(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124675
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ウレタンフォーム形成性組成物、ウレタンフォーム及びウレタンフォーム形成用ポリオール組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20240906BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20240906BHJP
【FI】
C08G18/00 L
C08G101:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032515
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】公益財団法人相模中央化学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100211018
【弁理士】
【氏名又は名称】財部 俊正
(72)【発明者】
【氏名】宮山 昌大
(72)【発明者】
【氏名】小柳 哲平
(72)【発明者】
【氏名】須藤 幸徳
(72)【発明者】
【氏名】小林 修
(72)【発明者】
【氏名】布川 真理奈
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034BA07
4J034CA03
4J034CA04
4J034CB03
4J034DA01
4J034DB03
4J034DB07
4J034DF01
4J034DF02
4J034DF15
4J034DF16
4J034DG03
4J034DG04
4J034DG06
4J034DH05
4J034DH07
4J034DM06
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC12
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034KA01
4J034KA04
4J034KC18
4J034KD12
4J034KE02
4J034LA12
4J034NA01
4J034NA02
4J034NA03
4J034NA05
4J034NA06
4J034NA07
4J034NA08
4J034QC01
4J034RA03
4J034RA10
4J034RA12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アルデヒド類の揮発量が極めて少ないウレタンフォームの形成に資するウレタンフォーム形成性組成物を提供すること。
【解決手段】ポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)と、下記式(1-1)で表される第一の構造単位と下記式(1-2)で表される第二の構造単位とを含むポリシロキサン化合物からなるアルデヒド捕捉剤(C)と、を含む、ウレタンフォーム形成性組成物。
[R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又はヒドロキシ基を表し、Qは、炭素数1~20のアルキレン基を表す。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール成分(A)と、
ポリイソシアネート成分(B)と、
下記式(1-1)で表される第一の構造単位と下記式(1-2)で表される第二の構造単位とを含むポリシロキサン化合物からなるアルデヒド捕捉剤(C)と、
を含む、ウレタンフォーム形成性組成物。
【化1】
【化2】
[式中、
R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又はヒドロキシ基を表す。
Qは、炭素数1~20のアルキレン基(但し、当該アルキレン基は、炭素-炭素原子間の少なくとも一部に-O-、-(C=O)O-、-O(C=O)-、-O(C=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-(C=O)-、-CH=CH-及び-C≡C-からなる群より選択される二価の基が挿入されていてもよく、水素原子の少なくとも一部が炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。]
【請求項2】
前記ポリオール成分(A)を含有する第一液と、
前記ポリイソシアネート成分(B)を含有する第二液と、
を含み、
前記第一液及び前記第二液のうち少なくとも一方が前記アルデヒド捕捉剤(C)を含有する、請求項1に記載のウレタンフォーム形成性組成物。
【請求項3】
前記ポリオール成分(A)を含有する第一液と、
前記ポリイソシアネート成分(B)を含有する第二液と、
前記アルデヒド捕捉剤(C)を含有する第三液と、
を含む、請求項1に記載のウレタンフォーム形成性組成物。
【請求項4】
前記R1、前記R2及び前記R3がそれぞれ独立に、メチル基、炭素数1~3のアルコキシ基又はヒドロキシ基である、請求項1に記載のウレタンフォーム形成性組成物。
【請求項5】
前記アルデヒド捕捉剤(C)の含有量が、前記ポリオール成分(A)及び前記ポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下である、請求項1に記載のウレタンフォーム形成性組成物。
【請求項6】
触媒(D)、整泡剤(E)及び発泡剤(F)を更に含む、請求項1に記載のウレタンフォーム形成性組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のウレタンフォーム形成性組成物の発泡硬化物である、ウレタンフォーム。
【請求項8】
軟質ウレタンフォームである、請求項7に記載のウレタンフォーム。
【請求項9】
硬質又は半硬質ウレタンフォームである、請求項7に記載のウレタンフォーム。
【請求項10】
ポリオール成分(A)と、
下記式(1-1)で表される第一の構造単位と下記式(1-2)で表される第二の構造単位とを含むポリシロキサン化合物からなるアルデヒド捕捉剤(C)と、
を含む、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物。
【化3】
【化4】
[式中、
R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又はヒドロキシ基を表す。
Qは、炭素数1~20のアルキレン基(但し、当該アルキレン基は、炭素-炭素原子間の少なくとも一部に-O-、-(C=O)O-、-O(C=O)-、-O(C=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-(C=O)-、-CH=CH-及び-C≡C-からなる群より選択される二価の基が挿入されていてもよく、水素原子の少なくとも一部が炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。]
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタンフォーム形成性組成物、ウレタンフォーム及びウレタンフォーム形成用ポリオール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ウレタンフォームは、生活用品、自動車用材料、衣類、スポーツ・レジャー用品、衣料用材料、土木建築材料等、広範囲に使用されている。このような分野の中でも、シートクッション、表皮裏打ち材、床天井等の吸音・制振材、ハンドル等の自動車用材料、寝具、ソファー等の生活用品、断熱材等の土木建築材料などにおいて、室内環境改善の観点から各材料のVOC(揮発性有機化合物)及び臭気の低減が求められている。VOCの中でも特にアルデヒド類は、化学物質過敏症を引き起こす原因であると共に、臭気要因の一つであるため、低減が求められている。
