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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131336
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】交通誘導補助システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/07 20060101AFI20240920BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20240920BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240920BHJP
【FI】
G08G1/07 P
F21L4/00 416
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041540
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和樹
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 博紀
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181GG04
5H181GG09
5H181GG18
5H181HH14
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】移動体の通行を誘導する作業を行う誘導員の作業負担を軽減することのできる交通誘導補助システムを提供する。
【解決手段】車両3および歩行者4を誘導する誘導員5の作業を補助する交通誘導補助システム10であって、誘導員5の指示内容を受信する受信部30と、受信部30によって受信した誘導員5の指示内容を識別する識別部40と、識別部40において識別した誘導員5の指示内容を報知する報知部50と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を誘導する誘導員の作業を補助する交通誘導補助システムであって、
誘導員の指示内容を受信する受信部と、
前記受信部によって受信した誘導員の指示内容を識別する識別部と、
前記識別部において識別した誘導員の指示内容を報知する報知部と、を備えた
交通誘導補助システム。
【請求項2】
指示内容を入力する入力部を有し、前記入力部に入力された指示内容に関する信号を送信する送信部を備え、
前記受信部は、前記送信部から送信された指示内容に関する信号を受信する
請求項1に記載の交通誘導補助システム。
【請求項3】
前記入力部は、誘導員が使用する誘導棒に設けられている
請求項2に記載の交通誘導補助システム。
【請求項4】
前記報知部は、光を放出することによって指示内容を報知する発光器具、または、音によって指示内容を報知するスピーカを有している
請求項1に記載の交通誘導補助システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の通行を誘導する作業を行う誘導員の作業を補助する交通誘導補助システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大型の施設の駐車場や道路工事現場等において、車両や歩行者等の移動体を安全に通行させるために、誘導員が誘導灯を用いて移動体を誘導する作業を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-235999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
誘導員は、例えば横断歩道等、車両の通行と歩行者の通行が交錯する場所において、車両および歩行者の安全を確保するために、車両および歩行者の一方の通行を停止させる指示を出すとともに、他方の通行を促す指示を出すことによって、車両および歩行者のそれぞれを誘導している。このため、誘導員は、車両および歩行者を誘導する作業の際に、車両および歩行者のそれぞれの通行する状況を正確に把握し、安全に誘導する必要があり、作業負担が大きくなるおそれがある。
【0005】
本発明の目的とするところは、移動体の通行を誘導する作業を行う誘導員の作業負担を軽減することのできる交通誘導補助システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る交通誘導補助システムは、移動体を誘導する誘導員の作業を補助する交通誘導補助システムであって、誘導員の指示内容を受信する受信部と、前記受信部によって受信した誘導員の指示内容を識別する識別部と、前記識別部において識別した誘導員の指示内容を報知する報知部と、を備えている。
【0007】
また、本発明に係る交通誘導補助システムは、指示内容を入力する入力部を有し、前記入力部に入力された指示内容に関する信号を送信する送信部を備え、前記受信部が、前記送信部から送信された指示内容に関する信号を受信する、ことが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る交通誘導補助システムは、前記入力部が、誘導員が使用する誘導棒に設けられている、ことが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る交通誘導補助システムは、前記報知部が、光を放出することによって指示内容を報知する発光器具、または、音によって指示内容を報知するスピーカを有している、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、誘導員の動作に加えて、報知部によって移動体としての車両および歩行者の少なくとも一方に対して誘導の指示を補助的に出すことが可能となるので、誘導員の作業負担の軽減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る交通誘導補助システムを説明する概略図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る交通誘導補助システムの制御系を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る交通誘導補助システムを構成する誘導棒の側面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る歩行者誘導処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至図4は、本発明の一実施形態を示すものである。図1は交通誘導補助システムを説明する概略図であり、図2は交通誘導補助システムの制御系を示すブロック図であり、図3は交通誘導補助システムを構成する誘導棒の側面図であり、図4は歩行者誘導処理のフローチャートである。
【0013】
本実施形態の交通誘導補助システム10は、図1に示すように、例えば、ショッピングセンター等の大型の施設における車道1に設けられた横断歩道2において、移動体としての車両3および歩行者4の通行を誘導する誘導員5の作業を補助するためのものである。
【0014】
