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特開2024-124800加熱装置、定着装置及び画像形成装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124800
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】加熱装置、定着装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
G03G15/20 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032711
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100182453
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 英明
(72)【発明者】
【氏名】藤原 仁
(72)【発明者】
【氏名】池淵 豊
(72)【発明者】
【氏名】南野 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】高木 啓正
(72)【発明者】
【氏名】古市 祐介
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033AA21
2H033BA03
2H033BA04
2H033BE00
2H033BE03
(57)【要約】
【課題】加熱装置の小型化、軽量化又は低コスト化を図る。
【解決手段】互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体21,22と、一対の回転体21,22のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源23と、一対の回転体21,22の長手方向両端部を支持する一対の支持フレーム30と、を備える加熱装置であって、回転体21の長手方向Xとは交差する第一交差方向Yにおける一対の支持フレーム30の両端部のうち、一対の回転体21,22よりも少なくとも一方の端部側には、一対の支持フレーム30同士を連結する連結フレームは無く、一対の支持フレーム30が画像形成装置の本体フレームに対して取り付けられる取付部30cを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体と、
前記一対の回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源と、
前記一対の回転体の長手方向両端部を支持する一対の支持フレームと、を備える加熱装置であって、
前記回転体の長手方向とは交差する第一交差方向における前記一対の支持フレームの両端部のうち、前記一対の回転体よりも少なくとも一方の端部側には、前記一対の支持フレーム同士を連結する連結フレームは無く、前記一対の支持フレームが画像形成装置の本体フレームに対して取り付けられる取付部を有することを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記一対の回転体よりも前記一方の端部側とは反対の端部側に、前記一対の支持部材同士を連結する連結フレームを有する請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記取付部は、前記本体フレームに設けられる孔部に挿入されて取り付けられる突起である請求項1又は2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記突起は、前記孔部に対する挿入方向に向かって幅が小さくなるように構成される請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記取付部は、前記回転体の長手方向と前記第一交差方向の両方向に対して交差する第二交差方向へ間隔をあけて複数設けられる請求項1又は2に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記複数の取付部のうち、一部の前記取付部は、前記本体フレームに対して前記第二交差方向に位置決めされ、その他の前記取付部は、前記本体フレームに対して前記第二交差方向に位置決めされない請求項5に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記加熱源は、前記回転体の長手方向に渡って並ぶ複数の発熱体を有する請求項1又は2に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記一対の回転体のうちの一方は、ポリイミドを含む材料から成る無端状のベルトである請求項1又は2に記載の加熱装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の加熱装置を用いて未定着画像を担持する記録媒体を加熱し、前記未定着画像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする定着装置。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の加熱装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置、定着装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機又はプリンタなどの画像形成装置に搭載される加熱装置の一例として、用紙などの記録媒体を加熱して記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置が知られている。
【0003】
一般的に、このような定着装置は、互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体と、これらの回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源を備えている。一対の回転体は、これらの長手方向両端部側に配置される一対の支持フレームによって回転可能に支持されており、回転する回転体同士の間(ニップ部)に未定着画像を担持する用紙が進入することにより、未定着画像が加熱及び加圧されて用紙に定着される。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2020-52345号公報)においては、回転体を支持する一対の支持フレーム(側壁部)同士が、連結フレームによって連結される構成が開示されている。この場合、一対の支持フレーム同士は、回転体を挟んで前後二箇所に配置される2つの連結フレームによって連結されている。この場合、連結フレームによって一対の支持フレーム同士が前後二箇所において位置保持されるため、フレーム全体の剛性及び強度が向上する。
【0005】
しかしながら一方で、このような連結フレームを前後二箇所に配置する構成は、装置が大きくなると共に重量が増し、コストも増大するといった課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、加熱装置の小型化、軽量化又は低コスト化を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体と、前記一対の回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源と、前記一対の回転体の長手方向両端部を支持する一対の支持フレームと、を備える加熱装置であって、前記回転体の長手方向とは交差する第一交差方向における前記一対の支持フレームの両端部のうち、前記一対の回転体よりも少なくとも一方の端部側には、前記一対の支持フレーム同士を連結する連結フレームは無く、前記一対の支持フレームが画像形成装置の本体フレームに対して取り付けられる取付部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、加熱装置の小型化、軽量化又は低コスト化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図2】本実施形態に係る定着装置の中央部断面図である。
図3】本実施形態に係る定着装置の斜視図である。
図4】本実施形態に係るヒータの平面図である。
図5】本実施形態に係る定着装置の斜視図である。
図6】本実施形態に係る本体フレームの斜視図である。
図7】本体フレームに対して定着装置が装着された状態を示す斜視図である。
図8】本体フレームに設けられる孔部を拡大して示す正面図である。
図9】本体フレームに対して定着装置が装着された状態を示す側面図である。
図10】本体フレームに対して定着装置が装着された状態を示す正面図である。
図11】本発明の実施形態の構成と比較例の構成とを示す平面図である。
図12】本発明の他の実施形態に係る定着装置の斜視図である。
図13】本体フレームに対して定着装置が装着された状態を示す斜視図である。
図14】上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。
図15】上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。
図16】上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。
図17】上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。
図18】上記実施形態とは異なる画像形成装置の構成を示す図である。
図19図18に示される定着装置の構成を示す図である。
図20図19に示されるヒータの平面図である。
図21図19に示されるヒータ及びニップ形成部材の斜視図である。
図22図19に示されるヒータに対するコネクタの取付方法を示す図である。
図23図18に示される定着装置が備える温度センサとサーモスタットの配置を示す図である。
図24図22に示されるフランジの溝部を示す図である。