【0003】
ウレタンフォームから発生するアルデヒド類を低減する方法として、アルデヒド捕捉剤への注目が高まっている。特許文献1は、尿素化合物、アミノ酸、多価フェノール等のアルデヒド捕捉剤を含む、軟質ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のポリオール組成物でウレタンフォームを形成した場合、ウレタンフォームの形成過程において、主成分の一つであるイソシアネートとアルデヒド捕捉剤とが反応してしまい、アルデヒド類を十分に低減できない場合があった。
【0006】
本開示の一態様は、アルデヒド類の揮発量が極めて少ないウレタンフォームの形成に資するウレタンフォーム形成性組成物を提供することに向けられている。また、本開示の他の一態様は、アルデヒド類の揮発量が極めて少ないウレタンフォームを提供することに向けられている。また、本開示の更に他の一態様は、アルデヒド類の揮発量が極めて少ないウレタンフォームの形成に資するウレタンフォーム形成用ポリオール組成物を提供することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、例えば、以下の[1]~[10]に関する。
[1]
ポリオール成分(A)と、
ポリイソシアネート成分(B)と、
下記式(1-1)で表される第一の構造単位と下記式(1-2)で表される第二の構造単位とを含むポリシロキサン化合物からなるアルデヒド捕捉剤(C)と、
を含む、ウレタンフォーム形成性組成物。
【化1】
【化2】
[式中、
R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又はヒドロキシ基を表す。
Qは、炭素数1~20のアルキレン基(但し、当該アルキレン基は、炭素-炭素原子間の少なくとも一部に-O-、-(C=O)O-、-O(C=O)-、-O(C=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-(C=O)-、-CH=CH-及び-C≡C-からなる群より選択される二価の基が挿入されていてもよく、水素原子の少なくとも一部が炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。]
[2]
前記ポリオール成分(A)を含有する第一液と、
前記ポリイソシアネート成分(B)を含有する第二液と、
を含み、
前記第一液及び前記第二液のうち少なくとも一方が前記アルデヒド捕捉剤(C)を含有する、[1]に記載のウレタンフォーム形成性組成物。
[3]
前記ポリオール成分(A)を含有する第一液と、
前記ポリイソシアネート成分(B)を含有する第二液と、
前記アルデヒド捕捉剤(C)を含有する第三液と、
を含む、[1]に記載のウレタンフォーム形成性組成物。
[4]
前記R
1、前記R
2及び前記R
3がそれぞれ独立に、メチル基、炭素数1~3のアルコキシ基又はヒドロキシ基である、[1]~[3]のいずれか一つに記載のウレタンフォーム形成性組成物。
[5]
前記アルデヒド捕捉剤(C)の含有量が、前記ポリオール成分(A)及び前記ポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下である、[1]~[4]のいずれか一つに記載のウレタンフォーム形成性組成物。
[6]
触媒(D)、整泡剤(E)及び発泡剤(F)を更に含む、[1]~[5]のいずれか一つに記載のウレタンフォーム形成性組成物。
[7]
[1]~[6]のいずれか一つに記載のウレタンフォーム形成性組成物の発泡硬化物である、ウレタンフォーム。
[8]
軟質ウレタンフォームである、[7]に記載のウレタンフォーム。
[9]
硬質又は半硬質ウレタンフォームである、[7]に記載のウレタンフォーム。
[10]
ポリオール成分(A)と、
下記式(1-1)で表される第一の構造単位と下記式(1-2)で表される第二の構造単位とを含むポリシロキサン化合物からなるアルデヒド捕捉剤(C)と、
を含む、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物。
【化3】
【化4】
[式中、
R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又はヒドロキシ基を表す。
Qは、炭素数1~20のアルキレン基(但し、当該アルキレン基は、炭素-炭素原子間の少なくとも一部に-O-、-(C=O)O-、-O(C=O)-、-O(C=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-(C=O)-、-CH=CH-及び-C≡C-からなる群より選択される二価の基が挿入されていてもよく、水素原子の少なくとも一部が炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。]
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、アルデヒド類の揮発量が極めて少ないウレタンフォームの形成に資するウレタンフォーム形成性組成物が提供される。また、本開示の他の一態様は、アルデヒド類の揮発量が極めて少ないウレタンフォームが提供される。また、本開示の更に他の一態様によれば、アルデヒド類の揮発量が極めて少ないウレタンフォームの形成に資するウレタンフォーム形成用ポリオール組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の各態様を実施するための例示的な実施形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されない。
【0010】
<ウレタンフォーム形成性組成物>
本実施形態のウレタンフォーム形成性組成物は、ポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)と、式(1-1)で表される第一の構造単位及び式(1-2)で表される第二の構造単位を含むポリシロキサン化合物からなるアルデヒド捕捉剤(C)と、を含む。
【化5】
【化6】
[式中、
R
1、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又はヒドロキシ基を表す。
Qは、炭素数1~20のアルキレン基(但し、当該アルキレン基は、炭素-炭素原子間の少なくとも一部に-O-、-(C=O)O-、-O(C=O)-、-O(C=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-(C=O)-、-CH=CH-及び-C≡C-からなる群より選択される二価の基が挿入されていてもよく、水素原子の少なくとも一部が炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。]
【0011】
ウレタンフォーム形成性組成物は、触媒(D)、整泡剤(E)及び発泡剤(F)を更に含んでいてもよい。
【0012】
ウレタンフォーム形成性組成物は、各成分が1つになった一液型であってもよく、二液型、三液型等の多液型であってもよい。
【0013】
・ポリオール成分(A)
ポリオール成分(A)は、複数のヒドロキシ基を有し、ポリイソシアネート成分(B)と重付加してウレタンを形成する成分である。
【0014】
ポリオール成分(A)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、ポリマーポリオール、ハロゲン含有ポリオール、リン含有ポリオール、フェノールベースポリオール等が挙げられる。ポリオール成分(A)は、一種を単独で用いてよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリ(オキシエチレン)ポリオール、ポリ(オキシプロピレン)ポリオール、ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)等が挙げられる。
