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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124005
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240905BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
H01L21/31 B
C23C16/44 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031872
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真実
(72)【発明者】
【氏名】門部 雅人
(72)【発明者】
【氏名】山口 達也
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA05
4K030EA06
4K030EA11
4K030KA04
5F045AA15
5F045DP19
5F045DP28
5F045DQ05
5F045EC07
5F045EE01
5F045EE07
5F045EE19
5F045EF03
5F045EF09
5F045EF20
5F045EG01
5F045EK06
5F045EM10
5F045GB05
(57)【要約】
【課題】処理容器内に供給するガスを調整可能な基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板を保持する基板保持具を収容可能な処理容器本体と、前記処理容器本体の側壁に設けられたガス供給室と、前記ガス供給室から水平方向に延びる供給側配管と、前記ガス供給室及び前記供給側配管にわたって配置される着脱可能なインジェクタと、を備える、基板処理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持具を収容可能な処理容器本体と、
前記処理容器本体の側壁に設けられたガス供給室と、
前記ガス供給室から水平方向に延びる供給側配管と、
前記ガス供給室及び前記供給側配管にわたって配置される着脱可能なインジェクタと、を備える、
基板処理装置。
【請求項2】
前記処理容器本体を収容する加熱機構をさらに有し、
前記供給側配管は、前記加熱機構の側面を貫通する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記供給側配管は、前記処理容器本体の軸方向に複数設けられる、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記処理容器本体の軸方向に複数設けられた前記供給側配管に対応してそれぞれ配置される前記インジェクタには、同種のガスが供給される、
請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記供給側配管は、前記処理容器本体の周方向に複数設けられる、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記処理容器本体の周方向に複数設けられた前記供給側配管に対応してそれぞれ配置される前記インジェクタには、異なるガスが供給される、
請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記供給側配管を加熱するガスインジェクタヒータを有する、
請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記インジェクタは、
複数のガス吐出孔を有する吐出部と、
前記吐出部と連通し、前記供給側配管内に配置される搬送部と、を有する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記搬送部は、ストレート形状の管で形成される、
請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記搬送部は、スパイラル形状の管で形成される、
請求項8に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、反応管と、反応管を下方側から支持するフランジ部と、フランジ部から反応管の内部に挿入され反応管内を高さ方向に延びるガスインジェクターと、フランジ部に形成された排気ポートと、を有する縦型の成膜装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-169307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一の側面では、本開示は、処理容器内に供給するガスを調整可能な基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、一の態様によれば、基板を保持する基板保持具を収容可能な処理容器本体と、前記処理容器本体の側壁に設けられたガス供給室と、前記ガス供給室から水平方向に延びる供給側配管と、前記ガス供給室及び前記供給側配管にわたって配置される着脱可能なインジェクタと、を備える、基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
一の側面によれば、処理容器内に供給するガスを調整可能な基板処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る基板処理装置の一例を示す縦断面図。
図2】第1実施形態に係る基板処理装置の一例を示す水平断面図。
