(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024120968
(43)【公開日】2024-09-05
(54)【発明の名称】基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024106614
(22)【出願日】2024-07-02
(62)【分割の表示】P 2020118335の分割
【原出願日】2020-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】時松 徹
(72)【発明者】
【氏名】谷 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】村上 孝
(57)【要約】
【課題】基板を搬送する際のスループットを向上させる。
【解決手段】基板が収容される収容容器が載置される載置部と、収容容器から搬出された基板が当該収容容器に戻されるまでの間に一時的に載置されるバッファ部と、載置部に載置された収容容器とバッファ部との間で基板を搬送する第1搬送動作を行う第1搬送機構が設けられた第1搬送領域と、載置部に載置された収容容器とバッファ部との間で基板を搬送する第2搬送動作を行う第2搬送機構が設けられた第2搬送領域と、を有し、第1搬送領域と第2搬送領域とは、第1搬送動作と第2搬送動作とを並行して行えるように、平面視において互いに異なる位置に設けられ、且つ、平面視において、装置幅方向の一部が重なるように設けられ、第1搬送機構及び第2搬送機構はそれぞれ、基板を保持する基板保持部を有し、基板保持部を回転させる動作の開始タイミングは、第1搬送機構と第2搬送機構とが干渉しない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が収容される収容容器が載置される載置部と、
前記収容容器から搬出された基板が当該収容容器に戻されるまでの間に一時的に載置されるバッファ部と、
前記載置部に載置された前記収容容器と前記バッファ部との間で基板を搬送する第1搬送動作を行う第1搬送機構が設けられた第1搬送領域と、
前記載置部に載置された前記収容容器と前記バッファ部との間で基板を搬送する第2搬送動作を行う第2搬送機構が設けられた第2搬送領域と、を有し、
前記第1搬送領域と前記第2搬送領域とは、前記第1搬送動作と前記第2搬送動作とを並行して行えるように、平面視において互いに異なる位置に設けられ、且つ、平面視において、装置幅方向の一部が重なるように設けられ、
前記第1搬送機構及び前記第2搬送機構はそれぞれ、
基板を保持する基板保持部を有し、
前記基板保持部を回転させる動作の開始タイミングは、前記第1搬送機構と前記第2搬送機構とが干渉しないように調整されている、基板搬送装置。
【請求項2】
前記バッファ部は装置幅方向に複数並ぶように設けられる、請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
基板の検査のための第1検査部及び第2検査部、を有し、
前記載置部は、基板が収容される収容容器がそれぞれ載置される第1載置部及び第2載置部と、を含み、
前記第1搬送機構は前記第1載置部に載置された前記収容容器と前記第1検査部との間で基板を搬送し、
前記第2搬送機構は前記第2載置部に載置された前記収容容器と前記第2検査部との間で基板を搬送し、
前記第1載置部と前記第2載置部とは、平面視において互いに重ならない位置に設けられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記第1載置部及び前記第2載置部は、装置幅方向に並ぶように設けられ、
前記第1検査部及び前記第2検査部は、前記第1載置部及び前記第2載置部の奥側で、装置幅方向に並ぶように設けられ、
前記第1搬送領域及び前記第2搬送領域は、前記第1載置部及び前記第2載置部と、前記第1検査部及び前記第2検査部との間で、装置幅方向に並ぶように設けられている、請求項3に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記収容容器は、基板が収納されるスロットを複数有し、
基板が、前記バッファ部に一時的に載置され、搬送前に収納されていたスロットとは異なるスロットに戻されるよう、基板の搬送を制御する制御部をさらに有する、請求項1又は2に記載の基板搬送装置。
