(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122507
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】発光装置、蓋体の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/02208 20210101AFI20240902BHJP
H01S 5/02257 20210101ALI20240902BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240902BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20240902BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240902BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240902BHJP
【FI】
H01S5/02208
H01S5/02257
F21S2/00 100
F21V17/00 150
F21V17/00 500
F21Y115:10 300
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030076
(22)【出願日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】北島 忠征
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼鶴 一真
【テーマコード(参考)】
3K011
5F173
【Fターム(参考)】
3K011AA01
3K011HA01
3K011JA01
3K011LA05
5F173MA10
5F173MC01
5F173MC12
5F173MD05
5F173MD07
5F173ME02
5F173ME22
5F173ME33
5F173MF03
5F173MF40
(57)【要約】
【課題】発光素子から出射される光の方向において、発光装置を小型化する。
【解決手段】本発光装置は、基部と、前記基部の上面に配置され、光を側方に出射する発光素子と、前記基部と接合し、前記発光素子の周囲を囲う側部及び上方を覆う上部を有する蓋体と、を備え、前記蓋体は、前記側方に出射した前記光が入射する入射面を有し、少なくとも一部が前記上部に含まれている波長変換部と、前記光と同じ波長範囲の光を遮光する遮光部と、を有し、前記遮光部は、前記発光素子の光出射点を通り、前記発光素子から出射される光軸上を通る光が進む方向である光軸方向と平行な直線上に位置し、前記遮光部の少なくとも一部は、前記波長変換部よりも前記光軸方向に離れた位置に設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部の上面に配置され、光を側方に出射する発光素子と、
前記基部と接合し、前記発光素子の周囲を囲う側部及び上方を覆う上部を有する蓋体と、を備え、
前記蓋体は、前記側方に出射した前記光が入射する入射面を有し、少なくとも一部が前記上部に含まれている波長変換部と、前記光と同じ波長範囲の光を遮光する遮光部と、を有し、
前記遮光部は、前記発光素子の光出射点を通り、前記発光素子から出射される光軸上を通る光が進む方向である光軸方向と平行な直線上に位置し、
前記遮光部の少なくとも一部は、前記波長変換部よりも前記光軸方向に離れた位置に設けられている、発光装置。
【請求項2】
前記波長変換部は、その側面において前記入射面である入射側面を有し、前記入射側面に入射した光を波長変換した光を上方に出射する上面を備える、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記蓋体の上面は、その少なくとも一部に前記波長変換部の上面を含み、
前記蓋体の内側面は、その少なくとも一部に前記入射側面を含む、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記蓋体の外側面は、その全面が前記遮光部の外側面によって構成される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記光軸方向において、前記入射側面から前記発光素子の出射端面までの距離は、前記波長変換部の上面の前記出射端面に最も近い点から前記出射端面までの距離よりも長い、請求項2に記載の発光装置。
【請求項6】
前記基部の上面に垂直な方向において、前記波長変換部の高さは、前記基部と前記蓋体とが形成する閉鎖空間の高さよりも高い、請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記光軸方向において、前記波長変換部の側に位置する前記側部の内側面から外側面までの幅は、前記波長変換部とは反対側に位置する前記側部の内側面から外側面までの幅よりも広い、請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記蓋体の下面は、その少なくとも一部に前記波長変換部の下面を含み、
上面視で、前記波長変換部の下面の形状と前記波長変換部の上面の形状は異なる、請求項2に記載の発光装置。
【請求項9】
上面視で、前記遮光部は、前記発光素子の上面の80%以上を覆う、請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記波長変換部は、上方側では互いに接続し、下方側ではそれぞれが前記入射側面と接続する、第1側面及び第2側面を備え、
前記波長変換部は、前記第1側面及び前記第2側面が前記遮光部に覆われて露出せず、前記入射側面は前記遮光部に覆われずに露出する、請求項2に記載の発光装置。
【請求項11】
前記発光素子の出射端面の反対側に位置する前記発光素子の側面は、前記遮光部と対向する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記波長変換部及び前記遮光部は、セラミックスを主材料に形成される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項13】
上面視で、所定間隔で2次元に配置された複数の波長変換部と、各々の前記波長変換部の側面を取り囲む1つの遮光部と、を有するウェハを準備する工程と、
前記ウェハを貫通しないように、各々の前記波長変換部の一部、及び前記遮光部の一部を除去し、前記ウェハの下面側に開口する複数の開口部を形成する工程と、
前記波長変換部及び前記開口部を1つずつ含むように、前記遮光部を切断し、前記ウェハを個片化する工程と、を有する、蓋体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置、蓋体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光素子であるレーザダイオードを有し、レーザダイオードから出射された光を波長変換体に入射し、波長変換体に入射した光を異なる波長の光に変換して外部に出射する発光装置が開示されている。特許文献1に開示の発光装置では、波長変換体を固定するための凹形状の嵌合部を基板に設け、嵌合部に波長変換体を嵌め込むようにして固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような発光装置は、レーザダイオードから出射されるレーザ光の進行方向と、発光装置から出射される光の進行方向が同じ方向である。このような発光装置では、波長変換体によって変換される光の光量を増やしたい場合は、波長変換体をレーザ光の進行方向に大きくする必要があり、発光装置が大型化する。
【0005】
