12aに向かうほど左右幅が狭くなるようにテーパ状に形成されていてもよい。
【0087】
流路Fは、上記実施形態における二股状のものと、第1変形例又は第2変形例において上面部12dに形成されているものと、を組み合わせて、背面部12bから両側面部12c及び上面部12dに沿って三股状に広がる内部空間を含んでもよい。
【0088】
上記実施形態では、仕切部材20の基部21は、送風部30の通風口の全体を帽体10の内側から覆うと説明したが、これに限定されない。仕切部材20の基部21は、静音性が維持されるのであれば、送風部30の通風口の一部のみを帽体10の内側から覆っていてもよいし、当該通風口を全く覆っていなくてもよい。
【0089】
上記実施形態では、基部21は、第1貫通孔28aを2つ有すると説明したが、これに限定されない。基部21は、第1貫通孔28aを3つ以上有してもよいし、1つのみ有してもよい。基部21は、第1貫通孔28aを有さなくてもよい。例えば、基部21は、送風部30の通風口と対向する部分の左右方向の中央部に、大きな孔径で形成されている1つの第1貫通孔28aのみを有してもよい。
【0090】
上記実施形態では、延出部22は、第2貫通孔28bを10個有すると説明したが、これに限定されない。延出部22は、任意の他の個数で第2貫通孔28bを複数有してもよいし、1つのみ有してもよい。延出部22は、第2貫通孔28bを有さなくてもよい。例えば、延出部22は、前後方向の中央部に、大きな孔径で形成されている1つの第2貫通孔28bのみを有してもよい。
【0091】
上記実施形態では、延出部22において、背面部12bに最も近い第2貫通孔28bの孔径は、背面部12bから最も遠い第2貫通孔28bの孔径よりも小さいと説明したが、これに限定されない。延出部22において、背面部12bに最も近い第2貫通孔28bの孔径は、背面部12bから最も遠い第2貫通孔28bの孔径よりも大きくてもよいし、互いに同一であってもよい。
【0092】
上記実施形態では、延出部22において、複数の第2貫通孔28bは、背面部12bから延出部22の先端に向かうほど孔径が次第に大きくなると説明したが、これに限定されない。背面部12b側から延出部22の先端に向けて配列されている複数の第2貫通孔28bの孔径は、異なる規則性を有してもよい。例えば、当該孔径は、一の極小値と一の極大値とを交互に有してもよい。すなわち、複数の第2貫通孔28bは、背面部12b側から延出部22の先端に向けて、短径のものと長径のものとが交互に繰り返されるように配列されていてもよい。以上に限定されず、背面部12b側から延出部22の先端に向けて配列されている複数の第2貫通孔28bの孔径は、完全に不規則であってもよい。
【0093】
延出部22において、複数の第2貫通孔28bは、孔径に代えて、又は加えて背面部12bから延出部22の先端に向かうほど数が次第に大きくなってもよい。
【0094】
上記実施形態では、仕切部材20は、帽体10と嵌合することで着脱可能に構成されると説明したが、これに限定されない。仕切部材20は、例えば螺合及び係合などにより帽体10に対し着脱可能となるように構成されてもよい。仕切部材20は、帽体10に対して着脱不可能となるように帽体10に取り付けられていてもよい。仕切部材20は、例えば一体成形及び接着などにより帽体10の構成の一部として着脱不可能となるように構成されてもよい。
【0095】
上記実施形態では、流路Fは内部空間S2を含むと説明したが、これに限定されない。ヘルメット1は、内部空間S2に加えて、流路Fに配置されている吸音材をさらに有してもよい。すなわち、流路Fを構成する内部空間S2の適宜な位置に、吸音材が配置されていてもよい。これにより、上述した静音性に関する効果がより顕著となる。
【0096】
上記実施形態では、帽体10は、任意の樹脂材料により形成されていると説明したが、これに限定されない。帽体10は、任意の金属材料により形成されていてもよい。
【0097】
上記実施形態では、仕切部材20は、任意の樹脂材料により形成されていると説明したが、これに限定されない。仕切部材20は、任意の金属材料により形成されていてもよい。
【0098】
