(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127654
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像撮影システム、画像処理方法、画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240912BHJP
A61B 6/04 20060101ALI20240912BHJP
A61B 6/00 20240101ALI20240912BHJP
【FI】
A61B8/14
A61B6/04 309B
A61B6/00 360Z
A61B6/00 330Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】50
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036995
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 久嗣
(72)【発明者】
【氏名】大澤 敦
(72)【発明者】
【氏名】坪田 圭司
(72)【発明者】
【氏名】小林 丈恭
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 涼香
【テーマコード(参考)】
4C093
4C601
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA16
4C093DA06
4C093ED21
4C093FA44
4C093FF20
4C093FF37
4C601BB03
4C601DD08
4C601EE11
4C601GA18
4C601GA21
4C601JC15
4C601JC32
4C601KK21
4C601KK35
4C601LL33
(57)【要約】
【課題】圧迫状態で撮影された乳房の放射線画像と超音波画像との比較を行い易くすることができる画像処理装置、画像撮影システム、画像処理方法、画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査した前記プローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、前記補正済超音波画像と、前記放射線画像とを対応付ける画像処理装置。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記補正済超音波画像と、前記放射線画像とを対応付ける
画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記プローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方を検出するセンサの検出結果を前記補正情報として取得する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記センサは、前記プローブに設けられた、前記プローブの傾きを検出するためのセンサである
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記センサは、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれかである
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記センサは、前記圧迫部材と予め定められた位置との距離を検出するセンサである
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記センサは、TOFカメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つである
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記補正情報は、圧迫状態とされた前記乳房の厚み及び幅と、前記乳房を圧迫する圧力とを含み、
前記プロセッサは、
圧迫状態とされた前記乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、前記乳房を圧迫する圧力と、前記圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した前記圧迫部材の撓みに基づいて補正した前記複数の超音波画像から前記補正済超音波画像を生成する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記複数の超音波画像の各々の座標を前記補正情報に基づいて補正した後、再構成することにより3次元超音波画像を前記補正済超音波画像として生成する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記補正情報に基づいて得られた、前記複数の超音波画像の各々の撮影位置における前記圧迫部材の撓み角に基づいて、前記複数の超音波画像の各々をアフィン変換する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記補正情報は圧迫状態の前記乳房の幅及び厚み、前記乳房を圧迫する圧力の各々を表す情報を含み、
前記プロセッサは、
前記補正情報から前記撓み角を導出する
請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記圧迫部材は、一方の辺に固定端があり、前記固定端と、前記固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向に、前記プローブを走査させて得られた超音波画像である
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサが前記補正済超音波画像に対応付ける放射線画像には、前記補正情報に基づいた補正がされていない
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項13】
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記補正済超音波画像と、前記放射線画像とを対応付ける
処理をコンピュータが実行する画像処理方法。
【請求項14】
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記補正済超音波画像と、前記放射線画像とを対応付ける
処理をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材によって乳房を圧迫状態として撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記放射線画像における前記乳房の圧迫状態が、前記複数の超音波画像の撮影における前記乳房の圧迫状態と同一であるとみなせるか否かを判定し、
前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定した場合、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付ける
画像処理装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、
前記複数の超音波画像の撮影と前記放射線画像の撮影とが、前記乳房を圧迫部材により圧迫状態としたまま連続して行われた場合、前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記乳房を圧迫状態とするための圧迫条件が同一の場合、前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
圧迫状態とされた乳房の状態が同一の場合、前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、
さらに、前記複数の超音波画像の撮影における前記乳房自体の状態と、前記放射線画像の撮影における前記乳房自体の状態とが同一であるとみなせる場合に、前記放射線画像と、前記補正済超音波画像とを対応付ける
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、
前記乳房を前記圧迫部材により圧迫状態としたまま前記複数の超音波画像の撮影と連続して撮影が行われた基準放射線画像をさらに取得し、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度が予め定められた基準を満たす場合、前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、
前記プローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方を検出するセンサの検出結果を前記補正情報として取得する
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項22】
前記センサは、前記プローブに設けられた、前記プローブの傾きを検出するためのセンサである
請求項21に記載の画像処理装置。
【請求項23】
前記センサは、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれかである
請求項22に記載の画像処理装置。
【請求項24】
前記センサは、前記圧迫部材と予め定められた位置との距離を検出するセンサである
請求項21に記載の画像処理装置。
【請求項25】
前記センサは、TOFカメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つである
請求項24に記載の画像処理装置。
【請求項26】
前記補正情報は、圧迫状態とされた前記乳房の厚み及び幅と、前記乳房を圧迫する圧力とを含み、
前記プロセッサは、
圧迫状態とされた前記乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、前記乳房を圧迫する圧力と、前記圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した前記圧迫部材の撓みに基づいて補正した前記複数の超音波画像から前記補正済超音波画像を生成する
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項27】
前記プロセッサは、
前記複数の超音波画像の各々の座標を前記補正情報に基づいて補正した後、再構成することにより3次元超音波画像を前記補正済超音波画像として生成する
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項28】
前記プロセッサは、
前記補正情報に基づいて得られた、前記複数の超音波画像の各々の撮影位置における前記圧迫部材の撓み角に基づいて、前記複数の超音波画像の各々をアフィン変換する
請求項27に記載の画像処理装置。
【請求項29】
前記補正情報は圧迫状態の前記乳房の幅及び厚み、前記乳房を圧迫する圧力の各々を表す情報を含み、
前記プロセッサは、
前記補正情報から前記撓み角を導出する
請求項28に記載の画像処理装置。
【請求項30】
前記圧迫部材は、一方の辺に固定端があり、前記固定端と、前記固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向に、前記プローブを走査させて得られた超音波画像である
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項31】
前記プロセッサが前記補正済超音波画像に対応付ける放射線画像には、前記補正情報に基づいた補正がされていない
請求項15に記載の画像処理装置。
【請求項32】
圧迫部材によって乳房を圧迫状態として撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記放射線画像における前記乳房の圧迫状態が、前記複数の超音波画像の撮影における前記乳房の圧迫状態と同一であるとみなせるか否かを判定し、
前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定した場合、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付ける
処理をコンピュータが実行する画像処理方法。
【請求項33】
圧迫部材によって乳房を圧迫状態として撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記放射線画像における前記乳房の圧迫状態が、前記複数の超音波画像の撮影における前記乳房の圧迫状態と同一であるとみなせるか否かを判定し、
前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定した場合、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付ける
処理をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項34】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで基準放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度に基づいて、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付けるか否か判定する
画像処理装置。
【請求項35】
前記プロセッサは、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度が予め定められた基準を満たす場合、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付ける
請求項34に記載の画像処理装置。
【請求項36】
前記予め定められた基準は、撮影における前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなすための基準である
請求項35に記載の画像処理装置。
【請求項37】
前記プロセッサは、
前記プローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方を検出するセンサの検出結果を前記補正情報として取得する
請求項34に記載の画像処理装置。
【請求項38】
前記センサは、前記プローブに設けられた、前記プローブの傾きを検出するためのセンサである
請求項37に記載の画像処理装置。
【請求項39】
前記センサは、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれかである
請求項38に記載の画像処理装置。
【請求項40】
前記センサは、前記圧迫部材と予め定められた位置との距離を検出するセンサである
請求項37に記載の画像処理装置。
【請求項41】
前記センサは、TOFカメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つである
請求項40に記載の画像処理装置。
【請求項42】
前記補正情報は、圧迫状態とされた前記乳房の厚み及び幅と、前記乳房を圧迫する圧力とを含み、
前記プロセッサは、
圧迫状態とされた前記乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、前記乳房を圧迫する圧力と、前記圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した前記圧迫部材の撓みに基づいて補正した前記複数の超音波画像から前記補正済超音波画像を生成する
請求項34に記載の画像処理装置。
【請求項43】
前記プロセッサは、
前記複数の超音波画像の各々の座標を前記補正情報に基づいて補正した後、再構成することにより3次元超音波画像を前記補正済超音波画像として生成する
請求項34に記載の画像処理装置。
【請求項44】
前記プロセッサは、
前記補正情報に基づいて得られた、前記複数の超音波画像の各々の撮影位置における前記圧迫部材の撓み角に基づいて、前記複数の超音波画像の各々をアフィン変換する
請求項43に記載の画像処理装置。
【請求項45】
前記補正情報は圧迫状態の前記乳房の幅及び厚み、前記乳房を圧迫する圧力の各々を表す情報を含み、
前記プロセッサは、
前記補正情報から前記撓み角を導出する
請求項44に記載の画像処理装置。
【請求項46】
前記圧迫部材は、一方の辺に固定端があり、前記固定端と、前記固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向に、前記プローブを走査させて得られた超音波画像である
請求項34に記載の画像処理装置。
【請求項47】
前記プロセッサが前記補正済超音波画像に対応付けるか否か判定する放射線画像には、前記補正情報に基づいた補正がされていない
請求項34に記載の画像処理装置。
【請求項48】
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで基準放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度に基づいて、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付けるか否か判定する
処理をコンピュータが実行する画像処理方法。
【請求項49】
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで基準放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度に基づいて、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付けるか否か判定する
処理をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項50】
請求項1から請求項12のいずれか1項、または請求項15から請求項31のいずれか1項、または請求項34から請求項47のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
放射線画像撮影装置と、
超音波画像撮影装置と、
を備えた画像撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、画像撮影システム、画像処理方法、画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線源から被検者の乳房等の被写体に向けて放射線を照射させ、被写体を透過した放射線を放射線検出器により検出することにより放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置が知られている。
【0003】
また、被検者の乳房に沿って超音波プローブを走査することで、乳房を超音波で走査することにより乳房の超音波画像を撮影する超音波画像撮影装置が知られている。
【0004】
特許文献1及び2には、乳房の放射線画像及び超音波画像の両方の撮影が可能な装置が開示されている。特許文献1及び2では、乳房を圧迫した状態で放射線画像及び超音波画像の撮影が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-28381号公報
【特許文献2】特開2012-170718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
乳房を圧迫部材により圧迫状態として撮影された、放射線画像と、超音波画像とを比較しながら読影を行う場合がある。しかしながら、従来の技術により撮影された放射線画像と超音波画像とは、乳房の圧迫状態が同じであっても、比較が容易ではない場合があった。
【0007】
本開示は、上記事情を考慮して成されたもので、圧迫状態で撮影された乳房の放射線画像と超音波画像との比較を行い易くすることができる画像処理装置、画像撮影システム、画像処理方法、画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本開示の第1の態様の画像処理装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、複数の超音波画像の撮影時に圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した複数の超音波画像から、補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、補正済超音波画像と、放射線画像とを対応付ける。
【0009】
本開示の第2の態様の画像処理装置は、第1の態様の画像処理装置において、プロセッサは、プローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方を検出するセンサの検出結果を補正情報として取得する。
【0010】
本開示の第3の態様の画像処理装置は、第2の態様の画像処理装置において、センサは、プローブに設けられた、プローブの傾きを検出するためのセンサである。
【0011】
本開示の第4の態様の画像処理装置は、第3の態様の画像処理装置において、センサは、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれかである。
【0012】
本開示の第5の態様の画像処理装置は、第2の態様の画像処理装置において、センサは、圧迫部材と予め定められた位置との距離を検出するセンサである。
【0013】
本開示の第6の態様の画像処理装置は、第5の態様の画像処理装置において、センサは、TOFカメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つである。
【0014】
本開示の第7の態様の画像処理装置は、第1の態様の画像処理装置において、補正情報は、圧迫状態とされた乳房の厚み及び幅と、乳房を圧迫する圧力とを含み、プロセッサは、圧迫状態とされた乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、乳房を圧迫する圧力と、圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した圧迫部材の撓みに基づいて補正した複数の超音波画像から補正済超音波画像を生成する。
【0015】
本開示の第8の態様の画像処理装置は、第1の態様の画像処理装置において、補正情報は、圧迫状態とされた乳房の厚み及び幅と、乳房を圧迫する圧力とを含み、プロセッサは、圧迫状態とされた乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、乳房を圧迫する圧力と、圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した圧迫部材の撓みに基づいて補正した複数の超音波画像から補正済超音波画像を生成する。
【0016】
本開示の第9の態様の画像処理装置は、第8の態様の画像処理装置において、プロセッサは、補正情報に基づいて得られた、複数の超音波画像の各々の撮影位置における圧迫部材の撓み角に基づいて、複数の超音波画像の各々をアフィン変換する。
【0017】
本開示の第10の態様の画像処理装置は、第9の態様の画像処理装において、補正情報は圧迫状態の乳房の幅及び厚み、乳房を圧迫する圧力の各々を表す情報を含み、プロセッサは、補正情報から撓み角を導出する。
【0018】
本開示の第11の態様の画像処理装置は、第1の態様に記載の画像処理装置において、圧迫部材は、一方の辺に固定端があり、固定端と、固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向に、プローブを走査させて得られた超音波画像である。
【0019】
本開示の第12の態様の画像処理装置は、第1の態様に記載の画像処理装置において、プロセッサが補正済超音波画像に対応付ける放射線画像には、補正情報に基づいた補正がされていない。
【0020】
また、上記目的を達成するために本開示の第13の態様の画像処理方法は、圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、複数の超音波画像の撮影時に圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した複数の超音波画像から、補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、補正済超音波画像と、放射線画像とを対応付ける処理をコンピュータが実行する方法である。
【0021】
また、上記目的を達成するために本開示の第14の態様の画像処理プログラムは、圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、複数の超音波画像の撮影時に圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した複数の超音波画像から、補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、補正済超音波画像と、放射線画像とを対応付ける処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【0022】
また、上記目的を達成するために本開示の第15の態様の画像処理装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、圧迫部材によって乳房を圧迫状態として撮影された複数の超音波画像を取得し、複数の超音波画像の撮影時に圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した複数の超音波画像から、補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、乳房を撮影した放射線画像における乳房の圧迫状態が、複数の超音波画像の撮影における乳房の圧迫状態と同一であるとみなせるか否かを判定し、乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定した場合、補正済超音波画像と放射線画像とを対応付ける。
【0023】
本開示の第16の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、プロセッサは、複数の超音波画像の撮影と放射線画像の撮影とが、乳房を圧迫部材により圧迫状態としたまま連続して行われた場合、乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する。
【0024】
本開示の第17の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、プロセッサは、乳房を圧迫状態とするための圧迫条件が同一の場合、乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する。
【0025】
本開示の第18の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、プロセッサは、圧迫状態とされた乳房の状態が同一の場合、乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する。
【0026】
本開示の第19の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、プロセッサは、さらに、複数の超音波画像の撮影における乳房自体の状態と、放射線画像の撮影における乳房自体の状態とが同一であるとみなせる場合に、放射線画像と、補正済超音波画像とを対応付ける。
【0027】
本開示の第20の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、プロセッサは、乳房を圧迫部材により圧迫状態としたまま複数の超音波画像の撮影と連続して撮影が行われた基準放射線画像をさらに取得し、基準放射線画像と放射線画像との類似度が予め定められた基準を満たす場合、乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する。
【0028】
本開示の第21の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、プロセッサは、プローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方を検出するセンサの検出結果を補正情報として取得する。
【0029】
本開示の第22の態様の画像処理装置は、第21の態様の画像処理装置において、センサは、プローブに設けられた、プローブの傾きを検出するためのセンサである。
【0030】
本開示の第23の態様の画像処理装置は、第22の態様の画像処理装置において、センサは、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれかである。
【0031】
本開示の第24の態様の画像処理装置は、第21の態様の画像処理装置において、センサは、圧迫部材と予め定められた位置との距離を検出するセンサである。
【0032】
本開示の第25の態様の画像処理装置は、第24の態様の画像処理装置において、センサは、TOFカメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つである。
