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特開2024-130834包装体、収容体、吸収性物品、及び包装体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130834
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】包装体、収容体、吸収性物品、及び包装体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20240920BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61F13/15 220
A61F13/15 142
A61F13/15 140
A61F13/56 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040748
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋野 央
(72)【発明者】
【氏名】西村 規世子
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200BB21
3B200BB24
3B200CA11
3B200DE03
3B200DE10
3B200DF07
3B200DF08
3B200DF09
(57)【要約】
【課題】吸収性物品の使用後に対して吸着性能を発揮できる吸収性物品等を提供する。
【解決手段】包装体(1)は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及びトップシートとバックシートの間に配置された吸収コアを有する吸収性物品(10)と、吸収性物品を個別に包装する包装シート(20)と、を有する。包装体は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤(50)を備える。吸着剤は、吸収性物品と別体であって、包装体において吸収性物品を収容した包装空間(WS)内に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する吸収性物品と、
前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を有する包装体であって、
前記包装体は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備え、
前記吸着剤は、前記吸収性物品と別体であって、前記包装体において前記吸収性物品を収容した包装空間内に設けられている、包装体。
【請求項2】
前記吸収性物品は、着用時に着用物品に止着される止着部を有し、
前記包装体は、前記吸収性物品と前記包装シートの間に配置され、前記吸収性物品の使用前に前記止着部を覆う剥離シートを備え、
前記吸着剤は、前記剥離シートと前記包装シートの間に配置されている、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記吸着剤は、前記剥離シートに接合されず、前記包装シートに接合されている、請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記吸着剤は、前記包装シートに接合されず、前記剥離シートに接合されている、請求項2に記載の包装体。
【請求項5】
前記包装シートと前記剥離シートが重なる領域には、前記包装シートと前記剥離シートが接合された接合領域と、前記包装シートと前記剥離シートが接合されていない非接合領域と、が設けられており、
前記吸着剤は、前記非接合領域と重なって配置されている、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項6】
前記吸収性物品は、幅方向に延びる折り目を基点に二つ折りに折り畳まれており、
前記包装体において前記吸収性物品を取り出す取出口は、前記包装体の前後方向の端部のうち、前記折り目と反対側の端部に設けられるように構成されており、
前記接合領域は、前記折り目を挟んだ前後方向の両側に位置する第1接合領域と第2接合領域を有し、
前記第1接合領域と前記第2接合領域の間には、前記非接合領域が連続して設けられており、
当該非接合領域に重なって、前記止着部及び前記吸着剤が設けられている、請求項5に記載の包装体。
【請求項7】
前記包装シートは、厚み方向の酸素透過度が200cc/m/day/atm以下のシート部材である、請求項1又は請求項2に記載の包装体。
【請求項8】
前記吸収性物品は、使用前に折り目を基点に折り畳まれており、
前記吸着剤は、前記折り目と重ならない領域に配置されている、請求項1又は請求項2に記載の包装体。
【請求項9】
前記吸収性物品は、着用者の健康状態を検査するための検査部材、抗菌剤、及び抗ウイルス剤の少なくともいずれかを含む機能剤を備える、請求項1又は請求項2に記載の包装体。
【請求項10】
前記機能剤と前記吸着剤の間には、前記吸収コアが配置されている、請求項9に記載の包装体。
【請求項11】
液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する吸収性物品と、
前記吸収性物品を複数収容した収容シートと、を備える収容体であって、
前記収容体は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備え、
前記吸着剤は、前記吸収性物品と別体であって、前記収容体において前記吸収性物品を収容した収容空間内に設けられている、収容体。
【請求項12】
前記収容シートは、厚み方向の酸素透過度が200cc/m/day/atm以下のシート部材である、請求項11に記載の収容体。
【請求項13】
液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備え、
前記吸着剤は、前記バックシートよりも非肌側に設けられている、吸収性物品。
【請求項14】
前記吸収性物品は、着用者の健康状態を検査するための検査部材、抗菌剤、及び抗ウイルス剤の少なくともいずれかを含む機能剤を備え、
前記機能剤は、前記バックシートよりも肌側に配置されている、請求項13に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記吸着剤は、前記吸収性物品の非肌面を構成する部材である、請求項13又は請求項14に記載の吸収性物品。
【請求項16】
液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備え、
前記吸収性物品は、着用時に前記バックシートよりも非肌側に配置されるフラップを有し、
前記吸着剤は、前記フラップに設けられている、吸収性物品。
【請求項17】
前記吸着剤は、前記フラップのみに設けられている、請求項16に記載の吸収性物品。
【請求項18】
前記フラップは、使用前に前記吸収性物品の肌側の面を覆うように折り畳まれており、
前記吸着剤の少なくとも一部は、前記フラップの折り畳まれた領域における前記フラップの肌面に配置されている、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項19】
着用時に着用物品に止着される止着部を有する吸収性物品と、前記止着部を覆う剥離シートと、前記剥離シートの前記吸収性物品と反対側の面に接合され、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を有する包装体の製造方法であって、
前記剥離シート及び前記包装シートの一方に、接着剤を付与した接合領域を複数設ける接着付与工程と、
前記複数の接合領域うち、一部の接合領域に吸着剤を接合する吸着剤接合工程と、
前記複数の接合領域のうち他の接合領域を介して、前記剥離シートと前記包装シートを接合するシート接合工程と、を有する、包装体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着剤を有する吸収性物品、吸収性物品を包装した包装体、及び複数の吸収性物品を収容した収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、吸着剤としての吸湿剤を有する吸収性物品が開示されている。特許文献1の吸湿剤は、トップシートと吸収コアの間に配置されている。当該吸収性物品は、排泄された液に対して吸湿性能を発揮し、装着中における蒸れやべたつき等の不快感の発生を抑制するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-132280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の吸収性物品には、以下の問題があった。
