(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125645
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】穿刺装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20240911BHJP
A61B 10/04 20060101ALI20240911BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
A61B10/02 110
A61B10/04
A61B10/02 300A
A61B8/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033591
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 博利
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601FE01
4C601FF04
(57)【要約】
【課題】適切な穿刺手技を実現可能な穿刺装置を提供する。
【解決手段】穿刺装置3は、穿刺針7と、穿刺針7を軸線方向に移動させ且つ超音波内視鏡1に着脱可能な操作部5と、を備え、操作部5は、穿刺針7と連動し且つ外周面100が露出する把持部材10と、把持部材10に連結され且つ把持部材10に対して軸線方向に相対移動可能な第1部材11と、第1部材11と把持部材10の相対移動可能な最大距離を複数の値の何れかに規制する規制部材20と、を含み、把持部材10の外周面100は、第1方向D1に並んで対向配置される一対の第1平面101と、第1方向D1に交差する第2方向D2に並んで対向配置される一対の第2平面102と、を含む形状となっている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺針と、
前記穿刺針を軸線方向に移動させ且つ超音波内視鏡に着脱可能な操作部と、を備え、
前記操作部は、前記穿刺針と連動する把持部材と、前記把持部材に連結され且つ前記把持部材に対して前記軸線方向に相対移動可能な第1部材と、前記第1部材と前記把持部材の相対移動可能な距離を規制する規制部材と、を含み、
前記把持部材の外周面は、第1方向に並んで対向配置される一対の第1平面と、前記第1方向に交差する第2方向に並んで対向配置される一対の第2平面とを含む穿刺装置。
【請求項2】
請求項1に記載の穿刺装置であって、
前記第1方向と前記第2方向は直交する、穿刺装置。
【請求項3】
請求項2に記載の穿刺装置であって、
前記把持部材は筒状であり、
前記第1部材は、前記把持部材の先端側に挿入されており、
前記第1部材の外周面は、前記一対の第1平面及び前記一対の第2平面の少なくとも1つと平行な平面を含む形状となっている、穿刺装置。
【請求項4】
請求項3に記載の穿刺装置であって、
前記第1部材の外周面は、前記一対の第1平面及び前記一対の第2平面のそれぞれと平行な平面を含む形状となっている、穿刺装置。
【請求項5】
請求項4に記載の穿刺装置であって、
前記操作部は、前記第1部材に連結され且つ前記第1部材に対して前記軸線方向に相対移動可能な第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との相対位置を複数位置のいずれかに固定する固定部材と、を含み、
前記第2部材の外周面は、前記一対の第1平面及び前記一対の第2平面のそれぞれと平行な平面を含む形状となっている、穿刺装置。
【請求項6】
請求項5に記載の穿刺装置であって、
前記第1部材は筒状であり、
前記第2部材は、前記第1部材の先端側に挿入されている、穿刺装置。
【請求項7】
請求項6に記載の穿刺装置であって、
前記第2部材の先端部は、前記超音波内視鏡の処置具導入孔に装着可能であり、
前記先端部の外径は、前記第1部材の内径よりも大きい、穿刺装置。
【請求項8】
請求項1に記載の穿刺装置であって、
前記規制部材は、前記第1部材の外周面に前記第1部材の長手方向に沿って移動可能に取り付けられた可動部材と、前記可動部材に対して回動可能な第1回動部材と、を含み、
前記第1回動部材の外周面は、第3方向に並んで対向配置される一対の第3平面と、前記第3方向に交差する第4方向に並んで対向配置される一対の第4平面とを含む形状となっている、穿刺装置。
【請求項9】
請求項5に記載の穿刺装置であって、
前記固定部材は、前記軸線方向に交差する方向に延びる回動軸を中心に回動可能な第2回動部材を含み、
前記第2回動部材の外周面の形状は、前記回動軸に交差する第5方向に並んで対向配置される一対の第5平面と、前記第5方向に交差する第6方向に並んで対向配置される一対の第6平面とを含む形状となっている、穿刺装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の穿刺装置であって、
前記軸線方向に見た状態で、前記一対の第1平面のそれぞれの長さと前記一対の第2平面のそれぞれの長さとが一致している、穿刺装置。
【請求項11】
穿刺針と、
前記穿刺針を軸線方向に移動させ且つ超音波内視鏡に着脱可能な操作部と、を備え、
前記操作部は、前記穿刺針と連動する把持部材と、前記把持部材に連結され且つ前記把持部材に対して前記軸線方向に相対移動可能な第1部材と、前記第1部材と前記把持部材の相対移動可能な距離を規制する規制部材と、を含み、
前記規制部材は、前記第1部材の外周面に前記第1部材の長手方向に沿って移動可能に取り付けられた可動部材と、前記可動部材に対して回動可能な第1回動部材と、を含み、
