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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123560
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】給水装置用漏水センサ
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/16 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
G01M3/16 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031084
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】伏見 航
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA31
2G067CC02
2G067DD23
2G067EE13
(57)【要約】
【課題】給水装置に適した給水装置用漏水センサを提案する。
【解決手段】給水装置の漏水を検出するための給水装置用漏水センサが提案され、かかる給水装置用漏水センサは、水を検知する検知部と、設置面と、水を受ける受け皿と、前記受け皿から前記検知部へ水を案内する案内流路と、を画定するケーシング部材であって、前記設置面が鉛直下方を向いて設置される状態において前記検知部の真下の位置に排水開口が形成されている、ケーシング部材と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水装置の漏水を検出するための給水装置用漏水センサであって、
水を検知する検知部と、
設置面と、水を受ける受け皿と、前記受け皿から前記検知部へ水を案内する案内流路と、を画定するケーシング部材であって、前記設置面が鉛直下方を向いて設置される状態において前記検知部の真下の位置に排水開口が形成されている、ケーシング部材と、
を備える給水装置用漏水センサ。
【請求項2】
前記排水開口は、前記案内流路の幅よりも小さい寸法に形成されている、請求項1に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項3】
前記ケーシング部は、前記設置面が鉛直下方を向いて設置される状態において、前記検知部よりも上方に延在する壁面である位置決め面を備える、請求項1に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項4】
前記位置決め面は、前記受け皿に隣接して形成されている、請求項3に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項5】
前記設置面には、排水溝部が形成されており、
前記排水開口は、前記排水溝部に形成されている、
請求項1に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項6】
前記排水溝部は、前記排水開口から第1方向に向かう第1の排水溝部と、前記排水開口から前記第1方向と傾斜した第2方向に向かう第2の排水溝部とを有する、請求項5に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項7】
前記検知部を含む本体を備え、
前記ケーシング部材は、位置決め面を画定する第1側面部と、前記第1側面部に対向する第2側面部と、前記第1側面部および前記第2側面部に連続する第3側面部および第4側面部と、を有し、前記第1から第4側面部によって画定される空間に前記本体が収容される、
請求項1に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項8】
前記案内流路は、前記設置面と平行な平面によって画定される、請求項1に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項9】
前記ケーシング部材に取付可能な取付部材であって、前記検知部に対して前記設置面と反対側に面する上面を画定し、前記上面には、前記検知部への水の流路を画定するための流入開口が形成されている、取付部材を更に備える、請求項1から8の何れか1項に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項10】
前記取付部材は、前記受け皿から前記検知部へ水を案内する案内流路を塞ぐ閉塞部を有する、請求項9に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項11】
前記取付部材は、前記流入開口に連続して前記上面から垂直に延在する円筒部を有する、請求項9に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項12】
前記排水開口の寸法を調整可能な寸法調整機構を備える、請求項1から8の何れか1項に記載の給水装置用漏水センサ。
【請求項13】
前記検知部による検知情報を外部に送信可能に構成された通信部を備える、請求項1から8の何れか1項に記載の給水装置用漏水センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水装置用漏水センサに関し、詳しくは給水装置の漏水を検出するための給水装置用漏水センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスビルまたはマンションなどの建物に水(水道水)を供給するための給水装置が広く使用されている。給水装置としては、1台のポンプを備えた給水装置や並列に接続された複数のポンプを備えた給水装置が知られている。また、給水装置としては、ポンプが横置きにされる横形(横軸)ポンプ、及び、ポンプが縦置きにされる立形(縦軸)ポンプが知られている。