【請求項6】
基板の搬送経路を指定する搬送レシピに基づき、基板の搬送を制御する制御部をさらに有し、
当該制御部は、
前記搬送経路における搬送先として、前記第1検査部及び前記第2検査部の両方を含む、前記搬送レシピを取得し、
前記第1検査部及び前記第2検査部のうち、搬送対象の基板の前記収容容器が載置された載置部に関連付けられた検査部を、前記搬送レシピから削除し、
削除後の前記搬送レシピに基づき、基板の搬送を制御する、請求項3又は4に記載の基板搬送装置。
【請求項7】
前記第1検査部及び前記第2検査部はそれぞれ、基板を回転させる回転機構を有し、
基板が所定の向きで前記収容容器に戻されるよう、前記回転機構を制御する制御部をさらに有する、請求項3又は4に記載の基板搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板に所定の処理を施す複数の処理装置を備えた基板処理システムにおける、基板の検査方法が開示されている。この検査方法では、処理装置で処理される前の基板の表面を撮像して第1の基板画像を取得し、第1の基板画像から所定の特徴量を抽出それぞれ異なる範囲の特徴量に対応して設定された複数の検査レシピが記憶された記憶部から、第1の基板画像から抽出された前記特徴量に対応する検査レシピを選択する。そして、この検査方法では、処理装置で処理された後の基板の表面を撮像して第2の基板画像を取得し、選択された検査レシピと前記第2の基板画像に基づいて、基板の欠陥の有無を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、基板を搬送する際のスループットを向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、基板が収容される収容容器が載置される載置部と、前記収容容器から搬出された基板が当該収容容器に戻されるまでの間に一時的に載置されるバッファ部と、前記載置部に載置された前記収容容器と前記バッファ部との間で基板を搬送する第1搬送動作を行う第1搬送機構が設けられた第1搬送領域と、前記載置部に載置された前記収容容器と前記バッファ部との間で基板を搬送する第2搬送動作を行う第2搬送機構が設けられた第2搬送領域と、を有し、前記第1搬送領域と前記第2搬送領域とは、前記第1搬送動作と前記第2搬送動作とを並行して行えるように、平面視において互いに異なる位置に設けられ、且つ、平面視において、装置幅方向の一部が重なるように設けられ、前記第1搬送機構及び前記第2搬送機構はそれぞれ、基板を保持する基板保持部を有し、前記基板保持部を回転させる動作の開始タイミングは、前記第1搬送機構と前記第2搬送機構とが干渉しないように調整されている、基板搬送装置。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板を搬送する際のスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態にかかる検査装置の構成の概略を示す平面図である。
【
図2】本実施形態にかかる検査倉庫の構成の概略を示す側面図である。
【
図3】本実施形態にかかる検査装置の構成の概略を示す背面図である。
【
図4】第1検査部の構成の概略を示す横断面図である。
【
図5】第1検査部の構成の概略を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
半導体デバイス等の製造工程では、例えば、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、レジスト膜を露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理等が順次行われ、ウェハ上にレジストパターンが形成される。上述のレジスト塗布処理や現像処理は、これらの処理を行う処理装置やウェハを搬送する搬送機構等を備えた塗布現像システムで行われる。
【0009】
また、上述のようにレジストパターンを形成する際に、各種処理後または各種処理前のウェハに対して検査が行われることがある。この検査では、例えば、レジストパターンが適切に形成されているか否かや、ウェハへ異物の付着があるか否か等が検査される。このような検査は、例えば、検査対象のウェハの表面を撮像した撮像画像が用いられる。
