(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122232
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】磁性体コア、コイル部品、及び非接触給電システム
(51)【国際特許分類】
H01F 27/24 20060101AFI20240902BHJP
H01F 3/08 20060101ALI20240902BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20240902BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20240902BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240902BHJP
【FI】
H01F27/24 E
H01F3/08
H01F38/14
H02J50/90
H02J50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029669
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(71)【出願人】
【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 一樹
(72)【発明者】
【氏名】小野坂 健
(72)【発明者】
【氏名】三島 大地
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】小田 博章
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 一
(72)【発明者】
【氏名】大友 佳嗣
(57)【要約】
【課題】給電効率及び位置ずれに対するロバスト性の向上した磁性体コアを提供する。
【解決手段】本開示に係る磁性体コアは、基部と、基部から上方へ延びた柱部と、柱部に接続されたキャップ部と、基部から上方へ延び且つ平面視において柱部を囲むように設けられた壁部とを備える。キャップ部は、上下方向において基部と対向し、平面視において柱部の外側へ張り出している。キャップ部は、平面視において、基部よりも小さく、壁部の外縁よりも内側に位置している。壁部の上端は、キャップ部の上面よりも下方に位置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部から上方へ延びた柱部と、
前記柱部に接続され、前記基部と上下方向に対向し、前記上下方向から見た平面視において前記柱部の外側へ張り出したキャップ部と、
前記基部から上方へ延び、前記平面視において前記柱部を囲むように設けられた壁部と、
を備え、
前記キャップ部は、前記平面視において、前記基部よりも小さく、前記壁部の外縁よりも内側に位置し、
前記壁部の上端は、前記キャップ部の上面よりも下方に位置する、
磁性体コア。
【請求項2】
前記壁部の上端は、前記キャップ部の下面よりも下方に位置する、請求項1に記載の磁性体コア。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の磁性体コアと、
前記柱部の周囲に形成されたコイルと、
を備える、コイル部品。
【請求項4】
前記壁部の上端は、前記上下方向において前記コイルの上端と同じ位置、又は前記コイルの上端よりも下方に位置する、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記壁部の上端と前記キャップ部の前記平面視における外縁との間の最短距離は、前記コイルの外径と内径との差よりも大きい、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記平面視において、前記キャップ部の外縁は、前記コイルの外縁よりも内側に位置する、請求項3に記載のコイル部品。
【請求項7】
受電装置と、
前記受電装置に非接触で電力を供給する送電装置と、
を備え、
前記受電装置及び前記送電装置の少なくとも一方は、請求項3に記載のコイル部品を有する、
非接触給電システム。
【請求項8】
前記受電装置及び前記送電装置の各々は、前記コイル部品を有し、
前記コイル部品の少なくとも1つにおいて、前記キャップ部の前記平面視における外縁と前記壁部の上端との間の最短距離は、前記受電装置に設けられた前記コイルと前記送電装置に設けられた前記コイルとの間の最短距離よりも大きい、
請求項7に記載の非接触給電システム。
【請求項9】
前記受電装置及び前記送電装置のうちの一方は、前記受電装置及び前記送電装置のうちの他方に設けられた前記柱部の前記上下方向に交差する交差方向に延びた移動経路に沿って移動可能に構成され、
前記キャップ部の少なくとも1つは、前記交差方向及び前記上下方向に直交する方向よりも前記交差方向に長い形状を有する、
請求項7に記載の非接触給電システム。
【請求項10】
前記受電装置及び前記送電装置の各々は、前記コイル部品を有し、
前記送電装置における、前記磁性体コアの体積に対する前記キャップ部の体積の割合は、前記受電装置における前記体積の割合よりも小さい、
請求項7に記載の非接触給電システム。
【請求項11】
前記受電装置及び前記送電装置の各々は、前記コイル部品を有し、
前記平面視において、前記送電装置における、前記磁性体コアの前記基部の面積に対する前記キャップ部の面積の割合は、前記受電装置における前記面積の割合よりも小さい、