【0003】
給水装置では、モータ部とポンプ部とを有するポンプが一般に使用される。一般に、ポンプの内部には、主軸をシールしてポンプ部からモータ部側への漏れを防止するメカニカルシールが収容されている。このメカニカルシールは、経年変化で漏水することがあり、目視によって又は漏水センサを取り付けてポンプの漏水が検知され、メンテナンス時にメカニカルシールを交換することが広く行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-47274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、給水装置では、漏水を検知するための漏水センサが設けられる場合がある。給水装置は、ポンプ室または屋外などに設置され、漏水センサは、塵埃または結露などによって誤検知を生じるおそれがある。給水装置はライフラインであり、漏水センサによる誤検知を可能な限り避けたいという要望がある。また、上記したように、給水装置は、立形ポンプおよび横形ポンプといった複数のタイプがあり、特定のタイプに限定されず漏水センサを設置できることが好ましい。
【0006】
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決するためになされたものであり、給水装置に適した給水装置用漏水センサを提案することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、給水装置の漏水を検出するための給水装置用漏水センサが提案され、かかる給水装置用漏水センサは、水を検知する検知部と、設置面と、水を受ける受け皿と、前記受け皿から前記検知部へ水を案内する案内流路と、を画定するケーシング部材であって、前記設置面が鉛直下方を向いて設置される状態において前記検知部の真下の位置に排水開口が形成されている、ケーシング部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る給水装置用漏水センサを受け皿側から模式的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る給水装置用漏水センサを設置面側から模式的に示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る給水装置用漏水センサを模式的に示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る給水装置用漏水センサを模式的に示す側面図である。
図5】一実施形態に係るケーシング部材と取付部材との取り付けを説明するための分解斜視図である。
図6】一実施形態に係る取付部材を取り付けた状態の給水装置用漏水センサを上面側から模式的に示す模式図である。
図7】一実施形態に係る取付部材を取り付けた状態の給水装置用漏水センサを模式的に示す側断面図である。
図8】一実施形態に係る横形ポンプを備える第1の給水装置を模式的に示す図である。
図9】第1の給水装置での漏水センサの使用の一例を模式的に示す図である。
図10】一実施形態に係る立形ポンプを備える第2の給水装置を模式的に示す図である。
図11】第2の給水装置におけるポンプと案内機構との接続の一例を示す模式図である。
図12】第2の給水装置での漏水センサの使用の一例を模式的に示す図である。
図13】一実施形態に係る排水開口の寸法調整機構の一例を示す模式図である。
図14】一実施形態に係る排水開口の寸法調整機構の別の一例を示す模式図である。
図15】一実施形態に係る排水開口の寸法調整機構の更に別の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る給水装置用漏水センサを受け皿側から模式的に示す斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る給水装置用漏水センサを設置面側から模式的に示す斜視図である。また、図3および図4は、本発明の一実施形態に係る給水装置用漏水センサを模式的に示す平面図および側面図である。本実施形態の給水装置用漏水センサ(以下、単に「漏水センサ」と呼称する)80は、水を検知することによって漏水を検知するように構成されている。漏水センサ80は、水を検知する検知部830を含む本体810と、本体810に取り付けられたケーシング部材850と、を備えている。なお、一例として、タツタ電線株式会社製の床置き型ポイントセンサ「AD-PAセンサ」を本体810として使用することができる。なお、図2及び図4では、理解の容易のために、ケーシング部材850を透過して本体810を示している。
【0011】
本実施形態では、本体810は、略直方体状の外装を有し、検知場所に水が存在することを検知する検知部830を有している。検知部830は、一例として、水の導電性を利用して水との接触を検知する接触式の検知部を採用することができる。しかしながら、検知部830としては、水を検知することができる種々の方式のものを採用することができ、光ファイバーセンサーなど、水の反射または透過を利用して非接触で水を検知するものであってもよい。本実施形態の検知部830は、対向した面(検知面)を画定する2つの電極端子832,834を有し、電極端子832,834の間に電圧が印加されるように構成されている。この検知部830では、2つの電極端子832,834にわたって水が存在すると、2つの電極端子832,834の抵抗が変化し、これにより水が検知されるようになっている。