【0010】
従来、検査のための撮像を行う撮像ユニットを有する検査部は、塗布現像システムに設けられている(特許文献1参照)が、近年、この検査部を、レジスト塗布処理や現像処理を行わず基本的に検査のみを行う単体の装置に搭載し、単体の検査装置として構成することが考えられている。しかし、現在考えられている、単体の検査装置は、スループットの点で改善の余地がある。
【0011】
そこで、本開示にかかる技術は、基板を検査する検査装置におけるスループットを向上させる。
【0012】
以下、本実施形態にかかる検査装置及び基板搬送方法を、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
図1~
図3はそれぞれ、本実施形態にかかる検査装置1の構成の概略を示す平面図、側面図及び背面図である。
【0014】
検査装置1は、基板としてのウェハWを検査する装置である。
検査装置1は、
図1に示すように、カセットCが搬入出されるカセットブロック2と、検査のための撮像を行う撮像ユニットを有する検査部が設けられた検査ブロック3と、を有する。また、検査装置1は、当該検査装置1の制御を行う制御部4を有する。
【0015】
カセットブロック2は、例えばカセット搬入出部10とウェハ搬送部11と、を有し、これらに分かれている。例えばカセット搬入出部10は、検査装置1の装置奥行き方向手前側(
図1のY方向負方向側)に設けられている。
【0016】
カセット搬入出部10には、カセット載置台12が設けられている。カセット載置台12の装置幅方向一方側(X方向正側)には、例えば、第1載置部としてのカセット載置板13
1、13
2が設けられ、装置幅方向他方側(
図1のX方向負側)には、第2載置部としてのカセット載置板13
3、13
4が設けられている。カセット載置板13
1、13
2、13
3、13
4は、平面視において互いに重ならない位置に設けられ、具体的には、同一平面内において、載置幅方向一方側(
図1のX方向正側)からこの順で装置幅方向に並ぶように、等間隔で設けられている。なお、以下では、カセット載置板13
1、13
2、13
3、13
4をまとめてカセット載置板13と記載する場合がある。
【0017】
カセット載置板13には、収容容器としてのカセットCが載置される。カセットCは、ウェハを複数枚収容可能且つ検査装置1の外部に設けられたOHT(Overhead Hoist
Transfer)等のカセット搬送装置(図示せず)により搬送可能、に構成された可搬容器である。カセットCには、ウェハWが収納されるスロット(図示せず)が複数設けられている。
【0018】
ウェハ搬送部11には、第1搬送機構としてのウェハ搬送機構141と第2搬送機構としてのウェハ搬送機構142が設けられている。検査装置1において、ウェハ搬送機構141によるウェハWの搬送と、ウェハ搬送機構142によるウェハWの搬送は並行して行われる。以下では、ウェハ搬送機構141、142をまとめてウェハ搬送機構14と記載する場合がある。ウェハ搬送部11の詳細については後述する。
【0019】
検査ブロック3は、カセットブロック2の奥側(
図1のY方向正側)において、カセットブロック2と隣接するように設けられ、具体的には、カセットブロック2のウェハ搬送部11と隣接するように設けられている。
検査ブロック3には、ウェハWの検査のためにウェハWを撮像する撮像ユニットをそれぞれ有する第1検査部20
1及び第2検査部20
2が設けられている。第1検査部20
1と第2検査部20
2とは、平面視において互いに重ならない位置に設けられ、具体的には、同一平面内において、装置幅方向(
図1のX方向)に並ぶように設けられている。
【0020】
第1検査部201は、カセット載置板131、132上のカセットCに収容されていたウェハWの検査に用いられるものであり、カセット載置板131、132と対向する位置に設けられている。第2検査部202は、カセット載置板133、134上のカセットCに収容されていたウェハWの検査に用いられるものであり、カセット載置板133、134と対向する位置に設けられている。なお、以下では、第1検査部201及び第2検査部202をまとめて検査部20と記載する場合がある。
【0021】