図3】インジェクタの一例を示す斜視図。
図4】インジェクタの他の一例を示す斜視図。
図5】配管とガスインジェクタヒータの配置の一例を示す斜視図。
図6】加熱機構の構造の一例を示す斜視図。
図7】第2実施形態に係る基板処理装置の一例を示す縦断面図。
図8】第2実施形態に係る基板処理装置の一例を示す水平断面図。
図9】エジェクタの一例を示す斜視図。
図10】シール構造の一例を示す断面図。
図11】第3実施形態に係る基板処理装置の一例を示す縦断面図。
図12】第3実施形態に係る基板処理装置の一例を示す水平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0009】
〔第1実施形態に係る基板処理装置100A〕
第1実施形態に係る基板処理装置100Aについて、図1及び図2を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る基板処理装置100Aの一例を示す縦断面図である。図2は、第1実施形態に係る基板処理装置100Aの一例を示す水平断面図である。ここで、基板処理装置100Aは、例えば、2種類以上の処理ガスを交互に供給してALD(Atomic Layer Deposition)法により、半導体ウエハ等の基板Wに膜を形成する成膜装置である。
【0010】
基板処理装置100Aは、下端が開口された有天井の円筒体状の処理容器(反応管)10を有する。処理容器10の全体は、例えば石英により形成されている。
【0011】
処理容器10の下端の開口には、円筒体状に成形された金属製のフランジ部20がOリング等のシール部材(図示せず)を介して気密に接続されている。また、フランジ部20は、処理容器10の下端を支持する。
【0012】
フランジ部20の下方から多数枚(例えば25~150枚)の基板Wを多段に載置したウエハボート(基板保持具)30が処理容器10内に挿入される。このように処理容器10内には、上下方向に沿って間隔を有して多数枚の基板Wが略水平に収容される。ウエハボート30は、例えば石英により形成されている。ウエハボート30は、3本のロッド31を有し(図1では2本を図示する。)、ロッド31に形成された溝(図示せず)により多数枚の基板Wが支持される。
【0013】
フランジ部20の下方側には、フランジ部20の下端の開口を開閉する金属製の蓋体32が設けられている。この蓋体32は、図示しないボートエレベータなどの昇降機構(図示せず)により、ウエハボート30と共に昇降自在に構成されている。蓋体32の周辺部とフランジ部20の下端との間には、処理容器10内の気密性を保持するためのシール部材(図示せず)が設けられている。
【0014】
ウエハボート30と蓋体32との間には、石英により形成された断熱体33が設けられている。回転機構34は、回転軸35を介してウエハボート30及び断熱体33を鉛直軸周りに回転させる。回転軸35は、蓋体32を気密に貫通し、回転機構34と断熱体33
とを接続する。
【0015】
このように、ウエハボート30と蓋体32とは、昇降機構によって一体として昇降し、処理容器10内に対して挿脱される。また、ウエハボート30は、回転機構34によって鉛直軸周りに回転される。ウエハボート30を回転させることなく基板Wの処理を行うようにしてもよい。
【0016】
処理容器10の周囲には、円筒体状の加熱機構40が設けられている。処理容器10、フランジ部20及び加熱機構40は、水平方向に伸びるベースプレート43によって支持される。加熱機構40は、下端が開口された有天井の円筒体状の断熱部材41と、断熱部材41の内周面に配置されたヒータ42と、を有する。加熱機構40は、ヒータ42からの輻射熱及び熱対流によって処理容器10を加熱する。加熱機構40は、処理容器10の温度が所望の温度となるように制御する。これにより、処理容器10内の基板Wは、処理容器10の壁面からの輻射熱等で加熱される。即ち、加熱機構40は、処理容器10及び基板Wを所望の温度に加熱する。
【0017】
また、基板処理装置100Aは、処理容器10内へガスを供給するガス供給部50Aと、処理容器10内からガスを排気するガス排気部60Aを有する。
【0018】
ここで、処理容器10は、有天井の円筒体状の処理容器本体11と、ガス供給室12と、配管(供給側配管)13と、フランジ14と、を有する。
【0019】
処理容器本体11は、有天井の円筒体状であって、ウエハボート30が挿入される。
【0020】
ガス供給室12は、処理容器本体11の側面の一端側が処理容器本体11の長さ方向に沿って外側に膨らむように形成されている。ガス供給室12の内部空間は、処理容器本体11の内部空間と連通するように形成されている。
【0021】
配管13は、一端がガス供給室12と連通し、水平方向(処理容器本体11の径方向)に延び、他端は加熱機構40よりも外周側まで延びる。また、配管13の他端にはフランジ14が設けられている。
【0022】
ガス供給室12及び配管13には、インジェクタ200(200A,200B)が配置される。
【0023】
ガス供給部50Aは、ガス供給室12と、配管13と、インジェクタ200(200A,200B)と、ガス供給源51と、流量調整部52と、開閉弁53と、供給路54と、ガスインジェクタヒータ70と、を有する。
【0024】
