(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128343
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G21/16 133
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037269
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】中村 光孝
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA03
2H171GA09
2H171HA09
2H171HA23
2H171HA33
2H171KA02
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA26
2H171KA27
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA15
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171SA37
(57)【要約】
【課題】開閉カバーにおいてロックレバーとともに回動可能に保持された回動軸が変形してしまう不具合を生じにくくする。
【解決手段】開閉カバー50は、ロックレバー55、56を介して回動可能に保持される回動軸54と、回動軸54の回動に連動して画像形成装置本体1の係止ピン60(係止部)に対して係止されたり係止解除されたりするロックレバー55、56と、が設けられている。さらに、開閉カバー50には、ロックレバー55、56の軸方向両端部にそれぞれ形成された外側ボス部55a、56a及び内側ボス部55b、56b(被保持部)をそれぞれ保持する袋状穴部51a、51b及び貫通穴52a、53a(一対の保持部)が、ロックレバー55、56を回動軸54の軸方向両側から挟むように配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して支軸を中心に回動可能に構成されて、閉鎖時に前記画像形成装置本体の側から開放方向の圧力を受ける開閉カバーを備え、
前記開閉カバーは、
回動可能に保持される回動軸と、
回動可能に前記回動軸に設置されて、前記回動軸の回動に連動して前記画像形成装置本体の係止部に対して係止又は係止解除されるロックレバーと、
前記ロックレバーを前記回転軸の軸方向両側から挟むように配置されて、前記ロックレバーの軸方向両端部にそれぞれ形成された被保持部をそれぞれ保持する一対の保持部と、
を具備したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記開閉カバーは、カバー本体と、前記カバー本体に設置された金属ステーと、を具備し、
前記一対の保持部のうち一方の保持部は、前記カバー本体に一体的に形成されて、
前記一対の保持部のうち他方の保持部は、前記金属ステーに形成された貫通穴であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記金属ステーは、前記カバー本体における軸方向両端部にそれぞれ設置され、
前記一方の保持部は、前記他方の保持部としての前記貫通穴に対して前記ロックレバーを介して軸方向外側に配置されて、前記ロックレバーにおいて軸方向外側に形成された前記被保持部を覆うように保持する袋状穴部であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記金属ステーの前記貫通穴に対して、前記貫通穴に保持される前記ロックレバーの前記被保持部が隙間をあけて嵌合されたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記金属ステーは、前記カバー本体における軸方向両端部にそれぞれ設置され、
前記ロックレバーは、前記回動軸の軸方向両端部にそれぞれ設置され、
2つの前記ロックレバーのうち、少なくとも一方のロックレバーは、前記回動軸に対して軸方向に移動可能に構成されたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記開閉カバーは、前記少なくとも一方のロックレバーを前記係止部に係止される方向に付勢する付勢部材を具備したことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記2つのロックレバーのうち、他方のロックレバーは、前記回動軸に対して軸方向に移動できないように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記開閉カバーは、前記回動軸及び前記2つのロックレバーとともに回動可能であって、操作者が操作可能な操作レバーを具備したことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記少なくとも一方のロックレバーの前記回動軸における軸方向の位置を定める位置決め部材が、前記回動軸に設置されたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
閉鎖時に前記画像形成装置本体の側から受ける前記圧力のうち単位面積当たり最大のものが、前記ロックレバーの近傍に作用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記開閉カバーは、中間転写体上に形成されたトナー像をシート上に2次転写するための2次転写ローラを回転可能に保持し、
