(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122864
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】配線基板
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20240902BHJP
【FI】
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218789
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2023030320
(32)【優先日】2023-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】杉本 典優
(72)【発明者】
【氏名】参鍋 晋輔
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA54
5F142AA88
5F142BA32
5F142CA03
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD18
5F142CD44
5F142CD47
5F142CD49
5F142DB02
5F142DB12
(57)【要約】
【課題】大きさの異なる発光素子に対応でき、そのいずれか1つを精度よく実装可能な配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板は、絶縁性の基材と、前記基材の上面に配置される金属部と、を備え、上面視において、前記金属部は、外形が矩形の第1領域と、前記第1領域をその一部に含み外形が矩形の第2領域と、前記第2領域の周囲に配置される第3領域と、を有し、前記第2領域内において、前記第1領域の外縁に沿って前記金属部が配置されていない第1開口部が形成され、前記第3領域内において、前記第2領域の外縁に沿って前記金属部が配置されていない第2開口部が形成され、少なくとも前記第1領域の矩形の外形の四隅のうち対角に位置する2つの隅の外縁のそれぞれに前記第1開口部が配置され、前記第1開口部の幅は、前記第2開口部の幅よりも小さい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性の基材と、
前記基材の上面に配置される金属部と、を備え、
上面視において、前記金属部は、外形が矩形の第1領域と、前記第1領域をその一部に含み外形が矩形の第2領域と、前記第2領域の周囲に配置される第3領域と、を有し、
前記第2領域内において、前記第1領域の外縁に沿って前記金属部が配置されていない第1開口部が形成され、
前記第3領域内において、前記第2領域の外縁に沿って前記金属部が配置されていない第2開口部が形成され、
少なくとも前記第1領域の矩形の外形の四隅のうち対角に位置する2つの隅の外縁のそれぞれに前記第1開口部が配置され、
前記第1開口部の幅は、前記第2開口部の幅よりも小さい、配線基板。
【請求項2】
前記第1領域の外縁のうち前記第1開口部が沿う部分が占める割合は、前記第2領域の外縁のうち前記第2開口部が沿う部分が占める割合よりも小さい、請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
上面視において、前記第1領域の矩形の中心と前記第2領域の矩形の中心が一致する、請求項1に記載の配線基板。
【請求項4】
前記第1領域の矩形の外形の四隅のそれぞれの外縁に前記第1開口部が配置され、前記第1領域の矩形の外形の隣り合う隅のそれぞれに配置される前記第1開口部は互いに離隔して配置されている、請求項1に記載の配線基板。
【請求項5】
前記第1開口部は、上面視において、前記第1領域の矩形の外形の四辺のうち当該第1開口部が沿う辺における垂直二等分線上に配置されず、
前記第2開口部は、上面視において、当該垂直二等分線上に配置されている、請求項1に記載の配線基板。
【請求項6】
前記第1開口部は、上面視において、前記第1領域の矩形の外形の四辺のそれぞれの垂直二等分線上に配置されていない、請求項1に記載の配線基板。
【請求項7】
前記基材は、前記第2領域の矩形の外形の四辺のうち少なくとも一辺の全長の外縁に沿って前記第2開口部を有する、請求項1に記載の配線基板。
【請求項8】
前記第2領域の外形の一辺の長さと前記第1領域の外形の一辺の長さとの差が、200μm以上2500μm以下である、請求項1に記載の配線基板。
【請求項9】
