(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121374
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】バスバー保持構造、バスバー保持部材、バスバー及び電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/507 20210101AFI20240830BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240830BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20240830BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20240830BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/209
H01M50/503
H01M50/298
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023028443
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】藤原 遼祐
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA14
5H040AT02
5H040AY06
5H040DD03
5H040NN01
5H043AA17
5H043CA04
5H043FA04
5H043HA03F
5H043HA09F
5H043JA01
5H043JA02F
5H043JA09
5H043KA42F
5H043LA02F
(57)【要約】
【課題】バスバー保持部材に保持されるバスバーに接続される被覆電線の負荷を軽減できるバスバー保持構造、バスバー保持部材、バスバー及び電池モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】バスバー保持構造7は、被覆電線40の先端部分と接続された導体接続部34を有する二股バスバー30及び単一バスバー30sをバスバー保持部材5で保持しており、バスバー保持部材5は、被覆電線40を載置する平板の載置体本体51及び載置体本体61とを有し、導体接続部34は、被覆電線40の並列方向Lに沿った露出導体41Xを複数の箇所で電気的に接続できるように、並列方向Lと交差する幅方向Wに延出され、載置体本体51及び載置体本体61の主面に、二股バスバー30及び単一バスバー30sにおける少なくとも導体接続部34を幅方向Wに沿って配置するバスバー配置部53及び単一バスバー配置部63が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線の先端部分の前記絶縁被覆を剥いで露出させた露出導体と接続された導体接続部を有するバスバーをバスバー保持部材で保持したバスバー保持構造であって、
前記バスバー保持部材は、
前記被覆電線を載置する平板の載置体とを有し、
前記導体接続部は、
前記被覆電線の長手方向に沿った前記露出導体を複数の箇所で電気的に接続できるように、前記長手方向と交差する交差方向に延出され、
前記載置体の主面に、前記バスバーにおける少なくとも前記導体接続部を前記交差方向に沿って配置するバスバー配置部が設けられた
バスバー保持構造。
【請求項2】
前記バスバー配置部は、前記載置体の主面の内、前記被覆電線が載置される表面と反対側の主面である裏面に設けられ、
前記載置体における前記バスバー配置部の前記長手方向の一方側に、前記被覆電線を板厚方向に挿通させる挿通孔が設けられ、
前記挿通孔を挿通する前記被覆電線が、前記表面に沿って前記一方側に配索された
請求項1に記載のバスバー保持構造。
【請求項3】
前記挿通孔は、
前記裏面から前記表面に向かうに伴い、前記一方側に向けて傾斜する
請求項2に記載のバスバー保持構造。
【請求項4】
前記挿通孔は、前記長手方向に沿って他方側に向かうに伴い、前記交差方向に先細りする
請求項2に記載のバスバー保持構造。
【請求項5】
前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側の外部と前記挿通孔とを連通する連通口を有する
請求項2に記載のバスバー保持構造。
【請求項6】
前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側の外部と前記挿通孔とを連通する連通口を有し、
前記連通口は、前記長手方向及び前記交差方向に直交する方向に沿って貫通する
請求項3に記載のバスバー保持構造。
【請求項7】
前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側をバスバー配置側とし、前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側と反対側を電線配索側とし、
前記表面における前記挿通孔の前記電線配索側に、前記挿通孔を挿通した前記被覆電線の前記交差方向の位置を規制する電線規制部が設けられた
請求項2に記載のバスバー保持構造。
【請求項8】
前記電線規制部は、
他方側に配置された前記挿通孔から前記一方側に向けて配索される前記被覆電線を、前記挿通孔よりも前記電線配索側に案内する規制案内部が設けられた
請求項7に記載のバスバー保持構造。
【請求項9】
前記バスバー配置部は、前記長手方向に沿って複数設けられ、
複数の前記挿通孔は、前記一方側に向かうに伴い、前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側に段階的に設けられた
請求項2に記載のバスバー保持構造。
【請求項10】
複数の前記バスバー配置部における所定の前記バスバー配置部よりも前記一方側において、前記交差方向に沿った前記被覆電線の位置を規制する位置規制部が設けられた
請求項9に記載のバスバー保持構造。
【請求項11】
前記バスバー保持部材は、
前記載置体に組み付けて前記被覆電線を収容する収容空間を形成するカバーと、
前記載置体と前記カバーとの組み付け状態を維持する組付維持部とが備えられ、
前記載置体には、
前記長手方向に沿って複数の前記バスバー配置部が設けられるとともに、
前記バスバー配置部の間、前記長手方向に沿って伸縮する伸縮機構とが備えられ、
前記組付維持部は、前記載置体と前記カバーとを組み付けた前記組み付け状態において、前記カバーに対して前記載置体が前記長手方向に沿って相対移動する
請求項1に記載のバスバー保持構造。
【請求項12】
前記伸縮機構は、
前記長手方向に沿った波形状で構成された
請求項11に記載のバスバー保持構造。
【請求項13】
前記カバーは、前記載置体と対向する対向部と、前記対向部から前記載置体に向けて延出する一対の側壁部とを有する断面凹状で構成され、
前記カバーに対して前記載置体が前記長手方向に沿って相対移動できるように、前記載置体と前記側壁部とを係止する係止部が備えられた
請求項11又は請求項12に記載のバスバー保持構造。
【請求項14】
前記係止部は、
前記交差方向に向けて突出する係止突片と、
前記係止突片を前記交差方向に向けて挿通する係止孔とで構成され、
前記長手方向に沿った前記係止孔の長さが、前記長手方向に沿った前記係止突片の長さよりも長い
請求項13に記載のバスバー保持構造。
【請求項15】
前記係止孔において、内側に向けて突出する突出片が設けられ、
前記突出片は、弾性変形可能に構成された
請求項14に記載のバスバー保持構造。
【請求項16】
前記バスバー配置部の配置された側の前記側壁部を、第一側壁部とするとともに、前記バスバー配置部の配置された側と反対側の前記側壁部を、第二側壁部とし、
前記第一側壁部が、前記対向部に対して枢動自在に構成され、
前記係止部は、
前記載置体における前記バスバー配置部の配置された側と前記第一側壁部とを係止する第一係止部と、
前記載置体における前記反対側と前記第二側壁部とを係止する第二係止部とで構成された
請求項14に記載のバスバー保持構造。
【請求項17】
前記伸縮機構は、複数の前記バスバー配置部におけるそれぞれの間に備えられ、
前記第一係止部は、複数設けられた前記バスバー配置部のそれぞれの間に配置された
請求項16に記載のバスバー保持構造。
【請求項18】
導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線の先端部分の前記絶縁被覆を剥いで露出させた露出導体と接続される導体接続部を有するバスバーを保持するバスバー保持部材であって、
前記被覆電線を載置する平板の載置体とを有し、
前記載置体の主面に、
前記被覆電線の長手方向に沿った前記露出導体を複数の箇所で電気的に接続できるように、前記長手方向と交差する交差方向に延出された前記導体接続部を配置するバスバー配置部が設けられた
バスバー保持部材。
【請求項19】
バスバー保持部材に保持されるバスバーであって、
導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線の先端部分の前記絶縁被覆を剥いで露出させた露出導体を接続する導体接続部を有し、
前記導体接続部は、
前記被覆電線の長手方向に沿った前記露出導体を複数の箇所で電気的に接続できるように、前記長手方向と交差する交差方向に延出され、
前記バスバー保持部材において前記被覆電線を載置する平板状の載置体の主面に設けられたバスバー配置部に、前記交差方向に沿って配置される
バスバー。
【請求項20】
並列配置された複数の電池と、
前記電池と電気的に接続される、導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線と、
前記被覆電線の先端部分の前記絶縁被覆を剥いで露出させた露出導体が接続された導体接続部を有するバスバーと、
前記バスバーを保持するバスバー保持部材とで構成され、
前記導体接続部は、
前記被覆電線の長手方向に沿った前記露出導体を複数の箇所で電気的に接続できるように、前記長手方向と交差する交差方向に延出され、
前記バスバー保持部材は、
前記被覆電線を載置する平板の載置体とを有し、
前記載置体の主面に、前記バスバーにおける少なくとも前記導体接続部を前記交差方向に沿って配置するバスバー配置部が設けられた
電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、電線と電気的に接続されるバスバーをバスバー保持部材で保持したバスバー保持構造、バスバー保持部材、バスバー及び電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気車両やハイブリッド車両に搭載される電池モジュールは、並列配置された複数の電池と、被覆電線の一端に接続されたバスバーとが接続されており、バスバーを介して被覆電線に接続された電子機器類に電力を供給することができる。このような電池モジュールの一例として、バスバーを収容可能に構成されたバスバー配置部と、バスバーに接続された被覆電線を収容する電線収容部とを備えたバスバー保持部材を有する電池モジュールが特許文献1に開示されている。
【0003】
この電池モジュールでは、電線収容部の収容された被覆電線(幹線)の長手方向と直交する方向にバスバー配置部が設けられ、電線収容部に収容された被覆電線(幹線)から分岐された枝線の先端部分に接続されたバスバーをバスバー配置部に配置することで、バスバーを所定の位置で保持できるとされている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された電池モジュールでは、枝線が電線収容部と直交する方向に導出されていることから、枝線が幹線に対して急な角度で湾曲している。このため、被覆電線に負荷がかかるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、バスバー保持部材に保持されるバスバーに接続される被覆電線の負荷を軽減できるバスバー保持構造、バスバー保持部材、バスバー及び電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線の先端部分の前記絶縁被覆を剥いで露出させた露出導体と接続された導体接続部を有するバスバーをバスバー保持部材で保持したバスバー保持構造であって、前記バスバー保持部材は、前記被覆電線を載置する平板の載置体とを有し、前記導体接続部は、前記被覆電線の長手方向に沿った前記露出導体を複数の箇所で電気的に接続できるように、前記長手方向と交差する交差方向に延出され、前記載置体の主面に、前記バスバーにおける少なくとも前記導体接続部を前記交差方向に沿って配置するバスバー配置部が設けられたことを特徴とする。