ガス供給源51は、ガスを供給する。流量調整部52は、例えばマスフローコントローラであって、ガス供給源51供給されるガスの流量を調整する。開閉弁53は、ガス供給源51から処理容器10内へのガスの供給または停止を切り替える。供給路54は、ガス供給源51と配管13とを接続し、その途中に流量調整部52及び開閉弁53が配置されている。供給路54と配管13とは、加熱機構40よりも外側で接続される。また、供給路54と配管13との接続部は、Oリング等のシール部材55を介して気密に接続されている。インジェクタ200(200A,200B)は、ガス供給室12及び配管13にわたって配置される。インジェクタ200(200A,200B)は、供給路54からガスが供給され、供給されたガスを処理容器10内に吐出する。ガスインジェクタヒータ70は、配管13を加熱する。
【0025】
ガス排気部60Aは、フランジ部20の側壁に設けられた排気管25と、真空ポンプ61と、圧力調整部62と、排気路63と、を有する。これにより、処理容器10内のガスは、ガス排気部60Aによって、処理容器10外に排気される。また、圧力調整部62によって、処理容器10内の圧力が、所望の圧力に制御される。
【0026】
また、基板処理装置100Aは、制御部80を有する。制御部80は、例えば基板処理装置100の各部の動作の制御を行う。制御部80は、例えばコンピュータ等であってよい。また、基板処理装置100Aの各部の動作を行うコンピュータのプログラムは、記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD等であってよい。
【0027】
次に、インジェクタ200の一例について、図3及び図4を用いて説明する。
【0028】
図3は、インジェクタ200Aの一例を示す斜視図である。インジェクタ200Aは、吐出部210Aと、搬送部220Aと、供給部230Aと、フランジ240Aと、を有する。
【0029】
吐出部210Aは、ガスが通流可能な内部空間を有し、上端及び下端が閉塞された円筒形状を有する。基板処理装置100Aにインジェクタ200Aが取り付けられた際、吐出部210Aは、ガス供給室12内に配置され、処理容器10の高さ方向に延びる配管である。吐出部210Aには、内部空間と連通するガス吐出孔211Aが設けられている。ガス吐出孔211Aは、吐出部210Aはにおいて、処理容器10の高さ方向に複数設けられている。なお、吐出部210Aは、円筒形状であるものとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば断面積が楕円の筒形状であってもよく、断面積が多角形の筒形状等であってもよい。
【0030】
搬送部220Aは、ガスが通流可能な内部空間を有する配管であって、一端が吐出部210Aとガスが通流可能に接続され、他端が供給部230Aとガスが通流可能に接続される。基板処理装置100Aにインジェクタ200Aが取り付けられた際、搬送部220Aは、配管13内に配置される。なお、搬送部220Aは、円筒形状であるものとして図示しているが、これに限られるものではなく、例えば断面積が楕円の配管であってもよく、断面積が多角形の配管等であってもよい。
【0031】
ここで、搬送部220Aは、ストレート形状(直管形状)の管で形成されている。これにより、供給部230Aから供給されたガスは、速やかに吐出部210Aへと供給される。
【0032】
供給部230Aは、供給路54と接続される接続部であって、供給路54からガスが供給される。
【0033】
フランジ240Aは、搬送部220Aの外周面に設けられ、配管13の内径に略等しく(僅かに小さく)形成されている。基板処理装置100Aにインジェクタ200Aが取り付けられた際、フランジ240Aは、配管13内に挿入される。これにより、インジェクタ200Aが位置決めされる。また、配管13の内周面と搬送部220Aの外周面との間の空間と、処理容器本体11及びガス供給室12の内部空間との間を閉塞する。これにより、処理容器本体11及びガス供給室12の内部空間の高温のガスが配管13の内周面と搬送部220Aの外周面との間の空間に流入することを抑制する。換言すれば、処理容器本体11及びガス供給室12の内部空間の高温のガスによってインジェクタ200を流れるガスが加熱されることを抑制する。また、配管13の内周面と搬送部220Aの外周面との間の空間が処理容器本体11及びガス供給室12の内部空間と連通することによって基板処理のプロセスに与える影響を抑制する。
【0034】
このように、ガス供給源51から供給されたガスは、供給路54から供給部230A、搬送部220A及び吐出部210Aの順番で流れ、ガス吐出孔211Aから処理容器10内に供給される。
【0035】
図4は、インジェクタ200Bの一例を示す斜視図である。インジェクタ200Bは、吐出部210Bと、搬送部220Bと、供給部230Bと、フランジ240Bと、を有する。
【0036】
吐出部210Bは、ガスが通流可能な内部空間を有し、上端及び下端が閉塞された円筒形状を有する。基板処理装置100Aにインジェクタ200Bが取り付けられた際、吐出部210Bは、ガス供給室12内に配置され、処理容器10の高さ方向に延びる配管である。吐出部210Bには、内部空間と連通するガス吐出孔211Bが設けられている。ガス吐出孔211Bは、吐出部210Bはにおいて、処理容器10の高さ方向に複数設けられている。なお、吐出部210Bは、円筒形状であるものとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば断面積が楕円の筒形状であってもよく、断面積が多角形の筒形状等であってもよい。
【0037】
搬送部220Bは、ガスが通流可能な内部空間を有する配管であって、一端が吐出部210Bとガスが通流可能に接続され、他端が供給部230Bとガスが通流可能に接続される。基板処理装置100Aにインジェクタ200Bが取り付けられた際、搬送部220Bは、配管13内に配置される。なお、搬送部220Bは、円筒形状であるものとして図示しているが、これに限られるものではなく、例えば断面積が楕円の配管であってもよく、断面積が多角形の配管等であってもよい。
