(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129454
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】手差し給送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 11/00 20060101AFI20240919BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
B65H11/00 A
G03G15/00 407
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038675
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】上地 純平
【テーマコード(参考)】
2H072
3F063
【Fターム(参考)】
2H072BA03
2H072BA06
2H072BA13
2H072BA17
2H072EA16
3F063BA02
3F063BA08
3F063BA09
3F063BA10
3F063CB07
(57)【要約】
【課題】手差し給送装置に設けられる線状部材によって美観を損ねたり人や物が線状部材に触れることで破損が生じたりするなどの不具合を軽減する。
【解決手段】手差しトレイ72に載置されたシートを本体装置2のシート搬送路に給送する手差し給送装置70であって、上部が開閉するように前記本体装置に取り付けられる開閉部材71と、上部72bが開閉するように前記開閉部材に取り付けられる手差しトレイ72と、一端が前記手差しトレイの一端保持部82に保持され、他端が前記本体装置の他端保持部84に保持された線状部材81と、を有し、前記線状部材は、前記手差しトレイが開いた状態で、前記一端から前記本体装置内又は前記開閉部材に至るまでの部分が、前記手差しトレイの内部に収容されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手差しトレイに載置されたシートを本体装置のシート搬送路に給送する手差し給送装置であって、
上部が開閉するように前記本体装置に取り付けられる開閉部材と、
上部が開閉するように前記開閉部材に取り付けられる手差しトレイと、
一端が前記手差しトレイの一端保持部に保持され、他端が前記本体装置の他端保持部に保持された線状部材と、を有し、
前記線状部材は、前記手差しトレイが開いた状態で、前記一端から前記本体装置内又は前記開閉部材内に至るまでの部分が前記手差しトレイの内部に収容されていることを特徴とする手差し給送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の手差し給送装置において、
前記手差しトレイが開いた状態で前記開閉部材が閉じた状態から開いた状態へ移行するとき、前記手差しトレイのシート載置面は、前記他端保持部との間の前記線状部材の張力によって、該手差しトレイの上部側を上方とする上方傾斜状態、水平状態、前記シートが滑り出さない限度で該手差しトレイの上部側を下方とする弱下方傾斜状態のいずれかの状態に保たれることを特徴とする手差し給送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の手差し給送装置において、
前記手差しトレイが開いた状態で前記開閉部材が閉じた状態であるときには、前記線状部材に設けられる被当接部が前記手差しトレイに設けられるストッパ部に当接せず、前記線状部材が緩んだ状態になり、
前記手差しトレイが開いた状態で前記開閉部材が開いた状態であるときには、前記被当接部が前記ストッパ部に当接することで、前記他端保持部との間の前記線状部材が張った状態になり、前記いずれかの状態が保たれることを特徴とする手差し給送装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の手差し給送装置において、
前記線状部材の緩みを軽減する緩み軽減部材を有することを特徴とする手差し給送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の手差し給送装置において、
前記緩み軽減部材は、前記線状部材に付勢力を加える付勢部材であることを特徴とする手差し給送装置。
【請求項6】
請求項5に記載の手差し給送装置において、
前記付勢部材は、前記線状部材の前記一端と前記手差しトレイの前記一端保持部との間に配置される引張り部材であることを特徴とする手差し給送装置。
【請求項7】
請求項4に記載の手差し給送装置において、
前記緩み軽減部材は、前記開閉部材に取り付けられていることを特徴とする手差し給送装置。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の手差し給送装置において、
前記線状部材は、前記一端から前記手差しトレイの下端までの部分が、前記手差しトレイの内部に収容されていることを特徴とする手差し給送装置。
【請求項9】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の手差し給送装置において、
前記線状部材は少なくとも1つのプーリに掛け渡されていることを特徴とする手差し給送装置。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の手差し給送装置において、
前記他端保持部は、前記本体装置の構造体に取り付けられたブラケットであることを特徴とする手差し給送装置。
【請求項11】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の手差し給送装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手差し給送装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、手差しトレイに載置されたシートを本体装置のシート搬送路に給送する手差し給送装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像形成装置本体(本体装置)のシート搬送路を開放するための開閉部材と、この開閉部材に対して開閉可能に取り付けられる手差しトレイとを備えた手差し給紙装置が開示されている。この手差し給紙装置において、開閉部材は、画像形成装置本体に対して下部に回動支点を持って上部が開閉する構成になっており、開閉部材を開いてシート搬送路を開放することにより、シート搬送路に詰まったシートのジャム処理がなされる。手差しトレイは、開閉部材に対して下部に回動支点を持って上部が開閉する構成になっている。手差しトレイを開くと、手差しトレイは、手差しトレイの載置面が手差しトレイの上部側(手差しトレイが閉じているときに鉛直方向上方に位置する端部側)を上方とする所定の上方傾斜状態に保持され、載置面に載置されたシートの給送が可能になる。
【0004】
