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特開2024-125914シート処理装置、画像形成装置及び画像形成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125914
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】シート処理装置、画像形成装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20240911BHJP
   B65H 37/06 20060101ALI20240911BHJP
   B65H 45/04 20060101ALI20240911BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
B65H7/02
B65H37/06
B65H45/04
G03G15/00 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034047
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 奕如
【テーマコード(参考)】
2H072
3F048
3F108
【Fターム(参考)】
2H072AA05
2H072AA09
2H072AA24
2H072GA01
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA14
3F048BB02
3F048BB05
3F048DA08
3F048DB01
3F048DC14
3F048EA11
3F048EB37
3F108AA01
3F108AB01
3F108AC01
3F108BA03
3F108BA08
3F108CC02
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性を向上できるシート処理装置を提供する。
【解決手段】第一搬送路に沿って搬送されてくるシートを下流に搬送する第一搬送手段と、当該シートを第二搬送路に沿って搬送する第二搬送手段と、シートを第三搬送路に沿って搬送する第三搬送手段と、シートを第一搬送路、第二搬送路、第三搬送路の順に循環させる循環搬送路と、シートの搬送中の位置を検知するシート検知手段と、シート検知手段におけるシートの検知結果に基づいて、第一搬送手段、第二搬送手段、第三搬送手段の動作を制御する制御部と、を備え、制御部にて処理中のジョブに中断が生じたとき、各搬送路に配置されているシート検知手段の検知結果に基づいて、残留シートの有無及び残留位置を判定し、ジョブの中断状態に応じて、当該ジョブに継続処理を含む処理モードを選択可能に制御する、シート処理装置による。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一搬送路に沿って搬送されてくるシートを下流に搬送する第一搬送手段と、
当該シートを第二搬送路に沿って搬送する第二搬送手段と、
前記シートを第三搬送路に沿って搬送する第三搬送手段と、
前記第一搬送手段、前記第二搬送手段、前記第三搬送手段によって前記シートを前記第一搬送路、前記第二搬送路、前記第三搬送路の順に循環させる循環搬送路と、
前記シートの搬送中の位置を検知するシート検知手段と、
前記シート検知手段における前記シートの検知結果に基づいて、前記第一搬送手段、前記第二搬送手段、前記第三搬送手段の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部にて処理中のジョブに中断が生じたとき、各搬送路に配置されている前記シート検知手段の検知結果に基づいて、残留シートの有無及び残留位置を判定し、ジョブの中断状態に応じて、当該ジョブに継続処理を含む処理モードを選択可能に制御する、
ことを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記中断されたジョブが折り処理の途中であるとき、当該ジョブの中断状態から前記残留シートに対する折り処理を継続して実行するように制御する、
請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記中断されたジョブが折り処理の途中であるとき、当該ジョブの中断状態から前記残留シートに対する折り処理を継続するか、残留シートを排出するかを選択可能に制御する、
請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ジョブの中断状態を識別できないときは、前記残留シートを排出するように制御する、
請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項5】
シートに画像を形成する画像形成部と、前記シートに対し後処理を行うシート処理部と、を備える画像形成装置であって、
前記シート処理部は、請求項1に記載のシート処理装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
シートに画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置と、請求項1に記載のシート処理装置と、連結して構成されることを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の媒体(用紙)を重ねて束を形成する整合処理や、用紙や用紙束を折る折り処理などを含む、いわゆる後処理を行うシート処理装置が知られている。また、シート処理装置に相当する機能と、用紙に画像を形成する機能と、を備える画像形成装置も知られている。そして、シート処理装置と画像形成装置を連携させて動作する画像形成システムも知られている。
【0003】
シート処理装置に搭載される機能の一つとして、複数の用紙を搬送しながら重ね合わせて折り処理を行う重ね搬送折り機能が知られている。また、従来技術として、ジャムに対する復旧処理内容を選択可能にし、折り加工を選択する技術が開示されている(特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、使用者によって折り処理を含むジョブの中断や、外的要因によるジョブのプロセスの中断が生ずると、搬送中の用紙が搬送路の途中で留まって、いわゆる「ジャム」として認識される。ジャムを解消して復旧させるには、使用者が手作業でジャムとなった用紙を取り除く必要がある。また、取り除かれた用紙は再使用できない状態になっている場合もある。
【0005】
従来技術では、用紙の搬送を伴うジョブが中断した場合、その原因に関わらず、ジョブ処理の途中段階にあった用紙はジャムとして判定されてしまい、復旧(再開)させるためには、ジャムと判定された用紙は装置内部から利用者が除去する必要がある。すなわち、従来技術では、ジョブを途中から再開する処理において利用者の利便性に課題がある。
