(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001262
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ウエハチャックアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20231226BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20231226BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/68 P
H01L21/304 651B
H01L21/306 R
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183644
(22)【出願日】2023-10-26
(62)【分割の表示】P 2020561823の分割
【原出願日】2019-05-03
(31)【優先権主張番号】62/667,190
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/215,608
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラブリエ・アーロン・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】プハ・クラウディウ・ヴァレンティン
(72)【発明者】
【氏名】ストーウェル・ロバート・マーシャル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ウエハ端部のベベル形成のためのEBRプロセスにおけるウエハ回転時の偏芯やずれを防止するウエハチャックアセンブリを提供する。
【解決手段】チャックハブと、チャックハブ内に配置されたセンタリングハブ102とを備えるウエハチャックアセンブリ100であって、係合装置は、係合位置と非係合位置との間で動作することでウエハ112を支持して、プロセス中のずれを防ぐ。複数の中空チャックアーム118がチャックハブに取り付けられ、各中空チャックアームが、チャックハブに隣接する近位端とそこから離れた先端との間に径方向に伸びる。複数のセンタリングカム110の各々は、チャックアームの先端に、又は先端に向けて取り付けられ、チャックハブに対するセンタリングハブの回転動作に応答してウエハを係合又は解放するように動作可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハを支持するためのウエハチャックアセンブリであって、
チャックハブと、
前記チャックハブ内に配置されたセンタリングハブと、
係合位置と非係合位置との間で動作可能な係合装置であって、それぞれ、前記チャックハブを前記センタリングハブと係合して、その間の時計回り回転方向もしくは反時計回り回転方向の相対動作を防ぐ、または、その間のいずれかの回転方向の相対動作を可能にする、係合装置と、
ウエハ処理動作およびウエハセンタリング動作の間に、前記係合装置の前記係合位置または前記非係合位置に基づいて、前記チャックハブおよび/または前記センタリングハブを選択的に回転させるためのチャックモータと、
前記チャックハブに取り付けられた複数のチャックアームであって、各チャックアームは、前記チャックハブに隣接する近位端とそこから離れた先端との間で径方向に伸びる、複数のチャックアームと、
複数のセンタリングカムであって、各センタリングカムは、チャックアームの先端に、または先端に向けて取り付けられ、前記チャックハブに対する前記センタリングハブの回転動作に応答して支持されたウエハのエッジを係合するまたは解放するように、前記センタリングハブに対して径方向内向きまたは外向きに動作可能である、複数のセンタリングカムと、
を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記チャックモータは、前記ウエハセンタリング動作の間に、前記センタリングハブと前記チャックハブとの間に相対回転動作を加えるように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記センタリングハブは、前記ウエハセンタリング動作中は前記チャックモータに固定され、前記チャックモータは、前記ウエハセンタリング動作中に前記チャックハブを第1の回転方向に回転させるように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記チャックモータは、前記ウエハ処理動作中に前記センタリングハブおよび前記チャックハブを一緒に同一回転方向に回転させるように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記ウエハ処理動作中の前記センタリングハブおよび前記チャックハブの前記同一回転方向は、前記ウエハセンタリング動作中の前記チャックハブの前記第1の回転方向とは反対である、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記センタリングハブは、その外面に少なくとも1つのカム面を含む、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載のウエハチャックアセンブリであって、
各チャックアームは、前記センタリングハブの前記少なくとも1つのカム面と、前記複数のセンタリングカムの各チャックアームの先端に配置されたセンタリングカムとの間に動作的に配置された、それぞれの細長い作動棒を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載のウエハチャックアセンブリであって、
各細長い作動棒は、その近位端に、前記センタリングハブの前記少なくとも1つのカム面を係合するための軸受面を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項9】
請求項7に記載のウエハチャックアセンブリであって、
各細長い作動棒は、その前記先端に、それぞれのチャックアームのそれぞれのセンタリングカムとの連結部を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記センタリングハブの回転動作により、前記センタリングハブのそれぞれのカム面が、それぞれの細長い作動棒を径方向外向きに促すことで、前記連結部を介してそれぞれのセンタリングカムを作動させる、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載のウエハチャックアセンブリであって、さらに、
前記ウエハセンタリング動作および/または前記ウエハ処理動作の間に前記ウエハを支持するための少なくとも1つの真空パッドを備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの真空パッドは、前記ウエハが前記複数のセンタリングカムに解放されたときに、少なくとも前記ウエハ処理動作の間は、前記ウエハチャックアセンブリのセンタリングされた位置に前記ウエハを維持するように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項13】
請求項11に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの真空パッドは、前記複数のチャックアームのうちの少なくとも1つに設けられる、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項14】
請求項11に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記複数のチャックアームの各々は、前記少なくとも1つの真空パッドに真空圧を供給するための真空ラインを備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項15】
請求項14に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの真空パッドにおける真空圧の有無は、検出されて、前記ウエハチャックアセンブリ内の前記ウエハの有無、または欠陥ウエハの存在に関連付けられる、ウエハチャックアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]
本願は、共に全文が本明細書に参照として援用される、2018年5月4日出願の米国仮特許出願第62/667,190号、および、2018年12月10日出願の米国特許出願第16/215,608号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、処理中に半導体ウエハを支持するためのチャック技術に関する。一実施形態では、エッジベベル除去(EBR)のための真空ウエハチャックが提供される。より特定の態様では、本開示は、EBR中にめっき膜またはシード層などの不要な金属をウエハの外縁から除去するための電気充填後モジュール(PEM)チャックに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
EBRは、一般に、ウエハが回転されている間に、ウエハエッジ付近に向けられたノズルを通じて薬液を塗布することによって実行される。均一なEBR結果をもたらすために、ウエハは、チャック上で適切にセンタリングされなければならない、またはチャックと同心でなければならない。摩擦パッドまたは受動センタリング手段を用いる既存のチャックは、EBRプロセスの前にウエハを能動的にセンタリングしない可能性がある。これは、悪いEBR結果につながりうる。悪いEBR結果は、例えば、ロボットによるPEMへのウエハの受け渡しが正確でない場合に、さらなる誤差を引き起こす可能性がある。
【0005】