請求項1に記載の配線基板と、
前記第1領域上に配置された上面視における外形が矩形の第1発光素子と、を備え、
前記第1発光素子は、矩形の外形が前記第1領域の矩形の外形に合わせて配置される、かつ、上面視で第1発光素子の外側に前記第1開口部が位置している発光装置。
【請求項10】
請求項1に記載の配線基板と、
前記第2領域上に配置された上面視における外形が矩形の第2発光素子と、を備え、
前記第2発光素子は、矩形の外形が前記第2領域の矩形の外形に合わせて配置され、かつ、上面視で前記第1開口部が包含されるように配置される発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板の上面に設けられた金属層の上に、発光ダイオード等の発光素子が接着材を介して実装された発光装置が開示されている。このような発光装置において、要求される光量等によって発光素子の大きさが選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光素子の大きさに応じて基板に設ける金属層のパターンを個別に設計する必要がある。大きさの異なる発光素子に対応でき、そのいずれか1つを精度よく実装可能な配線基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、配線基板は、絶縁性の基材と、前記基材の上面に配置される金属部と、を備え、上面視において、前記金属部は、外形が矩形の第1領域と、前記第1領域をその一部に含み外形が矩形の第2領域と、前記第2領域の周囲に配置される第3領域と、を有し、前記第2領域内において、前記第1領域の外縁に沿って前記金属部が配置されていない第1開口部が形成され、前記第3領域内において、前記第2領域の外縁に沿って前記金属部が配置されていない第2開口部が形成され、少なくとも前記第1領域の矩形の外形の四隅のうち対角に位置する2つの隅の外縁のそれぞれに前記第1開口部が配置され、前記第1開口部の幅は、前記第2開口部の幅よりも小さい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態の配線基板によれば、大きさの異なる発光素子に対応でき、そのいずれか1つを精度よく実装可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る配線基板の概略上面図である。
【
図3】
図1のIII-III線における概略断面図である。
【
図4】実施形態に係る配線基板の概略下面図である。
【
図7】透光性部材を有する発光装置を示す概略上面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線における概略断面図である。
【
図10】配線基板の他の例を示す概略上面図である。
【
図11】配線基板の他の例を示す概略上面図である。
【
図12】配線基板の他の例を示す概略上面図である。
【
図13】配線基板の他の例を示す概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材のスケール、間隔若しくは位置関係などが誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、2つの直線、辺、面等が延長しても交わらない場合だけでなく、2つの直線、辺、面等がなす角度が10°以内の範囲で交わる場合も含む。本明細書において「上」と表現する位置関係は、接している場合と、接していないが上方に位置している場合も含む。
【0010】
<実施形態>
図1は、本実施形態に係る配線基板100の概略上面図である。
図2は、配線基板の上面を拡大した概上面図である。
図3は、
図1のIII-III線における概略断面図である。
図4は、本実施形態に係る配線基板100の概略下面図である。
【0011】
配線基板100は、絶縁性の基材10と、基材10の上面11aに配置される金属部20と、を備える。金属部20は、上面視において、外形が矩形の第1領域21と、第1領域21をその一部に含み外形が矩形の第2領域22と、第2領域22の周囲に配置される第3領域23と、を有している。
図1では、第1領域21の外形及び第2領域22の外形を破線で示しているが、実際にはこのような線は存在していない。第1領域21は、配線基板100において第2領域22よりも小さい発光素子を実装可能な実装面として機能し得る。また、第2領域22は、配線基板100において第1領域21よりも大きい発光素子を実装可能な実装面として機能し得る。
【0012】