この種の手差し給紙装置では、開いた状態の手差しトレイにシートを載置したまま、開閉部材を開いてしまうと、これに伴って手差しトレイが回動し、手差しトレイの載置面が手差しトレイの上部側を下方とする下方傾斜状態になって、手差しトレイからシートが滑り落ちてしまうという不具合があった。この不具合を解決するために、前記特許文献1に開示の手差し給紙装置には、一端が手差しトレイの内部に保持され、他端が開閉部材を本体装置に対して開閉可能に連結するリンク部材(他端保持部)に保持されたワイヤ(線状部材)が設けられている。この手差し給紙装置では、手差しトレイが開いた状態で開閉部材が閉じた状態から開いた状態へ移行するとき、ワイヤの他端がリンク部材に引っ張られて、手差しトレイ内のワイヤ部分に設けられた位置止め固定部が手差しトレイ内のストッパ部に当接する。これにより、ワイヤの張力によって、開閉部材の開きに伴う手差しトレイの回動が阻止される。その結果、手差しトレイが開いた状態で開閉部材を開いても、手差しトレイの載置面はおおよそ水平な状態に保たれ、手差しトレイからシートが滑り落ちてしまうという不具合が解消される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の手差し給送装置に設けられる線状部材の一部が、手差しトレイが開いた状態において装置外部に位置する状態になるため、人や物が線状部材に触れることで破損が生じたりするなどの不具合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、手差しトレイに載置されたシートを本体装置のシート搬送路に給送する手差し給送装置であって、上部が開閉するように前記本体装置に取り付けられる開閉部材と、上部が開閉するように前記開閉部材に取り付けられる手差しトレイと、一端が前記手差しトレイの一端保持部に保持され、他端が前記本体装置の他端保持部に保持された線状部材と、を有し、前記線状部材は、前記手差しトレイが開いた状態で、前記一端から前記本体装置内又は前記開閉部材に至るまでの部分が、前記手差しトレイの内部に収容されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、手差し給送装置に設けられる線状部材によって人や物が線状部材に触れることで破損が生じたりするなどの不具合を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態における複写機の概略構成を示す説明図。
【
図2】同複写機において、開閉部材が閉じた状態で手差しトレイも閉じている状態における手差し給紙装置の構成を模式的に示す説明図。
【
図3】同複写機において、開閉部材が閉じた状態で手差しトレイを途中まで開いた状態における手差し給紙装置の構成を模式的に示す説明図。
【
図4】同複写機において、開閉部材が閉じた状態で手差しトレイを完全に開いた状態における手差し給紙装置の構成を模式的に示す説明図。
【
図5】同手差し給紙装置におけるワイヤの配置を模式的に示す断面図。
【
図6】同ワイヤの他端を保持するワイヤブラケットを示す斜視図。
【
図7】(a)は、同ワイヤが手差しトレイの基端部の端面から出る箇所を示す斜視図。(b)は、同箇所の拡大図。
【
図8】手差しトレイが開いた状態で開閉部材が閉じている状態における手差し給紙装置の構成を模式的に示す説明図。
【
図9】手差しトレイが開いた状態で開閉部材を途中まで開いた状態における手差し給紙装置の構成を模式的に示す説明図。
【
図10】手差しトレイが開いた状態で開閉部材を完全に開いた状態における手差し給紙装置の構成を模式的に示す説明図。
【
図11】同ワイヤに設けられる球体ストッパと手差しトレイに設けられるストッパ部とを示す拡大図。
【
図12】手差しトレイが開いた状態で開閉部材が閉じている状態(
図8)におけるワイヤの様子を示す説明図。
【
図13】手差しトレイが開いた状態で開閉部材を途中まで開いた状態(
図9)におけるワイヤの様子を示す説明図。
【
図14】手差しトレイが閉じた状態で開閉部材が閉じている状態におけるワイヤの様子を示す説明図。
【
図15】手差しトレイが閉じた状態で開閉部材を完全に開いた状態におけるワイヤ81の様子を示す説明図。
【
図16】変形例1における手差し給紙装置を模式的に示す説明図。
【
図17】変形例2における手差し給紙装置を模式的に示す説明図。
【
図18】変形例3において、手差しトレイが開いた状態で開閉部材が閉じている状態におけるワイヤの様子を示す説明図。
【
図19】変形例3において、手差しトレイが開いた状態で開閉部材を途中まで開いた状態におけるワイヤの様子を示す説明図。
【
図20】変形例3において、手差しトレイが閉じた状態で開閉部材が閉じている状態におけるワイヤの様子を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る手差し給送装置としての手差し給紙装置を、画像形成装置である複写機に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における複写機の概略構成を示す説明図である。
本実施形態の複写機1は、本体装置である画像形成装置本体2と、この画像形成装置本体2の上に配置される画像読取装置3と、画像形成装置本体2の下に配置されたテーブル状の給紙装置4と、画像読取装置3の上に開閉自在に配置された原稿自動搬送装置5とを備える。また、複写機1は、スイッチバック装置42と、手差し給紙装置70とを備えている。
【0010】
画像形成装置本体2は、その内部に像担持体としてドラム状の感光体10を備えている。感光体10の周囲には、図中左側に帯電装置11が配置され、感光体10の回転方向(反時計方向:図中矢印A)に沿って、現像装置12、転写装置13、クリーニング装置14が配置されている。転写装置13は、上下のローラ15,16の間に転写ベルト17を掛け回して構成され、転写ベルト17を転写位置Bで感光体10の周面に押し当てる構成になっている。
【0011】
帯電装置11及びクリーニング装置14の左側には、現像装置12に新しいトナーを補給するトナー補給装置20が配置されている。また、画像形成装置本体2の内部には、用紙・OHPシート等のシートを後述する供給位置から送り出し、転写位置Bを経てスタック位置まで搬送するシート搬送装置Cが配置されている。シート搬送装置Cは、後述する供給路R1、手差し供給路R2、及びシート搬送路Rを備えている。シート搬送路Rは、感光体10と転写装置13との間を通って図中の下から上へと伸びてから左に曲がる略L字状をなしている。
【0012】
シート搬送路Rには、感光体10のシート搬送方向上流側に、レジストローラ21が配置されている。また、感光体10のシート搬送方向下流側には、定着装置22が配置されている。定着装置22は、一対の定着ローラ(定着ローラ回転体)31,32を備えている。一方の定着ローラ31の内部には定着ヒータが配置され、他方の定着ローラ32の周囲には加圧スプリング、加圧アームが配置されている。この加圧スプリング、加圧アームにより、一方の定着ローラ31に他方の定着ローラ32が押し当てられる。また、一方の定着ローラ31には、サーミスタ、及びサーモスタットが配置されている。定着ヒータは、サーミスタにより定着ローラ31の温度を測定しつつ、サーモスタットにより定着ヒータをオン又はオフすることにより、一方の定着ローラ31を所定の温度に保つ。
【0013】
定着装置22の更にシート搬送方向下流側には、排出分岐爪34、排出ローラ35、第一加圧ローラ36、第二加圧ローラ37、腰付ローラ38が配置され、その先に、画像形成済みのシートをスタックする排出スタック部(排出位置)39が配置されている。
【0014】
現像装置12の図中左側には、レーザ書込装置47が配置されている。レーザ書込装置47は、レーザ光源、走査用の回転多面鏡48、ポリゴンモータ49、fθレンズ等の走査光学系50などを備えている。
【0015】
