(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129271
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240919BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H01L21/31 B
C23C16/455
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038364
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】永田 朋幸
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA05
4K030EA06
5F045AA06
5F045AD01
5F045AE01
5F045BB20
5F045DP19
5F045DQ05
5F045EC02
5F045EF01
5F045EF03
5F045EF09
5F045EK06
(57)【要約】
【課題】ガスインジェクタの倒れを抑制できる技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様による基板処理装置は、縦型の反応管と、前記反応管内にガスを供給するガスインジェクタと、を備え、前記ガスインジェクタは、前記反応管の側壁を貫通して水平に延びる第1管状部を有し、前記反応管は、前記第1管状部よりも下方において前記反応管の中心に向けて張り出した支持部を有し、前記支持部は、前記ガスインジェクタと接触して前記ガスインジェクタを支持する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦型の反応管と、
前記反応管内にガスを供給するガスインジェクタと、
を備え、
前記ガスインジェクタは、前記反応管の側壁を貫通して水平に延びる第1管状部を有し、
前記反応管は、前記第1管状部よりも下方において前記反応管の中心に向けて張り出した支持部を有し、
前記支持部は、前記ガスインジェクタと接触して前記ガスインジェクタを支持する、
基板処理装置。
【請求項2】
前記ガスインジェクタは、前記反応管内で前記反応管の内壁面に沿って鉛直に延びる第2管状部を有し、
前記支持部は、上方からの平面視で前記第2管状部と重なる位置で前記ガスインジェクタと接触する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記ガスインジェクタと面接触する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1管状部は、外壁面から径方向の外側に向かって突出する突起部を有し、
前記反応管は、前記突起部と接触して前記第1管状部の管軸回りの回転を制限する制限部を有する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記反応管の周囲に設けられる第2反応管を備え、
前記第2反応管は、前記第1管状部よりも下方において前記反応管を支持する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッチ式の基板処理装置において、処理容器を貫通して設けられるガスインジェクタによって処理容器内にガスを供給する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ガスインジェクタの倒れを抑制できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による基板処理装置は、縦型の反応管と、前記反応管内にガスを供給するガスインジェクタと、を備え、前記ガスインジェクタは、前記反応管の側壁を貫通して水平に延びる第1管状部を有し、前記反応管は、前記第1管状部よりも下方において前記反応管の中心に向けて張り出した支持部を有し、前記支持部は、前記ガスインジェクタと接触して前記ガスインジェクタを支持する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ガスインジェクタの倒れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る基板処理装置を示す断面図である。
【
図2】
図1の基板処理装置の一部を拡大して示す図である。
【
図4】第1構成例に係るガスインジェクタを示す図である。