前記第1回動部材の外周面は、対向配置される一対の平面と、前記一対の平面の並ぶ方向に交差する方向に並んで対向配置される一対の平面とを含む、穿刺装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、穿刺針及びこれに連結した可撓チューブからなる穿刺部材がスライド軸に沿って移動可能に構成され、スライド軸の最前進位置が規制リングによって規制される穿刺装置が記載されている。スライド軸は、ガイド筒から露出する後端部側及び先端側は円柱状となり、ガイド筒の内側の非露出部位は四角柱となっている。
【0003】
特許文献2には、軸方向に貫通した内腔を有する外針と、外針の基端部に接合された外針ハブと、外針ハブを介して外針の内腔に挿入された内針と、上記内針を軸方向に変位させて針先が鋭利な第1状態と針先が鈍な第2状態とを切換可能な切換機構と、上記内針の位置を維持するロック機構と、を備えた穿刺針が記載されている。
【0004】
特許文献3には、係止部及び上記係止部に連結された縫合糸を有し臓器を固定する固定具と、上記係止部を収容する収容部と、上記収容部を支持する筐体と、非ゴム系樹脂材料により構成され上記筐体の外周に環囲された保持帯と、を備え、上記縫合糸が、上記収容部より導出されて上記筐体の周囲に沿わされ、上記保持帯と上記筐体とに摺接して引き抜き可能に保持されていることを特徴とする臓器固定装置が記載されている。
【0005】
特許文献4には、可撓性のシースと、シース内を摺動する並列した2本のケーブルと、2本のケーブルの各々の遠位端に両端を接続し、シースから出退して、突出するときループを形成する弾性のワイヤーと、ケーブルを介してワイヤーの出退及びループの拡縮を操作する手元操作部より構成し、上記ワイヤーには、そのワイヤーがループを形成したときシース先端近傍となる位置であって、ループの一方側の基端部(近位端)となる位置に、所定の間隔を設けて遠位側及び近位側の2つの折り曲げ部を癖付けして形成し、上記手元操作部に、並列するケーブルを共にスライドする第一のスライド手段と、上記折り曲げ部を設けない側のワイヤー端部が接続されたケーブルのみをスライドする第二のスライド手段を備えたことを特徴とする内視鏡用スネアが記載されている。
【0006】
特許文献5には、ハウジングと、そのハウジング内の部分を有する探査針と、その探査針を同心的に受け入れ、そのハウジング内の部分を有するカニューレと、ハウジングに組み合わせられた部材とを含む医療器具が記載されている。
【0007】
特許文献6には、組織試料を取り出すための生検装置であって、中空の生検針が挿入されるハンドピースから成っており、試料取り出し室を備えた生検針の、ハンドピースから突出する部分の一部が、検査したい組織へと挿入され、その組織が真空によって試料取り出し室へと吸い込まれ、次いで試料分離装置によって分離され、次いで取り出される形式のものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007-236684号公報
【特許文献2】国際公開第2022/158405号
【特許文献3】特開2015-142620号公報
【特許文献4】特開2019-097907号公報
【特許文献5】特表2006-506200号公報
【特許文献6】特表2005-529632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
超音波内視鏡に装着して用いる穿刺装置は、操作部に設けられた可動部を移動操作することで、先端から穿刺針を突出させて対象部位に到達させることができる。このため、可動部の移動操作を容易に行えるようにすることが、適切な穿刺手技を実現する上で重要となる。
【0010】
本開示の目的は、適切な穿刺手技を実現可能な穿刺装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の技術に係る一つの実施形態の穿刺装置は、穿刺針と、上記穿刺針を軸線方向に移動させ且つ超音波内視鏡に着脱可能な操作部と、を備え、上記操作部は、上記穿刺針と連動する把持部材と、上記把持部材に連結され且つ上記把持部材に対して上記軸線方向に相対移動可能な第1部材と、上記第1部材と上記把持部材の相対移動可能な距離を規制する規制部材と、を含み、上記把持部材の外周面は、第1方向に並んで対向配置される一対の第1平面と、上記第1方向に交差する第2方向に並んで対向配置される一対の第2平面と、を含む、ものである。
【0012】
本開示の技術に係る一つの実施形態の穿刺装置は、穿刺針と、上記穿刺針を軸線方向に移動させ且つ超音波内視鏡に着脱可能な操作部と、を備え、上記操作部は、上記穿刺針と連動する把持部材と、上記把持部材に連結され且つ上記把持部材に対して上記軸線方向に相対移動可能な第1部材と、上記第1部材と上記把持部材の相対移動可能な距離を規制する規制部材と、を含み、上記規制部材は、上記第1部材の外周面に上記第1部材の長手方向に沿って移動可能に取り付けられた可動部材と、上記可動部材に対して回動可能な第1回動部材と、を含み、上記第1回動部材の外周面は、対向配置される一対の平面と、上記一対の平面の並ぶ方向に交差する方向に並んで対向配置される一対の平面とを含む、ものである。
【発明の効果】
【0013】
本開示の技術によれば、適切な穿刺手技を実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、穿刺装置が取り付けられた超音波内視鏡を示す概略図である。
【
図3】
図3は、先端部分を拡大して示す穿刺装置の縦断面図である。
【
図4】