【0008】
またこの発明は、導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線の先端部分の前記絶縁被覆を剥いで露出させた露出導体と接続される導体接続部を有するバスバーを保持するバスバー保持部材であって、前記被覆電線を載置する平板の載置体とを有し、前記載置体の主面に、前記被覆電線の長手方向に沿った前記露出導体を複数の箇所で電気的に接続できるように、前記長手方向と交差する交差方向に延出された前記導体接続部を配置するバスバー配置部が設けられたことを特徴とする。
【0009】
さらにまたこの発明は、バスバー保持部材に保持されるバスバーであって、導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線の先端部分の前記絶縁被覆を剥いで露出させた露出導体を接続する導体接続部を有し、前記導体接続部は、前記被覆電線の長手方向に沿った前記露出導体を複数の箇所で電気的に接続できるように、前記長手方向と交差する交差方向に延出され、前記バスバー保持部材において前記被覆電線を載置する平板状の載置体の主面に設けられたバスバー配置部に、前記交差方向に沿って配置されることを特徴とする。
【0010】
またこの発明は、並列配置された複数の電池と、前記電池と電気的に接続される、導体を絶縁被覆で被覆した被覆電線と、前記被覆電線の先端部分の前記絶縁被覆を剥いで露出させた露出導体が接続された導体接続部を有するバスバーと、前記バスバーを保持するバスバー保持部材とで構成され、前記導体接続部は、前記被覆電線の長手方向に沿った前記露出導体を複数の箇所で電気的に接続できるように、前記長手方向と交差する交差方向に延出され、前記バスバー保持部材は、前記被覆電線を載置する平板の載置体とを有し、前記載置体の主面に、前記バスバーにおける少なくとも前記導体接続部を前記交差方向に沿って配置するバスバー配置部が設けられた電池モジュールであることを特徴とする。
前記主面とは、前記載置体の前記被覆電線が載置される表面、及び前記表面と対となる裏面のどちらか一方である。
【0011】
この発明によると、交差方向に沿って載置体に配置された導体接続部に対して、交差方向と交差する長手方向に沿った露出導体を接続できる。このため、バスバーをバスバー配置部に配置することで、バスバーと接続される被覆電線が折り曲げられることなく、長手方向に沿って被覆電線を載置体に載置できる。したがって、バスバー保持部材に保持されるバスバーに接続される被覆電線にかかる負荷を軽減できる。
【0012】
また、導体接続部は、複数の箇所で露出導体を接続できるように、交差方向に延出している。このため、導体接続部と被覆電線との接続位置を変更することにより、それぞれのバスバーに接続される被覆電線が互いに重なり合わないように、載置体に配索することができる。
【0013】
さらにまた、平板の載置体に対して、バスバーが配置された状態で、被覆電線を長手方向に載置できるため、容易に被覆電線を載置体に配索できる。したがって、被覆電線の配索作業の効率化を図ることができる。
加えて、導体接続部が載置体の面内に配置されるため、載置体の外部にバスバーが露出することを抑制できる。これにより、交差方向に対するコンパクト化を図ることができる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記バスバー配置部は、前記載置体の主面の内、前記被覆電線が載置される表面と反対側の主面である裏面に設けられ、前記載置体における前記バスバー配置部の前記長手方向の一方側に、前記被覆電線を板厚方向に挿通させる挿通孔が設けられ、前記挿通孔を挿通する前記被覆電線が、前記表面に沿って前記一方側に配索されてもよい。
前記挿通孔は、前記載置体の外部と連通してもよいし、連通しなくてもよい。
【0015】
この発明により、長手方向に沿って配置された複数のバスバーと接続された被覆電線が、隣接するバスバーの導体接続部と干渉することなく載置体の表面に載置できる。これにより、安定した導通性を確保できるとともに、被覆電線の負担を軽減できる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記挿通孔は、前記裏面から前記表面に向かうに伴い、前記一方側に向けて傾斜してもよい。
この発明により、被覆電線を局所的に曲げることなく裏面側から表面側に被覆電線を挿通することができる。したがって、被覆電線にかかる負荷を軽減できる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記挿通孔は、前記長手方向に沿って他方側に向かうに伴い、前記交差方向に先細りしてもよい。
この発明によると、裏面側から表面側に向けて挿通させた被覆電線と導体接続部との導通性を安定させることができる。
【0018】
詳述すると、長手方向の一方側に向けて配索されるように、裏面側から表面側に向けて被覆電線を挿通させた場合に、裏面側において導体接続部から延出する被覆電線が挿通孔における先細り部分に挟まる。これにより、意図しない外力が作用した場合などに、被覆電線が一方側へ移動することを抑制できる。したがって、導体接続部と露出導体との導通性を安定させることができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記挿通孔は、前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側の外部と連通する連通口を有してもよい。
この発明により、バスバーをバスバー配置部に配置する際に、導体接続部に接続された被覆電線を連通口に通すことで、挿通孔に被覆電線を容易に挿通させることができる。これにより、効率よく被覆電線を挿通孔に挿通させることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側の外部と前記挿通孔とを連通する連通口を有し、前記連通口は、前記長手方向及び前記交差方向に直交する方向に沿って貫通してもよい。
【0021】
この発明によると、被覆電線は、裏面から表面に向かうに伴い、一方側に向けて傾いた状態で、挿通孔を挿通している。このため、連通孔と交差する方向に貫通する連通口から、被覆電線が抜け落ちることを抑制できる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側をバスバー配置側とし、前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側と反対側を電線配索側とし、前記表面における前記挿通孔の前記電線配索側に、前記挿通孔を挿通した前記被覆電線の前記交差方向の位置を規制する電線規制部が設けられてもよい。
【0023】
この発明により、挿通孔を挿通した被覆電線が電線配索側に向けて移動した場合に電線規制部と当接するため、挿通孔を挿通した被覆電線の電線配索側への移動を規制できる。したがって、被覆電線を長手方向に沿って配索することができ、載置体に載置された被覆電線の乱雑さを解消できる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記電線規制部は、他方側に配置された前記挿通孔から前記一方側に向けて配索される前記被覆電線を、前記挿通孔よりも前記電線配索側に案内する規制案内部が設けられてもよい。
【0025】
この発明により、隣接する他方側に配置された挿通孔を挿通する被覆電線を、挿通孔の電線配索側に案内できる。したがって、載置体の表面において、複数の被覆電線を長手方向に沿って整頓された状態で配索でき、被覆電線同士が干渉することを防止できる。
【0026】
またこの発明の態様として、前記バスバー配置部は、前記長手方向に沿って複数設けられ、複数の前記挿通孔は、前記一方側に向かうに伴い、前記交差方向に沿って前記バスバー配置部が設けられた側に段階的に設けられてもよい。
【0027】
この発明により、載置部の表面において、複数の被覆電線を交差方向に分散させて配索することができる。
例えば、長手方向の他方側において、挿通孔をバスバー配置部が設けられたバスバー配置部側と反対側である電線配置部側に設け、長手方向の一方側において、挿通孔をバスバー配置部側に設けた場合について説明する。この場合、長手方向の他方側に設けられた挿通孔を挿通する被覆電線は、載置体の電線配置部側に配索することができる。これに対して、長手方向の一方側の挿通孔から挿通された被覆電線は、バスバー配置部側に配索することができる。
【0028】
このように、長手方向に沿って配置された複数のバスバーに接続されたそれぞれの被覆電線を、交差方向に沿って段階的に設けられた挿通孔に挿通させることで、複数の被覆電線を交差方向に分散させて配索することができる。これにより、被覆電線同士が干渉することを規制し、被覆電線にかかる負担を軽減できる。
【0029】
またこの発明の態様として、複数の前記バスバー配置部における所定の前記バスバー配置部よりも前記一方側において、前記交差方向に沿った前記被覆電線の位置を規制する位置規制部が設けられてもよい。
【0030】
前記位置規制部は、前記被覆電線を、前記載置体に載置された前記被覆電線を交差方向におけるバスバー配置部が設けられたバスバー配置部側あるいは前記バスバー配置部側と反対側に配索させることができる構造であり、例えば、載置体の表面に立設する柱状体や壁などを含む。
【0031】
また前記位置規制部は、前記電線収容部において、一つ設けられている場合や、前記長手方向に沿って複数設けられている場合を含む。なお、前記位置規制部が複数設けられている場合には、それぞれの前記位置規制部が所定の間隔を隔てている場合や不規則な間隔で設けられている場合を含む。
【0032】
この発明により、載置体に載置された被覆電線の乱雑さを解消できる。
詳述すると、被覆電線を位置規制部のバスバー配置部側、あるいはバスバー配置部側と反対側に配索することで、交差方向に対する被覆電線の配索経路を規制できる。このように、それぞれのバスバーに接続された被覆電線を交差方向に対して位置規制できるため、載置体に配索された被覆電線の乱雑さを解消できる。したがって、被覆電線にかかる負担をより軽減できるとともに、それぞれの被覆電線を配索する配索作業の効率化を図ることができる。
【0033】
またこの発明の態様として、前記バスバー保持部材は、前記載置体に組み付けて前記被覆電線を収容する収容空間を形成するカバーと、前記載置体と前記カバーとの組み付け状態を維持する組付維持部とが備えられ、前記載置体には、前記長手方向に沿って複数の前記バスバー配置部が設けられるとともに、前記バスバー配置部の間、前記長手方向に沿って伸縮する伸縮機構とが備えられ、前記組付維持部は、前記載置体と前記カバーとを組み付けた前記組み付け状態において、前記カバーに対して前記載置体が前記長手方向に沿って相対移動してもよい。
【0034】
前記伸縮機構は、前記長手方向に沿って一つ又は複数設けられている場合を含む。例えば、隣接する前記バスバー配置部の間に一つの前記伸縮機構が設けられている場合や、隣接する前記バスバー配置部のそれぞれの間に一つ又は複数の前記伸縮機構が設けられている場合、前記長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数の前記伸縮機構が設けられている場合などを含む。
【0035】
この発明により、並列配置された複数の電池とバスバーとの良好な接続状態を維持できる。
詳述すると、バスバー配置部の間に伸縮機構が備えられた載置体は、長手方向に沿って伸縮できるため、例えば、長手方向に沿って並列配置された電池が熱膨張した場合であっても、電池に接続されたバスバーの長手方向に沿った位置ずれを伸縮機構が伸縮することで吸収できる。また、組付維持部で載置体に組み付けられたカバーは、長手方向に沿って伸縮する載置体に対して相対移動できるため、載置体の伸縮に基づく、載置体との相対位置の位置ずれを吸収できる。
【0036】
したがって、例えば、複数の電池が熱膨張することや、熱が冷めて電池が収縮することにより、電池とバスバーとの相対位置が長手方向に変化した場合であっても、電池とバスバーとの位置ずれを吸収することができ、バスバーと電池との良好な接続状態を維持できる。
【0037】
この発明の態様として、前記伸縮機構は、前記長手方向に沿った波形状で構成されてもよい。
前記波形状は、連続的に変化する略正弦波状の波形の他、矩形波も含む。
【0038】