画像読取装置3は、光源53、複数のミラー54、結像用光学レンズ55、CCD等のイメージセンサ56などを備え、上面にはコンタクトガラス57が配置されている。
【0016】
原稿自動搬送装置5は、一端を画像読取装置3の上面一端にヒンジ構造の連結具により連結されている。原稿自動搬送装置5は、下面が、コンタクトガラス57の上面に載置される原稿用紙を上から押し付ける水平状態から、コンタクトガラス57の上面との傾き角度が例えば最大で90度開いた状態となるように、開閉自在に設けられている。原稿自動搬送装置5は、原稿の載置位置に載置台、原稿の排出位置に排出台を備えるほか、原稿などのシートを、載置台から画像読取装置3のコンタクトガラス57上の読取位置を経て排出台まで搬送する原稿搬送路を有するシート搬送装置を備えている。シート搬送装置は、原稿などのシートを搬送するシート搬送ローラ(シート搬送回転体)を複数個備えている。
【0017】
給紙装置4は、内部に、用紙分離装置61を多段に備えている。各用紙分離装置61は、それぞれ対応してピックアップローラ(給送ローラ)62、フィードローラ(給送ローラ)63、リバースローラ(分離ローラ)64を備えている。多段に配置された用紙分離装置61の図中右側には画像形成装置本体2のシート搬送路Rへと通じる供給路R1が形成される。供給路R1は、シートを搬送するいくつかのシート搬送ローラ(シート搬送回転体)66を備えている。
【0018】
スイッチバック装置42は、画像形成装置本体2の図中右側面に配置されている。スイッチバック装置42は、シート搬送路Rの排出分岐爪34の位置から分岐するシート搬送装置Dを備えている。シート搬送装置Dは、一対のスイッチバックローラ43が配置されたスイッチバック位置44まで導く反転路R3と、スイッチバック位置44から、再びシート搬送路Rのレジストローラ21まで導く再搬送路R4とを有している。また、シート搬送装置Dは、シートを搬送する複数のシート搬送ローラ(シート搬送回転体)66を有している。本実施形態では、スイッチバック装置42は、後述する開閉部材71に取り付けられるように構成されている。
【0019】
手差し給紙装置70は、画像形成装置本体2の図中右側面に配置されている。手差し給紙装置70は、ピックアップローラ(給送ローラ)67A、フィードローラ(給送ローラ)67B、リバースローラ(給送ローラ)67Cを備え、手差しトレイ72のシート載置面72aに載置されたシートSを画像形成装置本体2のシート搬送路Rに供給するものである。
【0020】
次に、複写機1の動作を説明する。
複写機1を用いてコピーを生成するには、メインスイッチをオンするとともに、原稿自動搬送装置5に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置5を開いて画像読取装置3のコンタクトガラス57上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置5を閉じて原稿を押さえる。その後、スタートスイッチが押されると、原稿自動搬送装置5に原稿をセットしたときは、原稿をシート搬送ローラにより原稿搬送路を通してコンタクトガラス57上へと移動してから画像読取装置3を駆動し、原稿内容を読み取って排出台上に排出する。一方、コンタクトガラス57上に原稿をセットしたときは直ちに画像読取装置3を駆動する。
【0021】
画像読取装置3が駆動を開始すると、光源53は、発光しつつコンタクトガラス57に沿って移動し、光をコンタクトガラス57上の原稿面に照射する。複数のミラー54は、原稿面からの反射光を入光して結像用光学レンズ55に向けて反射する。結像用光学レンズ55は、この反射光をイメージセンサ56上で結像させる。これにより、イメージセンサ56は、原稿内容を読み取る。
【0022】
一方、画像形成装置本体2では、感光体10が感光体駆動モータにより回転され、これに伴い、感光体表面が帯電ローラを用いた帯電装置11により一様に帯電される。そして、レーザ書込装置47が上述の画像読取装置3で読み取った原稿内容に応じてレーザ光を感光体表面に照射することにより感光体表面に書き込みが行われ、これにより、感光体10の表面に静電潜像が形成される。その後、感光体表面に形成された静電潜像部分が現像装置12に対向する現像領域において、感光体表面にトナーが付着され、静電潜像が可視像化する。
【0023】
また、スタートスイッチが押されたとき、給紙装置4中に多段に備える複数の用紙分離装置61の中から、用紙サイズの選択信号に基づいて、対応する用紙分離装置61が選択される。そして、選択された用紙分離装置61に対応するピックアップローラ62が用紙分離装置61内のシートSを1枚送り出す。リバースローラ64は、複数枚のシートSを送り出そうとするときに最上面の1枚のシートSを分離し、残りのシートSの搬送を阻止する。続いて、フィードローラ63がシートSを搬送しながら供給路R1に入れ、シート搬送ローラ66がシートSを引き続いて搬送しシート搬送路Rへ導き、レジストローラ21がシートSに当接しシートSの搬送を止める。そして、このレジストローラ21が、感光体10の回転にタイミングを合わせて回転し、シートSを感光体10の図中右側の転写位置Bへ送り込む。
【0024】
手差し給紙装置70は、手差し給紙を行う場合には、手差し給紙装置70の手差しトレイ72を、閉じた状態(手差しトレイ72が直立した姿勢の状態)から手差しトレイ72を開く。これにより、手差しトレイ72は、
図1に示すように、シート載置面72aが、手差しトレイ72の先端部72b側(手差しトレイ72が閉じているときに鉛直方向上方に位置する端部側)を上方とする所定の上方傾斜状態に保持された使用姿勢をとる。この使用姿勢の手差しトレイ72のシート載置面72a上にシートをセットして、スタートスイッチが押されると、ピックアップローラ67Aがシートを1枚送り出し、引き続いてフィードローラ67Bがシートの送り出しを引き継ぐ。リバースローラ67Cは、複数枚のシートを送り出そうとするときに最上面の1枚のシートを分離し、残りのシートの搬送を阻止する。シート搬送ローラ66は、手差し供給路R2に供給されたシートを引き続き搬送してシート搬送路Rへと導く。以後は、上述した給紙装置4と同様に、レジストローラ21が感光体10の回転にタイミングを合わせてシートを転写位置Bへと送り込む。
【0025】
次いで、転写装置13は、シートSが転写位置Bに達した時に、シートSに感光体10上のトナー画像を転写して画像を形成する。クリーニング装置14が、画像転写後の感光体10上の残留トナーを除去・清掃し、次いで、除電装置が、感光体10上の残留電位を除去して、帯電装置11からはじまる次の画像形成に備える。
【0026】
定着装置22は、上述したトナー画像が転写されたシートSを転写ベルト17により搬送して一対の定着ローラ31,32間を通し、定着位置で熱と圧力を加えてトナー画像をシートSに定着させる。定着が行われたシートSは、その後、第一加圧ローラ36、排出ローラ35、第二加圧ローラ37、腰付ローラ38を通過する過程において平面上とされるように腰を付けられ、排出スタック部39上に排出されてスタックされる。
【0027】
なお、シートSの両面に画像を転写する場合、排出分岐爪34を切り替える。そして、第一面側に画像が転写された定着後のシートSを、シート搬送路Rから反転路R3に入れ、シート搬送ローラ66により搬送してスイッチバック位置44へ入れ、そのスイッチバック位置44においてスイッチバックする。その後、シートを再搬送路R4に入れ反転して、シート搬送ローラ66により搬送して、再び、シート搬送路Rに導き、前述と同様にしてシートSの第二面(裏面)にも画像を転写する。
