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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120584
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240829BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/78 F
H01L21/304 622Q
H01L21/304 643A
H01L21/304 644B
H01L21/304 644C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027466
(22)【出願日】2023-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 僚也
(72)【発明者】
【氏名】西田 吉輝
(72)【発明者】
【氏名】横尾 晋
【テーマコード(参考)】
5F057
5F063
5F157
【Fターム(参考)】
5F057AA21
5F057BB03
5F057BB07
5F057BB09
5F057BB11
5F057BB12
5F057BC06
5F057CA25
5F057DA38
5F057FA37
5F063AA15
5F063CA04
5F063CA06
5F063CA08
5F063DE02
5F063DE12
5F063DE33
5F063FF35
5F157AA16
5F157AA98
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB47
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157BA02
5F157BA07
5F157BB23
5F157BB37
5F157BB45
5F157CD07
5F157CD28
5F157CE25
5F157CE27
5F157CE83
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF50
5F157DB02
5F157DB18
5F157DC01
(57)【要約】
【課題】所望する洗浄動作になっているかを容易に確認出来る洗浄装置を提供する事。
【解決手段】被洗浄物200を洗浄する洗浄装置1は、被洗浄物200を保持する保持テーブル10と、保持テーブル10に保持された被洗浄物200に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル21と、洗浄液供給ノズル21を移動させる洗浄液供給ノズル移動ユニット25と、洗浄液供給ノズル21の動作をシミュレーションするシミュレーション部70と、を備え、シミュレーション部70は、洗浄液供給ノズル21の移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第1移動データを記憶する第1記憶部71を有し、第1移動データに基づいて、洗浄液供給ノズル21の動きをシミュレーションする事を特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄する洗浄装置であって、
被洗浄物を保持する保持テーブルと、
保持テーブルに保持された被洗浄物に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルと、
該洗浄液供給ノズルを移動させる洗浄液供給ノズル移動ユニットと、
該洗浄液供給ノズルの動作をシミュレーションするシミュレーション部と、を備え、
該シミュレーション部は、
該洗浄液供給ノズルの移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第1移動データを記憶する第1記憶部を有し、
該第1移動データに基づいて、該洗浄液供給ノズルの動きをシミュレーションする事を特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
該シミュレーション部は、シミュレーションの結果を動画で出力することを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
該洗浄装置は、シミュレーションの結果を表示するモニタを備える事を特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項4】
該洗浄装置は、
被洗浄物または保持テーブルの少なくともいずれかを洗浄する洗浄工具を保持する洗浄工具ノズルと、該洗浄工具ノズルを移動させる洗浄工具ノズル移動ユニットと、をそれぞれ1つ以上備え、
該シミュレーション部は、該洗浄工具ノズルの移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第2移動データを記憶する第2記憶部をさらに含み、
該第2移動データに基づいて、該洗浄工具ノズルの動作をシミュレーションする事を特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項5】
該保持テーブルは、被洗浄物の外周を保持する外周保持部と、該外周保持部を回転させるモータと、を有し、
該洗浄装置は、該外周保持部で保持されていない被洗浄物の領域の裏面側に接触して洗浄する裏面洗浄パッドと、該裏面洗浄パッドを該被洗浄物に対して接近または離反させる昇降ユニットと、さらに有し、
該シミュレーション部は、該裏面洗浄パッドの移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第3移動データを記憶する第3記憶部をさらに含み、
該第3移動データに基づいて、該裏面洗浄パッドの動作をシミュレーションすることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項6】
該シミュレーション部は、該洗浄装置の上面図と、断面図と、斜視図と、の少なくともいずれかによって該動画を生成することを特徴とする請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項7】
該洗浄工具ノズルが保持する該洗浄工具は、スポンジと、ブラシと、砥石と、の少なくともいずれかを含む事を特徴とする請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項8】
該被洗浄物は、環状フレームの開口に支持部材を介して固定されたウエーハであり、該外周保持部は、該環状フレームを保持する事を特徴とする請求項5に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削、研削、研磨、レーザ加工、プラズマ加工などの加工処理が施された半導体ウエーハの加工面側を洗浄する洗浄装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-128359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年半導体デバイスの高品質化する中で、より高度なクリーン度が求められ、複数の洗浄液供給ノズルを有する洗浄装置や、洗浄砥石や洗浄ブラシと洗浄液供給ノズルなど、様々な洗浄手段を有する洗浄装置が提供され、各ユニットを動かす条件設定が煩雑になるため、条件設定の後に所望する洗浄動作になっているかを確認することが困難であると言う問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望する洗浄動作になっているかを容易に確認出来る洗浄装置を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の洗浄装置は、被洗浄物を洗浄する洗浄装置であって、被洗浄物を保持する保持テーブルと、保持テーブルに保持された被洗浄物に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルと、該洗浄液供給ノズルを移動させる洗浄液供給ノズル移動ユニットと、該洗浄液供給ノズルの動作をシミュレーションするシミュレーション部と、を備え、該シミュレーション部は、該洗浄液供給ノズルの移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第1移動データを記憶する第1記憶部を有し、該第1移動データに基づいて、該洗浄液供給ノズルの動きをシミュレーションする事を特徴とする。
【0007】
該シミュレーション部は、シミュレーションの結果を動画で出力してもよい。
【0008】
該洗浄装置は、シミュレーションの結果を表示するモニタを備えてもよい。
【0009】
該洗浄装置は、被洗浄物または保持テーブルの少なくともいずれかを洗浄する洗浄工具を保持する洗浄工具ノズルと、該洗浄工具ノズルを移動させる洗浄工具ノズル移動ユニットと、をそれぞれ1つ以上備え、該シミュレーション部は、該洗浄工具ノズルの移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第2移動データを記憶する第2記憶部をさらに含み、該第2移動データに基づいて、該洗浄工具ノズルの動作をシミュレーションしてもよい。
【0010】
該保持テーブルは、被洗浄物の外周を保持する外周保持部と、該外周保持部を回転させるモータと、を有し、該洗浄装置は、該外周保持部で保持されていない被洗浄物の領域の裏面側に接触して洗浄する裏面洗浄パッドと、該裏面洗浄パッドを該被洗浄物に対して接近または離反させる昇降ユニットと、さらに有し、該シミュレーション部は、該裏面洗浄パッドの移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第3移動データを記憶する第3記憶部をさらに含み、該第3移動データに基づいて、該裏面洗浄パッドの動作をシミュレーションしてもよい。
【0011】
該シミュレーション部は、該洗浄装置の上面図と、断面図と、斜視図と、の少なくともいずれかによって該動画を生成してもよい。
【0012】
該洗浄工具ノズルが保持する該洗浄工具は、スポンジと、ブラシと、砥石と、の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0013】
該被洗浄物は、環状フレームの開口に支持部材を介して固定されたウエーハであり、該外周保持部は、該環状フレームを保持してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本願発明は、シミュレーション部と、洗浄液供給ノズルの移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第1移動データを記憶する第1記憶部とを有するため、シミュレーション部により、第1移動データに基づいて、洗浄液供給ノズルの動きをシミュレーションできるので、所望する洗浄動作になっているかを容易に確認出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態1に係る洗浄装置を備える加工装置の構成例を示す斜視図である。
