(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127014
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】側溝用蓋ユニット、側溝用デバイスユニットおよびシステム
(51)【国際特許分類】
E03F 5/04 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
E03F5/04 F
E03F5/04 G
E03F5/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035837
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 博紀
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 浩樹
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063CA01
2D063CB26
2D063CB28
(57)【要約】
【課題】簡便で短時間に設置できる側溝用蓋ユニット、側溝用デバイスユニットおよびシステムを提供する。
【解決手段】側溝用蓋ユニットは、幅方向の寸法を変更可能な幅寸法変更機構を有する枠体と、前記枠体から水平方向に延在し、側溝からの抜けを抑制する抜け抑制部と、前記枠体の上部に設けられる蓋体とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向の寸法を変更可能な幅寸法変更機構を有する枠体と、
前記枠体から水平方向に延在し、側溝からの抜けを抑制する抜け抑制部と、
前記枠体の上部に設けられる蓋体と
を備える、側溝用蓋ユニット。
【請求項2】
前記枠体は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に延在する1対の脚部を有し、
前記幅寸法変更機構は、少なくとも1つの連結部を有し、
前記連結部は、
一端側が前記枠体の一方の脚部と回転可能に連結する第1回転連結部と、
一端側が前記枠体の他方の脚部と回転可能に連結し、他端側が前記第1回転連結部の他端側と回転可能に連結する第2回転連結部と
を有する、請求項1に記載の側溝用蓋ユニット。
【請求項3】
前記枠体は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に延在する1対の脚部を有し、
前記幅寸法変更機構は、少なくとも1つの連結部を有し、
前記連結部は、
鉛直方向に貫通する第1貫通孔を有すると共に、前記枠体の一方の脚部から前記枠体の他方の脚部に向かって延在し、前記第1貫通孔が前記側溝用蓋ユニットの幅方向に沿って延在する第1延在部と、
鉛直方向に貫通する第2貫通孔を有すると共に、前記枠体の前記他方の脚部から前記枠体の前記一方の脚部に向かって延在し、前記第2貫通孔が前記側溝用蓋ユニットの幅方向に沿って延在する第2延在部と、を有し、
前記第1延在部と前記第2延在部とは、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とを介して、前記連結部の幅方向の寸法を変更可能に連結される、請求項1に記載の側溝用蓋ユニット。
【請求項4】
前記枠体は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に延在する1対の脚部を有し、
前記幅寸法変更機構は、一端側が前記枠体の一方の脚部に連結し、他端側が前記枠体の他方の脚部に連結する、少なくとも1つのターンバックルを有し、
前記一方の脚部と前記他方の脚部とは、前記ターンバックルの長さの変更で、前記枠体の幅方向の寸法を変更可能に連結される、請求項1に記載の側溝用蓋ユニット。
【請求項5】
前記抜け抑制部は固定部を有し、前記固定部は前記抜け抑制部と側溝の内部の上面とを固定する、請求項1に記載の側溝用蓋ユニット。
【請求項6】
前記枠体は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に延在する、1枚以上の高さ調整層を有する、請求項1に記載の側溝用蓋ユニット。
【請求項7】