特許文献1の吸着剤は、トップシートと吸収コアの間に配置されており、排泄された液が吸収コアに導かれる過程に吸着性能を発揮する。一般的に、吸湿剤等の吸着剤は、無機質又は有機物を吸着するように構成されており、一旦当該物質を吸着すると、繰り返し吸着することが難しい。すなわち、吸着性能は、使用によって徐々に低下する。体液を吸収する過程において吸湿性能を発揮する形態にあっては、吸収性物品の使用中に吸着性能を発揮できるものの、吸収性物品の使用後においては、吸着性能が低下していることが多い。また、使用形態によっては、使用後の吸収性物品を直ぐに廃棄せずに、一旦保管した後に廃棄することがある。このように、使用後の吸収性物品を保管しておく形態にあっては、保管時に臭い等の悪影響が発生し易い。そのため、使用後の吸収性物品における消臭性能等の吸着性能を発揮することが求められている。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、吸収性物品の使用後に対して吸着性能を発揮できる吸収性物品等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に掛かる包装体は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を有する。前記包装体は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備える。前記吸着剤は、前記吸収性物品と別体であって、前記包装体において前記吸収性物品を収容した包装空間内に設けられている。
【0007】
一態様に掛かる収容体は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する吸収性物品と、前記吸収性物品を複数収容した収容シートと、を備える。前記収容体は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備える。前記吸着剤は、前記吸収性物品と別体であって、前記収容体において前記吸収性物品を収容した収容空間内に設けられている。
【0008】
一態様に掛かる吸収性物品は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する。前記吸収性物品は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備える。前記吸着剤は、バックシートよりも非肌側に設けられている。
【0009】
他態様に掛かる吸収性物品は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する。前記吸収性物品は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備える。前記吸収性物品は、着用時に前記バックシートよりも非肌側に配置されるフラップを有する。前記吸着剤は、前記フラップに設けられている。
【0010】
一態様に係る包装体の製造方法は、着用時に着用物品に止着される止着部を有する吸収性物品と、前記止着部を覆う剥離シートと、前記剥離シートの前記吸収性物品と反対側の面に接合され、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を有する包装体の製造方法である。包装体の製造方法は、前記剥離シート及び前記包装シートの一方に、接着剤を付与した接合領域を複数設ける接着付与工程と、前記複数の接合領域うち、一部の接合領域に吸着剤を接合する吸着剤接合工程と、前記複数の接合領域のうち他の接合領域を介して、前記剥離シートと前記包装シートを接合するシート接合工程と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る包装状態の包装体を示した図である。図1(a)は、平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA-A線に沿った模式断面図である。
図2図2は、展開状態の包装体の肌側から見た平面図である。
図3図3は、図2に示すB-B線に沿った模式断面図である。
図4図4は、実施形態に係る包装体における吸収性物品の取出態様を説明するための図である。
図5図5は、第2実施形態に係る収容体の斜視図である。
図6図6は、第3実施形態に係る吸収性物品の断面図である。
図7図7は、第4実施形態に係る吸収性物品の肌側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る発明は、包装体である。包装体は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する吸収性物品と、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を有する。前記包装体は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備える。前記吸着剤は、前記吸収性物品と別体であって、前記包装体において前記吸収性物品を収容した包装空間内に設けられている。本態様によれば、廃棄のために使用後の吸収性物品と吸着剤とを包装空間内に再度収容することで、吸収性物品に対して吸着性能を発揮できる。また、吸着剤は、吸収性物品と別体であって、使用中の吸収性物品に対して吸着性能を発揮し難い。よって、吸着剤の吸着性能を維持し、使用後の吸収性物品に対して吸着性能を発揮できる。
【0013】
好ましい態様によれば、態様2に係る発明は、態様1に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収性物品は、着用時に着用物品に止着される止着部を有する。前記包装体は、前記吸収性物品と前記包装シートの間に配置され、前記吸収性物品の使用前に前記止着部を覆う剥離シートを備える。前記吸着剤は、前記剥離シートと前記包装シートの間に配置されている。本態様によれば、吸収性物品の使用前においては、吸着剤と吸収性物品との間に剥離シートが配置されている。そのため、吸着剤は、使用前の吸収性物品に対して吸着性能を発揮し難く、吸着性能の低下を抑制できる。
【0014】
好ましい態様によれば、態様3に係る発明は、態様1又は態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸着剤は、前記剥離シートに接合されず、前記包装シートに接合されている。本態様によれば、吸着剤が包装空間内に留まり続け、吸着剤の意図しない脱落を抑制できるとともに、使用後の吸収性物品を包装空間に収容することで、包装空間内に吸着剤と吸収性物品を共に配置し、使用後の吸収性物品に対して吸着性能を発揮できる。
【0015】
好ましい態様によれば、態様4に係る発明は、態様1又は態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸着剤は、前記包装シートに接合されず、前記剥離シートに接合されている。本態様によれば、吸着剤が剥離シートに接合されているため、吸着剤の意図しない脱落を抑制できる。また、使用後の吸収性物品を剥離シートによって包むことで、使用後の吸収性物品に対して吸着性能をより発揮できる。
【0016】
好ましい態様によれば、態様5に係る発明は、態様2から態様4のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装シートと前記剥離シートが重なる領域には、前記包装シートと前記剥離シートが接合された接合領域と、前記包装シートと前記剥離シートが接合されていない非接合領域と、が設けられている。前記吸着剤は、前記非接合領域と重なって配置されている。吸収性物品を包装空間から取り出す際は、一般的に、吸収性物品の一部を把持し、包装空間外に吸収性物品を引っ張る。このとき、吸収性物品と共に止着部を介して剥離シートが引っ張られる。剥離シートは、接合領域では、包装シートに接合されており、包装シートに対して離間できず、非接合領域では、包装シートに対して離間可能である。前記非接合領域では、剥離シートが浮き上がり易く、吸着剤は、非接合領域に重なっている。そのため、吸収性物品を一旦取り出した後の状態では、剥離シートと包装シートの間に空間ができ、吸着剤の吸着性能を発揮し易く、使用後の吸収性物品に対して吸着性能をより発揮できる。