請求項7に記載の非接触給電システム。
【請求項12】
受電装置と、
前記受電装置に非接触で電力を供給する送電装置と、
を備え、
前記受電装置及び前記送電装置の少なくとも一方は、磁性体コアとコイルとを有するコイル部品を備え、
前記磁性体コアは、
基部と、
前記基部から上方へ延びた柱部と、
前記柱部に接続され、前記基部と上下方向に対向し、前記上下方向から見た平面視において前記柱部の外側へ張り出したキャップ部と、
を有し、
前記コイルは、前記柱部の周囲に形成され、
前記キャップ部は、前記平面視において、前記基部よりも小さく、前記基部の外縁よりも内側に位置し、
前記受電装置及び前記送電装置のうちの一方は、前記受電装置及び前記送電装置のうちの他方に設けられた前記柱部の前記上下方向に交差する交差方向に延びた移動経路に沿って移動可能に構成され、
前記キャップ部の少なくとも1つは、前記交差方向及び前記上下方向に直交する方向よりも前記交差方向に長い形状を有する、
非接触給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁性体コア、コイル部品、及び送電装置から受電装置に非接触で電力が供給される非接触給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の磁性体コア及び当該磁性体コアを備えたコイル部品としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載されたコイル部品は、磁性体コアと、コイルとを備える。磁性体コアは、平面視において円形の基部と、基部の中心から上方に延びた円柱状の柱部と、柱部の上端部に設けられたキャップ部と、基部の外縁部から上方に延び且つ平面視において柱部を囲む壁部を備えている。柱部及び壁部は、上下方向において同一の高さを有する。キャップ部は、平面視において柱部から壁部に向かって張り出している。コイルは、柱部の周囲に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0304949号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の磁性体コア及びコイル部品には、給電効率及びロバスト性の観点において、改善の余地がある。ここで、給電効率とは、例えば、当該磁性体コアをそれぞれ備えた一対のコイル部品において、一方から他方へ非接触で電力が供給されるときの効率をいう。また、ロバスト性とは、例えば、当該一対のコイル部品の一方から他方へ非接触で電力が供給されるときに、電力の供給が一対のコイル部品の相対的な位置ずれによって影響されにくい性質をいう。
【0005】
したがって、本開示の目的は、前記課題を解決することにあって、給電効率及び位置ずれに対するロバスト性の向上した磁性体コアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る磁性体コアは、
基部と、
前記基部から上方へ延びた柱部と、
前記柱部に接続され、前記基部と上下方向に対向し、前記上下方向から見た平面視において前記柱部の外側へ張り出したキャップ部と、
前記基部から上方へ延び、前記平面視において前記柱部を囲むように設けられた壁部と、
を備え、
前記キャップ部は、前記平面視において、前記基部よりも小さく、前記壁部の外縁よりも内側に位置し、
前記壁部の上端は、前記キャップ部の上面よりも下方に位置する、
ように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、給電効率及びロバスト性の向上した磁性体コアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係る磁性体コアの斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
【
図4】
図3のコイル部品のA1-A1線断面図である。
【
図5】
図2のコイル部品を備えた非接触給電システムを示す平面図である。
【
図6】
図5の非接触給電システムのA2-A2線断面図である。
【
図7】コイル部品の変形例を示す図であって、
図4に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の基礎となった知見>
本発明者らは、非接触給電システムの給電効率及び位置ずれに対するロバスト性を向上させるために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
【0010】
特許文献1に記載されたコイル部品を非接触給電システムの送電装置及び受電装置に設けた場合、送電装置のコイルに電流が流れることによって、各装置に設けられた2つの磁性体コアに跨がる鎖交磁束が発生する。鎖交磁束は、各磁性体コアのキャップ部、柱部、基部、及び壁部を通じて、2つの磁性体コアを循環するように形成される。このとき、一方の磁性体コアでは、柱部及びキャップ部から他方の磁性体コアに向かって磁束が放射され、壁部では他方の磁性体コアからの磁束が吸収される。他方の磁性体コアでは、壁部から一方の磁性体コアに向かって磁束が放射され、柱部及びキャップ部では一方の磁性体コアからの磁束が吸収される。
【0011】