【0038】
ここで、搬送部220Bは、らせん形状(スパイラル形状)の管で形成されている。即ち、供給部230Aから供給されたガスが吐出部210Bへと搬送されるまでの搬送部220Bの滞在時間を長くする。また、供給部230Aから供給されたガスが吐出部210Bへと搬送されるまでの搬送部220Bの内周面とガスとの接触面積を大きくする。
【0039】
供給部230Bは、供給路54と接続される接続部であって、供給路54からガスが供給される。
【0040】
フランジ240Bは、搬送部220Bの外周面に設けられ、配管13の内径に略等しく(僅かに小さく)形成されている。基板処理装置100Aにインジェクタ200Bが取り付けられた際、フランジ240Bは、配管13内に挿入される。これにより、インジェクタ200Bが位置決めされる。また、配管13の内周面と搬送部220Bの外周面との間の空間と、処理容器本体11及びガス供給室12の内部空間との間を閉塞する。これにより、処理容器本体11及びガス供給室12の内部空間の高温のガスが配管13の内周面と搬送部220Bの外周面との間の空間に流入することを抑制する。換言すれば、処理容器本体11及びガス供給室12の内部空間の高温のガスによってインジェクタ200を流れるガスが加熱されることを抑制する。また、配管13の内周面と搬送部220Bの外周面との間の空間が処理容器本体11及びガス供給室12の内部空間と連通することによって基板処理のプロセスに与える影響を抑制する。
【0041】
このように、ガス供給源51から供給されたガスは、供給路54から供給部230B、搬送部220B及び吐出部210Bの順番で流れ、ガス吐出孔211Bから処理容器10内に供給される。
【0042】
なお、インジェクタ200Bは、搬送部220Bがらせん形状(スパイラル形状)に形成されるものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、供給部230Bと吐出部210Bとを接続する搬送部220Bが複数の細管で形成され、搬送部220Bとガスとの接触面積を大きくするような形状であってもよい。また、供給部230Bの内部が多孔質状に形成され、搬送部220Bとガスとの接触面積を大きくするような形状であってもよい。
【0043】
図5は、配管13とガスインジェクタヒータ70の配置の一例を示す斜視図である。ここでは、加熱機構40を取り外した状態の斜視図を示す。処理容器本体11の側面には、径方向外側に向かって突出し、軸方向に形成されたガス供給室12が設けられている。また、ガス供給室12には、処理容器本体11の周方向及び処理容器本体11の高さ方向(処理容器本体11の軸方向、ウエハボート30に支持される複数の基板Wの面間方向)に複数の配管13が接続されている。図5に示す例において、周方向に3つ、高さ方向に2つの配管13が図示されている。
【0044】
また、配管13の外周側には、ガスインジェクタヒータ70が設けられていてもよい。図5(併せて、図2参照)に示す例において、周方向の右側及び左側の配管13には、ガスインジェクタヒータ70が設けられている。一方、図5(併せて、図1及び図2参照)に示す例において、周方向の中央の配管13には、ガスインジェクタヒータ70が設けられていない。
【0045】
また、図2を参照して示すように、外周側にガスインジェクタヒータ70が設けられている配管13には、インジェクタ200Bを取り付けることが好ましい。一方、外周側にガスインジェクタヒータ70が設けられていない配管13には、インジェクタ200Aを取り付けることが好ましい。
【0046】
ガスインジェクタヒータ70は、例えば配管13を外側から囲むようワイヤー状に形成されている。また、図2に示すように、ガスインジェクタヒータ70は、ヒータ42よりも外周側に設けられている。また、ガスインジェクタヒータ70は、断熱部材41の外周面よりも外周側にまで設けられていてもよい。なお、これに限られるものではなく、ガスインジェクタヒータ70は、断熱部材41の外周面よりも内側までに設けられる構成であってもよい。ガスインジェクタヒータ70は、配管13を加熱する。配管13が加熱されることにより、配管13内に配置されたインジェクタ200Bの搬送部220Bが配管13の内周面からの輻射熱等で加熱される。そして、加熱された搬送部220Bによって、インジェクタ200Bを流れるガスが加熱される。
【0047】
なお、搬送部220Bは、配管13の長さ方向においてガスインジェクタヒータ70が配置される位置と対応する範囲においてらせん形状(スパイラル形状)が形成されていてもよい。また、搬送部220B全体においてらせん形状(スパイラル形状)が形成される構成であってもよい。また、ヒータ42よりも内周側の搬送部220Bは、直管形状に形成され、配管13の長さ方向においてガスインジェクタヒータ70が配置される位置と対応する範囲においてらせん形状(スパイラル形状)が形成される構成であってもよい。
【0048】
また、搬送部220Bに搬送部220Bの温度を検出する温度センサ(図示せず)を設けてもよい。温度センサ(図示せず)は、ヒータ42よりも外周側に設けることが好ましい。制御部80は、搬送部220Bの温度センサの検出値に基づいて、吐出部210Bのガス吐出孔211Bから処理容器10内に供給されるガスの温度を推定してもよい。
【0049】
同様に、搬送部220Aに搬送部220Aの温度を検出する温度センサ(図示せず)を設けてもよい。温度センサ(図示せず)は、ヒータ42よりも外周側に設けることが好ましい。制御部80は、搬送部220Aの温度センサの検出値に基づいて、吐出部210Aのガス吐出孔211Aから処理容器10内に供給されるガスの温度を推定してもよい。