【0006】
本発明は、利用者の利便性を向上できるシート処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するため、本発明の一態様は、シート処理装置に関し、第一搬送路に沿って搬送されてくるシートを下流に搬送する第一搬送手段と、当該シートを第二搬送路に沿って搬送する第二搬送手段と、前記シートを第三搬送路に沿って搬送する第三搬送手段と、前記第一搬送手段、前記第二搬送手段、前記第三搬送手段によって前記シートを前記第一搬送路、前記第二搬送路、前記第三搬送路の順に循環させる循環搬送路と、前記シートの搬送中の位置を検知するシート検知手段と、前記シート検知手段における前記シートの検知結果に基づいて、前記第一搬送手段、前記第二搬送手段、前記第三搬送手段の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部にて処理中のジョブに中断が生じたとき、各搬送路に配置されている前記シート検知手段の検知結果に基づいて、残留シートの有無及び残留位置を判定し、ジョブの中断状態に応じて、当該ジョブに継続処理を含む処理モードを選択可能に制御する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るシート処理装置を含む画像形成装置の実施形態を示す側面図。
図2】本発明に係るシート処理装置を含む画像形成システムの実施形態を示す側面図。
図3】上記実施形態に係る制御構成の例を示すブロック図。
図4】本発明に係るシート処理装置の実施形態としての折り処理ユニットの内部構成図。
図5】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図6】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図7】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図8】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図9】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図10】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図11】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図12】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図13】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図14】上記折り処理ユニットにおける折り搬送動作の一工程を示す内部構成拡大図。
図15】本実施形態に係る折り処理ユニットの処理動作の例を説明するフローチャート。
図16】本実施形態に係る折り処理ユニットの処理動作の例を説明するフローチャート。
図17】本実施形態に係る折り処理ユニットの処理動作の例を説明するフローチャート。
図18】本実施形態に係る折り処理ユニットの処理動作の例を説明するフローチャート。
図19】本実施形態に係る処理動作におけるユーザインターフェースの例を示す図。
図20】本実施形態に係る処理動作におけるユーザインターフェースの例を示す図。
図21】本実施形態に係る処理動作におけるユーザインターフェースの例を示す図。
図22】本実施形態に係る処理動作におけるユーザインターフェースの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[画像形成装置の実施形態]
本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。図1は画像形成装置としてのプリンタ10の外観図である。プリンタ10は、画像形成部としてのプリンタユニット100と、プリンタユニット100に接続可能な後処理部としての折り処理ユニット200と、を有している。図1に示すように、プリンタ10は胴内排出型であって、プリンタユニット100の一部分に折り処理ユニット200が組み込まれた構成になっている。プリンタ10では、画像が形成された記録媒体(シートP)の排出先として折り処理ユニット200を選択可能になっている。なお、折り処理ユニット200の内部構成については、後述する。
【0011】
[画像形成システムの実施形態]
図2は、本発明に係る画像形成システムの実施形態としてのプリンタシステム1の概略構成を示す図である。図2において、プリンタシステム1は、プリンタ100a、後処理装置としての折り処理装置200aを連結して構成されている。プリンタシステム1は、プリンタ100aによって画像形成されたシートPが折り処理装置200aに搬送されて、折り処理装置200aにおいて所定の折り処理が施されるように動作する。
【0012】
[制御ブロックの機能構成]
次に、本実施形態に係るプリンタユニット100及び、本発明に係るシート処理装置の実施形態としての折り処理ユニット200の動作を制御する制御部の実施形態について図3を用いて説明する。図3に示すように、プリンタユニット100は、制御ブロックとしてのプリンタ制御部110を備える。プリンタ制御部110は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、シリアルI/F114と、を備える。
【0013】
プリンタ制御部110には、画像作成部120、画像読取部130、及び操作表示部140が接続されている。画像作成部120、画像読取部130、及び操作表示部140には、それぞれの機能を発揮するための構成が含まれている。画像作成部120、画像読取部130、及び操作表示部140が備える各構成は、プリンタ制御部110からの制御信号に基づいて動作する。
【0014】
画像作成部120は、シート状の記録媒体としてのシートPに対して画像データに基づく画像形成処理を行う構成である。画像読取部130は、シートPに形成されている画像を読み取って画像データを取得する構成である。操作表示部140は、画像作成部120や画像読取部130における動作条件を入力する入力部と、動作結果等を表示する表示部を兼ねる機能を備えている。
【0015】
画像作成部120、画像読取部130、及び操作表示部140を制御するための制御プログラムは、ROM112に格納されている。CPU111は、ROM112に格納された制御プログラムを読み出してRAM113に展開する。そして、CPU111は、制御に必要なデータをRAM113に記憶させて、当該RAM113をワークエリアとして使用しながら制御プログラムによって定義されている制御を実行する。
