(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127861
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】測定チャンバにおける配置のためのセンサー構成体、マスクを適切なものにするための装置、およびマスクを適切なものにするための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
H01L21/304 645Z
H01L21/304 642Z
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024034934
(22)【出願日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】10 2023 202 135.8
(32)【優先日】2023-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ ブレカーボーム
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ マテイカ
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA73
5F157BG04
5F157BG05
5F157BG13
5F157BG14
5F157BG15
5F157CF04
5F157CF38
5F157CF42
(57)【要約】
【課題】本発明は、測定チャンバ(540)における配置のためのセンサー構成体(100;200;300;500)を提案する。
【解決手段】センサー構成体(100;200;300;500)は、センサー(124;224;324;524)、取り込み開口(131;231;331)、および出口(132;232;332;532)を備える。センサー構成体(100;200;300;500)が、取り込み開口(131;231;331)と出口(132;232;332;532)との間に流体接続部(133;233;333)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定チャンバ(540)における配置のためのセンサー構成体(100;200;300;500)であって、前記センサー構成体(100;200;300;500)が、センサー(124;224;324;524)と取り込み開口(131;231;331)と出口(132;232;332;532)とを備え、前記センサー構成体(100;200;300;500)が、前記取り込み開口(131;231;331)と前記出口(132;232;332;532)との間の流体接続部(133;233;333)を備える、
センサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項2】
前記流体接続部(133;233;333)が、前記センサー構成体(100;200;300;500)の動作中に吸引により前記測定チャンバ(540)から媒体を抜き出すように設計されている、
請求項1に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項3】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、接着層(123;223;323、323a)を含む、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項4】
前記流体接続部(133;233;333)が、前記センサー構成体(100;200;300;500)の動作中に吸引により前記接着層(123;223;323、323a)の放出気体(126;226;326)を抜き出すように設計された、
請求項3に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項5】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、第1のセクション(190;290;390)と第2のセクション(110;210;310)とを含み、前記第1のセクション(190;290;390)が、前記出口(132;232;332;532)を含み、前記第2のセクション(110;210;310)が、前記取り込み開口(131;231;331)と前記センサー(124;224;324;524)とを含み、前記流体接続部(133;233;333)が、前記第1のセクション(190;290;390)を前記第2のセクション(110;210;310)に接続している、
請求項1~4のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項6】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、電子機器ユニット(120;220;320)を備え、前記第1のセクション(190;290;390)が、前記電子機器ユニット(120;220;320)を備える、
請求項5に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項7】
前記第1のセクション(190;290;390)が、キャリアプレート(121、221、321)を含み、前記第2のセクション(110;210;310)が、センサーキャリア(122;222;322)を含む、
請求項5または6に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項8】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、前記第1のセクション(190;290;390)から前記第2のセクション(110;210;310)に向かって低下する圧力勾配を生成するように設計されている、
請求項5~7のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項9】
前記第1のセクション(190;290;390)が、第1の空洞(134;234;334;534)を含み、前記第2のセクション(110;210;310)が、第2の空洞(135;235;335;535)を含み、前記第1の空洞(134;234;334;534)における分圧が、前記第2の空洞(135;235;335;535)における分圧より低い、
請求項5~8のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項10】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、第3のセクション(340)を含み、前記第3のセクション(340)が、第3の空洞(345)を含み、前記第3の空洞(345)における分圧が、前記第1の空洞(134;234;334;534)における分圧および前記第2の空洞(135;235;335;535)における分圧より高い、
請求項9に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項11】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、複数のセンサー(124;224;324;524)、特に複数の結像センサー(124;224;324;524)を備える、
請求項1~10のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項12】
前記センサー(124;224;324;524)が、EUV範囲における放射波(536)を検出するように設計されている、
請求項1~11のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項13】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、第1の接続要素(137;337;537)を含み、前記第1の接続要素(137;337;537)が、真空源(538)に接続されることができる、
