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  • 特開-水素除去装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127175
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】水素除去装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 23/00 20060101AFI20240912BHJP
   B01D 53/04 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
C01B23/00 C
B01D53/04 110
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036153
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127845
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直人
(72)【発明者】
【氏名】細川 竜平
【テーマコード(参考)】
4D012
【Fターム(参考)】
4D012CA20
4D012CB12
4D012CK07
(57)【要約】
【課題】装置を大型化することなく、吸着剤の排出と充填が可能な水素除去装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る水素除去装置1は、不純物として少なくとも水素を含むヘリウムガスから前記水素を除去するものであって、筒状体の上部にあってガスが導入されるガス導入路13と、ガス導入路13の下方の吸着剤充填領域15と、吸着剤充填領域15の下方のガス排出路17と、を備えた本体部3と、上部穴あき板5と、下部穴あき板7と、吸着剤充填管9と、吸着剤排出管11と、ガス導入口27と、ガス排出口29と、上部栓35と、下部栓43と、下部中栓45と、を備えたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不純物として少なくとも水素を含むヘリウムガスから前記水素を除去する水素除去装置であって、
筒状体からなり、該筒状体の上部にあってガスが導入されるガス導入路と、該ガス導入路の下方にあって吸着剤が充填される吸着剤充填領域と、該吸着剤充填領域の下方にあって排出ガスの流路となるガス排出路と、を備えた本体部と、
前記ガス導入路と前記吸着剤充填領域の間に設けられガス通過穴が形成された上部穴あき板と、
前記ガス排出路と前記吸着剤充填領域の間に設けられガス通過穴が形成された下部穴あき板と、
前記本体部の上端から前記ガス導入路を貫いて前記吸着剤充填領域の上部に連通するように挿入された筒状の吸着剤充填管と、
前記本体部の下端から前記排出ガス流路を貫いて前記吸着剤充填領域の下部に連通するように挿入された筒状の吸着剤排出管と、
前記本体部の上部に前記ガス導入路に連通するように設けられたガス導入口と、
前記本体部の下部に前記ガス排出路に連通するように設けられたガス排出口と、
前記吸着剤充填管の充填口を開閉する上部栓と、
前記吸着剤排出管の排出口を開閉する下部栓と、
前記吸着剤排出管の上端と前記吸着剤充填領域との連通を開閉する下部中栓と、を備えたことを特徴とする水素除去装置。
【請求項2】
前記吸着剤充填管内に設けられた上部中栓と、
前記ガス導入路及び前記ガス排出路に設けられてガス分散をする繊維状物質と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の水素除去装置。
【請求項3】
前記吸着剤充填領域の下面が前記吸着剤排出管の上端に向かって下向きに傾斜する傾斜面となっており、該傾斜面の傾斜角度が充填される吸着剤の安息角よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の水素除去装置。
【請求項4】
下部中栓は、上下動することで前記連通を開閉するように構成され、
前記下部中栓を上下動させる上下動機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水素除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
不純物として少なくとも水素を含むヘリウムガスから水素を除去する水素除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリウムは産出量が少ない貴重なガスであり、使用されたヘリウムは回収され、精製された後、再液化され、ユーザーに送られる。
なお、回収されたヘリウムには、水素等の不純物が含まれているので、それらの不純物をヘリウム精製装置で除去したのち、ヘリウム液化装置で再液化される。
【0003】
ヘリウム液化装置に付帯するヘリウム精製装置の一例が特許文献1に開示されている。
ヘリウム精製装置には、特許文献1の図1に示されるように、不純物である水素を除去するための水素除去吸着器が設けられている。