【0016】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、重縮合型ポリエステル系ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール等が挙げられる。重縮合型ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、アジピン酸とジオールとの共重合体であるポリエステルポリオール等が挙げられる。ラクトン系ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。
【0017】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、短鎖ジオール、短鎖トリオール等の低分子ポリオールと、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等の低分子カーボネートと、の脱アルコール反応又は脱フェノール反応により得られるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0018】
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ヒドロキシ基を2個有するポリオレフィン、好ましくは両末端にヒドロキシ基を有するポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンは、例えば、ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等であってもよい。
【0019】
動植物ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ポリオール、絹フィブロイン等が挙げられる。
【0020】
ポリマーポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体(例えばブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等)とをラジカル重合触媒の存在下に反応させたポリマーポリオール等が挙げられる。
【0021】
ハロゲン含有ポリオールとしては、例えば、エピクロロヒドリン、トリクロロブチレンオキシド等を開環重合して得られるポリオール、ハロゲン化した多価アルコールにアルキレンオキシドを付加重合させて得られるポリオール等が挙げられる。
【0022】
リン含有ポリオールとしては、例えば、リン酸、亜リン酸、有機リン酸等にアルキレンオキシドを付加重合させたもの、ポリヒドロキシプロピルホスフィンオキシドにアルキレンオキシドを付加重合させたもの等が挙げられる。
【0023】
フェノールベースポリオールとしては、例えばフェノールとホルマリンとから得られるノボラック樹脂又はレゾール樹脂にアルキレンオキシドを付加重合させたポリオール、フェノール類とアルカノールアミンとホルマリンとの反応物にアルキレンオキシドを付加重合させたマンニッヒベースポリオール等が挙げられる。
【0024】
ポリオール成分としては、鎖延長剤として機能する低分子ポリオールも例示できる。低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンポリオール類、等が挙げられる。
【0025】
なお、鎖延長剤として機能する成分としては、他に、エチレンジアミン、キシレンジアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン等のポリアミン類も挙げられ、これらをポリオール成分と併用してもよい。
【0026】
・ポリイソシアネート成分(B)
ポリイソシアネート成分(B)は、複数のイソシアネート基を有し、ポリオール成分(A)と重付加してウレタンを形成する成分である。
【0027】
ポリイソシアネート成分(B)としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン変性体、ウレア変性体、アロファネート変性体、ヌレート変性体、ビュウレット変性体等)等が挙げられる。ポリイソシアネート成分(B)は、一種を単独で用いてよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
・アルデヒド捕捉剤(C)
アルデヒド捕捉剤(C)は、式(1-1)で表される第一の構造単位と式(1-2)で表される第二の構造単位とを含むポリシロキサン化合物である。
【化7】
【化8】
【0029】
式(1-1)及び式(1-2)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基又はヒドロキシ基を表す。Qは、炭素数1~20のアルキレン基(但し、当該アルキレン基は、炭素-炭素原子間の少なくとも一部に-O-、-(C=O)O-、-O(C=O)-、-O(C=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-(C=O)-、-CH=CH-及び-C≡C-からなる群より選択される二価の基が挿入されていてもよく、水素原子の少なくとも一部が炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよい。)を表す。
【0030】
なお、本明細書中、「炭素-炭素原子間に挿入される」とは、アルキレン基中のC-Cが、C-X-C(Xは、上記二価の基)に置換されることを意味する。
【0031】
第一の構造単位及び第二の構造単位において、ケイ素原子(Si)から伸びる結合手及び酸素原子から伸びる結合手は、それぞれ、他の構造単位のケイ素原子又は酸素原子に結合していてよい。第一の構造単位及び第二の構造単位において、ケイ素原子から伸びる結合手は、他の構造単位の酸素原子に結合することが好ましく、酸素原子から伸びる結合手は、他の構造単位のケイ素原子に結合することが好ましい。
【0032】
R1~R3におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-メチルプロピル基、1-メチルプロピル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
【0033】
R1~R3におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブトキシ基、2-メチルプロピルオキシ基、1-メチルプロピルオキシ基、tert-ブトキシ基等が挙げられる。
【0034】
R1~R3は、アルデヒド捕捉能により優れる観点から、メチル基、炭素数1~3のアルコキシ基又はヒドロキシ基であることが好ましい。
【0035】
Qにおけるアルキレン基は、例えば、アルカンから2つの水素原子を除いてなる基であってよく、直鎖アルカンの両末端の水素原子を一つずつ除いてなる基であってもよい。Qにおけるアルキレン基は、例えば、-(CH2)n-(nは1~20)で表される基であってもよい。
【0036】
Qにおけるアルキレン基は、炭素-炭素原子間の少なくとも一部に上記二価の基が挿入されていてよい。上記二価の基が挿入される箇所は、2箇所以下であってもよく、1箇所であってもよい。
【0037】
Qにおけるアルキレン基は、水素原子の少なくとも一部が炭素数1~3のアルキル基に置換されていてもよい。炭素数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。アルデヒド捕捉能により優れる観点からは、アルキレン基の両端の炭素原子(式(1-1)中のSi又はOに結合する炭素原子)に結合する水素原子は、上記アルキル基で置換されていないことが好ましい。すなわち、Qにおけるアルキレン基は、両端の炭素原子に結合する水素原子以外の水素原子の少なくとも一部が、上記アルキル基で置換されていてもよい。
