(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127842
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】基材処理システムにおける制御された環境を監視するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240912BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024033831
(22)【出願日】2024-03-06
(31)【優先権主張番号】63/489,337
(32)【優先日】2023-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ギド・ファン・デア・シュタル
(72)【発明者】
【氏名】ベルト・ヨングブルート
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA02
5F131BA04
5F131BA22
5F131BA24
5F131CA12
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA42
5F131JA14
5F131JA15
5F131JA16
5F131JA23
5F131JA24
5F131JA27
5F131JA35
5F131KA05
5F131KA06
5F131KA23
5F131KA24
5F131KA40
5F131KB17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基材処理システムにおける制御された環境を監視するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】制御された環境を有する基材処理システム10は、1つ以上の基材を保持するフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)20と、基材処理チャンバ40と、基材取扱い及び輸送システム30と、環境パラメータを測定する環境センサ31と、環境センサに通信可能に結合された制御装置50とを備え、制御装置は、基材取扱い及び輸送システム内の1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡し、基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定し、1つ以上の環境パラメータが1つ以上の基材の1つ以上の位置で閾値限度内にあるかを判定し、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にないと判定された場合に警報を示す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御された環境を有する基材処理システムであって、
-1つ以上の基材を保持するように構成された、1つ以上のFOUPと、
-前記1つ以上の基材を処理するように構成された、基材処理チャンバと、
-前記1つ以上のFOUPを受容し、前記1つ以上の基材を、前記基材処理チャンバに及び前記基材処理チャンバから輸送するように構成された、基材取扱い及び輸送システムと、
-前記基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを測定するように構成された、環境センサ手段と、
-前記環境センサ手段に通信可能に結合された制御装置であって、
-前記基材取扱い及び輸送システム内の前記1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡し、
-前記基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定し、
-前記1つ以上の環境パラメータが前記1つ以上の基材の前記1つ以上の位置で閾値限度内にあるかを判定し、
-前記1つ以上の環境パラメータが前記閾値限度内にないと判定された場合に警報を示すように構成された、制御装置とを備える、基材処理システム。
【請求項2】
前記基材取扱い及び輸送システムが、FOUP取扱いモジュール、FOUP輸送モジュール、基材取扱いモジュール、基材保管モジュール、及び基材輸送モジュールの、少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御装置が、前記基材取扱い及び輸送システムによって実行される動作に基づいて、前記1つ以上の基材の前記1つ以上の位置を追跡するように構成され、前記動作が、前記1つ以上の基材の前記1つ以上のFOUPからの取出しと、前記1つ以上の基材の前記基材取扱い及び輸送システム内の輸送と、前記1つ以上の基材の保管と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバ内への装填と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバからの取出しと、前記1つ以上の基材の冷却と、前記1つ以上の基材の1つ以上のFOUPへの装填との、少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御装置が、前記1つ以上の環境パラメータが前記閾値限度内にないと判定された場合に、前記基材取扱い及び輸送システムに命令を発行して、前記基材取扱い及び輸送システムによる動作を停止するように構成され、前記動作が、前記1つ以上の基材の前記1つ以上のFOUPからの取出しの停止と、前記1つ以上の基材の前記基材取扱い及び輸送システム内の輸送の停止と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバへの装填の停止と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバからの取出しの停止と、前記1つ以上の基材の1つ以上のFOUPへの装填の停止との、少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御装置が、前記1つ以上の環境パラメータに基づいて1つ以上の処理条件を決定し、前記基材処理チャンバに命令を発行して、前記処理条件に基づいて前記1つ以上の基材を処理するように構成された、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記基材処理システムの前記制御された環境を支援するように構成された、1つ以上の環境支援装置を備え、前記制御装置が、前記1つ以上の環境パラメータが前記閾値レベル内にないと判定された場合に、前記1つ以上の環境支援装置に命令を発行して、前記環境を補正するように構成され、前記補正が、パージ、密封、フラッシング、ガスの更新、放射線の低減、振動の低減、粒子の除去、湿度の変化、及び温度の変化の、少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項7】
前記環境センサ手段が、前記基材取扱い及び輸送システム内に配置された1つ以上の環境センサを備え、前記制御装置が、前記環境センサからの測定値に基づいて、前記基材取扱い及び輸送システムの前記1つ以上の環境パラメータを決定するように構成された、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項8】
前記環境センサ手段が、粒子濃度、化学組成、湿度、温度、振動、及び入射放射線の、少なくとも1つを測定するように構成された、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御装置が、前記基材処理システムによって実行される動作に基づいて、前記1つ以上の環境パラメータが特定の時点で閾値限度内にあるかを決定するように構成され、前記動作が、前記1つ以上の基材の前記1つ以上のFOUPからの取出しと、前記1つ以上の基材の前記基材取扱い及び輸送システム内の輸送と、前記1つ以上の基材の保管と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバ内への装填と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバからの取出しと、前記1つ以上の基材の冷却と、前記1つ以上の基材の1つ以上のFOUPへの装填との、少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項10】
前記環境センサ手段が、前記1つ以上のFOUP内に配置された1つ以上の環境センサを更に備え、前記制御装置が、前記環境センサからの測定値に基づいて、前記1つ以上のFOUPの1つ以上の環境パラメータを決定するように構成された、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項11】
前記環境センサ手段が、前記基材処理チャンバ内に配置された1つ以上の環境センサを更に備え、前記制御装置が、前記環境センサからの測定値に基づいて、前記基材処理チャンバの1つ以上の環境パラメータを決定するように構成された、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項12】
1つ以上の基材を保持する1つ以上のフロントオープニングユニバーサルポッド(FOUP)を受容し、前記1つ以上の基材を、基材処理チャンバに及び基材処理チャンバから輸送するように構成された、基材取扱い及び輸送システムの制御された環境を監視するための装置であって、
-前記基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを測定するように構成された、環境センサ手段と、
-前記環境センサ手段に通信可能に結合された制御装置であって、
-前記基材取扱い及び輸送システム内の前記1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡し、
-前記基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定し、
-前記1つ以上の環境パラメータが前記1つ以上の基材の前記1つ以上の位置で閾値限度内にあるかを判定し、
-前記1つ以上の環境パラメータが前記閾値限度内にないと判定された場合に警報を示すように構成された、制御装置とを備える、装置。
【請求項13】
1つ以上の基材を保持する1つ以上のフロントオープニングユニバーサルポッド(FOUP)を受容し、前記1つ以上の基材を、基材処理チャンバに及び基材処理チャンバから輸送するように構成された、基材取扱い及び輸送システム内の制御された環境を監視するための方法であって、