交通誘導補助システム10は、図2に示すように、誘導員5の指示内容に関する信号を送信する送信部20と、送信部20から送信された誘導員5の指示内容に関する信号を受信する受信部30と、受信部30によって受信した誘導員5の指示内容に関する信号を識別する識別部40と、識別部40において識別した誘導員5の指示内容を報知する報知部50と、を備えている。
【0015】
送信部20は、例えば、電波を用いて無線で誘導員5の指示内容に関する信号を送信するものである。送信部20は、図3に示すように、誘導員5が誘導の作業を行う際に使用する誘導棒6に設けられている。誘導棒6は、例えば、50cm程度の棒状の部材であり、一端側に誘導員5が手で把持するグリップ6aが設けられ、グリップ6aを除く他の部分に例えば赤色または緑色に発光する発光部6bが設けられている。また、誘導棒6の発光部6bのグリップ6a側には、例えば、誘導員5が指で操作可能な押しボタンスイッチからなり、横断歩道2の周囲の歩行者4に対して横断歩道2への進入の停止の指示を入力する入力部としての歩行者停止スイッチ20aが設けられている。
【0016】
受信部30は、送信部20から送信される信号を含む電波を受信するアンテナを有する構成である。
【0017】
識別部40は、電子計算機等からなり、受信部30において受信した誘導員5の指示内容に関する信号に基づいて、報知すべき指示内容を識別し、報知すべき指示内容に対応する信号を報知部50に送信する。
【0018】
報知部50は、横断歩道2を利用する歩行者4に対して誘導員5の指示内容を報知するものであり、横断歩道2の両側の歩道の路面に設置された発光器具51と、横断歩道2の近傍に設置され、音によって指示内容を報知するスピーカ52と、を有している。発光器具51は、横断歩道2の幅方向に沿って延在し、歩道の路面と面一となるように設置されている。発光器具51は、発光ダイオードからなる発光体を有し、電力を供給することによって赤色または緑色に発光する。なお、発光ダイオードの発光色は、赤色または緑色に限定されない。
【0019】
以上のように構成された交通誘導補助システム10において、誘導員5は、横断歩道2において、車道1を通行する車両3および横断歩道2を通行する歩行者4のそれぞれに対して、誘導棒6を使用して横断歩道2への進入の許可または停止の指示を出す。
【0020】
また、誘導員5は、歩行者4に対して横断歩道2への進入の停止の指示を出す際に、誘導棒6に設置されている送信部20の歩行者停止スイッチ20aを操作する。
【0021】
このとき、識別部40は、送信部20から送信された信号に基づいて、報知部50によって歩行者4に対して報知する歩行者誘導処理を行う。このときの識別部40の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。
【0022】
(ステップS1)
ステップS1において識別部40は、送信部20の歩行者停止スイッチ20aが操作されたか否かを判定し、歩行者停止スイッチ20aが操作されたと判定した場合(YES)にはステップS2に処理を移し、歩行者停止スイッチ20aが操作されたと判定しなかった場合(NO)にはステップS3に処理を移す。
【0023】
(ステップS2)
ステップS1において歩行者停止スイッチ20aが操作されたと判定した場合に、ステップS2において識別部40は、報知部50の発光器具51を赤色で点滅させるとともに、スピーカ52によって「しばらくお待ちください」の音声を出力し、歩行者誘導処理を終了する。
【0024】
(ステップS3)
ステップS1において歩行者停止スイッチ20aが操作されたと判定しなかった場合に、ステップS3において識別部40は、報知部50の発光器具51を緑色で点滅させるとともに、スピーカ52によって「お通りください」の音声を出力し、歩行者誘導処理を終了する。
【0025】
このように、本実施形態の交通誘導補助システムによれば、車両3および歩行者4を誘導する誘導員5の作業を補助する交通誘導補助システム10であって、誘導員5の指示内容を受信する受信部30と、受信部30によって受信した誘導員5の指示内容を識別する識別部40と、識別部40において識別した誘導員5の指示内容を報知する報知部50と、を備えている。
【0026】
これにより、誘導員5の動作に加えて、報知部50によって歩行者4に対して誘導の指示を補助的に出すことが可能となるので、誘導員5の作業負担の軽減を図ることが可能となる。
【0027】
また、指示内容を入力する歩行者停止スイッチ20aを有し、歩行者停止スイッチ20aに入力された指示内容に関する信号を送信する送信部20を備え、受信部30は、送信部20から送信された指示内容に関する信号を受信する、ことが好ましい。
【0028】
これにより、誘導員5の誘導に関する指示内容を報知部50によって確実に報知することが可能となる。
【0029】
また、歩行者停止スイッチ20aは、誘導員5が使用する誘導棒6に設けられている、ことが好ましい。
【0030】
これにより、誘導員5が歩行者停止スイッチを有する送信部を有する専用の機器を別途所持する必要がなく、誘導に関する指示内容を送信することが可能となり、誘導員5の作業負担の増加を抑制することが可能となる。
【0031】
また、報知部50は、光を放出することによって指示内容を報知する発光器具51、または、音によって指示内容を報知するスピーカ52を有している、ことが好ましい。
【0032】
これにより、横断歩道2を横断する歩行者4が直感的に誘導に関する指示内容を把握することが可能となる。
【0033】
尚、前記実施形態では、報知部50によって歩行者4に対して誘導の指示内容を報知するものを示したが、これに限られるものではなく、車両3に対して誘導の指示内容を報知したり、車両3および歩行者4の両方に誘導の指示内容を報知したりしてもよい。
【0034】
また、前記実施形態では、報知部50として、発光器具51およびスピーカ52を示したが、これに限られるものではなく、車両の搭乗者および歩行者に対して誘導に関する指示内容を認識させることが可能であれば、例えば、交差点の近傍に液晶パネル等の表示部を設置し、表示部に誘導に関する指示内容を表示してもよいし、歩行者の所持している携帯端末を振動させたり、路面を振動させたりすることによって歩行者に対して誘導の指示内容を認識させるようにしてもよい。
【0035】
また、前記実施形態では、誘導員5の歩行者停止スイッチ20aの操作によって誘導の指示内容に関する信号を送信し、送信した誘導の指示内容に関する信号を受信部30によって受信するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、誘導員の腕にポテンショメータやエンコーダ等のセンサを取り付け、センサによって検出された誘導員の誘導の指示を出す動作に関する信号を受信部において受信してもよい。また、カメラによって検出された誘導員の誘導の指示を出す動作に関する信号を受信部において受信してもよい。さらに、レーダによって検出された誘導員の誘導の指示を出す動作に関する信号を受信部において受信してもよい。
【符号の説明】
【0036】
3 車両
4 歩行者
5 誘導員
6 誘導棒
10 交通誘導補助システム
20 送信部
20a 歩行者停止スイッチ(入力部)
30 受信部
40 識別部
50 報知部
51 発光器具
52 スピーカ
図1
図2
図3
図4