あるいは、別の観点からは、上記のような発光装置では、波長変換体を嵌め込むための嵌合部を必要とするため、基板が複雑な形状になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る発光装置は、基部と、前記基部の上面に配置され、光を側方に出射する発光素子と、前記基部と接合し、前記発光素子の周囲を囲う側部及び上方を覆う上部を有する蓋体と、を備え、前記蓋体は、前記側方に出射した前記光が入射する入射面を有し、少なくとも一部が前記上部に含まれている波長変換部と、前記光と同じ波長範囲の光を遮光する遮光部と、を有し、前記遮光部は、前記発光素子の光出射点を通り、前記発光素子から出射される光軸上を通る光が進む方向である光軸方向と平行な直線上に位置し、前記遮光部の少なくとも一部は、前記波長変換部よりも前記光軸方向に離れた位置に設けられている。
【0007】
本開示の一実施形態に係る蓋体の製造方法は、上面視で、所定間隔で2次元に配置された複数の波長変換部と、各々の前記波長変換部の側面を取り囲む1つの遮光部と、を有するウェハを準備する工程と、前記ウェハを貫通しないように、各々の前記波長変換部の一部、及び前記遮光部の一部を除去し、前記ウェハの下面側に開口する複数の開口部を形成する工程と、前記波長変換部、前記開口部を1つずつ含むように、前記遮光部を切断し、前記ウェハを個片化する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、発光素子から出射される光の方向において、発光装置を小型化できる。また、発光装置の小型化を可能とする蓋体の製造方法を提供できる。
【0009】
また、別の観点において、製造の容易な発光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。
【
図2】
図1に示す発光装置から蓋体を取り除いた状態の斜視図である。
【
図3】
図1に示す発光装置から蓋体を取り除いた状態の上面図である。
【
図4】
図1のIV-IV断面線における発光装置の断面図である。
【
図5】第1実施形態に係る発光装置を例示する上面図である。
【
図6】第1実施形態に係る発光装置を例示する下面図である。
【
図7】第1実施形態に係る波長変換部を例示する斜視図である。
【
図8】第1実施形態に係る蓋体の製造方法を例示する上面図である。
【
図9】第1実施形態に係る蓋体の製造方法を例示する断面図(その1)である。
【
図10】第1実施形態に係る蓋体の製造方法を例示する断面図(その2)である。
【
図11】第1実施形態に係る蓋体の製造方法を例示する断面図(その3)である。
【
図12】第1実施形態に係る蓋体の製造方法を例示する断面図(その4)である。
【
図13】第1実施形態に係る蓋体の製造方法を例示する断面図(その5)である。
【
図14】
図4に示す発光装置について、発光素子及び波長変換部とその近傍を拡大した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる。しかし、本明細書で用いる「上」、「下」、等の方向や位置を示す用語は、それぞれの構成、部材の相対的な方向や位置関係を明示するために用いるものであり、例えば使用時における関係と一致していなくてもよい。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
【0012】
また、本開示において、三角形や四角形等の多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本開示で記載される"多角形"の解釈に含まれるものとする。
【0013】
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸等、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、"辺"の解釈には加工された部分も含まれる。なお、部分的な加工のない"多角形"や"辺"を、加工された形状と区別する場合は"厳密な"を付して、例えば、"厳密な四角形"等と記載するものとする。
【0014】
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置等を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施形態において説明する内容は、他の実施形態や変形例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。さらに、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略した模式図を用いたり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりすることがある。
【0015】
<第1実施形態>
図1から
図7を参照して、第1実施形態に係る発光装置200について説明する。
図1は、第1実施形態に係る発光装置を例示する斜視図である。
図2は、
図1に示す発光装置から蓋体を取り除いた状態の斜視図である。
図3は、
図1に示す発光装置から蓋体を取り除いた状態の上面図である。
図4は、
図1のIV-IV断面線における発光装置の断面図である。
図5は、第1実施形態に係る発光装置を例示する上面図である。なお、
図5においては説明の便宜上、破線で発光素子と蓋体の内側面を透過して示している。
図6は、第1実施形態に係る発光装置を例示する下面図である。
図7は、第1実施形態に係る波長変換部を例示する斜視図である。
【0016】
発光装置200は、基部211と、発光素子220と、蓋体240と、を備える。図示される例では、発光装置200は、さらに上側金属部231、下側金属部232、保護素子250、及び配線270を備える。なお、発光装置200は、これらの構成要素の全てを備えなくてもよい。
【0017】
発光装置200の各構成要素について説明する。なお、発光装置200に関して、上側金属部231及び下側金属部232については、基部211と合わせて説明する。
【0018】
図1~
図6には、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸と平行な方向を、それぞれ第1方向X、第2方向Y、第3方向Zとしている。第1方向X及び第2方向Yは基部211の上面211aに平行であり、第3方向Zは基部211の上面211aに垂直である。他の図においても、必要に応じ、同様のX軸、Y軸、及びZ軸を示す場合がある。
【0019】
(基部211、上側金属部231、下側金属部232)
基部211は、上面211a及び下面211bを有している。上面211aと下面211bとは、平行であってもよいし、平行でなくてもよい。また、基部211は、上面211a及び下面211bと接続する1又は複数の側面を有している。1又は複数の側面は、上面211aの外縁と下面211bの外縁とを接続する。
【0020】
基部211は、例えば、直方体又は立方体である。この場合、基部211の上面211a及び下面211bは何れも矩形であり、基部211は4つの矩形の側面を有する。なお、特に正方形を除外するような言及がされていない限り、矩形には正方形も含まれてよいものとする。基部211は、直方体又は立方体でなくてもよい。例えば、基部211は、上面視で任意の形状を有する板状であってもよい。なお、基部211は、板状には限定されず、上面視で円形、楕円形、多角形等の任意の形状であってもよい。
【0021】
基部211は、例えば、絶縁性を有する材料を含有する。基部211は、例えば、セラミックスを主材料として形成することができる。例えば、セラミックスとして、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いることができる。なお、基部211を形成する主材料を、導電性を有する材料としてもよい。例えば、アルミニウム、金、銀、銅、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト、若しくはそれらの合金等の金属や、ダイヤモンド、銅ダイヤモンド等の複合材料が挙げられる。