検査部20が占める領域は、平面視長方形状である。検査部20は、当該検査部20が占める領域の長軸方向と装置幅方向(
図1のX方向)とが平行になるように、設けられている。また、検査部20は、カセット載置板13に載置されたカセットCと略同じ高さ位置に設けられている。
【0022】
なお、装置幅方向(
図1のX方向)にかかる、第1検査部20
1と第2検査部20
2との間には、作業者が入り込めるような空間が設けられている。
【0023】
さらに、検査ブロック3には、
図2及び
図3に示すように、バッファ部21が設けられている。バッファ部21は、カセット載置板13上のカセットCから搬出されたウェハWが検査部20を経てカセットCに戻されるまでの間に一時的に載置されるものである。
バッファ部21は、例えば、カセット載置板13と同数設けられている。また、バッファ部21は、例えば、検査部20の上方において、装置幅方向(
図3のX方向)に並ぶように設けられている。
【0024】
制御部4は、例えばCPUやメモリ等を備えたコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、上述のウェハ搬送機構14等の駆動系の動作を制御して、検査装置1によるウェハWの検査処理を制御するプログラム等が格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部4にインストールされたものであってもよい。プログラムの一部または全ては専用ハードウェア(回路基板)で実現してもよい。
【0025】
続いて、ウェハ搬送部11について説明する。
ウェハ搬送部11は、
図1に示すように、ウェハ搬送機構14
1が設けられた第1搬送領域R1と、ウェハ搬送機構14
2が設けられた第2搬送領域R2とを有する。第1搬送領域R1内のウェハ搬送機構14
1は、カセット載置板13
1、13
2に載置されたカセットCと第1検査部20
1との間でウェハWを搬送する第1搬送動作を行う。第2搬送領域R2内のウェハ搬送機構14
2は、カセット載置板13
3、13
4に載置されたカセットCと第2検査部20
2との間でウェハWを搬送する第2搬送動作を行う。
【0026】
ウェハ搬送機構14は、例えば、ガイドフレーム14aと、レール部材14bと、移動体14cと、回動体14dと、基板保持部としての搬送アーム14eと、を有する。
ガイドフレーム14aは、レール部材14bを鉛直方向にガイドする。レール部材14bは、装置幅方向(
図1のX方向)に沿って延伸するように設けられ、ガイドフレーム11aに沿って昇降する。移動体14cは、レール部材14bに沿って、すなわち、装置幅方向(
図1のX方向)に沿って移動する。回動体14dは、移動体14c上で回動する。搬送アーム14eは、ウェハWを保持するものであり、伸縮自在に構成された部材(図示せず)を介して回動体14d上に設けられている。上述のような構成により、搬送アーム14eは、幅方向(
図1のX方向)、奥行き方向(
図1のY方向)、θ方向及び鉛直方向に移動自在となっている。
【0027】
第1搬送領域R1と第2搬送領域R2とは、ウェハ搬送機構141による第1搬送動作とウェハ搬送機構142による第2搬送動作とを並行して行えるように、平面視において互いに異なる位置に設けられている。第1搬送動作と第2搬送動作とを並行して行える、平面視において互いに異なる位置とは、平面視において第1搬送領域R1と第2搬送領域R2とが全く重ならない位置である。また、上述の、第1搬送動作と第2搬送動作とを並行して行える、平面視において互いに異なる位置は、以下の位置であってもよい。すなわち、例えば、第1搬送動作また第2搬送動作における、搬送アーム14eの動作を調整することで、搬送アーム14e同士の干渉が回避できる程度に、平面視において、第1搬送領域R1と第2搬送領域R2とが互いに一部重なる位置であってもよい。本実施形態では、このように、第1搬送領域R1と第2搬送領域R2とが平面視において互いに一部重なる位置に設けられているものとする。なお、第1搬送領域R1は、ウェハ搬送機構141のガイドフレーム14a等の非可動部が位置する領域とウェハ搬送機構141の搬送アーム14e等の可動部及びウェハ搬送機構141の搬送アーム14eに保持されたウェハWが通過しうる領域とからなる。また、第2搬送領域R2はウェハ搬送機構142の非可動部が位置する領域とウェハ搬送機構142の可動部及びウェハ搬送機構142の搬送アーム14eが通過しうる領域とからなる。