-前記基材取扱い及び輸送システム内の前記1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡する工程と、
-前記1つ以上の基材の前記1つ以上の位置で、前記基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定する工程と、
-前記1つ以上の環境パラメータが閾値限度内であるかを判定し、前記1つ以上の環境パラメータが前記閾値限度内ではないと判定された場合に警報を示す工程とを含む、方法。
【請求項14】
前記基材取扱い及び輸送システムが、FOUP取扱いモジュール、FOUP輸送モジュール、基材取扱いモジュール、基材保管モジュール、及び基材輸送モジュールの、少なくとも1つを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の基材の前記位置が、前記基材取扱い及び輸送システムによって実行される動作に基づいて追跡され、前記動作が、前記1つ以上の基材の前記1つ以上のFOUPからの取出しと、前記1つ以上の基材の前記基材取扱い及び輸送システム内の輸送と、前記1つ以上の基材の保管と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバ内への装填と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバからの取出しと、前記1つ以上の基材の冷却と、前記1つ以上の基材の1つ以上のFOUPへの装填との、少なくとも1つを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上の基材の1つ以上の将来の位置で、前記基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定することと、前記1つ以上の環境パラメータが閾値限度内であるかを判定することとを更に含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の環境パラメータが前記閾値限度内にないと判定された場合に、前記基材取扱い及び輸送システムによる動作を停止することを更に含み、前記動作が、前記1つ以上の基材の前記1つ以上のFOUPからの取出しの停止と、前記1つ以上の基材の前記基材取扱い及び輸送システム内の輸送の停止と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバへの装填の停止と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバからの取出しの停止と、前記1つ以上の基材の1つ以上のFOUPへの装填の停止との、少なくとも1つを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の環境パラメータに基づいて1つ以上の処理条件を決定し、前記処理条件に基づいて前記基材処理チャンバ内の前記1つ以上の基材を処理することとを更に含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の環境パラメータが前記閾値レベル内にないと判定された場合に、前記環境を補正することを更に含み、前記補正が、パージ、密封、フラッシング、ガスの更新、放射線の低減、振動の低減、粒子の除去、湿度の変更、及び温度の変更の、少なくとも1つを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項20】
1つ以上の環境パラメータが閾値限度内であるかを判定する前記工程が、前記基材取扱い及び輸送システムによって実行される動作に基づいて、特定の時間に行われ、前記動作が、前記1つ以上の基材の前記1つ以上のFOUPからの取出しと、前記1つ以上の基材の前記基材取扱い及び輸送システム内の輸送と、前記1つ以上の基材の保管と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバへの装填と、前記1つ以上の基材の前記基材処理チャンバからの取出しと、前記1つ以上の基材の冷却と、前記1つ以上の基材の1つ以上のFOUPへの装填との、少なくとも1つを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本開示は、概して、半導体基材処理技術の分野に関し、より具体的には、基材処理システム内の制御された環境を監視するための、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(開示の背景)
基材処理システムは、一般的に、集積回路のいくつかの製造段階の間、基材などの半導体基材を、バッチ処理するために使用される。例えば、垂直処理炉又は反応器は、酸化、拡散、アニーリング、化学蒸着(CVD)、及び原子層堆積(ALD)に使用されてもよい。
【0003】
半導体及び半導体製造プロセスがより進歩するにつれて、より高い基材品質に対する要求がある。しかしながら、粒子汚染は、基材品質を著しく損なう可能性があり、例えば、酸素への曝露は、シリコン基材の表面上の自然酸化物成長を引き起こし、有機汚染物質の成長を促進する可能性がある。汚染は、基材の取扱い及び輸送中に起こり得る。更に、基材は、湿度、温度、入射放射線、振動などの、環境の様々な変化に敏感である。
【0004】
輸送中の汚染を回避するために、基材は、典型的には、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)に保持される。FOUPは、概して、基材のための制御された環境を提供するように設計された、特殊なエンクロージャからなる。しかしながら、既存の取扱い及び輸送プロセスは、輸送中又は処理段階(「インライン」)間でFOUP内の環境を追跡する手段を提供せず、代わりに、FOUPが処理から取出されたときのみ(「オフライン」)、環境要因を測定する。これにより、例えば、FOUPが故障又は損傷している場合に、FOUPが取出される時に、反応器を汚染し得る未対処の環境問題があり得る。
【0005】
反応器の処理チャンバ又は反応チャンバ内の処理条件の監視は、一般的な慣行である。しかしながら、処理チャンバ内の基材の処理に費やされる実際の時間は、基材取扱いプロセス全体の小さな部分のみを構成する。実際に、取扱い時間のほとんどは、FOUPから処理チャンバに、並びに様々な基材取扱い及び輸送モジュールを通して戻すように、基材を輸送するために、使用される。
【0006】
現在、潜在的な汚染又は他の環境問題への応答を遅延させる、処理チャンバの外側の環境条件の監視は、ほとんど又は全くない。したがって、半導体処理システム内の基材の環境を監視するための、改善された方法及びシステムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
(開示の概要)
本開示は、概して、半導体処理技術の分野に関し、より具体的には、基材処理システム内の、ウエハなどの基材の環境を監視することに関する。
【0008】
この概要は、選択される概念を、単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の詳細な説明において、更に詳細に説明される。この概要は、特許請求される主題の、主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0009】
典型的な基材処理システムでは、処理チャンバの外側の環境条件の監視は、現在ほとんど又は全くない。しかしながら、いくつかの事例では、基材は、処理チャンバ内にあるよりも長い間、ラックなどの保管モジュール内に保管される。既存のシステムは、様々な基材取扱い及び輸送モジュール間の環境問題を識別することができず、これは、問題が発生した場合に基材への損傷のリスクを増加させる。したがって、環境問題の迅速な識別及び補正は、基材処理システム全体の品質及び効率を改善するために重要である。
【0010】
本開示の技術の様々な態様の第一の概要を、本明細書で以下に示し、その後、特定の実施形態を、より詳細に説明する。この概要は、より迅速に技術概念を理解する上で読者を補助することを意図しているものの、その最も重要な又は不可欠な特徴を特定することも、特許請求の範囲によってのみ限定される本開示の範囲を限定することも意図していない。
【0011】
本開示の一態様は、1つ以上の基材を保持する1つ以上のフロントオープニングユニバーサルポッド(FOUP)を受容し、1つ以上の基材を、基材処理チャンバに及び基材処理チャンバから輸送するように構成された、基材取扱い及び輸送システム内の制御された環境を監視するための方法に関し、方法は、
-基材取扱い及び輸送システム内の、1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡する工程と、
-1つ以上の基材の1つ以上の位置で、基材取扱い及び輸送システムの、1つ以上の環境パラメータを決定する工程と、
-1つ以上の環境パラメータが閾値限度内であるかを判定し、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内ではないと判定された場合に警報を示す工程とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、基材取扱い及び輸送システムは、FOUP取扱いモジュール、FOUP輸送モジュール、基材取扱いモジュール、基材保管モジュール、及び基材輸送モジュールの、少なくとも1つを備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、1つ以上の基材の位置は、基材取扱い及び輸送システムによって実行される動作に基づいて追跡され、動作は、1つ以上の基材の1つ以上のFOUPの中への/からの装填/取出し、1つ以上の基材の基材取扱い及び輸送システム内の輸送、1つ以上の基材の保管と、1つ以上の基材の基材処理チャンバの中への/からの装填/取出し、及び/又は1つ以上の基材の冷却の、少なくとも1つを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の基材の1つ以上の将来の位置で、基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定することと、前記1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にあるかを判定することとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にないと判定された場合に、1つ以上の基材の基材取扱い及び輸送システム内の輸送を停止することを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にないと判定された場合に、基材取扱い及び輸送システムによる動作を停止することを含み、動作は、1つ以上の基材の1つ以上のFOUPからの取出しの停止と、1つ以上の基材の基材取扱い及び輸送システム内の輸送の停止と、1つ以上の基材の基材処理チャンバへの装填の停止と、1つ以上の基材の基材処理チャンバからの取出しの停止と、1つ以上の基材の1つ以上のFOUPへの装填の停止との、少なくとも1つを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の環境パラメータに基づいて1つ以上の処理条件を決定することと、前記処理条件に基づいて処理チャンバ内で1つ以上の基材を処理することとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の環境パラメータが閾値レベル内にないと判定された場合に、環境を補正することを含み、補正は、パージ、密封、フラッシング、ガスの更新、放射線の低減、振動の低減、粒子の除去、湿度の変更、及び/又は温度の変更の、少なくとも1つを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータは、基材処理システム内に配置された、1つ以上の環境センサで測定される。
