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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024122888
(43)【公開日】2024-09-09
(54)【発明の名称】搬送装置および搬送方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/109 20160101AFI20240902BHJP
   B65G 47/248 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A23L7/109 J
B65G47/248 G
A23L7/109 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016846
(22)【出願日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2023029270
(32)【優先日】2023-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西田 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】二宮 厚志
(72)【発明者】
【氏名】藤山 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】中村 成志
(72)【発明者】
【氏名】三橋 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】本間 高
(72)【発明者】
【氏名】梅原 健邦
(72)【発明者】
【氏名】古賀 信光
【テーマコード(参考)】
3F081
4B046
【Fターム(参考)】
3F081AA47
3F081BE09
3F081BF04
3F081CA23
3F081CC08
4B046LB10
4B046LC20
4B046LE18
4B046LP69
4B046LP71
4B046LP80
(57)【要約】
【課題】トッピング材が冷凍食品から脱落することを防止するとともに、トッピング面がコンベアに接触することなく搬送することのできる搬送装置および搬送方法を提供する。
【解決手段】
搬送装置1は、トッピング材が付着した冷凍食品を、トッピング材が冷凍食品より上方に配置された状態で、トレーから剥離する剥離装置20と、冷凍食品がトレーから剥離された状態で、平面に載置されている冷凍食品およびトレーを回転させて、冷凍食品およびトレーを分離する分離装置30と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍処理後において、トッピング材が付着した冷凍食品、および前記冷凍食品が収納されたトレーを搬送する搬送装置であって、
前記トッピング材が付着した前記冷凍食品を、前記トッピング材が前記冷凍食品より上方に配置された状態で、前記トレーから剥離する剥離装置と、
前記冷凍食品が前記トレーから剥離された状態で、平面に載置されている前記冷凍食品および前記トレーを回転させて、前記冷凍食品および前記トレーを分離する分離装置と、を有する搬送装置。
【請求項2】
前記分離装置によって前記冷凍食品および前記トレーを回転させる際に、前記トレーが滑り落ちることを防止する第1防止部材をさらに有する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記分離装置によって前記冷凍食品および前記トレーを回転させた後に、回転された状態の前記トレーが回転された方向に倒れることを防止する第2防止部材をさらに有する、請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記分離装置によって前記冷凍食品および前記トレーを回転させる際に、前記冷凍食品が前記トレーから落下することを防止する第3防止部材をさらに有する、請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記分離装置において前記冷凍食品および前記トレーを回転させた後に、前記トレー内の前記冷凍食品を押し出す押出部材をさらに有する、請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記剥離装置は、前記トレーを一過的に変形させることによって、前記冷凍食品を前記トレーから剥離する、請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項7】
冷凍処理後において、トッピング材が付着した冷凍食品、および前記冷凍食品が収納されたトレーを搬送する搬送方法であって、
前記トッピング材が付着した前記冷凍食品を、前記トッピング材が前記冷凍食品より上方に配置された状態で、前記トレーから剥離する剥離工程と、