前記圧力は、前記開閉カバーの閉鎖時に前記2次転写ローラが前記画像形成装置本体の側から受ける圧力であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機や印刷機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置において、画像形成装置本体の内部を開放可能な開閉カバーが設置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1では、転写ローラ(2次転写ローラ)を回転可能に保持する側面パネル(開閉カバー)が、画像形成装置本体に対して支軸を中心に回動可能に設置されている。そして、側面パネルは、ユーザーによる開閉操作用取っ手(操作レバー)の回動操作によって、開閉操作用取っ手とともに回動するフック(ロックレバー)の係止解除がされて、開放方向に回動可能になる。そして、このようなフックは、側面パネルに片持ち保持されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像形成装置は、閉鎖時に開閉カバーが画像形成装置本体の側から圧力を受けて、開閉カバーにおいてロックレバーとともに回動可能に保持された回動軸が変形してしまう不具合が生じていた。そして、そのような不具合が生じることで、開閉カバーの開閉動作に異常(動作不良)が生じてしまっていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、開閉カバーにおいてロックレバーとともに回動可能に保持された回動軸が変形してしまう不具合が生じにくい、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における画像形成装置は、画像形成装置本体に対して支軸を中心に回動可能に構成されて、閉鎖時に前記画像形成装置本体の側から開放方向の圧力を受ける開閉カバーを備え、前記開閉カバーは、回動可能に保持される回動軸と、回動可能に前記回動軸に設置されて、前記回動軸の回動に連動して前記画像形成装置本体の係止部に対して係止又は係止解除されるロックレバーと、前記ロックレバーを前記回転軸の軸方向両側から挟むように配置されて、前記ロックレバーの軸方向両端部にそれぞれ形成された被保持部をそれぞれ保持する一対の保持部と、を具備したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、開閉カバーにおいてロックレバーとともに回動可能に保持された回動軸が変形してしまう不具合が生じにくい、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図2】開閉カバーが開放される動作を示す図である。
【
図3】開閉カバーの要部を画像形成装置本体の内部からみた斜視図である。
【
図4】操作レバーを画像形成装置本体の外側からみた斜視図である。
【
図7】ロックレバーのボス部と、金属ステーの穴部と、を示す断面図である。
【
図8】ロックレバーと回動軸とがサブアッセンブリされたユニットを開閉カバーに組付ける動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、
図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱可能(交換可能)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78(中間転写体)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
画像形成装置本体1の下方には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納された給紙部12(給紙カセット)が設置されている。
また、画像形成装置本体1の右方には、シートPをスタック部100に向けて搬送(排出)したり、シートPを反転(スイッチバック)させて両面搬送路K5を搬送したりするための両面搬送ユニットが設置されている。そして、この両面搬送ユニットの一部や、後述する2次転写ローラ89などが、開閉可能な開閉カバー50に搭載されている。
【0011】
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像装置76、クリーニング装置77、除電部、等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面に各色の画像が形成されることになる。
【0012】
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、メインモータによって
図1の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3(書込み部)から発せられたレーザ光の照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0013】
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写体としての中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0014】