図4は、超音波内視鏡の使用方法の一例を示す概略図である。
【
図5】
図5は、穿刺装置の操作部の操作例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、穿刺装置の操作部の操作例を示す斜視図であって、
図5の状態から把持部材を動かした状態を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、把持部材の
図5の把持形態を軸線方向から見た説明図である。
【
図8】
図8は、穿刺装置の操作部の他の操作例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8の状態から把持部材を動かした状態を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、把持部材の
図8に示した把持形態を軸線方向か見た説明図である。
【
図11】
図11は、穿刺装置の操作部の他の操作例を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、穿刺装置の操作部の他の操作例を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、穿刺装置の超音波内視鏡への取り付け状態を示す斜視図である。
【
図18】
図18は、規制部材の第1回転部材の把持並びに操作形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本開示の技術の一実施形態である穿刺装置3が取り付けられた超音波内視鏡90を示す概略図である。
図2は、穿刺装置3の斜視図である。
図3は、先端部分を拡大して示す穿刺装置3の縦断面図である。
図4は、超音波内視鏡90の使用方法の一例を示す概略図である。
【0016】
超音波内視鏡90は、光学撮像機構97及び超音波走査機構98(
図4参照)が先端部95に設けられた、体内に挿入される内視鏡挿入部94と、内視鏡挿入部94の基端に連設された内視鏡操作部93と、を備える。内視鏡操作部93には、処置具導入孔93hが設けられている。処置具導入孔93hには、穿刺装置3が装着可能となっている。
【0017】
穿刺装置3は、例えば生体内の組織の採取を行うために、超音波内視鏡90に装着されて使用される。穿刺装置3は、長尺状且つ筒状の操作部5と、操作部5に基端側が内蔵された長尺状の挿入体15と、を備える。挿入体15は、処置具導入孔93hを介して内視鏡挿入部94の処置具チャンネルに挿入される。操作部5を操作することによって、挿入体15の先端は、
図4に示すように、超音波内視鏡90の先端部95から出没可能となっている。操作部5の軸線CL(
図2参照)の延びる方向を以下では軸線方向と記載する。穿刺装置3の軸線方向の両端のうち、超音波内視鏡90に装着された状態において超音波内視鏡90に近い側を先端と記載し、超音波内視鏡90から遠い側を基端と記載する。
【0018】
穿刺装置3の操作部5は、
図3に示すように、内部空間を有する筒状の構成である。操作部5は、筒状の把持部材10と、把持部材10の先端側からその内部に挿入され且つ把持部材10に対し軸線方向に相対移動可能に構成された筒状の第1部材11と、第1部材11の先端側からその内部に挿入され且つ第1部材11に対し軸線方向に相対移動可能に構成された筒状の第2部材12と、を備える。把持部材10の基端部には、スタイレット13が基端固定部材14を介して取り付けられている。
【0019】
第2部材12の先端部12tは、処置具導入孔93hに装着されて固定される。穿刺装置3は、内視鏡操作部93に固定された第2部材12に対して、第1部材11及び把持部材10が軸線方向にスライド移動可能に構成されている。
【0020】
挿入体15は、
図3の拡大部分に示すように、その外皮側が例えば密着コイルなどからなる可撓性シース19にて構成されている。可撓性シース19の内部の挿通路19aには、管状の穿刺針7が設けられている。穿刺針7は、先端が鋭利な形状となっており、操作部5の操作によって、可撓性シース19の内部に先端が引き込まれた状態と、可撓性シース19の先端部15tから先端が突出した状態と、を切り替えることができる。穿刺針7の先端には、穿刺された組織が内部へ入り込む入口となる開口部7hが形成されている。穿刺針7の内部7aには、操作部5の基端部に固定される基端固定部材14に支持されたスタイレット13が挿通される。
【0021】
穿刺針7の材質としては、可撓性を有しているとともに、外力により曲げられても容易に直線状態に復元する弾性を有する部材にて製造されていることが好ましい。例えば、穿刺針7は、ステンレス合金、ニッケルチタン合金、又はコバルトクロム合金等の合金材料を用いて製造される。
【0022】
把持部材10は、
図2に示すように、その外周面100が平面を有する形状となっている。
図2には、軸線CLに垂直な2つの方向として、第1方向D1と、これに直交する第2方向D2と、が示されている。
【0023】
把持部材10の外周面100は、第1方向D1に並んで対向配置される一対の第1平面101(下面側は不図示)と、第2方向D2に並んで対向配置される一対の第2平面102(紙面奥側は不図示)と、を含む形状となっている。第1平面101は、第1方向D1に垂直な平面であり、第2平面102は、第2方向D2に垂直な平面である。
【0024】
図2の例では、第1方向D1と第2方向D2が直交するものとしているが、第1方向D1と第2方向D2は交差していればよい。後述の