【0038】
Qとしては、例えば、式(Q-1)~(Q-95)で表される基等が挙げられる。また、Qとしては、これらの基が有する水素原子の一部が炭素数1~3のアルキル基で置換された基も例示できる。
【0039】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0040】
式(Q-1)~(Q-95)中、アルキレン基上の水素原子(好ましくは両端の炭素原子以外の炭素原子に結合する水素原子)の一部は、炭素数1~3のアルキル基で置換されていてもよい。なお、式(Q-1)~(Q-95)中、左端の*は式(1-1)中のSiとの結合位置を示し、右端の*は式(1-1)中のOとの結合位置を示す。
【0041】
アルデヒド捕捉剤(C)は、式(1-1)で表される第一の構造単位と式(1-2)で表される第二の構造単位とを含む。
【0042】
アルデヒド補足剤(C)であるポリシロキサン化合物において、第一の構造単位及び第二の構造単位の合計量(C1+C2)は、ポリシロキサン化合物中のケイ素原子の総量基準で、例えば60モル%以上であってよく、70モル%以上、80モル%以上、90モル%以上、95モル%以上又は99モル%以上であってもよい。また、第一の構造単位及び第二の構造単位の合計量(C1+C2)は、ポリシロキサン化合物中のケイ素原子の総量基準で、100モル%(すなわち、第一の構造単位及び第二の構造単位以外の構造単位を含まない)であってもよい。
【0043】
アルデヒド捕捉剤(C)であるポリシロキサン化合物において、第一の構造単位の含有量(C1)に対する第二の構造単位の含有量(C2)の比(C2/C1)(モル比)は、例えば0.001以上であってよく、0.005以上、0.01以上であってもよい。また、上記比(C2/C1)は、例えば1000以下であってよく、100以下、10以下、2以下、1以下、0.6以下、0.3以下又は0.1以下であってもよい。
【0044】
アルデヒド捕捉剤(C)(ポリシロキサン化合物)の製造方法は特に限定されないが、例えば、式(2)で表される第一の化合物と、式(3)で表される第二の化合物とを水の存在下で共重合させる方法等が挙げられる。
【化14】
[式中、R
11は炭素数1~4のアルキル基を表し、R
12は炭素数1~4のアルコキシ基を表す。R
11が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。R
12が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。Qは前記と同じ意味を表す。nは0~2の整数を表す。]
【化15】
[式中、R
21は炭素数1~4のアルキル基を表し、R
22は炭素数1~4のアルコキシ基を表す。R
21が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。R
22が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。mは0~3の整数を表す。]
【0045】
R11及びR21におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-メチルプロピル基、1-メチルプロピル基、tert-ブチル基等が挙げられる。当該アルキル基は、共重合反応の効率に優れる観点からは、メチル基又はエチル基であってもよく、メチル基であってもよい。
【0046】
R12及びR22におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロオキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、2-メチルプロポキシ基、1-メチルプロポキシ基、tert-ブトキシ基等が挙げられる。当該アルコキシ基は、共重合反応の効率に優れる観点からは、炭素数1~3のアルコキシ基であってもよい。
【0047】
nは0又は1であることが好ましい。
【0048】
mは0、1又は2であることが好ましい。
【0049】
式(2)で表される第一の化合物は、一種を単独で用いてよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、式(3)で表される第二の化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
第一の化合物と第二の化合物との共重合反応は、水の存在下で実施してもよい。共重合反応では、第一の化合物及び第二の化合物のアルコキシシラン部位が加水分解されてシラノール基が生じ、次いで、分子間で脱水縮合が起こると考えられる。
【0051】
共重合反応における水の量は特に限定されないが、共重合反応の効率がより良好となる観点からは、第一の化合物及び第二の化合物の合計量に対して、1モル当量以上であることが好ましい。また、共重合反応における水の量の上限は特に限定されない。共重合反応における水の量は、第一の化合物及び第二の化合物の合計量に対して、例えば10モル当量以下であってもよく、5モル当量以下であってもよい。
【0052】
共重合反応では、水を反応促進剤兼溶媒として使用してもよく、水以外の溶媒を使用してもよい。
【0053】
水以外の溶媒は特に限定されないが、水との相溶性が高い溶媒が好ましい。水以外の溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等が挙げられる。水以外の溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0054】
水以外の溶媒の使用量は特に限定されないが、第一の化合物及び第二の化合物の合計量を1質量部としたとき、例えば1~100質量部であってもよい。
【0055】
共重合反応において、第一の化合物に対する第二の化合物の比(第二の化合物/第一の化合物)は、目的に応じて任意に調節可能であり、特に限定されない。上記比(第二の化合物/第一の化合物)は、モル比で、例えば0.001以上であってよく、0.005以上、0.01以上であってもよい。また、上記比(第二の化合物/第一の化合物)は、モル比で、例えば1000以下であってよく、100以下、10以下、2以下、1以下、0.6以下、0.3以下又は0.1以下であってもよい。
【0056】
共重合反応の反応温度は、例えば-20~200℃であってよく、製造設備の観点からは、0~150℃であってもよい。
【0057】
共重合反応の反応時間は、反応系中における第一の化合物及び第二の化合物の濃度、水の使用量、反応温度等によって適宜調整してよく、特に限定されない。反応時間は、例えば数分~14日間程度であってもよい。
【0058】
共重合反応の共重合様式は特に限定されず、例えば、ランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等であってもよい。
【0059】
ポリシロキサン化合物の分子形状は特に制限されず、例えば直鎖状、分岐鎖状、環状等の任意の分子形状であってもよい。
【0060】
上記製造方法では、共重合反応により、ポリシロキサン化合物を含有する混合物が得られる。この混合物は、そのままウレタンフォーム形成性組成物に使用してもよいし、必要に応じて蒸留、再沈殿、分液、濾過、カラムクロマトグラフィー等の操作により精製してから使用してもよい。
【0061】
アルデヒド捕捉剤(C)は、アルデヒド捕捉剤(C)と溶媒とを含有する液(以下、捕捉剤含有液ともいう)の形態で使用してもよい。捕捉剤含有液は、例えば、後述の第三液として使用してもよい。
【0062】
溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル等が挙げられる。これらのうち、人体に対する安全性の観点からは、水、エタノールが好ましい。
【0063】
捕捉剤含有液中のアルデヒド捕捉剤(C)の濃度は特に限定されず、例えば0.1質量%以上、0.5質量%以上又は1質量以上であってもよく、50質量%以下、40質量%以下又は30質量%以下であってもよい。
【0064】
捕捉剤含有液中、アルデヒド捕捉剤(C)であるポリシロキサン化合物は、粒子状であってもよい。捕捉剤含有液中のポリシロキサン化合物粒子の体積メディアン径は、例えば1000nm以下であってもよく、加工性が良好となる観点からは、700nm以下、500nm以下、300nm以下又は200nm以下であってもよい。また、捕捉剤溶液中のポリシロキサン化合物粒子の体積メディアン径は、例えば1nm以上であってもよく、アルデヒド捕捉能がより向上する観点からは、3nm以上、5nm以上又は10nm以上であってもよい。なお、本明細書中、ポリシロキサン化合物粒子の体積メディアン径は、動的光散乱法により測定される体積平均径を示す。
【0065】
アルデヒド捕捉剤(C)の量は、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば0.001質量部以上であってもよく、アルデヒド捕捉能がより向上する観点からは、0.01質量部以上、0.03質量部以上、0.05質量部以上、0.08質量部以上又は0.1質量部以上であってもよい。また、アルデヒド捕捉剤(C)の量は、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば20質量部以下であってもよく、成型性の観点からは、10質量部以下、7質量部以下、5質量部以下、4質量部以下又は3質量部以下であってもよい。
【0066】
・触媒(D)
ウレタンフォーム形成性組成物は、触媒(D)を更に含んでいてもよい。触媒(D)は、例えば、公知のウレタン化触媒であってもよい。触媒(D)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0067】
触媒(D)としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス-(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、1,2-ジメチルイミダゾール等のアミン系触媒、及びその有機酸塩類が挙げられる。
【0068】
また、触媒(D)としては、例えば、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、2-ヒドロキシメチルトリエチレンジアミン、6-ジメチルアミノ-1-ヘキサノール、2-(2-ジメチルアミノエトキシ)エタノール等のヒドロキシ基を有するアミン系触媒、ジラウリン酸ジブチル錫、ジオクチル酸ジブチル錫、ジアセチル酸ジブチル錫、2-エチルヘキサン錫、ナフテン酸亜鉛等の有機金属系触媒等も挙げられる。
【0069】
触媒(D)の量は、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば0.001質量部以上であってもよく、成型性の観点からは、0.01質量部以上、0.03質量部以上、0.05質量部以上、0.1質量部以上、0.15質量部以上又は0.2質量部以上であってもよい。また、触媒(D)の量は、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば20質量部以下であってもよく、成型性の観点からは、10質量部以下、8質量部以下、7質量部以下、6質量部以下又は5質量部以下であってもよい。
【0070】
・整泡剤(E)
ウレタンフォーム形成性組成物は、整泡剤(E)を更に含んでいてもよい。整泡剤(E)は、例えば、公知の整泡剤であってもよい。整泡剤(E)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0071】
整泡剤(E)としては、例えばシリコーン系整泡剤、フッ素化合物系整泡剤等が挙げられる。このような整泡剤(E)としては、例えば、ダウ・東レ社製のSZ-1327、SZ-1325、SZ-1336、SZ-3601、モメンティブ社製のY-10366、L-540、L-3639LF2、L-5309、L-6164、L-6168、エボニック社製B-8123、B-8460、B-8462、B-8487、B-8724LF2、B-8715LF2、信越シリコーン社製のF-122等が挙げられる。
【0072】
整泡剤(E)の量は、特に限定されず、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば0.01質量部以上、0.1質量部以上、0.5質量部以上、0.8質量部以上又は1質量部以上であってもよい。また、整泡剤(E)の量は、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば20質量部以下、10質量部以下、8質量部以下、5質量部以下、4質量部以下又は3質量部以下であってもよい。
【0073】
・発泡剤(F)
ウレタンフォーム形成性組成物は、発泡剤(F)を更に含んでいてもよい。発泡剤(F)は、例えば、公知の発泡剤であってもよい。発泡剤(F)は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0074】
発泡剤(F)としては、例えば、水、有機酸類、無機酸類(例えばアルカリ炭酸塩類)、環状カーボネート類、ジアルキルカーボネート類等の、ウレタン原料(ポリオール成分(A)又はポリイソシアネート成分(B))との反応又は熱分解により、ガス等を発生させる成分が挙げられる。
【0075】
また、発泡剤(F)としては、例えば、ハイドロクロロフルオロオレフィン類、ハイドロフルオロオレフィン類、ハイドロフルオロカーボン類、ハロゲン系ハイドロカーボン類、ハイドロカーボン類、クロロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類等が挙げられる。また、発泡剤(F)としては、例えば、ガスローディング装置を用いて混合液中に混合させる空気、窒素、液化二酸化炭素等のガス等も挙げられる。
【0076】
発泡剤(F)の量は、特に限定されず、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば0.05質量部以上、0.1質量部以上、0.5質量部以上、1質量部以上、1.5質量部以上又は2質量部以上であってもよい。また、発泡剤(F)の量は、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば25質量部以下、15質量部以下、12質量部以下、10質量部以下、9質量部以下又は8質量部以下であってもよい。
【0077】
・その他の成分
ウレタンフォーム形成性組成物は、必要に応じて、上記以外の助剤を更に含んでいてもよい。上記以外の助剤としては、例えば、通気性向上剤、充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤、酸化防止剤等が挙げられる。これらの助剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0078】
これらの助剤の量は、各々、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば20質量部以下、10質量部以下又は5質量部以下であってもよい。また、これらの助剤の量は、各々、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の合計100質量部に対して、例えば0質量部(すなわち、助剤を使用しない)であってもよく、1質量部以上又は5質量部以上であってもよい。
【0079】
