(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129903
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】設計支援装置、推論装置、機械学習装置、設計支援方法、推論方法、及び、機械学習方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/18 20200101AFI20240920BHJP
G06F 30/27 20200101ALI20240920BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240920BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20240920BHJP
G06F 113/16 20200101ALN20240920BHJP
【FI】
G06F30/18
G06F30/27
G06T7/00 350B
G06N20/00 130
G06F113:16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039280
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
(72)【発明者】
【氏名】梅村 堅一
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 慎介
(72)【発明者】
【氏名】菊池 景介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 理
(72)【発明者】
【氏名】神子島 隆仁
(72)【発明者】
【氏名】竹澤 邦将
【テーマコード(参考)】
5B146
5L096
【Fターム(参考)】
5B146AA14
5B146AA21
5B146DA07
5B146DC03
5L096BA12
5L096HA11
5L096JA11
5L096KA04
5L096KA15
(57)【要約】
【課題】設計者のポンプ施設の電気配線に係る設計作業を支援する支援装置を提供する。
【解決手段】設計支援装置3は、ポンプ施設の電気配線に係る設計作業を支援する設計支援装置3であって、前記電気配線に関して複数の図面種類からなる設計図面群に含まれる図面データとして、イメージデータ形式で記録された図面データを取得する図面データ取得部300と、前記図面データ取得部により取得された前記図面データに含まれる特徴形状に基づいて、当該図面データの前記図面種類が外部端子図であるか否かを判定する図面種類判定部301と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気配線に係る設計作業を支援する設計支援装置であって、
前記電気配線に関して複数の図面種類からなる設計図面群に含まれる図面データとして、イメージデータ形式で記録された図面データを取得する図面データ取得部と、
前記図面データ取得部により取得された前記図面データに含まれる特徴形状に基づいて、当該図面データの前記図面種類が外部端子図であるか否かを判定する図面種類判定部と、を備える、
設計支援装置。
【請求項2】
前記図面種類判定部は、
前記図面データに含まれる前記特徴形状と、前記図面種類との相関関係を機械学習させた学習モデルに、前記図面データ取得部により取得された前記図面データを入力することにより、当該図面データの前記図面種類が前記外部端子図であるか否かを判定する、
請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項3】
前記図面種類判定部は、
前記図面データ取得部により取得された前記図面データに対して画像処理を行うことにより前記特徴形状を抽出し、当該特徴形状の抽出結果に基づいて、当該図面データの前記図面種類が前記外部端子図であるか否かを判定する、
請求項1に記載の設計支援装置。
【請求項4】
前記図面種類判定部は、
前記特徴形状として、
単一直線部と、単一直線部の両側端に接続された2つの分岐直線部とを有する第1の特徴形状、及び、
単一直線部と、単一直線部の片側端に接続された1つの分岐直線部とを有する第2の特徴形状のうち、少なくとも1つを抽出する、
請求項3に記載の設計支援装置。
【請求項5】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置であって、
前記プロセッサは、
ポンプ施設の電気配線に関して複数の図面種類からなる設計図面群に含まれる図面データとして、イメージデータ形式で記録された前記図面データを取得する図面データ取得処理と、
前記図面データ取得処理にて前記図面データを取得すると、当該図面データに含まれる特徴形状に基づいて、当該図面データの前記図面種類が外部端子図であるか否かを判定する推論処理と、を実行する、
推論装置。
【請求項6】
電気配線に関して複数の図面種類からなる設計図面群に含まれる図面データとしてイメージデータ形式で記録された図面データと、当該図面データの前記図面種類が外部端子図であるか否かを示す図面種類情報とで構成される学習用データを複数組記憶する学習用データ記憶部と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記図面データと前記図面種類情報との相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習部と、