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング装置77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング装置77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0015】
その後、現像工程を経て各感光体ドラムの表面に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78の表面に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78の表面にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写体としての中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング装置80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82~84によって張架・支持されるとともに、メインモータに連結された1つのローラ82の回転駆動によって
図1中の矢印方向に無端移動される。
【0016】
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78の表面に重ねて1次転写される(1次転写工程である。)。
【0017】
その後、各色のトナー像が重ねて1次転写された中間転写ベルト78は、転写装置としての2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89(転写装置)との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。具体的に、2次転写ローラ89は、所定の圧力(当接圧)で、中間転写ベルト78を介して2次転写バックアップローラ82に当接している。
そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送されたシートP上に転写される(2次転写工程である。)。このとき、中間転写ベルト78には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング装置80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0018】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、第1、第2搬送路K0、K1を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ31が
図1中の反時計方向に回転駆動されると、給紙ローラ31とフリクションパッド32との間に挟まれた一番上のシートPが、第1、第2搬送路K0、K2を形成するガイド板に案内されながら、レジストローラ対33(タイミングローラ対)のローラ間に向けて給送される。
【0019】
レジストローラ対33(タイミングローラ対)に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対33のローラニップ(ニップ部)の位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対33が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップ(画像形成部)に向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0020】
その後、2次転写ニップ(画像形成部)の位置でカラー画像が転写されたシートPは、第2搬送路K1を経由して、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置(定着ベルト21と加圧ローラ22とが圧接して形成された定着ニップ部である。)で、熱と圧力とにより、表面に担持されたトナー像がシートP上に定着される(定着工程である。)。
【0021】
そして、定着工程後のシートPは、第2搬送路K1を通過して、切替部材45(分岐爪)によって排出搬送路K2に案内されて、排出ローラ対として機能する第1、第2ローラ40、41によって、装置外へと排出される。第1、第2ローラ40、41によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセス(印刷動作)が完了する。
【0022】
ここで、上述した給紙部12からスタック部100に至るシートP(又は、画像形成装置1)の動作は、片面プリントモード(シートPのオモテ面のみに画像を形成するモードである。)が選択されている場合のものである。
なお、片面プリントモード時(又は、両面プリントモード時において両面へのプリントが終了した後のシートPをスタック部100に排出するとき)には、排出搬送路K2を開放して中継搬送路K3を閉鎖するように切替部材45が回動軸を中心にして反時計方向に回動した位置(
図1に示す位置である。)で停止することになる。
【0023】
これに対して、両面プリントモード(シートPのオモテ面とウラ面とにそれぞれ画像を形成するモードである。)が選択されている場合には、以下のようにシートP(又は、画像形成装置1)が動作することになる。
