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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130583
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】水精製装置及びウエーハの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 9/00 20230101AFI20240920BHJP
   C02F 1/42 20230101ALI20240920BHJP
   C02F 1/20 20230101ALI20240920BHJP
   C02F 1/32 20230101ALI20240920BHJP
   B01D 19/00 20060101ALI20240920BHJP
   B01D 24/00 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C02F9/00
C02F1/42 A
C02F1/20 Z
C02F1/32
B01D19/00 C
B01D19/00 101
B01D29/00 Z
H01L21/304 611Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040408
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】野本 朝輝
(72)【発明者】
【氏名】平田 和也
【テーマコード(参考)】
4D011
4D025
4D037
4D116
5F057
【Fターム(参考)】
4D011AA16
4D011AA17
4D011AA18
4D011AD03
4D011AD06
4D025AA06
4D025AB07
4D025AB18
4D025AB19
4D025BA09
4D025BA10
4D025BA14
4D025BA15
4D025BB09
4D025BB10
4D025CA04
4D025CA05
4D025DA01
4D025DA04
4D025DA10
4D037AA08
4D037AB03
4D037BA17
4D037BA23
4D037BB02
4D037BB07
4D037CA02
4D037CA03
4D037CA15
4D116AA27
4D116BB01
4D116BC27
4D116FF09B
4D116FF15B
4D116FF18B
4D116KK04
4D116QA26C
4D116QA26E
4D116QA26G
4D116QA42C
4D116QA42E
4D116QA42G
4D116QA43C
4D116QA43E
4D116QA43G
4D116QA44C
4D116QA44E
4D116QA44G
4D116QA54C
4D116QA54E
4D116QA54G
4D116QC04A
4D116TT05
4D116TT06
4D116TT07
4D116UU20
4D116VV07
4D116VV30
5F057AA14
5F057BA01
5F057BB09
5F057CA02
5F057DA20
5F057DA22
5F057DA26
5F057DA31
5F057EC29
5F057FA45
(57)【要約】
【課題】超音波を効率よく伝播できる水を供給する水精製装置を提供する。
【解決手段】内部を流れる水を精製する水精製装置であって、該水を濾過して固体粒子を除去するための濾過フィルタと、該濾過フィルタよりも下流に設けられ、かつ、該水に紫外線を照射して殺菌するための殺菌ユニットと、該殺菌ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水に含まれる不純物イオンとイオン交換して不純物を除去するためのイオン交換フィルタと、該水を脱気するための脱気ユニットと、該脱気ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水の溶存酸素濃度を測定するための測定ユニットと、を備える水精製装置を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を流れる水を精製する水精製装置であって、
該水を濾過して固体粒子を除去するための濾過フィルタと、
該濾過フィルタよりも下流に設けられ、かつ、該水に紫外線を照射して殺菌するための殺菌ユニットと、
該殺菌ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水に含まれる不純物イオンとイオン交換して不純物を除去するためのイオン交換フィルタと、
該水を脱気するための脱気ユニットと、
該脱気ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水の溶存酸素濃度を測定するための測定ユニットと、
を備える水精製装置。
【請求項2】
該測定ユニットは、該水を透過した深紫外線の強度を参照して該溶存酸素濃度を測定する請求項1に記載の水精製装置。
【請求項3】
該脱気ユニットは、該濾過フィルタよりも下流かつ該殺菌ユニットよりも上流に設けられ、
該測定ユニットは、該イオン交換フィルタよりも上流に設けられ、
該殺菌ユニットと該測定ユニットとは、深紫外線照射部を共有する請求項2に記載の水精製装置。
【請求項4】
該脱気ユニットの動作条件を調整するためのコントローラをさらに備え、
該コントローラは、該測定ユニットによって測定された該溶存酸素濃度が所定の値超である場合に該溶存酸素濃度が小さくなるように該動作条件を調整する請求項1に記載の水精製装置。
【請求項5】
該測定ユニットを通過した該水を順水路に流入させる順状態又は該脱気ユニットに戻すための逆水路に流入させる逆状態のいずれかの状態となるバルブと、
該バルブの状態を調整するためのコントローラと、をさらに備え、
該コントローラは、該測定ユニットによって測定された該溶存酸素濃度が所定の値超である場合に該バルブを該逆状態とし、該測定ユニットによって測定された該溶存酸素濃度が該所定の値以下である場合に該バルブを該順状態とする請求項1に記載の水精製装置。
【請求項6】
該脱気ユニット及び該測定ユニットは、該濾過フィルタよりも下流かつ該殺菌ユニットよりも上流、該殺菌ユニットよりも下流かつ該イオン交換フィルタよりも上流、又は、該イオン交換フィルタよりも下流に設けられている請求項1に記載の水精製装置。
【請求項7】
該脱気ユニットは、
該水を貯めることが可能なチャンバと、
該チャンバの内部空間を減圧するための減圧部と、
該チャンバに流入した該水に超音波を付与するための超音波発振部と、を含む請求項1に記載の水精製装置。
【請求項8】
該超音波発振部は、0.1MHz~1.0MHzの超音波を発振し、
該減圧部は、該チャンバの該内部空間を0.2気圧以下に減圧する請求項7に記載の水精製装置。
【請求項9】
該脱気ユニットは、該溶存酸素濃度が2.0mg/L以下になるように該水を脱気する請求項1に記載の水精製装置。
【請求項10】
該濾過フィルタ及び該脱気ユニットよりも上流に設けられ、かつ、該水を利用して処理を行う水利用装置の排水口に接続可能な第1配管と、