図25】上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。
図26図25に示されるヒータ、第一高熱伝導部材、ニップ形成部材の斜視図である。
図27】第一高熱伝導部材の配置を示すヒータの平面図である。
図28】第一高熱伝導部材の配置の他の例を示すヒータの平面図である。
図29】第一高熱伝導部材の配置のさらに別の例を示すヒータの平面図である。
図30】拡大分割領域を示すヒータの平面図である。
図31】上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。
図32図31に示されるヒータ、第一高熱伝導部材、第二高熱伝導部材、ニップ形成部材の斜視図である。
図33】第一高熱伝導部材及び第二高熱伝導部材の配置を示すヒータの平面図である。
図34】第一高熱伝導部材及び第二高熱伝導部材の配置の他の例を示すヒータの平面図である。
図35】第二高熱伝導部材の配置のさらに別の例を示すヒータの平面図である。
図36】上記実施形態とは異なる定着装置の構成を示す図である。
図37】グラフェンの原子結晶構造を示す図である。
図38】グラファイトの原子結晶構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。ここで、本明細書中における「画像形成装置」には、プリンタ、複写機、ファクシミリ、印刷機、又は、これらのうちの二つ以上を組み合わせた複合機などが含まれる。また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字及び図形などの意味を持つ画像を形成するだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を形成することも意味する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
【0012】
図1に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置100は、用紙などのシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部200と、記録媒体に画像を定着させる定着部300と、記録媒体を画像形成部200へ供給する記録媒体供給部400と、記録媒体を装置外へ排出する記録媒体排出部500を備えている。
【0013】
画像形成部200には、作像ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkと、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが備える感光体2に静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体に画像を転写する転写装置8が設けられている。
【0014】
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナー(現像剤)を収容している以外、基本的に同じ構成である。具体的に、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、表面に画像を担持する像担持体としての感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電部材3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面を清掃するクリーニング部材5を備えている。
【0015】
転写装置8は、中間転写ベルト11と、一次転写ローラ12と、二次転写ローラ13を備えている。中間転写ベルト11は、無端状のベルト部材であり、複数の支持ローラによって張架されている。一次転写ローラ12は、中間転写ベルト11の内側に4つ設けられている。各一次転写ローラ12が中間転写ベルト11を介して各感光体2に接触することにより、中間転写ベルト11と各感光体2との間に一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11の外周面に接触し、二次転写ニップを形成している。
【0016】
定着部300においては、画像が転写された記録媒体を加熱する加熱装置としての定着装置20が設けられている。定着装置20は、記録媒体上の画像を加熱する定着ベルト21と、定着ベルト21に接触してニップ部(定着ニップ)を形成する加圧ローラ22などを備えている。
【0017】
記録媒体供給部400には、記録媒体としての用紙Pを収容する給紙カセット14と、給紙カセット14から用紙Pを送り出す給紙ローラ15が設けられている。以下、「記録媒体」を「用紙」として説明するが、「記録媒体」は紙(用紙)に限定されない。「記録媒体」は、紙(用紙)だけでなくOHPシート又は布帛、金属シート、プラスチックフィルム、あるいは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなども含む。また、「用紙」には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙及びアート紙など)、トレーシングペーパなども含まれる。
【0018】
記録媒体排出部500には、用紙Pを画像形成装置外に排出する一対の排紙ローラ17と、排紙ローラ17によって排出された用紙Pを載置する排紙トレイ18が設けられている。
【0019】
次に、図1を参照しつつ本実施形態に係る画像形成装置100の印刷動作について説明する。
【0020】
画像形成装置100において印刷動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2及び転写装置8の中間転写ベルト11が回転を開始する。また、給紙ローラ15が、回転を開始し、給紙カセット14から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、一対のタイミングローラ16に接触することにより静止し、用紙Pに転写される画像が形成されるまで用紙Pの搬送が一旦停止される。
【0021】
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、まず、帯電部材3によって、感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント画像情報に基づいて、露光装置6が、各感光体2の表面(帯電面)を露光する。これにより、露光された部分の電位が低下して各感光体2の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4がトナーを供給し、各感光体2上にトナー画像が形成される。各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、回転する中間転写ベルト11上に順次重なり合うように転写される。かくして、中間転写ベルト11上にフルカラーのトナー画像が形成される。なお、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。また、中間転写ベルト11へトナー画像が転写された後は、クリーニング部材5によって各感光体2上の残留トナーなどが除去される。
【0022】
中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、タイミングローラ16によって搬送されてきた用紙P上に転写される。その後、用紙Pは、定着装置20へと搬送され、定着ベルト21と加圧ローラ22によって用紙P上のトナー画像が加熱及び加圧され、トナー画像が用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、記録媒体排出部500へ搬送され、排紙ローラ17によって排紙トレイ18へ排出される。これにより、一連の印刷動作が終了する。
【0023】
続いて、図2及び図3に基づき、本実施形態に係る定着装置20の基本構成について説明する。図2は、本実施形態に係る定着装置20を、定着ベルト21の長手方向中央部Xm(図3参照)において切断した中央部断面図、図3は、本実施形態に係る定着装置20の斜視図である。なお、以下の説明中における定着ベルト21の「長手方向」とは、定着ベルトの回転方向に対して直交し、かつ、定着ベルトの外周面に沿った方向を意味する。すなわち、「長手方向」は、図3中の矢印Xにて示される方向であり、加圧ローラ22の長手方向又は回転軸方向、あるいは定着ベルト21と加圧ローラ22との間(ニップ部)を通過する用紙の幅方向(用紙搬送方向とは交差する方向)と平行な方向でもある。
【0024】
図2に示されるように、本実施形態に係る定着装置20は、定着ベルト21及び加圧ローラ22のほか、ヒータ23と、ヒータホルダ24と、ステー25と、温度センサ26と、分離部材28と、支持フレーム30などを備えている。なお、図3において、分離部材28及び支持フレーム30は省略されている。
【0025】
定着ベルト21は、用紙Pの未定着トナー担持面に接触して未定着トナー(未定着画像)を用紙Pに定着させる回転体(第一回転体又は定着部材)である。
【0026】
具体的に、定着ベルト21は、内周面側から外周面側に向かって順に、基材、弾性層、離型層などを有する無端状のベルトにより構成される。基材は、例えば、層厚が30~50μmであって、ニッケル、ステンレスなどの金属材料、あるいはポリイミドなどの樹脂材料により形成される。弾性層は、層厚が100~300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム材料により形成される。定着ベルト21が弾性層を有していることにより、ニップ部における定着ベルト21の表面に微小な凹凸が形成されなくなるため、用紙P上のトナー画像に熱が均一に伝わりやすくなる。離型層は、層厚が10~50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)などの材料により形成される。定着ベルト21が、離型層を有していることにより、トナー(トナー画像)に対する離型性(剥離性)が確保される。また、定着ベルト21は、小型化及び低熱容量化のため、その全体の厚さが1mm以下、直径が30mm以下であることが好ましい。