【0020】
いくつかの実施形態では、基材取扱い及び輸送システムのモジュールの1つ以上の環境パラメータは、環境的に結合された基材処理システムの別のモジュール内に配置された、1つ以上の環境センサで測定された、1つ以上の環境パラメータに基づいて計算される。
【0021】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のFOUP内の、1つ以上の環境パラメータを決定することを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、FOUPの1つ以上の環境パラメータは、FOUP内に配置された、1つ以上の環境センサで測定される。
【0023】
いくつかの実施形態では、FOUPの1つ以上の環境パラメータは、FOUPを取扱い、開閉するように構成された、基材取扱い及び輸送システムのモジュール内に配置された、1つ以上の環境センサで測定された、1つ以上の環境パラメータに基づいて計算される。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つ以上の環境パラメータは、粒子濃度、化学組成、湿度、温度、振動、及び/又は入射放射線の、少なくとも1つを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、化学濃度は、酸素濃度を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、1つ以上の環境パラメータは、リアルタイムで閾値限度内であると判定される。
【0027】
いくつかの実施形態では、1つ以上の環境パラメータは、基材処理システムによって実行される動作に基づいて、特定の時点で閾値限度内であると判定され、動作は、1つ以上の基材の1つ以上のFOUPの中への/からの装填/取出し、1つ以上の基材の基材取扱い及び輸送システム内の輸送、1つ以上の基材の保管、1つ以上の基材の基材処理チャンバの中への/からの装填/取出し、及び/又は1つ以上の基材の冷却の、少なくとも1つを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の時点及び1つ以上の基材位置で、1つ以上の基材の、1つ以上の環境パラメータを記録することを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、方法は、基材処理チャンバ内の、1つ以上の環境パラメータを決定することを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、基材処理チャンバの1つ以上の環境パラメータは、基材処理チャンバ内に配置された、1つ以上の環境センサで測定される。
【0031】
いくつかの実施形態では、基材処理チャンバの1つ以上の環境パラメータは、基材処理チャンバを取扱い、開閉するように構成された、基材取扱い及び輸送システムのモジュール内に配置された、1つ以上の環境センサで測定された、1つ以上の環境パラメータに基づいて計算される。
【0032】
本開示の別の態様は、制御された環境を有する基材処理システムに関し、システムは、
-1つ以上の基材を保持するように構成された、1つ以上のFOUPと、
-1つ以上の基材を処理するように構成された、処理チャンバと、
-1つ以上のFOUPを受容し、1つ以上の基材を、基材処理チャンバに及び基材処理チャンバから輸送するように構成された、基材取扱い及び輸送システムと、
-基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを測定するように構成された、環境センサ手段と、
-環境センサ手段に通信可能に結合された制御装置であって、基材取扱い及び輸送システム内の1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡し、基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定し、1つ以上の環境パラメータが1つ以上の基材の1つ以上の位置で閾値限度内にあるかを判定し、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にないと判定された場合に警報を示すように構成された、制御装置とを備える。
【0033】
いくつかの実施形態では、基材取扱い及び輸送システムは、FOUP取扱いモジュール、FOUP輸送モジュール、基材取扱いモジュール、基材保管モジュール、及び基材輸送モジュールの、少なくとも1つを備える。
【0034】
いくつかの実施形態では、制御装置は、基材処理システムによって実行される動作に基づいて、1つ以上の基材の位置を追跡するように構成され、動作は、1つ以上の基材の1つ以上のFOUPの中への/からの装填/取出し、1つ以上の基材の基材取扱い及び輸送システム内の輸送、1つ以上の基材の保管、1つ以上の基材の基材処理チャンバの中への/からの装填/取出し、及び/又は1つ以上の基材の冷却の、少なくとも1つを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、制御装置は、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にないと判定された場合に、取扱いシステムに命令を発行して、基材処理システム内の1つ以上の基材の輸送を停止するように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、制御装置は、1つ以上の環境パラメータに基づいて1つ以上の処理条件を決定し、処理チャンバに命令を発行して、前記処理条件に基づいて1つ以上の基材を処理するように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態では、基材処理システムは、基材処理システムの制御された環境を支援するように構成された、1つ以上の環境支援装置を備え、制御装置は、1つ以上の環境パラメータが閾値レベル内にないと判定された場合に、1つ以上の環境支援装置に命令を発行して、環境を補正するように構成され、補正は、パージ、密封、フラッシング、ガスの更新、放射線の低減、振動の低減、粒子の除去、湿度の変更、及び/又は温度の変更の、少なくとも1つを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、環境センサ手段は、取扱いシステム内に配置された1つ以上の環境センサを備え、制御装置は、前記環境センサからの測定値に基づいて、取扱いシステムの1つ以上の環境パラメータを決定するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、環境センサ手段は、取扱いシステムのモジュール内に配置された1つ以上の環境センサを備え、制御装置は、前記環境センサからの測定値に基づいて、環境的に結合された取扱いシステムの別のモジュールの1つ以上の環境パラメータを決定するように構成される。
【0040】
いくつかの実施形態では、環境センサ手段は、FOUP内に配置された1つ以上の環境センサを備え、制御装置は、前記環境センサからの測定値に基づいて、FOUPシステムの1つ以上の環境パラメータを決定するように構成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、環境センサ手段は、FOUPを取扱い、開閉するように構成された、取扱いシステムのモジュール内に配置された、1つ以上の環境センサを備え、制御装置は、前記環境センサからの測定値に基づいて、FOUPの1つ以上の環境パラメータを決定するように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、環境センサ手段は、粒子濃度、化学組成、湿度、温度、振動、及び/又は入射放射線の、少なくとも1つを測定するように構成される。
【0043】
いくつかの実施形態では、制御装置は、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にあるかを、リアルタイムで判定するように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態では、制御装置は、基材処理システムによって実行される動作に基づいて、1つ以上の環境パラメータが特定の時点で閾値限度内にあるかを判定するように構成され、動作は、1つ以上の基材の1つ以上のFOUPの中への/からの装填/取出し、1つ以上の基材の基材取扱い及び輸送システム内の輸送、1つ以上の基材の保管、1つ以上の基材の基材処理チャンバの中への/からの装填/取出し、及び/又は1つ以上の基材の冷却の、少なくとも1つを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、制御装置は、1つ以上の時点及び1つ以上の基材位置で、1つ以上の基材の1つ以上の環境パラメータを記録するように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、環境センサ手段は、基材処理チャンバ内に配置された1つ以上の環境センサを更に備え、制御装置は、前記環境センサからの測定値に基づいて、基材処理チャンバの1つ以上の環境パラメータを決定するように構成される。
【0047】
いくつかの実施形態では、環境センサ手段の、取扱い、開放及び/又は閉鎖は、基材処理チャンバを、取扱い、開放及び/又は閉鎖するように構成された、基材取扱い及び輸送システムのモジュール内に配置された、1つ以上の環境センサを備え、制御装置は、前記環境センサからの測定値に基づいて、基材処理チャンバの1つ以上の環境パラメータを決定するように構成される。
【0048】