EBRプロセスで用いられたエッチング剤が、垂直配置ピン(VAP)面などのウエハ支持手段周辺から跳ね返ったときに、さらなる問題が生じる。跳ね返った液体は、EBRプロセスを妨げ、悪いEBR結果の一因となりうる。この影響は、エッジ除外(EE)領域が減少するにつれてより明らかになりうる。EEは、通常、ウエハエッジについて除去される材料の量を意味する。
【0006】
さらなる例では、ウエハは、回転中に従来のチャック支持体の上に滑り落ちることがあり、これもまた、不十分なセンタリングおよび悪いEBR結果につながる。外部センサを用いるウエハ存在検出は、必ずしも確実ではなく、例えば、ウエハ液滴の飛び跳ねによって影響を受ける可能性がある。飛び跳ねは、上記のようにして、またはウエハ洗浄中に別の方法で起こりうる。滑り落ちたウエハは、遠心性のセンタリングカムを有するチャックのカムに有害な溝を切り込む可能性がある。これは、チャックの寿命を縮め、溝付きカムをウエハエッジに押し付けさせる可能性もある。
【発明の概要】
【0007】
いくつかの例では、ウエハを支持するためのウエハチャックアセンブリは、チャックハブと、チャックハブ内に配置されたセンタリングハブと、係合位置と非係合位置との間でそれぞれ動作可能な係合装置であって、チャックハブをセンタリングハブと係合して、その間の時計回り回転方向もしくは反時計回り回転方向のいずれかの相対動作を防ぐ、または、その間のいずれかの回転方向の相対動作を可能にする、係合装置と、係合装置の係合位置または非係合位置に基づいて、ウエハ処理動作中およびウエハセンタリング動作中にチャックハブおよび/またはセンタリングハブを選択的に回転させるためのチャックモータと、チャックハブに取り付けられた複数のチャックアームであって、各チャックアームは、チャックハブに隣接する近位端とそこから離れた先端との間に径方向に伸びる、複数のチャックアームと、複数のセンタリングカムであって、各センタリングカムは、チャックアームの先端に、または先端に向けて取り付けられ、チャックハブに対するセンタリングハブの回転動作に応答して支持されたウエハのエッジを係合または解放するように、センタリングハブに対して径方向内向きまたは外向きに動作可能な、複数のセンタリングカムと、を備える。
【0008】
いくつかの例では、チャックモータは、ウエハセンタリング動作中にセンタリングハブとチャックハブとの間に相対回転動作を加えるように構成されている。いくつかの例では、センタリングハブは、ウエハセンタリング動作中はチャックモータに固定され、チャックモータは、ウエハセンタリング動作中に第1の回転方向にチャックハブを回転させるように構成されている。
【0009】
いくつかの例では、チャックモータは、ウエハ処理動作中にセンタリングハブおよびチャックハブを一緒に同一回転方向に回転させるように構成されている。いくつかの例では、ウエハ処理動作中のセンタリングハブおよびチャックハブの同一回転方向は、ウエハセンタリング動作中のチャックハブの第1の回転方向とは反対である。
【0010】
いくつかの例では、センタリングハブは、その外面に少なくとも1つのカム面を備える。いくつかの例では、各チャックアームは、センタリングハブの少なくとも1つのカム面と、各チャックアームの先端に配置されたセンタリングカムとの間に動作的に配置された、それぞれの細長い作動棒を備える。各細長い作動棒は、その近位端に、センタリングハブの少なくとも1つのカム面を係合するための軸受面を備えてよい。いくつかの例では、各細長い作動棒は、その先端に、それぞれのチャックアームのそれぞれのセンタリングカムとの連結部を備える。いくつかの例では、センタリングハブの回転動作により、センタリングハブのそれぞれのカム面が、それぞれの細長い作動棒を径方向外向きに促すことで、連結部を介してそれぞれのセンタリングカムを作動させる。
【0011】
いくつかの例では、ウエハチャックアセンブリは、さらに、ウエハセンタリング動作および/またはウエハ処理動作の間にウエハを支持するための少なくとも1つの真空パッドを備える。いくつかの例では、少なくとも1つの真空パッドは、ウエハが複数のセンタリングカムに解放されたときに、少なくともウエハ処理動作の間は、ウエハチャックアセンブリのセンタリングされた位置にウエハを維持するように構成されている。いくつかの例では、複数のチャックアームの少なくとも1つに少なくとも1つの真空パッドが設けられる。複数のチャックアームの各々は、少なくとも1つの真空パッドに真空圧を供給するための真空ラインを備えてよい。いくつかの例では、少なくとも1つの真空パッドにおける真空圧の有無は、検出されて、ウエハチャックアセンブリ内のウエハの有無、または欠陥ウエハの存在に関連付けられる。
【0012】
いくつかの例では、複数のセンタリングカムは、開放されたウエハ解放構成に向けて付勢される。いくつかの例では、複数のセンタリングカムの各センタリングカムは、第1のウエハセンタリング位置と第2の格納位置との間で動作可能であり、第2の格納位置は、ウエハチャックアセンブリ内に支持されたウエハの上面より下に配置される。
【0013】
いくつかの例では、ウエハチャックアセンブリは、さらに、チャックモータのトルクを検出し、検出したチャックモータトルクを複数のセンタリングカムの少なくとも第1のウエハセンタリング位置と関連付けるための制御手段を備える。いくつかの例では、ウエハチャックアセンブリは、さらに、チャックモータのトルクを検出し、検出したチャックモータトルクをウエハチャックアセンブリに保持されたウエハのセンタリングされた位置と関連付けるための制御手段を備える。いくつかの例では、ウエハチャックアセンブリは、さらに、チャックモータのトルクを検出し、検出したチャックモータトルクをウエハチャックアセンブリに保持されたウエハの直径と関連付けるための制御手段を備える。
【0014】
他の実施形態では、真空ウエハチャックアセンブリが提供される。例示的真空ウエハチャックアセンブリは、チャックハブと、チャックハブ内に配置されたセンタリングハブと、チャックハブに取り付けられた複数のチャックアームであって、各チャックアームは、チャックハブに隣接する近位端とそこから離れた先端との間で径方向に伸びる、複数のチャックアームと、複数のセンタリングカムであって、各センタリングカムは、チャックアームの先端に、または先端に向けて取り付けられ、チャックハブの回転動作に応答して支持されたウエハのエッジを係合するまたは解放するように、センタリングハブに対して径方向内向きまたは外向きに動作可能である、複数のセンタリングカムと、ウエハセンタリング動作またはウエハ処理動作の間にウエハを支持するための少なくとも1つの真空パッドと、を備える。
【0015】
いくつかの例では、ウエハチャックアセンブリは、さらに、係合位置と非係合位置との間で動作可能な係合装置であって、それぞれ、チャックハブをセンタリングハブと係合して、その間の時計回り回転方向もしくは反時計回り回転方向のいずれかの相対動作を防ぐ、または、その間のいずれかの回転方向の相対動作を可能にする、係合装置と、ウエハ処理動作およびウエハセンタリング動作の間に、係合装置の係合位置または非係合位置に基づいて、チャックハブおよび/またはセンタリングハブを選択的に回転させるためのチャックモータと、を備える。
【0016】
いくつかの例では、チャックモータは、ウエハセンタリング動作中にセンタリングハブとチャックハブとの間に相対回転動作を加えるように構成されている。いくつかの例では、センタリングハブは、ウエハセンタリング動作中はチャックモータに固定され、チャックモータは、ウエハセンタリング動作中は第1の回転方向にチャックハブを回転させるように構成されている。
【0017】
いくつかの例では、チャックモータは、前記ウエハ処理動作中はセンタリングハブおよびチャックハブを一緒に同一回転方向に回転させるように構成されている。いくつかの例では、ウエハ処理動作中のセンタリングハブおよびチャックハブの同一回転方向は、ウエハセンタリング動作中のチャックハブの第1の回転方向とは反対である。
【0018】
いくつかの例では、センタリングハブは、その外面に少なくとも1つのカム面を含む。いくつかの例では、各チャックアームは、センタリングハブの少なくとも1つのカム面と、複数のセンタリングカムの各チャックアームの先端に配置されたセンタリングカムとの間に動作的に配置された、それぞれの細長い作動棒を備える。いくつかの例では、各細長い作動棒は、その近位端に、センタリングハブの少なくとも1つのカム面を係合するための軸受面を備える。いくつかの例では、各細長い作動棒は、その先端に、それぞれのチャックアームのそれぞれのセンタリングカムとの連結部を備える。
【0019】
いくつかの例では、センタリングハブの回転動作により、センタリングハブのそれぞれのカム面が、それぞれの細長い作動棒を径方向外向きに促すことで、連結部を介してそれぞれのセンタリングカムを作動させる。
【0020】
いくつかの例では、少なくとも1つの真空パッドは、ウエハが複数のセンタリングカムに解放されたときに、少なくともウエハ処理動作の間は、ウエハチャックアセンブリのセンタリングされた位置にウエハを維持するように構成されている。いくつかの例では、少なくとも1つの真空パッドは、複数のチャックアームのうちの少なくとも1つに設けられる。いくつかの例では、複数のチャックアームの各々は、少なくとも1つの真空パッドに真空圧を供給するための真空ラインを備える。いくつかの例では、少なくとも1つの真空パッドにおける真空圧の有無は、検出されて、ウエハチャックアセンブリ内のウエハの有無、または欠陥ウエハの存在に関連付けられる。
【0021】
いくつかの例では、複数のセンタリングカムは、開放されたウエハ解放構成に向けて付勢される。いくつかの例では、複数のセンタリングカムの各センタリングカムは、第1のウエハセンタリング位置と第2の格納位置との間で動作可能であり、第2の格納位置は、ウエハチャックアセンブリ内に支持されたウエハの上面より下に配置される。
【0022】