水素除去吸着器には吸着剤が充填されており、ヘリウム液化装置内の精製系から再生ガスと共に排出されるヘリウム中の水素成分を吸着させることによって除去される。
【0004】
水素除去吸着器の一般的な構造を図4に示す。水素除去吸着器60は円筒状であり、ガス入口61、吸着層63、吸着剤押え65、ガス出口67、吸着剤充填口69及び吸着剤排出口71を備えている。吸着層63は充填された吸着剤によって構成されている。
水素除去吸着器60は、フランジ73又はねじ込み等によってヘリウム精製装置内の配管に接続される。
【0005】
一定時間又は一定量のヘリウムを精製後、水素除去吸着器60内の吸着剤を交換する必要がある。吸着剤の交換の際には、水素除去吸着器60を配管から外し、新たな吸着剤を充填後、再度、接続配管に組み立てる必要がある。
その際、プロセス(装置)、吸着器、触媒塔内が空気で汚染される可能性が高い。その為、対象のプロセス(装置)が、(例えば)ヘリウム中の水素除去といった場合、吸着器や触媒塔をプロセス(装置)に再度取り付けた際に、プロセス(装置)内の空気成分をパージし、プロセスガス(この場合はヘリウム)純度を高める操作が必要となる場合があった。
また、交換される吸着剤、触媒が空気中の水蒸気によって性能劣化の一因となる場合、交換時期・方法等を考慮する必要もあった。
【0006】
この点、吸着器、触媒塔をプロセス(装置)から取り外さないで、内部の吸着剤や触媒を交換する技術が、例えば特許文献1、2に開示されている。
【0007】
特許文献1に開示のものは、固定床反応器をプロセスから取り外すことなく、活性の劣化した触媒を排出し、新しい触媒を充填する方法として、固定床反応器内に液体を供給し、触媒をスラリー化することで、触媒の排出と充填を行うというものである。
【0008】
また、特許文献2に開示のものは、水蒸気改質器内に設置された反応管を取り外すことなく、反応管内の触媒を排出し、新たな触媒を充填する方法として、ブロワによる空気流によって触媒を排出、充填するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4122786号公報
【特許文献2】特開平11-548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示のものは、固定床反応器内に液体を供給するポンプ、配管が必要となり、装置が大型化するという問題がある。
また、特許文献2に開示のものも、ブロワを設ける必要があり、反応装置が大型化するという問題がある。
【0011】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、装置を大型化することなく、吸着剤の排出と充填を簡易に行うことができる水素除去装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明に係る水素除去装置は、不純物として少なくとも水素を含むヘリウムガスから前記水素を除去するものであって、
筒状体からなり、該筒状体の上部にあってガスが導入されるガス導入路と、該ガス導入路の下方にあって吸着剤が充填される吸着剤充填領域と、該吸着剤充填領域の下方にあって排出ガスの流路となるガス排出路と、を備えた本体部と、
前記ガス導入路と前記吸着剤充填領域の間に設けられガス通過穴が形成された上部穴あき板と、
前記ガス排出路と前記吸着剤充填領域の間に設けられガス通過穴が形成された下部穴あき板と、
前記本体部の上端から前記ガス導入路を貫いて前記吸着剤充填領域の上部に連通するように挿入された筒状の吸着剤充填管と、
前記本体部の下端から前記排出ガス流路を貫いて前記吸着剤充填領域の下部に連通するように挿入された筒状の吸着剤排出管と、
前記本体部の上部に前記ガス導入路に連通するように設けられたガス導入口と、
前記本体部の下部に前記ガス排出路に連通するように設けられたガス排出口と、
前記吸着剤充填管の充填口を開閉する上部栓と、
前記吸着剤排出管の排出口を開閉する下部栓と、
前記吸着剤排出管の上端と前記吸着剤充填領域との連通を開閉する下部中栓と、を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記吸着剤充填管内に設けられた上部中栓と、
前記ガス導入路及び前記ガス排出路に設けられてガス分散をする繊維状物質と、をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0014】
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記吸着剤充填領域の下面が前記吸着剤排出管の上端に向かって下向きに傾斜する傾斜面となっており、該傾斜面の傾斜角度が充填される吸着剤の安息角よりも大きいことを特徴とするものである。
【0015】
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、下部中栓は、上下動することで前記連通を開閉するように構成され、