【
図5】第2構成例に係るガスインジェクタを示す図である。
【
図6】第3構成例に係るガスインジェクタを示す図である。
【
図7】第2実施形態に係る基板処理装置を示す断面図である。
【
図8】
図7の基板処理装置の一部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
〔第1実施形態〕
図1を参照し、第1実施形態に係る基板処理装置1について説明する。
図1は、第1実施形態に係る基板処理装置1を示す断面図である。
【0010】
基板処理装置1は、処理容器10と、ガス供給部20と、排気部30と、加熱部40と、制御部90とを備える。
【0011】
処理容器10は、二重管構造を有し、鉛直方向に沿って延びる縦型の反応管である。処理容器10は、基板保持具(図示せず)を収容する。基板保持具は、基板を水平姿勢で鉛直方向に多段に整列させた状態で保持する。基板保持具は、例えば石英により形成される。基板は、例えば半導体ウエハである。処理容器10は、内管11と、外管12とを有する。内管11は、下端が開放された有天井の略円筒形状を有する。外管12は、内管11の外側を覆う。外管12は、下端が開放された有天井の略円筒形状を有する。内管11及び外管12は、同軸状に配置される。内管11及び外管12は、例えば石英により形成される。
【0012】
内管11の一側には、鉛直方向に沿ってガスインジェクタを収容する収容部13が形成される。収容部13は、内管11の側壁の一部を外側へ向けて突出させて凸部14を形成し、凸部14内を収容部13として形成している。収容部13に対向させて内管11の反対側の側壁には、鉛直方向に沿って矩形状の開口部(図示せず)が形成される。
【0013】
外管12の側壁には、排気ポート15が形成される。外管12の下端の開口部16には、Oリング等のシール部材を介して蓋体(図示せず)が取り付けられる。蓋体は、開口部16を開閉可能であり、開口部16を気密に塞ぎ密閉する。
【0014】
ガス供給部20は、複数のガスインジェクタ21~27を有する。複数のガスインジェクタ21~27は、収容部13において処理容器10の周方向に沿って一列になるように相互に間隔をおいて配置される。各ガスインジェクタ21~27は、ガス導入配管51(
図2)を介してガス供給源(図示せず)に接続される。各ガスインジェクタ21~27には、ガス供給源からガス導入配管51を介して各種のガスが導入される。各ガスインジェクタ21~27は、各種のガスを処理容器10内に供給する。各種のガスは、処理容器10内で行われる処理に応じて選択される。各ガスインジェクタ21~27は、例えば石英により形成される。
【0015】
各ガスインジェクタ21~27は、折り返し構造を有するガスインジェクタとして構成される。ただし、各ガスインジェクタ21~27の形状は、
図1に示される例に限定されない。各ガスインジェクタ21~27は、折り返し構造を有していなくてもよい。各ガスインジェクタ21~27は、内管11内において、内壁面に沿って鉛直に延在する。各ガスインジェクタ21~27は、下部においてL字状に屈曲されて外管12の側壁を貫通する。各ガスインジェクタ21~27は、上部においてU字状に折り返された後に下方に延在する。ガスインジェクタ21~23、26、27は、鉛直方向に沿って延びる部分の長さが同じである。ガスインジェクタ25は、鉛直方向に沿って延びる部分の長さが、ガスインジェクタ21~23、26、27よりも短い。ガスインジェクタ24は、鉛直方向に沿って延びる部分の長さが、ガスインジェクタ25よりも短い。ただし、各ガスインジェクタ21~27の鉛直方向に沿って延びる部分の長さは、
図1に示される例に限定されない。
【0016】
各ガスインジェクタ21~27には、鉛直方向に沿って延びる部分にガス吐出孔(図示せず)が設けられる。ガス吐出孔は、鉛直方向に沿って間隔をあけて複数設けられる。各ガスインジェクタ21~27は、複数のガス吐出孔から処理容器10内に各種のガスを吐出する。
【0017】
排気部30は、排気配管31と、圧力調整弁32と、真空ポンプ33とを有する。排気配管31は、排気ポート15に接続される。圧力調整弁32及び真空ポンプ33は、排気配管31に介設される。圧力調整弁32は、処理容器10内の圧力を調整する。真空ポンプ33は、処理容器10内のガスを排気する。
【0018】
加熱部40は、外管12の周囲に設けられる。加熱部40は、外管12の周囲を覆う。加熱部40は、略円筒形状を有する。加熱部40は、ヒータと、断熱材とを有する。ヒータは、処理容器10内の各基板を加熱する。断熱材は、外側から外管12及びヒータを覆うように設けられる。断熱材は、ヒータの熱が外部に漏れることを防止する。
