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特開2024-128442情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128442
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20240913BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20240913BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240913BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20240913BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240913BHJP
   G05B 19/4068 20060101ALI20240913BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B29C64/386
B29C64/106
B33Y30/00
B33Y50/00
B33Y10/00
G05B19/4068
B28B1/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037419
(22)【出願日】2023-03-10
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業、総括実施型研究ERATO「川原万有情報網プロジェクト」、産業技術力強化法第17条の適用を受けるもの
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100194250
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 直志
(72)【発明者】
【氏名】平山 雄太
(72)【発明者】
【氏名】川原 圭博
(72)【発明者】
【氏名】吉清 秦生
(72)【発明者】
【氏名】上條 陽斗
(72)【発明者】
【氏名】甘川由理
【テーマコード(参考)】
3C269
4F213
4G052
【Fターム(参考)】
3C269AB27
3C269BB07
3C269QE07
3C269QE18
4F213AP06
4F213AR12
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL74
4F213WL85
4G052DA01
4G052DB12
4G052DC06
(57)【要約】
【課題】制御指令に基づいて加工材料を造形対象物の上に積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成し、作成した軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて制御指令を変更できる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】情報処理システムは、加工材料を造形対象物の上に積層して造形する積層造形システムを制御するための制御指令を取得する取得部と、取得した制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成する作成部と、作成した軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて取得部が取得した制御指令を変更する変更部と、作成した軌跡画像を出力する出力部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工材料を造形対象物の上に積層して造形する積層造形システムを制御するための制御指令を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の前記層を積層する場合の前記加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成する作成部と、
前記作成部が作成した前記軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて前記取得部が取得した前記制御指令を変更する変更部と、
前記作成部が作成した前記軌跡画像を出力する出力部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記取得部が取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物のプレビュー画像を生成する生成部をさらに備え、
前記作成部は、前記生成部が生成した前記造形物の前記プレビュー画像に含まれる複数の層のうちの任意の前記層を積層する場合の前記加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記出力部は、前記生成部が生成した前記造形物の前記プレビュー画像及び前記変更部が変更した前記制御指令のうち少なくとも一方を出力する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記取得部が取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物の形態解析を行い、形態解析の結果のプレビュー画像を生成する解析部をさらに備え、
前記出力部は、前記解析部によって生成された前記形態解析の結果の前記プレビュー画像を出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記造形物の前記プレビュー画像は、前記造形物を表した画像であり、
前記生成部は、前記変更部が変更した前記制御指令に基づいて前記造形物の前記プレビュー画像を変更する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記軌跡画像は、前記加工材料の吐出の前記軌跡を表した画像であり、
前記作成部は、前記軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて前記軌跡画像を変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれ、
前記作成部は、前記軌跡画像に対して、複数の点のうち任意の点を移動させる編集操作が行われた場合に、前記編集操作に基づいて前記軌跡画像を変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれ、
前記作成部は、前記軌跡画像に対して、複数の点のうち任意の点を削除させる編集操作が行われた場合に、前記編集操作に基づいて前記軌跡画像を変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれ、
前記作成部は、前記軌跡画像に対して、一又は複数の点を追加させる編集操作が行われた場合に、前記編集操作に基づいて前記軌跡画像を変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれ、
前記作成部は、前記軌跡画像に対して、一又は複数の点で加工材料を吐出しない設定操作が行われた場合に、前記軌跡画像を変更する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記作成部は、前記軌跡画像に対して、任意の前記層に加え、他の層を表示する操作が行われた場合に、他の前記層を積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した他の軌跡画像をさらに作成し、
前記出力部は、前記作成部が作成した他の前記軌跡画像を出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記生成部は、前記造形物の前記プレビュー画像に含まれる複数の層のうち、前記作成部が作成した前記軌跡画像に該当する層を他の層とは異なる色に変更する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項13】
加工材料を造形対象物の上に積層して造形する情報処理システムを制御するための制御指令を取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の前記層を積層する場合の前記加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成するステップと、
前記作成するステップで作成した前記軌跡画像を出力するステップと、
前記作成するステップで作成した前記軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて前記取得するステップで取得した前記制御指令を変更するステップと
を有する、コンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
加工材料を造形対象物の上に積層して造形する情報処理システムを制御するための制御指令を取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の前記層を積層する場合の前記加工材料の吐出の跡を表した軌跡画像を作成するステップと、
前記作成するステップで作成した前記軌跡画像を出力するステップと、
前記作成するステップで作成した前記軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて前記取得するステップで取得した前記制御指令を変更するステップと
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