【0027】
定着ベルト21は、その長手方向Xにおいて、一対の回転体保持部材であるベルト保持部材27(図3参照)によって回転可能に保持される。なお、ここでいう定着ベルト21の「長手方向両端部」、及び以下の説明中における定着ベルト21の「長手方向端部」は、定着ベルト21の長手方向の最も端の端縁のみを意味する場合に限らない。「長手方向両端部」及び「長手方向端部」には、定着ベルト21の長手方向の最も端の端縁のほか、定着ベルト21を長手方向に三等分した場合の端縁から三分の一の長さの範囲内における任意の位置も含まれる。従って、ベルト保持部材27は、定着ベルト21の長手方向の最も端の端縁を含む領域(長手方向端部)を保持する場合のほか、定着ベルト21の端縁を含まない領域(長手方向端部)を保持する場合であってもよい。
【0028】
具体的に、ベルト保持部材27は、定着ベルト21の長手方向端部内に挿入される断面C字状の挿入部27aと、挿入部27aよりも大きい外径に形成された規制部27bと、支持フレーム30(図2参照)に固定される固定部27cを有している。規制部27bは、少なくとも定着ベルト21の外径よりも大きく形成されており、定着ベルト21に長手方向Xの寄り(長手方向への移動)が生じた場合にその寄りを規制する。一方、挿入部27aは、定着ベルト21の内径以下の大きさに形成され、定着ベルト21の長手方向端部内に挿入されることにより、定着ベルト21を内側から回転可能に保持する部分である。固定部27cは、定着ベルト21の長手方向両端部側に配置される一対の支持フレーム30に固定される。これにより、定着ベルト21は、その長手方向両端部においてベルト保持部材27を介して支持フレーム30に対し回転可能に支持される。
【0029】
加圧ローラ22は、定着ベルト21の外周面に対向して配置される回転体(第二回転体又は対向部材)であると共に、定着ベルト21の外周面に加圧される加圧部材でもある。加圧ローラ22は、定着ベルト21の外周面に接触し、定着ベルト21との間において用紙Pを通過させるニップ部Nを形成する。
【0030】
具体的に、加圧ローラ22は、中実の鉄製芯材と、この芯材の外周面に設けられる弾性層と、弾性層の外周面に設けられる離型層により構成される。芯材は、中空の部材であってもよい。弾性層は、シリコーンゴム、又は発泡性シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴムなどにより形成される。離型層は、PFA又はPTFEなどのフッ素樹脂により形成される。
【0031】
ヒータ23は、定着ベルト21を加熱する加熱源である。また、加圧ローラ22を加熱する熱源が別途設けられていてもよい。本実施形態においては、加熱源として、抵抗発熱体51を有する面状又は板状のヒータ23が用いられている。ヒータ23は、定着ベルト21の内周面に接触するように配置されている。このため、ヒータ23が通電により抵抗発熱体51が発熱すると、その熱が定着ベルト21の内周面に対して伝達され、定着ベルト21が加熱される。なお、加熱源は、本実施形態のような面状又は板状のヒータ23のほか、ハロゲンヒータ、カーボンヒータ又はセラミックヒータなどの輻射熱式のヒータ、あるいは電磁誘導加熱方式の加熱源であってもよい。
【0032】
ヒータホルダ24は、定着ベルト21内においてヒータ23(加熱源)を保持する加熱源保持部材である。ヒータホルダ24は、ヒータ23の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料により構成される。例えば、ヒータホルダ24の材料として、LCPなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂を用いた場合は、ヒータ23からヒータホルダ24への伝熱が抑制されるため、効率的に定着ベルト21を加熱することができる。
【0033】
ステー25は、ヒータホルダ24を補強する補強部材である。ステー25が、ヒータホルダ24の加圧ローラ22側とは反対側の面を支持することにより、加圧ローラ22の加圧力によるヒータホルダ24及びヒータ23の撓み(特に定着ベルト21の長手方向に渡る撓み)が抑制される。これにより、均一な幅のニップ部Nが得られるようになる。ステー25の材料としては、剛性を確保するため、SUS又はSECCなどの鉄系金属材料が好ましい。
【0034】
温度センサ26は、ヒータ23に接触し、ヒータ23の温度を検知する温度検知部材である。本実施形態においては、温度センサ26が、ヒータ23のニップ部N側とは反対側の面に接触するように配置されている。なお、温度センサ26は、ヒータ23に対して接触する接触式の温度センサに限らず、ヒータ23に対して接触しないように配置される非接触式の温度センサであってもよい。温度センサ26としては、例えば、サーモパイル、サーモスタット、サーミスタ又はNCセンサなどの公知の温度センサを用いることが可能である。
【0035】
分離部材28は、ニップ部Nを通過した用紙Pを定着ベルト21の表面から分離する部材である。分離部材28は、例えば防錆加工した鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属材料により構成され、ニップNよりも用紙搬送方向下流側に配置される。また、分離部材28の先端部(図2における下端部)は、ニップ部Nよりも用紙搬送方向下流側において定着ベルト21の表面(外周面)に接近して配置される。このため、用紙Pがニップ部Nを通過して分離部材28の先端部の位置に至ると、用紙Pの先端が分離部材28の先端部に接触することにより、用紙Pが定着ベルト21の表面から分離される。
【0036】
一対の支持フレーム30は、定着ベルト21、加圧ローラ22のそれぞれの長手方向両端部を支持する金属製のフレーム部材である。また、一対の支持フレーム30は、定着ベルト21及び加圧ローラ22のほか、ステー25、分離部材28のそれぞれの長手方向両端部も支持する。
【0037】
図4は、本実施形態に係るヒータ23の平面図である。
【0038】
図4に示されるように、本実施形態に係るヒータ23は、板状の基材50と、基材50上に設けられる複数の抵抗発熱体51と、複数の抵抗発熱体51を被覆する絶縁層52と、給電線54を介して複数の抵抗発熱体51に接続される一対の電極部53を有している。
【0039】
基材50は、図4における横方向へ伸びる長手状の板材により構成される。また、基材50は、その長手方向が定着ベルト21の長手方向X(図3参照)となるように配置される。基材50の材料としては、耐熱性及び絶縁性に優れるアルミナ又は窒化アルミニウムなどのセラミック、ガラス、マイカなどの非金属材料が好ましい。また、基材50と抵抗発熱体51との間に別途絶縁層を介在させることにより、基材50の材料として、金属材料などの導電材料を用いることもできる。金属材料としては、例えば、アルミニウム又はステンレスなどが低コストである点において好ましい。また、ヒータ23の均熱性を向上させ、画像品位を高めるために、基材50を銅、グラファイト、グラフェンなどの高熱伝導率の材料により構成してもよい。
【0040】
複数の抵抗発熱体51は、通電により発熱する発熱体として機能する部分であり、基材50の長手方向に渡って互いに間隔をあけて配置されている。互いに隣り合う抵抗発熱体51同士の隙間は、抵抗発熱体51間の絶縁性を確保する観点から、0.2mm以上が好ましく、0.4mm以上がさらに好ましい。ただし、抵抗発熱体51同士の隙間が大きすぎると、その隙間の部分において温度低下が生じやすくなるため、長手方向に渡る温度ムラを抑制する観点から、5mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましい。各抵抗発熱体51は、例えば、銀パラジウム(AgPd)及びガラス粉末などを調合したペーストをスクリーン印刷などにより基材50に塗工し、その後、基材50を焼成することによって形成される。また、抵抗発熱体51の材料として、銀合金(AgPt)又は酸化ルテニウム(RuO)などの抵抗材料を用いてもよい。
【0041】
各抵抗発熱体51は、給電線54を介して一対の電極部53に対して接続されている。本実施形態においては、一対の電極部53が、基材50の長手方向両端部に設けられ、各電極部53に対して各抵抗発熱体51が電気的に並列に接続されている。各電極部53に対して給電部材としてのコネクタが接続されると、電源部から各抵抗発熱体51へ給電可能な状態となる。
【0042】
抵抗発熱体51及び給電線54は、これらの絶縁性と耐久性を確保するため、絶縁層52によって覆われている。一方、電極部53は、コネクタが接続されるため、絶縁層52によって覆われておらず、露出している。絶縁層52は、例えば、耐熱性ガラスなどにより構成される。本実施形態においては、抵抗発熱体51、電極部53、給電線54及び絶縁層52が、基材50の定着ベルト21側(ニップ部N側)の面に設けられているが(図2参照)、反対に、基材50のヒータホルダ24側の面に設けられてもよい。その場合、抵抗発熱体51の熱が基材50を介して定着ベルト21に伝達されるため、基材50は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で構成されることが好ましい。
【0043】
本実施形態に係る定着装置20は、次のように動作する。
【0044】
印刷動作が開始されると、加圧ローラ22が図2中の矢印方向へ回転駆動し、これに伴って定着ベルト21が従動回転する。また、通電によりヒータ23が発熱し、ヒータ23によって定着ベルト21が加熱される。このとき、温度センサ26によってヒータ23の温度が検知され、検知された温度に基づいてヒータ23の発熱量が制御されることにより、定着ベルト21の温度が所定の定着温度(画像定着可能な温度)に維持される。そして、未定着画像を担持する用紙Pが、定着ベルト21と加圧ローラ22との間(ニップ部N)へ搬送されると、定着ベルト21と加圧ローラ22によって用紙Pが加熱及び加圧される。これにより、用紙P上の画像が用紙Pに定着される。その後、用紙Pは、ニップ部Nを通過し、分離部材28によって定着ベルト21の表面から分離される。