【0033】
本開示の第26の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、補正情報は、圧迫状態とされた乳房の厚み及び幅と、乳房を圧迫する圧力とを含み、プロセッサは、圧迫状態とされた乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、乳房を圧迫する圧力と、圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した圧迫部材の撓みに基づいて補正した複数の超音波画像から補正済超音波画像を生成する。
【0034】
本開示の第27の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、プロセッサは、複数の超音波画像の各々の座標を補正情報に基づいて補正した後、再構成することにより3次元超音波画像を補正済超音波画像として生成する。
【0035】
本開示の第28の態様の画像処理装置は、第27の態様の画像処理装置において、プロセッサは、補正情報に基づいて得られた、複数の超音波画像の各々の撮影位置における圧迫部材の撓み角に基づいて、複数の超音波画像の各々をアフィン変換する。
【0036】
本開示の第29の態様の画像処理装置は、第28の態様の画像処理装置において、補正情報は圧迫状態の乳房の幅及び厚み、乳房を圧迫する圧力の各々を表す情報を含み、プロセッサは、補正情報から撓み角を導出する。
【0037】
本開示の第30の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、圧迫部材は、一方の辺に固定端があり、固定端と、固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向に、プローブを走査させて得られた超音波画像である。
【0038】
本開示の第31の態様の画像処理装置は、第15の態様の画像処理装置において、プロセッサが補正済超音波画像に対応付ける放射線画像には、補正情報に基づいた補正がされていない。
【0039】
また、上記目的を達成するために本開示の第32の態様の画像処理方法は、圧迫部材によって乳房を圧迫状態として撮影された複数の超音波画像を取得し、複数の超音波画像の撮影時に圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した複数の超音波画像から、補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、乳房を撮影した放射線画像を取得し、放射線画像における乳房の圧迫状態が、複数の超音波画像の撮影における乳房の圧迫状態と同一であるとみなせるか否かを判定し、乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定した場合、補正済超音波画像と放射線画像とを対応付ける処理をコンピュータが実行する方法である。
【0040】
また、上記目的を達成するために本開示の第33の態様の画像処理プログラムは、圧迫部材によって乳房を圧迫状態として撮影された複数の超音波画像を取得し、複数の超音波画像の撮影時に圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した複数の超音波画像から、補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、乳房を撮影した放射線画像を取得し、放射線画像における乳房の圧迫状態が、複数の超音波画像の撮影における乳房の圧迫状態と同一であるとみなせるか否かを判定し、乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定した場合、補正済超音波画像と放射線画像とを対応付ける処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【0041】
また、上記目的を達成するために本開示の第34の態様の画像処理装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで基準放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、複数の超音波画像の撮影時に圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した複数の超音波画像から、補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、乳房を撮影した放射線画像を取得し、基準放射線画像と放射線画像との類似度に基づいて、補正済超音波画像と放射線画像とを対応付けるか否か判定する。
【0042】
本開示の第35の態様の画像処理装置は、第34の態様の画像処理装置において、プロセッサは、基準放射線画像と放射線画像との類似度が予め定められた基準を満たす場合、補正済超音波画像と放射線画像とを対応付ける。
【0043】
本開示の第36の態様の画像処理装置は、第35の態様の画像処理装置において、予め定められた基準は、撮影における乳房の圧迫状態が同一であるとみなすための基準である。
【0044】
本開示の第37の態様の画像処理装置は、第34の態様の画像処理装置において、プロセッサは、プローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方を検出するセンサの検出結果を補正情報として取得する。
【0045】
本開示の第38の態様の画像処理装置は、第37の態様の画像処理装置において、センサは、プローブに設けられた、プローブの傾きを検出するためのセンサである。
【0046】
本開示の第39の態様の画像処理装置は、第38の態様の画像処理装置において、センサは、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれかである。
【0047】
本開示の第40の態様の画像処理装置は、第37の態様の画像処理装置において、センサは、圧迫部材と予め定められた位置との距離を検出するセンサである。
【0048】
本開示の第41の態様の画像処理装置は、第40の態様の画像処理装置において、センサは、TOFカメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つである。
【0049】
本開示の第42の態様の画像処理装置は、第34の態様の画像処理装置において、補正情報は、圧迫状態とされた乳房の厚み及び幅と、乳房を圧迫する圧力とを含み、プロセッサは、圧迫状態とされた乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、乳房を圧迫する圧力と、圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した圧迫部材の撓みに基づいて補正した複数の超音波画像から補正済超音波画像を生成する。
【0050】
本開示の第43の態様の画像処理装置は、第34の態様の画像処理装置において、プロセッサは、複数の超音波画像の各々の座標を補正情報に基づいて補正した後、再構成することにより3次元超音波画像を補正済超音波画像として生成する。
【0051】
本開示の第44の態様の画像処理装置は、第43の態様の画像処理装置において、プロセッサは、補正情報に基づいて得られた、複数の超音波画像の各々の撮影位置における圧迫部材の撓み角に基づいて、複数の超音波画像の各々をアフィン変換する。
【0052】
本開示の第45の態様の画像処理装置は、第44の態様の画像処理装置において、補正情報は圧迫状態の乳房の幅及び厚み、乳房を圧迫する圧力の各々を表す情報を含み、プロセッサは、補正情報から撓み角を導出する。
【0053】
本開示の第46の態様の画像処理装置は、第34の態様の画像処理装置において、圧迫部材は、一方の辺に固定端があり、固定端と、固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向に、プローブを走査させて得られた超音波画像である。
【0054】
本開示の第47の態様の画像処理装置は、第34の態様の画像処理装置において、プロセッサが補正済超音波画像に対応付けるか否か判定する放射線画像には、補正情報に基づいた補正がされていない。
【0055】
また、上記目的を達成するために本開示の第48の態様の画像処理方法は、圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで基準放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、複数の超音波画像の撮影時に圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した複数の超音波画像から、補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、乳房を撮影した放射線画像を取得し、基準放射線画像と放射線画像との類似度に基づいて、補正済超音波画像と放射線画像とを対応付けるか否か判定する処理をコンピュータが実行する方法である。
【0056】
また、上記目的を達成するために本開示の第49の態様の画像処理プログラムは、圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで基準放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、複数の超音波画像の撮影時に圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、取得した複数の超音波画像から、補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、乳房を撮影した放射線画像を取得し、基準放射線画像と放射線画像との類似度に基づいて、補正済超音波画像と放射線画像とを対応付けるか否か判定する処理をコンピュータに実行させるためのものであるム。
【0057】
また、上記目的を達成するために本開示の第50の態様の画像撮影システムは、本開示の画像処理装置と、放射線画像撮影装置と、超音波画像撮影装置と、を備える。
【発明の効果】
【0058】
本開示によれば、圧迫状態で撮影された乳房の放射線画像と超音波画像との比較を行い易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】第1実施形態の画像撮影システムにおける全体の構成の一例を概略的に表した構成図である。
【
図2】第1実施形態のマンモグラフィ装置の外観の一例を表す側面図である。
【
図3】第1実施形態の超音波画像撮影装置の構成の一例を表したブロック図である。
【
図4】第1実施形態の画像処理装置の構成の一例を表したブロック図である。
【
図5】第1実施形態の画像処理装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図6】乳房を圧迫することによる圧迫部材の撓みについて説明するための図である。
【
図7】圧迫部材の撓みによる超音波プローブの傾きについて説明するための図である。
【
図8】画像補正部による超音波画像の補正について説明するための図である。
【
図9】第1実施形態の画像撮影システムを用いた、放射線画像及び超音波画像の撮影の流れの一例を表すフローチャートである。
【
図10】第1実施形態の画像処理装置における画像処理の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図11】第2実施形態の画像処理装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図12A】第2実施形態の画像撮影システムを用いた、放射線画像の単独撮影の流れの一例を表すフローチャートである。
【
図12B】第2実施形態の画像撮影システムを用いた、超音波画像の単独撮影の流れの一例を表すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態の画像処理装置における画像処理の流れの一例を表したフローチャートである。
【
図14】第1実施形態の画像処理装置における画像処理の流れの他の例を表したフローチャートである。
【
図15】第1実施形態の画像処理装置における画像処理の流れの他の例を表したフローチャートである。
【
図16】第2実施形態の画像処理装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図17】第3実施形態の画像処理装置における画像処理の流れの一例を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明を限定するものではない。
【0061】
[第1実施形態]
まず、本実施形態の医用撮影システムにおける、全体の構成の一例について説明する。
図1には、本実施形態の画像撮影システム1における、全体の構成の一例を表す構成図が示されている。
【0062】
図1に示すように、本実施形態の画像撮影システム1は、放射線画像撮影システム2、超音波画像撮影装置16、画像処理装置18、及び画像保存システム19を備える。
【0063】
まず、放射線画像撮影システム2の構成について説明する。放射線画像撮影システム2は、マンモグラフィ装置10及びコンソール12を含む。
【0064】
本実施形態のマンモグラフィ装置10は、被検者の乳房を被写体として、乳房に放射線R(例えば、X線)を照射して乳房の放射線画像を撮影する装置である。なお、マンモグラフィ装置10は、被検者が起立している状態(立位状態)のみならず、被検者が椅子(車椅子を含む)等に座った状態(座位状態)において、被検者の乳房を撮影する装置であってもよい。
【0065】
図2には、本実施形態のマンモグラフィ装置10の外観の一例を示す側面図が示されている。なお、
図2では、被検者の右側からマンモグラフィ装置10を見た場合の側面図である。
図2に示すように、マンモグラフィ装置10は、放射線源36Rと、放射線検出器30と、放射線源36Rと放射線検出器30との間に配置された撮影台40と、撮影台40との間で乳房を圧迫する圧迫部材34と、を備える。
【0066】
撮影台40は、制御部20、記憶部22、I/F(Interface)部24、操作部26及び放射線検出器30を備える。制御部20は、コンソール12の制御に応じて、マンモグラフィ装置10の全体の動作を制御する。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備える(図示省略)。ROMには、CPUで実行される、放射線画像の撮影に関する制御を行うためのプログラムを含む各種プログラムが予め記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する。