前記機械学習部により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを記憶する学習済みモデル記憶部と、を備える、
機械学習装置。
【請求項7】
電気配線に係る設計作業を支援する設計支援方法であって、
前記電気配線に関して複数の図面種類からなる設計図面群に含まれる図面データとして、イメージデータ形式で記録された前記図面データを取得する図面データ取得工程と、
前記図面データ取得工程により取得された前記図面データに含まれる特徴形状に基づいて、当該図面データの前記図面種類が外部端子図であるか否かを判定する図面種類判定工程と、を備える、
設計支援方法。
【請求項8】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置により実行される推論方法であって、
前記プロセッサは、
ポンプ施設の電気配線に関して複数の図面種類からなる設計図面群に含まれる図面データとして、イメージデータ形式で記録された前記図面データを取得する図面データ取得処理と、
前記図面データ取得処理にて前記図面データを取得すると、当該図面データに含まれる特徴形状に基づいて、当該図面データの前記図面種類が外部端子図であるか否かを推論する推論処理と、を実行する、
推論方法。
【請求項9】
電気配線に関して複数の図面種類からなる設計図面群に含まれる図面データとしてイメージデータ形式で記録された図面データと、当該図面データの前記図面種類が外部端子図であるか否かを示す図面種類情報とで構成される学習用データを学習用データ記憶部に複数組記憶する学習用データ記憶工程と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記図面データと前記図面種類情報との相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習工程と、
前記機械学習工程により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを学習済みモデル記憶部に記憶する学習済みモデル記憶工程と、を備える、
機械学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の図面の中から外部端子の設計図を抽出するための設計支援装置、推論装置、機械学習装置、設計支援方法、推論方法、及び、機械学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルを布設するための設計を支援するために、コンピュータを使って支援する装置は従来から種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたケーブル布設設計支援システムは、ケーブルを布設するために、接続機器の仕様、電圧降下許容範囲から必要な事項を設計者がケーブル布設設計支援システムに手入力するものである。結線表を作成するためには、複数の図面から構成される設計図面群(盤図)の中から外部端子図を抽出し、さらに、外部端子図から必要な事項を抽出する必要がある。しかしながら、設計者により仕様書等の複数の図面から特定の種類の図面を抽出することは高いスキルが求められる作業であり、当該作業の遅延が原因で工事全体の遅延を招くものであった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、設計者の作業効率を向上させることを可能とする設計支援装置、推論装置、機械学習装置、設計支援方法、推論方法、及び、機械学習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の設計支援装置は、電気配線に係る設計作業を支援する設計支援装置であって、前記電気配線に関して複数の図面種類からなる設計図面群に含まれる図面データとして、イメージデータ形式で記録された図面データを取得する図面データ取得部300と、前記図面データ取得部により取得された前記図面データに含まれる特徴形状420に基づいて、当該図面データの前記図面種類が外部端子図であるか否かを判定する図面種類判定部301と、を備えた。
設計支援装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る設計支援装置によれば、複数の図面から構成されている設計図面群の中から外部端子図を速やかにかつ確実に抽出することができるため、設計者の作業効率を向上させることができ、かつその後の工事の遅延を回避することができる。
【0008】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】設計支援システム1の一例を示す全体構成図である。
【
図2】設計支援システム1にて取り扱われる設計図面群10及び設計支援装置3の一例を示す概略図である。
【
図4】機械学習装置2の一例を示すブロック図である。
【
図5】学習モデル12及び学習用データ11に基づく学習フェーズの一例を示す図である。
【
図6】設計支援装置3の一例を示すブロック図である。
【
図7】設計支援装置3の機能の一例を説明する図である。
【
図8】外部端子
図400に記載されている端子台ブロック411の一例を示す図である。