【0019】
制御部90は、基板処理装置1の各部の動作を制御する。制御部90は、例えばコンピュータであってよい。基板処理装置1の各部の動作を行うコンピュータのプログラムは、記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD等であってよい。
【0020】
図2及び
図3を参照し、ガスインジェクタ21の取り付け構造について説明する。ガスインジェクタ22~27の取り付け構造についても、ガスインジェクタ21の取り付け構造と同じであってよい。
図2は、
図1の基板処理装置1の一部を拡大して示す図である。
図2は、ガスインジェクタ21が処理容器10に取り付けられ、ガス導入配管51がボトムフランジ55に接続された状態を示す。
図3は、
図2のIII-III矢視断面図である。
【0021】
内管11は、筒状部11aと、フランジ部11bと、支持部11cとを有する。筒状部11aは、有天井の略円筒形状を有する。筒状部11aの下部には、貫通孔11hが設けられる。貫通孔11hには、ガスインジェクタ21が挿通される。貫通孔11hの内径は、ガスインジェクタ21の外径よりも僅かに大きくてよい。この場合、ガスインジェクタ21の取り付け公差を吸収できる。フランジ部11bは、貫通孔11hよりも下方において筒状部11aの外壁面から外方に向けて張り出し、外管12のフランジ部12bに固定される。これにより、内管11は、貫通孔11hよりも下方において外管12に支持される。フランジ部11bは、例えば筒状部11aと一体で形成される。フランジ部11bは、筒状部11aと別体で形成されてもよい。支持部11cは、貫通孔11hよりも下方において筒状部11aの内壁面から内方に向けて張り出し、ガスインジェクタ21と接触して支持する。支持部11cは、例えば上方からの平面視でガスインジェクタ21の第2管状部21bと重なる位置でガスインジェクタ21と接触する。支持部11cは、例えば筒状部11aと一体で形成される。支持部11cは、筒状部11aと別体で形成されてもよい。
【0022】
外管12は、筒状部12aと、フランジ部12bとを有する。筒状部12aは、有天井の略円筒形状を有する。フランジ部12bは、筒状部12aの下部に設けられる。フランジ部12bは、例えば筒状部12aと一体で形成される。フランジ部12bは、筒状部12aと別体で形成されてもよい。フランジ部12bには、貫通孔12hが設けられる。貫通孔12hは、水平に延びる。貫通孔12hは、鉛直方向及び処理容器10の周方向において、貫通孔11hと同じ位置に設けられる。貫通孔12hには、内壁面に対して隙間をあけてガスインジェクタ21が挿通される。貫通孔12hの内径は、ガスインジェクタ21の外径よりも僅かに大きくてよい。この場合、ガスインジェクタ21の取り付け公差を吸収できる。貫通孔12hの内壁面の例えば上部には、切り欠き12rが設けられる。切り欠き12rは、処理容器10の中心側の貫通孔12hの端部から貫通孔12hの長手方向に沿って延びる。切り欠き12rは、ガスインジェクタ21に対して第1管状部21aの管軸回りに回転する力(
図3の矢印Fを参照)が作用したときに、第2突起部21dと接触して第1管状部21aの管軸回りの回転を制限する制限部として機能する。
【0023】
ガスインジェクタ21は、第1管状部21aと、第2管状部21bと、第1突起部21cと、第2突起部21dとを有する。
【0024】
第1管状部21aは、貫通孔11h及び貫通孔12hに挿通される。第1管状部21aは、筒状部11a及びフランジ部12bを貫通して水平に延びる。第1管状部21aは、ガスを通流させるガス流路を内部に形成する。
【0025】
第2管状部21bは、内管11内で筒状部11aの内壁面に沿って鉛直に延びる。第2管状部21bは、ガスを通流させるガス流路を内部に形成する。第2管状部21bのガス流路は、第1管状部21aのガス流路と連通する。第2管状部21bは、例えば第1管状部21aと一体で形成される。ただし、第2管状部21bは、第1管状部21aと別体で形成され、溶接等で接合されてもよい。
【0026】