給紙部12から給送されたシートPが、第1、第2搬送路K0、K1、2次転写ニップを経由して定着装置20に達するまでの工程は、片面プリントモード時のものと同様である。そして、定着工程後のシートP(オモテ面に画像が形成された状態のものである。)は、切替部材45によって中継搬送路K3を経由してスイッチバック搬送路K4に案内される。このとき、排出搬送路K2を閉鎖して中継搬送路K3を開放するように切替部材45が回動軸を中心にして時計方向に回動した位置で停止することになる。
そして、スイッチバック搬送路K4において、シートPの後端部(搬送方向の後端部である。)が反転ローラ42と第2ローラ40とのニップ部に達すると(シートPの後端部が中継搬送路K3と両面搬送路K5との分岐点を通過すると)、反転ローラ42の回転駆動を一時的に停止させる。このとき、シートP(オモテ面に対して定着工程が施された後のシートPである。)は、反転ローラ42によって後端部が保持された状態で、先端部の側が装置の外部(スタック部100の上方の位置である。)に露呈した状態になる。
その後、反転ローラ42を逆方向に回転駆動することで、シートPの搬送方向を反転(逆転)させて、両面搬送路K5に向けてシートPを搬送する。このとき、中継搬送路K3を閉鎖して排出搬送路K2(及び、両面搬送路K5)を開放するように切替部材45が回動軸を中心にして反時計方向に回動した位置で停止している(
図1、
図3の状態である)。
【0024】
その後、
図1を参照して、両面搬送路K5に導かれたシートPは、両面搬送路K5に設置された複数の搬送ローラ47、48によって搬送されて、2次転写ニップの位置に導かれる。そして、シートPは、この位置で、オモテ面への2次転写工程時と同じように、ウラ面への2次転写工程がおこなわれて、その後に定着装置20に向けて搬送されて、ウラ面への定着工程がおこなわれる。
そして、定着工程後のシートP(両面へのプリントが終了した後のシートPである。)は、先に説明したように、排出搬送路K2を経て第1、第2ローラ40、41のニップ部に導かれて、第1、第2ローラ40、41によって装置外へと排出されて、スタック部100上に順次スタックされる。
【0025】
以下、
図2~
図8等を用いて、本実施の形態における開閉カバー50(画像形成装置1)の、特徴的な構成・動作について詳述する。
図2等に示すように、本実施の形態における画像形成装置1には、画像形成装置本体1に対して支軸50aを中心に回動可能に構成された開閉カバー50が設置されている。この開閉カバー50は、画像形成装置本体1の内部を開閉するためのものである。
具体的に、
図2(A)(及び、
図1)に示すように閉鎖状態の開閉カバー50が、
図2(B)に示すように支軸50aを中心に時計方向(矢印方向)に回動されると、画像形成装置本体1の内部の一部(中間転写ユニット85や第1、第2搬送路K0、K1や定着装置20などである。)が開放(露呈)されて、第1、第2搬送路K0、K1などでジャムしたシートPを取り除いたり、中間転写ユニット85や定着装置20を着脱してメンテナンスをおこなったりすることが可能になる。また、
図2(B)に示すように開放状態の開閉カバー50は、支軸50aを中心に
図2の反時計方向に回動されることで、
図2(A)に示すように閉鎖状態になって、先に
図1を用いて説明した印刷動作が可能になる。
なお、本実施の形態における開閉カバー50は、画像形成装置1の背面(ユーザーが給紙部12へのシートPのセットをおこなったり、スタック部100から印刷後のシートPを取り出したりする操作面(正面)に対して反対側の面である。)に設置されていて、背面カバーとして機能するものである。
【0026】
特に、本実施の形態における開閉カバー50は、閉鎖時(
図1、
図2(A)に示す状態のときである。)に、画像形成装置本体1の側から開放方向の圧力を受けるように構成されている。
具体的に、2次転写ローラ89は、比較的大きな圧力(当接圧)で、中間転写ベルト78を介して2次転写バックアップローラ82に当接(圧接)している。そして、
図2を参照して、開閉カバー50は、2次転写ローラ89(中間転写体としての中間転写ベルト78上に形成されたトナー像をシートP上に2次転写するためのローラ部材である。)を回転可能に保持している。
したがって、上述した圧力(当接圧)は、開閉カバー50の閉鎖時に2次転写ローラ89が画像形成装置本体1の側から受ける圧力(
図2(A)の黒矢印方向の圧力。)となる。そして、そのような圧力の授受の関係は、2次転写ローラ89が、開閉カバー50において圧力方向にある程度搖動可能に設置されている場合であっても、同様に生じる。
なお、
図3、
図5等において、開閉カバー50は、2次転写ローラ89以外の要部の構成の理解を容易とするため、2次転写ローラ89の図示を省略している。
【0027】
ここで、
図3、
図5等を参照して、本実施の形態において、開閉カバー50は、その構造体(筐体)が、カバー本体51、金属ステー52、53などで構成されている。また、開閉カバー50には、回動軸54、ロックレバー55、56、操作レバー58、一対の保持部(袋状穴部51a、51bと貫通穴52a、53aとである。)、などが設けられている。
カバー本体51は、樹脂材料からなり、開閉カバー50の構造体の要部として機能するとともに、画像形成装置1(開閉カバー50)の外装としても機能している。
金属ステー52、53は、
図3、
