(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129840
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】包装袋供給装置及び包装袋供給方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/18 20060101AFI20240920BHJP
B65B 57/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B65B43/18
B65B57/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039187
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】301049777
【氏名又は名称】日清製粉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】野見山 友也
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BA02
3E030BA06
3E030BB02
3E030BB05
3E030DA02
3E030DA06
3E030FA01
3E030GA05
(57)【要約】
【課題】 包装袋を包装機に迅速に供給することができる包装袋供給装置を提供する。
【解決手段】 包装袋を包装機に供給する包装袋供給装置であって、前記包装袋を積層した包装袋積層体を載置する載置部と、前記包装袋積層体から最上層の前記包装袋を切り離す切離し部と、前記切離し部により切り離した前記包装袋を前記包装機に向かう方向に送出する送出部と、前記切離し部及び前記送出部と前記最上層の包装袋との距離を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記距離を調整する調整部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋を包装機に供給する包装袋供給装置であって、
前記包装袋を積層した包装袋積層体を載置する載置部と、
前記包装袋積層体から最上層の前記包装袋を切り離す切離し部と、
前記切離し部により切り離した前記包装袋を前記包装機に向かう方向に送出する送出部と、
前記切離し部及び前記送出部と前記最上層の包装袋との距離を測定する測定部と、
前記測定部による測定結果に基づいて前記距離を調整する調整部と、
を備えることを特徴とする包装袋供給装置。
【請求項2】
前記載置部、並びに前記切離し部及び前記送出部の少なくとも一方を昇降する昇降部を備え、
前記調整部は、前記測定部により測定された前記距離が予め定められた所定距離と異なる場合、前記距離が前記所定距離となるように前記昇降部により前記載置部、並びに前記切離し部及び前記送出部の少なくとも一方を昇降させることを特徴とする請求項1記載の包装袋供給装置。
【請求項3】
前記最上層の包装袋の前記包装機に向かう方向に対する向きを検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に基づいて前記載置部を回転する回転部と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の包装袋供給装置。
【請求項4】
前記包装袋積層体は板状部材に載せられており、
前記送出部により前記包装袋積層体に含まれるすべての前記包装袋を前記包装機に向けて送出したかを検出する検出部と、
前記検出部によりすべての前記包装袋を送出したと検出された場合、前記包装機に向かう方向以外の方向に前記板状部材を排出する排出部と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の包装袋供給装置。
【請求項5】
前記検知部は、前記包装袋の外面にある所定のマークを読み取ることにより前記包装袋の向きを検知することを特徴とする請求項3記載の包装袋供給装置。
【請求項6】
前記検出部は、撮像装置及び画像解析装置を備え、
前記撮像装置は、前記載置部を撮像し、
前記画像解析装置は、前記撮像装置による撮像結果から前記載置部に前記包装袋積層体が載置されているか否かを解析することを特徴とする請求項4記載の包装袋供給装置。
【請求項7】
前記包装袋は、チャック付き包装袋であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項5または請求項6記載の包装袋供給装置。
【請求項8】