図10に示すように、把持部材10を軸線方向にみた状態において、一対の第1平面101及び一対の第2平面102の4つの平面のそれぞれの長さは、略同じであることが好ましい。2つの長さが略同じであるとは、2つの長さの差が公差を除いて一致していることを言う。
【0025】
図10に示すように、把持部材10の軸線方向に垂直な断面の外形形状(以下、単に、把持部材10の断面形状と記載)は、正方形の4隅の角部分が曲線状に面取りされた形状となっていることが好ましい。把持部材10の断面形状は、正方形であってもよいし、正方形の4隅の角部分が直線状に面取りされた形状であってもよい。また、把持部材10の断面形状は、長方形、又は、長方形の4隅の角部分が面取りされた形状であってもよい。このように、把持部材10の断面形状は、方形、又は、方形の4隅の角部分が面取りされた形状となっている。
【0026】
図2に示すように、把持部材10の外周面100の先端側には、他の部分よりも把持部材10の内方に窪んだくぼみ部10bが設けられている。くぼみ部10bは、軸線方向のどの位置においても、その軸線方向に垂直な断面の形状が、外周面100と同様に、方形、又は、方形の4隅の角部分が面取りされた形状となっている。
【0027】
第1部材11は、把持部材10内において軸線方向に相対移動可能に設けられている。
図2に示すように、第1部材11の外周面110は、第1方向D1に並んで対向配置される一対の第1平面111(下面側は不図示)と、第2方向D2に並んで対向配置される一対の第2平面112(紙面奥側は不図示)と、を含む形状となっていることが好ましい。
図2に示しているように、第1平面111は、第1平面101と平行になっていることが好ましく、第2平面112は、第2平面102と平行になっていることが好ましい。
【0028】
後述する
図13の状態ST2に示すように、第1部材11を軸線方向にみた状態において、一対の第1平面111及び一対の第2平面112の4つの平面のそれぞれの長さは、略同じであることが好ましい。このように、第1部材11の軸線方向に垂直な断面の外形形状は、把持部材10と同様に、方形又は方形の角部分が面取りされた形状となっていることが好ましく、正方形又は正方形の角部分が面取りされた形状となっていることがより好ましい。
【0029】
可撓性シース19は、その基端側が第1部材11の内部に固定されている。穿刺針7の基端側は、可撓性シース19の基端側から突出しており、把持部材10の内部に固定されている。このため、把持部材10を第1部材11に対し軸線方向に摺動する(把持部材10と第1部材11を軸線方向に相対移動させる)ことで、可撓性シース19に対して穿刺針7を移動させて、可撓性シース19の先端から穿刺針7を突没させることができる。
【0030】
第1部材11の外周面110には、第1部材11と把持部材10の軸線方向への相対移動可能な最大距離を規制する規制部材20が設けられている。
【0031】
規制部材20は、
図2及び
図3に示すように、第1部材11の外周面110において第1部材11の長手方向にスライド移動可能に取り付けられた可動部材22と、可動部材22に対して回動可能な第1回動部材21と、を備える。
【0032】
第1回動部材21は、例えば、軸線CLと交差する方向(
図2及び
図3の例では第1方向D1)に延びるねじ部21bを備える。ねじ部21bは、可動部材22の取付部22bにねじ込み貫通されている。したがって、ねじ部21bは、その先端部分が外周面110に対して当接可能となっている。また、可動部材22には、目盛用開口部22h(
図2参照)が設けられている。目盛用開口部22hは、例えば、第1部材11の外周面110の一つの面に軸線方向に沿って表記された距離を示す目盛りを視認するためのものである。
【0033】
第1回動部材21は、ねじ部21bの上端側が大径部に構成されている。
図18に示すように、第1回動部材21の大径部の外周面210(回動軸回りの側面)は、
図2において第2方向D2方向と同じ方向を示す第3方向D3に並んで対向配置される一対の第3平面213と、第3方向D3に交差(本実施形態では直交)する第4方向D4に並んで対向配置される一対の第4平面214と、を含む形状となっている。すなわち、第1回動部材21の外周面210は、回動軸の方向(第3方向D3及び第4方向D4に垂直な方向)に見た平面視で、方形又は方形の角部が面取りされた形状となっていることが好ましい。
【0034】
規制部材20は、第1回動部材21の回動位置をロック位置にすることで、ねじ部21bの先端部分を外周面110に圧接させて、第1部材11に対する可動部材22の移動をロックできるようになっている。一方、規制部材20は、第1回動部材21をロック位置から回転させることで、ねじ部21bの先端部分を外周面110から離間させて、第1部材11に対する可動部材22の移動のロックを解除できるようになっている。
図3は、規制部材20が、軸線方向の移動範囲のうちの最も基端側に位置した状態を示している。
図3の状態から、規制部材20を先端側に移動させ、その状態でロックすると、規制部材20と把持部材10との軸線方向の距離を第1距離に固定できる。この状態で、把持部材10を第1部材11に向かってスライド移動させることで、把持部材10に固定されている穿刺針7の先端を、最大で第1距離だけ移動させることが可能となる。
【0035】
第2部材12は、第1部材11内において軸線方向に相対移動可能に設けられている。
図2に示すように、第2部材12の外周面120は、第1方向D1に並んで対向配置される一対の第1平面121(下面側は不図示)と、第2方向D2に並んで対向配置される一対の第2平面122(紙面奥側は不図示)と、を含む形状となっていることが好ましい。