金属部20には、第2領域22内において、第1領域21の外縁に沿って金属部20が配置されていない第1開口部31hが形成されている。第1開口部31h内に基材10の上面11aが露出している。金属部20には、第3領域23内において、第2領域22の外縁に沿って金属部20が配置されていない第2開口部32hが形成されている。第2開口部32h内に基材10の上面11aが露出している。
【0013】
第1開口部31hは、少なくとも第1領域21の矩形の外形の四隅のうち、対角に位置する2つの隅の外縁のそれぞれに配置されている。これにより、第1領域21上に第1領域21の大きさに対応した発光素子を精度よく実装することができる。ここでの第1領域21の大きさに対応した発光素子とは、例えば、金属部20と接合する接合面の大きさが第1領域21の大きさと略同じ発光素子である。
【0014】
第1開口部31hの幅W1は、第2開口部32hの幅W2よりも小さい。これにより、第1領域の大きさに対応した発光素子を実装する場合における発光素子の実装精度を確保しつつ、第2領域の大きさに対応した発光素子を実装する場合において、発光素子の下方に第1開口部31hが位置することによる発光素子の実装精度への影響を低減することができる。なお、第1開口部31hの幅W1とは、第1領域21の外縁における第1開口部31hが沿う辺と垂直な方向の幅を指すものとする。第2開口部32hの幅W2とは、第2領域22の外縁における第2開口部32hが沿う辺と垂直な方向の幅を指すものとする。
【0015】
以下、配線基板100を構成する各要素について詳説する。
【0016】
(基材10)
基材10は、発光素子50を配置するためのものである。
図1乃至
図4に示す例においては、基材10は、平板状の基部11と、基部11の上に位置する側壁部12と、を有している。基部11と側壁部12によって凹部を規定している。基部11と側壁部12は一体とされていてもよく、別体でもよい。基部11は、周囲を側壁部12に囲まれた上面11aを有する。基材10の基部11の上面11aに金属部20が配置される。
【0017】
図1に示すように、上面視において、基材10の形状は矩形である。本明細書において、矩形とは、4つの辺と4つの角部を含む形状であって、角部は、直角、丸みを帯びた形状、または、円弧状に面取りされた形状等とすることができる。基部11の上面11aの形状は、例えば矩形である。基部11の上面11aよりも外側に、側壁部12の上面12aが配置されている。側壁部12の上面12aの形状は、外形が矩形であって、内部に矩形の開口部を有する枠状である。
【0018】
基材10は、絶縁性の材料で構成される。基材10の材料としては、セラミックス、ガラスエポキシ、樹脂などを例示することができる。セラミックスとしては、耐熱性および耐候性の高いものを用いることが好ましく、このようなセラミックスとしては、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライトなどを例示することができる。
【0019】
(金属部20)
金属部20は、基部11の上面11aに配置され、発光素子50と接合部材(以下、第1接合部材ともいう)を介して電気的に接続される。金属部20は、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン等の金属を用いることができる。
【0020】
金属部20には、上面視において、外形が矩形の第1領域21と、第1領域21をその一部に含み外形が矩形の第2領域22と、第2領域22の周囲に配置される第3領域23と、を有している。第1領域21及び第2領域22は、上面視において、上面11aの矩形の外形の中心と重なる。上面視において、第1領域21の矩形の中心と第2領域22の矩形の中心は一致している。第3領域23は、第2領域22の略全周を囲むように配置されている。
【0021】
金属部20には、第2領域22内において、第1領域21の外縁に沿って第1開口部31hが形成されている。第1開口部31h内に、基材10の上面が露出している。このような第1開口部31hを備えることにより、上面視において、金属部20と接合する接合面の面積が第1領域21の面積と同等の大きさを有する発光素子を第1領域21に精度よく実装することができる。ここでの同等の大きさとは、面積の差が20%以内のものを含むものとする。
【0022】
金属部20には、第3領域23内において、第2領域22の外縁に沿って第2開口部32hが形成されている。第2開口部32h内に、基材10の上面が露出している。このような第2開口部32hを備えることにより、上面視において、金属部20と接合する接合面の面積が第2領域22の面積と同等の大きさを有する発光素子を第2領域22に精度よく実装することができる。