【0016】
また、図3に示すように、折り処理ユニット200は、制御ブロックとしてのシート処理制御部210を備える。シート処理制御部210は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、シリアルI/F214と、を備える。
【0017】
シート処理制御部210には、各種負荷220や各種センサ240、及び操作表示部250が接続されている。各種負荷220は、後述するローラ及びローラ対などである。各種負荷220に相当するローラ及びローラ対は、それぞれ搬送ローラ対や折りローラ対を構成する。各種負荷220は、各ローラ及び各ローラ対を回転駆動させる駆動モータによって動作する。各種負荷220を構成する駆動モータは、シート処理制御部210から指示を受けたドライバ230によって動作する。各種負荷220は、記録媒体としてのシートPの搬送制御、及びシートPに対する折り処理を含む動作を行う構成である。
【0018】
各種センサ240は、シートPの搬送路内の位置を検出する複数のシート検出手段であて、後述する搬送路内に複数配置される。後処理の対象とするシートPの搬送量及び位置は、各種センサ240がシート処理制御部210に向けて出力する検出信号に基づいて、シート処理制御部210が所定の制御プログラムに則って処理をすることにより判定される。なお、シートPの位置は、シート検出手段においてシートPの先頭が検出されてからの当該シートPの搬送量(搬送距離)を各種負荷220の動作量に基づいてシート処理制御部210が算出することができる。
【0019】
操作表示部250は、シート処理制御部210における処理内容に関する表示部と、折り処理ユニット200の動作(挙動)を制御するための設定情報の入力を受け付ける入力部と、を兼ねる機能を備えている。
【0020】
シート処理制御部210が所定の処理機能を実行するための制御プログラムは、ROM212に格納されている。CPU211は、ROM212に格納された制御プログラムを読み出してRAM213に展開する。そして、CPU211は、制御に必要なデータをRAM213に記憶させて、当該RAM213をワークエリアとして使用しながら制御プログラムによって定義されている折り動作の制御を実行する。以上のように、ROM212に格納された制御プログラムをシート処理制御部210が実行することによって、後述するシートPの検出及びシートPの搬送制御を行うことができる。
【0021】
なお、RAM213には、折り処理ユニット200において実行するジョブ(折り処理を含む)が一時的に記憶される。このRAM213において、ジョブの処理状況も記憶されていて、実行中のジョブが中断されたとの、その中断状態を明示する情報も記憶される。
【0022】
プリンタユニット100が備えるプリンタ制御部110と折り処理ユニット200が備えるシート処理制御部210は、シリアルI/F114とシリアルI/F214を介して通信可能に接続されている。この通信経路を利用して、記録媒体の搬送制御等に必要な制御コマンドや情報のやり取りが行われる。折り処理ユニット200は、プリンタユニット100から送られてくる制御コマンド及びシートPに関する情報と、各種センサ240から得られる記録媒体の位置に関する情報に基づいて、記録媒体の搬送制御及び折り処理の有無と、折り処理の種類を切り替える。
【0023】
なお、プリンタユニット100(プリンタ制御部110)から、折り処理ユニット200(シート処理制御部210)に対して送られるシートPに関する情報には、複数の情報が含まれる。例えば、プリンタユニット100から折り処理ユニット200に受け渡されるシートPの種類、シートPの厚さ、シートPの大きさ等を示す複数のシート種別情報が含まれる。また、当該情報には、シートPに関する重ね合わせ数量の指定、シートPに対する折り処理の種類及びシートPの折り位置の画像有無等を示す情報も含まれる。そして、プリンタ制御部110からシート処理制御部210に通知される制御コマンドには、受け渡されるシートPがまとまりを持って処理される単位の最後のページ(最終シート)に相当するものか否かなども含まれる。
【0024】
[後処理装置の実施形態]
次に、本発明に係る後処理装置の第一実施形態としての折り処理ユニット200について説明する。図4は、折り処理ユニット200の内部の構成を概略的に示す構成図である。折り処理ユニット200は、複数の搬送路と、各搬送路においてシートPを搬送し、折り処理を行うための複数のローラ対と、シートPの搬送位置を検出するための複数のシート検出センサと、を備えている。なお、複数のローラ対は、それぞれ搬送手段又は折り手段を構成する。
【0025】
折り処理ユニット200が備える搬送路は、大まかに七つに区別される。図4に示すように、第一搬送路W1、第二搬送路W2、第三搬送路W3、第四搬送路W4、第五搬送路W5、第六搬送路W6、第七搬送路W7、を備えている。
【0026】
そして、第一搬送路W1、第二搬送路W2、第三搬送路W3、第四搬送路W4、第五搬送路W5、第六搬送路W6のそれぞれには、これらに沿ってシートPを所定方向に搬送させるための、複数の搬送ローラ対が配置されている。すなわち、シートPを搬送するための搬送路には、第零搬送手段R0、第一搬送手段R1、第二搬送手段R2、第三搬送手段R3、第四搬送手段R4、第五搬送手段R5、第六搬送手段R6を構成する搬送ローラ対がそれぞれの位置に配置されている。これら搬送手段としての各搬送ローラ対は、シート処理制御部210が実行する制御プログラムによって、所定の方向への回転開始及び回転停止が制御される。この制御により、シートPの搬送及び搬送停止が実行される。
【0027】
また、折り処理ユニット200は、複数の搬送分岐手段を備えている。複数の搬送分岐手段は、例えば、シートPを第一搬送路W1から第二搬送路W2にシートPを搬送する状態、第二搬送路W2へと搬送されたシートPを第一搬送路W1へと戻す方向に搬送する状態に切り替える。また、第二搬送路W2から第一搬送路W1へと戻しつつ第三搬送路W3へと搬送し、シートPを循環させる循環搬送路へと搬送する状態に切り替える。
【0028】
また、搬送分岐手段は、シートPを循環搬送路に回さずに、第二搬送路W2よりも下流の第四搬送路W4へと搬送させるように切り替えを実行する。
【0029】
また、搬送分岐手段は、第一搬送路W1から第三搬送路W3を介して、第二搬送路W2よりも下流の第五搬送路W5へと搬送させるように切り替えを実行する。これら搬送路の切り替えを実行するように、折り処理ユニット200には、複数の搬送分岐手段が配置されている。
【0030】