この発明により、電池の熱膨張によりバスバー配置部に配置されたバスバー同士の距離が離間した場合には、波長が長手方向に長くなるように、つまり波形が拡がるように伸縮機構が延伸する。一方で、電池の熱膨張が治まりバスバー配置部に配置されたバスバー同士の距離が近接した場合には、波長が長手方向に短くなるように、つまり波形が狭まるように伸縮機構が収縮する。このように、伸縮可能な波形状といった簡易な構造で、容易に載置体を長手方向に沿って伸縮させることができる。したがって、簡易な構造で、バスバーと電池との良好な接続状態を維持できる。
【0039】
またこの発明の態様として、前記載置体は、平板で構成され、前記カバーは、前記載置体と対向する対向部と、前記対向部から前記載置体に向けて延出する一対の側壁部とを有する断面凹状で構成され、前記組付維持部は、前記カバーに対して前記載置体が前記長手方向に沿って相対移動できるように、前記載置体と前記側壁部とを係止する係止部で構成されてもよい。
【0040】
この発明により、載置体に載置された被覆電線と接続されるバスバーをバスバー配置部に容易に配置できるとともに、載置体に対してカバーを係止することにより、載置体に載置された被覆電線の脱落を容易に防止できる。
【0041】
またこの発明の態様として、前記係止部は、前記長手方向と交差する交差方向に向けて突出する係止突片と、前記係止突片を前記交差方向に向けて挿通する係止孔とで構成され、前記長手方向に沿った前記係止孔の長さが、前記長手方向に沿った前記係止突片の長さよりも長くてもよい。
【0042】
この発明によると、係止突片を係止孔に挿通させた状態において、係止突片と係止孔との間に隙間が形成されるため、係止孔に挿通させた係止片が長手方向に相対移動できる。すなわち、簡易な構造で、カバーに対して載置体が長手方向に沿って相対移動できるため、載置体の伸縮に合わせてカバーと載置体との位置ずれを吸収できる。
【0043】
また、係止孔の長手方向に沿った長さが、係止突片の長手方向に沿った長さよりも長いため、係止孔に対して容易に係止突片を挿通することができ、載置体とカバーとの係止を容易に行うことができる。
【0044】
またこの発明の態様として、前記係止孔において、内側に向けて突出する突出片が設けられ、前記突出片は、弾性変形可能に構成されてもよい。
この発明により、係止片を係止孔に挿通させた状態において、係止部が突出片と干渉するため、カバーに対する載置体の相対移動を規制できる。したがって、係止片が係止孔と衝突して、異音が発生することを防止できる。
【0045】
また、例えば電池の熱膨張などにより、載置体が長手方向に伸縮した場合には、係止突片によって突出片が長手方向に押圧され、弾性変形する。これにより、カバーに対して載置体を長手方向に沿って相対移動させることができる。したがって、バスバーと電池との良好な接続状態を維持できる。
【0046】
またこの発明の態様として、前記バスバー配置部の配置された側の前記側壁部を、第一側壁部とするとともに、前記バスバー配置部の配置された側と反対側の前記側壁部を、第二側壁部とし、前記第一側壁部が、前記対向部に対して枢動自在に構成され、前記係止部は、前記載置体における前記バスバー配置部の配置された側と前記第一側壁部とを係止する第一係止部と、前記載置体における前記反対側と前記第二側壁部とを係止する第二係止部とで構成されてもよい。
【0047】
この発明により、第一係止部と第二係止部とで載置体とカバーとを係止固定できる。すなわち、載置体における交差方向の両側で載置体とカバーを係止固定できる。これにより、載置体に載置された被覆電線を確実に保護できる。
【0048】
また、第一側壁部が対面部に対して枢動自在に構成されているため、第二係止部を係止させた後に、対面部に対して第一側壁部を枢動させるだけで、容易に第一係止部を係止することができる。さらには、第二係止部により、載置体に対するカバーの位置が固定されているため、容易に第一係止部を係止できる。
【0049】
またこの発明の態様として、前記伸縮機構は、複数の前記バスバー配置部におけるそれぞれの間に備えられ、前記第一係止部は、複数設けられた前記バスバー配置部のそれぞれの間に配置されてもよい。
この発明により、複数のバスバー配置部の間に備えられたそれぞれの伸縮機構で電池の熱膨張を吸収することができるため、バスバーと電池との良好な接続状態をより確実に維持できる。また、伸縮によるカバーと載置体との位置ずれを、それぞれの第一係止部で吸収できるため、載置体とカバーとを確実に係止できるとともに、第一係止部のコンパクト化を図ることができる。
【0050】
また、第一係止部における係止孔の長手方向に沿った長さが、第一係止部における係止突片の長手方向に沿った長さよりも長いため、第一係止部における係止突片を容易に係止孔に挿通できる。したがって、第二係止部を係止させた状態で、第一係止部を対面部に対して枢動させることにより、第一係止部における係止突片を容易に係止孔に挿通できる。したがって、コンパクトにした第一係止部であっても、容易に係止できる。
【発明の効果】
【0051】
この発明によれば、被覆電線にかかる負荷を軽減できるバスバー保持構造、バスバー保持部材及び電池モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図12】右側載置体にバスバーを装着する方法の説明図。
【
図13】バスバーが装着された右側載置体の説明図。
【
図14】バスバーが装着された右側載置体の概略平面図。
【
図15】バスバーが装着された右側載置体の拡大概略平面図。
【
図16】バスバーに取り付けられた載置体にカバーを組み付ける方法の説明図。
【
図17】電池モジュールにおける右側載置体の伸縮の説明図。
【
図18】電池モジュールにおける右側載置体の伸縮の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0053】
この発明の一実施形態を、以下
図1乃至
図18とともに説明する。
図1は電池モジュール1の概略斜視図を示し、
図2は電池モジュール1の概略分解斜視図を示す。
図3は導通部材3及び二股バスバー30の説明図を示し、
図4は二股バスバー30の説明図を示す。
図5は右側載置体50及び左側載置体60の説明図を示し、
図6乃至
図9は右側載置体50の説明図を示し、
図10及び
図11はカバー70の説明図を示す。
【0054】
図12は被覆電線40が接続された二股バスバー30を右側載置体50に装着させる方法の説明図を示し、
図13乃至
図15は被覆電線40が接続された二股バスバー30を右側載置体50に装着させた状態の説明図を示す。
図16は右側載置体50及び左側載置体60に対してカバー70を組み付ける方法の説明図を示し、
図17及び
図18は電池モジュール1における載置体本体51の伸縮状態の説明図を示す。
【0055】
図3乃至
図18について詳述する。
図3(a)は導通部材3の前方側LFの拡大概略平面図を示し、
図3(b)は二股バスバー30の概略平面図を示し、
図4(a)は二股バスバー30の概略底面図を示し、
図4(b)は
図4(a)におけるA-A矢視断面図を示す。
図5(a)は右側載置体50及び左側載置体60の概略平面図を示し、
図5(b)は右側載置体50及び左側載置体60の概略底面図を示す。
図6は
図5(b)におけるX箇所の拡大概略底面図を示し、
図7(a)は
図6におけるB-B矢視断面図を示し、
図7(b)は
図6におけるC-C矢視断面図を示し、
図8は
図5(a)におけるX箇所の拡大概略平面図を示す。
図9(a)は右側載置体50の前方側LFの拡大概略側面図を示し、
図9(b)は
図9(a)におけるa部の拡大図を示し、
図9(c)は
図9(a)におけるD-D矢視断面図を示す。
【0056】
図10(a)はカバー70の概略正面図を示し、
図10(b)はカバー70の前方側LFの概略側面図を示し、
図10(c)は
図10(b)におけるb部の拡大図を示し、
図11(a)は対向部72に対して枢動壁73が上側HUに枢動した状態におけるカバー70の前方側LFの概略側面図を示し、
図11(b)は
図10(b)におけるE-E矢視断面図を示す。
【0057】
図12(a)は右側載置体50に対して二股バスバー30を装着する前の状態の拡大概略底面図を示し、
図12(b)は右側載置体50に対して二股バスバー30を装着した状態の拡大概略底面図を示す。なお、
図12は
図5(b)におけるX箇所に対応する拡大概略底面図を示す。
図13(a)及び
図13(b)は二股バスバー30を装着した状態の右側載置体50の概略断面図を示す。なお、
図13(a)及び
図13(b)はB-B矢視断面図及びC-C矢視断面図に対応する断面図を示す。
【0058】
図14は二股バスバー30を装着した状態の右側載置体50の概略平面図を示し、
図15は二股バスバー30を装着した状態の右側載置体50の拡大概略平面図を示す。なお、
図15は
図5(a)におけるX箇所に対応する拡大概略底面図を示す。
図16(a)は係止固定部52及び係止固定部62に支持壁71を組み付けた状態の概略断面図を示し、
図16(b)は右側載置体50にカバー70を組み付けた状態の概略断面図を示す。ここで、
図16は右側載置体50の後方側LB近傍を並列方向Lに直交する面で切断した切断面を後方側LBから視た概略断面図を示す。
【0059】
図17(a)は波形部54の通常状態における電池モジュール1の前方側LFの概略断面図を示し、
図17(b)は波形部54が開いた状態における電池モジュール1の前方側LFの概略断面図を示す。
図18(a)は
図17(a)におけるc部の拡大概略図を示し、
図18(b)は電池モジュール1におけるa部に対応する拡大概略図を示し、
図18(c)は電池モジュール1におけるb部に対応する拡大概略図を示す。
【0060】
なお、
図17はC-C矢視断面図に対応する断面図を示し、収容空間Sにおける構造を明確にするため、電池セル20及びワイヤーハーネス4の図示を省略する。また、
図18において、波形部54の通常状態と波形部54が開いた状態とを比較するため、波形部54の通常状態に対応する状態の電池モジュール1を破線で図示し、波形部54が開いた状態に対応する状態の電池モジュール1を実線で図示する。
【0061】
ここで、
図1における上下方向を高さ方向Hとし、複数の電池セル20が並列配置されている方向を並列方向Lとする。高さ方向Hと並列方向Lとは互いに直交する。また、並列方向L及び高さ方向Hと直交する方向を幅方向Wとする。そして、
図1において、並列方向Lに沿って左方を前方側LFとし、右方を後方側LBとし、幅方向Wに沿って左方を左側WLとし、右方を右側WRとする。また、高さ方向Hに沿って上方を上側HUとし、下方を下側HDとする。上述の方向は、
図2乃至
図18において対応する方向を同様とする。
【0062】
電池モジュール1は、
図1及び
図2に示すように、複数の電池セル20が並列方向Lに沿って並列配置された電池ユニット2と、電池セル20と電気的に接続される複数の導通部材3と、導通部材3と電気的に接続されたワイヤーハーネス4と、導通部材3を保持するバスバー保持部材5とで構成されている。
【0063】
電池ユニット2は、
図1及び
図2に示すように、並列配置された複数の電池セル20を備えている。換言すると、電池ユニット2において、電池セル20は所定の方向に沿って積層されている。
【0064】
電池セル20は、扁平な略箱状に形成された電池本体21と、電池本体21の上面から上側HUに突出するボルト形状の正極端子22と負極端子23とを備えている。なお、正極端子22と負極端子23とは、電池本体21の横幅の両端部分からそれぞれ突出している。
【0065】
このように構成された電池セル20は、所定の方向に沿って積層されている。詳述すると、複数の電池セル20は、電池本体21の上面が同一平面状となるとともに、積層された電池本体21同士の正極端子22と負極端子23とが互いに隣り合うように積層方向に沿って並んで配置している。換言すると、電池セル20は、正極端子22と負極端子23とが交互に逆向きとなるように、電池本体21が積層方向に沿って並んで配置されている(
図2参照)。
【0066】
導通部材3は、
図2及び
図3(a)に示すように、幅方向Wの両側のそれぞれにおいて並列方向Lに沿って複数配置されている。この導通部材3は、二股バスバー30と、左側WLにおいて並列方向Lの両端に配置された二つの単一バスバー30sとで構成されている。二股バスバー30及び単一バスバー30sは、並列配置された電池セル20の正極端子22及び負極端子23のそれぞれと接続されている。
【0067】
二股バスバー30は、第一バスバー31と、第一バスバー31と同形状をした第二バスバー32と、第一バスバー31と第二バスバー32とを並列方向Lに連結する導体連結部33と、導体連結部33から延出される導体接続部34とで一体に構成された、二股のバスバーである。
単一バスバー30sは、第一バスバー31と、第一バスバー31から延出する導体接続部34とで一体に構成されている。