【
図9】端子台ブロック411が有する特徴形状420の一例を示す図である。
【
図11】機械学習装置2による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
【
図12】設計支援装置3による設計支援方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0011】
図1は、設計支援システム1の一例を示す全体構成図である。設計支援システム1は、
図2は、設計支援システム1にて取り扱われる設計図面群10と、設計支援装置3との一例を示す概略図である。
【0012】
設計支援システム1は、外部端子図が必要である、典型的には負荷がモータであるような設備に係る設計作業において、設計者が、電気配線に関する盤図に含まれる外部端子図、複線接続図、配線色別表等に基づいて、主に結線表を作成する際の設計作業を支援する装置である。設計支援システム1の実施例として、モータが用いられるポンプ施設を記載するが、設計支援システム1がポンプ施設に限らず換気設備やブロア設備など、モータを負荷とするような外部端子図が必要とされる様々な設備の設計に適用することができることは、当業者にとって明らかである。
【0013】
ポンプ施設は、その構成要素として、大きく分けて、例えば、ポンプやコンプレッサ等の負荷と、ブレーカ、スイッチ等の電気回路と、負荷を駆動するための電源装置と、負荷や外部環境等の状態を検出するセンサ装置と、負荷や電気回路を制御する制御装置とを備える。負荷、電気回路、電源装置、センサ装置、制御装置等の構成要素は、ケーブルにより電気配線されるとともに、各ケーブルを中継するために、例えば、配電盤、分電盤、動力盤、制御盤等と呼ばれる各種の盤で電気的に接続される。ケーブルは、複数の芯線として、例えば、接地線と負荷接続線とで構成される多芯ケーブルを用いることを基本とする。
【0014】
電気配線に関する設計図面群10は、例えば、盤図と呼ばれており、複数種類の図面、表からなる複数の図面データを含む。図面データは、例えば、イメージデータ形式で記録されている。イメージデータ形式としては、例えば、JPEG、GIF、PNG、TIFF、BMP、PDF等を採用することができ、文字認識が可能である形式であれば、これらに限られない。
【0015】
設計図面群10に含まれる図面データ100の図面種類としては、外部端子図、製作仕様書、外形図、内部器具配置図、部品表、予備品・付属品表、単線接続図、複線接続図、展開接続図、配線色別表等が挙げられる。
【0016】
図3は、外部端子
図400の一例を示す図である。外部端子
図400は、接続元となる盤の端子台と、接続先となる負荷との間の電気的な接続関係を端子単位で示す図面である。
【0017】
図3に示す外部端子
図400は、図面右下に配置された図面・図番410と、図面左側に4段、図面右側に1段で配置された5つの端子台ブロック411と、図面左下に配置された端子台詳細412とを有する。なお、
図3は、外部端子
図400の一例を示すものであり、当該図面の構成に限定されるものではない。
【0018】
端子台ブロック411には、盤に設けられた端子台毎に、端子台と、その端子台にケーブルを介して接続される負荷(他の盤に設けられた端子台でもよい)との間の接続関係が記載される。端子台ブロック411では、端子台と、負荷との間の接続関係を、例えば、単一直線部と、単一直線部の両側端又は片側端に接続された分岐直線部とで表している。端子台詳細412には、盤に設けられた端子台毎に、端子台の型式、定格電流、適合電線太さ、端子サイズ等が記載される。
【0019】
設計支援システム1は、
図1に示すように、機械学習の学習フェーズの主体として動作する機械学習装置2と、機械学習における推論フェーズの主体として動作し、設計者による設計作業を支援する設計支援装置3とを備える。機械学習装置2及び設計支援装置3は、有線又は無線のネットワーク4に接続されて、各種のデータを相互に送受信可能に構成される。なお、機械学習装置2及び設計支援装置3の数やネットワーク4の接続構成は、
図1の例に限られず、適宜変更してもよい。
【0020】
機械学習装置2は、汎用又は専用のコンピュータ(後述の
図10参照)等で構成される。機械学習装置2は、図面データ100(学習用画像)を含む学習用データ11を用いて、学習モデル12の機械学習を実施する。その際、学習用データ11の準備、学習モデル12の機械学習等を行うために、機械学習装置2は、入力画面を介して各種の入力操作を受け付けるとともに、アプリやブラウザ等の表示画面を介して各種の情報を表示する。また、機械学習装置2は、学習済みの学習モデル12をネットワーク4や記録媒体等を介して設計支援装置3に提供する。機械学習装置2の詳細は後述する。
【0021】
設計支援装置3は、汎用又は専用のコンピュータ(後述の
図10参照)等で構成される。設計支援装置3は、機械学習装置2により学習済みの学習モデル12を用いて、図面データ100(判定用画像)から、当該図面データ100の図面種類が外部端子
図400であるか否かを判定することにより、設計図面群10から外部端子
図400を抽出する。その際、設計支援装置3は、図面データ100の選択や図面種類の判定等を行うために、入力画面を介して各種の入力操作を受け付けるとともに、アプリやブラウザ等の表示画面を介して各種の情報を表示する。設計支援装置3の詳細は後述する。
