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特開2024-124171シート搬送装置、自動原稿搬送装置及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124171
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】シート搬送装置、自動原稿搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/06 20060101AFI20240905BHJP
【FI】
B65H7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032161
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】中井 祐輔
【テーマコード(参考)】
3F048
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA08
3F048BB08
3F048BB09
3F048CB04
3F048DA04
3F048DB11
3F048DC00
3F048EB12
(57)【要約】
【課題】搬送異常判定精度の低下を抑制することができるシート搬送装置、自動原稿搬送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】搬送異常の判定を行う場合(S1のY)は、集音部たる集音マイクが搬送異常判定のための集音を実施する給紙/分離動作の間は、搬送速度を通常の搬送速度よりも遅い「低速」に設定し、原稿を搬送する(S2~S4)。搬送異常判定後や、搬送異常の判定を行わない設定のときなど、集音部たる集音マイクが搬送異常判定のための集音を実施していない場合は、搬送速度を通常の搬送速度に設定し、原稿の搬送を実施する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送部材と、
シート搬送時の音を集音する集音部と、
前記集音部が集音した音に基づいて、搬送異常が発生するか否かを判定する搬送異常判定部と、を備えたシート搬送装置において、
前記集音部が搬送異常判定のための集音を実施しているときのシート搬送速度を、前記集音部が搬送異常判定のための集音を実施していないときのシート搬送速度よりも遅くすることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記集音部は、シート搬送経路の音を集音可能な位置に配置され、
前記シートが前記シート搬送経路を通過するときに搬送異常判定のための集音を実施することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシート搬送装置において、
前記搬送異常判定部による搬送異常の判定を行うか否かを設定する設定部を有し、
搬送異常の判定を行わない設定の場合の前記シート搬送経路をシートが通過するときのシート搬送速度は、搬送異常の判定を行う場合の前記シート搬送経路をシートが通過するときのシート搬送速度よりも速いことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項4】
請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記集音部は、シートトレイに載置されたシートの給送を開始してから前記シートの先端が分離部を抜けるまでの間、搬送異常判定のための集音を実施することを特徴とするシート搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載のシート搬送装置において、
前記集音部は、前記分離部よりもシート搬送方向上流側に配置されていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項6】
請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記搬送異常判定部による搬送異常の判定を行うか否かを設定する設定部を有し、
搬送異常の判定を行う設定の場合の前記集音部が搬送異常判定のための集音を実施していないときのシート搬送速度を、搬送異常の判定を行わない設定の場合のシート搬送速度と同速度としたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項7】
請求項1に記載のシート搬送装置において、
前記搬送異常判定部による搬送異常の判定を行うか否かを設定する設定部を有し、
搬送異常の判定を行う設定の場合のシート搬送間隔を、搬送異常の判定を行わない設定の場合のシート搬送間隔よりも長くしたことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項8】
原稿シートを搬送する原稿シート搬送部を備え、
前記原稿シート搬送部によって原稿シートを画像読取部へ搬送する自動原稿搬送装置において、
前記原稿シート搬送部として、請求項1に記載のシート搬送装置を用いたことを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項9】
シートに画像を形成する画像形成装置において、
請求項1に記載のシート搬送装置および請求項8に記載の自動原稿搬送装置の少なくとも一方を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置、自動原稿搬送装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シートを搬送する搬送部材と、シート搬送時の音を集音する集音部と、集音部が集音した音に基づいて、搬送異常が発生するか否かを判定する搬送異常判定部と、を備えたシート搬送装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、搬送異常の判定精度が低くなるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、シートを搬送する搬送部材と、シート搬送時の音を集音する集音部と、前記集音部が集音した音に基づいて、搬送異常が発生するか否かを判定する搬送異常判定部と、を備えたシート搬送装置において、前記集音部が搬送異常判定のための集音を実施しているときのシート搬送速度を、前記集音部が搬送異常判定のための集音を実施していないときのシート搬送速度よりも遅くすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、搬送異常判定精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
図2】画像形成部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。
図3】4つのプロセスユニットからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図。
図4】複写機のスキャナ及びADFを示す斜視図。
図5】ADFの要部構成をスキャナの上部とともに示す拡大構成図。
図6】ADFの斜視図。
図7】ADF及びスキャナの電気回路の一部を示すブロック図。