請求項1~12のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項14】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、真空源(538)を含む、
請求項1~13のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項15】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、第2の接続要素(139;239;339)を含み、前記第2の接続要素(139;239;339)が、超高真空での動作のために前記測定チャンバ(540)に接続されることができる、
請求項1~14のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項16】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、洗い流し媒体の洗い流し流(228;328)を流すための洗い流しデバイス(227;327)を備える、
請求項1~15のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項17】
前記洗い流し媒体が、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、および酸素からなる群から選択された1つまたは複数の気体を含む、
請求項1~16のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項18】
前記流体接続部(133;233;333)が、1つまたは複数の経路部(141;241;341)を含む、
請求項1~17のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項19】
前記経路部(141;241;341)が、少なくとも0.1mm2、特に少なくとも1mm2、特に好ましくは少なくとも5mm2の断面を有する、
請求項18に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項20】
前記流体接続部(133;233;333)が、1つまたは複数の弁を含む、
請求項1~19のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項21】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、冷却デバイス(342)を含む、
請求項1~20のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項22】
リソグラフィーにおける使用のためのマスク(530)を適切なものにするための装置であって、前記装置が、請求項1~21のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)を備える、
装置。
【請求項23】
前記装置が、評価および制御デバイス(543)と、更に、光学システム(520)を備える測定チャンバ(540)とを含む、
請求項22に記載のマスク(530)を適切なものにするための装置(550)。
【請求項24】
リソグラフィーにおける使用のためのマスク(530)を適切なものにするための方法であって、
・マスク(530)を適切なものにするための装置(550)を提供するステップ(1010)であって、前記装置が、センサー構成体(100;200;300;500)に関連した請求項1~21のいずれか1項に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)を備え、前記装置(550)が、評価および制御デバイス(543)と、更に、光学システム(520)を備える測定チャンバ(540)とを含み、前記センサー構成体(100;200;300;500)が、センサー(124;224;324;524)と取り込み開口(131;231;331)と出口(132;232;332;532)とを含み、前記センサー構成体(100;200;300;500)が、前記取り込み開口(131;231;331)と前記出口(132;232;332;532)との間に流体接続部(133;233;333)を含み、前記装置(550)が、真空源(538)を含む、ステップ(1010)と、
・前記センサー(124;224;324;524)により前記マスク(530)の少なくとも一部の少なくとも1つの光学的像を検出するステップ(1020)と、
・前記評価および制御デバイス(543)により前記流体接続部(133;233;333)を介して吸引により前記測定チャンバ(540)から媒体を抜き出すステップ(1030)と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2023年3月9日に出願されたドイツ特許出願第DE102023202135.8号の優先権を主張する。このドイツ出願の内容は更に、本出願の文章に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、測定チャンバにおける配置のためのセンサー構成体、マスクを適切なものにするための装置、およびマスクを適切なものにするための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
測定チャンバにおける配置のための、特に真空測定チャンバにおける配置のための知られたセンサー構成体では、粒子および/または気体が特にセンサー構成体から測定チャンバ内に入り得、例えば接着剤の放出気体が測定チャンバ内に入る。
【0004】
従来技術は、リソグラフィーにおける使用のためのマスクを適切なものにするための装置および方法を開示している。この場合において、リソグラフィーにおける使用のためのマスクは、例えば半導体要素を生成するための後続のリソグラフィー工程において品質を高めるために欠陥および/またはソイリングを見つけるために光学的像を記録することにより検査され得る。マスクを適切なものにするための方法は、センサー構成体を備える装置により実施され得る。従来技術から知られているセンサー構成体では、センサー構成体の部品からの、および/または測定チャンバからの粒子または汚染物質が光センサーに、または光学面に、例えば測定チャンバ内の光学面に堆積させられるおそれがある。これは、光学コンポーネントに、および/またはセンサーに、特に光センサーに望ましくない堆積が形成されることをもたらし得、これらの望ましくない堆積は測定結果に悪影響をもたらす。望ましくない堆積は、例えば有機物であることができる。センサー構成体からの汚染物質に加えて、センサー構成体に由来しない汚染物質が、代替的に、または追加的に表面に、特にセンサー面に堆積させられるようになり得る。これは例えば、リソグラフィーにおける使用のためのマスクを適切なものにするための方法の測定結果に悪影響を与え、特にマスクまたは光学コンポーネントが汚染されるおそれがある。これは、特に経時的に蓄積する手法により、例えば欠陥検出の信頼性に悪影響を与えるおそれがある。代替例として、または加えて、適切であることが意図されるマスクが、知られた方法によりソイリングされる可能性があり、これがリソグラフィー結果に悪影響を与えるおそれがある。代替例として、または加えて、誤判定の欠陥検出動作の割合が増加するおそれがあり、および/または、存在する欠陥が検出されないおそれがある。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、測定チャンバにおける配置のためのセンサー構成体、マスクを適切なものにするための装置、およびマスクを適切なものにするための方法を提供することであり、これらのセンサー構成体、装置、および方法は、測定チャンバおよび/またはマスクの汚染物質を減らす。