いくつかの例では、ウエハチャックアセンブリは、さらに、チャックモータのトルクを検出し、検出したチャックモータトルクを複数のセンタリングカムの少なくとも第1のウエハセンタリング位置と関連付けるための制御手段を備える。いくつかの例では、ウエハチャックアセンブリは、さらに、チャックモータのトルクを検出し、検出したチャックモータトルクをウエハチャックアセンブリに保持されたウエハのセンタリングされた位置と関連付けるための制御手段を備える。いくつかの例では、ウエハチャックアセンブリは、さらに、チャックモータのトルクを検出し、検出したチャックモータトルクをウエハチャックアセンブリに保持されたウエハの直径と関連付けるための制御手段を備える。
【0023】
他の実施形態では、ウエハを支持するためのウエハチャックアセンブリが提供される。例示的ウエハチャックアセンブリは、チャックハブと、チャックハブ内に配置されたセンタリングハブと、ウエハ処理動作およびウエハセンタリング動作の間に、チャックハブまたはセンタリングハブを選択的に回転させるためのチャックモータと、チャックハブに取り付けられた複数のチャックアームであって、各チャックアームは、チャックハブに隣接する近位端とそこから離れた先端との間で径方向に伸びる、複数のチャックアームと、複数のセンタリングカムであって、各センタリングカムは、チャックアームの先端に、または先端に向けて取り付けられ、チャックハブに対するセンタリングハブの回転動作に応答して支持されたウエハのエッジを係合するまたは解放するように、センタリングハブに対して径方向内向きまたは外向きに動作可能である、複数のセンタリングカムと、チャックモータのトルクを検出し、検出したチャックモータトルクを複数のセンタリングカムの少なくとも第1のウエハセンタリング位置と関連付けるための制御手段と、を備える。
【0024】
いくつかの例では、ウエハチャックアセンブリは、さらに、係合位置と非係合位置との間で動作可能な係合装置であって、それぞれ、チャックハブをセンタリングハブと係合して、その間の時計回り回転方向もしくは反時計回り回転方向のいずれかの相対動作を防ぐ、または、その間のいずれかの回転方向の相対動作を可能にする、係合装置を備え、チャックモータは、ウエハ処理動作およびウエハセンタリング動作の間に、係合装置の係合位置または非係合位置に基づいて、チャックハブまたはセンタリングハブを選択的に回転させる。
【0025】
いくつかの例では、制御手段は、チャックモータのトルクを検出し、検出したチャックモータトルクをウエハチャックアセンブリに保持されたウエハのセンタリングされた位置と関連付ける。いくつかの例では、制御手段は、チャックモータのトルクを検出し、検出したチャックモータトルクをウエハチャックアセンブリに保持されたウエハの直径と関連付ける。
【図面の簡単な説明】
【0026】
いくつかの実施形態は、添付の図面の見地から限定ではなく例示のために示される。
【0027】
【
図1A】例示的実施形態によるチャックアセンブリの態様の概略断面図。
【
図1B】例示的実施形態によるチャックアセンブリの態様の概略断面図。
【0028】
【
図2】例示的実施形態によるセンタリングハブの画図。
【0029】
【
図3】例示的実施形態によるスピンドルアセンブリに取り付けられたチャックアセンブリの画図。
【0030】
【
図4A】例示的実施形態によるチャックスピンドルアセンブリおよび真空供給部品の画図。
【
図4B】例示的実施形態によるチャックスピンドルアセンブリおよび真空供給部品の画図。
【0031】
【
図5】例示的実施形態によるチャックアセンブリの上側の画図。
【0032】
【
図6】例示的実施形態によるウエハを保持するチャックアセンブリの下側の画図。
【0033】
【
図7】例示的実施形態によるセンタリングハブおよびチャックアセンブリの関連部品の画図。
【0034】
【
図8】例示的実施形態による、チャックスピンドルアセンブリのヘッド部に固定されたチャックアセンブリの断面図。
【0035】
【
図9】例示的実施形態による係合フィンおよび係止ピンの配置を示す画図。
【0036】
【
図10】例示的実施形態による、格納されたストッパピンおよび下方位置のカムを備えるチャックアセンブリの断面図。
【0037】
【
図11】例示的実施形態による、係止ピンが上方、カムが上方またはウエハセンタリング位置にある、
図10の例示的チャックアセンブリの断面図。
【0038】
【
図12A】例示的実施形態による従来のチャック部品の画図。
【
図12B】例示的実施形態による従来のチャック部品の画図。
【0039】
【
図12C】例示的実施形態によるチャックアセンブリおよび関連部品の画図。
【0040】
【
図13】いくつかの例示的実施形態による例示的EBR測定結果の表およびグラフ。
【0041】
【
図14】例示的実施形態によるセンタリング動作中のチャックモータのトルクプロファイル。
【0042】
【
図15】1または複数の例示的実施形態が実施されうる、または、1または複数の例示的実施形態が制御されうる、例示的機械を表すブロック図。
【0043】
【
図16】例示的実施形態による方法の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の説明は、本開示の例示的実施形態を具現化するシステム、方法、技術、命令シーケンス、および計算機プログラム製品を含む。以下の説明では、説明の目的で、例示の実施形態の十分な理解を提供するために多くの特定の詳細が記載される。しかし、本発明の主題は、これらの特定の詳細なしで実行されてよいことが当業者には明らかだろう。
【0045】
本特許文献の開示の一部は、著作権保護の対象となりうる内容を含む。特許文献または特許開示の複写は、特許商標庁の特許ファイルまたは特許記録に記載されるため、著作権者は、それに対して異存はないが、その一切全ての著作権を保有する。次の通知は、以下に記載の、本文献の一部を形成する図面に示されるあらゆるデータに適用される:Copyright Lam Research Corporation,2018-19 許可なく複製を禁ず。
【0046】
一例では、センタリングチャックアセンブリが提供される。チャックアセンブリは、以下により詳細に記載される、チャックアセンブリによって保持されたウエハをセンタリングするための格納式把持カム(または、クランプ)を備える。いくつかの例示的ウエハチャックアセンブリは、チャックにおけるウエハの把持力および係合適応性の向上のために真空パッドを備える。チャックアセンブリは、ウエハが設置された後にウエハを能動的にセンタリングしうる。ウエハは、例えば、EBRプロセスにおいて、処理の前にロボットによってチャックアセンブリに設置されてよい。ウエハのセンタリングは、他の適用でも可能である。
【0047】
上記のように、チャックアセンブリ(適用可能な場合は、本明細書ではチャックとも呼ばれる)における正確かつ確実なウエハのセンタリングは、高いEBR品質を達成するために重要でありうる。本開示のいくつかの例では、チャックアセンブリは、基板またはウエハなどの要素を固定するために真空が適用されうる真空パッドを備える。いくつかの例では、チャックアセンブリは、さらに、ウエハを所定位置に保持するために真空パッドに真空が適用されている間に、チャックアセンブリに設置されたウエハの上面より下に水平に格納するセンタリングカムを備える。下向きに格納するカムにより周辺構造がないことで、ウエハ面へのEBR薬液または水の跳ね返りを引き起こしうる跳ね除け面が取り除かれる。よって、この配置は、上記の悪いEBR結果および不利益への大きな要因を実質的に排除する。
【0048】
本チャックアセンブリのいくつかの例では、高いウエハ把持力が生成されうる。いくつかの例では、ウエハは、同一径を有する従来の摩擦パッドの6倍以上の把持力によって所定位置に真空把持されうる。いくつかの例では、チャックアセンブリにおけるウエハの有無または位置は、真空クランプと関連して検出または測定される。例えば、設置されたウエハの裏面は、チャック内の真空パッドを封じ、徐々にまたは段階的に真空が発達する、またはウエハに適用されることを可能にしうる。真空が適用されうるという事実は、ウエハがチャック内に存在することを示してよい。他の例では、低真空圧は、ウエハがチャック内に存在しない、または何らかの形で不適切に設置されていることを示してよい。高真空圧は、正しいウエハ設置を意味してよい。
【0049】
ここで、
図1A~
図1Bを参照する。これらの図は、例示的チャックアセンブリ100の概略断面図を含む。センタリングハブ102は、チャックハブ104の中に配置されている。センタリングハブ102は、チャックハブ104から独立して回転できるが、例えば、ウエハ処理中の通常の回転動作下では、チャックハブ104と同一方向で回転する。通常の回転動作は、例えば、時計回りであってよい。
図2には、例示的センタリングハブ102の画図が示されている。図のように、センタリングハブ102は、以下により詳細に説明される、作動押し棒116の端に当接する一連のカム面114を備える。
【0050】
ウエハセンタリング動作では、センタリングハブ102は、その凹部109に上向きに押し込まれうる係止ピン108によってチャックスピンドル106に係止される。よって、センタリングハブ102は、いわば固定具となる。次に、チャックアセンブリ100は、センタリングハブ102とチャックハブ104との間に相対回転動作が生じるように逆方向(例えば、反時計回り)に回転されうる。低速回転のセンタリングハブ102とチャックハブ104との間の相対回転動作は、
図1Bに示されるように、センタリングハブ102のカム面114が作動押し棒116を外向きに促して、図のようにカム110を回転させる。いくつかの例では、作動押し棒116は、中空チャックアーム118の中で可動に設置される。いくつかの例では、カム110は、異なる直径のウエハ112を収容するように運動学的に結合される。3つのカム110が示されているが、他の数および他の構成のカムも可能である。
【0051】
