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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123544
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/14 20060101AFI20240905BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20240905BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240905BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G03G15/14 101A
G03G15/16 103
G03G21/00 384
G03G21/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031050
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】吉見 貴博
【テーマコード(参考)】
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H200FA02
2H200FA06
2H200FA18
2H200GA23
2H200JA02
2H200JB10
2H200JB41
2H200KA02
2H200KA07
2H200KA14
2H200KA26
2H200KA28
2H200KA29
2H200NA02
2H200PB12
2H270MA29
2H270MB01
2H270MC42
2H270PA83
(57)【要約】
【課題】分離部材を清掃でき、分離部材の汚れに起因する異常画像の発生を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1と、前記像担持体と対向して設けられ、前記像担持体上の像を記録媒体4に転写させる転写部材3と、前記像担持体に当接するように設けられ、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記像担持体の表面に担持された前記記録媒体を分離する分離部材6と、を備える。通常画像形成モードと、清掃モードとを有する。前記清掃モードは、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記記録媒体を前記分離部材に接触させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
前記像担持体と対向して設けられ、前記像担持体上の像を記録媒体に転写させる転写部材と、
前記像担持体に当接するように設けられ、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記像担持体の表面に担持された前記記録媒体を分離する分離部材と、を備え、
通常画像形成モードと、清掃モードとを有し、
前記清掃モードは、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記記録媒体を前記分離部材に接触させる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記清掃モードは、前記転写部材の印加電圧の絶対値を、前記通常画像形成モードにおける前記転写部材の印加電圧の絶対値よりも大きくする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写部材よりも前記記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記転写部材により帯電された前記記録媒体に対して除電を行う除電部材を備え、
前記清掃モードは、下記(1)~(3)のいずれか一つを満たす
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
(1)前記除電部材に印加する電圧は、前記転写部材に印加する電圧と逆極性であり、かつ、前記通常画像形成モードにおける前記除電部材に印加する電圧よりも絶対値が小さい。
(2)前記除電部材に印加する電圧は、前記清掃モードにおける前記転写部材に印加する電圧と同極性である。
(3)前記除電部材に印加する電圧は、ゼロである。
【請求項4】
前記清掃モードは、前記通常画像形成モードにおける前記像担持体の表面電位の絶対値よりも、前記像担持体の表面電位の絶対値を大きくする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記清掃モードにおいて、前記転写部材の印加電圧を大きくする期間は、前記記録媒体の先端が前記像担持体と前記転写部材の間に到達してから、前記像担持体上と前記分離部材上とを進み、前記分離部材から離れるまでの期間である
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記清掃モードにおいて、前記除電部材に印加する電圧を上記(1)~(3)にする期間は、前記記録媒体の先端が前記像担持体と前記転写部材の間に到達してから、前記像担持体上と前記分離部材上とを進み、前記分離部材から離れるまでの期間である
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記清掃モードにおいて、前記像担持体の表面電位の絶対値を大きくする期間は、前記記録媒体の先端が前記像担持体と前記転写部材の間に到達してから、前記像担持体上と前記分離部材上とを進み、前記分離部材から離れるまでの期間である
