(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024123600
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】撮影システム、撮影方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240905BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240905BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240905BHJP
G03B 7/00 20210101ALI20240905BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240905BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240905BHJP
G16Y 40/40 20200101ALI20240905BHJP
【FI】
H04N23/60 100
G08G1/00 J
G03B15/00 V
G03B7/00
G03B15/00 Q
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031164
(22)【出願日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 泉
【テーマコード(参考)】
2H002
5C122
5H181
【Fターム(参考)】
2H002GA16
5C122DA14
5C122EA01
5C122EA57
5C122FA00
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA75
5C122HA90
5C122HB01
5C122HB05
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MC02
5H181MC16
5H181MC19
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システムにおいて、撮影動作を自動化する。
【解決手段】撮影システムは、カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システムであって、前記車両の測位情報に基づいて、前記車両が前記撮影エリアへ進入する進入経路と、前記車両が前記撮影エリアから退出する退出経路とを判定する判定部と、前記進入経路と前記退出経路とに基づいて、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を制御する撮影制御部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システムであって、
前記車両の測位情報に基づいて、前記車両が前記撮影エリアへ進入する進入経路と、前記車両が前記撮影エリアから退出する退出経路とを判定する判定部と、
前記進入経路と前記退出経路とに基づいて、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を制御する撮影制御部と、
を有する、撮影システム。
【請求項2】
前記撮影制御部は、前記車両が、予め定められた進入検知エリアから前記撮影エリアに進入したときに、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を開始する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
前記進入検知エリアは、前記撮影エリア内の前記道路の始点から第1の距離の範囲内のエリアである、請求項2に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記撮影制御部は、前記車両が、予め定められた退出検知エリアから前記撮影エリアを退出したときに、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を終了する、請求項2に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記退出検知エリアは、前記撮影エリア内の前記道路の終点から第2の距離の範囲内のエリアである、請求項4に記載の撮影システム。
【請求項6】
前記撮影制御部は、前記車両が、前記退出検知エリア以外から前記撮影エリアを退出した場合、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を中止、又は無効にする、請求項1又は4に記載の撮影システム。
【請求項7】
前記撮影制御部は、前記撮影エリア内の前記道路を前記車両が所定の進行方向に走行しているときに複数の画像を撮影し、前記複数の画像を前記進行方向に繋ぎ合わせる、請求項1又は4に記載の撮影システム。
【請求項8】
前記撮影制御部は、前記車両が前記進行方向とは異なる方向に走行した場合、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を中止、又は無効にする、請求項7に記載の撮影システム。
【請求項9】
カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する際に、前記カメラの制御を行うコンピュータが、
前記車両の測位情報に基づいて、前記車両が前記撮影エリアへ進入する進入経路と、前記車両が前記撮影エリアから退出する退出経路とを判定する処理と、
前記進入経路と前記退出経路とに基づいて、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を制御する処理と、
を実行する、撮影方法。
【請求項10】