第1突起部21cは、第2管状部21bの下端から下方に張り出し、支持部11cに支持される。この場合、ガスインジェクタ21の重心Gから処理容器10の中心までの水平距離が、ガスインジェクタ21の支点Pから処理容器10の中心までの水平距離よりも長くなる。これにより、自重によりガスインジェクタ21が処理容器10の中心側に傾く力が発生しない。このため、処理容器10の中心側へのガスインジェクタ21の倒れを抑制できる。第1突起部21cは、下面が支持部11cの上面と対向する平坦面を有し、支持部11cと面接触するよう構成される。ただし、第1突起部21cは、支持部11cの少なくとも一部と接触可能であればよく、例えば支持部11cと点接触するよう構成されてもよい。第1突起部21cは、例えば第1管状部21a及び第2管状部21bと一体で形成される。ただし、第1突起部21cは、第1管状部21a及び第2管状部21bと別体で形成され、溶接等で接合されてもよい。
【0027】
第2突起部21dは、第1管状部21aの外壁面から径方向外側に向かって突出する。第2突起部21dは、ガスインジェクタ21が取り付けられた状態において、フランジ部12bの切り欠き12rと対応する位置に設けられる。第2突起部21dは、ガスインジェクタ21に対して第1管状部21aの管軸回りに回転する力が作用したときに切り欠き12rと接触することで、ガスインジェクタ21が第1管状部21aの管軸回りに回転することを制限する。第2突起部21dは、例えば第1管状部21aと別体で形成され、溶接等で接合される。ただし、第2突起部21dは、第1管状部21aと一体で形成されてもよい。
【0028】
ガス導入配管51は、ガス供給源(図示せず)から処理容器10内にガスを導入するために設けられる配管である。ガス導入配管51は、一端がガス供給源に接続され、他端が処理容器10に接続される。ガス導入配管51の他端(先端)には、リテーナ52が接続される。リテーナ52の細い部分の周囲には、ナット53が設けられる。リテーナ52の先端部は、ナット53と略同径であり、リテーナ52の先端部がナット53から抜けるのを制限する。ナット53の先端部には、雄ねじ形成部54が設けられる。
【0029】
フランジ部12bを上下及び側面から覆うようにボトムフランジ55が設けられる。ボトムフランジ55は、ガスを処理容器10内に導入するガス導入部であり、処理容器10の所定箇所に設けられてよい。ボトムフランジ55には、ポートブロック56が設けられる。
【0030】
ポートブロック56は、ガス導入配管51がボトムフランジ55に接続される際の中継接続部材として機能する。ポートブロック56は、ガス導入配管51が接続可能な接続機構を有する。例えば、ポートブロック56は、ガス導入配管51の先端を挿入可能な開口を有して構成され、挿入したガス導入配管51の先端が固定接続可能なように、嵌合構造や、ねじ等の螺合締結構造を備えてよい。ポートブロック56の開口の内壁面には、ねじ山が形成された雌ねじ形成部57が設けられる。ポートブロック56の雌ねじ形成部57とナット53の雄ねじ形成部54とが螺合することで、ポートブロック56にガス導入配管51が接続される。その際、ナット53が回転することにより、リテーナ52に前進力が加えられ、Oリング58が押圧される。
【0031】
図4から
図6を参照し、ガスインジェクタ21の具体的な構成例について説明する。ガスインジェクタ22~27についても、ガスインジェクタ21と同じ構成を有してよい。
【0032】
図4は、第1構成例に係るガスインジェクタ21を示す図である。
図4に示されるように、第1構成例に係るガスインジェクタ21は、第1管状部21aと、第2管状部21bと、ブロック部材21eとを有する。
【0033】
第1管状部21a、第2管状部21b及びブロック部材21eは、別体で形成される。第1管状部21a及び第2管状部21bは、それぞれブロック部材21eに溶接される。これにより、第1管状部21aと第2管状部21bとがブロック部材21eを介して連結される。ブロック部材21eは、下面が平坦である。ガスインジェクタ21は、ブロック部材21eの下面が支持部11cの上面と接触して支持される。ブロック部材21eは、前述した第1突起部21cとして機能する。第2管状部21bには、複数のガス吐出孔21hが鉛直方向に沿って間隔をあけて設けられる。
【0034】
第1構成例に係るガスインジェクタ21は、ガス導入配管51から第1管状部21aに導入されるガスを、ブロック部材21eを介して第2管状部21bに輸送し、複数のガス吐出孔21hから処理容器10内に吐出する。
【0035】
図5は、第2構成例に係るガスインジェクタ21を示す図である。
図5に示されるように、第2構成例に係るガスインジェクタ21は、
図4に示されるブロック部材21eに代えて、ベンド管21fを有する。
【0036】