なお、複数の搬送分岐手段は、例えば、図5から図14において示すように、第一搬送分岐手段J1、第二搬送分岐手段J2、第三搬送分岐手段J3として構成される。これら複数の搬送分岐手段は、シート処理制御部210によって動作が制御される各種負荷220に含まれる構成である。したがって、シート処理制御部210は、複数の搬送分岐手段の動作を制御することによってシートPの搬送路を制御する。なお、循環搬送路の途中には、シートPに対して折り処理を行うための第一折り手段F1及び第二折り手段F2も配置されている。
【0031】
折り処理ユニット200は、プリンタユニット100からシートを受け入れる入口21の近傍に、入口搬送ローラ対としての第零搬送手段R0が配置されている。第零搬送手段R0は、プリンタユニット100からシートPを排出したことを知らせる情報を受けたシート処理制御部210の制御によって、第零搬送手段R0を回転駆動させる駆動モータが回転を開始する。その後、シートPの先頭が第零搬送手段R0のローラ対のニップに到達すると、第零搬送手段R0がシートPを下流側に搬送する。
【0032】
後述するとおり、折り処理ユニット200は、プリンタユニット100から搬入されたシートPを下流側の出口22から排出する前に、次のシートPを受け入れて、先のシートPと後のシートPを重ね合わせた搬送処理や折り処理を行う。そこで、以下の説明において、説明上、先行するシートPを「先行シートP1」と表記する。また、先行シートP1の続くシートPであって、先行シートP1の後に折り処理ユニット200に受け入れられるシートPを「後続シートP2」と表記する。そして、後続シートP2の次に折り処理ユニット200に受け入れられて重ね合わせ処理の対象となるシートPを「次シートP3」と表記する。また、複数のシートPを重ね合わせた複数シートを「シート束Q」と表記する。
【0033】
なお、折り処理ユニット200において重ね合わせ処理又は折処理を行うときのシートPの枚数は三枚を限度とするものではなく、これ以上の枚数を処理することもできる。
【0034】
第一搬送手段R1は、第一搬送路W1を挟んで対向するローラ対からなり、ローラ間にニップを形成している。第一折り手段F1は、第一搬送路W1と第二搬送路W2との間に対向して配置され、両者間にニップを形成している。このニップによって案内される経路が、第一搬送路W1から第二搬送路W2に先行シートP1を導く。
【0035】
さらに、第二搬送路W2に導かれた先行シートP1を第三搬送手段R3が第三搬送路W3へ導き、第三搬送路W3上で先行シートP1の搬送を一時停止させる。第三搬送路W3で一時停止した先行シートP1は、プリンタユニット100から後続シートP2を受け入れたときに再開させる。これによって、第一搬送路W1の第一搬送手段R1の上流側にて先行シートP1が戻り、後続シートP2と合流するようになっている。以上のように循環搬送路が構成される。
【0036】
上記にて説明した循環搬送路において、先行シートP1と後続シートP2は重ねられてシート束Qが形成される。続いて、シート束Qに対する折り処理を実行する時の流れについて説明する。
【0037】
シート束Qに対する折り処理は、シート処理制御部210の制御により動作する第一折り手段F1によって行われる。そして、第一折り手段F1によって折り処理が行われたシート束Qは、第二搬送路W2から第五搬送路W5に受け渡される。第四搬送手段R4、第五搬送手段R5および第一折り手段F1は、同一の駆動モータにより駆動される。駆動モータは正逆両方向に回転可能であり、回転方向を変更することにより、先行シートP1と後続シートP2を重ねたシート束Qを搬送し、また折り処理を行う。
【0038】
また、第六搬送手段R6の直後には分岐爪23が配置されている。分岐爪23は、第六搬送路W6側にシートP(シート束Q)を導く場合と、第七搬送路W7側にシートP(シート束Q)導く場合において、それぞれ案内位置を切り替える。分岐爪23は、例えばソレノイドによって位置を切り替えることができる。なお、ソレノイドに代えてモータ、ギヤ、カムなどを含む駆動機構を使用することもできる。
【0039】
第四搬送路W4又は第五搬送路W5を通過したシートPは、折り処理ユニット200の排出トレイ24に排出されて積載される。第七搬送路W7は、画像形成システムとして折り処理ユニット200の下流に後処理装置を設けた場合に、後処理装置へシートPを受け渡す経路である。後処理装置では、折り処理をしたシートPあるいは折り処理をしないシートPに対して例えば整合処理、綴じ処理などの後処理を実行する。
【0040】
第一搬送路W1の第零搬送手段R0の直後には、第一シート検出センサSN1が配置されている。第一搬送手段R1の直前には、第二シート検出センサSN2が配置されている。第三搬送路W3における第二搬送手段R2の直後には、第三シート検出センサSN3が配置されている。第三搬送路W3における第三搬送手段R3の直後には、第四シート検出センサSN4が配置されている。第四搬送路W4における第四搬送手段R4の直後には、第五シート検出センサSN5が配置されている。第五搬送路W5における第五搬送手段R5の直後には、第六シート検出センサSN6が配置されている。第六搬送路W6における第六搬送手段R6の直後には、第七シート検出センサSN7が配置されている。
【0041】
シート検知手段としての第一シート検出センサSN1、第二シート検出センサSN2、第三シート検出センサSN3、第四シート検出センサSN4、第五シート検出センサSN5、第六シート検出センサSN6、第七シート検出センサSN7は、シートPの搬送中の位置を検知する。また、これらシート検知センサの検知結果に基づいて、シート処理制御部210は、ジョブが中断されたときに各搬送路に残留している残留シートの有無や、残留位置を判定する。
【0042】
[重ね合わせ動作の例]
図4に例示した折り処理ユニット200によって、シートPを重ねた状態で内三つ折り、外三つ折りを行うことができる。図5から図10は、循環搬送路を介して、二枚のシートPを重ね合わせて、シート束Qを生成するための一連の動作について説明する。
【0043】
図5はシートPがプリンタユニット100側から搬送される前の初期状態を示す。図5の状態において、プリンタユニット100側から搬送されてきた先行シートP1の先端がプリンタユニット100の排紙口に到達した地点で、シート処理制御部210が第零搬送手段R0の回転を開始する。
【0044】
第零搬送手段R0の回転によって、図6に示すように、先行シートP1が第一搬送路W1へと搬送されてくる。また先行シートP1を第四搬送路W4ではなく第二搬送路W2へ搬送して循環搬送路へと案内するために、シート処理制御部210は第一搬送分岐手段J1を図6の位置に移動させる。
【0045】
第零搬送手段R0にて搬送された先行シートP1の先端が第一シート検出センサSN1によって検出されると検出信号がシート処理制御部210に通知される。そして、シート処理制御部210は、検出信号を受けてから、シートPの先頭の突出量が、第一搬送手段R1のニップ位置から所定の値に達するタイミングを算出する。なお、第一搬送手段R1のニップ位置からのシートPの先頭の突当量を「第一突当量Δ1」とする。第一突当量Δ1に達するタイミングで、第一搬送手段R1の回転を開始させる。