【0068】
第一バスバー31は、
図3及び
図4に示すように、適当な幅長を有する導電性の板材を折り曲げて構成され、電池本体21と接続される第一接続部311と、第一中間部312と、後述する被覆電線40の導体41が接続される第一基部313とが幅方向Wの外側から内側に向けてこの順で設けられている。
【0069】
第一接続部311及び第一基部313は、幅方向Wに沿った平面板状に形成されている。すなわち、第一接続部311及び第一基部313の主面の法線方向は、ともに高さ方向Hである。
第一中間部312は、第一接続部311の基端側(幅方向Wの内側)の端部と第一基部313の先端側(幅方向Wの外側)の端部とを高さ方向Hに連結するように形成されている。
【0070】
このように構成された第一バスバー31は、第一接続部311、第一中間部312及び第一基部313とで階段状に形成されている。第一接続部311の中央部分には、正極端子22を挿通するための正極貫通孔314が設けられている。
【0071】
第二バスバー32は、
図3(b)及び
図4(a)に示すように、幅方向W及び高さ方向Hに沿った面を対称面として第一バスバー31と略面対称に形成されている。すなわち、第二バスバー32は、電池本体21と接続される第二接続部321と、第二中間部322と、被配置部323とが幅方向Wの外側から内側に向けてこの順で設けられている。
【0072】
第二接続部321及び被配置部323は略同型状の平面板状に形成されている。すなわち、第二接続部321及び被配置部323の主面の法線方向は、ともに高さ方向Hである。
第二中間部322は、第二接続部321の基端側(幅方向Wの内側)の端部と被配置部323の先端側(幅方向Wの外側)の端部を高さ方向Hに連結するように形成されている。
【0073】
このように構成された第二バスバー32は、第二接続部321、第二中間部322及び被配置部323とで階段状に形成されている。第二接続部321の中央部分には、負極端子23を挿通するための負極貫通孔324が設けられている。
【0074】
第一基部313と被配置部323とを連結する導体連結部33は、
図3(b)及び
図4(a)に示すように、平板状に構成されている。この導体連結部33の横幅方向(並列方向L)における中央部分には、第一接続部311及び第二接続部321の延出する方向と反対方向、すなわち、幅方向Wの内側に向けて延出する導体接続部34が設けられている。
【0075】
導体接続部34は、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、導体連結部33に比べて幅が狭い、長尺状の平板で構成されている。詳述すると、導体接続部34は、後述する載置体本体51の幅長(幅方向Wに沿った長さ)のおよそ3分の2の長さを有する細長い板状体であり、導体接続部34の裏面には、後述する導体41と溶接するための溶接点35が三つ、基端から先端に向けて等間隔で設けられている。ここで、基端側の溶接点を第一溶接点35a、中央の溶接点を第二溶接点35b、先端の溶接点を第三溶接点35cとする(
図4(a)及び
図4(b)参照)。
なお、本実施形態において、溶接点35は三つとしているが、三つである必要はなく、適宜二つ以上の個数とすることができる。
【0076】
単一バスバー30sは、上述のように、第一バスバー31における第一基部313の横幅方向(並列方向L)の中央部分から導体接続部34が延出した形状である。すなわち、単一バスバー30sは、第二バスバー32と導体連結部33とが設けられていない、単一のバスバーである。
【0077】
ここで、前方側LFに配置される単一バスバー30sは、右側WRに配置された二股バスバー30における第一バスバー31と対となるように配置される。このため、単一バスバー30sにおける正極貫通孔314は負極端子23が接続される。
【0078】
同様に、後方側LBに配置される単一バスバー30sは、右側WRに配置された二股バスバー30における第二バスバー32と対となるように配置されているため、単一バスバー30sにおける正極貫通孔314は正極端子22が接続される。
【0079】
ワイヤーハーネス4は、
図4(a)に示すように、複数の被覆電線40を束ねて構成された幹線4aと、幹線4aから分岐する各被覆電線40で構成された複数の枝線4bで構成されている。
被覆電線40は、中心に配置された導体41と、導体41の外側を覆う絶縁被覆42とで構成されている。被覆電線40の先端は絶縁被覆42の一部を剥がしてあるため、導体41が露出している。この露出した導体41を露出導体41Xとする(
図4(a)及び(b)参照)。
【0080】
このように露出された露出導体41Xは、
図4(a)に示すように、導体接続部34が延出する方向(幅方向W)と直交する方向(並列方向L)に沿って、導体接続部34に設けられた複数の溶接点35のうちの一つに溶接されている。すなわち、導体41は、曲がることなく並列方向Lに沿って導体接続部34と接続されている。
なお、導体接続部34に対して導体41を溶接する溶接方法としては、超音波溶接、振動溶接、あるいはレーザ溶接などの適宜の溶接方法で溶接すればよい。
【0081】
バスバー保持部材5は、幅方向Wに沿って配置されている右側載置体50及び左側載置体60と、右側載置体50及び左側載置体60に組み付けて幹線4aを収容する収容空間Sを形成する断面凹状のカバー70とで構成されている(
図2参照)。
【0082】
右側載置体50は、
図5(a)に示すように、平面視において平板状に構成された載置体本体51と、載置体本体51における前方側LF及び後方側LBに設けられた係止固定部52とで構成されている。
【0083】
載置体本体51は、並列方向Lに沿った長辺を有する平面視長方形状の略平板で構成されている。そして、載置体本体51の裏面側には、
図5(b)に示すように、二股バスバー30を配置するバスバー配置部53が並列方向Lに沿って所定の間隔を隔てて九つ備えられている。また、隣接するバスバー配置部53同士の間には、波形部54が設けられている。
【0084】
バスバー配置部53は、
図6に示すように、二股バスバー30における第一基部313、被配置部323及び導体連結部33を配置できる基端凹部531と、導体接続部34を配置できる延出凹部532と、第一基部313及び被配置部323の下面を保持する下面保持部533と、導体接続部34の先端を保持する先端保持部534とで構成されている。
【0085】
基端凹部531は、二股バスバー30における第一基部313、被配置部323及び導体連結部33における先端側(導体接続部34が設けられた側)と同形状となるように、載置体本体51の裏面を二股バスバー30の板厚と略同じ深さだけ上側HUに窪ませて形成された窪みである。この基端凹部531の幅方向Wに沿った長さは、幅方向Wに沿った導体連結部33の長さのおよそ半分である。
【0086】
延出凹部532は、導体接続部34と同形状となるように、載置体本体51の裏面を基端凹部531における並列方向Lの中央部分から幅方向Wに沿った導体接続部34の長さと同じ長さだけ、幅方向Wに沿って窪ませて形成された窪みである。この延出凹部532の深さは、導体接続部34の板厚と同じである。
【0087】
下面保持部533は、
図5(b)及び
図6に示すように、延出凹部532の幅方向Wの両側において、基端凹部531における左側WLの一部と、高さ方向Hに対向するように配置された一対の板状体である。詳しくは、下面保持部533は、基端凹部531よりも左側WLの載置体本体51の裏面から右側WRに向けて延出する板状体であり、延出凹部532を挟むように配置されている。なお、下面保持部533上面と基端凹部531の溝底との間隔は、二股バスバー30の板厚と略等しい。
先端保持部534は、延出凹部532の先端部分を覆うように載置体本体51の裏面から突出する板状体である。なお、延出凹部532の溝底と先端保持部534との間隔は、二股バスバー30の板厚と略等しい。
【0088】
このように構成されたバスバー配置部53は、導体接続部34が延出凹部532に対応するように、二股バスバー30を幅方向Wに沿って移動させることで、第一基部313、被配置部323及び導体連結部33を基端凹部531に配置できるとともに、導体接続部34を延出凹部532に配置できる。このように基端凹部531に配置された第一基部313及び被配置部323は、下面保持部533で保持されるとともに、導体接続部34の先端は、先端保持部534で保持される。したがって、二股バスバー30を載置体本体51の裏面側に保持することができる。
【0089】
なお、並列方向Lに沿って九つ設けられたバスバー配置部53のうち、前方側LFに設けられた三つをバスバー配置部53aとし、中央部分に設けられた三つをバスバー配置部53bとし、後方側LBに設けられた三つをバスバー配置部53cとする(
図5(b)参照)。
【0090】
波形部54は、
図6及び
図7に示すように、並列方向Lに対して直交する方向(高さ方向H)に振幅する波形状で形成されている。より詳しくは、波形部54は、上側HUに突出する側面視略二等辺三角形状に形成された波形状をしており、幅方向Wの一端から他端にわたって設けられている。このように構成された波形部54は、隣接するバスバー配置部53同士の間において、所定の間隔を隔てて二つ設けられている。
【0091】
また、波形部54の間には、載置体本体51における端面から、右側WRに向けて突出する第一突片55が設けられている。
第一突片55は、
図6及び
図8に示すように、載置体本体51における端面から右側WRに向けて突出する断面略正方形状の第一軸部551と、第一軸部551の先端に設けられた第一係止部552とで構成されている。
【0092】
第一軸部551は、載置体本体51の板厚程度の四辺を有する側面視略正方形状の四角柱体であり、隣接するバスバー配置部53同士の間において、所定の間隔を隔てて設けられた二つの波形部54の中央部分から右側WRに向けて突出している。
第一係止部552は、第一軸部551の先端部分を拡大させた形状である。すなわち、第一係止部552は、第一軸部551よりも一回り大きな、側面視略正方形状の立方体系形状をしている。
【0093】
さらに、載置体本体51には、
図6及び
図8に示すように、板厚方向に沿って貫通する電線挿通孔56がそれぞれのバスバー配置部53の前方側LFに設けられている。また、載置体本体51の表面には、円柱状のポール57が電線挿通孔56の前方側LFに立設している。
【0094】
電線挿通孔56は、延出凹部532の前方側LFにおいて、平面視三角形状の挿通孔561と、右側WRの外部と挿通孔561とを連通する連通口562とで構成されている。
挿通孔561は、平面視において、後方側LBから前方側LFに向かうに伴い左側WLに向けて傾斜する斜辺と、斜辺よりも右側WRにおいて、斜辺の後方側LBに接続される並列方向Lに沿った直線と、斜辺の前方側LFに接続される幅方向Wに沿った直線とで構成された略直角三角形の貫通孔である。すなわち、挿通孔561は、後方側LBに向かうに伴い先細りする直角三角形状の貫通孔である。また、平面視略直角三角形状の挿通孔561は、
図7に示すように、載置体本体51の裏面から表面に向かうに伴い、前方側LFに向けて傾斜している。
【0095】
連通口562は、高さ方向Hに沿って貫通する貫通孔であり、挿通孔561から載置体本体51における右側WRの端部にまで、延出凹部532に沿って設けられている。より詳しくは、連通口562は、載置体本体51における裏面において、挿通孔561の直角が形成された箇所から、載置体本体51における幅方向Wの外側端部にわたって設けられている。すなわち、連通口562は、挿通孔561と載置体本体51の右側WRの外部とを連通させている。なお、連通口562の幅(並列方向Lに沿った長さ)は、挿通孔561の並列方向Lに沿った長さの3分の1程度の長さである。
【0096】
このように、連通口562は高さ方向Hに沿って貫通しているのに対し、挿通孔561は、載置体本体51の裏面から表面に向かうに伴い前方側LFに向けて傾斜して、載置体本体51を貫通している。このため、載置体本体51の表面側において、挿通孔561における前方側LFの端部は、連通口562における前方側LFの端部よりも前方側LFに配置される。一方で載置体本体51の裏面側において、挿通孔561における後方側LBの端部は、連通口562における後方側LBの端部よりも後方側LBに配置される。すなわち、挿通孔561の前方側LF及び後方側LBの端部近傍において、挿通孔561の右側WRには、連通口562が設けられず、壁が存在することとなる。
【0097】
このように構成された電線挿通孔56は、バスバー配置部53に対応して九つ設けられている。以下、九つ設けられた電線挿通孔56のうち、前方側LFの三つを電線挿通孔56aとし、中央部分の三つを電線挿通孔56bとし、後方側LBの三つを電線挿通孔56cとする(