【0028】
第1搬送領域R1及び第2搬送領域R2は、カセット載置板131、132、133、134と、第1検査部201及び第2検査部202との間で、装置幅方向(図のX方向)に並ぶように設けられている。第1搬送領域R1は、カセット載置板131、132と第1検査部201との間に設けられ、第2搬送領域R2は、カセット載置板133、134と第2検査部202との間に設けられている。そして、本実施形態では、平面視において、第1搬送領域R1の装置幅方向他方側(図のX方向負側)の一部と、第2搬送領域R2の装置幅方向一方側(図のX方向正側)の一部とが重なっている。
【0029】
また、第1搬送領域R1及び第2搬送領域R2は、平面視長方形状であり、その長軸方向と装置幅方向(
図1のX方向)とが平行となっている。
【0030】
なお、上述のように構成される検査装置1は、言い換えると、カセット載置板13とウェハ搬送機構14と検査部20との組み合わせを水平方向に並べたものである。
【0031】
次に、上述した第1検査部20
1の構成について説明する。
図4及び
図5はそれぞれ第1検査部20
1の構成の概略を示す横断面図及び縦断面図である。
第1検査部20
1は、
図4に示すようにケーシング100を有している。ケーシング100の手前側(
図4のY方向負側)の側壁における装置幅方向他方側(
図4のX方向負側)には、当該ケーシング100に対するウェハWの搬入出を行うための搬入出口100aが形成されている。搬入出口100aは、カセット載置板13
2に比べて第2搬送領域R2から遠い位置に設けられている。したがって、カセット載置板13
2上のカセットCと第1検査部20
1との間でウェハWを搬送する際に、搬送アーム14eを第2搬送領域R2に向けて移動させる必要がないため、第1検査部20
1と第2検査部20
2との間での搬送アーム14e同士の干渉を防ぐことができる。
【0032】
また、ケーシング100内には、
図5に示すように、ウェハWを保持するウェハチャック101が設けられている。
ケーシング100の底面には、ケーシング100内の一端側(
図4中のX方向負方向側)から他端側(
図4中のX方向正方向側)まで延伸するガイドレール102が設けられている。ガイドレール102上には、ウェハチャック101を回転させると共に、ガイドレール102に沿って移動自在な駆動部103が設けられている。駆動部103は、本開示に係る技術の「回転機構」に該当する。この構成により、ウェハチャック101に保持されているウェハWは移動可能である。
【0033】
さらに、ケーシング100内には、撮像ユニット110が設けられている。
【0034】
撮像ユニット110は、カメラ111と、照明モジュール112とを有する。
カメラ111は、ケーシング100内の上記他端側(
図4中のX方向正方向側)における上方に設けられており、レンズ(図示せず)とCMOSイメージセンサ等の撮像素子(図示せず)を有する。
照明モジュール112は、ケーシング100内の中央上方に設けられており、ハーフミラー113と光源114を有する。ハーフミラー113は、カメラ111と対向する位置に、鏡面が鉛直下方を向いた状態からカメラ111の方向に向けて45度上方に傾斜した状態で設けられている。光源114は、ハーフミラー113の上方に設けられている。光源114からの照明は、ハーフミラー113を通過して下方に向けて照らされる。また、ハーフミラー113を通過した光は、ハーフミラー113の下方にある物体によって反射され、ハーフミラー113でさらに反射して、カメラ111に取り込まれる。すなわち、カメラ111は、光源114による照射領域にある物体を撮像することができる。したがって、ウェハWを保持するウェハチャック101がガイドレール102に沿って移動する際に、カメラ111は、光源114の照射領域を通過するウェハWの表面全体を撮像できる。そして、カメラ111で撮像された画像のデータは、制御部4に入力される。
【0035】