【0017】
好ましい態様によれば、態様6に係る発明は、態様5に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収性物品は、幅方向に延びる折り目を基点に二つ折りに折り畳まれている。前記包装体において前記吸収性物品を取り出す取出口は、前記包装体の前後方向の端部のうち、前記折り目と反対側の端部に設けられるように構成されている。前記接合領域は、前記折り目を挟んだ前後方向の両側に位置する第1接合領域と第2接合領域を有する。前記第1接合領域と前記第2接合領域の間には、前記非接合領域が連続して設けられている。当該非接合領域に重なって、前記止着部及び前記吸着剤が設けられている。本態様によれば、第1接合領域と第2接合領域の間において連続する非接合領域において止着部を介して剥離シートを引き出すことができる。非接合領域は、折り目に重なっており、剥離シートの折り目部分を包装シートに対して離間させることができ、吸収性物品を取り出した状態で吸着剤の周囲の空間を広く設け、使用後の吸収性物品に対して吸着性能をより発揮できる。
【0018】
好ましい態様によれば、態様7に係る発明は、態様1から態様6のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記包装シートは、厚み方向の酸素透過度が200cc/m/day/atm以下のシート部材である。本態様によれば、包装シートの酸素透過度が低いため、包装状態における包装空間の密閉性を保ち、吸着剤の吸着性能の低下を抑制し、使用後の吸収性物品に対して吸着性能をより発揮できる。
【0019】
好ましい態様によれば、態様8に係る発明は、態様1から態様7及び態様9から態様18のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収性物品は、使用前に折り目を基点に折り畳まれている。前記吸着剤は、前記折り目と重ならない領域に配置されている。本態様によれば、折り目を基点に折られることに起因して吸着剤が破損することを抑制し、吸着剤の吸着性能を発揮できる。
【0020】
好ましい態様によれば、態様9に係る発明は、態様1から態様8、及び態様10から態様18のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収性物品は、着用者の健康状態を検査するための検査部材、抗菌剤、及び抗ウイルス剤の少なくともいずれかを含む機能剤を備える。本態様によれば、吸収性物品の使用前において、吸着剤の吸着性能によって機能剤の性能の低下を抑制できる。
【0021】
好ましい態様によれば、態様10に係る発明は、態様1から態様9及び態様11から態様18のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記機能剤と前記吸着剤の間には、前記吸収コアが配置されている。吸収コアは、パルプ等の吸収材料を備えており、緩衝材として機能し易い。前記機能剤と吸着剤の間に配置された吸収コアが緩衝材として機能し、機能剤及び吸着剤の意図しない破損を抑制できる。
【0022】
態様11に係る発明は、収容体である。収容体は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する吸収性物品と、前記吸収性物品を複数収容した収容シートと、を備える。前記収容体は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備える。前記吸着剤は、前記吸収性物品と別体であって、前記収容体において前記吸収性物品を収容した収容空間内に設けられている。本態様によれば、収容空間内に吸着剤が設けられているため、使用後の吸収性物品に対して吸着性能を発揮できる。また、吸着剤は、吸収性物品と別体であって、吸収性物品が吸収した体液に対して使用中に吸着性能を発揮しない。よって、収容空間内に配置された使用後の吸収性物品に対して吸着性能を発揮できる。
【0023】
好ましい態様によれば、態様12に係る発明は、態様11に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容シートは、厚み方向の酸素透過度が200cc/m/day/atm以下のシート部材である。収容シートの酸素透過度が低いため、収容空間の密閉性を保ち、吸着剤の吸着性能の低下を抑制し、使用後の吸収性物品に対して吸着性能を発揮できる。
【0024】
態様13に係る発明は、一態様に係る吸収性物品である。一態様に掛かる吸収性物品は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する。前記吸収性物品は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備える。前記吸着剤は、バックシートよりも非肌側に設けられている。排泄された体液は、トップシートから吸収コアに導かれ、吸収コアによって吸収され、吸収性物品の使用中には、バックシートの非肌側に導かれ難い。吸着剤は、吸収コアとバックシートを挟んで配置され、使用中に体液に触れ難く、吸着性能を発揮し難い。よって、使用後に吸収性物品においても、吸着剤の吸着性能の低下が抑制されており、吸着性能を発揮できる。
【0025】
好ましい態様によれば、態様14に係る発明は、態様13に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸収性物品は、着用者の健康状態を検査するための検査部材、抗菌剤、及び抗ウイルス剤の少なくともいずれかを含む機能剤を備える。前記機能剤は、前記バックシートよりも肌側に配置されている。本態様によれば、バックシートを挟んで機能剤と吸着剤が配置される。バックシートによって機能剤と吸着剤の接触を回避でき、機能剤と吸着剤の性能を維持し易い。
【0026】
好ましい態様によれば、態様15に係る発明は、態様13又は態様14に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸着剤は、前記吸収性物品の非肌面を構成する部材である。本態様によれば、吸収性物品の非肌面を外側にした状態で、吸着剤の吸着性能を発揮し易く、例えば、吸収性物品の廃棄時に吸収性物品の肌側を内側にして丸めた状態で吸着性能を発揮し易い。
【0027】
態様16に係る発明は、他態様に係る吸収性物品である。他態様に係る吸収性物品は、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート、及び前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収コアを有する。前記吸収性物品は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤を備える。前記吸収性物品は、着用時に前記バックシートよりも非肌側に配置されるフラップを有する。前記吸着剤は、前記フラップに設けられている。フラップは、使用中にバックシートよりも非肌側に配置されている。吸着剤は、使用中に体液に触れ難く、吸着性能を発揮し難い。よって、使用後に吸収性物品においても、吸着剤の吸着性能の低下が抑制されており、使用後に吸収性物品に対して吸着性能を発揮できる。
【0028】
好ましい態様によれば、態様17に係る発明は、態様16に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記吸着剤は、前記フラップのみに設けられている。吸着剤は、使用中に体液に触れ難いフラップのみに設けられており、吸収性物品の使用時における性能の発揮を抑制できる。そのため、使用後に吸着剤の吸着性能を発揮できる。
【0029】
好ましい態様によれば、態様18に係る発明は、態様16又は態様17に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記フラップは、使用前に前記吸収性物品の肌側の面を覆うように折り畳まれている。吸着剤の少なくとも一部は、前記フラップの折り畳まれた領域における前記フラップの肌面に配置されている。吸収性物品の使用前において、吸着剤は、フラップの折り畳まれた領域と、吸収性物品において折り返されていない領域(フラップ以外の領域)と、に挟まれている。よって、吸着剤の使用前の劣化及び脱落を抑制できる。