加工材料を加工対象物の上に積層して造形物を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、積層造形装置は、加工材料を溶融し、凝固した加工材料を加工対象物の上に付加する付加加工を繰り返して造形物を形成する。積層造形装置は、加工位置に形成済みの造形物の高さを計測する高さ計測部と、高さ計測部の計測結果に基づいて、加工位置に加工材料を付加するための加工条件を制御する制御部とを備える。
【0003】
積層して造形物を形成すること(3Dプリンティング)を、ロボット制御によって実現する場合には、Gcode(Gコード)と呼ばれる制御指令が用いられることが多い。例えば、Gcodeは、CAD(Computer Aided Design)データを変換することによって作成される。これまでモルタル等を用いた大型の積層造形では、ロボット制御を実現する場合に、GcodeをPC上で造形前に確認、もしくは造形テストによりGcodeの整合性を確認する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6765569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Gcodeは文字列により表記されるため、Gcodeの作成者が、軌跡を形成するためのGcodeを記述することは難しい。さらに、軌跡が複雑な形状である場合に、その軌跡を形成するためのGcodeを生成することは非常に困難である。
これらを解決するために、CuraなどのGcode生成ソフトを利用する手法がある。これらのGcode生成ソフトを用いる場合には、ブリッジやオーバーハング、ノズル軌跡がモデルを壊すものとなっていないかなどの確認、造形軌跡や吐出のオン、オフの位置の修正が必要であるため、使用しづらい。
【0006】
本発明の目的は、制御指令に基づいて加工材料を造形対象物の上に積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成し、作成した軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて制御指令を変更できる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、加工材料を造形対象物の上に積層して造形する積層造形システムを制御するための制御指令を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の前記層を積層する場合の前記加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成する作成部と、前記作成部が作成した前記軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて前記取得部が取得した前記制御指令を変更する変更部と、前記作成部が作成した前記軌跡画像を出力する出力部とを備える情報処理システムである。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記取得部が取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物のプレビュー画像を生成する生成部をさらに備え、前記作成部は、前記生成部が生成した前記造形物の前記プレビュー画像に含まれる複数の層のうちの任意の前記層を積層する場合の前記加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記出力部は、前記生成部が生成した前記造形物の前記プレビュー画像及び前記変更部が変更した前記制御指令のうち少なくとも一方を出力する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記取得部が取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物の形態解析を行い、形態解析の結果のプレビュー画像を生成する解析部をさらに備え、前記作成部は、前記解析部によって生成された前記形態解析の結果の前記プレビュー画像を出力する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記造形物の前記プレビュー画像は、前記造形物を表した画像であり、前記生成部は、前記変更部が変更した前記制御指令に基づいて前記造形物の前記プレビュー画像を変更する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記軌跡画像は、前記加工材料の吐出の前記軌跡を表した画像であり、前記作成部は、前記軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて前記軌跡画像を変更する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれ、前記作成部は、前記軌跡画像に対して、複数の点のうち任意の点を移動させる編集操作が行われた場合に、前記編集操作に基づいて前記軌跡画像を変更する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれ、前記作成部は、前記軌跡画像に対して、複数の点のうち任意の点を削除させる編集操作が行われた場合に、前記編集操作に基づいて前記軌跡画像を変更する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれ、前記作成部は、前記軌跡画像に対して、一又は複数の点を追加させる編集操作が行われた場合に、前記編集操作に基づいて前記軌跡画像を変更する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれ、前記作成部は、前記軌跡画像に対して、一又は複数の点で加工材料を吐出しない設定操作が行われた場合に、前記軌跡画像を変更する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記作成部は、前記軌跡画像に対して、任意の前記層に加え、他の層を表示する操作が行われた場合に、他の前記層を積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した他の軌跡画像をさらに作成し、前記出力部は、前記作成部が作成した他の前記軌跡画像を出力する。
本発明の一実施形態は、前述の情報処理システムにおいて、前記生成部は、前記造形物の前記プレビュー画像に含まれる複数の層のうち、前記作成部が作成した前記軌跡画像に該当する層を他の層とは異なる色に変更する。
【0008】
本発明の一実施形態は、加工材料を造形対象物の上に積層して造形する情報処理システムを制御するための制御指令を取得するステップと、前記取得するステップで取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の前記層を積層する場合の前記加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成するステップと、前記作成するステップで作成した前記軌跡画像を出力するステップと、前記作成するステップで作成した前記軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて前記取得するステップで取得した前記制御指令を変更するステップとを有する、コンピュータが実行する情報処理方法である。
【0009】
本発明の一実施形態は、コンピュータに、加工材料を造形対象物の上に積層して造形する情報処理システムを制御するための制御指令を取得するステップと、前記取得するステップで取得した前記制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の前記層を積層する場合の前記加工材料の吐出の跡を表した軌跡画像を作成するステップと、前記作成するステップで作成した前記軌跡画像を出力するステップと、前記作成するステップで作成した前記軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて前記取得するステップで取得した前記制御指令を変更するステップとを実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、制御指令に基づいて加工材料を造形対象物の上に積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成し、作成した軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて制御指令を変更できる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る積層造形システム1の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る情報処理システム100の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る情報処理システム100が表示する設定画面の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る情報処理システム100が表示する加工材料の軌跡を表した軌跡画像の表示画面の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る情報処理システム100が表示する加工材料の軌跡を表した軌跡画像TIの一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例1を示す図である。
図7】本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例2を示す図である。