請求項9に記載の撮影方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システム、撮影方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら、撮影対象物を撮影する撮影システムがある。例えば、車両にカメラを搭載し、道路を走行しながら路面を撮影する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、緯度経度情報を用いて、道路の上に損傷が発生している箇所に関する道路の識別情報、又はキロポスト等の情報を地図上に表示する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システムにおいて、低コスト化のために、撮影動作の自動化が求められている。なお、特許文献1、2には、撮影の自動化に関する開示はない。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システムにおいて、撮影動作を自動化する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、一実施形態に係る撮影システムは、カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システムであって、前記車両の測位情報に基づいて、前記車両が前記撮影エリアへ進入する進入経路と、前記車両が前記撮影エリアから退出する退出経路とを判定する判定部と、前記進入経路と前記退出経路とに基づいて、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を制御する撮影制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システムにおいて、撮影動作を自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る撮影システムのシステム構成の例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る撮影システムの機能構成の例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る撮影処理の例を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態に係る撮影エリア情報について説明するための図(1)である。
【
図6】一実施形態に係る撮影エリア情報について説明するための図(2)である。
【
図7】一実施形態に係る撮影予定経路の表示画面の例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態に係る撮影対象物の撮影処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】一実施形態に係る撮影中の表示画面の例を示す図である。
【
図10】一実施形態に係る撮影結果の表示画面の例を示す図(1)である。
【
図11】一実施形態に係る撮影結果の表示画面の例を示す図(2)である。
【
図12】撮影データを車両10の進行方向に合わせて繋ぎ合わせることを説明するための図である。
【
図13】第2の実施形態に係る撮影対象物の撮影処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る撮影システムのシステム構成の例を示す図である。撮影システム1は、一例として、自動車等の車両10に搭載されたカメラ11、測位装置12、IMU(Inertial Measurement Unit)、及び車載装置100と、車載装置100と通信可能な情報処理装置110とを含む。なお、情報処理装置110は、車両10に搭載されていてもよいし、車両10の外部に設けられていてもよい。また、情報処理装置110の機能は、車載装置100に含まれていてもよい。
【0011】
撮影システム1は、カメラ11を搭載した車両10で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影するシステムである。例えば、撮影システム1は、道路の表面(以下、路面と呼ぶ)を撮影対象物として、道路を走行しながら路面を撮影することで、ひび割れやわだち掘れ等の路面の状態について点検を行う。
【0012】
なお、路面は撮影対象物の一例である。撮影対象物は、路面に限られず、例えば、ガードレール、ガードパイプ、道路標識、カーブミラー、電柱、又はトンネルの内面等、道路の周辺にある様々な構造物であってよい。また、撮影システム1は、道路を走行しながら1つ以上の撮影対象物を撮影し、撮影した画像を用いて1つ以上の撮影対象物の点検を行うものであってよい。ここでは、撮影システム1が、道路を走行しながら、撮影対象物である路面を撮影するあるものとして、以下の説明を行う。
【0013】
カメラ11は、車両10に搭載され、撮影対象物を撮影する撮影装置である。例えば、カメラ11は、車載装置100からの制御に従って路面を撮影し、撮影した画像(以下、撮影画像と呼ぶ)を車載装置100に出力する。
【0014】
なお、カメラ11は、撮影対象物に応じて、1つのカメラであってもよいし、複数のカメラであってもよい。また、カメラ11は、複数の撮影素子を含む1つ以上のカメラであってもよい。また、カメラ11は、ビデオカメラ、又はデジタルカメラでもよく、撮影した画像の奥行き方向の情報を取得できるステレオカメラであってもよい。
【0015】
また、カメラ11による撮影対象物の撮影は、動画撮影でも静止画像の連続撮影でもよい。静止画像を連続撮影する際は、複数の撮影画像を、撮影時の車両10の進行方向に合わせて、一部が重複するように撮影画像を撮影することが望ましい。
【0016】
測位装置12は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)システム等を利用して、車両10の位置を示す座標情報等を出力する装置である。IMU13は、例えば、3軸の角速度センサ、及び3軸の加速度センサ等を備え、3次元の慣性運動を検出するユニットである。