柱部の上端部にキャップ部が設けられることによって、各磁性体コアにおいて磁束が放射される部分又は吸収される部分の表面積が拡大される。これにより、各装置に設けられたコイルの間での磁気抵抗が低減され、コイル間の結合率が向上する。また、キャップ部が設けられることによって、各磁性体コアの体積が増加する。これにより、各コイルの自己インダクタンスも向上する。結合率及び各コイルの自己インダクタンスの向上は、コイル間の相互インダクタンスの向上を介して、非接触給電システムの給電効率の改善に寄与する。
【0012】
しかしながら、キャップ部が設けられることによって、各磁性体コア内を循環する漏洩磁束も同時に発生しやすくなる。漏洩磁束は、例えば、一方の磁性体コアにおいて、柱部から他方の磁性体コアに向かわずに壁部へ向かい、壁部及び基部を通って再び柱部へ戻る磁束である。漏洩磁束が増大すると、鎖交磁束が相対的に減少する。これにより、コイル間の結合率が低下し、給電効率はむしろ低下する可能性がある。
【0013】
そこで、本発明者らは、キャップ部を備える磁性体コアにおいて壁部の高さを低くすることによって、漏洩磁束を低減しつつ、結合率及び自己インダクタンスを高く維持することができることを見出した。これにより、キャップ部を設けることによる給電効率の改善が阻害されにくくなる。すなわち、非接触給電システムの給電効率をより確実に向上させることができる。この新規な知見に基づき、本発明者らは以下の開示に至った。
【0014】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書では、必要に応じて特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
【0015】
また、特許請求の範囲では、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」を含む用語)を用いるが、それらの用語が示す方向又は位置は、鉛直方向を基準とする方向又は位置と一致する必要はなく、本開示に係る磁性体コアの姿勢等に応じて変化する。例えば、柱部が鉛直方向を基準とする水平方向に延びているとき、特許請求の範囲における「上」とは、水平方向における一方の方向(例えば左)を示し、且つ特許請求の範囲における「下」とは、水平方向における他方の方向(例えば右)を示してよい。
【0016】
<実施形態>
本開示の実施形態に係る磁性体コア及びコイル部品について説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る磁性体コアの斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る磁性体コア1は、基部10と、基部10から上方へ延びた柱部20と、柱部20に接続されたキャップ部30と、上下方向Zに見た平面視において柱部20を囲むように基部10から上方へ延びた壁部40とを備える。
【0017】
磁性体コア1は、例えば、フェライトの焼結体、磁性粉含有樹脂の成型体等の磁性体で形成されている。本実施形態では、基部10、柱部20、キャップ部30、及び壁部40は、一体に形成されている。後述する
図4、
図6、及び
図7には、各部材の境界を仮想的な破線で示している。基部10、柱部20、キャップ部30、及び壁部40のうちの少なくとも1つの部材は、個別に形成され、他の部材と接合されてもよい。
【0018】
図2は、本開示の実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
図2に示すように、本実施形態に係るコイル部品2は、磁性体コア1と、柱部20の周囲に形成されたコイル50とを備える。
【0019】
図1に示すように、基部10は、本実施形態において、上下方向Zに沿った厚みを有する板形状に形成されている。基部10は、下面10aと、上面10bとを有する。本実施形態において、基部10の下面10a及び上面10bは、上下方向Zに交差する面方向に拡がっている。すなわち、基部10の下面10a及び上面10bの各々は、上下方向Zに交差する左右方向X、並びに上下方向Z及び左右方向Xと交差する奥行方向Yに拡がっている。本実施形態において、左右方向Xと奥行方向Yとは互いに直交し、上下方向Zは、左右方向X及び奥行方向Yの両方と直交している。基部10の平面視における形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等であってよい。本実施形態において、キャップ部30の平面視における形状は、円形である。
【0020】
柱部20は、例えば、円形、楕円形、多角形の断面を有する。当該断面の面積は、上下方向Zに沿った柱部20の全長に亘って一定であってもよく、異なってもよい。本実施形態では、柱部20は、上下方向Zに沿った全長に亘って一定の直径を有する円柱である。
【0021】
図3は、
図2のコイル部品の平面図である。
図3に示すように、基部10、キャップ部30、及び壁部40は、本実施形態において、柱部20の上下方向Zに延びる仮想の中心軸CAを中心として同心状に配置されている。
【0022】
図4は、
図3のコイル部品のA1-A1線断面図である。
図4に示すように、柱部20は、下端部21と、上端部22とを有する。柱部20の下端部21は、基部10の上面10bに接続されている。柱部20の上端部22には、キャップ部30が接続されている。
【0023】