【0022】
図4は、機械学習装置2の一例を示すブロック図である。機械学習装置2は、制御部20、通信部21、学習用データ記憶部22、学習済みモデル記憶部23、入力部24、及び、出力部25を備える。
【0023】
制御部20は、学習用データ取得部200、及び、機械学習部201として機能する。通信部21は、ネットワーク4を介して外部装置(例えば、設計支援装置3等)と接続され、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。入力部24は、各種の入力操作を受け付けるとともに、出力部25は、表示画面や音声を介して各種の情報を出力することで、ユーザインターフェースとして機能する。
【0024】
学習用データ取得部200は、入力データしての図面データ100と、出力データとし
ての図面種類情報110で構成される学習用データ11を取得する。なお、図面種類情報110は、教師あり学習における正解ラベルとして用いられるデータである。学習用データ取得部200は、例えば、通信部21及びネットワーク4を介して接続される外部装置と連携して学習用データ11を取得してもよいし、入力部24及び出力部25を介して入力操作を受け付けることにより学習用データ11を取得してもよい。学習用データ11は、教師あり学習における教師データ(トレーニングデータ)、検証データ及びテストデータとして用いられるデータである。
【0025】
学習用データ記憶部22は、学習用データ取得部200で取得した学習用データ11を複数組記憶するデータベースである。なお、学習用データ記憶部22を構成するデータベースの具体的な構成は適宜設計すればよい。
【0026】
機械学習部201は、学習用データ記憶部22に記憶された複数組の学習用データ11を用いて機械学習を実施する。すなわち、機械学習部201は、学習モデル12に学習用データ11を複数組入力し、学習用データ11に含まれる入力データ(図面データ100)と出力データ(図面種類情報110)との相関関係を学習モデル12に学習させることで、学習済みの学習モデル12を生成する。なお、機械学習部201は、図面データ100を学習モデル12に入力する際の前処理として、所定の画像調整(例えば、画像フォーマット、画像サイズ、画像フィルタ、画像マスク等)を図面データ100に施してもよい。
【0027】
学習済みモデル記憶部23は、機械学習部201により生成された学習済みの学習モデル12(具体的には、調整済みの重みパラメータ群)を記憶するデータベースである。学習済みモデル記憶部23に記憶された学習済みの学習モデル12は、ネットワーク4や記録媒体等を介して実システム(例えば、設計支援装置3)に提供される。なお、学習モデル12は、外部コンピュータ(例えば、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータ)に提供されて、外部コンピュータの記憶部に記憶されてもよい。また、
図4では、学習用データ記憶部22と、学習済みモデル記憶部23とが別々の記憶部として示されているが、これらは単一の記憶部で構成されてもよい。
【0028】
図5は、学習モデル12及び学習用データ11に基づく学習フェーズの一例を示す図である。学習モデル12の機械学習に用いられる学習用データ11は、図面データ100と、図面種類情報110とで構成される。
【0029】
学習用データ11を構成する図面データ100は、設計図面群10を構成する任意の図面データ100である。
【0030】
学習用データ11を構成する図面種類情報110は、学習用データ11を構成する図面データ100の図面種類を示す情報である。例えば、図面種類として、
図5に示すように、「外部端子
図400」、「複線接続図」、「展開接続図」等のように分類する場合には、これらの分類(図面種類)にそれぞれ対応する複数のクラスを用意する。また、図面種類として、例えば、「外部端子
図400」と、「外部端子
図400以外の図面」とに分類する場合には、これらの分類に対応する2つのクラスを用意する。なお、図面種類情報110は、上記の分類(クラス)の定義や数に限られない。
【0031】
学習用データ取得部200は、外部端子
図400、複線接続図、展開接続図製作仕様書、外形図、内部器具配置図、部品表、予備品・付属品表、単線接続図等の図面データ100を取得するとともに、その図面データ100の図面種類を示す図面種類情報110を取得する。そして、学習用データ取得部200は、それらを対応付けることで、学習用データ11を取得する。
【0032】
図5に示す学習モデル12は、例えば、ニューラルネットワークの構造を採用したものであり、入力層120、中間層121、及び、出力層122を備える。各層の間には、各ニューロンをそれぞれ接続するシナプス(不図示)が張られており、各シナプスには、重みがそれぞれ対応付けられている。各シナプスの重みからなる重みパラメータ群が、機械学習により調整される。
【0033】
入力層120は、入力データとしての図面データ100の各画素に対応する数のニューロンを有し、各画素の画素値が各ニューロンにそれぞれ入力される。出力層122は、出力データとしての図面種類情報110に対応する数のニューロンを有し、図面データ100に対する図面種類情報110の予測結果(推論結果)が、出力データとして出力される。本実施形態では、外部端子