【0046】
先行シートP1の先端が第一搬送手段R1のニップに進入した時点で、シート処理制御部210は、第一折り手段F1、第二搬送手段R2、第三搬送手段R3を回転させる。
【0047】
そうすると、図7に示すように、先行シートP1は第一搬送手段R1の動作により第二搬送路W2へ搬送され、また、第二搬送路W2の下り勾配の傾斜に沿って第二搬送手段R2へ搬送され、第二搬送手段R2の動作により第三搬送路W3へ搬送される。そして、先行シートP1の先端が第四シート検出センサSN4で検出されたとき、第四シート検出センサSN4から検出信号がシート処理制御部210に通知される。そこで、シート処理制御部210は、検出信号を受けた後、先行シートP1が搬送されて、その先端が第四シート検出センサSN4の位置から第二突出量Δ2に相当する位置に至るまでのタイミングを算出する。
【0048】
図8に示すように、先行シートP1の先頭が第二突出量Δ2に相当する位置に至ったと判定したときに、第一折り手段F1、第二搬送手段R2、第三搬送手段R3の回転を停止して、先行シートP1の搬送を停止する。
【0049】
なお、先行シートP1の搬送を停止したときでも、プリンタユニット100から次に搬送されてきた後続シートP2を受け入れるために、第一搬送手段R1の回転は継続したままにする。
【0050】
続いて、シート処理制御部210は、図9に示すように、後続シートP2の先端が第一シート検出センサSN1で検出された検出信号が通知された後、後続シートP2を搬送しつつ第一シート検出センサSN1の検知から算出したタイミングで先行シートP1の搬送を再開し、後続シートP2を先行シートP1より少し先行させた状態で重ね合わせつつ搬送する。このタイミングは、後続シートP2の先端が先行シートP1と合流した際に後続シートP2が第三突出量Δ3に相当する位置まで至るまでのタイミングに相当する。そして、シート処理制御部210は、後続シートP2の先端が第三突出量Δ3に相当する位置に至ったときに、第二搬送手段R2、第三搬送手段R3の回転を再開する。これによって、図9に示すように、搬送を停止していた先行シートP1の搬送が再開される。
【0051】
すなわち、後続シートP2は停止させずに、後続シートP2を搬送しつつ第一シート検出センサSN1の検知から「タイミング」を算出する。この算出されたタイミングにおいて先行シートP1の搬送を再開する。この制御によって、後続シートP2を先行シートP1より少し先行させた状態で重ね合わせつつ搬送する。
【0052】
なお、第三突出量Δ3は、第零搬送手段R0と第三搬送手段R3のモータ速度、第一シート検出センサSN1、第二シート検出センサSN2、第四シート検出センサSN4の距離に基づいて算出される。第三突出量Δ3は、第一搬送手段R1の手前で先行シートP1と後続シートP2の先端同士が合流するときの、ずらし量を形成するためのものでもある。
【0053】
そして、先行シートP1の先端と後続シートP2の先端が合流し、シート束Qが生成されて、図10に示すように、第一搬送手段R1のニップを通過して下流に搬送される状態になる。以上のように、後続シートP2が先に第一搬送手段R1のニップに突き当たり、その後、先行シートP1が第一搬送手段R1のニップに突き当たるように制御する。これによって、第三突出量Δ3が大きいときに、第二シート検出センサSN2の手前ではまだ合流していない場合でも、合流するタイミングを調整できる。
【0054】
その後、シート処理制御部210は、プリンタユニット100から通知された重ね折り枚数設定と受入れ枚数が一致しているか否かを判定し、一致している場合は、後述する折り処理を行う。一致してない場合、図7から図9まで処理を再度行い、プリンタユニット100側から搬送された次シートP3(後続シートP2の次のシートP)とシート束Qを合流させて重ね合わせる。なお、シートPが第二搬送手段R2のニップの直前まで搬送されたか否かは、例えば、第一搬送手段R1を駆動するモータの駆動ステップ数から判断できる。したがって、各搬送手段を回転駆動させる駆動モータは、ステッピングモータなどを用いればよい。なお、各センサの検知により算出されるタイミングに基づいて制御すれば、DCモータを適用することもできる。
【0055】
[折り処理の実施形態]
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット200における折り処理の流れについて説明する。図11から図14は、上流から受け取ったシート束Qを外三つ折りする動作説明図である。
【0056】
図10において説明したとおり、合流したシート束Qはそのまま第零搬送手段R0、第一搬送手段R1にて搬送される。そしてシート束Qの先端が第一搬送手段R1のニップに進入した時点でシート束Qは第四搬送手段R4側に搬送される。
【0057】
シート処理制御部210は、第四搬送手段R4のニップの直前まで搬送された時点でモータを駆動し、第一搬送手段R1及び第四搬送手段R4を、図11中の円弧矢印方向に回転させる。シート束Qの先端が、第五シート検出センサSN5に検出されたところからシート束Qの先端が第四突出量Δ4に到達するまで搬送される。
【0058】
その後、シート処理制御部210は、第一搬送手段R1を搬送方向に回転させたまま、第四搬送手段R4(第一折り手段F1)を図7で示した搬送方向に対する逆方向にシート束Qを搬送するように逆回転する(図12参照)。この第四搬送手段R4の逆回転によりシート束Qは逆方向に搬送される。
【0059】
一方、図13に示すように、第一搬送手段R1は、図9にて示した状態から継続されている方向に回転し、シート束Qを搬送している。これによって、第一折り手段F1のニップの手前で撓みが形成される。この撓みがニップに進入して第一折りが行われて、第一折り目が形成される。
【0060】
第一折りを施されたシート束Qは第二搬送路W2に搬送されて、第二搬送路W2の下り勾配の傾斜に沿って搬送され、シート束Qの先端が第三シート検出センサSN3に検出されたところからシートPの先端が第五突出量Δ5に至るまで搬送される。
【0061】
その後、シート処理制御部210が第四搬送手段R4(第一折り手段F1)を搬送方向に回転させたまま、第二搬送手段R2を図13にて示している回転方向に対して逆回転させる。この第二搬送手段R2の逆回転によりシートPは逆方向に搬送される。一方、シート処理制御部210は、第四搬送手段R4(第一折り手段F1)を図13から継続されている方向に回転させてシートPを搬送している。これによって、図14に示すように、第五搬送手段R5(第二折り手段F2)のニップの手前で撓みが形成される。そして、この撓みがニップに進入して第二折りが行われて、第二折り目が形成される。
【0062】