【0022】
基部211の上面211aには、上側金属部231が設けられている。上側金属部231を形成する材料は、例えば、銅である。上側金属部231を形成する他の材料として、例えば、銅-タングステン等が挙げられる。上側金属部231の厚さは、基部211の厚さよりも小さい。上側金属部231の厚さは、例えば、30μm以上120μm以下である。このような厚さにすることにより、発光素子220の発する熱を上側金属部231で十分に放熱することができる。
【0023】
上側金属部231は、上面視で、矩形である上面211aの短辺方向において対向する長辺の一辺側に寄って設けられる。より具体的には、上側金属部231は、上面211aの2つの長辺のうち、第2方向Yの負方向側の長辺に寄って設けられる。図示する例で、上側金属部231は、上面視で矩形である。上側金属部231は、上面視で矩形でなくてもよい。
【0024】
基部211の下面211bには、1又は複数の下側金属部232が設けられてもよい。基部211の下面211bに下側金属部232を設ける場合、下側金属部232の厚さは、基部211の厚さよりも小さい。また、下側金属部232の厚さは、上側金属部231の厚さに対して0.8倍以上1.2倍以下であることが好ましい。これにより、基部211の上面211a側と下面211b側の応力の偏りを低減することができ、基部211に反りが生じることを抑制できる。下側金属部232の厚さは、例えば25μm以上150μm以下である。
【0025】
図6に示すように、発光装置200では、一例として、基部211の下面211bに、第1下側金属部232A、第2下側金属部232B、及び第3下側金属部232Cを含む複数の下側金属部232が設けられている。下面視で、第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bは、共に下面211bの2つ短辺の1辺に寄って配置される。また、第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bは、短辺方向(第2方向Y)において対向するように配置される。
【0026】
図示する例では、第1下側金属部232Aは、下面211bにおいて、第1方向Xの負方向側で、かつ第2方向Yの負方向側に配置されている。第2下側金属部232Bは、下面211bにおいて、第1方向Xの負方向側で、かつ第1下側金属部232Aよりも第2方向Yの正方向側に配置されている。図示する例で、第1方向X及び第2方向Yにおいて、第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bは、同じ大きさである。なお、第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bは、互いに異なる大きさであってよい。
【0027】
下面視で、第3下側金属部232Cは、第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bと、長辺方向(第1方向X)において対向するように配置される。より具体的には、第3下側金属部232Cは、下面211bにおいて、第1方向Xの正方向側に配置され、第1方向Xにおいて、第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bと対向する。また、下面視で、第3下側金属部232Cは、第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bと第1方向Xにおいて離隔している。
【0028】
下面211bの長辺方向(第1方向X)及び短辺方向(第2方向Y)のいずれにおいても、第3下側金属部232Cは、第1下側金属部232A、第2下側金属部232Bのそれぞれよりも長い。また、下面視で、第3下側金属部232Cの面積は、第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bの合計の面積よりも大きい。なお、放熱性の向上のため、第3下側金属部232Cの面積は、基部211の下面211bの面積の1/2よりも大きいことが望ましい。
【0029】
第1下側金属部232Aは、例えば、基部211を貫通するビア配線により上側金属部231と電気的に接続される。第2下側金属部232Bは、例えば、基部211を貫通するビア配線により後述する金属膜262と電気的に接続される。第1下側金属部232A及び第2下側金属部232Bは、例えば、発光素子220と外部電源との電気的な接続に利用することができる。なお、第3下側金属部232Cには、ビア配線は接続されなくてよい。第3下側金属部232Cは、電気的にフローティングされていてもよい。
【0030】
基部211の上面211aには、金属膜261が設けられてもよい。
図3に示すように、上面視で、金属膜261は、上側金属部231と離隔して設けられる。金属膜261は、第3方向Zにおいて、その厚さが上側金属部231の厚さの1/3よりも薄いことが好ましい。上面視で、金属膜261は、例えば、上側金属部231の周囲を囲むように設けられる。金属膜261は、上面視で上側金属部231と重ならない。金属膜261としては、例えば、Ni/Au(Ni、Auの順で積層した金属膜)やTi/Pt/Au(Ti、Pt、Auの順で積層した金属膜)等が挙げられる。
【0031】
基部211の上面211aには、さらに金属膜262が設けられてもよい。
図3に示すように、金属膜262は、上側金属部231と対向して設けられる。より詳細には、金属膜262は、上側金属部231と第2方向Yにおいて対向する。金属膜262は、上側金属部231よりも第2方向Yにおいて正方向側に位置する。上面視で、金属膜262は矩形であり、例えば第1方向Xの長さが第2方向Yよりも長い長方形である。上面視で、金属膜262の第1方向Xにおける長さは、上側金属部231の第1方向Xにおける長さと略同じである。上面視で、金属膜262の第2方向Yにおける長さは、上側金属部231の第2方向Yにおける長さよりも短い。上面視で、金属膜262は、上側金属部231及び金属膜261と重ならない。図示する例で、金属膜261は、金属膜262の周囲を囲むように設けられている。
【0032】
図3に示すように、金属膜261の上面に、後述する蓋体240と接合するための金属接着剤263が設けられてもよい。上面視で、金属接着剤263は、例えば、上側金属部231及び金属膜262の周囲を囲むように設けられる。第1方向Xに関して、金属接着剤263における、上側金属部231に対して第1方向Xの正方向側に配置される部分の幅は、第1方向Xの負方向側に配置される部分の幅よりも広い。また、上面視で、金属接着剤263の面積は、金属膜261の面積よりも小さい。金属接着剤263として、例えばAuSnを用いることができる。なお、
図3では、便宜上、金属接着剤263をドットパターンで示している。
【0033】
(蓋体240)
蓋体240は、上面240a、背面240b、下面240c、1又は複数の内側面240d、1又は複数の外側面240eを有している。第3方向Zにおいて、背面240bは上面240aよりも負方向側に位置し、下面240cは背面240bよりもさらに負方向側に位置する。上面240aと背面240bと下面240cは、平行であってもよいし、平行でなくてもよい。1又は複数の内側面240dは、背面240b及び下面240cと交わる。1又は複数の外側面240eは、上面240a及び下面240cと交わる。
【0034】
ここで、蓋体240を、側部241と上部242とに分けて説明する場合が有る。本明細書において、「側部241」は、蓋体240のうち、背面240bに重なり背面240bに平行な平面よりも下面240c側に位置する部分を指す。「上部242」は、蓋体240のうち、背面240bに重なり背面240bに平行な平面よりも上面240a側に位置する部分を指す。図示する例では、背面240bよりも第3方向Zの負方向側に位置する部分を「側部241」とする。背面240bよりも第3方向Zの正方向側に位置する部分を「上部242」とする。