いくつかの例では、チャックスピンドル106のモータトルクが監視され、モータトルクのスパイクは、ウエハ112がセンタリングされたことを示すために、カム110がウエハ112のエッジに対して完全に閉じられたことを示す。センタリングハブ102は、回転が停止ししたとき、またはチャックアセンブリ100が低速になったときにカム110を解除し、ウエハ112を取り外すため、図のように径方向にバネ付勢されてよい。いくつかの例では、ウエハのセンタリング中にチャックハブ104は静止したままで、センタリングハブ102がその中で回転してカム110を操作するように配置される。他の例では、センタリング中はセンタリングハブ102およびチャックハブ104のいずれも静止しないが、それでもカム110が動作可能なままで、開閉可能なように、これらの構成部品間の逆回転動作が提供される。いくつかの例では、1または複数のセンサが係止ピン108の位置を監視する。チャックスピンドル106のモータは、回転およびセンタリングの両方のために用いられてよい。
【0052】
チャックアセンブリ100のいくつかの例は、真空供給ライン120を備える。
図1Aでは、真空供給ライン120は、ウエハ112を支持する真空パッド122に真空(または、負圧)を供給する。いくつかの例では、中空チャックアーム118は、極力目立たずにEBR中のリンス剤の跳ね返りの可能性を低減するために、真空供給ライン120と径方向に一直線になっている。
【0053】
図3は、いくつかの内部構成部品がゴースト線で示されたチャックアセンブリ100の画図を含む。上述の構成部品に対応するものは、同じ数字が付されている。総じて、回転ユニオン(
図4Aで見ることができる)に対するチャックアセンブリ100、チャックスピンドル106、スピンドルモータ126、および真空供給器具124が示されている。
【0054】
図4A~
図4Bは、チャックスピンドル106のアセンブリおよび真空供給部の画図をさらに示す。図の回転ユニオン128は、スリップリングが電気モータのコイルに電流を通すのに若干類似する方法で、チャックの真空ラインに真空を通し、対応してサイズ決めされたOリング130は、チャックアセンブリ100への真空回路を封じる。
図4Aの図は、センタリングハブ102をチャックスピンドル106と係合させる、上方位置または係止位置の係止ピン108も示す。
図4Bでは、係止ピン108を駆動する駆動シリンダ132のための空気式給気部107が示されている。
【0055】
いくつかの例では、チャックスピンドルモータ126は、モータまたはそこに固定された構成部品の正確な回転位置が確認できるように、エンコーダまたはインデックス送り能力を有する。いくつかの例では、モータまたはチャックは、1回転当たり104万の位置検出が可能な20ビットエンコーダを有する。符号化情報は、モータトルク情報と併せて、以下により詳細に説明される自己診断テストを行うのに用いられうる。例えば、モータトルクスパイクが予期せぬ回転位置で起こった場合は、センタリング誤差が起こったことを示してよい。あるいは、カム110は、ウエハ112の外周に接触すると動きを止めて抵抗するため、ウエハ112の直径は、スピンドルモータ126のトルクスパイクの発生または位置に基づいて導かれてよい。許容可能なトルクスパイクのウィンドウが設定されてよい。
【0056】
いくつかの例では、チャックアーム118の外端にあるカム110がウエハ112のエッジを把持する角度は、センタリングハブ102がカム110の回転を誘導するように回転した程度に比例する。センタリングハブ102の回転位置は、スピンドルモータ126の対応するインデックス送りされた回転位置に基づいて導かれ測定されてよい。カム110およびセンタリングハブ102は、作動押し棒116を介して直接的に相互接続されている。いくつかの例では、センタリングハブ102の回転位置は、カム110の径方向位置またはクランプ位置と関連付けられている。回転位置、またはモータ位置の変更は、エンコーダによって検出され、それに応じて導き出され、次に、センタリングクランプの径方向位置にマッピングされる。
【0057】
いくつかの例では、カム110の間に設置されたウエハ112のエッジにカム110が係合する瞬間にモータトルクスパイクが予期されうるため、チャックカム110に設置されたウエハ112の直径は、スピンドルモータ126の符号化された回転位置から設定される。モータスパイクが検出されたセンタリングハブ102の回転位置は、カム110(または、3つ全てのカム)の径方向位置に関連付けられ、その径方向位置がウエハ112の外端に対応すると、カムの間に把持されたウエハ112の直径が導き出される。本チャックのいくつかの例では、モータトルク、エンコーダ位置、ウエハの有無、ウエハの直径、および真空圧(または、それなしで)などの態様の間の計算されたまたは測定された相互関係は、以下にさらに議論される特定の方法の実施形態で用いられる。
【0058】
図5は、例示的実施形態によるチャックアセンブリ100の上側の画図を含む。上述の構成部品に対応するものは、対応する数字が付されている。真空パッド122は、起動されると、カム110と協働してまたはカム110なしで、チャックアセンブリ100に設置されたウエハを把持できる。カム110は、上述のようにウエハをセンタリングできる。筒状のチャックアーム118は、カム110を作動させるための押し棒116を収容する。真空供給ライン120は、回転ユニオンから、例えば上述のように、真空パッド122に真空を搬送する。
【0059】
図6は、
図5に示された例示的チャックアセンブリ100の裏側の画図を含む。この図では、センタリングハブの迫台またはフィン134が見える。図の例では、フィン134は、センタリングハブ102と一体的に形成されているが、他の配置も可能である。フィン134は、上述のウエハセンタリング動作を開始するために、係止ピン108によって選択的に係合されうる。
【0060】
図のチャックハブ104(例えば、この例では静止状態)とセンタリングハブ102との間の一方向の初期相対回転動作は、カム110を中心に近づけ、間に把持されたウエハ112をカム110に把持させる。一度カム110が閉まると、センタリングハブ102とチャックハブ104との間の相対回転動作はそれ以上可能ではなくなり、ウエハ112の中心化および固定を示すためにスピンドルモータ126のトルクがスパイクし、次に、ハブおよびチャックの両方は、チャックスピンドル106に駆動されて、動作回転速度まで反対方向に高速化される。高速プロセス速度では、生成される高求心力および通常要求される精度の点から、ウエハ112がチャックアセンブリ100に確実に同心状に保持されることが重要である。
【0061】
図7は、例示的チャックアセンブリ100のさらなる詳細を示す。ここでは、センタリングハブ102が再び示されている。センタリングハブ102が回転されたときは、センタリングハブ102のカム面114は、各押し棒116の下端に設けられたバネ式ボールプランジャ136に作用する。各押し棒116の上端は、間に設置されたウエハ112を把持するように適宜回転する回転式カム110を作動させる。図では、真空パッド122がカム110に隣接して示されている。押し棒116は、回転するセンタリングハブ102のカム面114が、例えば、図では時計回りの方向に動くことによってその方向に促されたときは、径方向外向きに動く。押し棒116は、カム110が格納されるようにもう一方向に回転するセンタリングハブ102によって後退しうる。
【0062】
押し棒116は、外向きに動くときは、各押し棒116の上端に配置されたそれぞれのカム110を回転させ、それによりチャックに保持されたウエハ112をカム110に把持させてセンタリングさせる。真空源が作動されている場合は、真空パッド122は、ウエハ112の裏面を把持し、ウエハ112が真空パッド122によってまだ所定位置に確実に保持されているときは、カム110はそれに応じて格納されてよい。真空パッド122がウエハ112を所定位置に保持しているため、カム110は、EBR処置または他の処理の間のウエハ112の上面が清潔で遮られないようにウエハ112の上面より下に完全に格納されてよい。カム110が完全に格納する能力は、上述された少なくともいくつかの利点を提供できる。
【0063】
図の例では、押し棒116は、バネ138によって内向きに付勢され、それによりカム110は、押し棒116の外向きの動きによって閉じられるまで開放されて付勢される。センタリングハブ102がチャックハブ104に対して反時計回りに回転されるときは、図のチャックアセンブリ100の付勢開放バネ荷重により、カム110が格納してウエハ112を解放することができる。この配置は、ウエハ解放構成を有しない。
【0064】
図8は、チャックスピンドル106アセンブリのヘッド部に固定されたチャックアセンブリ100の断面図を含む。この図では、係止ピン108は、上方位置または係止位置に見られる。係止ピン108が上方にあり、チャックハブ104が上から見て反時計回りに回転されるときは、センタリングハブの迫台またはフィン134は、係止ピン108の側壁を係合する。センタリングハブ102の回転動作は、係止ピン108によって妨げられ、チャックハブ104(押し棒116を支持)と係止されたセンタリングハブ102との間の相対回転動作が可能である。チャックハブ104とセンタリングハブ102との間の相対回転動作によって誘導されたカム動作は、押し棒116を外向きに動かし、カム110を上述のように閉じる。
【0065】
図9では、例示的センタリングハブ102の裏面に配置された例示的センタリングハブフィン134の画図が示されている。係止ピン108が伸びている(上方にある)ときは、係止ピン108はフィン134に係合する。係止ピン108が格納されている(下方にある)ときは、センタリングハブ102は、いずれの方向にも自由に回転できるが、ほとんどの場合、通常はウエハ処理中の超高速で回転するときに用いられる方向で回転するだろう。係止ピン108は、上記のように、係止駆動シリンダ132によって作動される。係止ピン108および駆動シリンダ132は、回転せず固定具である。係止ピン108が伸びている(上方にある)ときは、係止ピン108は、センタリングハブフィン134と係合し、係止方向の回転動作に対してセンタリングハブ102を係止する。よって、センタリングハブ102は、少なくとも係止ピン108によってブロックされた方向の回転動作に対して地面に固定される。チャックハブ104の下方に設置された静止したセンタリングハブ102の上をチャックハブ104がスピンドルモータ126によって低速で反回転するときは、チャックハブ104によって支えられた作動押し棒116は、カム面114によって押し出されることで、カム110を作動させて、間に保持されたウエハ112を上述の方法でセンタリングさせる。センタリングされた位置にウエハ112の裏面を把持する真空パッド122に真空が適用される。次に、スピンドルモータ126によってチャックハブ104が係止方向とは反対方向に処理速度(動作速度)まで回転できるように、係止ピン108は格納されうる。