該イオン交換フィルタ及び該測定ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水利用装置の給水口に接続可能な第2配管と、をさらに備える請求項1に記載の水精製装置。
【請求項11】
該イオン交換フィルタよりも下流に設けられ、かつ、該水を濾過して該イオン交換フィルタに由来した固体粒子を除去するための第2濾過フィルタと、
該第2濾過フィルタよりも下流に設けられ、かつ、該水の温度を調整するための温度調整ユニットと、をさらに備える請求項1に記載の水精製装置。
【請求項12】
該濾過フィルタよりも上流に設けられ、かつ、該水を収容するタンクをさらに備える請求項1に記載の水精製装置。
【請求項13】
インゴットからウエーハを製造するウエーハの製造方法であって、
該インゴットを透過する波長のレーザービームの集光点を該インゴットの端面から該ウエーハの厚みに対応する深さに位置づけながら該レーザービームを該インゴットに照射することによって、改質部と該改質部から伸展するクラックとを含む脆化層を形成する脆化層形成工程と、
該脆化層形成工程の後に、水精製装置によって精製された水が該インゴットの該端面に供給された状態で該水を介して該インゴットに超音波を伝播させることによって、該クラックをさらに伸展させて該脆化層において該インゴットを劈開させる劈開工程と、を備え、
該水精製装置は、
該水を濾過して固体粒子を除去するための濾過フィルタと、
該濾過フィルタよりも下流に設けられ、かつ、該水に紫外線を照射して殺菌するための殺菌ユニットと、
該殺菌ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水に含まれる不純物イオンとイオン交換して不純物を除去するためのイオン交換フィルタと、
該水を脱気するための脱気ユニットと、
該脱気ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水の溶存酸素濃度を測定するための測定ユニットと、
を備えるウエーハの製造方法。
【請求項14】
該インゴットは、単結晶SiCからなる請求項13に記載のウエーハの製造方法。
【請求項15】
該端面は、単結晶SiCのc面と非平行であり、
該脆化層形成工程においては、
該c面と該端面とが交差する交差線に平行な方向に沿って、該レーザービームの該集光点と該インゴットとを相対的に移動させながら該インゴットに該レーザービームを照射する照射工程と、
該交差線に垂直な方向に沿って、該レーザービームの該集光点が形成される位置と該インゴットとを相対的に移動させるインデックス工程と、
が交互に繰り返し実施される請求項14に記載のウエーハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部を流れる水を精製する水精製装置とインゴットからウエーハを製造するウエーハの製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスのチップは、一般的に、円盤状のウエーハを用いて製造される。このウエーハは、例えば、ワイヤーソーを用いて円柱状の半導体インゴットから切り出された後、表面が研磨されて鏡面に仕上げられることによって製造される。
【0003】
具体的には、インゴットからワイヤーソーを用いてウエーハを切り出すと、その表面には微細な凹凸が形成され、また、ウエーハが全体的に湾曲する(ウエーハに反りが生じる)。そのため、このように切り出されたウエーハは、凹凸を除去して平坦化するために表面が研磨されることが多い。
【0004】
ただし、ウエーハを研磨すると、ウエーハの一部が研磨屑となって廃棄され、ウエーハが薄くなる。この点を踏まえて、ウエーハは、一般的に、半導体デバイスの製造に用いられるウエーハより厚くなるようにインゴットから切り出される。
【0005】
半導体デバイスのチップの製造に用いられるインゴットは高価である。そのため、研磨を必要とする方法によってウエーハを生成すると、このウエーハを用いて製造される半導体デバイスのチップの製造コストも高くなりやすい。
【0006】
さらに、パワーデバイス用の材料等として期待されている単結晶SiC(炭化シリコン)は硬度が高い。そのため、ワイヤーソーを用いて単結晶SiCからなるインゴットからウエーハを切り出す場合、その所要時間が長くなりやすく、また、ワイヤーソーが摩耗しやすい。
【0007】
その結果、単結晶SiCからなるウエーハの製造コストは高くなりやすい。この点に鑑み、ワイヤーソーを用いることなく、レーザービームを利用してインゴットからウエーハを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
具体的には、この方法においては、インゴットを透過する波長のレーザービームの集光点をインゴットの内部に位置づけながらレーザービームをインゴットに照射する。これにより、インゴットの内部に改質部と改質部から伸展するクラックとを含む脆化層が形成される。そして、この脆化層においてインゴットを劈開させることによってウエーハが製造される。
【0009】
さらに、脆化層においてインゴットを劈開させる方法として、超音波を利用する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。具体的には、この方法においては、インゴットの端面に水が供給された状態で水を介してインゴットに超音波を伝播させる。これにより、クラックがさらに伸展して脆化層においてインゴットが劈開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2016-111143号公報
【特許文献2】特開2016-146446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、脆化層が形成されたインゴットに水を介して超音波を伝播させる場合には、脆化層においてインゴットを劈開させるための所要時間が長くなりやすい。そのため、この場合には、水において超音波のエネルギーを減衰させることなく、超音波を効率よくインゴットに伝播させることが重要になる。
【0012】
この点に鑑み、本発明の目的は、超音波を効率よく伝播できる水を供給する水精製装置と、脆化層においてインゴットを劈開させるための所要時間を短くできるウエーハの製造方法と、を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面によれば、内部を流れる水を精製する水精製装置であって、該水を濾過して固体粒子を除去するための濾過フィルタと、該濾過フィルタよりも下流に設けられ、かつ、該水に紫外線を照射して殺菌するための殺菌ユニットと、該殺菌ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水に含まれる不純物イオンとイオン交換して不純物を除去するためのイオン交換フィルタと、該水を脱気するための脱気ユニットと、該脱気ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水の溶存酸素濃度を測定するための測定ユニットと、を備える水精製装置が提供される。
【0014】
なお、本発明の水精製装置においては、該測定ユニットは、該水を透過した深紫外線の強度を参照して該溶存酸素濃度を測定することが好ましい。さらに、該脱気ユニットは、該濾過フィルタよりも下流かつ該殺菌ユニットよりも上流に設けられ、該測定ユニットは、該イオン交換フィルタよりも上流に設けられ、該殺菌ユニットと該測定ユニットとは、深紫外線照射部を共有することが好ましい。
