(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024130854
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】リードブロック、回転コネクタ装置、及び、リードブロックの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 4/58 20060101AFI20240920BHJP
H01R 35/04 20060101ALI20240920BHJP
H01R 43/20 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01R4/58 C
H01R35/04 F
H01R43/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040784
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142871
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 哲昌
(74)【代理人】
【識別番号】100094743
【弁理士】
【氏名又は名称】森 昌康
(74)【代理人】
【識別番号】100175628
【弁理士】
【氏名又は名称】仁野 裕一
(72)【発明者】
【氏名】荒川 隼人
(72)【発明者】
【氏名】安達 亮一
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】南部 真吾
【テーマコード(参考)】
5E063
【Fターム(参考)】
5E063HA01
5E063HB12
5E063HB13
5E063HB16
5E063XA01
5E063XA20
(57)【要約】
【課題】リードブロックの組立を容易とする。
【解決手段】リードブロック30は、リードブロック本体31、第1バスバー32A、及び、第2バスバー32Bを備える。リードブロック本体31は、電気絶縁材料を含む。第1バスバー32Aは、第1接続ピン33Aと第1導体接続部34Aとを接続する第1中間部35Aを含む。第2バスバー32Bは、第2接続ピン33Bと第2導体接続部34Bとを接続する第2中間部35Bを含む。リードブロック本体31は、第1開口31H1を有する。第1中間部35Aおよび第2中間部35Bの少なくとも1つは、第1方向D1から見た場合に少なくとも部分的に第1開口31H1から露出する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁材料を含むリードブロック本体と、
部分的に前記リードブロック本体内に設けられ導電材料を含む第1バスバー及び第2バスバーと、を備え、
前記第1バスバーは、前記リードブロック本体から露出し外部電気ケーブルのコネクタと電気的に接続可能な第1接続ピンと、電気ケーブルの第1導体に電気的に接続されるように前記リードブロック本体から露出する第1導体接続部と、前記第1接続ピンと前記第1導体接続部とを連結する第1中間部とを含み、
前記第2バスバーは、前記リードブロック本体から露出し前記外部電気ケーブルのコネクタと電気的に接続可能な第2接続ピンと、前記電気ケーブルの第2導体に電気的に接続されるように前記リードブロック本体から露出する第2導体接続部と、前記第2接続ピンと前記第2導体接続部とを連結する第2中間部とを含み、
前記第1接続ピンと前記第2接続ピンとは、第1方向に並び、
前記第1導体接続部は、前記第1方向を向く第1露出面と、前記第1露出面上に設けられ前記電気ケーブルの前記第1導体に電気的に接続されるように構成される第1接続部と、を含み、
前記第2導体接続部は、前記第1方向を向く第2露出面と、前記第2露出面上に設けられ前記電気ケーブルの前記第2導体が電気的に接続されるように構成される第2接続部と、を含み、
前記リードブロック本体は、第1開口を有し、
前記第1中間部および前記第2中間部の少なくとも1つは、前記第1方向から見た場合に少なくとも部分的に前記第1開口から露出する、
リードブロック。
【請求項2】
前記リードブロック本体は、前記第1方向を向く第1面と、前記第1方向を向く第2面と、を有し、
前記第2面は、前記第1方向において前記第1面の裏側に設けられ、
前記第1開口は、前記第1面上に設けられる、
請求項1に記載のリードブロック。
【請求項3】
前記リードブロック本体は、前記第2面上に設けられる第2開口を有し、
前記第1中間部および前記第2中間部の少なくとも1つは、前記第1方向から見た場合に少なくとも部分的に前記第2開口から露出する、
請求項2に記載のリードブロック。
【請求項4】
前記第1中間部および前記第2中間部は、前記第1方向から見た場合に少なくとも部分的に前記第1開口から露出する、
請求項1に記載のリードブロック。
【請求項5】
前記第1中間部は、前記第1方向から見た場合に少なくとも部分的に前記第2開口から露出し、
前記第2中間部は、前記第1方向から見た場合に前記第2開口から露出しない、
請求項3に記載のリードブロック。
【請求項6】
前記第1導体接続部と前記第2導体接続部とは、前記第1方向に垂直な第2方向に離間して配置される、
請求項1に記載のリードブロック。
【請求項7】
前記第1中間部は、前記第1方向および前記第2方向に垂直な第3方向に定義される第1幅を有し、
前記第1接続ピンは、前記第3方向に定義される第1ピン幅を有し、
前記第1幅は、前記第1ピン幅よりも大きい、
請求項1に記載のリードブロック。
【請求項8】
前記第2中間部は、前記第1方向および前記第2方向に垂直な第3方向に定義される第2幅を有し、
前記第2接続ピンは、前記第3方向に定義される第2ピン幅を有し、
前記第2幅は、前記第2ピン幅よりも大きい、
請求項1に記載のリードブロック。
【請求項9】
前記第1接続ピンおよび前記第2接続ピンは、前記リードブロック本体から前記第2方向に突出する、
請求項1に記載のリードブロック。
【請求項10】
前記第1バスバーは、前記第1方向から見た場合に少なくとも部分的に前記第2バスバーと重畳するように配置される、
請求項1に記載のリードブロック。
【請求項11】
前記第1開口から露出される前記第1中間部は、前記第1方向から見た場合に少なくとも部分的に前記第2中間部と重畳するように配置される、
請求項4に記載のリードブロック。
【請求項12】
導電性材料から成り、互いに垂直な縦方向と横方向と厚さ方向とを有する平板を用意し、