【0035】
側部241は、例えば、上面視で矩形の枠状である。上部242は、例えば、平板形状である。側部241の上端側は上部242で塞がれ、側部241の下端側は開口している。すなわち、蓋体240は、上部242とは反対側に開口する凹形状である。蓋体240の外形は、例えば、上面視で矩形である。蓋体240の外形は上面視で矩形である必要はなく、例えば、矩形以外の多角形または円形などであってもよい。
【0036】
蓋体240は、波長変換部243を有している。波長変換部243は、少なくとも一部が側部241に含まれている。また、波長変換部243は、少なくとも一部が上部242に含まれている。波長変換部243は、上面243aと、上面243aの反対面である下面243bと、複数の側面とを有する。上面視で、下面243bの形状と上面243aの形状は異なる。
【0037】
図7の例では、波長変換部243は、複数の側面として、入射側面243i、第1側面243c、第2側面243d、第3側面243e、及び第4側面243fを備えている。波長変換部243において、入射側面243iは光の入射面であり得る。また、上面243aは、入射側面243iに入射して、波長変換部243により波長変換された光を上方に出射する出射面である得る。
【0038】
第1側面243c、第2側面243d、第3側面243e、及び第4側面243fは、上面243aの外縁と下面243bの外縁とに接続する。第3側面243eは、第1側面243c及び第4側面243fとそれぞれ接続する。第4側面243fは、第2側面243d及び第3側面243eとそれぞれ接続する。第1側面243cと第4側面243fは接続しない。第2側面243dと第3側面243eは接続しない。
【0039】
第1側面243c及び第2側面243dは、上方側では互いに接続し、下方側ではそれぞれが入射側面243iと接続する。第1側面243cと第2側面243dは、上面243aと垂直な方向における上面243aと下面243bとの間の中間点よりも上方側で、互いに接続する。また、中間点よりも下方側で、それぞれ入射側面243iと接続する。例えばこの中間点は、入射側面243iの最上点である。入射側面243iの下方側において、入射側面243iは下面243bの外縁に接続する。
【0040】
入射側面243iは、第1側面243cと第2側面243dが接続する辺よりも内側に位置する。言い換えると、入射側面243iは、第1側面243cと第2側面243dが接続する辺よりも、第3側面243eと第4側面243fが接続する辺側に位置する。つまり、波長変換部243は、入射側面243iにおいて、第1側面243cと第2側面243dが接続する辺に対して内側に窪む形状を有する。
【0041】
図示する例で、波長変換部243は、入射側面243i、第1側面243c、及び第2側面243dと接続する下面を有する。この下面は、上面243aに垂直な方向において、上面243aと下面243bとの間に位置する。例えばこの下面は平面であり、上面243a及び下面243bに平行であり得る。なお、波長変換部243は、この下面を有さなくてもよい。例えば、入射側面243iの上方側において、第1側面243cと第2側面243dの接続する辺に向かって傾斜する傾斜面であってもよい。また、この傾斜面は平面でなくてもよく、曲面形状を有していてもよい。例えば、入射側面243iの上方側において、第1側面243cと第2側面243dの接続する辺からの距離が、入射側面243iの下方側における距離よりも徐々に小さくなってもよい。
【0042】
上面視で、第1側面243cと第4側面243fは、平行であってもよい。また、上面視で、第2側面243dと第3側面243eは、平行であってもよい。また、上面視で、第1側面243cと第2側面243d、第1側面243cと第3側面243e、第3側面243eと第4側面243f、第4側面243fと第2側面243dは、それぞれ垂直であってもよい。
【0043】
蓋体240は、遮光部244を有している。遮光部244は、波長変換部243の入射側面243iを除く各側面の大部分を被覆するように設けることが好ましい。ここでの「大部分」とは、遮光部244が、入射側面243iを除く他の各側面の面積の80%以上を被覆することを指すものとする。遮光部244は、波長変換部243の入射側面243iから入射する光と同じ波長範囲の光を遮光することができる。遮光部244は、入射側面243iから入射する光と同じ波長範囲の光を90%以上透過させないことが好ましく、95%以上透過させないことがより好ましく、99%以上透過させないことがさらに好ましい。なお、ここでの遮光部244は、反射性を有するものであってよい。ここで、「反射性を有する」とは、特定の波長を有する光に対して、例えば80%以上の反射率を有することを指す。
【0044】
蓋体240の側部241及び上部242において、波長変換部243を除く部分の全てが遮光部244であってもよい。例えば、波長変換部243は、第1側面243c及び第2側面243dが遮光部244に覆われて露出しない。同様に、例えば、波長変換部243は、第3側面243e及び第4側面243fが遮光部244に覆われて露出しない。また、例えば、上面243aは遮光部244に覆われずに露出する。同様に、例えば、入射側面243iは遮光部244に覆われずに露出する。図示する例では、下面243bも同様に遮光部244に覆われずに露出する。
【0045】
蓋体240の上面240aは、その少なくとも一部に波長変換部243の上面243aを含む。上面243aを含む蓋体240の上面240aは、1つの平面を構成してもよい。蓋体240の下面240cは、その少なくとも一部に下面243bを含む。下面243bを含む蓋体240の下面240cは、1つの平面を構成してもよい。蓋体240の内側面240dは、その少なくとも一部に入射側面243iを含む。前述の入射側面243i、第1側面243c、及び第2側面243dと接続する下面は、蓋体240の背面240bの少なくとも一部に含まれてもよい。なお、この下面が傾斜面である場合、この傾斜面は、蓋体240の背面240b及び内側面240dの両方又は一方の少なくとも一部に含まれる。また、蓋体240の外側面240eは、その全面が遮光部244の外側面によって構成されてもよい。つまり、蓋体240の外側面240eは、波長変換部243が露出する領域を有さないようにできる。
【0046】
波長変換部243には光が照射されるため、波長変換部243の母材は、光の照射により分解されにくい無機材料を主材料に用いて形成することが好ましい。主材料は、例えば、セラミックスである。波長変換部243の主材料がセラミックスである場合、セラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、又は酸化マグネシウムが挙げられる。セラミックスの主材料は、波長変換部243に熱による変形や変色等の変質が生じないように、融点が1300℃~2500℃の材料を選択することが好ましい。ここで、特定の部材の「主材料」とは、その構成要素において、質量比または体積比で、最も多くの割合を占める材料である。また、「主材料」には、他の材料が含まれない、つまり、主材料のみでその構成要素を形成することも含み得る。なお、波長変換部243はセラミックス以外の材料を主材料として形成されていても良い。
【0047】
波長変換部243は、蛍光体を含む。波長変換部243は、例えば、蛍光体と、酸化アルミニウム等とを焼結させて形成できる。蛍光体の含有量は、セラミックスの総体積に対して0.05体積%~50体積%とすることができる。また、例えば、蛍光体の紛体を焼結させた、実質的に蛍光体のみからなるセラミックスを用いてもよい。また、波長変換部243は、蛍光体の単結晶で形成されてもよい。
【0048】
蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)2SiO4)、αサイアロン蛍光体、βサイアロン蛍光体等が挙げられる。なかでも、YAG蛍光体は、耐熱性が良好である。
【0049】
遮光部244は、例えば、セラミックスを主材料として形成された焼結体である。主材料に用いられるセラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。なお、遮光部244は、セラミックスを主材料としなくてもよく、例えば、金属や、セラミックスと金属の複合体や、樹脂等を用いて形成されてもよい。
【0050】
蓋体240において、波長変換部243と遮光部244は一体的に形成することができる。つまり、蓋体240において、側部241と上部242は一体的に形成することができる。なお、波長変換部243と遮光部244を別々に形成し、これらを接合して蓋体240を形成してもよい。波長変換部243と遮光部244とは、例えば、一体焼結体である。
【0051】
なお、蓋体240は、上面240aに反射防止膜を有してもよい。また、蓋体240は、下面240cに金属膜を有してもよい。また、波長変換部243は、入射側面243iに、反射膜を有してもよい。
【0052】
(発光素子220)
発光素子220は、例えば、半導体レーザ素子である。発光素子220は、半導体レーザ素子に限らず、例えば、発光ダイオード(LED)や有機発光ダイオード(OLED)などであってもよい。図示する発光装置200では、発光素子220として、半導体レーザ素子が採用されている。
【0053】
発光素子220は、例えば、上面視で長方形の外形を有する。また、長方形の2つの短辺のうちの一辺と交わる側面が、発光素子220から放射される光の出射端面220aとなる。また、発光素子220の上面及び下面は、出射端面220aよりも面積が大きい。発光素子220の上面には、金属膜が設けられてもよい。この金属膜には、例えば他の部材と導通するための配線等が設けられる。なお、発光素子220の上面には、金属膜が設けられていなくてもよい。
【0054】
ここで、発光素子220が半導体レーザ素子である場合について説明する。発光素子220から放射される光(レーザ光)は拡がりを有し、出射端面と平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。ここで、FFPとは、出射端面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布を示す。
【0055】
発光素子220から出射される楕円形状の光に基づき、楕円形状の長径を通る方向をFFPの速軸方向、楕円形状の短径を通る方向をFFPの遅軸方向とする。発光素子220におけるFFPの速軸方向は、発光素子220の活性層を含む複数の半導体層が積層される積層方向と一致し得る。
【0056】
また、発光素子220のFFPの光強度分布に基づいて、ピーク強度値に対する1/e2以上の強度を有する光を、主要部分の光と呼ぶものとする。また、この光強度分布において1/e2の強度に相当する角度を拡がり角と呼ぶものとする。FFPの速軸方向における拡がり角は、FFPの遅軸方向における拡がり角よりも大きい。
【0057】
また、FFPの楕円形状の中心を通る光、言い換えると、FFPの光強度分布においてピーク強度の光を、光軸を進む光、あるいは、光軸を通る光、と呼ぶものとする。また、FFPの楕円形状の中心を進む光の光路を、その光の光軸、と呼ぶものとする。
【0058】
発光素子220として、出射される光が可視光である発光素子を用いることができる。可視光を出射する発光素子としては、例えば青色光、緑色光、及び赤色光を出射する発光素子が挙げられる。ここで、青色光、緑色光、及び赤色光を出射する発光素子とは、出射される光の発光ピーク波長がそれぞれ、405nm~494nm、495nm~570nm、及び605nm~750nmの範囲にある発光素子を指すものとする。青色光又は緑色光を出射する発光素子220としては、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、又はAlGaNを用いることができる。また、赤色光を出射する発光素子220として、InAlGaP系やGaInP系、GaAs系やAlGaAs系の半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。
【0059】
なお、発光素子220から出射される光の発光ピークは、これに限らなくてよい。例えば、発光素子220から出射される光は、前述した色以外の可視光であってもよく、可視光以外に、紫外光、赤外光等を出射する発光素子を用いても良い。
【0060】
(保護素子250)
保護素子250は、半導体レーザ素子等の特定の素子を保護するための構成要素である。例えば保護素子250は、半導体レーザ素子等の特定の素子に過剰な電流が流れて破壊されることを防ぐための構成要素である。保護素子250としては、例えば、Siで形成されたツェナーダイオードを使用できる。また保護素子250に加えて、サーミスタなどの温度測定素子を配置してもよい。例えば温度測定素子を配置する場合、温度測定素子は、発光素子220の出射端面の近くに配置するのがよい。
【0061】
(配線270)
配線270は、両端を接合部とする線状の形状を有する導電体から構成される。言い換えると、配線270は、線状部分の両端に、他の構成要素と接合する接合部を有する。配線270は、2つの構成要素間の電気的な接続に用いられる。配線270としては、例えば、金属のワイヤを用いることができる。金属としては、例えば、金、アルミニウム、銀、銅、タングステンなどが挙げられる。
【0062】
(蓋体240の製造方法)
図8~
図13は、本実施形態に係る蓋体の製造方法を例示する図である。ここでは、一例として、蓋体240の波長変換部243を除く部分が全て遮光部244である場合について説明する。
【0063】
まず、
図8に示すように、例えば、上面視で、所定間隔で2次元に配置された複数の波長変換部243と、各々の波長変換部243の側面を取り囲む1つの遮光部244とを有するウェハ240Wを準備する(第1工程)。複数の波長変換部243は、例えば、行列状に配置される。ウェハ240Wにおいて、各々の波長変換部243の上面243a及び下面は、遮光部244から露出している。各々の波長変換部243の上面243aと遮光部244の上面は、連続する1つの平面を形成してもよい。また、各々の波長変換部243の下面と遮光部244の下面は、連続する1つの平面を形成してもよい。なお、
図8では、便宜上、最終的に切断されて各々の蓋体240となる予定の領域を破線Cで示している。
【0064】
具体的には、まず、複数の波長変換部243を準備し、各々の波長変換部243を所定間隔で支持体上に仮止めする。各々の波長変換部243は、例えば、蛍光体を含むセラミックスである。次に、支持体上に、各々の波長変換部243の上面243a及び側面を取り囲むように、成形体を形成する。成形体は、例えば、セラミックスを主材料とする光反射粉末を含む。成形体は、スリップキャスト法、ドクターブレード法(シート成形法)、乾式成形法などを用いて成形することができる。次に、支持体から取り外した後、波長変換部243及び成形体を所定温度で焼成する。このとき、成形体が波長変換部243よりも多くの空隙を含むように、成形体の焼結条件を調整することができる。焼成後、波長変換部243の上面243aを覆う成形体を研磨等により除去し、波長変換部243の上面243aを露出させる。また、必要に応じ、波長変換部243及び成形体の下面側を研磨等により平坦化する。これにより、複数の波長変換部243と、各々の波長変換部243の側面を取り囲む1つの遮光部244とを有するウェハ240Wが得られる。以降は、
図8の破線Cで囲まれた1つの領域及びその近傍の縦断面図を用いて説明する。
【0065】
次に、
図9に示すように、必要に応じて、ウェハ240Wの上面全体に反射防止膜246を成膜してもよい(第2工程)。反射防止膜246は、例えば、Nb