【0015】
また、本発明の水精製装置は、該脱気ユニットの動作条件を調整するためのコントローラをさらに備え、該コントローラは、該測定ユニットによって測定された該溶存酸素濃度が所定の値超である場合に該溶存酸素濃度が小さくなるように該動作条件を調整することが好ましい。
【0016】
また、本発明の水精製装置は、該測定ユニットを通過した該水を順水路に流入させる順状態又は該脱気ユニットに戻すための逆水路に流入させる逆状態のいずれかの状態となるバルブと、該バルブの状態を調整するためのコントローラと、をさらに備え、該コントローラは、該測定ユニットによって測定された該溶存酸素濃度が所定の値超である場合に該バルブを該逆状態とし、該測定ユニットによって測定された該溶存酸素濃度が該所定の値以下である場合に該バルブを該順状態とすることが好ましい。
【0017】
また、本発明の水精製装置においては、該脱気ユニット及び該測定ユニットは、該濾過フィルタよりも下流かつ該殺菌ユニットよりも上流、該殺菌ユニットよりも下流かつ該イオン交換フィルタよりも上流、又は、該イオン交換フィルタよりも下流に設けられていることが好ましい。
【0018】
また、本発明の水精製装置においては、該脱気ユニットは、該水を貯めることが可能なチャンバと、該チャンバの内部空間を減圧するための減圧部と、該チャンバに流入した該水に超音波を付与するための超音波発振部と、を含むは、ことが好ましい。さらに、該超音波発振部は、0.1MHz~1.0MHzの超音波を発振し、該減圧部は、該チャンバの該内部空間を0.2気圧以下に減圧することが好ましい。
【0019】
加えて、該脱気ユニットは、該溶存酸素濃度が2.0mg/L以下になるように該水を脱気することが好ましい。
【0020】
また、本発明の水精製装置は、該濾過フィルタ及び該脱気ユニットよりも上流に設けられ、かつ、該水を利用して処理を行う水利用装置の排水口に接続可能な第1配管と、該イオン交換フィルタ及び該測定ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水利用装置の給水口に接続可能な第2配管と、をさらに備えることが好ましい。
【0021】
また、本発明の水精製装置は、該イオン交換フィルタよりも下流に設けられ、かつ、該水を濾過して該イオン交換フィルタに由来した固体粒子を除去するための第2濾過フィルタと、該第2濾過フィルタよりも下流に設けられ、かつ、該水の温度を調整するための温度調整ユニットと、をさらに備えることが好ましい。
【0022】
また、本発明の水精製装置は該濾過フィルタよりも上流に設けられ、かつ、該水を収容するタンクをさらに備えることが好ましい。
【0023】
本発明の別の側面によれば、インゴットからウエーハを製造するウエーハの製造方法であって、該インゴットを透過する波長のレーザービームの集光点を該インゴットの端面から該ウエーハの厚みに対応する深さに位置づけながら該レーザービームを該インゴットに照射することによって、改質部と該改質部から伸展するクラックとを含む脆化層を形成する脆化層形成工程と、該脆化層形成工程の後に、水精製装置によって精製された水が該インゴットの該端面に供給された状態で該水を介して該インゴットに超音波を伝播させることによって、該クラックをさらに伸展させて該脆化層において該インゴットを劈開させる劈開工程と、を備え、該水精製装置は、該水を濾過して固体粒子を除去するための濾過フィルタと、該濾過フィルタよりも下流に設けられ、かつ、該水に紫外線を照射して殺菌するための殺菌ユニットと、該殺菌ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水に含まれる不純物イオンとイオン交換して不純物を除去するためのイオン交換フィルタと、該水を脱気するための脱気ユニットと、該脱気ユニットよりも下流に設けられ、かつ、該水の溶存酸素濃度を測定するための測定ユニットと、を備えるウエーハの製造方法が提供される。
【0024】
なお、本発明の水精製装置においては、該インゴットは、単結晶SiCからなることが好ましい。さらに、該端面は、単結晶SiCのc面と非平行であり、該脆化層形成工程においては、該c面と該端面とが交差する交差線に平行な方向に沿って、該レーザービームの該集光点と該インゴットとを相対的に移動させながら該インゴットに該レーザービームを照射する照射工程と、該交差線に垂直な方向に沿って、該レーザービームの該集光点が形成される位置と該インゴットとを相対的に移動させるインデックス工程と、が交互に繰り返し実施されることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の水精製装置は、水を脱気するための脱気ユニットを備える。この場合、この水精製装置から供給される水においては、溶存している酸素等の濃度が低くなり、超音波が付与されたとしても酸素等の気化に伴う気泡の生成(いわゆる、キャビテーション)が起きにくくなる。
【0026】
換言すると、この水精製装置から供給される水においては、超音波のエネルギーを利用したキャビテーションに起因する当該エネルギーの減衰が生じにくい。そのため、本発明の水精製装置は、超音波を効率よく伝播できる水を提供することが可能である。
【0027】
また、本発明のウエーハの製造方法においては、本発明の水精製装置から供給される水を介して脆化層が形成されたインゴットに超音波が伝播される。そのため、この方法においては、超音波が効率よくインゴットに伝播され、脆化層においてインゴットを劈開させるための所要時間を短くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、水精製装置の一例を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、脱気ユニットの一例を模式的に示す図である。
図3図3は、脱気ユニットの別の例を模式的に示す図である。
図4図4は、測定ユニットの一例を模式的に示す図である。
図5図5は、水精製装置の変形例1を模式的に示すブロック図である。
図6図6は、水精製装置の変形例2を模式的に示すブロック図である。
図7図7は、水精製装置の変形例3を模式的に示すブロック図である。
図8図8は、水精製装置の変形例4を模式的に示すブロック図である。
図9図9は、水精製装置の変形例5を模式的に示すブロック図である。
図10図10(A)は、インゴットの一例を模式的に示す斜視図であり、図10(B)は、図10(A)に示されるインゴットを模式的に示す正面図である。
図11図11は、インゴットからウエーハを製造するウエーハの製造方法の一例を模式的に示すフローチャートである。
図12図12は、脆化層形成工程の様子を模式的に示す斜視図である。
図13図13(A)は、脆化層形成工程後のインゴットを模式的に示す断面図であり、図13(B)は、脆化層形成工程後のインゴットを模式的に示す平面図である。
図14図14は、劈開工程の様子を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、内部を流れる水を精製する水精製装置の一例を模式的に示すブロック図である。なお、図1においては、水の流れが実線の矢印で示されている。図1に示される水精製装置2は、水を濾過して固体粒子を除去するための濾過フィルタ4を有する。