図5(b)参照)。
【0098】
この電線挿通孔56a,56b,56cにおける連通口562の幅方向Wに沿った長さは、それぞれ異なるように構成されている。
詳述すると、電線挿通孔56aにおける連通口562の長さは、導体接続部34における基端から第一溶接点35aまでの長さと略等しく、電線挿通孔56bにおける連通口562の長さは、導体接続部34における基端から第二溶接点35bまでの長さと略等しい。同様に、電線挿通孔56cにおける連通口562の長さは、導体接続部34における基端から第三溶接点35cまでの長さと略等しい。すなわち、電線挿通孔56bの連通口562は、電線挿通孔56aにおける連通口562のおよそ二倍の長さを有し、電線挿通孔56cの連通口562は、電線挿通孔56bにおける連通口562のおよそ二倍の長さである。
【0099】
このことから、電線挿通孔56aの挿通孔561は、電線挿通孔56bの挿通孔561よりも右側WRに配置され、電線挿通孔56cの挿通孔561は、電線挿通孔56bの挿通孔561よりも左側WLに配置されている。すなわち、並列方向Lに沿って並んだ挿通孔561は、後方側LBから前方側LFに向かうに伴って、三つずつ段階的に右側WRに設けられている。
【0100】
このように構成された電線挿通孔56の左側WLには、挿通孔561の斜辺に沿って上側HUに立設する規制壁58が設けられている。
規制壁58は、
図7(a)、
図7(b)及び
図8に示すように、挿通孔561の斜辺に沿って載置体本体51から立設する壁であり、平面視において並列方向Lに対して傾いて形成されている。すなわち、規制壁58の左側WLには、後方側LBから前方側LFに向かうに伴い左側WLに向けて傾斜する案内面581を有する。なお、規制壁58の右側WRの面は挿通孔561と面一となっている。
【0101】
電線挿通孔56の前方側LFに設けられたポール57は、載置体本体51の表面から上側HUに立設する円柱体であり、後方側LBに隣接する挿通孔561よりも左側WLに設けられている。すなわち、並列方向Lに沿って並んだポール57は、後方側LBから前方側LFに向かうに伴って、三つずつ段階的に右側WRに設けられている。
【0102】
係止固定部52は、載置体本体51の前方側LF及び後方側LBの端部近傍において、載置体本体51における左側WLの端面から上側HUに向けて立設する板状部材であり、上側HUの端部近傍には係止固定部52を板厚方向に貫通する第一係止孔521が設けられている(
図9(a)参照)。
【0103】
第一係止孔521は、
図9に示すように、側面視において、所定の内径を有する円形状の貫通孔である。このように側面視略円形状に構成された第一係止孔521の内周面には、
図9(b)及び
図9(c)に示すように、弾性変形可能に構成された複数の第一突出片522が、第一係止孔521の周方向に沿って等間隔で設けられている。
【0104】
第一突出片522は、
図9(c)に示すように、第一係止孔521における右側WRの端部において、第一係止孔521の内周縁から径内側に向けて突出する突片であり、径内側に向かうに伴い幅方向Wに先細りしている。このように先端部分の板厚を薄くした第一突出片522は、外力が作用することにより、弾性変形可能に構成されている。なお、第一係止孔521の径内側に向けた長さは、第一係止孔521の内径のおよそ半分であり、第一係止孔521の中央部分に側面視略円形状の貫通孔を形成する。
【0105】
左側載置体60は、並列方向L及び高さ方向Hに沿った面を対称面として、右側載置体50と略面対称となるように配置されている(
図2、
図5(a)及び
図5(b)参照)。この左側載置体60は、右側載置体50と面対称であることを除いて、右側載置体50と略同じ構成である。すなわち、左側載置体60は、平面視において平板状に構成された載置体本体61と、載置体本体61における前方側LF及び後方側LBに設けられた係止固定部62とで構成されている。
【0106】
以下の左側載置体60の説明において、右側載置体50と同様に構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0107】
載置体本体61は、並列方向Lに沿って長辺を有する平面視長方形状の略平板で構成されている。そして、載置体本体61の裏面側には、二股バスバー30を配置するバスバー配置部53が並列方向Lに沿って所定の間隔を隔てて八つ備えられているとともに、単一バスバー30sを配置する単一バスバー配置部63が並列方向Lの両端に設けられたバスバー配置部53の並列方向Lの外側において、バスバー配置部53と隣接するように設けられている。
【0108】
単一バスバー配置部63は、載置体本体61の裏面側を上側HUに向けて窪ませた凹部であり、単一バスバー30sにおける第一基部313の一部分を配置できる基端側凹部631と、単一バスバー30sにおける第一基部313から延出される導体接続部34を配置できる延出凹部632と、第一基部313の下面を保持する下面保持部633と、導体接続部34の先端を保持する先端保持部634とで構成されている。
【0109】
基端側凹部631は、第一基部313における先端側(導体接続部34が設けられた側)と同形状となるように、載置体本体61の裏面を二股バスバー30の板厚と略同じ深さだけ上側HUに窪ませて形成された窪みである。この基端側凹部631の幅方向Wに沿った長さは、幅方向Wに沿った導体連結部33の長さのおよそ半分である。
【0110】
延出凹部632は、延出凹部532と同形状である。すなわち延出凹部632は、導体接続部34と同形状となるように、載置体本体61の裏面を基端側凹部631における並列方向Lの中央部分から幅方向Wに沿った導体接続部34の長さと同じ長さだけ幅方向Wに沿って窪ませて形成されている。
【0111】
下面保持部633は、延出凹部632の後方側LBにおいて、基端側凹部631の左側WLと対向するように配置された板状体である。詳しくは、下面保持部633は、基端側凹部631よりも左側WLの載置体本体61の裏面から右側WRに向けて延出する板状体であり、延出凹部632の後方側LBに配置されている。なお、下面保持部633上面と基端側凹部631の溝底との間隔は、単一バスバー30sの板厚と略等しい。
先端保持部634は、延出凹部632の先端部分を覆うように載置体本体61の裏面から突出する板状体である。この先端保持部634と延出凹部532の溝底との間隔は、単一バスバー30sの板厚と略等しい。
【0112】
このように構成された単一バスバー配置部63は、導体接続部34が延出凹部632に対応するように、単一バスバー30sを左側WLから幅方向Wに沿って移動させることで、単一バスバー30sにおける第一基部313を基端側凹部631に配置できるとともに、導体接続部34を延出凹部632に配置できる。そして、このように基端側凹部631に配置された第一基部313は、下面保持部633に保持されるとともに、導体接続部34の先端は、先端保持部634に保持される。したがって、二股バスバー30を載置体本体61の裏面側に保持することができる。
【0113】
このように構成された載置体本体61には、隣接するバスバー配置部53同士の間及び単一バスバー配置部63とバスバー配置部53との間に、二つの波形部54が幅方向Wに沿って設けられている。そして、二つの波形部54の間には、載置体本体51における端面から、左側WLに向けて突出する第一突片55が設けられている。
【0114】
なお、右側載置体50及び左側載置体60をカバー70に組み付けた状態において、右側載置体50に設けられた波形部54及び第一突片55は、左側載置体60に設けられた波形部54及び第一突片55と比べて、二股バスバー30の並列方向Lに沿った長さの半分の長さだけ、並列方向Lに沿ってずれて配置されている(
図5(a)参照)。すなわち、波形部54は、幅方向Wに対して、延出凹部532に対応する位置に設けられている。
【0115】
また、載置体本体61には、載置体本体51と同様に、バスバー配置部53及び単一バスバー配置部63の前方側LFに板厚方向(高さ方向H)に沿って貫通する電線挿通孔56とが設けられ、載置体本体61の表面には、円柱状のポール57が電線挿通孔56の前方側LFに設けられている。さらには、挿通孔561の斜辺に沿って立設する規制壁58が電線挿通孔56の右側WRに設けられている。
係止固定部62は、係止固定部52と同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0116】
カバー70は、
図10(a)に示すように、右側載置体50及び左側載置体60に組み付けられた状態において、並列方向Lと直交する断面形状が凹状に構成されている。詳述すると、カバー70は高さ方向Hに沿って立設する支持壁71と、支持壁71の上端に枢動可能に連結された一対の対向部72と、一対の対向部72のそれぞれに対して枢動可能に連結された枢動壁73とを備えている。
【0117】
支持壁71は、右側載置体50の板厚よりも大きな厚みを有する直方体形状をしている。この支持壁71の並列方向Lに沿った長さは、載置体本体51の並列方向Lに沿った長さと略同じであり、支持壁71の高さ方向Hに沿った長さは、係止固定部52の高さ方向Hに沿った長さと略同じである。
【0118】
このように構成された支持壁71の並列方向Lの両端部分には、第一係止孔521に挿入して係止できる第二係止突片74が、支持壁71の主面における上側HUの端部近傍にそれぞれ4つ設けられている。
第二係止突片74は、
図10(a)、
図11(a)及び
図11(b)に示すように、支持壁71の主面から幅方向Wの外側に向けて突出する第二軸部741と、第二軸部741の先端に設けられた第二係止部742とで構成されている。
【0119】
第二軸部741は、支持壁71の主面から幅方向Wに沿って突出する略円柱体である。この第二軸部741の幅方向Wに沿った長さは係止固定部52の板厚と略同じ長さであり、第二軸部741の外径は、第一係止孔521の内径よりも二回り短い。すなわち、第二軸部741は、第一係止孔521と比べて並列方向L及び高さ方向Hに対して短くなっている。このため、第一係止孔521に挿入された状態において、第二軸部741の外周面と第一係止孔521の内周面との間には隙間が生じることとなる。
【0120】
第二係止部742は、第二軸部741の先端部分を拡径させて形成された、側面視略円形状の円盤型の突片である。この第二係止部742の外径は、第一係止孔521の内径よりも一回り短く、内径に沿った第一突出片522の長さのおよそ1.5倍程度である。すなわち、第二係止部742の外径は、第一係止孔521の内径と比べて短く、第一突出片522が第一係止孔521の中央部分に形成する円形の外径よりも長い。
【0121】
対向部72は、載置体本体51の幅長(幅方向Wに沿った長さ)と同じ幅を有する平板であり、並列方向Lに沿って支持壁71の上端と枢動自在に連結されている(
図10(a)及び
図11(a)参照)。
枢動壁73は、支持壁71と略同じ高さを有する略平板であり、並列方向Lに沿って対向部72の先端部分と枢動自在に連結されている(
図10(a)参照)。
【0122】
枢動壁73の下端部分には、枢動壁73の板厚方向に貫通する側壁貫通部75が、並列方向Lに沿って第一突片55に対応する数だけ、並列方向Lに沿って設けられている。
側壁貫通部75は、
図10(b)及び
図10(c)に示すように、側面視において、第一係止部552の側面形状よりも一回り大きな略正方形状で形成されている。すなわち、側壁貫通部75の並列方向Lに沿った長さは、第一軸部551の外径と比べて長くなっている。また、この側壁貫通部75における幅方向Wの外側端部の近傍には、弾性変形可能に構成された複数の第二突出片751が側壁貫通部75の内周面に沿って等間隔で設けられている。
【0123】
第二突出片751は、側壁貫通部75における内周面のうち、枢動壁73に対して支持壁71が配置された側と反対側から、側壁貫通部75が形成する貫通孔に向けて突出する突片であり、貫通孔に向かうに伴い先細りしている(
図11(b)参照)。このように先端部分の板厚を薄くした第二突出片751は、外力が作用することにより、弾性変形可能に構成されている。なお、側壁貫通部75の周方向に設けられた第二突出片751は、側壁貫通部75が形成する貫通孔の中央部分に、第一軸部551の側面形状よりもわずかに大きく、第一係止部552の側面形状よりも小さい略円形状の貫通孔を形成する。
【0124】
このように構成された側壁貫通部75は、右側載置体50及び左側載置体60にカバー70を組み付けた状態において、第一突片55に対応する位置に設けられており、第一突片55を挿入することができる。なお、第一突片55が側壁貫通部75に挿入された状態において、第一軸部551の外周面と側壁貫通部75の内周面との間には隙間が生じることとなる。