【0028】
次に、手差し給紙装置70の構成及び動作について説明する。
図2は、開閉部材が閉じた状態で手差しトレイ72も閉じている状態における手差し給紙装置70の構成を模式的に示す説明図である。
図3は、開閉部材が閉じた状態で手差しトレイ72を途中まで開いた状態における手差し給紙装置70の構成を模式的に示す説明図である。
図4は、開閉部材が閉じた状態で手差しトレイ72を完全に開いた状態における手差し給紙装置70の構成を模式的に示す説明図である。
【0029】
手差し給紙装置70は、上部が開閉するように画像形成装置本体2に対して支持軸71Aの回りで回動可能に取り付けられる開閉部材71と、上部(先端部72b)が開閉するように開閉部材71に取り付けられる手差しトレイ72と、開閉部材71と手差しトレイ72とを連結する2つのリンク部材73,74と、可撓性をもつ線状部材としてのワイヤ81とを備えている。
【0030】
シート搬送路R、再搬送路R4に詰まったシートの除去(ジャム処理)や、画像形成装置本体2の内部のメンテナンス等を簡単に行うには、開閉部材71を直立姿勢の閉じた状態(
図2~
図4参照)から傾斜姿勢の開いた状態にして、シート搬送路Rや再搬送路R4を開放する。これにより、ジャム処理やメンテナンス等を簡単に行うことができる。
【0031】
手差し給紙装置70では、手差しトレイ72を直立姿勢の閉じた状態(
図2参照)から傾斜姿勢の開いた状態(
図4参照)にして、シート載置面72aが手差しトレイ72の先端部72b側を上方とする上方傾斜状態になるようにする。この上方傾斜状態のシート載置面72a上にシートを載置することにより、手差しトレイ72から手差し用のシートをシート搬送路Rに供給することができる。
【0032】
リンク部材73,74は、第一リンク部材73と第二リンク部材74からなる。第一リンク部材73の一端側は、開閉部材71に設けられる回動支点73Aに対して回動可能に取り付けられ、第一リンク部材73の他端側は、手差しトレイ72に設けられる回動支点73Bに対して回動可能に取り付けられる。また、第二リンク部材74の一端側は、開閉部材71に設けられる回動支点74Aに対して回動可能に取り付けられ、第一リンク部材73の他端側は、手差しトレイ72に設けられる回動支点74Bに対して回動可能に取り付けられる。第二リンク部材74の回動支点74Bは、手差しトレイ72の下部(基端部72c)の付近に設けられ、第一リンク部材73の回動支点73Bは、手差しトレイ72の基端部72cよりも先端部72b側に寄った箇所に設けられている。
【0033】
このようなリンク部材73,74により、手差しトレイ72を閉じた状態(
図2参照)から開いた状態(
図4参照)にする場合には、第二リンク部材74の回動支点74Aの回りの回動により手差しトレイ72の基端部72cが上方へ持ち上げられながら、手差しトレイ72が第一リンク部材73の回動支点73Bを中心に回動する。そして、手差しトレイ72が開いた状態では(
図4参照)、手差しトレイ72の基端部72cがトレイストッパ76に当接して手差しトレイ72がそれ以上回動できないようになる。その結果、手差しトレイ72は当該開いた状態(シート載置面72aが手差しトレイ72の先端部72b側を上方とする上方傾斜状態)に保たれる。このときのシート載置面72aと水平面とのなす角をθ1とする。
【0034】
図5は、本実施形態におけるワイヤ81の配置を模式的に示す断面図である。
ワイヤ81は、画像形成装置本体2の前後方向において装置後側に寄った位置に配置されている。ワイヤ81の一端は、手差しトレイ72の内部に配置されている一端保持部としてのワイヤ保持部82に対し、引張り部材としての引張りスプリング83を介して保持されている。ワイヤ81の他端は、画像形成装置本体2の他端保持部としてのワイヤブラケット84に保持されている。ワイヤブラケット84は、
図6に示すように、画像形成装置本体2の構造体であるステー部材2Aに取り付けられており、ワイヤブラケット84のボス部84aにワイヤ81の他端が取り付けられる。なお、ステー部材2Aは、手差し給紙装置70のフィードローラ67B及びリバースローラ67Cよりも下方で、画像形成装置本体2の本体側板間に取り付けられる部材である。
【0035】
本実施形態のワイヤ81は、手差しトレイ72が開いた状態において、少なくとも、引張りスプリング83を介してワイヤ保持部82に保持されている一端から画像形成装置本体2内あるいは開閉部材71内に至るまでのワイヤ部分Lが、手差しトレイ72の内部に収容されている。これにより、ワイヤ81のうち、画像形成装置の外部(画像形成装置本体2の外壁面又は開閉部材71の外壁面よりも外側の領域)に配置される部分の全部又はほとんどの部分が、手差しトレイ内に隠れる。よって、ワイヤ81がユーザーの目に止まりにくく、ワイヤ81が装置外部に露出することによって美観が損なわれるという不具合を軽減することができる。また、ワイヤ81に人や物が触れることで破損が生じるという不具合も軽減することができる。なお、手差しトレイ72の内部に収容されているワイヤ部分Lの一部が手差しトレイ72の窓部や孔部などを介して外部から視認できる状態になっていてもよい。
【0036】
本実施形態においては、特に、
図7(a)及び(b)に示すように、手差しトレイ72の内部に収容されているワイヤ81が、手差しトレイ72の下端(基端部72c)の端面から出て、画像形成装置本体2の内部へと延びている。すなわち、ワイヤ81が、引張りスプリング83を介してワイヤ保持部82に保持されている一端から手差しトレイ72の下端(基端部72c)までの部分が、手差しトレイ72の内部に収容されている。手差しトレイ72の下端(基端部72c)は、画像形成装置本体2の内部又は開閉部材71の内部まで入り込んだ位置に配置されることから、手差しトレイ72から出て画像形成装置本体2の内部又は開閉部材71の内部に入り込むまでのワイヤ部分についても、装置外部から見えにくい状態となり、あるいは、触れにくい状態となる。よって、ワイヤ81によって美観が損なわれるという不具合やワイヤ81に人や物が触れることで破損が生じるという不具合は、更に軽減される。
【0037】
また、本実施形態では、ワイヤ81の経路上、具体的には手差しトレイ72の基端部72cの付近にプーリ85が配置され、ワイヤ81はプーリ85に掛け渡されている。ワイヤ81をプーリ85に掛け渡す構成を採用することで、ワイヤ81の配置の自由度(這い回しの自由度)が向上する。プーリ85はワイヤ81が掛け渡される掛け渡し部であって、手差しトレイ72とは別部品であっても、手差しトレイ72を構成している部材に一体化してもよい。また、プーリ85はワイヤ81の方向を転換する方向転換部でもある。
【0038】
図8は、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71が閉じている状態における手差し給紙装置70の構成を模式的に示す説明図である。
図9は、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71を途中まで開いた状態における手差し給紙装置70の構成を模式的に示す説明図である。
図10は、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71を完全に開いた状態における手差し給紙装置70の構成を模式的に示す説明図である。
【0039】
