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  • 特開-キャピラリカートリッジ 図1
  • 特開-キャピラリカートリッジ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126876
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】キャピラリカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/447 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
G01N27/447 321Z
G01N27/447 315K
G01N27/447 331H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035594
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】523085027
【氏名又は名称】インテジェンエックス インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】馬場 務
(72)【発明者】
【氏名】片野 真吾
(72)【発明者】
【氏名】富永 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】中澤 太朗
(57)【要約】
【課題】キャピラリの主流路への挿入角度を調整可能なキャピラリカートリッジを提供する。
【解決手段】キャピラリ保持部材33の形状の少なくとも一部は第1の球面の一部であり、第1の球面の半径方向にキャピラリ22を通す貫通孔が形成されており、キャピラリ保持部材の第1の球面とブロック21の第1部材31とは、第1部材31の受け部43において接触し、第1部材の受け部の形状は第2の球面43sの一部であり、第2の球面の半径方向はブロック21に形成された主流路34の中心軸と一致し、キャピラリは主流路に挿入される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャピラリと、
前記キャピラリを保持するキャピラリ保持部材と、
主流路が形成された第1部材と前記第1部材と接続される第2部材とを備え、前記第1部材と前記第2部材との間に前記キャピラリ保持部材を挟み込んで保持するブロックとを有し、
前記キャピラリ保持部材の形状の少なくとも一部は第1の球面の一部であり、前記第1の球面の半径方向に前記キャピラリを通す貫通孔が形成されており、
前記キャピラリ保持部材の前記第1の球面と前記第1部材とは、前記第1部材の受け部において接触し、前記第1部材の受け部の形状は第2の球面の一部であり、前記第2の球面の半径方向は前記主流路の中心軸と一致し、
前記キャピラリは前記主流路に挿入されるキャピラリカートリッジ。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2の球面の半径は前記第1の球面の半径よりも大きいキャピラリカートリッジ。
【請求項3】
請求項2において、
前記第2部材には前記キャピラリを通す貫通孔が形成されており、
前記キャピラリ保持部材の形状の少なくとも一部は第3の球面の一部であり、前記第3の球面の半径方向は前記キャピラリ保持部材の貫通孔の中心軸と一致し、
前記キャピラリ保持部材の前記第3の球面と前記第2部材とは、前記第2部材の受け部において接触し、前記第2部材の受け部の形状は第4の球面の一部であり、前記第4の球面の半径方向は前記第2部材の貫通孔の中心軸と一致するキャピラリカートリッジ。
【請求項4】
請求項3において、
前記第4の球面の半径は前記第3の球面の半径よりも大きいキャピラリカートリッジ。
【請求項5】
請求項4において、
前記キャピラリ保持部材は球体であるキャピラリカートリッジ。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1部材及び前記第2部材には、互いを組み合わせるためのねじ構造が設けられるキャピラリカートリッジ。
【請求項7】
請求項1において、
前記第2部材は、前記キャピラリの前記主流路への挿入角度を調整する調整機構を備えるキャピラリカートリッジ。
【請求項8】
請求項7において、
前記調整機構として、前記キャピラリ保持部材を回転させる調整ピンを備えるキャピラリカートリッジ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載において、
前記ブロックには、前記主流路に結合され、サンプル溶液が導入されるサンプル流路と、前記主流路に結合され、バッファ試薬が導入されるバッファ流路とが形成されているキャピラリカートリッジ。
【請求項10】
請求項9において、
前記ブロックには、前記主流路の長手方向に沿って2つの電極が設けられ、
前記2つの電極は、前記2つの電極間の抵抗値に基づき、前記キャピラリ内に電気泳動させる電気泳動対象試料がインジェクションされたことを判定するために設けられるキャピラリカートリッジ。
【請求項11】
請求項10において、
前記キャピラリは、前記キャピラリの先端が前記2つの電極の間に位置するように前記主流路に挿入されるキャピラリカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャピラリカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