前記縦方向に延び、外部電気ケーブルのコネクタと電気的に接続可能な第1接続ピンと、電気ケーブルの第1導体に電気的に接続するように構成される第1導体接続部と、前記第1導体接続部から前記横方向に延びる折り曲げ部と、前記折り曲げ部から縦方向に延び、前記第1導体接続部と連結する第1中間部とを含む第1バスバーと、前記縦方向に延び、外部電気ケーブルのコネクタと電気的に接続可能な第2接続ピンと、電気ケーブルの第2導体に電気的に接続するように構成される第2導体接続部と、前記第2接続ピンと前記第2導体接続部とを連結し、前記縦方向に延びる第2中間部とを含む第2バスバーと、前記第1導体接続部と前記第2導体接続部とを連結し、前記第1導体接続部の前記横方向の幅及び前記第2導体接続部の前記横方向の幅よりも短い前記横方向の幅を有する連結部と、を有し、前記第1接続ピンと前記第2接続ピンとが前記横方向に並び、前記第1導体接続部と前記連結部と前記第2導体接続部とが前記縦方向に並ぶように配置されたバー集合体を、前記平板から打ち抜き、
前記バー集合体を、前記折り曲げ部を前記厚さ方向に折り曲げて、前記第1接続ピンと前記第2接続ピンとが並ぶ第1方向に見て、前記第1中間部と前記第2中間部とがそれぞれの一部において重畳するように形成されたバー折り曲げ体を形成し、
前記連結部の少なくとも一部と、前記第1中間部の前記第2中間部と前記第1方向において重畳する第1重畳部分と、前記第1重畳部分と隣接する前記第1中間部の第1非重畳部分と、前記第2中間部の一部とを外部に露出させる鋳型に前記バー折り曲げ体を入れ、
前記第2中間部の一部と、前記第1非重畳部分を第1押さえによって固定し、
前記第1重畳部分と前記第1非重畳部分とを前記第1方向における前記第1押さえの反対側において第2押さえによって固定し、
前記鋳型に電気絶縁材料を含む樹脂を流し込み、鋳型と前記第1押さえと前記第2押さえを除くことによってリードブロック本体を成型し、
前記連結部を切断して、前記第1バスバーと前記第2バスバーとを電気的に絶縁させる、
ことを含む、リードブロックの製造方法。
【請求項13】
ステータと、
前記ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられるロテータと、
請求項1から11のいずれか1項に記載の前記リードブロックと、
前記リードブロックの前記第1接続部及び前記第2接続部に電気的に接続される前記電気ケーブルと、
を備える回転コネクタ装置。
【請求項14】
ステータと、
前記ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられるロテータと、
請求項12に記載の製造方法で製造された前記リードブロックと、
前記リードブロックの前記第1接続部及び前記第2接続部に電気的に接続される前記電気ケーブルと、
を備える回転コネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に開示される技術は、リードブロック、回転コネクタ装置、及び、リードブロックの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のバスバーと複数の導体接続部とが同一面上に存在するリードブロックを有する回転コネクタ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2022/260035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願に開示される技術の課題は、複数のバスバーと複数の導体接続部とが同一面上に存在しない場合であっても、組立が容易なリードブロック、組立が容易なリードブロックの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の特徴によれば、リードブロックは、リードブロック本体、第1バスバー、及び、第2バスバーを備える。リードブロック本体は、電気絶縁材料を含む。第1バスバー及び第2バスバーは、部分的にリードブロック本体内に設けられ導電材料を含む。第1バスバーは、リードブロック本体から露出し外部電気ケーブルのコネクタと電気的に接続可能な第1接続ピンと、電気ケーブルの第1導体に電気的に接続されるようにリードブロック本体から露出する第1導体接続部と、第1接続ピンと第1導体接続部とを接続する第1中間部とを含む。第2バスバーは、リードブロック本体から露出し外部電気ケーブルのコネクタと電気的に接続可能な第2接続ピンと、電気ケーブルの第2導体に電気的に接続されるようにリードブロック本体から露出する第2導体接続部と、第2接続ピンと第2導体接続部とを接続する第2中間部とを含む。第1接続ピンと第2接続ピンとは、第1方向に並ぶ。第1導体接続部は、第1方向を向く第1露出面と、第1露出面上に設けられ電気ケーブルの第1導体に電気的に接続されるように構成される第1接続部と、を含む。第2導体接続部は、第1方向を向く第2露出面と、第2露出面上に設けられ電気ケーブルの第2導体が電気的に接続されるように構成される第2接続部と、を含む。リードブロック本体は、第1開口を有する。第1中間部および第2中間部の少なくとも1つは、第1方向から見た場合に少なくとも部分的に第1開口から露出する。
【0006】
第1の特徴に係るリードブロックでは、リードブロック本体を成形の際に、第1開口に第1中間部と第2中間部とのうちの少なくとも1つを固定する治具を取り付けることができるので、アラインメントの精度を向上させることができる。
【0007】
第2の特徴によれば、第1の特徴に係るリードブロックにおいて、第1方向を向く第1面と、第1方向を向く第2面と、を有する。第2面は、第1方向において第1面の裏側に設けられる。第1開口は、第1面上に設けられる。
【0008】
第3の特徴によれば、第1の特徴に係るリードブロックにおいて、リードブロック本体は、第2面上に設けられる第2開口を有する。第1中間部および第2中間部の少なくとも1つは、第1方向から見た場合に少なくとも部分的に第2開口から露出する。
【0009】
第2、第3の特徴に係るリードブロックは、第1開口と第2開口によって両側から挟み込むように、第1中間部と第2中間部とのうちの少なくとも1つを固定することができるので、アラインメントの精度をさらに向上させることができる。
【0010】
第4の特徴によれば、第1から第3のいずれか1つの特徴に係るリードブロックにおいて、第1中間部および第2中間部は、第1方向から見た場合に少なくとも部分的に第1開口から露出する。
【0011】
第4の特徴に係るリードブロックでは、第2開口にそれぞれ1つの治具を挿入すれば、第1中間部の少なくとも一部と第2中間部の少なくとも一部との両方を固定することができるので、アラインメントのための作業工数をさらに低減することができる。
【0012】
第5の特徴によれば、第3の特徴に係るリードブロック、または第3の特徴を含む第4の特徴に係るリードブロックにおいて、第1中間部は、第1方向から見た場合に少なくとも部分的に第2開口から露出する。第2中間部は、第1方向から見た場合に第2開口から露出しない。