包装袋供給装置を用いて前記包装袋を前記包装機に供給する包装袋供給方法であって、
前記包装袋供給装置の切離し部を用いて、載置部に載置され、前記包装袋を積層する包装袋積層体から最上層の前記包装袋を切り離す切離し工程と、
前記包装袋供給装置の送出部を用いて、前記切離し工程において切り離した前記包装袋を前記包装機に向かう方向に送出する送出工程と、
前記切離し部及び前記送出部と前記最上層の包装袋との距離を測定する測定工程と、
前記測定工程における測定結果に基づいて前記距離を調整する調整工程と、
を含むことを特徴とする包装袋供給方法。
【請求項9】
前記調整工程は、前記測定工程において測定された前記距離が予め定められた所定距離と異なる場合、前記距離が前記所定距離となるように、前記載置部、並びに前記切離し部及び前記送出部の少なくとも一方を昇降することを特徴とする請求項8記載の包装袋供給方法。
【請求項10】
前記最上層の包装袋の前記包装機に向かう方向に対する向きを検知する検知工程と、
前記検知工程における検知結果に基づいて前記載置部を回転する回転工程と、
を含むことを特徴とする請求項8または請求項9記載の包装袋供給方法。
【請求項11】
前記送出工程において前記包装袋積層体に含まれるすべての前記包装袋を前記包装機に向けて送出したかを検出する検出工程と、
前記検出工程においてすべての前記包装袋を送出したと検出された場合、前記包装機に向かう方向以外の方向に、前記包装袋積層体が載せられている板状部材を排出する排出工程と、
を含むことを特徴とする請求項8または請求項9記載の包装袋供給方法。
【請求項12】
前記検知工程は、前記包装袋の外面にある所定のマークを読み取ることにより前記包装袋の向きを検知することを特徴とする請求項10記載の包装袋供給方法。
【請求項13】
前記検出工程は、
前記載置部を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程における撮像結果から前記載置部に前記包装袋積層体が載置されているか否かを解析する解析工程と、
を含むことを特徴とする請求項11記載の包装袋供給方法。
【請求項14】
前記包装袋は、チャック付き包装袋であることを特徴とする請求項8、請求項9、請求項12または請求項13記載の包装袋供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等を包装する包装袋を包装機に供給するための包装袋供給装置及び該包装袋供給装置を用いた包装袋供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品等を包装するチャック付き包装袋が普及している。箱などに積層された状態で収容されて運搬されてきたチャック付き包装袋は、作業員により箱から取り出され、包装機に供給するための供給部に1枚ずつ並べられる。
【0003】
また、特許文献1には、食品等を包装する包装袋を積層した包装袋積層体から包装袋を吸盤で吸着し、クランプで挟持するなどして、包装袋を1枚ずつ包装機に供給する包装袋供給装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、チャック付き包装袋は、上述したように、箱に収容された状態で、製造した場所から食品等を包装する場所まで運搬される。このとき、箱にできるだけ多くのチャック付き包装袋を収容するために、まずチャック付き包装袋を数十から数百単位で積層した包装袋積層体を形成する。チャック付き包装袋のチャックの部分は嵩張るため、
図2に示すように、包装袋積層体Sは、チャック付き包装袋PのチャックCを重ねて所定枚数積層した包装袋群G1~G4を、チャックCが重ならないように、チャックCの向きを反対方向に重ね合わせて形成される。そして、包装袋積層体は、仕切り板(板状部材)Bを介して他の包装袋積層体と共に箱などに収容される。
【0006】
この包装袋積層体として運搬されてきた包装袋を包装機に迅速に供給する必要があるが、人の手により給袋する速度には限界があり、自動化が望まれている。また、特許文献1記載の包装袋供給装置においては、上述したような包装袋積層体から包装袋を1枚ずつ切り離す給袋に対応していない。
【0007】