【0050】
また、処理容器本体11の高さ方向に配置される複数の配管13には、同種のガスが供給される。一方、処理容器本体11の周方向に配置される配管13のそれぞれには、異なるガスが供給されてもよい。
【0051】
例えば、基板Wの表面に吸着するプリカーサガスを処理容器10に供給する工程と、パージガスを供給してプリカーサガスを処理容器10からパージする工程と、基板Wの表面に吸着したプリカーサと反応する反応ガス(例えば、酸化ガス、窒化ガス等)を処理容器10に供給する工程と、パージガスを供給して反応ガスを処理容器10からパージする工程と、1サイクルとして、サイクルを繰り返すことにより、ALDプロセスによって基板Wに膜を形成する処理を例に説明する。
【0052】
例えば、周方向右側の配管13には、プリカーサガスが供給される。周方向左側の配管13には、反応ガスが供給される。周方向中央の配管13には、パージガスが供給される。周方向右側の配管13及び周方向左側の配管13には、ガスインジェクタヒータ70が設けられている。
【0053】
このような構成により、ガスインジェクタヒータ70をそれぞれ制御することにより、ヒータ42によって加熱される処理容器本体11の温度と、インジェクタ200Bから処理容器10に供給されるプリカーサガスの温度と、インジェクタ200Bから処理容器10に供給される反応ガスの温度と、インジェクタ200Aからパージガスの温度と、を異ならせることができる。即ち、ガス種ごとに処理容器10に供給されるガスの温度を制御することができる。
【0054】
これにより、例えば、プリカーサガスが基板Wの表面に好適に吸着する温度でプリカーサガスを処理容器10に供給することができる。また、基板Wの表面に吸着したプリカーサと好適に反応する温度で反応ガスを処理容器10に供給することができる。また、パージガスを供給することにより、例えば基板Wを冷却することができる。
【0055】
また、配管13を側面から水平方向に設けることにより、インジェクタ200内のガスが処理容器本体11からの熱によって加熱されることを低減することができる。これにより、ガス吐出孔211A,211Bから吐出されるガスの温度の温度制御性が向上する。
【0056】
また、1つのガスに対して、複数の配管13から処理容器10内にガスを供給することにより、ガスの流量及び/又はガスの温度を高さ方向において制御することができる。即ち、高さ方向の領域(ゾーン)ごとに、ガスの流量及び/又はガスの温度を制御することができる。
【0057】
また、基板処理装置100Aは、インジェクタ200(200A,200B)を交換可能に構成されている。これにより、例えば、ガス吐出孔211A,211Bの数、大きさ、配置等が異なるインジェクタ200と交換することにより、ガス供給部50Aの形状を変更することができる。
【0058】
第1実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、処理容器10に供給するガスを調整可能とすることができる。
【0059】
即ち、処理容器10の高さ方向において、複数の領域(ゾーン)を形成する。そして、各領域には、それぞれインジェクタ200が対応する。第1実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、図1に示すように、高さ方向の各配管13に供給するガスの流量を流量調整部52によって個別に制御することができる。これにより、複数の領域ごとに供給するガスの流量を制御することができる。また、インジェクタ200は着脱可能となっている。形状等が異なるインジェクタ200と交換することによっても複数の領域ごとに供給するガスの流量を制御することができる。
【0060】
また、第1実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、高さ方向の各配管13に対応して設けられたガスインジェクタヒータ70を個別に制御することにより、供給するガスの温度を個別に制御することができる。これにより、複数の領域ごとに供給するガスの温度を制御することができる。
【0061】
第1実施形態に係る基板処理装置100Aによれば、ガスの種類ごと、更に領域ごとに、供給するガスの流量及び温度を制御することができる。
【0062】
よって、ガス吐出孔211A,211Bから処理容器10内に供給されたガスは、ウエハボート30に支持された基板Wの間を通過し、排気管25を介して処理容器10外へと排気される。これにより、サイドフローによって供給されるガスの流量及び温度の均一性を向上させることができ、基板処理の均一性を向上させることができる。
【0063】
次に、加熱機構40の構造の一例について、図6を用いてさらに説明する。図6は、加熱機構40の構造の一例を示す斜視図である。処理容器10には、径方向外側に向かって伸びる配管13が複数設けられている。
【0064】
加熱機構40は、下端が開口された有天井の円筒体状を有している。また、加熱機構40は、配管13が配置される場所に対応する側壁において、下端から伸びる切り欠き部45が設けられている。切り欠き部45は、下端の開口と連通する。これにより、配管13を有する処理容器10に対して配管13が切り欠き部45内を通過するようにして、加熱機構40の下端の開口から処理容器10を挿入する。そして、上下方向の配管13の間には、切り欠き部45の一部を覆う円弧状の部分加熱部46を配置する。部分加熱部46に設けられたヒータ(図示せず)は、ハーネス47を介して、加熱機構40のヒータ42と接続される。このような構成により、ヒータ端子48から給電することにより、加熱機構40のヒータ42及び部分加熱部46のヒータ(図示せず)に給電することができる。また、部分加熱部46で覆われていない配管13の周囲の切り欠き部45には、断熱部材が配置される。