ウレタンフォーム形成性組成物は、また、アルデヒド捕捉剤(C)以外のアルデヒド捕捉剤(C’)を更に含んでいてもよい。アルデヒド捕捉剤(C’)は、公知のアルデヒド捕捉剤であってもよい。
【0080】
ウレタンフォーム形成性組成物は、例えば、ポリオール成分(A)を含有する第一液と、ポリイソシアネート成分(B)を含有する第二液と、を含む多液型組成物であってもよい。
【0081】
多液型組成物は、アルデヒド捕捉剤(C)を含有する第三液を更に含んでいてもよい。
【0082】
アルデヒド捕捉剤(C)は、第一液及び第二液の少なくとも一方に含有されていてもよい。このとき、多液型組成物は、第三液を含んでいなくてもよい。
【0083】
アルデヒド捕捉剤(C)は、第一液又は第三液に含有されていることが好ましく、第一液に含有されていることが好ましい。
【0084】
触媒(D)は、第一液、第二液及び第三液の少なくとも一つに含有されていてよく、二つ以上に含有されていてもよい。また、触媒(D)は、第一液、第二液及び第三液とは別の液に含有されていてもよい。触媒(D)は、第一液又は第三液に含有されていることが好ましく、第一液に含有されていることがより好ましい。
【0085】
整泡剤(E)は、第一液、第二液及び第三液の少なくとも一つに含有されていてよく、二つ以上に含有されていてもよい。また、整泡剤(E)は、第一液、第二液及び第三液とは別の液に含有されていてもよい。整泡剤(E)は、第一液又は第三液に含有されていることが好ましく、第一液に含有されていることがより好ましい。
【0086】
発泡剤(F)は、第一液、第二液及び第三液の少なくとも一つに含有されていてよく、二つ以上に含有されていてもよい。また、発泡剤(F)は、第一液、第二液及び第三液とは別の液に含有されていてもよい。発泡剤(F)は、第一液又は第三液に含有されていることが好ましく、第一液に含有されていることがより好ましい。
【0087】
上述のその他の成分は、第一液、第二液及び第三液の少なくとも一つに含有されていてよく、二つ以上に含有されていてもよい。また、その他の成分は、第一液、第二液及び第三液とは別の液に含有されていてもよい。その他の成分は、第一液又は第三液に含有されていることが好ましく、第一液に含有されていることがより好ましい。
【0088】
ウレタンフォーム形成性組成物から、ウレタンフォームを形成することができる。ウレタンフォームは、ウレタンフォーム形成性組成物の発泡硬化物ということもできる。
【0089】
ウレタンフォームは、軟質ウレタンフォームであってよく、硬質ウレタンフォーム又は半硬質ウレタンフォームであってもよい。
【0090】
本実施形態において、ウレタンフォームは、アルデヒド類の揮発量が顕著に抑制されている。このため、ウレタンフォームは、生活用品、自動車用材料、衣類、スポーツ・レジャー用品、衣料用材料、土木建築材料等の広範な用途に好適に使用することができる。
【0091】
ウレタンフォームは、例えば、自動車用ウレタンフォームであってもよい。
【0092】
ウレタンフォームは、例えば、ウレタンフォーム形成性組成物の各成分を混合した混合液を、金型内に注入し、発泡硬化させて得られる、ウレタンモールドフォーム(以下、モールドフォーム)であってもよい。
【0093】
ウレタンフォームはまた、ウレタンフォーム形成性組成物の各成分を混合した混合液を、発泡用容器に供給して発泡させて得られる、又は、当該混合液を、連続的にベルトコンベア上に供給して発泡させて得られる、ウレタンスラブフォーム(以下、スラブフォイーム)であってもよい。
【0094】
ウレタンフォームはまた、現場吹き付け工事用のスプレー発泡機を使用して、工事現場等で直接発泡させたものであってもよい。
【0095】
ウレタンフォーム形成性組成物の各成分の混合、特に、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)との混合は、発泡直前に実施することが好ましい。ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)以外の成分は、ポリオール成分(A)又はポリイソシアネート成分(B)と予め混合してもよい。なお、アルデヒド捕捉剤(C)は、アルデヒド類を効果的に低減するために、ポリイソシアネート成分(B)に比べてアルデヒド類の含有量が多い傾向があるポリオール成分(A)に予め混合することが好ましい。各混合物は、混合後直ちに使用してもよく、貯留した後、必要量を適宜使用してもよい。
【0096】
モールドフォームの製造において、発泡装置が、混合部に3以上の成分を同時に導入可能な構成を有している場合、ウレタンフォーム形成性組成物の各成分は個別に混合部に導入してもよい。
【0097】
モールドフォームの製造において、ウレタンフォーム形成性組成物の各成分の混合方法は、特に限定されず、例えば、発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行うダイナミックミキシング、送液配管内で混合を行うスタティックミキシング、等であってよい。また、2つの混合方法を併用してもよい。例えば、物理発泡剤等のガス状成分と液状成分との混合はスタティックミキシングで行い、液状成分同士の混合はダイナミックミキシングで行ってもよい。発泡装置は特に限定されず、例えば、混合部の溶剤洗浄の必要のない高圧発泡装置であってもよい。
【0098】
モールドフォームの製造では、ウレタンフォーム形成性組成物の各成分の混合により得られた混合液を金型(モールド)内に吐出し、発泡硬化させ、その後、脱型が行われる。脱型を円滑に行うため、金型には予め離型剤が塗布されていてもよい。離型剤は、特に限定されず、成形加工分野で公知の離型剤であってもよい。
【0099】
スラブフォームは、例えば、公知のローター回転式又は高圧衝突混合式の混合ヘッドを有する発泡機を用い、混合ヘッドにて、ウレタンフォーム形成性組成物の各成分を混合した後、発泡用容器又はベルトコンベアに混合液を供給して発泡させて製造してもよい。
【0100】
また、スラブフォームは、例えば、バッチ式の混合槽でウレタンフォーム形成性組成物の各成分を混合した後、混合液を発泡用容器に流し込んで発泡させて製造してもよい(バッチブロックともいう)。
【0101】
以上、本開示の各態様を実施するための例示的な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。
【0102】
例えば、本開示は、ポリオール成分(A)とアルデヒド捕捉剤(C)とを含む、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物等に関するものであってもよい。
【0103】
ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物は、上述の第一液と同じであってもよい。
【0104】
ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物は、触媒(D)、整泡剤(E)及び発泡剤(F)を更に含んでいてもよい。
【0105】
ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、アルデヒド捕捉剤(C)の含有量は、例えば、ウレタンフォーム形成性組成物におけるアルデヒド捕捉剤(C)の含有量が上述の好適な範囲内となるよう適宜調整してよい。また、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、アルデヒド捕捉剤(C)の含有量は、ポリオール成分(A)100質量部に対して、例えば0.001質量部以上であってよく、0.01質量部以上、0.03質量部以上、0.05質量部以上、0.1質量部以上、0.15質量部以上又は0.2質量部以上であってもよい。また、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、アルデヒド捕捉剤(C)の含有量は、ポリオール成分(A)100質量部に対して、例えば20質量部以下であってよく、15質量部以下、10質量部以下、7質量部以下、5質量部以下、4質量部以下又は3質量部以下であってもよい。