図2に示しているように、第1平面121は、第1平面101と平行になっていることが好ましく、第2平面122は、第2平面102と平行になっていることが好ましい。
【0036】
第2部材12を軸線方向にみた状態において、一対の平面121及び一対の平面122の4つの平面のそれぞれの長さは、略同じであることが好ましい。つまり、第2部材12の軸線方向に垂直な断面の外形形状は、把持部材10と同様に、方形又は方形の角部分が面取りされた形状となっていることが好ましく、正方形又は正方形の角部分が面取りされた形状となっていることがより好ましい。
【0037】
第2部材12の先端部12tは、第1部材11の内部に挿入可能な他の部分よりも径が太く構成されている。つまり、先端部12tの外径d2(
図3参照)は、第1部材11の内径d1よりも大きく構成されている。先端部12tには、超音波内視鏡90の処置具導入孔93hの口金に装着が可能なルアーロック12m(
図3参照)が設けられている。
【0038】
第2部材12は、超音波内視鏡90の内視鏡操作部93に取り付けられる。このため、穿刺装置3が超音波内視鏡90に装着された状態においては、第2部材12の軸線方向における位置は不変である。一方、この状態において、第1部材11は、第2部材12に対して軸線方向に摺動可能である。第1部材11の先端縁と第2部材12の先端縁との軸線方向の相対位置(以下、単に、第1部材11と第2部材12の相対位置と記載)を変えることで、第1部材11に固定されている可撓性シース19の、内視鏡挿入部94の先端部95からの突出量を変えることができる。
【0039】
第1部材11と第2部材12の相対位置は、第1部材11の先端部に設けられた固定部材30によって、複数位置のいずれかに固定できる。
【0040】
固定部材30は、第1部材11の先端取付部11bにねじ込み貫通されるネジ部31(
図3参照)を中心にして、ネジ部31と一体で回動可能な第2回動部材32を備える。ネジ部31の先端部分は、第2部材12の外周面120に対して当接可能になっている。
【0041】
第2回動部材32は、ネジ部31の上端側が大径部に構成されている。第2回動部材32の大径部の外周面320(回動軸回りの側面)は、
図2において第2方向D2方向と同じ方向を示す第5方向D5に並んで対向配置される一対の第5平面325と、第5方向D5に交差(本実施形態では直交)する第6方向D6に並んで対向配置される一対の第6平面326と、を含む形状となっている。第2回動部材32の外周面320は、回動軸の方向(第5方向D5及び第6方向D6に垂直な方向)に見た平面視で、方形又は方形の角部が面取りされた形状となっていることが好ましい。
【0042】
固定部材30は、第2回動部材32の回動位置をロック位置にすることで、ネジ部31の先端部分を外周面120に圧接させて、第2部材12に対する第1部材11の位置を固定できるようになっている。一方、固定部材30は、第2回動部材32をロック位置から例えば90度回転させて、第2回動部材32の回動位置をロック解除位置にすることで、ネジ部31の先端部分を外周面120から離間させて、第2部材12に対する第1部材11の位置の固定を解除できるようになっている。
【0043】
例えば、
図2に示す状態から、第2回動部材32を回転させて固定を解除し、第2部材12の先端縁に対して第1部材11の先端縁を近づけた後、第2回動部材32を回転させて固定する。この状態では、可撓性シース19の基端に固定されている第1部材11が先端側に移動する。このため、可撓性シース19の内視鏡挿入部94の先端部95からの突出量を、
図2に示す状態よりも大きくすることができる。このように、固定部材30を用いて、第1部材11と第2部材12の相対位置を調整することで、可撓性シース19の内視鏡挿入部94の先端部95からの突出量を調整することが可能となる。
【0044】
以下、生体内の病変部位に対し、穿刺針7を穿刺して、病変の細胞などを回収する生検の処置を例に、穿刺装置3の使用方法を説明する。
【0045】
まず術者は、内視鏡挿入部94を体内に挿入し、光学撮像機構97で観察しながら、
図4に示すように、対象組織Pの付近まで内視鏡挿入部94の先端部95を導入する。導入後、術者は、光学撮像機構97及び超音波走査機構98による観察結果に基づいて、生検を行う部位を決定する。
【0046】
部位の決定後、術者は、穿刺装置3を手に取り、第2部材12の先端よりも外側に出ている挿入体15を処置具導入孔93hに挿入していく。そして、
図17に示すように、第2部材12の先端部12tを指でつまみながら、先端部12tのルアーロック12mを処置具導入孔93hの口金に装着する。このとき、親指51と人差し指52で先端部12tを摘まんで操作部5を回転させるが、先端部12tの外周面120が対向する一対の平面を含むことで、先端部12tに力を掛けやすく、取り付け操作性が良い。
【0047】
次に、術者は、固定部材30の第2回動部材32を回転させてロックを解除し、光学撮像機構97及び超音波走査機構98によって、生体内を観察しながら、第2部材12と第1部材11の相対位置を変更して、先端部95からの可撓性シース19の突出量を適切な量に調整する。この調整後、術者は、固定部材30の第2回動部材32を回転させて相対位置を固定し、可撓性シース19の突出量を固定する。
【0048】
次に、術者は、超音波走査機構98による観察結果に基づいて、生検対象の対象組織Pまでの距離を考慮しつつ規制部材20の第1回動部材21を回転させてロックを解除し、可動部材22を移動させる。その後、術者は、第1回動部材21を元の位置に回転させて、規制部材20を第1部材11に固定する。これにより、穿刺針7の可撓性シース19からの最大突出長が決定される。