図2図2は、図1の洗浄装置の洗浄対象である被洗浄物の一例を示す斜視図である。
図3図3は、図1の洗浄装置の詳細を示す斜視図である。
図4図4は、図1の洗浄装置の一状態を示す側断面図である。
図5図5は、図4の洗浄装置の状態におけるクランプ機構の状態を示す斜視図である。
図6図6は、図1の洗浄装置の一状態を示す側断面図である。
図7図7は、図6の洗浄装置の状態におけるクランプ機構の状態を示す斜視図である。
図8図8は、図1の洗浄装置で使用する第1移動データを示す図である。
図9図9は、図1の洗浄装置で使用する第2移動データを示す図である。
図10図10は、図1の洗浄装置で使用する第3移動データを示す図である。
図11図11は、図8の第1移動データに基づいて算出した第1移動算出データを示す図である。
図12図12は、図9の第2移動データに基づいて算出した第2移動算出データを示す図である。
図13図13は、図10の第3移動データに基づいて算出した第3移動算出データを示す図である。
図14図14は、図1の洗浄装置で出力するシミュレーション画像を示す図である。
図15図15は、図1の洗浄装置で出力するシミュレーション画像を示す図である。
図16図16は、図1の洗浄装置で出力するシミュレーション画像を示す図である。
図17図17は、実施形態2に係る洗浄装置の構成例を示す側断面図である。
図18図18は、実施形態3に係る洗浄装置の構成例を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0017】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係る洗浄装置1を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る洗浄装置1を備える加工装置100の構成例を示す斜視図である。加工装置100は、図1に示すように、チャックテーブル110と、加工ユニット120と、撮像ユニット130と、X軸方向移動ユニット141と、Y軸方向移動ユニット142と、Z軸方向移動ユニット143と、搬送ユニット150と、カセット載置台155と、制御ユニット160と、実施形態1に係る洗浄装置1と、を備える。
【0018】
図2は、図1の洗浄装置1の洗浄対象である被洗浄物200の一例を示す斜視図である。洗浄装置1の洗浄対象である被洗浄物200は、加工装置100の加工対象であり加工装置100で加工後の被加工物でもあり、図2に示すように、例えば、シリコン、サファイア、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムヒ素、ガラスなどを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウェーハなどのウエーハである。被洗浄物200は、平坦な表面201の互いに交差する複数の分割予定ライン202によって区画された領域にチップ状のデバイス203が形成されている。被洗浄物200は、表面201の裏側の裏面204に粘着テープ等の支持部材205が貼着され、支持部材205の外縁部に環状フレーム206が装着されている。すなわち、被洗浄物200は、環状フレーム206の開口に支持部材205を介して固定されている。なお、被洗浄物200は、支持部材205や環状フレーム206が装着されていなくてもよい。また、被洗浄物200は、本発明では、樹脂により封止されたデバイスを複数有した矩形状のパッケージ基板、セラミックス板、又はガラス板等でも良い。
【0019】
被洗浄物200は、実施形態1では、後述する加工ユニット120により分割予定ライン202に沿って切削加工が施されて、分割予定ライン202に沿って、被洗浄物200を完全に分割しない深さのハーフカット溝や、被洗浄物200を完全に分割する深さの分割溝等の溝207が形成され、切削加工によって発生した切削屑が表面201等に付着しているものであり、この切削屑等を除去するために、洗浄装置1による洗浄が実施される。なお、被洗浄物200は、本発明ではこれに限定されず、研削加工、研磨加工、レーザ加工、プラズマ加工が施されて、これらの加工によって発生した加工屑が表面201等に付着しているものであり、この加工屑等を除去するために、洗浄装置1による洗浄が実施されてもよい。
【0020】
チャックテーブル110は、図1に示すように、凹部が形成された円盤状の枠体と、凹部内に嵌め込まれた円盤形状の吸着部と、を備える。チャックテーブル110の吸着部は、多数のポーラス孔を備えたポーラスセラミック等から形成され、図示しない真空吸引経路を介して図示しない真空吸引源と接続されている。チャックテーブル110の吸着部の上面は、被洗浄物200が載置されて、真空吸引源から導入される負圧により、載置された被洗浄物200を吸引保持する保持面111である。保持面111は、実施形態1では、被洗浄物200が表面201を上方に向けて載置され、載置された被洗浄物200を裏面204側から支持部材205を介して吸引保持する。保持面111とチャックテーブル110の枠体の上面とは、同一平面上に配置されており、水平面であるXY平面に平行に形成されている。チャックテーブル110は、X軸方向移動ユニット141により水平方向と平行なX軸方向に移動自在に設けられている。チャックテーブル110は、不図示の回転駆動源により、鉛直方向に平行でかつXY平面に直交するZ軸回りに回転自在に設けられている。
【0021】
加工ユニット120は、チャックテーブル110に保持された被洗浄物200を加工する。加工ユニット120は、図1に示す実施形態1の例では、切削ブレード121が回転可能に装着されるスピンドル122を備え、切削ブレード121でチャックテーブル110に保持された被洗浄物200を切削加工する切削ユニットである。加工装置100は、図1に示すように、加工ユニット120を2組備えた、即ち、2スピンドルのダイサ、いわゆるフェイシングデュアルタイプの加工装置(切削装置)である。
【0022】
このような切削ユニットでは、スピンドル122は、水平方向と平行でかつX軸方向と直交するY軸方向と平行な軸心周りに回転可能に設けられ、スピンドル122の先端に装着された切削ブレード121をY軸方向と平行な軸心周りに回転可能に支持する。このような切削ユニットは、それぞれY軸方向移動ユニット142及びZ軸方向移動ユニット143により、Y軸方向及びZ軸方向に移動自在に設けられている。
【0023】
このような切削ユニットは、X軸方向移動ユニット141によりチャックテーブル110上の被洗浄物200に対して相対的に加工送り方向であるX軸方向に沿って移動し、かつ、スピンドル122によりY軸方向と平行な軸心周りの回転動作が加えられた切削ブレード121で、被洗浄物200を例えば分割予定ライン202に沿って切削する。このような切削ユニットは、このように回転動作が加えられた切削ブレード121で、被洗浄物200を完全に分割しない深さのハーフカット溝を形成しても良いし、被洗浄物200を完全に分割する深さの分割溝を形成してもよい。
【0024】
加工ユニット120は、本発明ではこのような切削ユニットに限定されず、研削砥石が配置された研削ホイールが回転可能に装着されるスピンドルを備え、研削砥石で被洗浄物200の裏面204を研削加工する研削ユニットや、研磨パッドが回転可能に装着されるスピンドルを備え、研磨パッドで被洗浄物200の裏面204を研磨加工する研磨ユニット、被洗浄物200にレーザビームを照射するレーザビーム照射器を備え、レーザビームで被洗浄物200をレーザ加工するレーザ加工ユニット、被洗浄物200にプラズマを照射するプラズマ照射器を備え、プラズマで被洗浄物200をプラズマ加工するプラズマ加工ユニットであってもよい。
【0025】
撮像ユニット130は、チャックテーブル110に保持された被洗浄物200を撮像する撮像素子を備えている。撮像素子は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)撮像素子又はCMOS(Complementary MOS)撮像素子である。撮像ユニット130は、チャックテーブル110に保持された被洗浄物200の表面201を撮像して、被洗浄物200と加工ユニット120との位置合わせを行なうアライメントを遂行するための画像を得、得た画像を制御ユニット160に出力する。また、撮像ユニット130は、チャックテーブル110に保持された被洗浄物200の表面201を撮像して、被洗浄物200に対する加工が正常な範囲内で実行されたか否かを自動的に確認するチェックを遂行するための画像を得、得た画像を制御ユニット160に出力する。撮像ユニット130は、実施形態1では、加工ユニット120に隣接して固定されており、加工ユニット120と一体的に移動する。
【0026】
X軸方向移動ユニット141、Y軸方向移動ユニット142及びZ軸方向移動ユニット143は、それぞれ、チャックテーブル110と、加工ユニット120及び撮像ユニット130と、を相対的にX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させる。X軸方向移動ユニット141は、実施形態1では、X軸方向に沿って、チャックテーブル110を加工ユニット120及び撮像ユニット130に対して相対的に移動させる。Y軸方向移動ユニット142及びZ軸方向移動ユニット143は、実施形態1では、それぞれY軸方向及びZ軸方向に沿って、加工ユニット120及び撮像ユニット130をチャックテーブル110に対して相対的に移動させる。X軸方向移動ユニット141、Y軸方向移動ユニット142及びZ軸方向移動ユニット143は、いずれも、モータと、ボールねじと、ガイドと、を有する公知のボールねじ機構である。
【0027】
搬送ユニット150は、実施形態1では、例えば、一対のレール151と、不図示の第1搬送アーム及び第2搬送アームと、を備える。第1搬送アームは、カセット載置台155に載置されたカセット156内と、一対のレール151上との間で、被洗浄物200を搬送する。第2搬送アームは、一対のレール151上と、チャックテーブル110もしくは実施形態1に係る洗浄装置1の保持テーブル10上との間で、被洗浄物200を搬送する。一対のレール151は、互いに平行な状態を維持しながら接近または離隔でき、一対のレール151間で、環状フレーム206を介して被洗浄物200を保持できる。カセット載置台155は、複数の被洗浄物200を収容するための収容器であるカセット156を載置する載置台であり、載置されたカセット156をZ軸方向に昇降させる。
【0028】
搬送ユニット150は、本明細書では加工装置100の構成要素として記載しているが、一対のレール151を介して、カセット載置台155に載置されたカセット156内と、実施形態1に係る洗浄装置1の保持テーブル10上との間で被洗浄物200を搬送する部分について、洗浄装置1の構成要素とすることもできる。また、カセット載置台155及びカセット載置台155に載置されたカセット156を、洗浄装置1の構成要素とすることもできる。