【0067】
記憶部22には、放射線画像の画像データ及びその他の各種情報等が記憶される。記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)及びフラッシュメモリ等の記憶媒体によって実現される。なお、以下では、「放射線画像の画像データ」について、単に「放射線画像」という。また同様に、「超音波画像の画像データ」について、単に「超音波画像」という。
【0068】
I/F部24は、有線通信又は無線通信により、コンソール12との間で各種情報の通信を行う。具体的には、I/F部24は、コンソール12からマンモグラフィ装置10の制御に関する情報を受信する。また、I/F部24は、コンソール12に対して、放射線画像を送信する。
【0069】
操作部26は、撮影台40等に設けられた、ユーザが手又は足等で操作可能なパーツであり、例えばスイッチ、ボタン、及びタッチパネル等である。また例えば、操作部26は、ユーザによる音声入力を受け付けてもよい。
【0070】
放射線検出器30は、撮影台40の内部に配置され、被写体である乳房を通過した放射線Rを検出する。本実施形態のマンモグラフィ装置10では、撮影を行う場合、撮影台40の撮影面40A上には、被検者の乳房が医師及び技師等のユーザによってポジショニングされる。被検者の乳房が接する撮影面40A等は、放射線Rの透過性や強度の観点から、例えば、カーボン等で形成されている。
【0071】
放射線検出器30は、被検者の乳房及び撮影台40を透過した放射線Rを検出し、検出した放射線Rに基づいて放射線画像を生成し、生成した放射線画像を出力する。本実施形態の放射線検出器30の種類は、特に限定されず、例えば、放射線Rを光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出器であってもよいし、放射線Rを直接電荷に変換する直接変換方式の放射線検出器であってもよい。
【0072】
放射線源36Rは、放射線照射部36内に備えられている。
図2に示すように放射線照射部36は、撮影台40及び圧迫ユニット46と共にアーム部42に設けられている。なお、
図2に示すように本実施形態のマンモグラフィ装置10は、アーム部42と、基台44と、軸部45と、を備えている。アーム部42は、基台44によって、上下方向(Z軸方向)に移動可能に保持される。軸部45は、アーム部42を基台44に連結する。またアーム部42は、軸部45を回転軸として、基台44に対して相対的に回転可能となっている。
【0073】
また、
図2に示すように、圧迫部材34は、圧迫ユニット46に取り付けられている。圧迫ユニット46と、アーム部42とは、軸部45を回転軸として、別々に、基台44に対して相対的に回転可能となっている。本実施形態では、軸部45、アーム部42、及び圧迫ユニット46にそれぞれギア(図示省略)が設けられ、このギア同士の噛合状態及び非噛合状態を切替えることにより、アーム部42及び圧迫ユニット46の各々が軸部45に連結される。軸部45に連結されたアーム部42及び圧迫ユニット46の一方または両方が、軸部45と一体に回転する。
【0074】
本実施形態の圧迫部材34は、板状の部材であり、圧迫ユニット46内に設けられた圧迫板駆動部(図示省略)により上下方向(Z軸方向)に移動し、撮影台40との間で被検者の乳房を圧迫する。
図2に示すように、圧迫部材34の移動方向に関して、乳房を圧迫する方向、換言すると、撮影面40Aに近付く方向を「圧迫方向」といい、乳房への圧迫を解除する方向、換言すると、放射線照射部36に近付く方向を「圧迫解除方向」という。
【0075】
圧迫部材34は、乳房の圧迫において位置合わせや圧迫状態の確認を行うために光学的に透明であることが好ましく、また、放射線Rの透過性に優れた材料によって形成される。さらに、圧迫部材34は、超音波画像撮影装置16の超音波プローブ55(
図3参照、詳細後述)から送信される超音波を伝播し易い材料により形成されていることが望ましい。圧迫部材34の材料としては、例えば、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、アクリル、及びポリエチレンテレフタレート等の樹脂を用いることができる。特に、ポリメチルペンテンは、剛性が低く伸縮性及び可撓性に優れると共に、超音波の反射率に影響する音響インピーダンスと超音波の減衰に影響する減衰係数とにおいて適した値を有するので、圧迫部材34の材料として適している。なお、圧迫部材34を構成する部材は、本実施形態に限定されない。例えば、圧迫部材34を構成する部材は、フィルム状の部材であってもよい。
【0076】
なお、圧迫部材34は、乳房全体を圧迫するものに限らず、乳房の一部を圧迫するものであってもよい。換言すると、乳房よりも小さい圧迫部材34でもよい。このような圧迫部材34としては、例えば、病変が存在する領域のみの放射線画像を撮影する、いわゆるスポット撮影に用いられる圧迫部材34が知られている。
【0077】
一方、本実施形態のコンソール12は、無線通信LAN(Local Area Network)等を介してRIS(Radiology Information System)5等から取得した撮影オーダ及び各種情報と、操作部56等によりユーザにより行われた指示等とを用いて、マンモグラフィ装置10の制御を行う機能を有している。本実施形態のコンソール12は、一例として、サーバーコンピュータである。
【0078】
次に、超音波画像撮影装置16の構成について説明する。
図3には、超音波画像撮影装置16の構成の一例を表すブロック図が示されている。超音波画像撮影装置16は、ユーザによって、被検者の乳房を被写体とした超音波画像を撮影する装置であり、いわゆる、ハンドヘルドタイプの超音波画像撮影装置である。
【0079】
図3に示すように、超音波画像撮影装置16は、制御部50、記憶部52、I/F部54、超音波プローブ55、操作部56、傾き検出センサ57、及び表示部58を備えている。制御部50、記憶部52、I/F部54、超音波プローブ55、操作部56、傾き検出センサ57、及び表示部58はシステムバスやコントロールバス等のバス59を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0080】
本実施形態の制御部50は、超音波画像撮影装置16の全体の動作を制御する。制御部50は、CPU50A、ROM50B、及びRAM50Cを備える。ROM50Bには、CPU50Aで実行される、各種のプログラム等が予め記憶されている。RAM50Cは、各種データを一時的に記憶する。
【0081】
記憶部52には、撮影された超音波画像や、その他の各種情報等が記憶される。記憶部52の具体例としては、HDDやSSD等が挙げられる。
【0082】
超音波プローブ55は、ユーザによって、圧迫部材34の上面34A(
図2参照、被検者の乳房に接する側と反対側の面)に沿って移動され、乳房を超音波で走査することにより乳房の超音波画像を取得する。具体的には、超音波撮影が行われる場合には、超音波プローブ55は、圧迫部材34の上面34Aにエコーゼリー等の音響マッチング部材(図示省略)が塗布された状態で、ユーザにより、圧迫部材34の上面34Aに沿って移動される。
【0083】
超音波プローブ55は、1次元状、又は、2次元状に配列された複数の超音波トランスデューサ(図示省略)を備える。各々の超音波トランスデューサは、印加される駆動信号に基づいて超音波を送信すると共に、超音波エコーを受信することにより受信信号を出力する。
【0084】
複数の超音波トランスデューサの各々は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:polyvinylidene difluoride)に代表される高分子圧電素子等の圧電性を有する材料(圧電体)の両端に電極を形成した振動子により構成される。振動子の電極に、パルス状又は連続波の駆動信号を送って電圧を印加すると、圧電体が伸縮する。この伸縮によって、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生し、それらの超音波の合成によって超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することによって伸縮し、電気信号を発生する。それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力され、ケーブル(図示省略)を介して、超音波画像撮影装置16の本体(図示省略)に入力される。
【0085】
傾き検出センサ57は、超音波プローブ55の傾きを検出するためのセンサである。上述したように、本実施形態では、超音波画像を撮影する場合、超音波プローブ55が圧迫部材34の上面34Aに沿って移動される。詳細は後述するが、圧迫部材34が圧迫している乳房の形状に応じて撓む場合、圧迫部材34の上面34Aに沿って移動する超音波プローブ55は、マンモグラフィ装置10の撮影台40の撮影面40Aに対して傾いた状態となる。傾き検出センサ57は、そのようにして傾く超音波プローブ55の傾きを検出する。すなわち、本実施形態の傾き検出センサ57は、超音波画像の撮影において、撮影台40の撮影面40Aに対する傾きを検出する。具体的には、傾き検出センサ57は、撮影台40の撮影面40Aに対する垂線となす角度を検出する。このような傾き検出センサ57の具体例としては、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれか等が挙げられる。なお、傾き検出センサ57は、超音波プローブ55内に備えられていてもよいし、超音波プローブ55の外部に設けられる形態であってもよい。また、傾き検出センサ57は、本実施形態と異なり、超音波画像撮影装置16とは別途に設けられていてもよい。いずれにしても、傾き検出センサ57が超音波プローブ55の傾きを検出できれば、その配置や構成については限定されない、
【0086】
操作部56は、超音波画像の撮影等に関する指示や各種情報等をユーザが入力するために用いられる。操作部56は、特に限定されるものではなく、例えば、各種スイッチ、タッチパネル、タッチペン、及びマウス等が挙げられる。表示部58は、各種情報や、超音波プローブ55から受信した受信信号に応じた超音波画像等を表示する。なお、操作部56と表示部58とを一体化してタッチパネルディスプレイとしてもよい。
【0087】
I/F部54は、無線通信または有線通信により、RIS5、及び画像保存システム19との間で各種情報の通信を行う。超音波画像撮影装置16により撮影された超音波画像は、I/F部54を介して画像保存システム19に無線通信または有線通信によって送信される。
【0088】
次に、画像保存システム19について説明する。画像保存システム19は、放射線画像撮影システム2により撮影された放射線画像、及び超音波画像撮影装置16により撮影された超音波画像を保存するシステムである。画像保存システム19は、コンソール12及び超音波画像撮影装置16の各々と無線通信または有線通信により接続されている。画像保存システム19は、保存している放射線画像及び超音波画像から、コンソール12、超音波画像撮影装置16、及びその他の読影装置(図示省略)等からの要求に応じた画像を取り出して、要求元の装置に送信する。画像保存システム19の具体例としては、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)が挙げられる。
【0089】
次に、画像処理装置18について説明する。画像処理装置18は、放射線画像撮影システム2により撮影された放射線画像及び超音波画像撮影装置16により撮影された超音波画像の各々を画像保存システム19から取得し、予め定められた画像処理を行う機能を有する。
【0090】
図4には、画像処理装置18の構成の一例を表すブロック図が示されている。
図4に示すように、画像処理装置18は、制御部60、記憶部62、I/F部64、操作部66、及び表示部68を備えている。制御部60、記憶部62、I/F部64、操作部66、及び表示部68はシステムバスやコントロールバス等のバス69を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0091】
本実施形態の制御部60は、画像処理装置18の全体の動作を制御する。制御部60は、CPU60A、ROM60B、及びRAM60Cを備える。ROM60Bには、CPU60Aで実行される、後述する画像処理プログラム61を含む各種のプログラム等が予め記憶されている。RAM60Cは、各種データを一時的に記憶する。
【0092】
記憶部62には、画像保存システム19から取得した放射線画像、超音波画像、及びその他の各種情報等が記憶される。記憶部62の具体例としては、HDDやSSD等が挙げられる。
【0093】
操作部66は、画像処理に関する指示や各種情報等をユーザが入力するために用いられる。なお、操作部66は特に限定されるものではなく、例えば、各種スイッチ、タッチパネル、タッチペン、及びマウス等が挙げられる。表示部68は、各種情報を表示する。なお、操作部66と表示部68とを一体化してタッチパネルディスプレイとしてもよい。
【0094】
I/F部64は、無線通信または有線通信により、画像保存システム19との間で放射線画像、超音波画像、及び各種情報の通信を行う。
【0095】
図5には、画像処理装置18の機能の一例を表す機能ブロック図が示されている。画像処理装置18は、放射線画像取得部70、超音波画像取得部71、補正情報取得部72、画像補正部74、画像生成部76、対応付部78、及び表示制御部79を備える。一例として本実施形態の画像処理装置18は、制御部60のCPU60Aが画像処理プログラム61を実行することにより、CPU60Aが、放射線画像取得部70、超音波画像取得部71、補正情報取得部72、画像補正部74、画像生成部76、対応付部78、及び表示制御部79として機能する。
【0096】
放射線画像取得部70は、放射線画像Xを取得する機能を有する。一例として本実施形態では、ユーザが操作部66により入力した表示条件を満たす、詳細を後述する連続撮影による一組の放射線画像Xと超音波画像Uを取得する。そのため、放射線画像取得部70は、ユーザが入力した表示条件を受け付けると、受け付けた表示条件に対応する一組の放射線画像Xと超音波画像Uとのうちの放射線画像Xを、I/F部64を介して、画像保存システム19から取得する。表示条件としては、被検者及び乳房を識別する識別情報や、撮影日時を表す情報や、各組の撮影毎に付与される識別情報等が挙げられる。放射線画像取得部70は、取得した放射線画像を対応付部78に出力する。
【0097】
