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特開2024-124239ポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物の同時分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124239
(43)【公開日】2024-09-12
(54)【発明の名称】ポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物の同時分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/88 20060101AFI20240905BHJP
   G01N 30/72 20060101ALI20240905BHJP
   G01N 30/26 20060101ALI20240905BHJP
   B01J 20/281 20060101ALI20240905BHJP
   B01J 20/287 20060101ALI20240905BHJP
   B01J 20/288 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
G01N30/88 J
G01N30/72 C
G01N30/26 A
G01N30/88 H
B01J20/281 X
B01J20/287
B01J20/288
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032250
(22)【出願日】2023-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000226998
【氏名又は名称】株式会社日清製粉グループ本社
(71)【出願人】
【識別番号】597128004
【氏名又は名称】国立医薬品食品衛生研究所長
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥井 昭良
(72)【発明者】
【氏名】関 友輔
(72)【発明者】
【氏名】三浦 雄也
(72)【発明者】
【氏名】有本 千里
(72)【発明者】
【氏名】中村 公亮
(72)【発明者】
【氏名】穐山 浩
(57)【要約】
【課題】試料中のポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物を同時且つ高精度で簡便に検出し得る分析方法を提供すること。
【解決手段】本発明の分析方法は、液体クロマトグラフ-質量分析計(LC-MS)を用いた試料の分析において、該液体クロマトグラフにおけるカラムとして、担体の表面に弱陰イオン交換基及び疎水性基が個別に結合した逆相カラムを用いることを特徴とし、この特徴により、ポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物の同時分析が可能である。前記ポリペプチドはアレルゲンタンパク質、前記陰イオン性低分子化合物は亜硫酸誘導体であり得る。前記弱陰イオン交換基は第3級アミノ基、前記疎水性基はオクタデシル基が好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体クロマトグラフ-質量分析計を用いた試料の分析において、該液体クロマトグラフにおけるカラムとして、担体の表面に弱陰イオン交換基及び疎水性基が個別に結合した逆相カラムを用いる、ポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物の同時分析方法。
【請求項2】
前記ポリペプチドのアミノ酸残基数が50個以下であり、前記陰イオン性低分子化合物の重量平均分子量が1000以下である、請求項1に記載の分析方法。
【請求項3】
前記ポリペプチドがタンパク質の酵素分解によって生じたペプチドであり、前記陰イオン性低分子化合物の水中における酸乖離定数pKaが7以下である、請求項1又は2に記載の分析方法。
【請求項4】
前記ポリペプチドがアレルゲンタンパク質であり、前記陰イオン性低分子化合物が亜硫酸誘導体である、請求項1~3の何れか1項に記載の分析方法。
【請求項5】
前記弱陰イオン交換基が第3級アミノ基である、請求項1~4の何れか1項に記載の分析方法。
【請求項6】
前記疎水性基がオクタデシル基である、請求項1~5の何れか1項に記載の分析方法。
【請求項7】