【0023】
図1に示す例においては、第1領域21の矩形の外形の四隅のそれぞれの外縁に第1開口部31hが配置されている。第1領域21の矩形の外形の隣り合う隅のそれぞれに配置される第1開口部31hは互いに離隔している。このように第1開口部31hが配置されることにより、はんだや導電性ペーストを用いて発光素子を配線基板100に実装する場合に、発光素子のセルフアライメントを効果的に行わせることができ、発光素子を第1領域21に精度よく実装することができる。
【0024】
第1開口部31hは、上面視においてL字状の形状である。すなわち、第1開口部31hは、第1領域21の矩形の外形の隣り合う二辺のそれぞれに沿った形状を結合させた形状である。このように、第1開口部31hが一辺のみに沿った形状ではなく、互いに垂直な二辺に沿った形状であることによって、第1領域21に実装される発光素子のセルフアライメントを効果的に行わせることができ、実装精度を高めることができる。
【0025】
第1領域21の外縁の一辺のうち第1開口部31hが沿う部分が占める割合は、40%以上60%以下であることが好ましい。これにより、第1領域21に実装される発光素子の実装精度を確保しつつ、第1領域21の外縁のうち第1開口部31hが沿う部分が占める割合を抑え、第2領域22に実装される発光素子の実装精度への影響を低減することができる。第2領域22の外縁の一辺のうち第2開口部32hが沿う部分が占める割合は、75%以上が好ましい。これにより、第2領域22に実装される発光素子の実装精度を高めることができる。第1領域21の外縁のうち第1開口部31hが沿う部分が占める割合は、第2領域22の外縁のうち第2開口部32hが沿う部分が占める割合よりも小さい。これにより、上面視において、第2領域22の面積と同等の大きさの面積を有する発光素子を第2領域22に実装する場合に、発光素子の下方に第1開口部31hが位置することによる発光素子の実装精度への影響を低減することができる。
【0026】
第2開口部32hは、第2領域22の矩形の外形の全周を囲んでいない。すなわち、第2領域22の外縁の一部に金属部20が配置されている。これにより、第2領域22に発光素子を実装する場合に、第2領域22に対応する発光素子の接合のために第2領域22に設けられた第1接合部材のうち、余分な第1接合部材を第2領域から逃がすことができ、第2領域22に実装される発光素子の実装精度を高めることができる。
図1に示す例では、金属部20は、第2領域22の矩形の外形の一辺における一方の端部に、第2領域22の外側に位置する延出部24aが配置されている。この一辺(以下、第1辺22aという)において、第2開口部32hが沿う部分の長さは、延出部24aが配置されている部分の長さよりも長いことが好ましい。これにより、第2領域22に実装される発光素子の実装精度をさらに高めることができる。
図9に示すように、第2領域22の矩形の外形の四辺のうち、上述の第1辺22aとは異なる一辺(以下、第2辺22bという)における中央に延出部24bを配置してもよい。これにより、配線基板100の抵抗を低減することができる。また、第2領域22に発光素子を実装する場合に、第2領域22に対応する発光素子の接合のために第2領域22に設けられる第1接合部材が第2辺22bから第2領域22の外側の延出部24bへはみ出すことによって、第1接合部材の溶融状態を確認しやすくなる。また、
図10に示すように、第2領域22の矩形の外形の四辺のうち、上述の第1辺22aとは異なる2つの辺(第2辺22bと第3辺22c)における中央に延出部24b及び延出部24cを配置してもよく、第2領域22の矩形の外形の四辺のうち、上述の第1辺22a以外の全ての辺における中央に延出部を配置してもよい。なお、
図1及び
図10に示す例においては、第1辺22aの端部に延出部24aが配置されているが、第1辺22aの中央に延出部24aを配置してもよい。
【0027】
第1領域21の矩形の外形の一辺に対し、この辺の一方の端においてこの辺に沿う部分の第1開口部31hの長さと、この辺の他方の端においてこの辺に沿う部分の第1開口部31hの長さと、これらの開口部31の間において金属部20が形成されている部分の長さのうち、金属部20が形成されている部分の長さが最も長い。これにより、発光素子を第2領域22に実装する場合に、第1開口部31hによる発光素子の実装精度への影響を低減することができる。