【0045】
ここで、本実施形態に係る定着装置20は、上記のような一対の支持フレーム30を備えているところ、支持フレーム30間の距離を所定の距離に保持し、フレーム全体としての剛性及び強度を向上させるには、一対の支持フレーム30同士を連結する連結フレームが設けられることが好ましい。しかしながら、上記特許文献1に開示される構成のように、連結フレームが支持フレーム間の前後二箇所に配置されると、フレーム全体の剛性及び強度は向上するが、定着装置のサイズが大きくなることに加え、重量が増し、コストも増大する問題がある。
【0046】
そこで、本発明においては、装置の小型化、軽量化又は低コスト化を図るため、次のような構成を提案する。以下、本発明の構成について、上記実施形態に係る定着装置を例に説明する。
【0047】
図5は、本発明の実施形態に係る定着装置20の斜視図である。
【0048】
図5に示されるように、本実施形態に係る定着装置20は、定着ベルト21及び加圧ローラ22などの各種構成部材が取り付けられる装置フレーム29として、一対の支持フレーム30のほか、1つの連結フレーム31を備えている。
【0049】
ここで、図5において、定着ベルト21又は加圧ローラ22の長手方向Xを「X軸方向」とすると、連結フレーム31は、X軸方向に延在し、一対の支持フレーム30のX軸方向における両端部側に連結されている。詳しくは、X軸方向における連結フレーム31の両端部側に設けられる複数の係合孔31aに対して、各支持フレーム30に設けられる複数の係合突起30aが挿入されて互いに係合することにより、各支持フレーム30が連結フレーム31に対して連結される。これにより、支持フレーム30同士が連結フレーム31を介して連結される。
【0050】
また、連結フレーム31は、後述の本体フレームに対する固定を行うねじを挿通させる一対のねじ挿通孔31bと、本体フレームに対する位置決めを行うための一対の位置決め孔31cとを有している。各挿通孔31b及び各位置決め孔31cは、連結フレーム31の各係合孔31aが設けられる箇所よりもさらにX軸方向における連結フレーム31の両端部側に設けられている。
【0051】
一方、一対の支持フレーム30は、加圧ローラ22の回転軸、ヒータ23及びヒータホルダ24のそれぞれのX軸方向における両端部が挿入される切り欠き状の凹部30bを有している。凹部30bは、各支持フレーム30の連結フレーム31側の端部とは反対の端部において開口しており、その凹部30bの開口部を通して加圧ローラ22の回転軸、ヒータ23及びヒータホルダ24のそれぞれの両端部が凹部30b内に挿入されて組み付けられる。また、凹部30bの底に相当する箇所には、加圧ローラ22の回転軸を回転可能に支持するすべり軸受41が設けられている。
【0052】
加圧ローラ22が一対の支持フレーム30に対して組み付けられた状態においては、加圧ローラ22の回転軸の一端部に設けられる駆動伝達ギア42が、一方(図5における右側)の支持フレーム30よりも外側に配置される。この駆動伝達ギアは、画像形成装置に設けられる駆動源から加圧ローラ22へ駆動力を伝達するギアである。定着装置20が画像形成装置に搭載されると、駆動伝達ギア42が画像形成装置に設けられる本体側ギアと噛み合い、駆動伝達ギア42を介して駆動源から加圧ローラ22へ駆動力を伝達可能な状態となる。
【0053】
また、各支持フレーム30は、連結フレーム31側の端部とは反対の端部に、本体フレームに対して取り付けられる複数の取付部30cを有している。ここで、図5において、X軸方向とは交差する第一交差方向を「Y軸方向」とし、X軸方向及びY軸方向の両方向に対して交差する第二交差方向を「Z軸方向」とすると、取付部30cは、各支持フレーム30のY軸方向における連結フレーム31側とは反対側の端部に、Z軸方向において互いに間隔をあけて2つずつ設けられている。なお、取付部30cの数は、2つに限らず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0054】
続いて、図6を参照しつつ、定着装置20が装着される画像形成装置の本体フレームの構成について説明する。図6において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、上記図5におけるX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に対応する方向を示している。
【0055】
図6に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置の本体フレーム60は、互いにX軸方向に離れて配置される一対の側壁部61と、一対の側壁部61の間でY軸方向に対して直交するように配置される縦壁部62と、一対の側壁部61の間でZ軸方向に対して直交するように配置される底壁部63とを有している。
【0056】
縦壁部62のX軸方向における両端部側には、一対の支持フレーム30の上記各取付部30cが挿入されて取り付けられる複数の孔部60aが設けられている。孔部60aは、取付部30cに対応してZ軸方向に間隔をあけて2つずつ設けられている。
【0057】
一対の側壁部61の縦壁部62が設けられる側とは反対側(図6におけるY軸方向の手前側)には、それぞれ突片部64が設けられている。各突片部64には、定着装置20を固定するためのねじが装着される一対のねじ孔60bと、定着装置20を位置決めするための一対の位置決め突起60cが設けられている。
【0058】
図7に、本体フレーム60に対して定着装置20が装着された状態を示す。
【0059】
図7に示されるように、本体フレーム60に対して定着装置20が装着された状態においては、定着装置20が一対の側壁部61の間に配置される。
【0060】
定着装置20を本体フレーム60に装着する際は、まず、一対の支持フレーム30に設けられる各取付部30cを、本体フレーム60に設けられる各孔部60a内に挿入する。これにより、各取付部30cが各孔部60aに対して係合し、各支持フレーム30が本体フレーム60に対してX軸方向(長手方向X)及びZ軸方向に位置決めされる。
【0061】
なお、本実施形態においては、寸法公差などによる取付部30cと孔部60aとの干渉及び挿入容易性を考慮し、図7における下側の取付部30cは、本体フレーム60に対してZ軸方向(第二交差方向)には位置決めされないようにしている。すなわち、図7における上側の取付部30cは、本体フレーム60に対してX軸方向及びZ軸方向(第二交差方向)の両方向に位置決めされるが、下側の取付部30cは、本体フレーム60に対してX軸方向のみに位置決めされ、Z軸方向には位置決めされないように構成されている。このように、各支持フレーム30が有する複数の取付部30cのうち、一部の取付部30cがZ軸方向に位置決めされ、その他の取付部30cがZ軸方向に位置決めされないようにすることにより、各支持フレーム30のZ軸方向における位置決めを行いつつ、取付部30cの挿入を容易に行えるようになる。
【0062】
また、本実施形態においては、孔部60aに対する取付部30cの挿入を行いやすくするために、取付部30cを先端部(挿入方向)に向かって幅が小さくなる三角形状に形成すると共に(図5参照)、孔部60aを矩形状又は菱形状に形成している(図6参照)。これにより、例えば、図8中の二点鎖線にて示されるように、孔部60aに対する取付部30cの挿入位置(挿入姿勢)が正しい挿入位置(点線で示される位置)から斜めにずれたとしても、取付部30cが孔部60aの矩形状又は菱形状の縁60dに接触することにより、取付部30cがその縁60dに沿って図中の矢印方向に案内され、取付部30cの挿入姿勢が正しく修正される。すなわち、矩形状又は菱形状に形成される縁60dは、取付部30cを正しい挿入位置に案内するガイド部として機能する。これにより、取付部30cが挿入されやすくなる。なお、取付部30c及び孔部60aの形状は、本実施形態の形状に限らない。例えば、取付部30c又は孔部60aを、挿入方向に向かって縮径するテーパ状に形成してもよい。また、本実施形態とは反対に、取付部30cは、本体フレーム60に設けられる凸部が挿入される孔部又は凹部であってもよい。
【0063】
また、図9(a)に示されるように、孔60bに対して取付部30cが挿入された状態においては、取付部30cの段差部30gが孔部60aの縁に突き当たるようにしてもよいし、図9(b)に示されるように、取付部30cの段差部30gが孔部60aの縁に突き当たらないようにしてもよい。例えば、支持フレーム30の強度が低い場合、あるいは、支持フレーム30に対して大きな荷重が作用する場合は、図9(a)に示されるように、取付部30cの段差部30gが孔部60aの縁に突き当たるようにすることが好ましい。一方、支持フレーム30の強度が高い場合、あるいは、支持フレーム30に対して大きな荷重が作用しない場合は、図9(b)に示されるように、取付部30cの段差部30gが孔部60aの縁に突き当たらないようにしてもよい。
【0064】
また、図7に示されるように、本体フレーム60の各孔部60aに対して各取付部30cが挿入された状態においては、定着装置20の連結フレーム31が、本体フレーム60の一対の突片部64に対して対向するように配置される。このとき、連結フレーム31に設けられる各位置決め孔31cを、各突片部64に設けられる位置決め突起60cに対して対向するように配置し、各位置決め突起60cを各位置決め孔31c内に挿入する。これにより、各位置決め突起60cと各位置決め孔31cとが係合し、本体フレーム60に対する連結フレーム31のX軸方向及びZ軸方向の位置決めが行われる。
【0065】