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記清掃モードは、1つの前記記録媒体を2回通紙させ、1回目の通紙において、前記通常画像形成モードにける前記記録媒体の加熱温度よりも高い温度で前記記録媒体を加熱してカールさせる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記清掃モードは、前記通常画像形成モードで用いられる前記記録媒体よりも、体積抵抗率が大きい記録媒体、剛度が低い記録媒体、又は、体積抵抗率が大きくかつ剛度が低い記録媒体を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、像担持体上の像を記録媒体に転写させる画像形成装置が知られている。画像形成装置では、記録媒体上の像を記録媒体に定着させる定着部材、記録媒体の搬送を行う搬送部材、転写後の記録媒体が像担持体から分離させる分離部材などが用いられている。
【0003】
このような画像形成装置では、定着部材や搬送経路などに汚れが生じ、異常画像などの問題が生じる。これに対して、特許文献1では、定着ローラに付着した汚れを、印刷条件を変更した通紙を行うことで除去する。また、特許文献2では、清掃モードを行うようにしており、清掃モードでは、印刷時に紙が触れる位置に搬送経路が移動することで、通紙により搬送経路を清掃する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、分離部材を清掃できず、分離部材に付着した汚れを除去できない。そのため、分離部材に付着した汚れにより、異常画像が生じてしまうという問題があった。分離部材を清掃するには、装置を分解する必要が生じてしまう。
【0005】
そこで本発明は、分離部材を清掃でき、分離部材の汚れに起因する異常画像の発生を抑制できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体と対向して設けられ、前記像担持体上の像を記録媒体に転写させる転写部材と、前記像担持体に当接するように設けられ、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記像担持体の表面に担持された前記記録媒体を分離する分離部材と、を備え、通常画像形成モードと、清掃モードとを有し、前記清掃モードは、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記記録媒体を前記分離部材に接触させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、分離部材を清掃でき、分離部材の汚れに起因する異常画像の発生を抑制できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通常画像形成モードの一例を説明するための概略図(A)及び(B)である。
図2】分離部材の配置の一例を説明するための平面概略図である。
図3】異常画像が生じる場合の一例を説明するための概略図(A)及び(B)である。
図4】実施例1の清掃モードを説明するための概略図である。
図5】実施例2の清掃モードを説明するための概略図(1)~(3)である。
図6】実施例4の清掃モードを説明するための概略図(A)~(C)である。
図7】実施例5の清掃モードを説明するための概略図(A)~(C)である。
図8】画像形成装置の一例を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0010】
本発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体と対向して設けられ、前記像担持体上の像を記録媒体に転写させる転写部材と、前記像担持体に当接するように設けられ、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記像担持体の表面に担持された前記記録媒体を分離する分離部材と、を備え、通常画像形成モードと、清掃モードとを有し、前記清掃モードは、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記記録媒体を前記分離部材に接触させることを特徴とする。
【0011】
清掃モードでは、通常画像形成モードよりも、記録媒体を分離部材に意図的に接触させ、分離部材に付着した汚れを記録媒体に付着させて分離部材を清掃する。これにより、異常画像の発生を抑制できる。
【0012】
本実施形態の画像形成装置は、例えば、像担持体、転写手段、像形成手段、定着手段、搬送手段を有し、必要に応じてその他の手段、例えばクリーニング手段等を有する。転写手段、像形成手段、定着手段、搬送手段、クリーニング手段等は、それぞれ転写装置、像形成装置、定着装置、搬送装置、クリーニング装置などと称してもよい。
【0013】
転写手段は、像担持体上の像を記録媒体に転写させる手段であり、上記の転写部材を少なくとも有する。
【0014】
像形成手段は、例えば、像担持体を帯電させる帯電手段、像担持体を露光させる露光手段、像担持体を現像する現像手段を有する。像担持体は、露光されることにより、像担持体上に静電潜像が形成される。そして、像担持体は、現像されることにより、像担持体上に可視像(トナー像などと称してもよい)が形成される。像担持体上の可視像は、転写手段により、記録媒体に転写される。
【0015】