【0028】
第1開口部31hは、上面視において、第1領域21の矩形の外形の四辺のうち第1開口部31hが沿う辺における垂直二等分線上には配置されていない。
図1に示すように、第1開口部は、第1領域の矩形の外形の四辺のそれぞれの垂直二等分線上に配置されていないことが好ましい。これに対して、第2開口部32hは、上面視において、上述の垂直二等分線上に配置されている。第2開口部32hは、第2領域22の矩形の外形の四辺のうち少なくとも一辺の全長の外縁に沿って形成されていることが好ましい。このようにすることで、第1領域21に発光素子を実装する場合の実装精度を確保しつつ、第2領域22に発光素子を実装する場合の実装精度を高めることができる。
【0029】
第1領域の外形の一辺の長さL1は、例えば、50μm以上2000μm以下である。第2領域の外形の一辺の長さL2は、例えば、1000μm以上3000μm以下である。第2領域の外形の一辺の長さL2と第1領域の外形の一辺の長さL1との差は、200μm以上2500μm以下である。配線基板100は、このように大きさの異なる2種類の発光素子のいずれか1つを実装することができる。
【0030】
第2領域22の外形の一辺の長さL2は、第1領域21の外形の一辺の長さL1の6倍以下であることが好ましい。このようにすることで、大きさの異なる発光素子のいずれかを選択的に実装可能としつつ、第1領域21の大きさに対応した発光素子を実装して発光装置を形成する場合における発光装置の大きさを抑えることができる。
【0031】
第1開口部31hの幅W1と第2開口部32hの幅W2の比率W1/W2は、第1領域21の外形の一辺の長さL1と、第2領域22の外形の一辺の長さL2の比率L1/L2との差が、30%以下に収まることが好ましい。実装される発光素子の接合面の幅に応じた開口部の幅とすることで、第1領域21に実装される発光素子の実装精度を確保しつつ、第1開口部31hの面積を抑え、第2領域22に実装される発光素子の実装精度への影響を低減することができる。
【0032】
第2領域22は、矩形の外形の角部が、直角、丸みを帯びた形状、面取りされた形状とすることができる。
図11に示す例においては、第2領域22は、矩形の外形の角部のうちの1つが面取りされた形状である。
【0033】
図12に示す例では、第2領域22は、矩形の外形の一辺に凹部22rを有している。これにより、凹部22rを有する辺における第1開口部31hの外縁から第2開口部32hまでの距離が、他の辺における第1開口部31hの外縁から第2開口部32hまでの距離よりも短いため、第1接合部材を用いて第2領域22に発光素子を接合するときに凹部20rを通じて第1開口部31h周辺の空気が抜けやすくなる。よって、発光素子と第2領域22の金属部20との間に気泡が形成されにくくなるので、発光素子と第2領域22の金属部20との接合面積を確保しやすくなる。凹部22rは、第1領域21の外縁に沿う底部221と、底部221の両端に位置する側部222と、によって規定されている。凹部22rの底部221の長さは、第1領域21の矩形の外形の一辺の長さよりも長い。これにより、凹部22rを通じて第1開口部31h周辺の空気がより抜けやすくなるため、発光素子と第2領域22の金属部20との接合面積をより確保しやすくなる。さらに、凹部22rの底部221の長さは、対向する2つの第1開口部31hの外縁と、その2つの第1開口部31hの間に位置する第1領域21の外縁とを合わせた長さよりも長い。これにより、凹部22rを通じて第1開口部31h周辺の空気がより抜けやすくなるため、発光素子と第2領域22の金属部20との接合面積をより確保しやすくなる。さらに、
図13に示す例では、第2領域22は、矩形の外縁に複数の凹部22rを有している。この例では、第2領域22の矩形の外形の一辺において、2つの凹部22rを有している。凹部22rの底部221は、第1開口部31hの外縁と対向している。凹部22rの底部221の長さは、対向する第1開口部31hの外縁の長さと同じである。第2領域22の矩形の外形の一辺における2つの凹部22rの間に位置する部分の長さは、第1領域21の矩形の外形の一辺のうち第1開口部31hが沿っていない部分の長さと同じである。これにより、第2領域22の面積を確保しつつ、凹部22rを通じて第1開口部31h周辺の空気がより抜けやすくすることができるため、発光素子と第2領域22の金属部20との接合面積を確保しやすくなる。
【0034】
(外部電極80)