図5の上下方向に延びるように形成された略L字状の板状部材であって、L字を形成する一方の面部がカバー本体51にネジ止めなどにより固定設置され、他方の面部が本体側板110に対して平行になるように起立している。金属ステー52、53は、カバー本体における軸方向両端部(
図3、
図5の左右方向の両端部である。)にそれぞれ設置されている。この金属ステー52、53は、開閉カバー50の機械的強度を向上させる機能も有している。
【0028】
図3、
図5等を参照して、回動軸54は、開閉カバー50に対してロックレバー55、56を介して回動可能に保持されている。
図3、
図5、
図6等を参照して、ロックレバー55、56は、回動軸54とともに回動可能に、回動軸54に設置されている。具体的に、回動軸54は、軸方向両端部にDカット部が形成されていて、そのDカット部がロックレバー55、56のD穴に嵌合している(
図6参照)。
【0029】
そして、ロックレバー55、56は、回動軸54の正逆方向のいずれかの方向の回動に連動して画像形成装置本体1の係止部としての係止ピン60に対して係止されたり係止解除されたりする。
具体的に、
図6(A)(及び、
図3)に示すようにロックレバー55(56)の先端に形成されたフック部55cが係止ピン60に嵌合して係止された状態から、
図6(B)に示すようにロックレバー55が回動軸54とともに矢印方向(正方向)に回動することにより、ロックレバー55(フック部55c)と係止ピン60との嵌合(係止)が解除されて、開閉カバー50の開放方向(
図2(B)の矢印方向である。)の回動が可能になる。
これに対して、
図6(B)に示すようにロックレバー55(フック部55c)と係止ピン60との嵌合(係止)が解除された状態から、逆方向(
図6(B)の矢印方向に対して反対方向)にロックレバー55が回動軸54とともに回動することにより、ロックレバー55(フック部55c)と係止ピン60とが嵌合(係止)されて、開閉カバー50の開放方向(
図2(B)の矢印方向である。)の回動ができなくなる。
【0030】
開閉カバー50に設けられた一対の保持部51a、52a(51b、53a)は、
図3、
図5等に示すように、ロックレバー55(56)を軸方向両側から挟むように配置されている。そして、一対の保持部51a、52a(51b、53a)は、ロックレバー55(56)の軸方向両端部にそれぞれ形成された被保持部としての外側ボス部55a(56a)と内側ボス部55b(56b)とをそれぞれ保持している。
【0031】
図2~
図4等を参照して、操作レバー58は、回動軸54及び2つのロックレバー55、56とともに回動可能に構成されていて、ユーザーなどの操作者が操作可能な部材である。
具体的に、操作レバー58は、その回動中心にD穴が形成されていて、そのD穴が、回動軸54の軸方向端部に形成されたDカット部に嵌合している。また、操作レバー58は、その一部が開閉カバー50の外側(操作者が操作する側、外装面側である。)に露呈していて、その部分を操作者が把持して操作することになる。
図4(A)に示すように、操作レバー58が開閉カバー50の外装面から突出していない状態のとき、
図6(A)(及び、
図3)に示すようにロックレバー55(56)の先端に形成されたフック部55cが係止ピン60に嵌合して係止された状態になる。
そして、そのような状態から、操作者が操作レバー58の下方に設けられた凹部に手を差し入れて、
図4(B)に示すように、操作レバー58を矢印方向に回動させることにより、
図6(B)に示すようにロックレバー55と係止ピン60との嵌合が解除されて、開閉カバー50の開放方向の回動が可能になる。
なお、後述する付勢部材としてのトーションスプリング57(
図3、
図5等参照)によって、操作レバー58(及び、回動軸54、ロックレバー55、56)には、
図4(B)の状態から
図4(A)の状態に付勢されるような力が作用している。したがって、操作者が
図4(B)の状態の操作レバー58から手を離したときには、操作レバー58は
図4(A)の状態に自動的に戻ることになる。また、
図6(A)に示すようにロックレバー55、56が係止ピン60に係止された状態が維持されることになる。
【0032】
一方、画像形成装置本体1には、係止部としての係止ピン60が設けられている。
係止部としての係止ピン60は、先に
図6等を用いて説明したように、ロックレバー55、56の回動を制限するためのものである。本実施の形態では、
図5等に示すように、開閉カバー50を軸方向両側から挟むように2つの本体側板110が画像形成装置本体1に設けられている。そして、それらの本体側板110に、それぞれ開閉カバー50の側に突出するように係止ピン60が設けられている。
【0033】
ここで、
図3、
図5に示すように、本実施の形態における開閉カバー50には、樹脂材料からなる2つのロックレバー55、56が設けられている。したがって、上述した一対の保持部は、2つのロックレバー55、56に対してそれぞれ設けられている。
そして、一対の保持部のうち一方の保持部としての袋状穴部51a、51bは、カバー本体51に一体的に形成されている(射出成型にて一体成型されている)。この袋状穴部51a、51b(一方の保持部)は、他方の保持部としての貫通穴52a、53a(金属ステー52、53において軸方向に貫通するように形成されている。)に対して、ロックレバー55、56を介して軸方向外側に配置されている。また、袋状穴部51a、51b(一方の保持部)は、ロックレバー55、56において軸方向外側に形成された外側ボス部55a、56a(被保持部)を覆うように保持するものである。具体的に、袋状穴部51a、51bの非貫通穴の穴径と、ロックレバー55、56の外側ボス部55a、56aのボス径と、はほぼ同等に形成されている。