【0006】
したがって、本発明は、測定チャンバにおける配置のためのセンサー構成体を提案する。センサー構成体はセンサーを含む。センサーは、光センサー、特に結像センサーであることができる。センサーは、例えば、CCD(電荷結合デバイス)チップ、CMOS(相補型金属-酸化物-半導体)チップ、および/または、フォトダイオードを包含することができる。センサーは、特に好ましくは、TDI(時間遅延およびインテグレーション)センサーを備えることができる。センサー構成体は、例えばカメラシステムであることができる。センサー構成体は、取り込み開口と出口とを含む。センサー構成体は、取り込み開口と出口との間の流体接続部を含む。取り込み開口は、測定チャンバから出てセンサー構成体内に、特にセンサー構成体における空洞内に流体を流すように設計され得る。流体は、例えば空気といった気体および/または液体媒質であることができる。取り込み開口は、流体を通すことができる媒体により完全に、または部分的に充填され得る。出口は、流体接続部の少なくとも一部を介してセンサー構成体から外に流体を流すように設計され得る。出口は開口として構成され得る。出口は流体を通すことができる媒体により完全に、または部分的に充填され得る。流体接続部は、センサー構成体の少なくとも一部を通して流体を流すように設計されている。流体接続部は、取り込み開口から出口に流体を流すように設計され得る。流体接続部は空洞として少なくとも部分的に構成され得る。流体接続部は、流体を通すことができる媒体により少なくとも部分的に充填され得る。
【0007】
流体接続部は、センサー構成体の動作中に吸引により測定チャンバから媒体を抜き出すように設計され得る。媒体は、好ましくは流体であり得る。媒体は、気体、特に気体混合物、および/または、粒子および/または、汚染物質を含み得る。
【0008】
センサー構成体は接着層を含み得る。接着層は、センサー構成体の2つ以上の要素を互いに接続するように設計され得る。接着層は、接着層ソイリングに対する障壁を形成し得る。接着層は、汚染物質が測定チャンバに向かって動くことを防ぐように設計され得る。流体接続部は、特に吸引により放出気体を抜き出すために、センサー構成体の動作中に接着層の放出気体を放散させるように設計され得る。これは、測定チャンバ内への放出気体の拡散を抑制し得、および/または、接着層の放出気体が、取り込み開口を介して、および/または流体接続部を介して出口に流され得る。
【0009】
センサー構成体は、第1のセクションと第2のセクションとを含み得る。第1のセクションは、出口を含み得る。第2のセクションは、取り込み開口とセンサーとを含み得る。加えて、第2のセクションは接着層を含み得る。流体接続部は、第1のセクションを第2のセクションに接続し得る。第1のセクションは、例えば1つの平面により第2のセクションから離され得る。測定チャンバにおけるセンサー構成体の配置の場合、平面は測定チャンバの壁に配置され得る。測定チャンバにおけるセンサー構成体の配置の場合、センサー構成体の第1のセクションは、実質的に測定チャンバの外部に配置され得る。測定チャンバにおけるセンサー構成体の配置の場合、センサー構成体の第2のセクションは、実質的に測定チャンバ内に突出し得る。本発明の文脈では、例えば例として「第1のセクション」における、例えば「第1の」、「第2の」、「第3の」といった表現は、特にある順序を示すのではなく、および言及されているタイプの別の要素の存在を示すのではなく、純粋な名称として機能する。
【0010】
センサー構成体は、電子機器ユニットを備え得る。特に第1のセクションは、電子機器ユニットを備え得る。電子機器ユニットは、電気接続体および/またはケーブルハーネスおよび/または制御ユニットおよび/または評価ユニットを備え得る。
【0011】
第1のセクションは、キャリアプレートを含み得る。第2のセクションは、センサーキャリアを含み得る。キャリアプレートは、測定チャンバにセンサー構成体を配置するように設計され得る。キャリアプレートは、例えば測定チャンバの壁に永久的に、または可逆的に接続され得る。センサー構成体は、例えば、封止要素、特に封止材、例えばOリング、および/または液密接着層、および/または液密コーティングを含み得る。封止目的のために、封止材、特にOリングは、キャリアプレートと測定チャンバの壁との間に配置され得る。キャリアプレートは、開口、例えば円形開口を含み得る。電子機器ユニットの少なくとも一部は、開口に収容され得る。キャリアプレートおよび/またはセンサーキャリアおよび/またはセンサーは、互いに実質的に平行に配置され得る。本例において、実質的に平行であることは、30°未満の、特に10°未満の、特に好ましくは1°未満の2つの要素間の角度を意味すると理解され得る。接着層は、センサーキャリアとセンサーとの間に配置され得る。接着層は、センサーキャリアをセンサーに接続するように設計され得る。電子機器ユニットは、センサーキャリアまたはセンサーキャリアにおける開口を介して、および/または、接着層を通る通路を介してセンサーに接続され、特に電気的に接続され得る。電子機器ユニットは、例えば実質的に円柱形であり得る。
【0012】
第2のセクションは接着層を含み得る。接着層は、第1のセクションから、特に電子機器ユニットから測定チャンバ内への汚染を防ぐように設計され得る。結果として、電子機器ユニットは、真空に適するように構成される必要がない。これはコストを下げ得る。真空に適するように設計される必要があるセンサー構成体のボリュームは、接着層により低減され得る。接着層は、真空に適していないセンサー構成体の要素を遮蔽し得る。
【0013】
センサー構成体は、特に放出気体が第2のセクションから、特に接着層から吸引により抜き出され得る手法により、第1のセクションから第2のセクションに向かって低下する圧力勾配を生成するように設計され得る。第1のセクションは第1の空洞を含み得る。第2のセクションは第2の空洞を含み得る。第1の空洞における分圧は、特にセンサー構成体の動作中、第2の空洞における分圧より低くなり得る。センサー構成体は、好ましくは、第1の空洞における分圧が特にセンサー構成体の動作中に第2の空洞における分圧より低くなり得るように設計され得る。第1の空洞は、例えば電子機器ユニットの一部であり得る。第2の空洞は、例えば経路部および/または取り込み開口であり得る。第1の空洞および/または第2の空洞は、媒体で、例えば多孔質媒体で少なくとも部分的に充填され得る。第2の空洞は、例えばセンサーキャリアに、特にセンサーキャリアの多孔質部材に、および/または、センサーキャリアのケーブルブッシングに配置され得る。
【0014】
センサー構成体は、複数のセンサー、特に複数の結像センサー、特に好ましくは複数のTDIセンサーを含み得る。センサー構成体は、例えば複数のCCD(電荷結合デバイス)チップおよび/または複数のCMOS(相補的金属-酸化物-半導体)チップおよび/または複数のフォトダイオードを備え得る。センサー構成体は、例えば2個~100個のセンサー、特に5個~50個のセンサー、特に好ましくは10個~30個のセンサーを含み得る。センサー構成体は、複数のセンサーの各々が部分像を記録するように設計される手法により構成され得、部分像は、時間オフセット後に追加され得る。これは、小さいセンサーを使用するときにセンサー構成体の視野が広げられること、および/または、摩耗時にセンサーが個別に置換されることができるようにすることを可能にする。センサー構成体は複数のTDIチップを含み得、TDIチップは、重ならずに可能である限り1つの平面に配置され得る。
【0015】
センサー、特にセンサー構成体は、EUV範囲における放射波を検出するように設計され得る。放射波は、1nm~250nmの間の、特に10nm~100nmの間の、好ましくは13nm~14nmの間の波長をもち得る。
【0016】
センサー構成体は第1の接続要素を含み得る。第1の接続要素は真空源に接続可能であり得る。第1の接続要素は、出口と同一であり得る。
【0017】