【0066】
図10は、動作速度で回転するチャックアセンブリ100の断面図を含む。図のチャックアセンブリ構成は、「ホーム状態」として知られる。この態様では、チャックアセンブリ100のカム110は、図のように格納位置または下方位置にある。ウエハ112は、真空パッド122を通じて適用された(負の)真空圧によって所定位置に保持される。係止ピン108は、図のように格納位置または下方位置にある。各作動押し棒116の下端には軸受当接部140が設けられている。図の態様では、軸受当接部140は、軸受当接部140が使用時に動作する、センタリングハブ102のカム面114の「最深」(最も内側)位置に配置されている。
図11は、チャックアセンブリ100の類似の断面図を含むが、この場合、カム110は、その間に保持されたウエハ112をセンタリングするために伸長位置または上方位置にある。図の態様では、軸受当接部140は、軸受当接部140が使用時に動作する、センタリングハブ102のカム面114の「最浅」(最も外側)位置に配置されている。
【0067】
図12A~
図12Cの一連の図は、
図12Cに示された本チャックアセンブリ100の特定の態様を、
図12A~
図12Bに示された従来のチャックアセンブリ1200の特定の態様と手軽に目視比較することを目的とする。
図12Aに示されたチャックアセンブリ1200は、本開示の能動型または確動型のカムに対して、遠心型または受動型の遠心カム200を含む。
図12Bは、遠心カム200のVAP202の拡大図を含む。上記の背景技術により詳細に述べたように、かかるVAP202の存在は、例えば、EBRの間、またはウエハ112の洗浄時に役に立たない可能性がある。各カム200に隣接して摩擦(真空ではない)パッド204を見ることができる。
【0068】
反対に、
図12Cは、本開示の例示的実施形態による例示的チャックアセンブリ100を絵で表している。図の例では、中央のチャックハブ104の周りに3つのカム担持アーム119が径方向に等しく離れて設けられている。各アーム119は、それぞれのカム110を担持する。図のように、3つのカム非担持アーム121は、カム担持アーム119の間に配置されている。各カム担持アーム119および各カム非担持アーム121は、アームの外端に向けて配置された真空パッド122を備える。いくつかの例では、真空パッド122は、真空カップによって構成されている、または真空カップを備える。真空圧が真空パッド122に適用されて、適用された真空の負圧下で真空パッドにウエハが吸着されるまたは固定される。図の例では、6つの真空パッド122が設けられている。各カム担持アーム119は、真空供給ライン120、および、上述の方法で押し棒116を含む中空チャックアーム118を備える。他のアーム配置またはアーム構成も可能である。
【0069】
図12Cに示された種類の例示的チャックアセンブリ100は、ウエハがロボットからチャックアセンブリ100に引き渡された後に、ウエハを能動的にセンタリングしうる。設置後にウエハをセンタリングする能力は、チャックアセンブリにおける正確なロボットによるウエハ設置の必要性を排除しうる、または、少なくとも大幅に軽減しうる。ウエハの直径に応じて異なるセンタリング構成が採用されてよい。同心性の保持は、安定したセンタリングおよびウエハエッジからのVAPの排除によって実現されうる。図のチャックアセンブリ100は、より高いrpmのEBRプロセスを用いることによってストリーキングおよびテーパ幅を最小にすることもでき、例えば、真空把持レベルを用いて補足的なウエハ検出を提供できる。
【0070】
上述のフィーチャの有効性を支持する比較結果が得られた。例えば、
図13は、特定のエッジ除外(EE)ウエハ範囲(ここでは、1.7mmおよび2.3mm)内で観測され、テストウエハの360地点で測定されたEBR測定値の例示的図表結果を示す。従来の基準点(POR)のチャックのEBR結果は、テストウエハの周りの3つの異なる地点1301、1303、および1305におけるグラフ中の急下降スパイクによって示されるように、ストリークまたはノッチの著しい変形表現を示す。これらの地点は、VAPの存在に対応する。
【0071】
比較すると、例えば、
図13のグラフにおいて本願の真空(VAC)チャック(2.3mm)の最も上の線1307によって示されるように、本願のチャックによって支持されたウエハにより示されたかかる変形は、あったとしてもごくわずかである。類似の平坦な結果は、本願のVACチャック(1.7mm)でも見ることができる。従来のPORチャックについては、グラフにおいてEE(y軸)が小さいほど下降スパイクが著しいことに注意されたい。これは、それぞれの地点におけるVAPの効果の増加を表しているとされる。1.7mm地点は、2.3mm地点よりウエハの外端に近く、負の周辺効果をより受けやすい。測定変形値の比較範囲は、図の右下の表において長方形でマークされた列で見ることができる。
【0072】
本開示の特定の実施形態は、方法、実施形態、またはプロセスを含む。いくつかの例では、方法は、優れたEBRをもたらすためのウエハのセンタリング、ウエハの把持、および流体障害の緩和のプロセスを含む。例示的方法は、以下に記載の少なくとも以下の動作または態様を含んでよい。この方法は、例えば、本明細書に記載の1または複数の本チャックアセンブリ(例えば、
図12Cで示されたカム110および真空パッド122を有するチャックアセンブリ100)と協働で実施されてよい。
【0073】
図16を参照すると、方法1600は、1602において、チャックアセンブリ100にウエハを設置することを含んでよい。ウエハは、1604において、上述のようにセンタリングカム110によってセンタリングされる。1606においてウエハのセンタリングされた位置が見つけられると(例えば、スピンドルモータトルクの増加によって検出される)、ウエハは、1608において、ウエハが設置された真空パッド122によって真空クランプされる。真空は、1610において適用され続け、センタリングカム110は、ウエハを所定位置に正確かつ同心状に維持するように格納される。
【0074】
センタリングカムの動作によってウエハが変形した場合に、真空パッドがリークさせることがある。ウエハを適切に真空クランプできていないことは、ウエハの破損、割れ、紛失、または不適切な設置を示し、ウエハが全ての真空パッド122の上に載っていないことを示しうるため、ウエハが真空クランプされていないときは、方法1600は中断される。
【0075】
真空が持続されたと仮定して、センタリングカム110は、ウエハ処理工程(EBR工程、洗浄工程、ドライ工程など)の間、ウエハの上面より下の格納位置に保持される。センタリングカム110はウエハ表面より下にあるため、遠心作用によりウエハエッジから離れるEBR薬液が反射する障害はない。
【0076】
別の例では、ウェットプロセスチャンバ内でウエハを真空把持するための方法が提供される。この方法は、少なくとも以下の動作を含む、または以下のように特定の態様に対処してよい。
【0077】
いくつかの例では、ウェットプロセスチャンバにおいてウエハの裏面を把持することは困難となりうる。例えば、真空パッドの表面または縁の全体に大きな圧力差があるため、液体が真空回路に引き込まれるようなある程度の流体漏れが起こりうる。真空回路に入る液体は、後に真空回路から出て、EBRプロセスの最後に遠心作用によってウエハの裏面に堆積される。結果的に、ウエハ処理の成功には、真空パッド122のエッジまたは縁を越える液体漏れがないことが非常に重要となりうる。
【0078】
よって、いくつかの例では、ウェットウォータリングを放置しない、もしくは漏れを許さない真空パッドまたは真空カップの形状が選択される。適切に密閉してウエハの裏面に汚れを残さないために、異なるゴム配合物または硬度が可能である。
【0079】
いくつかの例では、監視されたモータトルクを用いてウエハの直径から独立してウエハの中心を決定するための方法が提供される。この方法は、少なくとも以下の動作を含んでよい、または以下のように特定の態様に対処してよい。
【0080】
上述のように、モータトルクおよびエンコーダ位置は、互いに共依存してよく、ウエハチャックにおけるウエハの中心性または同心性を確認するために一緒に測定されてよい。上述の(例えば、
図3に関する)種類のチャックアセンブリ100では、センタリングカム110がウエハエッジをクランプすると、スピンドルモータトルクがスパイクし、ウエハのクランプ位置を示す高トルクが認められる。いくつかの例では、関連するモータエンコーダ位置は、トルクがスパイクしたときは、300mmウエハ(例えば)にチャックがクランプしたことを示す既知のウィンドウ内にある。
【0081】
別の例では、チャックの自己診断を用いてEBRの偏位を防止するための方法が提供される。この方法は、少なくとも以下の動作を含んでよい、または以下のように特定の態様に対処してよい。ここでは、モータトルク測定値およびエンコーダのリードバックは、センタリングの確認における固有誤差の検出を可能にする。例えば、モータトルクがスパイクしてエンコーダ位置が許容可能範囲の外にある場合には、センタリング誤差を示す。センタリング誤差を引き起こしうるいくつかの例示的状況は、カムの破損、ウエハの破損、構成部品の破損もしくは凍結、またはモータもしくはエンコーダの故障を含む。モータトルクおよびエンコーダの共依存などの態様の利用は、後続のウエハではなく、一連のウエハの最初のウエハまたは初期のウエハでセンタリング誤差が検出されることを可能にする。続くウエハにおけるEBRの偏位を防ぐために早期の是正措置が取られることで、大幅に無駄が回避され、大きな経済的損失および時間の無駄が回避されうる。
