IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大陽日酸株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-半導体材料ガス生成装置 図1
  • 特開-半導体材料ガス生成装置 図2
  • 特開-半導体材料ガス生成装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131228
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】半導体材料ガス生成装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/448 20060101AFI20240920BHJP
   C30B 25/14 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/365 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C23C16/448
C30B25/14
H01L21/205
H01L21/365
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041358
(22)【出願日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕大
(72)【発明者】
【氏名】内藤 一樹
【テーマコード(参考)】
4G077
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4G077AA03
4G077BB10
4G077BE15
4G077BE46
4G077DB05
4G077EG21
4G077HA06
4G077TA04
4G077TB04
4G077TH01
4G077TH06
4K030AA03
4K030AA13
4K030AA14
4K030BA08
4K030BA35
4K030BA38
4K030BA42
4K030EA01
4K030LA14
5F045AA03
5F045AB09
5F045AB10
5F045AB14
5F045AB40
5F045AC00
5F045AC03
5F045BB08
5F045EB05
5F045EB10
5F045EE02
5F045EE04
(57)【要約】
【課題】稼働状態のままで装置内での第2原料などのガスの漏洩を抑制しつつ第1原料を補給できる半導体材料ガス生成装置を提供する。
【解決手段】液体状態の第1原料を貯留できる所定の貯留部と、前記所定の貯留部に貯留された液体状態の前記第1原料にガス状態の第2原料を供給して接触させ、その結果、半導体材料ガスを生成するガス流路と、前記半導体材料ガスを生成できる配置状態の前記所定の貯留部に前記第1原料を導入する導入路とを有し、前記導入路は、前記所定の貯留部に貯留される前記第1原料の最大液面高さ以下の領域に含まれる下流端を有する、半導体材料ガス生成装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体状態の第1原料を貯留できる所定の貯留部と、
前記所定の貯留部に貯留された液体状態の前記第1原料にガス状態の第2原料を供給して接触させ、その結果、半導体材料ガスを生成するガス流路と、
前記半導体材料ガスを生成できる配置状態の前記所定の貯留部に前記第1原料を導入する導入路とを有し、
前記導入路は、前記所定の貯留部に貯留される前記第1原料の最大液面高さ以下の領域に含まれる下流端を有する、半導体材料ガス生成装置。
【請求項2】
前記導入路から導入される液体状態の前記第1原料を第1最大液面高さまで貯留できる前記所定の貯留部としての第1貯留部と、液体状態の前記第1原料を前記第1最大液面高さよりも低い第2最大液面高さまで貯留できる第2貯留部と、前記第1貯留部から前記第2貯留部まで前記第1原料を流すオーバーフロー流路とを有し、
前記ガス流路は、前記第1貯留部に貯留された液体状態の前記第1原料と前記第2貯留部に貯留された液体状態の前記第1原料とにガス状態の第2原料を供給して接触させ、その結果、半導体材料ガスを生成し、
前記導入路の前記下流端は、前記第1最大液面高さ以下の領域に含まれ、
前記オーバーフロー流路は、前記第1最大液面高さを定める上流端を有する、請求項1に記載の半導体材料ガス生成装置。
【請求項3】
前記オーバーフロー流路は、前記第2最大液面高さ以下の領域に含まれる下流端を有する、請求項2に記載の半導体材料ガス生成装置。
【請求項4】