本発明の目的は、包装袋を包装機に迅速に供給することができる包装袋供給装置及び該包装袋供給装置を用いた包装袋供給方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の包装袋供給装置は、包装袋を包装機に供給する包装袋供給装置であって、前記包装袋を積層した包装袋積層体を載置する載置部と、前記包装袋積層体から最上層の前記包装袋を切り離す切離し部と、前記切離し部により切り離した前記包装袋を前記包装機に向かう方向に送出する送出部と、前記切離し部及び前記送出部と前記最上層の包装袋との距離を測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて前記距離を調整する調整部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の包装袋供給装置は、前記載置部、並びに前記切離し部及び前記送出部の少なくとも一方を昇降する昇降部を備え、前記調整部は、前記測定部により測定された前記距離が予め定められた所定距離と異なる場合、前記距離が前記所定距離となるように前記昇降部により前記載置部、並びに前記切離し部及び前記送出部の少なくとも一方を昇降させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の包装袋供給装置は、前記最上層の包装袋の前記包装機に向かう方向に対する向きを検知する検知部と、前記検知部による検知結果に基づいて前記載置部を回転する回転部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の包装袋供給装置は、前記包装袋積層体は板状部材に載せられており、前記送出部により前記包装袋積層体に含まれるすべての前記包装袋を前記包装機に向けて送出したかを検出する検出部と、前記検出部によりすべての前記包装袋を送出したと検出された場合、前記包装機に向かう方向以外の方向に前記板状部材を排出する排出部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の包装袋供給装置は、前記検知部が前記包装袋の外面にある所定のマークを読み取ることにより前記包装袋の向きを検知することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の包装袋供給装置は、前記検出部が撮像装置及び画像解析装置を備え、前記撮像装置は、前記載置部を撮像し、前記画像解析装置は、前記撮像装置による撮像結果から前記載置部に前記包装袋積層体が載置されているか否かを解析することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の包装袋供給装置は、前記包装袋がチャック付き包装袋であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の包装袋供給方法は、包装袋供給装置を用いて前記包装袋を前記包装機に供給する包装袋供給方法であって、前記包装袋供給装置の切離し部を用いて、載置部に載置され、前記包装袋を積層する包装袋積層体から最上層の前記包装袋を切り離す切離し工程と、前記包装袋供給装置の送出部を用いて、前記切離し工程において切り離した前記包装袋を前記包装機に向かう方向に送出する送出工程と、前記切離し部及び前記送出部と前記最上層の包装袋との距離を測定する測定工程と、前記測定工程における測定結果に基づいて前記距離を調整する調整工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の包装袋供給方法は、前記調整工程が前記測定工程において測定された前記距離が予め定められた所定距離と異なる場合、前記距離が前記所定距離となるように、前記載置部、並びに前記切離し部及び前記送出部の少なくとも一方を昇降することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の包装袋供給方法は、前記最上層の包装袋の前記包装機に向かう方向に対する向きを検知する検知工程と、前記検知工程における検知結果に基づいて前記載置部を回転する回転工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の包装袋供給方法は、前記送出工程において前記包装袋積層体に含まれるすべての前記包装袋を前記包装機に向けて送出したかを検出する検出工程と、前記検出工程においてすべての前記包装袋を送出したと検出された場合、前記包装機に向かう方向以外の方向に、前記包装袋積層体が載せられている板状部材を排出する排出工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の包装袋供給方法は、前記検知工程が前記包装袋の外面にある所定のマークを読み取ることにより前記包装袋の向きを検知することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の包装袋供給方法は、前記検出工程が前記載置部を撮像する撮像工程と、前記撮像工程における撮像結果から前記載置部に前記包装袋積層体が載置されているか否かを解析する解析工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の包装袋供給方法は、前記包装袋がチャック付き包装袋であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、包装袋を包装機に迅速に供給することができる包装袋供給装置及び該包装袋供給装置を用いた包装袋供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施の形態に係る包装袋供給装置の概略構成を示す図であって、(A)はその正面図、(B)はその平面図である。