このように構成することで、開閉カバー50におけるロックレバー55、56の位置を精度よく定めることができる。また、袋状穴部51a、51bと、貫通穴52a、53a(金属ステー52、53)と、の軸方向の位置関係を逆転させた場合に比べて、開閉カバー50の外観の見た目を向上させることができる。
なお、袋状穴部51a、51bは、
図8等を参照して、軸方向外側まで貫通しないように軸方向内側から凹状に形成された非貫通の穴部である。
【0034】
さらに具体的に、軸方向一端側(
図3、
図5の左側である。)のロックレバー55は、軸方向外側に突出する外側ボス部55aが、軸方向一端側の袋状穴部51aの非貫通穴に嵌合して保持され、軸方向内側に突出する内側ボス部55bが、軸方向一端側の金属ステー52の貫通穴52aに嵌合して保持されている。
これに対して、軸方向他端側(
図3、
図5の右側である。)のロックレバー56は、軸方向外側に突出する外側ボス部56aが、軸方向他端側の袋状穴部51bの非貫通穴に嵌合して保持され、軸方向内側に突出する内側ボス部56bが、軸方向他端側の金属ステー53の貫通穴53aに嵌合して保持されている。
このように、本実施の形態では、一対のロックレバー55、56や、一対の金属ステー52、53が、軸方向に左右対称に形成されている。
【0035】
このように、本実施の形態における開閉カバー50は、ロックレバー55、56(及び、回動軸54)が両持ち保持されているため、片持ち保持されている場合に比べて、閉鎖時に画像形成装置本体1の側から圧力を受けても、回動軸54が変形してしまう不具合が生じにくくなる。そのため、回動軸54の変形によって開閉カバー50の開閉動作に異常(動作不良)が生じてしまうような不具合も軽減されることになる。
特に、本実施の形態では、閉鎖時に画像形成装置本体1の側から受ける圧力(2次転写ローラ89が受ける圧力)のうち単位面積当たり最大のものが、ロックレバー55、56の近傍に作用するように構成されている。具体的に2次転写ローラ89と2次転写対向ローラ82とのうち少なくとも一方は、その軸方向両端の軸部が軸受を介して圧縮スプリングなどの付勢手段によって加圧されていて、また
図2に示すように2次転写ローラ89は回動軸54の近傍で軸方向に延在するように配置されている。このような構成から、軸方向両端部に設置されたロックレバー55、56の近傍に大きな圧力(軸方向の圧力分布において最大となる圧力)が作用する。そのため、上述したような回動軸54の変形が生じやすく、本発明の構成が有用になる。
【0036】
ここで、
図7(A)等を参照して、本実施の形態における開閉カバー50は、金属ステー52(53)の貫通穴52a(53a)に対して、貫通穴52a(53a)に保持されるロックレバー55(56)の被保持部としての内側ボス部55b(56b)が、僅かな隙間(δ1+δ2)をあけて嵌合されている。
このように構成することで、貫通穴52a(53a)に対して内側ボス部55b(56b)を隙間なく嵌合させる場合に比べて、樹脂材料からなるロックレバー55(56)が回動したときに金属ステー52(53)の貫通穴52a(53a)に摺動することによる異常音(金属と樹脂とが擦れる音である。)の発生を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、金属ステー52、53の貫通穴52a、53aが略矩形に形成されていて、その長手方向の寸法が、内側ボス部55b、56bの外径に対して所定寸法(δ1+δ2)だけ大きくなるように設定されている。そして、貫通穴52a、53aの短手方向の寸法は、内側ボス部55b、56bの外径に対して略同等になるように設定されている。このような場合であっても、貫通穴52a、53aと内側ボス部55b、56bとの接触範囲が減ぜられるため、上述した異常音を軽減することができる。
また、本実施の形態において、貫通穴52a、53aの長手方向は、開閉カバー50が閉鎖時に画像形成装置本体1の側から受ける圧力の方向に略一致している。そのため、仮にその圧力によって回動軸54が変形してしまっても、隙間(δ1+δ2)の分だけ、回動軸54を逃がすことができる(貫通穴52a、53aに強い力で接触する不具合が軽減される)。
さらに、
図7(B)に示すように、本実施の形態では、開閉カバー50が閉鎖された状態であるとき、後述するトーションスプリング57の付勢によって、内側ボス部55b(56b)が回動軸54とともに矢印方向(図の右側)に移動して、貫通穴52a(53a)の内壁面に当接した状態になる。これにより、貫通穴52a(53a)における内側ボス部55b(56b)の位置が定まることになる。
【0037】
ここで、本実施の形態において、ロックレバー55、56は、回動軸54の軸方向両端部にそれぞれ設置されている。
そして、2つのロックレバー55、56のうち、少なくとも一方のロックレバーは、回動軸54に対して軸方向に移動可能に構成されている。
具体的に、
図8を参照して、本実施の形態では、一方のロックレバー55(軸方向一端側(
図8の左側)のロックレバーである。)は、回動軸54に対して軸方向(
図8の左右方向)に相対的にスライド移動可能に設置されている。これに対して、他方のロックレバー56(軸方向他端側(