センサー構成体は真空源を含み得る。真空源はポンプであり得る。真空源は真空システムであり得る。真空源は超高真空を生成するように設計され得る。超高真空は、本例では10パスカル未満、好ましくは5パスカル未満の分圧を意味すると理解され得る。超高真空は、特に好ましくは、100ナノパスカル未満の分圧を意味すると理解され得る。センサー構成体は、例えば複数のポンプ、特にプライマーポンプおよび主ポンプを含み得る。真空源は、ロック弁ポンプ、回転翼ポンプ、噴射ポンプ、分子ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、およびソープションポンプを含む群から選択された1つまたは複数の要素を含み得る。センサー構成体は、加熱のための装置を含み得る。これは、動作中に汚染物質が測定チャンバに入ることを防ぎ得る。
【0018】
センサー構成体は第2の接続要素を含み得る。第2の接続要素は超高真空における動作のために測定チャンバに接続され得る。第2の接続要素は、キャリアプレートを測定チャンバの壁に永久的に、または可逆的に接続するように設計され得る。接続要素は封止のためのOリングを備え得る。第2の接続要素は例えばフランジを備え得る。第2の接続要素は、測定チャンバにねじ式で嵌め合わされるように設計され得る。第2の接続要素は、1つまたは複数の穿孔穴を含み得る。
【0019】
センサー構成体は、洗い流し媒体の洗い流し流を流すための洗い流しデバイスを備え得る。洗い流しデバイスは、洗い流し媒体源、洗い流し媒体を流すためのライン、センサーのうちの1つに洗い流し媒体を送るための出口、特にノズル、を含む群から選択された1つまたは複数の要素を備え得る。洗い流し媒体は、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、および酸素を含む群から選択された1つまたは複数の気体を含み得る。洗い流し媒体は純粋な気体であることができる。この代わりとして、気体は気体混合物であることができる。洗い流し媒体は、好ましくは、ヘリウムと水素とを含む気体混合物であり得る。洗い流しデバイスは、一定の洗い流し流を生成するように設計され得る。洗い流しデバイスは、層状洗い流し流を生成するように設計され得る。洗い流しデバイスは、好ましくは、洗い流し流をセンサーの少なくとも一部上に、特にセンサーのセンサー縁部上に向かわせるように設計され得る。センサーは、洗い流し流により洗浄され得る。代替例として、または加えて、例えばセンサーからの熱が洗い流し流により、特にセンサー構成体の第1のセクションに放散させられ得る。これは、センサーの機能を改善し得る。取り込み開口は、洗い流し媒体を引き込むように設計され得る。流体接続部は、洗い流し流を取り込み開口から出口に向かわせるように設計され得る。洗い流し流は、汚染物質および/または接着層の放出気体とともに移動するように設計され得る。洗い流しデバイスおよび/または流体接続部は、センサー構成体の一部に真空を生成するように設計され得る。これは例えば、特に出口に向けて、吸引により汚染物質および/または放出気体を抜き出すために使用され得る。
【0020】
センサー構成体は、第1のハウジングを含み得る。センサー構成体の少なくとも一部は、第1のハウジングに統合され得る。例えば、電子機器ユニットおよび/またはキャリアプレートが、第1のハウジングに少なくとも部分的に配置され、および/または、第1のハウジングに機械的に接続され得る。例えば、センサー構成体の第1のハウジングは出口を含み得る。例えば、センサー構成体は、第2のハウジングを含み得る。第2のハウジングは、例えばセンサーキャリアおよび/またはセンサーおよび/または洗い流しデバイスを少なくとも部分的に備え得る。この手法により、例えば吸引による電子機器ユニットからの、および/またはセンサー構成体の接着層からの汚染物質および/または放出気体の抜き出しが簡略化され得る。
【0021】
流体接続部は、1つまたは複数の経路部を含み得る。流体接続部は、例えば環状ギャップを備え得る。環状ギャップは、一定のギャップ幅をもち得る。環状ギャップは、例えば特にセンサー構成体を安定化させるための要素のための、および/または、電気接続体のための不連続部分をもち得る。環状ギャップは、特に電子機器ユニットがキャリアプレートにおける円形開口内に突出することにより、円柱形電子機器ユニットとキャリアプレートとの間に形成され得る。リング形開口の半径は、例えば0.1mm~1cmぶん、好ましくは0.5mm~2mmぶん、特に好ましくは1mmぶん電子機器ユニットの半径より大きくすることができる。
【0022】
経路部は、少なくとも0.1mm2、特に少なくとも1mm2、特に好ましくは少なくとも5mm2の断面をもち得る。経路部は、例えばキャリアプレートと電子機器ユニットとの間に形成され得る。代替例として、または加えて、経路部は、電子機器ユニットのハウジングとキャリアプレートとの間に形成され得る。電子機器ユニットのハウジングおよび/または電子機器ユニットは、例えば実質的に管状または缶形または円柱形であり得る。この代わりとして、電子機器ユニットのハウジングおよび/または電子機器ユニットは、例えば実質的に立方体状であり得る。電子機器ユニットのハウジングは、例えば接着層によりセンサーキャリアに接続され得る。電子機器ユニットのハウジングは、例えばセンサー構成体の第1のハウジングに接続され得る。電子機器ユニットのハウジングは、電気ラインを供給するための開口を含み得る。
【0023】
センサー構成体は、例えば第3のセクションを含み得る。第3のセクションは、第3の空洞を備え得る。第3の空洞は、例えば電子機器ユニットのハウジング内に統合され得る。第3の空洞における分圧は、特にセンサー構成体の動作中、第1の空洞および/また第2の空洞における分圧より高くされ得る。センサー構成体は、好ましくは、第3の空洞における分圧が、特にセンサー構成体の動作中、第1の空洞および/または第2の空洞における分圧より高くされ得る手法により構成され得る。第1のセクションの空洞における分圧は、好ましくは、第2のセクションの空洞における分圧より高くされ得る。第3のセクションは、好ましくは、電子機器ユニットを備え得る。センサー構成体は、特に電子機器ユニットのハウジングとセンサーキャリアとの間に更なる接着層を含み得る。更なる接着層は、特に、電子機器ユニットの一部が接着層を通ってセンサーキャリアまで案内され得る手法によりリング形に構成され得る。第3のセクションは、液密壁により、および/または、電子機器ユニットのハウジングにより、および/または、更なる接着層により、第1のセクションから、および/または第2のセクションから分離され、特に流体的に分離され得る。結果として、電子機器ユニットが真空に適するように構成されることは必要とされない。第1の空洞における分圧および/または第2の空洞における分圧が例えば電子機器ユニットにより管理された手法により調節され得る手法により、センサー構成体が構成され得る。特に好ましくは、第1の空洞における分圧および/または第2の空洞における分圧および/または第3の空洞における分圧が例えば電子機器ユニットにより管理された手法により調節され得る手法により、センサー構成体が構成され得る。例えば、真空源は、センサー構成体の空洞における分圧を調節する、および/または制御するように設計され得る。真空源は、第1の空洞および/または第2の空洞における異なる分圧を生成する、および/または管理するように設計され得る。真空源は、好ましくは、第1の空洞および/または第2の空洞および/または第3の空洞における異なる分圧を生成する、および/または管理するように設計され得る。
【0024】