記録媒体に転写された像は、例えば定着手段により記録媒体に定着する。定着後の記録媒体は、例えば排出手段により排出される。必要に応じて、像担持体などの部材をクリーニング手段によりクリーニングしてもよい。記録媒体は、適宜設けられた搬送手段により搬送される。
【0016】
像担持体は、感光体、静電潜像担持体などと称することがある。像担持体としては、例えば、ドラム状の感光体を用いることができる。
【0017】
記録媒体は、転写材、被転写材、媒体、被記録媒体、メディアなどと称することがある。記録媒体としては、適宜選択することができ、例えばシート状の記録媒体を用いられる。例えば用紙が用いられる。
【0018】
転写手段は、例えば、像担持体と対向して設けられた転写部材を有する。例えば、転写部材に転写電圧と転写圧が印加され、像担持体上の像が記録媒体に転写される。転写部材としては、例えば転写ローラを用いることができる。転写部材は、像担持体と転写部材の間を通過する記録媒体を帯電させる。
【0019】
本実施形態の画像形成装置は、除電手段を有していてもよい。除電手段は、像担持体と転写部材の間を通過した記録媒体を除電する。除電手段は、例えば、転写部材が記録媒体を帯電させたときの電荷の符号と逆の電荷を付与して除電する。除電手段は、例えば除電部材を有し、除電部材としては、例えば除電針を用いることができる。転写手段が除電手段を有しているとしてもよい。
【0020】
図1は、本実施形態の画像形成装置の要部概略図であり、転写手段周辺の概略を示す図である。図1(A)は、像担持体1と転写部材3との間を通過した記録媒体4が分離部材6に接触しない場合の概略図である。図1(B)は、像担持体1と転写部材3との間を通過した記録媒体4が分離部材6に接触した場合の概略図である。
【0021】
像担持体1に担持されたトナー像2は、転写部材3に印加された転写電圧と転写圧によって記録媒体4に転写される。転写部材3は、例えばローラ形状の転写ローラである。図中の矢印は、像担持体1の回転方向、転写部材3の回転方向、記録媒体4の搬送方向を模式的に示している。
【0022】
記録媒体4は、像担持体1と転写部材3の間を通過する際、転写部材3によって帯電する。像担持体1と転写部材3の間を通過した記録媒体4は、除電部材5によって除電される。除電部材5は、例えば除電針である。本例の画像形成装置は、除電部材5に対して、転写部材3と逆極性の電圧を印加する。これにより、除電針の印加電圧の効果が生じ、記録媒体4を除電することができる。上記の構成により、記録媒体4が像担持体1から分離される。
【0023】
図1(A)に示すように、記録媒体4は、通常、曲率分離により像担持体1から分離される。この場合、像担持体1と転写部材3の間を通過した記録媒体4は、分離部材6に接触することなく搬送される。
【0024】
一方、記録媒体4の種類、保管状態、線速などの条件のほか、搬送パスのばらつきなどにより、記録媒体4が像担持体1から分離できない場合がある。この場合、図1(B)に示すように、分離部材6により記録媒体4を分離させる。分離部材6は、分離手段の一例であり、像担持体1に当接して設けられている。
【0025】
図2は、分離部材6の配置例を模式的に説明するための平面概略図であり、転写部材3側から像担持体1を見たときの図である。図中の矢印は、記録媒体4の搬送方向を示す。
【0026】
分離部材6(分離手段)は、1つであってもよいし、複数であってもよい。図示する例では、分離部材6が2つ設けられている。また、分離部材6が配置される箇所は、適宜選択することができる。図示する例では、像担持体1の長手方向(回転軸方向、軸方向などと称してもよい)に沿って2つ配置されている。分離部材6は、分離爪などと称されてもよい。
【0027】
分離部材6は、像担持体に当接するように設けられている。このため、分離部材6に汚れが生じやすくなる。例えば、像担持体1上から転写されずに残ったトナーが分離部材6に付着して汚れる場合がある。この他にも例えば、他部材の状態を維持するために、印刷(画像形成)を行う以外のタイミングで像担持体1上に供給されたトナーが分離部材6に付着する場合がある。この他にも例えば、記録媒体の詰まり(いわゆるJAM)が発生した場合に、像担持体1上に残ったトナーや紙粉などが分離部材6に付着する場合がある。
【0028】
分離部材6が汚れた生じた場合、記録媒体4が分離部材6に接触すると、分離部材6に付着した付着物によって異常画像が生じてしまう。記録媒体4が分離部材6に接触する部分は、例えば、記録媒体4の先端や後端が挙げられる。
【0029】
図3は、分離部材6に付着した付着物によって異常画像が生じる場合の例を模式的に説明するための概略図である。図3(A)は、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間を通過する前の状態を示す図であり、図3(B)は、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間を通過した後の状態を示す図である。
【0030】
図3(A)に示すように、分離部材6に付着物7が付着している。上記説明したように、付着物7としては、例えばトナーや紙粉などが挙げられる。記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間を通過した後、像担持体1から曲率分離されない場合、記録媒体4は分離部材6と接触して像担持体1から分離されることとなる。このとき、図3(B)に示すように、記録媒体4が分離部材6と接触すると、記録媒体4に付着物7が付着し、異常画像が生じてしまう。
【0031】
そこで、本実施形態の画像形成装置は、このような異常画像等を防止するために、以下の特徴を有する。