前記導入路と前記ガス流路とは互いに隔離される、請求項1に記載の半導体材料ガス生成装置。
【請求項5】
前記所定の貯留部、前記ガス流路及び前記導入路を囲繞する密封容器を有し、
前記導入路と前記密封容器内の密封空間とは互いに隔離される、請求項1に記載の半導体材料ガス生成装置。
【請求項6】
前記ガス流路は、前記所定の貯留部に貯留された液体状態の前記第1原料にガス状態の前記第2原料を供給して接触させ、その結果、第1生成ガスを生成する第1ガス流路部分と、前記第1生成ガスにガス状態の前記第2原料を供給して合流させ、その結果、第2生成ガスとして前記半導体材料ガスを生成する第2ガス流路部分とを有する、請求項1に記載の半導体材料ガス生成装置。
【請求項7】
前記第1原料を封入して前記導入路に供給する第1原料供給部を有する、請求項1に記載の半導体材料ガス生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体材料ガス生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ガリウム(Ga)等のワイドバンドギャップ半導体は次世代パワーデバイス材料として注目されている。また、ヒ化ガリウム(GaAs)系半導体はケイ素(Si)よりも高性能な太陽電池の材料として注目されている。
【0003】
これらの半導体結晶を成膜する方法の一つとして、ハライド又はハイドライド気相成長法(Halide or Hydride Vapor Phase Epitaxy: HVPE法)が知られている。この方法は、金属ハロゲン化物と、アンモニア等のV族原料、または酸素等のVI族原料を反応させることで半導体結晶を成膜する方法である。成長速度が速く、高純度膜が生成可能であることからHVPE法を用いた半導体成膜の研究が盛んに行われている。
【0004】
HVPE法の原料である金属塩化物を生成する装置として、液体状態の第1原料を貯留できる貯留部と、貯留部に貯留された液体状態の第1原料にガス状態の第2原料を供給して接触させ、その結果、半導体材料ガスを生成するガス流路とを有する半導体材料ガス生成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-121876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような半導体材料ガス生成装置では、貯留部に貯留された液体状態の第1原料(半導体材料ガスとして三塩化ガリウムGaClを生成する場合は、ガリウムGa)が消費されるのに伴って第1原料を補給する必要がある。装置内での第2原料などのガスの漏洩を抑制しつつ第1原料を補給するためには、例えば、装置の稼働を停止し、装置内から貯留部を取り出して貯留部に第1原料を補給し、装置内に戻してから装置の稼働を再開する必要があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、稼働状態のままで装置内での第2原料などのガスの漏洩を抑制しつつ第1原料を補給できる半導体材料ガス生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0009】
[1]
液体状態の第1原料を貯留できる所定の貯留部と、
前記所定の貯留部に貯留された液体状態の前記第1原料にガス状態の第2原料を供給して接触させ、その結果、半導体材料ガスを生成するガス流路と、
前記半導体材料ガスを生成できる配置状態の前記所定の貯留部に前記第1原料を導入する導入路とを有し、
前記導入路は、前記所定の貯留部に貯留される前記第1原料の最大液面高さ以下の領域に含まれる下流端を有する、半導体材料ガス生成装置。
【0010】
[2]
前記導入路から導入される液体状態の前記第1原料を第1最大液面高さまで貯留できる前記所定の貯留部としての第1貯留部と、液体状態の前記第1原料を前記第1最大液面高さよりも低い第2最大液面高さまで貯留できる第2貯留部と、前記第1貯留部から前記第2貯留部まで前記第1原料を流すオーバーフロー流路とを有し、
前記ガス流路は、前記第1貯留部に貯留された液体状態の前記第1原料と前記第2貯留部に貯留された液体状態の前記第1原料とにガス状態の第2原料を供給して接触させ、その結果、半導体材料ガスを生成し、
前記導入路の前記下流端は、前記第1最大液面高さ以下の領域に含まれ、
前記オーバーフロー流路は、前記第1最大液面高さを定める上流端を有する、[1]に記載の半導体材料ガス生成装置。
【0011】
[3]
前記オーバーフロー流路は、前記第2最大液面高さ以下の領域に含まれる下流端を有する、[2]に記載の半導体材料ガス生成装置。
【0012】
[4]