なお、本実施形態においては、図10に示されるように、一対の位置決め孔31cのうち、一方(図10における左側)の位置決め孔31cが、位置決め突起60cよりもX軸方向(長手方向X)に大きい長孔に形成されている。このように、一方の位置決め孔31cを長孔とすることにより、寸法公差及び熱膨張などにより位置決め孔31cに対する位置決め突起60の位置がずれたとしても、位置決め突起60cと位置決め孔31cとの干渉を回避できる。なお、本実施形態とは反対に、図10における右側の位置決め孔31cを長孔に形成してもよい。また、互いに係合して位置決めされる連結フレーム31と本体フレーム60の各位置決め部同士の凹凸関係は、本実施形態とは逆に、連結フレーム31に位置決め突起が設けられ、本体フレーム60に位置決め孔が設けられてもよい。
【0066】
最後に、図7に示されるねじ43を用いて、連結フレーム31を本体フレーム60の各突片部64に対して固定する。すなわち、ねじ43を、連結フレーム31の各ねじ挿通孔31bに挿通し、そのねじ43を本体フレーム60のねじ孔60bに締結する。これにより、定着装置20が本体フレーム60に対してY軸方向に移動(離脱)しないように固定され、本体フレーム60に対する定着装置20の装着作業が完了する。
【0067】
上記のように、定着装置20が本体フレーム60に対して装着された状態においては、一対の支持フレーム30が本体フレーム60に対して位置決めされる。すなわち、各支持フレーム30の取付部30cが本体フレーム60の孔部60a内に挿入されて係合することにより、各支持フレーム30が本体フレーム60に対してX軸方向及びZ軸方向に位置決めされる。このため、一対の支持フレーム30間の距離(長手方向Xにおける距離)が所定の距離に保持される。
【0068】
ここで、本実施形態においては、各支持フレーム30の取付部30c側に、支持フレーム30同士を連結する連結フレームが設けられていない(図5参照)。しかしながら、本実施形態においては、上記のように、定着装置20が本体フレーム60に装着されることにより、一対の支持フレーム30が位置決めされるため、これらの間の距離が所定の距離に保持される。すなわち、本実施形態においては、取付部30c側に連結フレームが設けられていなくても、各支持フレーム30が本体フレーム60に対して取り付けられることにより、本体フレーム60が支持フレーム30間の距離を保持する連結フレームとして機能するため、各支持フレーム30間の剛性及び強度が向上する。
【0069】
このように、本実施形態においては、各支持フレーム30の取付部30c側に連結フレームが無くても、定着装置20が本体フレーム60に対して装着されることにより、取付部30c側において支持フレーム30間の距離を所定の距離に保持することができるため、図11(a)に示されるように、定着ベルト21及び加圧ローラ22よりも取付部30c側(図における上側)において連結フレームを省略することができる。このため、本実施形態に係る定着装置20においては、図11(b)に示されるような支持フレーム30の上側と下側の両方において連結フレーム31が配置される構成に比べて、装置の小型化、軽量化又は低コスト化を図れるようになる。
【0070】
以上のように、本実施形態に係る定着装置20によれば、一対の支持フレーム30間の定着ベルト21及び加圧ローラ22よりも取付部30c側において、連結フレームを無くすことにより、装置の小型化、軽量化又は低コスト化を実現できる。また、定着装置20が本体フレーム60に対して装着された状態においては、支持フレーム30間の距離が所定の距離に保持され、定着装置全体の剛性及び強度が確保される。従って、本発明に係る定着装置20によれば、装置全体の剛性及び強度の確保と、小型化、軽量化又は低コスト化の両立を実現できるようになる。
【0071】
また、本実施形態においては、本体フレーム60に対して定着装置20が装着される前の状態であっても、定着装置20の剛性及び強度を確保できる。すなわち、本実施形態においては、支持フレーム30間の取付部30c側とは反対側に連結フレーム31が設けられているため、装着前の状態(定着装置単体の状態)の定着装置20の剛性及び強度を確保できる。このため、本実施形態においては、画像形成装置に対する装着時に定着装置20が大きく変形することがなく、装着作業を良好に行える。
【0072】
なお、定着装置20の剛性及び強度がある程度確保できれば、図12に示される例のように、取付部30c側とこれとは反対の両側において、連結フレームを無くしてもよい。例えば、定着ベルト21内に配置されるステー25などが一対の支持フレーム30同士を連結する連結フレームとして機能することにより、剛性及び強度をある程度確保できれば、取付部30c側とこれとは反対の両側において、連結フレームを無くすことも可能である。ただし、この場合は、取付部30c側とは反対側において連結フレームが無いため、代わりに各支持フレーム30の取付部30c側とは反対側の端部に、位置決め孔30e及びねじ挿通孔30dを有する取付部30fが設けられている。従って、図13に示されるように、定着装置20が本体フレーム60に装着された状態においては、各支持フレーム30の位置決め孔30eに対して本体フレーム60の位置決め突起60cが挿入されると共に、各支持フレーム30のねじ挿通孔30dを通してねじ43が締結されることにより、定着装置20が本体フレーム60に対して固定される。
【0073】
このように、各支持フレーム30の取付部30c側とこれとは反対の両側において連結フレームを無くしても、一対の支持フレーム30が取付部30側とこれとは反対の両側において本体フレーム60に対して取り付けられることにより、支持フレーム30間の距離を所定の距離に保持でき、剛性及び強度を確保できる。
【0074】
なお、取付部30c(図12における取付部30c,30f)が設けられる箇所、及び、連結フレーム31を無くす箇所は、Y軸方向における各支持フレーム30の一端部側又は両端部側である場合に限らず、Z軸方向における各支持フレーム30の一端部側又は両端部側であってもよい。すなわち、本発明おいて、取付部が設けられる箇所、及び、連結フレームを無くす箇所は、定着ベルト21及び加圧ローラ22などの回転体の長手方向Xとは交差する第一交差方向における各支持フレーム30の両端部のうち、一対の回転体(定着ベルト21及び加圧ローラ22)よりも少なくとも一方の端部側であればよい。また、ここでいう「第一交差方向」は、Y軸方向であってもよいし、Z軸方向であってもよい。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記のような構成の定着装置に限らず、他の構成の定着装置にも適用可能である。以下に、本発明を適用可能な定着装置の構成をいくつか例示する。
【0076】
図14に示される定着装置20は、上記図2に示される定着装置20と比べて、ヒータ23の温度を検知する温度センサ26の位置が異なる。それ以外の部分は、同じ構成である。なお、図14において、図2に示される分離部材28及び支持フレーム30は省略されている。図14に示される定着装置20においては、通紙方向におけるニップ部Nの中央Mよりも通紙方向上流側(ニップ入口側)に配置されている。一方、図2に示される定着装置20においては、温度センサ26が、ニップ部Nの中央Mに配置されている。図14に示されるように、温度センサ26がニップ部Nの中央Mよりも通紙方向上流側に配置されている場合は、温度センサ26によってニップ入口側の温度を精度良く検知できる。ニップ入口側においては、ニップ部Nに進入する用紙Pによって定着ベルト21の熱が特に奪われやすい領域であるため、温度センサ26によってニップ入口側の温度を精度良く検知することにより、画像の定着性を確保でき、定着オフセット(トナー画像を十分に加熱できない状態)の発生を効果的に抑制できる。
【0077】
次に、図15に示される実施形態においては、ヒータ23によって定着ベルト21を加熱する加熱用のニップ部N1と、用紙Pを通過させる定着用のニップ部N2が、それぞれ別の位置に形成されている。具体的に、本実施形態においては、定着ベルト21の内側に、ヒータ23のほかニップ形成部材150が配置され、ヒータ23とニップ形成部材150に対してそれぞれ加圧ローラ151,152が定着ベルト21の外側から押し当てられている。これより、ヒータ23と一方の加圧ローラ151との間において加熱用のニップ部N1が形成され、ニップ形成部材150と他方の加圧ローラ152との間において定着用のニップ部N2が形成されている。この場合、加熱用のニップ部N1において定着ベルト21が加熱され、定着用のニップ部N2において定着ベルト21の熱が用紙Pへ付与されることにより、未定着画像が用紙Pに定着される。
【0078】
続いて、図16に示される定着装置20は、上記図15に示される定着装置において、ヒータ23側の加圧ローラ151が省略され、ヒータ23が定着ベルト21の曲率に合わせて円弧状に形成された例である。それ以外は、図15に示される構成と同じである。この場合、ヒータ23が円弧状に形成されていることにより、定着ベルト21とヒータ23とのベルト回転方向の接触長さを確保し、定着ベルト21を効率良く加熱できる。
【0079】
続いて、図17に示される定着装置20は、一対のベルト161,162の間に、ローラ163が配置された例である。この例においては、図17における左側のベル161内にヒータ23が配置され、右側のベルト162内にニップ形成部材153が配置されている。ヒータ23が左側のベルト161を介してローラ163に接触することにより、加熱用のニップ部N1が形成され、ニップ形成部材153が右側のベルト162を介してローラ163に接触することにより、定着用のニップ部N2が形成されている。
【0080】
また、本発明に係る画像形成装置は、図1に示されるカラー画像形成装置に限らず、図18に示されるような構成の画像形成装置にも適用可能である。以下、本発明を適用可能な他の実施形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
【0081】
図18に示される画像形成装置100は、感光体ドラムなどから成る画像形成手段170と、一対のタイミングローラ171などから成る用紙搬送部と、給紙装置172と、定着装置173と、排紙装置174と、読取部175を備えている。給紙装置172は複数の給紙トレイを備え、それぞれの給紙トレイが異なるサイズの用紙を収容する。
【0082】