センサー構成体は、例えば冷却デバイスを含み得る。冷却デバイスは、ペルティエ素子を備え得る。冷却デバイスは、センサーを冷やすように設計され得る。流体接続部は、流体流および/または洗い流し流がペルティエ素子の高温側を通り過ぎるように、特に熱が出口に逃がされる手法により配置され得る。代替例として、または加えて、流体接続部は、流体流および/または洗い流し流がペルティエ素子の低温側を通り過ぎる手法により、特に凝縮した水分が出口に逃がされる手法により構成され得る。流体接続部は、例えば、センサーキャリアと冷却デバイス、特にペルティエ素子との間のギャップであり得る。流体接続部は、冷却デバイスからの水分、特に凝縮物を出口に流すように設計され得る。流体接続部、特に経路部は、冷却デバイスおよび/またはセンサーキャリアに少なくとも部分的に配置され得る。これは、熱および/または水分および/または汚染物質が目的にかなう手法によりセンサーから放散されることを可能にする。
【0025】
例えば、センサー構成体は、電子機器ユニットが測定チャンバの分圧より低い分圧をもち得る手法によりセンサー構成体における分圧が管理され得る手法により構成され得る。これは、センサー、および/または、センサーキャリア、および/または、冷却デバイス、特にペルティエ素子が、特に測定チャンバと電子機器ユニットとの間のより小さい圧力差に起因して、より小さく曲がるという利点を有する。
【0026】
流体接続部は、1つまたは複数の弁を含み得る。弁は、第1のセクションから第2のセクションへの流体流を防ぐように設計され得る。これは、例えば真空源がオフにスイッチングされたとき、センサー構成体からの汚染物質が測定チャンバに入ることを防ぎ得る。弁は、例えば逆止め弁であり得る。代替例として、または加えて、出口および/または流体接続部は、必要とされる場合、特に例えば液密スライドといった流密な手法により出口および/または流体接続部を閉じるように設計されたデバイスを含み得る。流体接続部および/または出口は、例えば、吸引により抜き出された流体をフィルタリングするためのフィルタを含み得る。流体接続部および/または出口は、例えば質量分析計といった、吸引により抜き出された流体を分析するためのデバイスを含み得る。これは、特に放出気体源といったソイリング源を示すことができる。センサー構成体は、1つまたは複数の圧力センサーを含み得る。これは、流体流がセンサー構成体により管理される、および/または制御されることを可能にする。
【0027】
更なる態様において、本発明は、リソグラフィーにおける使用のためのマスクを適切にするための装置を備え得る。装置は、本開示によるセンサー構成体を備える。例示として、マスクを適切なものにすることは、マスクを検査することを含み得る。代替例として、または加えて、マスクを適切なものにすることは、例えば補正といったマスクを前処理することを含むことができる。
【0028】
マスクは、フォトリソグラフィックマスク、特に好ましくはEUV波長範囲に対するフォトリソグラフィックマスクであることができる。マスクは、複数の層、特に平面状層を備え得る。マスクは、吸収パターン要素を備える吸収体構造物を含み得る。
【0029】
マスクを適切なものにするための装置は、評価および制御デバイス、更には光学システムを備える測定チャンバを備え得る。評価および制御デバイスは、独立した評価デバイスと独立した制御デバイスとを含み得、2つのデバイスは、インターフェースにより互いに接続され得る。この代わりとして、評価および制御デバイスは、1つの装置として構成され得る。評価および制御デバイスは、好ましくは、データ処理装置を含み得る。評価および制御デバイスは、例えばインターフェースにより人により動作させられ得る。このインターフェースデバイスは、キーボードまたはタッチパッドであり得る。
【0030】
光学システムは、照射ユニットと結像ユニットとを含み得る。照射ユニットは、光、特に照明光をマスクに当てるように設計され得る。照射ユニットは、EUV光源を含み得る。結像ユニットは、マスクにより反射された光を像平面において結像する(image)ように設計され得る。
【0031】
マスクを適切なものにするための装置は、マスクを適切なものにするための装置の少なくとも1つのハウジングを含み得る。例えば、光学システムは、マスクを適切なものにするための装置のハウジング内に配置され、好ましくはマスクを適切なものにするための装置のハウジング内に完全に配置され得る。評価および制御デバイスは、マスクを適切なものにするための装置のハウジング内に部分的に配置され得る。例えば、評価および制御デバイスは、マスクを適切なものにするための装置のハウジング内に完全に配置され得る。この代わりとして、評価および制御デバイスは、マスクを適切なものにするための装置のハウジングの外部に完全に配置され得る。例えば、センサー構成体は、マスクを適切なものにするための装置のハウジング内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0032】
装置は、マスクを収容するためのデバイスを含み得る。マスクを収容するためのデバイスは、少なくとも1つの洗い流し気体、特に上述の洗い流し気体をマスクに送るように設計され得る。センサー構成体の洗い流しデバイスに代えて、または加えてマスクを収容するためのデバイスが、更に、センサー構成体のセンサーに洗い流し気体を送り得る。本開示によるセンサー構成体を使用することにより、マスクにおける欠陥の検出が、装置により改善され得る。
【0033】
本発明の更なる態様では、リソグラフィーにおける使用のためのマスクを適切にするための方法が提案される。本方法は、マスクを適切なものにするための装置を提供することを含み、装置は、本開示によるセンサー構成体を備える。装置は、評価および制御デバイス、更には測定チャンバを備え得る。光学システムは、測定チャンバに配置され得る。センサー構成体は、センサー、取り込み開口、および出口を備える。センサー構成体は、取り込み開口と出口との間の流体接続部を含む。装置は、真空源を含み得る。本方法は、センサーによりマスクの一部の少なくとも1つの光学的像を検出することを更に含む。本方法は、流体接続部を介した吸引による、特に評価および制御デバイスによる測定チャンバからの媒体の抜き出しを更に含む。更なるステップでは、センサーにより生成された1つまたは複数の像は、特に評価および制御デバイスにより評価され得る。更なるステップでは、欠陥検出は、特に評価および制御デバイスにより実行され得る。例えば、欠陥および/またはソイリングは、マスクにおいて検出され得る。更なるステップでは、マスクの修理が実行され得る。
【0034】
測定チャンバにおける配置のための本開示によるセンサー構成体、マスクを適切なものにするための本開示による装置、および、マスクを適切なものにするための本開示による方法は、少なくとも例示的な微調整において様々な利点を有する。特にマスクの適切さの信頼性は、例えば測定チャンバ内への接着層の放出気体の低減により、および/または、吸引による汚染物質および/または水分の抜き出しにより、および/または、測定チャンバから外への、および/またはセンサー構成体から外への熱の伝達により高められ得る。
【0035】
上述の特徴および以下で説明されているものが、本開示の範囲から逸脱せずに、各場合において指定されている組み合わせにより使用されるだけでなく、他の組み合わせにより、またはそれら自体で使用され得ることは言うまでも無い。
【0036】
本開示の例示的な実施形態が図面に示されており、以下の説明を参照しながら更に詳細に説明される。図面において以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明によるセンサー構成体の第1の例示的な実施形態の概略図である。
【
図2】本発明によるセンサー構成体の第2の例示的な実施形態の概略図である。
【
図3】本発明によるセンサー構成体の第3の例示的な実施形態の概略図である。
【
図4】マスクを適切なものにするための本発明による装置の例示的な実施形態の概略図である。
【
図5】マスクを適切なものにするための本発明による方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、測定チャンバにおける配置のための本発明によるセンサー構成体100の第1の例示的な実施形態を示す。センサー構成体100は、センサー124、取り込み開口131、および出口132を含む。センサー構成体100は、取り込み開口131と出口132との間の流体接続部133を含む。流体接続部133は、センサー構成体100の動作中に吸引により測定チャンバから媒体を抜き出すように設計されている。センサー124は、EUV範囲における放射波を検出するように設計され得る。センサー構成体100は、複数のセンサー124、特に複数の結像センサー124、特にEUV範囲における放射波を検出するように設計され得る複数のセンサー124を含み得る。