なお、第2検査部202の構成は、上述の第1検査部201の構成と基本的に同様であり、第2検査部202の各要素は、第1検査部201における同一の要素と、装置幅方向の中心軸線に対して線対象の位置に配置されている。したがって、第2検査部202の搬入出口100aは、ケーシング100の手前側(図のY方向負側)の側壁における装置幅方向一方側(図のX方向正側)には、当該ケーシング100に対するウェハWの搬入出を行うための搬入出口100aが形成されている。
【0036】
次に、以上のように構成された検査装置1で行われるウェハWに関する処理について説明する。
【0037】
(1.搬送経路決定)
まず、カセットCがカセット載置板13に載置された際等に、制御部4が、当該カセットC内のウェハW毎に搬送経路を決定する。搬送経路の決定の際、制御部4は、基板の搬送経路を指定する搬送レシピとして、以下の搬送レシピを取得する、すなわち、制御部4は、ウェハWの搬送経路中の検査部として、第1検査部201と第2検査部202の両方を含む、搬送レシピを取得する。具体的には、1つの検査部のみ通過するウェハWの搬送経路における、検査部の情報が、「第1検査部201or第2検査部202」である、搬送レシピを取得する。
【0038】
次いで、制御部4は、第1検査部201と第2検査部202とのうち、搬送対象のウェハWすなわち搬送経路決定対象のウェハWのカセットCが載置されたカセット載置板13に関連付けられた、検査部20を、搬送レシピから削除する。例えば、第1載置部としてのカセット載置板131にカセットCが載置された場合、制御部4は、このカセットC内のウェハWに対し第1検査部201で検査用の撮像が行われるよう、カセット載置板131に関連付けられた第2検査部202を、搬送レシピから削除する。これにより、ウェハWの搬送経路が決定される。カセットCが載置されたカセット載置板13と、削除すべき検査部20とを関連付ける情報は予め記憶部(図示せず)に記憶されている。なお、搬送対象のウェハWが収容されたカセットをいずれのカセット載置部L3に載置するかの情報は、制御部4や外部の制御装置(例えばホストコンピュータ)等によって決定され、記憶部(図示せず)に記憶される。
【0039】
そして、制御部4が、決定された搬送経路すなわち削除後の搬送レシピに基づき制御を行うことで、以下のようにウェハWの搬送が行われる。
【0040】
(2.検査部20への搬送)
ウェハWの搬送経路が決定されると、その搬送経路の情報に基づいて、ウェハWは、当該ウェハWのカセットCが載置されたカセット載置板13に対応する検査部20へ、搬送される。例えば、カセット載置板131またはカセット載置板132に載置されたカセットC内のウェハWは、カセット載置板131またはカセット載置板132に対応する第1検査部201へ、ウェハ搬送機構141により搬送される。カセット載置板133またはカセット載置板134に載置されたカセットC内のウェハWは、カセット載置板133またはカセット載置板134に対応する第2検査部202へ、ウェハ搬送機構142により搬送される。
【0041】
(3.検査)
ウェハWが検査部20へ搬送されると、制御部4の制御の下、撮像ユニット110によりウェハWの表面の撮像が行われる。そして、制御部4が、撮像ユニット110による撮像結果に基づいて、ウェハWの検査を行う。
【0042】
(4.検査部20からの搬出)
撮像ユニット110により撮像が終了すると、前述の搬送経路の情報に基づいて、ウェハWは、元のカセットCに戻される。例えば、第1検査部201で検査が行われたウェハWは、カセット載置板131またはカセット載置板132に載置された元のカセットCに、ウェハ搬送機構141により搬送される。また、第2検査部202で検査が行われたウェハWは、カセット載置板133またはカセット載置板134に載置された元のカセットCに、ウェハ搬送機構142により搬送される。
【0043】
上記2.検査部20への搬送の際、及び、上記4.検査部20からの搬出の際、ウェハ搬送機構14の搬送アーム14eの回転、具体的には、回動体14dの回動が行われる。そして、前述のように、平面視において、第1搬送領域R1の装置幅方向他方側(図のX方向負側)の一部と、第2搬送領域R2の装置幅方向一方側(図のX方向正側)の一部とが重なっている。そのため、カセット載置板132に載置されたカセットCに対する搬送動作に含まれるウェハ搬送機構141の回動体14dの回動動作と、カセット載置板133に載置されたカセットCに対する搬送動作に含まれるウェハ搬送機構142の回動体14dの回動動作とにより、回動体14d同士が干渉するおそれがある。