【0017】
車載装置100は、車両10に搭載されるコンピュータである。車載装置100は、例えば、測位装置12から取得した座標情報、及びIMU13から取得したセンサ情報等に基づいて、車両10の現在の位置を示す測位情報を取得する。また、車載装置100は、車両10の位置を示す測位情報に基づいて、車両10が撮影エリアに進入する進入経路と、車両10が撮影エリアから退出する退出経路とを判定する。さらに、車載装置100は、判定した進入経路と退出経路とに基づいて、カメラ11による撮影対象物(例えば、路面)の撮影を制御する。
【0018】
なお、車載装置100は、例えば、車両10が備えるECU等から、車両10が管理する車両10の位置情報、及びセンサ情報等を取得してもよい。
【0019】
情報処理装置110は、撮影対象となる撮影エリア内の道路への進入を検知する進入検知エリア、当該道路からの退出を検知する退出検知エリア等を含む撮影エリア情報を生成し、車載装置100に送信する。また、情報処理装置110は、車載装置100が撮影した撮影エリア内の道路の路面を撮影した撮影データを取得し、記憶する。
【0020】
(処理の概要)
車載装置100は、車両10の測位情報に基づいて、車両10が撮影エリア情報に含まれる進入検知エリアに進入したときに、カメラ11による撮影対象物の撮影を開始する。ここで、進入検知エリアは、例えば、撮影エリア内の道路の始点から第1の距離(例えば、10m~20m程度)以内のエリアである。
【0021】
また、車載装置100は、車両10の測位情報に基づいて、車両10が撮影エリア情報に含まれる退出検知エリアから、撮影エリアを退出したときに、カメラ11による撮影対象物の撮影を終了する。ここで、退出検知エリアは、例えば、撮影エリア内の道路を終点から第2の距離(例えば、10m~20m程度)以内のエリアである。
【0022】
好ましくは、車載装置100は、車両10が進入検知エリアに進入した後、退出検知エリア以外から撮影エリアを退出した場合、カメラ11による撮影対象の撮影を中止、又は無効にする。
【0023】
上記の処理により、本実施形態によれば、カメラ11を搭載した車両10で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システム1において、撮影動作を自動化することができる。
【0024】
<ハードウェア構成>
車載装置100、及び情報処理装置110は、例えば、
図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成を有している。なお、情報処理装置110は、複数のコンピュータ200によって構成されるものであってもよい。
【0025】
図2は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ200は、例えば、
図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HD(Hard Disk)204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)207、ネットワークI/F208、キーボード209、ポインティングデバイス210、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ212、メディアI/F214、及びバスライン215等を備えている。
【0026】
これらのうち、CPU201は、所定のプログラムを実行することにより、コンピュータ200全体の動作を制御する。ROM202は、例えば、起動用ファイル等のコンピュータ200の起動に用いられるプログラム、及びデータ等を記憶する。RAM203は、例えば、CPU201のワークエリア等として使用される。HD204は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーション、デバイスドライバ等のプログラムや、各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、例えば、CPU201の制御に従ってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、HD204、及びHDDコントローラ205は、ストレージデバイスの一例である。
【0027】
ディスプレイ206は、例えば、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。なお、ディスプレイ206は、コンピュータ200の外部に設けられていても良い。外部機器接続I/F207は、コンピュータ200に、例えば、カメラ11、測位装置12、又はIMU13等の様々な外部装置を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F208は、例えば、無線通信、又は有線通信により、他のコンピュータと通信するためのインタフェースである。
【0028】
キーボード209は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス210は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行なう入力手段の一種である。なお、キーボード209、及びポインティングデバイス210は、コンピュータ200の外部に設けられていても良い。
【0029】
DVD-RWドライブ212は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW211に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW211は、DVD-RWに限らず、他の着脱可能な記録媒体であっても良い。メディアI/F214は、フラッシュメモリ等のメディア213に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン215は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0030】