前記冷凍食品が前記トレーから剥離された状態で、平面に載置されている前記冷凍食品および前記トレーを回転させて、前記冷凍食品および前記トレーを分離する分離工程と、を有する搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置および搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍麺のような冷凍食品は、麺を茹でて冷水で冷却した後、麺の塊をトレーに投入し、フリーザーによって冷凍されることによって製造されている。さらに、フリーザーによって冷凍処理された後、トレーの鉛直方向の上下を反転して、上方から圧をかけて冷凍麺類をトレーより分離する脱パン処理が行われる。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-150878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された搬送装置では、トレーを180度反転した後に、上から圧をかけて脱パンさせるため、トッピング材が冷凍麺から脱落して、周囲に飛び散ってしまう虞がある。また、トレーを180度反転した後に脱パン処理が行われるため、トッピング材が付着した面(トッピング面)がコンベアに接触して、コンベアの洗浄に手間がかかる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、トッピング材が冷凍食品から脱落することを防止するとともに、トッピング面がコンベアに接触することなく搬送することのできる搬送装置および搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明に係る搬送装置は、冷凍処理後において、トッピング材が付着した冷凍食品、および前記冷凍食品が収納されたトレーを含む被搬送物を搬送する搬送装置であって、前記トッピング材が付着した前記冷凍食品を、前記トッピング材が前記冷凍食品より上方に配置された状態で、前記トレーから剥離する剥離装置と、前記冷凍食品が前記トレーから剥離された状態で、平面に載置されている前記冷凍食品および前記トレーを回転させて、前記冷凍食品および前記トレーを分離する分離装置と、を有する。
【0007】
また、上記目的を達成する本発明に係る搬送方法は、冷凍処理後において、トッピング材が付着した冷凍食品、および前記冷凍食品が収納されたトレーを含む被搬送物を搬送する搬送方法であって、前記トッピング材が付着した前記冷凍食品を、前記トッピング材が前記冷凍食品より上方に配置された状態で、前記トレーから剥離する剥離工程と、前記冷凍食品が前記トレーから剥離された状態で、平面に載置されている前記冷凍食品および前記トレーを回転させて、前記冷凍食品および前記トレーを分離する分離工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
上述の搬送装置および搬送方法によれば、トッピング材が付着した冷凍食品を、トッピング材が冷凍食品より上方に配置された状態で、トレーから剥離するため、トッピング材が冷凍食品から脱落することを防止できる。また、平面に載置されている冷凍食品およびトレーを回転させて、冷凍食品およびトレーを分離するため、トッピング面がコンベアに接触することなく搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る搬送装置を示す概略平面図である。
図2】冷凍麺およびトッピング材がトレーに配置されている様子を示す概略図である。
図3A】第1実施形態に係る搬送装置の剥離装置を示す概略平面図である。
図3B】第1実施形態に係る搬送装置の剥離装置を示す概略正面図および概略背面図である。
図4】第1実施形態に係る搬送装置の剥離装置を示す概略側面図である。
図5】第1実施形態に係る搬送装置の剥離装置を示す概略側面図であって、剥離する際の様子を示す図である。
図6】第1実施形態に係る搬送装置の分離装置を示す概略正面図である。
図7】第1実施形態に係る搬送装置の分離装置を示す概略平面図である。
図8】第1実施形態に係る搬送装置の分離装置によってトレーが順次回転される様子を示す図である。
図9】変形例1に係る剥離装置を示す図4に対応する図である。
図10】変形例2に係る剥離装置を示す図4に対応する図である。
図11】変形例3に係る剥離装置を示す図4に対応する図である。
図12】第2実施形態に係る搬送装置の剥離装置を示す概略正面図である。
図13図12のI-I線に沿う断面図である。
図14図12のII-IIに沿う断面図である。
図15】第2実施形態に係る搬送装置の分離装置を示す概略正面図である。
図16】第2実施形態に係る搬送装置の分離装置を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を、図1図8を参照しつつ説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0011】