【0065】
このように、径方向外側に向かって伸びる配管13が複数設けられた処理容器10においても、処理容器10の外周側に加熱機構40を設けることができる。
【0066】
なお、配管13の外側にガスインジェクタヒータ70を設け、ガスを加熱する場合を例に説明したが、これに限られるものではない。配管13の外側に配管13を冷却する冷却装置(図示せず)を設け、ガスを冷却する構成であってもよい。冷却装置は、冷媒が通流可能な流路を有し、チラー(図示せず)と接続され、低温の冷媒がチラーから冷却装置に供給さえることにより、配管13を冷却する。これにより、インジェクタ200の搬送部220Bを冷却する。そして、搬送部220Bを流れるガスを冷却する。
【0067】
〔第2実施形態に係る基板処理装置100B〕
第2実施形態に係る基板処理装置100Bについて、図7及び図8を用いて説明する。図7は、第2実施形態に係る基板処理装置100Bの一例を示す縦断面図である。図8は、第2実施形態に係る基板処理装置100Bの一例を示す水平断面図である。ここで、基板処理装置100Bは、例えば、2種類以上の処理ガスを交互に供給してALD(Atomic Layer Deposition)法により、半導体ウエハ等の基板Wに膜を形成する成膜装置である。
【0068】
基板処理装置100Bは、下端が開口された有天井の円筒体状の処理容器(反応管)10を有する。処理容器10の全体は、例えば石英により形成されている。
【0069】
処理容器10の下端の開口には、円筒体状に成形された金属製のフランジ部20がOリング等のシール部材(図示せず)を介して気密に接続されている。また、フランジ部20は、処理容器10の下端を支持する。
【0070】
フランジ部20の下方から多数枚(例えば25~150枚)の基板Wを多段に載置したウエハボート(基板保持具)30が処理容器10内に挿入される。このように処理容器10内には、上下方向に沿って間隔を有して多数枚の基板Wが略水平に収容される。ウエハボート30は、例えば石英により形成されている。ウエハボート30は、3本のロッド31を有し(図7では2本を図示する。)、ロッド31に形成された溝(図示せず)により多数枚の基板Wが支持される。
【0071】
フランジ部20の下方側には、フランジ部20の下端の開口を開閉する金属製の蓋体32が設けられている。この蓋体32は、図示しないボートエレベータなどの昇降機構(図示せず)により、ウエハボート30と共に昇降自在に構成されている。蓋体32の周辺部とフランジ部20の下端との間には、処理容器10内の気密性を保持するためのシール部材(図示せず)が設けられている。
【0072】
ウエハボート30と蓋体32との間には、石英により形成された断熱体33が設けられている。回転機構34は、回転軸35を介してウエハボート30及び断熱体33を鉛直軸周りに回転させる。回転軸35は、蓋体32を気密に貫通し、回転機構34と断熱体33
とを接続する。
【0073】
このように、ウエハボート30と蓋体32とは、昇降機構によって一体として昇降し、処理容器10内に対して挿脱される。また、ウエハボート30は、回転機構34によって鉛直軸周りに回転される。ウエハボート30を回転させることなく基板Wの処理を行うようにしてもよい。
【0074】
処理容器10の周囲には、円筒体状の加熱機構40が設けられている。処理容器10、フランジ部20及び加熱機構40は、水平方向に伸びるベースプレート43によって支持される。加熱機構40は、下端が開口された有天井の円筒体状の断熱部材41と、断熱部材41の内周面に配置されたヒータ42と、を有する。加熱機構40は、ヒータ42からの輻射熱及び熱対流によって処理容器10を加熱する。加熱機構40は、処理容器10の温度が所望の温度となるように制御する。これにより、処理容器10内の基板Wは、処理容器10の壁面からの輻射熱等で加熱される。即ち、加熱機構40は、処理容器10及び基板Wを所望の温度に加熱する。
【0075】
また、基板処理装置100Bは、処理容器10内へガスを供給するガス供給部50Bと、処理容器10内からガスを排気するガス排気部60Bを有する。
【0076】
ここで、処理容器10は、有天井の円筒体状の処理容器本体11と、ガス供給室12と、配管13と、フランジ14と、ガス排気室15、配管(排気側配管)16と、フランジ17と、を有する。
【0077】
処理容器本体11は、有天井の円筒体状であって、ウエハボート30が挿入される。
【0078】
ガス供給室12は、処理容器本体11の側面の一端側が処理容器本体11の長さ方向に沿って外側に膨らむように形成されている。ガス供給室12の内部空間は、処理容器本体11の内部空間と連通するように形成されている。
【0079】
配管13は、一端がガス供給室12と連通し、水平方向(処理容器本体11の径方向)に延びて加熱機構40の側面を貫通し、他端は加熱機構40よりも外周側まで延びる。また、配管13の他端にはフランジ14が設けられている。
【0080】
ガス排気室15は、処理容器本体11の側面の他端側が処理容器本体11の長さ方向に沿って外側に膨らむように形成されている。ガス排気室15の内部空間は、処理容器本体11の内部空間と連通するように形成されている。
【0081】
配管16は、一端がガス排気室15と連通し、水平方向(処理容器本体11の径方向)に延びて加熱機構40の側面を貫通し、他端は加熱機構40よりも外周側まで延びる。また、配管16の他端にはフランジ17が設けられている。
【0082】