開いた状態の手差しトレイ72にシートを載置したまま、開閉部材71を開いてしまうと、これに伴って手差しトレイ72が回動し、手差しトレイ72のシート載置面72aが手差しトレイ72の先端部72b側を下方とする下方傾斜状態になり得る。この下方傾斜状態の傾斜角度が大きすぎると(シート載置面72a上のシートが滑り出さない限度を超えていると)、手差しトレイ72からシートが滑り落ちてしまうという不具合が発生する。
【0040】
本実施形態の手差し給紙装置70は、手差しトレイ72が開いた状態において、開閉部材71を直立姿勢の閉じた状態(
図8参照)から傾斜姿勢の開いた状態(
図10参照)に移行するとき、画像形成装置本体2のワイヤブラケット84との間のワイヤ81の張力により、開閉部材71の開きに伴う手差しトレイ72の回動が阻止される。これにより、手差しトレイ72のシート載置面72aは、ワイヤブラケット84との間のワイヤ81の張力によって、手差しトレイ72の先端部72b側を上方とする上方傾斜状態、水平状態、シートが滑り出さない限度で手差しトレイ72の先端部72b側を下方とする弱下方傾斜状態のいずれかの状態に保たれる。なお、弱下方傾斜状態は、水平面に対して手差しトレイ72のシート載置面72aが下方に15度以下の範囲が好ましく、さらに10度以下の範囲がより好ましい。その結果、
図10に示すように、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71を開いても、手差しトレイ72のシート載置面72aはおおよそ水平な状態に保たれ、手差しトレイ72からシートが滑り落ちてしまうという不具合が解消される。
【0041】
具体的には、本実施形態のワイヤ81には、
図11に示すように、手差しトレイ72の内部に位置するワイヤ部分に被当接部としての球体ストッパ86が設けられている。この球体ストッパ86は、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71が閉じた状態であるとき(
図8の状態)、
図12に示すように、手差しトレイ72に設けられるストッパ部87に当接せず、ワイヤ81は緩んだ状態になる。すなわち、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71が閉じた状態であるとき、手差しトレイ72の回動がトレイストッパ76によって規制されることで、手差しトレイ72が開いた状態に保持されるため、手差しトレイ72が開いた状態に保持されるのにワイヤ81の張力は寄与しない。
【0042】
ただし、本実施形態では、ワイヤ81の一端に引張りスプリング83が配置されているため、ワイヤ81の緩みは引張りスプリング83の付勢力(引張力)によって解消されている。すなわち、球体ストッパ86が手差しトレイ72のストッパ部87に当接せずにワイヤ81が緩んだ状態であるときでも、ワイヤ81は引張りスプリング83の付勢力(引張力)に応じた張力がかかっている。そして、引張りスプリング83の付勢力(引張力)によってワイヤ81の一端が引っ張られることで、球体ストッパ86は、ワイヤ81の一端側、すなわち、手差しトレイ72のストッパ部87から離れる側へと移動し、ストッパ部87とは当接しない状態になる。
【0043】
なお、
図12に示すように、このときの球体ストッパ86とストッパ部87との間のワイヤ経路長をX[mm]とし、このときのワイヤ81が掛け渡されたプーリ85とワイヤ81の他端を保持しているワイヤブラケット84のボス部84aとの間のワイヤ経路長をY[mm]とする。
【0044】
手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71が閉じている状態(
図8の状態)から、手差しトレイ72が開いた状態のまま開閉部材71を開くと、開閉部材71の回動に伴ってシート載置面72aの先端部72b側が下がっていく方向に手差しトレイ72が回動する。これにより、シート載置面72aと水平面とのなす角は、
図8の開いた状態時のθ1から徐々に小さくなりゼロに近づいていく。
【0045】
このとき、ワイヤ81が掛け渡されているプーリ85は、開閉部材71に支持されているため、開閉部材71の回動に伴って、図中矢印Eに示すように、開閉部材71の支持軸71Aの回りを回動する。本実施形態において、この回動によりプーリ85が移動する方向は、プーリ85に掛け渡されているワイヤ81の他端を保持しているワイヤブラケット84のボス部84aから離れる方向である。そのため、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71を開くと、開閉部材71の支持軸71A回りを回動するプーリ85の移動により、ワイヤブラケット84のボス部84aとプーリ85とのワイヤ経路長が長くなる。これにより、ワイヤ81はその他端側(ボス部84a側)へ徐々に引っ張られていき、ワイヤ81の球体ストッパ86は手差しトレイ72のストッパ部87へ近づく方向に移動する。
【0046】
そして、手差しトレイ72が開いた状態で
図9に示す状態になるまで開閉部材71を開くと、開閉部材71の傾斜角度は鉛直方向に対してθ2となり、ワイヤ81の球体ストッパ86は、
図13に示すように、手差しトレイ72のストッパ部87に当接する。これにより、ワイヤブラケット84のボス部84aとプーリ85とのワイヤ経路長は、Y+Xとなり、ワイヤ81の張力(ワイヤ81の他端と球体ストッパ86との間のワイヤ部分の張力)によって、それ以上長くなることができなくなる。このとき、手差しトレイ72のシート載置面72aは、
図9に示すように、水平面に対してθ1-θ2の傾斜となり、おおよそ水平な状態(θ1-θ2がほぼゼロの状態)となって、手差しトレイ72からシートが滑り落ちることはない。なお、θ1-θ2は水平面に対して手差しトレイ72のシート載置面72aが15度以下の範囲が好ましく、さらに10度以下の範囲がより好ましい。
【0047】
その後、手差しトレイ72が開いた状態で
図9の状態から更に開閉部材71が完全に開いた状態(
図10の状態)まで開くとき、ワイヤ81が掛け渡されたプーリ85は、開閉部材71の回動に伴って回動しようとする。しかしながら、プーリ85は、ワイヤ81の張力により、ワイヤ81の他端を保持しているワイヤブラケット84のボス部84aから離れる方向へは移動できない。そのため、
図9の状態から
図10の状態まで開閉部材71が開くときには、ワイヤブラケット84のボス部84aとプーリ85とのワイヤ経路長が維持されるように、手差しトレイ72が2つのリンク部材73,74により開閉部材71に対して閉じる方向へと回動することになる。
【0048】
これにより、手差しトレイ72が開いた状態で
図9の状態から更に
図10の状態まで開閉部材71を開くときには、開閉部材71の回動に伴ってシート載置面72aの先端部72b側が下がっていく手差しトレイ72の動きを、ワイヤ81の張力によって開閉部材71に対して手差しトレイ72が閉じる動きが相殺する。その結果、手差しトレイ72が開いた状態で
図10の状態まで開閉部材71を開いても、手差しトレイ72のシート載置面72aは、
図10に示すように、水平面に対してθ1-θ2の傾斜がほぼ維持され、おおよそ水平な状態に保たれる結果、手差しトレイ72からシートが滑り落ちることはない。
【0049】
図14は、手差しトレイ72が閉じた状態で開閉部材71が閉じている状態におけるワイヤ81の様子を示す説明図である。
図15は、手差しトレイ72が閉じた状態で開閉部材71を完全に開いた状態におけるワイヤ81の様子を示す説明図である。