本実施形態の画像形成装置は、通常画像形成モードと、清掃モードとを有し、前記清掃モードは、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記記録媒体を前記分離部材に接触させる。清掃モードでは、像担持体と転写部材の間を通過した後の記録媒体を意図的に像担持体に接触させて搬送し、記録媒体を意図的に分離部材に接触させる。これにより、清掃モードにおいて分離部材6を清掃することができ、異常画像を抑制することができる。
【0032】
通常画像形成モードは、例えば図1で説明したような画像形成(印刷などと称してもよい)を行うモードである。例えば除電部材5により、像担持体1と転写部材3の間を通過した記録媒体4を除電し、通過後の記録媒体4を像担持体1から分離させるようにする。なお、通過後の記録媒体4とあるのは、像担持体1と転写部材3の間を通過した後の記録媒体4の部分を意味する。
【0033】
清掃モードでは、通常画像形成モードよりも、通過後の記録媒体4を意図的に像担持体1に貼り付かせ、記録媒体4を分離部材6に意図的に接触させる。清掃モードを実施することにより、分離部材6に付着した汚れ(付着物7)を記録媒体4に付着させ、分離部材6を清掃する。これにより、清掃モードを実施した後の画像形成(印刷)における異常画像の発生を抑制することができる。
【0034】
清掃モードの詳細例を以下説明する。本実施形態における清掃モードでは、記録媒体4を分離部材6に接触させる条件を適宜選択する。
【0035】
<実施例1>
本実施例1の清掃モードでは、転写手段による記録媒体4への帯電量を増やし、記録媒体4が像担持体1に貼り付きやすくなるようにする。これにより、記録媒体4を分離部材6に接触させ、分離部材6の汚れを除去することができる。
【0036】
すなわち、本実施例における清掃モードは、前記転写部材の印加電圧の絶対値を、前記通常画像形成モードにおける前記転写部材の印加電圧の絶対値よりも大きくする。これにより、像担持体1と転写部材3の間を通過した後の記録媒体4の分離性を低下させる。
【0037】
図4は、本実施例1を模式的に説明するための概略図である。図示するように、転写部材3への印加電圧の絶対値を例えば図1の例よりも大きくする。図中の破線で示す部分において、転写部材3に印加する電圧(符号8)が図1の例よりも大きくなっていることが模式的に示されている。なお、転写部材3に印加する電圧(符号8)は、電圧印加手段により印加する。
【0038】
本例の清掃モードでは、転写部材3に印加する電圧の絶対値を、通常画像形成モードにおける転写部材3に印加する電圧の絶対値よりも大きくする。これにより、本例の清掃モードにおける記録媒体4の帯電量が、通常画像形成モードにおける記録媒体4の帯電量よりも大きくなり、記録媒体4が像担持体1と静電的に貼り付きやすくなる。このため、記録媒体4の先端が分離部材6に接触し、分離部材6の汚れを除去することができる。
【0039】
なお、図4では、電荷(+、-)の様子の一例を模式的に示しているが、本実施形態は特に制限されるものではない。図示されるように、例えば、像担持体1の表面は負に帯電され、転写部材3は記録媒体4を正に帯電させる。また、例えば、除電部材5は正に帯電した記録媒体4を除電する。
【0040】
<実施例2>
本実施例2の清掃モードでは、記録媒体4の帯電量が下がらないようにするため、通常行う除電を行わないようにする。このため、像担持体1と転写部材3との間を通過した後においても、通過後の記録媒体4が像担持体1に貼り付くようになる。これにより、記録媒体4を分離部材6に接触させ、分離部材6の汚れを除去することができる。
【0041】
本実施例2の清掃モードにおいて、除電部材5に印加する電圧は、以下の選択が可能である。本実施例では、下記(1)~(3)のいずれか一つを選択する。
(1)除電部材5に印加する電圧は、転写部材3に印加する電圧と逆極性であり、かつ、通常画像形成モードにおける除電部材5に印加する電圧よりも絶対値が小さい。
(2)除電部材5に印加する電圧は、清掃モードにおける転写部材3に印加する電圧と同極性である。
(3)除電部材5に印加する電圧は、ゼロである。(除電部材5に電圧を印加しない。)
【0042】
すなわち、本実施例では、前記転写部材よりも前記記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記転写部材により帯電された前記記録媒体に対して除電を行う除電部材を備え、前記清掃モードは、下記(1)~(3)のいずれか一つを満たす。
(1)前記除電部材に印加する電圧は、前記転写部材に印加する電圧と逆極性であり、かつ、前記通常画像形成モードにおける前記除電部材に印加する電圧よりも絶対値が小さい。
(2)前記除電部材に印加する電圧は、前記清掃モードにおける前記転写部材に印加する電圧と同極性である。
(3)前記除電部材に印加する電圧は、ゼロである。(前記除電部材に電圧を印加しない。)
【0043】
通常画像形成モードにおける除電部材5は、帯電した記録媒体4の除電を行い、像担持体1と転写部材3の間を通過した後の記録媒体4が像担持体1から分離しやすくなるようにしている。本実施例の清掃モードでは、上記(1)~(3)のいずれかにより、像担持体1と転写部材3の間を通過した後の記録媒体4に対して、分離性を低下させる。
【0044】
図5は、本実施例2を模式的に説明するための概略図である。図中の(1)~(3)は、上記の(1)~(3)と対応している。
【0045】