前記高さ調整層は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に複数分割可能である、請求項6に記載の側溝用蓋ユニット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の側溝用蓋ユニットと、
前記側溝用蓋ユニットに支持される機能デバイスと
を備える、側溝用デバイスユニット。
【請求項9】
請求項8に記載の側溝用デバイスユニットを複数備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、側溝用蓋ユニット、側溝用デバイスユニットおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、破損した側溝の蓋を補修する工事や耐荷重性能の高い蓋に交換する工事の工期短縮のための技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、溝ブロックとは別体であり、溝ブロックの溝蓋載置用の受け部に配置される受け枠、および受け枠に固定される溝蓋が記載されている。破損した側溝の蓋を取り除いた後、受け枠を側溝に設置し、続いて溝蓋を受け枠に設置することで、側溝を補修できる。
【0004】
しかしながら、上記のような技術では、受け枠を側溝に配置した後、側溝からの受け枠の抜けを抑制するために、受け枠と側溝との間にモルタルのようなグラウト材を充填させて、受け枠を側溝に設置している。このように、受け枠を側溝に設置するためには、グラウト材を充填する工程が必要である。さらには、充填したグラウト材を養生する時間も必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、簡便で短時間に設置できる側溝用蓋ユニット、側溝用デバイスユニットおよびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] 幅方向の寸法を変更可能な幅寸法変更機構を有する枠体と、前記枠体から水平方向に延在し、側溝からの抜けを抑制する抜け抑制部と、前記枠体の上部に設けられる蓋体とを備える、側溝用蓋ユニット。
[2] 前記枠体は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に延在する1対の脚部を有し、前記幅寸法変更機構は、少なくとも1つの連結部を有し、前記連結部は、一端側が前記枠体の一方の脚部と回転可能に連結する第1回転連結部と、一端側が前記枠体の他方の脚部と回転可能に連結し、他端側が前記第1回転連結部の他端側と回転可能に連結する第2回転連結部とを有する、上記[1]に記載の側溝用蓋ユニット。
[3] 前記枠体は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に延在する1対の脚部を有し、前記幅寸法変更機構は、少なくとも1つの連結部を有し、前記連結部は、鉛直方向に貫通する第1貫通孔を有すると共に、前記枠体の一方の脚部から前記枠体の他方の脚部に向かって延在し、前記第1貫通孔が前記側溝用蓋ユニットの幅方向に沿って延在する第1延在部と、鉛直方向に貫通する第2貫通孔を有すると共に、前記枠体の前記他方の脚部から前記枠体の前記一方の脚部に向かって延在し、前記第2貫通孔が前記側溝用蓋ユニットの幅方向に沿って延在する第2延在部と、を有し、前記第1延在部と前記第2延在部とは、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とを介して、前記連結部の幅方向の寸法を変更可能に連結される、上記[1]に記載の側溝用蓋ユニット。
[4] 前記枠体は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に延在する1対の脚部を有し、前記幅寸法変更機構は、一端側が前記枠体の一方の脚部に連結し、他端側が前記枠体の他方の脚部に連結する、少なくとも1つのターンバックルを有し、前記一方の脚部と前記他方の脚部とは、前記ターンバックルの長さの変更で、前記枠体の幅方向の寸法を変更可能に連結される、上記[1]に記載の側溝用蓋ユニット。
[5] 前記抜け抑制部は固定部を有し、前記固定部は前記抜け抑制部と側溝の内部の上面とを固定する、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の側溝用蓋ユニット。