【0044】
これを避けるため、上記2.検査部20への搬送の際、及び、上記4.検査部20からの搬出の際、回動体14dの回動動作の開始タイミングを調整する。
具体的には、カセット載置板132に載置されたカセットCから第1検査部201への搬送の際は、カセットCからウェハWを受け取ったウェハ搬送機構141の移動体14cが装置幅方向一方側(図のX方向正側)へ所定の距離移動した後、ウェハ搬送機構141の回動体14dの回動が開始される。カセット載置板133に載置されたカセットCから第2検査部202への搬送の際は、カセットCからウェハWを受け取ったウェハ搬送機構142の移動体14cが装置幅方向他方側(図のX方向負側)へ所定の距離移動した後、ウェハ搬送機構142の回動体14dの回動が開始される。回動体14dの回動が開始されるまでの、移動体14cの装置幅方向(図のX方向)への移動量は、当該移動後の回動体14dの回動時に回動体14d同士の干渉が生じない量である。
【0045】
また、第1検査部201からカセット載置板132に載置されたカセットCへの搬出の際は、第1検査部201からウェハWを受け取ったウェハ搬送機構141の回動体14dを所定の角度回動させた後、ウェハ搬送機構141の移動体14cの装置幅方向他方側(図のX方向負側)への移動が開始される。第2検査部202からカセット載置板133に載置されたカセットCへの搬出の際は、第2検査部202からウェハWを受け取ったウェハ搬送機構14sの回動体14dを所定の角度回動させた後、ウェハ搬送機構142の移動体14cの装置幅方向一方側(図のX方向正側)への移動が開始される。移動体14cの移動が開始されるまでの、回動体14dの回動量は、当該回動後の移動体14cの移動時に回動体14d同士の干渉が生じない量であり、例えば120°である。
【0046】
以上のように本実施形態では、検査装置1が、カセットCがそれぞれ載置されるカセット載置板131~134と、ウェハWを撮像する撮像ユニット110をそれぞれ有する第1検査部201及び第2検査部202と、を有する。また、検査装置1は、カセット載置板131、132に載置されたカセットCと第1検査部201との間でウェハWを搬送する第1搬送動作を行うウェハ搬送機構141が設けられた第1搬送領域R1と、カセット載置板133、134に載置されたカセットCと第2検査部202との間でウェハWを搬送する第2搬送動作を行うウェハ搬送機構142が設けられた第2搬送領域R2と、を有する。そして、カセット載置板131、132とカセット載置板133、134とは、平面視において互いに重ならない位置に設けられる。さらに、検査装置1では、第1搬送領域R1と第2搬送領域R2とは、上記第1搬送動作と上記第2搬送動作とを並行して行えるように、平面視において互いに異なる位置に設けられている。したがって、ウェハ搬送機構141による搬送動作と、ウェハ搬送機構142による搬送動作と並行して行うことができるため、スループットを向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態では、第1搬送領域R1と第2搬送領域R2とが、平面視において互いに一部重なっている。したがって、検査装置1のフットプリントを抑えることができる。
【0048】
さらに、本実施形態にかかる検査装置1は、カセット載置板13とウェハ搬送機構14と検査部20との組み合わせを水平方向に並べたものである。このように上記組み合わせを水平方向に並べた構成は、上記組み合わせを鉛直方向に並べる構成に比べて、以下の効果がある。上記組み合わせを鉛直方向に並べる場合、上段に位置する検査部20のメンテナンス作業性が劣ってしまう。それに対し、上記組み合わせを水平方向に並べる場合、いずれの検査部20もメンテナンス作業性が劣ることがない。
【0049】
また、本実施形態とは異なり、カセット載置板13を水平方向に並べ検査部20を鉛直方向に並べる構成も考えられるが、この構成に比べ、本実施形態にかかる、カセット載置板13及び検査部20の両方を水平方向に並べる構成は、例えば以下の効果(1)、(2)がある。
【0050】