本開示の別の態様は、1つ以上の基材を保持する1つ以上のフロントオープニングユニバーサルポッド(FOUP)を受容し、1つ以上の基材を、基材処理チャンバに及び基材処理チャンバから輸送するように構成された、基材取扱い及び輸送システムの、制御された環境を監視するための装置に関し、装置は、
-基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを測定するように構成された、環境センサ手段と、
-環境センサ手段に通信可能に結合された制御装置であって、基材取扱い及び輸送システム内の1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡し、基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定し、1つ以上の環境パラメータが1つ以上の基材の1つ以上の位置で閾値限度内にあるかを判定し、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にないと判定された場合に警報を示すように構成された、制御装置とを備える。
【0049】
(図面の簡単な説明)
図の以下の記載は、本開示の特定の実施形態に関し、それら実施形態は本質的に単に例示的であり、本教示、それらの適用又は使用を限定することを意図していない。
【0050】
当然のことながら、図内の要素は単純化及び明瞭化のために例示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素の一部の寸法は、本開示の例示される実施形態の理解の向上を助けるために、他の要素に対し相対的に誇張されている場合がある。
【0051】
図面全体を通して、対応する参照番号は、以下の部品及び特徴を示す:基材処理システム10、基材11、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)20、環境センサ21、基材取扱い及び輸送システム30、環境センサ31、環境支援装置35、処理チャンバ40、環境センサ41、環境支援装置45、制御装置50、通信モジュール51、プロセッサ55、表示装置60、警報61。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】
図1は、本開示の態様による、基材処理システム内の基材の環境を監視するための、システムの図である。
【
図2】
図2は、本開示の態様による、FOUP中の基材の環境を監視するための、システムの図である。
【
図3】
図3は、本開示の態様による、基材処理システム内の基材の環境を監視するための、方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(例示的な実施形態の詳細な説明)
以下の詳細な説明において、本開示の基礎となる技術は、その異なる態様によって説明される。本開示の態様は、本明細書に概して記載の通り、及び図に示される通り、多種多様な異なる構成で、配置、置換、結合、及び設計されてもよく、それら全ては明確に企図されていて、本開示の一部を成すことが容易に理解されよう。本説明は、技術概念をより容易に理解する上で、読者を補助することを意図しているものの、特許請求の範囲によってのみ限定される、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0054】
ある特定の実施形態及び実施例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態及び/又は使用、並びにその明白な修正及び均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。
【0055】
本明細書で使用される、「基材」という用語は、修正され得る、又はデバイス、回路、若しくは膜がその上に形成され得る、任意の下地材料(複数可)を含む、任意の下地材料(複数可)を指す場合がある。「基材」は、連続的又は非連続的、剛直又は可撓性、中実又は多孔質、及びそれらの組み合わせであってもよい。基材は、粉末、プレート、又はワークピースなどの、任意の形態であってもよい。プレートの形態の基材は、様々な形状及びサイズの、ウエハを含んでもよい。基材は、例えば、ケイ素、シリコンゲルマニウム、酸化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、及び炭化ケイ素を含む、半導体材料から作製されてもよい。
【0056】
例として、粉末の形態の基材は、医薬品製造のための用途を有してもよい。多孔質基材は、ポリマーを含んでもよい。ワークピースの例としては、医療機器(例えば、ステント及びシリンジ)、宝石類、ツーリング装置、バッテリ製造のための構成要素(例えば、負極、正極、若しくはセパレータ)、又は光起電力セルの構成要素などが含まれてもよい。
【0057】
連続基材は、堆積プロセスが生じるプロセスチャンバの境界を越えて、延在してもよい。一部のプロセスにおいて、基材の端に達するまでプロセスが継続するように、連続基材はプロセスチャンバを通して移動してもよい。連続基材は、任意の適切な形態で、連続基材の製造及び生産を可能にするために、連続基材供給システムから供給されてもよい。
【0058】
連続基材の非限定的な例としては、シート、不織布膜、ロール、箔、ウェブ、可撓性材料、連続フィラメント又は繊維(例えば、セラミック繊維、若しくはポリマー繊維)の束が挙げられてもよい。連続基材はまた、非連続基材がその上へと取り付けられる、キャリア又はシートを備えてもよい。
【0059】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、構造、又は装置の実際の外観であることを意図せず、本開示の実施形態を記述するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0060】
示された、かつ記載された特定の実装は、本発明の及び最良の形態の例示であり、態様及び実装の範囲を、いかなるやり方でも、別途限定することを意図しない。実際に、簡潔のために、従来の製造、接続、調製、及びシステムの他の機能的態様を、詳細に記述していない場合がある。更に、様々な図に示された接続線は、様々な要素間の、例示的な機能的関係、及び/又は物理的結合を表すことが意図される。多くの代替的又は追加的な機能的関係又は物理的接続が、実際のシステムにおいて存在してもよく、及び/又はいくつかの実施形態では存在しなくてもよい。
【0061】
数多くの変形が可能であるため、本明細書に記載の構成、及び/又は手法は、本質的に例示的であること、並びにこれらの特定の実施形態又は実施例は、限定的な意味で考慮されるべきではないことが、理解されるべきである。本明細書に記載の、特定のルーチン又は方法は、任意の数の処理方策の1つ以上を代表する場合がある。それ故に、例示された様々な動作は、例示される順序で実行されてもよく、他の順序で実行されてもよく、又はいくつかの事例では省略されてもよい。
【0062】
本開示の主題は、本明細書に開示の様々なプロセス、システム、及び構成、並びに他の特徴、機能、動作、及び/又は特性の、全ての新規かつ自明でない組み合わせ及び部分的組み合わせだけでなく、そのありとあらゆる均等物も含む。
【0063】
本開示は、基材処理システム内の基材の環境を監視することに関する。本開示は、一例として、垂直処理炉又は反応器内の環境を監視することに関して記載されているが、当然のことながら、敏感な基材の処理、取扱い、又は輸送のための任意のシステムは、本監視技術から利益を得ることができる。例えば、極端紫外線リソグラフィーなどの光学リソグラフィーシステム、又は基材を処理するために構成された任意の他のシステム内の、基材の環境を監視することが同等に有利であり得る。
【0064】
前述したように、基材処理システムでは、現在、潜在的な汚染又は他の環境問題に反応するための応答を遅延させる、処理チャンバの外側の環境条件の監視はほとんど又は全くない。基材のバッチの汚染が検出されると、処理ラインを中断して、汚染の原因を識別し、著しい製造遅延をもたらすことが必要になる場合がある。また、原因が特定されている時までに、汚染は、拡散するか、又は別のバッチに影響を与え得る。いくつかのシナリオでは、汚染されたバッチの在庫は、廃棄する必要さえあり得る。
【0065】
したがって、本開示は、基材処理システムの関連する部分における、すなわち、処理チャンバの外側に位置する基材処理ラインの部分を含む、環境条件を(リアルタイムで)監視するための、方法及びシステムを提供する。いくつかの事例では、基材は、処理チャンバ内にあるよりも長い間、ラックなどの保管モジュール内に保管される。既存のシステムは、取扱い又は輸送段階の間の環境問題を識別することができない場合があり、これは、基材への損傷のリスクを高める場合がある。したがって、本明細書に提示される実施形態によって提供される、環境問題の迅速な識別及び是正は、基材への損傷を回避し、収率を改善する(収率損失を低減する)ことができる。
【0066】
したがって、本明細書に記載のシステム及び方法によって、応答タイミングを早め、任意選択的に(自動)介入を開始して、汚染又は環境問題の原因に対処し、基材の更なる汚染を防止することによって、潜在的な汚染又は環境問題への応答を改善することが可能である。このようにして、半導体分野でのより高い基材品質に対する要求を、満たすことができる。
【0067】
本開示の技術の様々な態様の概要を本明細書で以下に示し、その後、特定の実施形態をより詳細に記載する。この概要は、技術概念をより迅速に理解する上で読者を補助することを意図しているものの、その最も重要な又は不可欠な特徴を特定することも、本開示の範囲を限定することも意図していない。特定の実施形態を記載する際に、添付図面を参照するが、これは、記載の実施形態の理解を補助するためにのみ提供される。
【0068】
本開示の一態様は、1つ以上の基材を保持する1つ以上のフロントオープニングユニバーサルポッド(FOUP)を受容し、1つ以上の基材を、基材処理チャンバに及び基材処理チャンバから輸送するように構成された、基材取扱い及び輸送システム内の制御された環境を監視するための方法に関し、方法は、
-基材取扱い及び輸送システム内の、1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡する工程と、
-1つ以上の基材の1つ以上の位置で、基材取扱い及び輸送システムの、1つ以上の環境パラメータを決定する工程と、
-1つ以上の環境パラメータが閾値限度内であるかを判定し、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内ではないと判定された場合に警報を示す工程とを含む、方法である。
【0069】
本開示の別の態様は、制御された環境を有する基材処理システムに関し、システムは、