【0106】
ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、触媒(D)の含有量は、例えば、ウレタンフォーム形成性組成物における触媒(D)の含有量が上述の好適な範囲内となるよう適宜調整してよい。また、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、触媒(D)の含有量は、ポリオール成分(A)100質量部に対して、例えば0.001質量部以上であってよく、0.01質量部以上、0.03質量部以上、0.05質量部以上、0.1質量部以上、0.15質量部以上又は0.2質量部以上であってもよい。また、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、触媒(D)の含有量は、ポリオール成分(A)100質量部に対して、例えば20質量部以下であってよく、10質量部以下、8質量部以下、7質量部以下、6質量部以下、5質量部以下、4質量部以下又は3質量部以下であってもよい。
【0107】
ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、整泡剤(E)の含有量は、例えば、ウレタンフォーム形成性組成物における整泡剤(E)の含有量が上述の好適な範囲内となるよう適宜調整してよい。また、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、整泡剤(E)の含有量は、ポリオール成分(A)100質量部に対して、例えば0.01質量部以上であってよく、0.1質量部以上、0.2質量部以上、0.5質量部以上、0.8質量部以上又は1質量部以上であってもよい。また、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、整泡剤(E)の含有量は、ポリオール成分(A)100質量部に対して、例えば20質量部以下であってよく、10質量部以下、7質量部以下、5質量部以下、4質量部以下又は3質量部以下であってもよい。
【0108】
ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、発泡剤(F)の含有量は、例えば、ウレタンフォーム形成性組成物における発泡剤(F)の含有量が上述の好適な範囲内となるよう適宜調整してよい。また、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、発泡剤(F)の含有量は、ポリオール成分(A)100質量部に対して、例えば0.1質量部以上であってよく、0.5質量部以上、1質量部以上、2質量部以上、3質量部以上、4質量部以上又は5質量部以上であってもよい。また、ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物において、発泡剤(F)の含有量は、ポリオール成分(A)100質量部に対して、例えば25質量部以下であってよく、15質量部以下、12質量部以下、10質量部以下、9質量部以下又は8質量部以下であってもよい。
【0109】
ウレタンフォーム形成用ポリオール組成物は、ポリイソシアネート成分(B)と組み合わせて、ウレタンフォーム形成性組成物として使用することができる。
【実施例0110】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
【0111】
以下の実施例及び比較例では、下記原料を使用した。
・ポリイソシアネート1:MDI含有率が85質量%であり、アイソマー含有率が38質量%であり、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートを含むポリイソシアネート混合物(東ソー社製、商品名:CEF-550)
・ポリイソシアネート2:MDI含有率が67質量%であり、アイソマー含有率が37質量%であり、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートを含むポリイソシアネート混合物
・ポリオール1:平均官能基数が3、水酸基価が24(mgKOH/g)、末端一級化率が84mol%、オキシエチレン単位が14.6質量%、総不飽和度が0.03(meq./g)のポリエチレンポリプロピレンエーテルポリオール(東ソー社製、商品名:NEF-693)
・ポリオール2:平均官能基数が3、水酸基価が24(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピオングリコール(AGC社製、商品名:EL-923)
・ポリオール3:平均官能基数が3、水酸基価が28のポリエーテルポリオール(Jurong Ningwu New Material社製、商品名:NJ-360N)
・ポリオール4:平均官能基数が3、水酸基価が240のポリエーテルポリオール(佳化化学社製、商品名:G-700)
・ポリオール5:平均官能基数が3、水酸基価が480のポリエーテルポリオール(佳化化学社製、商品名:G-300)
・ポリオール6:平均官能基数が3、水酸基価が24(mgKOH/g)、オキシエチレン単位が70質量%のポリエーテルポリオール(東ソー株式会社製、商品名:NEF-729)
・ポリオール7:1,4-ブタンジオール(三菱ケミカル社製)
・触媒1:トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液(東ソー社製、商品名:TEDA-L33)
・触媒2:ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液、(東ソー社製、商品名:TOYOCAT-ET)
・触媒3:2-ヒドロキシメチルトリエチレンジアミンを主成分とする反応性触媒(東ソー社製、商品名:RZETA)
・整泡剤1:シリコーン系整泡剤(エボニック社製、商品名:B-8715LF2)
・整泡剤2:シリコーン系整泡剤(モメンティブ社製、商品名:L-6168)
・整泡剤3:シリコーン系整泡剤(エボニック社製、商品名:B-8462)
・酸化防止剤1:酸化防止剤(BASF社製、商品名:PUR-68)
・発泡剤:市水
・アルデヒド捕捉剤1:ポリシロキサン化合物の70%水溶液
・アルデヒド捕捉剤2:アルデヒド捕捉剤、東亞合成社製、商品名:ケスモンNS-750
・アルデヒド捕捉剤3:アミノオキシ酢酸3%水溶液
【0112】
なお、アルデヒド捕捉剤1は、以下の方法で製造した。
<製造例1>
O-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]ヒドロキシルアミン(29.01g,148.55mmol)、テトラエトキシシラン(TEOS、0.99g,4.75mmol)及び水(70.00g)を混合し、室温で20時間撹拌して、ポリシロキサン化合物を含有する半透明溶液状分散液(アルデヒド捕捉剤1)を得た。
【0113】
(実施例1)
<第一液(P-1)の調製>
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、ポリオール1を70g、ポリオール2を30g、ポリオール6を0.4g、触媒1を0.53g、触媒2を0.2g、整泡剤1を1.0g、発泡剤としての水を3.1g、アルデヒド捕捉剤1を0.22g(ポリオール100質量部に対して、ポリシロキサン化合物が0.15質量部)仕込み、0.5時間撹拌させることにより、第一液(P-1)を得た。
【0114】
<第二液(I-1)>
ポリイソシアネート1を第二液として用いた。
【0115】
<軟質ウレタンフォームの製造>