【0029】
制御ユニット160は、洗浄装置1を除く加工装置100の部分の各構成要素の動作を制御して、被洗浄物200に対する加工処理等の各種処理を加工装置100の当該部分に実施させる。制御ユニット160は、実施形態1では、コンピュータシステムを含む。制御ユニット160が含むコンピュータシステムは、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有する。制御ユニット160の演算処理装置は、制御ユニット160の記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、加工装置100の当該部分を制御するための制御信号を、制御ユニット160の入出力インターフェース装置を介して加工装置100の当該部分の各構成要素に出力する。
【0030】
図3は、図1の洗浄装置1の詳細を示す斜視図である。図4は、図1の洗浄装置1の一状態を示す側断面図である。図5は、図4の洗浄装置1の状態におけるクランプ機構15の状態を示す斜視図である。図6は、図1の洗浄装置1の一状態を示す側断面図である。図7は、図6の洗浄装置1の状態におけるクランプ機構15の状態を示す斜視図である。実施形態1に係る洗浄装置1は、図1及び図3にそれぞれ示すように、ケース2と、カバー3と、保持テーブル10と、洗浄液供給ユニット20と、洗浄工具ユニット30と、裏面洗浄ユニット40と、出力ユニット50と、制御ユニット60と、を備える。
【0031】
ケース2は、図4及び図6に示すように、保持テーブル10の一部である外周保持部11、及び、裏面洗浄ユニット40を下方から収容する。ケース2は、底面の中央部分に、開口4が形成されている。カバー3は、ケース2の外周及び外周部の上方を覆う。カバー3は、不図示の昇降機構が接続されており、この昇降機構により、ケース2に対して相対的にZ軸方向に沿って移動可能に設けられている。カバー3は、上壁面の中央部分に、開口5が形成されている。開口5は、径が、被洗浄物200に装着された環状フレーム206の外径よりも少し大きく形成され、図3に示すように、後述する洗浄液供給ユニット20の洗浄液供給ノズル21及び洗浄工具ユニット30の洗浄工具ノズル31に対して、後述する保持テーブル10(保持テーブル10で保持された被洗浄物200)の上方を開放する。カバー3は、図4及び図6に示すように、上壁側の開口5より外周の部分に、後述する複数のクランプ機構15のクランプ部材15-1の被押圧部15-5とZ軸方向に沿って対向する位置に、上壁の下面(内面)から下方に突出して複数の柱状の押圧ピン6が形成されている。複数の押圧ピン6は、Z軸方向に沿った長さが互いに等しい。
【0032】
保持テーブル10は、外周保持部11と、回転駆動源であるモータ12と、を有する。外周保持部11は、被洗浄物200の外周を保持する。外周保持部11は、実施形態1では被洗浄物200に装着された環状フレーム206を保持する。外周保持部11は、支持機構13と、複数の支持部材14と、複数のクランプ機構15と、を有する。
【0033】
支持機構13は、概ねケース2内に収容されて設けられている。支持機構13は、円板状の支持台16と、複数の支持柱17と、環状の支持プレート18と、を有する。支持台16は、概ねケース2内に収容されて設けられており、下方部が開口4を貫通してケース2の下方に突出してモータ12と接続され、モータ12によりケース2に対して相対的にZ軸回りに回転自在に設けられている。支持台16は、外径が、被洗浄物200に装着された環状フレーム206の外径よりも少し大きく形成される。
【0034】
複数の支持柱17は、支持台16の外周部の上面から立設しており、支持台16の回転に伴い、支持台16の中心を回転中心として回転移動する。複数の支持柱17は、支持台16の外周部の上面側に、支持台16の径方向に沿って、例えば等間隔に、少なくとも3個以上設けられる。複数の支持柱17は、Z軸方向に沿った長さが互いに等しい。支持プレート18は、複数の支持柱17の上端部に固定されて設けられており、支持台16の回転に伴い、支持台16の中心軸回りに回転する。支持プレート18は、実施形態1では、中央に形成された開口の径が、被洗浄物200に装着された環状フレーム206に形成された開口の径と同等に形成される。支持機構13を構成する支持台16、複数の支持柱17及び支持プレート18は、実施形態1では例えば、いずれも、金属、樹脂等で形成される。
【0035】
複数の支持部材14は、支持機構13の環状の支持プレート18の上面から立設しており、カバー3の開口5の下方に位置付けられている。複数の支持部材14は、支持台16の回転に伴い、支持台16の中心を回転中心として回転移動する。複数の支持部材14は、環状の支持プレート18の外周部の上面側に、環状の支持プレート18に形成された開口の外周に沿って、例えば等間隔に、少なくとも3個以上設けられる。複数の支持部材14は、Z軸方向に沿った長さが互いに等しい。複数の支持部材14は、上端部で、被洗浄物200の外周、実施形態1ではすなわち被洗浄物200に装着された環状フレーム206を、下方から支持する。複数の支持部材14は、実施形態1では例えば、いずれも、金属、樹脂等で形成される。
【0036】
複数のクランプ機構15は、支持機構13の環状の支持プレート18の外周部に連結して設けられており、支持台16の回転に伴い、支持台16の中心を回転中心として回転移動する。複数のクランプ機構15は、環状の支持プレート18の外周部に、環状の支持プレート18の径方向に沿って、例えば等間隔に、少なくとも2個以上設けられる。複数のクランプ機構15は、複数の支持部材14によって支持された被洗浄物200の外周、実施形態1ではすなわち被洗浄物200に装着された環状フレーム206を、外周側及び上方側から押さえて固定する。
【0037】
クランプ機構15は、実施形態1では、詳細には、図5及び図7に示すように、クランプ部材15-1と、ロック部材15-2とを有して構成される。クランプ部材15-1は、軸部15-3と、クランプ部15-4と、被押圧部15-5と、凹部15-6と、を有する。軸部15-3は、保持テーブル10の径方向に対して直交する方向に沿って設けられている。クランプ部材15-1は、軸部15-3で環状の支持プレート18に取り付けられ、軸部15-3回りに回動可能に設けられている。クランプ部材15-1において、クランプ部15-4と被押圧部15-5とは、軸部15-3を挟んで互いに反対側に設けられている。クランプ部材15-1は、クランプ部15-4を除き、実施形態1では例えば、金属、樹脂等で形成される。クランプ部15-4は、複数の支持部材14によって支持された被洗浄物200の外周(環状フレーム206)に接触する部分であるため、弾性や緩衝性等といった柔軟性を有する材料、例えばゴムや樹脂等で形成され、接触する被洗浄物200の外周(環状フレーム206)を傷つける恐れを抑制する。
【0038】
クランプ部材15-1は、軸部15-3よりもクランプ部15-4が形成されている側が、軸部15-3よりも被押圧部15-5が形成されている側よりも質量が大きい。このため、クランプ部材15-1は、外力が作用していない状態において、クランプ部15-4側が下方に下がり、被押圧部15-5側が上方に移動することにより、クランプ部15-4が、複数の支持部材14によって支持された被洗浄物200の外周(環状フレーム206)を、外周側及び上方側から押さえて固定する固定位置に位置付けられる。クランプ部材15-1は、カバー3が降下することにより、被押圧部15-5側が押圧ピン6により押圧されると、図4及び図5に示すように、クランプ部15-4側が上方に移動し、被押圧部15-5側が下方に移動することにより、複数の支持部材14上を被洗浄物200の搬入及び搬出が可能な状態に開放する開放位置に位置付けられる。クランプ部材15-1は、図6及び図7に示すように、支持台16の回転に伴い支持台16の中心を回転中心として回転移動することにより、被押圧部15-5側に遠心力が働いて、クランプ部15-4側に下方に向かう力が作用し、クランプ部15-4が、複数の支持部材14によって支持された被洗浄物200の外周(環状フレーム206)に強く押しつけられる。
【0039】
クランプ部材15-1において、凹部15-6は、被押圧部15-5の下方側及び外周側の部分に形成されている。凹部15-6は、ロック部材15-2の後述するロック部15-8の上方側及び内周側の部分が嵌め合わせされる形状に形成されている。
【0040】
ロック部材15-2は、図5及び図7に示すように、クランプ部材15-1よりも下方側及び外周側に設けられ、軸部15-7と、ロック部15-8と、錘部15-9と、を有する。軸部15-7は、クランプ部材15-1の軸部15-3よりも下方側及び外周側の位置に、軸部15-3に沿って平行に、すなわち、保持テーブル10の径方向に対して直交する方向に沿って設けられている。ロック部材15-2は、軸部15-7で環状の支持プレート18に取り付けられ、軸部15-7回りに回動可能に設けられている。ロック部材15-2において、ロック部15-8と錘部15-9とは、軸部15-7を挟んで互いに反対側に設けられている。ロック部材15-2は、実施形態1では例えば、金属、樹脂等で形成される。
【0041】
ロック部材15-2は、軸部15-7よりも錘部15-9が形成されている側が、軸部15-7よりもロック部15-8が形成されている側よりも質量が大きい。このため、ロック部材15-2は、図4及び図5に示すように、外力が作用していない状態において、錘部15-9側が下方に移動し、ロック部15-8側が上方に移動する。ロック部材15-2は、図6及び図7に示すように、支持台16の回転に伴い支持台16の中心を回転中心として回転移動することにより、錘部15-9側に遠心力が働いて、ロック部15-8側に内周側に向かう力が作用し、ロック部15-8の上方側及び内周側の部分が凹部15-6に嵌め合わせされて、クランプ部材15-1を、複数の支持部材14によって支持された被洗浄物200の外周(環状フレーム206)を外周側及び上方側から押さえて固定する位置にロックするロック位置に位置付けられる。
【0042】
複数の支持部材14によって支持された被洗浄物200の外周(環状フレーム206)の上面側を複数のクランプ機構15で押さえると、複数の支持部材14と複数のクランプ機構15とにより、被洗浄物200の外周(環状フレーム206)を把持、挟持する。このように、外周保持部11により、被洗浄物200の外周(環状フレーム206)を保持する。
【0043】
モータ12は、図4及び図6に示すように、ケース2の下方に筐体19に収容されて設けられており、回転軸の上方が支持機構13の支持台16と接続されている。モータ12は、支持台16を回転させることにより、支持台16の回転軸回りに、複数の支持柱17を回転移動させ、支持プレート18を回転させ、複数の支持部材14及び複数のクランプ機構15を回転移動させる。このように、モータ12は、外周保持部11を回転させる。モータ12は、外周保持部11を回転させることにより、外周保持部11で外周(環状フレーム206)を保持した被洗浄物200を回転させる。