【
図2】実施の形態に係る包装袋積層体の概略構成を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る検知部の機能について説明するための図である。
【
図4】実施の形態に係る検知部の機能について説明するための図である。
【
図5】実施の形態に係る包装袋供給装置のシステム構成を示すブロック図である。
【
図6】実施の形態に係る調整部の機能について説明するための図である。
【
図7】実施の形態に係る包装袋供給装置を用いてチャック式包装袋を包装機に供給する包装袋供給方法について説明するためのフローチャートである。
【
図8】実施の形態に係る切離し部及び送出部の機能について説明するための図である。
【
図9】実施の形態に係る載置部に載置されている包装袋積層体の向きを反転させる際に実行する処理について説明するためのフローチャートである。
【
図10】実施の形態に係る載置部に載置されている仕切り板を排出する際に実行する処理について説明するためのフローチャートである。
【
図11】実施の形態に係る載置部に載置されている仕切り板を排出する機能について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る包装袋供給装置について説明する。この実施の形態に係る包装袋供給装置は、食品等の被包装物を包装するチャック付き包装袋を、該被包装物を包装するための包装機に1枚ずつ供給する装置である。
図1は、この実施の形態に係る包装袋供給装置の概略構成を示す図であって、
図1(A)は正面図、
図1(B)は平面図である。包装袋供給装置2は、
図1に示すように、載置部4、回転部6、切離し部8、送出部10、ローラー回転部12、測定部14、昇降部16、検知部18、及び検出部20を備えている。なお、
図1(B)においては、測定部14、昇降部16、検知部18、及び検出部20の図示を省略している。
【0025】
なお、この実施の形態に係る包装袋供給装置2が供給するチャック付き包装袋Pは、被包装物を包装するための包装袋であって、被包装物を出し入れする開口部にチャックCが形成されており、チャックCを開閉することにより開口部の開閉を行うように構成されている。
図2は、包装袋積層体Sの構成を説明するための図である。
図2に示すように、包装袋積層体Sは、板状部材である仕切り板Bに載せられており、チャックCを
図1に示す方向(以下、送出方向という)Dに向けて所定枚数(この実施の形態では25枚)のチャック付き包装袋Pを積層させた包装袋群G1、チャックCを送出方向Dと反対方向に向けて所定枚数(この実施の形態では25枚)のチャック付き包装袋Pを積層させた包装袋群G2、チャックCを送出方向Dに向けて所定枚数(この実施の形態では25枚)のチャック付き包装袋Pを積層させた包装袋群G3、及びチャックCを送出方向Dと反対方向に向けて所定枚数(この実施の形態では25枚)のチャック付き包装袋Pを積層させた包装袋群G4からなり、下から包装袋群G4、G3、G2及びG1の順に積み重ねられている。このように、包装袋積層体Sは、チャックCを送出方向Dに向けた包装袋群G1,G3及びチャックCを送出方向Dと反対方向に向けた包装袋群G2,G4を交互に積み重ねることによりチャックCの嵩張りを均した状態で、仕切り板Bを介して他の包装袋積層体とともに箱に収容され、包装袋供給装置2まで運搬される。
【0026】
載置部4は、仕切り板Bを介して、複数(この実施の形態では100枚)のチャック付き包装袋Pを積層した包装袋積層体Sを載置面4a上に載置する。載置部4は、回転軸4bを備え、載置面4aに直交する方向(