2O
5/SiO
2、Ta
2O
5/SiO
2、Al
2O
3/SiO
2、ZrO
2/SiO
2、ZrO
2/Al
2O
3等の誘電体多層膜を1または複数積層させて形成することができる。反射防止膜246は、例えば、スパッタ法により形成できる。反射防止膜246を設けることで、波長変換部243の上面243aから外部に出射しようとする光が波長変換部243の上面243aで内部に反射されることを抑制でき、波長変換部243の上面243aから外部に出射される光の出射効率を高めることができる。
【0066】
次に、
図10に示すように、必要に応じて、ウェハ240Wの下面全体に金属膜247を成膜してもよい(第3工程)。金属膜247には、例えば、Ti/Ag/Ti/Pt/Au(Ti、Ag、Ti、Pt、Auの順で積層した金属膜)やTi/Al/Ti/Pt/Au(Ti、Al、Ti、Pt、Auの順で積層した金属膜)などを用いることができる。金属膜247は、例えば、スパッタ法により形成できる。金属膜247は、蓋体240を他の部材と接合する際に使用できる。また、蓋体240の下面に設けられた金属膜247は、波長変換部243の下面243bに達した光を上方に反射させる光反射膜として機能できる。金属膜247を構成する金属の中で、AgやAlは比較的反射率の高い金属であるため、波長変換部243の下面243bに達した光を上方に反射させて波長変換部243の上面243aから外部に出射される光の出射効率を高めることができる。なお、金属膜247に代えて、金属以外の材料を用いて形成される光反射膜を採用してもよい。例えば、Nb
2O
5/SiO
2、TiO
2/SiO
2、Ta
2O
5/SiO
2等の誘電体多層膜を1または複数積層させて光反射膜を形成することができる。
【0067】
次に、
図11に示すように、ウェハ240Wを下面から上面まで貫通しないように、各々の波長変換部243の一部、及び遮光部244の一部を除去し、ウェハ240Wの下面側に開口する複数の開口部240xを形成する(第4工程)。例えば、ウェハ240Wの下面側から所定の高さまでブラスト加工等を行って金属膜247、波長変換部243、及び遮光部244の一部を除去し、ウェハ240Wの下面側に開口する開口部240xを形成する。これにより、開口部240x内に、波長変換部243の側面の一部が露出して入射側面243iが形成される。
【0068】
次に、
図12に示すように、波長変換部243及び開口部240xを1つずつ含むように、遮光部244を切断し、ウェハ240Wを個片化する(第5工程)。具体的には、遮光部244を
図8等に示す破線Cの位置で上下方向に切断し、複数の蓋体240に個片化する。上面視で第4工程によって形成された開口部240xの周囲に遮光部244が残るように、遮光部244は切断される。また、入射側面243iを除く波長変換部243の側面を遮光部244が囲うように、遮光部244は切断される。切断には、例えば、ブレードやレーザ等を用いることができる。
【0069】
なお、
図11に示す工程の後に、
図13に示すように、開口部240x内に露出する波長変換部243の入射側面243iに、反射膜248を形成する工程を設けてもよい。反射膜248は、開口部240x内において、波長変換部243の入射側面243iの上端から遮光部244側に延伸してもよい。反射膜248は、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過する光学膜である。反射膜248として、例えば、DBR膜が用いられる。DBR膜は、例えば、屈折率の異なる膜を1/4波長の厚みで交互に積層することにより、所定の波長を高効率に反射させることができる。DBR膜は、例えば、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物または窒化物を含んで形成できる。反射膜248を設けることで、外部から入射側面243iに入射する光を波長変換部243側に透過し、波長変換部243によって波長変換された光を90%以上反射することができる。
【0070】
このように、発光装置200の小型化を可能とする蓋体240の製造方法を実現できる。すなわち、蓋体240では、発光素子220からの光を波長変換して外部に出射する波長変換部243が蓋体240の一部を構成する。これにより、蓋体240を用いて発光装置200を構成したときに、蓋体240とは別に、波長変換部243や発光素子220を覆う部材を新たに用意する必要がない。これより、発光装置200の小型化が可能となる。また、波長変換部243を有する蓋体240を用いることにより、発光装置200の部品点数を低減できるため、製造の容易な発光装置200を実現できる。
【0071】
(発光装置200)
次に、発光装置200について説明する。
【0072】
発光素子220は、基部211の上面211aに配置される。より具体的には、発光素子220は、上側金属部231を介して基部211の上面211aに配置される。発光素子220は、上側金属部231の上面231aに接合される。例えば、基部211の上面211aから、発光素子220の下面までの長さを、100μm以下とすることができる。また、例えば、発光素子220は下面に金属膜を有し、この金属膜が、例えば金属接着剤を介して、上側金属部231の上面231aに設けられた金属膜に接合される。この接合に用いる金属接着剤としては、例えばAuSnが挙げられる。発光素子220の下面に設けられる金属膜、及び上側金属部231の上面231aに設けられる金属膜の厚さは、金属膜261の厚さと同程度であり得る。
【0073】
基部211の上面211aの垂直方向から見る上面視で、発光素子220は、側部241によって側方を囲まれる。これ以降、発光装置についての説明については、「上面視」は、特に言及がない限り、基部211の上面211aの垂直方向における「上面視」を指す。発光素子220は、出射端面220aから光を側方に出射する。図示する例では、発光素子220の出射端面220aから出射される光の方向である光軸OAの方向は、第1方向Xと平行である。発光素子220から出射される光は、例えば青色光である。なお、発光素子220から出射される光は、青色光に限定されない。また、図示される例において、発光素子220は、半導体レーザ素子である。
【0074】
発光素子220は、出射端面220aが、上側金属部231の1つの側面231cと同じ方向を向くように配置される。すなわち、上側金属部231は、出射端面220aと同じ方向を向く側面231cを有する。発光素子220の出射端面220aは、第1方向Xに垂直である。また、発光素子220の出射端面220aは、例えば、蓋体240の1つの内側面240d又は1つの外側面240eと平行又は垂直であり得る。発光素子220の全体が、上側金属部231の上面231a上に位置することが好ましい。これにより、発光素子220の放熱性を高めることができる。
【0075】
保護素子250は、発光素子220が配置される上側金属部231の上面231aに配置される。これにより、発光素子220を保護する機能を向上することができる。図示の例では、保護素子250は、発光素子220に対して第1方向Xの負方向側、かつ第2方向Yの略同じ位置に配置されている。
【0076】
金属膜262の上面には、発光素子220と電気的に接続する1又は複数の配線270が接合される。また、金属膜262の上面には、保護素子250と電気的に接続する配線270が接合される。つまり、発光装置200において、複数の配線270により、発光素子220及び保護素子250が、それぞれ基部211の金属膜262と電気的に接続される。
【0077】
発光素子220及び保護素子250は、第2方向Yにおいて、基部211の上面211aの短手方向の中央よりも第2方向Yの負方向側にオフセットしている。また、第1方向Xにおいて、発光素子220は、基部211の上面211aの中央及びその近傍に位置する。
【0078】