図1は、本発明の第1施形態に係る搬送装置1を示す概略平面図である。図2は、冷凍麺Nおよびトッピング材MがトレーTに配置されている様子を示す概略図である。図3Aは、第1実施形態に係る搬送装置1の剥離装置20を示す概略平面図である。図3Bは、第1実施形態に係る搬送装置1の剥離装置20を示す概略正面図および概略背面図である。図4は、第1実施形態に係る搬送装置1の剥離装置20を示す概略側面図である。図5は、第1実施形態に係る搬送装置1の剥離装置20を示す概略側面図であって、剥離する際の様子を示す図である。図6は、第1実施形態に係る搬送装置1の分離装置30を示す概略正面図である。図7は、第1実施形態に係る搬送装置1の分離装置30を示す概略平面図である。図8は、第1実施形態に係る搬送装置1の分離装置30によって順次回転される様子を示す図である。なお、図3において、上側に配置される図面が概略背面図であって、下側に配置される図面が概略正面図である。
【0012】
第1実施形態に係る搬送装置1は、トッピング材Mが付着した冷凍麺N(冷凍食品に相当)、および冷凍麺Nが収納されたトレーTを下流に向けて搬送する。搬送装置1は、図1図7に示すように、フリーザーFから排出されてきた冷凍麺NおよびトレーTを下流側に向けて搬送する搬送コンベア10と、トッピング材Mが付着した冷凍麺NをトレーTから剥離する剥離装置20と、平面に載置されている冷凍麺NおよびトレーTを回転させて、冷凍麺NおよびトレーTを分離する分離装置30と、分離装置30において冷凍麺NおよびトレーTを回転させた後に、トレーT内の冷凍麺Nを押し出す押出部材40と、各種構成の動作を制御する制御部(不図示)と、を有する。以下、各構成について説明する。フリーザーFとしては公知のフリーザーFを用いることができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0013】
搬送コンベア10は、冷凍麺Nが配置されたトレーTを下流に向けて搬送する。搬送コンベア10は、図1に示すように、フリーザーFの下流に配置されるとともに、剥離装置20および分離装置30が配置される第1搬送コンベア11と、分離装置30の下流において2つに分離されてなる第2搬送コンベア12、第3搬送コンベア13と、を有する。
【0014】
第1搬送コンベア11は、フリーザーFから排出された冷凍麺NおよびトレーTを、剥離装置20を介して、分離装置30まで搬送する。
【0015】
第2搬送コンベア12は、分離装置30において、トッピング材Mが付着した冷凍麺Nと分離されたトレーTを、次工程に搬送する。次工程においてトレーTは、例えば洗浄された後、再利用される。
【0016】
第3搬送コンベア13は、分離装置30においてトレーTと分離された、トッピング材Mが付着した冷凍麺Nを、次工程に搬送する。第3搬送コンベア13には、押出部材40によって冷凍麺Nがトレーから押し出された際に、第3搬送コンベア13から落下しないように縦壁13W(図7参照)が設けられる。次工程においてトッピング材Mが付着した冷凍麺Nは、金属検知部によって金属片が混在されていないかが確認された後、包装機(不図示)によって包装される。
【0017】
剥離装置20は、図3A図5に示すように、搬送方向の右側に設けられる第1レール21と、搬送方向の左側に設けられる第2レール22と、を有する。
【0018】
第1レール21は、図3Bの下図に示すように、搬送方向に沿って、鉛直方向の下側に湾曲するように構成されている。第1レール21には、図4に示すように、トレーTの延在部T1(図2参照)を支持する支持部材21Aが設けられる。支持部材21Aは、延在部T1が挿入される凹部21Bを有する。第1レール21の湾曲する程度は、第1レール21および第2レール22によって、冷凍麺NをトレーTから剥離できる限りにおいて、限定されない。
【0019】
第2レール22は、図3Bの上図に示すように、搬送方向に沿って、直線状に構成されている。第2レール22には、図4に示すように、トレーTの延在部T1(図2参照)を支持する支持部材22Aが設けられる。支持部材22Aは、延在部T1が挿入される凹部22Bを有する。
【0020】
図3Aに示すように、支持部材21Aは、上方から視たときに、第1レール21の外周を時計回りするように複数設けられる。また、支持部材22Aは、上方から視たときに、第2レール22の外周を反時計回りするように複数設けられる。支持部材21Aが時計回りするとともに支持部材21Bが反時計回りすることによって、支持部材21Aおよび支持部材21Bによって支持されたトレーTは、下流に向けて搬送される。
【0021】
図4図5に示すように、トレーTは、第1レール21の支持部材21Aおよび第2レール22の支持部材22Aによって支持された状態で、搬送方向(図4図5の紙面奥側)に搬送される。
【0022】