図1(A)の紙面上下方向)を軸として回転可能な回転テーブルである。回転部6は、モーターを備え、駆動することにより回転軸4bを回転させ、ひいては載置部4を回転させる。チャック付き包装袋Pを包装袋供給装置2から送出する際、送出する方向に対してチャックCを同一方向(この実施の形態では送出方向D)に向ける必要がある。したがって、回転部6は、後述する検知部18の検知結果(包装袋群G1から包装袋群G2に、包装袋群G2から包装袋群G3に、または包装袋群G3から包装袋群G4に切り替わることを検知)に基づく制御部22からの制御に従い、載置部4を反転(180度回転)させる。載置部4を反転させることにより、すべてのチャック付き包装袋PはチャックCを同一方向に向けて包装袋供給装置2から送出される。
【0027】
切離し部8は、吸引機を備え、包装袋積層体Sから最上層のチャック付き包装袋Pを切り離す。切離し部8は、ローラー9aと9bとの間であって、チャック付き包装袋Pに対して送出方向D側に配置されており、載置部4の載置面4aに対向する面に吸引部8aを有する。吸引部8aによる吸引エリア及び吸引力は、1枚のチャック付き包装袋Pを吸い上げ且つ2枚のチャック付き包装袋Pを同時に吸い上げない程度に設定されている。また、吸引部8aがチャック付き包装袋Pを吸引する位置は、チャック付き包装袋Pの他の部分より重いチャックCを吸引するように設定されている。切離し部8は、ローラー9a,9bに架け渡されているベルト11aと11bとの間のベルト幅方向における隙間から鉛直上方向に包装袋積層体Sの上面を吸引することにより最上層のチャック付き包装袋Pを包装袋積層体Sから引き離す。
【0028】
送出部10は、切離し部8により切り離した最上層のチャック付き包装袋Pを送出方向(図示しない包装機に向かう方向)Dに送出する。送出部10は、チャック付き包装袋Pに対して送出方向D側に配置されており、2個のローラー9a,9b及び2本のベルト11a,11bを備えている。2個のローラー9a,9bのそれぞれは、
図1(A)の紙面に直交する方向を軸として正逆回転可能であって、回転軸13a,13bを備えている。2本のベルト11a,11bは、無端状であって、2個のローラー9a,9bの間でベルト幅方向(
図1(A)の紙面に直交する方向)において所定の隙間を設け、並行に架け渡されている。
【0029】
ローラー回転部12は、モーターを備え、駆動することにより回転軸13aを回転させ、ローラー9aを回転させる。ローラー9aが正回転(
図1(A)の紙面に対して反時計回り)または逆回転(
図1(A)の紙面に対して時計回り)することにより、ベルト11a,11bは、ローラー9aの回転に従動して周回移動する。ローラー9aが正回転または逆回転し、ベルト11a,11bが周回移動することにより、ローラー9bも回転軸13bを軸として正回転または逆回転する。
【0030】
2本のベルト11a,11bは、切離し部8により切り離された最上層のチャック付き包装袋Pを外側の面、具体的にはチャックCの部分を含む面に接触させる。ベルト11a,11bは、ローラー9a,9bの正回転に従動して周回移動することにより送出方向Dにチャック付き包装袋Pを押し出し、包装袋供給装置2から図示しない包装機に搬送するためのコンベア28に引き渡す。また、仕切り板B上にあるすべてのチャック付き包装袋Pをコンベア28に引き渡した後(後述する検出部20により載置部4に包装袋積層体Sが載置されていないと検出された後)、切離し部8は、載置面4a上に残存する仕切り板Bを吸引し、2本のベルト11a,11bは、切離し部8により吸引される仕切り板Bを外側の面に接触させ、ローラー9a,9bの逆回転に従動して周回移動することにより送出方向D以外の方向(この実施の形態では送出方向Dと反対方向)に排出する。即ち、切離し部8及び送出部10は、仕切り板Bを載置部4から排出する排出部としても機能する。
【0031】
測定部14は、距離センサー等を備えて構成されており、切離し部8及び送出部10の近傍に設置され、切離し部8及び送出部10と最上層のチャック付き包装袋Pとの間の距離を測定する。昇降部16は、昇降シリンダー等を備えて構成されており、昇降シリンダーを伸縮させることにより切離し部8、送出部10及び測定部14を昇降する。
【0032】
検知部18は、最上層のチャック付き包装袋Pの送出方向Dに対する向きを検知する。検知部18は、例えばバーコードリーダー等を備えて構成されており、チャック付き包装袋Pの外面に印字されているバーコードMを読み取ることによりチャック付き包装袋Pの向きを検知する。即ち、検知部18は、
図3の破線で示す読み取り領域R内にバーコードMが位置し、バーコードMを読み取れた場合(
図3(A)参照)、最上層のチャック付き包装袋PのチャックCが送出方向Dを向いていると認識する。一方、検知部18は、読み取り領域R内にバーコードMが位置せず、バーコードMを読み取れない場合(
図3(B)参照)、最上層のチャック付き包装袋PのチャックCが送出方向Dと反対方向を向いていると認識する。
【0033】