図3に示すように、キャップ部30は、平面視において柱部20の外側へ張り出している。キャップ部30は、平面視において、基部10よりも小さく、壁部40の外縁よりも内側に位置している。本実施形態では、キャップ部30は、平面視において、壁部40の内縁よりも内側に位置している。これにより、壁部40が放射又は吸収する磁束がキャップ部30によって阻害されるのを抑制することができる。本実施形態においては、平面視において、キャップ部30の全部分が基部10の外縁及び壁部40の外縁よりも内側に配置されている。
【0024】
本実施形態において、キャップ部30は、
図1に示すように、上下方向Zに沿った厚みを有する板形状に形成されている。
図4に示すように、キャップ部30は、上下方向Zにおいて基部10の上面10bに対向する下面30aと、下面30aの反対の上面30bをと有する。キャップ部30の平面視における形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等であってよい。本実施形態において、キャップ部30の平面視における形状は、
図3に示すように円形である。平面視において、柱部20の形状とキャップ部30の形状とは、同様であってもよく、異なってもよい。
【0025】
図4に示すように、壁部40は、本実施形態において、基部10の外縁部11から上方に延びている。
図3に示すように、壁部40は、基部10の外縁部11の全周に亘って設けられている。壁部40は、基部10の上面10bから上下方向Zに沿った高さを有する。本実施形態において、壁部40の当該高さは、全周に亘って一定である。
【0026】
壁部40は、柱部20の中心軸CAの放射方向において柱部20を向く内面40aと、内面40aと反対の外面40bとを有する。本実施形態においては、
図3に示すように、壁部40の内面40aは、壁部40の平面視における内縁を構成し、壁部40の外面40bは、壁部40の平面視における外縁を構成している。
【0027】
コイル50は、柱部20の周囲に巻回された導電体を有し、全体として円筒形である。例えば、コイル50は、柱部20の周囲に巻回された導電性のワイヤで形成される。また、例えば、柱部20の周囲に、導電層と絶縁層とが交互に積層された積層体が設けられ、コイル50は、当該積層体に形成された導体パターンによって形成されてもよい。
【0028】
図4に示すように、コイル50は、下面50aと、上面50bとを有する。本実施形態において、コイル50の下面50a及び上面50bは、上下方向Zに直交している。そのため、コイル50の上面50bは、コイル50の上端を構成している。本実施形態において、コイル50の下面50aは、基部10の上面10bに接触し、コイル50の上面50bは、隙間を介してキャップ部30の下面30aと上下方向Zに対向している。
【0029】
コイル50は、柱部20の中心軸CAの放射方向において柱部20を向く内面50cと、内面50cと反対の外面50dとを有する。本実施形態においては、
図3に示すように、コイル50の外面50dは、平面視におけるコイル50の外縁を構成している。コイル50の外径R1は、コイル50の外面50dの平面視における半径であり、コイル50の内径R2は、コイル50の内面50cの平面視における半径である。本実施形態においては、平面視において、キャップ部30の外縁31は、コイル50の外面50dよりも外側に位置している。
【0030】
図4に示すように、壁部40の上端41は、キャップ部30の上面30b又は下面30aよりも下方に位置する。例えば、壁部40の上端41は、上面30bの最上部若しくは最下部、又は下面30aの最上部若しくは最下部よりも下方に位置する。本実施形態では、壁部40の上端41は、キャップ部30の下面30aよりも下方、つまりキャップ部30の上面30b及び下面30aの双方よりも下方に位置する。しかし、壁部40の上端41は、キャップ部30の下面30aよりも上方且つキャップ部30の上面30bよりも下方に位置してもよい。
【0031】
さらに、壁部40の上端41は、上下方向Zにおいて、コイル50の上端と同じ位置、又は当該上端よりも下方に位置する。本実施形態では、壁部40の上端41は、コイル50の上面50bよりも下方に位置している。換言すると、コイル部品2の側面視において、コイル50は、壁部40から露出している。なお、壁部40の上端41は、上下方向Zにおいて、コイル50の上端よりも上方に位置してもよい。
【0032】
壁部40の上端41とキャップ部30の平面視における外縁31との間の最短距離L1は、コイル50の外径R1と内径R2との差L2よりも大きい。例えば、当該最短距離L1は、コイル50の外径R1と内径R2との最小の差よりも大きい。
【0033】
本実施形態に係る非接触給電システム3について説明する。
図5は、
図2のコイル部品を備えた非接触給電システムを示す平面図である。
図5では、筐体6以外の部材を透過して示している。
図6は、
図5の非接触給電システムのA2-A2線断面図である。
【0034】
図6に示すように、非接触給電システム3は、受電装置4と、送電装置5とを備える。送電装置5は、受電装置4及び送電装置5の各々に設けられたコイル同士の電磁的な結合を介して、受電装置4に非接触で電力を供給する。受電装置4及び送電装置5のうちの少なくとも一方は、本実施形態に係るコイル部品を有する。受電装置4及び送電装置5のうちの一方のみが本実施形態に係るコイル部品を有する場合、受電装置4及び送電装置5のうちの他方は、少なくともコイルを有する。本実施形態においては、受電装置4及び送電装置5の両方が、本実施形態に係るコイル部品2,102を有する。
【0035】