前記下部中栓を上下動させる上下動機構を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、装置を大型化することなく、吸着剤の充填、排出の際、本体部を接続配管から取り外す必要がない構造を実現している。このため、大気及び、大気に含まれる水蒸気、窒素酸化物、炭化水素等(以後、水蒸気等と言う。)であって吸着剤の性能への悪影響が懸念される物質の精製装置への混入を最小限とすることができる。尚、以下の説明では、精製装置に吸着剤を充填する場合を想定しているが、処理対象ガスに何らかの処理を行う触媒等を精製装置に充填する場合にも同じ効果を得ることができる。
また、吸着剤の導入、排出を極めて簡単に行うことができ、作業性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施の形態に係る水素除去装置の内部構造を説明する説明図である。
図2図1の破線の丸で囲んだ部分の拡大図である。
図3図1の水素除去装置における下部中栓を上下動させる上下動機構の説明図である。図3(a)は下部中栓の開状態、図3(b)は下部中栓の閉状態を示している。また、図3(a-2)、(b-2)は、図3(a-1)、(b-1)の矢視A-A図である。
図4】従来の水素除去装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施の形態に係る水素除去装置1は、不純物として少なくとも水素を含むヘリウムガスから水素を除去するものであって、図1に示すように、筒状体からなる本体部3と、本体部3内の上部に設けられた上部穴あき板5と、本体部3内の下部に設けられた下部穴あき板7と、本体部3の上端部に設けられた吸着剤充填管9と、本体部3の下端部に設けられた吸着剤排出管11と、を備えている。
以下、各構成および各構成に関連する部材について詳細に説明する。
【0019】
<本体部>
本体部3は、筒状体からなり、筒状体の上部にあってガスが導入されるガス導入路13と、ガス導入路13の下方にあって吸着剤が充填される吸着剤充填領域15と、吸着剤充填領域15の下方にあって排出ガスの流路となるガス排出路17と、を備えている。
ガス導入路13及びガス排出路17には、ガス分散をする例えば、断熱グラスフェルト等の繊維状物質19が配設されている。
ガス導入路13の繊維状物質19の上方にはガス通過穴が設けられた押え板21が設けられ、ガス排出路17の繊維状物質19の下方にはガス通過穴が設けられた支持板23が設けられている。
【0020】
吸着剤充填領域15の下面は、図2に示すように、吸着剤排出管11の上端に向かって下向きに傾斜する傾斜面25となっている。そして、傾斜面25の傾斜角度θが充填される吸着剤の安息角よりも大きくなっている。これにより、吸着剤の排出がよりスムーズとなる。
【0021】
また、本体部3上部の側壁には、ガス導入路13に連通するようにガス導入口27が設けられ、本体部3の下部の側壁には、ガス排出路17に連通するようにガス排出口29が設けられている。
ガス導入口27及びガス排出口29には、外部配管との接続を可能とするためガス導入管31及びガス排出管33がそれぞれ設けられている。
【0022】
<上部穴あき板>
上部穴あき板5は、ガス導入路13と吸着剤充填領域15の間に設けられて、吸着剤が上方に移動するのを防止するためのものであり、ガス通過穴5aが形成されている。
【0023】
<下部穴あき板>
下部穴あき板7は、ガス排出路17と吸着剤充填領域15の間に設けられ、吸着剤が下方に移動するのを防止するためのものであり、ガス通過穴7aが形成されている。
【0024】
<吸着剤充填管>
吸着剤充填管9は、充填材を吸着剤充填領域15に充填するための筒状の部材であり、本体部3の上端からガス導入路13を貫いて吸着剤充填領域15の上部に連通するように挿入されている。
また、吸着剤充填管9の上端には、吸着剤充填管9の充填口を開閉する上部栓35が設けられている。
さらに、吸着剤充填管9内の中程には、吸着剤充填管9を吸着剤が逆流するのを防止する上部中栓37を設けるのが好ましい。
【0025】
本実施の上部中栓37は、吸着剤充填管9の中程に配置される砲弾形の中栓本体39と、中栓本体39と上部栓35とを繋ぐ連結部材41で構成されている。
なお、吸着剤充填管9の上端は、上部栓35で保圧されるので、上部中栓37はヘリウムの漏洩を目的としたシールは不要であり、吸着剤が移動しない程度の気密性が確保されれば良い。
【0026】
<吸着剤排出管>
吸着剤排出管11は、吸着剤充填領域15に充填されている吸着剤を排出するための筒状の部材であり、本体部3の下端から排出ガス流路を貫いて吸着剤充填領域15の下部に連通するように挿入されている。
また、吸着剤排出管11の下端には、吸着剤排出管11の排出口を開閉する下部栓43が設けられている。
【0027】
さらに、吸着剤排出管11の上端近傍には、吸着剤排出管11と吸着剤充填領域15との連通を開閉する逆円錐形の下部中栓45が設けられている。
下部中栓45は、上下動することで吸着剤排出管11の上端開口を開閉するように構成され、下部中栓45を上下動させる上下動機構47が設けられている。
【0028】