【0030】
態様19に係る発明は、一態様に係る包装体の製造方法である。包装体の製造方法は、着用時に着用物品に止着される止着部を有する吸収性物品と、前記止着部を覆う剥離シートと、前記剥離シートの前記吸収性物品と反対側の面に接合され、前記吸収性物品を個別に包装する包装シートと、を有する包装体の製造方法である。包装体の製造方法は、前記剥離シート及び前記包装シートの一方に、接着剤を付与して接合領域を複数設ける接着付与工程と、前記複数の接合領域うち、一部の接合領域に吸着剤を接合する吸着剤接合工程と、前記複数の接合領域のうち他の接合領域を介して、前記剥離シートと前記包装シートを接合するシート接合工程と、を有する。本態様によれば、接着付与工程において、吸着剤を接合する接合領域と、剥離シートと包装シートを接合する接合領域と、を共に設けることができ、別々の工程においてそれぞれの接合領域を設ける形態と比較して、製造工程を簡略化することができる。
【0031】
(2)第1実施形態(包装体の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態は、包装体1である。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。また、断面図においては、説明の便宜上、各構成部材を離間して示しているが、実際の製品においては、各構成部材は当接している。
【0032】
図1は、実施形態に係る包装体1の包装状態を示した図である。図1(a)は、平面図であり、図1(b)は、図1に示すA-A線に沿った模式断面図である。図2は、展開状態の包装体1を肌側T1から見た平面図である。図3は、図2に示すB-B線に沿った断面図である。包装体1は、互いに直交し、かつ平面方向に延びる前後方向L及び幅方向Wと、厚み方向Tと、を有する。前後方向Lは、吸収性物品10の前後方向Lに沿っており、使用者の下腹部に当接する側を「前側」といい、使用者の臀部に当接する側を「後側」という。厚み方向Tは、肌側T1と非肌側T2に延びる。「肌側」は、使用中に着用者の肌に面する側に相当する。「非肌側」は、使用中に着用者の肌とは反対に向けられる側に相当する。
【0033】
包装体1は、吸収性物品10と、吸収性物品10を包装する包装シート20と、吸着剤50と、を少なくとも有する。吸着剤50は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着するように構成されており、消臭性能、吸湿性能等の吸着性能を発揮するように構成されており、乾燥剤及び脱臭剤を例示できる。吸着剤50としては、公知のものを用いることができ、物理吸着するものであってもよく、化学吸着するものであってもよく、例えば、シリカゲル(二酸化ケイ素)、生石灰(酸化カルシウム)、消石灰、塩化カルシウム、活性白土、シリカ・マグネシア製剤、及びシリカを用いることができる。本実施の形態の包装体は、使用後の吸収性物品に対して吸着性能を発揮するように構成されている。好適には、吸着剤は、固体であってよく、気体からなるマスキング剤(臭い消し)でないことが好ましい。吸着剤50は、粒状であってよく、本実施の形態の吸着剤50は、粒状の球体51であり、吸着袋52内に複数収容されている。球体51の吸着剤50によれば、尖った角がないため、吸収性物品10及び包装シート等の破損を抑制できる。また、吸着剤50は、吸着性能を有する球体51のみによって構成されていてもよい。しかし、吸着袋52内に球体51が収容されていることにより、製造時に吸着剤50を適切に配置できる。また、吸収性物品10の取り出し時等に吸着剤50の一部が脱落する等の不具合を抑制し、吸着剤50を適切な位置に配置し続け、また使用者が吸着剤50を取り扱いし易い。また、吸着剤は、液状であって塗布されていてもよい。
【0034】
吸収性物品10は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、糞便パッド、母乳パッド、使い捨ておむつ、ショーツ型ナプキン等の吸収性物品であってよい。吸収性物品10は、下着のような着用物品に装着されて使用される物品であってもよいし、着用物品に装着されずに使用される吸収性物品であってもよい。実施形態の吸収性物品10は、着用物品に装着されて使用されるパンティライナーである。
【0035】
吸収性物品10は、液透過性のトップシート11、液不透過性のバックシート12及び吸収コア13を含んでよい。トップシート11は、吸収コア13よりも肌側T1に配置され、着用者に当接するシートである。トップシート11は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造を有する任意のシート状の材料から構成されてよい。バックシート12は、吸収コア13よりも非肌側T2に配置され、着用物品に当接するシートである。バックシート12は、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。
【0036】
図3等に示すように、吸収性物品10は、吸収性物品10を下着等の着用物品に止着するための止着部15を有している。止着部15は、バックシート12の非肌面に配置され、吸収性物品10を下着等の着用物品に止着するための止着手段(例えば、粘着剤)が設けられた領域である。本実施の形態の止着部15は、幅方向Wに延び、かつ前後方向Lに間隔を空けて複数設けられている。なお、変形例において、止着部15は、前後方向Lに延び、幅方向Wに間隔を空けて複数設けられてよい。
【0037】
吸収コア13は、トップシート11とバックシート12の間に配置されている。吸収コア13は、液体を吸収する吸収材料によって構成されてよい。吸収コア13を構成する吸収材料は、例えば、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)を例示できる。吸収コア13は、少なくともパルプを有する。吸収性物品10は、吸収コア13を覆うコアラップシート(図示せず)を有してよい。コアラップシートは、例えば不織布やティッシュから構成することができる。
【0038】
包装シート20は、吸収性物品を個別に包装するシートであり、不織布、又はフィルムによって構成されてよい。包装シート20は、包装体1の密封性を確保するために、通気性が低いことが好ましく、好適には、フィルムによって構成されてよい。展開状態において包装シート20は、矩形状であり、前後方向Lに沿う一対の前後側辺21と、幅方向Wに沿う一対の幅側辺22と、を有する。前後側辺21は、包装シート20の外側縁を構成し、幅側辺22は、包装シート20の外端縁を構成する。本実施の形態の包装体1は、吸収性物品10と包装シート20の間に配置された剥離シート30を有している。剥離シート30は、吸収性物品10の使用前において止着部15を覆う。変形例において、包装体1は、剥離シート30を有していなくてもよい。剥離シート30を有しない形態にあっては、包装シート20が吸収性物品10の止着部15を覆ってよい。剥離シート30は、紙の基材と、当該基材に付された離型剤と、を有してよい。離型剤は、シート表面の摩擦係数を低くできるものであってよく、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、四フッ化エチレン系樹脂を例示できる。
【0039】
包装シート20と剥離シート30は、接合領域25において接合されてよい。接合領域25は、前後方向Lに間隔を空けて複数設けられている。本実施形態の接合領域25は、剥離シート30の前端部に重なる第1接合領域251と、剥離シート30の後端部に重なる第2接合領域252と、を有する。第1接合領域251と第2接合領域252は、折り目FLを挟んだ前後方向Lの両側に位置してよい。第1接合領域251と第2接合領域252の間には、非接合領域が連続して設けられてよい。第1接合領域251及び第2接合領域252以外の領域は、包装シート20と剥離シート30が接合されていない非接合領域である。非接合領域は、第1接合領域251と第2接合領域252の間の領域のみならず、第1接合領域251よりも前側の領域、第2接合領域252よりも後側の領域、及び接合領域25よりも幅方向Wの外側の領域も含む。
【0040】