受電装置4は、コイル部品2と、コイル部品2を収容する筐体6とを有する。送電装置5は、コイル部品102と、コイル部品102を収容する筐体106とを有する。コイル部品102は、後述する相違点を除いてコイル部品2と同様に構成されている。受電装置4及び送電装置5に設けられるコイル部品2,102の形状及び寸法は、同様であってもよく、異なってもよい。本実施形態では、コイル部品102に設けられた磁性体コア101は、柱部120及びキャップ部130を除いて、コイル部品2に設けられた磁性体コア1と相似な立体形状を有し、当該磁性体コア1よりも大きい。コイル部品102に設けられたコイル150は、コイル部品2に設けられたコイル50と相似な立体形状を有し、当該コイル50よりも大きい。そのため、
図5に示すように、送電装置5の磁性体コア101に設けられた基部110及び壁部140の各々は、平面視において、受電装置4の磁性体コア1に設けられた基部10及び壁部40の各々よりも大きい。また、送電装置5に設けられたコイル150の外径は、受電装置4に設けられたコイル50の外径よりも大きい。
【0036】
図6に示すように、受電装置4は、送電装置5に設けられた柱部20の上下方向Zに交差する交差方向に延びた移動経路RTに沿って移動可能に構成されている。例えば、受電装置4は、無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)、電動輸送機器、ベルトコンベア等の一部として構成される。本実施形態において、移動経路RTは、少なくとも送電装置5の近傍において左右方向Xに沿って延びている。受電装置4は、移動経路RTにおける予め決められた給電位置又はその近傍で停止する。このとき、送電装置5のコイル150と受電装置4のコイル50とが電磁的に結合することによって、送電装置5から受電装置4へ電力が供給される。
【0037】
図6には、受電装置4が給電位置で停止した状態が示されている。受電装置4が給電位置又はその近傍で停止したとき、コイル部品2,102は、各々のキャップ部30,130の上面30bが対向するように配置される。給電位置は、例えば、移動経路RTの延在方向において、受電装置4及び送電装置5に設けられたコイル50,150の巻回軸が一致する位置、平面視においてキャップ部30,130の中心が一致する位置、又は平面視において柱部20の中心が一致する位置である。本明細書では、移動経路RTの延びる方向における、予め決められた給電位置と、受電装置4の実際の停止位置とのずれを「位置ずれ」という。
【0038】
送電装置5における、キャップ部130の外縁31と壁部140の上端41との間の最短距離L5は、受電装置4に設けられたコイル50と送電装置5に設けられたコイル150との間の最短距離L6よりも大きい。例えば、前記の最短距離L5は、受電装置4が給電位置で停止した状態における、コイル50とコイル150との間の最短距離L6よりも大きい。また、受電装置4における、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間の最短距離も、前記の最短距離L6よりも大きくてもよい。
【0039】
図5に示すように、非接触給電システム3に設けられたキャップ部30,130の少なくとも1つは、移動経路RTの延在方向及び上下方向Zの両方に直交する方向よりも、移動経路RTの延在方向に長い形状を有する。本実施形態において、キャップ部130は、平面視において、奥行方向Yよりも左右方向Xに長い形状を有する。すなわち、平面視において、キャップ部130の左右方向Xの長さL3は、キャップ部130の奥行方向Yの長さL4よりも長い。キャップ部130の平面視における形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等であってよい。本実施形態において、キャップ部130は、平面視において、略矩形であり、左右方向Xにおける両端部が半円形状に形成されている。柱部120は、平面視において、キャップ部130と同様の形状に形成されている。
【0040】
図5に示すように、平面視において、送電装置5における、基部10の面積に対するキャップ部130の面積の割合は、受電装置4における、基部10の面積に対するキャップ部30の面積の割合よりも小さい。
【0041】
送電装置5における、磁性体コア101の体積に対するキャップ部130の体積の割合は、受電装置4における、磁性体コア1の体積に対するキャップ部30の体積の割合よりも小さい。
【0042】
本実施形態に係る磁性体コア1によれば、壁部40の上端41がキャップ部30の上面30bよりも下方に位置するので、壁部40の上端41がキャップ部30の上面30b以上の高さに位置する構成よりも、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間において、磁気抵抗が増大し、磁気結合が抑制される。これにより、漏洩磁束を低減することができる。したがって、給電効率及び位置ずれに対するロバスト性が向上した磁性体コア1を提供することができる。
【0043】
また、本実施形態に係る磁性体コア1によれば、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間の磁気抵抗は、壁部40の上端41がキャップ部30の下面30a以上に位置する構成よりも増大する。これにより、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間での磁気結合が抑制されるので、漏洩磁束を一層低減することができる。したがって、給電効率及び位置ずれに対するロバスト性を更に向上させることができる。