読取部175は原稿Qの画像を読み取る。読取部175は、読み取った画像から画像データを生成する。給紙装置172は、複数の用紙Pを収容し、搬送路へ用紙Pを送り出す。タイミングローラ171は搬送路上の用紙Pを画像形成手段170へ搬送する。
【0083】
画像形成手段170は、用紙Pにトナー画像を形成する。具体的に、画像形成手段170は、感光体ドラムと、帯電ローラと、露光装置と、現像装置と、補給装置と、転写ローラと、クリーニング装置と、除電装置を含む。定着装置173は、トナー画像を加熱及び加圧して、用紙Pにトナー画像を定着させる。トナー画像の定着された用紙Pは、搬送ローラなどにより排紙装置174へ搬送される。排紙装置174は、画像形成装置100の外部に用紙Pを排出する。
【0084】
次に、図19に基づき、本実施形態に係る定着装置173について説明する。なお、図19に示される構成において、図2に示される上記実施形態の定着装置20と共通する構成の部分については、同一の符号を付すことによりその説明を省略する。
【0085】
図19に示されるように、定着装置173は、定着ベルト21と、加圧ローラ22と、ヒータ23と、ヒータホルダ24と、ステー25と、温度センサ26などを備えている。
【0086】
定着ベルト21と加圧ローラ22との間にニップ部Nが形成される。ニップ部Nのニップ幅は10mm、定着装置173の線速は240mm/sである。
【0087】
定着ベルト21は、ポリイミドの基体と離型層とを備え、弾性層を有していない。離型層は、例えばフッ素樹脂から成る耐熱性のフィルム材によって形成される。定着ベルト21の外径は約24mmである。
【0088】
加圧ローラ22は、芯金と弾性層と離型層とを含む。加圧ローラ22の外径は24~30mmであり、弾性層の厚みは3~4mmである。
【0089】
ヒータ23は、基材と、断熱層と、抵抗発熱体などを含む導体層と、絶縁層とを含み、全体の厚みが1mmに設定される。また、ヒータ23の用紙搬送方向の幅は13mmである。
【0090】
ヒータホルダ24は、定着ベルト21をガイドするガイド部38を有している。ガイド部38は、定着ベルト21の内周面に沿って円弧状又は凸曲面状に形成されるガイド面を有し、定着ベルト21が回転すると、定着ベルト21がガイド面に対して摺動することにより案内される。ガイド部38は、ヒータホルダ24と一体でなく、別体で構成されてもよい。
【0091】
図20に示されるように、ヒータ23の導体層は、複数の抵抗発熱体51と、給電線54と、電極部53A~53Cを備えている。複数の抵抗発熱体51は、ヒータ23の長手方向(矢印X方向)に互いに間隔をあけて配置されている。ここで、各抵抗発熱体51同士の間の部分を、「分割領域」と称すると、図20の拡大図に示されるように、各抵抗発熱体51の間は、それぞれ分割領域Bが形成されている(図20においては、拡大図の範囲のみで分割領域Bを図示しているが、実際は全ての抵抗発熱体51同士の間に分割領域Bが設けられている)。また、図20において、矢印Y方向は、ヒータ23の長手方向Xに交差又は直交する方向(長手交差方向)で、基材50の厚み方向と異なる方向である。また、矢印Y方向は、複数の抵抗発熱体51の配列方向に交差する方向(配列交差方向)、又は、基材50の抵抗発熱体51が設けられた面に沿う方向でヒータ23の短手方向、あるいは、定着装置に通紙される用紙の搬送方向と同じ方向でもある。
【0092】
また、複数の抵抗発熱体51により、中央の発熱部55Bと、これとは独立して発熱可能な両端側の発熱部55A,55Cが構成されている。例えば、3つの電極部53A~53Cのうち、図20の左端の電極部53Aと中央の電極部53Bに通電すると、両端側の発熱部55A,55Cが発熱する。また、両端の電極部53A,53Cに通電すると、中央の発熱部55Bが発熱する。例えば、小サイズ用紙に定着動作を行う場合は、中央の発熱部55Bのみを発熱させ、大サイズ用紙に定着動作を行う場合は、全ての発熱部55A~55Cを発熱させることにより、用紙のサイズに応じた加熱が可能である。
【0093】
また、図21に示されるように、本実施形態に係るヒータホルダ24は、ヒータ23を収容して保持する凹部24aを有している。凹部24aは、ヒータホルダ24のヒータ23側に形成されている。また、凹部24aは、ヒータ23とほぼ同じサイズの矩形(長方形)に形成された面(底面)24fと、その面24fの外郭を形成する4つの辺に沿って面24fと交差するように設けられた4つの壁部(側面)24b,24c,24d,24eにより構成されている。なお、図21において、右側の壁部24eは、図示省略されている。また、ヒータ23の長手方向X(抵抗発熱体51の配列方向)に対して交差する一対(左右)の壁部24d,24eのうち、一方の壁部を省略し、凹部24aがヒータ23の長手方向の一端部において開口するように構成してもよい。
【0094】
図22に示されるように、本実施形態に係るヒータ23及びヒータホルダ24は、コネクタ36によって保持される。コネクタ36は、樹脂製(例えばLCP)のハウジングと、ハウジング内に設けられた複数のコンタクト端子などを有している。
【0095】
コネクタ36は、ヒータ23及びヒータホルダ24に対して、ヒータ23の長手方向X(抵抗発熱体51の配列方向)とは交差する方向に取り付けられる(図22のコネクタ36からの矢印方向参照)。また、コネクタ36は、ヒータ23の長手方向X(抵抗発熱体51の配列方向)におけるいずれか一方の端部側であって、加圧ローラ22の駆動モータが設けられる側とは反対側において、ヒータ23及びヒータホルダ24に取り付けられる。なお、コネクタ36のヒータホルダ24に対する取り付け時に、コネクタ36とヒータホルダ24のうちの一方に設けられた凸部が、他方に設けられた凹部に係合し、凸部が凹部内を相対移動する構成としてもよい。
【0096】
コネクタ36が取り付けられた状態においては、ヒータ23とヒータホルダ24がその表側と裏側からコネクタ36によって挟まれるようにして保持される。この状態において、各コンタクト端子がヒータ23の各電極部に接触(圧接)されることにより、コネクタ36を介して各抵抗発熱体51と画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続される。これにより、電源から各抵抗発熱体51へ電力が供給可能な状態となる。
【0097】
また、図22に示されるフランジ48は、定着ベルト21の長手方向における両端部に設けられ、定着ベルト21の両端部を内側から保持するベルト保持部材である。フランジ48は、ステー25の両端に挿入され、定着装置のフレーム部材である一対の側板に固定される。
【0098】
図23は、本実施形態に係る温度センサ26と、通電遮断部材であるサーモスタット19の配置を示す図である。
【0099】
図23に示されるように、本実施形態に係る温度センサ26は、定着ベルト21の長手方向Xにおける中央部Xm側と端部側のそれぞれの内周面に対向するように配置されている。また、これらの温度センサ26のうちいずれか一方は、ヒータ23の抵抗発熱体同士間の上記分割領域B(図20参照)に対応する位置に配置される。
【0100】
また、定着ベルト21の中央部Xm側と端部側においては、通電遮断部材としてのサーモスタット19が定着ベルト21の内周面に対向するように配置されている。各サーモスタット19は、定着ベルト21の内周面の温度又は内周面近傍の雰囲気温度を検知する。サーモスタット19によって検知された温度があらかじめ設定された閾値を超えた場合は、ヒータ23への通電が遮断される。
【0101】
また、図23及び図24に示されるように、定着ベルト21の両端部を保持するフランジ48には、スライド溝48aが設けられている。スライド溝48aは、定着ベルト21の加圧ローラ22に対する接離方向に延在する。スライド溝48aには定着装置の筐体の係合部が係合する。この係合部がスライド溝48a内を相対移動することにより、定着ベルト21は加圧ローラ22に対する接離方向へ移動可能に構成されている。
【0102】
また、本発明は、次のような構成の定着装置にも適用可能である。
【0103】
図25は、本発明を適用可能な別の定着装置の概略構成図である。
【0104】
図25に示される定着装置20は、第一回転体あるいは定着部材としての定着ベルト21と、第二回転体あるいは加圧部材としての加圧ローラ22と、加熱源としてのヒータ23と、加熱源保持部材としてのヒータホルダ24と、補強部材としてのステー25と、温度検知部材としての温度センサ(サーミスタ)26と、均熱部材(熱移動補助部材)である第一高熱伝導部材181を備えている。定着ベルト21は、無端状のベルトから成る。加圧ローラ22は、定着ベルト21の外周面に接触して、定着ベルト21との間にニップ部Nを形成する。ヒータ23は、定着ベルト21を加熱する。ヒータホルダ24は、ヒータ23及び第一高熱伝導部材181を保持する。ステー25は、ヒータホルダ24を支持する。温度センサ26は、第一高熱伝導部材181の温度を検知する。なお、図25の紙面に直交する方向は、定着ベルト21、加圧ローラ22、ヒータ23、ヒータホルダ24、ステー25、第一高熱伝導部材181の長手方向であり、以下、この方向を単に長手方向と呼ぶ。また、この長手方向は搬送される用紙の幅方向、定着ベルト21の長手方向、そして、加圧ローラ22の軸方向でもある。
【0105】
ここで、図25に示されるヒータ23は、上記図20に示されるヒータと同じように、複数の抵抗発熱体51が、ヒータ23の長手方向に互いに間隔をあけて配置されている。しかしながら、複数の抵抗発熱体51が互いに間隔をあけて配置される構成においては、抵抗発熱体51同士の間隔である分割領域Bにおけるヒータ23の温度が、抵抗発熱体51が配置される部分に比べて低くなる傾向にある。このため、分割領域Bにおいては、定着ベルト21の温度も低くなり、定着ベルト21の温度が長手方向に渡って不均一になる虞がある。
【0106】
そのため、図25に示されるヒータ23においては、分割領域Bにおける温度落ち込みを抑制して、定着ベルト21の長手方向の温度ムラを抑制するために、上記第一高熱伝導部材181を設けている。以下、第一高熱伝導部材181についてより詳細に説明する。