図5(1)において、除電部材5に印加する電圧(図中の破線)は、転写部材3に印加する電圧と逆極性となっている。また、除電部材5に印加する電圧は、通常画像形成モードにおける除電部材5に印加する電圧よりも絶対値が小さくなっている。これにより、除電部材5による除電効果が減少し、通過後の記録媒体4では、転写部材3により帯電された電荷が残り、記録媒体4が像担持体1に貼り付きやすくなる。なお、除電部材5に印加する電圧の絶対値が小さいことを表現するため、図では、図示する-(マイナス)の数を減らしている。
【0046】
図5(2)において、除電部材5に印加する電圧(図中の破線)は、転写部材3に印加する電圧と同極性である。これを表現するため、図中の符号8と符号9で表される電圧印加の方向を同じにしている。また、除電部材5における極性を+(プラス)で表現している。これにより、除電部材5による除電効果が消失し、通過後の記録媒体4では、転写部材3による帯電と同極性の電圧が印加され、記録媒体4が像担持体1に貼り付きやすくなる。
【0047】
図5(3)において、除電部材5に電圧を印加しないようにしている(図中の破線)。これを表現するため、図中の破線では、電圧を表記しないようにしている。これにより、除電部材5による除電効果が消失し、通過後の記録媒体4では、転写部材3により帯電された電荷がそのまま残り、記録媒体4が像担持体1に貼り付きやすくなる。
【0048】
<実施例3>
本実施例3では、地汚れトナーを減らすことにより、清掃モードを行う際に、記録媒体4と像担持体1との接触面積を増やし、記録媒体4が像担持体1に貼り付くようにする。これにより、記録媒体4を分離部材6に接触させ、分離部材6の汚れを除去することができる。
【0049】
本実施例における清掃モードは、前記通常画像形成モードにおける前記像担持体の表面電位の絶対値よりも、前記像担持体の表面電位の絶対値を大きくする。このため、地汚れトナーを減らし、記録媒体4と像担持体1との接触面積を増やし、記録媒体4が像担持体1に貼り付くようにすることができる。
【0050】
本実施例の作用効果を以下説明する。
一般的に、現像手段は現像ローラによってトナーを像担持体に供給する。現像ローラ上の帯電しているトナーの極性は、像担持体の表面の極性と同極性であるため、トナーと像担持体との間に斥力が発生する。このため、そのままではトナーは像担持体に移動しない。像担持体上に像を形成する場合、レーザやLEDなどにより像担持体を露光する。露光した部分の表面電位が下がるため、トナーが現像手段から像担持体に移動し、現像される。
【0051】
このとき、像担持体において、露光した部分以外は電位が高いままであるため、トナーは像担持体に移動しない。しかし、トナー中に、帯電量の少ないトナー(弱帯電トナー)がある場合、このトナーと像担持体との斥力が小さくなるため、分子間力その他の力によって、このトナーが像担持体に移動してしまう場合がある。これが地汚れとなる。
【0052】
一方、本実施例の清掃モードでは、像担持体1の表面電位(絶対値)を通常画像形成モード時よりも高くすることで、弱帯電トナーに働く斥力が大きくなるようにする。このようにすることで、地汚れを減らすようにしている。このとき、画像形成時に露光した部分の電位も上がることが考えられるが、清掃モードでは像を形成していないため、露光させておらず問題はない。
【0053】
本実施例の清掃モードにおいて、像担持体1の表面電位(絶対値)を通常画像形成モード時よりも高くする方法としては、例えば、帯電手段によって調整する。例えば、帯電ローラに印加する電圧を変化させることで像担持体1の表面電位を変化させる。
【0054】
本実施例について、以下、再度説明する。
本実施例では、清掃モードにおいて、像担持体1上への地汚れを抑制する電圧を設定する。例えば、像形成手段が有する帯電手段において、像担持体1の表面電位の絶対値を増加させる。これにより、現像手段によりトナーが供給される箇所を通過した際における像担持体1上の弱帯電トナーの量を減らし、地汚れを軽減する。
【0055】
通常、像担持体1における像形成がされる箇所(具体的には、露光されトナーが供給される箇所)以外の箇所は表面電位が高くなっている。これにより、同極性に帯電しているトナーには像担持体1からの反発力(斥力)が働くため、同極性に帯電したトナーは像担持体1に付着しない。一方、同極性に帯電したトナーであっても、トナーの帯電量が小さい弱帯電トナーの場合、像担持体1からの反発力が小さくなるため、トナーが像担持体1に付着することがある。これが地汚れである。
【0056】
本実施例では、清掃モード実施時に、帯電手段を制御して像担持体1の表面電位の絶対値を増加させることで、弱帯電トナーに働く反発力を増加させる。このため、地汚れを良化させることができる。地汚れが良化すると、像担持体1の表面と記録媒体4との間に介在するトナーが減る。このため、通過後の記録媒体4が像担持体1から分離しにくくなる。これにより、清掃モードの際に、記録媒体4を分離部材6に接触させ、分離部材6の汚れを除去することができる。
【0057】
<実施例4>
実施例4は、実施例1~3の変形例である。本実施例4の清掃モードでは、実施例1~3のように転写部材3や除電部材5への印加電圧を変更もしくは電圧を印加しない場合において、このように印加電圧を変更もしくは電圧を印加しない期間を調整する。通常画像形成モードとは異なるバイアス条件で通紙を行う場合、像担持体1に履歴が残るなどの副作用が考えられるため、本実施例によれば、このような副作用を抑制することができる。
【0058】
すなわち、本実施例における実施例1の変形例では、清掃モードにおいて、前記転写部材の印加電圧を大きくする期間は、前記記録媒体の先端が前記像担持体と前記転写部材の間に到達してから、前記像担持体上と前記分離部材上とを進み、前記分離部材から離れるまでの期間である。