【0044】
本実施形態に係るコイル部品2によれば、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間での磁気結合が抑制された磁性体コア1を有するので、給電効率及び位置ずれに対するロバスト性が向上したコイル部品2を提供することができる。
【0045】
また、本実施形態に係るコイル部品2によれば、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間における磁気抵抗は、壁部40の上端41がコイル50の上端(上面50b)よりも上方に位置する構成よりも増大する。これにより、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間での磁気結合が抑制されるので、漏洩磁束を一層低減することができる。したがって、給電効率及び位置ずれに対するロバスト性を更に向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態に係るコイル部品2によれば、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間の最短距離L1がコイル50の外径R1と内径R2との差L2よりも大きいので、最短距離L1がコイル50の外径R1と内径R2との差L2以下である構成と比較して、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間において、磁気抵抗が増大し、磁気結合が抑制される。これにより、漏洩磁束を一層低減することができる。したがって、給電効率及び位置ずれに対するロバスト性を更に向上させることができる。
【0047】
本実施形態に係る非接触給電システム3によれば、受電装置4及び送電装置5の少なくとも一方に、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間での磁気結合が抑制されたコイル部品2が設けられるので、給電効率及び位置ずれに対するロバスト性が向上した非接触給電システム3を提供することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る非接触給電システム3によれば、少なくとも1つのキャップ部130は、左右方向X及び上下方向Zに直交する奥行方向Yよりも左右方向Xに長い形状を有する。そのため、2つのキャップ部30,130は、全てのキャップ部が奥行方向Yよりも左右方向Xに短い形状を有する構成と比較して、左右方向Xにより大きい範囲で磁気結合することができる。これにより、受電装置4が予め決められた給電位置からずれて停止したときに、受電装置4と送電装置5との間での給電効率の低下を抑制することができる。換言すると、給電効率の低下の原因となり得る受電装置4の停止位置の位置ずれの許容範囲を大きくすることができる。したがって、位置ずれに対するロバスト性を更に向上させることができる。
【0049】
受電装置4のコイル50を通過する磁束は、受電装置4のコイル50及び送電装置5のコイル150の両方を通過する鎖交磁束と、受電装置4のコイル50のみを通過する漏洩磁束とを含む。漏洩磁束は、受電装置4が有する磁性体コア1の形状に依存する一定の磁束密度を有する。本実施形態に係る非接触給電システム3によれば、送電装置5における、磁性体コア101の体積に対するキャップ部130の体積の割合は、受電装置4における、磁性体コア1の体積に対するキャップ部30の体積の割合よりも小さい。そのため、受電装置4のコイル50を通過する磁束に占める鎖交磁束の割合が小さくなる。これにより、位置ずれによって引き起こされる受電装置4のコイル50の自己インダクタンスの変動が抑制されるので、受電装置4のコイル50と送電装置5のコイル150との間の共振状態をより確実に維持することができる。したがって、位置ずれに対するロバスト性を更に向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態に係る非接触給電システム3によれば、送電装置5における、磁性体コア101の基部110の面積に対するキャップ部130の面積の割合は、受電装置4における、磁性体コア1の基部10の面積に対するキャップ部30の面積の割合よりも小さい。そのため、受電装置4のコイル50を通過する磁束に占める鎖交磁束の割合が小さくなる。これにより、位置ずれによって引き起こされる受電装置4のコイル50の自己インダクタンスの変動が抑制されるので、受電装置4のコイル50と送電装置5のコイル150との間の共振状態をより確実に維持することができる。したがって、位置ずれに対するロバスト性を更に向上させることができる。
【0051】
なお、本開示は、前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施することができる。例えば、前記では、キャップ部30が柱部20の中心軸CAを中心として同心状に配置されるものとしたが、本開示はこれに限定されない。また、コイル50の形状及び配置は、前記に限定されない。
【0052】
図7は、コイル部品の変形例を示す図であって、
図4に対応する断面図である。
図7に示す例では、キャップ部30は、平面視において、柱部20の中心軸CAから偏心して配置されている。