【0125】
次に、枝線4bが接続された導通部材3を右側載置体50及び左側載置体60に装着させる方法及びその構造、右側載置体50及び左側載置体60にカバー70を組み付ける方法、及びその構造について、
図12乃至
図18を用いて簡単に説明する。なお、右側載置体50及び左側載置体60に対して導通部材3を配置する方法及び構造は略同じであるため、右側載置体50に対して二股バスバー30を配置する方法及び構造を説明し、左側載置体60に対して導通部材3を配置する方法及び構造の説明は省略する。
【0126】
はじめに、導体接続部34の延出方向(幅方向W)と直交する方向(並列方向L)に被覆電線40が配置して、溶接点35に対して導体41を溶接する(
図12(a)参照)。ここで、第一溶接点35aに導体41を接続した二股バスバー30を先端バスバー30aとし、同様に、第二溶接点35bに導体41を接続した二股バスバー30を中央バスバー30bとし、第三溶接点35cに導体41を接続した二股バスバー30を後方バスバー30cとする。
【0127】
次に、導体接続部34が延出凹部532と対向するように、被覆電線40が接続された二股バスバー30をバスバー配置部53における幅方向Wの外側に配置する。詳しくは、バスバー配置部53aに対応させて先端バスバー30aを配置し、バスバー配置部53bに対応させて中央バスバー30bを配置し、バスバー配置部53cに対応させて後方バスバー30cを配置する。
【0128】
そして、導体接続部34が延出凹部532に挿入されるように、二股バスバー30を幅方向Wの内側に向けて移動させ、第一基部313、被配置部323及び導体連結部33を基端凹部531に配置して下面保持部533に保持させるとともに、導体接続部34の先端部分を延出凹部532に配置して先端保持部534に保持させる。これにより、二股バスバー30をバスバー配置部53に保持させることができる。
【0129】
この際、導体接続部34に接続された被覆電線40を、高さ方向Hに沿って立ち上がらせて、載置体本体51の外部から連通口562を通すことで、被覆電線40を挿通孔561に挿通させることができる(
図13参照)。これにより、載置体本体51の裏面で導体接続部34と接続された被覆電線40を、載置体本体51の表面に載置することができる。
同様に、左側載置体60に対して、被覆電線40を接続した導通部材3を載置する。
【0130】
このように裏面側に二股バスバー30を保持するとともに、表面側に被覆電線40を載置する載置体本体51は、板状に構成されている。このため、例えば、載置体本体51における幅方向Wの両端に並列方向Lに沿った壁面がなく、載置体本体51に対して被覆電線40を容易に載置できる。したがって、被覆電線40の配索作業の効率を向上させることができる。
【0131】
また、並列方向Lに沿って配索された被覆電線40を挿通させる挿通孔561は、載置体本体51の裏面から表面に向かうに伴い前方側LFに向けて傾斜している。このため、傾斜する挿通孔561に沿って被覆電線40を載置体本体51の裏面側(下側HD)から表面側(上側HU)に挿通することができる(
図13参照)。したがって、挿通孔561を挿通するのに、被覆電線40が局所的に曲がることを防止できる。
【0132】
なお、挿通孔561と連通する連通口562は、高さ方向Hに沿って貫通している(
図13(b)参照)。このため、挿通孔561における前方側LF及び後方側LBの近傍では、挿通孔561が載置体本体51の外部と連通しておらず、挿通孔561に沿って挿通された被覆電線40が、連通口562から抜け落ちることを防止できる。
【0133】
また、挿通孔561は、後方側LBに向かうに伴い先細りしている、平面視略直角三角形状をしている。このことから、被覆電線40を挿通孔561に挿通させた際に、載置体本体51の裏面側において、被覆電線40が挿通孔561の先細り部分に挟まることとなる。これにより、上側HUや前方側LFに向けて意図しない外力が作用した場合などにおいて、挿通孔561が被覆電線40の前方側LFへの移動を抑制できる。したがって、導体41と導体接続部34との良好な接続状態を維持できる。
【0134】
さらにまた、電線挿通孔56aにおける挿通孔561は、電線挿通孔56bにおける挿通孔561よりもバスバー配置部53の側(幅方向Wの外側)に配置されている。同様に、電線挿通孔56bにおける挿通孔561は、電線挿通孔56cにおける挿通孔561よりもバスバー配置部53の側(幅方向Wの外側)に配置されている。すなわち、並列方向Lに沿って所定の間隔を隔てて配置される挿通孔561は、幅方向Wに沿って段階的に配置されている。
【0135】
このことから、
図14に示すように、電線挿通孔56cの挿通孔561から挿通された被覆電線40を幅方向Wの内側に配索でき、電線挿通孔56bの挿通孔561から挿通された被覆電線40を載置体本体51における中央部分に配索でき、電線挿通孔56aの挿通孔561から挿通された被覆電線40を幅方向Wの外側に配索できる。
【0136】
このようにバスバー配置部53a,53b,53cにそれぞれ配置された先端バスバー30a,中央バスバー30b,後方バスバー30cと接続された被覆電線40は、それぞれ幅方向Wの異なる位置に配索されるため、所望の配索経路に沿って配索でき、互いに干渉することを抑制できる(
図14参照)。これにより、被覆電線40の負担を軽減して被覆電線40の安定した導通性を確保できる。
【0137】
また、載置体本体51の表面において、挿通孔561の左側WLに規制壁58が設けられていることにより、挿通孔561を挿通した被覆電線40が、幅方向Wの内側に移動することを規制できる。これにより、被覆電線40を並列方向Lに沿って確実に配索することができる。
【0138】
また、規制壁58は、後方側LBから前方側LFに向かうに伴って左側WLに向けて傾斜する案内面581を有しているため、幅方向Wに対して同じ位置に三つ並んだ挿通孔561のうち、後方側LBの挿通孔561を挿通する被覆電線40を幅方向Wの内側に案内することができる(
図14及び
図15参照)。
【0139】
加えて、電線挿通孔56の前方側LFにポール57が立設しているため、ポール57の幅方向Wの内側又は外側に被覆電線40を配索することができ、被覆電線40を幅方向Wに対して位置規制できるため、載置体本体51に配索された被覆電線40の乱雑さを解消できる。
【0140】
次に、載置体本体51及び載置体本体61の表面に被覆電線40が配索された右側載置体50及び左側載置体60にカバー70を組み付ける。
詳述すると、支持壁71に対して対向部72及び枢動壁73が上側HUに配置されるように、支持壁71に対して対向部72を枢動させた状態で、第二係止突片74に対応して第一係止孔521が配置されるように、支持壁71の幅方向Wの外側に右側載置体50及び左側載置体60を配置する。
【0141】
そして、右側載置体50及び左側載置体60を支持壁71に向けて移動させることで、第二係止突片74が第一係止孔521に挿入される(
図16(a)参照)。ここで、第一係止孔521の内径は第二係止部742の外径よりも大きいため、右側載置体50及び左側載置体60とカバー70との位置が並列方向Lに沿って多少ずれていても、第二係止部742を容易に第一係止孔521に挿入できる。また、第一係止孔521に挿入された第二係止部742の先端は、第一突出片522に案内されるため、第二係止突片74をより確実に第一係止孔521に挿入できる。
【0142】
一方で、第二係止部742の外径は、第一突出片522が形成する円形状の貫通孔の内径よりも大きいため、幅方向Wに対して第二係止部742が第一突出片522に係止されることとなる。このように、第二係止突片74と第一係止孔521とが係止されることで、第二係止突片74が第一係止孔521から抜け落ちることを防止できる。したがって、幅方向Wに並列配置された右側載置体50と左側載置体60とをカバー70で連結することができる。
【0143】
このように右側載置体50と左側載置体60とを並列配置した状態において、右側載置体50と左側載置体60とにおける前方側LFの端部には、幹線4aを導出する導出口が形成される。
【0144】
次に、対向部72が載置体本体51及び載置体本体61と対面するように、支持壁71に対して対向部72を枢動させるとともに、対向部72に対して枢動壁73を下側HDに枢動させる。これにより、載置体本体51及び載置体本体61における幅方向Wの外端面に枢動壁73の下端が配置されるため、第一突片55を側壁貫通部75に挿入することができる(
図16(b)参照)。
【0145】
ここで、側壁貫通部75は、第一係止部552の外形よりも大きいため、右側載置体50及び左側載置体60とカバー70との位置が並列方向Lに沿って多少ずれていても、第一係止部552を容易に第二突出片751に挿入できる。また、側壁貫通部75に挿入された第一係止部552の先端は、第二突出片751に案内されるため、第一突片55をより確実に側壁貫通部75に挿入できる。これにより、載置体本体51と枢動壁73とが係止固定される。
【0146】
このように、幅方向Wの内側で第一係止孔521と第二係止突片74とが係止されるとともに、幅方向Wの外側で第一突片55と側壁貫通部75とが係止されるため、右側載置体50及び左側載置体60にカバー70を組み付け、載置体本体51及び載置体本体61に載置された被覆電線40を挿通する収容空間Sを形成できる(
図16(b)参照)。これにより、載置体本体51及び載置体本体61に載置された被覆電線40(幹線4a)を確実に保護できる。
【0147】
このように、導通部材3と、導通部材3に接続された被覆電線40を収容するとともに、導通部材3を保持できるバスバー保持部材5とで、バスバー保持構造7を構成することができる(
図16(b)参照)。そして、バスバー保持構造7における導通部材3のそれぞれに、電池セル20を接続することで、電池モジュール1を製造することができる。
【0148】
ところで、導通部材3及び被覆電線40を介して電気機器類と接続される電池セル20は、発熱などにより膨張することがある。このような電池セル20の膨張により、例えば、電池セル20と接続された二股バスバー30同士や、二股バスバー30と単一バスバー30sとがわずかに離間することとなる。
【0149】
このような二股バスバー30同士などの離間により、載置体本体51及び載置体本体61において、被覆電線40に接続された二股バスバー30及び単一バスバー30sを保持するバスバー配置部53などの間に設けられた波形部54は、
図17(a)、
図17(b)及び
図18(a)に示すように、並列方向Lに沿って波形が拡がるように撓み変形をし、伸張することとなる。これにより、載置体本体51及び載置体本体61が並列方向Lに沿って伸長し、隣接する二股バスバー30同士及び二股バスバー30と単一バスバー30sの離間を吸収することができる。したがって、電池セル20と接続された導通部材3の位置ずれを吸収でき、電池セル20と導通部材3との接続状態を安定化させることができる。
【0150】
また、電池セル20の冷却により電池セル20が収縮する場合には、バスバー配置部53の間に設けられた波形部54は、並列方向Lに沿って波形が狭まるように撓み変形をし、収縮することとなる。これにより、載置体本体51及び載置体本体61が並列方向Lに沿って屈曲し、隣接する二股バスバー30同士の近接を吸収することができる。
【0151】
このような波形部54の伸張又は屈曲により、右側載置体50に対するカバー70の位置も変化することとなる。ここで、第一係止孔521には、弾性変形可能に構成された複数の第一突出片522が、第一係止孔521の周方向に沿って等間隔で設けられているため、例えば、第二係止突片74に対して第一係止孔521が前方側LFに沿って移動した場合に、第二軸部741が後方側LBに配置された第一突出片522と当接して、第一突出片522を弾性変形させ、第一係止孔521を前方側LFに沿って移動させることができる。これにより、第一係止孔521と第二係止突片74との係止を維持したままで、第一係止孔521に対する第二係止突片74の位置の変化を吸収できる(
図18(a)参照)。
【0152】
同様に、波形部54の伸張又は屈曲により、側壁貫通部75に対する第一突片55の位置も変化した場合であっても、第二突出片751に対して第一突片55が当接することで第二突出片751が弾性変形し、側壁貫通部75に対する第一突片55の位置の変化を吸収することができる(
図18(b)参照)。
【0153】