なお、
図2に示すコンピュータ200の構成は一例である。コンピュータ200は、例えば、CPU201、ROM202、RAM203、及びネットワークI/F208等を有していれば、他の構成は任意の構成であって良い。
【0031】
<機能構成>
図3は、一実施形態に係る撮影システムの機能構成の例を示す図である。
【0032】
(車載装置の機能構成)
車載装置100は、記憶媒体に記憶したプログラムをCPU201が実行することにより、例えば、通信部301、情報管理部302、測位部303、判定部304、撮影部305、撮影制御部306、表示制御部307、操作受付部308、及び画像処理部309等の機能構成を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0033】
また、車載装置100は、例えば、HD204、及びHDDコントローラ205等のストレージデバイスと、CPU201が実行するプログラム等によって、記憶部310を実現している。
【0034】
通信部301は、例えば、ネットワークI/F208等を用いて、車載装置100を通信ネットワークに接続し、情報処理装置110と通信する通信処理を実行する。また、通信部301は、車載装置100を車両10の車載ネットワークに接続し、車両10が備える様々なECUと、さらに通信を行うものであってもよい。
【0035】
情報管理部302は、例えば、通信部301が、情報処理装置110から受信した撮影エリア情報を取得し、取得した撮影エリア情報を記憶部310等に記憶して管理する。
【0036】
測位部303は、例えば、測位装置12、及びIMU13等を用いて、車両10の位置を測位する測位処理を実行する。例えば、測位部303は、測位装置12が出力する車両10の位置を示す座標情報と、IMU13が出力するセンサ情報とを用いて、車両10の位置を示す測位情報を算出する。なお、測位部303は、車両10が備えるECUから取得した走行データ等をさらに用いて、車両10の測位情報を算出してもよい。
【0037】
別の一例として、車載装置100は、車両10が備えるECUから、車両10が管理する車両10の測位情報を取得するものであってもよい。
【0038】
判定部304は、車両10の位置を示す測位情報(以下、車両10の測位情報と呼ぶ)に基づいて、車両10が撮影エリアに進入する進入経路と、車両10が撮影エリアから退出する退出経路とを判定する。
【0039】
例えば、情報管理部302が管理する撮影エリア情報は、前述したように、撮影エリア内の道路への進入を検知する進入検知エリア、及び当該道路からの退出を検知する退出検知エリア等を含む。判定部304は、車両10の測位情報に基づいて、車両10が進入検知エリアに進入したこと、車両10が退出検知エリアから退出したこと、及び車両10が退出検知エリア以外から撮影エリアを退出したこと等を判定する。
【0040】
撮影部305は、カメラ11を用いて、撮影対象物を撮影する撮影処理を実行する。撮影制御部306は、判定部304が判定した進入経路と退出経路とに基づいて、カメラ11による撮影対象物の撮影を制御する撮影制御処理を実行する。なお、撮影部305は、撮影制御部306に含まれていてもよい。
【0041】
例えば、撮影制御部306は、車両10が、予め定められた進入検知エリアから撮影エリアに進入したときに、カメラ11による撮影対象物の撮影を開始する。また、撮影制御部306は、車両10が、カメラ11による撮影対象物の撮影中に、予め定められた退出検知エリアから撮影エリアを退出した場合、カメラ11による撮影対象物の撮影を終了する。さらに、撮影制御部306は、例えば、車両10が、カメラ11による撮影対象物の撮影中に、予め定められた退出検知エリア以外から撮影エリアを退出した場合等に、カメラ11による撮影対象物の撮影を中止、又は無効にする。
【0042】
表示制御部307は、例えば、ディスプレイ206、又は車両10が備える表示装置等に、様々な表示画面を表示する表示制御処理を実行する。操作受付部308は、例えば、表示制御部307が表示した表示画面に対するユーザの入力操作等を受け付ける操作受付処理を実行する。画像処理部309は、例えば、撮影部305、及び撮影制御部306が撮影した撮影画像に対して、様々な画像処理を実行する。記憶部310は、例えば、撮影エリア情報等の様々な情報、データ、又はプログラム等を記憶する。
【0043】
(情報処理装置の機能構成)
情報処理装置110は、記憶媒体に記憶したプログラムをCPU201が実行することにより、例えば、通信部311、及び生成部312等の機能構成を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0044】
また、情報処理装置110は、例えば、HD204、及びHDDコントローラ205等のストレージデバイスと、CPU201が実行するプログラム等によって、経路情報記憶部313、及び撮影データ記憶部314を実現している。なお、経路情報記憶部313、及び撮影データ記憶部314は、情報処理装置110の外部のストレージサーバ、又はクラウドサービス等によって実現されるものであってもよい。また、情報処理装置110が複数のコンピュータ200によって構成される場合、経路情報記憶部313、及び撮影データ記憶部314は、それぞれ、別のコンピュータ200によって実現されるものであってもよい。
【0045】
通信部311は、例えば、ネットワークI/F208等を用いて、情報処理装置110を通信ネットワークに接続し、車載装置100等と通信する通信処理を実行する。例えば、通信部301は、生成部312が生成した撮影エリア情報を車載装置100に送信する送信処理を実行する。また、通信部301は、車載装置100から受信した撮影データを、撮影データ記憶部314に記憶する受信処理を実行する。