【0082】
別の例では、センタリング中にウエハの直径を測定し、EBRの自動調節を提供するための方法が説明される。この方法は、少なくとも以下の動作を含んでよい、または以下のように特定の態様に対処してよい。ウエハ直径は、ウエハセンタリングルーチン中のスピンドルモータトルクスパイクのエンコーダリードバックから推定されてよい。ウエハ直径は変動でき、このことはエッジ除外領域パラメータに影響を及ぼしうる。さらなる変動は、実際のウエハ直径に関わらず、ウエハエッジからEBRプロセスによりエッチングされた銅までのエッジ除外領域を測定することを含んでよい。よって、所定の仕様によって許容されたウエハ直径のわずかな変化は、測定されたエッジ除外領域の変化をもたらしてよい。
【0083】
この変動性にもかかわらず、ウエハが異常に小さいまたは大きいと測定された場合は、ウエハ直径は、EBRシステムに転送されうる。EBRシステムは、いくつかの例では、EBRパラメータの適用可能な基準に基づいて、EBRノズルの位置を自動的に調節して所望のエッジ除外領域を維持するように構成されてよい。
【0084】
別の例では、エッジ検出に関する中心基準のための方法が提供される。この方法は、少なくとも以下の動作を含んでよい、または以下のように特定の態様に対処してよい。いくつかの例では、ウエハ上の銅めっき膜の直径は、エッジ除外領域に関わらずバッチにおいてウエハごとに同じであることを確認することが望ましい。いくつかの例では、チャックは、センタリングルーチン中にウエハ直径を測定する。EBR計測は、EBR後のエッジ除外領域を測定する。EBR計測がエッジ除外領域の変化を検出した場合は、その変化がプロセスの問題によるものか、あるいはウエハ直径の変化によるものかを調べるために、ウエハ直径はチャックから決定されうる。エッジ除外領域がウエハ直径の変化によって引き起こされた場合、エッジ検出に関する中心基準は変化していないことが決定されうる。決定に基づいて、銅めっき直径が変化していないことが結論付けられる。
【0085】
別の例では、治具診断および安全機能が提供される。いくつかの例は、ウエハの裏面全体に分配された複数位置の真空把持センサを用いて、ウエハの破損または不適切な設置を検出する。この方法は、以下の動作または態様を含んでよい。
【0086】
背景として、処理用に選択されたウエハは、欠陥がある可能性がある。例えば、1枚のウエハは、(例えば、ピザのようにスライスされた形状を有して)欠けているかもしれない。ウエハの残り部分は、切り欠きを含み、例えば、チャックの周囲で120°の間隔を空けた3つの真空カップのみを有するチャックアセンブリに把持されないかもしれない。この不安定な状態では、ウエハは、激しく完全に崩壊する、または高速で飛び散る可能性がある。真空パッドまたは真空カップの数を増やすことで、より小さい欠けた部分の検出が改善される。
【0087】
図14を参照すると、ここで例示的チャックアセンブリ100のモータトルク検出ルーチンがグラフ1400に関して説明される。センタリング中に、チャックアセンブリ100のチャックハブは、上述のように、内部の一時的に静止状態のセンタリングハブの上でスピンドルモータによって負の方向(例えば、上から見たときに反時計回り)に動かされて、センタリングカムが作動される。スピンドルモータの負の回転方向は、EBR処理などの処理中に採用された正の回転方向(例えば、時計回り)と対比されてよい。スピンドルモータは、負の方向に動いて、負のトルク値を示す。負の値は、グラフ1400のy軸に示されている。「高い」負のトルクは、大きい負の値を有し、グラフ1400のより低い位置で見られるだろう。
【0088】
図14のグラフ1400は、上述のセンタリング工程中のスピンドルモータの例示的トルクプロファイルを含む。グラフ1400を参照すると、フェーズ1402では、チャックアセンブリは、(上述の)センタリングハブフィン134が係止ピン108に達する前は回転しており、トルクは非常に低い(定格トルクの-5%)。地点1404で、係止ピン108はフィン134に係合し、(負の)トルクが増加する。図の結果は、地点1406における、および地点1406直後の、オーバーシュートおよびアンダーシュートトルクプロファイルを示す。次に、センタリングハブ102が、センタリングカム110を作動させて閉じるためにチャックハブ104に対して動いている間、スピンドルモータトルクは、地点1408まで安定してほぼ一定の値を維持する。カム110は、ウエハ112に係合し始め、地点1408までウエハ112を所望の中心位置まで動かす。次に、モータトルクは、ウエハ112がもう動いていないことを暗示しながらスパイクし、若干圧迫されるセンタリング位置に到達し、そこでセンタリングカム110に抵抗し始める。例示的モータトルクスパイクは、地点1410で示されている。
【0089】
センタリングトルクの大きさは、構成部品の多様性、公差の差異、バネ定数、などによりチャックごとに異なってよい。300mmウエハをセンタリングするのに必要なトルクを決定するためにチャックを較正することで、これらの多様性に対応しうる。例えば、地点1410から地点1412のフェーズにおける遮断トルクは、センタリング中に既定のウエハが過圧迫されない、または損傷しないことを確実にするために適切に設定されうる。フェーズ1414では、カム110が格納している間にチャックアームバネが伸びる。センタリングハブフィン134が係止ピン108との接触を断ったフェーズ1414の後に、アンダーシュートおよびオーバーシュートスパイク1416が起こる。
【0090】
図15は、本明細書に記載の1もしくは複数の例示的方法実施形態が実施されうる、または制御されうる、例示的機械1500を示すブロック図である。別の実施形態では、機械1500は、独立型装置として動作してよい、または、他の機械に結合(例えば、ネットワーク接続)されてよい。ネットワーク化された配置では、機械1500は、サーバマシンとして、クライアントマシンとして、またはサーバ-クライアント両方のネットワーク環境で動作してよい。一例では、機械1500は、ピアツーピア(P2P)(または、他の分配型)ネットワーク環境でピアマシンとして機能してよい。さらに、1つの機械1500のみが示されているが、用語「機械」は、本明細書で議論された1または複数の方法(クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、または他のコンピュータクラスタ構成によるなど)を実施するために命令のセット(または、複数のセット)を個々にまたは協働で実行する機械群を含むとも解釈されるべきである。
【0091】
本明細書に記載の例は、ロジック、複数の構成部品、または機構を含んでよい、またはそれらによって動作してよい。電気回路は、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、ロジックなど)を含む有体物において実装された回路群である。電気回路要素は、時間と共に、および基礎的ハードウェアの変化に関して柔軟的であってよい。電気回路は、動作時に特定の動作を単体または協働で実行しうる要素を含む。一例では、電気回路のハードウェアは、特定の動作(例えば、ハードウェアによる動作)を実行するように不変に設計されてよい。一例では、電気回路のハードウェアは、特定の動作の命令を符号化するように物理的に調整された(例えば、不変密集粒子の可動配置などによって磁気的、電気的に)コンピュータ可読媒体を含む可変接続された物理的構成部品(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純回路など)を含んでよい。物理的構成部品を接続するときに、ハードウェア構成要素の基礎的電気特性は、(例えば、インシュレータからコンダクタに、またはその逆に)変更される。命令は、埋め込まれたハードウェア(例えば、実行ユニットまたはローディング機構)が、可変連結によってハードウェア内の電気回路要素を形成して、動作時に特定の動作の一部を実行することを可能にする。それに応じて、コンピュータ可読媒体は、装置が動作しているときに電気回路の他の構成部品に通信可能に結合される。一例では、1以上の電気回路の1以上の要素において物理的構成部品のいずれかが用いられてよい。例えば、実行ユニットは、動作中に、ある時間の一点において第1の電気回路の第1の回路で用いられ、異なる時間に第1の電気回路の第2の回路で、または第2の電気回路の第3の回路で再び用いられてよい。
【0092】
機械(例えば、コンピュータシステム)1500は、ハードウェアプロセッサ1502(例えば、中央処理装置(CPU)、ハードウェアプロセッサコア、またはそれらの組み合わせ)、グラフィック処理装置(GPU)1503、メインメモリ1504、およびスタティックメモリ1506を含んでよく、それらのいくつかまたは全ては、インタリンク(例えば、バス)1508を通じて互いに通信してよい。機械1500は、さらに、表示装置1510、文字数字入力装置1512(例えば、キーボード)、およびユーザインタフェース(UI)ナビゲーション装置1514(例えば、マウス)を含んでよい。一例では、表示装置1510、文字数字入力装置1512、およびUIナビゲーション装置1514は、タッチスクリーン画面であってよい。機械1500は、さらに、大容量記憶装置(例えば、ドライブユニット)1516、信号生成装置1518(例えば、スピーカ)、ネットワークインタフェース装置1520、および1または複数のセンサ1521(全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または他のセンサなど)を含んでよい。機械1500は、1または複数の周辺装置(例えば、プリンタ、カードリーダなど)と通信する、または1または複数の周辺装置を制御するための、直列接続(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))、並列接続、または他の有線もしくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC))接続などの、出力コントローラ1528を含んでよい。