前記導入路と前記ガス流路とは互いに隔離される、[1]~[3]の何れか1項に記載の半導体材料ガス生成装置。
【0013】
[5]
前記所定の貯留部、前記ガス流路及び前記導入路を囲繞する密封容器を有し、
前記導入路と前記密封容器内の密封空間とは互いに隔離される、[1]~[4]の何れか1項に記載の半導体材料ガス生成装置。
【0014】
[6]
前記ガス流路は、前記所定の貯留部に貯留された液体状態の前記第1原料にガス状態の前記第2原料を供給して接触させ、その結果、第1生成ガスを生成する第1ガス流路部分と、前記第1生成ガスにガス状態の前記第2原料を供給して合流させ、その結果、第2生成ガスとして前記半導体材料ガスを生成する第2ガス流路部分とを有する、[1]~[5]の何れか1項に記載の半導体材料ガス生成装置。
【0015】
[7]
前記半導体材料ガスは、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ガリウム(Ga)及びヒ化ガリウム(GaAs)からなる群から選択される半導体の成膜に使用される金属塩化物である、[1]~[6]の何れか1項に記載の半導体材料ガス生成装置。
【0016】
[8]
前記第1原料を封入して前記導入路に供給する第1原料供給部を有する、[1]~[7]の何れか1項に記載の半導体材料ガス生成装置。
【0017】
[9]
前記第1原料供給部は、前記第1原料を封入して前記導入路に供給する供給容器と、前記供給容器内の圧力を検出する圧力検出部と、前記圧力検出部の検出結果に応じて前記供給容器にガスを導入するガス導入部と、を有する、[8]に記載の半導体材料ガス生成装置。
【0018】
[10]
前記第1原料供給部は、前記第1原料供給部に封入された前記第1原料を液体状態に維持できる温度まで加熱できる加熱部を有する、[8]又は[9]に記載の半導体材料ガス生成装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、稼働状態のままで装置内での第2原料などのガスの漏洩を抑制しつつ第1原料を補給できる半導体材料ガス生成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態の半導体材料ガス生成装置の一断面を示す断面図である。
図2図1に示す半導体材料ガス生成装置の他の断面を示す断面図である。
図3図2に示す半導体材料ガス生成装置の変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0022】
図1図2に示すように、本発明の一実施形態において半導体材料ガス生成装置1は、液体状態の第1原料Lを貯留できる所定の貯留部2と、上記所定の貯留部2に貯留された液体状態の第1原料Lにガス状態の第2原料G1を供給して接触させ、その結果、半導体材料ガスG3を生成するガス流路3と、半導体材料ガスG3を生成できる配置状態の上記所定の貯留部2に第1原料Lを導入する導入路4とを有し、導入路4は、上記所定の貯留部2に貯留される第1原料Lの最大液面高さM以下の領域に含まれる下流端4aを有する。
【0023】
上記構成によれば、半導体材料ガスG3を生成できる配置状態の上記所定の貯留部2に、第1原料Lの液面高さが最大液面高さMになるまで導入路4を通して第1原料Lを導入することができる。またそのような導入により、導入路4の下流端4aの全体を第1原料Lの液面下に位置させることができるので、第2原料G1などのガスが導入路4の下流端4aを通って導入路4から装置内で漏洩することを抑制できる。したがって上記構成によれば、稼働状態のままで装置内での第2原料G1などのガスの漏洩を抑制しつつ第1原料Lを補給できる半導体材料ガス生成装置1を実現できる。
【0024】
半導体材料ガス生成装置1は、導入路4から導入される液体状態の第1原料Lを第1最大液面高さM1まで貯留できる上記所定の貯留部2としての第1貯留部2aと、液体状態の第1原料Lを第1最大液面高さM1よりも低い第2最大液面高さM2まで貯留できる第2貯留部2bと、第1貯留部2aから第2貯留部2bまで第1原料Lを流すオーバーフロー流路5とを有し、ガス流路3は、第1貯留部2aに貯留された液体状態の第1原料Lと第2貯留部2bに貯留された液体状態の第1原料Lとにガス状態の第2原料G1を供給して接触させ、その結果、半導体材料ガスG3を生成し、導入路4の下流端4aは、第1最大液面高さM1以下の領域に含まれ、オーバーフロー流路5は、第1最大液面高さM1を定める上流端5bを有する。上記構成によれば、第1貯留部2aと第2貯留部2bとを利用して半導体材料ガスG3を効率的に生成できる。また、導入路4を通して第1原料Lを第1貯留部2aに導入し、オーバーフロー流路5を介して第1貯留部2aから第2貯留部2bに第1原料Lを導入できる。