図7に示す断面では、キャップ部30は、図の右側に偏って配置されている。
【0053】
コイル50の下面50aと基部10の上面10bとの間、及びコイル50の内面50cと柱部20との間には、樹脂7が設けられてもよい。また、樹脂7が設けられる代わりに、これらの間に隙間が形成されてもよい。この場合、コイル50は、例えば接着剤によって柱部20に接合されてもよい。コイル50の上面50bは、キャップ部30の下面30aよりも上方に位置してもよい。コイル50の外面50dは、壁部40の内面40a及び外面40bよりも外側に位置してもよい。
【0054】
また、前記では、平面視において、キャップ部30の全部分が壁部40の外面40bよりも内側に配置されているものとしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、キャップ部30の一部のみが、壁部40の外面40bよりも内側に配置されてもよい。
【0055】
また、前記では、キャップ部30,130が上下方向Zに沿った厚みを有する板形状に形成されているものとしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、キャップ部30,130は、上方に向かって細くなるテーパ形状を有してもよい。
【0056】
また、前記では、壁部40が基部10の外縁部11の全周に亘って設けられるものとしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、壁部40は、基部10の上面10bのうち、外縁部11よりも内側の領域から上方に延びてもよい。また、壁部40は、平面視において柱部20を完全に囲っていなくてもよい。例えば、壁部40には、1つ以上の穴、隙間等が設けられてもよい。
【0057】
また、前記では、非接触給電システム3において、受電装置4が移動可能であるものとしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、送電装置5のみ、又は受電装置4及び送電装置5の両方が移動可能であってもよい。
【0058】
また、前記では、磁性体コア1,101が壁部40,140を有するものとしたが、本開示はこれに限定されない。例えば、磁性体コア1,101は、壁部40,140を有さなくてもよい。この場合、各磁性体コア1,101では、キャップ部30,130は、平面視において、基部10,110よりも小さく、基部10,110の外縁12,112(
図6参照)よりも内側に位置してよい。基部10,110の上端(前記実施形態において、上面10b)は、キャップ部30,130の上面30bよりも下方に位置してよい。
【0059】
また、前記では、平面視において、キャップ部30の外縁31がコイル50の外縁(前記実施形態において、外面50d)よりも外側に位置するものとしたが、本開示はこれに限定されない。平面視において、キャップ部30の外縁31は、例えば
図3に二点鎖線CEで示すように、コイル50の外縁よりも内側に位置してもよい。この構成によれば、キャップ部30の外縁31がコイル50の外縁よりも外側に位置する構成と比較して、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との最短距離L1が大きくなる。当該最短距離L1が大きくなることによって、キャップ部30の外縁31と壁部40の上端41との間において、磁気抵抗が増大し、磁気結合が抑制される。これにより、漏洩磁束を一層低減することができる。したがって、給電効率及び位置ずれに対するロバスト性を更に向上させることができる。なお、キャップ部30の外縁31は、一部のみがコイル50の外縁よりも内側に位置してもよく、全周に亘ってコイル50の外縁よりも内側に位置してもよい。
【0060】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0061】
本開示の第1態様によれば、
基部(10)と、
前記基部(10)から上方へ延びた柱部(20)と、
前記柱部(20)に接続され、前記基部(10)と上下方向に対向し、前記上下方向から見た平面視において前記柱部(20)の外側へ張り出したキャップ部(30)と、
前記基部(10)から上方へ延び、前記平面視において前記柱部(20)を囲むように設けられた壁部(40)と、
を備え、
前記キャップ部(30)は、前記平面視において、前記基部(10)よりも小さく、
前記壁部(40)の外縁(外面(40b))よりも内側に位置し、
前記壁部(40)の上端(41)は、前記キャップ部(30)の上面(30b)よりも下方に位置する、
磁性体コア(1)を提供する。
【0062】
本開示の第2態様によれば、前記壁部(40)の上端(41)は、前記キャップ部(30)の下面(30a)よりも下方に位置する、第1態様に記載の磁性体コア(1)を提供する。
【0063】
本開示の第3態様によれば、
第1又は第2態様に記載の磁性体コア(1)と、
前記柱部(20)の周囲に形成されたコイル(50)と、
を備える、コイル部品(2)を提供する。
【0064】
本開示の第4態様によれば、前記壁部(40)の上端(41)は、前記上下方向において前記コイル(50)の上端(上面(50b))と同じ位置、又は前記コイル(50)の上端(上面(50b))よりも下方に位置する、第3態様に記載のコイル部品(2)を提供する。
【0065】