ベンド管21fは、直角曲げ形状を有する。ベンド管21fの一端は水平に延び、第1管状部21aと接続される。ベンド管21fの他端は鉛直に延び、第2管状部21bと接続される。第2構成例に係るガスインジェクタ21は、ベンド管21fが支持部11cと接触して支持される。ベンド管21fは、前述した第1突起部21cとして機能する。
【0037】
第2構成例に係るガスインジェクタ21は、ガス導入配管51から第1管状部21aに導入されるガスを、ベンド管21fを介して第2管状部21bに輸送し、複数のガス吐出孔21hから処理容器10内に吐出する。
【0038】
図6は、第3構成例に係るガスインジェクタ21を示す図である。
図6に示されるように、第3構成例に係るガスインジェクタ21は、
図4に示されるブロック部材21eに代えて、ベンド管21g及び支持板21iを有する。
【0039】
ベンド管21gは、R曲げ形状を有する。ベンド管21gの一端は水平に延び、溶接等により第1管状部21aに接続される。ベンド管21gの他端は鉛直に延び、溶接等により第2管状部21bに接続される。
【0040】
支持板21iは、溶接等によりベンド管21gの下部に固定される。支持板21iは、支持部11cの上面と対向する下面を有し、下面が支持部11cの上面と接触して支持される。支持板21iは、前述した第1突起部21cとして機能する。
【0041】
第3構成例に係るガスインジェクタ21は、ガス導入配管51から第1管状部21aに導入されるガスを、ベンド管21gを介して第2管状部21bに輸送し、複数のガス吐出孔21hから処理容器10内に吐出する。
【0042】
以上に説明したように、第1実施形態に係る基板処理装置1によれば、ガスインジェクタ21が、貫通孔11hよりも下方において筒状部11aの内壁面から内方に向けて張り出す支持部11cによって支持される。この場合、ガスインジェクタ21の重心Gから処理容器10の中心までの水平距離が、ガスインジェクタ21の支点Pから処理容器10の中心までの水平距離よりも長くなる。これにより、自重によりガスインジェクタ21が処理容器10の中心側に傾く力が発生しない。このため、処理容器10の中心側へのガスインジェクタ21の倒れを抑制できる。
【0043】
これに対し、ガスインジェクタ21が支持部11cによって支持されない場合、ガスインジェクタ21の支点Pがフランジ部12bの内部に位置する。この場合、ガスインジェクタ21の重心Gから処理容器10の中心までの水平距離が、ガスインジェクタ21の支点Pから処理容器10の中心までの水平距離よりも短くなる。これにより、自重によりガスインジェクタ21が処理容器10の中心側に傾く力が働き、ガスインジェクタ21が倒れる場合がある。
【0044】
〔第2実施形態〕
図7を参照し、第2実施形態に係る基板処理装置1Aについて説明する。
図7は、第2実施形態に係る基板処理装置1Aを示す断面図である。
図7に示されるように、基板処理装置1Aは、単管構造を有する点で、基板処理装置1と異なる。以下、基板処理装置1と異なる点を中心に説明する。
【0045】
基板処理装置1Aは、処理容器110と、ガス供給部120と、排気部130と、加熱部140と、制御部190とを備える。
【0046】
処理容器110は、単管構造を有し、鉛直方向に沿って延びる縦型の反応管である。処理容器110は、例えば石英により形成される。処理容器110は、基板保持具111を収容する。基板保持具111は、基板Wを水平姿勢で鉛直方向に多段に整列した状態で保持する。基板保持具111は、例えば石英により形成される。基板Wは、例えば半導体ウエハである。処理容器110の下方には、排気ポート112が形成される。処理容器110は、下端が開口する。基板Wを載置した基板保持具111の搬入及び搬出は、処理容器110の下端の開口を介して行われる。処理容器110の下端は、ボトムフランジ155により支持される。ボトムフランジ155は、ガスインジェクタ121が取り付けられる箇所である。
【0047】
処理容器110の下方には、蓋体114が設けられる。蓋体114は、Oリング等のシール部材115を介して処理容器110の下端の開口を気密に塞ぐ。蓋体114の中央部には、磁性流体シール(図示せず)を介して回転軸116が貫通させて設けられる。回転軸116の下部は、ボートエレベータよりなる昇降機構117のアーム117aに回転自在に支持される。回転軸116の上端には、回転プレート118が設けられる。回転プレート118は、載置台119を支持する。載置台119は、基板保持具111を支持する。回転プレート118及び載置台119は、例えば石英により形成される。昇降機構117は、基板保持具111及び蓋体114を一体で昇降させると共に、基板保持具111、回転プレート118及び載置台119を一体で回転させる。