図400が「0.7」、複線接続図が「0.1」、展開接続図が「0.05」との推論結果が出力された場合が
図5に示されている。
【0034】
なお、学習済みモデル記憶部23に記憶される学習モデル12の数は1つに限定されず、例えば、機械学習の手法、設計図面群の作図方法の違い、図面種類情報110に含まれるデータの違い等のように、条件が異なる複数の学習モデルが記憶されてもよい。その場合には、学習用データ記憶部22には、条件が異なる複数の学習モデルにそれぞれ対応するデータ構成を有する複数種類の学習用データが記憶されるようにすればよい。
【0035】
図6は、設計支援装置3の一例を示すブロック図である。
図7は、設計支援装置3の一例を示す機能説明図である。設計支援装置3は、制御部30、通信部31、図面データ記憶部32、学習済みモデル記憶部33、入力部34、及び、出力部35を備える。
【0036】
制御部30は、図面データ取得部300、図面種類判定部301、及び、出力処理部302として機能する。通信部31は、ネットワーク4を介して外部装置(例えば、機械学習装置2等)と接続され、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。記憶部32は、設計支援装置3の動作で使用される各種のプログラム(オペレーティングシステムやユーザ端末プログラム等)やデータ(設計図面群、学習済みの学習モデル12)等を記憶する。入力部34は、各種の入力操作を受け付けるとともに、出力部35は、表示画面や音声を介して各種の情報を出力することで、ユーザインターフェースとして機能する。
【0037】
図面データ記憶部32は、設計図面群を記憶するデータベースである。なお、図面データ記憶部32は、外部コンピュータ(例えば、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータ)の記憶部で代用されてもよく、その場合には、図面データ取得部300は、当該外部コンピュータにアクセスすればよい。
【0038】
学習済みモデル記憶部33は、図面種類判定部301にて用いられる学習済み(重みパラメータ群が調整済み)の学習モデル12を記憶するデータベースである。なお、学習済みモデル記憶部33に記憶される学習モデル12の数は1つに限定されず、例えば、機械学習の手法、設計図面群の作図方法の違い、図面種類情報110に含まれるデータの違い等のように、条件が異なる複数の学習済みモデルが記憶され、選択的又は並列的に利用可能としてもよい。学習済みモデル記憶部33は、外部コンピュータ(例えば、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータ)の記憶部で代用されてもよく、その場合には、図面種類判定部301は、当該外部コンピュータにアクセスすればよい。
【0039】
図面データ取得部300は、設計図面群10に含まれる図面データ100を取得する。本実施形態では、図面データ取得部300は、例えば、図面データ記憶部32を参照することにより、図面データ100を取得する。
【0040】
図面種類判定部301は、図面データ取得部300により取得された図面データ100に含まれる特徴形状420に基づいて、当該図面データ100の図面種類が外部端子
図400であるか否かを判定する。本実施形態では、図面種類判定部301は、図面データ100と図面種類情報110との相関関係を機械学習させた学習モデル12に、図面データ取得部300により取得された図面データ100を入力することにより、当該図面データ100の図面種類が外部端子
図400であるか否かを判定する。
【0041】
例えば、図面種類情報110として、「外部端子
図400」、「複線接続図」、「展開接続図」等のように分類する複数のクラスを用いた場合には、図面種類情報110は、
図7に示すように、クラス毎のスコアとして、「0.8」、「0.05」、「0.01」等のように出力される。スコアの利用方法は、任意の方法を採用すればよく、例えば、スコアが最も高いクラス(上記の例では、スコア「0.8」の外部端子
図400)に基づいて、図面データ100が外部端子
図400であるか否かを判定すればよい。また、「外部端子
図400」のクラスのスコアが所定のスコア基準値を超えているか否かに応じて、図面データ100が外部端子
図400であるか否かを判定してもよい。なお、図面種類情報110として、「外部端子
図400」と、「外部端子
図400以外の図面」とに分類する2つのクラスを用いた場合には、「外部端子
図400」のクラスのスコアが、「外部端子
図400以外の図面」のクラスのスコアよりも高いか否かに応じて、図面データ100が外部端子
図400であるか否かを判定すればよい。また、「外部端子
図400」のクラスのスコアが所定のスコア基準値を超えているか否かに応じて、図面データ100が外部端子
図400であるか否かを判定してもよい。
【0042】
図8は外部端子
図400に記載されている端子台ブロック411の一例を示す図である。
図9は、端子台ブロック411が有する特徴形状420の一例を示す図である。
【0043】
外部端子
図400は、特徴形状420として、当該図面中に、多芯線が分岐している回路が図示されている。典型的な回路としては、
図8に記載されているとおり、単一直線部430の両側端に二つの分岐直線部440を有している。ここで、直線部とは、電気回路の電線であることを示す範囲のものであり、湾曲部や円弧を含む場合がある。