なお、第一突片55及び側壁貫通部75は、隣接するバスバー配置部53の間にそれぞれ設けられているため、個々の電池セル20の膨張に起因する並列方向Lに沿った位置ずれをバスバー配置部53同士の間で吸収できる。このため、第一突片55及び側壁貫通部75は、並列配置された全て電池セル20の膨張に起因する並列方向Lに沿った位置ずれを吸収する第一係止孔521及び第二係止突片74よりもコンパクトにすることができる。
【0154】
このように構成されたバスバー保持部材5は、被覆電線40を載置する平板の載置体本体51及び載置体本体61とを有し、導体接続部34は、被覆電線40の並列方向Lに沿った露出導体41Xを複数の箇所(溶接点35)で電気的に接続できるように、並列方向Lと交差する幅方向Wに延出され、載置体本体51及び載置体本体61の主面に、二股バスバー30及び単一バスバー30sにおける少なくとも導体接続部34を幅方向Wに沿って配置するバスバー配置部53及び単一バスバー配置部63が設けられている。
【0155】
また、バスバー保持構造7は、導体41を絶縁被覆42で被覆した被覆電線40の先端部分の前記絶縁被覆42を剥いで露出させた露出導体41Xと接続された導体接続部34を有する二股バスバー30及び単一バスバー30sをバスバー保持部材5で保持している。
【0156】
さらにまた、バスバー保持部材5に保持される二股バスバー30及び単一バスバー30sは、導体41を絶縁被覆42で被覆した被覆電線40の先端部分の絶縁被覆42を剥いで露出させた露出導体41Xを接続する導体接続部34を有し、導体接続部34は、被覆電線40の並列方向Lに沿った露出導体41Xを複数の箇所で電気的に接続できるように、並列方向Lと交差する幅方向Wに延出され、ワイヤーハーネス4において被覆電線40を載置する平板状の載置体本体51及び載置体本体61の主面に設けられたバスバー配置部53及び単一バスバー配置部63に、幅方向Wに沿って配置される。
【0157】
また電池モジュール1は、並列配置された複数の電池本体21と、電池本体21と電気的に接続される、導体41を絶縁被覆42で被覆した被覆電線40と、被覆電線40の先端部分の絶縁被覆42を剥いで露出させた露出導体41Xが接続された導体接続部34を有する二股バスバー30及び単一バスバー30sと、二股バスバー30及び単一バスバー30sを保持するバスバー保持部材5とで構成されている。
【0158】
これにより、幅方向Wに沿って載置体本体51及び載置体本体61に配置された導体接続部34に対して、幅方向Wと交差する並列方向Lに沿った露出導体41Xを接続できる。このため、二股バスバー30及び単一バスバー30sをバスバー配置部53及び単一バスバー配置部63に配置することで、二股バスバー30及び単一バスバー30sと接続される被覆電線40が折り曲げられることなく、並列方向Lに沿って被覆電線40を載置体本体51及び載置体本体61に載置することができる。したがって、バスバー保持部材5に保持される二股バスバー30及び単一バスバー30sに接続される被覆電線40にかかる負荷を軽減できる。
【0159】
また、導体接続部34は、複数の箇所で露出導体41Xを接続できるように、幅方向Wに延出している。このため、導体接続部34と被覆電線40との接続位置を変更することにより、それぞれの二股バスバー30及び単一バスバー30sに接続される被覆電線40が互いに重なり合わないように、載置体本体51及び載置体本体61に配索することができる。
【0160】
さらにまた、平板の載置体本体51及び載置体本体61に対して、二股バスバー30及び単一バスバー30sが配置された状態で、被覆電線40を並列方向Lに配索できるため、容易に被覆電線40を載置体本体51及び載置体本体61に載置できる。したがって、被覆電線40の配索作業の効率化を図ることができる。
【0161】
加えて、導体接続部34が載置体本体51及び載置体本体61の面内に配置されるため、載置体本体51及び載置体本体61の外部に二股バスバー30及び単一バスバー30sが露出することを抑制できる。これにより、バスバー保持構造7における幅方向Wに対するコンパクト化を図ることができる。
【0162】
また、バスバー配置部53は、載置体本体51及び載置体本体61の主面の内、被覆電線40が載置される表面と反対側の主面である裏面に設けられ、載置体本体51及び載置体本体61におけるバスバー配置部53の並列方向Lの一方側(前方側LF)に、被覆電線40を板厚方向に挿通させる挿通孔561が設けられ、挿通孔561を挿通する被覆電線40が、表面に沿って前方側LFに配索されてもよい。
【0163】
これにより、並列方向Lに沿って配置された複数の二股バスバー30及び単一バスバー30sと接続された被覆電線40が、隣接する二股バスバー30及び単一バスバー30sの導体接続部34と干渉することなく載置体本体51及び載置体本体61の表面に配索できる。これにより、安定した導通性を確保できるとともに、被覆電線40の負担を軽減できる。
【0164】
また、挿通孔561は、裏面から表面に向かうに伴い、前方側LFに向けて傾斜していることにより、被覆電線40を局所的に曲げることなく、載置体本体51及び載置体本体61の裏面側から表面側に被覆電線40を挿通することができる。したがって、被覆電線40にかかる負荷を軽減できる。
【0165】
さらにまた、挿通孔561は、並列方向Lに沿って他方側(後方側LB)に向かうに伴い、幅方向Wに先細りしていることにより、載置体本体51及び載置体本体61の裏面側から表面側に向けて挿通させた被覆電線40と導体接続部34との導通性を安定させることができる。
【0166】
詳述すると、前方側LFに向けて配索されるように、載置体本体51及び載置体本体61の裏面側から表面側に向けて被覆電線40を挿通させた場合に、裏面側において導体接続部34から延出する被覆電線40が挿通孔561における先細り部分に挟まる。これにより、意図しない外力が作用した場合などに、被覆電線40が一方側へ移動することを抑制できる。したがって、導体接続部34と露出導体41Xとの導通性を安定させることができる。
【0167】
また、幅方向Wに沿ってバスバー配置部53が設けられた側の外部と挿通孔561とを連通する連通口562を有する。これにより、二股バスバー30及び単一バスバー30sをバスバー配置部53に配置する際に、導体接続部34に接続された被覆電線40を連通口562に通すことで、挿通孔561に被覆電線40を容易に挿通させることができる。これにより、効率よく被覆電線40を挿通孔561に挿通させることができる。
【0168】
また、幅方向Wに沿ってバスバー配置部53が設けられた側の外部と挿通孔561とを連通する連通口562を有し、連通口562は、並列方向L及び幅方向Wに直交する方向(高さ方向H)に沿って貫通してもよい。
【0169】
これにより、被覆電線40は、載置体本体51及び載置体本体61の裏面から表面に向かうに伴い、前方側LFに向けて傾いた状態で、挿通孔561を挿通している。すなわち、高さ方向Hに沿って被覆電線40が挿通孔561に挿通されていないため、挿通孔561と交差する方向に貫通する連通口562から、被覆電線40が抜け落ちることを抑制できる。
【0170】
また、幅方向Wに沿ってバスバー配置部53が設けられた側をバスバー配置側(幅方向Wの外側)とし、幅方向Wに沿ってバスバー配置部53が設けられた側と反対側を電線配索側(幅方向Wの内側)とし、載置体本体51及び載置体本体61の表面における挿通孔561の電線配索側(幅方向Wの内側)に、挿通孔561を挿通した被覆電線40の幅方向Wの位置を規制する規制壁58が設けられている。
【0171】
これにより、挿通孔561を挿通した被覆電線40が電線配索側(幅方向Wの内側)に向けて移動した場合に規制壁58と当接するため、挿通孔561を挿通した被覆電線40の幅方向Wの内側への移動を規制できる。したがって、被覆電線40を並列方向Lに沿って配索することができ、載置体本体51及び載置体本体61に載置された被覆電線40の乱雑さを解消できる。
【0172】
さらにまた、規制壁58は、後方側LBに配置された挿通孔561から前方側LFに向けて配索される被覆電線40を、挿通孔561よりも幅方向Wの内側に案内する案内面581が設けられていることにより、複数の被覆電線40を並列方向Lに沿って整頓された状態で配索できる。
【0173】
詳述すると、隣接する後方側LBの挿通孔561を挿通する被覆電線40を案内面581に沿わせることで、挿通孔561の幅方向Wの内側に案内できる。これにより、載置体本体51及び載置体本体61の表面において、複数の被覆電線40を並列方向Lに沿って整頓された状態で配索でき、被覆電線40同士が干渉することを防止できる。
【0174】
また、バスバー配置部53は、並列方向Lに沿って複数設けられ、複数の挿通孔561は、前方側LFに向かうに伴い、幅方向Wに沿ってバスバー配置部53が設けられた側に段階的に設けられていることにより、載置体本体51及び載置体本体61の表面において、複数の被覆電線40を幅方向Wに分散させて配索することができる。
【0175】
具体的には、並列方向Lの他方側において、挿通孔561を幅方向Wの内側に設け、並列方向Lの一方側において、挿通孔561を幅方向Wの外側に設けている。この場合、後方側LBに設けられた挿通孔561を挿通する被覆電線40は、載置体本体51及び載置体本体61の幅方向Wの内側に配索することができる。これに対して、前方側LFに設けられた挿通孔561から挿通された被覆電線40は、幅方向Wの外側に配索することができる。
【0176】
このように、並列方向Lに沿って配置された複数の二股バスバー30及び単一バスバー30sに接続されたそれぞれの被覆電線40を、幅方向Wに沿って段階的に設けられた挿通孔561に挿通させることで、複数の被覆電線40を幅方向Wに分散させて配索することができる。これにより、被覆電線40同士が干渉することを規制し、被覆電線40にかかる負担を軽減できる。
【0177】
なお、挿通孔561は、後方側LBから前方側LFに向かうに伴って、段階的に幅方向Wの外側に設ける必要はなく、段階的に幅方向Wの内側に設けてもよい。しかしながら、挿通孔561を、後方側LBから前方側LFに向かうに伴って、段階的に幅方向Wの外側に設けることで、幅方向Wの外側に被覆電線40が固まることを抑制でき、より載置体本体51及び載置体本体61に載置される被覆電線40を整頓することができる。
【0178】
また、複数のバスバー配置部53における所定のバスバー配置部53よりも前方側LFにおいて、幅方向Wに沿った被覆電線40の位置を規制するポール57が設けられていることにより、載置体本体51及び載置体本体61に載置された被覆電線40の乱雑さを解消できる。
【0179】
詳述すると、被覆電線40をポール57のバスバー配置部53の側、あるいはバスバー配置部53の側と反対側に配索することで、幅方向Wに対する被覆電線40の配索経路を規制できる。このように、それぞれの二股バスバー30及び単一バスバー30sに接続された被覆電線40を幅方向Wに対して位置規制できるため、載置体本体51及び載置体本体61に配索された被覆電線40の乱雑さを解消できる。したがって、被覆電線40にかかる負担をより軽減できるとともに、それぞれの被覆電線40を配索する配索作業の効率化を図ることができる。
【0180】
また、バスバー保持部材5は、載置体本体51及び載置体本体61に組み付けて被覆電線40を収容する収容空間Sを形成するカバー70と、載置体本体51及び載置体本体61とカバー70との組み付け状態を維持する第二係止突片74と第一係止孔521及び第一突片55と側壁貫通部75とが備えられ、載置体本体51及び載置体本体61には、並列方向Lに沿って複数のバスバー配置部53及び単一バスバー配置部63が設けられるとともに、バスバー配置部53の間やバスバー配置部53と単一バスバー配置部63との間(バスバー配置部53などの間とする。)に、並列方向Lに沿って伸縮する波形部54とが備えられ、第二係止突片74と第一係止孔521及び第一突片55と側壁貫通部75は、載置体本体51及び載置体本体61とカバー70とを組み付けた組み付け状態において、カバー70に対して載置体本体51及び載置体本体61が並列方向Lに沿って相対移動する。
【0181】
これにより、並列配置された複数の電池本体21と二股バスバー30及び単一バスバー30sとの良好な接続状態を維持できる。詳述すると、バスバー配置部53などの間に波形部54が備えられた載置体本体51及び載置体本体61は、並列方向Lに沿って伸縮できるため、例えば、並列方向Lに沿って並列配置された電池本体21が熱膨張した場合であっても、電池本体21に接続された二股バスバー30及び単一バスバー30sの並列方向Lに沿った位置ずれを波形部54が伸縮することで吸収できる。また、第二係止突片74と第一係止孔521及び第一突片55と側壁貫通部75で、載置体本体51及び載置体本体61に組み付けられたカバー70は、並列方向Lに沿って伸縮する載置体本体51及び載置体本体61に対して相対移動できるため、載置体本体51及び載置体本体61の伸縮に基づく、載置体本体51及び載置体本体61との相対位置の位置ずれを吸収できる。