【0048】
よって、蓋体114は、基板Wが載置された基板保持具111を支持した状態で昇降可能に構成され、基板保持具111を支持した状態で処理容器110の下端の開口を密閉可能に構成される。よって、基板保持具111の処理容器110内への搬入及び処理容器110内からの搬出は、蓋体114の上方に基板保持具111が支持された状態で蓋体114を昇降させることにより行われる。
【0049】
ガス供給部120は、ガスインジェクタ121を有する。ガスインジェクタ121は、処理容器110の内部に各種のガスを供給する。ガスインジェクタ121は、処理容器110の下端に設けられる貫通孔及びボトムフランジ155に設けられるガス導入ポートに処理容器110の内側から挿入される。ガスインジェクタ121は、処理容器110の内壁面に沿って鉛直に延びると共に、下部においてL字状に屈曲して水平に延びる。ガスインジェクタ121の水平に延びる部分の先端には、ガス導入配管151が接続される。ガス導入配管151には、上流側から順にガス供給源G1及びバルブV1が設けられる。ガスインジェクタ121には、ガス供給源G1からのガスがガス導入配管151を介して導入される。ガスインジェクタ121は、鉛直に延びる部分に設けられる複数のガス吐出孔から処理容器110内に各種のガスを供給する。ガスインジェクタ121は、例えば石英により形成される。ガス供給部120は、ガスインジェクタ121とは別に1又は2以上のガスインジェクタを更に有してもよい。
【0050】
排気部130は、排気配管131と、圧力調整弁132と、真空ポンプ133とを有する。排気部130は、排気ポート112に接続される。圧力調整弁132及び真空ポンプ133は、排気配管131に介設される。圧力調整弁132は、処理容器110内の圧力を調整する。真空ポンプ133は、処理容器110内のガスを排気する。
【0051】
加熱部140は、処理容器110の周囲に設けられる。加熱部140は、処理容器110を覆う。加熱部140は、略円筒形状を有する。加熱部140は、ヒータ141と、断熱材142と、筐体143とを有する。ヒータ141は、処理容器110内の各基板Wを加熱する。断熱材142は、外側から処理容器110及びヒータ141を覆うように設けられる。断熱材142は、ヒータ141の熱が外部に漏れることを防止する。筐体143は、断熱材142を覆う。筐体143の内部に断熱材142が充填され、外部に放出される熱を抑制する。
【0052】
制御部190は、基板処理装置1Aの各部の動作を制御する。制御部190は、例えばコンピュータであってよい。基板処理装置1Aの各部の動作を行うコンピュータのプログラムは、記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD等であってよい。
【0053】
図8を参照し、ガスインジェクタ121の取り付け構造について説明する。
図8は、
図7の基板処理装置1Aの一部を拡大して示す図である。
図8は、ガスインジェクタ121が処理容器110に取り付けられ、ガス導入配管151がボトムフランジ155に接続された状態を示す。
【0054】
処理容器110は、筒状部110aと、フランジ部110bと、支持部110cとを有する。筒状部110aは、有天井の略円筒形状を有する。フランジ部110bは、筒状部110aの下部に設けられる。フランジ部110bは、例えば筒状部110aと一体で形成される。フランジ部110bは、筒状部110aと別体で形成されてもよい。フランジ部110bには、貫通孔110hが設けられる。貫通孔110hには、内壁面に対して隙間をあけてガスインジェクタ121が挿通される。貫通孔110hの内径は、ガスインジェクタ121の外径よりも僅かに大きくてよい。この場合、ガスインジェクタ121の取り付け公差を吸収できる。貫通孔110hの内壁面の例えば上部には、切り欠き110rが設けられる。切り欠き110rは、処理容器110の中心側の貫通孔110hの端部から貫通孔110hの長手方向に沿って延びる。切り欠き110rは、ガスインジェクタ121に対して第1管状部121aの管軸回りに回転する力が作用したときに、第2突起部121dと接触して第1管状部121aの管軸回りの回転を制限する制限部として機能する。
【0055】