【0044】
洗浄装置1は、洗浄前の被洗浄物200を保持テーブル10(複数の支持部材14)上に搬入する際、及び、保持テーブル10(複数の支持部材14)上から洗浄後の被洗浄物200を搬出する際、カバー3を降下させて、押圧ピン6でクランプ部材15-1の被押圧部15-5を押圧することにより、図4及び図5に示すように、クランプ部材15-1を開放位置に位置付ける。洗浄装置1は、洗浄前の被洗浄物200が複数の支持部材14上に搬入されると、カバー3を上昇させて、押圧ピン6によるクランプ部材15-1の被押圧部15-5の押圧を解消することにより、図6及び図7に示すように、クランプ部材15-1を固定位置に位置付けて、洗浄前の被洗浄物200を保持テーブル10で保持する。洗浄装置1は、保持テーブル10上で保持した被洗浄物200の洗浄を開始する際、モータ12により、図6及び図7に示すように、さらに外周保持部11を回転させて、ロック部材15-2をロック位置に位置付けて、保持テーブル10での被洗浄物200の保持を強固にする。
【0045】
洗浄液供給ユニット20は、図3に示すように、洗浄液供給ノズル21と、洗浄液供給源22と、洗浄液供給ノズル移動ユニット25と、を有する。洗浄液供給ノズル21は、カバー3より上方に設けられ、洗浄液供給源22及び洗浄液供給ノズル移動ユニット25は、ケース2より外周側に設けられる。洗浄液供給ノズル21は、例えば一方向に延びた管状部材であり、当該一方向に所定の長さを有し、基端部21-1が洗浄液供給源22及び洗浄液供給ノズル移動ユニット25とそれぞれ接続されており、先端部21-2に、保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200が位置付けられる下方に向けられた供給口21-3が形成されている。
【0046】
洗浄液供給ノズル21は、洗浄液供給ノズル移動ユニット25により、Z軸方向に沿って昇降移動するとともに、基端部21-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転する。洗浄液供給ノズル21は、基端部21-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転することにより、先端部21-2及び先端部21-2に形成された供給口21-3が、基端部21-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転移動する。
【0047】
洗浄液供給源22は、洗浄液供給ノズル21の基端部21-1に接続され、基端部21-1から洗浄液供給ノズル21に洗浄液29(図6参照)を供給する。洗浄液供給源22から洗浄液供給ノズル21に供給する洗浄液29は、実施形態1では、例えば、純水、界面活性剤、ナノバブル入りの純水、もしくは、純水とエアとが混合された二流体等である。
【0048】
洗浄液供給ノズル移動ユニット25は、洗浄液供給ノズル21の基端部21-1に接続され、洗浄液供給ノズル21を、Z軸方向に沿って昇降移動させるとともに、基端部21-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転させる。洗浄液供給ノズル移動ユニット25は、洗浄液供給ノズル21を、基端部21-1を中心としてZ軸方向に沿って軸心回りに回転させることにより、先端部21-2及び先端部21-2に形成された供給口21-3を、基端部21-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転移動させる。
【0049】
洗浄液供給ユニット20は、洗浄液供給ノズル21により、洗浄液供給源22により基端部21-1から供給された洗浄液29を、先端部21-2に形成された供給口21-3から、上方から保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200に向けて供給することにより、保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200を洗浄する。洗浄液供給ユニット20は、洗浄液供給ノズル移動ユニット25により、供給口21-3を回転移動させることにより、洗浄液29を供給する位置を移動させる。
【0050】
洗浄工具ユニット30は、図3に示すように、洗浄工具ノズル31と、洗浄工具32と、洗浄工具ノズル移動ユニット35と、を有する。洗浄工具ノズル31及び洗浄工具32は、カバー3より上方に設けられ、洗浄工具ノズル移動ユニット35は、ケース2より外周側に設けられる。洗浄工具ノズル31は、例えば一方向に延びた棒状部材であり、当該一方向に所定の長さを有し、基端部31-1が洗浄工具ノズル移動ユニット35と接続されており、先端部31-2に、保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200が位置付けられる下方に向けて洗浄工具32を保持する保持部31-3が設けられている。
【0051】
洗浄工具ノズル31は、洗浄工具ノズル移動ユニット35により、Z軸方向に沿って昇降移動するとともに、基端部31-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転する。洗浄工具ノズル31は、基端部31-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転することにより、先端部31-2、先端部31-2に設けられた保持部31-3、及び、保持部31-3に保持された洗浄工具32が、基端部31-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転移動する。
【0052】
洗浄工具32は、保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200に向けて押し当てられて、保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200に対して相対的に平面方向に沿って移動することにより、保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200を洗浄する。洗浄工具32は、実施形態1では、弾性や緩衝性等といった柔軟性を有するために、保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200を傷つけたり過度の力が加えられたりすることを抑制する部材で構成されており、具体的には、例えば、スポンジと、不織布と、ブラシと、洗浄砥石と、の少なくともいずれかを含む。
【0053】
洗浄工具ノズル移動ユニット35は、洗浄工具ノズル31の基端部31-1に接続され、洗浄工具ノズル31を、Z軸方向に沿って昇降移動させるとともに、基端部31-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転させる。洗浄工具ノズル移動ユニット35は、洗浄工具ノズル31を、基端部31-1を中心としてZ軸方向に沿って軸心回りに回転させることにより、先端部31-2、先端部31-2に設けられた保持部31-3、及び、保持部31-3に保持された洗浄工具32を、基端部31-1を中心としてZ軸方向に沿った軸心回りに回転移動させる。
【0054】
洗浄工具ユニット30は、洗浄工具ノズル移動ユニット35により、洗浄工具ノズル31の保持部31-3で保持した洗浄工具32を、上方から保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200に向けて押し当てて、回転移動させることにより、保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200を洗浄する。
【0055】
裏面洗浄ユニット40は、図4及び図6に示すように、裏面洗浄パッド41と、基台42と、スピンドル43と、回転駆動源44と、昇降ユニット45と、ノズル46と、支持機構47と、を有する。裏面洗浄ユニット40の支持機構47の支持柱47-1を除くこれらの各構成要素は、ケース2内に収容された保持テーブル10の支持機構13内に収容されて設けられている。
【0056】
支持機構47は、支持柱47-1と、円板状の支持台47-2と、複数の支持柱47-3と、円板状のカバープレート47-4と、を有する。支持柱47-1は、ケース2の下方に設けられたモータ12を収容する筐体19の上面から立設しており、支持機構13の円板状の支持台16の中央に形成された貫通孔を貫通して、上端が支持台16の上方に突出しており、上端部で支持台47-2を下方から支持する。
【0057】
円板状の支持台47-2、複数の支持柱47-3及び円板状のカバープレート47-4は、いずれも、複数の支持部材14、複数のクランプ機構15及び複数の支持柱17の内側に配置されている。支持台47-2は、支持柱47-1の上端部に固定されて設けられており、支持台16の上方に配されている。支持台47-2は、外径が、支持台16の外径よりも小さく、すなわち、被洗浄物200に装着された環状フレーム206の外径よりも小さく形成される。支持台47-2は、モータ12により下方の保持テーブル10の支持台16が回転しても、モータ12及び支持台16とは独立しているため、回転しない。
【0058】
複数の支持柱47-3は、支持台47-2の外周部の上面から立設している。複数の支持柱47-3は、支持台47-2の外周部の上面側に、支持台47-2の径方向に沿って、例えば等間隔に、少なくとも3個以上設けられる。複数の支持柱47-3は、Z軸方向に沿った長さが互いに等しい。カバープレート47-4は、複数の支持柱47-3の上端部に固定されて設けられている。カバープレート47-4は、外径が、支持プレート18に形成された開口よりも少し小さく形成される。カバープレート47-4は、厚さ方向に貫通する円柱状の開口47-5が形成されている。開口47-5は、カバープレート47-4の外周部から中心に至るように形成される。開口47-5は、裏面洗浄パッド41及び基台42がZ軸方向に沿って通り抜け可能、かつ、嵌め合わせされる大きさに形成されている。支持機構47を構成する支持柱47-1、円板状の支持台47-2、複数の支持柱47-3及び円板状のカバープレート47-4は、実施形態1では例えば、いずれも、金属、樹脂等で形成される。
【0059】
裏面洗浄パッド41は、直径が被洗浄物200の半径以上である円板形状の部材である。裏面洗浄パッド41は、保持テーブル10で保持された被洗浄物200の、外周保持部11で保持されていない領域の裏面204側(実施形態1では支持部材205)に接触し、押し当てられて、保持テーブル10で保持された被洗浄物200に対して相対的に移動することにより、保持テーブル10で保持された被洗浄物200の裏面204側を洗浄する。裏面洗浄パッド41は、弾性や緩衝性等といった柔軟性を有するために、保持テーブル10や保持テーブル10で保持された被洗浄物200を傷つけたり過度の力が加えられたりすることを抑制する部材で構成されており、具体的には、例えば、スポンジと、不織布と、ブラシと、の少なくともいずれかを含む。