【0012】
本体810は、上面812と、底面814と、第1~第4側面815~818と、を有し、全体として略直方体状に構成されている。底面814には、検知部830の電極端子832,834が配置されるための第1溝部820が形成されている。この第1溝部820は、一例として、第1方向Ydに延びて互いに対向する第2側面816と第4側面818とを貫通する。検知部830の2つの電極端子832,834は、第2側面816および第4側面818に沿った検知面を画定するように第1溝部820に配置されている。ま
た、本体810には、検知部830の電極端子832,834の検知面に当たる位置に、第1溝部820と上面と812とを貫通する開口826が形成されている。開口826は、詳しくは後述するが、通気孔および検知対象である水の流路として機能し得る。また、底面814には、第1溝部820から第2方向Xdに延びて第1側面815に貫通する第2溝部822が形成されている。この第2溝部822は、第1側面815から検知部830(電極端子832,834の検知面)へと検知対象である水を案内する案内流路の一部を画定する。また、第3側面817には、電極端子832,834に接続されたリード線836が設けられている。
【0013】
ケーシング部材850は、本体810に取付可能に構成されており、一例として着脱可能に構成される。ケーシング部材850は、一例として、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)といった樹脂で形成することができる。本実施形態のケーシング部材850は、ベース部852と、第1~第4側面部855~858と、を有する。ベース部852は、本体810の底面814に対面する第1面(上面)と、漏水センサ80の設置面を画定する第2面(下面)と、を有している。第1面には、第1~第4側面部855~858が設けられており、第1~第4側面部855~858によって画定される空間に本体810が収容される。本実施形態では、ケーシング部材850のベース部852と第1~第4側面部855~858によって画定される空間に本体810が嵌め込まれることにより、本体810とケーシング部材850とを取り付けられるようになっている。第1側面部~第4側面部855~858のそれぞれは、本体810の第1~第4側面815~818に接触する。第1側面部855には、本体810の第2溝部822に対応した切欠き部が形成されている。また、第1側面部855は、本体810の上面812(検知部830)よりも上方に延在し、位置決め面855aを画定する。第2~第4側面部856~858は、第1側面部855よりも低い高さに形成されており、本実施形態では、本体810の高さ(上面812と底面814との距離)よりも若干小さい高さに形成されている。ケーシング部材850の第3側面部857には、本体810のリード線836を通すための配線溝が形成されている。なお、第1側面部855は、第2~第4側面部856~858と同一の高さに形成されてもよく、第1側面部855と異なる場所に位置決め面855aが形成されてもよい。
【0014】
ケーシング部材850のベース部852には、給水装置の漏水を受けるための受け皿860が形成されている。受け皿860は、第1側面部855に隣接して設けられている。受け皿860は、水を受けるパンを構成するように、第1側面部855に連続して受け皿860を囲む縁部860aを有する。本実施形態では、受け皿860は、ベース部852の第2面(設置面)と同一平面の水受け面を有する。なお、ケーシング部材850の第1面(上面)は、第2面(設置面)と平行な面であってもよいし、受け皿860から検知部830に向かって第2面(設置面)に近づくように傾斜した面であってもよい。こうした構成により、受け皿860に水が受けられると、水は、受け皿860から第1側面部855の切欠き部を通り、第2溝部822とベース部852の第1面(上面)とによって画定される案内流路を流れて、検知部830に案内される。ベース部852における本体810の検知部830に当たる位置には、ベース部852を貫通する排水開口862が形成されている。排水開口862は、受け皿860から検知部830への案内流路の幅よりも小さい寸法に形成されており、本実施形態では、本体810の第2溝部822の幅よりも小さい寸法に形成されている。ここで、排水開口862の寸法は、一例として、受け皿860から検知部830への案内流路の流路方向に垂直な方向の寸法を意味する。なお、排水開口862の中心は、検知部830による検知場所(2つの電極端子832,834の間)の中心に対応する位置であってもよいし、排水開口862の中心と検知部830による検知場所の中心とは、若干ずらされて配置されてもよい。また、ケーシング部材850の第2面(設置面)には、排水開口862が形成された位置に排水溝部864が形成されている。こうした構成により、受け皿860から検知部830に流れた水は、排水開口86
2からケーシング部材850の第2面(設置面)側に排出される。排水溝部864は、排水開口862からケーシング部材850の第2面(設置面)に沿って少なくとも2方向に向かうように形成されるとよい。図示する例では、排水溝部864は、排水開口862から第2側面部856側に向かう第1の排水溝部と、排水開口862から第4側面部858側に向かう第2の排水溝部と、を有している。また、排水溝部864は、排水開口862から互いに傾斜した方向に向かう第1および第2の排水溝部を有するように構成されてもよい。一例として、排水溝部864は、排水開口862から第1方向(例えば第1側面部855側)に向かう第1の排水溝部と、排水開口862から第1方向と垂直な方向(例えば第2側面部856側、第4側面部858側)に向かう第2の排水溝部とを有してもよい。特に、排水溝部864が、排水開口862から互いに傾斜した第1および第2の排水溝部を有することで、排水溝部864に水が留まることを抑制することができ、漏水センサ80からの排水を円滑に行うことができる。なお、排水溝部864は、第1方向Yd、第2方向Xdに対して傾斜して形成されてもよい。