【0013】
第5の特徴に係るリードブロックでは、第2開口を第1開口と同様に、第1中間部の少なくとも一部と第2中間部の少なくとも一部との両方を固定する場合に比べて電気絶縁材料の量を減らすことができるので、低コストにリードブロックを製造することができる。
【0014】
第6の特徴によれば、第1から第5のいずれか1つの特徴に係るリードブロックにおいて、第1導体接続部と第2導体接続部とは、第1方向に垂直な第2方向に離間して配置される。
【0015】
第6の特徴に係るリードブロックでは、第2方向における第1導体接続部と第2導体接続部との間で互いに切断することによって電気的に絶縁することができる。
【0016】
第7の特徴によれば、第1から第6のいずれか1つの特徴に係るリードブロックにおいて、第1中間部は、第1方向および第2方向に垂直な第3方向に定義される第1幅を有する。第1接続ピンは、第3方向に定義される第1ピン幅を有する。第1幅は、第1ピン幅よりも大きい。
【0017】
第7の特徴に係るリードブロックでは、第1幅が第1ピン幅よりも大きいため、第1バスバーを固定しやすくなり、第1バスバーのアライメントの精度を向上させることができる。
【0018】
第8の特徴によれば、第1から第7のいずれか1つの特徴に係るリードブロックにおいて、第2中間部は、第1方向および第2方向に垂直な第3方向に定義される第2幅を有する。第2接続ピンは、第3方向に定義される第2ピン幅を有する。第2幅は、第2ピン幅よりも大きい。
【0019】
第8の特徴に係るリードブロックでは、第2幅が第2ピン幅よりも大きいため、第2バスバーを固定しやすくなり、第2バスバーのアライメントの精度を向上させることができる。
【0020】
第9の特徴によれば、第1から第8のいずれか1つの特徴に係るリードブロックにおいて、第1接続ピンおよび第2接続ピンは、リードブロック本体から第2方向に突出する。
【0021】
第9の特徴に係るリードブロックでは、外部電気ケーブルのコネクタと、電気ケーブルとが干渉しにくい形で接続することができる。
【0022】
第10の特徴によれば、第1から第9のいずれか1つの特徴に係るリードブロックにおいて、第1バスバーは、第1方向から見た場合に少なくとも部分的に第2バスバーと重畳するように配置される。
【0023】
第10の特徴に係るリードブロックでは、第1バスバーと第2バスバーとのアラインメントを、第1バスバーと第2バスバーとの間の部材によって効率よく行うことができる。
【0024】
第11の特徴によれば、第4の特徴に係るリードブロックにおいて、第1開口から露出される第1中間部は、第1方向から見た場合に少なくとも部分的に第2中間部と重畳するように配置される。
【0025】
第11の特徴に係るリードブロックでは、第1中間部と第2中間部の重畳する部分で、且つ、第1開口から視認できる領域に電気絶縁材料を成形することにより、第1バスバーと第2バスバーとをさらにしっかり固定することになり第1バスバーと第2バスバーとのアラインメントをさらに向上させることができる。
【0026】
第12の特徴によれば、リードブロックの製造方法は、導電材料から成り、互いに垂直な縦方向と横方向と厚さ方向とを有する平板を用意することを含む。当該製造方法は、縦方向に延び、外部電気ケーブルのコネクタと電気的に接続可能な第1接続ピンと、電気ケーブルの第1導体に電気的に接続する第1導体接続部と、第1導体接続部から横方向に延びる折り曲げ部と、折り曲げ部から縦方向に延び、第1接続ピンと第1導体接続部とを連結する第1中間部とを含む第1バスバーと、縦方向に延び、外部電気ケーブルのコネクタと電気的に接続可能な第2接続ピンと、電気ケーブルの第2導体に電気的に接続する第2導体接続部と、第2接続ピンと第2導体接続部とを連結し、縦方向に延びる第2中間部とを含む第2バスバーと、第1導体接続部と第2導体接続部とを連結し、第1導体接続部の横方向の幅及び第2導体接続部の横方向の幅よりも短い横方向の幅を有する連結部とを有し、第1接続ピンと第2接続ピンとが横方向に並び、第1導体接続部と連結部と第2導体接続部とが縦方向に並ぶように配置されたバー集合体を、平板から打ち抜くことを含む。当該製造方法は、バー集合体を、折り曲げ部を厚さ方向に折り曲げて、第1接続ピンと第2接続ピンとが並ぶ第1方向に見て、第1中間部と第2中間部とがそれぞれの一部において重畳するように形成されたバー折り曲げ体を形成することを含む。当該製造方法は、連結部の少なくとも一部と、第1中間部の第2中間部と第1方向において重畳する第1重畳部分と、第1重畳部分と隣接する第1中間部の第1非重畳部分と、第2中間部の一部とを外部に露出させる鋳型にバー折り曲げ体を入れることを含む。当該製造方法は、第2中間部の一部と、第1非重畳部分を第1押さえによって固定することを含む。当該製造方法は、第1重畳部分と第1非重畳部分とを第1方向における第1押さえの反対側において第2押さえによって固定することを含む。当該製造方法は、鋳型に電気絶縁材料を含む樹脂を流し込み、鋳型と第1押さえと第2押さえを除くことによってリードブロック本体を成型することを含む。当該製造方法は、連結部を切断して、第1バスバーと第2バスバーとを電気的に絶縁させることを含む。
【0027】
第8の特徴に係るリードブロックの製造方法では、リードブロック本体の成型時に2つの押さえによって第1バスバーと第2バスバーとを固定し、成形後に取り外すため、リードブロック本体を成形しやすく、第1バスバーと第2バスバーとのアラインメントを精度よく行うことができる。
【0028】
第13の特徴によれば、回転コネクタ装置は、ステータ、ロテータ、第1から第11の特徴のいずれか1つに係るリードブロック、および電気ケーブルを備える。ロテータは、ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられる。電気ケーブルは、リードブロックの第1接続部及び第2接続部に電気的に接続される。
【0029】
第13の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1から第11の特徴のいずれか1つに係るリードブロックを備えるので、組立が容易な回転コネクタ装置を提供することにある。
【0030】
第14の特徴によれば、回転コネクタ装置は、ステータ、ロテータ、第7の特徴に係る製造方法によって製造されたリードブロック、および電気ケーブルを備える。ロテータは、ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられる。電気ケーブルは、リードブロックの第1接続部及び第2接続部に電気的に接続される。
【0031】