前記液体クロマトグラフにおける移動相が、揮発性の酸を含有する水と有機溶媒とからなる溶液である、請求項1~6の何れか1項に記載の分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフィーを用いた複数成分の同時分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食物アレルギーは、食物を原因とする免疫応答により、皮膚炎、喘息、胃腸管機能障害、アナフィラキシーショック等の症状を引き起こす。わずかなアレルゲンの混入でも、食物アレルギーの患者にとっては危険である。そこで、食品等の試料中における微量のアレルゲンを検出可能な高感度のアレルゲン検出方法が求められている。特許文献1には、試料をタンパク質分解酵素で処理し、その酵素処理試料中の標的アレルゲン由来ポリペプチドを液体クロマトグラフィーによって検出する方法が記載されており、斯かる検出に用いる液体クロマトグラフの一例として、逆相液体クロマトグラフが記載されている。
【0003】
特許文献2には、ワイン等の、亜硫酸イオン又は酒石酸若しくはリンゴ酸等の有機酸が混在する試料中の塩化物イオン、リン酸イオン及び硫酸イオンの同時定量が可能なイオンクロマトグラフィーによる分析方法として、アセトン等のカルボニル化合物を移動相に添加し、陰イオン分析用イオンクロマトグラフィーカラムを用いる方法が記載されている。
【0004】
特許文献3には、ぶどう酒中の亜硫酸の測定方法として、分離カラムとして逆相カラムを使用して、移動相にイオンペア試薬を添加することにより、ぶどう酒中の遊離亜硫酸から導かれる安定なヒドロキシメタンスルホン酸と、ぶどう酒中のアセトアルデヒド結合亜硫酸とを相互分離せしめ、遊離亜硫酸を測定する方法が記載されている。
【0005】
特許文献4には、農作物等の被検物質の鮮度等の評価に、複数の硫黄化合物及び複数の硫黄代謝関連化合物の分析結果を利用することが記載され、その分析方法の一例として、液体クロマトグラフィー質量分析法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2018/16551号
【特許文献2】特開2008-96258号公報
【特許文献3】特開2003-75423号公報
【特許文献4】国際公開第2018/207879号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、食品の漂白、酸化防止等を目的として、食品に亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸力リウム及びピロ亜硫酸ナトリウム(以下「亜硫酸塩等」とも言う。)を添加する場合があるが、亜硫酸塩等は、摂取量によって人体にアレルギー様症状を誘発するものを含むおそれがあるため、欧米諸国では小麦や卵等のアレルゲンタンパク質と同様に、食品の包材に、該食品に亜硫酸塩等が添加されている旨を表示する義務が課せられている。このような背景の下、亜硫酸塩等についても、アレルゲンタンパク質と同様に、食品等の試料中における存在の有無を高精度で分析することが求められている。
【0008】
アレルゲンタンパク質のような、分子量が比較的大きいポリペプチド等と、亜硫酸塩等のような、分子量が比較的小さい陰イオン性低分子化合物とは、物理化学的性質が異なる。そのため、例えば、食品由来の試料について液体クロマトグラフを用いて両成分の分析を行う場合、従来は、各成分に対応した液体クロマトグラフを準備して個々に分析する手法を採用するのが通常であり、分析に多大な手間と時間を要していた。液体クロマトグラフを用いて、試料中のポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物を高精度で簡便に分析し得る技術は未だ提供されていない。
【0009】
本発明の課題は、試料中のポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物を同時且つ高精度で簡便に分析し得る分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、液体クロマトグラフ-質量分析計を用いた試料の分析において、該液体クロマトグラフにおけるカラムとして、担体の表面に弱陰イオン交換基及び疎水性基が個別に結合した逆相カラムを用いる、ポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物の同時分析方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の分析方法によれば、試料中のポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物を同時分析可能であり、両成分を単一の分析条件で同時且つ特異的に高感度で検出可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1(a)~(h)は、それぞれ、実施例1のLC-MS分析結果(クロマトグラム)である。