【0050】
本実施形態における手差しトレイ72は、リンク部材73,74により回動するため、手差しトレイ72を閉じた状態にすると、
図14に示すように、手差しトレイ72が開いた状態のときよりも手差しトレイ72の基端部72cが下がる。そのため、手差しトレイ72の基端部72cの付近に配置されるプーリ85は、手差しトレイ72が閉じた状態では、手差しトレイ72が開いた状態のときよりも、ワイヤ81の他端を保持しているワイヤブラケット84のボス部84aに近づいた位置をとる。したがって、その分だけワイヤ81の緩みが発生する。
【0051】
図14に示すように、手差しトレイ72が閉じた状態で開閉部材71が閉じているとき、このときのワイヤ81が掛け渡されたプーリ85とワイヤ81の他端を保持しているワイヤブラケット84のボス部84aとの間のワイヤ経路長をZ1[mm]とする。また、
図15に示すように、手差しトレイ72が閉じた状態で開閉部材71を最大まで開いたとき、開閉部材71の傾斜角度は水平方向に対してθ3となり、このときのワイヤ81が掛け渡されたプーリ85とワイヤ81の他端を保持しているワイヤブラケット84のボス部84aとの間のワイヤ経路長をZ2[mm]とする。
【0052】
本実施形態では、
図14の状態でも
図15の状態でもワイヤ81に緩みが生じるように、すなわち、Z1とZ2のいずれもがYよりも短くなるように、構成されている。このような構成は、例えば、ワイヤ81の他端を保持しているワイヤブラケット84のボス部84aの位置を適宜設定することで実現することができる。このような構成とすれば、Z1とZ2のいずれもがYよりも短くなるので、手差しトレイ72が閉じた状態であれば、常に、ワイヤ81を緩んだ状態(すなわち、球体ストッパ86がストッパ部87に当接しない状態)を保つことができる。その結果、手差しトレイ72が閉じた状態のまま開閉部材71を開閉するときに、ワイヤ81の張力が影響することがなくなる。
【0053】
一方で、本実施形態において、手差しトレイを閉じた状態では、開閉部材71が閉じた状態であるときのZ1も、開閉部材71が開いた状態であるときのZ2のいずれも、開閉部材71が閉じた状態で開閉部材71が開いた状態であるときのYより短いので、その分だけワイヤ81が緩む。本実施形態では、この分のワイヤ81の緩みも引張りスプリング83により解消できるように、構成されている。
【0054】
本実施形態の手差し給紙装置は、画像形成装置本体2側に保持されるワイヤ81の他端が、開閉部材71を回動させたときに、開閉部材71の回動に連動しない箇所、あるいは、開閉部材71の回動量よりも少ない回動量である箇所に、取り付けられていることが好ましい。また、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71が閉じた状態から開いた状態へ移行するとき、X=0となったときのθ1-θ2の角度が、シート載置面72a上のシートが滑り出さない角度であることが好ましい。更に、手差しトレイを閉じた状態では、開閉部材71が閉じた状態であるときのZ1も、開閉部材71が開いた状態であるときのZ2のいずれも、開閉部材71が閉じた状態で開閉部材71が開いた状態であるときのYより短いことが好ましい。
【0055】
〔変形例1〕
次に、上述した実施形態における手差し給紙装置70の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
本変形例1の手差し給紙装置70は、ワイヤ81の他端を保持する他端保持部であるボス部84aの配置が、上述した実施形態とは異なっている。その他の構成は、上述した実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0056】
図16は、本変形例1における手差し給紙装置70を模式的に示す説明図である。
本変形例1において、ワイヤブラケット84は、ステー部材2Aではなく、画像形成装置本体2の本体側板2Cに取り付けられる。そして、ワイヤ81の他端は、このワイヤブラケット84のボス部84aに取り付けられる。
【0057】
本変形例1でも、上述した実施形態と同様、手差しトレイ72が開いた状態において、開閉部材71を直立姿勢の閉じた状態から傾斜姿勢の開いた状態に移行するとき、
図16に示すように、画像形成装置本体2のワイヤブラケット84との間のワイヤ81の張力により、開閉部材71の開きに伴う手差しトレイ72の回動が阻止される。これにより、手差しトレイ72のシート載置面72aは、ワイヤブラケット84との間のワイヤ81の張力によって、手差しトレイ72の先端部72b側を上方とする上方傾斜状態、水平状態、シートが滑り出さない限度で手差しトレイ72の先端部72b側を下方とする弱下方傾斜状態のいずれかの状態に保たれる。その結果、
図16に示すように、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71を開いても、手差しトレイ72のシート載置面72aはおおよそ水平な状態に保たれ、手差しトレイ72からシートが滑り落ちてしまうという不具合が解消される。
【0058】
なお、本変形例1のワイヤ81も、手差しトレイ72が開いた状態において、少なくとも、引張りスプリング83を介してワイヤ保持部82に保持されている一端から画像形成装置本体2内あるいは開閉部材71内に至るまでのワイヤ部分Lが、手差しトレイ72の内部に収容されている。これにより、上述した実施形態と同様、ワイヤ81のうち、画像形成装置の外部に配置される部分の全部又はほとんどの部分が、手差しトレイ内に隠れる。よって、ワイヤ81がユーザーの目に止まりにくく、ワイヤ81が装置外部に露出することによって美観が損なわれるという不具合を軽減することができる。また、ワイヤ81に人や物が触れることで破損が生じるという不具合も軽減することができる。
【0059】
〔変形例2〕
次に、上述した実施形態における手差し給紙装置70の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
本変形例2の手差し給紙装置70も、ワイヤ81の他端を保持する他端保持部であるボス部84aの配置が、上述した実施形態とは異なっている。その他の構成は、上述した実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0060】
図17は、本変形例2における手差し給紙装置70を模式的に示す説明図である。
本変形例2において、ワイヤブラケット84は、手差し給紙装置70のフィードローラ67B及びリバースローラ67Cよりも上方で、画像形成装置本体2の本体側板間に取り付けられるステー部材2Bに取り付けられている。そして、ワイヤ81の他端は、このワイヤブラケット84のボス部84aに取り付けられる。
【0061】
本変形例2でも、上述した実施形態と同様、手差しトレイ72が開いた状態において、開閉部材71を直立姿勢の閉じた状態から傾斜姿勢の開いた状態に移行するとき、
図17に示すように、画像形成装置本体2のワイヤブラケット84との間のワイヤ81の張力により、開閉部材71の開きに伴う手差しトレイ72の回動が阻止される。これにより、手差しトレイ72のシート載置面72aは、ワイヤブラケット84との間のワイヤ81の張力によって、手差しトレイ72の先端部72b側を上方とする上方傾斜状態、水平状態、シートが滑り出さない限度で手差しトレイ72の先端部72b側を下方とする弱下方傾斜状態のいずれかの状態に保たれる。その結果、