第二折りを施されたシート束Qは、第五搬送路W5を通過して、排出トレイ24へと搬送される。第四突出量Δ4および第五突出量Δ5はシートPの全長と、シートP(シート束Q)に対して設定されている折り方に基づいて決定される。そして、シート処理制御部210は、この設定に基づいて、第二搬送手段R2の回転量(駆動モータの駆動ステップ数)によって第四突出量Δ4および第五突出量Δ5を判定する。
【0063】
なお、外三つ折りの場合は、シートPの搬送方向の先端からシートPの全長の1/3に相当する位置で第一折りをする。そして、シートPの全長の反対側の1/3に相当する位置で第二折りをする。また、内三つ折りの場合は、は、シートP搬送方向のシートPの先端からシートP全長の2/3に相当する位置で第一折りをし、全長の反対側の1/3の位置で第二折りをする。その後、第二折りが施されたシート束Qは、第五搬送手段R5により、第五搬送路W5を介して下流へと搬送される。
【0064】
[本実施形態に係る残留シート処理の制御フロー]
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット200における残留シート処理の流れについてフローチャートを参照しながら説明する。以下説明をする残留シート処理は、折り処理ユニット200において所定のジョブが実行されている途中において、当該ジョブが中断(中止)されたとき、その後、実行される処理に相当する。なお、中断(中止)されるジョブの内容は様々であるが、シートPに対する折り処理を含むジョブであるか否かによって、残留シート処理の内容は異なるものとなる。なお、折り処理が、複数のシートPを重ね合わせた状態で実行する「重ね折り処理」であるかは問わない。当然ながら、中断(中止)されたジョブが折り処理を含まないものであってもよい。
【0065】
残留シート処理は複数の処理モードを選択可能に制御する処理である。最初に処理モードの一つとしての、ジョブ継続処理を行う場合について説明する。
【0066】
[ジョブ継続処理]
ジョブ継続処理が実行される前提としては、すでに説明をしたとおり、折り処理ユニット200において、処理対象のシートPに対して実行中のジョブが中断されたと仮定する。ここでは、例えば、シートPが第一搬送路W1、第二搬送路W2を経由して第三搬送路W3まで搬送された状態で、例えば、使用者による「ジョブの停止」が行われたとする。
【0067】
ジョブの停止が生じたときにシート処理制御部210は、シートPの位置を特定する(S1501)。上記の例では、シートPが第四シート検出センサSN4により検知されているので、シート処理制御部210は第四シート検出センサSN4の信号を検知することで、シートPの残留位置を特定する。すなわち、図8に例示した状態であることをシート処理制御部210は検知する。
【0068】
次に、シート処理制御部210はRAM213に格納されているジョブ(中止されたジョブ)の内容を読み取る(S1502)。ここで、ジョブの内容を読み取ることができれば(S1502:あり)、中止されたジョブの中断状態を含む処理段階を判定する(S1503)。ジョブの内容を読み取ることができなければ(S1502:なし)、処理モードを「動作3」に切り替える。「動作3」の詳細は後述する。
【0069】
ジョブの中断状態が、シートPの重ね合わせ搬送処理の途中段階、すなわち、折り動作の前であることを示すとき(S1503:YES)、シート処理制御部210は、処理モードを動作1に切り替える。
【0070】
[動作1:ジョブ継続]
ここで、処理モードの一つである動作1の処理の流れについて図16のフローチャートを用いて説明する。まず、シート処理制御部210がプリンタ制御部110に対して「動作1」に切り替えられたことを通知し、図19に例示するような選択肢を表示する操作画面を、操作表示部140を介して出力する。または、シート処理制御部210が、図19に例示するような操作画面を、操作表示部250を介して出力してもよい。
【0071】
使用者が操作表示部140又は操作表示部250を介して出力された操作画面に対して、「ジョブ変更」「ジョブ継続」「シート排出」のいずれかを選択する。使用者が処理モードとしての「ジョブ継続」を選択した場合(S1601)、シート処理制御部210は、中止されていたジョブを、中止段階から再開して、ジョブ処理を継続する(S1602)。ジョブ処理の継続処理(搬送/折り処理)が終了した段階で、図15に戻る。
【0072】
動作1においてジョブ処理の継続が選択された後、処理後のシートPを排出搬送できるか否かをシート処理制御部210が判定する(S1507)。シートPの排出搬送ができれば(S1507:可)、シートPに対する処理を実行して排出する(S1508)。シートPの搬送ができなければ(S1507:不可)、ユーザ(使用者)が手作業でシートPを取り除く(S1509)。
【0073】
シート処理制御部210は、折り処理ユニット200の内部にシートPが残留されていないことをセンサの検知に基づいて判断し(S1510)、シートPの残留があればS1509を繰り返す(S1510:ON、S1509)。シートPの残留がなければ(S1510:OFF)、ジョブのプロセスは完了する。
【0074】
[ジョブ変更処理]
次に、処理モードの一つとしての、ジョブ変更処理を行う場合について説明する。ジョブ継続処理の場合と同様に、折り処理ユニット200において、処理対象のシートPに対して実行中のジョブが中断されたと仮定する。ここでは、重ね合わせ動作と三つ折り処理を含むジョブが実行されていたこととする。そして、処理対象であるシートPが、第一搬送路W1、第二搬送路W2を経由して第五搬送路W5まで搬送された状態で、例えば、外部要因による「ジョブの中断」が行われたとする。
【0075】
外部要因によるジョブの中断が生じたときにシート処理制御部210は、シートPの位置を特定する(S1501)。上記の例では、シートPが第二シート検出センサSN2と第五シート検出センサSN5により検知されている状態ので、シート処理制御部210は、第二シート検出センサSN2と第五シート検出センサSN5の信号を検知することで、シートPの残留位置を特定する(S1501)。ここでは、シートPが、第一搬送路W1と第四搬送路W4に跨る位置で停止していると判定される。
【0076】
なお、外部要因とは、例えば、機器のドア開けや下流機のジャムなどである。ただし電源が落ちることを除く。
【0077】
次に、シート処理制御部210はRAM213に格納されているジョブ(中止されたジョブ)の内容を読み取る(S1502)。ここで、ジョブの内容を読み取ることができれば(S1502:あり)、中止されたジョブの処理段階が、図11に例示した三つ折り処理の折り動作前の状態であると判定できるので(S1503:YES)、シート処理制御部210は、処理モードを動作1に切り替える。
【0078】
[動作1:ジョブ変更]