【0030】
この濾過フィルタ4は、例えば、中空糸膜及び/又は不織布等を含む。なお、濾過フィルタ4によって水から除去される固体粒子としては、例えば、インゴットからウエーハを製造する際に生じる加工屑等が挙げられる。また、濾過フィルタ4の下流側には、濾過フィルタ4を通過した水を受けるための濾過水パンが設けられてもよい。
【0031】
さらに、水精製装置2は、並列に設けられた複数の濾過フィルタ4を備えてもよい。この場合、複数の濾過フィルタ4の上流側には、互いに異なる濾過フィルタ4に接続され、かつ、それぞれが対応する濾過フィルタ4に水を供給するための複数の配管が設けられる。
【0032】
また、この場合、複数の濾過フィルタ4の下流側には、複数の濾過フィルタ4のそれぞれを通過した水を受けるための共通の濾過水パンが設けられる。さらに、この場合、複数の濾過フィルタ4のいずれかに水を供給し、かつ、その他の濾過フィルタ4に水を供給しないためのバルブ(濾過フィルタ選択バルブ)が複数の濾過フィルタ4の上流側に設けられてもよい。
【0033】
加えて、一又は複数の濾過フィルタ4の上流側、例えば、濾過フィルタ選択バルブの上流側には、水圧計が設けられてもよい。この水圧計によって測定される水圧は、現に水が供給されている濾過フィルタ4の目詰まりに応じて変化する。
【0034】
そのため、この水圧計によって測定された水圧を参照することによって、濾過フィルタ4の新しいものへの交換、及び/又は、水が供給される濾過フィルタ4を別のものに変更するための濾過フィルタ選択バルブの操作を適切なタイミングで実施することが可能になる。
【0035】
一又は複数の濾過フィルタ4よりも下流には、水に紫外線を照射して殺菌するための殺菌ユニット6が設けられている。すなわち、殺菌ユニット6には、濾過フィルタ4を通過することによって固体粒子の濃度が低減された水が供給される。
【0036】
この殺菌ユニット6は、例えば、配管と、この配管に供給された水に向けて紫外線を照射するための紫外線照射部と、を有する。なお、この配管のうち紫外線照射部から照射される紫外線の光路と重なる部分には、紫外線透過ガラス等の紫外線が透過する材料からなるウィンドウが設けられる。
【0037】
あるいは、この配管は、紫外線が透過する材料によって、その全部が構成されていてもよい。また、この紫外線照射部は、例えば、紫外線ランプ又は紫外線LED(Light-Emitting Diode)等を含む。
【0038】
そして、殺菌ユニット6においては、この配管に水を流しながら配管を介して紫外線照射部から水に紫外線を照射することによって水が殺菌される。さらに、殺菌ユニット6においては、殺菌作用を高めるために、深紫外線、特に、波長が250nm~260nmの深紫外線が利用されることが好ましい。
【0039】
すなわち、殺菌ユニット6は、深紫外線、特に、波長が250nm~260nmの深紫外線を照射可能な深紫外線照部を有することが好ましい。なお、この深紫外線照射部は、例えば、深紫外線ランプ又は深紫外線LED等を含む。
【0040】
また、一又は複数の濾過フィルタ4と殺菌ユニット6との間には、一又は複数の濾過フィルタ4を通過した水を貯蔵するためのタンクと、このタンクに貯蔵された水を殺菌ユニット6に送るためのポンプと、が設けられてもよい。さらに、このタンクには、貯蔵された水を殺菌ユニット6に送ることなく廃棄するための排水バルブが設けられてもよい。
【0041】
殺菌ユニット6よりも下流には、水に含まれる不純物イオンとイオン交換して不純物を除去するためのイオン交換フィルタ8が設けられている。このイオン交換フィルタ8は、例えば、カチオン交換樹脂及び/又はアニオン交換樹脂を含む。
【0042】
なお、カチオン交換樹脂としては、例えば、スルホン酸基を有する強酸性カチオン交換樹脂及びカルボン酸基を有する弱酸性カチオン交換樹脂が挙げられる。また、アニオン交換樹脂としては、例えば、4級アミンを有する強塩基性アニオン交換樹脂及び1級~3級アミンを有する弱塩基性アニオン交換樹脂が挙げられる。
【0043】
また、イオン交換フィルタ8によって水から除去される不純物としては、例えば、Ca(カルシウム)、Na(ナトリウム)又はCl(塩素)等が挙げられる。また、イオン交換フィルタ8の下流側には、イオン交換フィルタ8を通過した水を受けるためのイオン交換水パンが設けられてもよい。
【0044】
さらに、殺菌ユニット6よりも下流には、複数のイオン交換フィルタ8が並列に設けられてもよい。この場合、複数のイオン交換フィルタ8の上流側には、互いに異なるイオン交換フィルタ8に接続され、かつ、それぞれが対応するイオン交換フィルタ8に水を供給するための複数の配管が設けられる。
【0045】
また、この場合、複数のイオン交換フィルタ8の下流側には、複数のイオン交換フィルタ8のそれぞれを通過した水を受けるための共通のイオン交換水パンが設けられる。さらに、この場合、複数のイオン交換フィルタ8のいずれかに水を供給し、かつ、その他のイオン交換フィルタ8に水を供給しないためのバルブ(イオン交換フィルタ選択バルブ)が複数のイオン交換フィルタ8の上流側に設けられてもよい。
【0046】
加えて、一又は複数のイオン交換フィルタ8の下流側、例えば、共通のイオン交換水パンの下流側には、水に含まれる不純物の濃度を検出するための検出器が設けられてもよい。なお、この検出器としては、導電率計又はTDS(Total Dissolved Solid)計等が挙げられる。
【0047】
この検出器によって測定される値は、現に水が供給されているイオン交換フィルタ8のイオン交換の能力に応じて変化する。そのため、この検出器によって測定された値を参照することによって、イオン交換フィルタ8の新しいものへの交換、及び/又は、水が供給されるイオン交換フィルタ8を別のものに変更するためのイオン交換フィルタ選択バルブの操作を適切なタイミングで実施することが可能になる。
【0048】
一又は複数のイオン交換フィルタ8よりも下流には、水を脱気するための脱気ユニット10が設けられている。すなわち、脱気ユニット10には、イオン交換フィルタ8を通過することによって不純物の濃度が低減された水が供給される。
【0049】
なお、超音波を効率よく伝播するためには、脱気ユニット10において水の溶存酸素濃度が、例えば、2.0mg/Lとされることが好ましい。また、一又は複数のイオン交換フィルタ8と脱気ユニット10との間には、この水を脱気ユニット10に送るためのポンプが設けられてもよい。
【0050】
図2は、脱気ユニット10の一例を模式的に示す図である。図2に示される脱気ユニット10は、水を貯めることが可能なチャンバ12と、チャンバ12の内部空間を減圧するための減圧部14と、チャンバ12に流入した水に超音波を付与するための超音波発振部16と、を含む。
【0051】
チャンバ12の側板には、チャンバ12に水を流入させるための流入口12aとチャンバ12から水を流出させるための流出口12bとが形成されている。また、チャンバ12の天板には排気口12cが形成されている。また、減圧部14は、真空ポンプ等を含み、ダクト等を介して排気口12cに連通する。また、超音波発振部16は、超音波振動子等を含み、チャンバ12の底板上に設けられている。
【0052】