【0044】
別の外部端子の特徴形状420としては、
図9に示すように単一直線部430の両端の分岐直線部440がそれぞれ異なるものであったり、単一直線部430の片側にのみ一つの分岐直線部440を有しているものであったりする。また、外部端子の特徴形状420は、設計者や施工会社等により異なるので、当該実施形態に特定されず、設計者や施工会社等の回路の記載方法を取得して適宜外部端子の特徴形状420を特定し、予め学習させておくことが有効である。
【0045】
なお、図面データ100に対する判定結果は、例えば、学習済みの学習モデル12の推論精度の更なる向上のため、オンライン学習や再学習に用いられる学習用データ11として利用してもよい。
【0046】
出力処理部302は、図面種類判定部301により判定された図面データ100に対する図面種類の判定結果である図面種類情報110を出力するための出力処理を行う。判定結果を出力するための具体的な出力手段は、種々の手段を採用することが可能である。例えば、出力処理部302は、図面種類情報110を画面表示したり、図面種類情報110を図面データ記憶部32に記憶したりする。その際、出力処理部302は、図面種類情報110を図面データ100の属性データとして、図面データ100に含ませるように記憶してもよい。
【0047】
上記実施形態では、図面種類判定部301が外部端子図を抽出しているが、他の図面、表においても、当該図面、表が他の図面、表と区別がつくような形状や記載があれば、その内容に基づいて当該図面、表を抽出するようにしてもよい。
【0048】
図10は、コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。機械学習装置2及び設計支援装置3は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。
【0049】
コンピュータ900は、
図10に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0050】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、NPU(Neural Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0051】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD、SSD等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0052】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(
図1のネットワーク4と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVDドライブ、CDドライブ等のドライブ装置、メモリカードスロット、USBコネクタで構成され、DVD、CD、メモリカード、USBメモリ等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0053】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メ
ディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0054】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよいし、例えば、制御盤、コントローラ(マイコン、プログラマブルロジックコントローラ、シーケンサを含む)等と呼ばれる組込型コンピュータでもよい。
【0055】
図11は、機械学習装置2による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
【0056】
まず、ステップS100において、学習用データ取得部200は、機械学習を開始するための事前準備として、所望の数の学習用データ11を取得し、その取得した学習用データ11を学習用データ記憶部22に記憶する。ここで準備する学習用データ11の数については、最終的に得られる学習モデル12に求められる推論精度を考慮して設定すればよい。
【0057】
次に、ステップS110において、機械学習部201は、機械学習を開始すべく、学習前の学習モデル12を準備する。ここで準備する学習前の学習モデル12は、ニューラルネットワークモデルで構成されており、各シナプスの重みが初期値に設定されている。
【0058】
次に、ステップS120において、機械学習部201は、学習用データ記憶部22に記憶された複数組の学習用データ11から、例えば、ランダムに1組の学習用データ11を取得する。
【0059】
次に、ステップS130において、機械学習部201は、1組の学習用データ11に含まれる入力データ(図面データ100)を、準備された学習前(又は学習中)の学習モデル12の入力層120に入力する。その結果、学習モデル12の出力層122から推論結果として出力データ(図面種類情報110)が出力されるが、当該出力データは、学習前(又は学習中)の学習モデル12によって生成されたものである。そのため、学習前(又は学習中)の状態では、推論結果として出力された出力データは、学習用データ11に含まれる正解ラベル(図面種類情報110)とは異なる情報を示す。