キャピラリ電気泳動装置においては、キャピラリとよばれる微小細管の中で試料の電気泳動を行わせる。試料は泳動中、キャピラリ内を移動しながら徐々に分離され、キャピラリの途中に設けられたセル(窓)において、光学的に試料内容物の解析が行われる。
【0003】
キャピラリを装置に接続するため、フェラルを用いることがよく行われている(例えば、特許文献1)。フェラルは、片側が尖ったテーパー部を有する円柱部材であり、その中心軸に沿って貫通孔が設けられている。装置の接続口もテーパー加工されており、貫通孔にキャピラリを挿入したフェラルをそのテーパー部の側からテーパー加工された接続口に押し込む。フェラルのテーパー部が変形することによってキャピラリが接続口にしっかりと固定される。また、フェラルが変形することによって高い気密性を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-98309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フェラルによるキャピラリの固定は、フェラルを変形させるための加圧を加えながら接続口に押し込むことによって行われるため、キャピラリの挿入状態を調整することが難しい。また、一旦キャピラリが固定されてしまうと、フェラルが接続口の形状にあわせて変形されているため、その後にキャピラリの挿入状態を調整しようとすると、フェラルの変形による気密性の効果が損なわれるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施の態様であるキャピラリカートリッジは、キャピラリと、キャピラリを保持するキャピラリ保持部材と、主流路が形成された第1部材と第1部材と接続される第2部材とを備え、第1部材と第2部材との間にキャピラリ保持部材を挟み込んで保持するブロックとを有し、キャピラリ保持部材の形状の少なくとも一部は第1の球面の一部であり、第1の球面の半径方向にキャピラリを通す貫通孔が形成されており、キャピラリ保持部材の第1の球面と第1部材とは、第1部材の受け部において接触し、第1部材の受け部の形状は第2の球面の一部であり、第2の球面の半径方向は主流路の中心軸と一致し、キャピラリは主流路に挿入される。
【発明の効果】
【0007】
キャピラリの主流路への挿入角度を調整可能なキャピラリカートリッジを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】キャピラリ電気泳動装置の概略図である。
図2】カソードブロックとキャピラリとの接続構造を説明するための図である。
図3A】カソードブロックの構造を説明するための図である。
図3B】カソードブロックの構造を説明するための図である。
図4】キャピラリが主流路の中心軸に対して傾いた状態で挿入された状態を示す図である。
図5】キャピラリの傾きの調整方法を説明するための図である。
図6】キャピラリの傾きの調整方法を説明するための図である。
図7】キャピラリにDNA断片を導入する工程を示す図である。
図8】キャピラリヘッドの他の形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1はキャピラリ電気泳動装置100の概略図である。ここでは、DNAの塩基配列を決定するDNAシーケンシングを行うキャピラリ電気泳動装置の例を示している。ユーザの装置の使い勝手を向上させるとともに、装置のメンテナンスを容易するため、本装置では、サンプル細胞を装置に導入し、サンプルDNAをPCR(Polymerase chain reaction)法により増幅する処理部と、サンプル細胞のDNA断片をキャピラリ内で電気泳動させる処理部とをそれぞれカートリッジとして交換可能な構造にしている。前者をサンプルカートリッジ、後者をキャピラリカートリッジと称する。カートリッジ以外のブロック(太枠のブロック)は、装置固定の機構である。
【0010】
サンプルカートリッジ1は、スワブ11に付着されたサンプル細胞12からサンプルDNAを取り出し、PCR試薬13を用いて増幅し、様々な長さのDNA断片を作製する。サンプルカートリッジ1によりサンプルDNAの増幅を実施するため、PCR温調ユニット3、送液ユニット4が設けられている。サンプルカートリッジ1において作製されたDNA断片はロータリーポンプ5により、キャピラリカートリッジ2に導入される。
【0011】
キャピラリカートリッジ2は、サンプルカートリッジ1において作製されたDNA断片をキャピラリゲル電気泳動法により、キャピラリ内で電気泳動させる。キャピラリ22はカソードブロック21とアノードブロック23との間に接続されている。分子ふるい効果を利用するため、電気泳動はキャピラリ22内にゲルを注入した状態で行われる。ゲルを形成する網目構造により、DNA断片を分子量の大きさ、すなわちDNA断片の長さに応じて分離することができる。このため、アノードブロック23にはキャピラリ22内にゲルを注入し、排出するためのゲルシリンジ24及びゲル廃液バッグ25が接続されている。また、装置には、ゲルを冷却しておくためのゲル冷却ユニット8が設けられている。
【0012】