【0093】
大容量記憶装置1516は、本明細書に記載の技術もしくは機能のいずれか1もしくは複数によって具現化される、または用いられる1または複数セットのデータ構造または命令1524(例えば、ソフトウェア)が格納される機械可読媒体1522を含んでよい。命令1524は、機械1500による実行中に、メインメモリ1504内、スタティックメモリ1506内、ハードウェアプロセッサ1502内、またはGPU1503内に、完全にまたは少なくとも部分的に存在してもよい。一例では、ハードウェアプロセッサ1502、GPU1503、メインメモリ1504、スタティックメモリ1506、および大容量記憶装置1516のうちの1つまたはいずれかの組み合わせは、機械可読媒体を構成してよい。
【0094】
機械可読媒体1522は1つの媒体として示されているが、用語「機械可読媒体」は、1または複数の命令1524を格納するように構成された1つの媒体または複数の媒体(例えば、集中データベースもしくは分散データベース、ならびに/または、関連キャッシュおよび関連サーバ)を含んでよい。
【0095】
用語「機械可読媒体」は、機械1500による実行のための命令1524を格納でき、符号化でき、または伝達できるあらゆる媒体、および、本開示の1もしくは複数の技術を機械1500に実施させるあらゆる媒体、または、命令1524によって用いられる、もしくは命令1524に関連付けられたデータ構造を格納でき、符号化でき、もしくは伝達できるあらゆる媒体を含んでよい。非限定的機械可読媒体の例は、固体記憶装置、ならびに、光学式媒体および磁気媒体を含んでよい。一例では、マス機械可読媒体は、不変(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を備える機械可読媒体1522を含む。従って、マス機械可読媒体は、一時的伝播信号ではない。マス機械可読媒体の特定の例は、不揮発性メモリ(半導体記憶装置(例えば、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュメモリ装置など)、磁気ディスク(内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなど)、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMディスクおよびDVD-ROMディスクを含んでよい。命令1524は、さらに、ネットワークインタフェース装置1520を介した伝送媒体を用いて通信ネットワーク1526を通じて伝送または受信されてよい。
【0096】
実施形態が特定の例示的実施形態を参照して説明されたとしても、発明の主題の広義の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な修正および変更が行われてよいことは明らかだろう。従って、本明細書および図面は、制限的意味ではなく例示的意味でとらえられるべきである。本願の一部を形成する添付の図面は、主題が実行される特定の実施形態を限定ではなく例示のために示す。図の実施形態は、本明細書に開示の教示を当業者が実施できるほど十分詳細に説明されている。本開示の範囲を逸脱することなく構造的および論理的な代用および変更が行われるように、他の実施形態が用いられてよい、またはそこから導かれてよい。よって、上記の説明は、限定的な意味でとらえられるべきでなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲、および、かかる特許請求の範囲が権利化された同等物の全範囲によってのみ規定される。
【0097】
本発明の主題のかかる実施形態は、実際に1つ以上が開示されている場合、本願の範囲を1つの発明または発明概念に自発的に限定する意図なく、便宜上、個々におよび/または総括して「発明」という用語で呼ばれてよい。よって、本明細書で特定の実施形態が示され説明されたとしても、同じ目的を達成するために計画された配置は、示された特定の実施形態に置き換えられてもよいことを認識されたい。本開示は、様々な実施形態の全ての適応または多様性を含むことを意図する。上記の実施形態と、本明細書で特に説明されていない他の実施形態との組み合わせは、上記の説明を検討すれば当業者には明らかだろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハを支持するための真空ウエハチャックアセンブリであって、
チャックハブと、
前記チャックハブ内に配置されたセンタリングハブと、
前記チャックハブに取り付けられた複数のチャックアームであって、各チャックアームは、前記チャックハブに隣接する近位端とそこから離れた先端との間で径方向に伸びる、複数のチャックアームと、
複数のセンタリングカムであって、各センタリングカムは、チャックアームの先端に、または先端に向けて取り付けられ、前記センタリングハブの回転動作に応答して支持されたウエハのエッジを係合するまたは解放するように、前記センタリングハブに対して径方向内向きまたは外向きに動作可能である、複数のセンタリングカムと、
ウエハセンタリング動作またはウエハ処理動作の間に前記ウエハを支持するための少なくとも1つの真空パッドと、
を備える、真空ウエハチャックアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のウエハチャックアセンブリであって、さらに、
係合位置と非係合位置との間で動作可能な係合装置であって、それぞれ、前記チャックハブを前記センタリングハブと係合して、その間の時計回り回転方向もしくは反時計回り回転方向の相対動作を防ぐ、または、その間のいずれかの回転方向の相対動作を可能にする、係合装置と、
ウエハ処理動作およびウエハセンタリング動作の間に、前記係合装置の前記係合位置または前記非係合位置に基づいて、前記チャックハブおよび/または前記センタリングハブを選択的に回転させるためのチャックモータと、
を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記チャックモータは、前記ウエハセンタリング動作の間に、前記センタリングハブと前記チャックハブとの間に相対回転動作を加えるように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記センタリングハブは、前記ウエハセンタリング動作中は前記チャックモータに固定され、前記チャックモータは、前記ウエハセンタリング動作中に前記チャックハブを第1の回転方向に回転させるように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記チャックモータは、前記ウエハ処理動作中に前記センタリングハブおよび前記チャックハブを一緒に同一回転方向に回転させるように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記ウエハ処理動作中の前記センタリングハブおよび前記チャックハブの前記同一回転方向は、前記ウエハセンタリング動作中の前記チャックハブの前記第1の回転方向とは反対である、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項7】
請求項2に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記センタリングハブは、その外面に少なくとも1つのカム面を含む、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載のウエハチャックアセンブリであって、
各チャックアームは、前記センタリングハブの前記少なくとも1つのカム面と、前記複数のセンタリングカムの各チャックアームの先端に配置されたセンタリングカムとの間に動作的に配置された、それぞれの細長い作動棒を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載のウエハチャックアセンブリであって、
各細長い作動棒は、その近位端に、前記センタリングハブの前記少なくとも1つのカム面を係合するための軸受面を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載のウエハチャックアセンブリであって、
各細長い作動棒は、その前記先端に、それぞれのチャックアームのそれぞれのセンタリングカムとの連結部を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記センタリングハブの回転動作により、前記センタリングハブのそれぞれのカム面が、それぞれの細長い作動棒を径方向外向きに促すことで、前記連結部を介してそれぞれのセンタリングカムを作動させる、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項12】
請求項2に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの真空パッドは、前記ウエハが前記複数のセンタリングカムに解放されたときに、少なくとも前記ウエハ処理動作の間は、前記ウエハチャックアセンブリのセンタリングされた位置に前記ウエハを維持するように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項13】
請求項2に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの真空パッドは、前記複数のチャックアームのうちの少なくとも1つに設けられる、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項14】