【0015】
図5は、一実施形態に係るケーシング部材と取付部材との取り付けを説明するための分解斜視図である。本実施形態の漏水センサ80は、ケーシング部材850に取付可能な取付部材880を更に備えている。漏水センサ80は、取付部材880を取り付けていない状態と、取付部材880を取り付けた状態とのそれぞれで使用することができる。取付部材880は、ケーシング部材850と同一または異なる材料で形成することができ、一例として、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)といった樹脂で形成することができる。
【0016】
図6は、一実施形態に係る取付部材を取り付けた状態の漏水センサを上面側から模式的に示す模式図であり、図7は、一実施形態に係る取付部材を取り付けた状態の漏水センサを模式的に示す側断面図である。図5図7に示すように、取付部材880は、本体810の上面812を覆う上面部882と、本体810の第2溝部822を覆う閉塞部888と、を有する。上面部882は、本体810(検知部830)に対して第2面(設置面)と反対側に面する上面を画定する。また、上面部882には、本体810の開口826に対応する位置に、検知部830への水の流路を画定する流入開口883が形成されており、流入開口883に連続して上面部882から垂直に延在する円筒部884が形成されている。円筒部884には、流入パイプまたは流入ホース等との接続を容易にするための爪部または溝部などが形成されていてもよい。閉塞部888は、ケーシング部材850の第1側面部855の切欠き部に沿って延在し、ケーシング部材850の受け皿860から検知部830への案内流路を塞ぐように構成されている。なお、取付部材880は、閉塞部888を備えなくてもよい。
【0017】
取付部材880は、一例として、ケーシング部材850に対して嵌合されることにより、ケーシング部材850に対して取り付けられる。なお、取付部材880とケーシング部材850との少なくとも一方は、互いの取り付けのための爪部などを有してもよい。また、取付部材880は、本体810に取り付けられることによって、本体810に取り付けられたケーシング部材850に対して取り付けられるように構成されてもよい。この場合には、取付部材880は、本体810に対して嵌合するように取り付けられてもよい。
【0018】
次に、給水装置での漏水センサ80の使用方法について説明する。限定するものではないが、本実施形態の漏水センサ80は、取付部材880を取り付けていない状態で横形ポンプに適用することができ、取付部材880を取り付けた状態で立形ポンプに適用することができるようになっている。なお、給水装置の建物への給水方式は、水道本管の水を一旦受水槽に貯留し、受水槽の水を給水対象へポンプにて圧送する受水槽方式、及び、水道本管の本管圧を利用しポンプにて増圧することにより給水対象へ水を供給する直結給水方式であり得る。また、給水対象への給水方式は、ポンプにて増圧した水を直接圧送する直
送式、または、ポンプにて増圧した水を屋上のタンクに一旦貯留し、自然流下にて給水を行う高置水槽方式であり得る。
【0019】
図8は、一実施形態に係る横形ポンプを備える第1の給水装置を模式的に示す図であり、図9は、第1の給水装置での漏水センサの使用の一例を模式的に示す図である。なお、図9では、ベース120、横形ポンプ130、および漏水センサ80を示しており、他の構成の図示を省略している。第1の給水装置100では、横軸に配置された二台の横形ポンプ130と、二台の横形ポンプ130の中間に配置される圧力タンク150とが、ベース120の上に載置されている。また、第1の給水装置100は、横形ポンプ130の吐出側に接続される吐出配管140と、圧力タンク150の上部に設置されるコントローラ160とを備えている。なお、第1の給水装置100は、各構成を収容するためのキャビネットを備えてもよい。
【0020】
横形ポンプ130は、ポンプ部131と、ポンプ部131を駆動するためのモータ部133とを備えている。ポンプ部131の手前側の端面には、図示しない受水槽または水道本管から分岐した供給管(不図示)を接続する吸込部135が設けられ、またポンプ部131の上面には吐出部137が設けられている。
【0021】
吐出配管140は略T字状の配管であり、横形ポンプ130の吐出部137に、チェッキ弁(逆止弁)147を介してその両端が接続されている。また吐出配管140の中央には吐出集合管143が設けられている。これによって二台の横形ポンプ130の吐出側は並列に接続され、横形ポンプ130の吐出流体は吐出集合管143にて合流する。またチェッキ弁147によって、横形ポンプ130が停止したときに吐出配管140内の水が横形ポンプ130側に逆流しない。また吐出配管140の中央の下部にはこの吐出配管140を圧力タンク150に連結する連結配管145が取り付けられ、さらに吐出配管140には配管内圧力を検出する圧力センサ148が取り付けられている。そして圧力タンク150とチェッキ弁147の効果によって、横形ポンプ130が停止した後の吐出配管140内の圧力は、水が使用されない限り一定圧力に保持される。
【0022】