【0046】
生成部312は、撮影対象となる経路の情報、及び地図情報等に基づいて、前述した進入検知エリア、及び退出検知エリア等を含む撮影エリア情報を生成する生成処理を実行する。なお、撮影対象となる経路の情報は、ユーザが入力するものであってもよいし、経路情報記憶部313に予め記憶したものであってもよい。また、生成部312が生成する撮影エリア情報の具体的な一例については後述する。
【0047】
経路情報記憶部313は、撮影対象となる経路の情報、及び地図情報等、生成部312が撮影エリア情報を生成するために必要な情報を記憶する。撮影データ記憶部314は、例えば、通信部311が車載装置100等から受信した撮影データを記憶する。
【0048】
なお、
図3に示した撮影システム1の機能構成は一例である。例えば、
図3において、情報処理装置110が有する各機能構成のうち、少なくとも一部は、車載装置100が有していてもよい。また、車載装置100が有する各機能構成のうち、少なくとも一部は、情報処理装置110が有していてもよい。さらに、撮影システム1が有する各機能構成のうち、少なくとも一部は、外部のクラウドサービス等が提供する機能を利用するものであってもよい。
【0049】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る撮影方法の処理の流れについて説明する。
【0050】
(撮影処理)
図4は、一実施形態に係る撮影処理の例を示すフローチャートである。この処理は、撮影システム1が実行する撮影処理の全体の流れを示している。
【0051】
ステップS401において、生成部312は、撮影対象となる撮影エリア内の道路への進入を検知する進入検知エリア、当該道路からの退出を検知する退出検知エリア等を含む撮影エリア情報を生成する。
【0052】
図5、6は、一実施形態に係る撮影エリア情報について説明するための図である。撮影エリア情報は、例えば、経路501、経路検知エリア502、進入検知エリア504、及び退出検知エリア506等の情報を含む。
【0053】
経路501は、例えば、地
図500上に、撮影対象となる道路、及び進行方向を示す矢印等で表される。また、経路501は、例えば、緯度、経度を示す複数の点と、隣接する点を結ぶ直線で構成される。例えば、経路情報記憶部313には、撮影対象となる経路501の情報を予め記憶しておく。或いは、情報処理装置110は、ユーザの入力操作によって入力された、撮影対象となる道路、及び進行方向を、経路501として経路情報記憶部313に記憶してもよい。
【0054】
経路検知エリア502は、例えば、経路501から所定の距離の範囲内のエリアである。例えば、生成部312は、想定される測位誤差(例えば、10m~30m程度)等を所定の距離として、経路検知エリア502を生成する。
【0055】
進入検知エリア504は、例えば、経路501の始点(撮影エリア内の道路の始点)503から第1の距離の範囲内のエリアである。例えば、生成部312は、想定される測位誤差、及び測位判断の遅れ量等に基づいて第1の距離を決定し、経路501の始点503から第1の距離の範囲内のエリアを進入検知エリア504とする。具体的な一例として、測位誤差が10m、測位判断の遅れ量が3m(=応答遅れ0.2s*走行速度50km/h)mである場合、生成部312は、経路501の始点503から、13m以内のエリアを進入検知エリア504としてもよい。或いは、生成部312は、マージンを加えて、第1の距離を13m以上の値としてもよい。
【0056】
退出検知エリア506は、例えば、経路501の終点(撮影エリア内の道路の終点)505から第2の距離の範囲内のエリアである。例えば、生成部312は、想定される測位誤差、及び測位判断の遅れ量等に基づいて第2の距離を決定し、経路501の終点505から第2の距離の範囲内のエリアを退出検知エリア506とする。ここで、第1の距離と第2の距離とは、同じ距離であってもよいし、異なる距離であってもよい。
【0057】
また、生成部312が生成する撮影エリア情報には、例えば、
図6に示すように、複数の経路501a、501b、501cが含まれていてもよい。この場合、生成部312は、複数の経路501a、501b、501cの各々に対して、
図5で説明した、経路検知エリア502、進入検知エリア504、及び退出検知エリア506を生成する。
【0058】
ここで、
図4に戻り、フローチャートの説明を続ける。ステップS402において、情報処理装置110の生成部312は、生成した撮影エリア情報を、通信部311を用いて車載装置100に送信する。
【0059】
ステップS403において、車載装置100の情報管理部302は、通信部301が、情報処理装置110から受信した撮影エリア情報を車載装置100の記憶部310に記憶する。
【0060】
ステップS404において、車載装置100の表示制御部307は、撮影予定の1つ以上の経路を、例えば、ディスプレイ206、又は車両10が備える表示装置等の表示部に表示する。例えば、表示制御部307は、
図7に示すような表示画面700を表示部に表示する。
【0061】
図7は、一実施形態に係る撮影予定経路の表示画面の例を示す図である。
図7の例では、表示制御部307は、撮影予定経路の表示画面700に、例えば、
図6で説明した、複数の経路501a、501b、501cを、それぞれ、路線1、2、3として表示している。なお、表示制御部307は、撮影予定経路の表示画面700に、例えば、
図5で説明した経路検知エリア502、進入検知エリア504、及び退出検知エリア506等を表示しない。
【0062】
好ましくは、表示制御部307は、撮影予定経路の表示画面700に、路線名の一覧(リスト)701を表示し、選択された路線702を強調表示することにより、リストの路線名と、地図上に表示した路線との関連をユーザに伝える。