[6] 前記枠体は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に延在する、1枚以上の高さ調整層を有する、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の側溝用蓋ユニット。
[7] 前記高さ調整層は、前記側溝用蓋ユニットの長手方向に複数分割可能である、上記[6]に記載の側溝用蓋ユニット。
[8] 上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の側溝用蓋ユニットと、前記側溝用蓋ユニットに支持される機能デバイスとを備える、側溝用デバイスユニット。
[9] 上記[8]に記載の側溝用デバイスユニットを複数備える、システム。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、簡便で短時間に設置できる側溝用蓋ユニット、側溝用デバイスユニットおよびシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態の側溝用蓋ユニットの一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の側溝用蓋ユニットを構成する抜け抑制部の他例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の側溝用蓋ユニットを構成する抜け抑制部の他例を示す拡大側面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の側溝用蓋ユニットを構成する枠体の他例を示す拡大断面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態の側溝用蓋ユニットの他例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態の側溝用蓋ユニットの他例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第4実施形態の側溝用デバイスユニットの一例を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態の側溝用デバイスユニットの他例を示す断面図である。
【
図9】
図9は、第5実施形態のシステムの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に基づき詳細に説明する。
【0011】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、幅寸法変更機構および抜け抑制部を有することで、側溝用蓋ユニットを簡便で短時間に側溝に設置できることを見出し、かかる知見に基づき本開示を完成させるに至った。
【0012】
実施形態の側溝用蓋ユニットは、幅方向の寸法を変更可能な幅寸法変更機構を有する枠体と、枠体から水平方向に延在し、側溝からの抜けを抑制する抜け抑制部と、枠体の上部に設けられる蓋体とを備える。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の側溝用蓋ユニットの一例を示す斜視図である。
図1に示すように、第1実施形態の側溝用蓋ユニット1は、枠体10と、抜け抑制部60と、蓋体70とを備える。側溝用蓋ユニット1は、側溝S1の内部であって、側溝S1の蓋が設置されていた受け部S2の周辺に設置される。なお、便宜上、
図1では、蓋体70が側溝S1の受け部S2に嵌め合わされる前の状態を示し、
図2では、蓋体70が受け部S2に嵌め合わされている状態を示す。
【0014】
側溝用蓋ユニット1を構成する枠体10は、枠体10の幅方向の寸法(以下、幅寸法ともいう)を変更可能な幅寸法変更機構20を有する。また、枠体10は、側溝用蓋ユニット1の長手方向に延在する1対の脚部11を有する。
【0015】
1対の脚部11は、側溝用蓋ユニット1の長手方向に延在し、側溝用蓋ユニット1の幅方向に対して対向して設置される。また、1対の脚部11の全体は、側溝S1の内部に設置される。
【0016】
1対の脚部11の各々について、脚部上部11aは、水平方向に延在し、側溝S1の受け部S2によって下側から支持されている。また、複数の脚部下部11bは、上端が脚部上部11aと連結し、所定の間隔で側溝用蓋ユニット1の長手方向に亘って設けられ、水平方向に対して垂直な鉛直方向に延在する。
【0017】