コントローラ160は、第1の給水装置100による給水制御を行う。一例として、コントローラ160は、圧力センサ148によって検出される吐出側圧力に基づいて、給水対象に所望の給水が提供されるように、横形ポンプ130を制御する。コントローラ160には、小水量を検出して信号を送る図示しないフロースイッチ、及び、横形ポンプ130の吸込み側圧力を検出する図示しない圧力センサからの信号が入力されてもよい。コントローラ160による給水制御は、本発明の中核をなさないため、詳細な説明を省略する。
【0023】
図9に示すように、横形ポンプ130には、ポンプ部131とモータ部133との接続部位の水漏れを防止するメカニカルシール166(図9参照)が設けられている。図9に示す例では、横形ポンプ130は、ポンプ部131とモータ部133とを接続するためのフランジ部130aを有し、フランジ部130aにメカニカルシール166が設けられて、ポンプ部131とモータ部133とが締結具によって固定されている。メカニカルシール166は、経年変化で漏水することがあり、メンテナンス時に交換することが広く行われている。ポンプは、通常は開放状態で設置されるため、メカニカルシール166より漏水してもさほど問題となることはない。しかしながら、漏水の程度が大きくなると、第1の給水装置100が設置されたポンプ室または屋外が水浸しになったり、動力および水のロスが大きくなる。このため、本実施形態では、第1の給水装置100の漏水を検出するために、漏水センサ80が設けられる。漏水センサ80による検出信号は、第1の給水装置100のコントローラ160に入力されるとよい。
【0024】
一例として、漏水センサ80を横形ポンプ130に取り付けるときには、取付部材880を取り外した状態(図1図4参照)で漏水センサ80を使用することができる。漏水センサ80は、ケーシング部材850の第2面が設置面(底面)となるように、ベース120に設置されるとよい。また、漏水センサ80は、ケーシング部材850の位置決め面855aが、横形ポンプ130のフランジ部130aに当てられるように配置されるとよい。本実施形態の横形ポンプ130は、フランジ部130aにおいてポンプ部131とモータ部133とが接続されており、漏水が生じやすい場所となっている。これに対して、本実施形態の漏水センサ80では、受け皿860に隣接して位置決め面855aが設けられているので、フランジ部130aに位置決め面855aを当接させて漏水センサ80を設置することで、横形ポンプ130からの漏水を好適に受け皿860で受けさせることができる。
【0025】
横形ポンプ130のポンプ部131とモータ部133との接続部位から漏水が生じると、漏水センサ80の受け皿860に水が受けられる。受け皿860に受けられた水は、本体810の第2溝部822とケーシング部材850のベース部852とによって画定される案内流路を通って検知部830へと流れる。受け皿860に受けられる水の流量が所定量を超えると検知部830において水が検知され、漏水センサ80において漏水が検知される。ケーシング部材850には、検知部830の真下に排水開口862が形成されており、受け皿860から案内流路を通って検知部830へと流れた水は、排水開口862からケーシング部材850の第1面側へと排出される。なお、こうした漏水センサ80の使用状態では、本体810の開口826が通気孔として機能する。
【0026】
以上説明したように、本実施形態の漏水センサ80は、ケーシング部材850によって画定される受け皿860を有しているため、第1の給水装置100からの漏水を受け皿860で受けて、好適に漏水を検出することができる。また、漏水センサ80では、検知部830の真下に排水開口862が形成されているので、検知部830に案内された水が残留することを抑制することができ、漏水の誤検知を抑制できる。
【0027】
図10は本発明一実施形態に係る立形ポンプを備える第2の給水装置を模式的に示す図である。図10に示す第2の給水装置200は、縦軸に配置された二台の立形ポンプ212を含む各機器(給水装置本体)と、給水装置本体を収納して外部環境から保護するキャビネット202と、を備えている。
【0028】
キャビネット202は、キャビネット本体と、キャビネット本体に対して着脱可能な蓋(不図示)と、を有する。本実施形態では、一例として、キャビネットは前面が開口して蓋を取り付けられるように構成されており、図10では蓋が取り除かれた状態で第2の給水装置200の各機器が示されている。なお、第2の給水装置200は、キャビネット202を備えなくてもよい。
【0029】
立形ポンプ212は、ポンプ部214とモータ部216とを有する、例えばブースタポンプである。立形ポンプ212には、モータ部216とポンプ部214との接続部位の水漏れを防止するメカニカルシール266が設けられている。立形ポンプ212の吸込側には、水平方向に延びる吸込ヘッダ218が連結されている。吸込ヘッダ218は、減圧式逆流防止器224を介して、ストレーナ付きボール弁を備えた吸込管222に接続されている。吸込管222には、吸込側の圧力を検出する圧力センサ226が取付けられている。第2の給水装置200では、水道水が吸込管222、減圧式逆流防止器224、及び、吸込ヘッダ218を経由して、各立形ポンプ212に吸い込まれる。
【0030】
立形ポンプ212の吐出側は、吐出された水の逆流を防止する吐出側逆止弁(不図示)を介して吐出集合管234に連結される。吐出集合管234は、吐出側の圧力を検出する
圧力センサ236を有するバイパスヘッダ238に接続されている。バイパスヘッダ238には、圧力タンク配管242を介して圧力タンク240が接続されている。また、バイパスヘッダ238の下端は、吐出管246に連結されている。第2の給水装置200では、立形ポンプ212の運転に伴って立形ポンプ212から吐出された水は、吐出集合管234、及びバイパスヘッダ238などを経由して、吐出管246から外部の給水対象へ吐出される。圧力タンク240は、立形ポンプ212から吐出された加圧水を蓄圧することで立形ポンプ212の頻繁な起動停止を防止し、且つ給水水圧を円滑に一定に保つ作用をする。