【0025】
オーバーフロー流路5は、第2最大液面高さM2以下の領域に含まれる下流端5aを有する。上記構成によれば、オーバーフロー流路5の下流端5aの全体を第2貯留部2bに貯留された第1原料Lの液面下に位置させることができるので、第2原料G1などのガスがオーバーフロー流路5の下流端5aを通ってオーバーフロー流路5から装置内で漏洩することを抑制できる。
【0026】
導入路4とガス流路3とは互いに隔離される。上記構成によれば、第2原料G1などのガスが導入路4を通して装置内で漏洩することを抑制できる。
【0027】
半導体材料ガス生成装置1は、上記所定の貯留部2、ガス流路3及び導入路4を囲繞する密封容器6を有し、導入路4と密封容器6内の密封空間6aとは互いに隔離される。上記構成によれば、上記所定の貯留部2に貯留された第1原料Lの液面高さが密封容器6内の密封空間6aの圧力変動によって変動することを抑制できる。
【0028】
半導体材料ガス生成装置1は、第1貯留部2a、第2貯留部2b、ガス流路3及び導入路4を囲繞する密封容器6を有し、導入路4と密封容器6内の密封空間6aとは互いに隔離される。上記構成によれば、第1貯留部2aに貯留された第1原料Lの液面高さと第2貯留部2bに貯留された第1原料Lの液面高さとが密封容器6内の密封空間6aの圧力変動によって変動することを抑制できる。
【0029】
ガス流路3は、上記所定の貯留部2に貯留された液体状態の第1原料Lにガス状態の第2原料G1を供給して接触させ、その結果、第1生成ガスG2を生成する第1ガス流路部分3aと、第1生成ガスG2にガス状態の第2原料G1を供給して合流させ、その結果、第2生成ガスとして半導体材料ガスG3を生成する第2ガス流路部分3bとを有する。上記構成によれば、三塩化ガリウム(GaCl)などの特定の半導体材料ガスG3を効率的に生成できる。
【0030】
ガス流路3は、第1貯留部2aに貯留された液体状態の第1原料Lと第2貯留部2bに貯留された液体状態の第1原料Lとにガス状態の第2原料G1を供給して接触させ、その結果、第1生成ガスG2を生成する第1ガス流路部分3aと、第1生成ガスG2にガス状態の第2原料G1を供給して合流させ、その結果、第2生成ガスとして半導体材料ガスG3を生成する第2ガス流路部分3bとを有する。上記構成によれば、三塩化ガリウム(GaCl)などの特定の半導体材料ガスG3を効率的に生成できる。半導体材料ガスG3が三塩化ガリウム(GaCl)である場合、第2原料G1は塩素(Cl)であり、第1生成ガスG2は一塩化ガリウム(GaCl)である。
【0031】
半導体材料ガスG3は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ガリウム(Ga)及びヒ化ガリウム(GaAs)からなる群から選択される半導体の成膜に使用される金属塩化物である。上記構成によれば、上記群から選択される半導体の成膜を有利に実現できる。
【0032】
第1貯留部2aと第2貯留部2bとは鉛直方向に積層配置され、導入路4は、密封容器6の上蓋6bを通って鉛直方向に伸びる。上記構成によれば、設置面積を抑制した半導体材料ガス生成装置1を簡単な構造で形成できる。
【0033】
半導体材料ガス生成装置1は、導入路4の少なくとも一部を形成する所定のパイプ7と、上記所定のパイプ7と上蓋6bとの間の隙間を塞ぐ環状のシール部材8とを有する。上記構成によれば、簡単な構造で導入路4と密封容器6内の密封空間6aとを互いに隔離できる。
【0034】
半導体材料ガス生成装置1は、上記所定の貯留部2に貯留された第1原料Lを液体状態に維持できる温度まで上記所定の貯留部2を加熱する貯留部加熱部9を有する。上記構成によれば、上記所定の貯留部2に貯留された第1原料Lを液体状態に容易に維持できる。
【0035】
貯留部加熱部9は、第1貯留部2aと第2貯留部2bとにそれぞれ貯留された第1原料Lを液体状態に維持できる温度まで第1貯留部2a及び第2貯留部2bを加熱する。上記構成によれば、第1貯留部2aと第2貯留部2bとにそれぞれ貯留された第1原料Lを液体状態に容易に維持できる。
【0036】
貯留部加熱部9は、密封容器6の外部から密封容器6を加熱する。上記構成によれば、貯留部加熱部9を簡単な構造で形成できる。
【0037】
密封容器6は、上蓋6bと、底蓋6cと、上蓋6bと底蓋6cとを連ねる外周壁6dとを有し、貯留部加熱部9は、密封容器6の外周壁6dを外部から加熱し、半導体材料ガス生成装置1は、第1貯留部2aと第2貯留部2bとが鉛直方向に積層されて形成される貯留部積層部10と、貯留部積層部10と上蓋6bとの間に配置される上側断熱材11と、貯留部積層部10に載置されて上側断熱材11を支持する上側台座部12とを有し、導入路4は、上側断熱材11と上側台座部12とを通して伸びる。上記構成によれば、設置面積を抑制した半導体材料ガス生成装置1を簡単な構造で形成できる。また、上側断熱材11と上側台座部12により、貯留部積層部10の効率的な加熱を可能にできる。