【0049】
次に、術者は、例えば可撓性シース19の先端を臓器壁に当接させた状態で、
図4に示すように、スタイレット13を穿刺針7の基端側に引き戻す。次に、術者は、把持部材10が可動部材22に当接するまで、把持部材10をスライド移動させる。これにより、
図4に示すように、穿刺針7が可撓性シース19の先端から突出されると共に、臓器の壁を貫通して対象組織Pへと押し進められる。このようして、穿刺手技が行われる。
【0050】
以下、穿刺装置3の持ち方の例について、
図5から
図16を参照して説明する。
【0051】
図5から
図7は、穿刺装置3の第1操作方法を説明する図である。
術者は、
図5に示すように、例えば左手60で内視鏡操作部93を持ち、右手50で穿刺装置3の操作部5を持つ。
図5の例では、術者は、親指51と人差し指52とで把持部材10のくぼみ部10bを摘み、他の指(中指53、薬指54、及び小指55)については、特に特定するものではないが、例えば第1部材11から離れるか軽く添える。そして、術者は、
図6に示すように、把持部材10を処置具導入孔93hに近づけるようにスライドさせて、把持部材10の先端を規制部材20に当接させる。これにより、穿刺針7の先端が、可撓性シース19から既定量だけ突出されて、対象組織Pに穿刺される。
【0052】
この操作において、親指51と人差し指52とは、
図7に示すように、把持部材10の外周面100の第1平面101に接触するときに平面接触となる。このように、穿刺装置3では、把持部材10における指との接触面が平面に構成されていることで、把持部材10を2本の指で把持し移動させて穿刺針7を移動させる場合であっても、把持部材10に対して力の伝達がし易くなる。この結果、穿刺手技を容易に且つ適切に実施することが可能となる。
【0053】
図8から
図10は、穿刺装置3の第2操作方法を説明する図である。
第2操作方法では、術者は、
図8及び
図9に示すように、右手50の全体で把持部材10を握って、把持部材10をスライド操作する。例えば、術者は、親指51を軸線方向に沿うように把持部材10にあてがうと共に、他の4本の指を把持部材10の外周面100に巻きつけるように、掌56を使って把持部材10を握る。第2操作方法では、
図10に示すように、把持部材10の外周面100の4つの平面を手で押さえることができる。また、把持部材10の角部104,105が、指の内側に引っ掛かるように接する。これにより、把持部材10の把持をよりしっかり行うことができ、把持部材10に対して力の伝達がし易くなる。この結果、穿刺手技を容易に且つ適切に実施することが可能となる。
【0054】
図11から
図13は、穿刺装置3の第3操作方法を説明する図である。
第3操作方法は、対象組織Pに穿刺した穿刺針7を往復移動させて、例えば針孔に検体組織を取り込むような場合を想定した操作である。この場合、術者は、親指51と人差し指52とで把持部材10の先端側のくぼみ部10bを摘まみ、他の指(中指53、薬指54、及び小指55)と掌56とで第1部材11を握る。そして、術者は、
図11と
図12に示すように、親指51と人差し指52を中指53に接近させたり離したりするように把持部材10を微妙に移動させる。
【0055】
この時、
図13の状態ST1に示すように、把持部材10の外周面100の第1平面101に親指51及び人差し指52が平面で接するので、把持部材10の把持をよりしっかり行うことができる。また、人差し指52は、外周面100の角部105に引っ掛かるように接することができる。また、中指53、薬指54、及び小指55は、
図13の状態ST2に示すように、第1部材11の外周面110の角部114及び角部115が指の内側に引っ掛かるように接するので、第1部材11の把持をよりしっかり行うことができる。この結果、把持部材10に対して力の伝達がし易くなり、穿刺手技を容易に且つ適切に実施することが可能となる。
【0056】
図14から
図16は、穿刺装置3の第4操作方法を説明する図である。
第4操作方法は、対象組織Pに穿刺した穿刺針7を往復移動させる場合を想定した操作である。術者は、親指51を把持部材10のくぼみ部10bにあてがうと共に、他の4本の指と掌56で第1部材11を握る。そして、術者は、
図14と
図15に示すように、親指51を軸線方向に動かして把持部材10を移動させる。
【0057】
この時、
図16の状態ST1に示すように、把持部材10の外周面100の第1平面101に親指51が接する。一方、他の4本の指は、
図16の状態ST2に示すように、第1部材11の外周面110の角部114及び角部115が指の内側に引っ掛かるように接する。また、親指51の押す方向と他の指の押す方向は、対向(向き合う方向)する向きとなっているので、第1部材11の把持をよりしっかり行うことができる。このため、親指51にて把持部材10を確りと押さえて上下移動することができる。この結果、穿刺手技を容易に且つ適切に実施することが可能となる。
【0058】
図18は、規制部材20の操作方法を説明する図である。第1回動部材21は、
図18に示すように、その外周面210が4面の平面を有しているため、親指51と人差し指52で摘まんだ時に、状態ST1に示すように、平面接触して力を掛けやすい。また、第1回動部材21を回転させるときには、状態ST2に示すように、角部25が指先に掛かるので、確りと力を掛けることができる。なお、第2回動部材32の操作についても、第1回動部材21と同じである。
【0059】
第1回動部材21は、回動位置がロック位置であるときに、
図18の状態ST1のように、第3平面213の延びる方向と軸線方向とが一致することが好ましい。第1回動部材21は、