【0031】
立形ポンプ212の上方位置には、インバータ装置254が設けられている。インバータ装置254は、立形ポンプ212の各モータ部216に交流電力を周波数及び電圧を変えて供給することで各モータ部216を可変速駆動するためのものである。また、キャビネット202の内部には、第2の給水装置200全体を制御するためのコントローラ270が備えられている。コントローラ270は、CPU、メモリ等を備え、ソフトウェアを用いて所定の機能を実現するマイクロコンピュータにより構成されてもよいし、専用の演算処理を行うハードウェア回路により構成されてもよい。インバータ装置254とコントローラ270とは、立形ポンプ212による液体の移送経路(液体流路)よりも鉛直上方に配置されているとよい。コントローラ270には、圧力センサ226,236、図示しないフロースイッチ、及び漏水センサ80等から検出信号が入力される。また、コントローラ270には、立形ポンプ212の運転情報が入力される。コントローラ270による給水制御は、本発明の中核をなさないため、詳細な説明を省略する。
【0032】
また、本実施形態では、第2の給水装置200は、漏水センサ80とは別に、給水装置本体の全体的な漏水を検知する漏水センサ260を備えている。漏水センサ260は、限定するものではないが、一例として、鉛直方向に見て給水装置本体を囲うように第2の給水装置200の下部に設けられた漏水検知帯で構成することができる。ここで、漏水検知帯は、キャビネット202下部の内面またはキャビネット202脚部の外面に取り付けられてもよい。漏水センサ260からの検出信号は、コントローラ270に送信されるとよい。
【0033】
本実施形態では、第2の給水装置200は、二台の立形ポンプ212のそれぞれからの漏水を集約して漏水センサ80に案内する案内機構68を備えている。これにより、二台の立形ポンプ212のどちらから漏水が生じた場合にも、案内機構68を通じて漏水した水が漏水センサ80に案内され、単一の漏水センサ80によって立形ポンプ212の漏水を検知することができる。ただし、こうした例に限定されず、各立形ポンプ212に対して漏水センサ80が設けられてもよい。案内機構68としては、立形ポンプ212のそれぞれからの漏水を集約して案内することができる任意の機構を採用することができる。一例として、図10に示す例では、案内機構68は、各立形ポンプ212からの漏水を案内するドレンチューブを備えている。ここで、具体的な案内機構68の構成の一例について説明する。図11は、本実施形態の第2の給水装置におけるポンプと案内機構との接続の一例を示す模式図である。図11に示す例では、ポンプ部214とモータ部216とを繋ぎ内部にメカニカルシール(図11では不図示)を収容する吐出ブラケット284に切欠き286が設けられ、メカニカルシールに漏水が生じたときに切欠き286から外部に水が漏れ出るようになっている。本実施形態の案内機構68は、吐出ブラケット284にボルト294で取り付けられる案内金具682と、案内金具682に接続されるドレンチューブ684と、を備えている。案内金具682は、吐出ブラケット284の切欠き286から外部に漏れ出た水が流れる流路(図11中、破線参照)を画定し、ドレンチューブ684へと水を案内するように構成されている。立形ポンプ212のそれぞれに接続されるドレンチューブ684は、統合されて漏水センサ80に接続される(図10参照)。ただし、案内機構68は、こうした例に限定されず、一例として、吐出ブラケット284に直
接にドレンチューブが接続されて構成されてもよいし、立形ポンプ212からの漏水を個別に受けるトレイまたは防水パンなどにドレンチューブが接続されて構成されてもよい。また、案内機構68は、一例として、複数台のポンプの下方に設けられて複数台のポンプからの漏水を一括して受けるトレイまたは防水パン等を備え、このトレイまたは防水パンを通じて漏水センサ80に水を案内するように構成されてもよい。
【0034】
図12は、第2の給水装置200での漏水センサ80の使用の一例を模式的に示す図である。図12では、漏水センサ80が、減圧式逆流防止器224を支持するためのフレーム250に固定される例を示しており、減圧式逆流防止器224の流路方向(図10中左右方向)に沿って見た様子が示されている。漏水センサ80を立形ポンプ212に取り付けるときには、取付部材880を取り付けた状態(図6図7参照)で使用することができる。漏水センサ80は、取付部材880の円筒部884にドレンチューブ684が接続されることにより、第2の給水装置200に取り付けられる。漏水センサ80は、ケーシング部材850の第2面が設置面(底面)となるように設置されるとよい。図12に示す例では、減圧式逆流防止器224を支持するためのフレーム250に固定されているが、こうした例には限定されない。本実施形態では、減圧式逆流防止器224の下方には、減圧式逆流防止器224から排出される水を案内するドレンパン252と、ドレンパン252が受けた水を排出するためのドレン配管258とが設けられている。漏水センサ80は、排水開口862から排出された水がドレンパン252に受けられるように設置されると、立形ポンプ212からの漏水をドレン配管258から排水できる点で有利である。
【0035】