超音波画像取得部71は、超音波画像Uを取得する機能を有する。上述したように、本実施形態の超音波画像取得部71は、放射線画像取得部70が放射線画像を取得する際に用いる表示条件に対応する超音波画像UをI/F部64を介して、画像保存システム19から取得する。なお、本実施形態の超音波画像撮影装置16では、超音波プローブ55を走査しながら複数回、撮影を繰り返すことで、乳房全体の超音波画像Uの撮影が行われる。すなわち、乳房全体としては、連続的に撮影された複数の超音波画像Uが得られることになる。そのため、超音波画像取得部71は、複数の超音波画像Uを取得する。なお、説明を簡略化するため、この複数の超音波画像Uについて、単に「超音波画像U」という場合がある。超音波画像取得部71は、取得した超音波画像Uを画像補正部74に出力する。
【0098】
すなわち、本実施形態では、連続して撮影された一組の放射線画像Xと超音波画像Uとのうち、放射線画像Xを放射線画像取得部70が取得し、超音波画像Uを超音波画像取得部71が取得する。
【0099】
補正情報取得部72は、超音波画像撮影装置16が備える傾き検出センサ57から、検出結果Sを、補正情報として取得する機能を有する。検出結果S、すなわち補正情報の具体例としては、圧迫部材34の上面34A内、または撮影台40の撮影面40A内における位置(XY座標)と、その位置における超音波プローブ55の傾き角度とが挙げられる。補正情報取得部72は、取得した補正情報を画像補正部74に出力する。
【0100】
画像補正部74は、複数の超音波画像Uの各々の座標を補正情報に基づいて補正する。ここで、超音波画像Uの補正について説明する。
図6に示すように、乳房Wを圧迫する前の圧迫部材34は、撓みがなく、上面34Aが撮影台40に対して、平行な状態とみなせる。すなわち、乳房Wを圧迫する前の圧迫部材34の上面34Aと、撮影台40の撮影面40Aとは、平行な状態とみなせる。この状態から圧迫部材34を圧迫方向に移動させ、乳房Wを圧迫状態にすると、乳房Wの形状等に応じて、圧迫部材34が撓む。本実施形態のマンモグラフィ装置10では、圧迫部材34がX方向(被検者の左右方向)に特に撓みやすい。そのため、圧迫部材34の上面34Aと、撮影台40の撮影面40Aが非平行な状態となる。圧迫部材34により乳房Wを圧迫状態として放射線画像Xを撮影する場合は、圧迫部材34の撓みに係わらず、撮影面40Aに対して平行とみなせる画像を得ることができる。
【0101】
一方、圧迫部材34により乳房Wを圧迫状態として超音波画像Uを撮影する場合は、
図7に示すように、圧迫部材34の上面34Aに超音波プローブ55を沿わせるため、圧迫部材34の撓みに応じて、超音波プローブ55が撮影台40の撮影面40Aに対して傾く。具体的には、圧迫部材34に撓みが生じていない場合、撮影台40の撮影面40Aに対する垂線Pと、超音波プローブ55の中心線Lとのなす角度、すなわち撓み角θは0度となる。この場合、超音波プローブ55を用いて撮影される超音波画像Uは、超音波プローブ55の中心線Lに沿った画像となるため、撮影台40の撮影面40Aに対して、垂直とみなせる面の断面画像となる。一方、圧迫部材34に撓みが生じている場合、撮影台40の撮影面40Aに対する垂線Pと、超音波プローブ55の中心線Lとのなす角度、すなわち撓み角θが0°を超える。この場合、超音波プローブ55を用いて撮影される超音波画像Uは、超音波プローブ55の中心線Lに沿った画像となるため、撮影台40の撮影面40Aに対して撓み角θの面の断面画像となってしまう。
【0102】
複数の超音波画像Uを再構成することにより、放射線画像Xの断層画像に相当する、乳房Wの3次元超音波画像や、撮影台40の撮影面40Aに平行な面の断面画像(2次元の画像)を再構成する技術が知られている。上述のように、圧迫部材34が撓んでいると、撮影される超音波画像Uが上述のように、撮影台40の撮影面40Aに対して、垂直とみなせる面の断面画像ではない。そのため、複数の超音波画像Uをこのまま再構成して生成される3次元超音波画像や、断面画像が、撮影台40の撮影面40Aに対して非平行な面の画像となる場合がある。
【0103】
そこで、本実施形態の画像補正部74は、超音波プローブ55の傾き検出センサ57により撓み角θを検出し、撓み角θに基づいて、撮影により得られた超音波画像Uを、撮影台40の撮影面40Aに垂直な面の超音波画像Uに補正する。一例として、本実施形態の画像補正部74は、
図8に示すように、超音波画像Uの深さ方向の各画素u(
図8では、画素u1~u4の4画素について図示)に対して、撓み角θに基づいてアフィン変換を行い、XY座標を、撮影台40の撮影面40Aに平行な面の座標に変換する。画像補正部74は、複数の超音波画像Uの各々に対して、このように撓み角θに基づいて補正を行った後、補正された複数の超音波画像Uを画像生成部76に出力する。
【0104】
画像生成部76は、画像補正部74によって補正された複数の超音波画像Uを、上述のように再構成して、撮影台40の撮影面40Aに平行とみなせる面の断面画像、及び3次元超音波画像の少なくとも一方を生成する。本実施形態における、これらの超音波画像Uの断面画像及び3次元超音波画像の少なくとも一方が、本開示の補正済超音波画像の一例である。なお、以降では、説明の簡略化のため、画像生成部76が3次元超音波画像を生成する場合について説明する。画像生成部76は、生成した3次元超音波画像を、対応付部78に出力する。
【0105】
対応付部78は、画像生成部76により生成された3次元超音波画像と、放射線画像取得部70が取得した放射線画像Xとを対応付ける。上述したように、放射線画像Xは、圧迫部材34により乳房Wを圧迫状態として撮影しても、圧迫部材34の撓みに係わらず、撮影面40Aに対して平行とみなせる画像を得ることができる。そのため、対応付部78が3次元超音波画像と対応付ける放射線画像Xには、圧迫部材34の撓みに基づく補正、すなわち補正情報に基づく補正を行わなくてよい。換言すると、対応付部78は、圧迫部材34の撓みに基づいて補正を行った複数の超音波画像Uから生成された3次元超音波画像に、圧迫部材34の撓みに基づく補正を行わない放射線画像Xを対応付ける。なお、このように、放射線画像Xには、圧迫部材34の撓みに基づく補正を行わないが、コントラストの調整やノイズ除去処理等の画像処理を行ってもよい。なお、対応付部78が、3次元超音波画像と、放射線画像Xとを対応付ける方法は特に限定されず、例えば、対応関係を示す識別情報を3次元超音波画像及び放射線画像Xの各々に付与してもよい。また例えば、対応付部78は、3次元超音波画像と、放射線画像Xとを組み合わせた一つの画像とすることにより、3次元超音波画像と放射線画像Xとを対応付けてもよい。対応付部78は、3次元超音波画像と、放射線画像Xとを対応付けた状態でI/F部64を介して出力し、画像保存システム19に対応関係を維持したまたまで保存させる。また、対応付部78は、対応付けた3次元超音波画像と、放射線画像Xとを表示制御部79に出力する。
【0106】
表示制御部79は、3次元超音波画像と、放射線画像Xとを表示部68に表示させる。なお、表示制御部79は、3次元超音波画像と、放射線画像Xとの対応関係、具体的には、撮影台40の撮影面40A内の座標に対する対応関係をユーザが認識し易いように、3次元超音波画像及び放射線画像Xを表示させることが好ましい。
【0107】
次に、本実施形態の画像処理装置18の作用について図面を参照して説明するが、まずは、画像撮影システム1を用いた、放射線画像X及び超音波画像Uの撮影の流れについて説明する。
図9には、本実施形態の画像撮影システム1を用いた、放射線画像X及び超音波画像Uの撮影の流れの一例を表すフローチャートが示されている。
【0108】
まず、ユーザは、撮影台40の撮影面40A上に、被写体となる被検者の乳房Wをポジショニングする。ポジショニングが完了すると、ユーザは、操作部26により乳房Wの圧迫を指示する。そこで、
図9のステップS10で、マンモグラフィ装置10の制御部20は、圧迫部材34により乳房Wの圧迫を開始する。具体的には、制御部20は、乳房Wの圧迫の指示を受け付けると、圧迫部材34を圧迫方向に移動させ、圧迫部材34により撮影台40の撮影面40Aとの間で乳房Wを圧迫状態にする。
【0109】
次のステップS12では、マンモグラフィ装置10に乳房Wの放射線画像Xを撮影する。具体的には、ユーザが操作部26に含まれる照射スイッチを操作することにより、放射線源36Rから放射線Rを乳房Wに照射させて、放射線検出器30により放射線画像Xの撮影を行う。マンモグラフィ装置10により撮影された放射線画像Xは、コンソール12に出力され、予め定められたタイミングでコンソール12から画像保存システム19に出力され、画像保存システム19内に保存される。
【0110】
次のステップS14では、超音波画像撮影装置16の超音波プローブ55を技師が走査させて、圧迫部材34により圧迫状態とされている乳房Wの複数の超音波画像Uを撮影する。具体的には、放射線画像Xの撮影後、ユーザは、圧迫部材34の上面34Aに、エコーゼリー等の音響マッチング部材(図示省略)を塗布する。さらに、ユーザは、音響マッチング部材により覆われた、圧迫部材34の上面34Aを超音波プローブ55により超音波で走査することで複数の超音波画像Uを撮影する。
【0111】
なお、本実施形態の圧迫部材34は、一方の辺に固定端がある。具体的には、
図2に示すように、圧迫ユニット46に接続される方が固定端である。本実施形態では、圧迫部材34の固定端と、固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向、すなわち、被検体の交差方向に、超音波プローブ55を走査させて、複数の超音波画像Uを取得する。圧迫部材34の固定端と自由端とを結ぶ方向、すなわち、被検者の前後方向には、圧迫部材34は、ほぼ傾くだけであり、被検者の左右方向に圧迫部材34が撓む。そのため、撓む方向を考慮すると、被検者の左右方向に超音波プローブ55を走査して、複数の超音波画像Uを得ることにより、画像補正部74による補正が行い易くなる。超音波画像撮影装置16により撮影された超音波画像Uは、一旦、記憶部52に記憶された後、予め定められたタイミングで超音波画像撮影装置16から画像保存システム19に出力され、画像保存システム19内に保存される。
【0112】
超音波画像Uの撮影が終了すると、次のステップS16では、圧迫部材34による乳房Wの圧迫を解除する。具体的には、ユーザは、操作部26により、圧迫を解除するための指示を行う。制御部20は、乳房Wの圧迫の解除を受け付けると、圧迫部材34を圧迫解除方向に移動させ、圧迫部材34を撮影台40の撮影面40Aから離れる方向に移動させて、圧迫部材34による乳房Wの圧迫を解除する。このようにして、ステップS16の処理が終了すると、放射線画像X及び超音波画像Uの連続撮影が終了する。なお、本実施形態では、
図9に示した流れのように、乳房Wを圧迫部材34により圧迫状態としたままで放射線画像X及び超音波画像Uを連続して撮影することを、「連続撮影」という。なお、放射線画像Xの撮影(
図9のステップS12)と、超音波画像Uの撮影(
図9のステップS14)との順番は限定されないが、乳房Wの圧迫時間を短縮する観点からは、本実施形態のように放射線画像Xの撮影を先に行うことが好ましい。また、放射線画像Xの撮影と超音波画像Uの撮影との間で、乳房Wの圧迫状態に変化がないとみなせる程度ならば、圧迫部材34により乳房Wを圧迫する圧迫力を弱めてもよい。例えば、乳房Wの乳腺の展開具合に変化が生じないとみなせる程度ならば、圧迫部材34による圧迫力を弱めてもよい。
【0113】
このようにして放射線画像X及び超音波画像Uの連続撮影が終了すると、画像処理装置18による画像処理が行われる。本実施形態の画像処理装置18は、一例として、上述したように、ユーザが操作部66により入力した、表示させたい放射線画像X及び超音波画像Uの表示条件を受け付けた場合、制御部60のCPU60Aが、ROM60Bに記憶されている画像処理プログラム61を実行することにより、
図10に一例を示した画像処理を実行する。
図10には、本実施形態の画像処理装置18における画像処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0114】
まず、ステップS100で放射線画像取得部70は、上述したように、表示条件を満たす放射線画像Xを画像保存システム19から取得する。次のステップS102で超音波画像取得部71は、上述したように、表示条件を満たす超音波画像Uを画像保存システム19から取得する。ステップS100及びS102の処理により、画像処理装置18は。連続撮影により得られた1組の放射線画像Xと超音波画像Uとを取得する。
【0115】
次のステップS104で補正情報取得部72は、上述したように、超音波画像撮影装置16の傾き検出センサ57から検出結果Sを補正情報として取得する。一例として本実施形態の補正情報取得部72は、上述したように、検出結果S、すなわち補正情報として、傾き検出センサ57が検出した超音波プローブ55の傾き角度を、圧迫部材34の撓み角θとして取得する。
【0116】
次のステップS106で、画像補正部74は、上述したように、補正情報に基づいて、複数の超音波画像Uの各々について、補正を行う。具体的には、本実施形態の画像補正部74は、上述したように、補正情報である圧迫部材34の撓み角θに基づいて、複数の超音波画像Uの各々についてアフィン変換を行うことで超音波画像Uの補正を行う。
【0117】
次のステップS108で画像生成部76は、上述したように、補正された複数の超音波画像Uを再構成し、3次元超音波画像を生成する。
【0118】
次のステップS110で対応付部78は、上記ステップS100で取得した放射線画像Xと、上記ステップS108で生成した3次元超音波画像とを、上述のように対応付ける。また、対応付部78は、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付けた状態で、画像保存システム19に保存させる。
【0119】
次のステップS112で表示制御部79は、上述したように、上記ステップS110で対応付けた放射線画像Xと3次元超音波画像とを表示部68に表示させる。ステップS112の処理が終了すると、
図10に示した画像処理が終了する。
【0120】
[第2実施形態]
以下、本開示の技術の別の実施形態について説明する。
なお、本実施形態において、画像撮影システム1全体の構成、マンモグラフィ装置10、コンソール12、超音波画像撮影装置16、及び画像保存システム19の構成及び動作は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0121】
一方、本実施形態では、画像処理装置18の機能及び動作が第1実施形態の画像処理装置18と異なるため、画像処理装置18について詳細に説明する。なお、画像処理装置18のハードウェアの構成は、第1実施形態の画像処理装置18(