図8】本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例3を示す図である。
図9】本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例4を示す図である。
図10】本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例5を示す図である。
図11】本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例6を示す図である。
図12】本実施形態に係る情報処理システム100の動作の一例を示すフロー図である。
図13】実施形態の変形例に係る情報処理システム100aの一例を示す図である。
図14】実施形態の変形例に係る情報処理システム100aの処理の一例を示す図である。
図15】実施形態の変形例に係る情報処理システム100aが表示する造形物のプレビュー画像PIの一例を示す図である。
図16】実施形態の変形例に係る情報処理システム100aの動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態に係る情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0013】
(実施形態)
(積層造形システム)
以下、本発明の実施形態に係る積層造形システムを、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る積層造形システム1の一例を示す図である。
本実施形態に係る積層造形システム1は、加工材料PMを造形対象物MOの上に積層して造形物を形成する。図1において、水平面をX軸とY軸とによって表し、水平面に垂直な方向をZ軸とする。図1において、矢印の方向がプラス方向である。
積層造形システム1は、加工材料PM-1の上(Z軸のプラス方向)に、加工材料PM-2を積層することによって造形物を形成する。積層造形システム1は、情報処理システム100と、制御システム200とを備える。
【0014】
情報処理システム100は、3DプリンタやCNC(Computer Numerical Control)を動かすための造形データなどの制御指令を作成し、作成した制御指令を制御装置170に出力する。情報処理システム100の一例は、3Dプリンティングシステムである。制御指令の一例は、Gcodeである。Gcodeで制御装置170に指令することで、NC工作機械の工具などの軸移動や座標設定、回転、対象加工物の加工方法などを細かく設定することが可能である。例えば、Gcodeは、Cura、Obsidian、Sli3er、CADソフトなどで生成される。
【0015】
情報処理システム100は、制御指令を取得し、取得した制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像TIを作成する。情報処理システム100は、作成した軌跡画像TIを出力する。情報処理システム100は、軌跡画像TIに対してユーザによって行われた編集操作に基づいて制御指令を変更する。
【0016】
制御システム200は、エクストルーダEXと、移動処理部MPと、制御装置170とを備える。エクストルーダEXには、その先端部にノズルNOが取り付けられている。移動処理部MPは、エクストルーダEXのノズルNOを上下横方向へ移動させる。制御システム200は、制御指令に基づき、ノズルNOから加工材料PMを吐出及び積層して造形物を形成する。
エクストルーダEXは、ノズルNOの先端部から加工材料PMを吐出させる。加工材料PMの一例は、ウレタンなどの樹脂、コンクリート、セメントなどである。エクストルーダEXは、水平方向に対して交差する方向に所定の角度で支持されている。エクストルーダEXの下側の先端部の端面は、水平方向に対して鋭角となるように斜め方向に配置されており、先端部の下側にノズルNOが設けられている。エクストルーダEXの下側の先端部は、エクストルーダEXの上端部に対して、移動処理部MPよる移動方向(X軸の正方向)の上流側(すなわち、移動方向に対して反対側)を向いている。これにより、エクストルーダEXの先端部のノズルNOから移動処理部MPによる移動方向(X軸の正方向)の上流側に向かって加工材料PMが吐出される。
【0017】
移動処理部MPは、複数のアームARと、エクストルーダEXとアームARとの間及び隣り合うアームARの間に配置される複数の回転部RPとを備える。エクストルーダEXとアームARとの間に配置された回転部RPは、エクストルーダEXとアームARとを相対的に回転させる。隣り合うアームARの間に配置された回転部RPは、隣り合うアームARを相対的に回転させる。アームAR及び回転部RPが複数設けられていることで、移動処理部MPの先端に取り付けられたエクストルーダEXの先端部を上下横方向に移動させる。移動処理部MPは、エクストルーダEXの先端部をX方向、Y方向及びZ方向の任意の位置に移動させることが可能である。
以下、積層造形システム1に含まれる情報処理システム100について説明する。
【0018】
図2は、本実施形態に係る情報処理システム100の一例を示す図である。情報処理システム100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理システム100は、例えば、入力部102と、取得部104と、作成部106と、操作部108と、変更部110と、出力部112と、表示部114と、記憶部116とを備える。
【0019】
入力部102は、情報を入力する。一例として、入力部102は、キーボードおよびマウスなどの操作部108を有してもよい。この場合、入力部102は、ユーザによって当該操作部108に対して行われる操作に応じた情報を入力する。他の例として、入力部102は、外部の装置から情報を入力してもよい。当該外部の装置は、例えば、可搬な記憶媒体であってもよい。入力部102には、制御指令が入力される。制御指令の一例は、前述したようにGcodeであり、Gcodeには、造形物の頂点座標のデータと、その各々の頂点まで動く速度データと、加工材料を送り出す速度データとが含まれる。加工材料を送り出す速度データには、送り出し開始タイミング、停止タイミングなどのデータが含まれている。
【0020】
操作部108は、ユーザの操作を受け付ける入力デバイスであり、キーボード、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、ボタン、ダイヤル、タッチセンサ、タッチパッド等を含む。
記憶部116は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部116には、情報処理プログラム(アプリケーション)などのプログラムが記憶される。
【0021】
取得部104は、入力部102から制御指令を取得する。取得部104は、取得した制御指令を、記憶部116に記憶させる。
作成部106は、制御指令を入力し且つ軌跡画像TIに表示する内容を設定するための設定画面を作成する。
図3は、本実施形態に係る情報処理システム100が表示する設定画面の一例を示す図である。設定画面には、複数の設定項目が含まれる。複数の設定項目には、設定項目F01、設定項目S01、設定項目S02、設定項目S03、設定項目S04及び設定項目F02が含まれる。さらに、設定画面には、領域F02が表されている。複数の設定項目は、3DタブT05、GcodeタブT06及びセッティングタブT04のうち、セッティングタブT04が押された場合に表示される。
【0022】
設定項目F01は、制御指令のファイルを選択するためのものであり、設定項目F01を押すことによって読み込む制御指令のファイルを選択することができる。
領域F02は、制御指令のファイルを読み込むためのものであり、制御指令のファイルをドロップすることによってその制御指令のファイルが読み込まれる。
設定項目S01は、吐出を行わない軌道の表示と非表示とを切り替えるためのものである。例えば、吐出を行わない軌道を非表示にする場合にはチェックボックスにレ点を入れる。
設定項目S02は、吐出開始点のマーカーの表示と非表示とを切り替えるためのものである。例えば、吐出開始点のマーカーを非表示にする場合にはチェックボックスにレ点を入れる。
【0023】
設定項目S03は、造形物の頂点座標の各々の頂点まで動く速度データが異なることによって加工材料の吐出の軌跡が形成される速度が異なる場合に、異なる速度で形成される軌道の表示方法を切り替えるためのものである。例えば、異なる速度で形成される軌道の表示方法を切り替える場合にはチェックボックスにレ点を入れる。
設定項目S04は、表示中の層の軌道に加えて、一つ下の層の軌道の表示と非表示とを切り替えるためのものである。例えば、一つ下の層の軌道を表示にする場合にはチェックボックスにレ点を入れる。
設定項目F03は、変更済の制御指令のファイルを出力するためのものであり、設定項目F03を押すことによって変更済の制御指令のファイルを出力することができる。図2に戻り説明を続ける。
【0024】
作成部106は、取得部104から制御指令を取得する。作成部106は、取得した制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料の軌跡を表した軌跡画像TIを作成する。例えば、作成部106は、制御指令に含まれる造形物の頂点座標のデータに基づいて、造形物に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料の軌跡を表した軌跡画像TIを作成する。例えば、作成部106は、加工材料の軌跡として、ノズル(の先端)の軌跡を表した軌跡画像TIを作成してもよい。
【0025】
出力部112は、作成部106から設定画面を示す情報を取得し、取得した設定画面を示す情報を表示部114に出力する。また、出力部112は、作成部106から加工材料の軌跡を表した軌跡画像TIを示す情報を取得し、取得した加工材料の軌跡を表した軌跡画像TIを示す情報を表示部114に出力する。