ガス排気室15及び配管16には、エジェクタ300が配置される。
【0083】
ガス供給部50Bは、ガス供給源51と、流量調整部52と、開閉弁53と、供給路54と、ガス供給配管56と、を有する。
【0084】
ガス供給源51は、ガスを供給する。流量調整部52は、例えばマスフローコントローラであって、ガス供給源51供給されるガスの流量を調整する。開閉弁53は、ガス供給源51から処理容器10内へのガスの供給または停止を切り替える。供給路54は、ガス供給源51とガス供給配管56とを接続し、その途中に流量調整部52及び開閉弁53が配置されている。ガス供給配管56は、フランジ部20から処理容器10内に挿入され、ガス供給室12内に配置される。ガス供給配管56は、高さ方向に複数の吐出部56aが形成されている。
【0085】
ガス排気部60Bは、ガス排気室15と、配管16と、エジェクタ300と、真空ポンプ61と、圧力調整部62と、排気路63と、を有する。これにより、処理容器10内のガスは、ガス排気部60Bによって、処理容器10外に排気される。また、圧力調整部62によって、処理容器10内の圧力が、所望の圧力に制御される。配管16と排気路63とは、加熱機構40よりも外側で接続される。また、配管16と排気路63との接続部は、Oリング等のシール部材65を介して気密に接続されている。エジェクタ300は、ガス排気室15及び配管16にわたって配置される。
【0086】
また、基板処理装置100Bは、制御部80を有する。制御部80は、例えば基板処理装置100Bの各部の動作の制御を行う。制御部80は、例えばコンピュータ等であってよい。また、基板処理装置100Bの各部の動作を行うコンピュータのプログラムは、記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD等であってよい。
【0087】
次に、エジェクタ300の一例について、図9を用いて説明する。
【0088】
図9は、エジェクタ300の一例を示す斜視図である。エジェクタ300は、吸込部310と、搬送部320と、吐出部330と、を有する。
【0089】
吸込部310は、ガスが通流可能な内部空間を有し、上端及び下端が閉塞された円筒形状を有する。基板処理装置100Bにエジェクタ300が取り付けられた際、吸込部310は、ガス供給室12内に配置され、処理容器10の高さ方向に延びる配管である。吸込部310には、内部空間と連通するガス吸込孔311が設けられている。ガス吐出孔211Bは、吸込部310はにおいて、処理容器10の高さ方向に複数設けられている。なお、吸込部310は、円筒形状であるものとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば断面積が楕円の筒形状であってもよく、断面積が多角形の筒形状等であってもよい。
【0090】
搬送部320は、ガスが通流可能な内部空間を有する配管であって、一端が吸込部310とガスが通流可能に接続され、他端が吐出部330とガスが通流可能に接続される。基板処理装置100Bにエジェクタ300が取り付けられた際、搬送部320は、配管16内に配置される。なお、搬送部320は、円筒形状であるものとして図示しているが、これに限られるものではなく、例えば断面積が楕円の配管であってもよく、断面積が多角形の配管等であってもよい。
【0091】
ここで、搬送部320は、直管形状に形成されている。これにより、吸込部310のガス吸込孔311から吸い込まれたガスは、直管形状の搬送部320を通過して、速やかに吐出部330へと排気される。
【0092】
吐出部330は、排気路63と接続される接続部であって、排気路63へとガスを排気する。
【0093】
このように、処理容器10内のガスは、ガス吸込孔311から吸込部310、搬送部320、吐出部330の順番で流れ、排気路64に排気される。
【0094】
図10は、配管16、エジェクタ300及び排気路63のシール構造の一例を示す断面図である。
【0095】
配管16と排気路63とは、配管16の他端に設けられたフランジ17と排気路63の一端に設けられたフランジとが当接し、ボルト66及びナット67で締結されることで接続される。エジェクタ300は、吐出部330は、配管16を超えて排気路63内まで挿入される。シール部材65は、配管16、エジェクタ300及び排気路63と当接し、シールする。
【0096】
また、エジェクタ300の搬送部320及び吐出部330の流路断面積(例えば内径)よりも排気路63の流路断面積(例えば内径)の方が大きく形成されている。これにより、好適に排気することができる。
【0097】
これにより、エジェクタ300のガス吸込孔311を介して処理容器10内のガスが排気される。
【0098】
また、基板処理装置100Bは、エジェクタ300を交換可能に構成されている。これにより、例えば、ガス吸込孔311の数、大きさ、配置等が異なるエジェクタと交換することにより、ガス排気部60Bの形状を変更することができる。
【0099】
第2実施形態に係る基板処理装置100Bによれば、処理容器10から排気するガスの流量を調整可能とすることができる。
【0100】
即ち、処理容器10の高さ方向において、複数の領域(ゾーン)を形成する。そして、各領域には、それぞれエジェクタ300が対応する。第2実施形態に係る基板処理装置100Bによれば、図7に示すように、高さ方向の各配管16から排出するガスの流量をエジェクタ300によって制御することができる。また、エジェクタ300は着脱可能となっている。形状等が異なるエジェクタ300と交換することによって複数の領域ごとに排出するガスの流量を制御することができる。
【0101】