一方、サンプルDNAを増幅して作製したDNA断片は、カソードブロック21からキャピラリ22内に導入される。このため、カソードブロック21はDNA断片を導入するためのロータリーポンプ5が接続されるとともに、バッファ試薬(緩衝液)が封入されたバッファ試薬バッグ27が小型ポンプ26を介して接続されている。また、カソードブロック21からの廃液は廃液バッグ28に蓄積される。DNA断片のキャピラリ22への導入動作については、図7を用いて後述する。
【0013】
高電圧電源ユニット9からカソードブロック21とアノードブロック23との間に、電気泳動を生じさせるための高電圧が印加され、電気泳動された結果は照射ユニット6及び検出ユニット7により光学的に解析される。
【0014】
図7にキャピラリ22にDNA断片(電気泳動対象試料)を導入する工程1~6を示す。
【0015】
(工程1)工程1はカソードブロック21にキャピラリ22が接続された状態を模式的に示している。カソードブロック21はキャピラリ22が挿入される主流路34と、DNA断片が導入されるサンプル流路35と、バッファ試薬が導入されるバッファ流路36を備えている。サンプル流路35及びバッファ流路36の一方の端部は主流路34に結合されている。
【0016】
なお、サンプル流路35の他方の端部はロータリーポンプ5に、バッファ流路36の他方の端部は小型ポンプ26に接続されている。また、主流路34は、一方の端部からキャピラリ22が挿入され、他方の端部は廃液バッグ28に接続されている。また、この例ではキャピラリ22が主流路34の中心部に挿入された理想的な状態を示している。
【0017】
(工程2)ロータリーポンプ5により、サンプル流路35から主流路34にDNA断片が溶け込んだサンプル溶液61が導入される。
【0018】
(工程3)高電圧電源ユニット9からキャピラリ22に高電圧が印加され、サンプル溶液61からDNA断片62がキャピラリ22内にインジェクションされる。
【0019】
(工程4)ロータリーポンプ5により、サンプル流路35から主流路34に空気が導入されることにより、サンプル溶液61は主流路34から排出される。
【0020】
(工程5)小型ポンプ26により、バッファ流路36から主流路34にバッファ試薬(緩衝液)63が導入されることにより、サンプル溶液61は完全に主流路34から排出される。
【0021】
(工程6)高電圧電源ユニット9から再度キャピラリ22に高電圧が印加され、キャピラリ22内のDNA断片62はキャピラリ22の奥側に向かって移動する。
【0022】
図2を用いて、本実施例のカソードブロック21とキャピラリ22との接続構造について説明する。本実施例のカソードブロック21は図7に示した流路が形成される本体部(第1部材)31とキャピラリ22を固定するための固定部(第2部材)32とを備えている。キャピラリ22には球体のキャピラリヘッド(キャピラリ保持部材)33が固定されており、キャピラリヘッド33を本体部31と固定部32との間で挟み込むことによって、カソードブロック21にキャピラリ22が接続される。なお、キャピラリヘッド33の半径方向には貫通孔が設けられており、キャピラリヘッド34はキャピラリ22をこの貫通孔に通した状態で固定する。
【0023】
本体部31に形成された主流路34に沿って、2つの電極37,38が設けられている。ここでは電極37をボーラス電極37、電極38を基準(GND)電極38という。この2つの電極は、図7に示した工程3において、キャピラリ22内に十分な量のDNA断片がインジェクションされたか否かの判定のために設けられている。DNA断片は負電位に帯電していることから、ボーラス電極37とGND電極38の間に電圧を印加し、電極間の抵抗値が十分に低抵抗になっていれば、キャピラリ22内に十分な量のDNA断片がインジェクションされたと判定できる。このため、キャピラリ22の先端は、ボーラス電極37とGND電極38とのおよそ中間地点に位置するまで、主流路34内に挿入される必要がある。一方、主流路34の径はキャピラリ22の径に比べてわずかに大きい程度に過ぎない。このため、図4に示すように、キャピラリ22の挿入方向が主流路34の中心軸に対してわずかに傾いただけで、キャピラリ22の先端が主流路34の内壁に接触するといったことが起こる。主流路34内のサンプル溶液61において、DNA断片は主に主流路34の中心に存在しており、内壁に近い位置にはあまり存在していないため、図4のようにキャピラリ22が主流路34の中心軸に対して傾いて挿入されていると、DNA断片がキャピラリ22に十分にインジェクションされないインジェクション不良が生じる。本実施例のカソードブロック21とキャピラリ22との接続構造は、仮に図4のようにキャピラリ22が傾いて主流路34に挿入されてしまった場合にでも、キャピラリ22の挿入方向を調整可能とするものである。
【0024】
図3Aを用いて、カソードブロック21の本体部(第1部材)31と固定部(第2部材)32の構造を説明する。本体部31のキャピラリ22が挿入される側には、固定部32と接続するための第1接続部41が形成されるとともに、主流路34の開口の周囲にはキャピラリ接続時にキャピラリヘッド33と接触する受け部43が形成されている。一方、固定部32には、本体部31と接続するための第2接続部44が形成されるとともに、キャピラリ22を通すための貫通孔39の開口の周囲にはキャピラリ接続時にキャピラリヘッド33と接触する受け部46が形成されている。
【0025】