側溝用蓋ユニット1における幅寸法変更機構20は、少なくとも1つの連結部30を有する。ここでは、幅寸法変更機構20が側溝用蓋ユニット1の長手方向に亘って2つの連結部30を有する例を示すが、幅寸法変更機構20によって枠体10の幅寸法を変更することができれば、連結部30の設置数は特に限定されるものではない。
【0018】
連結部30は、第1回転連結部31と第2回転連結部32とを有する。第1回転連結部31は、枠体10の一方の脚部11から枠体10の他方の脚部11に向かって延在する。第1回転連結部31の一端側は、枠体10の一方の脚部11と回転可能に連結する。また、第2回転連結部32は、枠体10の他方の脚部11から枠体10の一方の脚部11に向かって延在する。第2回転連結部32の一端側は、枠体10の他方の脚部11と回転可能に連結し、第2回転連結部32の他端側は、第1回転連結部31の他端側と回転可能に連結する。例えば、
図1に示すように、第1回転連結部31の一端側は、一方の脚部11の脚部上部11aに連結し、第2回転連結部32の一端側は、他方の脚部11の脚部上部11aに連結する。
【0019】
互いに回転可能に連結している第1回転連結部31および第2回転連結部32が互いに異なる方向に回転する、すなわち第1回転連結部31が反時計回りに回転し、かつ第2回転連結部32が時計回りに回転すると、枠体10の幅寸法が大きくなるように枠体10の脚部11が移動する。また、第1回転連結部31が時計回りに回転し、かつ第2回転連結部32が反時計回りに回転すると、枠体10の幅寸法が小さくなるように脚部11が移動する。こうして、幅寸法変更機構20は、枠体10の幅寸法を変更することができる。例えば、枠体10の幅寸法は、250mm~600mm程度に変更できる。
【0020】
側溝用蓋ユニット1を構成する抜け抑制部60は、枠体10から水平方向に延在し、側溝S1からの側溝用蓋ユニット1の抜けを抑制する。抜け抑制部60は、側溝用蓋ユニット1の長手方向における枠体10の両端に設けられる。抜け抑制部60は、例えば枠体10の脚部11に連結し、
図1に示すように脚部上部11aに連結してもよい。抜け抑制部60は、枠体10と一体でもよいし、別体でもよい。
【0021】
抜け抑制部60は、プレート状であり、枠体10から離れるように水平方向、特に長手方向に延在する。抜け抑制部60が上方の力を受けると、抜け抑制部60の上面が側溝S1の内部の上面と接触するため、抜け抑制部60の上方への移動が抑制される。こうして、抜け抑制部60は、枠体10が側溝S1から抜けることを抑制できる。
【0022】
抜け抑制部60の形状については、抜け抑制部60が側溝S1からの枠体10の抜けを抑制できれば特に限定されるものではない。例えば、抜け抑制部60は、
図1に示すようにプレート状でもよいし、
図2に示すように棒状でもよい。
【0023】
抜け抑制部60は既存の側溝S1の抜け抑制部60を配置できる空間に合わせて鉛直方向の位置を調整する機構を有してもよい。
【0024】
側溝用蓋ユニット1を構成する蓋体70は、例えばグレーチングであり、枠体10の上部に設けられる。蓋体70は、枠体10の脚部上部11aによって下側から支持されており、抜け抑制部60には支持されない。
【0025】
蓋体70は、側溝S1の蓋が設置されていた受け部S2に対して嵌められる。具体的には、蓋体70の下部は枠体10で支持され、蓋体70の側部は側溝S1の受け部S2で囲われている。
【0026】
蓋体70は、金属や樹脂などから構成される。また、蓋体70の厚さについては、枠体10の上部に設けられている蓋体70が側溝S1の上部から突出しないことが好ましい。
【0027】
枠体10と蓋体70とは、締結部材71によって締結される。例えば、枠体10と蓋体70とは、締結部材71によって枠体10の下側から締結される。締結部材71としては、例えばボルトやナットが用いられる。
【0028】
上記のように、側溝用蓋ユニット1は抜け抑制部60を備え、抜け抑制部60は側溝S1からの側溝用蓋ユニット1の抜けを抑制している。したがって、側溝の補修で従来行われていたモルタルを充填する工程が不要になる。さらには、モルタルの充填工程が不要になることから、モルタルを養生する時間についても不要になる。そのため、側溝用蓋ユニット1は簡便で短時間に側溝S1に設置できる。
【0029】