表示部114は、出力部112が出力した設定画面を示す情報を取得し、取得した設定画面を示す情報を処理することによって設定画面を表示する。また、表示部114は、出力部112が出力した加工材料の軌跡を表した軌跡画像TIを示す情報を取得し、取得した加工材料の軌跡を表した軌跡画像TIを示す情報を画像処理することによって加工材料の軌跡を表した軌跡画像を表示する。
【0026】
図4は、本実施形態に係る情報処理システムが表示する加工材料の軌跡を表した軌跡画像の表示画面の一例を示す図である。図4の表示画面には、軌跡画像TI01~軌跡画像TI04、削除タブT01、追加タブT02及びオン/オフ(on/off)タブT03が示される。
軌跡画像TI01~軌跡画像TI04の各々は、加工材料の軌跡を2次元で表した画像である。図4において、黒点が密に表された丸(以下「軌道点P」とも記載する)はノズルNOから加工材料が吐出される位置を示し、軌道点P同士を接続する線(以下「軌道TR」とも記載する)はノズルNOから吐出された加工材料によって造形された軌跡を示す。黒点が粗に表された丸は、編集のために選択されている領域(部分)を示す。
図4には、一例として、吐出開始点のマーカーが非表示である場合について示す。図3に示した設定画面の設定項目S02において、チェックボックスのレ点を外すことによって、吐出開始点のマーカーを表示することができる。例えば、吐出開始点のマーカーには加工材料の軌跡が形成される方向を示す矢印、例えば、ノズル(の先端)の移動方向を示す矢印が付加されている。このように構成することによって、造形物が造形される際に、加工材料の軌跡が時計回りで形成されるのか、反時計回りで形成されるのかをユーザに把握させることができる。
【0027】
図5は、本実施形態に係る情報処理システムが表示する加工材料の軌跡を表した軌跡画像TIの一例を示す図である。図5は、図4の領域Aの部分を示す。軌跡画像TI01には、軌道点P01から軌道点P05と軌道TR01から軌道TR04とが含まれる。軌跡画像TI02には、軌道点P06から軌道点P10と軌道TR06から軌道TR09とが含まれる。
ユーザは、操作部108を操作することによって軌跡画像TIの編集操作を行うことができる。具体的には、ユーザは、操作部108を操作することによって、編集領域(部分)EAを指定することが可能である。図5に示される例では、編集領域(部分)EAは、軌道点P02から軌道点P04と軌道点07と、軌道点P08の近傍の点P11と、軌道点P04と軌道点P05との近傍の点P12と、軌道点P09と軌道点P10との近傍の点P13と、軌道TR02から軌道TR03と、軌道点P02と軌道点P07とを接続する接続部TR11と、軌道点P07と点P11とを接続する接続部TR07とによって囲まれた領域である。図4に戻り説明を続ける。
作成部106は、軌跡画像TIに対して行われた編集操作に基づいて、軌跡画像TIを変更する。以下、編集操作について具体的に説明する。
【0028】
(軌道点Pを移動させる操作)
図6は、本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例1を示す図である。
ユーザは、操作部108によって軌道画像TIに含まれる複数の軌道点Pのうちのいずれかの軌道点Pを選択する操作を行うことによって編集領域(部分)EAを指定する。その後、ユーザは、ドラッグ操作を行うことによって、指定した編集領域(部分)に含まれる軌道点Pを移動させる。
具体的には、操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、複数の軌道点Pのうちの一又は複数の軌道点Pを選択する操作を受け付ける。図6の左図では、軌道画像TIAに含まれる複数の軌道点Pのうちの軌道点P0A1が選択され、軌道画像TIBに含まれる複数の軌道点Pのうちの軌道点P0B1が選択されている。
【0029】
操作部108が、一又は複数の軌道点Pを選択する操作を受け付けることによって、作成部106は、選択された一又は複数の軌道点Pを含む編集領域(部分)を指定する。ここで、作成部106は、指定した編集領域(部分)を他の部分とは異なる色で作成するようにしてもよい。操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、ドラッグ操作を受け付ける。操作部108が、ドラッグ操作を受け付けることによって、作成部106は、編集領域(部分)に含まれる一又は複数の軌道点Pを移動させ、移動先に一又は複数の軌道点Pを作成する。
作成部106は、操作部108によって選択された一又は複数の軌道点Pを移動させたことを示す変更情報を作成し、作成した変更情報を変更部110へ出力する。ここで、変更情報には、操作部108によって選択された一又は複数の軌道点Pの各々を特定する情報(識別情報)について、移動前の位置情報と移動後の位置情報とが含まれる。図6の右図では、複数の軌道点Pのうちの軌道点P0A1が軌道点P0A2へ移動し、軌道点P0B1が軌道点P0B2へ移動している。
【0030】
軌道点Pを移動させる操作については、直前の操作を取り消して元の状態に戻すこと(アンドゥ(undo))、直前に取り消した処理を、もう一度繰り返して実行すること(リドゥ(redo))が可能である。例えば、「ctrl」キーと「z」キーとが同時に押される操作が行われることによって、作成部106は、アンドゥを実行し、「ctrl」キーと「shift」キーと「z」キーとが同時に押される操作が行われることによってリドゥを実行する。
【0031】
(軌道点Pを削除させる操作)
図7は、本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例2を示す図である。
ユーザは、操作部108によって複数の軌道点Pのうちのいずれかの軌道点Pを選択する操作を行うことによって編集領域(部分)EAを指定する。その後、ユーザは、削除タブT01を押す操作を行うことによって、指定した編集領域(部分)に含まれる軌道点Pを削除させる。
具体的には、操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、複数の軌道点Pのうちの一又は複数の軌道点Pを選択する操作を受け付ける。図7の左図では、軌道画像TICに含まれる複数の軌道点Pのうちの軌道点P0C1が選択され、軌道画像TIDに含まれる複数の軌道点Pのうちの軌道点P0D1が選択されている。
【0032】
操作部108が、一又は複数の軌道点Pを選択する操作を受け付けることによって、作成部106は、選択された一又は複数の軌道点Pを含む編集領域(部分)を指定する。ここで、作成部106は、指定した編集領域(部分)を他の部分とは異なる色で表示するようにしてもよい。操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、削除タブT01を押す操作を受け付ける。操作部108が、削除タブT01を押す操作を受け付けることによって、作成部106は、編集領域(部分)に含まれる一又は複数の軌道点Pを削除し、削除した軌道点Pに接続されていた軌道TR同士を接続する。
【0033】
作成部106は、操作部108によって選択された一又は複数の軌道点Pが削除されたことを示す変更情報を作成し、作成した変更情報を変更部110へ出力する。ここで、変更情報には、操作部108によって選択された一又は複数の軌道点Pの各々を特定する情報(識別情報)について、移動前の位置情報と削除されたことを示す情報とが含まれる。
図7の右図では、操作部108が削除タブT01を押す操作を受け付けることによって、作成部106は、軌道画像TICに含まれる複数の軌道点Pのうちの軌道点P0C1を削除し、削除した軌道点P0C1に接続されていた軌道TR0C1と軌道TR0C2とを接続することによって軌道TR0C12を作成する。さらに、操作部108は、軌道画像TIDに含まれる複数の軌道点Pのうちの軌道点P0D1を削除し、削除した軌道点P0D1に接続されていた軌道TR0D1と軌道TR0D2とを接続することによって軌道TR0D12を作成する。
【0034】
軌道点Pを削除させる操作については、アンドゥ、リドゥが可能である。例えば、「ctrl」キーと「z」キーとが同時に押される操作が行われることによって、作成部106は、アンドゥを実行し、「ctrl」キーと「shift」キーと「z」キーとが同時に押される操作が行われることによってリドゥを実行する。
【0035】
(軌道点Pを追加させる操作)
図8は、本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例3を示す図である。
ユーザは、操作部108によって複数の軌道TRのうちのいずれかの軌道TRを選択する操作を行うことによって編集領域(部分)EAを指定する。その後、ユーザは、追加タブT02を押す操作を行うことによって、指定した編集領域(部分)に軌道点Pが追加される。
具体的には、操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、複数の軌道TRのうちの一又は複数の軌道TRを選択する操作を受け付ける。図8の左図では、軌道画像TIEに含まれる複数の軌道TRのうちの軌道TR0E1が選択され、軌道画像TIFに含まれる複数の軌道TRのうちの軌道TR0F1が選択されている。
【0036】
操作部108が、一又は複数の軌道TRを選択する操作を受け付けることによって、作成部106は、選択された一又は複数の軌道TRを含む編集領域(部分)を指定する。ここで、作成部106は、指定した編集領域(部分)を他の部分とは異なる色で表示するようにしてもよい。操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、追加タブT02を押す操作を受け付ける。操作部108が、追加タブT02を押す操作を受け付けることによって、作成部106は、編集領域(部分)に含まれる一又は複数の軌道TRを分割し、分割した軌道TRの間に軌道点Pを追加し、追加した軌道点Pに分割した軌道TRを接続する。