支持部110cは、貫通孔110hよりも下方においてフランジ部110bの内壁面から内方に向けて張り出し、ガスインジェクタ121と接触して支持する。支持部110cは、例えば上方からの平面視でガスインジェクタ121の第2管状部121bと重なる位置でガスインジェクタ121と接触する。支持部110cは、例えば筒状部110aと一体で形成される。支持部110cは、筒状部110aと別体で形成されてもよい。
【0056】
ガスインジェクタ121は、第1管状部121aと、第2管状部121bと、第1突起部121cと、第2突起部121dとを有する。
【0057】
第1管状部121aは、貫通孔110hに挿通される。第1管状部121aは、フランジ部110bを貫通して水平に延びる。第1管状部121aは、ガスを通流させるガス流路を内部に形成する。
【0058】
第2管状部121bは、処理容器110内で筒状部110aの内壁面に沿って鉛直に延びる。第2管状部121bは、ガスを通流させるガス流路を内部に形成する。第2管状部121bのガス流路は、第1管状部121aのガス流路と連通する。第2管状部121bは、例えば第1管状部121aと一体で形成される。ただし、第2管状部121bは、第1管状部121aと別体で形成され、溶接等で接合されてもよい。
【0059】
第1突起部121cは、第2管状部121bの下端から下方に張り出し、支持部110cに支持される。この場合、ガスインジェクタ121の重心Gから処理容器110の中心までの水平距離が、ガスインジェクタ121の支点Pから処理容器110の中心までの水平距離よりも長くなる。これにより、自重によりガスインジェクタ121が処理容器110の中心側に傾く力が発生しない。このため、処理容器110の中心側へのガスインジェクタ121の倒れを抑制できる。第1突起部121cは、下面が支持部110cの上面と対向する平坦面を有し、支持部110cと面接触するよう構成される。ただし、第1突起部121cは、支持部110cの少なくとも一部と接触可能であればよく、例えば支持部110cと点接触するよう構成されてもよい。
【0060】
第2突起部121dは、第1管状部121aの外壁面から径方向外側に向かって突出する。第2突起部121dは、ガスインジェクタ121が取り付けられた状態において、フランジ部110bの切り欠き110rと対応する位置に設けられる。第2突起部121dは、ガスインジェクタ121に対して第1管状部121aの管軸回りに回転する力が作用したときに切り欠き110rと接触することで、ガスインジェクタ121が第1管状部121aの管軸回りに回転することを制限する。
【0061】
ガス導入配管151、リテーナ152、ナット153、雄ねじ形成部154、ボトムフランジ155、ポートブロック156、雌ねじ形成部157及びOリング158は、それぞれガス導入配管51、リテーナ52、ナット53、雄ねじ形成部54、ボトムフランジ55、ポートブロック56、雌ねじ形成部57及びOリング58と同じ構成であってよい。
【0062】
ガスインジェクタ121の具体的な構成は、例えば
図4から
図6に示されるガスインジェクタ21と同様であってよい。
【0063】
以上に説明したように、第2実施形態に係る基板処理装置1Aによれば、ガスインジェクタ121が、貫通孔110hよりも下方においてフランジ部110bの内壁面から内方に向けて張り出す支持部110cによって支持される。この場合、ガスインジェクタ121の重心Gから処理容器110の中心までの水平距離が、ガスインジェクタ121の支点Pから処理容器110の中心までの水平距離よりも長くなる。これにより、自重によりガスインジェクタ121が処理容器110の中心側に傾く力が発生しない。このため、処理容器110の中心側へのガスインジェクタ121の倒れを抑制できる。
【0064】
これに対し、ガスインジェクタ121が支持部110cによって支持されない場合、ガスインジェクタ121の支点Pがフランジ部110bの内部に位置する。この場合、ガスインジェクタ121の重心Gから処理容器110の中心までの水平距離が、ガスインジェクタ121の支点Pから処理容器110の中心までの水平距離よりも短くなる。これにより、自重によりガスインジェクタ121が処理容器110の中心側に傾く力が働き、ガスインジェクタ121が倒れる場合がある。
【0065】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 基板処理装置
11 内管
11c 支持部
21~27 ガスインジェクタ
21a 第1管状部
1A 基板処理装置
110 処理容器
110c 支持部
121 ガスインジェクタ
121a 第1管状部