図2図2(a)~(h)は、それぞれ、比較例1のLC-MS分析結果(クロマトグラム)である。
図3図3(a)~(h)は、それぞれ、比較例2のLC-MS分析結果(クロマトグラム)である。
図4図4(a)~(h)は、それぞれ、参考例のLC-MS分析結果(クロマトグラム)である。
図5図5(a)~(h)は、それぞれ、対照例のLC-MS分析結果(クロマトグラム)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の分析方法は、試料中のポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物を同時分析するものである。本発明において「同時分析」とは、「一斉分析」と同義であり、典型的には、ポリペプチドに関する分析結果と、陰イオン性低分子化合物に関する分析結果とを、分析装置(例えば、液体クロマトグラフ-質量分析計)から出力される1つの結果に集約することを指す。前記「1つの結果」とは、具体的には例えば、図1に示すグラフのような、分析装置が出力するクロマトグラムである。
【0014】
本発明において「ポリペプチド」とは、複数のアミノ酸がペプチド結合により結合した化合物を指す。一般に、当該ポリペプチドを構成するアミノ酸の数(アミノ酸残基数)が10個以下程度のものを「オリゴペプチド」、10~50個程度のものを「ポリペプチド」、50個以上のものを「タンパク質」と呼称するが、本発明で言うポリペプチドは、これらの総称であり、アミノ酸残基数は2個以上であればよく、好ましくは50個以下、より好ましくは40個以下、更に好ましくは30個以下である。
【0015】
本発明において、分析対象(LC-MSにおける標的物質)のポリペプチド(標的ポリペプチド)は特に制限されず、例えば、各種組織、細胞、細菌、ウイルス等生体由来ポリペプチド;公知の合成方法により合成されたポリペプチド;公知の遺伝子工学的手法により取得されたポリペプチド;酵素により分解されることで生じたタンパク質のポリペプチド断片を含む。標的ポリペプチドの等電点、機能、構造等は特に限定されない。
【0016】
本発明の分析方法は、ポリペプチドの中でも特にアレルゲンタンパク質の分析に有用である。本発明において「アレルゲンタンパク質」とは、アレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応し、免疫応答を惹起し得る任意の免疫原性のタンパク質又はペプチドを指す。アレルゲンタンパク質の種類は特に制限されず、例えば、食物由来のアレルゲン、花粉由来のアレルゲン、ハウスダスト由来のアレルゲン、動物の体毛由来のアレルゲンが挙げられ、植物由来でもよく、動物由来でもよい。
【0017】
本発明の分析方法は食物の分析に特に有用であり、したがって、分析対象のアレルゲンタンパク質が食物アレルゲン由来である場合に特に有用である。食物アレルゲンは、植物性食物アレルゲンと動物性食物アレルゲンとに大別できる。
植物性食物アレルゲンとしては、例えば、小麦、ライ麦、大麦、オート麦、トウモロコシ、米、ソバ、キビ、アワ、ヒエ等の穀類;アーモンド、ココナッツ、落花生(ピーナッツ)、クルミ、大豆、エンドウ、インゲン、ハシバミ、ブラジルナッツ等の豆又はナッツ類;イチゴ、オレンジ、キウイ、ジャガイモ、セロリ、タマネギ、トマト、パセリ、ニンジン、ニンニク、マンゴ、メロン、リンゴ、カボチャ、グレープフルーツ、サクランボ、ナシ、サツマイモ、タケノコ、ホウレンソウ等の果物・野菜類;その他ゴマ、マスタードが例示できる。
動物性食物アレルゲンとしては、例えば、エビ、カニ等の甲殻類;サケ、サバ、アワビ、イカ等の魚類;牛肉、豚肉、鶏肉等の畜肉類;牛乳、鶏卵等が例示できる。
【0018】
本発明において「陰イオン性低分子化合物」とは、陰イオン性を有する、すなわち水中で解離して負電荷を帯びる化合物であって、且つ低分子であるものを指す。ここで言う「低分子」とは、具体的には、当該化合物の重量平均分子量が、好ましくは1000以下、より好ましくは700以下、更に好ましくは500以下であることを指す。
陰イオン性低分子化合物の水中における酸乖離定数pKaは、本発明の分析方法において液体クロマトグラフの移動相として、揮発性の酸を含有する移動相を使用した際に、弱陰イオン交換基を有するカラムに対して保持を良好にする観点から、好ましくは7以下、より好ましくは6以下である。
【0019】