図2に示すように、第1接続部41と第2接続部44とが互いに組み合わされることによって、キャピラリ22がカソードブロック21に保持される。この例では、第1接続部41はX方向からみて円形状をした凸形状であり、第2接続部44は、第1接続部41の形状にあわせた凹形状となっている。第1接続部41に形成されたねじ構造42、第2接続部44に形成されたねじ構造45により、第1接続部41と第2接続部44とが組み合わされる。なお、キャピラリヘッド33を挟み込んで固定できる構造であれば、本体部31と固定部32とを組み合わせる方法は図3Aに例示する構造に限定されない。
【0026】
また、既に述べたように、キャピラリヘッド33は球体であり、キャピラリ接続時にキャピラリヘッド33と接触する本体部31の受け部43の形状は球面の一部とされる。図3A図3Bでは受け部43をその一部として含む球面(一点鎖線)を球面43sとして示している。球面43sの半径方向は、主流路34の中心軸と一致する。ここで、キャピラリヘッド33の半径をR1、球面43sの半径をR2とすると、図3Bに示すように、R2>R1とされている。同様に、キャピラリ接続時にキャピラリヘッド33と接触する固定部32の受け部46の形状も球面の一部とされる。図3Aでは受け部46をその一部として含む球面(二点鎖線)を球面46sとして示している。球面46sの半径方向は、貫通孔39の中心軸と一致する。ここで、キャピラリヘッド33の半径をR1、球面46sの半径をR3とすると、R3>R1とされている。球面43sの半径と球面46sの半径との大小関係は限定しないが、R2=R3であってもよい。なお、キャピラリヘッド33を挟み込むために、本体部31及び固定部32に設けられる窪みの面全体が球面である必要はない。接触面(受け部)が球面であり、それ以外の窪みの面はキャピラリヘッド33を挟み込んだときに干渉するような形状でなければ、任意の形状をしていてよい。
【0027】
このように球体のキャピラリヘッド33が本体部31の球面の受け部43と接触して固定されることで気密性を高く保つことができ、かつR2>R1とすることで、第1接続部41と第2接続部44とを組み合わせるときに、キャピラリ22が主流路34の中心に挿入されるような位置にキャピラリヘッド33が位置するようになる。
【0028】
図8にキャピラリヘッド33の変形例を示す。本変形例では、キャピラリヘッド33を、本体部31の受け部43、固定部32の受け部46と接触する面は球面とするが、それ以外の部分は任意の形状(ここでは円柱形状)とするものである。図8にはキャピラリヘッド33の変形例について、2方向からの平面図を示している。キャピラリヘッド33の受け部43と接触する面は球面33sの一部であり、球面33sの半径方向はキャピラリヘッド33の貫通孔29の中心軸と一致している。図示していないが、キャピラリヘッド33の受け部46と接触する面も球面の一部であり、当該球面の半径方向はキャピラリヘッド33の貫通孔の中心軸と一致している。
【0029】
続いて図4のように、キャピラリ22が主流路34の中心軸に対して傾いて挿入されてしまった場合の調整方法を図5及び図6を用いて説明する。図6は、図5のA-A線におけるX方向からみた断面図である。
【0030】
本実施例の固定部32は、キャピラリヘッド33を回転させることで、キャピラリ22の主流路34への挿入角度を調整する調整機構を備えている。この例での調整機構は、図6に示すように、互いに直交する方向に挿入される調整ピン51a~51dである。
【0031】
一旦、キャピラリヘッド33が回転可能な状態にまで、本体部31と固定部32との組み合わせを緩め、調整ピン51a~51dのいずれかでキャピラリ22の先端が主流路34の中心に位置するようにキャピラリヘッド33を回転させる。キャピラリ22の先端が主流路34の中心に位置したら、その状態を維持したまま、本体部31と固定部32との組み合わせを再度締め付けて、キャピラリヘッド33を固定する。
【0032】
なお、ここでは4本の調整ピンでキャピラリヘッド33を回転させる例を示したが、キャピラリヘッド33を任意の方向に回転させることができれば、調整ピンの数は限定されない。例えば、3本であってもよい。また、調整ピンは調整が必要なときに差し込めるようにしてあればよく、固定部32が調整ピンを備えている必要はない。
【0033】
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1:サンプルカートリッジ、2:キャピラリカートリッジ、3:PCR温調ユニット、4:送液ユニット、5:ロータリーポンプ、6:照射ユニット、7:検出ユニット、8:ゲル冷却ユニット、9:高電圧電源ユニット、11:スワブ、12:サンプル細胞、13:PCR試薬、21:カソードブロック、22:キャピラリ、23:アノードブロック、24:ゲルシリンジ、25:ゲル廃液バッグ、26:小型ポンプ、27:バッファ試薬バッグ、28:廃液バッグ、29:貫通孔、31:本体部(第1部材)、32:固定部(第2部材)、33:キャピラリヘッド、33s:球面、34:主流路、35:サンプル流路、36:バッファ流路、37:ボーラス電極、38:基準(GND)電極、39:貫通孔、41:第1接続部、42:ねじ構造、43:受け部、43s:球面、44:第2接続部、45:ねじ構造、46:受け部、46s:球面、51:調整ピン、61:サンプル溶液、62:DNA断片、63:バッファ試薬(緩衝液)、100:キャピラリ電気泳動装置。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8