図8】コントローラによって実施される原稿搬送のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものである。以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0008】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式の複写機(以下、単に複写機という)に適用した実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。この複写機は、画像形成部1と、白紙供給装置40と、原稿読取装置50とを備えている。原稿読取装置50は、画像形成部1の上に固定されたスキャナ150と、これに支持される原稿搬送装置たるADF51とを有している。
【0009】
白紙供給装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセット42から転写紙を送り出す送出ローラ43、送り出された転写紙を分離して給紙路44に供給する分離ローラ45等を有している。また、画像形成部1の給紙路37に転写紙を搬送する複数の搬送ローラ46等も有している。そして、給紙カセット内の転写紙を画像形成部1内の給紙路37内に給紙する。
【0010】
図2は、画像形成部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。画像形成手段としての画像形成部1は、光書込装置2、K,Y,M,C色のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3K,Y,M,C、転写ユニット24を備えている。また、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置34、スイッチバック装置36、給紙路37等を備えている。そして、光書込装置2内に配設されたレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の4つの感光体4K,Y,M,Cに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4K,Y,M,Cの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
【0011】
プロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、感光体4とその周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、画像形成部1本体に対して着脱可能になっている。ブラック用のプロセスユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの他、これの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用の1次転写ニップを通過した後の感光体4K表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置15なども有している。本複写機では、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cを、後述する中間転写ベルト25に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
【0012】
図3は、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cからなるタンデム部の一部を示す部分拡大図である。なお、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、同図においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。同図に示すように、プロセスユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置5、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電ランプ22等を有している。
【0013】
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
【0014】
現像装置6は、磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて潜像を現像するようになっている。内部に収容している二成分現像剤を攪拌しながら搬送して現像スリーブ12に供給する攪拌部7と、現像スリーブ12に担持された二成分現像剤中のトナーを感光体4に転移させるための現像部11とを有している。
【0015】
攪拌部7は、現像部11よりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された2本の搬送スクリュウ8、これらスクリュウ間に設けられた仕切り板、現像ケース9の底面に設けられたトナー濃度センサー10などを有している。
【0016】
現像部11は、現像ケース9の開口を通して感光体4に対向する現像スリーブ12、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ13、現像スリーブ12に先端を接近させるドクタブレード14などを有している。現像スリーブ12は、非磁性の回転可能な筒状になっている。マグネットローラ13は、ドクタブレード14との対向位置からスリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部7から送られてくる二成分現像剤を現像スリーブ12表面に引き寄せて担持させるとともに、スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
【0017】
磁気ブラシは、現像スリーブ12の回転に伴ってドクタブレード14との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体4に対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ12に印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、現像スリーブ12の回転に伴って再び現像部11内に戻り、マグネットローラ13の磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部7内に戻される。攪拌部7内には、トナー濃度センサー10による検知結果に基づいて、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。なお、現像装置6として、二成分現像剤を用いるものの代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤を用いるものを採用してもよい。
【0018】
ドラムクリーニング装置15としては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード16を感光体4に押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本例では、外周面を感光体4に接触させる接触導電性のファーブラシ17を、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ17は、固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体4表面に塗布する役割も兼ねている。ファーブラシ17にバイアスを印加する金属製の電界ローラ18を図中矢示方向に回転自在に設け、これにスクレーパ19の先端を押し当てている。ファーブラシ17に付着したトナーは、ファーブラシ17に対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ18に転位する。そして、スクレーパ19によって電界ローラ18から掻き取られた後、回収スクリュウ20上に落下する。回収スクリュウ20は、回収トナーをドラムクリーニング装置15における図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置に受け渡す。リサイクル搬送装置21は、受け渡されたトナーを現像装置6に送ってリサイクルする。