図16に示すように、まず、シート処理制御部210がプリンタ制御部110に対して「動作1」に切り替えられたことを通知し、図19に例示するような選択肢を表示する操作画面を、操作表示部140を介して出力する。または、シート処理制御部210が、図19に例示するような操作画面を、操作表示部250を介して出力してもよい。
【0079】
ここで、使用者が操作表示部140又は操作表示部250を介して出力された操作画面に対して、「ジョブ変更」を選択した場合(S1603)、シート処理制御部210は、ジョブ変更の画面を表示して選択可能な折り動作を選択できる状態にする(S1604)。使用者が新たな折り動作を選択したとき、シート処理制御部210は、選択された折り動作を実行可能な状態にするために、シートPの位置を、新たな折り動作に適した位置にセットしなおす(S1605)。シートPの位置のリセットが行われた後に、シート処理制御部210は、使用者が選択した新たな折り処理を行う(S1606)。変更されたジョブに係る処理(搬送/折り処理)が終了した段階で、図15に戻る。
【0080】
動作1においてジョブ処理の継続が選択された後、処理後のシートPを排出搬送できるか否かをシート処理制御部210が判定する(S1507)。シートPの排出搬送ができれば(S1507:可)、シートPに対する処理を実行して排出する(S1508)。シートPの搬送ができなければ(S1507:不可)、ユーザ(使用者)が手作業でシートPを取り除く(S1509)。
【0081】
シート処理制御部210は、折り処理ユニット200の内部にシートPが残留されていないことをセンサの検知に基づいて判断し(S1510)、シートPの残留があればS1509を繰り返す(S1510:ON、S1509)。シートPの残留がなければ(S1510:OFF)、ジョブのプロセスは完了する。
【0082】
[シート排出処理の第一例]
次に、処理モードの一つとしての、シート排出処理を行う場合について説明する。すでに説明をした処理の場合と同様に、折り処理ユニット200において、処理対象のシートPに対して実行中のジョブが中断されたと仮定する。ここでは、重ね合わせ動作と三つ折り処理を含むジョブが実行されていたこととする。そして、処理対象であるシートPが、第一搬送路W1、第二搬送路W2を経由して第五搬送路W5まで搬送された状態で、例えば、外部要因による「ジョブの中断」が行われたとする。
【0083】
外部要因によってジョブが中断された場合に、シート処理制御部210は、シートPの位置を特定する(S1501)。上記の例では、シートPは第二シート検出センサSN2と第五シート検出センサSN5により検知されている状態である。そこで、シート処理制御部210は、第二シート検出センサSN2と第五シート検出センサSN5の信号を検知することで、シートPの残留位置を特定する(S1501)。
【0084】
次に、シート処理制御部210はRAM213に格納されているジョブ(中止されたジョブ)の内容を読み取る(S1502)。ここで、ジョブの内容を読み取ることができれば(S1502:あり)、中止されたジョブの処理段階が、図11に例示した三つ折り処理の折り動作前の状態であると判定できるので(S1503:YES)、シート処理制御部210は、処理モードを動作1に切り替える。
【0085】
すなわち、中止されたジョブの処理段階が、図11に例示した三つ折り処理の折り動作の途中状態であると判定できるので(S1503:NO)、シート処理制御部210が動作2に切り替える。
【0086】
図17に示すように、まず、シート処理制御部210がプリンタ制御部110に対して「動作2」に切り替えられたことを通知し、図19に例示するような選択肢を表示する操作画面を、操作表示部140を介して出力する。または、シート処理制御部210が、図19に例示するような操作画面を、操作表示部250を介して出力してもよい。
【0087】
ここで、使用者が「ジョブ継続」を選択した場合(S1701)、シート処理制御部210は、中止されていたジョブを、中止段階から再開して、ジョブ処理を継続する(S1702)。移行の処理は、図15におけるS1507に戻る。その後は、すでに説明したとおりなので、省略する。
【0088】
使用者が「シート排出」を選択した場合(S1703)、シート処理制御部210は、図21に例示する操作表示画面を表示する。
【0089】
使用者が状況によって手作業か、強制排出で機器を復旧する。「強制排出」を選択した場合(S1704)、折り処理ユニット200は一律で、シートPを第一搬送路W1、第二搬送路W2、第五搬送路W5の順に搬送して、機外へと排出する(S1705)。移行の処理は、図15におけるS1507に戻る。その後は、すでに説明したとおりなので、省略する。
【0090】
[シート排出処理の第二例]
使用者が「シート排出」を選択し(S1703)、図21に例示する操作表示画面を介して、「強制排出しない」を選択した場合(S1706)、シート処理制御部210が操作表示部250を介して、使用者に対し、「シートPを取り除いてください」などの警告及び指示を含む表示を行う。その後、使用者が残留シートを取り除き(S1707)、機器のドアを正確に閉じた後、内部にシート残留の検知がなければ(S1708:OFF)、通常の画面に戻り、残留シート排出のプロセスが完了である。シート残留があれば(S1708:ON)、シート残留が無くなるまで処理をループする。
【0091】
[シート排出処理の第三例]
次に、残留シート排出動作例であってシート排出処理の第三例について説明する。ジョブ変更を実行することになる残留シート排出処理が開始される前には、まず、重ね折り処理を含むジョブが実行されていて、処理対象であるシートPが、第一搬送路W1、第二搬送路W2を経由して第三搬送路W3まで搬送されているとする。そして、この段階で外部要因による「ジョブの中断」が行われたとする。
【0092】
まず、ジョブの停止が生じたときシートPの位置を特定する(S1501)。上記の事例では、シートPは第四シート検出センサSN4により検知されている状態なので、シート処理制御部210は第四シート検出センサSN4の信号を検知することで、シートPの位置を特定する。すなわち、図8の状態であることをシート処理制御部210は検知する。
【0093】
次に、シート処理制御部210はRAM213に格納されているジョブ(中止されたジョブ)の内容を読み取る(S1502)。ここでは、折り処理ユニット200の動作電源が電源断になり、RAM213からジョブの内容を読み取ることができないので(S1502:なし)、処理を「動作3」に切り替える(S1506)。
【0094】
図18に「動作3」の場合の処理フローを例示する。まず、シート処理制御部210がプリンタ制御部110に対して「動作3」に切り替えられたことを通知し、図21に例示するような選択肢を表示する操作画面を、操作表示部140を介して出力する。または、シート処理制御部210が、図20に例示するような操作画面を、操作表示部250を介して出力してもよい。