図18の状態ST2に示すように、回動位置がロック位置から少し回転した状態であるときに、ロック解除状態となってもよい。このようにした場合、穿刺装置3によれば、第1回動部材21が、平面視において方形又は方形の角部を面取りした形状となっているため、ロック状態とロック解除状態の区別が容易となる。例えば、第1回動部材21の平面視形状が円形である場合と比べると、第1回動部材21の回動位置が認識しやすくなるため、ロックし忘れた状態で、把持部材10をスライドして穿刺を行ってしまうのを防ぐことができる。
【0060】
以上述べたように、穿刺装置3では、第1部材11の外周面110と把持部材10の外周面100とが平行になるため、例えばその平行な部分に片手を当てて、第1部材11と把持部材10を共に把持する場合に、その把持を容易に行うことができる。この結果、第1部材11と把持部材10を相対移動させる際の操作性を向上させることができる。
【0061】
また、穿刺装置3では、第1部材11と把持部材10が共に4つの平面を持つ外周面形状となっているため、例えば片手で第1部材11と把持部材10を共に把持する場合に、その把持を容易に行うことができる。この結果、第1部材11と把持部材10を相対移動させる際の操作性を向上させることができる。
【0062】
また、穿刺装置3では、第2部材12の外周面120が4つの平面を含む形状となっている。このため、第2部材12の先端部12tを処置具導入孔93hに装着する際に、その装着を安定して行うことが可能となる。
【0063】
また、穿刺装置3では、第2部材12、第1部材11、把持部材10の順に外径が大きくなるため、第1部材11と第2部材12の位置関係と、第1部材11と把持部材10の位置関係とを直感的に認識しやすくなり、操作性を向上させることができる。また、超音波内視鏡90の処置具導入孔93hの大きさによらずに、把持部材10を十分に太くできるため、穿刺針7を移動させやすくなり、操作性を向上させることができる。また、最も外径の大きい把持部材10の外周面100が4つの平面を含むため、操作部5を机などの載置面に載置した場合に、操作部5が転動するのを防ぐことができる。
【0064】
また、穿刺装置3では、軸線方向に見た状態で、一対の第1平面101のそれぞれの長さと一対の第2平面102のそれぞれの長さとが一致している。このため、把持部材10の把持姿勢によらずに、把持部材10に力を容易に伝達することができる。
【0065】
以上説明してきたように、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0066】
(1)
穿刺針(穿刺針7)と、
上記穿刺針を軸線方向に移動させ且つ超音波内視鏡(超音波内視鏡90)に着脱可能な操作部(操作部5)と、を備え、
上記操作部は、上記穿刺針と連動し且つ外周面が露出する把持部材(把持部材10)と、上記把持部材に連結され且つ上記把持部材に対して上記軸線方向に相対移動可能な第1部材(第1部材11)と、上記第1部材と上記把持部材の相対移動可能な最大距離を複数の値のいずれかに規制する規制部材(規制部材20)と、を含み、
上記把持部材の外周面(外周面100)は、第1方向(第1方向D1)に並んで対向配置される一対の第1平面(第1平面101)と、上記第1方向に交差する第2方向(第2方向D2)に並んで対向配置される一対の第2平面(第2平面102)とを含む形状となっている、穿刺装置(穿刺装置3)。
【0067】
(1)によれば、把持部材の外周面が4つの平面を含む形状となっているため、この把持部材を把持し移動させて穿刺針を移動させる場合に、把持部材に対して容易に力を伝達することができる。この結果、穿刺手技を容易に且つ適切に実施することが可能となる。
【0068】
(2)
(1)に記載の穿刺装置であって、
上記第1方向と上記第2方向は直交する、穿刺装置。
【0069】
(2)によれば、把持部材に対してより容易に力を伝達することができる。
【0070】
(3)
(2)に記載の穿刺装置であって、
上記把持部材は筒状であり、
上記第1部材は、上記把持部材の先端側に挿入されており、
上記第1部材の外周面(外周面110)は、上記一対の第1平面及び上記一対の第2平面の少なくとも1つと平行な平面(第1平面111及び第2平面112)を含む形状となっている、穿刺装置。
【0071】
(3)によれば、第1部材の外周面と把持部材の外周面とが平行になるため、例えばその平行な部分に片手を当てて、第1部材と把持部材を共に把持する場合に、その把持を容易に行うことができる。この結果、第1部材と把持部材を相対移動させる際の操作性を向上させることができる。
【0072】
(4)
(3)に記載の穿刺装置であって、
上記第1部材の外周面は、上記一対の第1平面及び上記一対の第2平面のそれぞれと平行な平面(第1平面111及び第2平面112)を含む形状となっている、穿刺装置。
【0073】
(4)によれば、第1部材と把持部材が共に4つの平面を持つ外周面形状となっているため、例えば片手で第1部材と把持部材を共に把持する場合に、その把持を容易に行うことができる。この結果、第1部材と把持部材を相対移動させる際の操作性を向上させることができる。
【0074】
(5)
(4)に記載の穿刺装置であって、
上記操作部は、上記第1部材に連結され且つ上記第1部材に対して上記軸線方向に相対移動可能な第2部材(第2部材12)と、上記第1部材と上記第2部材との相対位置を複数位置のいずれかに固定する固定部材(固定部材30)と、を含み、
上記第2部材の外周面(外周面120)は、上記一対の第1平面及び上記一対の第2平面のそれぞれと平行な平面(第1平面121及び第2平面122)を含む形状となっている、穿刺装置。