検出部20は、送出部12により包装袋積層体Sに含まれるすべてのチャック付き包装袋Pを包装機に向けて送出したかを検出する。検出部20は、カラーセンサー等の撮像装置及び画像解析を行う画像解析装置からなり、画像解析装置は、撮像装置による撮像結果から載置部4に包装袋積層体Sが載置されているか否かを解析する。即ち、撮像装置は、例えば
図4に示す撮像領域Aを撮像し、画像解析装置は、撮像装置により撮像された画像から色を認識する。画像解析装置は、色認識結果による色が包装袋積層体S(チャック付き包装袋P)の色であった場合(
図4(A)参照)、載置部4に包装袋積層体Sが載置されていると判別する。一方、画像解析装置は、色認識結果による色が包装袋積層体Sの色でなく仕切り板Bの色であった場合(
図4(B)参照)、載置部4に包装袋積層体Sが載置されていないと判別する。
【0034】
図5は、この実施の形態に係る包装袋供給装置2のシステム構成を示すブロック図である。包装袋供給装置2は、
図5に示すように、包装袋供給装置2の各部を統括的に制御する制御部22を備えている。制御部22には、回転部6、切離し部8、ローラー回転部12、測定部14、昇降部16、検知部18、及び検出部20が接続されている。
【0035】
制御部22は、測定部14による測定結果に基づいて、切離し部8及び送出部10と最上層のチャック付き包装袋Pとの距離を調整する調整部として機能する。包装袋積層体Sの厚さは、切離し部8及び送出部10によりチャック付き包装袋Pが1枚ずつ切り離され送り出されるため、徐々に変化する。つまり包装袋積層体Sの厚さが徐々に薄くなるため、切離し部8及び送出部10による切離し及び送出を確実に行う目的で、包装袋積層体Sの厚さの変化(最上層のチャック付き包装袋Pの上下方向における位置の変化)に切離し部8及び送出部10を追従させて、切離し部8及び送出部10と最上層のチャック付き包装袋Pとの距離を維持する必要がある。したがって、制御部22は、
図6(A)に示すように測定部14により測定された距離Lが所定距離と異なる場合、切離し部8及び送出部10と最上層のチャック付き包装袋Pとの距離Lが所定距離となるように昇降部16を駆動させ、切離し部8、送出部10及び測定部14を下降させる(
図6(B)参照)。なお、所定距離は、切離し部8及び送出部10により1枚のチャック付き包装袋Pを切離し及び送出することができる距離(2枚以上のチャック付き包装袋Pを同時に切離し及び送出しない距離)として予め定められている。
【0036】
次に、この実施の形態に係る包装袋供給装置2を用いて、チャック付き包装袋Pを図示しない包装機に1枚ずつ供給する包装袋供給方法について説明する。
図7は、チャック付き包装袋Pを包装機に1枚ずつ供給するために実行する処理について説明するためのフローチャートである。
【0037】
まず、制御部22は、測定部14、検知部18及び検出部20をそれぞれ作動させる(ステップS10)。次に、制御部22は、昇降部16に対して制御信号を出力し、上方で待機している切離し部8、送出部10及び測定部14を、切離し部8及び送出部10と最上層のチャック付き包装袋Pとの間の距離L(
図6参照)が所定距離となる位置(
図8に示す位置)まで下降させる(ステップS11)。次に、制御部22は、切離し部8に対して制御信号を出力し、切離し部8を用いて、載置部4に仕切り板Bを介して載置されている包装袋積層体Sから最上層のチャック付き包装袋Pを吸引することにより切り離す(ステップS12)。ステップS12の処理と同時に、制御部22は、送出部10を用いて、ステップS12において切り離した最上層のチャック付き包装袋Pを送出方向Dに送出する(ステップS13)。具体的には、制御部22は、ローラー回転部12に対して制御信号を出力し、送出部10の回転軸13aを介してローラー9aを正回転させる。ローラー9aが正回転することにより、ベルト11a,11bがローラー9aの正回転に従動して周回移動し、ローラー9bも回転軸13bを軸として正回転する。切離し部8により切り離された最上層のチャック付き包装袋Pは、
図8に示すように、ベルト11a,11bの面に接触し、送出方向Dにチャック付き包装袋Pを押し出される。
【0038】
次に、制御部22は、測定部14から出力される測定結果を取得し(ステップS14)、ステップS14において取得した測定結果に基づいて切離し部8及び送出部10と最上層のチャック付き包装袋Pとの距離L(
図6参照)が所定距離と異なるか否かを判別する(ステップS15)。ステップS15において距離Lが所定距離であると判別された場合(ステップS15:Yes)、制御部22は、ステップS14の処理に戻る。制御部14がステップS14及びS15の処理を繰り返している間、切離し部8及び送出部10による最上層のチャック付き包装袋Pの吸引及び送出は継続されており、包装袋積層体Sの最上群である包装袋群G1(