そして、図2に示される脱気ユニット10においては、チャンバ12に水が貯められた状態で、例えば、0.2気圧以下に内部空間を減圧するように減圧部14を動作させ、かつ、例えば、0.1MHz~1.0MHzの超音波を発振するように超音波発振部16を動作させる。これにより、水においてキャビテーションが生じるとともに気化した酸素等が排気される、すなわち、水が脱気される。
【0053】
図3は、脱気ユニット10の別の例を模式的に示す図である。図3に示される脱気ユニット10は、複数の中空糸膜18と、複数の中空糸膜18を収容するケース20と、ケース20の内部空間を区画するとともに複数の中空糸膜18の上端部及び下端部にそれぞれ固定されている一対のシール部材22a,22bと、ケース20の内部空間のうち一対のシール部材22a,22bの間に位置する部分(中間部)を排気するための減圧部24と、を含む。
【0054】
複数の中空糸膜18のそれぞれの上端面は、ケース20の内部空間のうちシール部材22aよりも上方に位置する部分(上部)に露出している。同様に、複数の中空糸膜18のそれぞれの下端面は、ケース20の内部空間のうちシール部材22bよりも下方に位置する部分(下部)に露出している。そのため、この内部空間の上部及び下部は、複数の中空糸膜18を介して連通する。
【0055】
また、ケース20の天板及び底板には、ケース20に水を流入させるための流入口20aとケース20から水を流出させるための流出口20bとがそれぞれ形成されている。また、ケース20の側板のうち一対のシール部材22a,22bの間に位置する部分には、排気口20cが形成されている。また、減圧部24は、真空ポンプ等を含み、ダクト等を介して排気口20cに連通する。
【0056】
そして、図3に示される脱気ユニット10においては、複数の中空糸膜18に水が流された状態で、例えば、0.5気圧以下にケース20の内部空間の中間部を減圧するように減圧部24を動作させる。これにより、水に溶存している酸素等が気化するとともに気化した酸素等が中空糸膜18を透過して排気される、すなわち、水が脱気される。
【0057】
脱気ユニット10よりも下流には、水の溶存酸素濃度を測定するための測定ユニット26が設けられている。すなわち、測定ユニット26には、脱気ユニット10において脱気された水が供給される。なお、脱気ユニット10と測定ユニット26との間には、この水を測定ユニット26に送るためのポンプが設けられてもよい。
【0058】
図4は、測定ユニット26の一例を模式的に示す図である。この測定ユニット26は、U字状に延在する配管28と、配管28に流入した水に、例えば、250nm~260nmの波長の深紫外線を照射するための深紫外線照射部30と、配管28に流入した水を透過した深紫外線を受光する受光部32と、を含む。
【0059】
配管28の一端及び他端には、配管28に水を流入させるための流入口28aと外側に水Wを流出させるための流出口28bとがそれぞれ形成されている。また、配管28のうち深紫外線照射部30から受光部32に向かう深紫外線の光路と重なる部分には、深紫外線透過ガラス等の深紫外線が透過する材料からなるウィンドウ28cが設けられる。他方、配管28のウィンドウ28c以外の部分は、迷光を防止するために、金属等の深紫外線を吸収する材料からなることが好ましい。
【0060】
深紫外線照射部30は、深紫外線ランプ又は深紫外線LED等を含む。受光部32は、フォトダイオード等を含む。そして、深紫外線照射部30及び受光部32は、ウィンドウ28cを介して対向するように配置されている。なお、配管28のうち深紫外線照射部30及び受光部32の間に位置する部分は、例えば、その長さが400mm~600mm、代表的には500mmとなり、かつ、その内径が20mm~40mm、代表的には30mmとなる円筒状の形状を有する。
【0061】
そして、測定ユニット26は、配管28に供給された水を透過した深紫外線の強度を参照して溶存酸素濃度を測定する。具体的には、測定ユニット26においては、配管28ののうち深紫外線照射部30及び受光部32の間に位置する部分を水で充満した状態で、この水にウィンドウ28cを介して深紫外線を照射するように深紫外線照射部30を動作させる。
【0062】
これにより、この水の溶融酸素濃度を反映した強度の深紫外線が受光部32において受光される。その結果、測定ユニット26において、水の溶存酸素濃度を測定することが可能になる。
【0063】
図1に示されるように、水精製装置2は、例えば、水を利用して処理を行う水利用装置34との間で水を循環させるように水利用装置34に接続される。すなわち、水精製装置2は、例えば、その最も上流に位置する配管(第1配管)が水利用装置34の排水口に接続され、かつ、その最も下流に位置する配管(第2配管)が水利用装置34の給水口に接続される。
【0064】
そして、水精製装置2は、水利用装置34の排水を精製して水利用装置34に再び供給する。なお、水利用装置34としては、例えば、水を介してインゴットに超音波を伝播させるための超音波装置等が挙げられる。
【0065】
また、水精製装置2の第1配管と水利用装置34の排水口との間には、水利用装置34の排水を水精製装置2に送るためのポンプが設けられてもよい。同様に、水精製装置2の第2配管と水利用装置34の給水口との間には、水精製装置2において精製された水を水利用装置34に送るためのポンプが設けられてもよい。
【0066】
上述した水精製装置2は、水を脱気するための脱気ユニット10を備える。この場合、この水精製装置2から供給される水においては、溶存している酸素等の濃度が低くなり、超音波が付与されたとしてもキャビテーションが起きにくくなる。
【0067】
換言すると、水精製装置2から供給される水においては、超音波のエネルギーを利用したキャビテーションに起因する当該エネルギーの減衰が生じにくい。そのため、水精製装置2は、超音波を効率よく伝播できる水を提供することが可能である。
【0068】
なお、水精製装置2は本発明の水精製装置の一態様であって、本発明の水精製装置は水精製装置2に限定されない。例えば、本発明の水精製装置においては、一又は複数の濾過フィルタ4よりも下流かつ殺菌ユニット6よりも上流、又は、殺菌ユニット6よりも下流かつ一又は複数のイオン交換フィルタ8よりも上流に脱気ユニット10及び測定ユニット26が設けられてもよい。
【0069】
また、本発明の水精製装置は、図5図9のいずれかに示される水精製装置であってもよい。なお、図5図9は、水精製装置の変形例1~5をそれぞれ模式的に示すブロック図である。また、図5~9のそれぞれにおいては、水の流れが実線の矢印で示されている。さらに、図6及び図7のそれぞれにおいては、信号の授受が点線の矢印で示されている。
【0070】
図5に示される水精製装置36は、一又は複数の濾過フィルタ4と、一又は複数の濾過フィルタ4よりも下流に設けられている脱気ユニット10と、脱気ユニット10よりも下流に設けられている殺菌・測定ユニット38と、殺菌・測定ユニット38よりも下流に設けられている一又は複数のイオン交換フィルタ8と、を備える。
【0071】
この殺菌・測定ユニット38は、例えば、図4に示される測定ユニット26と同様の構造を有する。すなわち、水精製装置36においては、深紫外線照射部30から照射される深紫外線が、配管28に供給された水の溶存酸素濃度の測定のみならず、この水の殺菌にも利用されている。そのため、水精製装置36は、深紫外線照射部30を共有する殺菌ユニット及び測定ユニットを備えると表現することもできる。