立形ポンプ212のポンプ部214とモータ部216との接続部位から漏水が生じると、ドレンチューブ684を介して、取付部材880の円筒部884から検知部830へと水が案内される。検知部830へと案内される水の流量が所定量を超えると検知部830において水が検知され、漏水センサ80において漏水が検知される。円筒部884を通って検知部830へと流れた水は、排水開口862からケーシング部材850の第1面側へと排出される。なお、取付部材880が取り付けられた使用状態では、第2溝部822が閉塞部888によって閉塞されている。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の漏水センサ80は、取付部材880を取り付けた状態で、円筒部884から検知部830へと水を案内することができ、立形ポンプ212を備える第2の給水装置200においても好適に漏水を検出することができる。また、取付部材880を取り付けた状態においても、ケーシング部材850の第2面を設置面として設置することで、検知部830の真下に形成された排水開口862から水を好適に排出させて漏水の誤検知を抑制できる。
【0037】
<変形例>
上記した実施形態では、漏水センサ80は、検知部830を備える本体810にケーシング部材850が取り付けられて構成されるものとした。しかしながら、こうした例に限定されず、一例として、ケーシング部材が漏水センサの外装を構成してもよい。
【0038】
また、上記した実施形態では、漏水センサ80による検出信号は、給水装置100、200のコントローラ160、270に送信されるものとした。しかしながら、漏水センサ80による検出信号は、給水装置100、200のコントローラ160、270に代えて、または加えて、給水装置を管理するための管理装置に送信されてもよい。また、漏水センサ80は、検知部830による検出情報を外部に有線または無線で送信可能に構成された通信部82(図9図10参照)を備えてもよい。通信部82による通信は、Bluetooth(登録商標)およびWi-Fi(登録商標)など、任意の方式を採用することができる。管理装置は、給水装置から離れた位置に設けられ、一例として複数の給水装置を管理する管理者やメンテナンスを行うメンテナンス員等によって使用される。管理装置
は、複数の給水装置のそれぞれと通信ができるように構成されてもよい。こうすれば、管理装置において、給水装置の漏水を検出または判定することができる。
【0039】
また、漏水センサ80は、排水開口862の寸法を調整可能な寸法調整機構を備えてもよい。排水開口862の寸法を調整できるように構成することで、検知部830によって検知される水の流量を調整することができる。つまり、程度が大きい漏水を検知したい場合は、排水開口862の寸法を大きくし、程度が小さい漏水を検知したい場合は、排水開口862の寸法を小さくするとよい。なお、寸法調整機構は、排水開口862の寸法を手動で調整可能に構成されてもよいし、モータなどの公知のアクチュエータを用いて調整可能に構成されてもよい。
【0040】
図13は、一実施形態に係る排水開口の寸法調整機構の一例を示す模式図である。図13では、ケーシング部材850に形成されている開口862Aが破線で示されている。図13に示す寸法調整機構90Aは、ケーシング部材850に対して回転可能に取り付けられた調整部材92Aで構成されている。調整部材92Aは、回転中心から離れた位置にケーシング部材850の開口862Aが位置するように、ケーシング部材850に取り付けられている。調整部材92Aには、寸法の異なる複数(図13に示す例では4つ)の開口94a~94dが形成されている。こうした寸法調整機構90Aでは、調整部材92Aを回転させて、ケーシング部材850の開口862Aと重なり合う開口94a~94dの大きさへと、排水開口862の大きさを調整することができる。図13に示す例では、排水開口862は、開口94bの寸法に調整されている。なお、図13に示す例では、ケーシング部材850に形成されている開口862Aは、調整部材92Aの開口94a~94dのうち、最も大きい開口(図13に示す例では、開口94d)と同一またはやや大きい寸法に形成されているとよい。
【0041】
図14は、一実施形態に係る排水開口の寸法調整機構の別の一例を示す模式図である。図14では、ケーシング部材850に形成されている開口862Bが破線で示されている。図14に示す寸法調整機構90Bは、ケーシング部材850に対して直線方向にスライド可能に取り付けられた調整部材92Bで構成されている。調整部材92Bは、ケーシング部材850の開口862Bと重なりあうようにケーシング部材850に取り付けられている。調整部材92Bには、寸法の異なる複数(図14に示す例では4つ)の開口94a~94dが形成されている。こうした寸法調整機構90Bでは、調整部材92Bをスライドさせて、ケーシング部材850の開口862Bと重なり合う開口94a~94dの大きさへと、排水開口862の大きさを調整することができる。図14に示す例では、排水開口862は、開口94cの寸法に調整されている。なお、図14に示す例では、ケーシング部材850に形成されている開口862Bは、調整部材92Bの開口94a~94dのうち、最も大きい開口(図14に示す例では、開口94d)と同一またはやや大きい寸法に形成されているとよい。
【0042】
図15は、一実施形態に係る排水開口の寸法調整機構の更に別の一例を示す模式図である。図15では、ケーシング部材850に形成されている開口862Cが実線および破線で示されている。図15に示す寸法調整機構90Cは、ケーシング部材850に対して直線方向にスライド可能に取り付けられた調整部材92Cで構成されている。調整部材92Cは、スライド位置に応じてケーシング部材850の開口862Cを閉塞するようにケーシング部材850に取り付けられている。こうした寸法調整機構90Cでは、調整部材92Cをスライドさせて、ケーシング部材850の開口862Cが閉塞される量を調整することにより、排水開口862の大きさを調整することができる。