図2参照)のチャック付き包装袋Pは1枚ずつ吸引及び送出されることによりコンベア28に引き渡され、包装機へと搬送される。チャック付き包装袋Pが次々とコンベア28に引き渡されることにより、包装袋積層体Sの厚さは徐々に薄くなり減り、距離Lは所定距離超過となる。
【0039】
ステップS15において距離Lが所定距離と異なる、即ち所定距離超過であると判別された場合(ステップS15:No)、制御部22は、切離し部8及び送出部10と最上層のチャック付き包装袋Pとの距離Lを調整する(ステップS16)。具体的には、制御部22は、昇降部16に対して制御信号を出力し、距離Lが所定距離となる位置まで切離し部8、送出部10及び測定部14を下降させることにより、距離Lを一定に保つ。制御部22は、ステップS16の処理を終えると、ステップS14の処理に戻る。
【0040】
次に、
図9に示すフローチャートを参照して、包装袋群G1から包装袋群G2に、包装袋群G2から包装袋群G3に、及び包装袋群G3から包装袋群G4に切り替わる際に実行する処理について説明する。
【0041】
図7に示すステップS10の処理を実行した後、
図7に示すステップS11~S16の処理を実行する間、制御部22は、検知部18から出力される検知結果を取得する(ステップS20)。そして、制御部22は、ステップS20において取得した検知結果に基づいて載置部4を反転するか否かを判別する(ステップS21)。具体的には、制御部22は、検知部18においてチャック付き包装袋Pの外面にあるバーコードMを読み取ることによりチャック付き包装袋Pの向きが送出方向Dを向いているという検知結果を取得した場合(
図3(A)参照)、包装袋積層体Sの包装袋群G1の切離し及び送出が継続中であり、載置部4を反転する必要がないと判別し(ステップS21:No)、ステップS20の処理に戻る。一方、制御部22は、検知部18においてバーコードMを読み取れなかったことによりチャック付き包装袋Pの向きが送出方向Dを向いていないという検知結果を取得した場合(
図3(B)参照)、包装袋積層体Sの包装袋群G1の切離し及び送出が終了し、載置部4を反転する必要があると判別し(ステップS21:Yes)、ステップS22の処理に進む。
【0042】
即ち、制御部22は、測定部14による測定、検知部18による検知、検出部20による検出、切離し部8による切離し、及び送出部10による送出を停止する(ステップS23)。そして、制御部22は、昇降部16に対して制御信号を出力し、切離し部8、送出部10及び測定部14を待機位置まで上昇させる(ステップS23)。
【0043】
次に、制御部22は、回転部6に対して制御信号を出力し、回転軸4bを回転させることにより載置部4を反転させる(ステップS24)。載置部4が反転することにより、載置部4に載置されている包装袋積層体Sも反転し、最上層の包装袋群G2に含まれるチャック付き包装袋PのチャックCの向きは送出方向Dになる。
【0044】
制御部22は、ステップS24の処理を終えると、ステップS20の処理に戻り、更に
図7に示すステップS10の処理を実行する。
【0045】
次に、
図10に示すフローチャートを参照して、載置部4に載置されるすべてのチャック付き包装袋Pを送出した後に実行する処理について説明する。
【0046】
図7に示すステップS10の処理を実行した後、
図7に示すステップS11~S16の処理を実行する間、制御部22は、検出部20から出力される検出結果を取得する(ステップS30)。そして、制御部22は、ステップS30において取得した検出結果に基づいて仕切り板Bを排出するか否かを判別する(ステップS31)。具体的には、制御部22は、検出部20において載置部4の載置面4b上の色がチャック付き包装袋Pの色であることが認識されることによりすべてのチャック付き包装袋Pが送出されていないという検出結果を取得した場合(
図4(A)参照)、仕切り板Bを排出する必要がないと判別し(ステップS31:No)、ステップS30の処理に戻る。一方、制御部22は、検出部20において載置部4の載置面4b上の色が仕切り板Bの色であることが認識されることによりすべてのチャック付き包装袋Pが送出されたという検出結果を取得した場合(
図4(B)参照)、仕切り板Bを排出する必要があると判別し(ステップS31:Yes)、ステップS32の処理に進む。
【0047】