【0019】
除電ランプ22は、光照射によって感光体4を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。なお、帯電装置5としては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させながら回転させるものを用いている。感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
【0020】
先に示した図2において、4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの感光体4K,Y,M,Cには、これまで説明してきたプロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
【0021】
4つのプロセスユニット3K,Y,M,Cの下方には、図2のように転写ユニット24が配設されている。この転写ユニット24は、複数のローラによって張架した中間転写ベルト25を、感光体4K,Y,M,Cに当接させながら図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体4K,Y,M,Cと中間転写ベルト25とが当接するK,Y,M,C用の1次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ26K,Y,M,Cによって中間転写ベルト25を感光体4K,Y,M,Cに向けて押圧している。これら1次転写ローラ26K,Y,M,Cには、それぞれ電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の1次転写ニップには、感光体4K,Y,M,C上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0022】
転写ユニット24の図中下方には、駆動ローラ30と2次転写ローラ31との間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。そして、自らの2次転写ローラ31と、転写ユニット24の下部張架ローラ27との間に、中間転写ベルト25及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ31には電源によって2次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット24の下部張架ローラ27は接地されている。これにより、2次転写ニップに2次転写電界が形成されている。
【0023】
この2次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されており、ローラ間に挟み込んだ転写紙を中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙に一括2次転写され、転写紙の白色と相まってフルカラー画像となる。2次転写ニップを通過した転写紙は、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置34へと搬送される。
【0024】
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト25の表面には、2次転写ニップで転写紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置によって掻き取り除去される。
【0025】
定着装置34に搬送された転写紙は、定着装置34内における加圧や加熱によってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置34から排紙ローラ対35(図1参照)に送られた後、機外へと排出される。
【0026】
先に示した図1において、紙搬送ユニット28および定着装置34の下には、スイッチバック装置36が配設されている。これにより、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙が、切換爪で転写紙の進路を転写紙反転装置側に切り換えられ、そこで反転されて再び2次転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ上に排紙される。
【0027】
画像形成部1の上に固定されたスキャナ150は、第1面読取手段としての第1面固定読取部151や、第1面読取手段としての移動読取部152を有している。
【0028】
第1面読取手段としての移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第2コンタクトガラス155(図4参照)の直下に配設されている。移動読取部152は、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス上に載置された原稿MSで反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサー153で受光する。
【0029】
第1面読取手段としての第1面固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ150のケーシング上壁に固定された第1コンタクトガラス154(図4参照)の直下に配設されている。そして、後述するADF51によって搬送される原稿MSが第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサー153で受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSの第1面を走査する。
【0030】
また、原稿読取装置50のADF51は、原稿MSの第2面を読み取る密着型イメージセンサー95(図5参照)も有している。この密着型イメージセンサー95については後述する。
【0031】
スキャナ150の上に配設されたADF51は、本体カバー52に、読取前の原稿MSを載置するための原稿載置台53、原稿MSを搬送するための搬送ユニット54、読取後の原稿MSをスタックするための原稿スタック台55などを保持している。図4に示すように、スキャナ150に固定された蝶番159によって上下方向に揺動可能に支持されている。そして、その揺動によって開閉扉のような動きをとり、開かれた状態でスキャナ150の上面の第1コンタクトガラス154や第2コンタクトガラス155を露出させる。原稿束の片隅を綴じた本などの片綴じ原稿の場合には、原稿MSを1枚ずつ分離することができないため、ADF51による搬送を行うことができない。そこで、片綴じ原稿の場合には、ADF51を図4に示すように開いた後、読み取らせたいページが見開かれた片綴じ原稿を下向きにして第2コンタクトガラス155上に載せた後、ADF51を閉じる。そして、スキャナ150の図1に示した移動読取部152によってそのページの画像を読み取らせる。
【0032】