(1)カセット載置板13を水平方向に並べ検査部20を鉛直方向に並べる構成の場合、一方の検査部20に対するウェハ搬送機構14を低層構造、他方の検査部20に対するウェハ搬送機構14を高層構造にせねばならず、設計が複雑になる。それに対し、本実施形態のようにカセット載置板13及び検査部20の両方を水平方向に並べる構成では、ウェハ搬送機構14にかかる設計が上述のように複雑化することがない。
(2)カセット載置板13を水平方向に並べ検査部20を鉛直方向に並べる構成の場合、一方の検査部20に対するウェハ搬送機構14と、他方の検査部20に対するウェハ搬送機構14とで、搬送アーム14eの移動距離に差が生じてしまい、ウェハ搬送の制御が複雑になる。それに対し、本実施形態のようにカセット載置板13及び検査部20の両方を水平方向に並べる構成では、ウェハ搬送機構14間で搬送アーム14eの移動距離に差が生じないため、ウェハ搬送の制御が複雑になることもない。
【0051】
本実施形態では、カセット搬入出部10が、平面視において、装置幅方向(
図1のX方向)に長い長方形状である。また、検査部20が、当該検査部20が占める、平面視長方形状の領域の長軸方向と装置幅方向(
図1のX方向)とが平行になるように、設けられ、さらに、第1搬送領域R1及び第2搬送領域R2は、平面視長方形状であり、その長軸方向と装置幅方向(
図1のX方向)とが平行となっている。したがって、本実施形態によれば、検査装置の奥行き方向(図のY方向)の大きさを抑えることができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、装置幅方向(
図1のX方向)にかかる、第1検査部20
1と第2検査部20
2との間には、作業者が入り込めるような空間が設けられている。作業者は、メンテナンス等のために上記空間に入り込むことで、第1検査部20
1に対する装置幅方向他方側(
図1のX方向負側)からの作業や、第2検査部20
2に対する装置幅方一方側(
図1のX方向正側)からの作業、ウェハ搬送部11に対する奥側(図のY方向正側)からの作業を行うことができる。
【0053】
また、本実施形態では、バッファ部21を有する。制御部4が、このバッファ部21を用いて以下のようにウェハWの搬送を制御するようにしてもよい。すなわち、ウェハWが、バッファ部21に一時的に載置され、搬送前に収納されていたスロットとは異なるスロットに戻されるよう、制御部4が、ウェハWの搬送を制御するようにしてもよい。これにより、製品不良が発生した工程の特定を容易にすることができる。
【0054】
なお、検査部20には、ウェハWの向きの基準となるノッチを検知する検知部(図示せず)を設けてもよい。検知部は、例えばウェハWの周縁部の表面側と対向する位置に設けられたLED(Light Emitting Diode)等から成る発光部と、該発光部及びウェハWの周縁部の裏面側と対向する位置に設けられたPD(Photodiode)などから成る受光部と、を有する。そして、検知部は、上記受光部に入射する光量の変化に基づいてウェハWのノッチを検出する。なお、ノッチの検出は、撮像ユニット110での撮像結果に基づいて行ってもよい。そして、制御部4は、上記検知部でのノッチ検知結果に基づいて、検査部20の駆動部103を制御することでウェハWの向きを調整する処理(ウェハ向き調整処理)を行うことができる。ウェハ向き調整処理により、例えば、ウェハWを所定の向きでカセットCに戻すことがきる。また、ウェハ向き調整処理により、カセットC内のウェハWを全て同じ向きにしたり、複数枚毎に、ウェハWの向きを互いに異ならせたりすることができる。
【0055】
なお、検査装置1は、当該検査装置1の外部に設けられたOHT等のカセット搬送装置とカセット載置板13との間でカセットCの受け渡しを行うカセット受け渡し部(図示せず)を有していてもよい。カセット受け渡し部は、例えば、カセット搬送装置から受け渡されたカセットCまたはカセット搬送装置に受け渡すカセットCが載置される待機部と、待機部とカセット載置板13との間でカセットCを搬送する内部搬送機構とを有する。
【0056】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
131 カセット載置板
132 カセット載置板
133 カセット載置板
134 カセット載置板
201 第1検査部
202 第2検査部
110 撮像ユニット
C カセット
R1 第1搬送領域
R2 第2搬送領域
W ウェハ