【0043】
以上説明した本実施形態は、以下の形態としても記載することができる。
[形態1]形態1によれば、給水装置の漏水を検知するための給水装置用漏水センサが
提案され、かかる給水装置用漏水センサは、水を検知する検知部と、設置面と、水を受ける受け皿と、前記受け皿から前記検知部へ水を案内する案内流路と、を画定するケーシング部材であって、前記設置面が鉛直下方を向いて設置される状態において前記検知部の真下の位置に排水開口が形成されている、ケーシング部材と、を備える。形態1によれば、給水装置からの漏水を受け皿で受けることにより、給水装置の漏水を適切に判定することができる。また、検知部の真下に排水開口が形成されているため、検知部に水が残留することを抑制することができ、漏水の誤検知を抑制することができる。
【0044】
[形態2]形態2によれば、形態1において、前記排水開口は、前記案内流路の幅よりも小さい寸法に形成されている。形態2によれば、排水開口から適切に排水することができる。
【0045】
[形態3]形態2によれば、形態1または2において、前記ケーシング部は、前記設置面が鉛直下方を向いて設置される状態において、前記検知部よりも上方に延在する壁面である位置決め面を備える。形態3によれば、位置決め面を使用して給水装置用漏水センサの位置決めを行うことができる。
【0046】
[形態4]形態4によれば、形態3において、前記位置決め面は、前記受け皿に隣接して形成されている。形態4によれば、受け皿に隣接した位置決め面を使用して給水装置用漏水センサの位置決めを行うことができる。
【0047】
[形態5]形態5によれば、形態1から4において、前記設置面には、排水溝部が形成されており、前記排水開口は、前記排水溝部に形成されている。形態5によれば、排水溝部を通じた水の排出を行うことができる。
【0048】
[形態6]形態6によれば、形態5において、前記排水開口から第1方向に向かう第1の排水溝部と、前記排水開口から前記第1方向と傾斜した第2方向に向かう第2の排水溝部とを有する。形態6によれば、排水溝部に水が留まることを抑制することができる。
【0049】
[形態7]形態7によれば、形態1から6において、前記検知部を含む本体を備え、前記ケーシング部材は、位置決め面を画定する第1側面部と、前記第1側面部に対向する第2側面部と、前記第1側面部および前記第2側面部に連続する第3側面部および第4側面部と、を有し、前記第1から第4側面部によって画定される空間に前記本体が収容される。
【0050】
[形態8]形態8によれば、形態1から7において、前記案内流路は、前記設置面と平行な平面によって画定される。
【0051】
[形態9]形態9によれば、形態1から8において、前記ケーシング部材に取付可能な取付部材であって、前記検知部に対して前記設置面と反対側に面する上面を画定し、前記上面には、前記検知部への水の流路を画定するための流入開口が形成されている、取付部材を更に備える。形態9によれば、取付部材をケーシングに取り付けていない状態と、取付部材をケーシングに取り付けた状態とで、給水装置用漏水センサを使用することができ、様々のタイプの給水装置に対して給水装置用漏水センサを適切に設置することができる。
【0052】
[形態10]形態10によれば、形態9において、前記取付部材は、前記受け皿から前記検知部へ水を案内する案内流路を塞ぐ閉塞部を有する。形態10によれば、取付部材を取り付けた状態で、より適切に漏水を検知することができる。
【0053】
[形態11]形態11によれば、形態9または10において、前記取付部材は、前記流入開口に連続して前記上面から垂直に延在する円筒部を有する。形態11によれば、例えば円筒部に流入パイプまたは流入ホースなどの設置を容易に行うことができる。
【0054】
[形態12]形態12によれば、形態1から11において、前記排水開口の寸法を調整可能な寸法調整機構を備える。形態12によれば、排水開口の寸法を調整することができ、給水装置用漏水センサによる漏水の検知をより適切に行うことができる。
【0055】
[形態13]形態13によれば、形態1から12において、前記検知部による検知情報を外部に送信可能に構成された通信部を備える。形態13によれば、給水装置用漏水センサによる検知情報を外部に送信することができる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態および変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0057】
80…給水装置用漏水センサ(漏水センサ)
82…通信部
90A~90C…寸法調整機構
92A~92C…調整部材
100…第1の給水装置
120…ベース
130…横形ポンプ
131…ポンプ部
133…モータ部
200…第2の給水装置
212…立形ポンプ
214…ポンプ部
216…モータ部
224…減圧式逆流防止器
252…ドレンパン
254…ドレン配管
810…本体
812…上面
814…底面
815…第1側面
816…第2側面
817…第3側面
818…第4側面
820…第1溝部
822…第2溝部
826…開口
830…検知部
832,834…電極端子
850…ケーシング部材
852…ベース部
855…第1側面部
855a…位置決め面
856…第2側面部
857…第3側面部
858…第4側面部
860…受け皿
862…排水開口
864…排水溝部
880…取付部材
882…上面部
883…流入開口
884…円筒部
888…閉塞部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15