ここで、本発明における外側部とは、幅方向Wにおける外側縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Wにおける外側縁である。なお、前後方向に一定の範囲を占める構成部材の外側縁は、当該構成部材において幅方向の外側に位置する点を、構成部材全体に亘って繋いだ縁である。本発明における内側部とは、幅方向Wにおける内縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Wにおける内縁である。なお、前後方向に一定の範囲を占める構成部材の内側縁は、当該構成部材において幅方向の内側に位置する点を、構成部材全体に亘って繋いだ縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、前後方向Lにおける縁を含む前後方向Lに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、前後方向Lにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでおり、外端縁は、前端縁及び後端縁を含んでいる。また、内側辺は、内側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。外側辺は、外側縁を含み、かつ前後方向Lに沿って延びる辺である。なお、本明細書において、「前後方向Lに沿って」という用語は、前後方向Lに対して45°未満の角度を持った方向を意味し、「幅方向Wに沿って」という用語は、幅方向Wに対して45°未満の角度を持った方向を意味する。
【0041】
包装体1は、包装シート20及び吸収性物品10が共に折り畳まれることによって、包装シート20によって吸収性物品10を個別に包装した包装状態となる。なお、剥離シート30を有する形態にあっては、剥離シート30も共に折り畳まれてよい。包装シート20及び吸収性物品10は、幅方向Wに沿った折り目FLを基点に二つ折りに折り畳まれてよい。折り目FLは、1本であり、吸収性物品10の前後方向Lの中心近傍に位置してよい。折り目FLを基点に折り畳まれた状態で、包装シート20は、4辺によって囲まれた略矩形状であり、4辺のうち折り目FLによって形成された側辺以外の3辺には、互いに重なる包装シート20同士が接合された包装接合部が設けられている。包装接合部は、幅側辺22同士を接合する第1包装接合部231と、包装シート20の幅方向Wの中心に対する一方側に位置する前後側辺21同士を接合した第2包装接合部232と、包装シート20の幅方向の中心に対する他方側に位置する前後側辺21同士を接合した第3包装接合部233と、を有する。包装接合部の幅は、適宜設定できるが、密封性を確保するため5mm以上であることが好ましい。
【0042】
包装接合部は、溶着、接着剤等、周知の方法を用いることができる。第2包装接合部232の一端は、第1包装接合部231に連なり、第2包装接合部232の他端は、折り目FLに連なってよい。また、第3包装接合部233の一端は、第1包装接合部231に連なり、第3包装接合部233の他端は、折り目FLに連なってよい。このように連なって包装接合部が設けられていることにより、包装体1は、密封された状態となる。包装状態において、包装体1には、吸収性物品10を収容可能な包装空間WSが形成されている。包装空間WSは、包装シート20の内面によって挟まれた空間であり、平面視にて、折り目FLと、第1包装接合部231と、第2包装接合部232と、第3包装接合部233と、によって囲まれている。包装状態において、包装シート20には、吸収性物品10を取り出す取出口を形成するための切り込み線27が形成されている。本実施の形態では、前後側辺21から幅方向Wの内側に向かって延びている。切り込み線27は、第1包装接合部231及び第2包装接合部232が設けられた領域内に形成されている。使用者は、切り込み線27を基点に包装シート20を切断することで、第1包装接合部231及び第2包装接合部232の少なくとも一方が切断され、包装空間WSが開放され、取出口(図4参照)5が形成される。取出口5は、包装状態における包装体1の前後方向Lの端部のうち、折り目FLと反対側の端部に設けられてよい。これにより、使用者は、吸収性物品10を取り出す際に、折り目FLと反対側である吸収性物品10の前端部又は後端部を把持して、吸収性物品10を取り出すことができる。
【0043】
図4は、包装体1の包装空間WSから吸収性物品10を取り出す態様の一例を模式的に示した図である。使用者は、包装体1から吸収性物品10を取り出す際は、包装状態の包装シート20の一部を切断し、取出口5を形成する。図4(a)は、取出口5が形成された状態である。使用者は、取出口5から指等を挿入し、吸収性物品10を把持し、包装空間WS外に引っ張る。図4(b)は、吸収性物品の一部(前端部)が引っ張られて包装空間WS外に向けて移動した状態である。更に、使用者が吸収性物品10を引っ張ると、吸収性物品10は、包装空間WS外に取り出される。図4(c)は、吸収性物品の前端部及び後端部の両方を把持して吸収性物品10を引っ張り、吸収性物品が包装空間WS外に取り出された状態である。このとき、吸収性物品10と剥離シート30が止着部15を介して接合されているため、剥離シート30が吸収性物品10と共に包装空間WS外に引き出されることがある。しかし、剥離シート30と包装シート20が接合領域25を介して接合されているため、吸収性物品10と共に剥離シート30が包装シート20から分離されず、剥離シート30と包装シート20が接合された状態が維持される。なお、吸収性物品の取り出し態様は、図4に示す形態に限定されない。例えば、吸収性物品の前端部及び後端部の一方を把持して吸収性物品を引っ張って、吸収性物品を取り出してもよい。当該態様によれば、当該引っ張る側の位置する接合領域(例えば、前端部を引っ張る際は、第1接合領域251)の接合が解除され、剥離シート30と包装シート20が分離し、剥離シートの一方側(例えば、前端部側)が包装空間外に引き出され、剥離シートの他方側が包装空間内に留まっていてもよい。
【0044】
実施の形態の包装体1は、使用後の吸収性物品10に対して吸着性能を発揮できるように構成されている。吸着剤50は、吸収性物品10と別体であって、包装体1において吸収性物品10を収容した包装空間WS内に設けられている。吸収性物品10の使用前(包装体1の開封前)にあっては、包装空間WS内に、吸収性物品10と、吸着剤50と、が共に収容されている。そのため、使用前の吸収性物品10に対して吸着効果を発揮できる。また、使用者によっては、吸収性物品10を交換するため、使用後の吸収性物品10を廃棄する際に、新たに使用する吸収性物品10が包装されていた包装空間WS内に入れることが行われている。このとき、包装空間WS内に吸着剤50と吸収性物品10が共に収容されるため、使用後の吸収性物品10に対して吸着性能を発揮できる。また、吸着剤50は、吸収性物品10と別体であって、吸収性物品10が吸収した体液に対して使用中に吸着性能を発揮しない。よって、吸着剤50の吸着性能を維持し、使用後の吸収性物品10に対して吸着性能を発揮できる。よって、包装空間WS内に配置された使用後の吸収性物品10に対して吸着性能を効果的に発揮できる。
【0045】
吸着剤50は、包装空間WS内に接合されてよい。吸着剤50は、包装体1から吸収性物品10を取り出す通常の使用態様で、包装空間WS内に留まるように接合されていればよく、過大な力を掛けた際に、包装空間WS外に取り出されてもよい概念である。吸着剤50は、包装シート20に対して接合されていてもよいし、剥離シート30に接合されていてもよい。吸着剤50が包装空間WS内に接合されていることにより、吸収性物品10の取り出し時等に意図せずに吸着剤50が包装空間WS外に出ることを抑制し、包装空間WS内に収容された使用後の吸収性物品10に対して吸着効果を発揮できる。
【0046】
吸着剤50は、吸収性物品10と別体であればよく、吸収性物品10に接合されていてもよい。なお、吸収性物品10に吸着剤50が接合された形態にあっては、吸収性物品10の使用中に吸着剤50を分離させるために、吸着剤50は、着脱可能に吸収性物品10に接合されていてよい。吸着剤50は、吸収性物品10において肌に触れる面(トップシート)に接しないように配置されていることが好ましく、例えば、吸収性物品10の非肌面(バックシートの非肌面)に仮接合されていてもよい。吸収性物品10の肌面に接しない位置に吸着剤50を配置することで、吸収性物品において肌に触れる面が吸着剤によって傷つくことを抑制できる。なお、吸収性物品10が機能剤18(後述)を有する形態にあっては、機能剤18と吸着剤50が直に接しないように吸着剤50を配置することが好ましい。