【0075】
(5)によれば、第2部材の外周面が4つの平面を含む形状となっているため、第2部材の先端部を超音波内視鏡の処置具導入孔に装着する際に、その装着を安定して行うことが可能となる。
【0076】
(6)
(5)に記載の穿刺装置であって、
上記第1部材は筒状であり、
上記第2部材は、上記第1部材の先端側に挿入されている、穿刺装置。
【0077】
(6)によれば、第2部材、第1部材、把持部材の順に外径が大きくなるため、第1部材と第2部材の位置関係と、第1部材と把持部材の位置関係とを直感的に認識しやすくなり、操作性を向上させることができる。また、超音波内視鏡の処置具導入孔の大きさによらずに、把持部材を十分に太くできるため、穿刺針を移動させやすくなり、操作性を向上させることができる。また、最も外径の大きい把持部材の外周面が4つの平面を含むため、操作部を載置面に載置した場合に、操作部が転動するのを防ぐことができる。
【0078】
(7)
(6)に記載の穿刺装置であって、
上記第2部材の先端部(先端部12t)は、上記超音波内視鏡の処置具導入孔(処置具導入孔93)に装着可能であり、
上記先端部の外径(外径d2)は、上記第1部材の内径(内径d1)よりも大きい、穿刺装置。
【0079】
(7)によれば、第2部材の先端部が第1部材に挿入される部分よりも太くなっていることで、全体的に長尺となる操作部であっても、その先端部を安定して把持して超音波内視鏡に装着できる。これにより、穿刺手技を効率よく行うことができる。
【0080】
(8)
(1)から(7)のいずれか1つに記載の穿刺装置であって、
上記規制部材は、上記第1部材の外周面に上記第1部材の長手方向に沿って移動可能に取り付けられた可動部材(可動部材22)と、上記可動部材に対して回動可能な第1回動部材(第1回動部材21)と、を含み、
上記第1回動部材の外周面(外周面210)は、第3方向(第3方向D3)に並んで対向配置される一対の第3平面(第3平面213)と、上記第3方向に交差する第4方向(第4方向D4)に並んで対向配置される一対の第4平面(第4平面214)とを含む形状となっている、穿刺装置。
【0081】
(8)によれば、規制部材の第1回動部材を指で把持して回転させる際に、第1回動部材に力を容易に伝達できるため、穿刺手技を効率よく行うことができる。
【0082】
(9)
(5)から(7)のいずれか1項に記載の穿刺装置であって、
上記固定部材は、上記軸線方向に交差する方向に延びる回動軸(ネジ部31)を中心に回動可能な第2回動部材(第2回動部材32)を含み、
上記第2回動部材の外周面(外周面320)の形状は、上記回動軸に交差する第5方向(第5方向D5)に並んで対向配置される一対の第5平面(第5平面325)と、上記第5方向に交差する第6方向(第6方向D6)に並んで対向配置される一対の第6平面(第6平面326)とを含む形状となっている、穿刺装置。
【0083】
(9)によれば、固定部材の第2回動部材を指で把持して回転させる際に、第2回動部材に力を容易に伝達できるため、穿刺手技を効率よく行うことができる。
【0084】
(10)
(1)から(9)のいずれか1つに記載の穿刺装置であって、
上記軸線方向に見た状態で、上記一対の第1平面のそれぞれの長さと上記一対の第2平面のそれぞれの長さとが一致している、穿刺装置。
【0085】
(10)によれば、把持部材の把持姿勢によらずに、把持部材に力を容易に伝達することができる。
【0086】
(11)
穿刺針(穿刺針7)と、
上記穿刺針を軸線方向に移動させ且つ超音波内視鏡に着脱可能な操作部(操作部5)と、を備え、
上記操作部は、上記穿刺針と連動する把持部材(把持部材10)と、上記把持部材に連結され且つ上記把持部材に対して上記軸線方向に相対移動可能な第1部材(第1部材11)と、上記第1部材と上記把持部材の相対移動可能な最大距離を複数の値のいずれかに規制する規制部材(規制部材20)と、を含み、
上記規制部材は、上記第1部材の外周面に上記第1部材の長手方向に沿って移動可能に取り付けられた可動部材(可動部材22)と、上記可動部材に対して回動可能な第1回動部材(第1回動部材21)と、を含み、
上記第1回動部材の外周面(外周面210)は、対向配置される一対の平面(第3平面213)と、上記一対の平面の並ぶ方向に交差する方向に並んで対向配置される一対の平面(第4平面214)とを含む形状となっている、穿刺装置。
【符号の説明】
【0087】
3 穿刺装置
5 操作部
7 穿刺針
7a 内部
7h 開口部
10 把持部材
10b くぼみ部
11 第1部材
11b 先端取付部
12 第2部材
12t 先端部
12m ルアーロック
13 スタイレット
14 基端固定部材
15 挿入体
15t 先端部
19 可撓性シース
19a 挿通路
20 規制部材
21 第1回動部材
21b ねじ部
22 可動部材
22h 目盛用開口部
30 固定部材
31 ネジ部
32 第2回動部材
50 右手
51 親指
52 人差し指
53 中指
54 薬指
55 小指
56 掌
60 左手
90 超音波内視鏡
93 内視鏡操作部
93h 処置具導入孔
94 内視鏡挿入部
95 先端部
97 光学撮像機構
98 超音波走査機構
100、120、210、320 外周面
101、111、121 第1平面
102、112、122 第2平面
213 第3平面
214 第4平面
325 第5平面
326 第6平面
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
D4 第4方向
D5 第5方向
D6 第6方向
CL 軸線
P 対象組織