即ち、制御部22は、測定部14による測定、検知部18による検知、及び検出部20による検出を停止する(ステップS32)。そして、制御部22は、ローラー回転部12に対して制御信号を出力し、正回転している送出部10の回転軸13aを逆回転に切り替え、回転軸13aを介してローラー9aを逆回転させ、仕切り板Bを排出する(ステップS33)。ローラー9aが逆回転することにより、ベルト11a,11bがローラー9aの逆回転に従動して周回移動し、ローラー9bも回転軸13bを軸として逆回転する。切離し部8により切り離された仕切り板Bは、
図11に示すように、ベルト11a,11bの面に接触し、送出方向D以外の方向(送出方向Dと反対方向)に仕切り板Bを排出される。
【0048】
この実施の形態に係る包装袋供給装置及び包装袋供給方法によれば、切離し部8、送出部10及び測定部14を備え、切離し部8及び送出部10と最上層のチャック付き包装袋Pとの距離Lを所定距離に維持することができるため、チャック付き包装袋Pを包装機に1枚ずつ迅速に供給することができる。また、検知部18を備えているため、チャックCの向きが異なる包装袋群G1~G4を積層させた包装袋積層体Sであっても、チャックCを同一方向に向けた状態ですべてのチャック付き包装袋Pを包装袋供給装置2から送出することができる。また、検出部20を備えているため、仕切り板Bを有する包装袋積層体Sであっても、すべてのチャック付き包装袋Pを包装袋供給装置2から送出し終えた後、仕切り板Bを排出することができる。
【0049】
なお、この実施の形態においては、切離し部8及び送出部10を下降させることにより切離し部8及び送出部10と最上層のチャック付き包装袋Pとの間の距離を所定距離に維持しているが、載置部4を上昇させることにより該距離を所定距離に維持してもよい。また、切離し部8及び送出部10を下降、且つ載置部4を上昇させることにより該距離を所定距離に維持してもよい。これらの場合には、載置部4を昇降させる昇降シリンダー等を取り付ける。
【0050】
また、この実施の形態に係る検知部18においては、バーコードMを読み取ることによりチャック付き包装袋Pの向きを検知しているが、検知部18に代えてカメラ等を備え、チャック付き包装袋Pの外面にあるバーコードM以外の所定のマークまたは色を読み取ることによりチャック付き包装袋Pの向きを検知してもよい。この場合には、所定のマークの有無または色の違いによりチャック付き包装袋PのチャックCが送出方向Dを向いているか否かを判別する。
【0051】
また、この実施の形態においては、検知部18及び検出部20を備えているが、例えば検出部20のみを備え、検出部20においてチャック付き包装袋Pの向きも検知するようにしてもよい。即ち、検出部20においてバーコードM、所定のマークまたは色を読み取り、すべてのチャック付き包装袋Pが送出されたか否かの検出に加え、チャック付き包装袋Pの向きも検知させる。
【0052】
また、この実施の形態に係る検知部18に代えて、カウンターを備え、送出されるチャック付き包装袋Pの枚数を数えることによりチャック付き包装袋Pの向きを検知してもよい。即ち、載置部4に載置される包装袋積層体Sに含まれる包装袋群G1~G4それぞれの枚数(この実施の形態では25枚)を図示しない記憶部等に記憶させ、カウンターのカウント枚数に基づいてチャック付き包装袋Pの向きを検知し、検知結果に基づいて載置部4を反転させる。同様に、検出部20に代えて、カウンターを備え、すべてのチャック付き包装袋Pが送出されたか否かを検出してもよい。即ち、載置部4に載置される包装袋積層体Sの枚数(この実施の形態では100枚)を図示しない記憶部等に記憶させ、カウンターのカウント枚数に基づいてすべてのチャック付き包装袋Pが送出されたか否かを検出し、判別結果に基づいて仕切り板Bを排出する。
【0053】
また、この実施の形態においては、切離し部8及び送出部10が仕切り板Bを排出する排出部も兼ねているが、載置部4に開閉可能な排出口を設け該排出口から仕切り板Bを下方に排出する手段または仕切り板Bを押し出す手段等の排出部を別途備えてもよい。また、これらの排出部、または切離し部8及び送出部10を回転する手段等を備えることにより、送出方向Dと反対方向以外の方向に仕切り板Bを排出してもよい。
【符号の説明】
【0054】
2…包装袋供給装置、4…載置部、4a…載置面、4b…回転軸、6…回転部、8…切離し部、8a…吸引部、9a,9b…ローラー、10…送出部、11a,11b…ベルト、12…ローラー回転部、13a,13b…回転軸、14…測定部、16…昇降部、18…検知部、20…検出部、22…制御部、28…コンベア、S…包装袋積層体、P…チャック付き包装袋、C…チャック、B…仕切り板、G1~G4…包装袋群、R…読み取り領域、A…撮像領域、M…バーコード。