-1つ以上の基材を保持するように構成された、1つ以上のFOUPと、
-1つ以上の基材を処理するように構成された、処理チャンバと、
-1つ以上のFOUPを受容し、1つ以上の基材を、基材処理チャンバに及び基材処理チャンバから輸送するように構成された、基材取扱い及び輸送システムと、
-基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを測定するように構成された、環境センサ手段と、
-環境センサ手段に通信可能に結合された制御装置であって、基材取扱い及び輸送システム内の1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡し、基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定し、1つ以上の環境パラメータが1つ以上の基材の1つ以上の位置で閾値限度内にあるかを判定し、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にないと判定された場合に警報を示すように構成された、制御装置とを備える。
【0070】
本開示の別の態様は、1つ以上の基材を保持する1つ以上のフロントオープニングユニバーサルポッド(FOUP)を受容し、1つ以上の基材を、基材処理チャンバに及び基材処理チャンバから輸送するように構成された、基材取扱い及び輸送システムの、制御された環境を監視するための装置に関し、装置は、
-基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを測定するように構成された、環境センサ手段と、
-環境センサ手段に通信可能に結合された制御装置であって、基材取扱い及び輸送システム内の1つ以上の基材の1つ以上の位置を追跡し、基材取扱い及び輸送システムの1つ以上の環境パラメータを決定し、1つ以上の環境パラメータが1つ以上の基材の1つ以上の位置で閾値限度内にあるかを判定し、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にないと判定された場合に警報を示すように構成された、制御装置とを備える。
【0071】
本明細書に記載される実施形態のいずれかに基づいて、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示されるシステムによって実行され得ることが理解される。すなわち、明示的にそのように記載されていない場合であっても、システムのハードウェア又はソフトウェアは、方法及びその任意の工程を実行することができるやり方で適合することができ、及びその逆である。一例として、システムの制御装置は、例えば、例えばシステム内に配置された1つ以上の環境センサによって取得されたセンサデータの形態で、関連する環境パラメータを入力として受信する時、方法の関連する工程を実行するように適合されてもよい。
【0072】
図1を参照すると、基材処理システム10の図が示される。基材処理システム10は、基材取扱い及び輸送システム30、処理チャンバ40、制御装置50、及び出力装置60を備える。1つ以上の基材11は、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)20内の、基材処理システム10に提供されてもよい。FOUP20は、概して、中に保管された基材11のための、制御された環境を提供するように設計された、特殊なエンクロージャからなる。したがって、基材取扱い及び輸送システム30は、1つ以上のFOUP20を受容し、かつそれと相互作用するための手段、より具体的には、1つ以上の基材11を前記FOUP内から取出し、1つ以上の基材11の意図された処理のために、それらを処理チャンバ40に輸送するための手段を備えてもよく、及びその逆である。FOUP20と、基材取扱い及び輸送システム30と、処理チャンバ40との間の、基材11の関連する移動は、破線矢印で示される。
【0073】
図1の基材取扱い及び輸送システム30は、基材11をFOUP20から処理チャンバ40の中へと、及びその逆に輸送するために必要な、全ての動作を実行するように構成された、複数の装置の抽象的表現であることが理解される。含まれる装置の数は、装填及び取出しプロセスの複雑さに応じて変化し得るが、簡略化のために、基材取扱い及び輸送システムは、機能的モジュールを用いて以下で論じる。いくつかの実施形態では、取扱い及び輸送システムは、FOUP取扱いモジュール、FOUP輸送モジュール、基材取扱いモジュール、基材保管モジュール、及び基材輸送モジュールの、少なくとも1つを備えてもよい。更に、本開示では、FOUPは基材処理システムの構成要素とみなされる。したがって、基材処理システムの任意の実施形態は、別段の記載がない限り、FOUPの実施形態とみなされてもよい。
【0074】
次に、垂直処理炉の基材装填サイクルの例を論じる。この例は、読者が技術的概念をより容易に理解するのを補助するために含まれるが、当業者は、敏感な基材の処理、取扱い、及び輸送のための任意のシステムが、本監視技術から利益を得ることができることを理解する。例えば、リソグラフィーシステム内の基材の環境を監視することが、同等に有利であってもよい。
【0075】
複数の基材は、FOUP取扱いモジュールによって処理され得る、FOUP内のシステムに提供されてもよい。有利なことに、FOUP取扱いモジュールは、利用可能性に応じて自動的に、提供されるFOUPをFOUPカルーセルに装填するか、又はFOUP保管ラックに格納することができる、ロボットアームを備えてもよい。次に、FOUPカルーセルから、FOUPを、FOUPドアオープナーに輸送する、スワッパー上に配置してもよい。FOUPドアが開かれた状態で、基材は、基材取扱いモジュールによって、反応器カルーセルモジュール上のボートに取出されてもよく、中間基材保管を使用できる。有利なことに、基材取扱いモジュールは、基材をFOUPからボート内に自動的に移動させることができる、ロボットアームを備えてもよい。次いで、基材を装填されたボートは、ボートエレベータがボートを処理チャンバの内外に移動させることができるように、反応器カルーセルによって、装填位置から反応器位置に回転してもよい。処理後、反応器カルーセル上のボートを、冷却位置まで回転させて戻してもよい。冷却後、ボートを取出し位置に移動させてもよく、基材取扱いモジュールは、前述の装填サイクルと同等に、取出しサイクルを実行してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、基材取扱い及び輸送システム、より具体的には、基材輸送モジュールは、輸送中に基材を保持するように構成された、基材キャリア手段を備えてもよい。例えば、基材キャリアは、単一の基材又はウエハを輸送するためのチャック、任意の数の基材又はウエハを輸送するためのボートなどを備えてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、基材取扱い及び輸送システムは、制御装置に動作可能に接続されて、センサデータをそれに提供する、1つ以上の環境センサを備えてもよい。
図1に更に示されるように、1つ以上の環境センサ31は、基材取扱い及び輸送システム30内に、より具体的には、前記基材取扱い及び輸送システム30の、装置又はモジュールのいずれか内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の環境センサは、ストッカーモジュール、FOUP取扱いモジュール、基材取扱いモジュール、反応器カルーセルモジュール、及び/又は反応器チャンバ内に配置されてもよい。例えば、1つ以上の環境センサは、基材取扱い及び輸送システムの、モジュール又は装置の内表面上に配置されてもよい。1つ以上の環境センサは、ハウジング内に配置されて、装置の動作中に環境センサを損傷から保護してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、1つ以上の環境センサは、基材取扱い及び輸送システムの内部環境の、環境パラメータを測定するように構成されてもよい。特に、1つ以上の環境センサは、有利なことに、基材取扱い及び輸送システムの、環境パラメータのリアルタイム測定値を提供してもよい。リアルタイム測定値は、環境パラメータを連続的に測定することによって提供されてもよい。これらの測定値は、データストリームを介して、例えば、有線接続又は無線送信機を介して、制御装置に直接提供されてもよい。別の方法として、又は組合せて、測定値は、基材取扱い及び輸送システム内に配置され得る、1つ以上のメモリ装置に保存されてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、1つ以上の環境センサは、特定の時間における、基材取扱い及び輸送システムの内部環境の環境パラメータを測定するように構成されてもよい。例えば、1つ以上の環境センサは、特定の動作の、前、最中、及び/又は後に、基材取扱い及び輸送システムの環境パラメータを測定するように構成されてもよい。例えば、環境パラメータは、1つ以上の基材の1つ以上のFOUPの中への/からの装填/取出し、1つ以上の基材の基材取扱い及び輸送システム内の輸送、1つ以上の基材の保管、1つ以上の基材の基材処理チャンバの中への/からの装填/取出し、及び/又は1つ以上の基材の冷却の、前、最中、及び/又は後に測定されてもよい。別の実施例では、1つ以上の環境センサは、特定の時間間隔で、FOUPの環境パラメータを測定するように構成されてもよい。これは、環境センサによって消費される電力の量を低減し、制御装置への負荷を低減するのに役立ち得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、1つ以上の環境パラメータは、粒子濃度、化学組成、湿度、温度、振動、及び/又は入射放射線の少なくとも1つを含んでもよい。したがって、環境センサ手段は、本明細書で考察される環境パラメータの少なくとも1つを測定するために構成された、装置を備えてもよい。例えば、この装置は、湿度センサ、温度計、加速度計、放射線検出器、粒子検出器、化学検出器などであってもよい。関連する環境パラメータは、用途固有である。例えば、金属及び金属窒化物については、典型的には、低酸素及び湿度レベルが必要であり、したがって、酸素及び湿度の監視は、このような用途に対して、より関連し得る。有利なことに、化学濃度には、酸素、より具体的には、シリコンウエハ上の自然酸化物成長の防止に関連する、酸素濃度が含まれる。
【0081】