図4参照)と同様のため、ハードウェアの構成については説明を省略する。
【0122】
図11には、本実施形態の画像処理装置18の機能の一例を表す機能ブロック図が示されている。本実施形態の画像処理装置18は、放射線画像取得部70、超音波画像取得部71、補正情報取得部72、画像補正部74、画像生成部76、圧迫状態判定部77、対応付部78、及び表示制御部79を備える。一例として本実施形態の画像処理装置18は、制御部60のCPU60Aが画像処理プログラム61を実行することにより、CPU60Aが、放射線画像取得部70、超音波画像取得部71、補正情報取得部72、画像補正部74、画像生成部76、圧迫状態判定部77、対応付部78、及び表示制御部79として機能する。
【0123】
図11に示すように、本実施形態の放射線画像Xには、放射線画像Xを撮影した際の、乳房Wの圧迫条件cxが対応付けられている。本実施形態の圧迫条件cxとは、マンモグラフィ装置10において、放射線画像Xを圧迫部材34による圧迫する際の条件を表しており、乳房Wの圧迫状態に係わる条件である。本実施形態では、圧迫条件が同一の場合、乳房Wの圧迫状態が同一であるとみなせる。圧迫条件cxの具体例としては、圧迫部材34により乳房Wを圧迫する圧力、圧迫部材34の種類、及び圧迫部材34と撮影台40の撮影面40Aと間隔等が挙げられる。
【0124】
そのため、本実施形態の放射線画像取得部70は、放射線画像Xと、放射線画像Xに対応付けられた圧迫条件cxとを取得し、圧迫状態判定部77に出力する。
【0125】
また、
図11に示すように、本実施形態の超音波画像Uには、超音波画像Uを撮影した際の乳房Wの圧迫条件cuが対応付けられている。なお、本実施形態では、超音波画像Uのみを撮影する場合もマンモグラフィ装置10を用い、圧迫部材34により乳房Wを圧迫状態にして超音波画像Uの撮影を行う。また、本実施形態では、圧迫条件cuと圧迫条件cxとを比較するため、圧迫条件cuは、圧迫条件cxと同様の条件としている。
【0126】
そのため、本実施形態の超音波画像取得部71は、超音波画像Uと、超音波画像Uに対応付けられた圧迫条件cuとを取得し、画像補正部74に出力する。
【0127】
補正情報取得部72は、第1実施形態において上述したように、乳房Wを圧迫することにより撓んだ圧迫部材34の撓みに応じて傾く、超音波プローブ55の傾き角に応じた撓み角θである検出結果Sを、補正情報として取得し、画像補正部74に出力する。
【0128】
画像補正部74は、第1実施形態において上述したように、圧迫部材34の撓みによる撓み角θに基づいて、複数の超音波画像Uの各々について、撮影台40の撮影面40Aに垂直な面の断面画像とする補正を行う。画像補正部74は、補正後の複数の超音波画像Uと、圧迫条件cuとを画像生成部76に出力する。
【0129】
画像生成部76は、第1実施形態において上述したように、画像補正部74によって補正された複数の超音波画像Uを再構成して、3次元超音波画像を生成する。画像生成部76は、生成した3次元超音波画像と、圧迫条件cuとを圧迫状態判定部77に出力する。
【0130】
圧迫状態判定部77は、放射線画像Xの撮影における乳房Wの圧迫状態と、超音波画像Uの撮影における乳房Wの圧迫状態とが同一であるか否かを判定する。本実施形態の圧迫状態判定部77は、放射線画像Xと超音波画像Uとが連続撮影されたものである場合、放射線画像X及び超音波画像Uの撮影における乳房Wの圧迫状態が同一であるとみなせると判定する。また本実施形態の圧迫状態判定部77は、圧迫条件cxと圧迫条件cuとを比較し、圧迫条件cxと圧迫条件cuとが同一であるとみなせる場合、超音波画像Uの撮影における乳房Wの圧迫状態とが同一であるとみなせると判定する。圧迫状態判定部77は、判定結果を対応付部78に出力する。
【0131】
対応付部78は、圧迫状態判定部77の判定結果が、圧迫状態が同一であるとみなせるとの判定結果の場合、第1実施形態において上述したように、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付ける。
【0132】
表示制御部79は、放射線画像X及び3次元超音波画像を表示部68に表示させる。なお、第1実施形態において上述したように、放射線画像Xと3次元超音波画像とが対応付けられた場合、対応関係をユーザが認識し易いように表示させることが好ましい。一方、放射線画像Xと3次元超音波画像とが対応付けられていない場合は、対応付けができない旨、すなわち、撮影における圧迫状態がことなる旨もユーザに提示することが好ましい。
【0133】
次に、本実施形態の画像撮影システム1を用いた、放射線画像X及び超音波画像Uの撮影の流れの一例について説明する。放射線画像X及び超音波画像Uの撮影としては、第1実施形態において上述したように、連続撮影(
図9参照)を行うことが挙げられる。さらに、本実施形態では、連続撮影以下の場合も含まれる。具体的には、放射線画像Xのみを撮影する
図12Aに示した撮影の流れと、超音波画像Uのみを撮影する
図12Bに示した撮影の流れの各々に基づいて、放射線画像Xと、超音波画像Uとを別途に撮影してもよい。具体的には、
図12Aに示すように、
図9に示した撮影の流れのうちの、ステップS10、S12、S16の処理のみを行い、マンモグラフィ装置10で圧迫部材34により乳房Wを圧迫状態にして、乳房Wの放射線画像Xのみを撮影した後、圧迫状態を解除する。この放射線画像Xの撮影の前、または撮影の後に、
図12Bに示すように、
図9に示した撮影の流れのうちの、ステップS10、S14、S16の処理のみを行い、マンモグラフィ装置10で圧迫部材34により乳房Wを圧迫状態にして、乳房Wの超音波画像Uのみを撮影した後、圧迫状態を解除する。なお、撮影における乳房Wの圧迫状態が同一であれば、放射線画像Xの撮影に用いられるマンモグラフィ装置10と、超音波画像Uの撮影の際に、乳房Wの圧迫に用いられるマンモグラフィ装置10は同一でなくてもよい。また、撮影における乳房Wの圧迫状態が同一であれば、超音波画像Uの撮影の際に、乳房Wの圧迫に用いられる装置は、マンモグラフィ装置以外の装置であってもよい。
【0134】
次に、本実施形態の画像処理装置18の作用について説明する。
図13には、本実施形態の画像処理装置18における画像処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0135】
まず、ステップS200で放射線画像取得部70は、上述したように、表示条件を満たす放射線画像X及び圧迫条件cxを画像保存システム19から取得する。次のステップS202で超音波画像取得部71は、上述したように、表示条件を満たす超音波画像U及び圧迫条件cuを画像保存システム19から取得する。なお、この場合、放射線画像Xを取得するための表示条件と、超音波画像Uを取得するための表示条件とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0136】
次のステップS204で補正情報取得部72は、第1実施形態の画像処理(
図10参照)のステップS104と同様に、超音波画像撮影装置16の傾き検出センサ57から検出結果Sを補正情報として取得する。
【0137】
次のステップS206で、画像補正部74は、第1実施形態の画像処理(
図10参照)のステップS106と同様に、補正情報に基づいて、複数の超音波画像Uの各々について、補正を行う。
【0138】
次のステップS208で画像生成部76は、第1実施形態の画像処理(
図10参照)のステップS108と同様に、補正された複数の超音波画像Uを再構成し、3次元超音波画像を生成する。
【0139】
次のステップS210で圧迫状態判定部77は、上記ステップS200で取得した放射線画像Xと、上記ステップS202で取得した超音波画像Uとが連続撮影により得られたものであるか否かを判定する。連続撮影により得られたものである場合、ステップS210の判定が肯定判定となり、ステップS214へ移行する。
【0140】
ステップS214で対応付部78は、第1実施形態の画像処理(
図10参照)のステップS110と同様に、上記ステップS200で取得した放射線画像Xと、上記ステップS208で生成した3次元超音波画像とを対応付ける。また、対応付部78は、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付けた状態で、画像保存システム19に保存させた後、ステップS216へ移行する。
【0141】
一方、放射線画像Xと超音波画像Uとが連続撮影により得られたものではない場合、ステップS210の判定が否定判定となり、ステップS212へ移行する。ステップS212で圧迫状態判定部77は、上述したように、乳房Wの圧迫状が同一でるとみなせるか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、放射線画像Xの撮影における乳房Wの圧迫条件cxと、超音波画像Uの撮影における乳房Wの圧迫条件cuとが同一であるとみなせるか否かを判定する。圧迫条件cxと圧迫条件cuとが同一であるとみなせる場合、ステップS212に判定が肯定判定となり、ステップS214へ移行する。一方、圧迫条件cxと圧迫条件cuとが同一であるとみなせない場合、ステップS212に判定が否定判定となり、ステップS216へ移行する。
【0142】
ステップS216で表示制御部79は、上述したように、放射線画像Xと3次元超音波画像とを表示部68に表示させる。ステップS216の処理が終了すると、
図13に示した画像処理が終了する。
【0143】
なお、圧迫状態判定部77が、放射線画像X及び超音波画像Uの撮影における乳房Wの圧迫状態が同一であるとみなす方法は、上述した圧迫条件cxと圧迫条件cuとが同一であるか否かによる方法に限定されない。例えば、放射線画像Xの撮影において圧迫状態にある乳房Wの状態と、超音波画像Uの撮影において圧迫状態にある乳房Wの状態とが同一である場合に、放射線画像X及び超音波画像Uの撮影における乳房Wの圧迫状態が同一であるとみなす方法であってもよい。この場合、
図13に示した画像処理のステップS212の処理を、
図14に示したステップS212Aの処理に置き換えればよい。ステップS212Aで圧迫状態判定部77は、放射線画像Xの撮影において圧迫状態にある乳房Wの状態と、超音波画像Uの撮影において圧迫状態にある乳房Wの状態とが同一であるか否かを判定する。なお、圧迫状態判定部77が乳房Wの状態が同一であるか否かを判定する方法は、特に限定されず、例えば、圧迫部材34により圧迫状態とされた乳房Wの厚み、圧迫状態における乳房Wと撮影台40の撮影面40Aの接触面積、及び圧迫状態における乳房Wと圧迫部材34との接触面積のうちの少なくとも一つが同一であるか否かによって判定する方法を用いてもよい。
【0144】
また、例えば、連続撮影により得られた放射線画像Xと超音波画像Uとのうちの超音波画像Uにより生成された3次元超音波画像と、別途、撮影された放射線画像Xとを対応付ける形態としてもよい。この場合、圧迫状態判定部77は、連続撮影により得られた放射線画像Xを基準(以下、「基準放射線画像KX」という)とし、基準放射線画像KXと、別途、撮影された放射線画像Xとの類似度が予め定められた基準を満たす場合、乳房Wの圧迫状態が同一であるとみなすことができる。予め定められた基準とは類似度が閾値以上である場合等があげられ、放射線画像Xにおける何に具体的に注目して類似度を判断するかは、圧迫状態に応じて変化する内容に基づいて定めることが好ましい。例えば、放射線画像Xにおける、乳房Wにおけるスキンラインの位置、乳房W部分の面積、及び乳腺の展開具合等の類似度が挙げられる。
【0145】
上述したように本実施形態の画像処理装置18では、連続撮影ではない放射線画像Xと超音波画像Uとにおいても、撮影における乳房Wの圧迫状態が同一とみなせるならば、放射線画像Xと」超音波画像Uとを対応付ける。しかしながら、このような場合、放射線画像Xを撮影したときと、超音波画像Uを撮影したときとで、乳房W自体の状態が同一ではない場合、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付けることが好ましくない場合がある。このような乳房W自体の状態としては、乳房Wの硬さ、及び大きさ等が挙げられる。一般に、同一の被検者の同一方向の乳房Wであっても、その日によって、硬さや大きさが異なる場合がある。このような場合、例えば、圧迫条件が同じであっても、圧迫状態とされた乳房Wの状態が異なってしまう場合がある。また例えば、乳房W自体の状態としては、乳腺、石灰化、及び腫瘤等、乳房Wの内部構造の状態が挙げられる。
【0146】
このように、放射線画像Xを撮影したときと超音波画像Uを撮影したときとで、乳房W自体の状態が同一ではない場合、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付けないようにする場合の例について説明する。この場合、放射線画像Xには、圧迫条件cxと同様に、放射線画像Xを撮影した際の乳房W自体の状態を表す情報が対応付けられており、放射線画像取得部70は、放射線画像Xと井に、乳房W自体の状態を表す情報を取得する。また、超音波画像Uには、cuと同様に、超音波画像Uを撮影した際の乳房W自体の状態を表す情報が対応付けられており、超音波画像取得部71は、超音波画像Uと共に、乳房W自体の状態を表す情報を取得する。対応付部78は、放射線画像Xを撮影した際の乳房W自体の状態を表す情報と、超音波画像Uを撮影した際の乳房W自体の状態を表す情報とを比較し、両者が同一とみなせる場合、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付ける。この場合の画像処理では、
図15に示すように、
図13に示した画像処理のステップS214の前にステップS213の処理を含む。すなわち、ステップS210で肯定判定となった場合、及びステップS212で肯定判定となった場合、ステップS213に移行する。ステップS213で対応付部78は、上述したように、放射線画像Xを撮影した際の乳房W自体の状態と、超音波画像Uを撮影した際の乳房W自体の状態とが同一とみなせるか否かを判定する。同一であるとみなせる場合、ステップS213の判定が肯定判定となり、ステップS214へ移行する。一方、同一であるとみなせない場合、ステップS213の判定が否定判定となり、ステップS216へ移行する。これにより、画像処理装置18では、圧迫状態が同一かつ、乳房W自体の状態が同一の場合に、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付けることとなる。
【0147】
[第3実施形態]
以下、本開示の技術の別の実施形態について説明する。具体的には、本実施形態では、画像処理装置18が、連続撮影により得られた超音波画像Uにより生成された3次元超音波画像と、別途に撮影された放射線画像Xとを対応付ける形態について説明する。