さらに、側溝用蓋ユニット1は幅寸法変更機構20を備え、幅寸法変更機構20は枠体10の幅寸法を容易に変更できる。そのため、さまざまな種類の側溝S1に対して側溝用蓋ユニット1を簡便で短時間に設置できる。
【0030】
さらに、蓋体70が破損した場合には、枠体10から蓋体70を外し、続いて枠体10を側溝S1から取り外した後、新しい枠体10と蓋体70とを側溝S1に対して設置することで、蓋体70を容易に補修できる。一方、従来のようにモルタルなどのグラウト材を使用している場合には、グラウト材の除去およびグラウト材の再充填が必要である。そのため、従来技術に比べて、側溝用蓋ユニット1を容易にメンテナンスすることができる。このように、側溝用蓋ユニット1は、側溝S1に対して簡便で短時間に設置できるうえに、機能性や拡張性を有する。
【0031】
図3は、第1実施形態の側溝用蓋ユニット1を構成する抜け抑制部60の他例を示す拡大側面図である。
図3では、側溝S1の内部に設置されている一方の抜け抑制部60について、側溝用蓋ユニット1の幅方向からみた側面を拡大している。
【0032】
図3に示すように、抜け抑制部60は固定部61を有し、固定部61は抜け抑制部60と側溝S1の内部の上面とを固定してもよい。固定部61は、抜け抑制部60における側溝S1の内部の上面と対向する部分に設けられ、鉛直方向に延在する。
【0033】
固定部61の上部は、側溝S1の内部の上面に接触し、抜け抑制部60と側溝S1とは、固定部61を介して固定される。固定部61は、抜け抑制部60と一体でもよいし別体でもよい。固定部61が抜け抑制部60と別体である場合、固定部61としては、例えばボルトが用いられる。
【0034】
抜け抑制部60が固定部61を有していると、固定部61を介して抜け抑制部60と側溝S1の内部の上面とを固定できるため、側溝S1からの側溝用蓋ユニット1の抜けをさらに抑制できる。
【0035】
図4は、第1実施形態の側溝用蓋ユニット1を構成する枠体10の他例を示す拡大断面図である。
図4では、受け部S2によって下側から支持されている枠体10の脚部上部11aについて、側溝用蓋ユニット1の幅方向からみた断面を拡大している。また、
図4では、1対の脚部11のうちの一方の脚部について示している。
【0036】
図4に示すように、枠体10は、側溝用蓋ユニット1の長手方向に延在する、1枚以上の高さ調整層12を有してもよい。ここでは、高さ調整層12が3枚である例を図示しているが、側溝用蓋ユニット1の設置環境などに応じて、高さ調整層12の枚数は適宜設定できる。
【0037】
高さ調整層12は、枠体10を構成する脚部上部11aの下面に設けられ、脚部上部11aと側溝S1の受け部S2との間に配置される。高さ調整層12は、例えばシート状である。また、例えば、高さ調整層12はゴムから構成される。
【0038】
枠体10が複数の高さ調整層12を有する場合、
図4に示すように、複数の高さ調整層12は互いに積層された状態で設けられている。複数の高さ調整層12の各々は容易に取り外したり取り付けたりすることができる。
【0039】
側溝S1が長期間に亘って使用されると、蓋体70の重さや側溝S1の上を走行する車両の重さなどによって、受け部S2の鉛直方向の寸法が変わることがある。また、側溝S1の内部や受け部S2に土やごみが堆積することで、側溝毎に側溝用蓋ユニット1を設置する場所の深さ寸法が変わることがある。
【0040】
このような側溝用蓋ユニット1を設置する場所の寸法変化が生じた場合には、1枚以上の高さ調整層12を枠体10に対して取り外したり取り付けたりすることで、側溝用蓋ユニット1の鉛直方向の寸法を短時間で容易に調整できる。
【0041】
また、高さ調整層12は、側溝用蓋ユニット1の長手方向に複数分割可能であることが好ましい。例えば、
図4に示すように、側溝用蓋ユニット1の長手方向に亘って、高さ調整層12が1つ以上の切れ目12aを有していると、高さ調整層12は側溝用蓋ユニット1の長手方向に容易に複数分割できる。
【0042】
上記側溝用蓋ユニット1を設置する場所の寸法変化に加えて、側溝S1の長手方向に亘って、受け部S2の鉛直方向の寸法が異なることがある。側溝用蓋ユニット1の長手方向に対して高さ調整層12を容易に複数分割できることから、側溝用蓋ユニット1の設置場所や設置状況に応じて、側溝用蓋ユニット1の鉛直方向の寸法をさらに短時間で容易に調整できる。
【0043】
このような側溝用蓋ユニット1は、道路や鉄道に設けられているトラフなどを含む既存の側溝S1に対して設置できる。