図17に示すように、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71を開いても、手差しトレイ72のシート載置面72aはおおよそ水平な状態に保たれ、手差しトレイ72からシートが滑り落ちてしまうという不具合が解消される。
【0062】
また、本変形例2において、手差しトレイ72を閉じた状態にしたとき、手差しトレイ72が開いた状態のときよりも手差しトレイ72の基端部72cが下がる。そのため、手差しトレイ72の基端部72cの付近に配置されるプーリ85は、手差しトレイ72が閉じた状態では、手差しトレイ72が開いた状態のときよりも、ワイヤ81の他端を保持しているワイヤブラケット84のボス部84aから遠ざかる位置をとる。したがって、本変形例2では、手差しトレイ72を閉じた状態にしたときのワイヤ81の緩みが、上述した実施形態よりも少なく、引張りスプリング83の設定が容易である。
【0063】
なお、本変形例2のワイヤ81も、手差しトレイ72が開いた状態において、少なくとも、引張りスプリング83を介してワイヤ保持部82に保持されている一端から画像形成装置本体2内あるいは開閉部材71内に至るまでのワイヤ部分が、手差しトレイ72の内部に収容されている。これにより、上述した実施形態と同様、ワイヤ81のうち、画像形成装置の外部に配置される部分の全部又はほとんどの部分が、手差しトレイ内に隠れる。よって、ワイヤ81がユーザーの目に止まりにくく、ワイヤ81が装置外部に露出することによって美観が損なわれるという不具合を軽減することができる。また、ワイヤ81に人や物が触れることで破損が生じるという不具合も軽減することができる。
【0064】
〔変形例3〕
次に、上述した実施形態における手差し給紙装置70の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
本変形例3の手差し給紙装置70は、ワイヤ81の緩みを解消するための引張りスプリングの配置が、上述した実施形態とは異なっている。本変形例3の基本構成は上述した実施形態と同様であるため、以下の説明では、上述した実施形態と重複する説明は適宜省略する。
【0065】
図18は、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71が閉じている状態におけるワイヤ81の様子を示す説明図である。
図19は、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71を途中まで開いた状態におけるワイヤ81の様子を示す説明図である。
【0066】
本変形例3において、ワイヤ81の一端は、手差しトレイ72の内部に配置されている一端保持部としてのワイヤ保持部82に対して直接保持されている。また、ワイヤ81の他端は、画像形成装置本体2の他端保持部としてのワイヤブラケット84のボス部84aに保持されている。本変形例3のワイヤブラケット84は、上述した変形例2のように、手差し給紙装置70のフィードローラ67B及びリバースローラ67Cよりも上方で、画像形成装置本体2の本体側板間に取り付けられるステー部材2Bに取り付けられている。
【0067】
本変形例3においては、上述した実施形態の引張りスプリング83が担っていたワイヤ81の緩み軽減部材としての機能は、ワイヤ81の中間部を下方向(ワイヤー81の軸線方向に対して横方向)に付勢する付勢部材としての引張りバネ88が果たしている。具体的には、引張りバネ88の一端は、手差しトレイ72の基端部72cの付近に配置されているプーリ85よりもワイヤ81の他端側(画像形成装置本体2側)におけるワイヤ部分に引っ掛けられている。また、引張りバネ88の他端は、開閉部材71の筐体に取り付けられている。
【0068】
本変形例3でも、開閉部材71が閉じた状態で手差しトレイ72が開くと(
図18参照)、手差しトレイ72は開いた状態に保たれる。このとき、本変形例3では、
図18に示すように、手差しトレイ72のワイヤ保持部82と画像形成装置本体2のワイヤブラケット84のボス部84aとの間で、ワイヤ81は緩んだ状態になる。すなわち、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71が閉じた状態であるとき、手差しトレイ72の回動がトレイストッパ76によって規制されることで、手差しトレイ72が開いた状態に保持されるため、手差しトレイ72が開いた状態に保持されるのにワイヤ81の張力は寄与しない。
【0069】
ただし、本変形例3では、ワイヤ81の中間部に引っ掛けられている引張りバネ88の付勢力(引張力)により、ワイヤ81の緩みが解消される。すなわち、ワイヤ81が緩んだ状態であるときでも、ワイヤ81は引張りバネ88の付勢力(引張力)に応じた張力がかかっている。
【0070】
また、本変形例3においても、上述した実施形態と同様、手差しトレイ72が開いた状態において、開閉部材71を直立姿勢の閉じた状態から傾斜姿勢の開いた状態に移行するとき、
図19に示すように、画像形成装置本体2のワイヤブラケット84との間のワイヤ81の張力により、開閉部材71の開きに伴う手差しトレイ72の回動が阻止される。これにより、手差しトレイ72のシート載置面72aは、ワイヤブラケット84との間のワイヤ81の張力によって、手差しトレイ72の先端部72b側を上方とする上方傾斜状態、水平状態、シートが滑り出さない限度で手差しトレイ72の先端部72b側を下方とする弱下方傾斜状態のいずれかの状態に保たれる。その結果、
図19に示すように、手差しトレイ72が開いた状態で開閉部材71を開いても、手差しトレイ72のシート載置面72aはおおよそ水平な状態に保たれ、手差しトレイ72からシートが滑り落ちてしまうという不具合が解消される。
【0071】
図20は、本変形例3において、手差しトレイ72が閉じた状態で開閉部材71が閉じている状態におけるワイヤ81の様子を示す説明図である。
本変形例3における手差しトレイ72も、手差しトレイ72が閉じた状態であるときは常に、ワイヤ81を緩んだ状態に保たれるように構成されている。これにより、手差しトレイ72が閉じた状態のまま開閉部材71を開閉するときに、ワイヤ81の張力が影響することがなくなる。また、本変形例3も、手差しトレイ72が閉じた状態であるときのワイヤ81の緩みは、引張りバネ88により解消される。
【0072】
上述した実施形態(上述した変形例を含む。以下同じ。)では、複写機1に本発明を適用した例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばプリンタにも適用できる。
【0073】
なお、本変形例3のワイヤ81も、手差しトレイ72が開いた状態において、少なくとも、ワイヤ保持部82に保持されている一端から画像形成装置本体2内あるいは開閉部材71内に至るまでのワイヤ部分が、手差しトレイ72の内部に収容されている。これにより、上述した実施形態と同様、ワイヤ81のうち、画像形成装置の外部に配置される部分の全部又はほとんどの部分が、手差しトレイ内に隠れる。よって、ワイヤ81がユーザーの目に止まりにくく、ワイヤ81が装置外部に露出することによって美観が損なわれるという不具合を軽減することができる。また、ワイヤ81に人や物が触れることで破損が生じるという不具合も軽減することができる。