基材処理システムは、制御された環境を支援するように構成されてもよい。この制御された環境の態様又はパラメータには、例えば、湿度、温度、振動、入射放射線、粒子密度、及び化学組成が含まれてもよい。制御された環境は、基材処理システム内の1つ以上の環境支援装置によって、作り出されてもよい。これらの環境支援装置は、通気孔及びパージシステム、抗放射線メッキ及びコーティングなどの機械的構造、振動防止システム、ガスケット、フランジ、及び他の密封特徴、湿度制御装置などのガスシステム、入出力弁、並びに環境支援装置を支援するための電子機器を含んでもよい。例えば、基材処理システムは、シリコン基材上の自然酸化物成長を回避するのに役立つ、並びに有機汚染物質を死滅させるのに役立つ、主に窒素ガス環境を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基材処理システムは、一定の温度、湿度、並びに最小限の入射放射線及び振動で、粒子を含まない窒素環境を維持するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の環境センサは、1つ以上の環境支援装置に接続される。
【0082】
図2を参照すると、更なる実施形態では、FOUP20は、前記FOUP内の1つ以上の環境パラメータを決定するために構成された、1つ以上の環境センサ21を備えてもよいことが示される。いくつかの実施形態では、1つ以上の環境センサ21は、FOUP20の内部環境の環境パラメータを測定するように構成されてもよい。有利なことに、1つ以上の環境センサは、FOUPの環境パラメータのリアルタイム測定値を提供してもよい。リアルタイム測定値は、環境パラメータを連続的に測定することによって提供されてもよい。別の方法として、1つ以上の環境センサは、特定の時点で、FOUPの環境パラメータの測定値を提供してもよい。例えば、1つ以上の環境センサは、開閉の前及び/又は後に、FOUPの環境パラメータを測定するように構成されてもよい。別の実施例では、1つ以上の環境センサは、特定の間隔で、FOUPの環境パラメータを測定するように構成されてもよい。これは、環境センサによって消費される電力の量を低減し、システムの全体的な複雑さを低減するのに役立ち得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、FOUPは、1つ以上の環境センサによって測定された環境パラメータを制御装置に送信するための手段を備えてもよい。いくつかの実施形態では、FOUPは、測定された環境パラメータを制御装置に無線で送信するように構成された、無線送信機を備えてもよい。別の方法として、又は組合せて、FOUPは、例えば、FOUPがFOUP取扱いモジュールに装填された時に、制御装置へのセンサデータの読み出しのための有線接続を確立するための、コネクタを備えてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、FOUPは、保護された環境で1つ以上の基材を保持するように構成された、エンクロージャを備えてもよい。この保護された環境の態様又はパラメータには、例えば、湿度、温度、振動、入射放射線、粒子密度、及び化学組成が含まれてもよい。基材は、保持要素上に担持されてもよい。保持要素は、輸送及び取扱い中に基材を固定するための、ラック、ブラケット、棚、クリップ、フレームワーク、又は他の要素であってもよい。エンクロージャは、基材の装填及び取出しを可能にするために、複数の接続された、壁、上部、基部、及びFOUPドアを含む、本体を有する、概して長方形の形状を有してもよい。エンクロージャは、基材を保護し、かつ内部に確固として保持するための、剛直な材料で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、エンクロージャは、プラスチック材料から形成される。1つ以上のハンドルは、FOUPを取扱い及び輸送するために、エンクロージャの側面上に配置されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、1つ以上の環境センサは、FOUP内に、有利には、FOUPの内表面上に配置されてもよい。
図2に更に示されるように、環境センサは、例えば、FOUPの壁又はドア上など、エンクロージャ内に配置されて、FOUPの装填及び取出し中に環境センサを損傷から保護してもよい。いくつかの実施形態では、エンクロージャは、オペレータが環境センサにアクセスできるように、取外し可能であってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の環境センサは、FOUPのハウジングに組み込まれてもよい。エンクロージャは、1つ以上の環境センサの形状に適合してもよい。エンクロージャは、1つ以上の環境センサを、輸送中に損傷から保護するのに役立ってもよい。
【0086】
再び
図1を参照すると、制御装置50は、プロセッサ55と、メモリと、上述の実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の環境センサからセンサデータを受信するように構成された、通信モジュール51とを備える。
図1に更に示されるように、制御装置50は、基材取扱い及び輸送システム30内に配置された環境センサ31からセンサデータを受信し、及び/又は処理チャンバ40内に配置された環境センサ41からセンサデータを受信してもよい。
図2に更に示されるように、制御装置50は、FOUP内に配置された環境センサ21からセンサデータを受信してもよい。1つ以上の環境センサからセンサデータを受信した後、制御装置は、環境パラメータを分析して、環境パラメータが許容可能な限度内であるかを判定してもよい。
【0087】
制御装置のプロセッサは、マイクロプロセッサ、制御装置、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は同等のディスクリート論理回路若しくは集積論理回路の、いずれか1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御装置は、コンピュータシステムである。プロセッサは、メモリ、送信機、及び受信機に接続されてもよい。
【0088】
制御装置のメモリは、例えば、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、FRAM(登録商標)、又はNANDフラッシュメモリなどの、半導体メモリであってもよい。メモリは、プロセッサ及び関連するプロセッサとインターフェースしてもよく、その結果、プロセッサはメモリに書き込み、メモリから読取ってもよい。いくつかの実施形態では、メモリは、1つ以上の環境センサからの環境測定値を保存するように構成されてもよい。メモリはまた、環境センサからの以前の読取値、並びに各環境パラメータに対する閾値を保存するように構成されてもよい。この場合、制御装置は、環境測定値を閾値と比較して、FOUP内の環境が安全な動作状態にあるかを判定してもよい。そうでない場合、制御装置は、環境問題を修正できるように警報を発してもよい。
【0089】
制御装置の通信モジュールは、例えば、Bluetooth若しくはWi-Fiなどの無線受信機、又は有線接続を介した任意の受信機を備えてもよい。制御装置の受信機は、1つ以上の環境センサに結合された送信機からの送信を受信するように構成されてもよい。例えば、基材処理システムの装置又はモジュールは、1つ以上の環境センサから測定値を受信し、測定値を制御装置に送信するように構成された送信機を備えてもよい。制御装置の通信モジュールは、基材取扱い及び輸送システム、処理チャンバ、又は他の場所に命令を送信するように構成された、送信機を更に備えてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、制御装置は、基材処理システムの一部に配置された、より具体的には、基材処理システムの装置又はモジュール内に配置された、1つ以上の環境センサで(直接的に)測定されるセンサデータから、1つ以上の環境パラメータを決定してもよい。例えば、ストッカーモジュール内に配置された第一の環境センサは、前記ストッカーモジュールの1つ以上の環境パラメータを測定してもよく、基材カルーセルモジュール内に配置された第二の環境センサは、その後、前記基材カルーセルモジュールの1つ以上の環境パラメータを測定してもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、環境センサは、基材処理システムの別の部品又はモジュール内に配置された、1つ以上の環境センサで測定されるセンサデータに基づいて、前記パラメータを(間接的に)計算することによって、基材処理システムの1つの部品又はモジュール内の、1つ以上の環境パラメータを決定してもよい。例えば、第一の環境センサがストッカーモジュール内に配置され、第二の環境センサが基材カルーセルモジュール内に配置される場合、次いで、前記ストッカーモジュールと前記基材カルーセルモジュールとの間に配置された、基材取扱いモジュールの1つ以上の環境パラメータは、前記第一の及び第二の環境センサによって測定された1つ以上の環境パラメータに基づいて、計算することができ、ただし、関連する位置間の相関関係は、例えば、距離に基づき、決定してもよい。計算は、1つ以上の環境センサから環境パラメータを受信する時に、制御装置によって実行されてもよく、又は計算は、特定の時間、例えば、装置又はモジュールが動作を実行する前及び/又は後に、実行されてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、制御装置は、環境測定値、警報、及び命令を視認するために、表示装置に接続されてもよい。表示装置は、コンピュータモニタ又は他のタイプの画面であってもよい。表示装置は、監視された装置の環境状態、環境警報、又は基材の取扱いに関連する他の情報を、表示するために使用されてもよい。例えば、環境警報は、動作を実行して問題を補正できるように識別された、環境問題をオペレータに通知するように機能してもよい。
【0093】
更に再び
図1を参照すると、制御装置50のプロセッサ55は、環境問題を有する監視された装置を識別する表示装置60に、警報を送信するように、並びに識別された環境問題のタイプ(例えば、酸素汚染についての「酸素」)を送信するように、構成されてもよい。次に、表示装置60は、視覚的警報61を、1人以上のオペレータに表示してもよい。