【0044】
以上説明した第1実施形態によれば、幅寸法変更機構および抜け抑制部を有することで、側溝用蓋ユニットを簡便で短時間に側溝に設置することができる。
【0045】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態の側溝用蓋ユニットの他例を示す斜視図である。
【0046】
なお、以下に示す実施形態では、第1実施形態の側溝用蓋ユニット1と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
【0047】
第2実施形態の側溝用蓋ユニット1aにおいて、幅寸法変更機構の構成が異なること以外は、第1実施形態の側溝用蓋ユニット1の構成と基本的に同じである。そのため、ここでは、その異なる構成について主に説明する。
【0048】
図5に示すように、第2実施形態の側溝用蓋ユニット1aの枠体10は、枠体10の幅寸法を変更可能な幅寸法変更機構20aを有する。また、枠体10は、側溝用蓋ユニット1aの長手方向に延在する1対の脚部11を有する。
【0049】
側溝用蓋ユニット1aにおける幅寸法変更機構20aは、少なくとも1つの連結部40を有する。ここでは、幅寸法変更機構20aが側溝用蓋ユニット1aの長手方向に亘って2つの連結部40を有する例を示すが、幅寸法変更機構20aによって枠体10の幅寸法を変更することができれば、連結部40の設置数は特に限定されるものではない。
【0050】
連結部40は、第1延在部41と第2延在部42とを有する。第1延在部41は、鉛直方向に貫通する第1貫通孔41aを有すると共に、枠体10の一方の脚部11から枠体10の他方の脚部11に向かって延在する。第1延在部41の第1貫通孔41aは、側溝用蓋ユニット1aの幅方向に沿って延在する。第2延在部42は、鉛直方向に貫通する第2貫通孔42aを有すると共に、枠体10の他方の脚部11から枠体10の一方の脚部11に向かって延在する。第2延在部42の第2貫通孔42aは、側溝用蓋ユニット1aの幅方向に沿って延在する。例えば、
図5に示すように、第1延在部41の一端側は、一方の脚部11の脚部上部11aに連結し、第2延在部42の一端側は、他方の脚部11の脚部上部11aに連結する。また、第1延在部41の他端側には、第1貫通孔41aが設けられ、第2延在部42の他端側は、第2貫通孔42aが設けられる。
【0051】
第1延在部41と第2延在部42とは、第1貫通孔41aと第2貫通孔42aとを介して、連結部40の幅方向の寸法を変更可能に連結される。例えば、ボルトなどの締結部材43を第1貫通孔41aと第2貫通孔42aとに貫設し、第1延在部41と第2延在部42とが幅方向に沿って移動可能に連結される。
【0052】
第1貫通孔41aと第2貫通孔42aとを介して第2延在部42と連結している第1延在部41は、側溝用蓋ユニット1aの幅方向に沿って延在する第1貫通孔41aの長さ寸法に相当する長さ分だけ、側溝用蓋ユニット1aの幅方向に沿って移動できる。また、第1貫通孔41aと第2貫通孔42aとを介して第1延在部41と連結している第2延在部42は、側溝用蓋ユニット1aの幅方向に沿って延在する第2貫通孔42aの長さ寸法に相当する長さ分だけ、側溝用蓋ユニット1aの幅方向に沿って移動できる。こうして、幅寸法変更機構20aは、枠体10の幅寸法を変更することができる。
【0053】
以上説明した第2実施形態によれば、幅寸法変更機構20aは枠体の幅寸法を容易に変更できるため、さまざまな側溝に対して側溝用蓋ユニットを簡便で短時間に設置できる。
【0054】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態の側溝用蓋ユニットの他例を示す斜視図である。
【0055】
第3実施形態の側溝用蓋ユニット1bにおいて、幅寸法変更機構の構成が異なること以外は、第1実施形態の側溝用蓋ユニット1の構成と基本的に同じである。そのため、ここでは、その異なる構成について主に説明する。
【0056】
図6に示すように、第3実施形態の側溝用蓋ユニット1bの枠体10は、枠体10の幅寸法を変更可能な幅寸法変更機構20bを有する。また、枠体10は、側溝用蓋ユニット1bの長手方向に延在する1対の脚部11を有する。
【0057】