【0072】
このように構成された水精製装置36は、図1に示される水精製装置2と比較して、その構造が簡素化されており、安価に製造可能な点で好ましい。他方、図1に示される水精製装置2は、水精製装置36と比較して、それぞれに適した構造を有する殺菌ユニット6及び測定ユニット26を備えることができる点で好ましい。
【0073】
図6に示される水精製装置40は、図1に示される水精製装置2の構成要素に加えて、脱気ユニット10の動作条件を調整するためのコントローラ42を備える。このコントローラ42は、プロセッサとメモリとを含む。なお、プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等によって構成される。
【0074】
また、メモリは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリと、SSD(Solid State Drive)(NAND型フラッシュメモリ)又はHDD(Hard Disk Drive)(磁気記憶装置)等の不揮発性メモリとによって構成される。
【0075】
このメモリは、プロセッサにおいて用いられる各種の情報(データ及びプログラム等)を記憶する。例えば、このメモリには、測定ユニット26によって測定された水の溶存酸素濃度との比較に利用される所定の値が記憶されている。具体的には、この所定の値は、超音波を効率よく伝播できる水であるか否かの判定に利用されるしきい値であり、例えば、2.0mg/Lに設定される。
【0076】
そして、水精製装置40においては、測定ユニット26によって測定された水の溶存酸素濃度がメモリに記憶されている所定の値超である場合に溶存酸素濃度が小さくなるように脱気ユニット10の動作条件を変更するためのプログラムをプロセッサがメモリから読み出して実行する。
【0077】
なお、図2に示される脱気ユニット10においては、例えば、超音波発振部16の超音波出力を大きくすることによって水の溶存酸素濃度を小さくできる。また、図3に示される脱気ユニット10においては、例えば、減圧部によって排気される空間の排気速度を大きくすることによって水の溶存酸素濃度を小さくできる。そのため、上述のような場合には、プロセッサは、超音波出力が大きく、かつ/又は、排気速度が大きくなるように脱気ユニット10の動作条件を変更する。
【0078】
このように構成された水精製装置40は、図1に示される水精製装置2と比較して、超音波を効率よく伝播できる水を精度よく提供することが可能である点で好ましい。他方、図1に示される水精製装置2は、水精製装置40と比較して、その構造が簡素化されており、安価に製造可能な点で好ましい。
【0079】
図7に示される水精製装置44は、図1に示される水精製装置2の構成要素に加えて、測定ユニット26よりも下流に設けられているバルブ46と、バルブ46の状態を調整するためのコントローラ48と、を備える。
【0080】
このバルブ46は、測定ユニット26を通過した水を順水路、すなわち、水利用装置34に向かう水路に流入させる順状態、又は、脱気ユニット10に戻すための逆水路に流入させる逆状態のいずれかの状態となる。また、コントローラ48は、図6に示されるコントローラ42と同様のプロセッサ及びメモリを含む。
【0081】
そして、水精製装置44においては、測定ユニット26によって測定された水の溶存酸素濃度がメモリに記憶されている所定の値超である場合にバルブ46を逆状態とし、測定ユニット26によって測定された溶存酸素測定濃度が所定の値以下である場合にバルブ46を順状態とするためのプログラムをプロセッサがメモリから読み出して実行する。
【0082】
このように構成された水精製装置44は、図1に示される水精製装置2と比較して、超音波を効率よく伝播できる水を精度よく提供することが可能である点で好ましい。他方、図1に示される水精製装置2は、水精製装置44と比較して、その構造が簡素化されており、安価に製造可能な点で好ましい。
【0083】
さらに、水精製装置44においては、コントローラ48が、バルブ46の状態を調整するのみならず、図6に示されるコントローラ42と同様に脱気ユニット10の動作条件を調整してもよい。この場合、超音波を効率よく伝播できる水を水精製装置44からさらに精度よく提供することが可能である点で好ましい。
【0084】
図8に示される水精製装置50は、図1に示される水精製装置2の構成要素に加えて、一又は複数のイオン交換フィルタ8よりも下流に設けられている第2濾過フィルタ52と、第2濾過フィルタ52よりも下流かつ脱気ユニット10よりも上流に設けられている温度調整ユニット54と、を備える。
【0085】
第2濾過フィルタ52は、例えば、中空糸膜及び/又は不織布等を含み、水を濾過してイオン交換フィルタ8に由来した固体粒子を除去する。なお、この固体粒子としては、例えば、一又は複数のイオン交換フィルタ8から分離したカチオン交換樹脂及び/又はアニオン交換樹脂の屑等が挙げられる。また、第2濾過フィルタ52の下流側には、第2濾過フィルタ52を通過した水を受けるための第2濾過水パンが設けられてもよい。
【0086】
さらに、水精製装置50は、並列に設けられた複数の第2濾過フィルタ52を備えてもよい。この場合、複数の第2濾過フィルタ52の上流側には、互いに異なる第2濾過フィルタ52に接続され、かつ、それぞれが対応する第2濾過フィルタ52に水を供給するための複数の配管が設けられる。
【0087】
また、この場合、複数の第2濾過フィルタ52の下流側には、複数の第2濾過フィルタ52のそれぞれを通過した水を受けるための共通の第2濾過水パンが設けられる。さらに、この場合、複数の第2濾過フィルタ52のいずれかに水を供給し、かつ、その他の第2濾過フィルタ52に水を供給しないためのバルブ(第2濾過フィルタ選択バルブ)が複数の第2濾過フィルタ52の上流側に設けられてもよい。
【0088】
加えて、一又は複数の第2濾過フィルタ52の上流側、例えば、第2濾過フィルタ選択バルブの上流側には、第2水圧計が設けられてもよい。この第2水圧計によって測定される水圧は、現に水が供給されている第2濾過フィルタ52の目詰まりに応じて変化する。
【0089】
そのため、この第2水圧計によって測定された水圧を参照することによって、第2濾過フィルタ52の新しいものへの交換、及び/又は、水が供給される第2濾過フィルタ52を別のものに変更するための第2濾過フィルタ選択バルブの操作を適切なタイミングで実施することが可能になる。
【0090】
温度調整ユニット54は、例えば、配管と、この配管を冷却するためのクーラと、を有する。なお、この配管のうちクーラに近接した部分には、例えば、金属等の熱伝導率が高い材料からなる冷却部が設けられる。あるいは、この配管は、熱伝導率が高い材料によって、その全部が構成されていてもよい。また、このクーラは、例えば、ペルチェ素子等を含む。
【0091】
そして、温度調整ユニット54においては、この配管に水を流しながら、クーラによって配管を介して水を0°超30°以下に冷却する。さらに、温度調整ユニット54においては、キャビテーションを起きにくくするために、水が、0°超20°以下に調整されることが好ましく、0°超10°以下に調整されることが最も好ましい。
【0092】