仕切部材20は、それ自体で防音及び吸音などを可能にする任意の材料に基づいて形成されていてもよい。例えば、仕切部材20は、防振ゴム、シリコン、及びウレタンなどの吸音効果の高い樹脂材料により形成されていてもよい。これにより、上述した静音性に関する効果がより顕著となる。
【0099】
上記実施形態では、ヘルメット1は、センサ部50を有すると説明したが、これに限定されない。ヘルメット1は、センサ部50を有さなくてもよい。ヘルメット1は、センサ部50により検出された外気温度が閾値を超えると送風部30がオンになり、閾値以下になるとオフになる制御を実行すると説明したが、これに限定されない。ヘルメット1は、このような制御を実行しなくてもよい。このとき、ヘルメット1の切替部70に含まれるスイッチは、センサ部50からの検出信号に基づいて送風部30を制御させる第2切替位置を有さずに、送風部30を定常的に動作させる第1切替位置及び送風部30の動作を停止させる第3切替位置のみを有してもよい。
【0100】
上記実施形態では、ヘルメット1は、外気温度が高いほど送風部30が出力を上げる制御を実行すると説明したが、これに限定されない。ヘルメット1は、このような制御を実行しなくてもよい。
【0101】
上記実施形態では、第1収容部11bは、例えば作業者としてのユーザの頭頂部を収容すると説明したが、これに限定されない。第1収容部11bは、作業者以外の任意のユーザの頭頂部を収容してもよい。
【0102】
上記実施形態では、送風部30は、帽体10の外部から空気を取り込んで帽体10の内部へと空気を送ると説明したが、これに限定されない。送風部30は、このような動作に代えて、又は加えて、帽体10の内部から外部へと空気を送ってもよい。送風部30は、ファンが正回転及び逆回転を自在に行えるように構成されてもよい。上記実施形態において、正回転に基づく場合について説明した空気の流れ及び当該空気の流れに関連する効果は、逆回転にした場合に逆にして同様の説明を当てはめることができる。
【0103】
上記実施形態では、電源部40は、例えばコネクタ部60を介して充電可能なリチウムイオンバッテリを含んでもよいし、非接触充電が可能な任意のバッテリを含んでもよいと説明したが、これに限定されない。電源部40は、このような二次電池に限定されず、非充電式の一次電池を含んでもよい。電源部40は、太陽電池を代替的に又は付加的に含んでもよい。このような太陽電池は、図1のヘルメット1において第1隆起部13の表面及び第2隆起部14の表面の少なくとも一方に設置されていてもよい。ヘルメット1は、太陽電池が第1隆起部13の表面に設置された場合、第2隆起部14の表面に設置される場合と比較して、外部からの衝撃によって太陽電池が破損する可能性を低減できる。
【0104】
上記実施形態では、センサ部50は、例えば温度センサを含むと説明したが、これに限定されない。センサ部50は、任意の他のセンサを代替的に又は付加的に含んでもよい。例えば、センサ部50は、湿度センサ及び気圧センサなどを含んでもよい。
【0105】
上記実施形態では、コネクタ部60は、例えばUSBコネクタを含むと説明したが、これに限定されない。コネクタ部60は、ヘルメット1における送風部30を用いた送風動作を実現できる、USBコネクタ以外の任意の他のコネクタを含んでもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 ヘルメット
10 帽体
11a 開口
11b 第1収容部(収容部)
12 本体部
12a 正面部
12b 背面部
12c 側面部
12d 上面部
13 第1隆起部(隆起部)
14 第2隆起部
15 第2収容部
15a ルーバー
20 仕切部材(仕切部)
21 基部
22 延出部
23a 第1取付部
23b 第2取付部
24 第1保持部
25 第2保持部
26 第3保持部
27 第4保持部
28a 第1貫通孔(貫通孔)
28b 第2貫通孔(貫通孔)
30 送風部
40 電源部
50 センサ部
60 コネクタ部
70 切替部
80 制御部
E1 縁
E2 縁
E3 縁
F 流路
S 空間
S1 収容空間
S11 第1収容空間
S12 第2収容空間
S13 第3収容空間
S2 内部空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14