作成部106は、操作部108によって選択された一又は複数の軌道点Pを追加したことを示す変更情報を作成し、作成した変更情報を変更部110へ出力する。ここで、変更情報には、操作部108によって選択された一又は複数の軌道TRの各々を特定する情報(識別情報)について、追加された軌道点Pの位置情報が含まれる。
【0037】
図8の右図では、操作部108が、追加タブT02を押す操作を受け付けることによって、作成部106は、軌道画像TIEに含まれる複数の軌道TRのうちの軌道TR0E1を分割することによって軌道TR0E1-1及び軌道TR0E1-2を作成し、軌道TR0E1-1と軌道TR0E1-2との間に軌道点P0E2を作成する。作成部106は、作成した軌道点P0E2に軌道TR0E1-1と軌道TR0E1-2とを接続する。
さらに、作成部106は、軌道画像TIFに含まれる複数の軌道TRのうちの軌道TR0F1を分割することによって軌道TR0F1-1及び軌道TR0F1-2を作成し、軌道TR0F1-1と軌道TR0F1-2との間に軌道点P0F2を作成する。作成部106は、作成した軌道点P0F2に軌道TR0F1-1と軌道TR0F1-2とを接続する。
【0038】
軌道点Pを追加させる操作については、アンドゥ、リドゥが可能である。例えば、「ctrl」キーと「z」キーとが同時に押される操作が行われることによって、作成部106はアンドゥを実行し、「ctrl」キーと「shift」キーと「z」キーとが同時に押される操作が行われることによってリドゥを実行する。
【0039】
(軌道点Pで加工材料を吐出させるか否かを切り替える操作)
図9は、本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例4を示す図である。
ユーザは、操作部108によって複数の軌道点Pのうちのいずれかの軌道点Pを選択する操作を行うことによって編集領域(部分)EAを指定する。その後、ユーザは、オン/オフタブT03を押す操作を行うことによって、指定した編集領域(部分)に含まれる軌道点Pで加工材料を吐出させるか否かが切り替えられる。
具体的には、操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、複数の軌道点Pのうちの一又は複数の軌道点Pを選択する操作を受け付ける。図8の左図では、軌道画像TIGに含まれる複数の軌道点Pのうちの軌道点P0G1が選択されている。
【0040】
操作部108が、一又は複数の軌道点Pを選択する操作を受け付けることによって、作成部106は、選択された一又は複数の軌道点Pを含む編集領域(部分)を指定する。作成部106は、指定した編集領域(部分)を他の部分とは異なる色で表示するようにしてもよい。操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、オン/オフタブT03を押す操作を受け付ける。操作部108が、オン/オフタブT03を押す操作を受け付けることによって、作成部106は、編集領域(部分)に含まれる一又は複数の軌道点Pで加工材料を吐出させるか否かを切り替え、加工材料を吐出させる軌道点Pであるか否かが分かるように表示する。
【0041】
作成部106は、操作部108によって選択された一又は複数の軌道点Pで加工材料を吐出させるか否かを切り替えることを示す変更情報を作成し、作成した変更情報を変更部110へ出力する。ここで、変更情報には、操作部108によって選択された一又は複数の軌道点Pの各々を特定する情報(識別情報)について、加工材料を吐出させるか否かを切り替えることを示す情報が含まれる。
図9の右図では、操作部108が、オン/オフタブT03を押す操作を受け付けることによって、作成部106は、軌道画像TIGに含まれる複数の軌道点Pのうちの軌道点P0G1で加工材料を吐出させるか否かを切り替える。例えば、作成部106は、軌道点P0G1で加工材料を吐出させるように設定されている場合には、その軌道点P0G1を、加工材料を吐出させないように設定されている軌道点P0G2に変更する。
【0042】
(編集する層を変更する操作)
図10は、本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例5を示す図である。
ユーザは、スクロールバーSCBを動かすことによって複数の層のうちのいずれかの層を選択する操作を行うことによって編集領域(部分)EAを指定する。その後、ユーザは、編集する層を変更する操作を行うことによって、指定した編集領域(部分)に含まれる層を編集するか否かが切り替えられる。
具体的には、操作部108は、ユーザによるスクロールバーSCBを動かす操作に基づいて、複数の層のうちの一又は複数の層を選択する操作を受け付ける。図10では、造形物に含まれる複数の層のうちの層L-A、層L-B及び層L-Cが選択されている。
【0043】
操作部108が、一又は複数の層を選択する操作を受け付けることによって、作成部106は、選択された一又は複数の層を含む編集領域(部分)を指定する。作成部106は、指定した編集領域(部分)を他の部分とは異なる色で表示するようにしてもよい。操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、スクロールバーSCBを動かす操作を受け付ける。操作部108が、スクロールバーSCBを動かす操作を受け付けることによって、作成部106は、編集領域(部分)に含まれる一又は複数の層を編集するか否かを切り替え、編集する層であるか否かが分かるように表示する。
作成部106は、操作部108によって選択された一又は複数の層のうち、編集する層を示す変更情報を作成し、作成した変更情報を変更部110へ出力する。ここで、変更情報には、操作部108によって切り替えられた層を特定する情報(識別情報)が含まれる。
図10では、操作部108が、スクロールバーSCBを動かす操作を受け付けることによって、作成部106は、造形物に含まれる複数の層L-A、層L-B及び層L-Cのうちの層L-Aを編集する層に切り替える。
【0044】
(編集中の層の一つ下の層を表示する操作)
図11は、本実施形態に係る情報処理システム100の動作の例6を示す図である。
ユーザは、操作部108によってセッティングタブT04を押す操作を行うことによって設定画面を表示させる。その後、ユーザは、設定画面に含まれる設定項目S04のチェックボックスにレ点を入れる操作を行うことによって、編集中の層に加え、編集中の層の一つ下の層が表示される。
具体的には、操作部108は、ユーザによるセッティングタブT04を押す操作に基づいて、設定画面を表示する操作を受け付ける。設定画面については、図3を参照して説明したので、ここでの説明は省略する。
【0045】
操作部108が、設定画面において、設定項目S04のチェックボックスにレ点を入れる操作を受け付けることによって、作成部106は、編集中の層の一つ下の層を作成する。作成部106は、編集中の層の一つ下の層であることが分かるように表示する。
図11では、操作部108が、設定項目S04のチェックボックスにレ点を入れる操作を受け付けることによって、作成部106は、編集中の層L-Aに加えて、編集中の層L-Aの一つ下の層L-Bを表示させる。このように構成することによって、編集中の層L-Aに加えて、編集中の層L-Aの一つ下の層L-Bを表示できるため、ユーザに、編集中の層L-Aが、編集中の層L-Aの一つ下の層L-Bに対して垂れてしまうか否かを判断させることができる。図2に戻り説明を続ける。
変更部110は、作成部106が作成した軌跡画像TIに対して操作部108によって行われた編集操作に基づいて、取得部104が取得した制御指令を変更する。具体的には、変更部110は、軌跡画像の表示画面が表示された後に作成部106から変更情報を取得する。変更部110は、取得した変更情報に基づいて記憶部116に記憶されている制御指令を変更する。変更部110は、変更した制御指令を記憶部116記憶させる。
【0046】
入力部102と、取得部104と、作成部106と、操作部108と、変更部110と、出力部と、表示部114との全部または一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部116に格納されたプログラムを実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。
なお、入力部102と、取得部104と、作成部106と、操作部108と、変更部110と、出力部と、表示部114との全部または一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0047】
(情報処理システムの動作)
図12は、本実施形態に係る情報処理システム100の動作の一例を示すフロー図である。図12を参照して、情報処理システム100が制御指令に基づいて作成した軌跡画像TIに対する編集操作に基づいて、制御指令を変更する処理について説明する。
(ステップS1-1)
入力部102に、制御指令が入力される。
(ステップS2-1)
取得部104は、入力部102から制御指令を取得する。取得部104は、取得した制御指令を、記憶部116に記憶させる。
(ステップS3-1)
作成部106は、取得部104から制御指令を取得する。作成部106は、取得した制御指令に基づいて、加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像TIを作成する。
【0048】
(ステップS4-1)
出力部112は、作成部106から軌跡画像TIを示す情報を取得し、取得した軌跡画像TIを示す情報を表示部114に出力する。表示部114は、出力部112が出力した軌跡画像TIを示す情報を取得し、取得した軌跡画像TIを示す情報を処理することによって軌跡画像TIを表示する。