第一液及び第二液の液温をそれぞれ24~26℃に調整した。次いで、ポリオール成分(A)に対するポリイソシアネート成分(B)の質量比(B/A)が0.52となるように、第一液と第二液とを混合し、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合後、金型内に注入し、混合液を発泡硬化させて、軟質ウレタンフォームを形成した。得られた成形体(モールドフォーム)を金型より取り出した。
なお、発泡条件は以下のとおりとした。
[発泡条件]
金型温度:60~65℃
金型形状:300mm×300mm×100mm
金型材質:アルミニウム
キュア時間:5分
【0116】
(実施例2)
発泡剤としての水の量を1.9gに変更し、アルデヒド捕捉剤1の量を2.0g(ポリオール100質量部に対して、ポリシロキサン化合物が1.4質量部)に変更したこと以外は、<第一液(P-1)の調製>と同様にして、第一液(P-2)を得た。
第一液(P-1)を第一液(P-2)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ウレタンフォームの成形体を製造した。
【0117】
(実施例3)
発泡剤としての水の量を0.3gに変更し、アルデヒド捕捉剤1の量を4.3g(ポリオール100質量部に対して、ポリシロキサン化合物が3.0質量部)に変更したこと以外は、<第一液(P-1)の調製>と同様にして、第一液(P-3)を得た。
第一液(P-1)を第一液(P-3)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ウレタンフォームの成形体を製造した。
【0118】
(比較例1)
発泡剤としての水の量を3.3gに変更し、アルデヒド捕捉剤1を使用しなかったこと以外は、<第一液(P-1)の調製>と同様にして、第一液(P-11)を得た。
第一液(P-1)を第一液(P-11)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ウレタンフォームの成形体を製造した。
【0119】
(比較例2)
発泡剤としての水の量を3.3gに変更し、アルデヒド捕捉剤1を0.04gのアルデヒド捕捉剤2に変更したこと以外は、<第一液(P-1)の調製>と同様にして、第一液(P-12)を得た。
第一液(P-1)を第一液(P-12)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ウレタンフォームの成形体を製造した。
【0120】
(比較例3)
発泡剤としての水の量を3.3gに変更し、アルデヒド捕捉剤1を0.17gのアルデヒド捕捉剤2に変更したこと以外は、<第一液(P-1)の調製>と同様にして、第一液(P-13)を得た。
第一液(P-1)を第一液(P-13)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ウレタンフォームの成形体を製造した。
【0121】
(比較例4)
発泡剤としての水の量を3.3gに変更し、アルデヒド捕捉剤1を0.26gのアルデヒド捕捉剤2に変更したこと以外は、<第一液(P-1)の調製>と同様にして、第一液(P-14)を得た。
第一液(P-1)を第一液(P-14)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ウレタンフォームの成形体を製造した。
【0122】
(比較例5)
発泡剤としての水の量を3.3gに変更し、アルデヒド捕捉剤1を1.0gのアルデヒド捕捉剤3に変更したこと以外は、<第一液(P-1)の調製>と同様にして、第一液(P-15)を得た。
第一液(P-1)を第一液(P-15)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ウレタンフォームの成形体を製造した。
【0123】
実施例1~3及び比較例1~5で得られた成形体について、以下の方法でアルデヒド類の揮発量を測定した。結果を表1に示す。
【0124】
<アルデヒド類の揮発量の測定>
成形体から、縦100mm×横70mm×厚み80mmの直方体状の試験片を切り出して、サンプルとした。このサンプルを、窒素4Lと共に10Lのサンプリングバッグ内に封入して、サンプリングバッグを65℃で2時間加熱し、専用の捕集管(DNPHカートリッジ)にバック内の揮発成分を含む窒素ガス3Lを捕集した。
また、窒素ガス中に含まれるアルデヒド類を算出するために、サンプルを含まないサンプリングバック中に窒素ガス4Lを封入し、上記の方法と同様に捕集管に捕集した。
サンプル有りの窒素ガス及びサンプル無しの窒素ガスを、高速液体クロマトグラフィーにて分析することで、アルデヒド類の揮発量を測定し、次式により、試料片からのアルデヒド類の揮発量を算出した。
(試験片からのアルデヒド類の揮発量)=(サンプル有りの窒素ガスからのアルデヒド類の揮発量-サンプル無しの窒素ガスからのアルデヒド類の揮発量)×4/3
【0125】
なお、高速液体クロマトグラフィーの測定条件は、以下のとおりとした。
装置として島津製作所社製LC-20Aシリーズ、カラムとして東ソー社製TSKgel ODS-80TsQAを用い、移動相としてアセトニトリル/水を使用し、移動相速度を1.0mL/minとした。カラム温度は40℃とし、検出器はUV(λ=360nm)で実施し、アルデヒド-DNPHのアセトニトリル溶液を標準試料溶液とし、検量線を作成した。
【0126】
【0127】
表1に示すように、実施例1~3で得られた成形体におけるアルデヒド類の揮発量が、比較例1~5で得られた成形体におけるアルデヒド類の揮発量と比較して、少ないことが確認された。
【0128】
(実施例4)
<第一液(P-4)の調製>
撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応器を窒素置換した後、ポリオール3を35g、ポリオール4を30g、ポリオール5を35g、ポリオール7を8.0g、触媒3を1.2g、整泡剤2を0.1g、整泡剤3を0.1g、酸化防止剤1を1.5g、発泡剤としての水を0.2g、アルデヒド捕捉剤1を7.6g(ポリオール100質量部に対して、ポリシロキサン化合物が4.9質量部)仕込み、0.5時間撹拌させることにより、第一液(P-4)を得た。
【0129】
<第二液(I-2)>
ポリイソシアネート2を第二液として用いた。
【0130】
<半硬質ウレタンフォームの製造>
第一液及び第二液の液温をそれぞれ24~26℃に調整した。次いで、ポリオール成分(A)に対するポリイソシアネート成分(B)の質量比(B/A)が1.43となるように、第一液と第二液とを混合し、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合後、上型開放容器(250mm×250mm×250mm)に注入し、混合液を発泡硬化させて、半硬質ウレタンフォームを形成した。得られた成形体(スラブフォーム)を金型より取り出した。
なお、発泡条件は以下のとおりとした。
[発泡条件]
上型開放容器温度:室温
金型形状:250mm×250mm×250mm
キュア時間:5分
【0131】
(比較例6)
発泡剤としての水の量を5.5gに変更し、アルデヒド捕捉剤1を使用しなかったこと以外は、<第一液(P-4)の調製>と同様にして、第一液(P-16)を得た。
第一液(P-4)を第一液(P-16)に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、半硬質ウレタンフォームの成形体を製造した。
【0132】
実施例4及び比較例6で得られた成形体について、以下の方法でアルデヒド類の揮発量を測定した。結果を表2に示す。
【0133】
【0134】
表2に示すように、実施例4で得られた成形体におけるアルデヒド類の揮発量が、比較例6で得られた成形体におけるアルデヒド類の揮発量と比較して、少ないことが確認された。