【0060】
次に、ステップS140において、機械学習部201は、ステップS120において取得された1組の学習用データ11に含まれる正解ラベルと、ステップS130において出力層122から推論結果として出力された出力データとを比較し、各シナプスの重みを調整する処理(バックプロパゲーション)を実施することで、機械学習を実施する。これにより、機械学習部201は、入力データと出力データとの相関関係を学習モデル12に学習させる。
【0061】
次に、ステップS150において、機械学習部201は、所定の学習終了条件が満たされたか否かを、例えば、学習用データ11に含まれる正解ラベルと、推論結果として出力された出力データとに基づく誤差関数の評価値や、学習用データ記憶部22内に記憶された未学習の学習用データ11の残数に基づいて判定する。
【0062】
ステップS150において、機械学習部201が、学習終了条件が満たされておらず、機械学習を継続すると判定した場合(ステップS150でNo)、ステップS120に戻り、学習中の学習モデル12に対してステップS120~S140の工程を未学習の学習用データ11を用いて複数回実施する。一方、ステップS150において、機械学習部201が、学習終了条件が満たされて、機械学習を終了すると判定した場合(ステップS150でYes)、ステップS160に進む。
【0063】
そして、ステップS160において、機械学習部201は、各シナプスに対応付けられた重みを調整することで生成された学習済みの学習モデル12(調整済みの重みパラメータ群)を学習済みモデル記憶部23に記憶し、
図11に示す一連の機械学習方法を終了する。機械学習方法において、ステップS100が学習用データ記憶工程、ステップS110~S150が機械学習工程、ステップS160が学習済みモデル記憶工程に相当する。
【0064】
以上のように、本実施形態に係る機械学習装置2及び機械学習方法によれば、設計図面群10を構成する図面データ100から、その図面データ100の図面種類が外部端子
図400であるか否を判定(推論)することが可能な学習モデル12を提供することができる。
【0065】
図12は、設計支援装置3及び設計支援方法の一例を示すフローチャートである。なお、
図12に示す一連の設計支援方法は、設計支援装置3が、例えば、設計者からの入力操作を受け付けたときに実行されるものとして説明するが、実行される条件はこれに限られない。
【0066】
まず、ステップS200において、図面データ取得部300は、例えば、図面データ記憶部32に記憶された複数の設計図面群10から処理対象の設計図面群10を選択する選択操作を受け付けると、その選択操作に応じて設計図面群10を参照する。そして、ステップS210において、図面データ取得部300は、その処理対象の設計図面群10に含まれる複数の図面データ100から処理対象の図面データ100を取得する。
【0067】
次に、ステップS220において、図面種類判定部301は、ステップS210にて取得された処理対象の図面データ100に所定の前処理を施して学習済みの学習モデル12の入力層に入力し、その学習モデル12の出力層から推論結果として出力された図面種類の判定結果として、図面種類の各クラスに対するスコアを取得する。
【0068】
次に、ステップS230において、図面種類判定部301は、教師あり学習の後処理の一例として、例えば、図面種類の各クラスに対するスコアのうち、最もスコアが高いクラスの図面種類を特定する。
【0069】
次に、ステップS240において、図面種類判定部301は、その最もスコアが高いクラスの図面種類が、外部端子
図400であるか否かを判定する。そして、ステップS240において、出力処理部302は、図面種類判定部301による図面種類の判定結果が「外部端子図」である場合には、ステップS250に進み、「外部端子図」でない場合には、ステップS260に進む。
【0070】
そして、ステップS250において、出力処理部302は、ステップS210にて取得された処理対象の図面データ100が、「外部端子図」であることを示す図面種類情報110を出力する。一方、ステップS260において、出力処理部302は、ステップS210にて取得された処理対象の図面データ100が、「外部端子図」でないことを示す図面種類情報110を出力する。
【0071】
次に、ステップS270において、図面データ取得部300は、処理対象の設計図面群10に、未処理の図面データ100が含まれているか否かを判定する。そして、ステップS270において、図面データ取得部300が、未処理の図面データ100が含まれていると判定した場合(ステップS270でNo)、ステップS210に戻り、未処理の図面データ100を次の処理対象の図面データ100として、上記のステップS210~S260の工程を繰り返して実施する。一方、ステップS270において、図面データ取得部300が、未処理の図面データ100が含まれていないと判定した場合(ステップS270でYes)、
図12に示す一連の設計支援方法を終了する。なお、設計支援方法において、ステップS210が図面データ取得工程、ステップS220~S240が図面種類判定工程、ステップS250~S260が出力処理工程に相当する。
【0072】
以上のように、本実施形態に係る設計支援装置3及び設計支援方法によれば、図面データ100が学習モデル12に入力されることで、当該図面データ100が外部端子