【0047】
吸着剤50は、包装状態において、剥離シート30と包装シート20の間に配置されてよい。吸収性物品10の使用前においては、吸着剤50と吸収性物品10との間には、剥離シート30が配置されている。そのため、使用前の吸収性物品10に対して吸着剤50が性能を発揮し難く、吸着性能の低下を抑制できる。また、吸着剤50が剥離シート30と包装シート20に挟まれているため、包装体1を開封する際に、吸着剤50自体の破損を防止できる。本実施の形態のように、止着部15が吸収コア13と重なる領域のみに配置された形態にあっては、肌側T1から非肌側T2に向かって順に、剥離シート30と、吸着剤50と、包装シート20と、が積層されてよい。また、変形例において、吸収コア13よりも幅方向Wの外側に延出するフラップ(ウイング、ヒップフラップを含む)を有し、当該フラップが止着部を有する形態にあっては、当該フラップは、使用前に吸収性物品10の肌側T1に折り畳まれており、当該折り畳まれた状態のフラップの止着部を覆うフラップ剥離シートを有する。吸着剤50は、フラップ剥離シートの非肌側の面(吸収性物品と反対側の面)に接合されていてもよい。
【0048】
剥離シート30と包装シート20の間に配置された吸着剤50は、剥離シート30に接合されず、包装シート20に接合されてよい。本実施の形態では、固定部29を介して包装シート20の内面(剥離シート側の面)に接合されている。本態様によれば、包装体1から吸収性物品10を取り出す際に、吸収性物品10の止着部15によって剥離シート30が引っ張られ、剥離シート30が包装空間WS外に飛び出してしまうことがある。このとき、吸着剤50が包装シート20に接合されていることにより、吸着剤50が包装空間WS内に留まり続け、吸着剤50の意図しない脱落を抑制できるとともに、包装空間WS内に入れられた使用後の吸収性物品10に対して吸着性能を発揮できる。
【0049】
変形例において、剥離シート30と包装シート20の間に配置された吸着剤50は、包装シート20に接合されず、剥離シート30に接合されてよい。吸着剤50が剥離シート30に接合されているため、吸着剤50の意図しない脱落を抑制できる。また、使用後の吸収性物品10を剥離シート30によって包むことで、使用後の吸収性物品10に対して吸着性能をより発揮できる。また、吸着剤50が包装シート20に接合されていないため、包装体1を開封する前の包装体1の持ち運び時等に包装体1が擦れる場合においても、包装シート20が撓み易く、包装体1の破損を抑止できる。
【0050】
更に、他の変形例において、吸着剤50は、包装空間WS内において接合されずに配置されていてもよい。吸着剤50が接合されていないため、使用者は、自らの使用態様に応じて吸着剤50の配置を適宜変更し、吸着剤50を所望の態様で用いることができる。具体的には、廃棄時に、包装シートを用いず、廃棄袋、トイレットペーパー等別の廃棄用の部材を用いる場合、廃棄用の部材と共に吸着剤50を使用することができる。または、使用者は、体液を吸収した吸収性物品自体に吸着剤50を重ねて配置することもできる。また、吸着剤50は、包装空間WS内において接合されていない形態にあっては、吸着剤50は、吸収性物品10の肌側T1に配置されていてよい。本態様によれば、使用者は、吸収性物品10の使用前等に吸着剤50の存在を把握し易い。よって、吸着性能を発揮する吸着剤があることを認識し、使用後における臭い等の悪影響に対する効果を期待することができる。
【0051】
吸着剤50は、非接合領域と重なって配置されてよい。すなわち、吸着剤50は、接合領域25と重ならない領域に配置されてよい。なお、吸着剤50は、少なくとも包装状態で非接合領域と重なって配置されてよい。吸収性物品10を包装空間WSから取り出す際は、一般的に、吸収性物品10の一部を把持し、包装空間WS外に吸収性物品10を引っ張る。このとき、吸収性物品10と共に止着部15を介して剥離シート30が引っ張られる。剥離シート30は、接合領域25では、包装シート20に接合されており、包装シート20に対して離間できず、非接合領域では、包装シートに対して離間可能であり、止着部15を介して包装空間WS外に向けて移動する。非接合領域では、剥離シート30が浮き上がり易い。吸収性物品10を一旦取り出した後の状態では、剥離シート30と包装シート20の間に空間ができ易い。吸着剤50が非接合領域に重なっているため、吸着剤50の吸着性能を発揮し易く、使用後の吸収性物品10に対して吸着性能を発揮できる。
【0052】
第1接合領域251と第2接合領域252の間には非接合領域が連続して設けられてよく、連続した非接合領域に重なって、止着部15及び吸着剤50が設けられてよい。図4に示すように、使用者が吸収性物品10の前端部又は後端部を把持して引っ張ると、吸収性物品10と共に剥離シート30が引っ張られる。このとき、接合領域25では、剥離シート30が包装シート20に接合されており、接合領域25と重なる領域又はその近傍で、剥離シート30が止着部15から剥離する。しかし、接合領域25よりも包装空間WS側(本実施の形態では折り目FL側)では、剥離シート30と止着部15が接合したまま、吸収性物品10と剥離シート30が引っ張られる。特に、折り目FLを挟んだ前後方向Lの両側に止着部15が設けられている形態にあっては、折り目FLを挟んだ前後方向Lの両側において、吸収性物品10と剥離シート30が引っ張られる。このとき、第1接合領域251と第2接合領域252の間には、非接合領域が連続して設けられており、当該非接合領域に重なって止着部15が設けられているため、当該非接合領域の全体に亘って剥離シート30が吸収性物品10と共に引っ張られる。剥離シート30が浮き上がったり、剥離シート30が包装空間WS外に飛び出したりして、剥離シート30と包装シート20の間に空間を形成し易くなる。また、非接合領域は、折り目FLに重なっており、剥離シート30の折り目部分を包装シート20に対して離間させることができる。非接合領域に重なって吸着剤50が設けられているため、吸着剤50の周囲の空間を広く設けることができ、使用後の吸収性物品10を包装空間WS内に再度収容した際に、吸着剤50の吸着性能を効果的に発揮できる。
【0053】
包装シート20は、厚み方向Tの酸素透過度が200cc/m2/day/atm以下のシート部材であってよい。包装シート20の酸素透過度が低いため、包装状態における包装空間WSの密閉性を保ち、吸着剤50の吸着性能の低下を抑制し、使用後の吸収性物品に対して吸着性能を発揮できる。このような包装シートとしては、例えば、EVOH樹脂(エチレン‐ビニルアルコール共重合樹脂)、PET(ポリエステル)、アルミニウム、ポリビニルアルコール、ナイロン、等で形成されたシート部材を用いることができる。本実施形態の包装シート20は、アルミラミネート資材(PET12/AL6/CPP30)を例示できる。包装シートの酸素透過度は、例えば、23℃、0%RH条件下のクーロメトリック法(MOCON法)等の周知の方法で測定することができる。
【0054】
吸着剤50は、折り目FLと重ならない領域に配置されてよい。吸収性物品10が複数の折り目を基点に折り畳まれる形態にあっては、いずれの折り目にも重ならないように、吸着剤50が配置されてよい。当該構成によれば、折り目FLを基点に折られることに起因して吸着剤50が破損することを抑制し、吸着性能を発揮できる。また、折り目FLと吸着剤50が重ならない状態を維持するために、吸着剤50は、包装シート20及び剥離シート30のいずれかに接合されていることが好ましい。
【0055】