【0039】
センサー構成体100は、接着層123を含む。流体接続部133は、センサー構成体100の動作中に吸引により接着層123の放出気体126を抜き出すように設計され得る。
【0040】
センサー構成体100は、第1のセクション190と第2のセクション110とを含む。
図1に示される実施形態において、破線141は、第1のセクション190と第2のセクション110との間の境界としての平面を示す。第1のセクション190は、出口132を備える。第2のセクション110は、取り込み開口131とセンサー124とを含む。流体接続部133は、第1のセクション190を第2のセクション110に接続している。
【0041】
センサー構成体100は、電子機器ユニット120を備える。第1のセクション190は、電子機器ユニット120を備える。第1のセクション190は、キャリアプレート121を更に備える。第2のセクション110は、センサーキャリア122を備える。センサー構成体100は、第1のセクション190から第2のセクション110に向かって低下する圧力勾配を生成するように設計され得る。
【0042】
第1のセクション190は、第1の空洞134を含む。第1の空洞134は、例えば、電子機器ユニット120を備え得る。第2のセクション110は、第2の空洞135を含む。第2の空洞135は、取り込み開口131であり得る。第1の空洞134における分圧は、特に超高真空のもとで測定チャンバにおけるセンサー構成体100の動作中に、第2の空洞135における分圧より低くなり得る。
【0043】
センサー構成体100は、第1のハウジング143を含み得る。出口132および/またはキャリアプレート121および/または電子機器ユニット120は、第1のハウジング143に少なくとも部分的に統合され得る。代替例として、または加えて、センサー構成体100は第2のハウジングを含み得る。第2のハウジングは、例えば、センサーキャリア122および/またはセンサー124および/または洗い流しデバイスを少なくとも部分的に囲み得る。この手法により、吸引による、例えば、電子機器ユニット120からの、および/またはセンサー構成体100の接着層123からの汚染物質および/または放出気体の抜き出しが簡略化され得る。第1のハウジング143の空洞は、例えば第1の空洞であり得る。第2のハウジングの空洞は、例えば第2の空洞であり得る。
【0044】
センサー構成体100は、第1の接続要素137を含む。第1の接続要素137は、真空源に接続可能であり得る。この代わりとして、センサー構成体100は、例えばポンプといった真空源を含み得る。センサー構成体100は、第2の接続要素139を含む。
図1による例示的な実施形態では、第2の接続要素139は、キャリアプレート121である。第2の接続要素139は、超高真空での動作のために測定チャンバに接続可能であり得る。
【0045】
流体接続部133は、経路部141を含む。
図1による経路部141は実質的に環状ギャップとして設計されている。環状ギャップは、例えば、特にセンサー構成体100の機械的安定化のための要素による、および/または電気接続体による不連続部分をもち得る。経路部141は、電子機器ユニット120とキャリアプレート121との間のギャップから形成されている。経路部141は、少なくとも0.1mm
2、特に少なくとも1mm
2、特に好ましくは少なくとも5mm
2の断面をもち得る。流体接続部133は、1つまたは複数の弁を含み得る。センサー構成体100は、冷却デバイスを含み得る。
【0046】
電子機器ユニット120は実質的に円筒形である。この代わりとして、電子機器ユニット120は、実質的に立方体状であり得る。電子機器ユニット120は、キャリアプレート121における円形開口内に収容されている。電子機器ユニット120は、特に電気接続体によりセンサーキャリア122に接続されている。センサーキャリア122は、接着層123によりセンサー124に接続されている。センサー124は、TDIセンサーであり得る。センサー124は、例えば複数のTDIセンサーを備え得る。ポンプが出口132に接続されたとき、電子機器ユニット120と出口132とキャリアプレート121と更にはセンサー構成体100の第1のハウジング143の少なくとも一部とを含む第1のセクション190に真空が生成され得、真空は、センサーキャリア122と接着層123とセンサー124とを備える第2のセクション110から第1のセクション190内への流体流を生成することができる。これは、接着層123の放出気体126が第2のセクション110から出て第1のセクション190内に向けられることを可能にする。
【0047】
図2によるセンサー構成体200の例示的な実施形態は、
図1による例示的な実施形態と実質的に同様に構成され得る。
図2による例示的な実施形態は、洗い流し媒体の洗い流し流228を流すための洗い流しデバイス227を備える。洗い流し媒体は、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、および酸素を含む群から選択された1つまたは複数の気体を含み得る。洗い流しデバイス227は、例えばリング形ノズル構成体として構成され得る。洗い流しデバイス227は、吸引による接着層223からの放出気体226の抜き出しを強化するように設計され得る。洗い流しデバイス227は、洗い流し流228をセンサー224の縁部に、および/または接着層223の縁部ゾーンに向かわせるように設計され得る。これは、吸引による、接着層223からの放出気体226および/またはセンサー224のソイリングの抜き出しを強化し得る。
【0048】
センサー構成体200は、第1のハウジング243を含み得る。出口232および/またはキャリアプレート221および/または電子機器ユニット220は、第1のハウジング243に少なくとも部分的に統合され得る。
【0049】
図2によるセンサー構成体200は、センサー構成体200の第2のハウジング244を備える。センサー構成体200の第2のハウジング244は、例えば、センサーキャリア222および/またはセンサー224および/または洗い流しデバイス227および/または接着層223を少なくとも部分的に囲み得る。この手法により、例えば吸引による電子機器ユニット220からの、および/またはセンサー構成体200の接着層223からの汚染物質および/または放出気体226の抜き出しが簡略化され得る。第1のハウジング243の空洞は、例えば第1の空洞234であり得る。第2のハウジング244の空洞は、例えば第2の空洞235であり得る。検出デバイス200の動作中、特に第1のハウジング243における第1の空洞234における分圧が、特に第2のハウジング244における第2の空洞235における分圧より低くなり得る。
【0050】
図3によるセンサー構成体300の例示的な実施形態は、
図1および/または
図2によるセンサー構成体と実質的に同様に構成され得、および、例えば、
図3に示されていないコンポーネントを更に含み得る。第1のセクション390は、キャリアプレート321を備える。第2のセクション310は、センサー324とセンサーキャリア322と、更にはセンサーキャリア322にセンサー324を接続する接着層323とを備える。
【0051】
センサー構成体300は、第1のセクション390および第2のセクション310に対して、特にセンサーキャリア322に対して電子機器ユニット320のハウジング321aを流体的に密封するように設計され得る更なる接着層323aを備える。センサー構成体300は、第3のセクション340を含む。第3のセクション340は、電子機器ユニット320を備える。センサー構成体300は、第1のセクション390における第1の空洞334と、第2のセクション310における第2の空洞335とを含む。第3のセクション340は、センサー構成体300の動作中に第1のセクション390および第2のセクション310より高い分圧を有する第3の空洞345を含み得る。第3の空洞345は、特にセンサー構成体300の動作中に大気圧であり得る。センサー構成体300は、冷却デバイス342を備える。