このように構成された水精製装置50は、図1に示される水精製装置2と比較して、混入する固体粒子の密度がされに低減され、かつ、超音波をさらに効率よく伝播できる水を提供することが可能である点で好ましい。他方、図1に示される水精製装置2は、水精製装置50と比較して、その構造が簡素化されており、安価に製造可能な点で好ましい。
【0093】
さらに、水精製装置50においては、一又は複数のイオン交換フィルタ8と一又は複数の第2濾過フィルタ52との間、一又は複数の第2濾過フィルタ52と温度調整ユニット54との間、又は、温度調整ユニット54と脱気ユニット10との間の少なくとも1か所に、水を下流側に送るためのポンプが設けられてもよい。
【0094】
図9に示される水精製装置56は、図1に示される水精製装置2の構成要素に加えて、一又は複数の濾過フィルタ4よりも上流に設けられているタンク58を備える。このタンク58は、水利用装置34の排水を貯蔵する。さらに、タンク58には、貯蔵された水を一又は複数の濾過フィルタ4に送ることなく廃棄するための排水バルブが設けられてもよい。
【0095】
このように構成された水精製装置56は、図1に示される水精製装置2と比較して、利便性が向上する点で好ましい。他方、図1に示される水精製装置2は、水精製装置56と比較して、その構造が簡素化されており、安価に製造可能な点で好ましい。さらに、水精製装置56においては、タンク58に貯蔵された水を一又は複数の濾過フィルタ4に送るためのポンプが設けられてもよい。
【0096】
上述した水精製装置2,36,40,44,50,56から供給される水は、例えば、インゴットからウエーハを製造する際に利用される。図10(A)は、インゴットの一例を模式的に示す斜視図であり、図10(B)は、図10(A)に示されるインゴットを模式的に示す正面図である。
【0097】
図10(A)及び図10(B)に示されるインゴット11は、概ね平行な表面(端面)11a及び裏面11bを有する円柱状の単結晶SiCからなる。このインゴット11は、例えば、エピタキシャル成長を利用して製造される。
【0098】
なお、インゴット11は、内部に形成される格子欠陥を少なくするために、単結晶SiCのc軸11cが表面11a及び裏面11bの垂線11dに対して僅かに傾くように、すなわち、単結晶SiCのc面11eと表面11a及び裏面11bとが非平行になるように製造される。
【0099】
例えば、c軸11cと垂線11dとがなす角(オフ角)αは、1°~6°(代表的には、4°)である。なお、図10(A)及び(B)においては、便宜上、1つのc面11eしか示していないが、インゴット11の表面11a及び裏面11bの間には、所定の間隔で多数のc面11eが存在する。
【0100】
さらに、インゴット11の外周領域には、単結晶SiCの結晶方位を示す2つの平部、すなわち、一次オリエンテーションフラット13及び二次オリエンテーションフラット15が形成されている。そして、一次オリエンテーションフラット13は、二次オリエンテーションフラット15よりも長い。
【0101】
また、二次オリエンテーションフラット15は、単結晶SiCのc面11eと表面11a又は裏面11bとが交差する交差線に平行になるように形成されている。なお、インゴット11においては、一次オリエンテーションフラット13及び二次オリエンテーションフラット15の一方又は双方が設けられなくてもよい。
【0102】
図11は、インゴット11からウエーハを製造するウエーハの製造方法の一例を模式的に示すフローチャートである。この方法においては、まず、レーザービームをインゴット11に照射することによって、改質部と改質部から伸展するクラックとを含む脆化層を形成する(脆化層形成工程S1)。
【0103】
図12は、脆化層形成工程S1の様子を模式的に示す斜視図である。なお、図12に示されるX軸方向及びY軸方向は、水平面上において互いに直交する方向であり、また、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)である。
【0104】
脆化層形成工程S1は、例えば、レーザー加工装置60において実施される。このレーザー加工装置60は、円盤状の保持テーブル62を有する。そして、保持テーブル62は、例えば、概ね平坦な円状の上面(保持面)を有し、この保持面においてはポーラス板が露出している。
【0105】
このポーラス板は、保持テーブル62の内部に形成されている連通路等を介してエジェクタ等の吸引源と連通している。そして、この吸引源を動作させると、保持テーブル62の保持面近傍の空間に吸引力が作用する。そのため、例えば、インゴット11が保持テーブル62に置かれた状態で吸引源を動作させると、保持テーブル62の保持面においてインゴット11が保持される。
【0106】
また、保持テーブル62は、例えば、プーリ及びモータ等を含む回転機構(不図示)に連結されている。そして、この回転機構を動作させると、保持面の中心を通り、かつ、Z軸方向に概ね平行な直線を回転軸として保持テーブル62が回転する。
【0107】
また、保持テーブル62は、例えば、ボールねじ及びモータ等を含む水平移動機構に連結されている。そして、この水平移動機構を動作させると、X軸方向及び/又はY軸方向に沿って保持テーブル62が移動する。
【0108】
保持テーブル62の上方には、レーザービーム照射ユニット64のヘッド66が設けられている。このヘッド66は、Y軸方向に沿って延在する連結部68の先端部に設けられている。なお、ヘッド66は集光レンズ及びミラー等の光学系を収容し、連結部68はミラー及び/又はレンズ等の光学系を収容する。
【0109】
また、連結部68の基端部は、例えば、ボールねじ及びモータ等を含む鉛直移動機構に連結されている。そして、この鉛直移動機構を動作させると、Z軸方向に沿ってヘッド66及び連結部68が移動する。
【0110】
また、レーザービーム照射ユニット64は、例えば、レーザー媒質としてNd:YAG等を有し、インゴット11を透過する波長(例えば、1064nm又は1342nm)のパルス状のレーザービームを出射するレーザー発振器を有する。
【0111】
このレーザービームは、連結部68に収容された光学系等を介してヘッド66へと導かれる。そして、ヘッド66に導かれたレーザービームは、ヘッド66に収容された集光レンズを通って保持テーブル62の保持面側に照射される。
【0112】
さらに、連結部68の側方には、保持テーブル62の保持面側を撮像可能な撮像ユニット70が設けられている。この撮像ユニット70は、例えば、LED等の光源と、対物レンズと、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子とを有する。
【0113】
レーザー加工装置60において脆化層形成工程S1を実施する際には、まず、インゴット11の裏面11bの中心と保持テーブル62の保持面の中心とを一致させるようにインゴット11を保持テーブル62に置く。次いで、保持テーブル62の保持面においてインゴット11が保持されるように、保持テーブル62のポーラス板と連通する吸引源を動作させる。
【0114】
次いで、撮像ユニット70による撮像によって形成されたインゴット11の表面11aの画像等に基づいて、二次オリエンテーションフラット15がX軸方向に平行になるように保持テーブル62に連結されている回転機構を動作させる。次いで、平面視において、インゴット11の側面よりも僅かに外側にヘッド66が位置づけられるように水平移動機構を動作させる。