上下動機構47は、図1図3に示すように、上端が下部中栓45に接続された作動棒49と、作動棒49の下部に設けられた羽根51と、吸着剤排出管11の側壁に所定距離を離して対向配置された一対の側壁板53とを備えている。各側壁板53は上方に向かって側壁に近づくように傾斜した傾斜面部53aを有している。
図示しない回転手段によって作動棒49を外部から回転することで、羽根51が側壁板53の傾斜面部53aにガイドされて上下に移動し、これによって下部中栓45が上下動して吸着剤排出管11の上端開口を開閉する。
なお、図示していないが、作動棒49は外部から外部からアクセスして回転可能になっている。
図3(a)は下部中栓45を開にした状態を示し、図3(b)は下部中栓45を閉にした状態を示している。
【0029】
なお、吸着剤排出管11の下端は、下部栓43で保圧されるので、下部中栓45はヘリウムの漏洩を目的としたシールは不要であり、吸着剤が移動しない程度の気密性が確保されれば良い。
【0030】
上記のように構成された本実施の形態の水素除去装置1の動作を説明する。
<運転時>
本実施の形態の水素除去装置1の運転時には、精製対象のヘリウムガスは本体部3の横方向のガス導入口27から導入され、ガス導入路13内の繊維状物質19で分散され、上部穴あき板5を通過して充填剤充填領域の吸着剤の中を鉛直下方に移動し、移動の過程で水素等の不純物が除去される。
不純物が除去されたヘリウムガスは、下部穴あき板7、ガス排出路17を通過してガス排出口29、ガス排出管33から排出される。
【0031】
<吸着剤交換時>
吸着剤の交換時において、吸着剤の排出と充填について説明する。
《吸着剤排出》
吸着剤を排出するには、吸着剤排出管11の下端に設けられている下部栓43を取り外し、作動棒49を回転させると、上下動機構47によって下部中栓45が鉛直上方向に移動する(図1図3(a)参照)。これによって、吸着剤排出管11の上端が開放され、吸着剤が吸着剤排出管11内を落下して排出される。
このように、吸着剤の排出は本体部3を取り外すことなく、簡単に行うことができる。
【0032】
《吸着剤充填》
吸着剤を充填する際には、上下動機構47の作動棒49を回転させて下部中栓45を下降させて吸着剤排出管11の上端を閉の状態とする。
そして、吸着剤充填管9の上端の上部栓35を取外す。この時、上部中栓37も同時に取り外される。
そして、吸着剤充填管9の上端から吸着剤を導入することで、吸着剤は吸着剤充填
管9を通過して、吸着剤充填領域15に充填される。なお、水素除去装置1の運転中の振動等により、吸着剤充填領域15における充填剤の充填密度が上昇することを想定して、吸着剤を多めに充填し、吸着剤の一部が吸着剤充填管9内にも存在するようにしてもよい。
吸着剤を充填後は、大気若しくは水蒸気等による吸着剤の汚染を回避し、又は精製処理対象となるヘリウムガスの漏洩を防ぐために、上部栓35、上部中栓37、下部栓43が設置される。
【0033】
以上のように、本実施の形態の水素除去装置1においては、装置を大型化することなく、吸着剤の充填、排出の際、本体部3を接続配管から取り外す必要がない構造を実現している。このため、大気及び、大気に含まれる水蒸気等の精製装置への混入を最小限とすることができる。
また、吸着剤の導入、排出を極めて簡単に行うことができ、作業性にも優れる。
【0034】
なお、一般に筒状の本体部3において構造上ポケットとなる様な部分(例えば、図1のA、B部分)に空気等の不純物が混入すると、そのパージが困難となる。
しかし、本実施の形態の本体部3におけるガス導入路13及びガス排出路17には、繊維状物質19が配設されている。
このため、吸着剤の充填の際、吸着剤充填管9の上端部を開放したときに、吸着剤充填管9を介して吸着剤充填領域15に多少の空気が混入したとしても、繊維状物質19の圧力損失が抵抗となり、混入した空気がポケット部分(図1のA)に入るのを防止できる。
同様に、吸着剤の排出の際、吸着剤排出管11の下端部を開放したときに、吸着剤排出管11を介して吸着剤充填領域15に多少の空気が混入したとしても、繊維状物質19の圧力損失が抵抗となり、混入した空気がポケット部分(図1のB)に入るのを防止できる。
【0035】
なお、上記の説明では、上下動機構の一例として作動棒49を回転させることで、下部中栓45が上下に移動する機構を例示したが、上下動機構はこれに限られず、下部中栓45を上下させることができる機構であれば、特に限定されない。
【符号の説明】
【0036】
1 水素除去装置
3 本体部
5 上部穴あき板
5a ガス通過穴
7 下部穴あき板
7a ガス通過穴
9 吸着剤充填管
11 吸着剤排出管
13 ガス導入路
15 吸着剤充填領域
17 ガス排出路
19 繊維状物質
21 押え板
23 支持板
25 傾斜面
27 ガス導入口
29 ガス排出口
31 ガス導入管
33 ガス排出管
35 上部栓
37 上部中栓
39 中栓本体
41 連結部材
43 下部栓
45 下部中栓
47 上下動機構
49 作動棒
51 羽根
53 側壁板
53a 傾斜面部
60 水素除去吸着器
61 ガス入口
63 吸着層
65 吸着剤押え
67 ガス出口
69 吸着剤充填口
71 吸着剤排出口
73 フランジ
図1
図2
図3
図4