【0148】
なお、本実施形態において、画像撮影システム1全体の構成、マンモグラフィ装置10、コンソール12、超音波画像撮影装置16、及び画像保存システム19の構成及び動作は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0149】
一方、本実施形態では、画像処理装置18の機能及び動作が第1実施形態の画像処理装置18と異なるため、画像処理装置18について詳細に説明する。なお、画像処理装置18のハードウェアの構成は、第1実施形態の画像処理装置18(
図4参照)と同様のため、ハードウェアの構成については説明を省略する。
【0150】
図16には、本実施形態の画像処理装置18の機能の一例を表す機能ブロック図が示されている。本実施形態の画像処理装置18は、放射線画像取得部70、連続撮影画像取得部73、補正情報取得部72、画像補正部74、画像生成部76、画像類似度導出部75、対応付部78、及び表示制御部79を備える。一例として本実施形態の画像処理装置18は、制御部60のCPU60Aが画像処理プログラム61を実行することにより、CPU60Aが、放射線画像取得部70、連続撮影画像取得部73、補正情報取得部72、画像補正部74、画像生成部76、画像類似度導出部75、対応付部78、及び表示制御部79として機能する。
【0151】
本実施形態の放射線画像取得部70は、第1実施形態において上述仕様に、放射線画像Xを取得し、画像類似度導出部75に出力する。
【0152】
連続撮影画像取得部73は、連続撮影により得られた、基準放射線画像KXと、複数の超音波画像Uとを取得し、画像補正部74に出力する。
【0153】
補正情報取得部72は、第1実施形態において上述したように、乳房Wを圧迫することにより撓んだ圧迫部材34の撓みに応じて傾く、超音波プローブ55の傾き角に応じた撓み角θである検出結果Sを、補正情報として取得し、画像補正部74に出力する。
【0154】
画像補正部74は、第1実施形態において上述したように、圧迫部材34の撓みによる撓み角θに基づいて、複数の超音波画像Uの各々について、撮影台40の撮影面40Aに垂直な面の断面画像とする補正を行う。画像補正部74は、基準放射線画像KXと、補正後の複数の超音波画像Uとを画像生成部76に出力する。
【0155】
画像生成部76は、第1実施形態において上述したように、画像補正部74によって補正された複数の超音波画像Uを再構成して、3次元超音波画像を生成する。画像生成部76は、基準放射線画像KXと、生成した3次元超音波画像とを画像類似度導出部75に出力する。
【0156】
画像類似度導出部75は、上述したように、基準放射線画像KXと、放射線画像Xとの類似度を導出する。放射線画像同士の類似度としては、圧迫状態に応じて変化する内容に基づいて定めることが好ましい。例えば、類似度としては、放射線画像同士における、乳房Wにおけるスキンラインの位置、乳房W部分の面積、及び乳腺の展開具合等の類似度が挙げられる。画像類似度導出部75は、基準放射線画像KXと、放射線画像Xとの類似度を表す数値を対応付部78に出力する。
【0157】
対応付部78は、画像類似度導出部75が導出した類似度が予め定められた基準を満たす場合、第1実施形態において上述したように、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付ける。一例として、本実施形態の対応付部78は予め定められた基準として、類似度が閾値以上である場合、予め定められた基準を満たすと判定し、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付ける。
【0158】
表示制御部79は、放射線画像X及び3次元超音波画像を表示部68に表示させる。なお、第2実施形態において上述したように、放射線画像Xと3次元超音波画像とを表示部68に表示させることが好ましい。
【0159】
次に、本実施形態の画像処理装置18の作用について説明する。
図17には、本実施形態の画像処理装置18における画像処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0160】
まず、ステップS300で放射線画像取得部70は、上述したように、表示条件を満たす放射線画像Xを画像保存システム19から取得する。次のステップS302で連続撮影画像取得部73は、上述したように、表示条件を満たす連続撮影により得られた基準放射線画像KX及び複数の超音波画像Uを画像保存システム19から取得する。
【0161】
次のステップS304で補正情報取得部72は、第1実施形態の画像処理(
図10参照)のステップS104と同様に、超音波画像撮影装置16の傾き検出センサ57から検出結果Sを補正情報として取得する。
【0162】
次のステップS306で、画像補正部74は、第1実施形態の画像処理(
図10参照)のステップS106と同様に、補正情報に基づいて、複数の超音波画像Uの各々について、補正を行う。
【0163】
次のステップS308で画像生成部76は、第1実施形態の画像処理(
図10参照)のステップS108と同様に、補正された複数の超音波画像Uを再構成し、3次元超音波画像を生成する。
【0164】
次のステップS310で画像類似度導出部75は、上述したように、上記ステップS300で取得した放射線画像Xと、上記ステップS302で取得した基準放射線画像KXとの類似度を導出する。
【0165】
次のステップS312で対応付部78は、上記ステップS310で導出した類似度が閾値以上であるか否かを判定する。類似度が閾値未満の場合、ステップS312の判定が否定判定となり、ステップS316へ移行する。一方、類似度が閾値以上の場合、ステップS312の判定が肯定判定となり、ステップS314へ移行する。
【0166】
ステップS314で対応付部78は。第1実施形態の画像処理(
図10参照)のステップS110と同様に、上記ステップS300で取得した放射線画像Xと、上記ステップS308で生成した3次元超音波画像とを対応付ける。また、対応付部78は、放射線画像Xと3次元超音波画像とを対応付けた状態で、画像保存システム19に保存させた後、ステップS316へ移行する。
【0167】
ステップS316で表示制御部79は、上述したように、放射線画像Xと3次元超音波画像とを表示部68に表示させる。ステップS316の処理が終了すると、
図17に示した画像処理が終了する。
【0168】
以上説明したように、第1~第3実施形態の画像処理装置18によれば、圧迫状態で撮影された乳房の放射線画像と超音波画像との比較を行い易くすることができる。
【0169】
なお、各実施形態の画像補正部74が複数の超音波画像Uの各々を補正する方法は、上記各実施形態に記載された方法に限定されない。画像補正部74が複数の超音波画像Uを補正するためには、超音波プローブ55の傾き、及び圧迫部材34の撓みの少なくとも一方を補正情報として取得できればよい。
【0170】
圧迫部材34の撓みを取得するための変形例としては、圧迫部材34、具体的には圧迫部材34の上面34Aと予め定められた位置との距離を検出するセンサを用い、センサが検出した距離を補正情報として用いることができる。この場合、画像補正部74は、センサが検出した距離から圧迫部材34の撓み角θを導出する。このようなセンサとしては、例えば、TOF(Time Of Flight)カメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つが挙げられる。このようなセンサは、マンモグラフィ装置10に備えられていてもよいし、マンモグラフィ装置10の外部に設けられていてもよい。
【0171】
また、補正情報として、圧迫状態とされた乳房Wの幅、若しくは幅及び厚みと、乳房Wを圧迫する圧力とを表す情報を用いてもよい。この場合、圧迫状態とされた乳房Wの幅、若しくは幅及び厚みと、乳房Wを圧迫する圧力と、圧迫部材34の撓み角θとの対応関係を表す対応関係情報を予め作成しておく。そして、画像補正部74は、対応関係情報と補正情報とに基づいて、圧迫部材34の撓み角θを導出し、撓み角θに基づいて、複数の超音波画像Uの各々を補正する。
【0172】
また、補正情報として、圧迫状態の乳房Wの幅及び厚み、乳房Wを圧迫する圧力の各々を表す情報であってもよい。この場合、画像補正部74は、圧迫状態の乳房Wの幅及び厚み、乳房Wを圧迫する圧力から、構造力学的に、圧迫部材34の撓み角θを導出し、撓み角θに基づいて、複数の超音波画像Uの各々を補正する。なお、構造力学的に撓み角θを導出する場合、圧迫部材34の構造、圧迫部材34のヤング率、及び乳房Wのヤング率も用いることが好ましい。また、乳房Wを剛体とした場合、圧迫状態の乳房Wの厚みを用いなくてもよいが、乳房Wの幅及び厚みを用いることにより、乳房Wの変形も考慮した、より高度な補正を行うことができる。なお、圧迫状態の乳房Wの幅及び厚み、乳房Wを圧迫する圧力等を補正情報として用いることを可能にするための方法については、特に限定されない。例えば、圧迫状態の乳房Wの幅及び厚み、乳房Wを圧迫する圧力等の検出方法は、特に限定されず、公知の手法を用いることができる。圧迫状態の乳房Wの幅の検出方法の具体例としては、圧迫状態の乳房Wを可視光カメラにより撮影した撮影画像に対して画像解析を行うことにより検出する方法が挙げられる。また、圧迫状態の乳房Wの厚みの検出方法の具体例としては、乳房を圧迫するために圧迫部材34を初期位置から移動させた移動量に基づいて検出する方法が挙げられる。
【0173】
上記各実施形態において、例えば放射線画像取得部70、超音波画像取得部71、補正情報取得部72、画像補正部74、画像生成部76、対応付部78、及び表示制御部79といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、上述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device :PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0174】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0175】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態が挙げられる。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態が挙げられる。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0176】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0177】
また、上記各実施形態では、画像処理プログラム61が画像処理装置18の制御部60に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。画像処理プログラム61は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、画像処理プログラム61は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0178】
その他、上記各実施形態で説明した画像撮影システム1、放射線画像撮影システム2、マンモグラフィ装置10、超音波画像撮影装置16、及び画像処理装置18等の構成及び動作等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよいこともいうまでもない。
【0179】
以上の上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0180】
(付記1)
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記補正済超音波画像と、前記放射線画像とを対応付ける
画像処理装置。
【0181】
(付記2)
前記プロセッサは、
前記プローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方を検出するセンサの検出結果を前記補正情報として取得する
付記1に記載の画像処理装置。
【0182】
(付記3)
前記センサは、前記プローブに設けられた、前記プローブの傾きを検出するためのセンサである
付記2に記載の画像処理装置。
【0183】
(付記4)
前記センサは、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれかである
付記3に記載の画像処理装置。
【0184】
(付記5)
前記センサは、前記圧迫部材と予め定められた位置との距離を検出するセンサである
付記2に記載の画像処理装置。
【0185】
(付記6)
前記センサは、TOFカメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つである
付記5に記載の画像処理装置。
【0186】
(付記7)
前記補正情報は、圧迫状態とされた前記乳房の厚み及び幅と、前記乳房を圧迫する圧力とを含み、
前記プロセッサは、
圧迫状態とされた前記乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、前記乳房を圧迫する圧力と、前記圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した前記圧迫部材の撓みに基づいて補正した前記複数の超音波画像から前記補正済超音波画像を生成する
付記1に記載の画像処理装置。
【0187】
(付記8)
前記プロセッサは、
前記複数の超音波画像の各々の座標を前記補正情報に基づいて補正した後、再構成することにより3次元超音波画像を前記補正済超音波画像として生成する
付記1から付記7のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0188】
(付記9)
前記プロセッサは、
前記補正情報に基づいて得られた、前記複数の超音波画像の各々の撮影位置における前記圧迫部材の撓み角に基づいて、前記複数の超音波画像の各々をアフィン変換する
付記8に記載の画像処理装置。
【0189】
(付記10)
前記補正情報は圧迫状態の前記乳房の幅及び厚み、前記乳房を圧迫する圧力の各々を表す情報を含み、
前記プロセッサは、
前記補正情報から前記撓み角を導出する
付記9に記載の画像処理装置。
【0190】
(付記11)
前記圧迫部材は、一方の辺に固定端があり、前記固定端と、前記固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向に、前記プローブを走査させて得られた超音波画像である