図7の例では、表示制御部307は、選択された路線702を反転表示している。ただし、これに限られず、表示制御部307は、選択された路線702の表示色を変えても良いし、「路線1」の表示をポップアップ表示してもよい。
【0063】
ここで、再び
図4に戻り、フローチャートの説明をさらに続ける。ステップS405において、車載装置100の撮影制御部306は、撮影予定の1つ以上の経路のうち、撮影していない経路があるか否かを判断する。撮影していない経路がある場合、撮影制御部306は、処理をステップS406に移行させる。一方、撮影していない経路がない場合、撮影制御部306は、処理をステップS407に移行させる。
【0064】
ステップS406に移行すると、撮影制御部306は、例えば、
図8に示すような、撮影対象物の撮影処理を実行する。ステップS405、S406の処理により、撮影制御部306は、撮影予定の1つ以上の経路の各々に対して、撮影対象物の撮影処理を実行する。
【0065】
一方、ステップS405からステップS407に移行すると、撮影制御部306は、撮影対象物の撮影処理で撮影した撮影データを、通信部301を介して、情報処理装置110に送信する。
【0066】
ステップS408において、情報処理装置110の通信部311は、車載装置100から受信した撮影データを、撮影データ記憶部314に記憶する。
【0067】
図4の処理により、撮影システム1は、撮影対象となる1つ以上の経路において、撮影対象物を撮影した撮影データを取得することができる。
【0068】
(撮影対象物の撮影処理)
続いて、車載装置100が実行する撮影対象物の撮影処理の例について説明する。
【0069】
[第1の実施形態]
図8は、第1の実施形態に係る撮影対象物の撮影処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図4のステップS406において、車載装置100が実行する撮影対象物の撮影処理の一例を示している。
【0070】
ステップS801において、車載装置100の撮影制御部306は、測位部303に測位を開始させる。これにより、測位部303は、例えば、所定の時間間隔(一例として、0.1s程度)で車両10の位置を測位する測位処理を開始する。
【0071】
ステップS802において、車載装置100の判定部304は、測位部303が測位する測位情報に基づいて、車両10が、例えば、
図5に示すような進入検知エリア504に進入したか否かは判定する。車両10が進入検知エリア504に進入した場合、判定部304は、処理をステップS803に移行させる。一方、車両10が進入検知エリア504に進入していない場合、判定部304は、車両10が進入検知エリア504に進入するまで、ステップS802の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS802の処理は、判定部304が、車両10の測位情報に基づいて、車両10が撮影エリアに進入する進入経路を判定する処理の一例である。
【0072】
ステップS803に移行すると、撮影制御部306は、撮影部305による撮影対象物の撮影、及び表示制御部307による撮影中の表示画面の表示を開始させる。これにより、表示制御部307は、例えば、
図9に示すような撮影中の表示画面900を、例えば、ディスプレイ206、又は車両10が備える表示装置等の表示部に表示する。
【0073】
図9は、一実施形態に係る撮影中の表示画面の例を示す図である。
図9の例では、撮影中の表示画面900には、撮影中の路線1を示す経路901、車両10の現在位置をリアルタイムで表示する表示要素902、路線1を撮影中である旨を示すメッセージ903、及び撮影路線のリスト904等が表示されている。この撮影中の表示画面900により、車両10を運転する運転者は、路線1の経路901、車両10の現在位置、及び路線1を撮影中であること等を容易に把握することができる。
【0074】
また、車両10を運転する運転者は、同乗者がいない場合でも、路線1における撮影対象物の撮影を自動的に開始することができる。
【0075】
ステップS804において、判定部304は、測位部303が測位する測位情報に基づいて、車両10が、例えば、
図5に示すような退出検知エリア506から経路検知エリア502を退出したか否かを判定する。車両10が退出検知エリア506から退出していない場合、判定部304は、処理をステップS805に移行させる。一方、車両10が退出検知エリア506から退出した場合、判定部304は、処理をステップS807に移行させる。
【0076】
ステップS804からステップS805に移行すると、判定部304は、測位部303が測位する測位情報に基づいて、車両10が、例えば、
図5に示すような経路検知エリア502から退出したか否か(退出検知エリア506以外から撮影エリアを退出したか否か)を判定する。車両10が経路検知エリア502から退出していない場合、判定部304は、処理をステップS806に移行させる。一方、車両10が経路検知エリア502から退出した場合、判定部304は、処理をステップS808に移行させる。なお、ステップS804、S805の処理は、判定部304が、車両10の測位情報に基づいて、車両10が撮影エリアから退出する退出経路を判定する処理の一例である。
【0077】
一方、ステップS804からステップS807に移行すると、撮影制御部306は、撮影部305による撮影対象物の撮影を終了し、処理をステップS809に移行させる。
【0078】
ステップS805からステップS806に移行すると、撮影制御部306は、撮影部305を用いて撮影対象物を撮影し、処理をステップS804に戻す。
【0079】
一方、ステップS805からステップS808に移行すると、撮影制御部306は、撮影部305による撮影対象物の撮影を中止、又は無効とし、処理をステップS809に移行させる。ここで、撮影対象物の撮影を中止するとは、例えば、ステップS803で開始した撮影対象物の撮影を中止し、撮影済の撮影データを破棄することをいう。また、撮影対象物の撮影を無効にするとは、例えば、ステップS803で開始した撮影対象物の撮影を中止し、撮影済の撮影データに無効な撮影データであることを示す情報(無効フラグ等)を付加することをいう。