本発明において、分析対象(LC-MSにおける標的物質)の陰イオン性低分子化合物(標的陰イオン性低分子化合物)の具体例として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、ピロ亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム等の亜硫酸誘導体;グリホサート(Glyphosate)、N-アセチルグリホサート(N-Acetyl Glyphosate)、グルホシネート(Glufosinate)、N-アセチルグルホシネート(N-Acetyl Glyphosate)、AMPA(Aminomethylphosphonic acid)、N-アセチルAMPA(N-Acetyl Aminomethylphosphonic acid)、MPPA(3-Methylphosphinicopropionic acid)、HEPA(3-Methylphosphinicopropionic acid)、エテホン(Ethephone)等の農薬及びそれらの代謝物、エリソルビン酸ナトリウム、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸が挙げられる。これらの陰イオン性低分子化合物は何れも食品又は食材に使用され得る。具体的には、亜硫酸誘導体の一種である亜硫酸塩等は食品の漂白剤、酸化防止剤として使用され、グリホサート、グルホシネート等は除草剤として使用され、エリソルビン酸ナトリウムは食品の酸化防止剤として使用され、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸は食品の保存料として使用され得る。亜硫酸塩等は食品中で遊離の亜硫酸として存在する他、食品中の成分と結合した亜硫酸誘導体等としても存在し得るところ、本発明の分析方法によれば、何れの形態であってもその含有量を高精度で簡便に分析できる。
【0020】
本発明の分析方法において、分析対象物は特に制限されず、例えば、食品、化粧品、医薬品;これらの原材料;これらの製造工程で使用する機器類が挙げられる。
本発明の分析方法では、分析対象物をそのまま試料としてもよく、分析対象物に前処理を施したものを試料としてもよい。前記前処理としては、例えば、粉砕、溶解、懸濁、抽出が挙げられ、これらうちの複数を組み合わせてもよい。
分析対象物が機器類の場合、該機器類を液体で洗浄して発生した洗浄液、又は該洗浄液に前記前処理を施したものを試料としてもよい。あるいは、分析対象の機器類の表面を紙や布帛等のシートで擦り、その擦った後のシートに必要に応じ前記前処理物を施したものを試料としてもよい。
【0021】
本発明の分析方法においては、調製した試料をタンパク質分解酵素で処理してもよい。すなわち本発明では、分析対象(LC-MSにおける標的物質)のポリペプチド(標的ポリペプチド)は、タンパク質の酵素分解によって生じたペプチドであってもよい。前記タンパク分解酵素の具体例として、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、テルモリシンなどが挙げられ、好ましくはトリプシンである。試料の酵素処理の条件は、酵素の種類に応じて適宜選択すればよいが、例えばトリプシンの場合、酵素濃度1000~20000U、25~45℃、pH7~9程度で4~24時間が好ましい。
試料中に標的ポリペプチドが含まれている場合、酵素処理後の該試料に含まれるポリペプチドは、該標的ポリペプチドに比べてアミノ酸残基数が少ないものの、該標的ポリペプチドに由来するポリペプチドである。一方、試料中に標的ポリペプチドが含まれていない場合、酵素処理後の該試料は、該標的ポリペプチドに由来するポリペプチドを含まない。したがって、タンパク分解酵素で処理した試料中における標的ポリペプチドの存在の有無を検出することにより、該試料中における標的ポリペプチドの存在の有無を判定することができる。この点に関し、特許文献1には、そば、甲殻類(カニ、エビ)、乳、卵及び落花生等の食物アレルゲンについて、特定のアミノ酸配列を検出することで当該食物アレルゲンを高感度に検出できることが開示されている。本発明では、斯かる特許文献1の開示技術(アレルゲン検出方法)を適宜利用することができる。
【0022】
本発明の分析方法は、液体クロマトグラフ(liquid chromatograph;LC)-質量分析計(mass spectrometer;MS)(以下、「LC-MS」とも言う。)を用いるものである。
LC-MSは、試料の成分分離を行うLC部と、該LC部による分離後の成分検出を行うMS部とが結合したものである。LC-MSは更に、MS部による検出結果を処理する手段として、データ処理部及び記録部を備えていてもよい。
【0023】
LC部は、典型的には、試料中の成分を分離するカラムと、該カラムに移動相を送液するポンプと、該ポンプから送液された移動相を該カラムに導入する試料導入装置とを備える。LC部としては、高速液体クロマトグラフ(HPLC)が好ましい。
【0024】
MS部は、典型的には、成分をイオン化するイオン源と、質量/電荷比(m/z)の違いに応じてイオンを分離する質量分離部と、分離されたイオンを検出するイオン検出部とを備える。