付記1から付記10のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0191】
(付記12)
前記プロセッサが前記補正済超音波画像に対応付ける放射線画像には、前記補正情報に基づいた補正がされていない
付記1から付記11のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0192】
(付記13)
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記補正済超音波画像と、前記放射線画像とを対応付ける
処理をコンピュータが実行する画像処理方法。
【0193】
(付記14)
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記補正済超音波画像と、前記放射線画像とを対応付ける
処理をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【0194】
(付記15)
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材によって乳房を圧迫状態として撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記放射線画像における前記乳房の圧迫状態が、前記複数の超音波画像の撮影における前記乳房の圧迫状態と同一であるとみなせるか否かを判定し、
前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定した場合、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付ける
画像処理装置。
【0195】
(付記16)
前記プロセッサは、
前記複数の超音波画像の撮影と前記放射線画像の撮影とが、前記乳房を圧迫部材により圧迫状態としたまま連続して行われた場合、前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する
付記15に記載の画像処理装置。
【0196】
(付記17)
前記プロセッサは、
前記乳房を圧迫状態とするための圧迫条件が同一の場合、前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する
付記15に記載の画像処理装置。
【0197】
(付記18)
前記プロセッサは、
圧迫状態とされた乳房の状態が同一の場合、前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する
付記15に記載の画像処理装置。
【0198】
(付記19)
前記プロセッサは、
さらに、前記複数の超音波画像の撮影における前記乳房自体の状態と、前記放射線画像の撮影における前記乳房自体の状態とが同一であるとみなせる場合に、前記放射線画像と、前記補正済超音波画像とを対応付ける
付記15に記載の画像処理装置。
【0199】
(付記20)
前記プロセッサは、
前記乳房を前記圧迫部材により圧迫状態としたまま前記複数の超音波画像の撮影と連続して撮影が行われた基準放射線画像をさらに取得し、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度が予め定められた基準を満たす場合、前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定する
付記15に記載の画像処理装置。
【0200】
(付記21)
前記プロセッサは、
前記プローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方を検出するセンサの検出結果を前記補正情報として取得する
付記15に記載の画像処理装置。
【0201】
(付記22)
前記センサは、前記プローブに設けられた、前記プローブの傾きを検出するためのセンサである
付記21に記載の画像処理装置。
【0202】
(付記23)
前記センサは、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれかである
付記22に記載の画像処理装置。
【0203】
(付記24)
前記センサは、前記圧迫部材と予め定められた位置との距離を検出するセンサである
付記21に記載の画像処理装置。
【0204】
(付記25)
前記センサは、TOFカメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つである
付記24に記載の画像処理装置。
【0205】
(付記26)
前記補正情報は、圧迫状態とされた前記乳房の厚み及び幅と、前記乳房を圧迫する圧力とを含み、
前記プロセッサは、
圧迫状態とされた前記乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、前記乳房を圧迫する圧力と、前記圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した前記圧迫部材の撓みに基づいて補正した前記複数の超音波画像から前記補正済超音波画像を生成する
付記15に記載の画像処理装置。
【0206】
(付記27)
前記プロセッサは、
前記複数の超音波画像の各々の座標を前記補正情報に基づいて補正した後、再構成することにより3次元超音波画像を前記補正済超音波画像として生成する
付記15から付記26のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0207】
(付記28)
前記プロセッサは、
前記補正情報に基づいて得られた、前記複数の超音波画像の各々の撮影位置における前記圧迫部材の撓み角に基づいて、前記複数の超音波画像の各々をアフィン変換する
付記27に記載の画像処理装置。
【0208】
(付記29)
前記補正情報は圧迫状態の前記乳房の幅及び厚み、前記乳房を圧迫する圧力の各々を表す情報を含み、
前記プロセッサは、
前記補正情報から前記撓み角を導出する
付記28に記載の画像処理装置。
【0209】
(付記30)
前記圧迫部材は、一方の辺に固定端があり、前記固定端と、前記固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向に、前記プローブを走査させて得られた超音波画像である
付記15から付記29のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0210】
(付記31)
前記プロセッサが前記補正済超音波画像に対応付ける放射線画像には、前記補正情報に基づいた補正がされていない
付記15から付記30のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0211】
(付記32)
圧迫部材によって乳房を圧迫状態として撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記放射線画像における前記乳房の圧迫状態が、前記複数の超音波画像の撮影における前記乳房の圧迫状態と同一であるとみなせるか否かを判定し、
前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定した場合、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付ける
処理をコンピュータが実行する画像処理方法。
【0212】
(付記33)
圧迫部材によって乳房を圧迫状態として撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記放射線画像における前記乳房の圧迫状態が、前記複数の超音波画像の撮影における前記乳房の圧迫状態と同一であるとみなせるか否かを判定し、
前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなせると判定した場合、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付ける
処理をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【0213】
(付記34)
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで基準放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度に基づいて、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付けるか否か判定する
画像処理装置。
【0214】
(付記35)
前記プロセッサは、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度が予め定められた基準を満たす場合、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付ける
付記34に記載の画像処理装置。
【0215】
(付記36)
前記予め定められた基準は、撮影における前記乳房の圧迫状態が同一であるとみなすための基準である
付記35に記載の画像処理装置。
【0216】
(付記37)
前記プロセッサは、
前記プローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方を検出するセンサの検出結果を前記補正情報として取得する
付記34から付記36のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0217】
(付記38)
前記センサは、前記プローブに設けられた、前記プローブの傾きを検出するためのセンサである
付記37に記載の画像処理装置。
【0218】
(付記39)
前記センサは、磁気センサ、ジャイロセンサ、及び加速度センサのいずれかである
付記38に記載の画像処理装置。
【0219】
(付記40)
前記センサは、前記圧迫部材と予め定められた位置との距離を検出するセンサである
付記37に記載の画像処理装置。
【0220】
(付記41)
前記センサは、TOFカメラ、3Dカメラ、及びレーザ測距装置の少なくとも1つである
付記40に記載の画像処理装置。
【0221】
(付記42)
前記補正情報は、圧迫状態とされた前記乳房の厚み及び幅と、前記乳房を圧迫する圧
とを含み、
前記プロセッサは、
圧迫状態とされた前記乳房の幅、もしくは幅及び厚みと、前記乳房を圧迫する圧力と、前記圧迫部材の撓みを表す情報との対応関係を表す対応関係情報に基づいて特定した前記圧迫部材の撓みに基づいて補正した前記複数の超音波画像から前記補正済超音波画像を生成する
付記34に記載の画像処理装置。
【0222】
(付記43)
前記プロセッサは、
前記複数の超音波画像の各々の座標を前記補正情報に基づいて補正した後、再構成することにより3次元超音波画像を前記補正済超音波画像として生成する
付記34から付記42のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0223】
(付記44)
前記プロセッサは、
前記補正情報に基づいて得られた、前記複数の超音波画像の各々の撮影位置における前記圧迫部材の撓み角に基づいて、前記複数の超音波画像の各々をアフィン変換する
付記43に記載の画像処理装置。
【0224】
(付記45)
前記補正情報は圧迫状態の前記乳房の幅及び厚み、前記乳房を圧迫する圧力の各々を表す情報を含み、
前記プロセッサは、
前記補正情報から前記撓み角を導出する
付記44に記載の画像処理装置。
【0225】
(付記46)
前記圧迫部材は、一方の辺に固定端があり、前記固定端と、前記固定端に対向する自由端とを結ぶ線と交差する方向に、前記プローブを走査させて得られた超音波画像である
付記34から付記45のいずれか1つに記載の画像処理装置。
【0226】
(付記47)
前記プロセッサが前記補正済超音波画像に対応付けるか否か判定する放射線画像には、前記補正情報に基づいた補正がされていない
付記34に記載の画像処理装置。
【0227】
(付記48)
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで基準放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度に基づいて、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付けるか否か判定する
処理をコンピュータが実行する画像処理方法。
【0228】
(付記49)
圧迫部材によって乳房を圧迫状態としたまままで基準放射線画像及び連続的に撮影された複数の超音波画像を取得し、
前記複数の超音波画像の撮影時に前記圧迫部材上を走査したプローブの傾き、及び前記圧迫部材の撓みの少なくとも一方にかかわる補正情報を取得し、
取得した前記複数の超音波画像から、前記補正情報に基づいて補正された補正済超音波画像を生成し、
前記乳房を撮影した放射線画像を取得し、
前記基準放射線画像と前記放射線画像との類似度に基づいて、前記補正済超音波画像と前記放射線画像とを対応付けるか否か判定する
処理をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【0229】
(付記50)
付記1から付記12のいずれか1項、または付記15から付記31のいずれか1項、または付記34から付記47のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
放射線画像撮影装置と、
超音波画像撮影装置と、
を備えた画像撮影システム
【符号の説明】
【0230】
1 画像撮影システム
2 放射線画像撮影システム
5 RIS
10 マンモグラフィ装置
12 コンソール
16 超音波画像撮影装置
18 画像処理装置
19 画像保存システム
20、50、60 制御部
50A、60A CPU
22、52、62 記憶部
24、54、64 I/F部
26、56、66 操作部
30 放射線検出器、30A 検出面
34 圧迫板、34A 上面
36 放射線照射部、36R 放射線源
40 撮影台、40A 撮影面
42 アーム部
44 基台
45 軸部
46 圧迫ユニット
50B、60B ROM
50C、60C RAM
55 超音波プローブ
57 傾き検出センサ
58、68 表示部
59、69 バス
61 画像処理プログラム
70 放射線画像取得部
71 超音波画像取得部
72 補正情報取得部
73 連続撮影画像取得部
74 画像補正部
75 画像類似度導出部
76 画像生成部
77 圧迫状態判定部
78 対応付部
79 表示制御部
cx、cu 圧迫条件
KX 基準放射線画像
L 中心線
P 垂線
R 放射線
S 検出結果
U 超音波画像、u1~u4 画素
W 乳房
X 放射線画像
θ 撓み角