【0060】
基台42は、直径が裏面洗浄パッド41の直径と同等である円板形状の部材であり、上方に向けられた面側に裏面洗浄パッド41が固定され、下方に向けられた面側がスピンドル43の上端部に装着されている。基台42は、実施形態1では例えば、金属、樹脂等で形成される。裏面洗浄パッド41及び裏面洗浄パッド41を上方の面で固定する基台42は、カバープレート47-4に形成された開口47-5内に配置されている。
【0061】
スピンドル43は、基台42の下方に設けられ、Z軸方向と平行な軸心周りに回転可能に設けられ、スピンドル43の上方側に向けられた先端に装着された基台42及び基台42の上方の面に固定された裏面洗浄パッド41をZ軸方向と平行な軸心周りに回転可能に支持する。回転駆動源44は、スピンドル43の下方側に向けられた基端側に設けられ、スピンドル43に回転動作を加える。裏面洗浄パッド41及び基台42は、回転駆動源44によって回転動作が加えられたスピンドル43により、軸心回りに回転する。昇降ユニット45は、スピンドル43の下方側に向けられた基端側に接続されており、スピンドル43を介して裏面洗浄パッド41及び基台42をZ軸方向に沿って昇降移動させることにより、保持テーブル10で保持された被洗浄物200に対して接近または離反させる。回転駆動源44及び昇降ユニット45は、ともに、スピンドル43の下方側に設けられて支持台47-2上に設置された筐体内に収容されている。
【0062】
ノズル46は、カバープレート47-4の中央部の上面側に嵌め込まれて設けられており、先端が開口47-5に連通している。ノズル46は、基端側が不図示の洗浄液供給源に接続されており、この洗浄液供給源から供給された洗浄液を先端から開口47-5を通じて裏面洗浄パッド41上に供給する。この洗浄液供給源からノズル46に供給する洗浄液は、実施形態1では、例えば、純水、界面活性剤、ナノバブル入りの純水、もしくは、純水とエアとが混合された二流体等である。
【0063】
裏面洗浄ユニット40は、ノズル46により洗浄液が供給された裏面洗浄パッド41を、昇降ユニット45により下方から保持テーブル10で保持された被洗浄物200の裏面204側に向けて押し当てて、回転駆動源44によって回転動作が加えられたスピンドル43により回転させる等して保持テーブル10で保持された被洗浄物200に対して相対的に平面方向に沿って移動させることにより、保持テーブル10で保持された被洗浄物200の裏面204側を洗浄する。
【0064】
出力ユニット50は、実施形態1では、図1に示すように、表示ユニットであるモニタ51と、報知ユニット52と、を備える。モニタ51は、例えば加工装置100の不図示のカバーに、表示面側を外側に向けて設けられている。モニタ51は、実施形態1では、洗浄装置1における表示ユニットの機能と、洗浄装置1を除く加工装置100の部分における表示ユニットの機能と、を実現する。
【0065】
モニタ51は、洗浄装置1における表示ユニットの機能として、洗浄液供給ユニット20、洗浄工具ユニット30及び裏面洗浄ユニット40による各洗浄処理に関する各種条件の設定の画面や、シミュレーション部70により、洗浄液供給ユニット20、洗浄工具ユニット30及び裏面洗浄ユニット40の動作をシミュレーションした結果を示す画像や動画、データ、判定結果等を、オペレータに視認可能に表示する。モニタ51は、洗浄装置1を除く加工装置100の部分における表示ユニットの機能として、加工ユニット120による加工や撮像ユニット130による撮像等の洗浄装置1を除く加工装置100の部分の各種処理に関する各種条件の設定の画面や、取得された画像やデータ、判定結果等をオペレータに視認可能に表示する。
【0066】
モニタ51は、液晶表示装置等により構成される。モニタ51は、オペレータが洗浄装置1を含む加工装置100の上記した各種条件に関する情報や画像等の表示に関する情報等を入力する際に使用する入力ユニット55が設けられている。モニタ51に設けられた入力ユニット55は、モニタ51に設けられたタッチパネルと、キーボード等とのうち少なくとも一つにより構成される。なお、モニタ51は洗浄装置1や加工装置100に固定されておらず、任意の通信機器に備えられ、任意の通信機器が無線または有線により洗浄装置1や加工装置100と接続されてもよい。
【0067】
報知ユニット52は、例えば加工装置100の不図示のカバーの上方に設けられている。報知ユニット52は、実施形態1では、発光ダイオードなどで構成され、点灯や点滅や光の色彩等により、洗浄装置1や加工装置100による各種処理中に発生したエラーや、判定結果等をオペレータに認識可能に報知する発光ユニットである。報知ユニット52は、本発明ではこれに限定されず、例えば、スピーカなどで構成され、音声を発信することにより、発生したエラーや判定結果等をオペレータに認識可能に報知する音声ユニットや、任意の情報機器にメッセージを送信する通信機器等でもよい。
【0068】
出力ユニット50(モニタ51及び報知ユニット52)は、実施形態1では、洗浄装置1と、洗浄装置1を除く加工装置100の部分とで共通して設けられているが、本発明ではこれに限定されず、それぞれ別々に設けられてもよい。
【0069】
制御ユニット60は、洗浄装置1の各構成要素の動作を制御して、被洗浄物200に対する洗浄処理を洗浄装置1に実施させる。制御ユニット60は、図3に示すように、シミュレーション部70を備える。シミュレーション部70は、洗浄液供給ユニット20、洗浄工具ユニット30及び裏面洗浄ユニット40の動作をシミュレーションする。シミュレーション部70は、具体的には、洗浄液供給ユニット20の動作として洗浄液供給ノズル21の動作をシミュレーションし、洗浄工具ユニット30の動作として洗浄工具ノズル31の動作をシミュレーションし、裏面洗浄ユニット40の動作として裏面洗浄パッド41の動作をシミュレーションする。
【0070】
図8は、図1の洗浄装置1で使用する第1移動データ301を示す図である。図9は、図1の洗浄装置1で使用する第2移動データ302を示す図である。図10は、図1の洗浄装置1で使用する第3移動データ303を示す図である。図11は、図8の第1移動データ301に基づいて算出した第1移動算出データ311を示す図である。図12は、図9の第2移動データ302に基づいて算出した第2移動算出データ312を示す図である。図13は、図10の第3移動データ303に基づいて算出した第3移動算出データ313を示す図である。
【0071】
シミュレーション部70は、図3に示すように、第1記憶部71と、第2記憶部72と、第3記憶部73と、画像記憶部79と、を有する。第1記憶部71は、例えば予めオペレータにより入力ユニット55から入力された情報に基づいて、洗浄液供給ノズル21の移動開始位置と、移動終了位置と、移動開始から移動終了までの移動速度と、を含む、図8に示すような第1移動データ301を記憶する。第2記憶部72は、例えば予めオペレータにより入力ユニット55から入力された情報に基づいて、洗浄工具ノズル31の移動開始位置と、移動終了位置と、移動開始から移動終了までの移動速度と、を含む、図9に示すような第2移動データ302を記憶する。第3記憶部73は、例えば予めオペレータにより入力ユニット55から入力された情報に基づいて、裏面洗浄パッド41の移動開始位置と、移動終了位置と、移動開始から移動終了までの移動速度と、を含む、図10に示すような第3移動データ303を記憶する。画像記憶部79は、洗浄装置1を構成する各部を表した画像、及び、保持テーブル10の外周保持部11に保持された被洗浄物200を表した画像を記憶する。
【0072】
ここで、洗浄液供給ノズル21の移動開始位置、移動終了位置及び移動速度は、例えば、洗浄液供給ノズル21の先端部21-2の所定のポイントの移動開始位置、移動終了位置及び移動速度であり、図8に示す第1移動データ301の例では、移動開始位置及び移動終了位置は、例えば洗浄装置1(もしくは加工装置100)に備え付けられ、保持テーブル10の中央(複数の支持部材14の各上端面の中心)を基準(原点)とする装置直交座標系(X,Y,Z座標)で表され、移動速度は、当該装置直交座標系で表された各座標の時間変化で表される。なお、本発明ではこれに限定されず、洗浄液供給ノズル21の移動開始位置及び移動終了位置は、洗浄液供給ノズル21の基端部21-1を基準とし、基端部21-1から保持テーブル10の中央への方向を角度0とした装置円柱座標系(R,θ1,Z)で表され、移動速度は、当該装置円柱座標系(R,θ1,Z)で表された各座標の時間変化で表されてもよい。
【0073】
また、洗浄工具ノズル31の移動開始位置、移動終了位置及び移動速度は、例えば、洗浄工具ノズル31の先端部31-2の所定のポイントの移動開始位置、移動終了位置及び移動速度であり、図9に示す第2移動データ302の例では、移動開始位置及び移動終了位置は、例えば上記と同様の装置直交座標系(X,Y,Z座標)で表され、移動速度は、当該装置直交座標系で表された各座標の時間変化で表される。なお、本発明ではこれに限定されず、洗浄工具ノズル31の移動開始位置及び移動終了位置は、洗浄工具ノズル31の基端部31-1を基準とし、基端部31-1から保持テーブル10の中央への方向を角度0とした装置円柱座標系(R,θ2,Z)で表され、移動速度は、当該装置円柱座標系(R,θ2,Z)で表された各座標の時間変化で表されてもよい。
【0074】
また、裏面洗浄パッド41の移動開始位置、移動終了位置及び移動速度は、例えば、裏面洗浄パッド41の所定のポイント(例えば上面の中央)の移動開始位置、移動終了位置及び移動速度であり、図10に示す第3移動データ303の例では、移動開始位置及び移動終了位置は、例えば上記と同様の装置直交座標系(X,Y,Z座標)で表され、移動速度は、当該装置直交座標系で表された各座標の時間変化で表される。
【0075】
第1移動データ301、第2移動データ302及び第3移動データ303は、洗浄液供給ノズル21、洗浄工具ノズル31及び裏面洗浄パッド41の移動開始タイミングがずれている場合には、それぞれ、移動開始タイミングのずれにかかる時間の情報も含む。第1移動データ301、第2移動データ302及び第3移動データ303は、それぞれ、図8図9及び図10に示す例では、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから終了するまでの洗浄時間と、洗浄時間における単位時間(例えば、1秒、0.1秒、60分の1秒、等)毎の移動速度とを含んでいる。また、第1移動データ301は、洗浄液供給ノズル21の形状や大きさの情報、占める空間(体積)の情報と、洗浄液供給ノズル21の先端部21-2の供給口21-3から洗浄液29を供給する時間の情報(洗浄液供給時間情報)とをさらに含んでいる。また、第2移動データ302は、洗浄工具ノズル31の形状や大きさの情報、占める空間(体積)の情報と、洗浄工具32毎の形状や大きさの情報、占める空間(体積)の情報をさらに含んでいる。また、第3移動データ303は、裏面洗浄パッド41の形状や大きさの情報、占める空間(体積)の情報をさらに含んでいる。