吸収性物品10は、機能剤18を有してよい。機能剤18は、着用者の健康状態を検査するための検査部材、抗菌剤、及び抗ウイルス剤の少なくともいずれかを含む。吸収性物品の使用前において、吸着剤50の吸着性能によって、機能剤18の性能の低下を抑制できる。本実施の形態の吸収性物品10は、機能剤18としての検査部材を有する。本実施の形態では、吸着剤50としての吸湿剤が水分を吸着することで、検査部材の使用前の反応を抑制することができる。検査部材は、着用者の健康状態(を示す色)を指示薬により表示する部材であってよく、例えば、特開2020-022585号公報に記載の検査部材を適用できる。検査部材は、トップシート11と吸収コア13の間に配置されてよい。抗菌剤及び抗ウイルス剤は、無機化合物(無機系抗菌剤、無機系抗ウイルス剤)であってよい。無機化合物は、一般的に生物に対して有害であることが少ないため、抗菌性及び抗ウイルス性を向上させつつ、吸収性物品の安全性を向上させることができる。また、無機系抗菌剤及び無機系抗ウイルス剤は、有機系抗菌剤及び有機系抗ウイルス剤より抗菌機能及び抗ウイルス機能を発揮することができる対象物が多く、細菌・カビ・酵母・ウイルス等に対して効果を発揮することができる。また、無機系抗菌剤及び無機系抗ウイルス剤は、有機系抗菌剤及び有機系抗ウイルス剤より抗菌機能及び抗ウイルス機能の持続期間が長い。さらに、無機系抗菌剤及び無機系抗ウイルス剤は、水、熱等によって蒸発・分解する恐れが低く、有機溶媒等によって溶出する可能性も低い。そのため、無機系抗菌剤及び無機系抗ウイルス剤は、有機系抗菌剤及び有機系抗ウイルス剤より、取扱いが容易であり、且つ、生物に対してより安全であるため、収容される吸収性物品10の安全性を向上させることができる。抗菌・抗ウイルス剤としては、例えば、Ag、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、ゼオライト、酸化チタンなどの無機物を含む化合物が好ましい、好適には、銀イオンを含む抗菌剤且つ抗ウイルス剤を用いてよい。
【0056】
機能剤18と吸着剤50の間には、吸収コア13が配置されてよい。本実施の形態では、図1に示す包装状態において、機能剤18としての検査部材と吸着剤50が厚み方向Tに重なっており、検査部材と吸着剤50の間に吸収コア13が配置されている。吸収コア13は、パルプ等の吸収材料を備えており、緩衝材として機能し易い。機能剤18と吸着剤50の間に配置された吸収コア13が緩衝材として機能し、機能剤及び吸着剤の意図しない破損を抑制できる。
【0057】
次いで、このように構成された包装体の製造方法の一例について説明する。包装体の製造方法は、接着付与工程と、吸着剤接合工程と、シート接合工程と、を少なくとも有する。包装体の製造方法は、接着付与工程と、吸着剤接合工程と、シート接合工程と、を少なくとも有していればよく、その他の製造工程は、公知の技術を用いることができる。接着付与工程は、剥離シート30及び包装シート20の一方に、接着剤を付与した接合領域を複数設ける。接合領域は、平面視において間隔を空けて複数配置する。吸着剤接合工程は、接着付与工程よりも後の工程であり、複数の接合領域うち、一部の接合領域に吸着剤50を接合する。吸着剤50を接合する一部の接合領域は、1個の接合領域であってもよいし、複数の接合領域であってもよい。シート接合工程は、接着付与工程及び吸着剤接合工程よりも後の工程であり、複数の接合領域のうち他の接合領域を介して、剥離シート30と包装シート20を接合する。本態様によれば、接着付与工程において、吸着剤を接合する接合領域と、剥離シートと包装シートを接合する接合領域と、を共に設けることができ、別々の工程においてそれぞれの接合領域を設ける形態と比較して、製造工程を簡略化することができる。本実施の形態では、剥離シート及び包装シート20の一方に対して、第1接合領域251、第2接合領域252及び固定部29に対応する接着剤を塗布する。次いで、固定部29に対応する接着剤に吸着剤50を接合する。そして、第1接合領域251及び第2接合領域252に対応する接着剤を介して、包装シート20と剥離シート30を接合する。
【0058】
(3)第2実施形態(収容体の実施形態)
次いで、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、収容体100である。なお、以下の実施形態の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。図5は、収容体100の斜視図である。収容体100は、吸収性物品10と、吸収性物品10を複数収容した収容シート110と、吸着剤50と、を有する。吸収性物品10は、液透過性のトップシート11、液不透過性のバックシート12と、及びトップシート11とバックシート12の間に配置された吸収コア13を有していればよい。第2実施形態の吸収性物品10は、上述の第1実施形態と同様の吸収性物品10であってよい。収容シート110は、複数の吸収性物品10を収容空間内に収容している。収容シート110は、矩形状、又は袋状に成形されていてよく、収容体100の密封性を確保できるように、通気性が低いことが好ましい。収容シート110としては、樹脂製のフィルムを例示できる。
【0059】
収容体100は、使用後の吸収性物品10に対して吸着性能を発揮できるように構成されている。収容体100は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着する吸着剤50を有する。吸着剤50は、吸収性物品10と別体であって、収容体100において吸収性物品10を収容した収容空間AS内に設けられている。使用者によっては、使用後の吸収性物品10を廃棄する際に、収容空間AS内に一時的に入れることが行われている。このとき、収容空間AS内に吸着剤50が設けられているため、使用後の吸収性物品10に対して吸着性能を発揮できる。また、吸着剤50は、吸収性物品10と別体であって、吸収性物品10が吸収した体液に対して使用中に吸着性能を発揮しない。よって、収容空間AS内に配置された使用後の吸収性物品10に対して吸着性能を発揮できる。
【0060】
収容シート110は、厚み方向Tの酸素透過度が200cc/m/day/atm以下のシート部材であってよい。本態様によれば、収容シート110の酸素透過度が低いため、収容空間ASの密閉性を保ち、吸着剤50の吸着性能の低下を抑制し、使用後の吸収性物品10に対して吸着性能をより発揮できる。
【0061】
吸着剤50は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着するように構成されていればよく、第1実施形態と同様の吸着剤50であってもよい。また、収容体100は、包装シート20によって個別に包装された包装体1を収容空間ASに収容してよい。又は、収容体100は、包装シート20によって個別に包装されずに吸収性物品10同士が積層された積層体を収容空間ASに収容してもよい。好適には、収容空間ASに包装体1の状態で収容されていることにより、吸収性物品10の使用前に、吸着剤50が吸収性物品10に対して機能し難く、吸収性物品10の使用後に吸着剤50の吸着性能をより発揮できる。
【0062】
第2実施形態の吸収性物品10は、後述する第3実施形態及び第4実施形態に係る吸収性物品(吸着剤50を有する吸収性物品)であってもよいし、第3実施形態及び第4実施形態とは異なる吸収性物品(吸着剤50を有しない吸収性物品)であってもよい。また、包装体1を収容空間ASに収容する形態にあっては、包装体は、第1実施形態に係る包装体(吸収性物品と別体の吸着剤を有する包装体)であってもよいし、第1実施形態とは異なる包装体(吸収性物品と別体の吸着剤を有しない包装体)であってもよい。
【0063】
(4)第3実施形態及び第4実施形態(吸収性物品の実施形態)
次いで、第3実施形態及び第4実施形態について説明する。第3実施形態及び第4実施形態は、吸着剤50を有する吸収性物品10X、10Yである。吸着剤50は、無機物及び有機物の少なくとも一方に吸着するものであればよく、第1実施形態等と同様の構成であってよい。なお、第3実施形態及び第4実施形態の吸着剤は、吸収性物品10と別体でなく、吸収性物品10に設けられているため、吸収性物品の使用時に違和感が生じ難い形状が好ましい。例えば、吸着剤は、シート状であってもよいし、球体であってもよいし、固形でなく、液体又は流体で塗布されていてもよい。吸着剤50は、吸収性物品を構成するシート(トップシート、バックシート、コアラップシート等)によって構成されていてもよい。
【0064】
図6に基づいて、第3実施形態の吸収性物品10Xについて説明する。図6は、図2に示すB-B線に沿った断面を基準とした吸収性物品10Xの断面図である。吸収性物品10Xは、バックシート12よりも非肌側T2に位置する吸着剤50Xを有する。本実施の形態の吸着剤は、シート状である。吸着剤50Xは、止着部15を構成する接着剤の一部に接合しており、当該接着剤を介して吸収性物品に接合されている。
【0065】