成分のイオン化法としては、LC-MSで従来使用されている方法を特に制限無く用いることができ、例えば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法、大気圧化学イオン化(APCI)法が挙げられる。
前記質量分離部としては、従来公知のものを特に制限無く用いることができ、例えば、扇形磁場型、四重極型、飛行時間型が挙げられる。前記質量分離部は、同じ形式の質量分離部が複数連結されたタンデム型でもよく、異なる形式の質量分離部が複数連結されたハイブリット型でもよい。タンデム型質量分離部の具体例として、タンデム四重極(MS/MS)型、タンデム飛行時間(TOF/TOF)型が挙げられる。ハイブリット型質量分離部の具体例として、四重極・飛行時間(MS/TOF)型、イオントラップ・飛行時間(IT/TOF)型、四重極イオンサイクロトロン共鳴(MS/ICR)型が挙げられる。
MS部による質量分析では、LC部で分離された標的物質(ポリペプチド、陰イオン性低分子化合物)は、前記質量分離部にて、質量/電荷比(m/z)に従って分離されるので、標的物質のm/z値を予めデータベース化しておくことにより、標的物質のプリカーサーイオン及びプロダクトイオンのm/zの測定値に基づいて、試料中における標的物質の有無を検出することができる。
MS部による質量分析の測定モードとしては、測定精度(S/N比)が高く且つ複数種類の標的物質を一度に検出可能であることから、多重反応モニタリング(Multiple Reaction Monitoring;MRM)が好ましい。
【0025】
例えば、タンデム四重極型の質量分離部を備えたLC-MS/MSを用いた試料の分析では、LC部にて、試料を親和性の差によって成分毎に分離した後、MS部が備える第1の質量分離部にて、特定の質量の成分のみを更に解離・フラグメント化し、更に、MS部が備える第2の質量分離部にて、特定のイオンを検出(定量)する。
【0026】
本発明の分析方法は、液体クロマトグラフにおけるカラム、すなわちLC-MSのLC部を構成するカラムとして、担体の表面に弱陰イオン交換基及び疎水性基が個別に結合した逆相カラムを用いる点で特徴付けられる。すなわち本発明で用いる逆相カラムは、担体と、該担体の表面に結合した弱陰イオン交換基及び疎水性基とを含むところ、両官能基はそれぞれが担体の表面に結合しており、後述する比較例2のカラムのように、両官能基のうちの一方が担体の表面に結合し、該一方の官能基に他方の官能基が結合していない。斯かる特定の逆相カラムを用いてLC-MS分析を行うことで、試料中のポリペプチド及び陰イオン性低分子化合物の同時分析が可能となる。
【0027】
本発明で用いる逆相カラムが有する弱陰イオン交換基としては、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基が挙げられる。これらの中でも特に第3級アミノ基は、標的物質(陰イオン性低分子化合物)を十分に保持し、LC-MS分析に適した低い塩濃度の溶液でカラムから溶出できるため、逆相カラムの弱陰イオン交換基として好ましい。第3級アミノ基の具体例として、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などが挙げられる。
【0028】
本発明で用いる逆相カラムが有する疎水性基としては、例えば、オクタデシル基、オクチル基、エチル基、メチル基、ドコシル基、トリアコンチル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基が挙げられる。これらの中でも特にオクタデシル基は、標的物質(ポリペプチド)を十分保持し、有機溶媒濃度に応じて良好な分離及び溶出ができるため、逆相カラムの疎水性基として好ましい。
【0029】
本発明で用いる逆相カラムは、典型的には、固定相と、該固定相が充填された容器とを含み、該固定相が、前記担体と、該担体の表面に個別に結合した弱陰イオン交換基及び疎水性基とを含む。
前記担体としては、逆相カラムの担体として従来使用されているものを特に制限無く用いることができ、例えば、シリカゲル、アルミナ、ポーラスガラス、炭素粒等の無機多孔質担体;ポリスチレンゲル、ポリ(メタ)アクリル酸ゲル、ポリビニルアルコールゲル等のポリマーゲル(有機多孔質担体)が挙げられる。
前記担体の体積平均粒子径は、好ましくは1~10 μm、より好ましくは1.5~7μmである。
【0030】
本発明では、市販の逆相カラムを用いることもできる。好適な市販の逆相カラムとして、商品名「InertSustain AX-C18」(ジーエルサイエンス株式会社製)、商品名「Atlantis Premier BEH C18 AX」(ウォーターズコーポレーション製)等が挙げられる。
【0031】