(ステップS5-1)
操作部108が、軌跡画像TIに含まれる一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方を選択する操作を受け付けることによって、作成部106は、選択された一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方を含む編集領域(部分)を指定する。操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、編集操作を受け付ける。操作部108が、編集操作を受け付けることによって、作成部106は、編集操作の内容に基づいて編集領域(部分)に含まれる一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方を変更することによって軌道画像TIを変更する。
作成部106は、操作部108によって選択された一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方が編集操作されたことを示す変更情報を作成し、作成した変更情報を変更部110へ出力する。
【0049】
(ステップS6-1)
変更部110は、作成部106が出力した変更情報を取得し、取得した変更情報に基づいて、一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方の編集操作の内容に基づいて、制御指令を変更する。変更部110は、変更した制御指令を記憶部116に記憶させる。
その後、出力部112は、変更部110によって変更された制御指令を、制御装置170に出力するようにしてもよいし、ネットワーク(図示なし)を介して、他の装置へ出力するようにしてもよい。
【0050】
前述した実施形態では、制御システム200が、エクストルーダEXと、移動処理部MPと、制御装置170とを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、一般的な3Dプリンタの構成にも適用できる。
前述した実施形態では、作成部106が、制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料の軌跡を2次元で表した軌跡画像TIを作成する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、作成部106は、制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料の軌跡を3次元で表した軌跡画像TIを作成するようにしてもよい。
前述した実施形態では、操作部108が、設定画面において、設定項目S04のチェックボックスにレ点を入れる操作を受け付けることによって、作成部106は、編集中の層の一つ下の層を表示する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、設定画面において、編集中の層に加えて、編集中の層以外の一又は複数の層を表示できるように設定できるようにしてもよい。この場合、操作部108が、設定画面において、編集中の層に加えて、編集中の層以外の一又は複数の層を表示するチェックボックスにレ点を入れる操作を受け付けることによって、作成部106は、編集中の層以外の一又は複数の層を作成する。このように構成することによって、ユーザは、編集中の層に対して、他の層がどのように形成されるかを確認できる。
前述した実施形態において、出力部112は、記憶部116から制御指令を示す情報を取得し、取得した制御指令を示す情報を表示部114に出力するようにしてもよい。表示部114は、出力部112が出力した制御指令を示す情報を取得し、取得した制御指令を示す情報を処理することによって制御指令を表示する。
ユーザは、操作部108によって表示部114に表示された制御指令の少なくとも一部分を変更することが可能である。ユーザが、変更を確定する操作を行うことによって、変更部110は、制御指令の少なくとも一部分を変更する。変更部110は、変更した制御指令を記憶部116に記憶させる。この場合、作成部106は、記憶部116から変更後の制御指令を取得し、取得した制御指令に基づいて、軌跡画像TIを作成(変更)するようにしてもよい。このように構成することによって、操作部108によって変更された制御指令に基づいて、軌道画像TIを作成(変更)できる。
【0051】
本実施形態に係る情報処理システム100によれば、情報処理システム100は、取得部104と、作成部106と、変更部110と、出力部112とを備える。取得部104は、加工材料PMを造形対象物MOの上に積層して造形する積層造形システム1を制御するための制御指令を取得する。作成部106は、取得部104が取得した制御指令に基づいて、加工材料PMを造形対象物MOの上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料PMの吐出の軌跡を表した軌跡画像TIを作成する。変更部110は、作成部106が作成したノズルNOの軌跡画像TIに対して行われた操作に基づいて取得部104が取得した制御指令を変更する。出力部112は、作成部106が作成した軌跡画像TIを出力する。
【0052】
このように構成することによって、情報処理システム100は、制御指令に基づいて加工材料PMを造形対象物MOの上に積層した造形物に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料PMの吐出の軌跡を表した軌跡画像TIを作成し、作成した軌跡画像TIに対して行われた操作に基づいて制御指令を変更できる。加工材料PMの吐出の軌跡を手動で変更することによって、Gcodeなどの制御指令を手動で調整できる。グラフィカルに制御指令の編集ができるため、初見のユーザでも使いやすい。制御指令と軌跡画像TIとに対する編集を双方向的に連動させることができる。
【0053】
情報処理システム100において、軌跡画像は、加工材料の吐出の軌跡を2次元又は3次元で表した画像である。作成部106は、軌跡画像に対して行われた編集操作に基づいて軌跡画像を変更する。
このように構成することによって、制御指令に基づいて加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を変更できるため、ユーザに変更後の加工材料の吐出の軌跡を把握させることができる。
【0054】
情報処理システム100において、軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれる。作成部106は、軌跡画像に対して、複数の点のうち任意の点を移動させる編集操作が行われた場合に、編集操作に基づいて軌跡画像を変更する。
このように構成することによって、加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像に含まれる複数の点のうち任意の点を移動させる編集操作が行われた場合に、編集操作に基づいて制御指令を変更できるため、簡易に制御指令の編集ができる。このため、制御指令を用いた積層造形の際の技術的な障壁を小さくすることができる。
【0055】
情報処理システム100において、軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれる。作成部106は、軌跡画像に対して、複数の点のうち任意の点を削除させる編集操作が行われた場合に、編集操作に基づいて軌跡画像を変更する。
このように構成することによって、加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像に含まれる複数の点のうち任意の点を削除させる編集操作が行われた場合に、編集操作に基づいて制御指令を変更できるため、簡易に制御指令の編集ができる。このため、制御指令を用いた積層造形の際の技術的な障壁を小さくすることができる。
【0056】
情報処理システム100において、軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれる。作成部106は、軌跡画像に対して、一又は複数の点を追加させる編集操作が行われた場合に、編集操作に基づいて軌跡画像を変更する。
このように構成することによって、加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像に対して、一又は複数の点を追加させる編集操作が行われた場合に、編集操作に基づいて制御指令を変更できるため、簡易に制御指令の編集ができる。このため、制御指令を用いた積層造形の際の技術的な障壁を小さくすることができる。
【0057】
情報処理システム100において、軌跡画像には加工材料を吐出する位置を示す点が複数含まれる。作成部106は、軌跡画像に対して、一又は複数の点で加工材料を吐出しない設定操作が行われた場合に、軌跡画像を変更する。
このように構成することによって、加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像に対して、一又は複数の点で加工材料を吐出しない設定を行うことができる。このため、制御指令を用いた積層造形の際の技術的な障壁を小さくすることができる。
【0058】
情報処理システム100において、作成部106は、軌跡画像に対して、任意の層に加え、他の層を表示する操作が行われた場合に、他の層を積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した他の軌跡画像をさらに作成し、出力部112は、作成部106が作成した他の軌跡画像を出力する。
このように構成することによって、ユーザは、編集中の層に対して、他の層がどのように形成されるかを確認できる。
【0059】