【0076】
シミュレーション部70は、図8に示す第1移動データ301に基づいて、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから終了するまでの間における単位時間(例えば、1秒、0.1秒、60分の1秒、等)毎の洗浄液供給ノズル21の位置の情報を算出して、この算出した単位時間毎の洗浄液供給ノズル21の位置の情報を図11に示す第1移動算出データ311として第1記憶部71に記憶させる。ここで、単位時間毎の洗浄液供給ノズル21の位置の情報は、当該単位時間における洗浄液供給ノズル21の基端部21-1から先端部21-2まで及び供給口21-3によって占められる空間(洗浄液供給ノズル空間、と称する)の全部の情報であり、図11に示すように、例えば上記と同様の装置直交座標系を用いた座標空間で表される。
【0077】
シミュレーション部70は、図9に示す第2移動データ302に基づいて、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから終了するまでの間における単位時間(例えば、1秒、0.1秒、60分の1秒、等)毎の洗浄工具ノズル31の位置の情報を算出して、この算出した単位時間毎の洗浄工具ノズル31の位置の情報を図12に示す第2移動算出データ312として第2記憶部72に記憶させる。ここで、単位時間毎の洗浄工具ノズル31の位置の情報は、当該単位時間における洗浄工具ノズル31の基端部31-1から先端部31-2まで及び洗浄工具32によって占められる空間(洗浄工具ノズル空間、と称する)の全部の情報であり、図12に示すように、例えば上記と同様の装置直交座標系を用いた座標空間で表される。
【0078】
シミュレーション部70は、図9に示す第2移動データ302に基づいて、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから終了するまでの間における単位時間(例えば、1秒、0.1秒、60分の1秒、等)毎の裏面洗浄パッド41の位置の情報を算出して、この算出した単位時間毎の裏面洗浄パッド41の位置の情報を図13に示す第3移動算出データ313として第3記憶部73に記憶させる。ここで、単位時間毎の裏面洗浄パッド41の位置の情報は、当該単位時間における裏面洗浄パッド41によって占められる空間(裏面洗浄パッド空間、と称する)の全部の情報であり、図13に示すように、例えば上記と同様の装置直交座標系を用いた座標空間で表される。
【0079】
図14は、図1の洗浄装置1で出力するシミュレーション画像401を示す図である。図15は、図1の洗浄装置1で出力するシミュレーション画像402を示す図である。図16は、図1の洗浄装置1で出力するシミュレーション画像403を示す図である。シミュレーション部70は、画像記憶部79に予め記憶された画像と、第1記憶部71、第2記憶部72及び第3記憶部73にそれぞれ記憶させた第1移動算出データ311、第2移動算出データ312及び第3移動算出データ313に基づいて、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから終了するまでの間における単位時間(例えば、1秒、0.1秒、60分の1秒、等)毎の洗浄装置1のシミュレーション画像(例えば、図14図15図16に示すシミュレーション画像401,402,403)を生成する。
【0080】
具体的には、シミュレーション部70は、まず、画像記憶部79に予め記憶された画像に基づいて、洗浄液供給ユニット20、洗浄工具ユニット30及び裏面洗浄ユニット40の動作により位置が変化しない洗浄装置1の各部の画像をあらかじめ決められた位置に固定した基本画像を生成する。シミュレーション部70は、次に、ある単位時間において、この基本画像において、第1記憶部71に記憶させた第1移動算出データ311の洗浄液供給ノズル空間に相当する領域に、画像記憶部79に予め記憶された洗浄液供給ノズル21の画像を重ね、洗浄液供給ノズル21と共に移動する供給口21-3の画像等を先に重ねた洗浄液供給ノズル21の画像に合わせた位置に重ね、第2記憶部72に記憶させた第2移動算出データ312の洗浄工具ノズル空間に相当する領域に、画像記憶部79に予め記憶された洗浄工具ノズル31の画像を重ね、洗浄工具ノズル31と共に移動する洗浄工具32の画像等を先に重ねた洗浄工具ノズル31の画像に合わせた位置に重ね、第3記憶部73に記憶させた第3移動算出データ313の裏面洗浄パッド空間に相当する領域に、画像記憶部79に予め記憶された裏面洗浄パッド41の画像を重ね、裏面洗浄パッド41と共に移動する基台42及びスピンドル43の画像等を先に重ねた裏面洗浄パッド41の画像に合わせた位置に重ねることにより、当該単位時間における洗浄装置1のシミュレーション画像を生成する。シミュレーション部70は、同様にして、全ての単位時間毎に洗浄装置1のシミュレーション画像を生成する。
【0081】
シミュレーション部70は、単位時間毎に、洗浄装置1の上面図と、断面図もしくは側面図と、斜視図と、の少なくともいずれかのシミュレーション画像を生成する。また、シミュレーション部70は、これらの同じ単位時間におけるシミュレーション画像を複数選択して配列して当該単位時間における1枚のシミュレーション画像を新たに生成してもよい。シミュレーション部70は、実施形態1では、洗浄装置1の上面図のシミュレーション画像と、洗浄装置1の保持テーブル10の中央を通る鉛直面における断面図のシミュレーション画像とを生成し、これらを配列して1枚のシミュレーション画像を新たに生成する。
【0082】
シミュレーション部70は、このようにして生成したシミュレーション画像を、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから終了するまでの順番に単位時間毎に切り替えるように並べて繋ぐことにより、洗浄装置1のシミュレーション動画を生成する。シミュレーション部70は、このようにして生成したシミュレーション画像やシミュレーション動画を、オペレータに視認可能なように出力ユニット50のモニタ51に出力する。
【0083】
シミュレーション画像401は、図14に示すように、洗浄装置1が洗浄動作を開始したタイミングにおけるシミュレーション画像であり、洗浄動作を開始したタイミングにおける洗浄装置1の上面図のシミュレーション画像と、洗浄装置1の断面図のシミュレーション画像とが配列された画像であり、シミュレーション部70により出力ユニット50のモニタ51から出力される。シミュレーション画像401は、上面図で、洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31とがともに保持テーブル10で保持された被洗浄物200上から退避した位置に位置付けられていることをわかりやすく示している。
【0084】
シミュレーション画像402は、図15に示すように、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから数秒経過後の、シミュレーション画像401よりも数秒後のタイミングにおけるシミュレーション画像であり、洗浄動作を開始してから数秒経過後のタイミングにおける洗浄装置1の上面図のシミュレーション画像と、洗浄装置1の断面図のシミュレーション画像とが配列された画像であり、シミュレーション部70により出力ユニット50のモニタ51から出力される。シミュレーション画像402は、断面図で、洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31とが互いに異なる高さに位置付けられていることをわかりやすく示している。
【0085】
シミュレーション画像403は、図16に示すように、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから数秒以上経過後の、シミュレーション画像402よりも数秒後のタイミングにおけるシミュレーション画像であり、当該タイミングにおける洗浄装置1の上面図のシミュレーション画像と、洗浄装置1の断面図のシミュレーション画像とが配列された画像であり、シミュレーション部70により出力ユニット50のモニタ51から出力される。シミュレーション画像403は、上面図と断面図との双方で、洗浄液供給ノズル21の画像の位置と洗浄工具ノズル31の画像の位置とが互いに重なっていることをわかりやすく示している。すなわち、シミュレーション画像403は、上面図と断面図とにより、洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31とが衝突する恐れが高いことをわかりやすく示している。シミュレーション画像403は、さらに、洗浄液供給ノズル21の画像の位置と洗浄工具ノズル31の画像の位置とが重なったことによる警告のメッセージと、当該警告を解消するための一例を示すメッセージ(関連する設定項目)とが合わせて表示されている。
【0086】
シミュレーション部70は、また、第1記憶部71、第2記憶部72及び第3記憶部73にそれぞれ記憶させた第1移動算出データ311、第2移動算出データ312及び第3移動算出データ313に基づいて、シミュレーションの結果を判定してもよい。例えば、シミュレーション部70は、実施形態1では、第1移動算出データ311の単位時間毎の洗浄液供給ノズル空間と、第2移動算出データ312の単位時間毎の洗浄工具ノズル空間とに基づいて、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから終了するまでの間における洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31との位置関係をシミュレーションする。シミュレーション部70は、洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31との位置関係をシミュレーションして、例えば、洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31とが互いに衝突するか否かを判定し、その判定結果をオペレータに視認可能なように出力ユニット50のモニタ51や報知ユニット52に出力する。
【0087】