請求項2に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記複数のチャックアームの各々は、前記少なくとも1つの真空パッドに真空圧を供給するための真空ラインを備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項15】
請求項14に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの真空パッドにおける真空圧の有無は、検出されて、前記ウエハチャックアセンブリ内の前記ウエハの有無、または欠陥ウエハの存在に関連付けられる、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項16】
請求項2に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記複数のセンタリングカムは、開放されたウエハ解放構成に向けて付勢される、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項17】
請求項2に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記複数のセンタリングカムの各センタリングカムは、第1のウエハセンタリング位置と第2の格納位置との間で動作可能であり、前記第2の格納位置は、前記ウエハチャックアセンブリ内に支持された前記ウエハの上面より下に配置される、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項18】
請求項17に記載のウエハチャックアセンブリであって、さらに、
前記チャックモータのトルクを検出し、前記検出したチャックモータトルクを前記複数のセンタリングカムの少なくとも前記第1のウエハセンタリング位置と関連付けるための制御手段を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【請求項19】
請求項2に記載のウエハチャックアセンブリであって、さらに、
前記チャックモータのトルクを検出し、前記検出したチャックモータトルクを前記ウエハチャックアセンブリに保持された前記ウエハのセンタリングされた位置と関連付けるための制御手段を備える、ウエハチャックアセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
本発明の主題のかかる実施形態は、実際に1つ以上が開示されている場合、本願の範囲を1つの発明または発明概念に自発的に限定する意図なく、便宜上、個々におよび/または総括して「発明」という用語で呼ばれてよい。よって、本明細書で特定の実施形態が示され説明されたとしても、同じ目的を達成するために計画された配置は、示された特定の実施形態に置き換えられてもよいことを認識されたい。本開示は、様々な実施形態の全ての適応または多様性を含むことを意図する。上記の実施形態と、本明細書で特に説明されていない他の実施形態との組み合わせは、上記の説明を検討すれば当業者には明らかだろう。本開示は以下の適用例を含む。
[適用例1]
ウエハを支持するためのウエハチャックアセンブリであって、
チャックハブと、
前記チャックハブ内に配置されたセンタリングハブと、
係合位置と非係合位置との間で動作可能な係合装置であって、それぞれ、前記チャックハブを前記センタリングハブと係合して、その間の時計回り回転方向もしくは反時計回り回転方向の相対動作を防ぐ、または、その間のいずれかの回転方向の相対動作を可能にする、係合装置と、
ウエハ処理動作およびウエハセンタリング動作の間に、前記係合装置の前記係合位置または前記非係合位置に基づいて、前記チャックハブおよび/または前記センタリングハブを選択的に回転させるためのチャックモータと、
前記チャックハブに取り付けられた複数のチャックアームであって、各チャックアームは、前記チャックハブに隣接する近位端とそこから離れた先端との間で径方向に伸びる、複数のチャックアームと、
複数のセンタリングカムであって、各センタリングカムは、チャックアームの先端に、または先端に向けて取り付けられ、前記チャックハブに対する前記センタリングハブの回転動作に応答して支持されたウエハのエッジを係合するまたは解放するように、前記センタリングハブに対して径方向内向きまたは外向きに動作可能である、複数のセンタリングカムと、
を備える、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例2]
適用例1に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記チャックモータは、前記ウエハセンタリング動作の間に、前記センタリングハブと前記チャックハブとの間に相対回転動作を加えるように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例3]
適用例2に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記センタリングハブは、前記ウエハセンタリング動作中は前記チャックモータに固定され、前記チャックモータは、前記ウエハセンタリング動作中に前記チャックハブを第1の回転方向に回転させるように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例4]
適用例3に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記チャックモータは、前記ウエハ処理動作中に前記センタリングハブおよび前記チャックハブを一緒に同一回転方向に回転させるように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例5]
適用例4に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記ウエハ処理動作中の前記センタリングハブおよび前記チャックハブの前記同一回転方向は、前記ウエハセンタリング動作中の前記チャックハブの前記第1の回転方向とは反対である、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例6]
適用例1に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記センタリングハブは、その外面に少なくとも1つのカム面を含む、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例7]
適用例6に記載のウエハチャックアセンブリであって、
各チャックアームは、前記センタリングハブの前記少なくとも1つのカム面と、前記複数のセンタリングカムの各チャックアームの先端に配置されたセンタリングカムとの間に動作的に配置された、それぞれの細長い作動棒を備える、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例8]
適用例7に記載のウエハチャックアセンブリであって、
各細長い作動棒は、その近位端に、前記センタリングハブの前記少なくとも1つのカム面を係合するための軸受面を備える、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例9]
適用例7に記載のウエハチャックアセンブリであって、
各細長い作動棒は、その前記先端に、それぞれのチャックアームのそれぞれのセンタリングカムとの連結部を備える、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例10]
適用例9に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記センタリングハブの回転動作により、前記センタリングハブのそれぞれのカム面が、それぞれの細長い作動棒を径方向外向きに促すことで、前記連結部を介してそれぞれのセンタリングカムを作動させる、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例11]
適用例1に記載のウエハチャックアセンブリであって、さらに、
前記ウエハセンタリング動作および/または前記ウエハ処理動作の間に前記ウエハを支持するための少なくとも1つの真空パッドを備える、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例12]
適用例11に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの真空パッドは、前記ウエハが前記複数のセンタリングカムに解放されたときに、少なくとも前記ウエハ処理動作の間は、前記ウエハチャックアセンブリのセンタリングされた位置に前記ウエハを維持するように構成されている、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例13]
適用例11に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの真空パッドは、前記複数のチャックアームのうちの少なくとも1つに設けられる、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例14]
適用例11に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記複数のチャックアームの各々は、前記少なくとも1つの真空パッドに真空圧を供給するための真空ラインを備える、ウエハチャックアセンブリ。
[適用例15]
適用例14に記載のウエハチャックアセンブリであって、
前記少なくとも1つの真空パッドにおける真空圧の有無は、検出されて、前記ウエハチャックアセンブリ内の前記ウエハの有無、または欠陥ウエハの存在に関連付けられる、ウエハチャックアセンブリ。
【外国語明細書】