図1の実施例では、表示装置60は、単純な「警報」メッセージ61を示す。いくつかの実施形態では、視覚的警報は、特定の色、形状、アイコン、点滅パターンなどによって、区別されてもよい。例えば、視覚的警報の色は、温度が正常よりも高いが依然として許容可能であることが見出された場合の黄色、及び温度が許容限度を超えていることが見出された場合の赤色など、識別される問題に対応してもよい。別の方法として、又は組合せて、視覚的警報は、監視された装置又は基材の特定の数又は識別などのテキスト、並びに識別された問題を含んでもよい。例えば、基材取扱い及び輸送システム内の監視された装置の温度が、1つ以上の環境センサによって測定され、制御装置によって許容可能なレベルを上回ると判定された場合、視覚的警報は、例えば、「高温」を問題として列挙してもよい。いくつかの実施形態では、警報は、スピーカーなどのオーディオ装置によって生成されるオーディオ通知などの、サウンド警報と置換され又は組み合わせられてもよい。警報及び他のメッセージの表示は、オペレータが環境問題を迅速に識別し、それに応じて応答することを可能にしてもよい。これは、問題を迅速に是正し、基材への害を最小化するのに役立ってもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、制御装置のメモリは、1つ以上の環境センサによって測定された、環境パラメータを保存するように構成されてもよい。例えば、監視された装置の環境パラメータは、全ての装填又は取出し段階の前及び後を含む、動作全体中に保存されてもよい。これにより、オペレータは、1つ以上の環境パラメータが通常よりも高い、基材取扱い及び輸送システムの領域又は装置を識別するなど、特定の処理段階中に、環境問題が発生する場所を決定することが可能になってもよい。一実施形態では、メモリは、いくつかの監視された装置からの、環境パラメータを保存するように構成されてもよい。これらのパラメータを比較して、基材環境の傾向を決定してもよい。環境パラメータの保存及び比較はまた、基材への継続的な損傷を回避するために、問題のある領域又は装置を識別するのに役立ってもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、制御装置のメモリは、1つ以上の環境センサによって測定された、環境パラメータを保存するように構成されてもよい。例えば、監視された装置の環境パラメータは、全ての装填又は取出し段階の前及び後を含む、動作全体中に保存されてもよい。これにより、オペレータは、1つ以上の環境パラメータが通常よりも高い、基材取扱い及び輸送システムの領域又は装置を識別するなど、特定の処理段階中に、環境問題が発生する場所を決定することが可能になってもよい。一実施形態では、メモリは、いくつかの監視された装置からの、環境パラメータを保存するように構成されてもよい。これらのパラメータを比較して、基材環境の傾向を決定してもよい。環境パラメータの保存及び比較はまた、基材への継続的な損傷を回避するために、問題のある領域又は装置を識別するのに役立ってもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、制御装置は、基材処理システム内の、1つ以上の基材の(一般的な)位置を追跡してもよい。例えば、基材位置は、基材が基材処理システムの特定のモジュール又は装置の内側にあることを示してもよく、これは、FOUP取扱いモジュール、FOUP輸送モジュール、基材取扱いモジュール、基材保管モジュール、及び基材輸送モジュールを含んでもよい。別の方法として、又は組合せて、基材位置は、基材が特定のモジュール又は装置に輸送されていることを示してもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、制御装置は、基材処理システムの装置又はモジュール内の、1つ以上の基材の(特定の)位置を追跡してもよい。例えば、基材位置は、他の基材に対する、特定のモジュール又は装置の内側の追跡された基材の位置を示してもよい。この位置は、基材の装填/取出しシーケンスに基づいて、決定されてもよい。例えば、制御装置が、追跡された基材がFOUPに装填される第一の基材であるという情報を受信する場合、前記基材が前記FOUPの底部にあると決定することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、制御装置は、基材処理システムによって実行される動作に基づいて、1つ以上の基材の位置を追跡してもよい。基材位置は、典型的には、動作が実行されるまで変化しない。例えば、基材位置は、1つ以上の基材の1つ以上のFOUPの中への/からの装填/取出し、1つ以上の基材の基材取扱い及び輸送システム内の輸送、1つ以上の基材の保管、1つ以上の基材の基材処理チャンバの中への/からの装填/取出し、及び/又は1つ以上の基材の冷却の、前、最中、及び/又は後に変化してもよい。したがって、制御装置は、動作が基材処理システムの1つ以上の装置によって実行されるたびに、特定の時点で、基材の位置を更新してもよい。これは、制御装置によって消費される電力の量を低減し、システムの全体的な複雑さを低減するのに役立ち得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、制御装置は、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内であるかを、個々の基材に対して、又は基材の群に対して実行されるかを判定することができる。環境パラメータは、基材処理システムの装置又はモジュール内で変化してもよい。例えば、ストッカーモジュールの最上棚は、同一のストッカーモジュールの最下棚とは異なる温度を有してもよく、したがって、制御装置は、最上棚に保存された基材の環境パラメータが閾値限度を超え得、一方、最下棚に保存された基材の環境パラメータが依然として閾値限度内にあり得ると、決定してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、制御装置は、1つ以上の時点及び基材位置で、1つ以上の基材の1つ以上の環境パラメータを記録してもよい。基材の環境は、基材処理システムの1つの装置又はモジュールから、別の装置又はモジュールに輸送されるたびに変化し得、これは、基材の全体的な品質に影響を与え得る。有利なことに、制御装置は、1つ以上の時点及び基材位置で基材が曝露された、決定された環境パラメータを含む、基材の処理ログを生成してもよい。処理ログは、その後、基材製造品質を決定するためにレビューされてもよい。このレビューは、オペレータによって手動で実行されてもよく、又は、例えば、機械学習技術を実装することによって、自動システムによってレビューされてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、制御装置はまた、測定された環境パラメータが許容可能な限度内にない場合、基材処理システムの装置又はモジュールに1つ以上の命令を送信するように構成されてもよい。例えば、制御装置は、環境問題の影響を最小化し、任意選択的に、問題を補正するために、基材取扱い及び輸送システムの装置又はモジュールに、動作可能に結合されてもよい。有利なことに、応答は、基材への損傷を回避するために、より速い応答時間のために完全に自動化してもよい。別の方法として、応答は、例えば、関連する環境支援装置を起動するように、オペレータの確認を要求することによって、半自動化されてもよい。半自動システムは、付近のオペレータの安全を確保するために、又は敏感な物体を損傷するリスクの安全性を確保するために、必要となってもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、制御装置は、1つ以上の環境パラメータが閾値限度内にないと判定された場合、1つ以上の命令を基材取扱い及び輸送システムに送信して、基材処理システム内の1つ以上の基材の輸送を停止又は中止するように構成されてもよい。例えば、ストッカーモジュール内に配置された1つ以上の環境センサが、環境パラメータが安全な動作限度を上回ることを示す測定値を制御装置に送信する場合、制御装置は、前記ストッカーモジュールへの又はからの、基材の輸送を中止してもよい。別の実施例では、FOUP内の1つ以上の環境センサが、環境パラメータが安全な動作限度を上回ることを示す測定値を制御装置に送信する場合、制御装置は、FOUPの開閉を中止するか、又はFOUPの中への若しくはからの基材の輸送を中止してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、制御装置は、1つ以上の環境パラメータに基づいて1つ以上の処理条件を決定し、前記処理条件に基づいて1つ以上の基材を処理するように処理チャンバに命令するように構成されてもよい。このようにして、処理チャンバ内の処理条件は、基材の環境履歴に基づいて調整されてもよい。例えば、制御装置が、基材が安全な動作限度を超える酸素濃度に曝露されたと決定する場合、処理チャンバは、基材表面から自然酸化物成長を除去するための、予備ベーキング工程を実行するように命令されてもよい。一方で、制御装置が、酸素濃度が安全な動作限度内にある基材であると決定する場合、この予備ベーキング工程は、処理チャンバによってスキップされてもよい。
【0104】
図1に更に示されるように、制御装置50は、基材処理システム10内の1つ以上の環境支援装置を制御して、基材処理システム内の環境、より具体的には、基材取扱い及び輸送システム30内の1つ以上の環境支援装置31、並びに/又は処理チャンバ40内の1つ以上の環境支援装置41を制御するように構成されてもよい。この制御は、基材処理システム10内の、より具体的には、基材取扱い及び輸送システム30及び/又は処理チャンバ40内の、圧力、湿度、温度、及び/又は化学組成を調整することを含んでもよい。例えば、基材取扱い及び輸送システム30の環境センサ31が、装置又はモジュールのいずれか内の閾値レベルを超える酸素の存在を識別する場合、応答して、制御装置は、汚染物質をフラッシングするためにパージシステム35を起動してもよい。これにより、基材取扱い及び輸送システム30は、製造ラインがアクティブである間に、かつ基材処理システムをオフラインに移動させる必要なく、環境問題を修正することが可能になってもよい。
【0105】
図3は、本開示の態様による、基材の環境を監視するための方法100の流れ図である。当然のことながら、方法の工程の前、最中、及び後に追加の工程を提供してもよく、記載される工程の一部は、方法の他の実装のために置換又は排除されてもよい。
【0106】
示される実施形態では、方法100は、基材処理システムに環境センサ手段を提供することによって、工程101で開始する。環境センサは、上記の実施形態のいずれかの環境センサであってもよい。例えば、環境センサは、
図1に示される基材取扱い及び輸送システムモジュールのいずれか内に配置されてもよく、これは、FOUP取扱いモジュール、FOUP輸送モジュール、基材取扱いモジュール、基材保管モジュール、及び基材輸送モジュールを含んでもよい。また、環境センサは、
図2に示されるように、FOUP内に配置されてもよい。環境センサは、湿度、温度、振動、入射放射線、粒子密度、及び化学組成など、基材取扱い及び輸送システムモジュールの環境パラメータを測定するように構成されてもよい。環境センサは、
図1に示されるように、測定された環境パラメータを制御装置、例えば、制御装置50に送信するように構成されてもよい。
【0107】