蓋体240の下面240cは、基部211の上面211aの外縁に接合されている。例えば、蓋体240の下面240cに設けられた金属膜と、基部211の上面211aに設けられた金属膜261とが金属接着剤263を介して接合し固定される。このように、蓋体240の下面240cを平面形状である上面211aに接合する。この構成により、基部の上面211aには、蓋体240を嵌め込むための段差や凹部等の複雑な嵌合部を設けなくともよい。基部211の上面211aにおいて、波長変換部243の下面243bが接合される位置に金属膜261を設けてもよい。これにより、発光装置200において、波長変換部243の発する熱に対する放熱性を向上することができる。
【0079】
蓋体240は、側部241が発光素子220の周囲を囲い、上部242が発光素子220の上方を覆うように基部211の上面211aに接合される。これにより、蓋体240の側部241及び上部242と基部211に囲まれた閉鎖空間が形成される。この閉鎖空間は、例えば気密にされた状態で形成されてもよい。この閉鎖空間が気密にされることで、発光素子220の出射端面220aに有機物等が集塵することを抑制できる。
【0080】
図4及び
図5に示すように、波長変換部243は、発光素子220の側方に配置される。より具体的には、波長変換部243は、発光素子220から出射され、側方に進行する光が入射する位置に配置される。図示される例では、波長変換部243は、発光素子220に対して第1方向Xの正方向側に位置する。さらに、波長変換部243は、発光素子220から側方に出射された光の光軸OA上に位置する。波長変換部243の入射側面243iは、発光素子220の出射端面220aと対向するように配置される。つまり、入射側面243iは、出射端面220aと第1方向Xにおいて対向する。
【0081】
下面視で、波長変換部243の第1側面243cと下面243bとが交わる辺の延長線と第2側面243dと下面243bとが交わる辺の延長線とは、入射側面243iよりも第1方向Xの負方向側において交わる。言い換えると、2つの延長線は、入射側面243iよりも発光素子220側で交わる。また、下面視で、波長変換部243の第3側面243eと第4側面243fとは、入射側面243iに対して第1方向Xの正方向側、つまり発光素子220とは反対側で交わる。
【0082】
発光素子220の出射端面220aから出射され側方に進行する光は、波長変換部243の入射側面243iに入射し、波長変換部243で波長変換される。そして、波長変換された光は上面243aから上方に出射される。このように、図示の例では、上面243aが波長変換部243の出射面である。本実施形態の波長変換部243は、入射側面243iの延長仮想面と出射面である上面243aの延長仮想面が交わる。図示する例では、入射側面243iの延長仮想面と上面243aの延長仮想面とは垂直に交わる。これにより、入射側面243iに入射する光の進行方向と上面243aから出射する光の進行方向を異ならせることができる。波長変換部243で波長変換される光の光量を増やす場合においても、出射端面220aから出射される光の進行方向である第1方向Xにおける波長変換部243の大型化を抑制できる。入射側面243iの少なくとも一部は、光軸OAよりも下方に位置する。これにより、発光素子220から出射された光のうち、光軸OAよりも下方に進む光を、入射側面243iから効率よく波長変換部243に取り込むことができる。
【0083】
図5に示すように、遮光部244は、発光素子220の光出射点P1を通り、発光素子220から出射される光軸OA上を通る光が進む方向である光軸方向と平行な直線上に位置する。遮光部244の少なくとも一部は、波長変換部243よりも光軸OA方向に離れた位置に設けられる。言い換えると、遮光部244の少なくとも一部は、光軸OA上において波長変換部243よりも発光素子220の反対側に位置する。
【0084】
遮光部244について、
図5及び
図7を参照してさらに説明する。波長変換部243は、入射側面243iを除く波長変換部243の側面が遮光部244により被覆されている。これにより、発光素子220から波長変換部243に入射した光が、波長変換部243の他の側面と遮光部244との界面に達すると、遮光部244に遮光される。そのため、発光素子220から波長変換部243に入射する光が蓋体240の外側面240eから外部に出射されるおそれを低減できる。また、遮光部244が反射性を有する場合、発光素子220から波長変換部243に入射た光は、遮光部244との界面において反射される。これにより、波長変換部243の上面243aから外部に出射される光の出射効率を高めることができる。
【0085】
図5にドットパターンで示す部分に例示するように、遮光部244は、少なくとも波長変換部243の側面を被覆する部分に設けられる。より詳細には、遮光部244は、蓋体240の側部241及び上部242にまたがって設けられる。例えば、蓋体240は、波長変換部243と遮光部244の他に、異なる構成を有していてもよい。
【0086】
なお、図示する例において、上面視で、遮光部244は発光素子220を覆うように設けられている。上面視で、遮光部244は、発光素子220の上面の80%以上を覆うことが好ましい。これにより、発光素子220から出射した光のうち、波長変換部243に入射しない光が外部に出射されるおそれを低減できる。さらに、光軸OA方向において、波長変換部243とは反対側に位置する側部241を遮光部244としている。この場合、発光素子220の出射端面220aの反対側に位置する発光素子220の側面は、遮光部244と対向する。蓋体240において、側部241及び上部242の波長変換部243を除く全部分が遮光部244であってもよい。
【0087】
図4及び
図5の例において、発光素子220の出射端面220aから出射され、波長変換部243の入射側面243iに入射するまでの間には、出射された光の光軸OAの方向は変換されない。図示される例において、発光素子220と波長変換部243との間には、他の部材が介在しない。これにより、光軸OAの方向において、発光装置200の小型化を実現することができる。なお、発光素子220と波長変換部243との間には、コリメートレンズ等の他の部材を配置してもよい。
【0088】
図4及び
図5に示すように、光軸OA方向において、波長変換部243の側に位置する側部241の内側面から外側面までの幅W1は、波長変換部243とは反対側に位置する側部241の内側面から外側面までの幅W2よりも広い。幅W2は例えば幅W1の2倍以上10倍以下である。幅W1の例として、100μm以上500μm以下が挙げられる。幅W2の例として、300μm以上1000μm以下が挙げられる。
【0089】
図14は、
図4に示す発光装置について、発光素子及び波長変換部とその近傍を拡大した拡大断面図である。
図14に示すように、波長変換部243は、入射側面243iにおいて内側に窪む形状を有する。つまり、上面視において、上面243aの発光素子220の出射端面220aに最も近い点は、下面243bの出射端面220aに最も近い点よりも、光軸OA方向において出射端面220a側に位置する。さらに、図示する例では、光軸OA方向において、波長変換部243の入射側面243iから発光素子220の出射端面220aまでの距離L1は、上面243aの光軸OA方向において最も負方向側(第1方向Xの負方向側)に位置する点から出射端面220aまでの距離L2よりも長い。
【0090】
距離L1は、例えば50μm以上300μm以下である。距離L2は、例えば±200μm以下である。距離L1と距離L2との差は、例えば50μm以上500μm以下である。このように、波長変換部243において、出射面となる上面243a側では波長変換部243の光軸OA方向の大きさを大きくできる。また、発光素子220が配置される空間である入射側面243i側では、波長変換部243の光軸OA方向の大きさを小さくできる。
【0091】