また、本実施例における実施例2の変形例では、清掃モードにおいて、前記除電部材に印加する電圧を上記(1)~(3)にする期間は、前記記録媒体の先端が前記像担持体と前記転写部材の間に到達してから、前記像担持体上と前記分離部材上とを進み、前記分離部材から離れるまでの期間である。
【0059】
図6は、本実施例4を模式的に説明するための概略図であり、実施例1(図4)の変形例としての一例を説明するための図である。図6(A)は、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到着した時点の状態を示す図である。図6(B)は、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間を通過し、分離部材6上を進み、分離部材6から離れる時点の状態を示す図である。
【0060】
図6(A)の破線部分では、実施例1(図4)のように、転写部材3への印加電圧を大きくしている。そして、記録媒体4の先端がある程度進んだ後に、転写部材3への印加電圧を元の値に戻す。換言すると、転写部材3への印加電圧は、所定の期間だけ大きくする。ここでいう所定の期間は、適宜選択することができる。例えば、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達してから、像担持体1上と分離部材6上を進み、分離部材6から離れるまでの期間が挙げられる。その一例について図6(B)を用いて説明する。
【0061】
上述したように、図6(B)は記録媒体4の先端が分離部材6から離れる時点の状態を示す図である。ここで示す例では、以下の数値を用いる。
像担持体1と転写部材3の間から、像担持体1の表面を通り、分離部材6の先端までの距離を20mmとする。分離部材6の先端から、分離部材6の表面を通り、先端とは逆側の分離部材6の端部までの距離を5mmとする(図6(C)参照)。また、記録媒体4の搬送速度を256mm/secとする。
【0062】
この例の場合、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達してから、分離部材6から離れるまでの期間は、以下のように計算できる。
(20mm+5mm)/256mm/sec≒0.1sec
【0063】
そのため、本例において、転写部材3の印加電圧を増加させる期間は、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達してから約0.1secまでの間とすることが好ましい。記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達してから約0.1secを経過した後、転写部材3への印加電圧を元の値に戻す。
【0064】
このようにすることで、清掃モードにおいて、記録媒体4が分離部材6の付着物を除去した後、記録媒体4が像担持体1から分離することができる。このため、他の画像問題などの副作用の発生を抑制することができる。
【0065】
なお、実施例2(図5)の変形例としての本実施例4について以下補足する。ここでの補足では、図6(B)の数値の例を用いて説明する。
図5(1)では、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達してから約0.1secまでの間、除電部材5に印加する電圧(絶対値)を小さくする。
図5(2)では、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達してから約0.1secまでの間、除電部材5に印加する電圧を転写部材3に印加する電圧と同極性にする。
図5(3)では、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達してから約0.1secまでの間、除電部材5に電圧を印加しないようにする。
このようにすることで、実施例2における清掃モードにおいても、記録媒体4が分離部材6の付着物を除去した後、記録媒体4が像担持体1から分離することができ、他の画像問題などの副作用の発生を抑制することができる。
【0066】
なお、実施例3の変形例としての本実施例4について以下補足する。ここでの補足では、図6(B)の数値の例を用いて説明する。
実施例3についても同様に、実施例3の清掃モードにおいて、帯電手段を制御して像担持体1の表面電位の絶対値を増加させる期間は、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達してから、像担持体1上と分離部材6上を進み、分離部材6から離れるまでの期間である。つまり、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達してから約0.1secまでの間、像担持体1の表面電位の絶対値を増加させる。
実施例3の清掃モードの場合、通常印刷時よりも像担持体1の表面電位の絶対値が高くなるため、後々の通常印刷時に影響が生じる可能性がある。そのため、本例の清掃モードのように、像担持体1の表面電位の絶対値を大きくする期間を短くすることで、後々の通常印刷時に及ぼす影響を最小限に留めることができる。
【0067】
<実施例5>
本実施例5の清掃モードでは、記録媒体4のカール量を大きくする。これにより、記録媒体4の先端と後端が分離部材6に接触しやすくなり、分離部材6の汚れを除去することができる。
【0068】
本実施例の清掃モードで用いる記録媒体4のカール量を大きくする方法としては、適宜選択することができ、例えば、記録媒体4の通紙動作を2回とし、1回目の通紙動作の際の定着温度を上げて記録媒体4をカールさせる方法が挙げられる。