基材10の上面11aと反対側に位置する下面11bには、外部電極80が配置されている。基材10の基部11は、内部配線(図示せず)を有しており、金属部20の第3領域23と外部電極80のいずれか1つとは、それぞれ内部配線により接続されている。一方、金属部20の第1領域21及び第2領域22は、外部電極80のいずれか1つと接続されている。例えば、金属部20は、基材10の側壁部12の下方において内部配線により外部電極80と接続されていてもよい。
【0035】
(発光装置201、202)
図5は、発光装置の一例を示す概略上面図である。
【0036】
発光装置201は、上述した配線基板100と、第1発光素子51と、を備える。第1発光素子51は、第1領域21上に配置される。第1発光素子51の上面視における外形は矩形である。第1発光素子51は、矩形の外形が第1領域21の矩形の外形に合わせて配置される。上面視において、第1発光素子51の外側に第1開口部31hが位置している。このように、第1発光素子51の矩形の外形が第1領域21の矩形の外形に合わせて配置されることで、発光素子が精度よく実装された発光装置とすることができる。
【0037】
【0038】
発光装置202は、上述した配線基板100と、第2発光素子52と、を備える。第2発光素子52は、第2領域22上に配置される。第2発光素子52の上面視における外形は矩形である。第2発光素子52は、矩形の外形が第2領域22の矩形の外形に合わせて配置される。上面視において、第2発光素子52は、第1開口部31hが包含されるように配置される。このように、第2発光素子52の矩形の外形が第2領域22の矩形の外形に合わせて配置されることで、発光素子が精度よく実装された発光装置とすることができる。
図6に示す例においては、第2発光素子52の外縁は、第2開口部32hと重なっているが、第1発光素子51の外縁は、第2開口部32hの内縁と重なっていてもよい。
【0039】
(発光素子)
以下、第1発光素子51及び第2発光素子52をまとめて発光素子50として説明する。
【0040】
発光素子50としては、発光ダイオード、レーザダイオード等を用いることができる。発光素子50の発光ピーク波長は特に限定されず、所望の発光ピーク波長のものを適宜選択することができ、例えば250nm以上600nm以下のものを用いることができる。例えば、紫外光を発する発光ダイオードを用いることで、殺菌用又は除菌用の光源として用いることができる。紫外光を発する発光素子50の発光ピーク波長は、例えば、400nm以下である。
【0041】
発光素子50は、例えばInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を含む窒化物半導体層を用いたものであることが好ましい。深紫外から紫外の波長域で発光する発光素子を用いる場合は、少なくともAlを含む窒化物半導体層を有するものであることが好ましい。発光素子50は、少なくとも、発光層を含む半導体層と、正負の電極と、を有する。
【0042】
図5及び
図6に示す例においては、発光素子50は、基材10の上面11aの中央に配置されている。また、
図5及び
図6に示す例においては、発光装置200は、1つの発光素子50が配置されている。発光素子50は、上面視において、例えば、矩形状とすることができる。この場合、発光素子50の上面視における一辺の長さは、例えば、50μm以上3000μm以下であることが好ましく、300μm以上2000μm以下であることがさらに好ましい。
【0043】
発光素子50は、第1接合部材を介して配線基板100へ実装される。第1接合部材の材料は特に限定されない。第1接合部材の材料としては、例えば、Au、Ag、Bi、Cu、In、Pb、Sn、Znから選択された少なくとも一種を含む金属ペーストや共晶材、カーボンペースト、ろう材等の導電性の材料が挙げられる。
【0044】
(透光性部材70)
図7に示すように、発光装置200は、基材10の上に配置される透光性部材70を有し得る。透光性部材70は、少なくとも発光素子50からの光を透過させる透光性を有する部材であり、発光素子50から出射される光の60%以上を透過し、好ましくは90%以上を透過する。透光性部材70の形状は、上面視において例えば矩形である。透光性部材70は、
図7及び
図8に示されるような平板状のほか、上面及び/又は下面が球面や非球面などのレンズ状であってもよい。
【0045】