一方、互いに独立した複数の原稿MSを単に積み重ねた原稿束の場合には、その原稿MSをADF51によって1枚ずつ自動搬送しながら、スキャナ150内の第1面固定読取部151やADF51内の密着型イメージセンサー95に順次読み取らせていくことができる。この場合、原稿束を原稿載置台53上にセットした後、コピースタートボタンを押す。すると、ADF51が、原稿載置台53上に載置された原稿束の原稿MSを上から順に送り、それを反転させながら原稿スタック台55に向けて搬送する。この搬送の過程で、原稿MSを反転させた直後にスキャナ150の第1面固定読取部151の真上に通す。このとき、原稿MSの第1面の画像がスキャナ150の第1面固定読取部151によって読み取られる。
【0033】
図5は、ADF51の要部構成をスキャナ150の上部とともに示す拡大構成図であり、図6は、ADF51の斜視図である。また、図7は、ADF51及びスキャナ150の電気回路の一部を示すブロック図である。ADF51は、図5に示すように、原稿セット部A、分離搬送部B、レジスト部C、ターン部D、第1読取搬送部E、第2読取搬送部F、排紙部G、スタック部H等を備えている。
【0034】
図7に示すように、ADF51は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等からなるコントローラ904を有しており、これによって各種の機器やセンサーを制御することができる。このコントローラ904には、レジストセンサー65、原稿セットセンサー63、排紙センサー61、突き当てセンサー72、原稿幅センサー73、読取入口センサー67、長さセンサー57,58などが接続されている。また、給紙モータ191、搬送モータ192、プルアウトクラッチ193、排紙クラッチ194、ピックアップモータ56なども接続されている。また、集音部としての集音マイク201なども接続されている。集音マイク201は、原稿MSの搬送時の音を取り込むものである。
【0035】
図7に示すように、スキャナ150は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等からなる読取制御部903を有している。これにより、スキャナ150内部の各種機器やセンサーを制御することができる。また、読取制御部903は、I/FによってADF51のコントローラ904と接続されており、読取制御部903は、コントローラ904を介して、ADF51内の各種機器やセンサーを間接的に制御することもできる。
【0036】
図5において、原稿セット部Aは、原稿MSの束がセットされる原稿載置台53等を有している。また、分離搬送部Bは、セットされた原稿MSの束から原稿MSを一枚ずつ分離して給送するものである。また、レジスト部Cは、給送された原稿MSに一時的に突き当たって原稿MSを整合した後に送り出すものである。また、ターン部Dは、C字状に湾曲する湾曲搬送部を有しており、この湾曲搬送部内で原稿MSを折り返しながらその上下を反転させるものである。また、第1読取搬送部Eは、第1コンタクトガラス154の上で原稿MSを搬送しながら、第1コンタクトガラス154の下方でスキャナ150の内部に配設されている第1面固定読取部151に原稿MSの第1面を読み取らせるものである。また、第2読取搬送部Fは、密着型イメージセンサー95の下で原稿MSを搬送しながら、原稿MSの第2面を密着型イメージセンサー95に読み取らせるものである。また、排紙部Gは、両面の画像が読み取られた原稿MSをスタック部Hに向けて排出するものである。また、スタック部Hは、原稿スタック台55の上に原稿MSをスタックするものである。
【0037】
原稿MSは、原稿MSの束の厚みに応じて図中矢印a、b方向に揺動可能なシートトレイたる可動原稿テーブル53aの上に原稿先端部が載せられるとともに、原稿後端側が原稿載置台53の上に載せられた状態でセットされる。このとき、原稿載置台53上において、その幅方向(図紙面に直交する方向)の両端に対してそれぞれサイドガイドが突き当てられることで、幅方向における位置が調整される。このようにしてセットされる原稿MSは、可動原稿テーブル53aの上方で揺動可能に配設されたレバー部材62を押し上げる。すると、それに伴って原稿セットセンサー63が原稿MSのセットを検知して、検知信号をコントローラ904(図7参照)に送信する。そして、この検知信号は、コントローラ904からI/Fを介して読取制御部903に送られる。
【0038】
原稿載置台53には、原稿MSの搬送方向の長さを検知する反射型フォトセンサー又はアクチュエーター・タイプのセンサーからなる第1長さセンサー57、第2長さセンサー58が保持されている。これら長さセンサーにより、原稿MSの搬送方向の長さが検知される。
【0039】
可動原稿テーブル53aの上に載置された原稿MSの束の上方には、カム機構によって上下方向(図中矢印c,d方向)に移動可能に支持されるピックアップローラ80が配設されている。このカム機構は、ピックアップモータ56によって駆動することで、ピックアップローラ80を上下移動させることが可能である。ピックアップローラ80が上昇移動すると、それに伴って可動原稿テーブル53aが図中矢印a方向に揺動して、ピックアップローラ80が原稿MSの束における一番上の原稿MSに当接する。更に可動原稿テーブル53aが上昇すると、やがてテーブル上昇センサー59によって可動原稿テーブル53aの上限までの上昇が検知される。これにより、ピックアップモータ56が停止するとともに、可動原稿テーブル53aの上昇が停止する。
【0040】
複写機の本体に設けられたテンキーやディスプレイ等からなる本体操作部902に対しては、操作者によって両面読取モードか、あるいは片面読取モードかを示す読取モード設定のためのキー操作や、コピースタートキーの押下操作などが行われる。即ち、本体操作部902は、両面読取モードであるのか、あるいは片面読取モードであるのかの情報を取得するモード情報取得手段として機能している。また、読取モードには、薄紙を読み取るための薄紙モードや、異なるサイズの原稿MSを混載・搬送する混載モードもあり、操作者の本体操作部902に対するキー操作によって、薄紙モード、混載モードの設定を行うことができる。薄紙モードや混載モードでは、通常の読取モードよりも原稿MSの搬送速度を全体に遅くして原稿MSを搬送する。
【0041】
コピースタートキーが押下されると、本体制御部901からI/Fを介してADF51のコントローラ904に原稿給紙信号が送信される。すると、ピックアップローラ80が給紙モータ191の正転によって回転駆動して、可動原稿テーブル53a上の原稿MSを可動原稿テーブル53a上から送り出す。
【0042】
両面読取モードか、片面読取モードかの設定に際しては、可動原稿テーブル53a上に載置された全ての原稿MSについて一括して両面、片面の設定を行うことが可能である。また、1枚目及び10枚目の原稿MSについては両面読取モードに設定する一方で、その他の原稿MSについては片面読取モードに設定するなどといった具合に、個々の原稿MSについてそれぞれ個別に読取モードを設定することも可能である。
【0043】