【0069】
すなわち、本実施例の清掃モードは、1つの前記記録媒体を2回通紙させ、1回目の通紙において、前記通常画像形成モードにける前記記録媒体の加熱温度よりも高い温度で前記記録媒体を加熱してカールさせる。本実施例において通紙とは、少なくとも、記録媒体4は像担持体1と転写部材3の間を通過し、更に記録媒体4は定着手段を通過することである。
【0070】
通紙動作を2回とし、1回目の通紙動作の際の定着温度を上げる方法について、以下補足の説明をする。
1回目の通紙では、通常画像形成モードのように記録媒体4を通紙させる。具体的には、記録媒体4について、像担持体1と転写部材3の間を通過させ、定着手段(定着装置)まで搬送する。1回目通紙時の定着手段では、通常画像形成モードでの定着温度よりも高い定着温度で記録媒体4を加熱する。これにより、記録媒体4をカールさせる。定着手段を通過した後、例えば両面印刷の搬送経路で記録媒体4を搬送し、2回目の通紙として、再度、像担持体1と転写部材3の間を通過させる。2回目の通紙では、記録媒体4がカールしているため、記録媒体4の先端と後端が、分離部材6に接触しやすくなり、分離部材6の汚れを除去することができる。
【0071】
図7(A)~(C)は、上記の例における2回目の通紙時を模式的に説明するための概略図である。図7(A)は、2回目の通紙時において、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間に到達する前の状態を示す図である。1回目の通紙時で、定着温度を高くして記録媒体4を加熱しているため、図示するように、記録媒体4のカール量が大きくなっている。
【0072】
図7(B)は、2回目の通紙時において、記録媒体4の先端が像担持体1と転写部材3の間を通過し、分離部材6に到達した状態を示す図である。図示するように、記録媒体4がカールしているため、記録媒体4の先端が分離部材6に接触しやすくなり、記録媒体4が分離部材6の付着物7を除去しやすくなる。また、記録媒体4の先端で分離部材6の付着物7をかきとるとき、分離部材6の清掃効果が大きくなるため、記録媒体4をカールさせることで分離部材6の清掃効果を向上させることができる。
【0073】
図7(C)は、2回目の通紙時において、記録媒体4の後端が分離部材6に到達した状態を示す図である。図示するように、記録媒体4がカールしているため、記録媒体4の後端が分離部材6に接触しやすくなり、記録媒体4が分離部材6の付着物7を除去しやすくなる。記録媒体4の先端が分離部材6に接触しなかった場合でも、記録媒体4がカールしていることにより、記録媒体4の後端が分離部材6に接触する場合があるため、分離部材6の清掃漏れを抑制できる。
【0074】
なお、2回目の通紙の際に、転写部材3や除電部材5の印加電圧を上記実施例のように調整、制御してもよいし、しなくてもよい。
【0075】
<実施例6>
本実施例6の清掃モードでは、分離部材6に接触しやすい清掃モード専用の記録媒体4を用いる。これにより、記録媒体4が像担持体1に貼り付きやすくなり、記録媒体4を分離部材6に接触させ、分離部材6の汚れを除去することができる。
【0076】
清掃モード専用の記録媒体4としては、適宜選択することができる。例えば、通常画像形成モードで用いる記録媒体4よりも、電気抵抗が高い記録媒体4が好ましい。この場合、記録媒体4の帯電量が上がり、像担持体1と静電的に貼り付く力が大きくなる。そのため、記録媒体4が像担持体1に貼り付きやすくなり、分離部材6の付着物7を除去しやすくなる。例えば、清掃モードで用いる電気抵抗が高い記録媒体4としては、例えば体積抵抗率が11.5logΩ・cm以上であることが好ましい。
【0077】
清掃モード専用の記録媒体4としては、上記の他にも、例えば、通常画像形成モードで用いる記録媒体4よりも、コシが弱い記録媒体4が好ましい。この場合、像担持体1からの曲率分離がしにくくなる。そのため、記録媒体4が像担持体1に貼り付きやすくなり、分離部材6の付着物7を除去しやすくなる。ここで、コシが弱いとは、例えば剛度が小さいことを意味する。例えば、清掃モードで用いるコシが弱い記録媒体4としては、例えばクラーク剛度(MD)が85以下であることが好ましく、この他にもクラーク剛度(CD)が40以下であることが好ましい。
【0078】
清掃モード専用の記録媒体4としては、通常画像形成モードで用いる記録媒体4よりも、電気抵抗が高く、かつ、コシが弱い(剛度が低い)記録媒体4が更に好ましい。このような記録媒体4としては、例えば、体積抵抗率が11.5logΩ・cm以上、かつ、クラーク剛度(MD)が85以下又はクラーク剛度(CD)が40以下である記録媒体4が挙げられる。
【0079】
すなわち、本実施例の清掃モードは、前記通常画像形成モードで用いられる前記記録媒体よりも、体積抵抗率が大きい記録媒体、剛度が低い記録媒体、又は、体積抵抗率が大きくかつ剛度が低い記録媒体を用いる。
【0080】
以下、本実施形態の画像形成装置について補足説明をする。
図8は、本実施形態の画像形成装置の一例を説明するための全体概略図である。本例の画像形成装置における像形成手段は、帯電手段、露光手段、現像手段を有している。通常画像形成モードの一例を説明する。帯電手段10(例えば帯電ローラ)により、像担持体1が帯電される。露光手段により、像担持体1が露光され、像担持体1上に静電潜像が形成される。像担持体1上の静電潜像は、現像手段11により現像され、トナー像2が形成される。現像手段11は、像担持体1にトナーを供給する。転写手段が有する転写部材3により、トナー像2は記録媒体4に転写される。転写されたトナー像2’(未定着トナー像)は、定着手段12により記録媒体4に定着される。定着手段12では、例えば定着部材と加圧部材を用い、記録媒体4を加熱して定着を行う。このときの加熱温度を定着温度などと称する。記録媒体4は、定着手段12を通過した後、排出される。両面印刷などを行う場合、記録媒体4は、再度通紙される。