【0080】
ステップS809に移行すると、撮影制御部306は、表示制御部307を用いて、ディスプレイ206、又は車両10が備える表示装置等の表示部に、撮影結果の表示画面を表示させる。
【0081】
図10は、一実施形態に係る撮影結果の表示画面の例を示す図(1)である。この図は、例えば、
図8のステップS809において、表示制御部307が表示する撮影結果の表示画面の一例を示している。
図10の例では、撮影結果の表示画面1000には、路線1を示す経路901と、撮影対象物を撮影した経路を示す撮影結果1001とが表示されている。
【0082】
また、撮影路線のリスト1002には、撮影結果1001に対応する「開始時刻」、「終了時刻」、「経路判定」、及び「データ選択」等の項目が表示されている。「開始時刻」は、撮影結果1001の撮影を開始した時刻を示す情報である。「終了時刻」は、撮影結果1001の撮影を終了した時刻を示す情報である。「経路判定」は、撮影結果1001が有効な撮影データであるか、無効な撮影データであるかを示す情報である。「データ選択」は、撮影結果1001を情報処理装置110に送信するか否か等を選択する選択欄1003である。
【0083】
図11は、一実施形態に係る撮影結果の表示画面の例を示す図(2)である。この図は、例えば、
図8のステップS809において、表示制御部307が表示する撮影結果の表示画面の別の一例を示している。
図11の例では、撮影結果の表示画面1000には、撮影対象物を撮影した経路を示す撮影結果1001に加えて、撮影対象物の撮影を無効にした撮影結果1101、1102が表示されている。このように、表示制御部307は、例えば、
図8のステップS808において、無効にした撮影結果1101、1102を、撮影結果の表示画面1000に表示してもよい。
【0084】
また、撮影路線のリスト1002には、撮影結果1101、1102に対応する「開始時刻」、「終了時刻」、「経路判定」、及び「データ選択」等の項目が表示されている。なお、撮影路線のリスト1002において、無効にした撮影結果1101、1102の「経路判定」は、撮影結果1101、1102が無効であることを示す「NG」となっている。
【0085】
ユーザは、選択欄1103により、例えば、無効な撮影結果1101、1102等を保存するか、削除するかを選択することができる。
【0086】
ここで、
図8に戻り、フローチャートの説明を続ける。ステップS810において、撮影制御部306は、必要な撮影データを記憶する。例えば、撮影制御部306は、
図10に示すような撮影結果の表示画面1000、又は
図11に示すような撮影結果の表示画面1100において、選択欄1103が選択された撮影結果1001に対応する撮影データを、記憶部310等に記憶する。
【0087】
図8の処理により、車載装置100は、カメラ11を搭載した車両10で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システム1において、撮影動作を自動化することができる。
【0088】
図12は、車両10の進行方向に合わせて繋ぎ合わせて、撮影対象の撮影データを作成することを説明するための図である。車載装置100で撮影エリアを静止画像で撮影する場合、撮影エリアを1回の撮影でカバーすることができない。この場合、例えば、
図12に示すように、複数の撮影画像を、撮影時の車両10の進行方向に合わせて繋ぎ合わせて、撮影対象の撮影データを作成することが望ましい。例えば、車載装置100は、車両10が経路901を進行方向に向かって走行しているときに、カメラ11で路面の所定の範囲を、進行方向に一部が重複するように撮影画像を撮影していく。
【0089】
[第2の実施形態]
図13は、第2の実施形態に係る撮影対象物の撮影処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図4のステップS406において、車載装置100が実行する撮影対象物の撮影処理の別の一例を示している。なお、
図13の処理のうち、ステップS801~S802、S807~S810の処理は、
図8で説明した第1の実施形態に係る撮影対象物の撮影処理と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0090】
ステップS802からステップS1301に移行すると、判定部304は、測位部303が測位する測位情報に基づいて、車両10が所定の進行方向に進行しているか否かを判定する。ここで、所定の進行方向は、例えば、
図5において、経路501の矢印の方向に対応している。車両10が所定の進行方向に進行している場合、判定部304は、処理をステップS1302に移行させる。一方、車両10が所定の進行方向に進行していない場合、判定部304は、処理をステップS808に移行させる。なお、ステップS802、S1301の処理は、判定部304が、車両10の測位情報に基づいて、車両10が撮影エリアから退出する退出経路を判定する処理の別の一例である。
【0091】
ステップS1302に移行すると、撮影制御部306は、撮影部305による撮影対象物の撮影、及び表示制御部307による撮影中の表示画面の表示を開始させる。
【0092】
ステップS1303において、判定部304は、測位部303が測位する測位情報に基づいて、車両10が、退出検知エリア506から経路検知エリア502を退出したか否かを判定する。車両10が退出検知エリア506から退出していない場合、判定部304は、処理をステップS1304に移行させる。一方、車両10が退出検知エリア506から退出した場合、判定部304は、処理をステップS807に移行させる。
【0093】
ステップS1304に移行すると、撮影制御部306は、撮影部305を用いて撮影対象物を撮影し、処理をステップS1301に戻す。