【0095】
ここで、使用者が操作表示部140又は操作表示部250を介して出力された操作画面に対して、「ジョブ変更」「ジョブ継続」「シート排出」のいずれかと選択する。使用者が「ジョブ継続」を選択した場合(S1801)、後処理装置は一律で、シートPを第一搬送路W1、第二搬送路W2、第五搬送路W5の順に搬送して、機外へと排出する(S1802)。または、状況によっては、使用者が自動排出又は手作業でシートPを取り除く。移行の処理は、図15におけるS1507に戻る。その後は、すでに説明したとおりなので、省略する。
【0096】
仮に、使用者が「強制排出しない」を選択した場合(S1803)、シート処理制御部210が操作表示部250を介して、使用者に対し、「シートPを取り除いてください」などの警告及び指示を含む表示を行う。その後、使用者が残留シートを取り除いき(S1804)、機器のドアを正確に閉じた後、内部にシート残留の検知がなければ(S1805:OFF)、通常の画面に戻り、残留シート排出のプロセスが完了である。シート残留があれば(S1805:ON)、シート残留が無くなるまで処理をループする。
【0097】
「搬送不可な動作例」
次に、折り処理ユニット200における搬送不可な残留シートの検知および処理の動作例について説明する。シートPを搬送する途中において、シートPの変形によるジャムが発生することがある。そして、ジャムの発生後に、システムの電源を切断してリカバリすることがある。この場合、シートPが内部に残留したままで、折り処理ユニット200が再起動することになる。
【0098】
この場合、シート処理制御部210は第一シート検出センサSN1と第二シート検出センサSN2の信号を受信する。ここでは、シートPが、図6に例示するように、第一搬送路W1に残留していることを検知したとする。
【0099】
RAM213に記憶されていたジョブ内容を示すデータは、電源断により消失しているので、シート処理制御部210は、ジョブ内容を読み取ることができない。しかしながら、この状態においても、残留しているシートPを排出する動作は可能である。
【0100】
この場合、すでに説明をした「動作3」に、シート処理制御部210が動作モードを切り替える。そして、操作表示部250を介して「強制排出」「強制排出しない」の選択を可能にする入力インターフェースを表示する。ここで表示される画面は、図21に例示する画面である。
【0101】
表示画面から。使用者が自動排出を選択した場合、折り処理ユニット200は、シートPを第一搬送路W1、第二搬送路W2、第五搬送路W5の順に排出する処理を実行する。この場合、シートPが変形により搬送できず、事前に定められた時間を超えて次のセンサまで到達できない。
【0102】
そこで、シート処理制御部210は、残留しているシートPを搬送不可なジャムと認識し、自動に搬送を停止し、操作表示部250を介して使用者に、手作業によるジャムの除去を求める。このときの表示画面は、図22に例示する。使用者が残留シートを取り除いて、機器のドアを正確に閉じた後、内部にシート残留の検知がなければ通常の画面に戻す。
【0103】
以上説明したとおり、本実施形態に係るシート処理制御部210におけるシート処理制御によれば、積載物の高さを検知するための時間の設定値を、システムの生産性、折り処理の有無や折り書類などに応じて、適正な検知時間に切り替えることができる。
【0104】
[本発明の態様]
本発明の内容は、例えば、以下のとおりである。
<1>
第一搬送路に沿って搬送されてくるシートを下流に搬送する第一搬送手段と、
当該シートを第二搬送路に沿って搬送する第二搬送手段と、
前記シートを第三搬送路に沿って搬送する第三搬送手段と、
前記第一搬送手段、前記第二搬送手段、前記第三搬送手段によって前記シートを前記第一搬送路、前記第二搬送路、前記第三搬送路の順に循環させる循環搬送路と、
前記シートの搬送中の位置を検知するシート検知手段と、
前記シート検知手段における前記シートの検知結果に基づいて、前記第一搬送手段、前記第二搬送手段、前記第三搬送手段の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部にて処理中のジョブに中断が生じたとき、各搬送路に配置されている前記シート検知手段の検知結果に基づいて、残留シートの有無及び残留位置を判定し、ジョブの中断状態に応じて、当該ジョブに継続処理を含む処理モードを選択可能に制御する、
ことを特徴とするシート処理装置である。
<2>
前記制御部は、前記中断されたジョブが折り処理の途中であるとき、当該ジョブの中断状態から前記残留シートに対する折り処理を継続して実行するように制御する、
前記<1>に記載のシート処理装置である。
<3>
前記制御部は、前記中断されたジョブが折り処理の途中であるとき、当該ジョブの中断状態から前記残留シートに対する折り処理を継続するか、残留シートを排出するかを選択可能に制御する、
前記<1>に記載のシート処理装置である。
<4>
前記制御部は、前記ジョブの中断状態を識別できないときは、前記残留シートを排出するように制御する、
前記<1>乃至前記<3>のいずれか一つに記載のシート処理装置である。
<5>
シートに画像を形成する画像形成部と、前記シートに対し後処理を行うシート処理部と、を備える画像形成装置であって、
前記シート処理部は、前記<1>乃至前記<4>のいずれか一つに記載のシート処理装置であることを特徴とする画像形成装置である。
<6>
シートに画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置と、前記<1>乃至前記<4>のいずれか一つに記載のシート処理装置と、連結して構成されることを特徴とする画像形成システムである。
【0105】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0106】
1 :プリンタシステム
10 :プリンタ
110 :プリンタ制御部
200 :折り処理ユニット
200a :折り処理装置
210 :シート処理制御部
250 :操作表示部
SN1 :第一シート検出センサ
SN2 :第二シート検出センサ
SN3 :第三シート検出センサ
SN4 :第四シート検出センサ
SN5 :第五シート検出センサ
SN6 :第六シート検出センサ
SN7 :第七シート検出センサ
W1 :第一搬送路
W2 :第二搬送路
W3 :第三搬送路
W4 :第四搬送路
W5 :第五搬送路
W6 :第六搬送路
W7 :第七搬送路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【特許文献1】特開2019-164257号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22