図中、図示を省略しているが、本実施形態の画像形成装置は、像担持体1をクリーニングするクリーニングブレード等のクリーニング手段を有していてもよい。
【0081】
本実施形態の画像形成装置は、モノクロの画像を形成してもよいし、カラーの画像を形成してもよい。カラーの画像を形成する場合、それぞれの色に対応して、像担持体、像形成手段、転写手段は複数備えられる。
【0082】
上記の説明では、本実施形態の画像形成装置が通常画像形成モードと清掃モードを有すると記載している。これは、本実施形態の画像形成装置が通常画像形成モードと清掃モードを実施可能であるなどと称してもよい。本実施形態の画像形成装置は、例えば、制御部を有し、制御部が通常画像形成モードと清掃モードのどちらを行うかを選択する。すなわち、通常画像形成モードを実施するか、清掃モードを実施するかについては、例えば画像形成装置が有する制御部によって制御される。制御部は、例えば、像形成手段、転写手段、除電部材、搬送手段、定着手段などを制御する。
【0083】
どのタイミングで清掃モードを実施するかについては、適宜選択することができる。例えば、あらかじめ定められたタイミングで定期的に清掃モードを実施するようにしてもよいし、任意の事象をきっかけとして清掃モードを実施してもよい。例えば、使用者により指示を受けて清掃モードを実施するようにしてもよいし、異常画像が生じる可能性を検知することにより清掃モードを実施するようにしてもよい。
【0084】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
像担持体と、
前記像担持体と対向して設けられ、前記像担持体上の像を記録媒体に転写させる転写部材と、
前記像担持体に当接するように設けられ、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記像担持体の表面に担持された前記記録媒体を分離する分離部材と、を備え、
通常画像形成モードと、清掃モードとを有し、
前記清掃モードは、前記像担持体と前記転写部材の間を通過した後の前記記録媒体を前記分離部材に接触させる
ことを特徴とする画像形成装置。
<2>
前記清掃モードは、前記転写部材の印加電圧の絶対値を、前記通常画像形成モードにおける前記転写部材の印加電圧の絶対値よりも大きくする
ことを特徴とする<1>に記載の画像形成装置。
<3>
前記転写部材よりも前記記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、前記転写部材により帯電された前記記録媒体に対して除電を行う除電部材を備え、
前記清掃モードは、下記(1)~(3)のいずれか一つを満たす
ことを特徴とする<1>に記載の画像形成装置。
(1)前記除電部材に印加する電圧は、前記転写部材に印加する電圧と逆極性であり、かつ、前記通常画像形成モードにおける前記除電部材に印加する電圧よりも絶対値が小さい。
(2)前記除電部材に印加する電圧は、前記清掃モードにおける前記転写部材に印加する電圧と同極性である。
(3)前記除電部材に印加する電圧は、ゼロである。
<4>
前記清掃モードは、前記通常画像形成モードにおける前記像担持体の表面電位の絶対値よりも、前記像担持体の表面電位の絶対値を大きくする
ことを特徴とする<1>に記載の画像形成装置。
<5>
前記清掃モードにおいて、前記転写部材の印加電圧を大きくする期間は、前記記録媒体の先端が前記像担持体と前記転写部材の間に到達してから、前記像担持体上と前記分離部材上とを進み、前記分離部材から離れるまでの期間である
ことを特徴とする<2>に記載の画像形成装置。
<6>
前記清掃モードにおいて、前記除電部材に印加する電圧を上記(1)~(3)にする期間は、前記記録媒体の先端が前記像担持体と前記転写部材の間に到達してから、前記像担持体上と前記分離部材上とを進み、前記分離部材から離れるまでの期間である
ことを特徴とする<3>に記載の画像形成装置。
<7>
前記清掃モードにおいて、前記像担持体の表面電位の絶対値を大きくする期間は、前記記録媒体の先端が前記像担持体と前記転写部材の間に到達してから、前記像担持体上と前記分離部材上とを進み、前記分離部材から離れるまでの期間である
ことを特徴とする<4>に記載の画像形成装置。
<8>
前記清掃モードは、1つの前記記録媒体を2回通紙させ、1回目の通紙において、前記通常画像形成モードにける前記記録媒体の加熱温度よりも高い温度で前記記録媒体を加熱してカールさせる
ことを特徴とする<1>に記載の画像形成装置。
<9>
前記清掃モードは、前記通常画像形成モードで用いられる前記記録媒体よりも、体積抵抗率が大きい記録媒体、剛度が低い記録媒体、又は、体積抵抗率が大きくかつ剛度が低い記録媒体を用いる
ことを特徴とする<1>から<8>のいずれかに記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0085】
1 像担持体
2 トナー像
3 転写部材
4 記録媒体
5 除電部材
6 分離部材
7 付着物
8、9 印加電圧
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特許第3292568号公報
【特許文献2】特開2022-034798号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8