第14の特徴に係る回転コネクタ装置では、第12の特徴に係る製造方法によって製造されたリードブロックを備えるので、組立が容易な回転コネクタ装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0032】
本願に開示される技術であれば、組立が容易なリードブロック、組立が容易なリードブロックの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、実施形態に係る回転コネクタ装置の上面である。
【
図6】
図6は、リードブロック本体を除いた第1バスバーと第2バスバーとの斜視図である。
【
図7】
図7は、リードブロック本体を除いた第1バスバーと第2バスバーとの背面図である。
【
図8】
図8は、リードブロック本体を除いた第1バスバーと第2バスバーとの側面図である。
【
図9】
図9は、第2方向から見た第1導体接続部側面と第1切断面との拡大図である。
【
図10】
図10は、第2方向から見た第2導体接続部側面と第2切断面との拡大図である。
【
図12】
図12は、
図3に示すリードブロックの製造方法を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、
図12における第1押さえ、第2押さえによる固定工程を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。図中において同じ符号は、対応するまたは同一の構成を示している。
【0035】
図1に示すように、回転コネクタ装置2は、ステータ10およびロテータ20を含む。ロテータ20は、ステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能である。ステータ10は、車体に取り付けられるように構成される。ロテータ20は、ステアリングホイールに連結されるように構成される。
【0036】
回転コネクタ装置2は、リードブロック30を含む。ステータ10およびロテータ20の少なくとも1つは、コネクタホルダ50を含む。リードブロック30は、コネクタホルダ50に取り付け可能である。
【0037】
本実施形態では、コネクタホルダ50は、第1コネクタホルダ51と、第1コネクタホルダ51とは異なる第2コネクタホルダ52と、を含む。第2コネクタホルダ52は、第1コネクタホルダ51から離れて配置される。ステータ10は、第1コネクタホルダ51を含む。ロテータ20は、第2コネクタホルダ52を含む。
【0038】
さらに、回転コネクタ装置2は、第3電気コネクタ60を含む。本実施形態では、回転コネクタ装置2は、複数の第3電気コネクタ60を含む。ステータ10に取り付けられる第3電気コネクタ60は、第3電気コネクタ60Aとも称し得る。ロテータ20に取り付けられる第3電気コネクタ60は、第3電気コネクタ60Bとも称し得る。なお、第3電気コネクタ60の総数は、2つに限定されない。第3電気コネクタ60は回転コネクタ装置2から省略されてもよい。第3電気コネクタ60Aおよび60Bの少なくとも1つは回転コネクタ装置2から省略されてもよい。
【0039】
回転コネクタ装置2は、第4電気コネクタ62を含む。本実施形態では、回転コネクタ装置2は、複数の第4電気コネクタ62を含む。ステータ10に取り付けられる第4電気コネクタ62は、第4電気コネクタ62Aとも称し得る。ロテータ20に取り付けられる第4電気コネクタ62は、第4電気コネクタ62Bとも称し得る。なお、第4電気コネクタ62の総数は、2つに限定されない。第4電気コネクタ62は回転コネクタ装置2から省略されてもよい。第4電気コネクタ62Aおよび62Bの少なくとも1つは回転コネクタ装置2から省略されてもよい。
【0040】
ステータ10は、第3コネクタホルダ53を含む。第3電気コネクタ60Aは、第3コネクタホルダ53に取り付け可能である。第4電気コネクタ62Aは、第3コネクタホルダ53に取り付け可能である。
【0041】
ロテータ20は、第4コネクタホルダ54を含む。第3電気コネクタ60Bは、第4コネクタホルダ54に取り付け可能である。第4電気コネクタ62Bは、第4コネクタホルダ54に取り付け可能である。
【0042】
図2に示すように、ステータ10およびロテータ20は、回転軸線A1を取り囲むように設けられたケーブル収容空間70を形成する。例えば、ケーブル収容空間70は、環状であり、回転軸線A1に対して周方向D5に延びている。
【0043】
回転コネクタ装置2は、電気ケーブル71、72、73、および74を含む。電気ケーブル71、72、73、および74は、可撓性を有する。電気ケーブル71、72、73、および74の例は、フレキシブルフラットケーブルを含む。
【0044】
電気ケーブル71の第1端部は、第1電気コネクタ29A(
図1参照)に電気的に接続される。電気ケーブル71の第2端部(後述する第1導体71A)は、リードブロック30(
図1参照)に電気的に接続される。電気ケーブル71は、第1電気コネクタ29Aおよびリードブロック30(
図1参照)を電気的に接続する。第1電気コネクタ29Aは、第1コネクタホルダ51に取り付け可能である。
【0045】
電気ケーブル72の第1端部は、第2電気コネクタ49A(
図1参照)に電気的に接続される。電気ケーブル72の第2端部(後述する第2導体72A)は、リードブロック30(
図1参照)に電気的に接続される。電気ケーブル72は、第2電気コネクタ49Aおよびリードブロック30(
図1参照)を電気的に接続する。第2電気コネクタ49Aは、第1コネクタホルダ51に取り付け可能である。
【0046】
電気ケーブル73の第1端部は、第3電気コネクタ60A(
図1参照)に電気的に接続される。電気ケーブル73の第2端部は、第3電気コネクタ60B(
図1参照)に電気的に接続される。電気ケーブル73は、第3電気コネクタ60Aおよび60B(
図1参照)を電気的に接続する。
【0047】
電気ケーブル74の第1端部は、第4電気コネクタ62A(
図1参照)に電気的に接続される。電気ケーブル74の第2端部は、第4電気コネクタ62B(
図1参照)に電気的に接続される。電気ケーブル74は、第4電気コネクタ62Aおよび62B(
図1参照)を電気的に接続する。
【0048】
図3~
図5に示すように、リードブロック30は、リードブロック本体31、第1バスバー32A、及び、第2バスバー32Bを含む。リードブロック本体31は、電気絶縁材料を含む。第1バスバー32A、及び、第2バスバー32Bは、部分的にリードブロック本体31内に設けられ導電材料を含む。第1バスバー32Aは、第1接続ピン33A、第1導体接続部34A、及び、第1中間部35Aを含む。第2バスバー32Bは、第2接続ピン33B、第2導体接続部34B、及び、第2中間部35Bを含む。
【0049】
第1接続ピン33Aは、リードブロック本体31から露出し、外部電気ケーブルEXTのコネクタCNT(