【0052】
センサー構成体300は、第1のハウジング343を含み得る。出口332および/またはキャリアプレート321および/または電子機器ユニット320は、第1のハウジング343に少なくとも部分的に統合され得る。代替例として、または加えて、センサー構成体300は、第2のハウジングを含み得る。第2のハウジングは、例えば、センサーキャリア322および/またはセンサー324および/または洗い流しデバイス327および/または接着層323を少なくとも部分的に囲み得る。この手法により、例えば吸引による電子機器ユニット320からの、および/またはセンサー構成体300の接着層323からの汚染物質および/または放出気体の抜き出しが簡略化され得る。第1のハウジング343の空洞は、例えば第1の空洞334であり得る。第2のハウジングの空洞は、例えば第2の空洞であり得る。検出デバイス300の動作中、特に第1のハウジング343における第1の空洞334における分圧は、特に第2のハウジングにおける第2の空洞における分圧より低くされ得る。
【0053】
図4は、リソグラフィーにおける使用のためのマスク530を適切なものにするための本発明による装置550の例示的な実施形態を示し、装置550は、本発明によるセンサー構成体500を備える。センサー構成体500は、上述のセンサー構成体と同様に構成され得る。
図4は、特にセンサー524と出口532とを備えるセンサー構成体500を示す。センサー524は、EUV範囲における放射波536を検出するように設計され得る。出口532は、第1の接続要素537である。出口532は、真空源538に接続されている。真空源538は、センサー構成体500内に、特にセンサー構成体500の第1のハウジング543内に組み込まれている。装置550はEUV源510を備える。
【0054】
デバイス550は、評価および制御デバイス543と、更には光学システム520を備える測定チャンバ540とを備える。評価および制御デバイス543は、インターフェースを介して、センサー構成体500に、および/またはEUV源510に、および/または光学システム520に接続され得る。装置550はハウジング590を含む。ハウジング590は、例えば測定チャンバ540の境界を定め得る。装置550は、マスク530を適切なものにするための本発明による方法を実施するように設計され得る。
【0055】
図5は、リソグラフィーにおける使用のためのマスクを適切にするための本発明による方法の例示的な実施形態を示す。本方法は、マスクを適切なものにするための装置を提供すること1010を含む。装置は、例えば
図4に示される装置550であることができる。装置は、特に、例えば
図1、
図2、
図3または
図4に示される本発明によるセンサー構成体を備える。装置は、評価および制御デバイス、更には光学システムを備える測定チャンバを含み得る。センサー構成体は、センサー、取り込み開口、および出口を備える。センサー構成体は、取り込み開口と出口との間に流体接続部を備える。装置は、真空源を含み得る。更なるステップ1020において、マスクの少なくとも一部の少なくとも1つの光学的像がセンサーにより検出される。例えば複数の像が記録され得る。更なるステップ1030において、媒体が、評価および制御デバイスにより流体接続部を介して吸引により測定チャンバから抜き出される。更なるステップでは、評価は評価および制御デバイスにより実行され得、特に、欠陥検出は、マスクの欠陥またはソイリングを特定するために実行され得る。
【符号の説明】
【0056】
100、200、300、500 センサー構成体
540 測定チャンバ
124、224、324、524 センサー
131、231、331 取り込み開口
132、232、332、532 出口
133、233、333 流体接続部
123、223、323 接着層
126、226、326 放出気体
190、290、390 第1のセクション
110、210、310 第2のセクション
1010 提供する
1020 検出する
1030 吸引により抜き出す
120、220、320 電子機器ユニット
121、221、321 キャリアプレート
122、222、322 センサーキャリア
134、234、334、534 第1の空洞
135、235、335、535 第2の空洞
536 EUV範囲の放射波
137、337、537 第1の接続要素
538 真空源
139、239、339 第2の接続要素
227、327 洗い流しデバイス
228、328 洗い流し流
141、241、341 経路部
342 冷却デバイス
530 マスク
543 評価および制御デバイス
520 光学システム
550 マスクを適切なものにするための装置
142、242、342 平面
323a 更なる接着層
321a 電子機器ユニットのハウジング
340 第3のセクション
510 EUV源
590 マスクを適切なものにするための装置のハウジング
143、243、343、543 センサー構成体の第1のハウジング
244 センサー構成体の第2のハウジング
345 第3の空洞
【手続補正書】
【提出日】2024-07-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定チャンバ(540)における配置のためのセンサー構成体(100;200;300;500)であって、前記センサー構成体(100;200;300;500)が、センサー(124;224;324;524)と取り込み開口(131;231;331)と出口(132;232;332;532)とを備え、前記センサー構成体(100;200;300;500)が、前記取り込み開口(131;231;331)と前記出口(132;232;332;532)との間の流体接続部(133;233;333)を備える、
センサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項2】
前記流体接続部(133;233;333)が、前記センサー構成体(100;200;300;500)の動作中に吸引により前記測定チャンバ(540)から媒体を抜き出すように設計されている、
請求項1に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項3】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、接着層(123;223;323、323a)を含む、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項4】
前記流体接続部(133;233;333)が、前記センサー構成体(100;200;300;500)の動作中に吸引により前記接着層(123;223;323、323a)の放出気体(126;226;326)を抜き出すように設計された、
請求項3に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項5】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、第1のセクション(190;290;390)と第2のセクション(110;210;310)とを含み、前記第1のセクション(190;290;390)が、前記出口(132;232;332;532)を含み、前記第2のセクション(110;210;310)が、前記取り込み開口(131;231;331)と前記センサー(124;224;324;524)とを含み、前記流体接続部(133;233;333)が、前記第1のセクション(190;290;390)を前記第2のセクション(110;210;310)に接続している、