側溝用蓋ユニット1bにおける幅寸法変更機構20bは、少なくとも1つのターンバックル50を有する。ここでは、幅寸法変更機構20bが側溝用蓋ユニット1bの長手方向に亘って2つのターンバックル50を有する例を示すが、幅寸法変更機構20bによって枠体10の幅寸法を変更することができれば、ターンバックル50の設置数は特に限定されるものではない。
【0058】
ターンバックル50について、ターンバックル50の一端側は枠体10の一方の脚部11に連結し、ターンバックル50の他端側は枠体10の他方の脚部11に連結する。例えば、
図6に示すように、ターンバックル50の一端側は、一方の脚部11の脚部上部11aに連結し、ターンバックル50の他端側は、他方の脚部11の脚部上部11aに連結する。枠体10における一方の脚部11と他方の脚部11とは、ターンバックル50の長さの変更で、枠体10の幅方向の寸法を変更可能に連結される。こうして、幅寸法変更機構20bは、枠体10の幅寸法を変更することができる。
【0059】
以上説明した第3実施形態によれば、幅寸法変更機構20bは枠体の幅寸法を容易に変更できるため、さまざまな側溝に対して側溝用蓋ユニットを簡便で短時間に設置できる。
【0060】
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態の側溝用デバイスユニットの一例を示す斜視図である。
【0061】
図7に示すように、第4実施形態の側溝用デバイスユニット2は、側溝用蓋ユニット1、1a、1bと機能デバイス80とを備える。ここでは、側溝用蓋ユニットが側溝用蓋ユニット1である例について説明するが、側溝用蓋ユニットは、側溝用蓋ユニット1aでもよいし、側溝用蓋ユニット1bでもよい。
【0062】
機能デバイス80は、側溝用蓋ユニット1に支持される。機能デバイス80は、LEDのような照明部材、水位センサのようなセンサ部材、スピーカー、バッテリー、発電デバイス、非接触給電装置などである。機能デバイス80の種類や目的に応じて、機能デバイス80が側溝用蓋ユニット1に支持される位置は、適宜選択できる。
【0063】
例えば機能デバイス80が照明部材である場合、
図7に示すように機能デバイス80は枠体10の上部に設けられることが好ましい。このとき、蓋体70は、機能デバイス80の上方を覆わず、機能デバイス80の周囲を囲むように設置されることが好ましい。このような構成であると、機能デバイス80は、側溝S1の外部に向かって効率的に光を発することができる。さらに、機能デバイス80が破損した場合には、側溝用蓋ユニット1を取り外すことで、破損した機能デバイス80を交換できることから、機能デバイス80を容易にメンテナンスできる。
【0064】
また、
図7に示すように、枠体10は、2つの脚部上部11aの各々の上部に設けられる機能デバイス用支持部13を有してもよい。機能デバイス用支持部13は、長手方向に延在し、脚部上部11aの上部に設けられる。機能デバイス80は、機能デバイス用支持部13の上部に設置される。また、蓋体70については、蓋体70の幅方向の両端が機能デバイス用支持部13の上部に設置される。蓋体70の両端が機能デバイス用支持部13の上部に設けられると、枠体10の脚部上部11aと蓋体70との間に空間を具備することができる。この空間内に、別個の機能デバイス80をさらに設置することができる。
【0065】
一例として、機能デバイス80として照明部材81とスピーカー82と水位センサ83とを備える側溝用デバイスユニット2を
図8に示す。
図8に示すように、照明部材81は、枠体10の機能デバイス用支持部13の上部に設けられる。スピーカー82は、蓋体70の下部で、脚部上部11aと蓋体70との間の空間内に設けられる。水位センサ83は、脚部下部11bに設けられ、側溝S1内の水位レベルを検知する。
【0066】
側溝S1内の水位レベルが所定以上に上昇していることを水位センサ83が検知すると、照明部材81の電源が自動的に切れる。そのため、照明部材81の水没時の通電に起因する故障を防ぐことができる。また、側溝S1内の水位レベルが所定以上に上昇していることを水位センサ83が検知すると、スピーカー82は水位レベル上昇の警告を鳴らす。そのため、側溝用デバイスユニット2の周辺にいる人は、警告を即座に認識できる。
【0067】
また、照明部材81のような機能デバイスを地中に直接埋込する方式では、雨天時に水没しやすく、さらには長時間水没することがあり、機能デバイスが故障する可能性は高い。一方、側溝用デバイスユニット2は、既存の側溝S1に設置することから、排水性は良好であるため、長時間の水没を抑制できる。