トレーTが搬送方向に搬送される際に、第1レール21は曲線状に構成されるとともに、第2レール22は直線状に構成されるため、図5に示すように、トレーTは、第1レール21および第2レール22によって湾曲させられてひねられる。この結果、トッピング材Mが付着した冷凍麺Nは、トレーTから剥離される。
【0023】
なお、剥離装置20は、冷凍麺NをトレーTから剥離することのできる構成であれば、上述の構成に限定されない。
【0024】
分離装置30は、図1に示すように、剥離装置20の下流に配置される。分離装置30は、図6図7に示すように、剥離装置20によって冷凍麺NがトレーTから剥離された後に、平面に載置されている冷凍麺NおよびトレーTを回転させて、冷凍麺NおよびトレーTを分離する。
【0025】
分離装置30は、図7に示すように、第4搬送コンベア14のコンベアベルトBの一端部を立ち上げる棒部材31を有する。この構成によれば、分離装置30では、図6図7に示すように、第4搬送コンベア14のコンベアベルトBをねじるように所定の角度だけ持ち上げられている。分離装置30によってトレーTを回転させる角度は特に限定されないが、例えば70~110度とすることができる。
【0026】
分離装置30は、図6に示す横プーリ35および図7に示す縦プーリ36を有する。本実施形態では、トレーTが搬送される際に、横プーリ35および縦プーリ36によって立ち上がるように回転されるが、横プーリ35の上端および縦プーリ36の下端が略同一の高さになっているため、トレーTが回転される際に、トレーTの幅方向の一端が回転中心となる。この構成によれば、搬送中におけるトレーTの一端の高さが一定であるため、分離装置30の前後のラインとの高さ調整が容易となる。
【0027】
また、分離装置30は、図6図8に示すように、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させる際に、トレーTが滑り落ちることを防止する第1防止部材32と、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させた後に、回転された状態のトレーTが回転された方向に倒れることを防止する第2防止部材33と、分離装置30によって冷凍麺およびトレーTを回転させる際に、冷凍麺NがトレーTから落下することを防止する第3防止部材34と、を有する。
【0028】
第1防止部材32は、図8に示すように、コンベアベルトBに対して垂直となるように配置されるとともに、トレーTが滑り落ちないように、トレーTが傾斜した際に、トレーTの鉛直方向の下方に配置される。第1防止部材32は、コンベアベルトBと一体化されていることが好ましい。ここで、例えば、第1防止部材がコンベアベルトBと別体として構成される場合、コンベアベルトBおよび第1防止部材を駆動する装置が2台必要となり、装置全体が複雑となる。さらに、駆動する装置がそれぞれ独立されるため、トレーTをスムーズに搬送できない可能性がある。
【0029】
これに対して、第1防止部材32が、コンベアベルトBと一体化されている場合、駆動装置が1台となるため、装置全体が複雑とならない。さらに、第1防止部材32がコンベアベルトBと完全に同期して移動するため、トレーTをスムーズに搬送できる。なお、第1防止部材がコンベアベルトBと別体として構成される場合も、本発明に含まれるものとする。
【0030】
なお、図示は省略するが、第1防止部材32が柔らかい材質からなる場合、トレーTの重さで第1防止部材32がたわまないように、第1防止部材32を下方から支持する下部支持部材を設けることが好ましい。
【0031】
第2防止部材33は、図8の最下図に示すように、分離装置30によって、冷凍麺NおよびトレーTを回転させた後に、トレーTの右側となるように配置される。第2防止部材33は、図8の最下図に示すように、トレーTの右側の開口部が、冷凍麺Nが通過可能な広さだけ開放するように、トレーTの開口を塞ぐように配置される。このため、トレーTの落下を防止しつつ、冷凍麺NをトレーTから好適に落下させることができる。本実施形態において、第2防止部材33は平板状に構成されるが、これに限定されず、例えば丸棒によって構成されてもよい。
【0032】
なお、第2防止部材33のトレーTが接触する側の面には、凹凸形状(不図示)が備えられることが好ましい。この構成によれば、トレーTが凹凸形状に接触する際のトレーTの振動、および後述する押出部材40の押し出しが協働して、脱パン効率が向上する。
【0033】
また、コンベアベルトBに対して、第2防止部材33の反対側の面には、第2防止部材33と並行に設けられるサポート部材(不図示)が設けられることが好ましい。この構成によれば、第2防止部材33および上部支持部材によって、コンベアベルトBとトレーTを挟持することができるため、コンベアベルトBのたわみを抑制し、トレーTの位置を固定することで脱パン効率が向上する。
【0034】