図8の右側)のロックレバーである。)は、回動軸54に対して軸方向に移動できないように構成(固定設置)されている。
また、本実施の形態では、スライド移動可能な一方のロックレバー55(少なくとも一方のロックレバー)の回動軸54における軸方向の位置を定める位置決め部材としての止め輪70(
図3、
図5、
図8等参照)が、最終的に回動軸54に設置されている。
このように構成することにより、カバー本体51において固定位置に設置された2つの袋状穴部51a、51bや2つの金属ステー52、53(貫通穴52a、53a)に対して、ロックレバー55、56が設置された状態の回動軸54を組付けやすくなる。
【0038】
具体的に、2つの袋状穴部51a、51bや2つの金属ステー52、53が固定設置された開閉カバー50に対して、
図8(A)に示すように、一方のロックレバー55が軸方向内側(
図8(A)の矢印方向であって、右側である。)にスライド移動されて、他方のロックレバー56が固定された状態の回動軸54を、図中の一点鎖線で示す中心軸に対して傾けながら、2つの袋状穴部51a、51bと2つの貫通穴52a、53aとに挿入されるようにセットする。このとき、一方のロックレバー55の外側ボス部55aは、袋状穴部51aに保持されていない状態である。
そして、
図8(B)に示すように、軸方向内側にスライド移動させていたロックレバー55を軸方向外側(
図8(B)の矢印方向であって、左側である。)にスライド移動させて、外側ボス部55aを袋状穴部51aに保持(嵌合)させる。
そして、
図8(C)に示すように、双方のロックレバー55、56が開閉カバー50に保持された状態で、スライド移動可能なロックレバー55がスライド移動しないように、止め輪70を回動軸54に設置する。
このようにして、開閉カバー50への回動軸54及びロックレバー55、56のセットが完了する。
なお、
図8では、簡単のため、操作レバー58とトーションスプリング57との図示は省略しているが、操作レバー58とトーションスプリング57とは、開閉カバー50にセットされる前から、回動軸54及びロックレバー55、56に設置(サブアッセンブリ)されている。
【0039】
ここで、
図3、
図5等に示すように、本実施の形態において、開閉カバー50は、少なくとも一方のロックレバー(本実施の形態では、軸方向一端側のスライド移動可能なロックレバー55である。)を係止ピン60(係止部)に係止される方向に付勢する付勢部材としてのトーションスプリング57が設置されている。
具体的に、トーションスプリング57(付勢部材)は、そのコイル部がロックレバー55の内側ボス部55bに挿入されていて、その一方の足部が金属ステー52に引っ掛けられ、その他方の足部がロックレバー55に引っ掛けられ、ロックレバー55を
図6(B)の矢印方向の逆方向に付勢している。
このようにトーションスプリング57を設置することにより、先に説明したように、操作者が
図4(B)の状態の操作レバー58から手を離したときに、トーションスプリング57の付勢によって操作レバー58が
図4(A)の状態に自動的に戻るとともに、
図6(B)に示すように係止ピン60に対して係止解除状態のロックレバー55、56が
図6(A)に示すように係止状態に戻り、その状態が維持されることになる。
また、先に
図8を用いて説明したように、一方のロックレバー55は回動軸54に対してスライド移動可能に設置されているため、回動軸54とロックレバー55の内径部との間には僅かな隙間(ガタ)が存在する。これに対して、そのように回動軸54に対して隙間のあるロックレバー55にトーションスプリング57を設置することで、その隙間が生じる方向を一方向に制限することができる。そのため、回動軸54とともにロックレバー55が回動したときに、隙間(ガタ)によって回動軸54に対するロックレバー55の回動方向の姿勢が定まらなく不具合が軽減される(回動時の姿勢が安定する)。
なお、他方のロックレバー56は、回動軸54に対してほとんど隙間のない状態で嵌め込まれているため、上述した一方のロックレバー55に生じるような不具合はほとんど発生しない。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置は、画像形成装置本体1に対して支軸50aを中心に回動可能に構成されて、閉鎖時に画像形成装置本体1の側から開放方向の圧力を受ける開閉カバー50が設けられている。そして、開閉カバー50は、回動可能に保持される回動軸54と、回動可能に回動軸54に設置されて、回動軸54の回動に連動して画像形成装置本体1の係止ピン60(係止部)に対して係止又は係止解除されるロックレバー55、56と、が設けられている。さらに、開閉カバー50には、ロックレバー55、56の軸方向両端部にそれぞれ形成された外側ボス部55a、56a及び内側ボス部55b、56b(被保持部)をそれぞれ保持する袋状穴部51a、51b及び貫通穴52a、53a(一対の保持部)が、ロックレバー55、56を回動軸54の軸方向両側から挟むように配置されている。
これにより、開閉カバー50においてロックレバー55、56とともに回動可能に保持された回動軸54が変形してしまう不具合が生じにくくなる。
【0041】