図3参照)と電気的に接続可能である。第2接続ピン33Bは、リードブロック本体31から露出し、外部電気ケーブルEXTのコネクタCNT(
図3参照)と電気的に接続可能である。第1接続ピン33Aと第2接続ピン33Bとは、第1方向D1に並ぶ。第1接続ピン33Aおよび第2接続ピン33Bは、リードブロック本体31から第1方向D1に垂直な第2方向D2に突出する。第1導体接続部34Aは、電気ケーブル71の第1導体71Aに電気的に接続されるようにリードブロック本体31から露出する。第2導体接続部34Bは、電気ケーブル72の第2導体72Aに電気的に接続されるようにリードブロック本体31から露出する。
【0050】
第1導体接続部34Aと第2導体接続部34Bとは、第2方向D2に離間して配置される。第1導体接続部34Aは、第1本体部36Aと、第1接続部37Aと、第1切断面38Aと、第1突出部39Aと、第3突出部40Aと、を含む。第2導体接続部34Bは、第2本体部36Bと、第2接続部37Bと、第2切断面38Bと、第2突出部39Bと、第4突出部40Bと、を含む。
【0051】
第1本体部36Aは、第1露出面36APと第3露出面36AQとを含む。第2本体部36Bは、第2露出面36BPと第4露出面36BQを含む。第1露出面36APと第2露出面36BPと第3露出面36AQと第4露出面36BQとは、第1方向D1を向く。具体的には、第1露出面36APと第2露出面36BPと第3露出面36AQと第4露出面36BQとの夫々は、実質的に平面であって、その法線方向は実質的に第1方向D1である。なお、第3露出面36AQは、第1方向D1において第1露出面36APの裏側に設けられる。第4露出面36BQは、第1方向D1において第2露出面36BPの裏側に設けられる。
図3及び
図4に示されるように、第1露出面36APと第2露出面36BPは、第1方向D1から見た場合にリードブロック本体31から露出する。
【0052】
第1接続部37Aは、第1露出面36A上に設けられ電気ケーブル71の第1導体71Aに電気的に接続されるように構成される。なお、第1接続部37Aは、第3露出面36AQ上に設けられてもよい。第2接続部37Bは、第2露出面36B上に設けられ電気ケーブル72の第2導体72Aに電気的に接続されるように構成される。なお、第2接続部37Bは、第4露出面36BQ上に設けられてもよい。
【0053】
第1突出部39Aは、第1本体部36Aから第2導体接続部34Bに向けて第2方向D2に突出する。第2突出部39Bは、第2本体部36Bから第1導体接続部34Aに向けて第2方向D2に突出する。
図4を参照すると、第1突出部39Aは、第1方向D1且つ第2方向D2に垂直な第3方向D3において第1本体部36Aの幅W1よりも狭い幅W3を有する。第2突出部39Bは、第3方向D3において第2本体部36Bの幅W2よりも狭い幅W3を有する。第1突出部39Aは、第1切断面38Aを有する。第2突出部39Bは、第2切断面38Bを有する。第1切断面38Aは、第2導体接続部34Bの方を向く。より具体的には、第1切断面38Aは、第2方向D2において第2切断面38Bの方を向く。第2切断面38Bは、第1切断面38Aの方を向き第1切断面38Aと離間して配置される。
【0054】
第3突出部40Aは、第1本体部36Aから第3方向D3に突出する。第3突出部40Aの第2方向D2の長さL3は、第1本体部36Aの第2方向D2の長さL1よりも短い。第4突出部40Bは、第2本体部36Bから第3方向D3に突出する。第4突出部40Bの第2方向D2の長さL4は、第2本体部36Bの第2方向D2の長さL2よりも短い。第3突出部40Aと第4突出部はリードブロック本体31によって把持されるため、第1導体接続部34Aと第2導体接続部34Bとはしっかりとリードブロック本体31によって留められる。また、第3突出部40Aと第4突出部40Bとを打ち抜きの際のランナーに活用することができる。
【0055】
図6~
図8は、リードブロック本体31を除いた第1バスバー32Aと第2バスバー32Bを示す。
図6~
図8を参照すると、第1中間部35Aは、第1接続ピン33Aと第1導体接続部34Aとを連結する。第2中間部35Bは、第2接続ピン33Bと第2導体接続部34Bとを連結する。
図7を参照すると、第1バスバー32Aは、第1方向D1から見た場合に第2バスバー32Bと少なくとも部分的に重畳するように配置される。
図7では、重畳する部分がハッチングにて示されている。具体的には、第1接続ピン33Aは、第1方向D1から見た場合に第2接続ピン33Bと重畳する。第1中間部35Aは、第1方向D1から見た場合に第2本体部36Bと部分的に重畳する。
【0056】
図7を参照すると、第1中間部35Aは、第1方向D1および第2方向D2に垂直な第3方向D3に定義される第1幅WM1を有する。第1接続ピン33Aは、第3方向D3に定義される第1ピン幅WP1を有する。第1幅WM1は、第1ピン幅WP1よりも大きい。第2中間部35Bは、第1方向D1および第2方向D2に垂直な第3方向D3に定義される第2幅WM2を有する。第2接続ピン33Bは、第3方向D3に定義される第2ピン幅WP2を有する。第2幅WM2は、第2ピン幅WP2よりも大きい。
【0057】
さらに、
図6~
図8を参照すると、第1バスバー32Aは、第1導体接続部34Aに連結され第1導体接続部34Aから第1方向D1に向けて折り曲げられた折り曲げ部41を含む。折り曲げ部41は、第1導体接続部34Aと第1中間部35Aとの間に設けられる。折り曲げ部41は、第1導体接続部34Aに隣接した部分で略90度折り曲げられ、第1中間部35Aに隣接した部分で略90度折り曲げられる。
【0058】
図7を参照すると、第1導体接続部34Aは、第1導体接続部側面34ASを含む。第1導体接続部側面34ASは、第1露出面36APと第3露出面36AQとを連結する。第2導体接続部34Bは、第2導体接続部側面34BSを含む。第2導体接続部側面34BSは、第2露出面36BPと第4露出面36BQとを連結する。
【0059】
後述するように、第1切断面38Aは、リードブロック30の製造時において、連結部39の一部の切断片43(
図13参照)がバー折り曲げ体32から切断された際に形成された面である。第1導体接続部側面34ASは、例えば、プレス加工(例えば、剪断加工)により形成された面であるのに対して、第1切断面38Aは、第1導体接続部側面34ASとは異なる工程で形成された面である。第1切断面38Aは、例えば、第1導体接続部側面34ASと同様にプレス加工(例えば、剪断加工)により形成された面である。
【0060】