【0038】
半導体材料ガス生成装置1は、貯留部積層部10と底蓋6cとの間に配置される下側断熱材13と、底蓋6cに載置されて下側断熱材13と貯留部積層部10とを支持する下側台座部14を有する。上記構成によれば、下側断熱材13と下側台座部14により、貯留部積層部10の効率的な加熱を可能にできる。
【0039】
ガス流路3は、底蓋6c、下側台座部14、下側断熱材13及び貯留部積層部10を通して伸びる。上記構成によれば、簡単な構造でガス流路3を形成できる。
【0040】
半導体材料ガス生成装置1は、導入路4の上流端4bを開閉できる蓋体15を有する。上記構成によれば、第1原料Lを導入路4に導入する必要がない時は蓋体15によって導入路4の上流端4bを閉じることで、装置の外部から大気が侵入することを抑制できる。
【0041】
図3に示すように、半導体材料ガス生成装置1は、第1原料Lを封入して導入路4に供給する第1原料供給部16を有する構成としてもよい。上記構成によれば、上記所定の貯留部2に導入路4から第1原料Lを導入する際に装置の外部から大気が侵入することを抑制できる。
【0042】
第1原料供給部16は、第1原料Lを封入して導入路4に供給する供給容器16aと、供給容器16a内の圧力を検出する圧力検出部16bと、圧力検出部16bの検出結果に応じて供給容器16aにガスを導入するガス導入部16cと、を有する。上記構成によれば、供給容器16aから導入路4に第1原料Lを導入するのに適した圧力となるように供給容器16a内の圧力をガス導入部16cと圧力検出部16bとによって調節できる。ガス導入部16cは例えば、図示のように、ガス導入路16c1と、ガス導入路16c1を開閉できるガス導入路開閉部16c2と、ガス導入路16c1のガス流量を調整する流量調整部16c3とによって形成できる。
【0043】
ガス導入部16cを設ける代わりに、供給容器16aの内部と密封容器6内の密封空間6aとを連通させる連通路を設ける構成としてもよい。上記構成によれば、供給容器16aの内部の圧力を上記所定の貯留部2の内部の圧力に連通路を通して近づけることができるので、簡単な構造で第1原料供給部16を形成できる。
【0044】
第1原料供給部16は、第1原料供給部16に封入された第1原料Lを液体状態に維持できる温度まで加熱できる加熱部16dを有する。上記構成によれば、第1原料供給部16に第1原料Lを固体状態で投入することが可能となり、作業性を向上できる。
【0045】
第1原料供給部16は、供給容器16aと導入路4との間の流路を開閉できる開閉部16eを有する。上記構成によれば、開閉部16eの開閉動作によって導入路4に対する第1原料Lの導入開始及び導入停止を制御できる。開閉部16eは例えば、図示のような玉弁などの弁によって形成できる。
【0046】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0047】
例えば、半導体材料ガス生成装置1は、前述した実施形態では第1貯留部2aと第2貯留部2bとからなる2段の貯留部を有するが、これに限らず例えば、3段以上の貯留部2を有する構成としてもよい。すなわち、n段の貯留部2を有し(ただし、nは3以上の自然数)、2~n段目のそれぞれの貯留部2が1つ手前の貯留部2にオーバーフロー流路5によって連なる構成としてもよい。また、1段の貯留部2を有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 半導体材料ガス生成装置
2 貯留部
2a 第1貯留部
2b 第2貯留部
3 ガス流路
3a 第1ガス流路部分
3b 第2ガス流路部分
4 導入路
4a 下流端
4b 上流端
5 オーバーフロー流路
5a 下流端
5b 上流端
6 密封容器
6a 密封空間
6b 上蓋
6c 底蓋
6d 外周壁
7 パイプ
8 シール部材
9 貯留部加熱部
10 貯留部積層部
11 上側断熱材
12 上側台座部
13 下側断熱材
14 下側台座部
15 蓋体
16 第1原料供給部
16a 供給容器
16b 圧力検出部
16c ガス導入部
16c1 ガス導入路
16c2 ガス導入路開閉部
16c3 流量調整部
16d 加熱部
16e 開閉部
G1 第2原料
G2 第1生成ガス
G3 半導体材料ガス
L 第1原料
M 最大液面高さ
M1 第1最大液面高さ
M2 第2最大液面高さ
図1
図2
図3