工程102では、方法100は、1つ以上の環境パラメータの閾値レベルを決定することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、閾値レベルは、基材処理システム内の基材がそれより上において損傷し得る、限度を表してもよい。例えば、酸素などの粒子濃度の閾値レベルは、10ppm[O2]に設定されてもよい。湿度の閾値レベルの別の例は、5%の相対湿度に設定されてもよい。閾値レベルは、制御装置によって決定されてもよく、又は制御装置に通信されてもよく、制御装置内のメモリに記憶されてもよい。
【0108】
工程103では、方法100は、環境センサ手段を用いて1つ以上の環境パラメータを決定することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、環境パラメータは、基材処理システム又はその関連モジュールの一部に配置された、1つ以上の環境センサによって(直接的に)測定されてもよい。例えば、ストッカーモジュール内に配置された環境センサは、前記ストッカーモジュールの1つ以上の環境パラメータを測定してもよく、基材カルーセルモジュール内に配置された第二の環境センサは、前記基材カルーセルモジュールの1つ以上の環境パラメータを測定してもよい。別の方法として、環境パラメータは、基材処理システムの別の部分、又は環境的に接続されたその別のモジュール内に配置された、1つ以上の環境センサによる測定に基づいて計算されてもよい。例えば、第一の環境センサがストッカーモジュール内に配置され、第二の環境センサが基材カルーセルモジュール内に配置される場合、前記ストッカーモジュールと前記基材カルーセルモジュールの間に配置された、基材取扱いモジュールに対する、1つ以上の環境パラメータは、前記第一の及び第二の環境センサによって測定された、1つ以上の環境パラメータに基づいて計算されてもよい。計算は、1つ以上の環境センサから測定された環境パラメータを受信する、制御装置によって実行されてもよい。
【0109】
工程103では、環境センサを使用して、環境パラメータをリアルタイムで測定してもよい。別の方法として、環境センサは、基材処理システムの異なるモジュール間、又は前記モジュールによって実行される動作間など、基材の輸送、取扱い、及び処理中の特定の時点で、環境パラメータを測定してもよい。測定値は、環境センサ又は制御装置内のメモリに保存されてもよい。
【0110】
工程104では、方法100は、1つ以上の環境パラメータを制御装置に送信することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、送信は無線であり、無線送信機で達成されてもよい。制御装置は、無線受信機を含んでもよく、受信した測定値を保存してもよい。別の方法として、送信は、有線接続を介して達成してもよい。
【0111】
工程105では、方法100は、1つ以上の環境パラメータが工程102で決定された閾値レベル内にあるかを判定することを含んでもよい。これは、制御装置を用いて、測定された環境パラメータを閾値レベルと比較することを含んでもよい。
【0112】
このようにして、方法100は、制御装置によって実行される比較の結果に基づいて、2つの経路に分かれることができる。特に、制御装置が、1つ以上の測定された環境パラメータが閾値レベル内にあると判定する場合、方法100は、基材処理システム内の基材を、例えば、1つのモジュールから別のモジュールへと輸送することによって、工程108に直接進んでもよい。一方、制御装置が、1つ以上の測定された環境パラメータが閾値レベル内にないと判定する場合、方法100は、代わりに警報を示すことによって、工程106に進んでもよい。
【0113】
工程106では、方法100は、環境パラメータが閾値レベル内にないという警報を示すことを含んでもよい。工程106は、表示装置上に、例えばグラフィック又はテキストを用いて警報を表示して、環境問題をオペレータに通知することを含んでもよい。この表示装置は、
図1に示される表示装置60と類似していてもよい。これは、基材を輸送する前に、オペレータが基材処理システム、又はその任意のモジュール内の問題を識別するのに役立ち、このようにして、環境問題にできるだけ早く対処するのに役立ってもよい。
【0114】
工程107では、方法100は、1つ以上の環境パラメータを補正するための動作を行うことを任意選択的に含んでもよい。これは、基材処理システムの影響を受けるモジュール又は装置をオフラインにすることと、他のモジュール又は装置への汚染を回避するために、前記影響を受けるモジュール若しくは装置への、及び/又は前記影響を受けるモジュール若しくは装置からの、基材の輸送を防止することとを、含んでもよい。いくつかの実施形態では、工程107は、基材処理システムの1つ以上のモジュール又は装置内のパージ(窒素又は他のガスを用いて)、フラッシング、密封、ガスの更新、放射線の低減、粒子の除去、振動の低減、湿度の変更、温度の変更、及び/又は機構(例えば、欠陥シール)の交換を含んでもよい。
【0115】
工程107の後、方法100は、工程107の動作を行った後に、1つ以上の環境パラメータが閾値レベル内にあるかを判定することを、任意選択的に含んでもよい。これは、全ての問題が適切に補正され、基材が更なる輸送、取扱い、及び処理のために準備ができていることを確実にするのに役立ち得る。
【0116】
工程108では、方法100は、基材処理システム内の基材を、例えば、1つのモジュールから別のモジュールに輸送することを含んでもよい。これらのモジュールは、FOUP取扱いモジュール、FOUP輸送モジュール、基材取扱いモジュール、基材保管モジュール、及び基材輸送モジュールなどの、
図1に示される基材取扱い及び輸送システムモジュールの、いずれかを含んでもよい。一実施形態では、方法100は、例えば、基材を処理チャンバ内に輸送することによって、基材を処理段階に輸送することを更に含んでもよい。このようにして、関連する処理工程を安全に開始してもよい。
【0117】
本開示の範囲内の例示的実施では、方法100は、方法のフローが工程101に戻り、再び開始するように、工程108の後に繰返される。方法100の反復を利用して、基材処理システム内の環境の継続的な(リアルタイム)監視を実施してもよい。
【0118】
本明細書で使用される場合、「一実施形態(one embodiment)」又は「実施形態(an embodiment)」という用語は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それ故に、本明細書全体の様々な個所での「いくつかの実施形態では(in some embodiments)」という語句の出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を指すわけではない。
【0119】
本明細書で使用される場合、「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、及び「からなる(comprised of)」という用語は、「含む(including)」、「含む(includes)」、又は「含む(containing)」、「含む(contains)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、追加的な、記載されていない部材、要素、又は方法工程を除外しない。「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、及び「からなる(comprised of)」という用語は、記載された部材、要素、又は方法工程を指す場合、前記記載された部材、要素、又は方法工程「からなる(consist of)」実施形態も含む。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈による別途明確な指示がない限り、単数形の参照対象と複数形の参照対象の両方を含む。
【0120】
本明細書で使用される場合、「接続され」、又は「結合され」るという用語は、記載される物体または装置間の機能的関係を反映し、すなわち、この用語は、記載される物体が、その用語が使用される文脈に適切な場合に、指定された機能を実行するように接続されている必要があることを示し、これは、電気的又は非電気的(すなわち、物理的)な様式での直接的又は間接的な接続を含み得る。
【0121】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、動作、特徴、特性、状態、構造、品目、又は結果の、完全な又はほぼ完全な範囲又は程度を指す。例えば、「実質的に」囲まれている物体は、物体が完全に囲まれているか、又はほぼ完全に囲まれていることを意味することになる。絶対的な完全性からの逸脱の、正確な許容可能な程度は、いくつかの場合において、特定の状況に依存し得る。しかしながら、概して言えば、完全に近いことは、絶対的かつ全面的な完全が得られたかのように、同一の全体的な結果を有するようなものである。「実質的に」の使用は、動作、特徴、特性、状態、構造、品目、又は結果の、完全又はほぼ完全な欠如を指すように、否定的な意味で使用される場合、同等に適用可能である。
【0122】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、特定の文脈に応じて、所与の値が、前記値又は端点を「わずかに上回る」又は「わずかに下回る」可能性があることを規定することによって、数値又は範囲端点に柔軟性を提供するために使用される。別段の記載がない限り、特定の数又は数値範囲に従った「約」という用語の使用はまた、「約」という用語なしのそのような数値用語又は数値範囲を裏付けるものと、理解されるべきである。例えば、「約30」の記載は、30をわずかに上回る値及びわずかに下回る値を裏付けるものとしてだけでなく、実際の数値30も同様に裏付けるものとして解釈されるべきである。
【0123】
端点による数値範囲の記載は、それぞれの範囲内に包含される全ての数及び分数、並びに記載された端点を含む。更に、本説明及び特許請求の範囲における、第一、第二、第三などの用語は、指定のない限り、類似要素間を区別するために使用され、必ずしも、順序又は時系列を記載するために使用されない。そのように使用される用語は、適切な状況下で互換性があることと、本明細書に記載の開示の実施形態は、本明細書に記載又は図示される以外の順序で、動作可能であることとが理解されるべきである。
【0124】
本明細書で使用される場合、装置又は物体の性能に関して「改善された」という用語は、先行技術の類似の装置又は物体との比較に基づいて得られた利益の尺度である。更に、性能の改善の程度は、開示された実施形態間で変動する場合があることと、性能の改善の量、程度、又は実現における同等性又は一貫性は、普遍的に適用可能であると想定されるべきではないこととが理解されるべきである。
【外国語明細書】