図9に示すように、第1導体接続部側面34ASは、剪断面34ACおよび破断面34ADを含む。破断面34ADは、第1方向D1において剪断面34ACに隣接する。剪断面34ACは、剪断加工の際にパンチとダイとにより材料が剪断されて形成される面であり、一方向(例えば、第1方向D1)に延びる複数の筋を含む。破断面34ADは、剪断加工の際にパンチとダイとにより材料の一部が剪断された後に破断して形成される面であり、細かな凹凸を含む。したがって、剪断面34ACの外観は、破断面34ADの外観と異なる。
【0061】
第1切断面38Aは、第1剪断面38ACおよび第1破断面38ADを含む。第1剪断面38ACは、第1方向D1において第1剪断面38ACに隣接する。第1剪断面38ACは、剪断加工の際にパンチとダイとにより材料が剪断されて形成される面であり、一方向(例えば、第1方向D1)に延びる複数の筋を含む。第1破断面38ADは、剪断加工の際にパンチとダイとにより材料の一部が剪断された後に破断して形成される面であり、細かな凹凸を含む。したがって、第1剪断面38ACの外観は、第1破断面38ADの外観と異なる。
【0062】
図9に示すように、第1方向D1における第1剪断面38ACの長さは、第1方向D1における剪断面34ACの長さと異なる。第1方向D1における第1破断面38ADの長さは、第1方向D1における破断面34ADの長さと異なる。したがって、第1切断面38Aの外観は、第1導体接続部側面34ASの外観と異なる。なお、第1切断面38Aは、連結部39がバー折り曲げ体32から切断された後に表面仕上げが施された面であってもよい。同様に、第1導体接続部側面34ASは、表面仕上げが施された面であってもよい。第1切断面38Aに表面仕上げが施された場合、第1剪断面38ACおよび第1破断面38ADは、少なくとも部分的に仕上げ面に置き換わる。第1導体接続部側面34ASに表面仕上げが施された場合、剪断面34ACおよび破断面34ADは、少なくとも部分的に仕上げ面に置き換わる。したがって、第1切断面38Aの外観が第1導体接続部側面34ASの外観と同じ場合もあり得る。
【0063】
同様に、第2切断面38Bは、リードブロック30の製造時において、連結部39の一部の切断片43(
図13参照、
図6~
図8では点線で図示)がバー折り曲げ体32から切断された際に形成された面である。第2導体接続部側面34BSは、例えば、プレス加工(例えば、剪断加工)により形成された面であるのに対して、第2切断面38Bは、第2導体接続部側面34BSとは異なる工程で形成された面である。第2切断面38Bは、例えば、第2導体接続部側面34BSと同様にプレス加工(例えば、剪断加工)により形成された面である。
【0064】
図10に示すように、第2導体接続部側面34BSは、剪断面34BCおよび破断面34BDを含む。破断面34BDは、第1方向D1において剪断面34BCに隣接する。剪断面34BCは、剪断加工の際にパンチとダイとにより材料が剪断されて形成される面であり、一方向(例えば、第1方向D1)に延びる複数の筋を含む。破断面34BDは、剪断加工の際にパンチとダイとにより材料の一部が剪断された後に破断して形成される面であり、細かな凹凸を含む。したがって、剪断面34BCの外観は、破断面34BDの外観と異なる。
【0065】
第2切断面38Bは、第2剪断面38BCおよび第2破断面38BDを含む。第2剪断面38BCは、第1方向D1において第2剪断面38BCに隣接する。第2剪断面38BCは、剪断加工の際にパンチとダイとにより材料が剪断されて形成される面であり、一方向(例えば、第1方向D1)に延びる複数の筋を含む。第2破断面38BDは、剪断加工の際にパンチとダイとにより材料の一部が剪断された後に破断して形成される面であり、細かな凹凸を含む。したがって、第2剪断面38BCの外観は、第2破断面38BDの外観と異なる。
【0066】
図10に示すように、第1方向D1における第2剪断面38BCの長さは、第1方向D1における剪断面34BCの長さと異なる。第1方向D1における第2破断面38BDの長さは、第1方向D1における破断面34BDの長さと異なる。したがって、第2切断面38Bの外観は、第2導体接続部側面34BSの外観と異なる。なお、第2切断面38Bは、連結部39がバー折り曲げ体32から切断された後に表面仕上げが施された面であってもよい。同様に、第2導体接続部側面34BSは、表面仕上げが施された面であってもよい。第2切断面38Bに表面仕上げが施された場合、第2剪断面38BCおよび第2破断面38BDは、少なくとも部分的に仕上げ面に置き換わる。第2導体接続部側面34BSに表面仕上げが施された場合、剪断面34BCおよび破断面34BDは、少なくとも部分的に仕上げ面に置き換わる。したがって、第2切断面38Bの外観が第2導体接続部側面34BSの外観と同じ場合もあり得る。
【0067】
図3~
図5を参照すると、リードブロック本体31は、第1方向D1を向く第1面31S1と、第1方向D1を向く第2面31S2と、を有する。第2面31S2は、第1方向D1において第1面31S1の裏側に設けられる。リードブロック本体31は、第1面31S1上に設けられる第1開口31H1を有する。具体的には、リードブロック本体31は、2つの第1開口31H1を有する。2つの第1開口31H1は、符号31H11と符号31H12とによって互いに区別して示されている。第1開口31H11と第1開口31H12とは、実質的に同じ形状を有している。リードブロック本体31は、第2面31S2上に設けられる第2開口31H2を有する。具体的には、リードブロック本体31は、2つの第2開口31H2を有する。2つの第2開口31H2は、符号31H21と符号31H22とによって互いに区別して示されている。第2開口31H21と第2開口31H22とは、実質的に同じ形状を有している。
【0068】
図3、
図4、及び
図11を参照すると、第1中間部35Aおよび第2中間部35Bの少なくとも1つは、第1方向D1から見た場合に少なくとも部分的に第1開口31H1から露出する。具体的には、第1中間部35Aおよび第2中間部35Bは、第1方向D1から見た場合に少なくとも部分的に第1開口31H1から露出する。さらに具体的には、第1中間部35Aおよび第2中間部35Bは、第1方向D1から見た場合に部分的に第1開口31H1から露出する。
図11を参照すると、第1開口から露出される第1中間部35Aは、第1方向D1から見た場合に少なくとも部分的に第2中間部35Bと重畳するように配置される。第1開口から露出される第1中間部35Aは、第1方向D1から見た場合に部分的に第2中間部35Bと重畳するように配置される。
【0069】
第1中間部35Aおよび第2中間部35Bの少なくとも1つは、第1方向D1から見た場合に少なくとも部分的に第2開口31H2から露出する。第1中間部35Aは、第1方向D1から見た場合に少なくとも部分的に第2開口31H2から露出する。具体的には、第1中間部35Aは、第1方向D1から見た場合に部分的に第2開口31H2から露出する。第2中間部35Bは、第1方向D1から見た場合に第2開口31H2から露出しない。