具体的には、シミュレーション部70は、第1移動算出データ311の洗浄液供給ノズル空間と第2移動算出データ312の洗浄工具ノズル空間とが所定の閾値(例えば実空間換算で1cm)以上離間し続けて一度も所定の閾値以内に接近しない場合、洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31とが所定の閾値以内に接近しないため互いに衝突しないとして、良好(OK)と判定する。シミュレーション部70は、洗浄液供給ノズル空間と洗浄工具ノズル空間とが所定の閾値以内に接近するものの一度も互いに重ならない場合、洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31とが所定の閾値以内に接近するため互いに衝突する恐れがあるとして要注意と判定する。シミュレーション部70は、洗浄液供給ノズル空間と洗浄工具ノズル空間とが一度でも互いに重なる場合、洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31とが互いに衝突する恐れが高いとしてエラー(NG)と判定する。例えば、シミュレーション部70は、図16に示すシミュレーション画像403において、洗浄液供給ノズル21と洗浄工具ノズル31とが互いに衝突する恐れが高いとして、エラー(NG)の判定結果としての警告のメッセージを表示する。
【0088】
また、シミュレーション部70は、実施形態1では、第1移動データ301の洗浄液供給時間情報と、第1移動算出データ311の単位時間毎の洗浄液供給ノズル空間と、第3移動算出データ313の単位時間毎の裏面洗浄パッド空間とに基づいて、洗浄液29を供給する時間における供給口21-3と裏面洗浄パッド41との位置関係をシミュレーションする。シミュレーション部70は、洗浄液29を供給する時間における供給口21-3と裏面洗浄パッド41との位置関係をシミュレーションして、例えば、保持テーブル10で保持された被洗浄物200を裏面洗浄パッド41により裏面204側から支持している領域及びタイミングに供給口21-3から洗浄液29を供給するか否かを判定し、その判定結果をオペレータに視認可能なように出力ユニット50のモニタ51や報知ユニット52に出力する。
【0089】
具体的には、シミュレーション部70は、洗浄液29を供給する時間において、洗浄液供給ノズル空間から導出される供給口21-3の位置が裏面洗浄パッド空間の上方から一度も外れておらず、かつ、裏面洗浄パッド空間が保持テーブル10で保持された被洗浄物200の裏面204から一度も下方に外れていない場合、保持テーブル10で保持された被洗浄物200を裏面洗浄パッド41により裏面204側から支持している領域及びタイミングにのみ供給口21-3から洗浄液29を供給するとして、良好(OK)と判定する。シミュレーション部70は、洗浄液29を供給する時間において、供給口21-3の位置が裏面洗浄パッド空間の上方から少なくとも一度外れたか、もしくは、裏面洗浄パッド空間が保持テーブル10で保持された被洗浄物200の裏面204から少なくとも一度下方に外れた場合、保持テーブル10で保持された被洗浄物200を裏面洗浄パッド41により裏面204側から支持している領域及びタイミング以外に供給口21-3から洗浄液29を供給することにより、保持テーブル10で保持された被洗浄物200が洗浄液29による液圧により撓んでしまう等の恐れがあるとして、エラー(NG)と判定する。
【0090】
また、シミュレーション部70は、実施形態1では、第2移動算出データ312の単位時間毎の洗浄工具ノズル空間と、第3移動算出データ313の単位時間毎の裏面洗浄パッド空間とに基づいて、洗浄工具32で被洗浄物200を洗浄する時間における洗浄工具32と裏面洗浄パッド41との位置関係をシミュレーションする。シミュレーション部70は、洗浄工具32で被洗浄物200を洗浄する時間における洗浄工具32と裏面洗浄パッド41との位置関係をシミュレーションして、例えば、保持テーブル10で保持された被洗浄物200を裏面洗浄パッド41により裏面204側から支持している領域及びタイミングに洗浄工具32で被洗浄物200を洗浄するか否かを判定し、その判定結果をオペレータに視認可能なように出力ユニット50のモニタ51や報知ユニット52に出力する。
【0091】
具体的には、シミュレーション部70は、まず、洗浄工具ノズル空間に基づいて、洗浄工具32の高さが保持テーブル10で保持された被洗浄物200の表面101から上方に外れていない時間から、洗浄工具32で被洗浄物200を洗浄する時間を導出する。そして、シミュレーション部70は、洗浄工具32で被洗浄物200を洗浄する時間において、洗浄工具ノズル空間から導出される洗浄工具32の位置が裏面洗浄パッド空間の上方から一度も外れておらず、かつ、裏面洗浄パッド空間が保持テーブル10で保持された被洗浄物200の裏面204から一度も下方に外れていない場合、保持テーブル10で保持された被洗浄物200を裏面洗浄パッド41により裏面204側から支持している領域及びタイミングにのみ洗浄工具32で被洗浄物200を洗浄するとして、良好(OK)と判定する。シミュレーション部70は、洗浄工具32で被洗浄物200を洗浄する時間において、洗浄工具ノズル空間から導出される洗浄工具32の位置が裏面洗浄パッド空間の上方から少なくとも一度外れたか、もしくは、裏面洗浄パッド空間が保持テーブル10で保持された被洗浄物200の裏面204から少なくとも一度下方に外れた場合、保持テーブル10で保持された被洗浄物200を裏面洗浄パッド41により裏面204側から支持している領域及びタイミング以外に洗浄工具32で被洗浄物200を洗浄することにより、保持テーブル10で保持された被洗浄物200が洗浄工具32による押圧により撓んでしまう等の恐れがあるとして、エラー(NG)と判定する。
【0092】
制御ユニット60は、実施形態1では、制御ユニット160と同様のコンピュータシステムを含む。制御ユニット60の演算処理装置は、制御ユニット60の記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、洗浄装置1を制御するための制御信号を、制御ユニット60の入出力インターフェース装置を介して洗浄装置1の各構成要素に出力する。シミュレーション部70の機能は、実施形態1では、制御ユニット60の演算処理装置が記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより実現される。第1記憶部71、第2記憶部72、第3記憶部73及び画像記憶部79の各機能は、制御ユニット60の記憶装置により実現される。なお、実施形態1では、洗浄装置1における制御ユニット60と、洗浄装置1を除く加工装置100の部分における制御ユニット160とがそれぞれ別々に設けられているが、本発明ではこれに限定されず、共通して一体で設けられてもよい。
【0093】
このような洗浄装置1は、カバー3を降下、保持テーブル10への被洗浄物200の搬入、及び、カバー3の上昇の後、被洗浄物200を保持した保持テーブル10を回転させながら、洗浄液供給ユニット20、洗浄工具ユニット30及び裏面洗浄ユニット40を動作させることにより、保持テーブル10で保持した被洗浄物200を洗浄する。洗浄装置1のシミュレーション部70は、このような洗浄装置1による洗浄処理における、洗浄液供給ユニット20、洗浄工具ユニット30及び裏面洗浄ユニット40の各動作をシミュレーションし、そのシミュレーション結果を、シミュレーション画像やシミュレーション動画、判定結果などにより、出力ユニット50のモニタ51や報知ユニット52に出力する。
【0094】
以上のような構成を有する実施形態1に係る洗浄装置1は、シミュレーション部70と、洗浄液供給ノズル21の移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第1移動データ301を記憶する第1記憶部71とを有するので、シミュレーション部70により、第1移動データ301に基づいて、洗浄液供給ノズル21の動きをシミュレーションできる。また、実施形態1に係る洗浄装置1は、さらに、洗浄工具ノズル31を備えるとともに、洗浄工具ノズル31の移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第2移動データ302を記憶する第2記憶部72を含むので、シミュレーション部70により、第2移動データ302に基づいて、洗浄工具ノズル31の動作をシミュレーションできる。また、実施形態1に係る洗浄装置1は、さらに、保持テーブル10が被洗浄物200の外周を保持する外周保持部11と外周保持部11を回転させるモータ12とを有するとともに、裏面洗浄パッド41の移動開始位置と、移動終了位置と、移動速度と、を含む第3移動データ303を記憶する第3記憶部73を含むので、シミュレーション部70により、第3移動データ303に基づいて、裏面洗浄パッド41の動作をシミュレーションできる。このように、実施形態1に係る洗浄装置1は、シミュレーション部70により、洗浄装置1による洗浄処理において駆動する洗浄液供給ノズル21、洗浄工具ノズル31及び裏面洗浄パッド41の動作をシミュレーションできるので、洗浄装置1による洗浄処理において所望する洗浄動作になっているかを容易に確認出来るという作用効果を奏するものとなる。また、実施形態1に係る洗浄装置1は、洗浄液供給ノズル21、洗浄工具ノズル31及び裏面洗浄パッド41の動作を同時にシミュレーションできるので、洗浄液供給ノズル21、洗浄工具ノズル31及び裏面洗浄パッド41の相対的な位置関係も合わせて容易に確認できる。
【0095】
また、実施形態1に係る洗浄装置1は、シミュレーション部70が、シミュレーションの結果を動画で出力できるので、オペレータが感覚的にシミュレーションの結果を確認できる。実施形態1に係る洗浄装置1は、さらに、シミュレーションの結果を表示するモニタ51を備えるので、オペレータが洗浄装置1の前でシミュレーションを実行してその場でその結果を確認することを可能にする。実施形態1に係る洗浄装置1は、さらに、シミュレーション部70が、洗浄装置1の上面図と、断面図と、斜視図と、の少なくともいずれかによって動画を生成できるので、オペレータがシミュレーションの結果をより視覚的に確認しやすくなる。
【0096】
また、実施形態1に係る洗浄装置1は、洗浄工具ノズル31が保持する洗浄工具32が、スポンジと、ブラシと、洗浄用の研磨砥石と、の少なくともいずれかを含み、それらについてシミュレーションするために必要な情報も合わせて含むので、洗浄工具ノズル31が保持する洗浄工具32を詳細に設定してシミュレーションを実施できる。
【0097】
また、実施形態1に係る洗浄装置1は、被洗浄物200が、環状フレーム206の開口に支持部材205を介して固定されたウエーハであり、外周保持部11が、環状フレーム206を保持するので、環状フレーム206を介して被洗浄物200を保持する場合についても、詳細に設定してシミュレーションを実施できる。
【0098】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る洗浄装置1-2を説明する。図17は、実施形態2に係る洗浄装置1-2の構成例を示す側断面図である。なお、図17は、実施形態2と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0099】
実施形態2に係る洗浄装置1-2は、図17に示すように、実施形態1に係る洗浄装置1において、洗浄液供給ユニット20を2箇所(洗浄液供給ノズル21を2本)設け、洗浄工具ユニット30及び裏面洗浄ユニット40を省略するように変更し、これに伴い、保持テーブル10を保持テーブル10-2に変更する等したものである。なお、2箇所の洗浄液供給ユニット20をそれぞれ区別する場合には、それぞれ、洗浄液供給ユニット20-1,20-2と記す。