【0094】
図13の処理により、車載装置100は、撮影時の車両10の進行方向が、所定の進行方向と異なる場合、撮影対象物の撮影を中止、又は無効にすることができる。なお、ステップS1301で、所定の進行方向に進行しているかを判断する理由は、例えば、走行経路途中の工事若しくは事故、又は運転ミス等で枝道に逸れた場合等を考慮すると、撮影走行中に進行方向を確認しておくことが望ましいためである。
【0095】
以上、本発明の各実施形態によれば、カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システム1において、撮影動作を自動的に開始し、自動的に終了することができる。
【0096】
また、撮影システム1は、撮影開始と撮影終了を制御することで、ユーザによる撮影制御が不要になるので、車両10を運転する運転者のみで、撮影対象物を効率的に撮影することができる。従って、本実施形態に係る撮影システム1によれば、車両10にカメラ11を搭載し、道路を走行しながら路面等の撮影対象物を撮影する撮影作業の低コスト化を実現できる。
【0097】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0098】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものに過ぎない。ある実施形態では、情報処理装置110は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0099】
また、情報処理装置110は、1つの装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。さらに、車載装置100、及び情報処理装置110の機能構成のうち、少なくとも一部は、外部のクラウドサービス等を利用して実行するものであってもよい。
【0100】
<付記>
本明細書には、下記の各項の撮影システム、撮影方法、及びプログラムが開示されている。
(第1項)
カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する撮影システムであって、
前記車両の測位情報に基づいて、前記車両が前記撮影エリアへ進入する進入経路と、前記車両が前記撮影エリアから退出する退出経路とを判定する判定部と、
前記進入経路と前記退出経路とに基づいて、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を制御する撮影制御部と、
を有する、撮影システム。
(第2項)
前記撮影制御部は、前記車両が、予め定められた進入検知エリアから前記撮影エリアに進入したときに、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を開始する、第1項に記載の撮影システム。
(第3項)
前記進入検知エリアは、前記撮影エリア内の前記道路の始点から第1の距離の範囲内のエリアである、第2項に記載の撮影システム。
(第4項)
前記撮影制御部は、前記車両が、予め定められた退出検知エリアから前記撮影エリアを退出したときに、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を終了する、第1項~第3項のいずれかに記載の撮影システム。
(第5項)
前記退出検知エリアは、前記撮影エリア内の前記道路の終点から第2の距離の範囲内のエリアである、第4項に記載の撮影システム。
(第6項)
前記撮影制御部は、前記車両が、前記退出検知エリア以外から前記撮影エリアを退出した場合、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を中止、又は無効にする、第1項~第5項のいずれかに記載の撮影システム。
(第7項)
前記撮影制御部は、前記撮影エリア内の前記道路を前記車両が所定の進行方向に走行しているときに複数の画像を撮影し、前記複数の画像を前記進行方向に繋ぎ合わせる、第1項~第6項のいずれかに記載の撮影システム。
(第8項)
前記撮影制御部は、前記車両が前記進行方向とは異なる方向に走行した場合、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を中止、又は無効にする、第7項に記載の撮影システム。
(第9項)
カメラを搭載した車両で撮影エリア内の道路を走行しながら撮影対象物を撮影する際に、前記カメラの制御を行うコンピュータが、
前記車両の測位情報に基づいて、前記車両が前記撮影エリアへ進入する進入経路と、前記車両が前記撮影エリアから退出する退出経路とを判定する処理と、
前記進入経路と前記退出経路とに基づいて、前記カメラによる前記撮影対象物の撮影を制御する処理と、
を実行する、撮影方法。
(第10項)
第9項に記載の撮影方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、及び応用が可能である。
【0102】
例えば、上記の各実施形態では、車両10が自動車等であるものとして説明したが、車両10は、例えば、鉄道を走行する列車等であってもよい。また、上記の各実施形態では、車載装置100が、複数の静止画像を組み合わせて撮影対象を撮影するものとして説明したが、車載装置100は、動画像で撮影対象を撮影するもの等であってもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 撮影システム
10 車両
11 カメラ
12 測位装置
13 IMU
100 車載装置
110 情報処理装置
304 判定部
306 撮影制御部
501 経路
502 経路検知エリア
503 始点
504 進入検知エリア
505 終点
506 退出検知エリア
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開2014-086826号公報
【特許文献2】特開2006-112127号公報