(実施形態の変形例)
実施形態の変形例に係る積層造形システム1aは、実施形態に係る積層造形システム1を適用できる。ただし、情報処理システム100の代わりに情報処理システム100aを備える点で異なる。
情報処理システム100aは、情報処理システム100を適用できる。ただし、情報処理システム100aは、制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物のプレビュー画像を生成する。情報処理システム100aは、生成した造形物のプレビュー画像に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成する。また、情報処理システム100aは、制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物の形態解析を行い、形態解析の結果のプレビュー画像を生成する。情報処理システム100aは、形態解析の結果のプレビュー画像を出力する。
以下、積層造形システム1aに含まれる情報処理システム100aについて説明する。
【0060】
図13は、実施形態の変形例に係る情報処理システム100aの一例を示す図である。情報処理システム100aは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理システム100aは、例えば、入力部102と、取得部104と、生成部105aと、作成部106aと、解析部107aと、操作部108と、変更部110と、出力部112aと、表示部114と、記憶部116とを備える。
【0061】
生成部105aは、取得部104から制御指令を取得する。生成部105aは、取得した制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物を表したプレビュー画像を作成する。ここで、造形物のプレビュー画像は、造形物を2次元又は3次元で表した画像である。以下、造形物のプレビュー画像の一例として、造形物を3次元で表した画像を使用した場合について説明を続ける。出力部112aは、生成部105aから、造形物のプレビュー画像を示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像を示す情報を表示部114に出力する。
表示部114は、出力部112aが出力した造形物のプレビュー画像を示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を処理することによって造形物のプレビュー画像PIを表示する。
【0062】
図14は、実施形態の変形例に係る情報処理システム100aの処理の一例を示す図である。図14は、造形物を表したプレビュー画像PIを含む表示画面の一例を示す。図14には、造形物を表したプレビュー画像PIに加えて、軌跡画像TIが示されている。図14の表示画面には、軌跡画像TI側Aに、軌跡画像TI01~軌跡画像TI04、削除タブT01、追加タブT02及びオン/オフ(on/off)タブT03が示される。図14の表示画面には、造形物を表したプレビュー画像PI側Bに、プレビュー画像PI、3DタブT05、GcodeタブT06及びセッティングタブT04と、ボックスBXと、設定ボタンB01とが示される。
図14によれば、造形物を表したプレビュー画像PIは、Z軸方向に複数の層が積層されている。例えば、生成部105aは、制御指令に含まれる造形物の頂点座標のデータに基づいて、造形物に含まれる複数の層を積層する場合の加工材料の軌跡を表したプレビュー画像を作成する。例えば、生成部105aは、加工材料の軌跡として、ノズル(の先端)の軌跡を表したプレビューを作成してもよい。
【0063】
作成部106aは、作成部106を適用できる。ただし、作成部106aは、生成部105aが生成した造形物のプレビュー画像PIに含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成する。
生成部105aは、変更部110が変更した制御指令に基づいて造形物のプレビュー画像PIを変更する。生成部105aは、造形物のプレビュー画像PIに含まれる複数の層のうち、軌跡画像TI側に表示されている軌跡画像TIに該当する層を、該当しない層とは異なる色で生成する。
ユーザが3DタブT05を押す操作を行うことによって、操作部108は造形物のプレビュー画像PIを表示する操作を受け付ける。出力部112aは、生成部105aから、造形物のプレビュー画像PIを示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を表示部114に出力する。
【0064】
表示部114は、出力部112aが出力した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を画像処理することによって造形物のプレビュー画像を表示する。
ユーザがGcodeタブT06を押す操作を行うことによって、操作部108は制御指令を表示する操作を受け付ける。出力部112aは、記憶部116から、制御指令を示す情報を取得し、取得した制御指令を示す情報を表示部114に出力する。
表示部114は、出力部112aが出力した制御指令を示す情報を取得し、取得した制御指令を示す情報を処理することによって制御指令を表示する。
ユーザがセッティングタブT04を押す操作を行うことによって、操作部108は設定画面を表示する操作を受け付ける。出力部112aは、作成部106aから、設定画面を示す情報を取得し、取得した設定画面を示す情報を表示部114に出力する。
表示部114は、出力部112aが出力した設定画面を示す情報を取得し、取得した設定画面を示す情報を処理することによって設定画面を表示する。
【0065】
解析部107aは、取得部104から制御指令を取得する。解析部107aは、取得した制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物の形態解析を行い、形態解析の結果のプレビュー画像を生成する。例えば、解析部107aは、制御指令からオーバーハング角を取得し、取得したオーバーハング角に基づいて加工材料を造形対象物の上に積層した造形物において、加工材料が造形対象物の積層可能範囲に収まらない部分に関してはプレビュー画面上に色を変えて作成する。出力部112aは、解析部107aから、造形物の形態解析の結果のプレビュー画像を示す情報を取得し、取得した造形物の形態解析の結果のプレビュー画像を示す情報を表示部114に出力する。
【0066】
ユーザが視点を変更する操作を行うことによって、操作部108は視点を変更する操作を受け付ける。生成部105aは、操作部108が受け付けた視点を変更する操作に基づいて、表示している造形物のプレビュー画像PIの視点を変更した場合の造形物のプレビュー画像PIを生成する。
出力部112aは、生成部105aから、視点を変更した場合の造形物のプレビュー画像PIを示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を表示部114に出力する。
表示部114は、出力部112が出力した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を処理することによって造形物のプレビュー画像を表示する。
【0067】
ユーザがボックスBXに表示する軌跡の太さを示す数値を入力し、設定ボタンB01を押す操作を行うことによって、操作部108は表示する軌跡の太さを変更する操作を受け付ける。生成部105aは、操作部108が受け付けた表示する軌跡の太さを変更する操作に基づいて表示している造形物のプレビュー画像PIの軌跡の太さを変更したプレビュー画像PIを生成する。
出力部112aは、生成部105aから、造形物のプレビュー画像PIを示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を表示部114に出力する。
表示部114は、出力部112aが出力した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を処理することによって造形物のプレビュー画像を表示する。
図15は、実施形態の変形例に係る情報処理システム100aが表示する造形物のプレビュー画像PIの一例を示す図である。図15の表示画面には、造形物のプレビュー画像PI-1に加えて、造形物のプレビュー画像PI-2が表示されている。造形物のプレビュー画像PI-2は、造形物のプレビュー画像PI-1の視点を変更し、且つ表示する軌跡の太さを変更したものである。
【0068】
生成部105aと、作成部106aと、解析部107aと、出力部112aとの全部または一部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部116に格納されたプログラムを実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。なお、生成部105aと、作成部106aと、解析部107aと、出力部112aとの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0069】
(情報処理システムの動作)
図16は、実施形態の変形例に係る情報処理システム100aの動作の一例を示すフロー図である。図16を参照して、情報処理システム100aが制御指令に基づいて軌跡画像TIを作成するとともに、造形物のプレビュー画像を生成し、作成した軌跡画像TIの表示画面に対する編集操作に基づいて、制御指令を変更する処理について説明する。
(ステップS1-2)
入力部102に、制御指令が入力される。
(ステップS2-2)
取得部104は、入力部102から制御指令を取得する。取得部104は、取得した制御指令を、記憶部116に記憶させる。
【0070】
(ステップS3-2)