なお、本実施の形態では、2つのロックレバー55、56が設置された開閉カバー50(及び、2つの一対の保持部が設置された画像形成装置本体1)が設置された画像形成装置1に対して本発明を適用した。これに対して、1つ又は3つ以上のロックレバーが設置された開閉カバー(及び、1つ又は3つ以上の一対の保持部が設置された画像形成装置本体)が設置された画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、カラーの画像形成装置1に対して本発明を適用したが、モノクロの画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷機などである。)に対しても本発明を適用することができる。さらには、2次転写ローラ89を保持していない開閉カバーが設置された画像形成装置であっても、閉鎖時に画像形成装置本体側から圧力を受けるものであったら、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、両面搬送路K5を備えた開閉カバー50が設置された画像形成装置1に対して本発明を適用したが、両面搬送路を備えない開閉カバーが設置された画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0042】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
50 開閉カバー、
50a 支軸、
51 カバー本体、
51a、51b 袋状穴部(保持部)、
52、53 金属ステー、
52a、53a 貫通穴(保持部)、
54 回動軸、
55、56 ロックレバー、
55a、56a 外側ボス部(被保持部)、
55b、56b 内側ボス部(被保持部)、
55c フック部、
57 トーションスプリング(付勢部材)、
58 操作レバー、
60 係止ピン(係止部)、
70 止め輪(位置決め部材)、
110 本体側板。
【0044】
なお、本発明における態様は、例えば、以下の通り付記1~11の組み合わせとすることもできる。
(付記1)
画像形成装置本体に対して支軸を中心に回動可能に構成されて、閉鎖時に前記画像形成装置本体の側から開放方向の圧力を受ける開閉カバーを備え、
前記開閉カバーは、
回動可能に保持される回動軸と、
回動可能に前記回動軸に設置されて、前記回動軸の回動に連動して前記画像形成装置本体の係止部に対して係止又は係止解除されるロックレバーと、
前記ロックレバーを前記回転軸の軸方向両側から挟むように配置されて、前記ロックレバーの軸方向両端部にそれぞれ形成された被保持部をそれぞれ保持する一対の保持部と、
を具備したことを特徴とする画像形成装置。
(付記2)
前記開閉カバーは、カバー本体と、前記カバー本体に設置された金属ステーと、を具備し、
前記一対の保持部のうち一方の保持部は、前記カバー本体に一体的に形成されて、
前記一対の保持部のうち他方の保持部は、前記金属ステーに形成された貫通穴であることを特徴とする付記1に記載の画像形成装置。
(付記3)
前記金属ステーは、前記カバー本体における軸方向両端部にそれぞれ設置され、
前記一方の保持部は、前記他方の保持部としての前記貫通穴に対して前記ロックレバーを介して軸方向外側に配置されて、前記ロックレバーにおいて軸方向外側に形成された前記被保持部を覆うように保持する袋状穴部であることを特徴とする付記2に記載の画像形成装置。
(付記4)
前記金属ステーの前記貫通穴に対して、前記貫通穴に保持される前記ロックレバーの前記被保持部が隙間をあけて嵌合されたことを特徴とする付記2又は付記3に記載の画像形成装置。
(付記5)
前記金属ステーは、前記カバー本体における軸方向両端部にそれぞれ設置され、
前記ロックレバーは、前記回動軸の軸方向両端部にそれぞれ設置され、
2つの前記ロックレバーのうち、少なくとも一方のロックレバーは、前記回動軸に対して軸方向に移動可能に構成されたことを特徴とする付記1~付記4のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記6)
前記開閉カバーは、前記少なくとも一方のロックレバーを前記係止部に係止される方向に付勢する付勢部材を具備したことを特徴とする付記5に記載の画像形成装置。
(付記7)
前記2つのロックレバーのうち、他方のロックレバーは、前記回動軸に対して軸方向に移動できないように構成されたことを特徴とする付記5又は付記6に記載の画像形成装置。
(付記8)
前記少なくとも一方のロックレバーの前記回動軸における軸方向の位置を定める位置決め部材が、前記回動軸に設置されたことを特徴とする付記5~付記7のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記9)
前記開閉カバーは、前記回動軸及び前記ロックレバーとともに回動可能であって、操作者が操作可能な操作レバーを具備したことを特徴とする付記1~付記8のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記10)
閉鎖時に前記画像形成装置本体の側から受ける前記圧力のうち単位面積当たり最大のものが、前記ロックレバーの近傍に作用することを特徴とする付記1~付記9のいずれかに記載の画像形成装置。
(付記11)
前記開閉カバーは、中間転写体上に形成されたトナー像をシート上に2次転写するための2次転写ローラを回転可能に保持し、
前記圧力は、前記開閉カバーの閉鎖時に前記2次転写ローラが前記画像形成装置本体の側から受ける圧力であることを特徴とする付記1~付記10のいずれかに記載の画像形成装置。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】