請求項1に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項6】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、電子機器ユニット(120;220;320)を備え、前記第1のセクション(190;290;390)が、前記電子機器ユニット(120;220;320)を備える、
請求項5に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項7】
前記第1のセクション(190;290;390)が、キャリアプレート(121、221、321)を含み、前記第2のセクション(110;210;310)が、センサーキャリア(122;222;322)を含む、
請求項5または6に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項8】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、前記第1のセクション(190;290;390)から前記第2のセクション(110;210;310)に向かって低下する圧力勾配を生成するように設計されている、
請求項5または6に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項9】
前記第1のセクション(190;290;390)が、第1の空洞(134;234;334;534)を含み、前記第2のセクション(110;210;310)が、第2の空洞(135;235;335;535)を含み、前記第1の空洞(134;234;334;534)における分圧が、前記第2の空洞(135;235;335;535)における分圧より低い、
請求項5または6に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項10】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、第3のセクション(340)を含み、前記第3のセクション(340)が、第3の空洞(345)を含み、前記第3の空洞(345)における分圧が、前記第1の空洞(134;234;334;534)における分圧および前記第2の空洞(135;235;335;535)における分圧より高い、
請求項9に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項11】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、複数のセンサー(124;224;324;524)、特に複数の結像センサー(124;224;324;524)を備える、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項12】
前記センサー(124;224;324;524)が、EUV範囲における放射波(536)を検出するように設計されている、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項13】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、第1の接続要素(137;337;537)を含み、前記第1の接続要素(137;337;537)が、真空源(538)に接続されることができる、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項14】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、真空源(538)を含む、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項15】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、第2の接続要素(139;239;339)を含み、前記第2の接続要素(139;239;339)が、超高真空での動作のために前記測定チャンバ(540)に接続されることができる、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項16】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、洗い流し媒体の洗い流し流(228;328)を流すための洗い流しデバイス(227;327)を備える、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項17】
前記洗い流し媒体が、ヘリウム、水素、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、および酸素からなる群から選択された1つまたは複数の気体を含む、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項18】
前記流体接続部(133;233;333)が、1つまたは複数の経路部(141;241;341)を含む、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項19】
前記経路部(141;241;341)が、少なくとも0.1mm2、特に少なくとも1mm2、特に好ましくは少なくとも5mm2の断面を有する、
請求項18に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項20】
前記流体接続部(133;233;333)が、1つまたは複数の弁を含む、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項21】
前記センサー構成体(100;200;300;500)が、冷却デバイス(342)を含む、
請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)。
【請求項22】
リソグラフィーにおける使用のためのマスク(530)を適切なものにするための装置であって、前記装置が、請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)を備える、
装置。
【請求項23】
前記装置が、評価および制御デバイス(543)と、更に、光学システム(520)を備える測定チャンバ(540)とを含む、
請求項22に記載のマスク(530)を適切なものにするための装置(550)。
【請求項24】
リソグラフィーにおける使用のためのマスク(530)を適切なものにするための方法であって、
・マスク(530)を適切なものにするための装置(550)を提供するステップ(1010)であって、前記装置が、センサー構成体(100;200;300;500)に関連した請求項1または2に記載のセンサー構成体(100;200;300;500)を備え、前記装置(550)が、評価および制御デバイス(543)と、更に、光学システム(520)を備える測定チャンバ(540)とを含み、前記センサー構成体(100;200;300;500)が、センサー(124;224;324;524)と取り込み開口(131;231;331)と出口(132;232;332;532)とを含み、前記センサー構成体(100;200;300;500)が、前記取り込み開口(131;231;331)と前記出口(132;232;332;532)との間に流体接続部(133;233;333)を含み、前記装置(550)が、真空源(538)を含む、ステップ(1010)と、
・前記センサー(124;224;324;524)により前記マスク(530)の少なくとも一部の少なくとも1つの光学的像を検出するステップ(1020)と、
・前記評価および制御デバイス(543)により前記流体接続部(133;233;333)を介して吸引により前記測定チャンバ(540)から媒体を抜き出すステップ(1030)と、
を含む、方法。
【外国語明細書】