【0070】
図3~
図5を参照すると、リードブロック本体31は、第1方向D1から見た場合に第1切断面38Aと第2切断面38Bとの間に配置され第2切断面38Bに貫通する貫通孔THを有する。貫通孔THは、略O字形のリブ42によって定義される。
【0071】
リードブロック本体31は、第3開口31H3及び第4開口31H4を有する。
図3を参照すると、第3開口31H3と第4開口31H4とは、第1方向D1から見た場合にリブ42を挟み、第1方向D1にリードブロック本体31を貫通する。第3露出面36AQは、第1方向D1から見た場合に第3開口31H3から露出する。第4露出面36BQは、第1方向D1から見た場合に第4開口31H4から露出する。第1導体接続部34Aと第2導体接続部34Bに導体を溶接する際に、第3開口31H3と第4開口31H4とを介して放熱される。
【0072】
図12を参照しながら、リードブロック30の製造方法について説明する。
図12および
図13に示すように、リードブロック30の製造方法は、導電材料を含むから成り、互いに垂直な縦方向DLと横方向DWと厚さ方向DTとを有する平板100を用意する工程S1を含む。さらに、当該製造方法は、バー集合体110を、平板100から打ち抜く切断工程S2を含む。
【0073】
図13に示すように、バー集合体110は、第1接続ピン33Aと第1導体接続部34Aと第1中間部35Aと折り曲げ部41とを含む第1バスバー32Aと、第2接続ピン33Bと第2導体接続部34Bと第2中間部35Bとを含む第2バスバー32Bと、連結部39とを有する。第1接続ピン33Aは、縦方向DLに延びる。折り曲げ部41は、第1導体接続部34Aから横方向DWに延びる。第1中間部35Aは、折り曲げ部41から縦方向DLに延び、第1接続ピン33Aと連結する。第2接続ピン33Bは、縦方向DLに延びる。第2中間部35Bは、第2接続ピン33Bと第2導体接続部34Bとを連結し、縦方向DLに延びる。連結部39は、第1導体接続部34Aと第2導体接続部34Bとを連結し、第1導体接続部34Aの横方向DWの幅及び第2導体接続部34Bの横方向DWの幅よりも短い横方向DWの幅を有する。
【0074】
バー集合体110では、第1接続ピン33Aと第2接続ピン33Bとが横方向DWに並び、第1導体接続部34Aと連結部39と第2導体接続部34Bとが縦方向DLに並ぶように配置される。第1接続ピン33Aと第2接続ピン33Bとの横方向DWの距離、第1中間部35Aと第2中間部35Bとの横方向DWの距離、及び、折り曲げ部41と第2導体接続部34Bとの縦方向DLの距離は、いずれも、連結部39の縦方向DLとの距離以下となるように、バー集合体110が形成される。
【0075】
図6~
図8、及び、
図12に示されるように、リードブロック30の製造方法は、バー集合体110を、折り曲げ部41を厚さ方向DTに折り曲げてバー折り曲げ体32(
図6~
図8参照)を形成する折り曲げ工程S3を含む。
図7に示されるように、バー折り曲げ体32では、第1接続ピン33Aと第2接続ピン33Bとが並ぶ第1方向D1に見て、第1中間部35Aと、第2中間部35Bとがそれぞれの一部において重畳する。
【0076】
図12に示されるように、リードブロック30の製造方法は、バー折り曲げ体32をリードブロック本体31内にインサート成形により埋め込むモールド工程S4を含む。モールド工程S4は、連結部39の少なくとも一部と、第1中間部35Aの第2中間部35Bと第1方向D1において重畳する第1重畳部分(
図7においてハッチングされた部分)と、当該第1重畳部分と隣接する第1中間部35Aの第1非重畳部分(
図7において第1中間部35Aによってハッチングされない部分)と、第2中間部35Bの一部とを外部に露出させる鋳型にバー折り曲げ体32を入れる工程S41を含む。つまり、モールド工程S4は、連結部39の少なくとも一部を外部に露出させる鋳型に前記バー折り曲げ体32を入れる工程S41を含む。
【0077】
図12及び
図14に示されるように、モールド工程S4は、第2中間部35Bの一部と、第1非重畳部分35A1を第1押さえ45によって固定する工程S42を含む。モールド工程S4は、モールド工程S4は、第1重畳部分35A2と、第1非重畳部分35A1を第2押さえ46によって固定する工程S43を含む。第1押さえ45は、成形後に第1開口31H1が形成される領域を占める。第2押さえ46は、成形後に第2開口31H2が形成される領域を占める。第1バスバー32Aは折り曲げられるため、配置や姿勢調整が大きく必要な一方、第2バスバー32Bは折り曲げられないため、配置や姿勢調整がそれほど必要ない。このため、第1中間部35Aを第1押さえ45と第2押さえ46とによって挟み込むことで第1バスバー32Aのアラインメントが調整される一方で、第2中間部35Bが第1押さえ45によって支持することで、モールド成形の樹脂量を減らして、リードブロック30をコンパクトにすることができる。
【0078】
図12に示されるように、モールド工程S4は、鋳型に電気絶縁材料を含む樹脂を流し込み工程S44と、鋳型と第1押さえ45と第2押さえ46を除くことによってリードブロック本体31を成型する工程S45とを含む。
【0079】
図12に示すように、リードブロック30の製造方法は、連結部39を切断して第1バスバー32Aと第2バスバー32Bとを電気的に絶縁させる工程S5を含む。より、具体的には、工程S5では、連結部39の切断片43(
図13参照)が切断され、残りの連結部39によって、第1突出部39Aと第2突出部39Bとが形成される。
このようにして、リードブロック30が製造される。
【0080】
以上に説明したように、リードブロック30は、リードブロック本体31、第1バスバー32A、及び、第2バスバー32Bを備える。リードブロック本体31は、電気絶縁材料を含む。第1バスバー32A及び第2バスバー32Bは、部分的にリードブロック本体31内に設けられ導電材料を含む。第1バスバー32Aは、リードブロック本体31から露出し外部電気ケーブルEXTのコネクタCNTと電気的に接続可能な第1接続ピン33Aと、電気ケーブル71の第1導体71Aに電気的に接続されるようにリードブロック本体から露出する第1導体接続部34Aと、第1接続ピン33Aと第1導体接続部34Aとを接続する第1中間部35Aとを含む。第2バスバー32Bは、リードブロック本体31から露出し外部電気ケーブルEXTのコネクタCNTと電気的に接続可能な第2接続ピン33Bと、電気ケーブル72の第2導体72Aに電気的に接続されるようにリードブロック本体31から露出する第2導体接続部34Bと、第2接続ピン33Bと第2導体接続部34Bとを接続する第2中間部35Bとを含む。第1接続ピン33Aと第2接続ピン33Bとは、第1方向D1に並ぶ。第1導体接続部34Aは、第1方向D1を向く第1露出面34APと、第1露出面34AP上に設けられ電気ケーブル71の第1導体71Aに電気的に接続されるように構成される第1接続部37Aと、を含む。第2導体接続部34Bは、第1方向D1を向く第2露出面34BPと、第2露出面34BP上に設けられ電気ケーブル72の第2導体72Aが電気的に接続されるように構成される第2接続部37Bと、を含む。リードブロック本体31は、第1開口31H1を有する。第1中間部35Aおよび第2中間部35Bの少なくとも1つは、第1方向D1から見た場合に少なくとも部分的に第1開口31H1から露出する。