ピックアップローラ80によって送り出された原稿MSは、分離搬送部Bに進入して、給紙ベルト84との当接位置に送り込まれる。この給紙ベルト84は、駆動ローラ82と従動ローラ83とによって張架されており、給紙モータ191の正転に伴う駆動ローラ82の回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。この給紙ベルト84の下部張架面には、給紙モータ191の正転によって図中時計回りに回転駆動される分離ローラ85が当接している。当接部においては、給紙ベルト84の表面が給紙方向に移動する。これに対し、分離ローラ85は、給紙ベルト84に所定の圧力で当接しており、給紙ベルト84に直接当接している際、あるいは当接部に原稿MSが1枚だけ挟み込まれている際には、ベルト又は原稿MSに連れ回る。但し、当接部に複数枚の原稿MSが挟み込まれた際には、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなることから、連れ回り方向とは逆の図中時計回りに回転駆動する。これにより、最上位よりも下の原稿MSには、分離ローラ85によって給紙とは反対方向の移動力が付与されて、数枚の原稿MSから最上位の原稿MSだけが分離される。
【0044】
給紙ベルト84や分離ローラ85の働きによって1枚に分離された原稿MSは、レジスト部Cに進入する。そして、突き当てセンサー72の直下を通過する際にその先端が検知される。このとき、給紙モータ191の駆動力を受けているピックアップローラ80がまだ回転駆動しているが、可動原稿テーブル53aの下降によって原稿MSから離間するため、原稿MSは給紙ベルト84の無端移動力のみによって搬送される。そして、突き当てセンサー72によって原稿MSの先端が検知されたタイミングから所定時間だけ給紙ベルト84の無端移動が継続する。その後、原稿MSの先端がプルアウト従動ローラ86とこれに当接しながら回転駆動するプルアウト駆動ローラ87との当接部に突き当たる。原稿MSの先端が両ローラの当接部に突き当たった状態で、原稿MSの後端側が給紙方向に向けて送られることで、原稿MSは所定量だけ撓んだ状態になりながら、先端が当接部に位置決めされる。これにより、原稿MSのスキュー(傾き)が補正されて、原稿MSは給紙方向に沿った姿勢になる。
【0045】
プルアウト駆動ローラ87は、原稿MSのスキューを補正する役割の他に、スキューが補正された原稿MSを原稿搬送方向下流側の中間ローラ対66まで搬送する役割を担っている。ピックアップローラ80と給紙ベルト84を張架する駆動ローラ82とプルアウト駆動ローラ87と中間ローラ対66の駆動ローラは、ワンウェイクラッチを介して給紙モータ191に接続されている。プルアウト駆動ローラ87と中間ローラ対66の駆動ローラに接続されたワンウェイクラッチは、給紙モータ191の逆転時に駆動力を伝達し、駆動ローラ82に接続されたワンウェイクラッチは、給紙モータ191の正転時に駆動力を伝達する。そのため、給紙モータ191が逆転すると、プルアウト駆動ローラ87と、中間ローラ対66の駆動ローラとが回転を開始するとともに、給紙ベルト84の無端移動が停止する。また、このとき、ピックアップローラ80の回転も停止される。
【0046】
プルアウト駆動ローラ87から送り出された原稿MSは、原稿幅センサー73の直下を通過する。原稿幅センサー73は、反射型フォトセンサー等からなる紙検知部を複数有しており、これら紙検知部は原稿幅方向(図紙面に直交する方向)に並んでいる。どの紙検知部が原稿MSを検知するのかに基づいて、原稿MSの幅方向のサイズが検知される。また、原稿MSの搬送方向の長さは、原稿MSの先端が突き当てセンサー72によって検知されてから、原稿MSの後端が突き当てセンサー72によって検知されなくなるまでのタイミングに基づいて検知される。
【0047】
原稿幅センサー73によって幅方向のサイズが検知された原稿MSの先端は、ターン部Dに進入して、中間ローラ対66のローラ間の当接部に挟み込まれる。この中間ローラ対66による原稿MSの搬送速度は、後述する第1読取搬送部Eでの原稿MSの搬送速度よりも高速に設定されている。これにより、原稿MSを第1読取搬送部Eに送り込むまでの時間の短縮化が図られている。
【0048】
ターン部D内を搬送される原稿MSの先端は、原稿先端が読取入口センサー67との対向位置を通過する。これによって原稿MSの先端が読取入口センサー67によって検知されると、その先端が搬送方向下流側の読取入口ローラ対(89と90との対)の位置まで搬送されるまでの間に、中間ローラ対66による原稿搬送速度が減速される。また、搬送モータ192の回転駆動の開始に伴って、読取入口ローラ対(89,90)における一方のローラ、読取出口ローラ対92における一方のローラ、第2読取出口ローラ対93における一方のローラがそれぞれ回転駆動を開始する。
【0049】
ターン部D内においては、原稿MSが中間ローラ対66と読取入口ローラ対(89、90)との間の湾曲搬送路で搬送される間に上下面が逆転されるとともに、搬送方向が折り返される。そして、読取入口ローラ対(89、90)のローラ間のニップを通過した原稿MSの先端は、レジストセンサー65の直下を通過する。このとき原稿MSの先端がレジストセンサー65によって検知されると、所定の搬送距離をかけながら原稿搬送速度が減速されていき、第1読取搬送部Eの手前で原稿MSの搬送が一時停止される。また、読取制御部903(図7参照)にI/Fを介して一時停止信号が送信される。
【0050】
一時停止信号を受けた読取制御部903が読取開始信号を送信すると、コントローラ904の制御により、原稿MSの先端が第1読取搬送部E内に到達するまで、搬送モータ192の回転が再開されて所定の搬送速度まで原稿MSの搬送速度が増速される。そして、原稿MSの先端が第1面固定読取部151による読取位置に到達するタイミングで、コントローラ904から読取制御部903に対して原稿MSの第1面の副走査方向有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が第1面固定読取部151による読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第1面が第1面固定読取部151によって読み取られる。なお、原稿MSの先端が第1面固定読取部151による読取位置に到達するタイミングは、搬送モータ192のパルスカウントに基づいて算出される。
【0051】
第1読取搬送部Eを通過した原稿MSは、後述の読取出口ローラ対92を経由した後、その先端が排紙センサー61によって検知される。片面読取モードが設定されている場合には、後述する密着型イメージセンサー95による原稿MSの第2面の読取が不要である。そこで、排紙センサー61によって原稿MSの先端が検知されると、排紙クラッチ194によって搬送モータ192の駆動力が排紙ローラ対94に繋がれ、排紙ローラ対94における図中下側の排紙ローラが図中時計回り方向に回転駆動される。また、排紙センサー61によって原稿MSの先端が検知されてからの搬送モータ192のパルスカウントに基づいて、原稿MSの後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングが演算される。そして、この演算結果に基づいて、排紙クラッチ194によって搬送モータ192の駆動力を切って排紙ローラ対94を停止する。
【0052】
一方、両面読取モードが設定されている場合には、排紙センサー61によって原稿MSの先端が検知された後、密着型イメージセンサー95に到達するまでのタイミングが搬送モータ192のパルスカウントに基づいて演算される。そして、そのタイミングでコントローラ904から読取制御部903に対して原稿MSの第2面における副走査方向の有効画像領域を示すゲート信号が送信される。この送信は、原稿MSの後端が密着型イメージセンサー95による読取位置を抜け出るまで続けられ、原稿MSの第2面が密着型イメージセンサー95によって読み取られる。
【0053】