【0107】
図25に示されように、第一高熱伝導部材181は、図の左右方向において、ヒータ23とステー25との間に配置され、特にヒータ23とヒータホルダ24との間に挟まれる。つまり、第一高熱伝導部材181の一方の面は、ヒータ23の基材50の裏面に当接し、第一高熱伝導部材181の他方の面(一方の面とは反対側の面)は、ヒータホルダ24に当接している。
【0108】
ステー25は、ヒータ23などの厚み方向に延在する二つの垂直部25aの当接面25a1をヒータホルダ24に当接させ、ヒータホルダ24、第一高熱伝導部材181、ヒータ23を支持する。長手交差方向(図25の上下方向)において、当接面25a1は抵抗発熱体51が設けられる範囲よりも外側に設けられる。これにより、ヒータ23からステー25への伝熱を抑制でき、ヒータ23が定着ベルト21を効率よく加熱できる。
【0109】
図26に示されるように、第一高熱伝導部材181は、一定の厚みを有する板状の部材であり、例えば、その厚みが0.3mm、長手方向の長さが222mm、長手交差方向の幅が10mmに設定される。この例においては、第一高熱伝導部材181が単一の板材により構成されるが、複数の部材からなってもよい。なお、図26においては、図25に記載のガイド部38が省略されている。
【0110】
第一高熱伝導部材181は、ヒータホルダ24の凹部24aに嵌め込まれ、その上からヒータ23が取り付けられることで、ヒータホルダ24とヒータ23とに挟み込まれて保持される。この例においては、第一高熱伝導部材181の長手方向の幅がヒータ23の長手方向の幅と略同じに設定されている。第一高熱伝導部材181及びヒータ23は、凹部24aの長手方向と交差する方向に配置される両側壁(長手方向規制部)24d,24eによって、長手方向の移動が規制される。このように、第一高熱伝導部材181の定着装置内における長手方向の位置ずれが規制されることにより、長手方向の狙いの範囲に対して熱伝導効率を向上させることができる。また、第一高熱伝導部材181及びヒータ23は、凹部24aの長手方向に配置される両側壁(配列交差方向規制部)24b,24cによって、長手交差方向の移動が規制される。
【0111】
第一高熱伝導部材181が配置される長手方向(矢印X方向)の範囲は、図26に示される範囲に限らない。例えば、図27に示されるように、抵抗発熱体51が配置される長手方向の範囲のみに第一高熱伝導部材181が配置されてもよい(図27におけるハッチング部参照)。
【0112】
また、図28に示される例のように、複数配置される第一高熱伝導部材181の一部を、長手方向(矢印X方向)の間隔(分割領域)Bに対応する位置の全域のみに配置してもよい。なお、図28においては、便宜上、抵抗発熱体51と第一高熱伝導部材181が図28の上下方向にずらして示されているが、両者は長手交差方向(矢印Y方向)のほぼ同じ位置に配置される。また、第一高熱伝導部材181は、抵抗発熱体51の長手交差方向(矢印Y方向)の一部に渡って配置されてもよいし、図29に示される例のように、第一高熱伝導部材181が抵抗発熱体51の長手交差方向(矢印Y方向)の全体に渡って配置されていてもよい。さらに、図29に示されるように、第一高熱伝導部材181を、長手方向の間隔Bに対応する位置に加えて、その間隔Bを間にはさむ両側の抵抗発熱体51にまたがって配置することもできる。この「第一高熱伝導部材181を両側の抵抗発熱体51にまたがって配置する」とは、第一高熱伝導部材181が両側の抵抗発熱体51と長手方向の位置が少なくとも一部重なることを意味する。また、第一高熱伝導部材181は、ヒータ23の全ての間隔Bに対応する位置に配置されてもよいし、図29に示される例のように、一部の間隔B(この場合1箇所)に対応する位置だけ配置されてもよい。ここで、「第一高熱伝導部材181が間隔Bに対応する位置に配置される」とは、間隔Bと第一高熱伝導部材181の少なくとも一部が長手方向において重なることを意味する。
【0113】
加圧ローラ22の加圧力により、第一高熱伝導部材181はヒータ23とヒータホルダ24との間に挟み込まれてこれらの部材に密着する。第一高熱伝導部材181がヒータ23に接触することにより、ヒータ23の長手方向の熱伝導効率が向上する。そして、第一高熱伝導部材181が、長手方向において、ヒータ23の間隔Bに対応する位置に配置されることにより、間隔Bにおける熱伝導効率を向上させることができ、間隔Bへ伝達される熱量を増やし、間隔Bにおける温度を上昇させることができる。これにより、ヒータ23の長手方向の温度ムラを抑制でき、定着ベルト21の長手方向の温度ムラを抑制できる。その結果、用紙に定着される画像の定着ムラ及び光沢ムラを抑制できる。また、間隔Bにおいて十分な定着性能を確保するために、ヒータ23の発熱量を多くする必要が無くなり、定着装置の省エネ化を実現できる。特に、抵抗発熱体51が配置される長手方向全域に渡って第一高熱伝導部材181が配置される場合は、ヒータ23による主な加熱領域(つまり、通紙される用紙の画像形成領域)全域において、ヒータ23の伝熱効率を向上させ、ヒータ23ひいては定着ベルト21の長手方向の温度ムラを抑制できる。
【0114】
さらに、第一高熱伝導部材181とPTC特性を有する抵抗発熱体51との組み合わせにより、小サイズ用紙通紙時の非通紙領域による過昇温をより効果的に抑制できる。このPTC特性とは、温度が高くなると抵抗値が高くなる(一定電圧をかけた場合に、ヒータ出力が下がる)特性である。すなわち、抵抗発熱体51がPTC特性を有していることにより、非通紙領域における抵抗発熱体51の発熱量を効果的に抑制できると共に、第一高熱伝導部材181によって、温度が上昇した非通紙領域の熱量を通紙領域へ効率的に伝達できるので、これらの相乗効果により非通紙領域による過昇温を効果的に抑制できる。
【0115】
また、間隔Bの周辺においても、間隔Bの発熱量が小さいことによりヒータ23の温度が低くなるため、第一高熱伝導部材181を配置することが好ましい。例えば、図30に示される間隔Bの周辺の領域を含む拡大分割領域Cに対応する位置に、第一高熱伝導部材181を配置することにより、間隔B及びその周辺における長手方向の熱伝達効率を向上させ、ヒータ23の長手方向の温度ムラをより効果的に抑制できる。また、第一高熱伝導部材181が、全ての抵抗発熱体51が配置される領域の長手方向全体に渡って配置されている場合は、ヒータ23(定着ベルト21)の長手方向の温度ムラをより確実に抑制できる。
【0116】
図31は、さらに別の定着装置の例を示す図である。
【0117】
図31に示される定着装置20は、ヒータホルダ24と第一高熱伝導部材181との間に第二高熱伝導部材182を有している。第二高熱伝導部材182は、ヒータホルダ24、ステー25、第一高熱伝導部材181などの部材の積層方向(図31における左右方向)において、第一高熱伝導部材181と異なる位置に設けられる。より詳しくは、第二高熱伝導部材182は、第一高熱伝導部材181に重ね合わせされて設けられる。また、本実施形態においては、上記図25に示される例と同じように、温度センサ(サーミスタ)26が設けられているが、図31は、温度センサ26が配置されていない断面を示している。
【0118】
第二高熱伝導部材182は、基材50よりも熱伝導率の高い部材、例えばグラフェン又はグラファイトにより構成される。この例においては、第二高熱伝導部材182が、厚み1mmのグラファイトシートにより構成される。また、第二高熱伝導部材182は、アルミニウム、銅、銀などの板材により構成されてもよい。
【0119】
図32に示されるように、第二高熱伝導部材182は、ヒータホルダ24の凹部24aに複数配置され、各第二高熱伝導部材182同士の間には長手方向の間隔が介在している。ヒータホルダ24の第二高熱伝導部材182が設けられる部分には、その他の部分よりも一段深い窪みが形成されている。第二高熱伝導部材182は、長手方向の両側において、ヒータホルダ24との間に隙間が設けられている。これにより、第二高熱伝導部材182からヒータホルダ24への伝熱が抑制され、ヒータ23によって定着ベルト21が効率的に加熱される。なお、図32においては、図31に記載のガイド部38が省略されている。
【0120】
図33に示されるように、第二高熱伝導部材182(ハッチング部参照)は、長手方向(矢印X方向)において、間隔Bに対応する位置で、隣り合う抵抗発熱体51の少なくとも一部に重なる位置に配置されている。特に、この例においては、第二高熱伝導部材182が、間隔B全域に渡って配置されている。なお、図33(及び後述の図35)においては、第一高熱伝導部材181が、全ての抵抗発熱体51が配置される領域の長手方向全体に渡って配置されている場合を示しているが、第一高熱伝導部材181の配置範囲はこれに限らない。
【0121】
この例のように、第一高熱伝導部材181に加えて、長手方向の間隔Bに対応する位置で、隣り合う抵抗発熱体51の少なくとも一部に重なる位置に第二高熱伝導部材182が配置されていることにより、間隔Bにおける長手方向の熱伝達効率をより一層向上させ、ヒータ23の長手方向の温度ムラをより効果的に抑制できる。また、最も好ましくは、図34に示されるように、一部の第一高熱伝導部材181及び第二高熱伝導部材182を、間隔Bに対応する位置でその全域にのみに設ける。これにより、間隔Bに対応する位置において、その他の領域と比較して特に熱伝達効率を向上させることができる。なお、図34においては、便宜上、抵抗発熱体51と第一高熱伝導部材181及び第二高熱伝導部材182が、図の上下方向にそれぞれずらして示されているが、これらは長手交差方向(矢印Y方向)のほぼ同じ位置に配置される。ただし、これに限るものではなく、第一高熱伝導部材181及び第二高熱伝導部材182は、抵抗発熱体51の長手交差方向の一部に配置されていてもよいし、長手交差方向の全体を覆うようにして配置されていてもよい。
【0122】
また、第一高熱伝導部材181及び第二高熱伝導部材182の両方が上記グラフェンシートにより構成されてもよい。この場合、グラフェンの面に沿う所定の方向、つまり、厚み方向ではなく長手方向に熱伝導率の高い第一高熱伝導部材181及び第二高熱伝導部材182を形成できる。このため、ヒータ23及び定着ベルト21の長手方向の温度ムラを効果的に抑制できる。