【0081】
リードブロック30では、リードブロック本体31を成形の際に、第1開口31H1に第1中間部35Aと第2中間部35Bとのうちの少なくとも1つを固定する治具を取り付けることができるので、アラインメントの精度を向上させることができる。
【0082】
リードブロック30の製造方法は、導電材料から成り、互いに垂直な縦方向DLと横方向DWと厚さ方向DTとを有する平板100を用意することを含む。当該製造方法は、縦方向DLに延び、外部電気ケーブルEXTのコネクタCNTと電気的に接続可能な第1接続ピン33Aと、電気ケーブル71の第1導体71Aに電気的に接続する第1導体接続部34Aと、第1導体接続部34Aから横方向DWに延びる折り曲げ部41と、折り曲げ部41から縦方向DLに延び、第1接続ピン33Aと連結する第1中間部35Aとを含む第1バスバー32Aと、縦方向DLに延び、外部電気ケーブルEXTのコネクタCNTと電気的に接続可能な第2接続ピン33Bと、電気ケーブル72の第2導体72Aに電気的に接続する第2導体接続部34Bと、第2接続ピン33Bと第2導体接続部34Bとを連結し、縦方向DLに延びる第2中間部35Bとを含む第2バスバー32Bと、第1導体接続部34Aと第2導体接続部34Bとを連結し、第1導体接続部34Aの横方向DWの幅及び第2導体接続部34Bの横方向DWの幅よりも短い横方向DWの幅を有する連結部39とを有し、第1接続ピン33Aと第2接続ピン33Bとが横方向DWに並び、第1導体接続部34Aと連結部39と第2導体接続部34Bとが縦方向DLに並ぶように配置されたバー集合体110を、平板100から打ち抜くことを含む。当該製造方法は、バー集合体110を、折り曲げ部41を厚さ方向DTに折り曲げて、第1接続ピン33Aと第2接続ピン33Bとが並ぶ第1方向D1に見て、第1中間部35Aと第2中間部35Bとがそれぞれの一部において重畳するように形成されたバー折り曲げ体32を形成することを含む。当該製造方法は、連結部39の少なくとも一部と、第1中間部35Aの第2中間部35Bと第1方向D1において重畳する第1重畳部分35A2と、第1重畳部分35A2と隣接する第1中間部35Aの第1非重畳部分35A1と、第2中間部35Bの一部とを外部に露出させる鋳型にバー折り曲げ体32を入れることを含む。当該製造方法は、第2中間部の一部と、第1非重畳部分35A1を第1押さえ45によって固定することを含む。当該製造方法は、第1重畳部分35A2と第1非重畳部分35A1とを第1方向D1における第1押さえ45の反対側において第2押さえ46によって固定することを含む。当該製造方法は、鋳型に電気絶縁材料を含む樹脂を流し込み、鋳型と第1押さえ45と第2押さえ46を除くことによってリードブロック本体31を成型することを含む。当該製造方法は、連結部39を切断して、第1バスバー32Aと第2バスバー32Bとを電気的に絶縁させることを含む。
【0083】
リードブロックの製造方法では、リードブロック本体31の成型時に2つの押さえ45、46によって第1バスバー32Aと第2バスバー32Bとを固定し、成形後に取り外すため、リードブロック本体31を成形しやすく、第1バスバー32Aと第2バスバー32Bとのアラインメントを精度よく行うことができる。
【0084】
なお、本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0085】
本願において、「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在していることを暗に意味しているわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在していることを暗に意味しているわけではない。
【0086】
また、本開示における「平行」、「直交」、および「一致」の表現は、厳密に解釈されるべきではなく、「実質的に平行」、「実質的に直交」、および「実質的に一致」の意味をそれぞれ含む。また、その他の配置に関する表現も、厳密に解釈されるものではない。
【0087】
また、本開示における「AおよびBのうち少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、および(3)AおよびBの両方、のいずれも包含している。「A、BおよびCのうち少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、(3)Cのみ、(4)AおよびB、(5)BおよびC、(6)AおよびC、(7)A、BおよびCの全て、のいずれも包含している。本開示では、「AおよびBのうち少なくとも1つ」という表現は、「Aのうち少なくとも1つおよびBのうち少なくとも1つ」とは解釈されない。
【0088】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。
【符号の説明】
【0089】
2 :回転コネクタ装置
10 :ステータ
20 :ロテータ
30 :リードブロック
31 :リードブロック本体
31H1 :第1開口
31H2 :第2開口
31S1 :第1面
31S2 :第2面
32 :バー折り曲げ体
32A :第1バスバー
32B :第2バスバー
33A :第1接続ピン
33B :第2接続ピン
34A :第1導体接続部
34B :第2導体接続部
34BP :第2露出面
35A :第1中間部
35A1 :第1非重畳部分
35A2 :第1重畳部分
35B :第2中間部
36AP :第1露出面
36BP :第2露出面
37A :第1接続部
37B :第2接続部
39 :連結部
41 :折り曲げ部
45 :第1押さえ
46 :第2押さえ
71 :電気ケーブル
71A :第1導体
72 :電気ケーブル
72A :第2導体
100 :平板
110 :バー集合体
A1 :回転軸線
CNT :コネクタ
D1 :第1方向
D2 :第2方向
D3 :第3方向
DL :縦方向
DT :厚さ方向
DW :横方向
EXT :外部電気ケーブル
WM1 :第1幅
WM2 :第2幅
WP1 :第1ピン幅
WP2 :第2ピン幅