第2面読取手段としての密着型イメージセンサー95(CIS)は、原稿MSに付着している糊状の異物が読取面に付着することによる読取縦すじを防止する目的で、読取面にコーティング処理が施されている。密着型イメージセンサー95との対向位置には、原稿MSを非読取面側(第1面側)から支持する原稿支持手段としての第2読取ローラ96が配設されている。この第2読取ローラ96は、密着型イメージセンサー95による読取位置での原稿MSの浮きを防止するとともに、密着型イメージセンサー95におけるシェーディングデータを取得するための基準白部として機能する役割を担っている。本複写機では、密着型イメージセンサー95との対向位置で原稿MSを支持する原稿支持手段として、第2読取ローラ96を用いたが、ガイド板状のものを用いてもよい。
【0054】
ユーザーの不注意でステイプル針やクリップにより綴じられた複数枚の原稿MSの束を原稿載置台53にセットする場合がある。このようなステイプル針やクリップなどの金属片により綴じられた複数枚の原稿MSの束の先端が分離ローラ85の給紙ベルト84との当接部である分離部に進入すると、原稿MSの束のうち最上位の原稿は、給紙ベルト84により引き続き搬送される。しかし、2枚以降の原稿は、分離ローラ85により戻される搬送力が付与される。その結果、最上位の原稿MSにひずみが発生し、折れやしわなどが発生する。
【0055】
従来は、突き当てセンサー72が所定のタイミングまでに原稿MSの先端を検知せずに用紙ジャムが検知されるまでの間、分離部で最上位の原稿MSに折れやしわなどが発生する状態で、原稿MSの搬送が継続されてしまう。その結果、原稿のしわや折れがひどくなり、最終的には金属片により綴じられた箇所に大きな応力が加わり、破れが生じ、原稿MSに大ダメージを与えるおそれがある。
【0056】
そのため、本実施形態では、集音マイク201が集音した給紙/分離動作時の音から搬送異常としての用紙ジャムが発生するか否かを判定(突き当てセンサー72により用紙ジャムが検知されるか否かを予測)する搬送異常判定処理を実施する。そして、用紙ジャムが発生すると判定した場合は、原稿MSの搬送を中止する。これにより、突き当てセンサー72によって用紙ジャムが検知される前に原稿の搬送を中止することが可能となる。その結果、原稿MSに破れなどの大ダメージが生じる前に原稿の搬送を停止することができる。
【0057】
集音マイク201は、図5に示すように開閉可能な給紙カバー98の内周面に取り付けられている。給紙カバー98の内周面に集音マイク201を取り付けることで、外部からの雑音を給紙カバー98により遮蔽でき、集音マイク201が外部からの雑音を拾い難くなっている。また、集音マイク201の給紙カバー98の内周面への取り付けは、その間にゴム状の振動部材を取付け、給紙カバー98からの振動による雑音を拾い難くしてもよい。
【0058】
綴じられた原稿の束の先端が上記分離部に進入し、綴じられた箇所の応力によって生じる最上位の原稿の折れやしわなどの変形は、分離部より原稿搬送方向上流側で生じる。そのため、本実施形態では、集音マイク201は、分離部に対して原稿搬送の上流側、より具体的にはピックアップローラ80の上方で、原稿の搬送方向に対して直交する方向(原稿幅方向)の原稿の移動を規制する原稿幅方向に一方が移動可能なサイドフェンス対が最狭のときに、そのサイドフェンス対の間に配置している。これにより、分離部よりも原稿搬送方向上流側の領域の音を良好に集音でき、分離部の上流側で発生する最上位原稿の変形音を良好に集音できる。
なお、集音マイク201の配置位置は、これに限らず、分離部の上流側での最上位原稿の変形音を遮断する部材がなく、分離部の上流側の領域の音を良好に集音できる箇所に適宜、配置してもよい。
【0059】
また、様々な幅の原稿MSに対して平均的なシワや折れの発生位置に集音マイク201を配置することを意図して、図6に示すように、集音マイク201を、原稿MSの幅方向の中央に配置している。
【0060】
生産性を高めるために原稿MSの搬送速度は、速い方が好ましいが、搬送速度を速くすると、振動音やモータ音などの雑音が大きくなる。その結果、搬送異常の判定に重要な原稿が折れたり、シワがよったりする際に発生する原稿の変形音が雑音に埋もれてしまい、判定精度が低くなるおそれがある。
【0061】
そこで、本実施形態では、集音マイク201で音の集音を実施中は、原稿MSの搬送速度を通常搬送速度よりも遅くするようにした。以下、図面を用いて本実施形態の特徴部について説明する。
【0062】
図8は、コントローラ904によって実施される原稿搬送のフローチャートである。
本実施形態では、読み取りのスループットを稼ぐためにシートとしての原稿MS同士が重ならない程度の間隔を空けつつ連続的に原稿MSの搬送をおこなうため、原稿搬送路には同時に複数の原稿MSが間隔を空けて存在する。そのため、図8に示す原稿搬送のフローは、同時並行的に実行される。
【0063】
本実施形態では、操作者の本体操作部902(図7参照)に対するキー操作によって、搬送異常判定を行うか否かの設定が可能となっており、この搬送異常判定を行うか否かの設定情報は、コントローラ904の不揮性の記憶部に記憶されている。
【0064】
本体制御部901からコントローラ904に原稿給紙信号が送信されたら、コントローラ904は、搬送異常判定を行うか否かの設定情報を確認する(S1)。搬送異常判定を行う設定となっているとき(S1のY)は、搬送速度を「低速」に設定し、給紙/分離動作を開始する(S2)。
【0065】
また、搬送異常判定を行う設定となっているときの原稿搬送間隔は、搬送異常判定を行わないときの搬送間隔(以下、通常搬送間隔)よりも広げる。搬送間隔を通常搬送間隔よりもどのくらい広くするかは、先行原稿の搬送に伴うモータの駆動音や先行原稿の搬送音を、後行原稿の集音のタイミングで発生させない、もしくは影響を小さくする観点から設定する。例えば、先行原稿の後端が排紙ローラ対94のニップを抜け出るタイミングである排紙クラッチ194の作動が停止されたタイミングで、後行原稿の給紙/分離動作を開始する。これにより、先行原稿の搬送に伴うモータの駆動音や先行原稿の搬送音の影響を完全に排除できる。
【0066】
また、搬送経路上に複数枚の先行原稿が存在することができる搬送方向に長さが短いサイズの原稿MSの場合は、集音時(後行原稿の給紙分離動作時)に原稿搬送路に先行原稿が一枚しか存在しないように搬送間隔を設定してもよい。これにより、先行原稿の搬送音の影響を軽減することができる。なお、搬送する原稿MSの搬送方向長さは、長さセンサー57,58により検出する。
【0067】
給紙/分離動作が開始されると、給紙モータ76の正転によってピックアップローラ80を「通常速度」設定よりも遅い回転速度で回転駆動する。そして、可動原稿テーブル53a上の原稿MSを可動原稿テーブル53a上から送り出し、通常よりも遅い搬送速度で、原稿搬送が開始される。本実施形態では、通常の搬送速度の半分の搬送速度で原稿が搬送されるように設定しているが、これに限定されるものではなく、装置構成(雑音の大きさ)等により適宜決めればよい。
【0068】
コントローラ904は原稿搬送開始と同時に、集音マイク201により集音を開始し、給紙分離動作時の音を集音する(S3)。そして、上記分離部で数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離され始めるタイミングで集音を停止する。具体的には、原稿MSの先端が、分離部から少し下流に位置する原稿の先端が分離部を抜け後端が分離部よりも上流に存在するタイミングで集音を停止する。これにより、最上位の原稿にしわや折れなどの変形の発生し始めの音を集音でき、原稿にひどい折れやしわが生じたり、破れが発生したりするなど原稿に大ダメージが生じる前に原稿の搬送を停止することが可能となる。