なお、距離L2が負の値である場合とは、光軸OA方向において上面243aの最も負方向側に位置する点が、出射端面220aよりも負方向側に位置する場合である。この時、上面243aと発光素子220の出射端面は、上面視で重なる。このように、入射側面243iは、第3方向Zにおいて波長変換部243の全長には設けられない。これにより、入射側面243iの面積を小さくすることができる。例えば、入射側面243iから入射した光が波長変換されて再び入射側面243iから出射する光を低減することができる。また、上面243aの少なくとも一部が入射側面243iよりも光軸OA方向の負方向側に位置することで、上面243aの面積を大きくすることができる。これは、蓋体240の出射面の面積を大きくすることに寄与する。
【0092】
基部211の上面211aに垂直な方向(すなわち、第3方向Z)において、波長変換部243の高さH1は、例えば、蓋体240の高さと同じである。基部211の上面211aに垂直な方向において、波長変換部243の高さH1は、基部211と蓋体240とが形成する閉鎖空間の高さH2よりも高いことが好ましい。蓋体240において、高さH1を高さH2の1.1倍以上2倍以下とすることができる。高さH1は、例えば300μm以上700μm以下である。高さH2は、例えば200μm以上500μm以下である。つまり、波長変換部243は、蓋体240の閉鎖空間を形成する構成の少なくとも一部である。これにより、波長変換部243の上方に透明な板材等を別途配置して閉鎖空間を形成する必要がない。これは、発光装置200を第3方向Zにおける小型化に寄与する。
【0093】
以上のように、発光装置200では、基部211の上面211aに配置された上側金属部231に発光素子220を配置し、凹形状の蓋体240で覆う。そして、発光素子220からの光を波長変換して外部に出射する波長変換部243が蓋体240の一部を構成する。このような構成により、波長変換部243の外周側に発光素子220の周囲を囲う枠状の部材を新たに設ける必要がないため、光軸OA方向において、発光装置200を小型化できる。また、波長変換部243の上方に発光素子220を覆う部材を新たに設ける必要がないため、第3方向Zにおいて、発光装置200を小型化できる。
【0094】
発光装置200の第1方向Xにおける長さは、例えば2500μm以上4000μm以下である。第2方向Yにおける長さは、例えば1800μm以上2500μm以下である。第3方向Zにおける長さは、例えば500μm以上1500μm以下である。このように、本明細書に開示の発光装置200は、小型化に適した発光装置である。
【0095】
このように、光軸OA方向における大型化を抑制した発光装置200を得ることができる。また、遮光部244及び波長変換部243を有する蓋体240によって、発光素子220の配置される閉鎖空間を形成することで、波長変換部をはめ込む嵌合部を新たに形成する必要がない。
【0096】
発光装置200は、例えば、車載ヘッドライトに利用できる。また、発光装置200は、これに限らず、照明、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、その他ディスプレイのバックライト等の光源に利用できる。
【0097】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、前述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、前述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0098】
以上の実施形態に加えて、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
基部と、
前記基部の上面に配置され、光を側方に出射する発光素子と、
前記基部と接合し、前記発光素子の周囲を囲う側部及び上方を覆う上部を有する蓋体と、を備え、
前記蓋体は、前記側方に出射した前記光が入射する入射面を有し、少なくとも一部が前記上部に含まれている波長変換部と、前記光と同じ波長範囲の光を遮光する遮光部と、を有し、
前記遮光部は、前記発光素子の光出射点を通り、前記発光素子から出射される光軸上を通る光が進む方向である光軸方向と平行な直線上に位置し、
前記遮光部の少なくとも一部は、前記波長変換部よりも前記光軸方向に離れた位置に設けられている、発光装置。
(付記2)
前記波長変換部は、その側面において前記入射面である入射側面を有し、前記入射側面に入射した光を波長変換した光を上方に出射する上面を備える、付記1に記載の発光装置。
(付記3)
前記蓋体の上面は、その少なくとも一部に前記波長変換部の上面を含み、
前記蓋体の内側面は、その少なくとも一部に前記入射側面を含む、付記2に記載の発光装置。
(付記4)
前記蓋体の外側面は、その全面が前記遮光部の外側面によって構成される、付記1から3のいずれか1に記載の発光装置。
(付記5)
前記光軸方向において、前記入射側面から前記発光素子の出射端面までの距離は、前記波長変換部の上面の前記出射端面に最も近い点から前記出射端面までの距離よりも長い、付記2に記載の発光装置。
(付記6)
前記基部の上面に垂直な方向において、前記波長変換部の高さは、前記基部と前記蓋体とが形成する閉鎖空間の高さよりも高い、付記1から5のいずれか1に記載の発光装置。
(付記7)
前記光軸方向において、前記波長変換部の側に位置する前記側部の内側面から外側面までの幅は、前記波長変換部とは反対側に位置する前記側部の内側面から外側面までの幅よりも広い、付記1から6のいずれか1に記載の発光装置。
(付記8)
前記蓋体の下面は、その少なくとも一部に前記波長変換部の下面を含み、
上面視で、前記波長変換部の下面の形状と前記波長変換部の上面の形状は異なる、付記2に記載の発光装置。
(付記9)
上面視で、前記遮光部は、前記発光素子の上面の80%以上を覆う、付記1から8のいずれか1に記載の発光装置。
(付記10)
前記波長変換部は、上方側では互いに接続し、下方側ではそれぞれが前記入射側面と接続する、第1側面及び第2側面を備え、
前記波長変換部は、前記第1側面及び前記第2側面が前記遮光部に覆われて露出せず、前記入射側面は前記遮光部に覆われずに露出する、付記2、5、又は8に記載の発光装置。
(付記11)
前記発光素子の出射端面の反対側に位置する前記発光素子の側面は、前記遮光部と対向する、付記1から10のいずれか1に記載の発光装置。
(付記12)
前記波長変換部及び前記遮光部は、セラミックスを主材料に形成される、付記1から11のいずれか1に記載の発光装置。
(付記13)
上面視で、所定間隔で2次元に配置された複数の波長変換部と、各々の前記波長変換部の側面を取り囲む1つの遮光部と、を有するウェハを準備する工程と、
前記ウェハを貫通しないように、各々の前記波長変換部の一部、及び前記遮光部の一部を除去し、前記ウェハの下面側に開口する複数の開口部を形成する工程と、
前記波長変換部及び前記開口部を1つずつ含むように、前記遮光部を切断し、前記ウェハを個片化する工程と、を有する、蓋体の製造方法。
【符号の説明】
【0099】
200 発光装置
211 基部
211a 上面
211b 下面
220 発光素子
220a 出射端面
231 上側金属部
231a 上面
231c 側面
232 下側金属部
232A 第1下側金属部
232B 第2下側金属部
232C 第3下側金属部
240 蓋体
240a 上面
240b 背面
240c 下面
240d 内側面
240e 外側面
240W ウェハ
240x 開口部
241 側部
242 上部
243 波長変換部
243a 上面
243b 下面
243c 第1側面
243d 第2側面
243e 第3側面
243f 第4側面
243i 入射側面
244 遮光部
246 反射防止膜
247 金属膜
248 反射膜
250 保護素子
261、262 金属膜
263 金属接着剤
270 配線