【0123】
グラフェンは薄片状の粉体である。グラフェンは、図37に示されるように、炭素原子の平面状の六角形格子構造から成る。グラフェンシートとは、シート状のグラフェンであり、通常、単層である。また、グラフェンシートは、炭素の単一層に不純物を含んでいてもよいし、フラーレン構造を有するものであってもよい。フラーレン構造は、一般的に、同数の炭素原子が5員環および6員環でかご状に縮環した多環体を形成して成る化合物として認識されており、例えば、C60、C70およびC80フラーレン又は3配位の炭素原子を有する他の閉じたかご状構造である。
【0124】
グラフェンシートは、人工物であり、例えば化学気相蒸着(CVD)法により作製され得る。
【0125】
グラフェンシートには市販品を用いることができる。グラフェンシートの大きさ、厚み、あるいは後述するグラファイトシートの層数などは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定される。
【0126】
また、グラフェンを多層化したグラファイトは大きな熱伝導異方性を持つ。グラファイトは、図38に示されるように、炭素原子の縮合六員環層面が平面状に広がった層を有し、この層が何重にも重なった結晶構造を有する。この結晶構造における炭素原子間は、層内での隣接する炭素原子同士は共有結合をなし、層間の炭素原子同士はファン・デル・ワールス結合をなす。そして、共有結合はファン・デル・ワールス結合に比べてその結合力が大きく、層内での結合と層間での結合とでは大きな異方性を持つ。つまり、第一高熱伝導部材181あるいは第二高熱伝導部材182をグラファイトにより構成することにより、第一高熱伝導部材181あるいは第二高熱伝導部材182における長手方向の伝熱効率が厚み方向(つまり、部材の積層方向)に比べて大きくなり、ヒータホルダ24への伝熱を抑制できる。従って、ヒータ23の長手方向の温度ムラを効率よく抑制するとともに、ヒータホルダ24側へ流出する熱を最小限に抑えることができる。また第一高熱伝導部材181あるいは第二高熱伝導部材182をグラファイトにより構成することにより、700度程度まで酸化しない優れた耐熱性を第一高熱伝導部材181あるいは第二高熱伝導部材182に持たせることができる。
【0127】
グラファイトシートの物性や寸法は、第一高熱伝導部材181あるいは第二高熱伝導部材182に求められる機能に応じて適宜変更できる。例えば、高純度のグラファイトあるいは単結晶グラファイトを用いる、あるいは、グラファイトシートの厚みを大きくすることにより、その熱伝導の異方性を高めることができる。また、定着装置を高速化するために、厚みの小さいグラファイトシートを用いて定着装置の熱容量を小さくしてもよい。また、ニップ部N及びヒータ23の幅が大きい場合には、それに合わせて第一高熱伝導部材181あるいは第二高熱伝導部材182の長手方向の幅を大きくしてもよい。
【0128】
機械的強度を高める観点から、グラファイトシートの層数は11以上であることが好ましい。また、グラファイトシートは部分的に単層と多層の部分とを含んでいてもよい。
【0129】
第二高熱伝導部材182は、長手方向において、間隔B(さらに拡大分割領域C)に対応する位置で、隣り合う抵抗発熱体51の少なくとも一部に重なる位置に設けられればよく、図33の配置に限らない。例えば、図35に示される例のように、第二高熱伝導部材182Aは、長手交差方向(矢印Y方向)において、基材50よりも長手交差方向の両側へ飛び出して設けられていてもよい。また、第二高熱伝導部材182Bは、長手交差方向において、抵抗発熱体51が設けられる範囲に設けられていてもよい。また、第二高熱伝導部材182Cは、間隔Bの一部に設けられていてもよい。
【0130】
また、図36に示される別の例においては、第一高熱伝導部材181とヒータホルダ24との間に厚み方向(図36における左右方向)の隙間が設けられている。つまり、ヒータ23、第一高熱伝導部材181、及び第二高熱伝導部材182が配置されるヒータホルダ24の凹部24a(図32参照)の一部の領域に、断熱層としての逃げ部24gが設けられている。逃げ部24gは、第二高熱伝導部材182(図36においては図示省略)が設けられる部分以外の長手方向の一部の領域に設けられる。また、逃げ部24gは、ヒータホルダ24の凹部24aの深さをその他の部分よりも深くすることにより形成されている。これにより、ヒータホルダ24と第一高熱伝導部材181との接触面積を最小限にとどめることができるので、第一高熱伝導部材181からヒータホルダ24への伝熱が抑制され、ヒータ23によって定着ベルト21を効率的に加熱できるようになる。なお、長手方向の第二高熱伝導部材182が設けられる断面においては、上記図31に示される実施形態のように、第二高熱伝導部材182がヒータホルダ24に当接する。
【0131】
また、この例においては、逃げ部24gが、長手交差方向(図36における上下方向)において、抵抗発熱体51が設けられた範囲全域に渡って設けられている。これにより、第一高熱伝導部材181からヒータホルダ24への伝熱が効果的に抑制され、ヒータ23による定着ベルト21の加熱効率が向上する。なお、断熱層として、逃げ部24gのように空間を設ける構成の他、ヒータホルダ24よりも熱伝導率の低い断熱部材を設ける構成であってもよい。
【0132】
また、この例においては、第二高熱伝導部材182を第一高熱伝導部材181とは異なる部材として設けたが、これに限らない。例えば、第一高熱伝導部材181の間隔Bに対応する部分を、その他の部分よりも厚みを大きくすることにより、第一高熱伝導部材181が第二高熱伝導部材182の機能を兼ねるようにしてもよい。
【0133】
以上、本発明を適用可能な他の定着装置及び画像形成装置の構成について説明したが、斯かる構成の定着装置及び画像形成装置においても本発明を適用することにより、上記実施形態と同様の効果を得られる。すなわち、本発明を適用することにより、装置全体の剛性及び強度の確保しつつ、小型化、軽量化又は低コスト化を図れるようになる。
【0134】
また、本発明は、上記のような電子写真方式の画像形成装置に搭載される定着装置に限らず、インクジェット方式の画像形成装置に搭載され、用紙に塗布されたインクなどの液体を乾燥させる乾燥装置、フィルムなどの被覆部材を用紙などのシートの表面に熱圧着させるラミネータ、あるいは包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの他の加熱装置に対しても適用可能である。
【0135】
以上説明した本発明の態様をまとめると、本発明には、少なくとも下記の構成を備える加熱装置、定着装置、画像形成装置が含まれる。
【0136】
[第1の構成]
第1の構成は、互いに接触してニップ部を形成する一対の回転体と、前記一対の回転体のうちの少なくとも一方を加熱する加熱源と、前記一対の回転体の長手方向両端部を支持する一対の支持フレームと、を備える加熱装置であって、前記回転体の長手方向とは交差する第一交差方向における前記一対の支持フレームの両端部のうち、前記一対の回転体よりも少なくとも一方の端部側には、前記一対の支持フレーム同士を連結する連結フレームは無く、前記一対の支持フレームが画像形成装置の本体フレームに対して取り付けられる取付部を有する加熱装置である。
【0137】
[第2の構成]
第2の構成は、前記第1の構成において、前記一対の回転体よりも前記一方の端部側とは反対の端部側に、前記一対の支持部材同士を連結する連結フレームを有する加熱装置である。
【0138】
[第3の構成]
第3の構成は、前記第1又は第2の構成において、前記取付部は、前記本体フレームに設けられる孔部に挿入されて取り付けられる突起である加熱装置である。
【0139】
[第4の構成]
第4の構成は、前記第3の構成において、前記突起は、前記孔部に対する挿入方向に向かって幅が小さくなるように構成される加熱装置である。
【0140】
[第5の構成]
第5の構成は、前記第1から第4のいずれか1つの構成において、前記取付部は、前記回転体の長手方向と前記第一交差方向の両方向に対して交差する第二交差方向へ間隔をあけて複数設けられる加熱装置である。
【0141】
[第6の構成]
第6の構成は、前記第5の構成において、前記複数の取付部のうち、一部の前記取付部は、前記本体フレームに対して前記第二交差方向に位置決めされ、その他の前記取付部は、前記本体フレームに対して前記第二交差方向に位置決めされない加熱装置である。
【0142】
[第7の構成]
第7の構成は、前記第1から第6のいずれか1つの構成において、前記加熱源は、前記回転体の長手方向に渡って並ぶ複数の発熱体を有する加熱装置である。
【0143】
[第8の構成]
第8の構成は、前記第1からだい7のいずれか1つの構成において、前記一対の回転体のうちの一方は、ポリイミドを含む材料から成る無端状のベルトである加熱装置である。
【0144】
[第9の構成]
第9の構成は、前記第1から第8のいずれか1つの構成の加熱装置を用いて未定着画像を担持する記録媒体を加熱し、前記未定着画像を前記記録媒体に定着させる定着装置である。
【0145】
[第10の構成]
第10の構成は、前記第1から第8のいずれか1つの構成の加熱装置、あるいは、前記第9の構成の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
成装置である。
【符号の説明】
【0146】
20 定着装置(加熱装置)
21 定着ベルト(第一回転体)
22 加圧ローラ(第二回転体)
23 ヒータ(加熱源)
30 支持フレーム
30c 取付部
30f 取付部
31 連結フレーム
51 抵抗発熱体(発熱体)
60 本体フレーム
100 画像形成装置
N ニップ部
P 用紙(記録媒体)
X 長手方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0147】
【特許文献1】特開2020-52345号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38