【0100】
実施形態2に係る洗浄装置1-2は、実施形態1に係る洗浄装置1において、ケース2及びカバー3に代えて、ケース7-1,7-2が設けられるように変更されている。ケース7-1は、図17に示すように、保持テーブル10-2及び洗浄液供給ユニット20の一部を下方から収容する。ケース7-1は、底面の中央部分に、開口7-3が形成されている。ケース7-2は、ケース7-1の開口7-3を上方から覆うように設けられており、上壁面の中央部分に、開口7-4が形成されている。洗浄液供給ユニット20の洗浄液供給源22及び洗浄液供給ノズル移動ユニット25は、図17に示す実施形態2の例では、ケース7-1に下方に設けられているが、本発明ではこれに限定されず、ケース7-1の上方に設けられてケース7-1内に収容されていてもよい。
【0101】
保持テーブル10-2は、実施形態1の保持テーブル10において、外周保持部11に代えて、保持部11-2を有するように変更したものである。保持部11-2は、実施形態1の外周保持部11において、それぞれ支持機構13、複数の支持部材14及び複数のクランプ機構15に代えて、支持機構13-2、支持部材14-2及びクランプ14-5を有するように変更したものであり、後述するように、支持部材14-2及びクランプ機構15により被洗浄物200を保持する。
【0102】
支持機構13-2は、円柱状に形成され、ケース7-1の開口7-3及びケース7-2の開口7-4を貫通して設けられている。支持機構13-2は、上端側がケース7-1及びケース7-2の上方に突出して支持部材14-2と接続されており、支持部材14-2を下方から支持する。支持機構13-2は、下端側がケース7-1及びケース7-2の下方に突出してモータ12と接続され、モータ12によりケース7-1に対して相対的にZ軸回りに回転自在に設けられている。
【0103】
支持部材14-2は、凹部が形成された円盤状の枠体と、凹部内に嵌め込まれた円盤形状の吸着部と、を備える、いわゆるスピンナテーブルである。支持部材14-2の吸着部は、多数のポーラス孔を備えたポーラスセラミック等から形成されたポーラス部を有し、図示しない真空吸引路を介して図示しない真空吸引源と接続されている。支持部材14-2の吸着部の上面は、被洗浄物200が載置されて、真空吸引源から導入される負圧により、載置された被洗浄物200を吸引保持する保持面である。支持部材14-2の保持面は、被洗浄物200が表面201を上方に向けて載置され、載置された被洗浄物200を裏面204側から支持部材205を介して吸引保持する。支持部材14-2の保持面と枠体の上面とは、同一平面上に配置されており、水平面に平行に形成されている。支持部材14-2は、下方に支持機構13-2を介してモータ12が接続されており、モータ12により支持機構13-2とともに水平面に直交しかつ鉛直方向に平行な軸心回りに回転自在に設けられている。
【0104】
クランプ14-5は、支持部材14-2の枠体の外周部に、支持部材14-2の周方向に沿って等間隔に複数(図17に示す例では2つ)配列されて設けられている。クランプ14-5は、支持部材14-2の回転に伴う遠心力により、支持部材14-2に保持された被洗浄物200に装着された環状フレーム206を保持して固定する。
【0105】
実施形態2に係る洗浄装置1-2は、実施形態1に係る洗浄装置1において、シミュレーション部70が変更されている。具体的には、実施形態2におけるシミュレーション部70は、図17に示すように、第1記憶部71が第1記憶部71-1,71-2の2つに変更され、第2記憶部72及び第3記憶部73が省略されたものである。
【0106】
実施形態2では、第1記憶部71-1,71-2は、それぞれ、洗浄液供給ユニット20-1,20-2についての第1移動データ301を記憶する。シミュレーション部70は、実施形態1において洗浄液供給ユニット20の洗浄液供給ノズル21について第1移動データ301に基づいて第1移動算出データ311を算出したのと同様にして、洗浄液供給ユニット20-1,20-2についての第1移動データ301に基づいて、洗浄液供給ユニット20-1,20-2についての第1移動算出データ311を算出する。そして、シミュレーション部70は、実施形態1と同様にして、洗浄液供給ユニット20-1,20-2のそれぞれの画像を含むシミュレーション画像及びシミュレーション動画を生成する。
【0107】
実施形態2では、シミュレーション部70は、洗浄液供給ユニット20-1,20-2についての第1移動算出データ311に基づいて、シミュレーションの結果を判定してもよい。例えば、シミュレーション部70は、実施形態2では、洗浄液供給ユニット20-1,20-2についての第1移動算出データ311の単位時間毎の洗浄液供給ノズル空間に基づいて、洗浄装置1が洗浄動作を開始してから終了するまでの間における洗浄液供給ユニット20-1,20-2についてのそれぞれの洗浄液供給ノズル21の位置関係をシミュレーションする。シミュレーション部70は、洗浄液供給ユニット20-1,20-2についてのそれぞれの洗浄液供給ノズル21の位置関係をシミュレーションして、例えば、洗浄液供給ユニット20-1,20-2についてのそれぞれの洗浄液供給ノズル21が互いに衝突するか否かを判定し、その判定結果をオペレータに視認可能なように出力ユニット50のモニタ51や報知ユニット52に出力する。
【0108】
以上のような構成を有する実施形態2に係る洗浄装置1-2は、実施形態1に係る洗浄装置1において、洗浄液供給ユニット20を2箇所(洗浄液供給ノズル21を2本)設け、洗浄工具ユニット30及び裏面洗浄ユニット40を省略するように変更したものであるので、実施形態1と同様に、シミュレーション部70により、洗浄液供給ユニット20-1,20-2についての第1移動データ301に基づいて、洗浄液供給ユニット20-1,20-2についてのそれぞれの洗浄液供給ノズル21の動きをシミュレーションできる。このため、実施形態2に係る洗浄装置1-2は、洗浄工具ユニット30及び裏面洗浄ユニット40を備える事によるものを除き、実施形態1と同様の作用効果を奏するものとなる。
【0109】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係る洗浄装置1-3を説明する。図18は、実施形態3に係る洗浄装置1-3の構成例を示す側断面図である。なお、図18は、実施形態3と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0110】
実施形態3に係る洗浄装置1-3は、図18に示すように、実施形態1に係る洗浄装置1において、洗浄工具ユニット30を省略するように変更し、これに伴い、保持テーブル10を保持テーブル10-3に変更する等したものである。実施形態3に係る洗浄装置1-3は、実施形態1に係る洗浄装置1において、ケース2及びカバー3が省略されて、保持テーブル10-3の支持機構13-3がケース2及びカバー3の機能を担う構成となっている。
【0111】
保持テーブル10-3は、実施形態1の保持テーブル10において、外周保持部11に代えて、外周保持部11-3を有するように変更したものである。外周保持部11-3は、実施形態1の外周保持部11において、それぞれ支持機構13及び複数の支持部材14に代えて、支持機構13-3及び支持部材14-3を有するように変更し、複数のクランプ機構15を省略するように変更したものであり、後述するように、支持部材14-3により被洗浄物200の外周(環状フレーム206)を保持する。
【0112】
支持機構13-3は、上方側が、外径が被洗浄物200に装着された環状フレーム206の外径よりも大きい円板状に形成され、下方側が、外径が上方側よりも細い円筒状に形成され、下方側がモータ12と接続され、モータ12により支持機構13-3の中心を回転中心としてZ軸回りに回転自在に設けられている。支持部材14-3は、外径が被洗浄物200に装着された環状フレーム206の外径より少し大きく、内径が被洗浄物200に装着された環状フレーム206の外径より少し小さい円筒状に形成され、支持機構13-3の上方側の外周部の上面から立設しており、支持機構13-3の回転に伴い支持機構13-3の中心を回転中心として回転する。支持部材14-3は、上端部で、被洗浄物200の外周(環状フレーム206)を下方から支持する。
【0113】
実施形態3に係る洗浄装置1-3は、実施形態1に係る洗浄装置1において、シミュレーション部70が変更されている。具体的には、実施形態3におけるシミュレーション部70は、図18に示すように、第2記憶部72が省略されたものである。実施形態3におけるシミュレーション部70は、実施形態1と同様にして、それぞれ第1移動データ301及び第3移動データ303に基づいて、第1移動算出データ311及び第3移動算出データ313を算出し、洗浄液供給ユニット20及び裏面洗浄ユニット40の画像を含むシミュレーション画像及びシミュレーション動画を生成し、洗浄液供給ノズル21と裏面洗浄パッド41との位置関係をシミュレーションする。
【0114】
以上のような構成を有する実施形態3に係る洗浄装置1-3は、実施形態1に係る洗浄装置1において、洗浄工具ユニット30を省略するように変更したものであるので、実施形態1と同様に、シミュレーション部70により、第1移動データ301及び第3移動データ303に基づいて、洗浄液供給ノズル21及び裏面洗浄パッド41の動きをシミュレーションできる。このため、実施形態3に係る洗浄装置1-3は、洗浄工具ユニット30を備える事によるものを除き、実施形態1と同様の作用効果を奏するものとなる。
【0115】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本発明では、洗浄液供給ノズル21、洗浄工具ノズル31及び裏面洗浄パッド41のうち少なくとも1つ備える場合、シミュレーション部70により算出処理や動きのシミュレーション処理を実施できる。また、洗浄液供給ノズル21、洗浄工具ノズル31及び裏面洗浄パッド41のうち少なくとも2つ備える場合、シミュレーション部70により両者の位置関係のシミュレーション処理を実施できる。
【符号の説明】
【0116】
1,1-2,1-3 洗浄装置
10,10-2,10-3 保持テーブル
11,11-3 外周保持部
12 モータ
21 洗浄液供給ノズル
25 洗浄液供給ノズル移動ユニット
29 洗浄液
31 洗浄工具ノズル
32 洗浄工具
35 洗浄工具ノズル移動ユニット
41 裏面洗浄パッド
45 昇降ユニット
51 モニタ
70 シミュレーション部
71,71-1,71-2 第1記憶部
72 第2記憶部
73 第3記憶部
200 被洗浄物
205 支持部材
206 環状フレーム
301 第1移動データ
302 第2移動データ
303 第3移動データ
図1
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図18