液体クロマトグラフにおける移動相(溶離液)としては、試料から標的物質(ポリペプチド、陰イオン性低分子化合物)を分離できるものであればよく、特に制限されないが、陰イオン性低分子化合物の溶出、標的物質の検出感度の向上の観点から、揮発性の酸を含有する水と有機溶媒とからなる溶液が好ましい。
【0032】
前記「揮発性の酸」としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にギ酸が好ましい。
前記「揮発性の酸を含有する水」のpHは特に制限されないが、標的物質(ポリペプチド、陰イオン性低分子化合物)の保持及び分離、検出感度の向上の観点から、好ましくは5以下、より好ましくは1.5~4.5である。
前記「揮発性の酸を含有する水」における該揮発性の酸の含有量は、該水の全質量に対して、好ましくは0.01~5質量%、より好ましくは0.05~2質量%である。
【0033】
前記「揮発性の酸を含有する水」とともに前記グラジエント溶液を構成する有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフランなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にアセトニトリルが好ましい。
前記有機溶媒には前記「揮発性の酸」を含有させてもよい。すなわち、前記グラジエント溶液を構成する有機溶媒として、「揮発性の酸を含有する有機溶媒」を用いることができる。前記「揮発性の酸を含有する有機溶媒」における該揮発性の酸の含有量は、該有機溶媒の全質量に対して、好ましくは0.01~5質量%、より好ましくは0.05~2質量%である。
【0034】
前記グラジエント溶液における、揮発性の酸を含有する水(A)と有機溶媒(B)との含有体積比は、A:Bとして、好ましくは100:0~0:100、より好ましくは99:1~1:99である。
【0035】
前記グラジエント溶液には、必要に応じ、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の揮発性塩類の1種以上を添加してもよい。これにより、標的物質(ポリペプチド、陰イオン性低分子化合物)の一部においてピーク形状の改善及び検出感度の向上という効果が奏される。前記グラジエント溶液における前記揮発性塩類の濃度は、好ましくは0.1~100mM程度である。
なお、特許文献3では、移動相に、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のイオンペア試薬を添加することで試料(ぶどう酒)中の亜硫酸の検出感度を向上せしめているが、本発明では、移動相にイオンペア試薬を添加する必要はない。
【実施例0036】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
(試薬)
・アセトニトリル(富士フイルム和光純薬株式会社、特級、HPLC用)
・メタノール(富士フイルム和光純薬株式会社、特級、HPLC用)
・トリプシン(Sigma-Aldrich Co. LLC、ブタ膵臓由来、Bio Reagent)
・ヨードアセトアミド(IAA)(Sigma-Aldrich Co. LLC、Bio Ultra)
・ジチオスレイトール(DTT)(Sigma-Aldrich Co. LLC、分子生物学用)
・尿素(富士フイルム和光純薬株式会社、分子生物学用)
・トリフルオロ酢酸(TFA)(純正化学株式会社、特級)
・ギ酸(富士フイルム和光純薬株式会社、LC-MS用)
・トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)(富士フイルム和光純薬株式会社、生化学用)
・炭酸水素アンモニウム(富士フイルム和光純薬株式会社、プロテオミクス用)
・酢酸アンモニウム(純正化学株式会社、特級)
・ホルムアルデヒド(純正化学株式会社、特級)
・亜硫酸水素ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社、分子生物学用)
【0038】
(緩衝液)
・緩衝液A:0.1MDTT、4M尿素含有_0.1MTris-HCl緩衝液(pH8.2)
・緩衝液B:0.2質量%ホルムアルデヒド含有_5mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.5)
【0039】
(分析対象食品の調製)
7種類の食物アレルゲン(エビ、小麦粉、そば粉、鶏卵、牛乳、落花生、くるみ)それぞれに緩衝液Aを加えて、7種類のアレルゲンタンパク質を抽出した。別途用意したアレルゲン非含有カレールー(食品)に、前記7種類のアレルゲンタンパク質を、最終的に得られる分析対象食品における各該アレルゲンタンパク質の濃度が10μg/gとなるように添加するとともに、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を、最終的に得られる分析対象食品における二酸化硫黄の濃度が10μg/gとなるように添加し、7種類のアレルゲンタンパク質と亜硫酸とを含有する分析対象食品を調製した。