【0068】
以上説明した第4実施形態によれば、上記第1~第3実施形態の側溝用蓋ユニットと機能デバイスとを備える側溝用デバイスユニットは、簡便で短時間に側溝に設置できるうえに、側溝における水没監視などの様々な機能を発揮することができる。
【0069】
(第5実施形態)
図9は、第5実施形態のシステムの一例を示す概略図である。
【0070】
図9に示すように、第5実施形態のシステム3は、第4実施形態の側溝用デバイスユニット2を複数備える。側溝用デバイスユニット2は、同じでもよいし、異なってもよい。側溝用デバイスユニット2が同じであるとは、側溝用デバイスユニット2を構成する側溝用蓋ユニット1、1a、1bの構成が同じであり、かつ、機能デバイス80の種類が同じである。
図9では、異なる複数の側溝用デバイスユニット2を備えるシステム3を示している。
【0071】
システム3は、機能デバイスとして照明部材81を有する側溝用デバイスユニット2aと、機能デバイスとして不図示のセンサ部材を有する側溝用デバイスユニット2bと、機能デバイスとして不図示のバッテリーを有する側溝用デバイスユニット2cと、機能デバイスとして発電デバイスを有する側溝用デバイスユニット2dとを備える。側溝用デバイスユニット2dの発電デバイスは、例えば太陽光発電デバイス84および水力発電デバイス85を有する。太陽光発電デバイス84は、太陽光によって発電できる。水力発電デバイス85は、側溝S1内を流れる水によって発電できる。また、側溝用デバイスユニット2dは、機能デバイスとして、太陽光発電デバイス84用のレーダーやカメラなどのデバイス86やデジタルサイネージなどの表示デバイス87を有してもよい。
【0072】
側溝用デバイスユニット2dの太陽光発電デバイス84および水力発電デバイス85で発電された電力は、不図示の電線を介して、側溝用デバイスユニット2a、2bに供給される。側溝用デバイスユニット2a、2bは、側溝用デバイスユニット2dから供給された電力によって可動する。また、側溝用デバイスユニット2dで発電された余分な電力は、不図示の電線を介して、側溝用デバイスユニット2cに蓄えることができる。側溝用デバイスユニット2dの発電量が少ないときや、側溝用デバイスユニット2dが発電しないときには、側溝用デバイスユニット2cに蓄えられている電力を、不図示の電線を介して、側溝用デバイスユニット2a、2bに供給する。
【0073】
また、レーダーやカメラなどのデバイス86で得られた情報を基に、太陽光発電デバイス84の設置角度を調整できる。また、側溝用デバイスユニット2dで発電された電力の状況や、側溝用デバイスユニット2cに蓄えられている電力の状況などは、表示デバイス87に表示される。
【0074】
このようなシステム3は、様々な側溝用デバイスユニット2を備えるため、所望の機能に応じて自由に構築できる。さらには、外部電力を使用せずに、自家発電でシステム3を可動できる。また、システム3を構成する全ての側溝用デバイスユニット2は、連続して設置されてもよいし、
図9に示すように側溝S1の既存の蓋S3と組み合わせて不連続に配置されてもよい。
【0075】
以上説明した第5実施形態によれば、システムは、簡便で短時間に側溝に設置できるうえに、所望の機能に応じて自由に構築することができる。
【0076】
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本開示の範囲内で種々に改変することができる。
【符号の説明】
【0077】
1、1a、1b 側溝用蓋ユニット
2、2a、2b、2c、2d 側溝用デバイスユニット
3 システム
10 枠体
11 脚部
11a 脚部上部
11b 脚部下部
12 高さ調整層
12a 切れ目
13 機能デバイス用支持部
20、20a、20b 幅寸法変更機構
30、40 連結部
31 第1回転連結部
32 第2回転連結部
41 第1延在部
41a 第1貫通孔
42 第2延在部
42a 第2貫通孔
43 締結部材
50 ターンバックル
60 抜け抑制部
61 固定部
70 蓋体
71 締結部材
80 機能デバイス
81 照明部材
82 スピーカー
83 水位センサ
84 太陽光発電デバイス
85 水力発電デバイス
86 デバイス
87 表示デバイス
S1 側溝
S2 受け部
S3 側溝の蓋