本開示の第5態様によれば、前記壁部(40)の上端(41)と前記キャップ部(30)の前記平面視における外縁(31)との間の最短距離は、前記コイル(50)の外径(R1)と内径(R2)との差よりも大きい、第3又は第4態様に記載のコイル部品(2)を提供する。
【0066】
本開示の第6態様によれば、前記平面視において、前記キャップ部(30)の外縁(31)は、前記コイル(50)の外縁(外面(50d))よりも内側に位置する、第3~第5態様のいずれか1つに記載のコイル部品(2)を提供する。
【0067】
本開示の第7態様によれば、
受電装置(4)と、
前記受電装置(4)に非接触で電力を供給する送電装置(5)と、
を備え、
前記受電装置(4)及び前記送電装置(5)の少なくとも一方は、第3~第6態様のいずれか1つに記載のコイル部品(2)を有する、
非接触給電システム(3)を提供する。
【0068】
本開示の第8態様によれば、
前記受電装置(4)及び前記送電装置(5)の各々は、前記コイル部品(2,102)を有し、
前記コイル部品(2,102)の少なくとも1つにおいて、前記キャップ部(130)の前記平面視における外縁(31)と前記壁部(140)の上端(41)との間の最短距離は、前記受電装置(4)に設けられた前記コイル(50)と前記送電装置(5)に設けられた前記コイル(150)との間の最短距離よりも大きい、
第7態様に記載の非接触給電システム(3)を提供する。
【0069】
本開示の第9態様によれば、
前記受電装置(4)及び前記送電装置(5)のうちの一方は、前記受電装置(4)及び前記送電装置(5)のうちの他方に設けられた前記柱部(20)の前記上下方向に交差する交差方向に延びた移動経路に沿って移動可能に構成され、
前記キャップ部(30,130)の少なくとも1つは、前記交差方向及び前記上下方向に直交する方向よりも前記交差方向に長い形状を有する、
第7又は第8態様に記載の非接触給電システム(3)を提供する。
【0070】
本開示の第10態様によれば、
前記受電装置(4)及び前記送電装置(5)の各々は、前記コイル部品(2,102)を有し、
前記送電装置(5)における、前記磁性体コア(101)の体積に対する前記キャップ部(130)の体積の割合は、前記受電装置(4)における前記体積の割合よりも小さい、
第7~第9態様のいずれか1つに記載の非接触給電システム(3)を提供する。
【0071】
本開示の第11態様によれば、
前記受電装置(4)及び前記送電装置(5)の各々は、前記コイル部品(2,102)を有し、
前記平面視において、前記送電装置(5)における、前記磁性体コア(101)の前記基部(110)の面積に対する前記キャップ部(130)の面積の割合は、前記受電装置(4)における前記面積の割合よりも小さい、
第7~第10態様のいずれか1つに記載の非接触給電システム(3)を提供する。
【0072】
本実施形態の第12態様によれば、
受電装置(4)と、
前記受電装置(4)に非接触で電力を供給する送電装置(5)と、
を備え、
前記受電装置(4)及び前記送電装置(5)の少なくとも一方は、磁性体コア(1,101)とコイル(50,150)とを有するコイル部品(2.102)を備え、
前記磁性体コア(1,101)は、
基部(10,110)と、
前記基部(10,110)から上方へ延びた柱部(20,120)と、
前記柱部(20,120)に接続され、前記基部(10,110)と上下方向に対向し、前記上下方向から見た平面視において前記柱部(20,120)の外側へ張り出したキャップ部(30,130)と、
を有し、
前記コイル(50,150)は、前記柱部(20,120)の周囲に形成され、
前記キャップ部(30,130)は、前記平面視において、前記基部(10,110)よりも小さく、前記基部(10,110)の外縁(12,112)よりも内側に位置し、
前記受電装置(4)及び前記送電装置(5)のうちの一方は、前記受電装置(4)及び前記送電装置(5)のうちの他方に設けられた前記柱部(20)の前記上下方向に交差する交差方向に延びた移動経路に沿って移動可能に構成され、
前記キャップ部(30,130)の少なくとも1つは、前記交差方向及び前記上下方向に直交する方向よりも前記交差方向に長い形状を有する、
非接触給電システム(3)を提供する。
【0073】
前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることによって、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ、実施例同士の組み合わせ、又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【0074】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本開示に係る磁性体コア、コイル部品、及び非接触給電システムは、給電効率及び位置ずれに対するロバスト性が高いので、非接触給電が行われる種々の装置及びシステム等に有用である。
【符号の説明】
【0076】
1,101 磁性体コア
2,102 コイル部品
3 非接触給電システム
4 受電装置
5 送電装置
6,106 筐体
7 樹脂
10,110 基部
10a 下面
10b 上面
11 外縁部
12,112 外縁
20,120 柱部
21 下端部
22 上端部
30,130 キャップ部
30a 下面
30b 上面
31 外縁
40,140 壁部
40a 内面
40b 外面
41 上端
50,150 コイル
50a 下面
50b 上面
50c 内面
50d 外面