【0040】
(試料の調製)
前記分析対象食品を用いて下記方法により、前記7種類のアレルゲンタンパク質由来ポリペプチドを含有する試料前駆体Aと、亜硫酸誘導体の一種であるヒドロキシメタンスルホン酸(陰イオン性低分子化合物)を含有する試料前駆体Bとを調製し、両前駆体A及びBを混合質量比が前者:後者=1:1となるように混合して、試料を調製した。調製した試料は、ポリプロピレン製バイアルに分注し、後述するLC-MSによる分析に供した。
試料中のポリペプチドは、タンパク質の酵素分解によって生じたペプチドで、そのアミノ酸残基数は8~13個であった。また、試料中の陰イオン性低分子化合物は、重量平均分子量が112、水中における酸乖離定数pKaが6.9であった。
【0041】
(試料前駆体Aの調製)
前記分析対象食品1.0gを15mLコニカルチューブに採取し、緩衝液Aを10mL加えて37℃で3時間振とう抽出し、遠心分離(2000×g、5分間)後の上清をタンパク質抽出液とした。前記タンパク質抽出液1mLを別のコニカルチューブに採取し、50mM炭酸水素アンモニウム溶液4mL、4%IAA溶液200μLを加えて遮光下で37℃、1時間振とうしてタンパク質中の遊離チオール基をアルキル化処理した。反応後の溶液に更に1質量%トリプシン溶液100μLを加えて37℃で16時間振とうし、タンパク質の分解を行った。タンパク質分解後の溶液にTFA50μLを加えてトリプシンを失活させた。トリプシン失活後の溶液を遠心分離(2000×g、5分間)にかけ、遠心分離後の上清を採取し、のちの脱塩・精製工程に用いた。前記脱塩・精製工程では、固相抽出カラムにOASIS HLB(60mg、3mL、Waters社製)を用い、メタノール5mL及び水5mLでコンディショニングを行った。コンディショニング後の前記カラムに、遠心分離後の上清を全量添加し、0.5質量%TFA溶液8mLで洗浄後、70質量%アセトニトリル溶液6mLで溶出を行った。溶出後の溶液の全量をナシフラスコに採取し、ロータリーエバポレーターで乾固後、0.1質量%ギ酸含有、5質量%アセトニトリル溶液1mLで再溶解させ、フィルター(ポアサイズ0.22μm)でろ過して、試料前駆体Aを調製した。
【0042】
(試料前駆体Bの調製)
前記分析対象食品1.0gを15mLコニカルチューブに採取し、緩衝液Bを10mL加えて室温(25℃付近)で1時間振とう抽出し、遠心分離(2000×g、5分間)後の上清を亜硫酸抽出液とした。前記亜硫酸抽出液2mLをネジ付きガラス試験管に採取して80℃のアルミブロック上で30分間加熱し、亜硫酸とホルムアルデヒドとを反応させ、ヒドロキシメタンスルホン酸(亜硫酸誘導体)を生成させた。加熱後の溶液を室温に冷却後、緩衝液Bで10倍希釈した後、フィルター(ポアサイズ0.22μm)でろ過して、試料前駆体Bを調製した。
【0043】
〔実施例1〕
タンデム四重極型質量分析計(LC-MS/MS)を用いて前記試料中のアレルゲンタンパク質由来ポリペプチド及び亜硫酸誘導体(ヒドロキシメタンスルホン酸)の同時分析を行った。実施例1の分析条件は以下のとおりである。実施例1の分析結果(クロマトグラム)を図1に示す。
(実施例1の分析条件)
(1)LC-MSの装置構成
・LC部:HPLC、商品名「NexeraX2」(株式会社島津製作所製)
・MS部:MS/MS(タンデム四重極型質量分析計)、商品名「LC-MS8060」(株式会社島津製作所製)
(2)HPLC条件
・カラム:第3級アミノ基(弱陰イオン交換基)及びオクタデシル基(疎水性基)を有する逆相のミックスモードカラム、商品名「InertSustain AX-C18」(体積平均粒子径3μm、内径2.1mm、長さ150mm、ジーエルサイエンス株式会社製)
・カラムオーブン温度:50℃
・移動相流量:0.3mL
・移動相:ギ酸濃度0.1質量%のギ酸水溶液(A)とギ酸濃度0.1質量%のアセトニトリル(B)とのグラジエント溶液
・移動相グラジエント条件:カラムに対し、まず、含有体積比A:B=99:1の移動相を測定開始後4分まで供給し、次に、測定開始後16.5分までに含有体積比A:B=40:60となるよう移動相Bの割合を増加させながら供給し、次に、測定開始後20分までに含有体積比A:B=5:95となるよう移動相Bの割合を増加させながら供給し、次に、含有体積比A:B=5:95の移動相を測定開始後25分まで供給し、最後に、含有体積比A:B=99:1の移動相を測定開始後30分まで供給した。
(3)質量分析条件
・イオン化法:ESI法
・極性:標的物質がポリペプチドの場合はポジティブ、標的物質が陰イオン性低分子化合物の場合はネガティブ