【0069】
また、原稿搬送開始と同時に、集音マイク201により集音を開始することで、ピックアップローラ80のスリップ音を拾うことができる。これにより、集音マイク201が集音した音から、ピックアップローラ80のスリップによる搬送遅れを検出することができる。これにより、ピックアップローラ80のスリップによる搬送遅れによる用紙ジャムの予測も行うことができる。
【0070】
集音を停止するタイミングは、給紙モータ76の駆動パルス数や給紙モータ76の駆動開始からの経過時間などを使って判断する。集音された音信号は、コントローラ904内のADコンバーターによってPCMデータに変換され、コントローラ904のRAMに一時記憶される。
【0071】
次に、コントローラ904は、このRAMに記憶された音の特徴量を算出する(S5)。具体的には、RAMに記憶された音信号に対し短時間フーリエ変換(STFT)を行い、音信号のパワースペクトルの時間配列を算出する。次に、算出したパワースペクトルの時間配列に対して特徴化処理を行い、音の特徴量を算出する。特徴化処理としては所定の周波数帯におけるパワーの時間積分や、連続するフレーム間のSpectral Fluxなどを用いることができる。すなわち、本実施形態では、コントローラ904が、特徴量抽出部として機能する。なお、状態判別に用いる音の特徴を定量的に表現した特徴量としては、上記に限らず、メル周波数ケプストラム係数等、公知の音の特徴量を用いてもよい。
【0072】
本実施形態では、集音マイク201による集音実施中は、搬送速度を「低速」に設定し、通常の搬送速度の半分の搬送速度で原稿が搬送される。これにより、通常の搬送速度の場合に比べて、モータ音や振動音などの雑音を抑えることができる。その結果、原稿が変形し始める変形開始音が雑音に埋もれるのを抑制できる。よって、原稿の変形があったとき(異常搬送時)と、なかったとき(正常搬送時)とで抽出した音の特徴量を良好に異ならせることができる。これにより、抽出した特徴量から精度よく搬送異常判定を行うことができる。
【0073】
特徴量を算出したら、算出した特徴量に基づいて、搬送異常が発生するか否かの判定を行う(S6)。
本実施形態では、搬送異常判定をMT法(Mahalanobis Taguchi法)で行う。MT法は、品質工学等の分野において、多次元情報データによる予測、診断、分析で知られているMT(Mahalanobis Taguchi、マハラノビス・タグチ)システムの一つである。MT法は、マハラノビス距離を利用し、データが正常か異常かの判定を行うことができる手法のひとつであり、簡便かつ比較的精度よく正常/異常の判定を行える手法である。MT法については、例えば、特開2003-141306号公報や、田口玄一「品質工学の数理」(日本規格協会 1999年発行)等に記載されている公知の手法であるため、詳細な説明は省略する。
【0074】
搬送異常の判定に用いる指標データとして、以下のデータがコントローラ904のROMに格納されている。すなわち、マハラノビス距離を求める際に使用する単位空間データセット(基準データセット)の相関行列の逆行列R-1と、算出したマハラノビス距離を正常搬送か搬送異常かに分類するための判断基準としての閾値Thとである。
【0075】
逆行列R-1は、ADF51の様々な誤差因子条件の下において原稿MSが正常搬送された音から得られた特徴量をもとに単位空間データセット(基準データセット)を作成し求められる。算出したマハラノビス距離が正常搬送か搬送異常か判断する判断基準たる閾値Thは、ADF51の偽陰性率(正常判定の誤判定率)、偽陽性率(搬送異常の誤判定率)が狙い値となるマハラノビス距離を求めて設定される。
【0076】
原稿の変形があったとき(異常搬送時)は、算出したマハラノビス距離が閾値Thを超え、搬送異常が発生すると判定される。搬送異常が発生すると判定したときは、コントローラ904は、原稿搬送動作を中止する(S12)とともに、読み取り動作を中止する。そして、画像形成部1の本体操作部902に、読み取りエラーとして、ジャム処理を促す等の表示を行う。
【0077】
集音を停止して(原稿MSの先端が、分離部から少し下流に位置するタイミング)から搬送異常と判定され原稿搬送が停止するまでの間、原稿は搬送されてしまう。しかし、本実施形態では、上述したように「低速」で原稿を搬送しているため、その間の搬送距離はわずかである。従って、ひどいしわや折れ、破れなど、原稿に大ダメージが生じる前の後端が分離部を通過しきてしまう前に原稿の搬送を停止することができる。
【0078】
一方、算出したマハラノビス距離が閾値Th以下であり、正常搬送と判定したときは、コントローラ904は、原稿搬送速度を「低速」から「通常速度」に設定(S7)し、原稿搬送動作を継続する。具体的には、上述したように、給紙モータ191を逆転させ、プルアウト駆動ローラ87によりスキュー補正した原稿を送り出すプルアウト動作を実行する(S8)。そして、第1読取搬送部Eの手前で原稿MSの搬送を一時停止する一時停止処理を行う(S9)。その後、読取制御部903からの読取開始信号の受信を待つ。そして、読取開始信号の受信し、読み取りが開始されたら(S10のY)、原稿の搬送を再開し、原稿を第1読取搬送部E、第2読取搬送部F搬送し、原稿の画像が読み取られる読取搬送処理が行わる(S11)。そして、排紙部Gへ原稿が搬送され、原稿が排紙トレイに排出されて読み取りが完了する。
【0079】
一方、搬送異常判定を行わない設定のとき(S1のN)は、搬送速度を「低速」よりも速い「通常速度」に設定し、通常の搬送速度で給紙/分離動作を開始する(S13、S14)。また、原稿搬送間隔は、生産性を最大限に稼ぐため搬送動作が成立する範囲の最小間隔に設定する。
【0080】
なお、本実施形態では、MT法を用いて搬送異常判定を行っているが、サポートベクターマシン等の機械学習により、音の特徴量を正常搬送と搬送異常とに分類してもよい。給紙/分離動作時(原稿搬送開始から分離部で数枚の原稿から最上位の原稿MSだけが分離され始めるタイミングまで)の音から算出した特徴量と正解データ(正常搬送/異常搬送)とからなる学習データに基づいて機械学習させて得られた学習済みモデルを、コントローラ904のROMに格納する。コントローラ904は、学習済みモデルをROMから読み出し、読み出した学習済みモデルを用いて、算出した特徴量を正常搬送と、搬送異常に分類し、搬送異常の判定を行う。
【0081】
なお、レジスト部C、ターン部D、第1読取搬送部E、第2読取搬送部Fおよび排紙部Gの複数の搬送部の少なくとも一つに集音部としての集音マイクを配置する。そして、原稿が集音マイクの近傍を通過するときに集音を行い、集音した音に基づいて、その搬送部での搬送異常の判定を行ってもよい。この場合もその搬送部を移動するときの原稿搬送速度を低速とすることで、その搬送部で原稿にしわなどの変形が発生したときの変形音が雑音で埋もれるのを抑制できる。これにより、集音した音からその搬送部で異常搬送が起こるか否かの判定を精度よく行うことができる。
【0082】
また、上述では、シート搬送装置としてADF51に本発明を適用した例について説明したが、画像形成部1の転写紙を搬送する搬送装置に本発明を適用してもよい。例えば、送出ローラ43から搬送ローラ46までの領域や、送出ローラ43から転写紙の搬送中に停止可能なプルアウトローラとして機能するレジストローラ対33までの間の領域の所定の位置の音を集音可能なように集音マイクを配置する。そして、その位置を転写紙の先端が通過するタイミングで集音し、集音した音から異常判定を行うようにする。そして、集音実施中の転写紙の搬送速度を低速とすることで、集音した音から転写紙のしわや折れ等の変形音を良好に検出でき、転写紙の搬送異常判定を精度よく行うことができる。さらには、スイッチバック装置36や、インクジェットを用いた画像形成装置に備わるシート搬送装置にも本発明を適用することもできる。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0084】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