【0182】
したがって、例えば、複数の電池本体21が熱膨張することや、熱が冷めて電池本体21が収縮することにより、電池本体21と二股バスバー30及び単一バスバー30sとの相対位置が並列方向Lに変化した場合であっても、電池本体21と二股バスバー30及び単一バスバー30sとの位置ずれを吸収することができ、二股バスバー30及び単一バスバー30sと電池本体21との良好な接続状態を維持できる。
【0183】
また、波形部54は、並列方向Lに沿った波形状で構成されている。これにより、電池本体21の熱膨張によりバスバー配置部53に配置された二股バスバー30及び単一バスバー30s同士の距離が離間した場合には、波長が並列方向Lに長くなるように、つまり波形が拡がるように、波形部54が延伸する(
図18(a)の実線参照)。
【0184】
一方で、電池本体21の熱膨張が治まりバスバー配置部53に配置された二股バスバー30及び単一バスバー30s同士の距離が近接した場合には、波長が並列方向Lに短くなるように、つまり波形が狭まるように波形部54が収縮する(
図18(a)の破線参照)。
【0185】
このように、伸縮可能な波形状といった簡易な構造で、容易に載置体本体51及び載置体本体61を並列方向Lに沿って伸縮させることができる。したがって、簡易な構造で、二股バスバー30及び単一バスバー30sと電池本体21との良好な接続状態を維持できる。
【0186】
さらにまた、カバー70は、載置体本体51及び載置体本体61と対向する対向部72と、対向部72から載置体本体51及び載置体本体61に向けて延出する一対の支持壁71及び枢動壁73とを有する断面凹状で構成されている。そして、第二係止突片74と第一係止孔521及び第一突片55と側壁貫通部75は、カバー70に対して載置体本体51及び載置体本体61が並列方向Lに沿って相対移動できるように、載置体本体51及び載置体本体61と支持壁71及び枢動壁73とを係止する。
【0187】
これにより、載置体本体51及び載置体本体61に載置された被覆電線40と接続される二股バスバー30及び単一バスバー30sをバスバー配置部53に容易に配置できるとともに、載置体本体51及び載置体本体61に対してカバー70を係止して、載置体本体51及び載置体本体61に載置された被覆電線40の脱落を容易に防止できる。
【0188】
また、並列方向Lと交差する幅方向Wに向けて突出する第二係止突片74及び第一突片55と、第二係止突片74及び第一突片55を幅方向Wに向けて挿通する第一係止孔521及び側壁貫通部75とで載置体本体51及び載置体本体61とカバー70とを係止する。そして、並列方向Lに沿った第一係止孔521及び側壁貫通部75の長さが、並列方向Lに沿った第二係止突片74及び第一突片55の長さよりも長くてもよい。
【0189】
これにより、第二係止突片74及び第一突片55を第一係止孔521及び側壁貫通部75に挿通させた状態において、第二係止突片74及び第一突片55と第一係止孔521及び側壁貫通部75との間に隙間が形成される(
図18(b)及び
図18(c)の破線参照)。このため、第一係止孔521及び側壁貫通部75に挿通させた係止片が並列方向Lに相対移動できる(
図18(b)及び
図18(c)の実線参照)。すなわち、簡易な構造で、カバー70に対して載置体本体51及び載置体本体61が並列方向Lに沿って相対移動することができるため、載置体本体51及び載置体本体61の伸縮に合わせてカバー70と載置体本体51及び載置体本体61との位置ずれを吸収できる。
【0190】
また、第一係止孔521及び側壁貫通部75の並列方向Lに沿った長さが、第二係止突片74及び第一突片55の並列方向Lに沿った長さよりも長いため、第一係止孔521及び側壁貫通部75に対して容易に第二係止突片74及び第一突片55を挿通することができ、載置体本体51及び載置体本体61とカバー70との係止を容易に行うことができる。
【0191】
さらにまた、第一係止孔521及び側壁貫通部75において、内側に向けて突出する第一突出片522及び第二突出片751が設けられ、第一突出片522及び第二突出片751は、弾性変形可能に構成されている。これにより、第二係止突片74及び第一突片55を第一係止孔521及び側壁貫通部75に挿通させた状態において、第二係止突片74及び第一突片55が、第一突出片522及び第二突出片751と干渉するため、カバー70に対する載置体本体51及び載置体本体61の相対移動を規制できる。したがって、係止片が第一係止孔521及び側壁貫通部75と衝突して、異音が発生することを防止できる。
【0192】
また、例えば電池本体21の熱膨張などにより、載置体本体51及び載置体本体61が並列方向Lに伸縮した場合には、第二係止突片74及び第一突片55が第一突出片522及び第二突出片751を並列方向Lに押圧し、第一突出片522及び第二突出片751を弾性変形させることができる(
図18(b)及び
図18(c)の実線参照)。これにより、カバー70に対して載置体本体51及び載置体本体61を並列方向Lに沿って相対移動させることができる。したがって、二股バスバー30及び単一バスバー30sと電池本体21との良好な接続状態を維持できる。
【0193】
また、バスバー配置部53の配置された側の枢動壁73が、対向部72に対して枢動自在に構成され、第一突片55及び側壁貫通部75は、載置体本体51及び載置体本体61におけるバスバー配置部53の配置された側と枢動壁73とを係止する。また、第一係止孔521及び第二係止突片74は、載置体本体51及び載置体本体61における反対側と支持壁71とを係止する。
【0194】
これにより、第一突片55及び側壁貫通部75と第一係止孔521及び第二係止突片74とで載置体本体51及び載置体本体61とカバー70とを係止固定できる。すなわち、載置体本体51及び載置体本体61における幅方向Wの両側で載置体本体51及び載置体本体61とカバー70を係止固定できる。これにより、載置体本体51及び載置体本体61に載置された被覆電線40を確実に保護できる。
【0195】
また、枢動壁73が対向部72に対して枢動自在に構成されているため、第一係止孔521及び第二係止突片74を係止させた後に、対向部72に対して枢動壁73を枢動させるだけで、容易に第一突片55及び側壁貫通部75を係止することができる。さらには、第一係止孔521及び第二係止突片74により、載置体本体51及び載置体本体61に対するカバー70の位置が固定されているため、容易に第一突片55及び側壁貫通部75を係止できる。
【0196】
また、波形部54は、複数のバスバー配置部53におけるそれぞれの間に備えられ、第一突片55及び側壁貫通部75は、複数設けられたバスバー配置部53のそれぞれの間に配置されている。これにより、複数のバスバー配置部53の間に備えられたそれぞれの波形部54で電池本体21の熱膨張を吸収することができ、二股バスバー30及び単一バスバー30sと電池本体21との良好な接続状態をより確実に維持できる。
【0197】
また、伸縮によるカバー70と載置体本体51及び載置体本体61との位置ずれを、それぞれの第一突片55及び側壁貫通部75で吸収できるため、載置体本体51及び載置体本体61とカバー70とを確実に係止できるとともに、第一突片55及び側壁貫通部75のコンパクト化を図ることができる。
【0198】
さらにまた、第一突片55及び側壁貫通部75における第一係止孔521及び側壁貫通部75の並列方向Lに沿った長さが、第一突片55及び側壁貫通部75における第二係止突片74及び第一突片55の並列方向Lに沿った長さよりも長いため、第一突片55及び側壁貫通部75における第二係止突片74及び第一突片55を容易に第一係止孔521及び側壁貫通部75に挿通できる。したがって、第一係止孔521及び第二係止突片74を係止させた状態で、側壁貫通部75が設けられた枢動壁73を対向部72に対して枢動させることにより、第一突片55を容易に側壁貫通部75に挿通できる。したがって、コンパクトにした第一突片55及び側壁貫通部75であっても、容易に係止できる。
【0199】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の導体は、導体41に対応し、以下同様に、
絶縁被覆は、絶縁被覆42に対応し、
被覆電線は、被覆電線40に対応し、
露出導体は、露出導体41Xに対応し、
導体接続部は、導体接続部34に対応し、
バスバーは、二股バスバー30及び単一バスバー30sに対応し、
バスバー保持構造は、バスバー保持構造7に対応し、
載置体は、載置体本体51及び載置体本体61に対応し、
長手方向は、並列方向Lに対応し、
交差方向は、高さ方向Hに対応し、
バスバー配置部は、バスバー配置部53に対応し、
バスバー保持構造は、バスバー保持構造7に対応し、
挿通孔は、挿通孔561に対応し、
連通口は、連通口562に対応し、
電線規制部は、規制壁58に対応し、
規制案内部は、案内面581に対応し、
位置規制部は、ポール57に対応し、
カバーは、カバー70に対応し、
組付維持部は、第二係止突片74,第一係止孔521,第一突片55及び側壁貫通部75に対応し、
伸縮機構は、波形部54に対応し、
対向部は、対向部72に対応し、
側壁部は、支持壁71及び枢動壁73に対応し、
係止部は、第二係止突片74,第一係止孔521,第一突片55及び側壁貫通部75に対応し、
係止突片は、第二係止突片74及び第一突片55に対応し、
係止孔は、第一係止孔521及び側壁貫通部75に対応し、
突出片は、第一突出片522及び第二突出片751に対応し、
第一側壁部は、枢動壁73に対応し、
第二側壁部は、支持壁71に対応し、
第一係止部は、側壁貫通部75及び第一突片55に対応し、
第二係止部は、第一係止孔521及び第二係止突片74に対応し、
バスバー保持部材は、バスバー保持部材5に対応し、
電池は、電池セル20に対応し、
電池モジュールは、電池モジュール1に対応するが、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0200】
例えば、本実施形態において、バスバー配置部53は、載置体本体51及び載置体本体61の裏面に設けられているが、載置体本体51及び載置体本体61の表面に設けてもよい。この場合、溶接点35に被覆電線40が当接しないように、例えば、ポール57や規制壁58を適切な位置に配置する方が好ましい。
【0201】
また、本実施形態において、波形部54は、隣接するバスバー配置部53のそれぞれの間に設けているが、例えば、電線挿通孔56bの間に一つだけの波形部54を設けてもよいし、並列方向Lにおける外側の両端に配置されたバスバー配置部53の間に、複数の波形部54を並列方向Lに沿って所定の間隔を隔てて複数設けてもよい。
【0202】
さらにまた、波形部54は、並列方向Lに沿った側面視略三角形状の波形で構成されているが、例えば、連続的に変化する略正弦波状の波形や、並列方向Lに沿って伸縮可能な矩形波の波形であってよい。
【0203】
また、本実施形態において、挿通孔561は、連通口562を介して、載置体本体51及び載置体本体61の外部と連通しているが、連通口562を有さない構成としてもよい。すなわち、載置体本体51及び載置体本体61の板厚方向に貫通している貫通孔だけでもよい。なお、挿通孔561は高さ方向Hに沿って形成してもよい。
【0204】
ポール57は、載置体本体51及び載置体本体61に載置された被覆電線40を幅方向Wの内外に位置規制できればよく、特に、円柱状に限定されない。すなわち、ポール57は、載置体本体51及び載置体本体61の表面に立設する壁などであってもよい。
またポール57は、載置体本体51及び載置体本体61に一つだけ設けられていてもよいし、複数のポール57が不規則な間隔で設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0205】
1…電池モジュール
4…ワイヤーハーネス
7…バスバー接続構造
20…電池セル
30…二股バスバー
30s…単一バスバー
34…導体接続部
40…被覆電線
41…導体
42…絶縁被覆
41X…露出導体
51…載置体本体
53…バスバー配置部
54…波形部
55…第一突片
57…ポール
58…規制壁
61…載置体本体
63…単一バスバー配置部
70…カバー
71…支持壁
72…対向部
73…枢動壁
74…第二係止突片
75…貫通縁部
521…第一係止孔
522…第一突出片
561…挿通孔
562…連通口
581…案内面
751…第二突出片
L…並列方向
W…幅方向