図400であるか否かが推論されるので、設計図面群10から外部端子
図400を容易に抽出することができる。
【0073】
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、設計支援システム1が負荷がモータであるような設備の設計、典型的には換気設備やブロア設備などの外部端子図が必要とされる様々な設備の設計に適用することができることは、当業者にとって明らかである。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0074】
上記実施形態では、機械学習装置2及び設計支援装置3は、別々の装置で構成されたものとして説明したが、単一の装置で構成されていてもよい。
【0075】
上記実施形態では、機械学習部201による機械学習を実現する学習モデルとして、ニューラルネットワークを採用した場合について説明したが、他の機械学習のモデルを採用してもよい。他の機械学習のモデルとしては、例えば、決定木、回帰木等のツリー型、バギング、ブースティング等のアンサンブル学習、再帰型ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、LSTM等のニューラルネット型(ディープラーニングを含
む)、階層型クラスタリング、非階層型クラスタリング、k近傍法、k平均法等のクラス
タリング型、主成分分析、因子分析、ロジスティク回帰等の多変量解析、サポートベクターマシン等が挙げられる。
【0076】
上記実施形態では、設計支援装置3の図面種類判定部301は、図面データ取得部300により取得された図面データ100に基づいて図面種類情報110を生成する際、学習済みの学習モデル12を用いる場合について説明したが、他の手法を採用してもよい。他の手法としては、例えば、画像処理に基づくルールベースが挙げられる。すなわち、図面種類判定部301は、図面データ取得部300により取得された図面データ100に対して画像処理を行うことにより設計者の位置を示す設計者情報を取得し、その取得した設計者情報に基づいて、当該図面データ100に対する図面種類情報110を生成するようにしてもよい。
【0077】
上記実施形態では、機械学習装置2が、
図11に示すフローチャートに従って動作する場合について説明したが、各ステップの実行順序を適宜変更してもよいし、一部のステップを省略してもよい。また、上記実施形態では、設計支援装置3が、
図12に示すフローチャートに従って動作する場合について説明したが、各ステップの実行順序を適宜変更してもよいし、一部のステップを省略してもよい。
【0078】
本発明は、機械学習装置2が備える各部としてコンピュータ900を機能させるプログラム(機械学習プログラム)や、機械学習方法が備える各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラム(機械学習プログラム)の態様で提供することもできる。また、本発明は、設計支援装置3が備える各部としてコンピュータ900を機能させるためのプログラム(設計支援プログラム)が備える各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラム(設計支援プログラム)の態様で提供することもできる。
【0079】
本発明は、上記実施形態に係る設計支援装置3(設計支援方法又は設計支援プログラム)の態様によるもののみならず、図面種類情報を推論するために用いられる推論装置(推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することもできる。その場合、推論装置(推論方法又は推論プログラム)としては、メモリと、プロセッサとを含み、このうちのプロセッサが、一連の処理を実行するものとすることができる。当該一連の処理とは、図面データ100を取得する図面データ処理(図面データ取得工程)と、図面データ取得処理にて図面データを取得すると、当該図面データに基づいて図面種類情報110を推論する推論処理(推論工程)とを含む。
【0080】
推論装置(推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することで、設計支援装置を実装する場合に比して簡単に種々の装置への適用が可能となる。推論装置(推論方法又は推論プログラム)が図面種類情報を推論する際、上記実施形態に係る機械学習装置及び機械学習方法により生成された学習済みの学習モデルを用いて、図面種類判定部が実施する推論手法を適用してもよいことは、当業者にとって当然に理解され得るものである。
【符号の説明】
【0081】
1…設計支援システム、2…機械学習装置、3…設計支援装置、
10…設計図面群、11…学習用データ、12…学習モデル、
20…制御部、21…通信部、22…学習用データ記憶部、
23…学習済みモデル記憶部、24…入力部、25…出力部、
30…制御部、31…通信部、32…図面データ記憶部、33…学習済みモデル記憶部、34…入力部、35…出力部、
100…図面データ、110…図面種類情報、
200…学習用データ取得部、201…機械学習部、
300…図面データ取得部、301…図面種類判定部、302…出力処理部、
400…外部端子図、411…端子台ブロック、420…特徴形状、
430…単一直線部(特徴形状の一部)、440…分岐直線部(特徴形状の一部)