【0115】
次いで、ヘッド66から照射されるレーザービームの集光点がインゴット11の表面11aから製造されるウエーハの厚みに対応する深さに位置づけられるように鉛直移動機構を動作させる。次いで、インゴット11のX軸方向における一端から他端にまでレーザービームが照射されるように水平移動機構及びレーザービーム照射ユニット64を動作させる。
【0116】
すなわち、インゴット11の材料である単結晶SiCのc面11eと表面11aとが交差する交差線に平行な方向に沿って、レーザービームの集光点とインゴット11とを相対的に移動させながらインゴット11にレーザービームを照射する(照射工程)。
【0117】
次いで、Y軸方向に沿ってヘッド66を所定の距離(インデックス)だけ移動させるように水平移動機構を動作させる。すなわち、当該交差線に垂直な方向に沿って、レーザービームの集光点が形成される位置とインゴット11とを相対的に移動させる(インデックス工程)。
【0118】
さらに、インゴット11の全域にレーザービームが照射されるように、照射工程とインデックス工程とを交互に繰り返し実施する。これにより、インゴット11の内部全体に渡って、それぞれがX軸方向に沿った複数列の改質部17が形成される。
【0119】
図13(A)は、脆化層形成工程S1後のインゴット11を模式的に示す断面図であり、図13(B)は、脆化層形成工程S1後のインゴット11を模式的に示す平面図である。
【0120】
脆化層形成工程S1においてインゴット11に改質部17が形成されると、改質部17からc面11eに沿ってクラック19が進展し得る。これにより、改質部17及びクラック19を含む脆化層21がインゴット11に形成される。すなわち、脆化層形成工程S1が完了する。
【0121】
脆化層形成工程S1の後には、上述した水精製装置2,36,40,44,50,56によって精製された水がインゴット11の表面11aに供給された状態で水を介してインゴット11に超音波を伝播させることによって、クラック19をさらに伸展させて脆化層21においてインゴット11を劈開させる(劈開工程S2)。
【0122】
図14は、劈開工程S2の様子を模式的に示す断面図である。劈開工程S2は、例えば、超音波装置72において実施される。この超音波装置72は、上述した水精製装置2,36,40,44,50,56から供給される水Wを貯蔵可能な水槽74を有する。また、水槽74にはテーブル76が設けられており、インゴット11は、例えば、水Wに浸かった状態でテーブル76に置かれる。
【0123】
さらに、超音波装置72は、超音波振動子を含む超音波発振部78を有する。また、この超音波発振部78は、ボールねじ及びモータ等を含む移動機構に連結されている。そして、この移動以降を動作させると、その先端面を水槽74に貯蔵された水Wに接触させることが可能な駆動位置と、この水Wに接触しない退避位置と、の間で超音波発振部78が移動する。
【0124】
超音波装置72において劈開工程S2を実施する際には、まず、上述した水精製装置2,36,40,44,50,56によって精製された水Wを水槽74に貯蔵する。次いで、超音波発振部78を退避位置に位置づけるように移動機構を動作させる。次いで、表面11aが上を向くようにインゴット11をテーブル76に置く。
【0125】
次いで、超音波発振部78を駆動位置に位置づけるように移動機構を動作させる。次いで、超音波を発振するように超音波発振部78を動作させる。そして、この超音波は、水Wを介してインゴット11に伝播される。これにより、脆化層形成工程S1において形成されたクラック19がさらに伸展する。その結果、インゴット11が脆化層21において劈開してインゴット11からウエーハが製造される。
【0126】
また、上述したウエーハの製造方法においては、水精製装置2,36,40,44,50,56から供給される水を介して脆化層21が形成されたインゴット11に超音波が伝播される。そのため、この方法においては、超音波が効率よくインゴット11に伝播され、脆化層21においてインゴット11を劈開させるための所要時間を短くすることが可能である。
【0127】
なお、図14においては、インゴット11の全体が水Wに浸かった状態における劈開工程S2を示したが、劈開工程S2においては、インゴット11の全体を水Wにつけなくてもよい。例えば、超音波装置72においては、インゴット11の表面11aに向けて水Wを供給するノズルが超音波発振部78の近傍に設けられてもよい。
【0128】
そして、劈開工程S2において、このノズルからインゴット11の表面11aに向けて水Wを供給しながら超音波を発振するように超音波発振部78を動作させることによって、インゴット11からウエーハが製造されてもよい。
【0129】
その他、上述した実施形態にかかる構造及び方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【実施例0130】
水の溶存酸素濃度と、この水を介して脆化層が形成されているインゴットに超音波を伝播させることによって脆化層においてインゴットを劈開させるための所要時間と、の関係を調査した。なお、このインゴットを劈開する際には、20°の水に25kHzの超音波を付与した。
【0131】
表1は、上記の調査の結果を示す。
【表1】
【0132】
上記の調査によって、水の溶存酸素濃度が低くなるほどインゴットを劈開するための所要時間が短くなることが確認された。さらに、溶存酸素濃度が1.96mg/L超の場合には、その低下に伴う所要時間の短縮が比較的大きいのに対して、その値が1.96mg/L以下の場合には、その低下に伴う所要時間の短縮が比較的小さいことも分かった。この調査結果及び水を脱気する際の手間を踏まえると、超音波を伝播するための水は、その溶存酸素濃度が2.0mg/L以下になるまで脱気されることが好ましいと考えられる。
【符号の説明】
【0133】
2 :水精製装置
4 :濾過フィルタ
6 :殺菌ユニット
8 :イオン交換フィルタ
10:脱気ユニット
11:インゴット
(11a:表面、11b:裏面、11c:c軸、11d:垂線、11e:c面)
12:チャンバ(12a:流入口、12b:流出口、12c:排気口)
13:一次オリエンテーションフラット
14:減圧部
15:二次オリエンテーションフラット
16:超音波発振部
17:改質部
18:中空糸膜
19:クラック
20:ケース(20a:流入口、20b:流出口、20c:排気口)
21:脆化層
22a,22b:シール部材
24:減圧部
26:測定ユニット
28:配管(28a:流入口、28b:流出口、28c:ウィンドウ)
30:深紫外線照射部
32:受光部
34:水利用装置
36:水精製装置
38:殺菌・測定ユニット
40:水精製装置
42:コントローラ
44:水精製装置
46:バルブ
48:コントローラ
50:水精製装置
52:第2濾過フィルタ
54:温度調整ユニット
56:水精製装置
58:タンク
60:レーザー加工装置
62:保持テーブル
64:レーザービーム照射ユニット
66:ヘッド
68:連結部
70:撮像ユニット
72:超音波装置
74:水槽
76:テーブル
78:超音波発振部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14