【0074】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、手差しトレイ72に載置されたシートSを本体装置(例えば画像形成装置本体2)のシート搬送路Rに給送する手差し給送装置(例えば手差し給紙装置70)であって、上部が開閉するように前記本体装置に取り付けられる開閉部材71と、上部(例えば先端部72b)が開閉するように前記開閉部材に取り付けられる手差しトレイ72と、一端が前記手差しトレイの一端保持部(例えばワイヤ保持部82)に保持され、他端が前記本体装置の他端保持部(例えばワイヤブラケット84)に保持された線状部材(例えばワイヤ81)と、を有し、前記線状部材は、前記一端から前記本体装置内に至るまでの部分が、前記手差しトレイの内部に収容されていることを特徴とするものである。
従来の手差し給送装置において、一端が手差しトレイの一端保持部に保持され、他端が本体装置の他端保持部に保持された線状部材は、手差しトレイを開いた状態にしたときに、その一部分が装置外部に配置された状態になる。より詳しくは、手差しトレイに保持されている線状部材の一端から本体装置内に至るまでの部分が、装置外部に配置された状態になる。そのため、線状部材に人や物が触れることで破損が生じるといった不具合などが発生する。
本態様において、線状部材は、手差しトレイに保持されている一端から本体装置内に至るまでの部分が、手差しトレイの内部に収容されている。そのため、線状部材のうち、装置外部に配置される部分の全部又はほとんどの部分を、手差しトレイ内に隠すことができる。その結果、線状部材に人や物が触れることで破損が生じる不具合も軽減することができる。
【0075】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記手差しトレイが開いた状態で前記開閉部材が閉じた状態から開いた状態へ移行するとき、前記手差しトレイのシート載置面72aは、前記他端保持部との間の前記線状部材の張力によって、該手差しトレイの上部側を上方とする上方傾斜状態、水平状態、前記シートが滑り出さない限度で該手差しトレイの上部側を下方とする弱下方傾斜状態のいずれかの状態に保たれることを特徴とするものである。
これによれば、手差しトレイが開いた状態で開閉部材が閉じた状態から開いた状態へ移行するときに、手差しトレイのシート載置面72aをシートが滑り出さない状態に保つための線状部材について、破損が生じる不具合などを軽減することができる。
【0076】
[第3態様]
第3態様は、第2態様において、前記手差しトレイが開いた状態で前記開閉部材が閉じた状態であるときには、前記線状部材に設けられる被当接部(例えば球体ストッパ86)が前記手差しトレイに設けられるストッパ部87に当接せず、前記線状部材が緩んだ状態になり、前記手差しトレイが開いた状態で前記開閉部材が開いた状態であるときには、前記被当接部が前記ストッパ部に当接することで、前記他端保持部との間の前記線状部材が張った状態になり、前記いずれかの状態が保たれることを特徴とするものである。
これによれば、手差しトレイが開いた状態で開閉部材が閉じた状態から開いた状態へ移行するときに、手差しトレイのシート載置面72aをシートが滑り出さない状態に保つための構成を、簡易に実現することができる。
【0077】
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、前記線状部材の緩みを軽減する緩み軽減部材(例えば引張りスプリング83や引張りバネ88)を有することを特徴とするものである。
これによれば、線状部材に生じる緩みを緩み軽減部材によって軽減できることで、緩んだ線状部材による不具合、例えば、緩んだ線状部材が正規の配置から外れたり、緩んだ線状部材が周囲の部材に接触したりするといった不具合、を抑制することができる。
【0078】
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、前記緩み軽減部材は、前記線状部材に付勢力を加える付勢部材(例えば引張りスプリング83や引張りバネ88)であることを特徴とするものである。
これによれば、緩み軽減部材を簡易な構成で実現することができる。
【0079】
[第6態様]
第6態様は、第5態様において、前記付勢部材は、前記線状部材の前記一端と前記手差しトレイの前記一端保持部との間に配置される引張り部材(例えば引張りスプリング83)であることを特徴とするものである。
これによれば、緩み軽減部材を線状部材の軸線上に配置することが可能となり、緩み軽減部材の設置スペースを抑制することができる。
【0080】
[第7態様]
第7態様は、第4又は第5態様において、前記緩み軽減部材(例えば引張りバネ88)は、前記開閉部材に取り付けられていることを特徴とするものである。
これによれば、緩み軽減部材の配置の自由度が高いというメリットが得られる。
【0081】
[第8態様]
第8態様は、第1乃至第7態様のいずれかにおいて、前記線状部材は、前記一端から前記手差しトレイの下端(基端部72cの端面)までの部分が、前記手差しトレイの内部に収容されていることを特徴とするものである。
手差しトレイの下端は、一般に、本体装置の内部まで入り込んだ位置に配置されることから、手差しトレイから出て本体装置の内部に入り込むまでの線状部材の部分についても、装置外部から見えにくい状態となり、あるいは、触れにくい状態となる。よって、線状部材に人や物が触れることで破損が生じるという不具合は、更に軽減される。
【0082】
[第9態様]
第9態様は、第1乃至第8態様のいずれかにおいて、前記線状部材は少なくとも1つのプーリ85に掛け渡されていることを特徴とするものである。
これによれば、線状部材の配置の自由度(這い回しの自由度)が向上する。
【0083】
[第10態様]
第10態様は、第1乃至第9態様のいずれかにおいて、前記他端保持部は、前記本体装置の構造体(例えばステー部材2A,2Bや本体側板2C)に取り付けられたブラケット(例えばワイヤブラケット84)であることを特徴とするものである。
これによれば、線状部材の他端の配置の自由度が向上する。
【0084】
[第11態様]
第11態様は、画像形成装置であって、第1乃至第10態様のいずれかの手差し給送装置を備えることを特徴とするものである。
これによれば、手差し給送装置に設けられる線状部材によって人や物が線状部材に触れることで破損が生じたりするなどの不具合が軽減された画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 :複写機
2 :画像形成装置本体
2A,2B:ステー部材
2C :本体側板
3 :画像読取装置
4 :給紙装置
5 :原稿自動搬送装置
10 :感光体
11 :帯電装置
12 :現像装置
13 :転写装置
14 :クリーニング装置
17 :転写ベルト
21 :レジストローラ
22 :定着装置
47 :レーザ書込装置
61 :用紙分離装置
62,67A:ピックアップローラ
63,67B:フィードローラ
64,67C:リバースローラ
70 :手差し給紙装置
71 :開閉部材
71A :支持軸
72 :手差しトレイ
72a :シート載置面
72b :先端部
72c :基端部
73 :第一リンク部材
73A,73B:回動支点
74 :第二リンク部材
74A,74B:回動支点
76 :トレイストッパ
81 :ワイヤ
82 :ワイヤ保持部
83 :引張りスプリング
84 :ワイヤブラケット
84a :ボス部
85 :プーリ
86 :球体ストッパ
87 :ストッパ部
88 :引張りバネ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】