・インターフェイス電圧:標的物質がポリペプチドの場合は4.5kV、標的物質が陰イオン性低分子化合物の場合は-1.2kV
・インターフェイス温度:300℃
・DL温度:250℃
・ヒートブロック温度:400℃
・ネブライザーガス流量:3L/分
・ヒーティングガス流量:10L/分
・ドライイングガス流量:10L/分
・測定モード:MRM
・MRMトランジション:下記表1を参照
【0044】
【表1】
【0045】
〔比較例1〕
HPLCのカラムとして、シリカゲル表面にポジティブチャージを有し、オクタデシル基を有するカラム(商品名「bioZen Peptide PS-C18」、フェノメネックス社製)を用いた。比較例1で用いたカラムは、弱陰イオン交換基を有しない点で、弱陰イオン交換基(第3級アミノ基)を有する実施例1のカラムと異なる。以上の点以外は実施例1と同様にして、前記試料中のアレルゲンタンパク質由来ポリペプチド及び亜硫酸誘導体(ヒドロキシメタンスルホン酸)の同時分析を行った。比較例1の分析結果(クロマトグラム)を図2に示す。
【0046】
〔比較例2〕
HPLCのカラムとして、オクタデシル基の末端に第3級アミノ基が結合した官能基を有するカラム(商品名「Acclaim MixedMode WAX-1」、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いた。比較例2で用いたカラムは、弱陰イオン交換基(第3級アミノ基)及び疎水性基(オクタデシル基)を有しているものの、疎水性基の末端に更に弱陰イオン交換基が結合した官能基が担体(シリカゲル)と結合している点で、両官能基が担体の表面に個別に結合している実施例1のカラムと異なる。以上の点以外は実施例1と同様にして、前記試料中のアレルゲンタンパク質由来ポリペプチド及び亜硫酸誘導体(ヒドロキシメタンスルホン酸)の同時分析を行った。比較例2の分析結果(クロマトグラム)を図3に示す。
【0047】
〔参考例〕
HPLCのカラムとして、弱陽イオン交換基、弱陰イオン交換基及びオクタデシル基(疎水性基)を有する逆相のトリプルミックスモードカラム(商品名「Scherzo SM-C18MF」、インタクト株式会社製)を用いた。参考例で用いたカラムは、弱陽イオン交換基を有する点で、これを有しない実施例1のカラムと異なる。以上の点以外は実施例1と同様にして、前記試料中のアレルゲンタンパク質由来ポリペプチド及び亜硫酸誘導体(ヒドロキシメタンスルホン酸)の同時分析を行った。参考例の分析結果(クロマトグラム)を図4に示す。
【0048】
〔対照例〕
前記(分析対象食品の調製)で用いたアレルゲン非含有カレールーをそのまま試料として用いた以外は実施例1と同様にして分析を行った。対照例の分析結果(クロマトグラム)を図5に示す。
【0049】
図1~5中、(a)は甲殻類(具体的にはエビ)アレルゲン由来ポリペプチドについてのクロマトグラム、(b)は小麦(具体的には小麦粉)アレルゲン由来ポリペプチドについてのクロマトグラム、(c)はそば(具体的にはそば粉)アレルゲン由来ポリペプチドについてのクロマトグラム、(d)は卵(具体的には鶏卵)アレルゲン由来ポリペプチドについてのクロマトグラム、(e)は乳(具体的には牛乳)アレルゲン由来ポリペプチドについてのクロマトグラム、(f)はくるみアレルゲン由来ポリペプチドについてのクロマトグラム、(g)は亜硫酸誘導体の一種であるヒドロキシメタンスルホン酸についてのクロマトグラムである。
実施例1の分析方法は、図1(a)~(h)に示すとおり、全ての標的物質を高精度で検出できており、試料中のポリペプチド及び亜硫酸誘導体の同時分析に適したものであることがわかる。
比較例1の分析方法は、亜硫酸誘導体は良好に検出することができたが(図2(h)参照)、アレルゲンタンパク質由来ポリペプチドの一部を保持することができず(図2(b)、(d)、(g)参照)、試料中のポリペプチド及び亜硫酸誘導体の同時分析には不適であることがわかる。
比較例2の分析方法は、図3(a)~(h)に示すとおり、アレルゲンタンパク質由来ポリペプチド及び亜硫酸誘導体のどちらも保持することができず、両成分の同時分析に不適であることがわかる。
参考例の分析方法は、亜硫酸誘導体は良好に検出することができたが(図4(h)参照)、アレルゲンタンパク質由来ポリペプチドの保持ができないか又はピークのテーリングが著しく(図4(a)~(g)参照)、両成分の同時分析に不適であることがわかる。参考例の分析方法は、揮発性の酸を含有する酸性の移動相に対し、カラムとして、弱陰イオン交換基及びオクタデシル基に加えて更に弱陽イオン交換基を有するものを使用したため、このような結果になったものと推察される。使用する移動相次第では、参考例で用いたカラムでも両成分の同時分析は可能であると推察される。
図1
図2
図3
図4
図5