吸着剤50Xは、液不透過性のバックシート12よりも非肌側に配置されている。排泄された体液は、トップシート11から吸収コア13に導かれ、吸収コア13によって吸収され、吸収コア13よりも非肌側T2には液不透過性のバックシート12が配置されている。すなわち、体液は、吸収性物品10の使用中には、バックシート12の非肌側T2に導かれ難い。吸着剤50は、吸収コア13とバックシート12を挟んで配置され、使用中に体液に触れ難く、吸着性能を発揮し難い。よって、使用後に吸収性物品10Xにおいても、吸着剤50Xの吸着性能の低下が抑制されており、吸着性能を発揮できる。
【0066】
機能剤18は、バックシート12よりも肌側T1に配置されてよい。バックシート12を挟んで機能剤18と吸着剤50Xが配置されている。バックシート12によって機能剤18と吸着剤50Xの接触を回避でき、また、バックシート12は、液不透過性であり、体液等の水分の通過も回避できる。よって、機能剤18と吸着剤50Xのそれぞれの性能を維持できる。よって、機能剤18は、使用前に性能を発揮でき、吸着剤50Xは、使用後に性能を発揮できる。
【0067】
吸着剤50Xは、吸収性物品10Xの非肌面を構成する部材であってよい。すなわち、吸収性物品10Xは、吸着剤50Xの非肌側T2を覆う部材を有していなくてよい。当該構成によれば、吸収性物品10の非肌面を外側にした状態で、吸着剤50Xの吸着性能を発揮し易く、例えば、吸収性物品10の廃棄時に吸収性物品10の肌側T1を内側にして丸めた状態で吸着性能を発揮し易い。また、本実施の形態のように、止着部15を有する吸収性物品10Xにあっては、吸着剤50Xは、吸収性物品の使用時にバックシート12と着用物品の間に挟まれ、その劣化や破損を抑制することができる。
【0068】
次いで、図7に基づいて、第4実施形態の吸収性物品10Yについて説明する。図7は、第4実施形態に係る吸収性物品10Yの肌側から見た平面図である。吸収性物品10Yは、フラップとしてのウイング16を有し、吸着剤50Yは、ウイング16に付されている。ウイング16は、着用時に吸収性物品の非肌側に折り返されるように構成されていればよく、着用物品の非肌面に止着するように構成されてよい。第4実施形態において、吸着剤50Yは、ウイング16に配置されている。ウイング16は、使用中に吸収性物品10の非肌側T2に折り返される。吸着剤50Yは、使用中に体液に触れ難く、吸着性能を発揮し難い。よって、使用後に吸収性物品10においても、吸着剤50Yの吸着性能の低下が抑制されており、吸着性能を発揮できる。なお、第4実施形態においては、フラップとしてウイングが設けられているが、フラップは、ウイングに限定されず、使用時にバックシート12よりも非肌側T2に配置されるものであればよい。フラップは、テープ型の使い捨ておむつに設けられ、ファスニングテープが止着されたフラップ部であってもよい。フラップは、着用時に吸収性物品の非肌面側に折り返されることでバックシートの非肌側T2に配置されるものであってもよいし、着用時に吸収性物品の非肌面側に折り返されずに吸収性物品の非肌面を覆うように配置されることでバックシートの非肌側T2に配置されるものであってもよい。
【0069】
本実施の形態の吸収性物品は、トップシートとして、吸収コアの幅方向の中央に配置されたセンターシート11Cと、センターシートの外側部を覆い、かつセンターシート11Cよりも幅方向Wの外側に延出したサイドシート11Sと、を有する。吸着剤は、ウイングの肌面を構成するシート(サイドシート)に塗布されている。また、他の吸着剤としては、第1実施形態のように、吸収性物品と別体の吸着剤50であってよく、当該別体の吸着剤をフラップに固定してもよい。
【0070】
吸着剤50Yは、ウイング16のみに設けられてよい。すなわち、吸着剤50Yは、使用時に吸収性物品の非肌側に折り返される領域のみに設けられていてよい。本態様によれば、吸着剤50Yは、使用中に体液に触れ難いウイング16のみに設けられており、吸収性物品10の使用時における性能の発揮を抑制できる。そのため、使用後に吸着剤の吸着性能を発揮できる。
【0071】
ウイング16は、使用前に吸収性物品の肌側の面を覆うように折り畳まれてよい。吸着剤50Yの少なくとも一部は、ウイング16の折り畳まれた領域におけるウイング16の肌面に配置されてよい。吸収性物品の使用前において、吸着剤50Yは、ウイング16の折り返した領域と、吸収性物品において折り返されていない領域と、に挟まれている。よって、吸着剤50Yの使用前の劣化及び脱落を抑制できる。また、機能剤18を有する形態にあっては、機能剤18の少なくとも一部は、ウイング16の折り畳まれた領域によって覆われてよい。当該構成によれば、吸収性物品の使用前においてウイングによって機能剤18を保護することができる。
【0072】
吸収性物品10Yにおいて、吸着剤50Yは、トップシート11よりも肌側に配置されてよい。又は、吸着剤50Yは、トップシート11に配置されてよい。吸着剤50Yは、吸収性物品の肌面を構成する部材であってよい。すなわち、吸収性物品10Yは、吸着剤50Yの肌側T1を覆う部材を有していなくてよい。本態様によれば、使用者は、使用前及び着用時に、吸着剤50Yの存在を把握し易い。よって、吸着性能を発揮する吸着剤50Yの存在を認識し、使用後における臭い等の悪影響に対する効果を期待することができる。
【0073】
(5)その他の実施形態
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0074】
第2実施形態の収容体の吸収性物品、第3実施形態の吸収性物品10X、第4実施形態の吸収性物品10Yにおいても、第1実施形態の吸収性物品10と同様の構成を採用できる。例えば、吸収性物品は、機能剤を有していてもよい。吸収性物品の使用時、及び使用前の包装状態において、機能剤と吸着剤の間には、吸収コアが配置されてよい。
【0075】
また、第1実施形態から第4実施形態において、吸着剤50は、機能剤18と重ならない位置に設けられてよい。機能剤18及び吸着剤50が厚みを有する場合に機能剤18及び吸着剤50が重なっていると、周囲よりも厚みが厚い部分が形成され、製造時や持ち運び時に厚い部分に外力が掛かり易い。しかし、吸着剤50は、機能剤18と重ならない位置に設けられていることにより、局所に外力が掛かることを抑制でき、機能剤18及び吸着剤50の機能を発揮できる。
【0076】
第1実施形態から第4実施形態において、吸着剤50は、廃棄時に吸収性物品を丸めた状態を維持する後処理テープ、及び廃棄時や着用時に吸収性物品の形状を維持するフック部材に重ならない位置に設けられてよい。吸着剤が後処理テープ及びフック部材に重ならない位置に設けられていることにより、局所に外力が掛かることを抑制でき、機能剤18及び吸着剤50の機能を発揮できる。
【0077】
第2実施形態の収容体の吸着剤、第3実施形態の吸着剤50X、第4実施形態の吸着剤50Yにおいても、第1実施形態の吸着剤50と同様の構成を採用できる。また、吸着剤は、吸収性物品を折る折り目と重ならない領域に配置されてよい。折り目は、第1実施形態のように1つであってもよいし、複数(2つ以上)であってもよい。複数の折り目を有する形態にあっては、吸着剤は、いずれの折り目によっても折り畳まれていなくてよい。
【0078】
また、吸着剤50の寸法(吸着袋を有する形態にあっては、吸着袋を含んだ寸法)は、剥離シート30の幅方向Wの長さよりも短くてよい。吸着剤50の寸法が剥離シート30の幅方向Wの長さよりも短い態様では、剥離シート30よりも肌側T1に吸着剤50を配置することにより、包装体の外側から吸着剤50が視認され難く、使用者が吸着剤50の存在を気づき難くなる。吸着剤50の寸法は、10mm~30mm×20mm~50mmであってよい。吸着剤50は、吸着効果を発揮する球体51自体が吸着袋52から脱落しないように構成されていることが好ましい。そのため、吸着袋52は、穴、切れ込み、脆弱部等、脱落に繋がる構造を有していないことが好ましい。
【符号の説明】
【0079】
1 :包装体
10 :吸収性物品
10X :吸収性物品
10Y :吸収性物品
11 :トップシート
12 :バックシート
13 :吸収コア
15 :止着部
16 :ウイング(フラップ)
18 :機能剤
20 :包装シート
25 :接合領域
251 :第1接合領域
252 :第2接合領域
30 :剥離シート
50、50X、50Y :吸着剤
100 :収容体
110 :収容シート
AS :収容空間
FL :折り目
L :前後方向
T :厚み方向
T1 :肌側
T2 :非肌側
W :幅方向
WS :包装空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7