透光性部材70の材料としては、サファイア、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、フッ化カルシウムガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、オキシナイトライドガラス、カルコゲナイドガラスからなる群から選択された少なくとも1種からなる無機材料を例示することができる。透光性部材70の厚みは0.1mm以上7mm以下が挙げられる。
【0046】
図8に示すように、透光性部材70の下面70bは、第2接合部材60によって、基材10の側壁部12の上面12aと接合される。
【0047】
(第2接合部材60)
第2接合部材60は、基材10の側壁部12の上面12aと透光性部材70の下面70bとの間に配置され、基材10と透光性部材70とを接合する。第2接合部材60の材料としては、例えば、半田、低融点ガラス、樹脂等が挙げられる。半田としては、Au-Sn、Au-In等が挙げられる。樹脂としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0048】
図7において、第2接合部材60を破線で示している。
図7に示す例においては、複数の第2接合部材60が、上面視において基材10の矩形の外形の辺の垂直二等分線上に配置されている。
図7には、基材10の外形の一辺あたり1つの第2接合部材60が配置された例を示すが、基材10の外形の一辺あたり2つ以上の第2接合部材60が配置されてもよい。また、第2接合部材60は、基材10の矩形の外形の四隅に配置されてもよい。
【0049】
本明細書は、下記の実施形態を含む。
項1. 絶縁性の基材と、
前記基材の上面に配置される金属部と、を備え、
上面視において、前記金属部は、外形が矩形の第1領域と、前記第1領域をその一部に含み外形が矩形の第2領域と、前記第2領域の周囲に配置される第3領域と、を有し、
前記第2領域内において、前記第1領域の外縁に沿って前記金属部が配置されていない第1開口部が形成され、
前記第3領域内において、前記第2領域の外縁に沿って前記金属部が配置されていない第2開口部が形成され、
少なくとも前記第1領域の矩形の外形の四隅のうち対角に位置する2つの隅の外縁のそれぞれに前記第1開口部が配置され、
前記第1開口部の幅は、前記第2開口部の幅よりも小さい、配線基板。
項2. 前記第1領域の外縁のうち前記第1開口部が沿う部分が占める割合は、前記第2領域の外縁のうち前記第2開口部が沿う部分が占める割合よりも小さい、項1に記載の配線基板。
項3. 上面視において、前記第1領域の矩形の中心と前記第2領域の矩形の中心が一致する、項1又は2に記載の配線基板。
項4. 前記第1領域の矩形の外形の四隅のそれぞれの外縁に前記第1開口部が配置され、前記第1領域の矩形の外形の隣り合う隅のそれぞれに配置される前記第1開口部は互いに離隔して配置されている、項1~3のいずれか1つに記載の配線基板。
項5. 前記第1開口部は、上面視において、前記第1領域の矩形の外形の四辺のうち当該第1開口部が沿う辺における垂直二等分線上に配置されず、
前記第2開口部は、上面視において、当該垂直二等分線上に配置されている、項1~4のいずれか1つに記載の配線基板。
項6. 前記第1開口部は、上面視において、前記第1領域の矩形の外形の四辺のそれぞれの垂直二等分線上に配置されていない、項1~5のいずれか1つに記載の配線基板。
項7. 前記基材は、前記第2領域の矩形の外形の四辺のうち少なくとも一辺の全長の外縁に沿って前記第2開口部を有する、項1~6のいずれか1つに記載の配線基板。
項8. 前記第2領域の外形の一辺の長さと前記第1領域の外形の一辺の長さとの差が、200μm以上2500μm以下である、項1~7のいずれか1つに記載の配線基板。
項9. 項1~8のいずれか1つに記載の配線基板と、
前記第1領域上に配置された上面視における外形が矩形の第1発光素子と、を備え、
前記第1発光素子は、矩形の外形が前記第1領域の矩形の外形に合わせて配置される、かつ、上面視で第1発光素子の外側に前記第1開口部が位置している発光装置。
項10. 項1~8のいずれか1つに記載の配線基板と、
前記第2領域上に配置された上面視における外形が矩形の第2発光素子と、を備え、
前記第2発光素子は、矩形の外形が前記第2領域の矩形の外形に合わせて配置され、かつ、上面視で前記第1開口部が包含されるように配置される発光装置。
【符号の説明】
【0050】
100 配線基板
10 基材
11 基部
12 側壁部
20 金属部
21 第1領域
22 第2領域
23 第3領域
31h 第1開口部
32h 第2開口部
50 発光素子
51 第1発光素子
52 第2発光素子
60 第2接合部材
70 透光性部材
80 外部電極
200、201、202 発光装置