第3防止部材34は、図6図7に示すように、剥離装置20によって剥離された冷凍麺NがトレーTから落下しないように、トレーTの上方に搬送方向に沿って延在するように配置されている。第3防止部材34は、剥離装置20によって剥離された冷凍麺NがトレーTから落下しないように構成されている限りにおいて、構成は限定されない。本実施形態において、第3防止部材34は平板状に構成されるが、これに限定されず、例えば丸棒によって構成されてもよい。
【0035】
なお、分離装置30は、冷凍麺NおよびトレーTを回転させて、冷凍麺NおよびトレーTを分離することのできる構成であれば、上述の構成に限定されない。
【0036】
このように構成された分離装置30によれば、トレーTが搬送方向に沿って搬送されることで、図8に示すように、冷凍麺N入りのトレーTを順次回転させることができる。
【0037】
押出部材40は、図7に示すように、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させた後に、トレーTの底面を押して、トレーT内の冷凍麺Nを押し出す。押出部材40は、図7に示すように搬送方向に沿って3つ設けられる。なお、押出部材40が設けられる個数は3つに限定されず、1つ、2つ、または4つ以上であってもよい。
【0038】
押出部材40は、略六角形状でトレーTの底面に対して衝撃力を付与する付与部41と、付与部41を回転駆動させるモータ42と、を有する。この構成において、モータ42によって付与部41を回転させると、付与部41の外周がトレーTの底面に対して衝撃を与えて、トッピング材Mが付着した冷凍麺NがトレーTから押し出されて分離される。なお、押出部材40は、冷凍麺NをトレーTから押し出すことのできる構成であれば、上述の構成に限定されない。
【0039】
なお、付与部41は、回転されたトレーTの下半分の箇所に衝撃力を付与するように、回転されたトレーTの中心高さよりも下方に配置されることが好ましい。この構成によれば、冷凍麺Nを好適にトレーTから滑り落とすことができる。
【0040】
次に、本実施形態に係る搬送装置1の搬送方法について説明する。なお、以下の説明において、搬送装置1の各種構成の動作は制御部によって行われる。
【0041】
フリーザーFにおいて冷凍処理された冷凍麺Nは、図1に示すように、左向きに移動して第1搬送コンベア11に移動される。そして、冷凍麺NおよびトレーTは、第1搬送コンベア11を下流に移動する。
【0042】
そして、図1に示すように、剥離装置20によって、冷凍麺Nは、トッピング材Mが冷凍麺Nよりも上方に配置された状態で、トレーTから剥離される(剥離工程)。
【0043】
そして、冷凍麺NがトレーTから剥離された状態で、分離装置30は、トレーTの上に冷凍麺Nが入っている通常の搬送状態である冷凍麺NおよびトレーTを回転させて、冷凍麺NおよびトレーTを分離する(分離工程)。このとき、第1防止部材32は、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させる際に、トレーTが滑り落ちることを防止する。また、第3防止部材34は、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させる際に、冷凍麺NがトレーTから落下することを防止する。さらに、第2防止部材33は、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させた後に、回転された状態のトレーTが回転された方向に倒れることを防止する。
【0044】
そして、トレーTから分離された冷凍麺Nは第3搬送コンベア13に移動される。また、分離装置30による回転で分離しなかった冷凍麺Nを、押出部材40によって押し出して、冷凍麺Nを第3搬送コンベア13に移動させる。冷凍麺Nは、第3搬送コンベア13を下流に移動する際に、例えば金属検知部によって金属片が混在していないかが検査される。
【0045】
そして、冷凍麺Nが分離されたトレーTは、図1に示すように、例えば不図示の把持装置によって把持されて、第2搬送コンベア12に移動される。
【0046】
以上説明したように、第1実施形態に係る搬送装置1は、冷凍処理後において、トッピング材Mが付着した冷凍麺N、および冷凍麺Nが収納されたトレーTを搬送する搬送装置1である。搬送装置1は、トッピング材Mが付着した冷凍麺Nを、トッピング材Mが冷凍麺Nより上方に配置された状態で、トレーTから剥離する剥離装置20と、冷凍麺NがトレーTから剥離された状態で、平面に載置されている冷凍麺NおよびトレーTを回転させて、冷凍麺NおよびトレーTを分離する分離装置30と、を有する。このように構成された搬送装置1によれば、トッピング材Mが付着した冷凍麺Nを、トッピング材Mが冷凍麺Nより上方に配置された状態で、トレーTから剥離するため、トッピング材Mが冷凍麺Nから脱落することを防止できる。また、平面に載置されている冷凍麺NおよびトレーTを回転させて、冷凍麺NおよびトレーTを分離するため、冷凍麺Nのトッピング面が搬送コンベア10に接触することなく搬送することができる。
【0047】