よって、ガス供給配管56の吐出部56aから処理容器10内に供給されたガスは、ウエハボート30に支持された基板Wの間を通過し、ガス吸込孔311を介して処理容器10外へと排気される。これにより、サイドフローによって供給されるガスの均一性を向上させることができ、基板処理の均一性を向上させることができる。
【0102】
〔第3施形態に係る基板処理装置100B〕
第3実施形態に係る基板処理装置100Bについて、図11及び図12を用いて説明する。図11は、第3実施形態に係る基板処理装置100Cの一例を示す縦断面図である。図12は、第3実施形態に係る基板処理装置100Cの一例を示す水平断面図である。ここで、基板処理装置100Cは、例えば、2種類以上の処理ガスを交互に供給してALD(Atomic Layer Deposition)法により、半導体ウエハ等の基板Wに膜を形成する成膜装置である。
【0103】
ここで、処理容器10は、有天井の円筒体状の処理容器本体11と、ガス供給室12と、配管13と、フランジ14と、ガス排気室15、配管16と、フランジ17と、を有する。また、基板処理装置100Cは、処理容器10内へガスを供給するガス供給部50Cと、処理容器10内からガスを排気するガス排気部60Cを有する。ガス供給部50Cは、ガス供給部50A(図1~6参照)と同様の構成を有している。ガス排気部60Cは、ガス排気部60B(図7~10参照)と同様の構成を有している。その他の構成は、基板処理装置100A,100Bと同様であり、重複する説明を省略する。
【0104】
ここで、エジェクタ300の流路断面積は、インジェクタ200(200A,200B)の流路断面積よりも大きいことが好ましい。即ち、吸込部310の内部空間における水平方向に切断した流路断面積は、吐出部210A,210Bの内部空間における水平方向に切断した断面積よりも大きいことが好ましい。搬送部320における流路断面積は、搬送部220A,220Bにおける流路断面積よりも大きいことが好ましい。吐出部330における流路断面積は、供給部230A,230Bにおける流路断面積よりも大きいことが好ましい。ガス吐出孔311Bの穴径は、ガス吐出孔211A,211Bの穴径よりも大きいことが好ましい。
【0105】
第3実施形態に係る基板処理装置100Cによれば、処理容器10に供給するガスを調整可能とすることができる。
【0106】
即ち、処理容器10の高さ方向において、複数の領域(ゾーン)を形成する。そして、各領域には、それぞれインジェクタ200が対応する。第3実施形態に係る基板処理装置100Cによれば、高さ方向の各配管13に供給するガスの流量を流量調整部52によって個別に制御することができる。これにより、複数の領域ごとに供給するガスの流量を制御することができる。また、インジェクタ200は着脱可能となっている。形状等が異なるインジェクタ200と交換することによっても複数の領域ごとに供給するガスの流量を制御することができる。
【0107】
また、第3実施形態に係る基板処理装置100Cによれば、高さ方向の各配管13に対応して設けられたガスインジェクタヒータ70を個別に制御することにより、供給するガスの温度を個別に制御することができる。これにより、複数の領域ごとに供給するガスの温度を制御することができる。
【0108】
第3実施形態に係る基板処理装置100Cによれば、ガスの種類ごと、更に領域ごとに、供給するガスの流量及び温度を制御することができる。
【0109】
また、第3実施形態に係る基板処理装置100Cによれば、処理容器10から排気するガスの流量を調整可能とすることができる。
【0110】
即ち、処理容器10の高さ方向において、複数の領域(ゾーン)を形成する。そして、各領域には、それぞれエジェクタ300が対応する。第3実施形態に係る基板処理装置100Cによれば、高さ方向の各配管16から排出するガスの流量をエジェクタ300によって制御することができる。また、エジェクタ300は着脱可能となっている。形状等が異なるエジェクタ300と交換することによって複数の領域ごとに排出するガスの流量を制御することができる。
【0111】
よって、ガス吐出孔211A,211Bから処理容器10内に供給されたガスは、ウエハボート30に支持された基板Wの間を通過し、ガス吸込孔311を介して処理容器10外へと排気される。これにより、サイドフローによって供給されるガスの均一性を向上させることができ、基板処理の均一性を向上させることができる。
【0112】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0113】
10 処理容器(反応管)
11 処理容器本体
12 ガス供給室
13 配管(供給側配管)
14 フランジ
15 ガス排気室
16 配管(排気側配管)
17 フランジ
20 フランジ部
30 ウエハボート(基板保持具)
31 ロッド
32 蓋体
33 断熱体
34 回転機構
35 回転軸
40 加熱機構
41 断熱部材
42 ヒータ
50A~50C ガス供給部
51 ガス供給源
52 流量調整部
53 開閉弁
54 供給路
55 シール部材
60A~60C ガス排気部
61 真空ポンプ
62 圧力調整部
63 排気路
65 シール部材
70 ガスインジェクタヒータ
80 制御部
100A~100C 基板処理装置
200,200A,200B インジェクタ
210A,210B 吐出部
211A,211B ガス吐出孔
220A,220B 搬送部
230A,230B 供給部
240A,240B フランジ
300 エジェクタ
310 吸込部
311 ガス吸込孔
320 搬送部
330 吐出部
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12