生成部105aは、取得部104から制御指令を取得する。生成部105aは、取得した制御指令に基づいて、造形物を表したプレビュー画像PIを作成する。
(ステップS4-2)
出力部112aは、生成部105aから、造形物のプレビュー画像PIを示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を表示部114に出力する。表示部114は、出力部112aが出力した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報を処理することによって造形物のプレビュー画像PIを表示する。
(ステップS5-2)
作成部106aは、取得部104から制御指令を取得する。作成部106aは、取得した制御指令に基づいて、加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像TIを作成する。
【0071】
(ステップS6-2)
出力部112aは、作成部106aから軌跡画像TIを示す情報を取得し、取得した軌跡画像TIを示す情報を表示部114に出力する。表示部114は、出力部112aが出力した軌跡画像TIを示す情報を取得し、取得した軌跡画像TIを示す情報を処理することによって軌跡画像TIを表示する。
(ステップS7-2)
操作部108が、軌跡画像TIに含まれる一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方を選択する操作を受け付けることによって、作成部106aは、選択された一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方を含む編集領域(部分)を指定する。操作部108は、ユーザによる操作に基づいて、編集操作を受け付ける。操作部108が、編集操作を受け付けることによって、作成部106aは、編集操作の内容に基づいて編集領域(部分)に含まれる一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方を変更することによって軌道画像TIを変更する。
作成部106aは、操作部108によって選択された一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方が編集操作されたことを示す変更情報を作成し、作成した変更情報を変更部110へ出力する。
【0072】
(ステップS8-2)
変更部110は、作成部106aが出力した変更情報を取得し、取得した変更情報に基づいて、一又は複数の軌道点P及び一又は複数の軌道TRのいずれか一方又は両方の編集操作の内容に基づいて、制御指令を変更する。変更部110は、変更した制御指令を記憶部116に記憶させる。
(ステップS9-2)
生成部105aは、変更部110が変更した制御指令に基づいて造形物のプレビュー画像を変更する。
その後、出力部112aは、変更部110によって変更された制御指令を、制御装置170に出力するようにしてもよいし、ネットワーク(図示なし)を介して、他の装置へ出力するようにしてもよい。
【0073】
図16に示すフロー図のステップS3-2において、生成部105aは、取得部104から制御指令を取得し、取得した制御指令に基づいて、造形物を表したプレビュー画像PIを作成することに加えて、以下の処理を実行してもよい。解析部107aは、取得部104から制御指令を取得し、取得した制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物の形態解析を行い、形態解析の結果のプレビュー画像を生成する。出力部112aは、解析部107aから、造形物の形態解析の結果のプレビュー画像を示す情報を取得し、取得した造形物の形態解析の結果のプレビュー画像を示す情報を表示部114に出力する。
この場合、ステップS4-2において、出力部112aは、生成部105aから、造形物のプレビュー画像PIを示す情報と、造形物の形態解析の結果のプレビュー画像を示す情報とを取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報と、造形物の形態解析の結果のプレビュー画像を示す情報とを表示部114に出力する。表示部114は、出力部112aが出力した造形物のプレビュー画像PIを示す情報と、造形物の形態解析の結果のプレビュー画像を示す情報とを取得し、取得した造形物のプレビュー画像PIを示す情報と、造形物の形態解析の結果のプレビュー画像を示す情報とを処理することによって造形物と、造形物の形態解析の結果とのプレビュー画像PIを表示する。
【0074】
前述した実施形態の変形例において、出力部112aは、記憶部116から制御指令を示す情報を取得し、取得した制御指令を示す情報を表示部114に出力するようにしてもよい。表示部114は、出力部112aが出力した制御指令を示す情報を取得し、取得した制御指令を示す情報を処理することによって制御指令を表示する。
ユーザは、操作部108によって表示部114に表示された制御指令の少なくとも一部分を変更することが可能である。ユーザが、変更を確定する操作を行うことによって、変更部110は、制御指令の少なくとも一部分を変更する。変更部110は、変更した制御指令を記憶部116に記憶させる。この場合、生成部105aは、記憶部116から変更後の制御指令を取得し、取得した制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物を表したプレビュー画像を作成(変更)するようにしてもよい。このように構成することによって、操作部108によって変更された制御指令に基づいて、造形物を表したプレビュー画像PIを作成(変更)できる。
【0075】
実施形態の変形例に係る情報処理システム100aによれば、情報処理システム100において、取得部104が取得した制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物のプレビュー画像を生成する生成部105aをさらに備える。作成部106aは、生成部105aが生成した造形物のプレビュー画像に含まれる複数の層のうちの任意の層を積層する場合の加工材料の吐出の軌跡を表した軌跡画像を作成する。
このように構成することによって、情報処理システム100aは、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物のプレビュー画像を生成できるため、ユーザに、造形物のプレビュー画像を確認させることができる。制御指令と軌跡画像TIと造形物のプレビュー画像PIとに対する編集を双方向的に連動させることができる。
【0076】
情報処理システム100aにおいて、出力部112aは、生成部105aが生成した造形物のプレビュー画像及び変更部110が変更した制御指令のうち少なくとも一方を出力する。
このように構成することによって、情報処理システム100aは、造形物のプレビュー画像及び制御指令のうち少なくとも一方を出力できるため、ユーザに、造形物のプレビュー画像及び制御指令のうち少なくとも一方を確認させることができる。
【0077】
情報処理システム100aにおいて、取得部104が取得した制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物の形態解析を行い、形態解析の結果のプレビュー画像を生成する解析部107aをさらに備える。出力部112aは、解析部107aによって生成された形態解析の結果のプレビュー画像を出力する。
このように構成することによって、情報処理システム100aは、制御指令に基づいて、加工材料を造形対象物の上に積層した造形物の形態解析を行い、形態解析の結果のプレビュー画像を生成できるため、ユーザに、造形物の形態を確認させることができる。
【0078】
情報処理システム100aにおいて、造形物のプレビュー画像は、造形物を2次元又は3次元で表した画像であり、生成部105aは、変更部110が変更した制御指令に基づいて造形物のプレビュー画像を変更する。
このように構成することによって、情報処理システム100aは、変更された制御指令に基づいて造形物のプレビュー画像を変更できるため、ユーザによって制御指令が変更された場合に、ユーザに、変更された制御指令に基づいて作成される造形物のプレビュー画像を確認させることができる。
【0079】
情報処理システム100aにおいて、生成部105aは、造形物のプレビュー画像に含まれる複数の層のうち、作成部106aが作成した軌跡画像に該当する層を他の層とは異なる色に変更する。
このように構成することによって、情報処理システム100aは、造形物のプレビュー画像に含まれる複数の層のうち、軌跡画像に該当する層を他の層とは異なる色に変更できる。このため、ユーザに造形物のプレビュー画像に含まれる複数の層のうち、編集中の層を確認させることができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合わせを行うことができる。これら実施形態及びその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、前述の情報処理システム100及び情報処理システム100aは内部にコンピュータを有している。そして、前述した各装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1、1a…積層造形システム、 100、100a…情報処理システム、 111…造形ヘッド、 120…本体、 130…送出装置、 140…カメラモジュール、 150…材料供給装置、 170…制御装置、 102…入力部、 104…取得部、 105a…生成部、 106、106a…作成部、 107a…解析部、 108…操作部、 110…変更部、 112、112a…出力部、 114…表示部、 116…記憶部、200…制御システム
図1
図2
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