また、搬送装置1は、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させる際に、トレーTが滑り落ちることを防止する第1防止部材32を有する。このように構成された搬送装置1によれば、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させる際に、トレーTが滑り落ちることを防止できるため、好適に冷凍麺NおよびトレーTを搬送することができる。
【0048】
また、搬送装置1は、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させた後に、回転された状態のトレーTが回転された方向に倒れることを防止する第2防止部材33を有する。このように構成された搬送装置1によれば、トレーTが意図しない方向に倒れることを防止できるため、好適に冷凍麺NおよびトレーTを搬送することができる。
【0049】
また、搬送装置1は、分離装置30によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させる際に、冷凍麺NがトレーTから落下することを防止する第3防止部材34を有する。このように構成された搬送装置1によれば、冷凍麺NおよびトレーTを回転させる際に、冷凍麺NがトレーTから落下することを防止できるため、好適に冷凍麺NおよびトレーTを搬送することができる。
【0050】
また、搬送装置1は、分離装置30において冷凍麺NおよびトレーTを回転させた後に、トレーT内の冷凍麺Nを押し出す押出部材40をさらに有する。このように構成された搬送装置1によれば、冷凍麺NをトレーTから確実に分離することができる。
【0051】
また、剥離装置20は、トレーTをひねる(一過的に変形させる)ことによって、冷凍麺NをトレーTから剥離する。このように構成された搬送装置1によれば、好適に冷凍麺NをトレーTから剥離することができる。
【0052】
また、以上説明したように第1実施形態に係る搬送方法は、冷凍処理後において、トッピング材Mが付着した冷凍麺N、および冷凍麺Nが収納されたトレーTを搬送する搬送方法である。搬送方法は、トッピング材Mが付着した冷凍麺Nを、トッピング材Mが冷凍麺Nより上方に配置された状態で、トレーTから剥離する剥離工程と、冷凍麺NがトレーTから剥離された状態で、平面に載置されている冷凍麺NおよびトレーTを回転させて、冷凍麺NおよびトレーTを分離する分離工程と、を有する。この搬送方法によれば、トッピング材Mが付着した冷凍麺Nを、トッピング材Mが冷凍麺Nより上方に配置された状態で、トレーTから剥離するため、トッピング材Mが冷凍麺Nから脱落することを防止できる。また、平面に載置されている冷凍麺NおよびトレーTを回転させて、冷凍麺NおよびトレーTを分離するため、冷凍麺Nのトッピング面が搬送コンベア10に接触することなく搬送することができる。
【0053】
なお、本発明は上述した第1実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
【0054】
例えば、上述した第1実施形態では、剥離装置20は、トレーTをひねることによって、冷凍麺NをトレーTから剥離した。しかしながら、剥離装置120は、図9に示すように、支持部材21Aおよび支持部材22AでトレーTを支持した状態で、トレーTの下方から押込部材50によって平面的に押し込んでトレーTを一過的に変形させて、冷凍麺NをトレーTから剥離してもよい。また、剥離装置220は、図10に示すように、支持部材21Aおよび支持部材22AでトレーTを支持した状態で、支持部材21Aおよび支持部材22Aを水平方向に互いに近づける(図10の矢印参照)ことによってトレーTを一過的に変形させて、冷凍麺NをトレーTから剥離してもよい。さらに、剥離装置320は、図11に示すように、支持部材21Aおよび支持部材22AでトレーTを支持した状態で、トレーTの下方から実施形態で説明した押出部材40によって押し出してトレーTを一過的に変形させて、冷凍麺NをトレーTから剥離してもよい。また、剥離装置は実施形態の剥離装置20、変形例の剥離装置120、220、320の組み合わせであってもよく、これらを順番にまたは同時に行ってもよい。
【0055】
また、上述した第1実施形態では、横プーリ35の上端および縦プーリ36の下端が略同一の高さになっていた。しかしながら、横プーリおよび縦プーリの中心が同じ高さとなるように配置されていてもよい。この構成によれば、分離装置のコンベアベルトの中心の高さが維持され、コンベアベルトの蛇行を抑制できる。
【0056】
また、上述した第1実施形態では、第1防止部材32、第2防止部材33、および第3防止部材34を有したが、冷凍麺NおよびトレーTを搬送することができる限りにおいて、第1防止部材32、第2防止部材33、および第3防止部材34を有していなくてもよい。
【0057】