原稿などのシートを搬送するピックアップローラ80などの搬送部材と、シート搬送時の音を集音する集音マイク201などの集音部と、集音部が集音した音に基づいて、搬送異常が発生するか否かを判定するコントローラ904などの搬送異常判定部と、を備えたシート搬送装置において、集音部が搬送異常判定のための集音を実施しているときのシート搬送速度を、前記集音部が搬送異常判定のための集音を実施していないときのシート搬送速度よりも遅くする。
生産性を高めるためにシート搬送速度は速い方が好ましいが、シート搬送速度を速めると、搬送異常の判定には不要な振動音やモータ音などの雑音が大きくなり、シートの変形音などの異常判定に重要な異常判定音が雑音に埋もれてしまい、搬送異常の判定精度が低くなるおそれがあった。
そこで、態様1では、集音部が集音を実施しているときのシート搬送速度を、集音部が集音を実施していないときのシート搬送速度よりも遅くし、大きな雑音が集音されるのを抑えるようにした。これにより、雑音により異常判定音が埋もれるの抑制し、搬送異常の判定精度の低下を抑制することができる。
また、集音部により集音を実施している間だけシート搬送速度を落とすことで、集音を実施していないときは、速いシート搬送速度でシートを搬送できる。これにより、生産性の低下を必要最小限に抑えることができる。
【0085】
(態様2)
態様1において、集音マイク201などの集音部は、分離部よりもシート搬送方向上流側の領域などのシート搬送経路の音を集音可能な位置に配置され、シートが上記シート搬送経路を通過するときに搬送異常判定のための集音を実施する。
これによれば、実施形態で説明したように、分離部よりもシート搬送方向上流側の領域などのシート搬送経路を通過中のシートにしわや折れが発生した際の変形音を効率よく拾うことができる。また、シートが上記シート搬送経路を通過していないときは、シートの搬送速度を上げることができ、生産性の低下を必要最小限に留めることができる。
【0086】
(態様3)
態様2において、コントローラ904などの搬送異常判定部による搬送異常の判定を行うか否かを設定する本体操作部902などの設定部を有し、搬送異常の判定を行わない設定の場合の分離部よりもシート搬送方向上流側の領域などのシート搬送経路をシートが通過するときのシート搬送速度は、搬送異常の判定を行う場合のシート搬送経路をシートが通過するときのシート搬送速度よりも速い。
これによれば、搬送異常の判定を行わない場合の生産性の低下を抑制することができる。
【0087】
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、集音マイク201などの集音部は、原稿載置台53などのシートトレイに載置されたシートの給送を開始してからシートの先端が分離部を抜けるまでの間、搬送異常判定のための集音を実施する。
これによれば、実施形態で説明したように、ステイプル針やクリップにより綴じられたシートの束が分離部に搬送された際に発生する最上位のシートの折れやしわなど変形音を拾うことができる。これにより、分離部でシートの綴じられた箇所に大きな応力が加わり、破れが生じるなどシートに大ダメージが生じる前に、搬送異常を検出して、シートの搬送を停止することができる。
【0088】
(態様5)
態様4において、集音マイク201などの集音部は、分離部よりもシート搬送方向上流側に配置されている。
これによれば、実施形態で説明したように、ステイプル針やクリップにより綴じられたシートの束が分離部に搬送された際に発生する最上位のシートの折れやしわなど変形音を良好に拾うことができる。
【0089】
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、コントローラ904などの搬送異常判定部による搬送異常の判定を行うか否かを設定する本体操作部902などの設定部を有し、搬送異常の判定を行う設定のときにおける集音部が搬送異常判定のための集音を実施していないときのシート搬送速度を、搬送異常の判定を行わない設定のときのシート搬送速度と同速度とした。
これによれば、搬送異常の判定を行う設定のときにおける集音部が搬送異常判定のための集音を実施していないときのシート搬送速度を、搬送異常の判定を行わない設定のときのシート搬送速度よりも遅い場合に比べて、生産性の低下を抑えることができる。
【0090】
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、コントローラ904などの搬送異常判定部による搬送異常の判定を行うか否かを設定する本体操作部902などの設定部を有し、搬送異常の判定を行う設定のときのシート搬送間隔を、搬送異常の判定を行わない設定のときのシート搬送間隔よりも長くした。
これによれば、実施形態で説明したように、搬送異常の判定を行う設定のときのシート搬送間隔を、搬送異常の判定を行わない設定のときのシート搬送間隔と同じにした場合に比べて、以下の利点を得ることができる。すなわち、先行シートの搬送音や先行シートの搬送に伴うモータの駆動音等により搬送異常判定に重要なシートの変形音が埋もれるのを抑制でき、精度のよい搬送異常判定を行うことができるという利点である。
【0091】
(態様8)
原稿MSなどの原稿シートを搬送する原稿シート搬送部を備え、原稿シート搬送部によって原稿シートを画像読取部へ搬送する自動原稿搬送装置において、原稿シート搬送部として、態様1乃至7いずれかのシート搬送装置を用いた。
これよれば、破れなどの大ダメージが原稿シートに生じるのを抑制することができる。
【0092】
(態様9)
シートに画像を形成する画像形成装置において、態様1乃至7に記載のシート搬送装置を備える、または、態様8のADF51などの自動原稿搬送装置を備える。
これによれば、シートの大ダメージや原稿シートの大ダメージを未然に防ぐことが可能となる。
【符号の説明】
【0093】
50 :原稿読取装置
51 :ADF
52 :本体カバー
53 :原稿載置台
54 :可動原稿テーブル
55 :原稿スタック台
56 :ピックアップモータ
80 :ピックアップローラ
84 :給紙ベルト
85 :分離ローラ
86 :プルアウト従動ローラ
87 :プルアウト駆動ローラ
92 :読取出口ローラ対
93 :第2読取出口ローラ対
94 :排紙ローラ対
95 :密着型イメージセンサー
96 :第2読取ローラ
98 :給紙カバー
150 :スキャナ
151 :第1面固定読取部
152 :移動読取部
153 :画像読取センサー
154 :第1コンタクトガラス
155 :第2コンタクトガラス
191 :給紙モータ
192 :搬送モータ
194 :排紙クラッチ
201 :集音マイク(集音部)
901 :本体制御部
902 :本体操作部(設定部)
903 :読取制御部
904 :コントローラ(搬送異常判定部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】特開2019-137549号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8