また、上述した第1実施形態では、押出部材40を有したが、冷凍麺NおよびトレーTを回転させた際に、冷凍麺NがトレーTから分離される限りにおいて、押出部材40を有していなくてもよい。
【0058】
また、上述した第1実施形態では、冷凍食品の一例として、冷凍麺Nを挙げて説明したが、これに限定されず、お好み焼きなどであってもよい。
【0059】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を、図12図16を参照しつつ説明する。第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第2実施形態のみに特徴のある個所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
【0060】
図12は、第2実施形態に係る搬送装置の剥離装置420を示す概略正面図である。図13は、図12のI-I線に沿う断面図である。図14は、図12のII-II線に沿う断面図である。図15は、第2実施形態に係る搬送装置の分離装置130を示す概略正面図である。図16は、第2実施形態に係る搬送装置の分離装置130を示す概略平面図である。
【0061】
第2実施形態に係る搬送装置は、図12図16に示すように、搬送コンベア10と、剥離装置420と、分離装置130と、押出部材140と、を有する。搬送コンベア10は、第1実施形態に係る搬送装置1の搬送コンベア10と同一の構成であるため説明を省略する。
【0062】
剥離装置420は、図12図14に示すように、上述した変形例2に係る剥離装置220および変形例1に係る剥離装置120を適宜組み合わせることによって構成されている。
【0063】
なお、剥離装置420の剥離装置120では、支持部材21Aおよび支持部材22Aを互いに近づける(図13の矢印参照)ことによってトレーTを一過的に変形させつつ、変形例1で説明した押込部材50に代わって、コンベアベルトBの途中の箇所B1によって平面的に押し込んで(図14の上向き矢印参照)トレーTを一過的に変形させて、冷凍麺NをトレーTから剥離させる。すなわち、コンベアベルトBは、図12に示すように、進行方向の途中の箇所B1において、鉛直方向の上側に立ち上がるように構成されている。この剥離装置420によれば、剥離装置220および剥離装置120を組み合わせて、冷凍麺NをトレーTから剥離するために、好適に剥離することができる。また、次工程の分離装置130への乗り継ぎを好適に行うことができる。
【0064】
分離装置130は、剥離装置420の下流に配置される。分離装置130は、剥離装置420によって冷凍麺Nがトレーから剥離された後に、平面に載置されている冷凍麺NおよびトレーTを回転させて、冷凍麺NおよびトレーTを分離する。
【0065】
分離装置130は、図15図16に示すように、第1防止部材32と、第2防止部材33と、第3防止部材34と、上部支持部材131と、下部支持部材132と、を有する。第1防止部材32、第2防止部材33、および第3防止部材34は、上述した第1実施形態に係る搬送装置1の第1防止部材32、第2防止部材33、および第3防止部材34と同一の構成であるため、説明は省略する。
【0066】
上部支持部材131は、図15に示すように、正面から視て、コンベアベルトBおよびトレーTの背面に配置される。上部支持部材131は、コンベアベルトBが撓まないように配置されている。上部支持部材131は棒状であって、図15に示すように、鉛直方向に2本設けられる。なお、コンベアベルトBを撓まないようにすることができる限りにおいて、上部支持部材131の構成は限定されない。
【0067】
下部支持部材132は、図16に示すように、平面から視て、押出部材140およびコンベアベルトBの下方に配置される。下部支持部材132は、後述する押出部材140がトレーTを下方に押し付けるときの力を逃がさないように配置されている。
【0068】
押出部材140は、図15図16に示すように、分離装置130によって冷凍麺NおよびトレーTを回転させた後に、トレーTの側面を押して、トレーT内の冷凍麺Nを押し出す。
【0069】
第2実施形態において、押出部材140は、搬送方向に2つ設けられる。図16に示すように、2つの押出部材140のうち搬送方向上流側の押出部材140Aは、搬送方向下流側の押出部材140Bよりも幅(図16の上下方向の長さ)が小さくなるように構成されている。なお、押出部材140の設けられる個数や幅は、トレーT内の冷凍麺Nを押し出すことができる限りにおいて、特に限定されない。
【符号の説明】
【0070】
1 搬送装置、
10 搬送コンベア、
20、120、220、320、420 剥離装置、
30、130 分離装置、
32 第1防止部材、
33 第2防止部材、
34 第3防止部材、
40、140 押出部材、
F フリーザー、
M トッピング材、
N 冷凍麺(冷凍食品)、
T トレー。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16